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18話補完小説

「卑怯だぞ、貴様ああ!!」

マスキュリンは叫んだ。

「なんだよ、しらねーのか?」

恋次が、嘲笑する。

「悪党ってのは、所詮卑怯なモンなんだぜ」

恋次は蛇尾丸でマスキュリンの胴体を切った。血しぶきが舞う。

「ふん!」

マスキュリンは、その傷口を自らふさいだ。

「死なぬ~死なぬ~スターが悪党にやられて、死ぬわけにはいかぬ~~そう思わんか、ジェイムズ!」

「はぁ~い」

恋次が切り捨てたはずのジェームズという子供のような存在は、再生してマスキュリンを応援した。

「がんばれスーパースター、がんばれスーパースター!」

「スターパワーアップ完了!」

マスキュリンの筋肉が膨れ上がり、着ていた衣服が破れる。

「なんでパワーアップすると、マスクの模様まで変わってんだよ」

恋次は突っ込みを入れていた。

ムキムキマッスルになっただけでもきもいのに、乳首には二プレスが余計にきもかった。パンツ一丁とマスクだけの姿になったマスキュリンは、単純にきもかった。

「きもいな、お前」

「うるさいわ!吾輩はスーパースターなのだ!」

「きもい」

「ムキーーー」

マスキュリンは構える。

「食らうがよいこれが真の力を手にした吾輩の必殺、スターラリアット!」

「ぐ・・」

恋次が吹き飛ばされる。

「ふはははははは!スーパースターの力の前に、貴様はもはや壁に手をつくことも地に足をつくこともまかりなりん!貴様は永久に空中を吹き飛び続け、そいて神の威光をまといしスーパースターの前に、地に戻ることなく塵となって死ぬのだ!」

マスキュリンは空中で止まった。

恋次は次々に繰り出される拳に吹き飛んでいく。

「さらばだ悪党よ!スーターフラッシュ、スーパーノヴァ!!」

光が爆発する。

煙が視界を遮る。

大地に現れたのは、異形の影。

「巨大な蛇の頭骨・・・・卍解というやつか?死に際に、必死の思いで発動させか、哀れな・・・・」

シュウウウと、蛇がうなる。

ジャキっと、刃物の音がする。

「なんだ、何が起きてる!?卍解とは、姿を変えるものなのか!?」

「卍解、双王蛇尾丸」



かつて、その名は違った。

狒々王蛇尾丸だった。

「うーむ、言いにくいが恋次よ、その名は嘘じゃな」

「はぁ!?嘘、どういうことだよそりゃあ!」

「その名しか教えおらんということは、蛇尾丸はおんしの事をまだ半分しか認めておらんということじゃ」

「嘘だろ。こんだけ長いこと一緒に戦ってきて・・・・・」

「そんなわけで、わしがこれから本当の名を教える!」

「うそだろ。なんでこの流れであんたが教えるんだよ」

「わしが霊王様からいただいた名前はまなこ和尚という。「真の名を呼ぶ」とかいて真名呼和尚。斬魄刀という名は、わしがつけた。始解も卍解も、わしが名付けた。尸魂界にあるあらゆる事象を、わしが名付けた」

恋次は、ごくりと喉を鳴らした。

「恋次よ。その蛇尾丸の本当の名を、おんしに教える。おんしはその名を呼べるよう、おんしの力を蛇尾丸に認めさろ。今、ここで!」

真名呼和尚から教えられた名。

「卍解、双王蛇尾丸」

「危険だな、悪党。その卍解は危険だ。このスターの最大の必殺技を防ぐとは!いよいよ貴様を生かしておけぬ!くたばれ!」

恋次向かって突進してくるマスキュリンに、恋次が吼える。

「狒々王!」

左肩にあった狒々の左手が伸びて、マスキュリンを掴んだ。

「なんだこんなもの!」

けれど、狒々王の手はマスキュリンの左腕を折っていた。

「くそったれがあああ!!!スターの左腕をへし折りやはがって!絶対に許さんぞ、三下がぁ!
正義とか悪とかもう関係ねぇ、ぶち殺す!!」

マスキュリンは切れた。

「オロチ王・・・・・双王蛇尾丸、蛇牙鉄砲!!」

恋次は、マスキュリンの体に新しい必殺技を浴びせた。

マスキュリンは、あまりの威力に灰となり、ボロボロと崩れていく。

「燃えつきたか・・・本望だろ、スーパースター」

恋次は、卍解を解いた。

そして、歩き出す。

ルキアと、一戦ごとに必ず身を潜ませろと言われている。

先手を打たれるなと強く言われたせいで、瓦礫に身を隠しながら移動した。



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「六車隊長と、鳳橋隊長が重症です!」

ルキアは、二人を抱えて4番隊の隊舎があった場所で、地面に転がされて回道を受けている負傷者の中に、二人の隊長を運び込んだ。

「そこに並ばせて!」

勇音の言葉に、二人の隊長をそっと横たえる。

「回道なら、私にも少しできます。お手伝いします!」

4番隊の隊員ほどではないが、少しなら回道が使えた。

ルキアは、隊長二人の傷を見ながら、回道をかける。

「変わります」

勇音がかわってくれたおかげで、六車も鳳橋も助かりそうだった。

ルキアは、他に負傷してい一般隊士に回道をかけ、ふと霊圧に気づいて口を開く。

「恋次・・・卍解したのか。敵の霊圧が消えている・・・やったのだな」

私も、そろそろ行動を開始せねば。

なんのために鍛えたのか、分からなくなる前に。

敵を、倒さなければ。

ルキアは後を4番隊に頼んで瞬歩で走り出した。


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「ここは、どこだ・・・・俺は、誰だ・・・・・」

一護は、ただ暗い道にほのかに光る向こう側に向かって、歩き続けていた。

「俺は・・・黒崎一護。死神代行・・・・・」

ザザザっと、脳内にノイズの画面が映る。

歩まねば。

止まってはいけない。

歩き続けなければ。

霊王。

その名を、ふと耳にしたように感じた。

王の力を注ぐ器たりえるのか。

一護もまた、ためされているのだ。




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