温泉旅行
京楽と、温泉にやってきた。
湯治目的であるが、なんの病にもきく湯というちょっとうさんくさい温泉だった。
まぁ、せっかくまとまった休日を二人揃ってもらえたのだから、何処か小旅行でもいこうということになって、最近肺の発作をおこした浮竹のために、京楽が湯治はどうだと言い出したのだ。
浮竹は、京楽の心使いに感謝して、湯治にいくことにした。
瀞霊廷の端の端にあるその温泉旅館は寂れていた。
なんにでもきく湯というのがふれこみだが、きっとただの温泉なのだろう。
浮竹と京楽は2泊3日で泊まりこむことになったが、他の客はいなかった。
まぁ、お陰で露天風呂とか貸し切りだったし、寂れているとはいっても、閉店に追いやられるというほどでもなく、中は綺麗だった。
京楽が洋室を頼んだので、和室ではなくベッドで寝ることになった。
「とりあえず、温泉いこっか」
「そうだな。せっかくここまできたんだ。なんにでも効くってのがうさんくさいけど」
二人は、浴衣と下着をバスタオルを手に、露店風呂に入った。
互いの背中を流しあい、髪を洗いあった。
温泉は、白桃の湯で、ふんわりと甘い香りしがして、暖かかった。
「白桃か・・・・まさか京楽・・・」
「あ、ばれた?僕が、入れておいてって頼んだの」
「またお前はそうやって金を無駄にする・・・・・」
白桃の湯の元は高い。こんな温泉風呂をまるごと白桃の湯にするのにいくらかかったのか、考えたくなくて、浮竹は湯船にぶくぶくと浸かった。
先に京楽があがったが、浮竹はもう少し入るといった。
20分が経ち、流石におかしいと思った京楽が見たのは、ぷかりと浮かんでいる浮竹の姿だった。
「浮竹!」
「あー。湯当たり、しただけ、だから・・・・」
浮竹を抱き上げて、水気をふいて浴衣を着せてから、冷水を飲ませる。
ほてった体を冷やすために、氷をもらってきて氷まくらをつくり、その上に浮竹を寝かせた。
30分ほどで、浮竹は何もなかったかのように元気になった。
「温泉の効果は本当にあるんだろうか。温泉に入る前より、体調がよくなっている」
「さぁ、どうだろうね。血のめぐりがよくなっただけかもしれないよ。でも、体が楽になるのはいいことだ。また夜にでも入ろう」
二人で、することもなく旅館の中庭を散策したり、卓球をしたりした。
夕方になり、夕ご飯が運ばれてくる。
寂れた旅館のわりには、豪華だった。
「まさか、これも京楽が?」
「ううん。ここの旅館の料理だよ」
「ふむ・・・けっこうおいしいな。なんでこんなに寂れているんだろう」
「やっぱ、瀞霊廷の隅の隅にある立地条件と、なんにでも効く湯っていう、うさんくさいふれこみのせいじゃないかな」
「そうか・・・・・」
浮竹は思案する。
そして、旅館の女将に会って、効能をしぼったほうがいいと言っておいた。
翌日には、何でも効くという湯は、腰痛、血のめぐりがよくなるというフレーズにかわっていた。
浮竹はそれを見て、なんともいえない感覚を味わった。
まぁ、確かに血のめぐりはよくなった。体が軽い気がする。
腰痛はもっていないので分からなかったが。
1泊したその次の日も、温泉に入った。
普通の透明な湯だった。
浮竹が白桃の湯にするなというので、京楽がやめたのだ。
2日目は、湯あたりすることなく、今度はサウナに入った。
あまりの熱さに、浮竹はすぐに出て冷水に浸かった。
京楽はしばらくの間サウナに入っていた。
山本総隊長に尻に火をつけられるくらいなので、熱いのには耐性があるのだろう。
30分経って、冷水につかった京楽は、いい汗をかいたと嬉しそうだった。
2日目の夜になって、京楽が浮竹のベッドにやってくる。
「頬に赤みがさしているね。湯治、正解だったかもね」
「ん・・・・・・」
触れるだけのキスをされた。
「ねぇ、もっと求めていい?」
「聞くまでもないだろう」
京楽は、浮竹の浴衣を脱がせていく。
浮竹も京楽の浴衣を脱がせた。
「んっ」
口づけが深くなる。
京楽は労わるように浮竹を、優しく愛撫する。
「あ・・・・・・」
たちあがったものに手をかけられる。
「んんん!」
浮竹も、京楽のものに手を伸ばした。
お互い、こすりあって、ぬるぬると先走りの蜜で滑るのをそのままに、お互いをいかせようと手の動きを早くさせるが、快感に弱い浮竹が先に根をあげて、白濁した液体を放った。
「あああ!」
「君の中で君を犯して孕ませたい」
「春水・・・・・・」
「好きだよ、十四郎」
体内に潤滑油で濡らした指が入ってくる。解されて、とろとろになったそこに、まだいっていない京楽のものが宛がわれた。
「ああああ!」
みしりと、音をたてて引き裂かれた。
痛みはあるが、すぐに快感に変わったてしまった。男に抱かれ慣れてしまった体は、貪欲に快楽を求めている。
「キスを・・・・・」
浮竹は京楽とのキスが好きだ。
何度も深く口づけを繰り返し、突き上げられた。
「ひあう!やっ」
最奥を抉られて、浮竹は痙攣した。
同時にドクドクと最奥に注がれる京楽の熱を感じた。
「あ・・・く・・・ああ・・・んんん」
前立腺を突き上げられて、抉られて快楽に真っ白に染まる思考の中で、京楽の名を呼ぶ。
「春水・・・春水・・・・・」
「どうしたの、十四郎。僕はここにいるよ」
「好きだ・・・・」
「僕も大好きだよ」
突き上げられて、揺さぶられる。白い髪が乱れた。
お互い、出すものもないくらい睦みあって、満足した。
「温泉にいこう。このまま寝るのはいやだ」
「分かったよ」
浮竹はと京楽は、髪と体を洗い、浮竹の中にだしたものをかきだしてから、温泉に浸かった。
「この温泉は、血のめぐりのよさと腰痛に効くという効果にしたらしい」
「へー。高齢者の利用客が増えそうだね。腰痛だと。あとは女性かな。血のめぐりがよくなると冷え性とかもきくからね」
「まぁ、どっちも本当に効果があるのか分かったものじゃないが・・・」
「まぁいいじゃないの。人がくるようになれば、それでいいんじゃない?」
京楽の言葉に、浮竹は首を傾げる。
「でも、効かない効果で温泉というのもなぁ」
「まぁ、よければまたこよう。血のめぐりがよくなるのは本当っぽいから」
浮竹の頬には赤みがさしたままで、肺の発作もおこしそうになかった。
「じゃあ、いつかまたここにくるか」
「そうだね。来年なんてどう?」
「早いな」
浮竹が、クスリと笑う。
京楽も、クスリと笑った。
年に数回、一緒に休暇をとる。何処かへ出かけたりもするけど、基本雨乾堂でだらだら過ごす。
海燕が亡くなった今、副官を置いていない浮竹は仕事が京楽より多い。それでも、二人揃って休日をもぎとった。
「今度は違う温泉にいこう」
「じゃあ、流行ってるところいこうか」
「それも、いいかもな」
肺の発作がこのまま起きず、熱が出なかったらの話だが。
きっと、肺の発作も起こすし、熱も出すだろう。
でも、そんな時傍らに京楽がいてくれるだけで、苦しくなくなるのだ。
「俺は、お前のお陰で苦しくないんだ」
「何が?」
「お前が傍にいてくれると、発作の苦しみも熱も和らぐ気がする」
「じゃあ、発作おこしたら今まで通り傍にいればいいんだね」
「ああ」
何度も助けられてきた。
その甘い手に身を委ねて。
これからも、身を委ねていくのだろう。
そう思うのだった。
湯治目的であるが、なんの病にもきく湯というちょっとうさんくさい温泉だった。
まぁ、せっかくまとまった休日を二人揃ってもらえたのだから、何処か小旅行でもいこうということになって、最近肺の発作をおこした浮竹のために、京楽が湯治はどうだと言い出したのだ。
浮竹は、京楽の心使いに感謝して、湯治にいくことにした。
瀞霊廷の端の端にあるその温泉旅館は寂れていた。
なんにでもきく湯というのがふれこみだが、きっとただの温泉なのだろう。
浮竹と京楽は2泊3日で泊まりこむことになったが、他の客はいなかった。
まぁ、お陰で露天風呂とか貸し切りだったし、寂れているとはいっても、閉店に追いやられるというほどでもなく、中は綺麗だった。
京楽が洋室を頼んだので、和室ではなくベッドで寝ることになった。
「とりあえず、温泉いこっか」
「そうだな。せっかくここまできたんだ。なんにでも効くってのがうさんくさいけど」
二人は、浴衣と下着をバスタオルを手に、露店風呂に入った。
互いの背中を流しあい、髪を洗いあった。
温泉は、白桃の湯で、ふんわりと甘い香りしがして、暖かかった。
「白桃か・・・・まさか京楽・・・」
「あ、ばれた?僕が、入れておいてって頼んだの」
「またお前はそうやって金を無駄にする・・・・・」
白桃の湯の元は高い。こんな温泉風呂をまるごと白桃の湯にするのにいくらかかったのか、考えたくなくて、浮竹は湯船にぶくぶくと浸かった。
先に京楽があがったが、浮竹はもう少し入るといった。
20分が経ち、流石におかしいと思った京楽が見たのは、ぷかりと浮かんでいる浮竹の姿だった。
「浮竹!」
「あー。湯当たり、しただけ、だから・・・・」
浮竹を抱き上げて、水気をふいて浴衣を着せてから、冷水を飲ませる。
ほてった体を冷やすために、氷をもらってきて氷まくらをつくり、その上に浮竹を寝かせた。
30分ほどで、浮竹は何もなかったかのように元気になった。
「温泉の効果は本当にあるんだろうか。温泉に入る前より、体調がよくなっている」
「さぁ、どうだろうね。血のめぐりがよくなっただけかもしれないよ。でも、体が楽になるのはいいことだ。また夜にでも入ろう」
二人で、することもなく旅館の中庭を散策したり、卓球をしたりした。
夕方になり、夕ご飯が運ばれてくる。
寂れた旅館のわりには、豪華だった。
「まさか、これも京楽が?」
「ううん。ここの旅館の料理だよ」
「ふむ・・・けっこうおいしいな。なんでこんなに寂れているんだろう」
「やっぱ、瀞霊廷の隅の隅にある立地条件と、なんにでも効く湯っていう、うさんくさいふれこみのせいじゃないかな」
「そうか・・・・・」
浮竹は思案する。
そして、旅館の女将に会って、効能をしぼったほうがいいと言っておいた。
翌日には、何でも効くという湯は、腰痛、血のめぐりがよくなるというフレーズにかわっていた。
浮竹はそれを見て、なんともいえない感覚を味わった。
まぁ、確かに血のめぐりはよくなった。体が軽い気がする。
腰痛はもっていないので分からなかったが。
1泊したその次の日も、温泉に入った。
普通の透明な湯だった。
浮竹が白桃の湯にするなというので、京楽がやめたのだ。
2日目は、湯あたりすることなく、今度はサウナに入った。
あまりの熱さに、浮竹はすぐに出て冷水に浸かった。
京楽はしばらくの間サウナに入っていた。
山本総隊長に尻に火をつけられるくらいなので、熱いのには耐性があるのだろう。
30分経って、冷水につかった京楽は、いい汗をかいたと嬉しそうだった。
2日目の夜になって、京楽が浮竹のベッドにやってくる。
「頬に赤みがさしているね。湯治、正解だったかもね」
「ん・・・・・・」
触れるだけのキスをされた。
「ねぇ、もっと求めていい?」
「聞くまでもないだろう」
京楽は、浮竹の浴衣を脱がせていく。
浮竹も京楽の浴衣を脱がせた。
「んっ」
口づけが深くなる。
京楽は労わるように浮竹を、優しく愛撫する。
「あ・・・・・・」
たちあがったものに手をかけられる。
「んんん!」
浮竹も、京楽のものに手を伸ばした。
お互い、こすりあって、ぬるぬると先走りの蜜で滑るのをそのままに、お互いをいかせようと手の動きを早くさせるが、快感に弱い浮竹が先に根をあげて、白濁した液体を放った。
「あああ!」
「君の中で君を犯して孕ませたい」
「春水・・・・・・」
「好きだよ、十四郎」
体内に潤滑油で濡らした指が入ってくる。解されて、とろとろになったそこに、まだいっていない京楽のものが宛がわれた。
「ああああ!」
みしりと、音をたてて引き裂かれた。
痛みはあるが、すぐに快感に変わったてしまった。男に抱かれ慣れてしまった体は、貪欲に快楽を求めている。
「キスを・・・・・」
浮竹は京楽とのキスが好きだ。
何度も深く口づけを繰り返し、突き上げられた。
「ひあう!やっ」
最奥を抉られて、浮竹は痙攣した。
同時にドクドクと最奥に注がれる京楽の熱を感じた。
「あ・・・く・・・ああ・・・んんん」
前立腺を突き上げられて、抉られて快楽に真っ白に染まる思考の中で、京楽の名を呼ぶ。
「春水・・・春水・・・・・」
「どうしたの、十四郎。僕はここにいるよ」
「好きだ・・・・」
「僕も大好きだよ」
突き上げられて、揺さぶられる。白い髪が乱れた。
お互い、出すものもないくらい睦みあって、満足した。
「温泉にいこう。このまま寝るのはいやだ」
「分かったよ」
浮竹はと京楽は、髪と体を洗い、浮竹の中にだしたものをかきだしてから、温泉に浸かった。
「この温泉は、血のめぐりのよさと腰痛に効くという効果にしたらしい」
「へー。高齢者の利用客が増えそうだね。腰痛だと。あとは女性かな。血のめぐりがよくなると冷え性とかもきくからね」
「まぁ、どっちも本当に効果があるのか分かったものじゃないが・・・」
「まぁいいじゃないの。人がくるようになれば、それでいいんじゃない?」
京楽の言葉に、浮竹は首を傾げる。
「でも、効かない効果で温泉というのもなぁ」
「まぁ、よければまたこよう。血のめぐりがよくなるのは本当っぽいから」
浮竹の頬には赤みがさしたままで、肺の発作もおこしそうになかった。
「じゃあ、いつかまたここにくるか」
「そうだね。来年なんてどう?」
「早いな」
浮竹が、クスリと笑う。
京楽も、クスリと笑った。
年に数回、一緒に休暇をとる。何処かへ出かけたりもするけど、基本雨乾堂でだらだら過ごす。
海燕が亡くなった今、副官を置いていない浮竹は仕事が京楽より多い。それでも、二人揃って休日をもぎとった。
「今度は違う温泉にいこう」
「じゃあ、流行ってるところいこうか」
「それも、いいかもな」
肺の発作がこのまま起きず、熱が出なかったらの話だが。
きっと、肺の発作も起こすし、熱も出すだろう。
でも、そんな時傍らに京楽がいてくれるだけで、苦しくなくなるのだ。
「俺は、お前のお陰で苦しくないんだ」
「何が?」
「お前が傍にいてくれると、発作の苦しみも熱も和らぐ気がする」
「じゃあ、発作おこしたら今まで通り傍にいればいいんだね」
「ああ」
何度も助けられてきた。
その甘い手に身を委ねて。
これからも、身を委ねていくのだろう。
そう思うのだった。
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