青春白書4
二人は「約束」をした。
「いいぜ。でもかわりに、もうリストカットしないって約束だ。「特別」になるから、もうしないって。悩みがあったらちゃんと話すこと。いいか?」
「・・・・・・・・・・ああ」
紫水晶の瞳とブラウン色の瞳が交じり合う。
ルキアは涙を零すことを止めた。
どうせ。
どうせ、この大人もすぐに飽きてしまうだろう。
私にはなんの魅力もないから。可愛そうだと構っているだけだろう。
同じような境遇を過ごしていたということに、すごくひかれるものはある。でも、なまじ同じ環境を過ごしただけに同じ者の心の痛みは分かる。可愛そうという同情心は他人よりも大きい。
どうせ、私は。
お金よりもこの命は安いのだから。
そのまま、ルキアはまた眠ってしまった。
一護はしばらく傍にいたが、そのまま恋次の元に戻った。
事情を説明しようか迷ったが、ルキアは知られたくないだろうと思って秘密にした。
恋次に悪いと思いながらも、どうして自分がルキアという名の少女にここまで吸い寄せられるのかよく分からない。
似たような、いや自分よりも酷い環境を過ごしていたのも理由にあるが。
美しい容姿だからというのも確かにあるのかもしれない。放っておけないというのもある。
それ以上に、もっと何かがあるような気がした。そうだ、青春ドラマにありがちな運命の悪戯ってやつだろうか。
青春白書じゃあるまいに。
しかも相手は生徒。未成年だ。年齢は17歳。同じ学校の生徒で、一護は教師だ。
その障害は大きい。それなのに、どうしてだろうか。
まるで蜘蛛の糸にかかった蝶のようだ。でも、ルキアになら捕食されても構わないとさえ思った。
まだ知り合って数日だというのに。
週末があけて、月曜日。
一護はいつも通り保健室にいた
。
3時間目、ルキアがやってきた。
「お、どうした?」
「悩みがある。貴様がいった。悩みがあったら打ち明けろと」
「話してくれる気になったのか。どうした。クラスになじめないのか?女子の友達がいないらしいな。いじめられてるとか、そういう話か?」
「違う。クラスにはなじめなくったってどうでもいい。女の友達なんて別にいらない」
いじめのことについて、ルキアは触れなかった。
「恋次が好きなのだ。好きで好きでどうしようもないのだ。どうしたらいい?」
「あー・・・・・」
一護は天井を仰いだ。
確かに、重要な悩みだろう。まるで本当に青春白書。青春の悩みだ。
「恋次に告白はした?」
「してない。彼女がいるから振られるにきまってる。だからしてない」
「うーん・・・・」
恋だとかの悩みを打ち明けられるとは思ってもいなかったので、少し考える。
「そうだ」
「何だ?」
「俺にに恋しろ。俺を好きになれ。だって「特別」なんだろう?だったら俺にに恋をしろ」
「・・・貴様は馬鹿か?」
ルキアは、一護を睨みつける。
特別でいてくれとは言ったが、その存在定義はルキアにとっては仲間というようなもので、恋だとか好きだとかの特別とはまた違う。
バカと言われた保健室の先生は、朗らかに笑っていた。
「バカだよ俺は。なぁ、ルキア。恋次を好きなままでいいから、俺も好きになっていこうぜ」
「バカだ。相談した私もバカだ」
「はははは」
「帰る」
ルキアの手をとって、引き止める。
すぐに、テルキアはふらついた。
華奢すぎる体。
「ちゃんと食ってるか?」
「ある程度は。それ以上は体が受け付けない。嘔吐する。だから無理には食べない」
「そっか・・・・・」
ひきよせられる。
ルキアは一護の腕の中にいた。
「貴様は。・・・・これは同情か?」
「多分、違う」
「だったら何だというのだ」
ルキアの唇に、一護は自分の唇を重ねる。
ルキアは、真っ赤になって一護から逃れた。
「な、な、な!この犯罪教師!」
「おー、犯罪だよな、これ」
「帰る!」
ルキアは、保健室のドアを乱暴にあけた。かと思うと、一護の元に戻ってくる。
そして、アメジストの瞳で見上げる。
「これが、私の携帯番号とメルアドだ」
書かれたメモを一護に渡した。
拒否されているわけではないのだろうかと、一護も思う。
メモを渡してくるルキアの頭を撫でていると、ルキアは年齢よりも幼くみえた。視線の使い方を知っている。自分を守ってくれと訴えるような使い方だ。多分、義理の両親のせいでこんな使い方を覚えたのだろうと思うと、胸がチクリと痛んだ。
一護が抱きしめると、ルキアは瞳を閉じる。
「恋次と冬獅郎以外にこうされたことがない」
「居心地悪いか?」
「分からぬ」
そういって、またアメジストの瞳を開く。いつでも熱を孕んでいるように潤んだ瞳。
「帰る。貴様など、嫌いだ」
ルキアは、頬を赤くして保健室から逃げ出した。
「嫌いっていいながら頬赤くしてもなぁ。あーやべ、まじでかわいい。青春白書ってドラマあったよなぁ。こんな犯罪ちっくな内容じゃなかったけど・・・・」
一護は、ルキアがくれたメモを見る。
綺麗な執筆だ。
メモの裏には絵が描かれてあった。
「あー。なんだこれ?」
それは、ルキアの大好きなチャッピーだった。
「いいぜ。でもかわりに、もうリストカットしないって約束だ。「特別」になるから、もうしないって。悩みがあったらちゃんと話すこと。いいか?」
「・・・・・・・・・・ああ」
紫水晶の瞳とブラウン色の瞳が交じり合う。
ルキアは涙を零すことを止めた。
どうせ。
どうせ、この大人もすぐに飽きてしまうだろう。
私にはなんの魅力もないから。可愛そうだと構っているだけだろう。
同じような境遇を過ごしていたということに、すごくひかれるものはある。でも、なまじ同じ環境を過ごしただけに同じ者の心の痛みは分かる。可愛そうという同情心は他人よりも大きい。
どうせ、私は。
お金よりもこの命は安いのだから。
そのまま、ルキアはまた眠ってしまった。
一護はしばらく傍にいたが、そのまま恋次の元に戻った。
事情を説明しようか迷ったが、ルキアは知られたくないだろうと思って秘密にした。
恋次に悪いと思いながらも、どうして自分がルキアという名の少女にここまで吸い寄せられるのかよく分からない。
似たような、いや自分よりも酷い環境を過ごしていたのも理由にあるが。
美しい容姿だからというのも確かにあるのかもしれない。放っておけないというのもある。
それ以上に、もっと何かがあるような気がした。そうだ、青春ドラマにありがちな運命の悪戯ってやつだろうか。
青春白書じゃあるまいに。
しかも相手は生徒。未成年だ。年齢は17歳。同じ学校の生徒で、一護は教師だ。
その障害は大きい。それなのに、どうしてだろうか。
まるで蜘蛛の糸にかかった蝶のようだ。でも、ルキアになら捕食されても構わないとさえ思った。
まだ知り合って数日だというのに。
週末があけて、月曜日。
一護はいつも通り保健室にいた
。
3時間目、ルキアがやってきた。
「お、どうした?」
「悩みがある。貴様がいった。悩みがあったら打ち明けろと」
「話してくれる気になったのか。どうした。クラスになじめないのか?女子の友達がいないらしいな。いじめられてるとか、そういう話か?」
「違う。クラスにはなじめなくったってどうでもいい。女の友達なんて別にいらない」
いじめのことについて、ルキアは触れなかった。
「恋次が好きなのだ。好きで好きでどうしようもないのだ。どうしたらいい?」
「あー・・・・・」
一護は天井を仰いだ。
確かに、重要な悩みだろう。まるで本当に青春白書。青春の悩みだ。
「恋次に告白はした?」
「してない。彼女がいるから振られるにきまってる。だからしてない」
「うーん・・・・」
恋だとかの悩みを打ち明けられるとは思ってもいなかったので、少し考える。
「そうだ」
「何だ?」
「俺にに恋しろ。俺を好きになれ。だって「特別」なんだろう?だったら俺にに恋をしろ」
「・・・貴様は馬鹿か?」
ルキアは、一護を睨みつける。
特別でいてくれとは言ったが、その存在定義はルキアにとっては仲間というようなもので、恋だとか好きだとかの特別とはまた違う。
バカと言われた保健室の先生は、朗らかに笑っていた。
「バカだよ俺は。なぁ、ルキア。恋次を好きなままでいいから、俺も好きになっていこうぜ」
「バカだ。相談した私もバカだ」
「はははは」
「帰る」
ルキアの手をとって、引き止める。
すぐに、テルキアはふらついた。
華奢すぎる体。
「ちゃんと食ってるか?」
「ある程度は。それ以上は体が受け付けない。嘔吐する。だから無理には食べない」
「そっか・・・・・」
ひきよせられる。
ルキアは一護の腕の中にいた。
「貴様は。・・・・これは同情か?」
「多分、違う」
「だったら何だというのだ」
ルキアの唇に、一護は自分の唇を重ねる。
ルキアは、真っ赤になって一護から逃れた。
「な、な、な!この犯罪教師!」
「おー、犯罪だよな、これ」
「帰る!」
ルキアは、保健室のドアを乱暴にあけた。かと思うと、一護の元に戻ってくる。
そして、アメジストの瞳で見上げる。
「これが、私の携帯番号とメルアドだ」
書かれたメモを一護に渡した。
拒否されているわけではないのだろうかと、一護も思う。
メモを渡してくるルキアの頭を撫でていると、ルキアは年齢よりも幼くみえた。視線の使い方を知っている。自分を守ってくれと訴えるような使い方だ。多分、義理の両親のせいでこんな使い方を覚えたのだろうと思うと、胸がチクリと痛んだ。
一護が抱きしめると、ルキアは瞳を閉じる。
「恋次と冬獅郎以外にこうされたことがない」
「居心地悪いか?」
「分からぬ」
そういって、またアメジストの瞳を開く。いつでも熱を孕んでいるように潤んだ瞳。
「帰る。貴様など、嫌いだ」
ルキアは、頬を赤くして保健室から逃げ出した。
「嫌いっていいながら頬赤くしてもなぁ。あーやべ、まじでかわいい。青春白書ってドラマあったよなぁ。こんな犯罪ちっくな内容じゃなかったけど・・・・」
一護は、ルキアがくれたメモを見る。
綺麗な執筆だ。
メモの裏には絵が描かれてあった。
「あー。なんだこれ?」
それは、ルキアの大好きなチャッピーだった。
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