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結婚式

ルキアが身籠った。

そのニュースを聞いて、一護だけでなく恋次も喜んだ。

そして周囲の猛反対を無視して、ルキアを身請けした。

苦役5年の強制とはいえ、4大貴族の次期当主を身籠ったのだ。遊女にしておくことなど、できるはずもなかった。

ルキアの身請けの額は、罪人として苦役に課せられているだけあって、かなりの値段がしたが、4大貴族である一護からしてみれば、少し高い、程度だった。

そして、そのルキアの姿をみた朽木白哉が、一護にこう打診してきた。

ルキアを、養子として迎えたいと。死別した妻、緋真の妹であることが分かったのだ。

一護は、ルキアが嫁にくるのであれば、養子にすることを許可した。

朽木家でも、議論が割れた。流魂街の住民を・・・しかも罪人を養子にするなんて。

だが、その頃一護の働きにより、ルキアが罪人とされたのは姦計であることが明かされた。本当の罪人は、ルキアと同じ13番隊の隊員であった。

その者には、処刑が言い渡された。

そして、護廷13隊から謝罪として貴族にされた。

もう、罪人でもないただの貴族の少女である。朽木白哉が、ルキアを養子にするのになんの躊躇いもいらなかった。

朽木ルキアとなったルキアは、赤子を出産するまでは朽木家で面倒が見られることとなった。

無論、父親である一護もよく顔を見に来た。

ルキアは、初めて子を産むだけあって、難産だった。

男の赤子だったが、逆子でへその緒が、首にからみついていて、出産したときは死産かと思われた。

直に心肺蘇生が行われて、一護が見守る中で男の赤子はおぎゃあおぎゃあと、泣きだした。

「一護・・・・やったぞ。男の子だ。時期当主だ」

「よく産んでくれたルキア。愛してる」

「ルキア・・・・大儀であった」

「兄様・・・ありがとうごいざます」

朽木家と黒崎家は、縁続きになった。

赤子が生まれて1年して、朽木ルキアと黒崎一護の結婚式が行われた。

一護は、腕の中に生まれて一勇と名付けた赤子を抱いていた。

一護の頼みで、洋風の結婚式にしてくれと言われていたので、ルキアは純白のウェディングドレスを着た。金糸銀糸の刺繍の素晴らしいウェディングヴェールをつけて、朽木白哉に誘われて、新郎である一護の元に向かう。

ルキアは、自然とたくさんの涙を零していた。

式には、恋次も出てくれた。

「黒崎ルキア、汝は健やかなる時も病める時も、黒崎一護を伴侶として愛することを誓いますか?」

「誓います」

「黒崎一護、汝は健やかなる時も病める時も、黒崎ルキアを伴侶として愛することを誓いますか?」

「誓います」

指輪の交換をして、皆の前でキスをした。

腕の中の赤子を、義理の兄になる白哉に預けて、一護はルキアを抱き上げた。

4大貴族の結婚式というだけあって、とにかく豪華だった。他の貴族連中も顔を揃えていた。

その中には、破断になった四楓院夜一の姿もあった。

「夜一さん、来てくれてたのか」

「おう。破談となったとはいえ、夫になるかもしれなかった男の結婚式じゃしな。末永くお幸せにな」

「ありがとう」

抱き上げたままのルキアが、恥ずかしそうしていた。

「なんじゃ、せっかく罪人の汚名を挽回して、貴族になり、4大貴族の朽木家の養子になり、さらには黒崎家の嫁になろうとしている割には、少し緊張しておるのか?」

「き、緊張などしてヴぁ・・・・・」

かんだ。

「ルキア、いつも通りでいいだぜ」

「緊張などしておらぬ!ただ、幸せすぎて、まるで夢のようだと・・・・」

「夢か?これでも夢と思うか?」

「いひゃい。ほっぺたつままにゃいで」

「はははは、何を言っておるのか分からんわ」

ルキアは、一護にしがみついた。

「ん、どうしたルキア」

「これでいいのだろうか、私は。遊女などから、貴族へなど・・・・」

「いいんだよ。誰もが許さないとしても、俺だけは絶対に許す」

「一護・・・・・愛している」

「俺も愛してるぜ、ルキア」

二人の結婚式は、夜遅くまで行われた。

他の貴族連中の贈り物で、黒崎家の客間はいっぱいになってしまった。

「疲れてるだろう。一勇のことは召使いに任せて、休んでくれ」

「一護は?」

「まだ、貴族連中の相手をしなくちゃ。籍はなんとかいれたが、なかなか受理してもらえなかったしな・・・・まぁ、その時手助けしてくれた他の4大貴族の人とも、話たいし」

「そうか・・・・」

ルキアは、ウェディングドレスを脱いで普通の衣服に着替えると、豪華な夕食をとり、ふかふかの寝台で横になった。

ふと、恋次の顔がちらついた。

「すまぬ・・・恋次」

結婚式で、恋次は少し悲しそうな顔をしていた。でも、ルキアの幸せを誰よりも祝福してくれた。

「幸せになれよ!」

そう言って、ルキアの頭をぐしゃぐしゃと撫でてくれたあの手を、もう二度と取り戻せぬと知ってか、涙が零れた。

「ふ・・・・一護の妻になったというのに、未練たらしいな」

こんなことではいけないのと、ぱしんと自分の頬を自分の手の平で叩いた。

「ただのルキアから、朽木ルキアになり、黒崎ルキアになり・・・これからだ。まだまだこれからが、私の人生だ」

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