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無題

「まさか、そんな・・・・・・・・」

「今まで、隠していてすまない」

浮竹は、京楽に自分がオメガであることを告白した。

京楽は、上流貴族だけあってアルファだ。

統学院で、同じ寮の相部屋となり、友人となった京楽にこれ以上隠し通せないと思い、浮竹は自分がオメガであるということを教えた。

ごくりと、アルファの京楽が喉を鳴らす。

「じゃあ、君は男性とも結婚ができるの?」

「確かに、法ではそうだが・・・・俺は、誰とも結婚する気はない。ヒートを迎えることもないような薬が最近できてきている。高いが、それを飲んで・・・・・・」

「僕は、君がいい。君が欲しい」

「京楽?」

京楽は、浮竹がオメガということを知って、抑えていた欲を見せた。

「初めて会った時から、欲しいと思っていたんだ、君を。君がオメガであるなら、僕と付き合って結婚するのも可能だ」

「京楽、俺は、誰とも・・・・・・・!んっ」

浮竹は、京楽に口づけられて、ベッドに押し倒されていた。

「ああ、ヒート抑制剤を飲んでいるんだね」

「京楽!」

「今日はキスだけ。でも、覚悟していてね。君がオメガと知った今、君は僕の性欲対象だ」

「きょうら・・く・・・・?」

浮竹は、親友の変貌ぶりに、目を見開いた。


次の日には、京楽は浮竹の飲んでいるヒート抑制剤を捨てて、逆にヒートがくる薬をもらってきて、それを浮竹に無理やり飲ませた。

「あ・・・・・・」

はじめてくるヒートの熱に、浮竹はうなされる。

その体をさらうようにベッドに運び、キスをする。

「君が好きだ。入学式の日に見たときから、惹かれていた。でも、君は男性に性の対象にされるのを嫌っていたし、僕も手を出したら、もう二度と君は僕を見てくれないと思って諦めていた。
でも、君がオメガなら、君を僕のものにできる。オメガはヒートがこないままだと、短命で終わる。君を失いたくないし、君を僕のものにしたい。ちゃんと結婚もしよう」

「あ・・・京楽・・・・熱い、たすけ、て・・・・・・」

始めてヒートになった浮竹は、熱にうなされる体をもてあましていた。

「責任はとるから・・・・浮竹、好きだよ」

「あ、京楽・・・・・・」

衣服を脱がされる。

「あ、もう・・・・・」

浮竹が求めるほどに肌を愛撫すると、京楽は浮竹のものを口に含んで、なめあげた。

「ひああああ!!」

「蜜みたいな味だね・・・オメガだけあって」

浮竹は、京楽の口の中で精液を吐き出してしまっていた。

「あ、あ、あ、やあああ」

すでに濡れている蕾に指が侵入してくる。

「あ、ああ!」

ばらばらに動かされて、肉をかきわける指が一か所を刺激した。

「やあああ!」

「ここ、いいの?」

「やだあああ」

「僕だけのものになって。浮竹」

「あ、あ・・・・・」

浮竹は、京楽の昂った熱にゆっくりと引き裂かれた。

「あああ!はう!」

「ゆっくり呼吸して・・・・馴染むまで、待つから」

京楽は、ゆっくりと動いた。

なえかけていた浮竹のものが、またたちあがっていた。

それに手を添えてしごきながら、浮竹を貫いて揺さぶる。

「やああああああ!!!」

ぶわりと、オメガのフェロモンに京楽はやられそうになったが、自制した。

「あ、あ、あ、や」

「ここ、いいんだよね?」

「いやあああ」

「嫌なら、やめる?」

「あ、やだ。抜かないで・・・・・」

浮竹は、京楽を求めた。

「たくさん注いであげるから、僕の子を身籠ってね」

「やあああ、妊娠は、まだ、したくない・・・・」

中で射精されるのを嫌がるが、体は貪欲に子種を求めていた。

「そんなにきつくしめたら、出すしかないよ?」

「あ、やああ、体が」

浮竹は熱にうなされているように、意識は曖昧で、眩暈をおこしていたが、自分が京楽に抱かれている事実は受け止めていた。

「あ、バカ、京楽・・・・もしも本当に子どもできたら、責任とれ・・・・」

「うん。結婚して、一緒に子を育てよう。誰の子供よりも愛するよ。君と一緒に」

「ああああ!!!」

最奥にごりごりと侵入してきた熱は、そのまま浮竹の奥にある子宮に熱を直接ぶちまけた。

「あ、京楽が、弾けて・・・・熱い」

「愛してるよ、浮竹。番になろう。君は、もう僕のものだ」

「あああ・・・・・・・・・」

飛んでいく意識の狭間で、京楽の子を身籠った気がした。



1カ月後、検査すると本当に京楽の子を身籠っていた。

京楽に初めて抱かれてから、数日おきに京楽は浮竹を求めた。番になってしまった二人は、本能が赴くままに交じりあい、快楽を分かち合った。

「京楽・・・・その、今日の検査で、陽性で・・・・お前の子が、俺の、腹に・・・・」

「それは本当かい!?学院を卒業するまでは婚姻はしないでおこうかと思ったけど、結婚しよう。責任は全部とるから。今日から、君も京楽家の者だ」

「う・・・・上流貴族や、いやだ」

「大丈夫。親は放任主義だし、僕がオメガと結婚すると言っても、勝手にしろって怒られた」

「京楽の親・・・・・・」

「会いたいの?」

「会いたくない」

浮竹は首を横に振った。

オメガの自分なんて、どうせ侮蔑の対象となるだけだし、京楽も親に浮竹と会わせる気はなかった。

学院にの回生の時に、婚姻した。

4回生の終わりに、浮竹は女児の双子を出産し、浮竹と京楽は死神としての学業におわれながらも、京楽家のつてで乳母を雇いつつ、子育てもした。

「ねぇ、僕を恨んでる?」

「なんでだ?」

双子の女児をあやしながら、浮竹は京楽に問う。

「僕が、君を手に入れてしまったから。本当なら、君は違う誰かと番になっていたかもしれない」

浮竹は、クスリと少しだけ笑った。

「今更だぞ、京楽。俺を無理やり自分のものにした上に、子まで産ませたくせに。結婚もした」

「そうだね。今更だね。ねぇ、今、幸せかい?」

「少なくとも、不幸じゃない。家族がいるしな」

「そう、良かった・・・・・・・・」

子を乳母に預けた浮竹は、京楽に向き直った。

「俺の夫だろう、お前は。もっと自信をもて!」

「うん、そうだね。でも、浮竹の願い通り、名前は浮竹のままで京楽の名を名乗る必要はないから」

「それについては、少し迷惑をかけた」

「ううん、君が僕の傍にいてくれるだけでいいんだ。ほんとは、傍にいれるならオメガとかアルファとかどうでもよかったんだよ」

「今更だな」

「そうだね。君はオメガで僕はアルファ。そしてお互い番であり、結婚して子もいる」

「俺は、今の自分を幸せだと思っている」

「浮竹・・・・・・」

「愛してる、京楽」

「うん、僕も愛してるよ」

二人のオメガとアルファは、寄り添いあいながら死神として生きてくのであった。




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