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小説掲載プログ
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結婚記念日

白哉が、二人のために建てた朽木家の中の新築の館に、朽木一護となった一護と、ルキアは住んでいた。

食事をする時は、本宅でする。

それ以外の時は、二人きりで過ごせるようにとの配慮で、新築の館で過ごしていた、

ただ、ずっと側仕えとしてきたちよは、相変わらずルキアの世話をやいていた。ちよは、夕方には本宅に移動し、与えられた部屋で一日を終える


「一護、今日は何の日か知っておるか!」

「んー。分かんねぇ!」

「たわけがああああ!!」

回し蹴りを食らって、一護は怒った。

「いきなり何しやがる!」

「貴様、本当に今日がなんの日なのか分からぬのか?」

「んー。俺とルキアの誕生日でもねぇ・・・・うーん、あ、そうだ。俺とルキアの、もしかして尸魂界での結婚記念日とか?」

「当たりだ!愛しているぞ一護!貴様のことだから、忘れているものだとばかり思っていた。ちゃんと覚えててくれたのだな!」

ルキアが、一護に飛びついて抱き着いた。

「んー。式を挙げたのが3月1日で、籍はもう入ってて、現世でも結婚式が6月1日だったな」

「私と一護は、2回も結婚式を挙げておるからな。少しややこしいかもしれぬが、結婚式は3月1日の最初のものが記念日となるそうだ。と、兄様がおっしゃっていた」

「あー、こんなものしか用意してないけど・・・・・」

いつか、結婚してあげようと思っていた、現世のうさぎの大きなぬいぐるみを、一護は現世からもってきた荷物を漁って出してきた。

「おお、なんと愛らしい!嬉しいぞ、一護!」

ルキアの喜びそうなものを、何とか用意できていてよかったと思う一護だった。ソウルチケットを持っている一護は、いつでも現世に戻れる。

義骸に入って、現世に戻って家族と何度もあった。友人である井上、石田、茶虎とも何度か会った。

尸魂界は、遠いが、死神という地位の枠に縛られていない一護は、わりと頻繁に現世に通っていた。

井上と石田が結婚するらしいと聞いて、その結婚式にルキアと出ることも決まっていた。

「私からのプレゼントはだな、これだ」

ルキアの絵が描かれた、謎の紙だった。たたたたたとかいてあって、何かの動物がかかれてあった。

「このできそこないと、たが多いこの感覚・・・・・昔にもあったな。この崩れた生物はたぬきで、言葉からたを抜けと・・・・・何々、チャッピーの着ぐるみ・・・めっちゃいらねぇ」

「なんだと!限定100組しかないのだぞ!」

「いやなんだ、お前俺にこれ着てほしいのか?」

顔のとこだけ、露出するようになっていた。

「そうだ。何かおかしいか?」

「いやまぁいいよ。着るから貸せ」

チャッピーの着ぐるみは、ちょっと窮屈だった。

「おい、ルキアと一護いるか・・・・・ってなんだそのかっこ!ぎゃはははははは」

恋次がやってきて、一護の情けない恰好を見て笑い出した。

「うっせえな、恋次何しに来やがった」

「いや、京楽総隊長からの手紙預かったから・・・・・・うぷぷぷぷ」

「笑うな!帰れ!」

「そうだぞ、これは一護のための特別なプレゼントなのだ。恋次の誕生日にも同じものを用意してある。無論着てくれるであろうな、恋次?」

攻撃の矛先が恋次に向いて、一護は調子に乗る。

「愛しい愛しい、ルキアからの頼み事は断れねぇよなぁ、恋次」

「くそ、卑怯だぞ一護!」

「お前もチャッピー着ぐるみの犠牲者になれ」

「なんなら、誕生日プレゼントを前倒しで渡しておこう。これが恋次の分のチャッピーの着ぐるみだ」

着ぐるみを渡されて、キラキラした瞳で見つめられて、恋次も仕方なくチャッピーの義ぐるみをきた。

「ぎゃはははははは!」

「うっせーー笑うな」

「なぁ、俺らのかっこちょっとシュールじゃねぇか?」

「シュールだな」

恋次が、一護の言葉に答える。

「二人ともそのままで。写メをとるぞ」

一護と恋次は、着ぐるみをきた姿をとられ、それは知り合いの死神に送られて、みんなその写真を見て吹き出した。

「なぁ、一護」

「なんだよ」

「ルキアのこと、大事にしてくれてありがとな」

「なんだよ、気色わりーな」

「いや、お前と結ばれてからのルキアは、暗い顔することなくなったからな。昔は、お前と付き合ってた頃は、いつか死別してしまうって相談されたことあっからさ」

「まぁ、ただ付き合って頃は、俺もいつか別れることになるんじゃないかって悩んだことはある」

「まぁ、俺帰るわ。着ぐるみは脱いで持って帰る」

「俺も脱ぐか・・・・・・」

「なんだ、恋次もう帰ってしまうのか?」

「結婚記念日の二人の邪魔をするほど、野暮じゃねーよ」

「ふむ」

一護は、ルキアを抱き寄せた。

「あ、一護・・・・・・」

キスをして、抱き締める。

「好きだぜ、ルキア」

「私もだ、一護」

そのまま、その夜は体を重ねた。

「ルキア、なんで起こしてくれねーんだよ!」

「たわけ、私も先ほど起きたところだ!」

大分長くなったルキアの髪を、ちよがすいてくれた。

結い上げて、いつの日だったか、ルキアにプレゼントしたアメジストの髪飾りをつける。

「今日は、隊首会があるのだ!遅刻するわけにはいかぬ!飯を食べる暇もない」

「なんか、昨日京楽さんからもらった手紙に、今後俺も隊首会に参加するようにって書いてあったから、行き先は同じか」

「そうなのか?むう、兄様はもう出てしまった後のようだ」

霊圧を探るが、屋敷の中に白哉の霊圧はなかった。

「俺らも急ぐぞ」

「ああ、ゆくぞ」

瞬歩で、一番隊執務室までいく。

急いだが、結局数分の遅刻だった。

「ルキア、一護、今度からはもっと早くに来るように」

白哉に念をおされてしまった。

「さて、隊首会をはじめるとするよー」

京楽が、笠を被り直す。

内容は緊急なことではなかった。ただ、空座町で新種の虚が発見されて、それが駆逐されたということだけが、気にかかったが、一護が隊首会に参加するのは、隊長格以上の実力があり、今後尸魂界で活躍が期待されるために、呼び出されただけだった。

「今日は俺、学院が創立記念日で休みなんだよ」

「おお、奇遇だな。私も、今日は非番なのだ」

二人で、尸魂界でデートした。甘味屋に入ると、ルキアは白玉餡蜜を二人分食べてしまった。

「むう、少し食べすぎたか・・・夕餉を食べれそうにないな」

「ルキアは、もう少し肉をつけたほうが抱き心地がいい」

ルキアは真っ赤になって、一護の頭をはたいた。

「このような場所で、そのようなことを口にするな」

「いいじゃねーか別に。そんなにエロいこと言ってねーだろ」

一護が手を伸ばしてくる。

抱き締められて、ルキアは甘い吐息を吐いた。

「たわけが・・・・・・・」

結婚して、4年が過ぎようとしていた。

ルキアの体内で、新しい命が宿っていることを、二人はまだ知らなかった。



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