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花街恋話7

椿亭の廓の主人に、浮竹を身請けすることを告げた。

主人の松村は、別段驚いたりせずに、今まで言っていた身請け額の2倍の値段を提示した。

「足元を見るか・・・・・」

流石の京楽も、ぽんと出せる値段ではなかった。

京楽は、浮竹のために屋敷を2軒売り払った。

「京楽の旦那!翡翠じゃなく、あたしを身請けしておくれよ!」

「椿・・・・君との縁は、とっくの昔に切れてるよ」

「くそ、翡翠め・・・・あたしから京楽の旦那を奪っただけでは飽き足らず、身請けだって?」

京楽は、いつものようにその日も浮竹を買って、朝方に去って行った。

「翡翠、こっちに来な!」

「椿姉さん・・・・・?」

花魁の椿の後ろには、明らかにやくざ者と思われる男が二人控えていた。

「この子だよ。金を払った分、たっぷりと可愛がっておやり」

「いいのか?京楽って上流貴族のお気に入りなんだろ?」

「構いやしないよ。こんな淫乱、手練手管で京楽の旦那を落としたに違いない。京楽の旦那以外の客をとらないってとこもむかつく!」

悲鳴をあげようとして、口を塞がれた。

「むーーー」

そのまま、薬をかがされて、浮竹は意識を失った。

「あ、いやああああ!」

気づくと、やくざ者と思われる男二人に組み敷かれて、犯されていた。

「いやああ!!京楽、京楽!」

「ちっ、うるせぇな」

猿ぐつわをされて、悲鳴がでなくされた。

「んーーーー」

涙がいっぱい零れ落ちた。

京楽以外に、穢された・・・。

そのショックで、放心状態になる。

「ち、あんまりおもしろくねぇな。人形を抱いてるみたいだぜ」

「でも、悪くはないだろう」

浮竹を犯した男が、浮竹の中に欲望を注ぎ込んだ。

その後で、もう一人の男が、浮竹を突き上げてきて、欲望を浮竹の中に注ぎこんだ。

「んーーー」

「なんだ、言いたいことでもあるのか?」

「やめとけやめとけ。またわめき出すぞ」

そのまま、男たちは散々浮竹を犯して、去って行った。

猿ぐつわを外された浮竹は、すぐに湯あみをして見知らぬ男たちが、自分の腹の奥にだした欲望をかきだす。

「京楽・・・・・」

涙があふれた。

その夜、京楽がやってきた。

戒められたであろう手首の痕と、自分のものではないキスマークに、京楽は浮竹を責めることもなく、静かに問いただした。

「誰?こんな酷いことを君にしたのは・・・・・・・」

「椿姉さんと、その後ろにいた二人のやくざ男」

「そう。ちょっと待っててね」

京楽は、椿のところに顔を出した。

「京楽の旦那!翡翠を見ただろう?あんな淫乱な子・・・・・・」

斬魄刀を抜く。

「ちょ、待ってよ京楽の旦那」

京楽は、躊躇もせず椿の美しい顔(かんばせ)に傷をつけまくった。かなり深く切ったので、傷跡は一生残るだろう。

「ぎゃああああああああああ!!」

「翡翠を犯した男はどこだ。言わなければ、命ももらう」

「下の、下の階にいる女衒(ぜげん)の船橋と二星だよおお」

京楽は、1階に降りて、女衒の男二人を呼ぶと、片腕をそれぞれ切り飛ばした。

「ぎゃあああああああ」

「うわああああ」

「うるさいね。それ以上騒ぐようなら、命もとるよ。僕の翡翠を穢した罪・・・・本当なら、死に値する」

相手は上流貴族だ。

殺傷沙汰になって裁判にもちこんでも、決して勝てない相手だ。

「ひいいい、椿のやつ、こんなことになるなんて一言も・・・・!」

女衒の男たちは、それぞれ傷口を縛って血止めをして、なんとか一命をとりとめたらしい。

だが、椿はその顔の傷が一生治らないことを悟って、3階から身投げした。

中途半端な高さから身投げしたせいで、苦しみ、しばらくは死ねないでいた。

「京楽の旦那・・・・祟ってやる・・・・・」

「ああ、好きなだけ祟るといいよ。さようなら、哀れな花魁」

京楽の犯した罪は、不問にされた。

「本当に申し訳ございません、椿があんなことを起こすなど・・・」

廓の主人の松村は、常に京楽の機嫌を伺っていた。京楽がその気になれば、たとえ花街一の廓であれ、廃業に追い込むことは簡単だった。

「つきましては、翡翠の身請け額をこの前の半額に戻しますので、どうぞそれでお怒りを鎮めてくださいませ・・・・」

京楽は、浮竹を伴っていた。

浮竹を抱き上げていた京楽に、浮竹にも土下座する。

「翡翠、どうかこの方に穏便にことを進めるように言ってくれ。この通りだ」

「京楽。俺はもういい。身請けしてくれ。こんな廓、もう一秒だっていたくない」

「翡翠がそう言ってるから、特別に許してあげるよ」

浮竹の身請けのために集めてきや金銭を、主人である松村の元に投げよこす。

「おおお、こんなに・・・・・」

金の延べ棒などが目立ったが、宝石類も多かった。

銭にすると持ち歩けないので、宝石などを多くした。

「これで、翡翠・・・・いや、浮竹はもう僕のものだ。いいね?」

「は、ははーーーー」

松村は、額を地面にこすりつけた。

花魁の椿を失っても痛くないよな額が転がり込んできたのだ。松村は、内心でほくそ笑んだ。

「行こう、十四郎」

「京楽・・・さっきみたいに、抱きあげて」

軽い体重の浮竹を抱き上げる京楽。そのまま瞬歩で、京楽は流魂街の外れにある自分の別宅へやってきた。

家人たちはいたが、京楽の突然の訪問もに驚かない。

「京楽様、今日はこちらにお泊りになりますか?」

「うん、そうだね。ここで泊まるよ。朝餉までの食事の用意を頼む」

「京楽・・・俺は、もう、お前に抱かれる資格は・・・・・・・」

「ないなんて、そんなことないよ。一緒に湯あみをしようか」

すぐに風呂の用意がされた。

ごしごしと、京楽は浮竹の体を磨き上げた。そして、キスマークの残ったところに、新しくキスマークを残した。

「あっ・・・」

「もう、とろとろに溶けているね」

湯の中で、蕾に指を入れられた。

「ああっ」

前立腺をいじられて、犯された時は恐怖でいけなかったせいで、浮竹の花茎はすぐに反応した。

湯からあがって、雑多に水分をふき取ると、用意してあった潤滑液を自分の欲望に塗り込めて、一気に浮竹を突き上げた。

「あああ!」

「君はもう、僕だけのものだ・・・他の男に穢されたことなんて、忘れてしまいなさい」

激しく突き上げられて、浮竹は涙を零した。

「痛い?」

「違う。お前が、変わらず俺を求めてくれることが嬉しいんだ」

「かわいいことを言うね」

「んあっ!」

引き抜かれて、また一気に貫かれた。

前立腺をすりあげる動きに、欲望を高めた浮竹が精を放った。

「はうっ」

最奥に要望を注がれるその瞬間、京楽は浮竹の花茎をすりあげた。

「一緒にいこう・・・・」

「あんっ」

吐精した次の瞬間にまた吐精をして、浮竹の意識が真っ白になっていく。

「はあっ・・・・・」

深い口づけを受けて、浮竹はそれに答えた。

「京楽・・・・愛している」

「僕もだよ、十四郎」

「春水と、呼んでもいいか」

「勿論だよ」

「春水・・・・もう、俺を手放すな。傍に・・・・」

「もう、ずっと傍にいるよ」

浮竹の身請けまで、出会ってから半年の月日が経っていた。

長いようで、かかった時は短かった。

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