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小説掲載プログ
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山じいの紹介ではじまる未来。

上流貴族の次男坊として生まれた。

誰もが羨まむ境遇だと、他人は思うのだろう。この窮屈で、貴族であるということに執着しまくっている京楽家で、霊力が並外れてあるせいで、子供のうちから異端のように扱われた。

そして死神統学院に半ば無理やり入らされた。

両親に、死神になれと。

けれど、それは京楽にとってあの窮屈な家から抜けだすことのできる口実となった。

始めの頃は真面目に授業に出ていたが、そのうちに飽きて授業中に廓に遊びにいくようになっていた。

「惜しいのお」

恩人である山じいが、そんなことをいうけれど、女遊びもただ暇を持て余しているからだけで、本当はどうでもよかったのだ。

「お主に、紹介しておきたい人物がおる」

誰だと思って振り向くと、白い髪に白い肌の、翡翠の瞳をした同い年くらいの子だった。

「浮竹十四郎という。よろしく」

「・・・・・・京楽春水だよ。よろしくね」

綺麗な子だった。同じ性別なのかと思うくらいに。

寮の部屋が、京楽家の名で二人部屋を一人で使っていたのに、急遽寮に入ることになった浮竹と同室になった。

なんでも、下宿していた先の親戚が、急に死んでしまい、寮に入ることになったそうだ。

浮竹は誰にでも優しく気さくで、まるで陽だまりのような子だった。

一度、悪戯で女物の院生服まみれにしてやると、全く気にしたそぶりも見せずそれを着て授業を受けたことがあった。

たくさんの男に囲まれて、悪戯した京楽が浮竹を庇う羽目になった。

かわいいということが、学院中に知れ渡ることになって、次の日普通に男ものの院生の服を着ているのに、ナンパされたり告白されたりしていた。

「冗談がすぎた、ごめんね浮竹」

「この程度、悪戯だろうと思ったしどうってことない」

「ごめん」

京楽は、深く反省した。

「どうじゃ、春水。十四郎は」

たまに顔を見せる山じいに、そんなことを聞かれた。

「いい子だね。惹かれた」

「そうじゃろうそうじゃろう。十四郎のような死神になれ」

「それは無理な相談だなぁ」

「じゃが、廓での女遊びもなくなった。十四郎をよき友人として紹介して正解じゃったわ」

よき友人か。

親友の位置にはいるのだと思う。多分。

浮竹の友人の輪の中心に常にいたし、一緒に行動して、座学に励み、剣の稽古をして、鬼道を習った。

浮竹は、肺を患っていた。たまに発作を出して、血を吐いた。おまけに病弱で、すぐ熱を出した。

京楽は、気づけば浮竹を看病するようになっていた。

昨日、浮竹は授業中に血を吐いた。すぐに医務室に運ばれて処置がされ、大事に至らずにすんだが、念のため3日は安静にするようにと言い渡されて、面白くもなく天井を睨んでいた。

京楽が学院から京楽が帰ってくると、浮竹はぱっと顔を輝かせた。

「今日の学院はどうだった?」

「今日はね・・・・」

そんな日が、3日続いた。

3日目には安静にしているのにも飽きて、貸本屋からかりてきた小説なんかを読んでいた。

「何、読んでるの?」

「うわあ、吃驚した」

タイトルを見る。星の砂。そう書かれていた。

ああ、最近瀞霊廷で人気の恋愛ものの小説なのだと分かって、興味なさげに京楽はベッドに横になった。

「京楽は、もてるからこんな小説面白くないんだろうが、恋もしたことのない俺にはけっこう面白い」

「それより、こっちを見なよ」

たまに読む小説を投げてよこす。

中身を読んでいって、浮竹は真っ赤になった。

「官能小説じゃないか!」

小説版のエロ本だ。

「それ読んで、勉強したら。君もけっこうもてるでしょ。男からももてちゃってるけど、ちゃんと女の子からも告白されてるでしょ?」

「今は、誰とも付き合う気はないんだ。それにこんな体だ・・・付き合う相手に悪い。それに、
誰かを好きになったことがない」

「じゃあさ、僕を好きになりなよ」

冗談のつもりだった。

「お前を?」

「そう、僕を」

「分かった」

頬を染めて、浮竹はベッドに横になって毛布を被った。

あれ?

僕、何か変なこと言ったかな?

ただの冗談なのに。

「その・・・時間を、くれないか。流石にこういうのは初めてで・・・・その、いやなんでもない、すまない」

冗談のつもりが。

あれ?

確かに、京楽も浮竹に惹かれていた。

キスしてみたいとも思った。あわよくば、それ以上もしてみたいと考えたこともある。けれど、同じ性別である、というところで、踏みとどまっていた。

初めて見た時に、一目惚れをしたのだ。

その日を境に、何かがおかしくなっていった。

浮竹が京楽を見る目がきらきらしていた。二人きりになると、恥ずかしそうにする浮竹を見ていて、何故かかわいいと思った。

女物の院生服を着せた時、本当に美人だった。背はやや高かったが、女といっても通用する容姿をしていた。

「京楽」

京楽の行く場所について歩く浮竹を、鬱陶しいと思ったことはない。かわいいと思った。

それより、離れた時のほうが心配になった。

「あ、京楽・・・・」

その日、まだ1回生なのに、6回生の先輩に呼び出されて、恐怖に震えて泣いている浮竹をみた。院生の服が破れていて、肌も露わになっていた。見るからに強引に関係を迫っていたのがわかった。頭に血が昇り、沸騰した。

京楽も浮竹もまだ1回生だ。鬼道もやっと習い始めたばかり。かたや6回生のその男は屈強で、卒業したら死神になることが決まっていた。

なるようになれと、喧嘩をしかけた。

たくさん傷を負ったけど、浮竹を庇いながらなんとか勝った。

「京楽、俺のせいでこんなに怪我を・・・すまない」

涙をぽろぽろと流して、地面に座り込んだ京楽の体を抱き締めた。

教師が呼ばれ、その6回生は退学処分になった。山じいのお気に入りに手をかけたのだ。当たり前であろう。毛布にくるまれて、浮竹はそれでも京楽の心配をしていた。

京楽は、全治2週間の傷を負った。京楽家の者に手をあげただけでも退学処分ものなのに、よりにもよって、山じいのお気に入りの浮竹を強姦しようとしたのだ。

京楽に力があったら、半殺にしていただろう。

寮の部屋に戻ると、カタカタと浮竹が震えていた。

「あ、京楽、大丈夫か、傷は・・・・」

「僕の傷より、君の心の傷のほうが問題だよ」

「お、俺は大丈夫・・・・・・」

そんな浮竹を抱き締めた。カタカタと音を立てて震えていた浮竹の震えがなくなった。

「京楽・・・・俺、京楽になら・・・」

京楽は、その言葉の最後までを言わせず、キスをした。

「君の心が傷ついてしまう。ゆっくりでいいよ」

ほっとした表情を、浮竹は浮かべた。

それから、瞬く間に時間は過ぎ去っていく。

3回生になっていた。

いつも一緒に、常に傍にいた。

「うむうむ、十四郎もあのことはもう忘れたようだし、よく成長しておる」

「山じいの目は節穴かい。強姦未遂の件は、今でも浮竹の心に深く傷を負って血を流させているよ」

「そんなことなかろう。もう2年前の話じゃ。それより春水。お主、十四郎をどうするつもりなのじゃ!」

「どうするって?僕のものにするだけだよ」

「こりゃ、春水!」

山じいを置いて、逃げ出した。

「京楽、元柳斎先生は、何か言っていたか?」

「いや、特には何も」

浮竹を抱き締めて、口づけると、浮竹は朱くなりながらこう言った。

「京楽は、その、俺のことを抱きたいと思うのか?」

「思ってるよ。いつでも、脳内で君を犯してる」

「なっ」

更に真っ赤になった浮竹がかわいくて、抱き上げた。

「僕のものになる決心はついた?」

こくりと、小さく浮竹は頷いた。

あの強姦未遂の事件から、時間をかけてきて成功だった。性急に関係を求めていたら、フラシュバックで拒絶されただろう。

都合のよいことに、寮はまた同じ二人部屋だった。

京楽が浮竹の病の看病を引き受ける形で、上とやり取りをして同じ部屋にさせた。

浮竹に邪な思いを抱いている者が数人、同じ部屋になりたがっていたが、京楽のせいで却下されていた。京楽以上の身分の者・・・一人だけいた。浮竹が、たまに声をかける人物。

4大貴族の1つの家の、傍系の子だった。死神など興味がないようで、いつもふらふらしていた。

何はともあれ、とさりと浮竹をベッドに寝かせる。

浮竹ががちがちになっていた。ぎゅっと目をつぶっている。

優しくキスをすると、体が柔らかくなっていき、翡翠の瞳で見つめてきた。

「京楽・・・1回生の頃、言われた通りに、お前を好きになった」

「1回生・・・・そんなこと、僕言ったっけ」

「言った。まぁいい、責任はとれよ?」

キスを何度も繰り返し、通販でかった潤滑油を用意する。

すでに、いつかこうなると覚悟していたのか、その手の知識を京楽も浮竹も身に着けていた。

「あ、胸は・・・・」

胸をなでられると、浮竹は苦しそうな顔をした。

「あの男に、散々なでられて・・・・ああでも、京楽の手だと気にならない。暖かい」

ほっとした様子だった。この調子なら、フラッシュバックは起きそうになかった。

互いに院生の服を脱ぎ、抱き締めあった。

「あ・・・・」

脇腹、胸、鎖骨、臍、腹とキスマークを残していく。

膝を膝で割って、縮こまっている浮竹の中心に触れる。

「んあう」

びくんと、浮竹の体が痙攣した。

「大丈夫、気持ちよくするだけだから」

「でも・・・」

浮竹の花茎に手をかけると、先走りの透明な蜜がでてきた。それを潤滑油代わりにぐちゃぐちゃと浮竹のものに手を這わせ、しごいていると、浮竹がまた痙攣した。

「ああああ!」

他人の手でいかされるのは初めてなのか、ぜいぜいと荒い息をついていた。

「大丈夫?」

「ん・・・・大丈夫」

潤滑油を指にかけて、浮竹の内部に入りこむ。

「ああっ!」

こりこりと、前立腺を刺激してやれば、また花茎がとろとろと透明な蜜を零した。

ぐちゃぐちゃと音が経ちだした頃にぬきさって、京楽のものを宛がうと、ゆっくりと侵入した。

「あ、あ、あ・・・・・・・」

中は狭く、異物を排除しようと動いて、痛いくらいだった。

「もうちょっと、力ぬいて?」

「ん・・・・」

なんとか全部をいれきった。大きさに馴染むまでの間、口づけを交わしていた。

浮竹は、京楽とのキスが好きだった。

「ふあっ」

とろけるようなキスを繰り返し、前立腺めがけて突き上げた。

「ああっ」

浮竹は、それだけでいってしまった。

「十四郎、好きだよ・・・・愛してる」

「俺もだ春水・・・好きだ、愛してる」

とろけるようになった浮竹の内部を堪能しながら、前立腺をすりあげていく。

何度も突き上げて、引き抜いて、また挿入を繰り返していると、京楽も余裕がなくなって浮竹の中に欲望を出していた。

「あ・・・・京楽が、中で・・・・・」

「まだ終わりじゃないよ、浮竹」

「あ・・・・・ああ、ひあああ」

今度は激しく突き上げ始めた。

その激しさに、白い髪が宙を舞う。1回生の頃は短かったが、今は肩より少し長くなっていた。

「ああ!きょうら・・・・激し・・・・・」

乱暴に中を侵すと、浮竹は啼いた。

「ひああああ!」

何度か腰を腰に打ち付けて、京楽は二度目の欲望を浮竹の中に放つ。同時に浮竹の花茎に手をかけて、先端の爪を立てると、浮竹もまた白濁した液を出した。

「んあああ!」


体だけなく、恋人同士として過ごすようになった二人を、山じいは困った目で見ていた。

「十四郎を、このようにするために紹介したのではないのだがのう」

「もう、浮竹は僕がいただいたから」

「いつか、互いに妻を娶らせて子を成さようといわしの計画が・・・あの十四郎が、春水なんぞの恋人になるとは・・・・・」

「すみません、元柳斎先生。京楽のことだけは、譲れません」

浮竹が、本当にすまなさそうに山じいを見た。

「これもまた何かの縁(えにし)。春水よ、十四郎を大切にするのじゃぞ」

「勿論、当たり前だろ、山じい」

こうして、二人は学院を卒業し、山本元柳斎重國の秘蔵っ子として、学院卒業初の護廷13隊席官となった。

その数年後には副隊長となり、その50年後には隊長にまで若くして登りつめた。

二人は、いつも一緒だった。

院生時代の関係を築きながら、山じいに時にはそこのことで怒られはしたが(隊首会に遅れたりして)、概ね順風満帆な人生をおくるのであった。







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