忍者ブログ

プログ

小説掲載プログ
10 2024/11 14 2324 29 30 12

変態と刷り込み現象と

「アヒルの雛になる薬」

なるものを、裏マーケットでネットで購入した京楽は、早速浮竹に飲ませてみた。本当にアヒルの雛になるのではなく、アヒルの雛のように刷り込みで、親と覚えた人物の跡をつけていくという薬だった。

念のため、ちゃんと解毒剤も買っておいた。

「浮竹」

「なんだ、京楽」

「その・・・・近い」

「そうか。俺は気にしていない」

トイレに入って、個室で用を足していたら、浮竹まで入ってきた。別に用を足すわけでもないのに、京楽が入ったから個室であるにも関わらず、浮竹まで入ってきたのだ。

「あっれー。何か思ってたのと違うな、この薬」

「薬?」

「いやいや、なんでもないんだよ」

用を足し終わって、手を洗って出ると、浮竹がその後をついてきた。

「かわいい・・・・」

つい手を出したくなるが、今はだめだと自分に言い聞かす。

京楽は、いつも通り浮竹のパンツを被った。それに対して、浮竹も京楽のパンツを被った。

「いやいやいや!浮竹はそんなことしちゃだめ!」

「どうしてだ?京楽は俺のパンツを被っているじゃないか。俺も京楽のパンツを被らないといけないと、心で誰かが訴えてるんだ」

「僕のかわいい浮竹はそんな変態行為しないから」

「俺は、お前の真似をする」

仕方なく、パンツを被るのを止めると、浮竹も止めた。

そしてはっとなる。

お前の真似をする。もしかして。

京楽はばっと、着ていた服を脱いで全裸になった。フルチンである。

浮竹もきっと全裸になるはず・・・・・じーっと見ていたが、ならなかった。

「どうしてだい、浮竹。僕の真似をするんじゃなかったのかい」

「変態になるなと、頭の中で警鐘が聞こえて、無理なんだ」

「くそお!肝心のところでだめだな、この薬!」

「薬?」

浮竹が首を傾げる。

愛らしい表情に、京楽が飛びついた。

「むちゅーーー」

浮竹は、飛びのいた。

そして、タコのように唇を突き出す京楽の口に、熱くなったやかんを傾ける。

「うん、めっちゃ熱い・・・・・のぎゃあああああ」

「はっはっはっはっは」

浮竹は、心から笑っていた。

「何々・・・・アヒル雛のような童心もあります・・・・・くそっこれか!」

薬の説明書をよく見ていなかった。

服を着た。

「仕方ない、解毒剤を飲ませよう。このまま浮竹まで変態になってしまったら、僕はどうすればいいんだ」

京楽は、変態仲間ができて喜びそうなのに、浮竹には純真なままでいてほしかった。

解毒剤を口に含み、無理やり浮竹に飲ませた。

「・・・・・・・・」

最初はそれに応えていた浮竹であるが、翡翠の瞳に正気が戻りだす。

「いきなり何してるんだお前は!」

股間を蹴り上げられて、飛び跳ねた後で股間を抑えて蹲った。

「ちょっと・・・解毒剤を・・・・」

「はっ!このラベルは・・・・・」

アヒルの雛になる薬というのを手にとって、浮竹は京楽を見下ろした。

「お前、こんな薬を俺に飲ませたのか」

「でも、君トイレにまでついてきたり、僕が浮竹のパンツを頭に被ったら、君も僕のパンツを頭に被った・・・・・」

「なんて薬を飲ませてるんだ、お前!」

浮竹は怒って、プロレス技を京楽にかけた。

「ぎぶぎぶ!足がもげる!」

「このままもげてしまえ!」

「もぎゃああああああ」

少し焦った。あのラベルは、少し前に見たことがあった。

この前買った、変態を治す薬というが、同じラベルだった。

結果的に京楽春子をいいだすおかまに、なってしまったのだが。

もうあの会社の薬は買うまいと思っていたのに、京楽が買ってしまったのだ。

「これ以降、裏マーケットの薬は買わないこと。俺もお前も。いいな?」

「え?僕にも、飲ませたことあるの?どんな薬?」

「変態を治す薬・・・・・・」

「それを僕が飲んで、どうなったの?」

「京楽春子というおかまになった」

「のああああああ!人生の汚点だああああああ!」

京楽は嘆くが、浮竹が言う。

「お前の存在そのものが、人生の汚点だからいいだろ」

「浮竹、酷い!僕とのことは遊びだったのね!この前ずっと一緒にいるって誓ったのに」

「あれはあれ、これはこれ」

ずっと、隊長になるまで傍にいると誓い合った、少しだけ甘かった空気もすでに霧散していた。

「次に俺に何かを飲ませたら、俺はまた変態を治す薬をお前に飲ませて、京楽春子になってもらうからな!」

そんな目にあってまで、飲ませたい薬はなかったので、京楽は素直に引き下がった。

「京楽春子は勘弁してえええ。僕はオカマになんてなりたくないいいい」

しばらくの間、変態行為をしたら京楽春子にするぞと脅したら、大人しくなる京楽の姿があったとかなかったとか。

拍手[0回]

PR
URL
FONT COLOR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS

TRACK BACK

トラックバックURLはこちら
新着記事
(11/28)
(11/28)
(11/27)
(11/26)
(11/25)
"ココはカウンター設置場所"