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狼と羊

「いい加減起きてください」

「んー。今日はまじで無理だー。昨日、夜遅くまで京楽と体を重ねて・・・」

眠そうに、浮竹は布団の上でごろごとしていた。

「京楽隊長が言ってましたよ。拒絶されたって」

「ちっ」

「おいあんた、さっき舌打ちしましたね?俺を騙そうとしましたね?」

「気のせいだ」

「いや、絶対騙そうとしてた!」

布団をはぎとられた。

12月の肌寒い季節だ。

「寒い」

「知りません。顔洗って着替えてください。すぐに朝餉の準備しますので」

「海燕の意地悪!」

「はいはい」

顔を洗って、着替えて上着を羽織ったがまだ寒くて、毛布を被って火鉢に当たっていた。

「朝餉、準備しました。毛布被るの毎年のことなのであまりきつくは言いませんが、京楽隊長以外の隊長や副隊長がきそうな時は脱いで下さいね」

「こんな寒い時期に、他のやつがくるわけないだろう」

「浮竹、邪魔するぞ」

「えええ、白哉!?」

やってきた白哉は、何か大切な仕事の書類を持っていた。

「浮竹・・・・いくら室内だからとその恰好は・・・・・」

「あ、朽木隊長これは違うんです。朝から寒気がしているそうで、今測ったら熱があったんです」

海燕が、咄嗟に嘘をつくが、それを白哉はなんの躊躇のせず信じこんだ。

「そうなのか。浮竹、兄は病弱であるからこの季節はきついであろう。暖かくして寝ろ」

白哉は、仕事の書類を浮竹ではなく、海燕に渡して去っていった。

「はーーー。危なかったーーー」

「白哉がきたからといっても、毛布は脱がんぞ!」

「あーもう、好きにしてください」

書類を読んで、浮竹に渡す。

浮竹はその書類にはんこを押して、8番隊にまでもっていくと言って、毛布を脱いで雨乾堂から出て行ってしまった。

ちゃんと、ペロリと朝餉は食べらていた。

「ほんとに、ちゃんとしてるのかいい加減なのか分からない隊長だな・・・・」

思う。

京楽や海燕の前ではだらだらしているが、肝心な時はちゃんとしている。あまりないが、虚退治の時の強さは本物だ。

ただ惜しいことに、肺を患っている上に病弱だった。

おまけに、京楽とできている。まぁ、京楽とできているのは、海燕が副官になる遥か以前のことだからいいのだが。

8番隊から帰ってきた浮竹には、京楽がついてきていた。

昼餉は8番隊で食べてきたらしかった。

ああ・・・・また、飢えた狼に羊が食べられる。それを知らずに、羊は自分から飢えた狼を連れてきた。

どうなっても知るかと、海燕はその日、急に泊まると言い出した京楽の分の夕餉を確保するのに忙しかった。

「海燕、夕餉の支度を・・・・」

「はいはい」

急だったので、食材の確保からなんやらと忙しくて、今日はくたくただった。

「味わって食べてくださいね。京楽隊長が急に泊まるとか言い出したせいで、食材の確保まで俺がしたんですから」

「すまない、海燕」

「ごめんねぇ、海燕君」

本当にすまないと思っているなら、急に泊まるとかいいだすなよと、海燕は思った。

湯浴みを終えた二人に、甘い時間がやってくる。

「夕餉の膳、下げにきました」

「んあ・・・京楽、こんな時間からなんて・・・・・」

「いいじゃない。深夜にして寝不足になりたくないでしょ」

早速、羊は狼に食べられている真っ最中だった。

海燕の存在に気づいても、二人は止まらない。

浮竹の、腰にくるような甘い声を聞きながら、隊舎に下がった。

「ああ!」

死覇装が脱がされていく。

12月の寒い季節だが、交わるには服は邪魔だった。

「ん・・・・」

かりっと胸の先端をかじられた。

「んあ・・・」

舌が絡みあうキスを何度も繰り返す。

「ああ!」

潤滑油に濡れた指が体内に入ってきた。蕾の中で指を折り曲げられて、ちょうど前立腺の部分にあたって、浮竹は先走りの蜜をたらやらと零した。

「好きだよ・・・」

「あ、京楽・・・・・」

「春水って呼んで、十四郎」

「ああっ、春水!」

灼熱が狭い体内をかき分けて貫いてくる。

「あああああ!」

前立腺をすりあげられて、中がキュウっとしまって、京楽は浮竹の浅い部分に精液を吐き出した。

「君の中、凄いね」

「ああ!」

浮竹も、京楽とほぼ同時に白濁した液を吐き出していた。

ずっずっと音を立てて、京楽が挿入を繰り返してくる。

「ひう」

何度も前立腺を突き上げられて、浮竹は体を痙攣させた。白濁した液体を吐き出しながら、いいところばかりつかれて、ドライのオーガズムでもいった。

「いあああ・・・・変になる・・・・春水・・・やあああ」

「大丈夫、気持ちよくなるだけだから」

ペロリと、京楽は乱れる浮竹を見ながら舌を舐めた。

「あ!あああ!!」

ぐちゅぐちゅと体内で音がする。最奥を突かれる。

抉られて、また浮竹は高みにのぼっていった。

「ひああああああ!」

ビクンと体を痙攣させて、精液を吐き出す。

キュウキュウと締め上げてくる内部に我慢できずに、京楽は浮竹の腹の奥にに二度目の精液を放った。

「ん・・・・もうや・・・・春水・・」

「うん。今日はここまでにしよう、十四郎」

珍しく、京楽が満足した様子で引き抜いた。

トロリと、浮竹の中に吐き出したものが、浮竹の太腿を伝って流れ落ちる。

それを濡れたタオルで拭った。体内に出したものを全部かきだして、浮竹をふいて清めた。

京楽も己をふいた。

そのまま服を着あって、シーツを変えた布団に横になる。

少し早いが、眠気がやってきて二人そろって眠ってしまった。

「んん・・・・京楽、起きてるか?」

「ん・・・どうしたの、浮竹」

「早くに眠りすぎて、目が覚めた」

時計を見ると、朝の4時だった。

「僕も目が覚めちゃたよ。寒いでしょ、もっと近くにおいで」

京楽にすり寄ると、京楽は腕の中に浮竹を抱き締めた。

「まだ、寝れそう?」

「ん・・・京楽と体温共有しあっていたら、多分そのうちまた寝る・・・」

1時間ほど起きていたが、二人はいつの間にかまた眠ってしまった。浅い眠りと覚醒を繰り返す。

「いい加減、二人とも起きてください。朝ですよ」

海燕に起こされて、のろのろと浮竹が起き出す。死覇装の前がいつの間に乱れていて、キスマークがいっぱいついていた。

「ちゃんと服きてください、隊長!そんな、情事の後みたいな恰好」

海燕が真っ赤になった。都という妻をもつが、浮竹の色香にいつもやられそうになって、自分を叱咤する。

「浮竹、おいで」

「ん・・・」

京楽が、浮竹の乱れた死覇装を整えて、隊長羽織を羽織らせた。

浮竹は、京楽に甘えまくった。

ああ、これは熱を出すな。

京楽も海燕も思った。

案の定、午後から熱を出した浮竹を寝かしつける。

「やっぱ冬は毛布被らせないとだめだね」

「毛布被っても、隊長は熱出す時は出しますよ。今回はあんたが抱いたから熱を出したのかまでは分かりませんが、1週間は隊長に手を出さないでください」

「厳しいねぇ、海燕君は」

「当たり前でしょう!病人を抱くつもりですか!」

「いや、そんなことはしないけど。ただ、一緒の布団で寝ることは許してほしいな」

「まぁ、それくらいなら・・・・・」

海燕は浮竹に甘い。そして、結局京楽にも甘くなるのだ。

そんな年月をもう何十年と続けていくのだった。




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