簀巻き
「浮竹ーもうしないから許してぇぇぇぇ」
ブラーン。
布団で簀巻きにされた京楽が、ベランダに干されてあった。
つーんと、浮竹は無視する。
「浮竹、ほんとにごめん、僕が悪かった。もうしないからほんとに許してぇぇぇ」
ミノムシのようにな状態で干されている京楽は、動ける範囲でくねくねしていた。
「次、破ったら、俺はこの部屋を出ていく」
きっぱりそう言って、浮竹は京楽を下ろした。でも、簀巻きのままだった。
「できれば、この布団の簀巻きもなんとかしてくれると嬉しいなぁ」
「だめだ。罰にならないだろう。しばらくそうしていろ」
「飯とかトイレは!」
「飯もトイレも我慢しろ」
「そんな殺生な」
まぁ、本気で我慢させるつもりは浮竹にもなかったのだが。
ことの始まりは、休日の朝の湯あみ。
朝からいい匂いをさせていた浮竹に、京楽が飛びついた。
ハグをして、何度もキスをしていたら、浮竹はとろんとした目で京楽を見ていた。
「もう少しだけ・・・・・ね?」
服の上から、背骨をなぞってくる。
「んっ」
それから、服の裾から手をいれて、膝を膝で割ってきた。
「・・・・・・いい加減に、しろ!」
鳩尾を蹴られて、京楽は蹲った。
「ぐほ・・・・・きいた・・・・・」
それから、股間を蹴り上げた。
「ぬおおおおおおおおお」
苦しむ京楽に、怒った浮竹はベッドの上の布団をもってきて、京楽を簀巻きにして縛りあげて、
ベランダに干すように吊るした。
そして今に至る。
キスとハグ以上はしない。
それが、二人の暗黙のルール。
破れば制裁が待っているし、本気で破って抱いてくるようなら、寮の部屋から出ていくつもりだった。
探せば、空き部屋くらいあるだろう。なければ頼みこんで誰かと部屋を交換してもらえばいい。
元々、相部屋の相手は違う人物だった。京楽がコネを使って、浮竹と同じ部屋で生活しだした。
最初は毎日のように好きだといってくるくらいだったが、いつの間にかキスとハグをするようになっていた。
そして、それでもそれ以は京楽に与えないので、飢えた京楽は変態行為に手を出し始めた。
浮竹グッズを作ったり、浮竹の隠し撮りの写真を集めたり、パンツをかぶったりスーハースーハーしたり・・・・・少しずつ、酷くなっているような気がするが、浮竹が部屋を出て行けば、多分京楽は移動した部屋の相部屋相手を金を掴ませてでも出て行かせて、また同じ部屋での生活をするようになるだろう。
「はぁ・・・・・」
もっとまともな相手に好かれたかった。
できれば女性がよかった。
がたいのいい、190センチもある京楽は見栄えはいい。2回生の終わり頃まで女遊びが激しくて、よく廓にいっていた。
浮竹も、何度か連れられて廓にいったことがあるが、いい思い出はなかった。
浮竹が好きだといいだしたのが、2回生の終わりごろ。
3回生になる頃には、あれだけ激しかった女遊びをやめて、付き合っていた女生徒を振った。というか、振られた。
浮竹ばかりを見ていると。
京楽が浮竹に告白したということはすぐに学年中に知れ渡って、それを浮竹が断ったということも知れ渡った。
最初は差別があるのではと、思っていたが杞憂だった。
浮竹の周囲には、そんな友人はいない。言い出す人間がいると、みんなで庇ってくれる。
今では、浮竹と京楽は付き合っていると言われる始末だ。
付き合ってはいないのだが、もうキスとかハグは付き合っていないとしないと知って、ショックを受けたこともあった。
浮竹は恋愛ごとには奥手だ。
それをいいことに、京楽は浮竹を手に入れようとした。
でも、友人たちの厚い壁に阻まれて、京楽は浮竹に最後までできなかった。
それでよかったのだと思う。
好きだという確信がないまま、抱かれて京楽のものになるよりは。
「本当に反省しているな?」
「してます」
京楽を簀巻きにしていた縄と布団をとってやる。
「次やったら、部屋を出て行ってもお前はついてくるだろうから、お前についているものをもぐからな」
あひん。
京楽は、その言葉だけで精神に550のダメージを受けた。
「ひいいい、それは勘弁してえええ」
「お前が余計な手出しをしてこなければしない」
浮竹は溜息をつく。
「食堂に昼飯を食いに行こう」
「あ、うん」
休日ではあるが、食堂は休日でも空いている。院生の、寮に暮らす学生が食べる場所が他にないからだ。
浮竹の跡を、尻尾を振るようについてくる京楽は、さしずめ駄犬というところか。
何度教えても、芸を覚えこまないような、駄犬である。
「今日の昼は焼肉定食だよ」
「うわ・・・・・食いたくない」
「そんなことを言うと思って、サラダとか買ってきておいたから。今年初のメロンが手に入ったから冷やしてもらっておいたんだ」
厨房から、サラダとカットしたメロンを受けとって、浮竹の前におく。
この時期のメロンは高い。
「いくらしたんだ」
「安かったよ。27万」
「それは安いとは言わない・・・・・・」
でも、もう買われてカットまでされてあるので、食べなければもったいない。
まずサラダを完食してから、メロンを食べた。
甘い味が口中に広がる。
にこにこにここ。
焼肉定食(大盛)を食べながら、京楽は浮竹がメロンを食べいる姿をみるだけでも幸せそうだった。
「ほら、口あけろ」
「あーん」
口の中に、やや乱暴に、スプーンでとった果肉を入れてやる。
「んーよく冷えてるし、安かったわりにはいい味だね」
「どこが安いんだ」
「あれ、教えてなかったっけ。去年君に食べさせた初メロンは130万だよ」
聞かなかったことにしよう。
そう思う浮竹であった。
ブラーン。
布団で簀巻きにされた京楽が、ベランダに干されてあった。
つーんと、浮竹は無視する。
「浮竹、ほんとにごめん、僕が悪かった。もうしないからほんとに許してぇぇぇ」
ミノムシのようにな状態で干されている京楽は、動ける範囲でくねくねしていた。
「次、破ったら、俺はこの部屋を出ていく」
きっぱりそう言って、浮竹は京楽を下ろした。でも、簀巻きのままだった。
「できれば、この布団の簀巻きもなんとかしてくれると嬉しいなぁ」
「だめだ。罰にならないだろう。しばらくそうしていろ」
「飯とかトイレは!」
「飯もトイレも我慢しろ」
「そんな殺生な」
まぁ、本気で我慢させるつもりは浮竹にもなかったのだが。
ことの始まりは、休日の朝の湯あみ。
朝からいい匂いをさせていた浮竹に、京楽が飛びついた。
ハグをして、何度もキスをしていたら、浮竹はとろんとした目で京楽を見ていた。
「もう少しだけ・・・・・ね?」
服の上から、背骨をなぞってくる。
「んっ」
それから、服の裾から手をいれて、膝を膝で割ってきた。
「・・・・・・いい加減に、しろ!」
鳩尾を蹴られて、京楽は蹲った。
「ぐほ・・・・・きいた・・・・・」
それから、股間を蹴り上げた。
「ぬおおおおおおおおお」
苦しむ京楽に、怒った浮竹はベッドの上の布団をもってきて、京楽を簀巻きにして縛りあげて、
ベランダに干すように吊るした。
そして今に至る。
キスとハグ以上はしない。
それが、二人の暗黙のルール。
破れば制裁が待っているし、本気で破って抱いてくるようなら、寮の部屋から出ていくつもりだった。
探せば、空き部屋くらいあるだろう。なければ頼みこんで誰かと部屋を交換してもらえばいい。
元々、相部屋の相手は違う人物だった。京楽がコネを使って、浮竹と同じ部屋で生活しだした。
最初は毎日のように好きだといってくるくらいだったが、いつの間にかキスとハグをするようになっていた。
そして、それでもそれ以は京楽に与えないので、飢えた京楽は変態行為に手を出し始めた。
浮竹グッズを作ったり、浮竹の隠し撮りの写真を集めたり、パンツをかぶったりスーハースーハーしたり・・・・・少しずつ、酷くなっているような気がするが、浮竹が部屋を出て行けば、多分京楽は移動した部屋の相部屋相手を金を掴ませてでも出て行かせて、また同じ部屋での生活をするようになるだろう。
「はぁ・・・・・」
もっとまともな相手に好かれたかった。
できれば女性がよかった。
がたいのいい、190センチもある京楽は見栄えはいい。2回生の終わり頃まで女遊びが激しくて、よく廓にいっていた。
浮竹も、何度か連れられて廓にいったことがあるが、いい思い出はなかった。
浮竹が好きだといいだしたのが、2回生の終わりごろ。
3回生になる頃には、あれだけ激しかった女遊びをやめて、付き合っていた女生徒を振った。というか、振られた。
浮竹ばかりを見ていると。
京楽が浮竹に告白したということはすぐに学年中に知れ渡って、それを浮竹が断ったということも知れ渡った。
最初は差別があるのではと、思っていたが杞憂だった。
浮竹の周囲には、そんな友人はいない。言い出す人間がいると、みんなで庇ってくれる。
今では、浮竹と京楽は付き合っていると言われる始末だ。
付き合ってはいないのだが、もうキスとかハグは付き合っていないとしないと知って、ショックを受けたこともあった。
浮竹は恋愛ごとには奥手だ。
それをいいことに、京楽は浮竹を手に入れようとした。
でも、友人たちの厚い壁に阻まれて、京楽は浮竹に最後までできなかった。
それでよかったのだと思う。
好きだという確信がないまま、抱かれて京楽のものになるよりは。
「本当に反省しているな?」
「してます」
京楽を簀巻きにしていた縄と布団をとってやる。
「次やったら、部屋を出て行ってもお前はついてくるだろうから、お前についているものをもぐからな」
あひん。
京楽は、その言葉だけで精神に550のダメージを受けた。
「ひいいい、それは勘弁してえええ」
「お前が余計な手出しをしてこなければしない」
浮竹は溜息をつく。
「食堂に昼飯を食いに行こう」
「あ、うん」
休日ではあるが、食堂は休日でも空いている。院生の、寮に暮らす学生が食べる場所が他にないからだ。
浮竹の跡を、尻尾を振るようについてくる京楽は、さしずめ駄犬というところか。
何度教えても、芸を覚えこまないような、駄犬である。
「今日の昼は焼肉定食だよ」
「うわ・・・・・食いたくない」
「そんなことを言うと思って、サラダとか買ってきておいたから。今年初のメロンが手に入ったから冷やしてもらっておいたんだ」
厨房から、サラダとカットしたメロンを受けとって、浮竹の前におく。
この時期のメロンは高い。
「いくらしたんだ」
「安かったよ。27万」
「それは安いとは言わない・・・・・・」
でも、もう買われてカットまでされてあるので、食べなければもったいない。
まずサラダを完食してから、メロンを食べた。
甘い味が口中に広がる。
にこにこにここ。
焼肉定食(大盛)を食べながら、京楽は浮竹がメロンを食べいる姿をみるだけでも幸せそうだった。
「ほら、口あけろ」
「あーん」
口の中に、やや乱暴に、スプーンでとった果肉を入れてやる。
「んーよく冷えてるし、安かったわりにはいい味だね」
「どこが安いんだ」
「あれ、教えてなかったっけ。去年君に食べさせた初メロンは130万だよ」
聞かなかったことにしよう。
そう思う浮竹であった。
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