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ルキアの涙、一護の決意1

ルキア=流魂街の民。元死神。4大貴族当主暗殺未遂の罪で、遊女となる。
黒崎一護=4大貴族黒崎家の当主。ルキアに想いを寄せている。13番隊副隊長。
阿散井恋次=ルキアの幼馴染。ルキアに想いを寄せている。6番隊副隊長。
朽木白哉=朽木家の当主。妻であった緋真をなくし、ルキアと出会い養子にするか悩んでいる。

花街パロディ。設定が許せる方だけ、お読みください。

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黒崎一護は、あの有名な4大貴族黒崎家の若き当主だった。現世を守るため、13番隊副隊長として、働いている。

かの悪名高き藍染を倒したのは、一護だった。

欠番がでたら、直に隊長になるべき器であろう。

そんな一護は、現世で一時期過ごしていた。身分を隠し、黒崎一族は人間界で生活していた。その莫大な金を隠し、双子の妹たちも人間として生きていた。

死神になれるのは、黒崎一護と先代当主であった黒崎一心。

まだ幼い妹たちは、死神ではなかった。

藍染を倒したことで、現世から尸魂界に戻ることが決まって、一護はルキアに声をかけた。

「今までありがとな。むこうでも、よろしくな」

ルキアは、13番隊の席官であった。貧しい流魂街の出身ではあるが、口調や容姿にどこか気品のある少女だった。

「たわけ!むこうについても、貴様と同じ隊ではないか!」

「それもそうだな」

「おいおい俺を忘れるなよ」

恋次が、ルキアの肩を抱いた。

「なぁ、ルキア。俺とお前の仲だもんな」

「何を言っておる恋次!ただの流魂街での幼馴染ではないか!」

ルキアは、恋次をはたいた。

3人仲良くやってきた。

恋次も一護も、ルキアのことが好きだった。お互いライバルであるが、どちらかが想いを告げることもなく、時間は過ぎて行った。

そんなある日。

4大貴族である四楓院家の当主暗殺未遂という罪で、ルキアが捕縛された。

誰もが信じなかった。あのルキアが。屈託なく笑い、平等で優しく、どこか気高いルキアが、よりによって4大貴族の四楓院家の当主の暗殺未遂をするなど、考えられなかった。

同じ4大貴族の当主である一護の訴えで、処刑こそ免れたが、霊力剥奪の後、13番隊及び流魂街への追放及び、花街での苦役100年。

その刑が言い渡された時、一護は叫んでいた。

「ルキアはやってねぇ!誰かの姦計だ!ルキアを自由にしろ!」

中央46室に何度も乗り込んだが、ルキアの刑は執行されてしまった。

「一護、恋次・・・・今まで、ありがとう。私は、行くよ」

馬車に乗せられて、流魂街にある花街に、売られるように連れていかれるルキア。

それを止めようと、恋次と一緒になって邪魔をしたが、山本総隊長が首を振った。

「ルキアはもう、もともと苗字もなき流魂街の民。それが流魂街に戻るだけじゃ」

「じゃあ、花街での苦役100年ってなんだよ!」

「あくまで、苦役100年分働けといっているだけで、金を積めば身請けもできよう」

「じゃあ、今すぐ身請けする」

「ならぬ。これは総隊長命令だ」

「そんなの、くそくらえだ!たとえ爺さんであろうが、俺の邪魔はさせねぇ!」

一護は、斬魄刀を背中から卸して構えた。

「仕方のないやつじゃ。砕蜂」

「はっ」

隠密起動を率いる砕蜂は、静かに一護に強烈な麻酔がぬってあったクナイで切り付けた。

「はっ、その程度じゃ俺は・・・・・・あれ・・・・?くそ、体が・・・・・」

一護は、その場でドサリと倒れた。

恋次も、同じように倒れていた。

こうして、ルキアは花街に連行されていった。



一護と恋次は、流魂街のいろんな花街を探し回った。

そして2年の月日が流れた。

「ルキア・・・・もうあえねぇのかな」

「恋次、探すんだ!流魂街は広すぎるけど、きっとどこかにルキアはいる!」

一護は、4大貴族の金に任せて、ルキア探しも行っていたが、ルキアの居所は用として掴めなかった。

「くそ、ルキア・・・・・・」

今頃、どうしているのだろう。

もう、客をとっているんだろうか。

知らない男に抱かれているのだろうか。

そんな想いを振りきって、ルキアを探した。そして、南流魂街の端にある花街で、ルキアという名の花魁がいるという情報を掴んだ。

一護は、瞬歩でその流魂街の花街に向かった。恋次にも連絡はいれておいた。

花街につくと、死覇装のせいもあって人目がつくので、まずは持っていた金で普通の着物に着替えて、一件一件虱潰しにルキアがいないかどうか確認していく。

一番人気だという火車という廓に、ルキアは少し長くなった髪を結い上げて、花魁であったが、苦役100年ということもあり、見世に出ていた。

「ルキア!」

「・・・・一護!?」

「ルキア、助けにきた!今すぐ身請けするから、帰る準備をしろ!」

「もう、貴様の知るルキアは死んだのだ。ここにいるのは数多くの男に抱かれて花魁になった、哀れなルキアという名の遊女だ」

「ばかなこと言ってんじゃねえ!たとえ4大貴族の黒崎家当主の座を追われても、俺はお前を身請けするぞ!」

「できないのだよ、一護。苦役を課せられた者は、最低5年は強制労働だ。身請けの制度がないのだ」

「なんだと!」

廓の主人をひっぱりだして、説明を受けると、ルキアと同じことを言われた。

つまりはあと最低でも3年は、花魁として苦役を課せられるのだ。

「じゃあ、今日から俺が毎日お前を買う!」

「何をばかなことを、一護・・・・・」

「俺は本気だ!」

その言葉に、ルキアがアメジストの瞳からポロリと一粒の涙を流した。

「ずっとずっと・・・貴様を、待っていた。一護。他の男に抱かれても、お前に抱かれていると思いこむようにしていたのだ、一護・・・・・私は、もうだめだ」

泣き崩れるルキアに、店の主人が怒号をあげる。

「ルキア、苦役の間は働いてもらうぞ!」

その廓の主人を蹴り飛ばして、金塊を投げた。

「しばらくルキアをかう金だ。こんだけあれば、十分だろ!」

「き、貴様、金があるからと・・・・・この俺を火車の廓の主人と知っての行動か!」

「俺は、4大貴族黒崎家の現当主、黒崎一護だ。文句があるなら、4大貴族の俺の家にでもいいやがれ」

「ひいいい、4大貴族の若様・・・・・・・・ひいいいい」

流魂街の廓を経営する主人だろうが、4大貴族の当主との命の差は歴然であった。

無礼だと、切り捨てられても文句は言えないのだ。

廓にあがりこんで、ルキアを抱き上げる。

「あ、今日は客が決まっていて・・・・・」

「そんなもん、金で黙らせる」

「一護?」

「他の男に抱かれてたってかまわねぇ。俺のものになれ、ルキア」

ぽたぽたと、またルキアの大きなアメジストの瞳から涙が零れた。

「好きだ、一護」

「俺もお前が大好きだ。お前の汚名を返すこともできず、こんな苦界で強制労働なんて・・・きつかただろうなぁ。苦しかっただろうなぁ。痛かっただろうなぁ。寂しかっただろうなぁ。心苦しかっただろうなぁ」

気づけば、一護も泣いていた。

「ルキア・・・・守ってあげれなくて、ごめんな」

ルキアは一護に抱き上げられたまま、一護にキスをした。

「唇だけは・・・・たとえ、どんな男であろうとも、口づけしてこなかった。初めてなのだ」

「ルキア、今日がお前にとって本当の水揚げだ。いいな?」

「ああ、構わぬ。抱いてくれ」

一護は、ルキアを抱き上げて、花魁のルキア用の部屋に行き、褥に横たえた。


                   つづく




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