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エンシェントエルフとダークエルフ11

今回は、隣国であるロスピア王国の冒険者ギルドにして、ダンジョン探索がメインになったギルドに、浮竹と京楽はきていた。

イアラ帝国の依頼で、ロスピラ王国にある、あるダンジョンのモンスターからとれる血液を、採取するという依頼だった。

ロスピア王国の冒険者ギルドに立ち寄ると、クエストは全部ダンジョン関係のものになっていた。

「あの、紹介状をもってきた」

ギルドの受付嬢は、奥に通るように案内してくれた。

「ほう、これまた浮竹と京楽によく似ておるのお」

「あの、それは剣士の京楽と妖刀の精霊の浮竹のことですか」

「そうじゃ。あやつらはこの冒険者ギルドには出禁になっておるからの。入ってくることはないが、外で何度も姿を見ておるよ」

今回は、クロとブラックスライムのブルンも連れてきていた。

「この依頼内容を達成したいんだ。冒険者の証と、ダンジョンに立ち入る許可が欲しい」

「よかろう。これが冒険者の証でこれが立ち入り許可証だ」

「ありがとうごいます」

京楽が丁寧な口調でそういうと、山じいと呼ばれるギルドマスターは。

「あやつに礼を言われてるようでこそばゆいわい」

と言って、二人を自由にした。

ちなみに、血液の採取相手はゴールデンバジリスク。

Bランクダンジョンの40階層にいるらしい。

さっそく、馬車でそのBランクダンジョンがある場所にくると、見回りをしていた兵士にダンジョンへの立ち入り許可証と冒険者の証を見せると、簡単に通してくれた。

入口で、剣士の京楽と精霊の浮竹の姿は人がいるため見えなかったが、妖刀がかたかたと剣士の京楽の手で震えていた。

『プルンがどうしても一緒行くといって聞かなくてね。一緒に連れて行ってやってくれないかい』

「わかった。一時的に預かる」

浮竹はプルンを受け取った。

プルンは、エルフの京楽の肩にいるブルンを見て、お兄ちゃんとポンポンはねた。

ブルンもまた、弟だとポンポンはねた。

剣士の京楽は、そんなプルンを少し困った顔で、エルフの浮竹に渡した。

剣士の京楽と精霊の浮竹はダンジョンに入れないので、外で待つことになった。

Bランクダンジョンでは、蛇を中心としたモンスターがよく出現した。

バジリスクも尾は蛇で、顔と体は鶏だ。睨まれると石化する可能性があるので、なるべく素早く息の根を止める戦法でいくことにした。

ブラックサーペント、巨大な黒蛇が30階層のボスだった。

Aランクダンジョンで見かけるモンスターで、その皮はよい鞄や革製品の材料として、肉は高級食材としてもてはやされているので、倒すと体ごとアイテムポケットに収納する。

30階層の財宝の間が開く。

金貨が200枚と、ミスリルのインゴットが5本ほどあった。

「今日は、ここで野営しよう」

「モンスターが出てこないから、財宝の間が一番安全だしね」

クロは、モンスターに見つからないように今までの道を、先にいって自動でマッピングしてくれて、プルンとブルンは、モンスターをみたらそれぞれ攻撃魔法と酸弾で倒していた。

浮竹と京楽も、主に火の魔法でモンスターを討伐していく。

蛇系が多いので、毒には注意した。

蛇が多いので、ドロップ品も蛇の皮だったりした。

アイテムポケットは、すでに100体近い蛇の皮でいっぱいだった。

まだまだ入るが、とりえず30階層に着た頃には日は沈んでいたので、財宝の間で寝ることとなった。

「ププルン」

「くくるーー」

プルンとブルンは、ぽんぽんはねながら、追いかけっこをしていた。

そこに黒リスのクロも混ざった。

「おーい、夕飯できたぞー」

「プルルン!」

「くくるーーーー」

夕食は、ポトフだった。

プルンの食事は林檎2つで、ブルンの食事は雑草の束だった。

「プルルン?」

それ、おいしいの?」

プルンが兄のブルンにきくと、ブルンはおいしいよと答える。

「くくるーーー」

「プルルン」

じゃあちょっとちょうだい。

「くるるー」

いいよ。

そうして、ブルンは雑草を少し食べてしまい、その苦さに緑色になって、顔もうげぇという顔になった。

「くるるー?」

無理しないでね。僕の食事は雑草とかゴミだから。

「プルルン」

無理言ってごめんね。雑草、もっとおいしければいいのに。

「くくるーー」

僕には十分おいしいよ。

そんな会話をするスライム2匹をほんわりと見ながら、浮竹と京楽も作っていれておいたポトフを食べていくのだった。

ちなみに、クロの餌はどんぐりだった。

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「SYAAAAAAAA!!」

40階層のボスは、普通のバジリスク5体とゴールデンバジリスクだった。

「エアスラッシャー!」

まずは先手必勝とばかりに、バジリスク5体の尻尾の蛇を切り落とす。ゴールデンバジリスクの尻尾の蛇も切り落とした。

これで石化の心配はなくなった。

「サンダーボルテックス!」

バジリスクたちに雷の呪文を浴びせると、バジリスクたちは体を硬直させた。

そこを、ミスリルの剣で火を付与した浮竹が、鶏の頭をはねていく。

鶏の頭は、はねられて血を流してもしばらく生きていたが、直に死んでいった。

「残ったのはゴールデンバジリスクのみだね」

「そうだな。血をなるべく零さないよう、凍結の魔法をかけよう」

「分かったよ」

「「エターナルアイシクルワールド!!」」

二人で放った氷の上位魔法で、ゴールデンバジリスクは見事にかちこちに凍って、息の根を止めた。

「このままアイテムポケットに収納してしまおう」

「そうだね。これなら、解凍すれば血がいつでもとれる」

「お、巣があったぞ。ゴールデンバジリスクは金の卵を産むからな・・・どれどれ、お、2つも金の卵がある!」

中身は金ではないが、殻は金なので、お金になるので二人はアイテムポケットにゴールデンバジリスクの金の卵を放り込んだ。

「ププウ」

「どうした、腹がすいたのか?」

「ププー」

「ほら、りんごだよ。僕らも昼食にしよう。財宝の間にとりあえず行こう」

プルンは器用にりんごにかじりつきながら、ぽよんぽよんとはねた。

財宝の間には、金貨250枚と黄金の食器が置いてあった。

全部、アイテムポケットにしまいこむ。

「よし、昼ごはんにしよう」

「そういえば、剣士の京楽と精霊の浮竹は大丈夫かな?1日を丸々ダンジョンで過ごしてしまったけれど」

「大丈夫じゃないかい?兵士の詰所もあるだろうし、冒険者が寝泊まりする施設もある」

浮竹と京楽は、プルンを託されたので、きちんと面倒を見る必要があった。

プルンにもう一度りんごをあげた。

「プルー」

プルンは、嬉しそうにりんごを食べていく。

「卵も手に入ったし、簡単に卵スープにでもするか」

「バジリスクの卵って、黄身あるの?」

「あるぞ。新鮮だぞ」

浮竹は、黄金の卵の中身を割って、鍋にいれた。

その殻をブルンが食べたそうにしてるが、純金なのでとっておくことになった。

かわりに、39階層で生えていたヒーリング草をあげた。

「くくるーーー」

おいしい、おいしい。

「くくる」

回復液だしそう。

「うわああ、まて、ブルン、もったない、器!」

なんとか卵スープを入れる前の器に回復液を満たしてもらい、その薬をためしに一口飲むと、戦闘でいつの間に負っていた小さな傷が癒えた。

あと、疲労回復の効果もあった。

消費した魔力も少し戻った気がする。

「プルルウ」

お兄ちゃんすごい!

プルンは飛び跳ねて喜んだ。

「くるるー」

そんなに凄いかな?

ブルンは体の色を真っ白にして、ぽんぽんとはねた。

ダンジョンの転移魔法陣で、入り口に戻った。

「プルンを返すよ」

『ああ、うん。楽しかったか、プルン?』

「ププルー!!」

とっても楽しかったよ。お兄ちゃんとモンスターいっぱいやっつけた。

「くくるー」

弟よ、またね。

剣士の京楽は、人がいないので精霊の浮竹を連れて、プルンを肩に乗せて自分の家に帰っていった。


そんなこんなで、ゴールデンバジリスクの血液入手は、凍ったゴールデンバジリスクごと解体所に出されたので、受取人である錬金術士は顔色を真っ青にしていた。

「魔法の氷を溶くから、好きな場所に傷をつけて血を採取してくれ」

「わ、わかったわ」

「マジックキャンセル」

氷続けているゴールデンバジリスクの魔法を解くと、大量の水と死んだばかりの新鮮さを保ったゴールデンバジリスクの遺体があった。

錬金術士の女性は、えいやっと、鶏の首に傷をつけて、血を回収していく。

結局、大きな樽一個分の血がとれた。

「こんなに採取できるとは思っていなかったわ。今度の錬金術の会合の時に使う材料としているんだけど、こんなにあればみんなの分も補填できるわ。依頼の報酬金には上乗せをしておくわ」

「まいどおおきに」

何故か、勝手に現れたクロ吉が、そう言って、報酬金を受け取って、中身の金貨を数枚、口でくわえて消えてしまった。

「クロ吉、まらどっかの高級レストランの魚料理食べるつもりだな」

「まぁいいじゃない。報酬金は金貨300枚。おまけに、ダンジョンで得た金貨は600枚だし、ミスリルのインゴットや黄金の食器も手に入った。ダンジョン攻略って儲かるね」

「そうだな。また今度、暇な時にでもダンジョンにもぐるか」

「うん」

「それより、ダンジョンでとれたヒーリング草をブルンに食べさせよう。あの回復液のポーションは効果が凄いぞ。魔法で癒す余裕がない時に使おう」

ダンジョンでいっぱいとれたヒーリング草をブルンに食べさせて、ポーションを作ってもらい、それも樽1個分になった。

「量が多いから、少し市場に流してみるか」

「それがいいね」

市場に流したポーションは、値段もそう高くないからと売れた。一度使った客が、これはすごいと言い出して、バカ売れした。

自分たちが使う分を残して全部うると、金貨50枚分にはなった。

「これってさ。ブルンにヒーリング草を買ってきて与えて、ポーションにするだけで、余裕で暮らしていけるよね」

「そうだが、ブルンはあくまでスライムだ。過度な期待はしないほうがいい。それに、俺たちはSランク冒険者になるんだろう?」

「そうだね。がんばらなくっちゃね」

二人の旅は、まだまだ続くのであった。






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