忍者ブログ

プログ

小説掲載プログ
10 2024/11 14 2324 29 30 12

重度のブラコンとシスコン

18歳で尸魂界にきてしまった一護。

魂魄は死神となった。真央霊術院を半年で卒業し、護廷13隊の13番隊副隊長になった。

隊長は朽木ルキア。本当なら、護廷13隊に入るつもりもなかったのだ。

しかし、尸魂界を二度にまで渡って救った英雄を、護廷13隊がただ放置しておくはずがない。

死神の在り方と鬼道を学ぶために、まずは真央霊術院に入れられた。本当ならそこで1年ほど過ごすはずだったのだが、まるで水が大地に染み渡るように吸収の早い一護は、わずか半年で学院を卒業となった。

「あーあ。副隊長っていっても、何すりゃいいんだか」

一護の愚痴に、ルキアが答える。

「虚の退治や雑務から種類整理まで。多岐にわたるぞ」

「虚退治ならいいんだけどな。この書類・・・俺が片付けるのか?」

「そうだ」

ルキアとは、交際を飛び越して婚姻している。

ルキアの義兄である朽木白哉の仕業であった。義妹の幸せを望む兄は、ルキアが一護を好きであると知って、籍を入れてしまったのだ。

「はぁ・・・・・こんなことなら、もうちょっと学院にいるんだった」

「たわけ!使える人材を腐らせておくほど、今の尸魂界は甘くない!」

「へいへい・・・・」

書類を見て、ハンコを押していく。というか、ただハンコを押すだけの書類であった。

否か応かの採決は、ルキアの役目だった。

浮竹隊長がいなくなり、少しばかりの間隊長代理として隊長の仕事に携わっていたために、仕事もスムーズに終えていく。

「なぁ、ルキア」

「なんだ」

二人そろって、書類整理の仕事をしていた。

「ウェディングドレス着てくれっていったら、怒るか?」

「ぶばっ」

「うわ、きったねぇ」

「ななななな、何を突然言い出すのだ貴様は!」

茶を吹き零したルキアを見て、一護が「だってさぁ」と答える。

「俺たち、白哉のせいでもう勝手に籍入れられて結婚してることになってるじゃねーか。結婚式も6月に挙げるとかいってるし・・・・俺は白無垢より白いウェディングドレスのほうが見たいんだよなぁ。ああ、白無垢が似合わないってわけじゃないぞ?純白のウェディングドレスを着たルキアは、白哉に連れられて俺のとこまで・・・・・はぁ、妄想が止まらない」

「たわけ!」

「ぐおっ」

頭に手刀を受けて、一護がハンコを押すはずだった種類をひらりと床に落とす。

「くだらぬ妄想に浸っている暇があったら手を動かせ。だがまぁ、ウェディングドレスの件は了解した。兄様と相談しておく」

「白哉か・・・・なんでもかんでも白哉なんだな。このブラコン」

「そ、そんなことはないぞ。確かに兄様ほど素晴らしい存在は他にいないが・・・・」

「俺は?」

ずいっとルキアの顔をのぞきこむ。

「たわけ!貴様も一番に決まっておる!兄様と並んで一番だ!」

やけくそ気味に言い放って、ルキアは真っ赤になった

つられて、一護も赤くなる。

「この種類の束、明日までには仕上げるぞ」

「えええ、こんな量をかよ」

「お前の様子を見るのも兼ねて、教師として赴任していたら、仕事がたまりにたまってな。大分片付けたのだが、はやり副官がいると楽だ」

ルキアは、肩をもんでいた。

「肩こってるのか?ちょっと揉んでやろうか」

「あーそこそこ。効く・・・あああ、きもちいい」

真央霊術院で、4番隊の仕事としての指圧マッサージを学んでまだ日はたっていない。ちゃんと忘れずにツボを刺激する。

「ああああ、きもちいい・・・・・・」

「おい、ルキアと一護、何昼間っから如何わしいことしてるんだよ!」

ばたんと、中に入ってきた恋次は、あれ?と首を傾げた。

「なんだ、恋次きておったのか・・・・そこだ、そこがこっておるのだ」

「なんだ、肩もみか・・・・」

「なんだと思ったんだよ、お前はよ・・・・」

一護が溜息を零しながら恋次を見る。

恋次は顔を真っ赤にした。

「べ、別に俺の知らないとこで籍入れられて文句いいにきたとかそんなんじゃねーからな」

「恋次もその気があるのなら、籍を入れるか?4大貴族は、重婚が可能だ」

「ええええええ」

「ええええ」

ないわーと、二人とも思った。

妻の他に妾を数人もつ上流貴族は多い。そのために、最近では一夫多妻制度も認められるようになっていた。反対の、一妻多夫性も認められるだろう。

「いやまぁ、ルキアと結婚できるならしたいけど、一護のやつが邪魔するだろうから遠慮しとく」

「そうなのか、一護」

「ああ、そうだな、恋次が夫としてやってきたら、思いっきりいじめてやる。ルキアと離婚するように」

一護は本気だった。

ルキアを他の男の手には渡すまい。

「ルキアは俺のものだ」

ルキアを恋次の目の前で抱き締めると、恋次はルキアを引っぺがして自分の腕に抱き込んだ。

「ルキアは、俺の大切な幼馴染で家族だ」

「よし、恋次、いっそ俺とルキアの息子になれ」

「はぁ?」

「は?」

「ルキアが好きなんだろう。家族として籍を入れるとしたら、息子しかあいてないぞ」

「あほか!好きな女の息子になりたい男がどこにいるってんだ!」

「どこかにいるかもしれねぇじゃねぇか」

「ええい、二人とも落ち着け。恋次、私は一護が好きなのだ。一護の妻になれて満足している」

「そっか・・・・・・」

恋次は、振られたことになるのだろうか。大分気落ちしていた。

「でも、恋次も好きだぞ?」

「おう」

「どっちなんだよおめーはよ」

一護は、頭を抱えていた。

「おっといけない。兄様とメールの連絡をとりあう時間だ」

どんだけー。

どんだけブラコンで、白哉はシスコンなのー。

二人は思ったが、口には出さない。

「俺はこの書類をもってきただけだ、じゃあな」

恋次が去っていく。

(一護がウェディングドレスで結婚式を挙げたいといっております)

(お前はどうなのだ、ルキア)

(私も、現世のウェディングドレスなるものを着てみたいです)

(分かった)

「おいおい、何メールでやりとりしてるんだよ。家に帰って話せばいいだろうが」

「兄様とのメールなしでは生きていけない!」

どんだけブラコンなの。もう手遅れだった。



その夜、二人で一つの布団で寝た。

「ルキア・・・・いいよな?夫婦なんだし・・・・・」

「あ、ダメだ一護」

「なんで」

「兄様が、結婚式まで処女を保てと」

「俺は我慢できない」

ルキアを押し倒すと。

「散れ、千本桜・・・・」

「白哉!夫婦生活にまでそうくるか!」

一護は、億の花びらの群れを斬月で弾くと、夜中なのに白哉と切り結びあっていた。

「ちょっとはまともになったらどうだ、このシスコン白哉!」

「兄には関係のないことだ」

「大ありだろ。お前のこと、お義兄さんと呼ばなくちゃいけないんだぞ!」

白哉は、めっちゃ嫌そうな顔をしていた。

「兄に、お義兄さんなどと言われたくない」

「じゃあなんで籍いれた!」

「ルキアが兄のことを好きだからだ。だがお義兄さんなど呼ばれたくはない」

支離滅裂だ。

「俺、もう寝るわ。違う布団で寝るし、ルキアには手を出さねーよ」

「そうか。ならば安心して私も眠ろう」

結局、結婚したのに夫婦の営みは訪れることはない。

6月の結婚式まで、あと3か月であった。




拍手[0回]

PR
URL
FONT COLOR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS

TRACK BACK

トラックバックURLはこちら
新着記事
(11/28)
(11/28)
(11/27)
(11/26)
(11/25)
"ココはカウンター設置場所"