番外編 金木犀
浮竹十四郎は、神掛を行った。
本当は、死ぬはずであった。彼を生まれた頃、両親は花の神という土着伸に我が子が健康でありますようにと捧げ、そして3歳の時に肺の病で死にそうなところを、同じ土着伸であるミミハギ様に救われた。
ミミハギ様を解放して、浮竹は死ぬはずだった。
それを止めたのは、花の神であった。
花の神は京楽を器として降臨し、京楽は半神へとなった。残っていた左目は桜の神を宿し、表面に現れる時だけ桜色の瞳になった。
「金木犀の香りがするね。もう秋も終わりだね」
「金木犀の香りは甘いからな。俺は好きだ」
「ボクも好きだよ?君から匂う花の香りに似てる」
浮竹からは、花の神に愛された証として、甘い花の香りがした。
「もう、大戦が終わって30年か。あっという間だな」
「そうかい?ルキアちゃんと恋次君の間に第二子ができたり、副隊長が変わったり、いろんなことが起きたよ?」
「まぁ、そうだな」
浮竹は、オレンジ色の金木犀の花を集めた。
「そんなに集めて、どうするんだい?」
「香水にしようと思って。それを朽木とかにやりたくてな」
浮竹は器用だ。
香水の作り方も知っていた。
「じゃあ、大量の金木犀の花がいるね?ボクも手伝うよ」
浮竹と京楽は、一番隊に近い金木犀の花を集めすぎて、七尾に怒られた。
「全く、限度というものを知ってください」
「はい」
「はーい」
浮竹は早速香水を作ることにした。
無水エタノール:を10ml。凝縮した金木犀のエキスの精油を20滴。
遮光瓶:(香水を保存するための瓶)に入れて混ぜて、金木犀の香水の出来上がりだ。
とりあえず、怒っていた七緒にあげると、凄く喜ばれた。
成功だと、本命のルキアにあげた。
「浮竹隊長、ありがとうございます!すごくいい香りです」
「よければ、苺花ちゃんの分もあるんだ。あげてくれないかな」
「浮竹隊長、最近お体のほうは?」
浮竹は花の神の力で病んでいた肺の病は言えたが、相変わらず病弱で、よく熱を出す。
最近はあまり熱もでないで、風邪とかもひいていないので、浮竹は笑顔になった。
「ああ、最近は調子がいいんだ。心配ありがとうな、朽木」
浮竹は、自分にも金木犀の香水をつけてみる。
「京楽、どうだ?」
「うん、むらむらする匂いだね」
「どんな匂いだ!」
「こう、甘ったるくて浮竹にぴったりで」
むちゅーとキスをしようとしてくる京楽を、浮竹は押しのける。
まだ傍にルキアがいたのだ。
「では、浮竹隊長、京楽総隊長、失礼します」
ルキアは、隊長でなくなった浮竹のことを、いつも浮竹隊長と呼ぶ。言い直させても直らないので、そのままにしておいた。
浮竹は高い霊圧をもっていたが、その霊圧は全て生きるエネルギーに変換されて、もう鬼道も瞬歩も使えないし、斬魄刀もふるえない。
今は、浮竹の代わりに13番隊隊長となったルキアの書類仕事の補佐をしていた。
だが、日常の業務のうち半分を、京楽の書類仕事の補佐をするようになっていた。
京楽という男は、総隊長になってもさぼり癖が直らず、七緒は苦労させられていた。
「お前にも、つけてやる」
浮竹は、京楽にも金木犀の香水をふきかける。
「やめてよ!色気むんむんで、浮竹以外にももてちゃうじゃない」
「この毛もじゃ男が」
「酷い。ボクの体毛はチャームポイントだよ」
「はいはい」
浮竹は、金木犀が風で散っていくのを見ていた。
「季節はあっという間に移ろうな?」
「仕方ないよ。それが生きている証なんだから」
むちゅーとキスをしようとする京楽に、浮竹は手で遮る。
「キスくらいさせてよ」
「昨日、散々抱いただろうが。キスもいっぱいした。今日は何もしない」
「ケチ」
「年も考えず、毎晩のように盛るお前の相手をさせられるこっちの身にもなれ」
「ふーんだ。どうせボクはヤリチンですよ」
「誰もそこまで言っていないだろうが」
京楽の瞳が淡く紅色に輝く。
「‥‥‥‥桜の神か?」
「器となった男が、これほど色欲魔だとは‥‥‥‥人選を間違えたか」
「なんの用だ?」
浮竹が、愛しい半身を神に支配されて、眉を寄せる。
「我が愛児を見ておきたくて」
「俺のことなど、京楽を介して見ているんじゃないのか?」
「そんなことはない。お前たちの情事も見ていないぞ。いつもは京楽の奥深くで眠っている。私が出ている時は、瞳の色が変わるからすぐわかるだろうが」
「まぁそうだが。あまり、京楽の体を支配するな」
「ふ、我が愛児は我儘だな。命を助けてやったというのに」
「感謝はしている」
浮竹は、花の神にも香水をあげた。
「ふむ。人の匂い袋のようなものか。悪くはない」
しゅっしゅと、金木犀の香水をふきかけまくって、花の神は大地に桜の花びらを残して、京楽の中でまた眠りについた。
「あれ、ボク‥‥‥‥うわぁ、香水くさい!たまらない、風呂に入りたい」
「今日は、仕事はもうないしな。早めに帰るか」
「うん」
浮竹は、死んでいないので雨乾堂が取り壊されることなく残っていて、普段はそこで住んでいるんだが、今は京楽の屋敷で厄介になっていた。
「今日の夕食はなんだろう」
「カニらしいよ」
「お、いいな。久しぶりだ。もうカニの季節か」
「今度、現世にもカニ食べに旅行でも行ってみる?」
浮竹は、それはまずいのでないかと口にする。
「総隊長がいない尸魂界は大変だろうが」
「まぁ、そこらはなんとかなるよ」
「じゃあ、二泊三日くらいで旅行にいくか」
「うん、そうだね」
ふわりと、金木犀ではなく桜の花びらが散っていく。
「ああ、花の神も行きたいみたい」
「そうか。とりあえず、カニ食いに帰るか」
浮竹と京楽は、手を繋いで歩きだす。浮竹は、確かにここに生きて今存在している。
これからも、ずっとずっと。
神掛で失われるはずだった浮竹の命は続いている。
京楽が器となって半神になったが、花の神のお陰で、二人は歩いていくのだった。
黒猫と白猫の亜人54
どこを探してもいないので、拉致されたのかと京楽は心配する。
白哉に探知魔法で探してもらうと、魔王城の中庭に反応があった。
京楽は、魔王城にいき、魔王の浮竹と話す。
「浮竹が来ているはずなんだけど」
『え、見てないぞ?』
魔王の浮竹は、首を傾げる。
「でも、この城の中庭で反応があったよ?」
『ボクも一緒に見てくるよ。浮竹は仕事続けてて』
『あ、ずるい。俺も行きたいのに』
『その仕事、今日中に終わらせないといけないやつでしょ?』
幽鬼の京楽の言葉に、魔王の京楽は仕方なく仕事を続けることにした。
「おーい、浮竹ー」
『白猫の浮竹ー』
返事はなかった。
よくよく探してみると、ネモフィラの花畑に埋もれて、白い物体がすーすー音をたてている。
「浮竹、こんなところにいたの」
『そっとしておこう。そのうち、目を覚ますだろうから』
幽鬼の京楽は、浮竹をそのままにして、薄い毛布だけをかぶせてやった。
最近は昼でも冷えてくる。
まだぽかぽかする太陽があるが、雲に隠れてしまうと肌寒くなる。
魔王の浮竹に、京楽たちは浮竹を見つけたと報告した。
魔王の浮竹は仕事も終盤にさしかかり、早く白猫の自分と遊びたいので、マッハで仕事をしていく。
『終わったああああ!!!』
『お疲れ様』
「ふにゃああああああああ。よく寝た~~~~。あれ、魔王城だ」
浮竹は目覚めた。
毛布が落ちる。
「む、誰か毛布をかけてくれたのか。それにしても、いつの間に魔王城へ」
そんなことを聞いていた京楽は、猫の姿の浮竹を抱き上げる。
「もう、心配したんだよ。いきなり行方不明になるから。魔王城に行くなら行くって言ってくれなきゃ」
「それが、魔王城に行った記憶がないんだ」
「寝ぼけてたの?」
魔王の浮竹からもらった魔王城にテレポートできるお札が、浮竹の体から落ちる。
「あ、それで遊んでて、眠ってしまったんだった」
「もう。気をつけてね?無防備に寝れるのは、この魔王城か白哉君の家くらいなんだから」
京楽もだが、浮竹は白猫の亜人だ。京楽の黒猫の亜人より貴重とされている。その涙は時に結晶となり、大国を潤すほどの値段になる、白涙石を生み出す。
そのせいで白猫の亜人は奴隷として見目もいいので、娼婦や男娼にされて、涙を流すことを強制される。
もう、白猫の亜人は、浮竹と浮竹の母親以外、近隣諸国には存在しない。
大陸全土を探しても、10人もいないだろう。
「寝て起きたら、お腹すいた。魔王の俺に、チュールもらいにいこっと」
「じゃあ、ボクも」
京楽も猫の姿になって、魔王の浮竹のところに押しかける。
二人は、魔王の浮竹が気がすむまでもふられた後、いっぱいチュールをもらって、浮竹はまたあくびをしていた。
「そんなに眠いの?また、なまけ病じゃないだろうね?」
京楽が心配する。
浮竹は、過去に普通の猫から感染するなまけ病という、眠り続けてそのまま衰弱死する病気にかかったことがある。
最近浮竹は眠っていることが多いので、京楽は心配だった。
「ん、大丈夫だぞ?最近まだ寒いけど、お日様がぽかぽかするときはあったかくて眠くなるんだ。そんな日にお日様の下で眠るときもちいいから、つい寝すぎる」
浮竹は、京楽と一緒に猫じゃらしで魔王の浮竹に遊んでもらってから、昼寝ならぬ夕寝をすると、また中庭のネモフィラの花畑の下で丸くなって眠り出す。
「もう、浮竹。日が沈んで、寒くなるよ?ボクも一緒に寝てあげるか」
京楽も丸くなって、二人で眠る。
魔王の浮竹と幽鬼の京楽は、そんな二人がかわいくて、夕飯を中庭のテラスで食べることにした。
いい匂いがしてくると、ぴくりと浮竹の耳が動く。
「いい匂い。おいしそう」
『白猫の俺も食べるか?カルガモの肉のソテーだ』
「食べる!」
猫の姿のまま、テーブルに乗って、魔王の浮竹のフォークにささったソテーの肉をはむはむとかじる。
「あ、ずるい。ボクも!」
京楽も起きて、猫の姿でテーブルの上に乗ると、幽鬼の京楽の食べかけのソテーを勝手に食べてしまった。
『ふふ、おかわりほしい?』
幽鬼の京楽が、二人に聞くと、二人はにゃんと鳴いて、それから欲しいと言った。
魔王の浮竹は、使用人を呼んで、カルガモのソテーを二人前追加するように命令する。
ほどなしくてカルガモのソテーがやってきて、熱々なので、二人とも火傷しないように気をつけてはぐはぐと食べる。
人の姿に戻って食べればいいのにとも思うが、猫の姿ではぐはぐと食べる姿がかわいいので、余計なことは言わない。
「お腹いっぱいだ」
「ボクも」
「お腹いっぱいいなったら、眠くなってきた」
「ボクも」
二人は丸くなって、魔王の浮竹の足元で眠ってしまう。
魔王の浮竹は、浮竹をそっと抱き上げて、ベッドの上に運ぶ。
幽鬼の京楽は、京楽を抱き上げて、同じようにベッドの上で寝かせた。
『今日はボクたちも早めに寝ようか?』
『ああ、そうだな』
幽鬼の京楽は、魔王の浮竹にキスをする。、
魔王の浮竹は、目尻を赤く染めつつ、浮竹と京楽を寝かせたベッドの隣のベッドで眠ることにした。もちろん、幽鬼の京楽も一緒だ。
ちなみに、キスをしているシーンを、ふと起きた浮竹は見ていた。
次の日に、キスはもうしないのかとか言い出して、魔王の浮竹を真っ赤にさせるのであった。
俺はお前のラブドール6
週に2回くらい睦みあって、欲を解消させながら、浮竹は京楽に愛される。京楽に愛されなくなれば、浮竹は生きる意味を失う。
元がラブドールであるせいで、京楽の、主とした者のに愛されないと、そのうちほろほろと崩れるか溶けてしまう運命だった。
だが、京楽が浮竹を愛さない日はない。
体の関係はなかった時も、変わらず愛された。
精神的に愛されればそれでいいらしい。できればセックスをして、精液を注ぎ込まれたほうが生き生きとなるが、それは諸刃の剣で、浮竹に疲れというものを感じさせる代わりに、愛の絆は深まった。
年明けになり、京楽は総隊長としてぱーっとパーティーを開いた。傍には、いつも浮竹がいた。
「浮竹。兄が蘇って1年になるな。これは私からの贈り物だ」
「わあ、白哉、ありがとう」
浮竹のことを兄のように慕う白哉は、長くなって腰より更に長くなった髪をまとめる絹でできた紐と、翡翠の髪飾りをくれた。
「白哉、変わりはないか?」
「何も。兄こそ、大丈夫か?」
「何がだ?」
浮竹が首を傾げる。
白哉は、少し頬を染めて、そっと浮竹に言う。
「うなじにキスマークがある。長い白髪で見えないように見えて、見えてしまう」
浮竹は、にこにこしながら京楽を一度張り倒して、虎徹隊長に回道でキスマークをなくしてもらった。
「あいたたた。でも、浮竹いいものもらったね。さっそくつけてみようか」
京楽は浮竹の長い髪を両サイドで編み込んで後ろで流し、髪飾りをつけてやる。バレッタ状になっており、四大貴族らしく、上等な翡翠が煌めいていた。
今日は、浮竹の1年目の誕生日とされて、他にも贈り物を贈ってくる者が、あとを絶たない。
「今日は、いい日だなあ」
「年明けのパーティーでもあるしね?」
浮竹がもらうものの多くが、福袋であるのはご愛敬だ。
「浮竹隊長、1年目の誕生日おめでとうございます。これ、隊長にと編んだマフラーです」
「ありがとう、朽木」
ルキアは、夫である恋次と子の苺花を連れてパーティーに参加していた。
「俺からは、ゴーグルを」
「ありがとう、阿散井」
「あたしからは、肩たたき券!あとお菓子あげる!」
チョコレート菓子を苺花からもらい、浮竹は食べた。肩たたき券を使う日はないだろうが、心使いだけでもうれしいのでもらっておく。
会場は一番隊の一番大きな広場で行われていた。
隊長副隊長は絶対出席であった。
いつもは見ない顔も見れて、浮竹も満足そうであった。
「あ、シロちゃん!」
冬獅郎を見つけて、浮竹が駆け寄る。
「誰がシロちゃんだ!浮竹、てめぇ1歳のくせに図体だけでかいな」
「シロちゃんは、いつまで経っても小さいな?」
「ああ?ケンカ売ってんのか」
そう言いながらも、冬獅郎は浮竹に酒をくれた。
果実酒で、浮竹の好きなお酒だった。
「ありがとう、シロちゃん」
「普通に日番谷って呼べ!」
「ふふ、ありがとうな、日番谷隊長」
浮竹はにこにこして、冬獅郎がパーティー会場の奥に消えていくのを見る。
「シロちゃん、またな」
松本、檜佐木、吉良とか、いつも浮竹のいないところでだが、飲み仲間になっている面子からも酒をもらった。
更木、一角、弓親あたりからは、斬魄刀になれなかった浅打をもらった。
「その浅打で、もう一度双魚理でも作りやがれ」
更木が、そう言い残して、酒を飲みに消えていく。
「斬魄刀。今の俺でも、また作れるのだろうか」
「浮竹次第じゃない?」
京楽に言われて、とりあえず浅打は腰に帯刀した。
「やあ、これはこれは、実に珍しい実験体の浮竹元隊長ではないかネ。どうだい、私のモルモットになる気はないかネ?」
「ないない」
「まぁ、そう言わず」
「ないから!」
浮竹も涅マユリが苦手なので、逃げる。
「ちっ、精神系の薬物を投与して、蘇ったという体で試しかたったのに」
「マユリ様」
「うるさいよ、 眠八號(ねむりはちごう)」
涅親子も、パーティー会場の奥に消えていく。
「よお、浮竹さん」
「一護君!?」
黒崎一護が、死神の姿でわざわざ現世から来てくれていた。
「復活したって聞いて、嘘だろって思ってたけど、ほんとに生きてるんだな。はは、俺も大分ふけちまったなぁ」
大戦から20年が経ち、一護は井上と結婚して、一勇という子をもうけていた。
一護は人間なので、37歳くらいになっていた。
「浮竹さんたちと同じくらいの年齢になっちまった。年をとるのははえぇなぁ」
「一護君も元気そうで何よりだ。今度、暇があったら酒を飲みにこないか。今晩でもかまわないが」
「そうだな。今晩なら、いけるかな。仕事があるから、あさってには帰らないといけないから」
「こら、一護貴様、浮竹隊長を蔑ろにするな!」
久し振りにルキアに蹴られて、一護は昔みたいにルキアと言い合いをする。
「たまに会ったと思えばなんだよてめぇ!喧嘩売ってんのか!」
「貴様なぞに売る喧嘩などないわ。時間の無駄だ」
「何おう、やる気か!?」
「そっちがその気なら、私もやるぞ」
「まぁまぁ、二人とも落ち着いて」
京楽が間を取り持って、とりあえず喧嘩にはならなくて済んだ。
「はぁ。俺も37歳かぁ。年とったなぁ。ルキアと恋次は、髪型こそ違うが、見た目は変わってねぇ。これが、死神と人間の違いかぁ」
一護は、浮竹と京楽と一緒に、高級居酒屋で飲んでいた。
「まぁ飲め、一護君」
「浮竹さんが蘇ったって聞いて、いつか会いたいと思っていたんだ。会えて嬉しい」
「俺もだぞ、一護君」
「店主、果実酒をもう1瓶と、日本酒を2瓶」
京楽は、何気にたくさん飲むつもりだった。
「一護君も、幸せそうで何よりだね。織姫ちゃんと結婚して、子供がいるんでしょ?」
「ああ。一勇っていう。もう15歳だ。中学3年だな」
「ああ、俺が死んでいる間に、皆に時が経ち、いろいろと変わっていくもんだな」
浮竹は、つまみと一緒に果実酒をあおる。
「浮竹には20年のブランクがあるからね。仕方ないよ」
「まだ気が早いけど、一護君が死んで本物の死神になったら、瀞霊廷中で取り合いの喧嘩になるだろうな」
「まだ早いっすよ。俺まだ37ですよ。死ぬまで、あと半世紀くらいある」
「案外、もっと長生きしたりしてな?」
浮竹はからからと笑う。
一護と京楽も笑った。気が先に先にいき過ぎなのだ。
一護は尸魂界の英雄だ。それが死んで本物の死神になったら、確かに護廷十三隊で取り合いになるだろう。
「そろそろ遅いんで、お暇しますね。さて、ルキアと恋次の家に泊まるんで、何かあったらスマホに連絡入れてください」
「ああ、一護君、またな」
「またね、一護君」
浮竹と京楽は、朝まで飲んだ。
浮竹はべろんべろんに酔っ払い、京楽も酒豪だが飲んだ量が量なので、少し酔った。
そのまま屋敷に帰らずに、宿に泊まる。
「んーー」
酔いつぶれた浮竹を抱きしめて、京楽もそのまま眠った。
朝起きると、お互い裸だった。
でもやった形跡がなかったので、安堵しつつも心のどこかで残念と思った。
屋敷に戻り、3日経って、体が疼きだした浮竹は、京楽を誘う。
「春水、お前が欲しい。俺の中をお前で満たして?」
「ああ、十四郎。君はおねだり上手だね?」
京楽が、クスクス笑いながら浮竹を押し倒す。
浮竹もクスクス笑っていた。
「んっ」
際どいところを触ってくるが、肝心の場所を触ってくれないので、浮竹が京楽の手を股間へと導く。
浮竹のものは熱く滾っていた。
包み込むようにしてから、手でしごくと、浮竹は欲望を京楽の手の中で弾けさせる。
「んああああ!」
「気持ちいい?」
「あ、気持ちいい」
「じゃあ、ボクも気持ちよくさせてね?」
ローションを塗りたくった京楽は、浮竹の蕾の中にずずっとゆっくり入っていく。
「うあ!」
挿入と同時に、浮竹は軽くオーガズムでいく。
ぱちゅんと音を立てて、奥まで貫くと、浮竹はぴゅっぴゅと精液を零しながら、オーガズムでもいっていた。
「んああああ、いくうううう」
「気持ちいい?」
「あ、気持ちいい」
浮竹は素直に答える。
「あ、もっとお♡」
「ふふ、たくさんあげるね?」
京楽は浮竹の奥に子種を弾けさせる。
「んあ、春水の熱いのびゅーびゅー中で出てるのお♡とろけそう♡」
「十四郎がとろけちゃたら、ボクのザーメン受け取る子がいなくなるね?」
「あ、それはもったいないからだめぇ」
「どっちなんだか」
京楽は、浮竹の奥を穿つ。
何度もそうしていると、また浮竹が精液を零しながら、オーガズムでいく。
「ひああああん、あ”あ”---♡」
「中と外も、二重で何度もいってるね?」
「気持ちよすぎて、変になるう♡」
「そしたら、オナニー人形として大切にしてあげるよ?」
「やらぁ。京楽と、こうしていたい♡」
京楽は、思い切り浮竹を貫いた。
「ひああああああ”あ”あ”♡」
浮竹はもう出す精液がないので、だらだらと透明な蜜を少しずつ零してから、ぷしゃあああと潮を吹いた。
「今日も潮吹くんだね?十四郎、女の子みたいだね?」
「あああ、春水。子ができたら、責任とってくれ♡」
「うん。できなくても、責任はとるからね?」
浮竹はその後も何度もオーガズムでいって、気を失った。
「君は、ボクだけのラブドール。ボクの愛を注ぎ込んで受け入れてくれる、ボクだけの魂のある愛しいラブドール」
俺はラブドール。
愛されなければ、生きていけない。
当分、愛されないと言うことはなさそうであった。
俺はお前のラブドール5
「俺が、霊王の身代わり?」
「そうです。一度ミミハギ様、霊王の右手を宿したことのあるあなたが一番適任なのです。どうか、考慮してはいただけないでしょうか」
零番隊の使者は、浮竹に霊王になれと言っていた。
「そんなこと、急に言われてもな」
「ユーハバッハの躯だけでは‥‥‥‥」
「でも、そのままでも維持できるんだろう?」
「そうなのですが。しかし、浮竹様が霊王になっていただければ、比較的もっと安全に霊王として世界を存続させられます。どうか、どうか」
「お断りだね」
浮竹でなく、京楽が答えた。
「京楽総隊長、あなたに話しているのではありません」
「はっ、みすみすユーハバッハに霊王を殺されておきながら、今更どの口で浮竹を霊王にだなんていうの。浮竹はボクのものだ。霊王になんてさせないし、させたら霊王宮に行って攫ってでも連れて帰る」
京楽は本気だった。
「あなたは、世界の安全のためと思わないのですか!」
「思わないね。浮竹を無理にでも霊王にしないってことは、緊急用件でもないでしょ。さっさと帰ってよ」
「く、ここは一度引きます。浮竹様、どうかよい返事をお待ちしております」
京楽は、使者のいたところに塩をまく。
「京楽」
「浮竹、だめだからね?霊王になんてならないで」
ぎゅっと京楽に抱きしめられて、浮竹はその頭を撫でる。
「俺は、霊王になんてならない。俺はお前のラブドール。お前だけのラブドール。お前に愛し愛されて、魂をもって動くラブドール。霊王にはなれない。真実を知れば、零番隊の連中も俺のことを霊王にして失敗だったって思うさ。俺はお前だけの魂のあるラブドールでいたい」
「君はもう、ラブドールなんかじゃないよ。魂のある浮竹十四郎だ」
「うん」
浮竹は、散歩に出かけるといって、執務室を抜け出していった。
それから、夜になっても戻ってこなかった。
次の日になっても、次の日になっても。
ふと、地獄蝶が現われて、京楽の手に止まる。
「京楽、霊王にさせられる。助けてくれ」
地獄蝶はそれだけ言うと、ほろほろと崩れていく。
京楽は動いた。
12番隊を動かして、霊王のいる霊王宮へと繋ぐ穴をあけさせて門を作り、その中に入っていく。
「何者だ!」
「京楽春水」
「な、総隊長!?」
「浮竹を返して」
新しい零番隊の隊長が、京楽の道を阻もうとする。
「邪魔するなら、殺すよ?」
そのあまりの殺気に、隊長は動けなかった。
「浮竹様は、霊王となられるお方。あなたとは、相容れぬ存在」
「そんなことないよ。だって浮竹は元はボクだけのラブドールなんだもの」
「は?」
隊長は、首を傾げる。
「今の浮竹は、蘇ったけど元はただの浮竹の姿をしたラブドールで、愛がなければ生きていけない。ボクが愛をあげて、生きていられる。浮竹を霊王にして、ボクから離すと1か月ももたずに死ぬよ」
それは本当だった。
浮竹は、京楽だけのラブドール。京楽の愛がなければ死んでしまう。
元はただのラブドールなのだ。愛されるためだけに存在している。
「な、狂言を」
「本当だ」
「れ、霊王様!」
霊王の衣装を着せられた浮竹は、美しかった。
以前のような水晶に閉じ込められた霊王ではないので、十二単を着ていた。
しゅるりと衣服をはだける音をたてて、襦袢姿になると京楽に抱き寄せられて、口づけをする。
「それに、俺は欲をもつ。この男に愛されたいと。愛されないなら、死んだほうがましだ。俺は霊王にはならないんじゃなくて、なれないんだ。俺の存在はあまりにも歪(いびつ)だ。霊王にさせるには危険すぎる」
「た、確かに‥‥‥‥」
零番隊の隊長は、他の零番隊の者を集めて緊急会議を開いた。
結果、浮竹の存在は不安定すぎて、とても霊王の代わりなど務まらないと分かり、霊王宮から出されて京楽と一緒に地上に戻った。
「君がいなくなって、きっと霊王にさせられたんだろうと思って、涅隊長に無理いって霊王宮までくる道を作ってもらったんだよ」
「お陰で俺は助かった。あのまま霊王としてお前と引き離されたら、きっとまたただのラブドールに戻っていた」
「ただのラブドールには戻らない約束だよ?」
「ああ。ちゃんと、覚えている」
浮竹と京楽は、いつもの住んでいる屋敷に戻ると、まずは休息をとった。
京楽は仕事もほったらかして浮竹を探し、浮竹は突然拉致されて霊王にさせられたものだから、安心して眠ることも食べることもできなかった。
まず、仮眠をたっぷりとってから、風呂にはいり食事をした。
京楽はいつも当り前のように酒を飲むが、浮竹はあまり飲まない。
なのに、今日は果実酒であるが、けっこう酔うくらいまで飲んだ。
「京楽、お前が欲しい」
「うん。ボクも、君が欲しい」
「ああ、酒に酔ったせいかな。ふわふわしてる」
浮竹は足元もおぼつかなく、京楽に抱っこされて寝室へ行く。
浮竹に与えられた30畳の広い部屋に大きな布団をしいて、浮竹をそっと寝かす。
「愛してるよ、十四郎」
「俺も愛してる、春水」
二人は服を脱がせ合って、もつれたまま布団の上をごろごろと転がる。
「ふふ、まるで悪戯してる気分」
「お前のは、悪戯じゃなくてしつこいセックスだからな」
「そう言うけど、嫌じゃないくせに。もっともっとって、せがむのはどこの誰かな?」
「抱かせてやらんぞ?」
「わあああ、ごめんなさい」
京楽は、浮竹にはかなわない。
浮竹を敵にまわすと、きっと死ぬまで手を出さないだろう。
霊王になれない歪な存在である浮竹は、今日も京楽に抱かれる。
「んっ」
深い口づけを受けて、舌を絡めあいながら、京楽は浮竹の肌を愛撫していく。
胸の先端をかりかりとかいてみたり、つまんだりした。
「んあ、そこばっかりは、やぁ」
しつこく胸の先端ばかりいじられるものだから、浮竹は勃った自分のものに京楽の手をもっていく。
「ふふ、ぬるぬるして濡れてる。えっち」
「そうさせたのは、お前だろうが。そういうお前のものも、ギンギンになってるぞ」
お互いの性器を指でいじりあい、二人は高みにのぼる。
「あ、出ちゃいそう」
「俺も、もう限界‥‥‥あああ!」
お互いの精液を、お互いにかけあう羽目になった。
とりあえずティッシュでぬぐって、そこらへんに捨てておく。
「今日は、ローション用意してあるんだ。甘い味のやつ。摂取しても栄養になって無害だから」
そのローションを、京楽は自分のものに塗りたくり、自分では何もしない。
じれた浮竹が、ローションごと京楽のものを口でくわえる。
「うわぁ、いい眺め」
「んんん」
じゅぷじゅぷと音を立てて、京楽のものを舐めあげ、口で奉仕すると、数分ももたずに京楽は浮竹の口の中に精液を吐き出した。
「んん、濃い」
「ふふ、ボクのはいつでも濃いよ?普通の人より性欲強いしね」
「じゃあ、その相手をできる俺も相当性欲が強いんだな」
「そうなるかな」
くちゅりと、浮竹は自分の指で自分の後ろをローションを使ってならしていく。
「あ、いい」
くちゅくちゅと指でいい場所をぐっと押すと、オーガズムでいく。
「君だけなんてずるいよ?」
京楽は、浮竹の中に侵入した。
「んああああ、いくううう♡」
硬くて熱くて太いものが入ってくる。その高揚感に、浮竹は震える。
「んあ、いくのとまらな”い”」
京楽が挿入れただけでこれだ。
ぱちゅんぱちゅんと音がなるくらうい腰と腰をぶつけあうと、京楽は飲み込み切れなかった唾液を顎から滴らせながら啼く。
「んあああ、ああ”あ”あ”」
「もっと奥に欲しい?」
「あ、欲しい。もっと奥に、浮竹の硬くて熱くて太いのちょうだい?♡」
京楽は浮竹と舌を絡めあいながら、最奥をこじあけてねじ入る。
「あーあーーーーー♡」
びゅるびゅると精子を注がれて、浮竹は恍惚とした表情になった。
「もっと、春水のザーメンいっぱいちょうだい?♡」
「うん、たくさんあげるからね」
何気に、睦みあう前に涅隊長に作ってもらった強精剤を、京楽は飲んでいた。浮竹の茶にもそれを入れて飲ませておいた。
「あ、いっちゃうう」
浮竹も、精液を出す。
「んああ、なんでええ。たくさんザーメン出していってるのに、まだ出るうう。止まらないいいいぃぃ♡」
「さぁ、もっと気持ちよくなろうか」
「やあ、春水」
浮竹を、京楽は背後から突き上げる。
「ひあん!」
どちゅんと奥まで犯されて、浮竹が喜悦の声をあげる。
「んああ、今の、もっとおおお♡」
「ふふ、いっぱいあげるからね?」
京楽は浮竹のものを手で握りこみながら、背後から浮竹を貫く。
「んあああ、中も外もいくううう♡」
京楽は、握りこんでいた浮竹のものを離して、精液を出すようにしごく。
「いぐう”う”う”」
どぴゅっと精液をシーツに落として、でもまだ浮竹のものは硬かった。
いつもならそろそろ玉切れで、オーガズムでいくばかりなのだが。
「んああ、なんでぇ?しおれない」
「ふふ、ひ・み・つ」
「んあ、春水のばかぁ。何か、盛ったな?」
「ひみつ」
京楽は浮竹を正常位から抱く。
「んああああ」
浮竹はもう何度目かも分からない精液を吐き出す。それでもまだ硬い己のものに、一抹の不安を覚えて、泣き出す。
「ひっく、いくの、止まらない」
「十四郎、泣かないで。もう終わりにするから」
京楽も数えきれないくらい浮竹の中に出していた。そのせいで、浮竹のお腹は精子でぽっこりと膨らんでいる。
外からみても、浮竹の体内に京楽がいるのが分かった。
「い”あ”、いぐうううう♡」
京楽が最奥を抉り揺すぶると、浮竹は潮をぷしゃあああと吹き出す。
「十四郎、エロい。ボクも出すよ。最後だから、味わってね?」
「ひあん、もういいぃ。もうやあああ」
「十四郎、愛してるよ」
「あ、春水、俺も愛してる」
二人は互いにいきあいながら、息を乱す。
京楽は浮竹の中からぬけると、ごぽりと大量の精子が逆流してきた。
いそいで用意してあったタオルで受け止める。
浮竹の膨らんでいたお腹を押すと、面白いように精液が逆流してきて太ももを伝い落ちる。
「流石に出しすぎちゃったね」
「ひあぐ、もう、だめぇ」
指でかき出されて、その刺激でさえもオーガズムでいく敏感な体になっていた。
「今日は終わりにしよう。お休み、十四郎」
「んあ‥‥‥おやすみ」
浮竹は、京楽から眠剤をもらって飲んで、寝てしまう。
最近、浮竹は不眠を訴えていたので、4番隊の虎徹隊長に、薬を処方してもらったのだ。
「どうか、いい夢を見てね」
すーすーと、静かに寝息をたてる浮竹に衣服を着させて布団を変えて、京楽も眠る。
今日は、いい夢が見れそうな気がした。
黒猫と白猫の亜人53
京楽も、気づくと浮竹になっていた。
「にゃ?」
「にゃにゃ?」
猫の姿で、思い返す。そういえば、白哉の飲んでいたお酒を舐めた。二人で。多分、恋次がまた何かの薬を白哉に盛っていたに違いない。
「どうする?」
「面白いので、しばらくこのままでいる!」
「ええ~」
「なんで京楽は嫌なんだ?」
「だって、浮竹としっぽりできないじゃない」
京楽は、浮竹の白猫の姿で不満を言う。
「あ、だからって、俺の体に悪戯するなよ?」
「そういう浮竹こそ、ボクの体で硬くなったあそこをしこしこしようとか、思わないでね?」
「うっ」
実は、浮竹はそれをしようと思っていたのだ。
「しない!しないから、散歩に出かけてくる」
浮竹は、京楽の黒猫姿で外に出て身軽に歩き出す。
「にゃーん(あら、京楽さん、また今度しっぽりしましょうね)」
「なおーん(京楽さん、しっぽりまたしましょ。あなたとのしっぽりが一番きもちいいから」
「にゃあにゃあ(しっぽりしましょーー)」
浮竹は怒っていた。
京楽は、もうしないと言っておきながら、影で雌猫としっぽりして浮気をしていたのだ。
人の姿になり、いっそ切り落としてやろうかと、京楽の一物を見る。
「で、でかい‥‥‥」
浮竹の1,5倍はあった。
いつも京楽に抱かれているのを思い出して、興奮するとむくりとそれが頭をもたげる。
「うわぁ。大きい」
しこしこすると、どぴゅっと音を鳴らして、大量の精液が出る。
「うわぁ、服にかかった。どうしよう」
とりあえず、洗濯ものに入れておいた。
凄い快感だった。
浮竹は、しこしこを止めようにも気持ちよくて止まらない。
そこで、京楽が猫の姿でやってきた。
「うわあああ、浮竹ええええ!?」
「ち、違うんだ、これは!」
「ボクとしたいんだね?いいよ、このままセックスしようか」
「ええ!?」
「君はそこにまぐろになって転がっていればいいよ。ボクが動くから」
こうして、浮竹は京楽の体で、京楽は浮竹の体でセックスすることになった。
浮竹は、寝転んであそこをギンギンに勃たせたまま、もぞもそずる。
京楽が、浮竹の体で一物に潤滑油を塗りたくり、ゆっくり腰を沈めていく。
「ああ、きもちいいね。これが、君が味わってる世界」
「あああ、いくうう」
「ボクの声で喘がれても、全然興奮しないけど、裸の君の姿を見下ろすだけでも興奮できるよ」
「あ、俺の体でそんなに動いたら!」
京楽は、オーガズムでいくことを人生で初めて体験していた。
「何これ、しびれるくらい気持ちいい。こんなに気持ちいいものなの?」
「あ、京楽、そんなに動いたら出ちゃううう」
浮竹は、京楽の体で自分の体の胎の奥に子種を出していた。
「ん、気持ちいい」
「んあああ、またいくううう」
浮竹はたて続けにいった。それでも浮竹の、京楽のものはギンギンだった。
「いき足りない。京楽、もっと動け」
「ふふ、何気に楽しんでる?」
「だって、俺の中がこんなに気持ちいいんなんて」
二人はお互い新しい扉を開いてしまったようだった。
しばらく交わって、念のためだと、魔王の浮竹から彼の血を錠剤にしたものをもらっていたんだと思い出して、セックスの途中でお互いにもういいだろうと、錠剤を飲んだ。
魔王の浮竹の血には、エリクサーの効果がある。状態異常をなんでも治すのだ。
浮竹と京楽は、中身が元に戻った。
「やっぱり、こっちがしっくりくるねぇ」
「やあああん、お前、ローターなんて俺の体の中に‥‥‥‥ああん!」
「あはは、ばれた?ローターで、ちょっと君の体で遊んでた。でも、君もボクの体でボクのものしごいていたじゃない」
「だからって、ローターいれっぱなしでぇ、あああ、あ]
浮竹は、ローターがわざといいところじゃないところに当たっているのを確認して、いいところに当ててみた。
「ひああああん、いくううううう」
「ああ、だめだよ浮竹」
京楽が、ローターのスイッチを切る。
「あ、なんでえええ。もう少しで、いけそうだったのにぃ」
「ボクのでいってね?」
京楽は、浮竹を押し倒して犯す。
「あ、あ、いくううう」
浮竹はオーガズムでいっていた。ローターを引っこ抜き、京楽はぱんぱんと肉と肉をぶつけあって、浮竹の奥で子種を吐き出す。
「ああ、やっぱこれが一番気持ちいい」
「あああ、だめぇ。奥に、当たってるうう」
ローターの余韻で、敏感になっている中をこすり上げられて、浮竹はもう出ないので蜜をたらたらと零した。
「あ、あーーーー」
びくんと体を反応させて、オーガズムの中いきを繰り返す。
「んあ、いい♡ああ、京楽の、また中でおっきくなったぁ」
「君の啼く声が、やっぱり一番興奮するね」
「ひあう!」
最奥を勢いよく抉られて、浮竹はいっていた。
京楽もまた、浮竹の中に子種を吐き出して、いっていた。
次の日。
浮竹と京楽は、白哉に聞いてみた。
「恋次から、変な薬盛られているんじゃないか?」
「子供になったり、中身が入れ替わったりするやつ」
「なぜ、それを‥‥‥」
白哉は驚いていた。
「間違って、俺と京楽も飲んじゃったりして、犠牲になったんだ」
「あのエロ赤猫が犯人だったか‥‥」
白哉は、怒る。
ちなみに、媚薬を盛られるのはしょっちゅうだそうで。
「白哉さん、会いにきましたよ、おぶ!?」
やってきた赤い髪の猫の亜人を、白哉は思い切り殴り飛ばして、一物をぐりぐりと踏む。
「私に、よくもいろいろ薬を盛ってくれたな?」
「え、あ、俺、もしかしてピンチ?もぎゃあああああああ、白哉さんごめんなさいい、もう変なののませないから簡便してください」
「問答無用」
「ぎにゃあああああああああああ」
恋次の悲鳴を聞いてから、浮竹と京楽は去っていくのであった。
俺はお前のラブドール4
お前だけのラブドール。
お前のために愛を囁き、体を開く魂のあるラブドール。
俺はお前のラブドール。
「んー、よく寝た」
「浮竹!!!」
京楽が、起きた浮竹に涙を流して抱きついてきた。
「どうしたんだ、京楽?」
「君、いないと思ったら、ラブドールがあった部屋でただのラブドールに戻ってたんだよ。もう動いてくれないのかと思った」
「え、俺が元のただのラブドールに?」
綺麗な精緻な、見る相手の性欲を受けとめるだけの、ラブドールに戻っていたとは。
「すまん、京楽。何せ俺は元がただのラブドールなんだ。また、ただのラブドールに戻ってしまうかもしれない」
「そんなこと、ボクが許さない」
「そう言われてもな」
浮竹は、泣く京楽の頭を膝で抱きしめて、落ち着くのを待った。
「きっと、またただのラブドールになっても、またこうして動き出すさ」
「なら、いいんだけど‥‥‥君をまた失うと思って、怖かった」
「すまない」
浮竹は、しばらくの間京楽に抱きしめられていた。
「ここ2日、食事もろくにとっていないし、眠っていないから、ちょっと食事して仮眠とるね?」
「俺は、2日もただのラブドールになっていたのか?」
「そうだよ」
おにぎりを食べながら、京楽は浮竹の質問に答える。
「君がいなくなって、発狂するかと思った」
一度知ってしまい失くしてしまった温もりをまた手に入れた。なのに、また失ったと思った京楽の心痛はいかばかりか。
浮竹は、ずっと京楽の傍にいて、一緒に眠った。
「ん‥‥‥」
ああ。
これは、夢だ。
夢の中で、浮竹は京楽を失う夢を見ていた。
ただ失うんじゃない。後追いだった。浮竹がただのラブドールになって1年待ったが、もう戻らずに虚に自分から殺される京楽。
それは、十分に起こりうる未来だった。
浮竹は、そこで起きた。
「京楽」
「ん?」
京楽も十分睡眠をとったようで、目の下のくまが薄れていた。
「俺がまたただのラブドールに戻って、そのまま永遠に戻らくても、生きると約束してくれ」
「それは無理だよ。ボクは、君を失ってまでもう生きたくはない」
「京楽!」
「浮竹、逝く時は一緒だよ?」
「京楽‥‥‥‥」
また、いつただのラブドールに戻るか分からない。
浮竹が初めてラブドールから浮竹として復活してから、半年が過ぎようとしていた。
「ここ2日、無断で仕事休んでたからね。七緒ちゃんに怒られちゃうな」
京楽は、やはり浮竹を抱いたままだった。
「このままいくのか?」
「うん。このまま仕事もするよ?嫌なら、二度とただのラブドールには戻らないで」
「随分、無茶を言う。俺は、俺の意思でラブドールに戻っているわけじゃないんだがな」
京楽は、浮竹を抱いたまま瞬歩で一番隊の執務室に行く。
「京楽総隊長!無断で仕事を休むなんて、あなたはなんて‥‥‥」
七緒の前でも、ポロポロ京楽は涙を零す。
「浮竹が、ただのラブドールになっちゃったんだよ。ボクを置いて、消えてしまった。ボクはどうすればいいのか分からなくて、ずっとただ傍にいたよ。今度浮竹がただのラブドールに戻って、一か月経っても浮竹に戻ってくれないなら、後追いをしようと思うんだ」
「京楽!」
パンと、腕の中の浮竹が京楽の頬を殴った。
「そんなこと、絶対にするな」
「じゃあ約束してよ。もう、ただのラブドールには戻らないって」
「約束する」
「うん」
京楽は、浮竹から離れる。
「いつも通り、仕事をしよう。何もしないから、最悪な展開を考えてしまう。今は頭をからっぽにしよう」
七緒が運んできた、2日分の仕事を、京楽と浮竹は深夜までかかって処理し終えた。
「明日、というか今日、休みとってあるから。現世に行こうか」
「現世に?」
「うん。今、ハロウィンとかいうイベントで盛り上がってるんだ」
「そうか。でも、総隊長のお前自らが現世に行っていいのか?」
「ちゃんと、霊圧を制御して封印していくし。君も、同じようにして現世にいくんだよ」
深夜に帰宅して、浮竹と京楽は夕飯を抱けを食べて寝た。
朝になって、シャワーを浴びる。それから、夕方までを尸魂界で過ごして、現世の服を用意してもらい、二人は現世に行った。
「わぁ」
浮竹が、驚きの声をあげる。
かぼちゃの置物がいっぱいあって、人々は好きなように仮装して、子供はトリックオアトリートと言って大人を困らせる。
浮竹と京楽は、吸血鬼だという仮装のコスチュームをもらい、着替えた。
「浮竹、似合ってるね。吸血姫みたい」
「京楽も似合ってるぞ。ヴラドツェペシュみたいだ」
「誰、それ」
「吸血鬼のモデルになった、串刺し公とかで異名のある、敵兵を残酷な殺し方をした中世の王族だな」
「酷い!ボク、そんな酷い人物じゃないよ」
「あはは、たとえただけだろ」
浮竹と京楽は、手を繋ぎ合って仮装パーティーを楽しんだ。
現世のお金を払い、高級ホテルで開かれている仮装パーティーに出席していた。
立食会形式で、浮竹も京楽も、思い思いのものを食べた。
酒は、高級な赤ワインだった。
美味で、浮竹も京楽も味わって飲んだ。
楽しい時間はあっという間で。11時なる頃には、パーティーは終わってしまった。
「ああ、星が綺麗だな」
「そうだね。手を伸ばしたら、掴めそうだね」
よく晴れた夜の空が広がっていた。
「今日のこと、忘れないでね。ラブドールに戻ったりしないでね」
「ああ、約束する」
浮竹と京楽は尸魂界に戻った。
館で、湯あみをしてそのまま褥に向かい、お互いの浴衣を脱がせあう。
「あう」
京楽は、浮竹の胸の先端にかじりついた。
思い切りかじられるものだから、痛みに浮竹が眉を顰める。
「春水、痛い」
「うん。痛くなるようにしてるから」
「やあ」
「ごめんね。優しくするから」
血のにじんだ胸の先端を執拗に舐めて、膝を割って浮竹のものを撫でる。
「あ」
「感じてきた?」
「ん‥‥‥‥」
最初は撫でて、それから力をこめて握りこまれて、上下に扱われて、浮竹は精液を吐き出す。
「んああああ」
「気持ちいい?」
「あ、気持ちいい」
「もっと?」
「あ、もっとおお」
浮竹は素直に京楽を求める。
京楽は、浮竹の足を片方肩に担いで、侵入してきた。
「んあああ!」
「く、締め付けすぎ。力ぬいて?」
「や、無理いいい」
「じゃあ、一度出すね?」
「あ、奥に出してくれ。そこが一番感じるからぁ♡」
京楽は、浮竹の言う通り、奥まで抉るように入ってきて、そこで子種をぶちまけた。
「あ、あーーーー、いっってるううううう♡春水のザーメン、たっぷり中に出てる、孕んじゃいそう♡」
京楽がいくのと一緒に、浮竹もオーガズムでいっていた。
「もう一度、出すよ?」
「あん、あああ、奥にきたぁぁ♡熱い京楽のおっきくなったぁ♡」
京楽は浮竹の最奥をこじ開けるように動く。
「あ、あーーー、いくのとまらない”い”い”」
浮竹は精子を吐き出しながら、自分でも動いた。
京楽のものがいいところに当たるように動き、いい場所に当たって、浮竹は啼く。
「ひあああん、いいとこ、きたあああ”あ”♡」
「すごいね、浮竹。熱くてとろけそうだ」
「あ、俺の奥でザーメンだしてぇ♡」
京楽は、浮竹の言う通り奥の奥で子種をぶちまける。そのまま、動いてほぼ連続で射精した。
「ひあああん、連続でザーメン出てるう♡どぴゅどぴゅいってるうう♡」
浮竹は乱れた。
最後には潮を吹いて、絶頂を迎えて気を失ってしまう。
「十四郎、愛してるよ。君はラブドールじゃない。浮竹十四郎だ」
俺はお前のラブドール。
お前だけのラブドール。
お前のために愛を囁き、体を開く魂のあるラブドール。
俺はお前のラブドール。
俺はお前のラブドール3
「やあ、朽木。いや、今は阿散井だったか?」
「隊長もおかわりないようで‥‥‥今は私が13番隊隊長ですが、浮竹隊長とお呼びしても?」
ルキアは、恋次とその間の子の苺花を連れて、1番隊の執務室に来ていた。
「阿散井も元気そうだな。朽木と仲良くやっているか?」
「はい。浮竹さんも、復活したって聞いて半信半疑でしたけど、確かに感じる霊圧は過去の浮竹さんのもので。お元気そうでなによりです」
「母様、この人だれ?」
10歳くらいになる苺花は、少しませた子供だった。
一角を師として、剣術を学んでいると聞いて、浮竹は苺花の頭を撫でる。
「このお方はな、浮竹隊長といって、私の前の13番隊隊長だ」
「ふーん。母様と父様のほうが強そう」
「こら、苺花!すんません、浮竹さん」
恋次は、もう浮竹が隊長ではないので、さんづけで名前を呼んでいた。ルキアは、昔の癖が抜けないようで、何度正そうとしても浮竹隊長と言ってしまうので、そのままにさせておいた。
浮竹自身も、阿散井ルキアとなったルキアのことを今も朽木と呼ぶし、どっこいどっこいであった。
「じゃあ、おじさんと遊ぼうな、苺花ちゃん」
「うん!剣術教えて!元隊長さんなら、強いんでしょ?」
「斬魄刀はないし、木剣でいいよな?」
「そうだね」
京楽が、自分が昔使っていた木剣を浮竹にもたせる。
1番隊の執務室は広いが、木剣を振り回すと周囲のものを破壊しそうなので、修練場まできた。
他の一般隊士に混ざって、浮竹と苺花は木剣で切り結び合う。
「そうそう、その調子だ」
木剣を受けてばかりの浮竹に、苺花がむくれる。
「おじさん、本気だしてよ!」
「いいのか?」
ルキアと恋次を見るが、頷いていた。
「せい!」
浮竹は掛け声と同時に苺花の木剣を絡めとり、大地に突き刺して喉元に木剣を突き立てる。
「これで、お前は一度死んだ」
「うわあああん、弓親さんのほうがいい~」
苺花は、ルキアから聞いてみると、一角の弟子ではあるが、いつもつるんでいる弓親にも相手をしてもらっており、弓親のことが大好きらしい。
将来結婚するとまで言い出して、ルキアと恋次を困らせているらしい。
「ほら、飴をあげよう」
「おじさん、優しいんだね」
「苺花、浮竹隊長におじさんは失礼だぞ」
「いいんだ朽木。俺や京楽は、これくらいの子から見れば立派なおじさんだからな」
30代後半~40代手前あたりに見える浮竹と京楽は、確かに若い者から見たらおじさんだったが、まだまだ現役であった。
苺花は、浮竹から飴をもらってそれを舐めて、浮竹の手をとって、散歩に誘う。
「浮竹おじさん、散歩しよ」
「京楽、ちょっと行ってくる」
「うん。気をつけてね」
ルキアと恋次は、仕事があるのでそれぞれの隊に戻っていった。
今日一日、浮竹が苺花の面倒を見ることになっていた。
甘味屋まで行くと、苺花が目を輝かせる。
「あ、新作のアイス売ってる!」
「ちょっとだけ、食べていこうか?」
「うん。母様から、買い食い禁止ってされてるけど、浮竹おじさんはばらしたりしないよね?」
「ああ、しないぞ」
浮竹と苺花は、甘味屋に入り、苺花はラズベリーのアイスを、浮竹は超ジャンボパフェを注文した。
「浮竹おじさん、そんなに食べれるの?」
「苺花ちゃんも、少し食うか?」
「うん!」
苺花は、浮竹の超ジャンポパフェを数口食べて、もういいと言った。
「あ、きたきた」
お目当てのラスベリーのアイスを頬張る苺花を和やかに見つつ、浮竹は超ジャンポパフェを完食してしまった。
「浮竹おじさんすごーい。その細い体のどこに、そんなに入るの?」
「それは秘密だ。さぁ、公園にでも行こうか」
「はーい」
勘定を終えて、浮竹は苺花と一緒に公園で遊びだした。
「浮竹、ちょっといい?」
京楽から、伝令神機で連絡がかかってきた。
「どうした?」
「それが、苺花ちゃんが狙われているらしい。浮竹、早く一番隊に連れて帰ってきて」
「俺は今瞬歩が使えないんだぞ!」
「分かってる。迎えの者をよこすから、一番隊の執務室まで走って戻ってきて」
浮竹は、苺花の頭を撫でる。
「分かった。じゃあ、早くも戻る。迎えの者と合流できなくてもいいな?」:
「うん。とにかく急いで」
「どうしたの、浮竹おじさん」
「苺花ちゃん。君が狙われているらしい。おじさんと一緒に、京楽おじさんのいる一番隊の執務室に戻ろう」
「えー大丈夫だよ?あたし、今までも暗殺者に狙われたことあったけど、返り討ちにしてきたから」
浮竹がそれにびっくりする。
「あたし、鬼道の腕いいから」
「そ、そうか。まぁ、念のために早くに戻ろう」
「うん」
刺客と会うことなく、無事帰還できると思ったら、一番隊の隊舎の近くで囲まれた。
「命はもらうぞ、少女よ。朽木家の跡取りににはさせない!」
「あたし、朽木家の、白哉おじさんの姪だけど、跡取りににはなれないよ?」
「そんなこと、知ったことか!こっちは、とりあえず殺せと言われているんだ!」
浮竹は、苺花を庇って斬魄刀で斬られる。
「よくも浮竹おじさんを!破道の4、白雷!」
白哉が得意とする鬼道を、苺花も得意のようであった。
4人ばかりの体に穴があいた躯が転がっていた。
「あ、浮竹様、苺花様!」
ちょうど到着した京楽の部下が、浮竹が背中から血を流しているのを見て、顔色を変える。
「浮竹様、すぐに手当てを」
「ああ、すまない。今の俺は鬼道が使えないからな」
四番隊の隊士が呼ばれて、浮竹はすぐに傷を治療されたが、思ったより深く、数日は傷跡が残るとのことだった。
苺花の命を狙ったのは、時期朽木家の当主の座を狙っている上流貴族で、少しだけ朽木家の血が流れていた。
京楽は、浮竹を傷つけたことに大層立腹して、首謀者を裁判にかけて死刑が決定すると、自分の腕で処刑した。
「京楽」
「浮竹、ボクがいながら、君を傷つけた。ごめんね、ごめんね」
京楽は、子供のように浮竹の腕の中で泣いた。
夜の館でだったので、見ている者は浮竹しかいなかった。
「背中、傷跡残ってるらしいね。見せて?」
「大した事ないぞ」
浮竹は、死覇装も襦袢も脱ぐと、白い背中を京楽にさらす。
背中には、大きく刀傷があったが、塞がっていたが斬られたと分かる一本線があった。
京楽は、その傷跡を手で撫でてから、つっと舌で舐めた。
「ひゃああ」
浮竹がびっくりする。
「君の背中、綺麗だね。見てたらむらむらしてきた」
「ここ二週間、睦みあってなかったからな。俺はいいぞ?」
「じゃあ、抱くね?」
京楽は、明日も早いので、潤滑油を指にまとわせて浮竹の蕾に指をいれていく。
ぐっと中を押されて、浮竹は射精していた。
「そこ、だめえええ」
「ここ、君弱いね?ここと奥で、一体今まで何千回いってきたの?」
「んあああ、わかん、ない」
ぐちゅっと音をたてて指を引き抜かれて、かわりに京楽の熱く滾ったものがあてがわれ、それに引き裂かれる。
「ひあああん!」
中は最高だった。
「ああ、いいね。君の奥で出すよ?」
「んあああ、奥に、奥にだしてぇぇ」
浮竹は、二週間ぶりなので乱れた。
まだまだ現役だが、若すぎるわけでもないので、交わるのは週に1~2回だった。
最近京楽の仕事が忙しく、それの補佐をしている浮竹も仕事を遅くまでしているので、睦みあう余裕がなかった。
「んあ、奥にちょうだい?」
「あげるからね」
ぱんぱんと肉と肉がぶつかりあう音をさせて、京楽は浮竹の奥で子種を弾けさせる。
「ああああ、いい♡」
浮竹はびくんびくんといきっぱなしだった。
「ほら、こっちでいくの忘れてるよ?」
浮竹のものをしごいていやる。
少し濃いめの精液がぽたぽたと滴った。
「んあ、二重でいってるうう♡」
「まだ終わりじゃないからね?」
京楽は、一度引き抜いて浮竹を立たせて、壁に手をつけさせると、片足を大きく広げさせて中を穿つ。
「ひあああ”あ”あ”!すごいのきたあああ♡」
立ったままで挿入れられるのは、ラブドールの体になって初めてのことで、浮竹はその刺激に敏感に反応する。
「んあああ、いい♡」
びゅるびゅると精子を出しながら、浮竹は壁を背にいきまくる。
「あ”あ”、出ちゃう♡」
潮を吹いたかと思うと、ちょろろろとおしっこを漏らしてしまった。
「あーあ。畳が、びしょびしょだね?」
「いやああああ、止まらないいいい”い”」
「後で始末するから、全部出しちゃいな」
「いああああ”あ”」
浮竹は、おしっこを出し切って、恥ずかしさもあって、気を失ってしまう。
浮竹を支えて、京楽は布団に寝かせると、タオルを何枚ももってきて、畳に染みにならないうちに浮竹が出したものをふきとっていく。
タオルは処分することにした。
それとは違う濡れたタオルをもってきて、浮竹の身を清めて中に出したものをかき出す。
「愛してるよ、浮竹」
京楽は、気を失った浮竹の額に優しくキスをして、明日も早いので自分も早めに寝た。
その2日後、非番となった。
浮竹と京楽は、甘味屋に出かけてから、屋敷に戻り、囲碁と将棋をした。
どちらも、浮竹の勝ちだった。
「よし、今日の夕飯はピザだ」
「あーあー。料理人にレシピ教えて、チーズとか現世から取り寄せないとね?」
カニより、浮竹はピザが食べたい気分だったのだ。
オーブンはあるが、材料がないので、家人に現世にいってもらい、買ってきてもらって苦労して作ってくれたのはシーフードピザだった。
浮竹はそれはそれはおいしそうに食べていた。
蘇ってから、多分一番おいしいと思える食べ物を食べたという顔だった。
「いやぁ、俺が死んで20年の間にここまで変わるとはなぁ」
エアコンとか掃除機とか普通にある。
浮竹は、関心しながらまたピザを食べるのであった。
俺はお前のラブドール2
そのラブドールは愛を囁く。
ラブドールであった浮竹は、魂を宿して浮竹となり、地獄の底から蘇ってきた。
食事もするし睡眠もとるし、生きているラブドールだった。京楽と20年ぶりに睦みあい、浮竹は満足げに眠り、起きた京楽は静かに浮竹の長い白髪を撫でていた。
護廷十三隊の間中に、浮竹が蘇ったと知らせた。
予想通り、12番隊の隊長である涅マユリが実験サンプルとして欲しいとごねてきたが、却下した。
ただ、異常はないのか12番隊で調べてもらったが、病んでいた肺の部分は失われていたが、あとはいたって健康で、肉体の細胞に至るまで死神のもので、もっている霊圧も浮竹のもので、間違いなく生前の浮竹と何一つ‥‥肺が片方かけている以外は一緒だった。
「浮竹、ずっと部屋に閉じ込めていてごめんね。12番隊の涅隊長怖くなかった?」
京楽は、12番隊への浮竹の検査についていっていた。血液を抜かれたり、何かを投与されたりする浮竹をよく見て、涅マユリがおかしなことをしないかと監視していたのだ。
「問題ない。でも、全隊に俺の復活を告げたということは、外を歩いてもいいんだな?」
「ボクと一緒にいる時はね。とりあえず、ボクと一緒にいる時は外出しよう。一人での外出はなるべく避けて?涅隊長のこともあるし、君が蘇った謎を解き明かしたいと思っている人物は他にもいるかもしれないからね?」
「分かった」
季節は、春になっていた。
「重箱のお弁当を作ってもらったんだ。花見にでも、行こうか」
「じゃあ、昔みたいに山に行くか?それとも、学院の桜の大樹の下でするか?」
当時、浮竹と京楽が通っていた学院は死神統学院といった。設立当初は死神統学院という名称だったが、死神以外の鬼道衆・隠密機動も輩出していることから、今は真央霊術院という名に変わっていた。
「近くだし、学院の桜にしようか。明日も仕事だし、浮竹はまだ登山とか慣れてないでしょ。瞬歩も使えないようだし」
浮竹は、霊圧こそ昔のままであったが、瞬歩と鬼道が使えなかった。
あと、斬魄刀である双魚理は、浮竹の遺体と共に墓の下に埋葬されて、今はなくなった雨乾堂のところに浮竹の墓石があった。
「ああ、分かった。じゃあ、学院に行こうか」
二人は手を繋いで歩いた。
総隊長だ、浮竹さんだと通りすがりの隊士などに声をかけられるが、ひらひらと二人は手を振って適当に挨拶する。
「はぁ。学院も大分変わったな」
「そりゃ、卒業して数百年は経ってるからね。建て直しもしたし、綺麗になったよ。新しい建物も増えてるしね。寮も、新しくなってるよ」
昔の、学院生時代のことを思い出して、浮竹も京楽も感傷に浸る。
「まぁ、昔のことは仕方ない。今は、花見しよう」
学院には大きさな桜の大樹があって、樹齢千年を超えていた。
その桜の根元にシートをしき、まだ寒いので浮竹には薄い毛布をかぶらせて、浮竹と京楽は花見をした。
ちらちらと、風がさぁぁと吹けば花びらが雨のように降ってくる。
桜は満開で、遠くに見える山も薄くピンク色に染まっていた。
「お、この卵焼きおいしいな」
「おいしいね。でも、ボクとしてはこの前君が作ってくれた朝食の出汁巻き卵のほうがおいしかったかな」
「あんな手料理でいいなら、いつでも作ってやるぞ?」
「うん。まぁ、ボクの食事を作る担当の家人がいるから、その人から仕事を奪うわけにもいかないから、たまにね?」
「ああ。桜、綺麗だな」
「うん。綺麗だね」
京楽は、重箱のお弁当を食べながら、ずっと浮竹を見ていた。
「そんなに俺ばかり見ていても何も起きないぞ?」
「ふふ、君の緑の瞳に映る桜を見ていたんだよ」
「普通に桜を見ろ」
「あ、お酒もってきてるんだけど、飲む?」
「飲む」
実に飲むのは20年ぶりになる酒を、浮竹は少しだけ飲んだ。
浮竹はおちょこに、果実酒を入れて飲んだ。ちらりと桜が、おちょこの上に舞い降りる。
「風流だな」
それを、酒と一緒に飲み干した。
「桜の枝、少しもらって帰るか」
よっと、と身軽に桜の気によじ登り、浮竹は細い沢山桜を咲かせている枝を一本手折って、シートの上に置く。
「桜神にたたられるよ?」
「桜神なぁ。ほんとにいたら面白いんだが」
少しだけのつもりが、重箱の中身を食べていくうちに喉が渇き、つい深酒にになってしまった。
浮竹は頬を染めて、昔を思い出す。
「思い出すなぁ。お前に始めて告白された時のこと」
「ふふ、今みたいに桜が満開の季節だったね」
学院4回生の頃、京楽は浮竹に告白した。答えはイエスでもノーでもなく。
しばらく考える時間をくれとの答えだった。それから浮竹は悩みに悩んで、親友以上恋人未満から始めようと言った。
その2カ月後には、もう京楽に食われて処女を失ったのだが。
「考えてみれば、前のがこの体の処女だったんだな」
ぶーーーっと、京楽が酒を吹き出す。
「しょ、処女!?」
「ああ。この体は、正確にはラブドールのものだ。俺が宿り生きているが、ラブドールが見えないけど、芯として存在している。死んでしまった俺の体とはまた別の体だ」
「へぇ。はい、あーん」
「あーん」
京楽は、浮竹の口の中にちくわを入れる。おでんが三段目に入っていた。
「うん、うまいな。味がしみ込んでいる」
「ふふ、ボクの家の料理人はそれなりの腕もってるよ。料亭の調理人だった者をスカウトしたからね」
「贅沢な奴め」
「その贅沢を、君も味わっているんだよ」
浮竹は、お返しとばかりにおでんのはんぺんを、京楽の口元にさしだす。
「あーん」
「恥ずかしいから、言うな」
はんぺんを京楽の口に入れて、京楽はおいしそうに食べる。
「いやぁ、君に食べさせてもらえるなんてねぇ。生きててよかった」
「すまん。俺は、お前の想いを知っていながら散った。護廷十三隊のために死なば本望。お前のことだけが気になっていた。確かに他にもたくさん気になることはあったが、死ぬ時お前と出会ってからあったことが走馬灯としてよぎり、俺は神掛をした」
「うん」
「俺には死神としての矜持があった。死んだことを後悔はしていないが、お前を一人残すのが心残りだった。こうして、元気に生きててくれて‥‥‥ラブドールを俺を愛するほど病んでいたとはいえ、まぁ体は元気でよかった。心の方は、俺が生き返ったことで満たされたようだし」
桜の木の下で、京楽は浮竹を押し倒していた。
「愛してるよ、浮竹」
「俺も愛してる、京楽」
二人は、桜の雨の降る中で、口づけしあった。
それから、昔浮竹に渡した結婚指輪を、浮竹の指にはめた。
「これ、俺の遺品の中にあったのか?」
「そうだよ。君の荷物は全部、屋敷の奥のほうの部屋に置いて管理してる。君に送った手紙とかまで大切にしてくれてて、ボクは君を失ってそれを見て泣いたよ。あと、遺書もあったね?」
「ああ。神掛イコール死だと分かっていたからな。俺の遺品は処理してくれって書いてたのに、お前は持っててくれたんだな」
「君との思い出の品ばかりだったよ。誕生日プレゼントにあげたもの何一つ欠けずにもっていてくれた」
京楽は、浮竹の白い髪を手ですいていく。
「子供の頃あげた、アイスの当たりくじとか、肩たたき券まであったのには驚いたね」
浮竹は、京楽にキスをする。
「はぁ‥‥‥なんか、すごいしたくなってきた」
「わお。言っとくけど、媚薬は入れてないよ?あと、ここではできないからね?」
「早く帰ろう。お前に、抱かれたい」
「急にどうしたの」
それはラブドールを基礎としてるが故の性(さが)。
持ち主の、主の愛を受けないと、ラブドールは生きていけない。
「一回、ここで出していいか」
熱い浮竹の吐息が耳にかかり、京楽が囁く。
「下着、汚れちゃうよ?」
「かまわない」
浮竹は、京楽に耳朶を噛まれて、抱き寄せられる。
お互いの性器をぐちゃぐちゃといじって、桜の木の下でいってしまった。
「んあああん」
「しーー」
精液にまみれた手をタオルで拭って、二人は熱を孕んだままゆっくりと京楽の屋敷に戻った。
京楽の屋敷の奥の、浮竹に与えられた30畳という広い部屋で、布団をしいて二人はもつれ合うように、布団の上に倒れこむ。
はぁはぁと、お互い荒い息をしながら口づけをかわしあいながら、お互いに衣服を脱いだ。
それぞれのものは、一度抜いたのにギンギンに勃っていた。
浮竹が悪戯心をもって、京楽のものを指で弾く。
「んっ。だめだよ、刺激だけでいっちゃいそう」
「俺もだ。先にいっとくか」
「そうだね」
お互いの性器をぴたりと擦り付けて、二人でぐちゅぐちゅとしごく。
限界はあっという間に訪れて、浮竹も京楽もいっていた。
「ひあああ」
「んんっ」
「君の中に挿入れるよ?」
「早く来い、春水」
浮竹は自分から足を開き、秘所を指でくぱぁと開いて、内部の桃色の内臓を見せる。
「エロい‥‥‥」
京楽はごくりと唾を飲み込んで、浮竹の中に侵入する。
「ん、力抜いて?いきそう」
「んああ‥‥あ、あ」
内部を押し広げていく熱の圧量に、浮竹は軽くオーガズムでいっていた。
「ひあん!」
ぱちゅんと音を立てて、奥まで入ってこられて、浮竹は頭が一瞬真っ白になって、快感以外何も感じれなくなった。
「はぁ、はぁ‥‥もっと奥にきてぇ、春水」
「うん。愛してるよ、十四郎」
「やあああ」
最奥を抉られて、精液を注ぎ込まれる。
「んあ、いい。いいよお」
「もっと欲しいよね?」
「んあ、もっとおおお」
浮竹は身をくねらせて、京楽の首の後ろに手をまわして、京楽の腰を足で挟み込む。
「子種、びゅるびゅる俺の中に出して?」
「ああ、君って清楚な美人系なのになんでこんなにエロいんだろう」
「それはぁ、お前の、お前に抱かれ続けて、お前のせいだからぁ」
「はいはい」
浮竹にディープキスを繰り返して、パンパンと腰をぶつけあいながら、高みにのぼっていく。
「あ、あーーーーー」
「気持ちいい?」
「あ、気持ちいい♡もっと俺を犯してぇ♡」
「こうかな?」
「あああ”---」
浮竹はドライのオーガズムでいきまくる。
「まだ欲しい?」
「まだまだ欲しいのぉ♡」
「ボクは次で最後だから‥‥‥一緒にいこうね?」
京楽が、ぐちゅぐちゅと音を立てて内部を抉り、揺さぶる。
最奥にくちゅりと音を立てて、ゆっくり侵入した。
「あ、あ”あ”----いく、い”っちゃうううう♡」
浮竹はたらたらと少量の精液を出してから、盛大に潮を吹く。
「んあ”あ”あ”。い”くの、とまんない♡」
京楽もびゅるびゅると浮竹の中に精子を出して、どさりと浮竹の隣に寝転ぶ。
「はぁ‥‥‥‥‥もう、出ない」
「あああーーー、まだ、いってるううう。い”ぐううう♡」
浮竹は終わった後も、びくんびくんと体を痙攣させてしばらくの間いき続けた。
「ん‥‥‥‥」
朝になり、昨日の痴態を思い出して、浮竹は赤くなる。
「ん、起きた?」
「あ、ああ‥‥‥」
「腰、大丈夫?」
「あんまり大丈夫じゃないけど、動ける」
京楽は、浮竹に上着を羽織らせた。
「今日は仕事だから。君も一緒に出勤してほしい。ボクの書類仕事手伝ってほしいんだ」
「分かった」
浮竹は、風呂に入って身支度をすると、京楽と並んで1番隊の隊舎に出かける。
「浮竹隊長‥‥‥ではなかった、浮竹さん、どうか今日からお願いします。このあほ隊長のせいで、書類仕事が滞りがちで‥‥‥‥」
「ちょ、七緒ちゃん、アホって何さ!」
「あなたがサボるからでしょうが!総隊長になりながら、仕事をさぼるなんて許されませんよ!」
「伊勢もまぁまぁ落ち着いて。俺が京楽の書類仕事の補佐に入るから、じゃんじゃんもってきてくれ」
浮竹の仕事の処理能力は高く、かつて臥せっていたのに副隊長がいない身分で13番隊が成り立っていたのには、病状が改善するとたまった仕事を一気に片付けるという、その能力ゆえだった。
「浮竹さんが補佐に入っていただけるなんて!京楽総隊長、今日こそたまりにたまりまくった仕事、終わるまで帰しませんからね!」
「ひええええ」
情けない京楽の悲鳴に、浮竹は笑う。
そのラブドールは、愛し愛され、主を思う。
そのラブドールは、抱かれて喘ぐ。
そのラブドールは、愛した人を決して裏切らない。
トリックオアパンツ
「なんだそれは」
「え、知らないの?ハロウィン」
「この時代でその風習が 尸魂界にあるわけないだろ」
「まぁまぁ、細かいことは置いといて」
「大分重要なんだがな?」
浮竹はため息を長くつく。
「で、トリックオアトリート!お菓子のもってない浮竹には、いたずらとしてパンツを脱いでもらいます、おぶ」
浮竹は拳で思い切り京楽の顎を殴った。
「親父からもぶたれたことないのに!」
「なんか、どこぞのガンダムのネタになってるがまぁいいか。大体、この年でトリックオアトリートはなしだろ。せいぜい、12、13歳くらいまでだろ。あとは仮装するくらいで」
「浮竹、トリックオアパンツ」
「なんだそれは」
「お菓子くれないと、,パンツもらうよ」
「ほら、好きなだけもっていけ」
浮竹は、京楽のたんすから京楽のパンツを引っ張り出してきて、京楽に渡す。
「ノンノン、浮竹が今はいてる生パンツ♡」
「死ね」
「もぎゃああああああ」
京楽は静かになったが、すぐに復活する。
「ハロウィンといえば仮装だよね」
「そうなのか?」
「じゃーん。吸血鬼の衣装をもってきました」
京楽は、吸血鬼の衣装を二人分取り出す。
「なんで、こっちの服は乳首と股間の部分の布がないんだ?」
「それはもちろん、浮竹が着てボクとあはんうふんするために、あべし」
浮竹は、京楽の股間の蹴り上げた。
「その股間についているもの、よほどいらないとみた」
「嘘です!こっちの吸血鬼の服はボクが着るからぁ」
浮竹は、京楽が長く駄々をこねるので、仕方なく吸血鬼の恰好をする。
「似合ってる!抱いて!」
「誰が抱くか!」
「抱かせて!」
「もっといやだ!」
「うふん」
京楽は、乳首と股間に穴のあいた吸血鬼の服を着る。
パンツははいていなくて、ぎりぎりの形の葉っぱで隠していた。
ちなみに乳首にはニプレスをしていた。
「きもい。 破道の三十三 蒼火墜(そうかつい)」
「もぎゃああああああああああ」
勢いよく燃え上がる京楽。
ポケットからぽろぽろお菓子が出てくる。
捨てるのももったいない、しかし京楽がもっていたものなので、浮竹は悪友にあげた。
「(*´Д`)ハァハァ。股間がギンギンだぜ」
「やっぱ変な薬入ってやがった」
悪友を意識を失わせると、回道をかけておいた。
「(*´Д`)ハァハァ。股間がギンギンなの。鎮めて?」
「自分の手でしてろ」
「やだ、浮竹の手か浮竹のあそこがいい」
「死ね。 破道の四、白雷」
「あががががが」
京楽は今日もこりない。
隙を見て、浮竹の唇を奪う京楽。
「んっ」
舌を舌を絡めあわせて、ぐりっと、腰に硬くなったあそこを押し付けられて、浮竹は京楽の舌をかんだ。
「ぎにゃああああああああああ」
「このヘンタイが!」
「へにょあああああ」
京楽はだらだらと口から血を溢れさせる。
ちょっと深く噛み過ぎたかな?と、回道をかけてやると、京楽はすぐに復活した。
「しゅわっち!京楽マン参上!」
「はぁ‥‥誰か、このアホを止めてくれ‥‥‥‥」
浮竹は大きくため息をつきながらも仮装して仮装して、仮装して学友たちが集って開いたハロウィンパーティーに出て、京楽と過ごす羽目になるのであった。
ラブドール
京楽は、それを受け入れた。受け入れた、はずだった。
京楽の屋敷の奥には、ラブドールがいた。動かない、精緻に作られた人形。愛を求める、声なき人形、ラブドール。
その姿は、生前の浮竹そのもの。
死覇装をはだけた姿で、誘っているように見える、あどけない表情と潤んだ瞳。唇は今にも吐息をはきそうで。
「浮竹、ただいま」
「おかえり」
そのラブドールは声を出す。
必要最低限の会話のやりとりができた。
「浮竹、大好きだよ」
「俺も大好きだ、京楽」
もう、ルーティンになってしまった会話を続ける。
「ねぇ、動いてボクを抱きしめて。ボクの鼓動の音を聞いて。キスして。抱かせて?」
「‥‥‥‥俺も大好きだ、京楽」
ラブドールとの意思の疎通はできない。
京楽は、涙を流しながらラブドールの浮竹の白い髪をブラシですいて、編み上げて翡翠の髪飾りをつけた。
「綺麗だね、浮竹」
「おかえり」
「ねぇ、浮竹」
「愛している、京楽」
「そうじゃないんだ。ねぇ、浮竹!!」
乱暴にラブドールを揺すると、動かない浮竹はベッドから転げ落ちて、床に転がった。
「ああ、痛いよね。ごめんね、浮竹」
ラブドールの浮竹を抱きしめて、京楽は穏やかな顔になる。
ラブドールの浮竹からは、生前の浮竹と同じ匂いがした。
もう、浮竹が死んで20年になる。京楽は、狂ったようにラブドールに愛を囁き、ラブドールの浮竹はその寵愛を一心に受けたが、ラブドールなので会話は必要最低限のものしかできないし、意思の疎通は不可だ。
それでも、京楽は浮竹のラブドールを愛した。
愛し続けて20年。
古いものには魂が宿り、付喪神になるという。
ラブドールの浮竹に魂が宿り、ラブドールの浮竹は浮竹となった。
「ただいま、浮竹」
「おかえり、京楽」
「あれ、今いつもと違うこと言わなかった?それに、微妙に動いているような」
「俺はラブドールだったけど、魂が宿って浮竹となった。京楽、ただいま。俺は、地獄から這い上がってきたぞ?」
「浮竹‥‥‥?」
京楽は、目を見開く。
「腹がすいたんだ。何か、食べるものはないか?」
浮竹に触ってみる。
温かくて、人の皮膚の感触だった。
「浮竹、本当に君なの?ボクは夢を見ているのかな」
浮竹が、京楽の頬をつねる。
「いたたたた」
「どうだ?夢と思うか?」
「浮竹ええええ!!!」
京楽は、泣いてラブドールだった浮竹を抱きしめて、ベッドに押し倒す。
「俺は、腹が減っているんだが?20年以上、もう何も食べてないから」
「あ、うん。今、夕飯の用意させるね」
家人に頼んで、夕飯を二人分にしてもらった。
浮竹は、死覇装は着ているが、隊長羽織の裏には13番隊の文字がなく、白い羽織を着ていた。
夕食は、おでんだった。
あつあつのものを、浮竹はふーふーと息をふきかけて食べる。
「食べれるの?」
「当り前だぞ。俺は浮竹として蘇ったんだからな。まぁ、付喪神の一種みたいなもんだが」
おでんのおかわりを3回して、お茶を飲んで一息ついた浮竹は、同じく食べ終わった京楽に膝枕をしてやった。
「耳掃除、さぼってるな?」
「え、あ、うん」
「今してやる」
昔も、こんな風に耳掃除をしてもらった。
浮竹は、京楽の耳掃除をして、一緒に風呂に入った。
「なんだ?」
「いや、綺麗な体してるなと思って」
「ふふ、今の俺にはミミハギ様はいないぞ?ついでに病んでいた部分の肺もない。病弱でもないしな」
「あのさ」
「なんだ?」
浮竹が、湯船の中で京楽を見つめてくる。
「今夜、君を抱いていいかい?」
「あははは、俺は元ラブドールだ。愛されるために存在する。俺を抱けるのは、京楽、お前だけだ」
風呂からあがり、長い髪の水分をとってやり、京楽は薄い夜着を浮竹に着せて、お姫様抱きして褥に寝かせる。
「その、潤滑油とかないんだよ。それでも、大丈夫かな?」
「今の俺は、自然と濡れるから。大丈夫だ」
京楽は、浮竹に口づける。
浮竹は口を開いて、京楽の舌を受け入れて絡み合わせる。
「んっ」
「ああ、君の味がする。本物の浮竹だ」
京楽は、そこで意識が霞んでいき、眠ってしまった。
「緊張の糸が途切れたんだな。今日はおやすみ」
浮竹は、京楽を褥で寝かせると、ラブドールであった定位置に戻る。
朝起きると、浮竹がいなくて京楽は失望した。
やはり、夢だったのだ。浮竹が蘇ってくるはずがない。
「おはよう」
「うん、おはよう‥‥‥って、浮竹!?」
浮竹は、適当な着物を着て、朝食の用意をしてくれていた。家人には、自分が作るといって下がらせた。
「今日は、休みなんだろう?昨日の続き、しようか」
浮竹に大胆に誘われて、京楽はうんと小さく頷く。
朝食は、大根の漬物、白ごはん、焼いた鮭に豆腐とわかめの味噌汁、だし巻き卵だった。
「おいしい」
「そうか。腕がなまっていないようでよかった」
「これ、浮竹が作ってくれたの?」
「ああ、俺だが。嫌だったか?」
「とんでもない!」
ポタポタと、京楽は涙を流す。
塩味でないはずの白米が、ちょっとしょっぱくなった。
「浮竹、本当にいいの?」
「いいぞ。こい」
朝っぱらから、褥で向かい合う。
「じゃあ、遠慮なく」
潤滑油をまた忘れたが、浮竹のそこは自然と濡れていて、指で触るとくちゅりと音をたてる。
「んっ」
「浮竹、愛してるよ」
「俺もだ、京楽」
浮竹は、京楽の服を脱がしていく。京楽も、浮竹の衣服を脱がした。
口づけして肌を弄りあいながら、お互いのものを手で包み込んでしごいて、いってしまった。
「ん」
「ああ!」
「君の中に出していい?」
「こい。俺を壊せ」
「やだ。それだけは嫌だ」
京楽は、濡れている浮竹の蕾を指でいじくって、いい場所を何度もぐっと押して精液を出されると、浮竹の中に侵入する。
「んあああ」
「ふあ、君の中すごい‥‥」
「ふふ、久しぶりだろう?味わえよ」
ぱちゅんと音がするくらい腰を打ち付けて、最奥を抉ると、浮竹はオーガズムでいっていた。
「あああ、いくううう」
いつもの、昔乱れていた浮竹がそこにいた。
「あ、もっとおお」
京楽に自ら足を開いて、懇願してくる。
京楽は、浮竹の両足を開かせて、中を穿つ。
「ああああ!!!」
びくんと体を反応させて、ドライでいく浮竹が愛しい。
「たくさん、子種あげるね?」
「ひあああ!」
びゅるびゅると濃い精子を浮竹の中に注ぎ込んで、京楽はもう一度したいと言うと、浮竹がいいと言ったので、また抱いた。
「ああああ!」
奥まで貫かれて、浮竹は京楽の背中に手を回して、爪を立てる。
「んあ、いく、いっちゃうう」
何度もオーガズムでいきまくり、浮竹は気を失った。
「浮竹!?」
まさか死んだのかと息を確かめると、ちゃんと呼吸していたし、肌も暖かかった。
後始末をすませて、衣服を着させて違う布団で京楽は浮竹を抱きしめながら寝た。
「んー。あったかい‥‥‥‥」
「おはよう、京楽」
「おはよう、浮竹]
「今日は仕事があるんじゃないのか?」
「げ、今何時?」
「9時」
「遅刻だああああ」
さっさと着替えて出ていこうとする京楽に、浮竹が軽めの荷物を投げてよこす。
「おにぎりだ。ついてから、仕事の合間にでも食べるといい」
「ありがとう、浮竹!夕方には戻ってくるから、家からは出ないでね!家人とは話してもいいけど、外の人と話しちゃだめだよ!いろいろと騒がしくなるから!」
「ああ、分かった」
浮竹は、京楽が帰ってくるまでずっと眠っていた。
夕飯の時間になり、まだ帰ってこない京楽を不思議に思って地獄蝶を飛ばすと、残業で2時間ほど遅れるそうだ。
浮竹は家人の作ってくれた、うな重を食べた。
「早く、京楽戻ってこないかな」
ご飯を食べて、風呂もすませると、また眠っていた。
活動時間の大半を眠って過ごす。
元ラブドールの浮竹は、ひっそりと息をする。
「ごめんね、遅くなった」
「今日は睦みあえないな。一緒に寝るか」
夕食と風呂を手早く済ませた京楽と、浮竹は布団にそれぞれ寝転がりながら、今の 護廷十三隊の話をする。
ルキアが13番隊隊長になってくれたと聞いて、浮竹の喜びようは半端ではなかった。
「そうか。俺が死んで、もう20年になるんだな」
「ルキアちゃんはね、恋次君と結婚して子供がいて、苺花ちゃんっていって」
「会いたいなぁ」
「もう少し、待ってね?君が生き返ったこと、皆に知らせるから。穏便にすませなきゃ、12番隊の涅隊長がサンプルだとかいって、君を奪っていきそうだから」
「それは困る」
「浮竹、君はボクの傍にずっといてくれるよね?」
「当り前だ。元ラブドールなんだから。主の元にずっといるのが、俺の仕事だ」
「浮竹、大好きだよ。生き返ってくれて、ありがとうね?」
「京楽‥‥‥そろそろ寝ようか」
「うん」
二人は、手を繋ぎあって眠った。
どうか、この静かな平和と愛する人といられる時間が、ずっと続きますようにと、京楽は祈りながら眠るのであった。
黒猫と白猫の亜人52
浮竹は、快楽に身をくねらせる。
覆いかぶさっている京楽は、額に汗をかきながら浮竹を抱いていた。
なにせ、浮竹は12歳くらいになっていて、あまり無理をできないので、素股をさせて疑似セックスをしていた。
浮竹は、恋次がもってきた白哉に盛ろうとしていた、若返りの薬を間違って飲んでしまい、12歳くらいの子供になってしまった。
精通は迎えていたが、とても大きな京楽のものを受け入れきれないので、素股をさせた。
「んあああ!!!」
浮竹は、幼いのに中身は20歳なのでオーガズムでいく。
素股をされながら、京楽の手が小さな浮竹のものを包みこみ、射精へと導く。
「んあ、いっちゃううう」
「ボクもいきそう。浮竹、もうちょっと股、きゅってできる?」
「んあ、分かった」
狭まった浮竹の太ももで、京楽は何度も出し入れを繰り返して、シーツの上にびゅるるると、濃い精子を出す。
「ん、いくうう」
浮竹も、京楽に包み込まれた手の中でいっていた。
「んー。ねえ、先っぽだけいれていい?」
「全部は無理だぞ」
「分かってるよ」
くちゅっと音を鳴らして、まずは潤滑油をまとった指を一本二本と足していく。
三本くわえこむ頃には、蕾はとろとろに溶けて、ひくひくと京楽を誘ってくる。
先だけを中に入れる。
素股とは全く違う、快楽を京楽は味わい、浅いところを幼い姿の浮竹を犯す。
「んあ、そこいい」
「ん、ここかい?」
「ひあ!いい」
「じゃあ、ここ攻めてあげるね?」
くちゅりと音を立てて、浅いところばかりを攻める。
前立腺をかすめられて、浮竹はオーガズムでいきまくる。
「んあああ、いく、いくの止まらないいいい。ほんとは、奥に欲しいのおお」
「今の君の体じゃあ無理だ。ボクを受け入れるのに体がちいさすぎる」
「んあ、早く元の姿に戻ってお前に滅茶苦茶にされたい」
「浮竹、あおらないで。ああ、いくよ。精子注ぎ込むから、下の口で思う存分味わってね?」
「ひああああん!」
京楽のものがぐちゅっと音を立てて、浅い部分で子種をはじけさせる。
浮竹は、京楽に奥を突かれたいが、12歳の姿の浮竹は、標準の12歳の子供より発育が悪い。
虐待されてきたので、栄養状態がよろしくなく、肋骨も浮き気味であった。
「とりあえず、お風呂入って、食事にしようか」
「うん」
浮竹と京楽は一緒に風呂に入った。
浮竹は幼いせいで、女の子にしか見えないが、れっきとした男の子だ。
元の姿に戻る方法は、解毒剤を飲むのだが、肝心の恋次は逃げ出して解毒剤の在処が分からない。
仕方ないので、魔王の浮竹から血をもらうことにした。
「魔王の俺」
『うわあああああああ、白猫の俺、その姿はなんだ!かわいい!かわいすぎる!』
魔王の浮竹は、12歳の姿の浮竹を抱っこして、頬ずりした。
『京楽、服を商っている商人を呼べ。12歳くらいの、女の子の服をたくさんもってこさせろ』
「魔王の俺ぇぇぇぇ!?」
『いいだろう?今のお前、ほんとに女の子みたいで、ゴスロリとか似合いそうだ』
しばらくして、服屋の商人がやってきて、浮竹は魔王の浮竹の手で着せ替え人形にさせられて、これも似合うあれも似合うと、結局もってきた30着ばかりの衣服を全て購入した。
「俺は、この姿を治してもらおうと」
『ちょっとくらい、後でもいいいだろう?もう少しそのままでいてくれ。かわいいから』
『まぁ、浮竹の言う通りかわいいね。浮竹の血が欲しいんだろうけど、浮竹の気がすむ数日の間、そのままでいてほしいな』
幽鬼の京楽までそう言うものだから、浮竹は仕方なく、12歳の姿でゴシックロリータのドレスを着て、魔王城に数日泊まることになった。
「かわいい」
にまにまする京楽をぽかりと力なく殴って、浮竹は猫の姿になった。
やっぱり、子猫だった。
『ああああああああ。壊滅的にかわいい。俺のところの子になれ!』
『浮竹、無理言わないの』
『むう。こんなにかわいいのに』
子猫姿で、浮竹はうまく人の言葉がしゃべれなくて、にゃあと鳴く。
「にゃああ、普通に、にゃ、戻りたいにゃ」
『あと3日だけ。3日だけでいいからその姿で!』
魔王の浮竹に強く求められて、それから3日間、幼い姿のままだった。
3日経つ頃には、魔王の浮竹は自分の血を錠剤にしたものを、浮竹にくれた。
『これを飲めば、元に戻るだろう』
「ありがとう」
浮竹は、ぶかぶかの大人の衣服を着てから薬を飲む。
20歳の浮竹が戻ってきた。
「あああ、やっともとに戻ったぁ。かわいいけど、抱けないのがねぇ」
「お前の頭には、抱くことしかないのか」
「いや、まぁ、なんていうかボクが発情期なんだよね」
末恐ろしいことを聞いた。
性欲の強い京楽が発情期。えらい目にあいそうな予感がした。
そして、実際その通りになった。
「んあああ、もう、奥はだめええええ」
何度も奥を貫かれて揺すぶられて、浮竹はオーガズムでいく。
「やあああ」
京楽は4回は出しただろうにまだ硬く、ギンギンだった。
「やあ」
ぐいっと足を開かされて、浮竹は京楽を受け入れる。
「んっ」
くちゅっと音がして、京楽の手が浮竹のものをいじる。鈴口に爪を立てられて、くちゅちゅと音を出しながら扱われて、射精に導かれる。
「んああああ!!」
京楽は、浮竹の弱い奥を責めて、子種を弾けさせた。
「あ、もっと奥に。出すなら、もっと奥にぃ」
5回目の熱を受け入れた浮竹は、まだいけるようだった。
「んあ、もっとお前が欲しいって言いたいところだけど、そろそろ無理。あと1回で終わってくれ」
「うん、無理。あと3回くらいしたい」
「俺が無理いいい」
浮竹は、京楽に犯されながら意識を失った。意識を失った浮竹の体を、京楽はなるべく丁重に扱いながらも抱いた。
次の日も、またその次の日も求められた。
浮竹の時とは違うくて、発情期そのものは4日で終わった。
4日目になって求められなくなって、浮竹は安堵する。
「ごめんね」
「仕方ない。発情期だったんだ。俺の発情期の時も、お前には迷惑をかけたしな。お互い様だ」
京楽の発情期を何とか乗り越えて、浮竹は安堵するのだった。
黒猫と白猫の亜人51
また家出をしたのだ。
魔王の浮竹が理由を聞いてみると、ぷんぷん怒りながら、浮竹は言う。
「あいつ、他の猫の風呂場のぞいてたんだ!それにこりずに、白哉の風呂ものぞいてた!俺の風呂ものぞいてた!あんな変態は俺の夫じゃない」
『でも、結婚したままなんだろう?』
「知らん」
つーんと、浮竹はあらぬ方角を向く。
『何か理由があったんじゃないのか?』
「あいつ、またたびで酔ってた。猫用のまたたびでだぞ」
魔王の浮竹は、浮竹の頭を撫でる。
『お前も黒猫の京楽も、猫の亜人なだけあって、猫の姿の時はまたたびが効くのかもな?』
「俺には効かないぞ」
『でも、黒猫の京楽はまたたびに酔ってたんだろう?変な行動おこしても不思議じゃないだろう?』
優しく魔王の浮竹に諭されて、浮竹は自分も悪かったかもと思い、魔王の浮竹に礼を言って、自分の家まで戻っていった。
戻った先で見たものは、雌猫としっぽり中の黒猫姿の京楽だった。
「ああ、ごめん浮竹、またたびでむらむらしてたのに君がいないから!」
「実家(魔王城)へ帰らせていただきます」
京楽を人の姿で頭をゴンと殴り、身の回りのものを整えて、荷物を作って、浮竹は魔王城に家出しにいった。
「あいつ、また雌猫に浮気してた。前もうしないって約束したのに!」
浮竹は、荷物をほどくと、当分の着替えや自分用のエサ入れの皿、おもちゃなどを客間に広げる。
『浮気ねぇ。今回は、黒猫のボクが悪いね』
「そうだろう?当分帰ってやらないんだからな」
ぷんぷん怒る浮竹。
「こうなったら、俺も浮気してやる」
『誰と?』
「魔王の俺と!」
『ええ、そうなの?』
浮竹は、猫の姿になり、魔王の浮竹の元にいくとにゃーにゃーいって求婚行動をする。
「にゃーにゃー」
『どうしたんだ、白猫の俺は』
『君を口説きたいらしいよ』
『ぶっ』
「む、俺は本気だぞ。さぁ、猫の亜人族に伝わる求婚のこのダンスを見よ!」
にゃんにゃんいって、戦後左右に動いているだけだった。
「どうだ、俺に惚れただろう?俺のダンスはいけいけだからな。白哉のとこの猫も俺のダンスを見たら失神して惚れまくってくる」
『(ちょっと、これどういう反応したらいいんだ?)』
『(適当に、惚れたとか言っておけばいいんじゃない?)』
こそこそとやりとりをする魔王の浮竹と幽鬼の京楽を、浮竹は不思議そうに見ている。
『ほ、惚れた。俺はもうお前にめろめろだ』
「そうだろう。さぁ、チュールをくれ。愛のチュールを」
『はい、チュールだぞ』
「うにゃん」
浮竹は、チュールを食べる。食べ終わった後、猫の姿で魔王の浮竹の唇を舐める。
『舐められた』
「キスだ!」
『キスされた』
『はは、かわいい浮気だね?』
幽鬼の京楽は、にこにこしている。
「むう、でも魔王の俺に浮気したら、幽鬼の京楽が伴侶をなくすのか。それは嫌だなぁ」
『ほんとに、かわいいねぇ』
幽鬼の京楽は、浮竹の頭を撫でで喉を撫でてゴロゴロいわせる。
「むう」
浮竹は、うまくいかないと思案顔になる。
そこに、魔王の浮竹が最近雇いれた猫の亜人のミーアちゃんを連れてきた。
「激美人さん!タイプだにゃ!」
ミーアちゃんが、浮竹を見て赤くなる。
「あたし、ミーア。ミーアちゃんって呼んでね?」
「ミーアちゃん、結婚しよう」
「えー、美人でもいきなり結婚は無理にゃん。お付き合いからしましょ?」
「分かった。ミーアちゃん、中庭にお散歩に行こう」
ミーアちゃんと浮竹は、中庭に去っていく。
『よかったの、浮竹?』
『ないとは思うが、俺を本気で恋愛感情で好きになられたら、お互い困るし、どこかの幽鬼が、ボクのものだよって怒りそうだからな』
『ふふ、白猫の浮竹は本気で恋愛感情で君を好きになることはないと思うけどね?』
『分からんぞ?俺が受け入れたら、不倫は成功だろうが』
『まぁ、そうなんだけど』
浮竹はミーアちゃんと中庭で遊んで、魔王の浮竹からチュールをもらう。
ミーアちゃんはかしこまるが、浮竹が気にすることはないと、堂々とチュールをもらうものだから、ミーアちゃんもチュールをもらう。
「ミーアちゃん、しっぽりしよう」
「えー。子猫できちゃうから、だめぇ」
「がっくり」
浮竹は、それでもミーアちゃんが気に入ったというか、他に猫の亜人がいないので、ミーアちゃんといろいろ遊んだ。
それを影ながら見ていた京楽は。
「浮竹の浮気者おおおおおおおおおおお」
涙を出して、去っていく。
「あ、京楽!にゃん、ミーアちゃん、今までありがとう!俺、京楽と結婚してるんだ!不倫しようと思ってたけどやめた!」
「あら、つまんない」
「魔王の俺、家に戻る。京楽が家出するかもしれないから」
浮竹は、白哉の家にある一軒家の自分たちの家に戻る。
そこには、浮竹のダッチワイフとしっぽり中の京楽がいた。
「なんだこれ?」
「な、なんでもないの!」
「なんで裸なんだ?」
「汗、汗かいたから着替えようかなって」
「なんでフルチンなんだ?下着も汗で濡れたのか?」
「う、うん、そうなの」
浮竹は、ダッチワイフをなんだか知らない。
浮竹は、ふーんと言って、ダッチワイフの周りをうろうろして、衣服を身に着けた京楽に、人の姿になって抱きついた。
「今回だけ、許してやる。もう、浮気はするなよ?俺もまた浮気しちゃうからな!」
「浮竹けええええ」
京楽は、浮竹を押し倒す。
そのまま、おいしくいただかれるのであった。
色子花魁(恋白)
大量の借金の返済のためにと、子供の頃売らていくことになった。
「恋次。兄が、いつか迎えにきてくれ」
「白哉さん‥‥‥」
白哉には、恋次という付き人がいたが、白哉を含めた貴族が没落したために解雇されることとなった。
「これを」
それは、桜色の貝殻だった。
「ルキアの身は俺が守るんで。これを、俺と思って持っててください。いつか必ず、大金持ちになってあんたを迎えにいきます」
白哉にはルキアという義妹がいた。
ルキアも売られそうになったのだが、白哉が庇った。本当なら、当主となるはずであった白哉の身だけは売られることなく、という話だったのだ。
「兄様!」
「ルキア、体を大切にしろ。好きな相手ができたら、信頼できる相手であれば頼れ。私はもう帰ってこないかもしれないが、ルキア、そなたを愛している」
「兄様!」
「白哉さん!」
「恋次、兄も愛している」
白哉と恋次は恋仲だった。
その時、白哉は11歳、恋次は8歳であった。ルキアは7歳であった。
恋次は、子供であり力のない自分を責めた。
せめて、ルキアの身だけは命を賭けて守ろうと誓った。
「ルキア、明日から白哉さんはいない。俺と一緒に、白哉さんを取り戻そう」
「分かった、恋次」
ルキアは涙を流しながらも、恋次の言葉を信じた。
それから10年が経った。
白哉は、高級男娼の色子として、霞の里という花街一番の、桜の廓で花魁になっていた。
とても美しい青年に成長していた。白哉にはわずかだがエルフの血が流れており、成人していたが見た目は17、18歳くらいだった。
白哉は美しく、上客が何人もいた。
元大貴族出身というところも、売れる原因であった。
貴族の客は、白哉を手荒に抱き、元朽木家に辛酸をなめさせられた者は特にきつく白哉にあたった。
傷薬で傷が癒えるのをいいことに、折檻まがいのこともされたが、白哉は顔色一つ変えず、取り乱しもしなかった。
ただ、夜は乱れた。
そのギャップがたまらないと、白哉の客は言う。
高級男娼の色子という身分でありながら、大貴族としての所作を身に着けている白哉は、美しく鮮麗だった。
10年も色子を続けているうちに、白哉の中でも諦めの気持ちが出てきて、いつか恋次が会いにきてくれることだけを信じて、宝物の桜色の貝殻を見つめる。
「もう、あれから10年か。恋次は18。ルキアは17。きっと、結婚しているであろうな。恋次になら、ルキアのことをまかせられる」
恋次と恋仲ではあったが、子供同士であったので、性的なことは一切なかった。
始めても、違う男だった。
毎晩違う男に抱かれていくうちに、体は抱かれることになれて疼くようになった。
「もう、私は汚れている。どの顔をして恋次と会えるというのだ」
白哉は、自重気味に笑った。
「白哉、今日のお客さんは大貴族だ。粗相のないようにな」
「はい、主人」
廓の主人からそう言われて、白哉は化粧をしてもらい、大貴族だという客を迎える。
「やっと会えた。白哉さん」
「れ、恋次!?」
「俺、ルキアと一緒に4大貴族の四楓院家に拾われて、四楓院夜一の夫になって、正式に大貴族の一員になれたんです。商売を広げて、財も得ました。あんたを買いにきた。そして、身請けします」
「四楓院家‥‥‥夜一の、夫。帰れ」
「なんでですか」
「夜一の夫なのであろう?浮気のような真似はするな」
「形だけです。夜一さんとは体の関係もないし、形式上結婚したけど、俺を大貴族にしてくれる代わりに、形だけの夫になってくれという契約です」
白哉に裏切りの形は見せたくないので、契約書をもってきていた。
「あんたはただ黙って俺に身請けされたらいいんだ」
「れ、恋次」
「俺はまだ18だけど、四楓院恋次だ。あんたは、四楓院白哉になるんだ」
「何を言っている?」
恋次は、白哉を抱きしめる。
「あんたも夜一さんと婚姻して、四楓院白哉になってください。身請け金は俺の商売の財では足りないだろうから、夜一さんからも借りてます。将来ちゃんと返していくけど、あんたが隣にいないと、俺は生きていけないから」
「何をばかなことを。10年だぞ。もう、兄のことなど、なんとも思っておらぬ」
「じゃあ、どうして泣いているんですか」
「私が、泣いて‥‥‥‥?」
気づくと、白哉は涙を流していた。自分でも不思議だった。
10年間、見知らぬ男ばかりに足を開いて春を売り、生きてきた。死のうかと思ったこともあった。ただの口約束だった、恋次が会いにきてくれるという言葉だけを信じて生きてきた。
「私は‥‥‥嬉しいのか。この感情は」
「そうですよ。あんたは、俺にずっと会いたかった。違いますか?」
「恋次、恋次‥‥‥‥ずっと、兄と会えるを待っていた。10年間、他の男に抱かれ続けて私は汚い。それでも、私を愛してくれるか?」
「はい、もちろんです。あんたを身請けする。身の安全のために、あんたも夜一さんと形だけの婚姻をしてください。拾われた身分の夫の俺が、側室や恋人をもつわけにはいきませんから」
「恋次、愛している」
白哉は、褥に恋次を押し倒して、色子として培ってきた手練手管で恋次を翻弄させる。
「あ、もう十分です、白哉さん。あんたをきもちよくさせたい」
白哉は、恋次の体中のタトゥーが昔より更に増えていることに驚く。
「痛くないのか、これは」
「ああ、俺の生きてる証みたいなもんなんで。あんたが売られていった日から、1年に1回ずつタトゥー彫ってもらったんです。10年目で、ようやく終わる」
「恋次‥‥んあっ」
口づけあうと、ぬるりと恋次の舌が入ってきた。
「恋次、もっと‥‥‥」
「白哉さん、愛してます」
恋次は、白哉の衣服を脱がせて、その白い肌にキスマークを残していく。
「あっ」
太ももの内側にキスマークを残され、そのまま恋次は白哉のものを口にふくんで奉仕する。
「ああっ」
色子で欲に慣れてしまった体は、すぐに熱を外に吐き出した。
「恋次、兄もこい。一つになりたい」
「はい」
白哉は、いつ客がきてもいいようにと後ろを慣らしていた。恋次は、潤滑油を手にとって念のため蕾をぐちゅぐちゅといじるが、よく解されていたので、己のものをあてがって貫いた。
「ひああああん!!」
「ああ、あんたと一つになれた。最高だ。すげぇ、いっちまいそうだ」
「あ、我慢せずともよい。私に中に子種を注げ」
「くっ」
恋次は、眉を寄せてやってくる快感を凌いで、白哉の奥までどちゅんと貫く。
「ひあ!」
白哉は、精液をたらたら零しながら、オーガズムでいっていた。
「あう!」
そのままぐちゅりと音を立てて円を描かれ、また抉られて、白哉は快感に頭が真っ白になる。
「あーーあ、変になるうう」
「白哉さん、大好きだ」
恋次は、白哉の胎の奥に子種を巻き散らして、いっていた。
白哉もまた、それに刺激されてオーガズムでいく。
「もっと欲しいですよね?」
「あ、もっとおお」
美しい白哉は、妖艶に求めてくる。
白い頬を薔薇色に染めて、恋次を求める。潤んだ瞳は、黒曜石のようで、熱を孕んだ瞳で恋次を見上げる。
「恋次、もっと欲しい」
「はい。いくらでも」
恋次は白哉に口づけて、一度引き抜いて騎乗位に白哉をさせると下から突き上げた。
「あ、あ、あ!!!」
下から突き上げられるリズムに合わせて、白哉が啼く。
「白哉さん、自分で動いてみて?」
「んあ‥‥ひあ、あ、いい」
白哉は、腰を落としたり円を描くように動いたりして、自分の快感のままに動く。
「ああ、すげぇエロい。見てるだけでいっちまいそうだ」
「んああああ!!!」
ぐりっと中を抉りながら、騎乗位から押し倒されて、穿つ場所が奥の奥になって白哉は潮を吹いていた。
「白哉さん、エロい。ああ、いっちまう」
恋次は、白哉の締め付けに耐え切れずに白哉の胎の奥の奥に子種を巻き散らした。
「白哉さん」
「ん、恋次」
「もう1回だけ、いいですか」
「よかろう。花魁になる前は複数の相手もさせられたことがある。それを思えば、回数の多い兄など子供のようなものだ」
「廓の主人、殺しておこうか‥‥」
「よい。私も金が必要であった。少しでも早く年季明けするために」
白哉は美しいのに、夜は乱れて淫乱だと言われて人気が高く、年季明けは27歳になる6年先だった。
「んあ!熱くて太いの、くるうう」
恋次は、怒りにも滾ったもので白哉を貫いた。
「ひあああ!」
ぐちゅりと音がなる。
「あーーーー!」
白哉は、再び潮を吹いていた。背をしならせてオーガズムでいきまくる。
「白哉さん、俺の想い全て受け止めてくださいね?」
「あああ!」
びゅるびゅると最後の精子を体の中に吐き出されて、白哉も力尽きる。恋次はまだ動けるようで、後始末などは全て恋次がしてくれた。
「ん」
起きると、朝だった。
夜着から普通の着物に着替えさせられていた。
気を失っている間に風呂に入れてもらえたらしく、肌からも髪からもいい匂いがしていた。
「恋次」
「はい」
「私の身請け額は高いぞ。星金貨400枚だ」
「星金貨、2千枚もってきました」
白哉が、声を失う。
「あとくされないように、700枚くらい支払ってくるんで、ここで待っててください」
恋次は、大金を取り出して廓の主人と話をつけた。
「あんたを身請けしました。あんたはもう自由だ。俺と一緒に、きてくれますよね?」
「兄が身請けしたのだ。今日から、兄が私の主だ」
「対等ですよ、白哉さん。四楓院夜一の夫になってください。夜一さんは、立場上複数の夫が必要らしくて」
「ふむ‥‥」
「形式上の結婚ですからね?白哉さんはたとえ夜一さんでも、ルキアでもあげません」
「ふふ、夫は揃いに揃って浮気者同士ということか」
白哉は、薄く微笑する。それがあまりにも美しくて、恋次は目をこする。
「さぁ、行きましょう。馬車、用意してあります。持ち物は全て処分します」
廓にいた頃の思い出は処分。
ふと、白哉はこれだけはと、桜色の貝殻をもってきた。
「この貝殻を見るたびに、兄を思いだしていた。辛くても、我慢できた」
「白哉さん!」
恋次は、白哉を思い切り抱きしめた。
「もう、あんたは俺だけのもんだ。夜一さんとの婚姻も、書類だけで済ませる」
恋次は、花街を出ると一度四楓院家に顔を出して、夜一と話をして白哉の元に戻る。
「種類上の結婚で構わないそうです。今から、俺の館に案内します。ルキアもいるんで」
白哉は、その後ルキアと会い、感動の対面をした後、恋次に連れ去られてまた抱かれるのであった。
色子花魁
幼い頃から一緒に遊び、食べて寝て、一緒の家で暮らしてまるで兄弟のようだった。
でも、浮竹は京楽の家に厄介になっている身分で。
ある日、浮竹の親族が借金でどうしようもなくなり、浮竹も売られることになった。
京楽は反対して暴れまわったけれど、子供の力ではどうしようもなく、売られていく浮竹と約束をした。
「必ず、迎えにいくからね、浮竹」
「京楽‥‥‥俺は、色子として売られていく。この身が汚れていても、迎えにきてくれるか」
「浮竹がどれだけ汚れたって、きっと綺麗なままだ。いつか必ず、迎えにいくから」
そう約束をして、8年の歳月が経った。
浮竹は、花街の陰間茶屋の色子として人気を成し、陰間なのに花魁にまで出世していた。
年は18。
あと7年は年季が残っている。
ある日、懐かしい客がきた。
京楽だった。
「京楽‥‥‥会いたかった。お前に会えることだけを生きる目標で生きてきた」
「浮竹‥‥‥‥‥会いにくるのが遅くなってごめんね?」
「ううん、いいんだ」
「また、会いに来るからね?」
その日は、ただ会うだけで、京楽は金貨を10枚ほど払って去っていった。
数日後、京楽は客としてやってきた。
「浮竹、今日は君を買いにきた」
「お前になら、ただででも抱かれたい」
「ちゃんと、お金は払うから」
金貨300枚を出して、京楽はその日浮竹を買った。
「んあっ」
ずるっと、中を穿つ熱は、まだまだ硬い。
「ああ!」
京楽は浮竹のものをしごきあげて、熱を吐き出させると、それをなめとった。
「京楽」
「浮竹、大好きだよ。子供の頃からずっと好きだった」
「あ、俺もだ京楽。大好きだ」
浮竹は、大好きといいながら、他の男にも体を開かねばならないので大粒の涙を流す。
「こんな仕事、したくないんだ。でも、体を売らなければ折檻される」
「うん」
浮竹の中を抉って揺さぶると、浮竹はオーガズムでいっていた。
「ああああ!!」
「浮竹、エロくてかわいい」
「京楽。お前の子種を俺の中にちょうだい」
「うん。特別に濃いの、あげるね?ここ最近一人でもしてなかったから」
「んあああ!」
京楽は、浮竹の前立腺をこすり上げる。
「ひあ!」
ぐりっと奥を抉るように穿つと、浮竹は精液をタラタラ零しながら、ドライのオーガズムでいっていた。
「君の中、すごいね。うねって吸い付いてくる」
「ああ!京楽、すごいの、すごいの出でてるるうう」
びゅるびゅると、濃すぎる精子を、京楽は浮竹の中に吐き出す。
「もう1回ね?」
「んあ、お前になら何度抱かれてもいい」
「好きだよ」
「ひあああん」
中をぐるっと輪を描くようにすると、結合部がぐちゅぐちゅと濡れた音をたてる。
「あ、それすき」
「こう?」
「ああん」
中で円を描いて突き上げると、浮竹は背をしならせる。大きくオーガズムでいっている証だった。
「んあ、もっとお」
「ふふ、欲張りだね?」
「だって、きもちいいからぁ。他の客なんてどうでもいいくらい、きもいいよお」
心と体の感情が今まで食い違っていたが、好きな相手に抱かれるのは幸せだった。
「んあっ」
舌が絡み合うキスを繰り返し、一護引き抜かれると胸の先端ばかりをいじられる。
「やああ、我慢させないでぇ。俺の中にきて。俺をもっと滅茶苦茶に犯して」
「君って子は‥‥‥‥」
京楽は、浮竹の中を穿ち、最奥に精液を何度も注ぎこむ。
注ぎ込む度に、浮竹はオーガズムでいき、一緒に達していた。
「愛してるよ」
「俺もだ」
京楽は、浮竹を抱いで愛していると言ってくれてが、迎えに来たとは終ぞ言ってくれなかった。
それから3日に1回は、京楽は浮竹を買いにやってきた。
浮竹の人気は高いが、金の支払いの一番いい京楽が選ばれて、浮竹を抱いた。
「明日からしばらくいなくなる。君を、迎えるために大金が必要なんだ。危険な仕事に行く。もしかしたら、帰ってこれないかもしれない。半年が経っても音沙汰がなければ、ボクのことは忘れてほしい」
「そんな!」
「君を身請けするためだ。ボクも、命をかける」
京楽は、闇の仕事をしており、浮竹を身請けするほどの報酬をもらうためには、命の危険があったが、それしかもう方法がないので、命を賭けることにした。
浮竹は、京楽を待った。
1カ月が経ち、2カ月が経ち。
ただひたすらに待った。
色子の花魁としての名はますます高まっていく。
半年が経った。
けれど、京楽は戻ってこなかった。
浮竹は、京楽との約束通り、京楽を忘れることにした。
もうどうでもよくなり、人生は終わりだと感じて、阿片に手を出した。
3年が経ち、浮竹はそれでも花魁だった。一時阿片に手を出して身を滅ぼしかけたが、夢で京楽が「生きて」と叫んでいたので、もう一度生きてみようと思った。
3年後、京楽が現れた。
右目に眼帯をしており、隻眼になっていた。
和やかだった鳶色の瞳は、鋭い色になっていた。
「遅くなったね。君を、身請けにきたよ」
「京楽、ずっとずっと、会いたかった!」
浮竹は、涙を流して京楽に抱きついた。
「んっ」
舌を絡めあわせなながらディープキスを繰り返す。
「ここに、星金貨500枚ある。これで、君を身請けするよ」
「星金貨500枚!」
浮竹の身請の金額は、星金貨350枚だった。
京楽は、廓の主人を呼び、しぶろうとした廓の主人に星金貨500枚を見せた。
廓の主人は、満面の笑顔になり、浮竹の身請けを了承してくれた。
「京楽、ずっとお前を待っていた。その右目はどうしたんだ」
「ちょっと、ドジちゃってね。危うく左目もやられて失明するところだったよ。待たせてごめんね?」
「ううん、一度は絶望から阿片に手を出したが、どこかでお前が生きていると信じてがんばって生きて足掻いていた」
「阿片!もう、ぬけてる?」
「ああ。阿片からは足を洗った」
浮竹は、京楽を抱きしめる。京楽も浮竹を抱きしめ返した。
「半年が経っても、お金がたまらなくてね。ポカやらかして、右目を失った。何度か危ない橋を渡り続けて、星金貨千枚を稼いで、ボクも裏家業から足を洗ったよ」
「うん」
「残りの星金貨500枚で、小さい宿屋でも経営して、慎ましく暮らしていこう?星金貨が500枚あれば、大きな宿を数店経営できるけど、二人でいれる時間が少なくなる。小さな宿を経営して生きていこうと思うんだけど、どうかな?」
「俺は、京楽がそれでいいなら何も文句は言わない」
「うん。じゃあ、荷物まとめて宿になる予定の建物は買って手入れしてあるから、そこに行こうか」
「ああ。花魁としての終わりが、身請けなのは最高の終わり方だ」
こうして、浮竹は京楽に身請けされた。
京楽は裏社会で顔が広まっていたが、足を洗ったことでもう裏社会とは関係なくなっていた。
「んっ」
「相変わらず、胸弱いね?」
「やああ、そこばっかり、やぁ」
京楽と浮竹は小さな宿を経営していた。その一室で、浮竹は京楽に押し倒されて乱れていた。
「んあっ」
胸先端ばかりを、さっきからひっかいたり口にふくんだりと、肝心のところに触れてくれないので、浮竹は自分で自分のものを握って自虐しだす。
「ふあああん、きもちいい」
「ああもう、しばらくみない間にいやらしい子になっちゃって」
「だって、京楽がぁ、触って、くれないからぁ」
京楽は、浮竹の手をどかせると、浮竹のものを手でしごきながら舐めあげた。
「んあああ、いくうう」
どぴゅっと音をたてて、浮竹は精液を出していた。
浮竹の後ろは、京楽が全然いじってくれないので、自分で触っていたので柔らかかった。
潤滑油を塗りたくり、反り返った熱く昂るものを浮竹に見せる。
「今から、これできもちよくさせてあげるからね?」
「うん」
「さぁ、いくよ」
「ひあん!」
いきなり貫かれて、浮竹は射精していた。同時にオーガズムでもいっていた。
「んあああ、熱い」
「君の中も熱くてとろけそう」
「ひあ、ううん」
くちゅっと音をたてて、浅い部分ばかりで動いていると、浮竹が身をくねらせる。
「もっと、もっと奥にきてええ」
「ふふ、十四郎。大好きだよ」
下の名前を呼ばれたことで、浮竹は自然と締め付けてしまった。
「ああ、もうもたない。一度出すよ」
「んあああ、浅いところで春水のザーメンでたあああ」
「もっと深くがいいんだよね?」
「うん」
京楽は、浮竹の奥を突きあげる。
「ひああん」
浮竹は喜んで、自分から足を開く。
「はぁ、京楽ので、中いっぱい」
「ふふ、もっとあげるよ?」
京楽は、浮竹の片足を肩に担いで、深く挿入した。
「あ、いい。もっとおお」
浮竹の求めに応じて、京楽は奥を何度も突き上げる。
「ひああああん!!!」
前立腺まですりあげられて、浮竹はドライのオーガズムでいく。
京楽も、浮竹の胎の奥に子種を弾けさせる。
「んあ、いくのとまらないいい」
浮竹は、しまいには潮をふいていた。
「んあああ」
「きもちよかった?」
「ん、凄かった」
「まだできるんだけど、する?」
「んあ、無理。一度休憩する」
浮竹と京楽は、シャワーを浴びて昼飯を食べて仮眠して、また睦みあう。
「ああ、いいよお」
「ふふ、今日はあと2回までかな」
「あ、2回とも俺の奥でザーメンたっぷり出して?」
「エロいねぇ、十四郎は」
「春水のせいだからぁ」
京楽は、浮竹の中を犯して、子種をぶちまける。
それに満足そうに、潮をふきながら射精もして、浮竹はいきまくり、びくんびくんと体を痙攣させる。
「んああ、いきすぎて、変になるうう」
「ふふ、かわいい」
京楽は、浮竹にディープキスをしながら、腰をうちつける。
ぱんぱんと肉と肉がぶつかりあう音がした。
くちゅっと、音をたてて一護引き抜いて、最奥まで一気に貫く。
「あーーーー!!!!」
浮竹は、びくんと体を反応させて、オーガズムでいきまくる。
「最後のザーメンだから、下の口で味わってね?」
「ひあん、きたあああ。熱いの、びゅっびゅきてるうう」
京楽は、最後の一滴まで浮竹の中に出して満足した。
二人はまたシャワーを浴びる。
客がこない時はこっそり睦みあい、たまに客がきた時だけ対応して、畑なども作って二人は自給自足に近い生活をする。
たまに星金貨を使って、贅沢な旅行にいったりした。
京楽が浮竹と出会って18年。
気づけば、21歳になっていた。
まだまだ若い。
二人は、仲睦まじく共に生きていくのだった。
琥珀
そんな琥珀と、一護は中身が入れ替わってしまった。
「にゃーにゃーにゃー(ルキア、助けてくれ、琥珀と中身が入れかわっちまった)」
ルキアは、琥珀を撫でて、チュールをさしだす。
一護はお腹がすいていたので、チュールを食べてそのおいしさに感動しつつ、なぜこうなったのかを思い出して、琥珀と一護の飲み物に何か混ぜていた白哉を思い出して歯ぎしりする。
白哉めえええ。技術開発局の、涅マユリあたりから何か変な薬をもらってきたに違いない。
琥珀の中身の一護の体は、寝ていた。
とにかく寝ていた。それが逆に安心できた。
目覚めると猫のような行動をとるに違いない。それが怖いので、寝ている限りは安全だった。
「にゃああああ(るきああああああ)」
「なんだ、琥珀。今日は世話しないな?すまぬが、今日は休みだが恋次と約束がある。一護は疲れておるのだろう、まだ寝ていた。起きた一度に相手をしてもらえ」
「琥珀‥‥‥」
白哉が、一護の中身の琥珀を抱き上げる。
「ぎにゃああああああああ」
「ふっ、成功か。しばし、兄は猫の生活を堪能すればよいのだ」
「にゃにゃにゃ!!!(ちくしょう、白哉、この野郎!)」
ひっかこうとするが、うまくかわされる。
一護は、仕方なく琥珀の体でルキアについていった。
「よお、ルキア。一護は今日は一緒じゃねーのか?」
「一護は、まだ眠っている。ここ数日、激務が続いていたからな。好きなだけ寝れるようにそのままにしておいた」
「なー(恋次、俺だ、一護だ)」
「お、確か名前は琥珀だっけ。一護の代わりに、こいつがきちまったのか」
「何故か、離れぬのだ。仕方ないので連れてきた」
ルキアは琥珀の体の一護を抱き上げる。
喉をくすぐられると、ゴロゴロと喉を鳴らしてしまう。
やべぇ、きもちいい。
「じゃあ、昼間っからだけど飲みにいくか。焼き鳥の店でよかったんだよな?」
「うむ。焼き鳥の店なら、琥珀も食べるものがあるだろうしな」
ルキアは、一護を抱きしめながら、他愛もない話をして恋次と歩きだす。
「ところで、ルキア、お前一護とは夜はどうなんだよ」
「な、何を言っているのだ貴様は!」
「いや、子供まだできてねぇだろ?そんなにしてねぇのか、避妊してるのかと思ってだな」
「避妊はしておらぬ。週に2日ほど行為には及んでいるが、子がまだできぬのだ」
ルキアは、残念そうな声を出す。
「まぁ、子を授かるのはこれは運任せの天の恵みだからな。まぁ、一護とちゃんとできてるようで安心したぜ。もう結婚してちょっと経つしな」
一護とルキアの間には、確かにまだ子がいなかった。
ルキアは、恋次の背中をばしっと叩く。
「そういう貴様こそ、誰か他にすきな相手はいないのか?」
「ルキアに振られちまったからなぁ。他に好きな相手かぁ。乱菊さんとたまにいい雰囲気になることあるけど、あの人気紛れだからなぁ」
「ふむ」
ルキアと恋次は焼き鳥屋にきて、空いている席に座った。
「一護とは、うまくいっているのだが、兄様とあまり仲がよくないようでな」
「隊長と?隊長、まぁルキア命ってかんじだもんな。ルキアをとられたと思ってるんじゃねーか?」
「にゃーん(その通りだぜ)」
「兄様に愛されているなぁ私は」
嬉しそうにするルキアに、一護は猫パンチをする。
「どうした、琥珀。腹がすいたのか。今、焼き鳥を頼んでやるからな」
「にゃああ(そんなんじゃねええええ)」
ルキアと恋次は酒といろんな種類の焼き鳥を注文した。
小皿に焼き鳥を入れてもらい、一護はふんふんと匂いをかいで、食べる。
「にゃ(うめぇ)」
「一護の奴も来ればよかったのにな?」
「まぁ、奴は最近寝不足と言っていたからな。休みの今日くらいはゆっくりさせてやるさ」
「にゃああああ(ありがたい気遣いだが、お陰で白哉に変な薬のまされた)」
「琥珀?貴様から、何故か一護の霊圧を感じるのだが」
ルキアは不思議そうな顔をする。
「そういうや、確かに一護の霊圧に似てるな。でも猫だしな」
恋次は笑い声をあげる。
一護は、にゃあにゃあいってから、すたっと机の上に座り、前足で文字をかきだした。
「おれはいちごだ‥‥‥‥?はぁ!?」
ルキアが素っ頓狂な声をあげる。
「き、貴様一護なのか?」
一護は、琥珀の体でこくんと頷いてにゃあと言った。
「兄様が、涅隊長から何やら怪しい薬を購入されていたのだが‥‥まさか、一護と琥珀の中身が入れかわったのか?」
「にゃあ!(そうだ)」
事態を把握して、飲んでいたルキアも恋次も、これはやばいと、勘定を払って急いで朽木邸に行く。
そこでは、猫用のペットシーツで用を足す、一護の姿をした琥珀がいた。衣服が嫌なのか、フルチンだった。
「にゃああああ」
一護の声でにゃあと鳴く。
白哉が、声もなく笑っていた。
「にゃあ?」
ふんふんと匂いを嗅いで、こっちにこようとする琥珀を、ルキアが殴る。
「貴様、兄様の前でなんという!いや、今は中身は琥珀だったか。とりあえず、服を着させよう、恋次、手伝ってくれ」
うわああああ。俺、フルチンでペットシーツでおしっこしてた。
うわああああ。もうお婿にいけない。いや、結婚してるけど。
もぎゃあああああ。
俺の人生やべえええええええ。
ルキアと恋次がは琥珀になんとか衣服を着させる。
「兄様、元に戻してやってはくれませんか」
「仕方ない。そなたの頼みは断れぬ」
恋次は、懐から怪しい色の薬を取り出すと、水に混ぜて琥珀に飲ませた。一護も、同じものを飲んだ。
「うるああああああああああ、白哉ああああああああああああああ」
「一護、落ち着け」
「落ち着いていられるか!フルチンでペットシーツで用たしちまったんだぞ!他の使用人にも見られてた!恋次にも見られた!うぎゃあああ、恥ずかしくて穴があったら入りたいいいい」
「兄のものは、粗末だな」
「なんだとう、白哉!そういうお前は立派だとても言いたいのか!」
「知らぬ。そのような下賤な会話はせぬ」
「下賤な真似をするようにさせたのはお前だろうがああああああ!その綺麗な顔、ぼっこぼこにするぞ」
「できるものならしてみせよ」
「むきいいいいい」
「にゃあ?」
元に戻った琥珀が、不思議そうに一護と白哉を見ていた。
白哉をその気になったらボコボコにできるだろうが、その時はルキアとも別れる時だ。
一護はひたすら我慢した。
「ふん、覚えてろ」
一護は、白哉の大事にしていた書物に、犬ののぐそを挟んでやった。
寝所の布団にも、犬ののぐそをつけてやった。
風呂にも、犬ののぐそを入れておいた。
数匹の野良犬からのぐそを回収する一護は、はたから見ると変人である。
白哉はめっちゃ怒って、一護を千本桜で切り刻むが、一護も斬月でやり返す。
「このおおお、白哉ああああ」
「兄が、義弟だなど、認めたくない」
「お前が籍を勝手に入れたんだろうがあああ」
「私の人生の最大の間違いで、汚点であった」
「このやろおおおおお」
一護と白哉のケンカは、夜まで続くのであった。