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31話補完小説

「滑稽だな。霊圧で一気に押し潰せば済むものを」

「バカな・・・貴様は藍染」

ルキアは、信じられないものを見る表情で藍染を見つめた。

「久しぶりた朽木ルキア。ひとまず副隊長昇格おめでとう。我々との戦いで功績が認められて何よりだ」

「貴様・・・無間に捕らわれたはずの貴様が何故ここにいる!」

ルキアはかみつくように声を出した。

「戒めを解かれたからさ」

「バカな、一体誰に」

「ボクさ」

「京楽隊長!!」

皆、信じられない様子で京楽を見る。

「何故だと聞くだろうから、先に言うけど、彼の力が必要だと判断したからだ」

「な、しかし!」

「何言ってるんですか、京楽隊長!」

ルキアと恋次が吼える。

「それでいいんですか!」

檜佐木も吠えた。

「こんな野郎の力を借りるなんて納得いかねぇ」

一角は吐き捨てた。

「同意見です。彼のしたことを思えば、到底承服できない」

弓親は、一角に同意した。

「君らがしているのは面子の話かい。それじゃあ護廷の話をしよう。面子じゃ世界を守れない。
悪を倒すのに悪を利用する。ボクは悪だと思わないね」

「議論は終わったようだな。それでは、両手の戒めをはずして、私を椅子から解放してくれるかい」

藍染の要求を、京楽は断る。

「言っただろう。君に使うことを許された鍵は3本。口、左目、右足。それ以外の封印を解くことは許されていない」

「買い被りすぎだな。今の私にそんな力はない」

「君が座ったまま、むざむざとこの目玉の化け物どもに自分の殻を齧られるのを黙って見ているとは思えないって話さ」

「全く・・・やりにくい男だ」

「光栄だね」

京楽は、すぐに危険を察知した。藍染の霊圧がたかくなっていく。

「逃げろ!研究室にさがれ!」

「破道の90、黒棺」

無詠唱の黒棺は、すさまじい威力を発揮した。

「わかっているのか京楽。藍染を解き放った兄の行いは、我々への侮辱だ」

白哉が冷たく言う。

「分かってるさ。あとでいくらでもぶん殴ってくれ。瀞霊廷を護れたらさ」



「霊王宮に用があるなら、私が撃ち落としてやろう」

「霊王宮を打ち落とす!?」

「まさか、そんなことが本当に!」

「無理だよ。自分出言ってただろう。その拘束具は霊圧を消すんじゃなくて、近くにトドメておくしかできない」

藍染の放った一撃は、霊王宮には届かなかった。

「ただその戒めておく力は、とてつもなく強い」

そこに涅が登場し、いかに拘束具が優れているかを話した。




「黒崎君、大丈夫!?」

一護が気づくと、井上が顔を寄せてきた。

「こんちゃんがクッションになってくれて、一命をとりとめたの」

「石田・・・・・」

「ねぇ、ほんとに石田くんだったの?」

「間違いねぇ。あれは石田だ」

石田にやられた傷は、井上が治してくれた。チャド、がんじゅ、夜一の傷も治し、井上がふらつく。

「大丈夫かよ!」

「うん、平気」

「では、反撃というこうかの」

夜一の言葉に、皆頷く。

「石田・・・・絶対、元に引きずり戻してやる」

「少し急ぐぞ」

「急ぐたってあれだろ。まずはあそこにもう1回どうやってのぼるかだろ」

霊王宮ははるか高みにあった。

「俺にもっと力があれば・・・・・」

ユーハバッハを屠ることができるくらいの力があれば。

「こっちからもかなり距離があるぜ」

「その点は心配ない」

夜一がそう言うと、世界が軋む音をたてた。

「この空間の開き方は・・・・」

虚圏と尸魂界が繋がる空間ができる。

そこから出てきたのは、グリムジョーだった。

「お前、グリムジョー!」

突然のグリムジョーとの邂逅は、一護を混乱させるのであった。

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