実は虫に弱い
朝起きると、フルチンで体操をしている京楽がいた。
最近はパンツをはいていたので、久しぶりにいやなものを見て浮竹は見なかったことにして二度寝しようとした。
「ああ、浮竹ぇ!ボクとマッパで体操して、そのままベッドでも‥‥‥おぶ」
浮竹は、京楽の顔に枕を投げた。
「ああん、愛を感じるよ!」
もそもそと、浮竹のベッドに入ってきたので、浮竹は京楽の股間を思い切り蹴った。
「んがああああああ」
「せめてパンツをはけ!」
「パンツ、全部洗濯しちゃったんだよね」
「じゃあ服だけでも着ろ!」
「パンツないと服きたくないんだよね」
浮竹は大きなため息をついて、まだ使っていない新しいパンツを出すと、京楽の顔に拳と共にめりこませた。
「(*´Д`)ハァハァ。浮竹のパンツ」
「言っとくが、新品だぞ」
「ボク、中古がいいなぁ。浮竹が今はいてるパンツでいいよ?」
「誰がそんな変態行為をするかああああ!」
京楽の頭をグーで殴り、なんとかパンツをはかせた。
京楽は、浮竹のコレクションのパンツを取り出して、スーハースーハーを匂いをかいでから頭にかぶった。
「ああ‥‥やっぱ、こいつもうだめだ」
「今日は休みだね!一緒に朝からにゃんにゃんしよう」
「一人でしとけ。俺は、病のせいでしばらく休んでいたから、補習がある」
「浮竹が出るならボクも行く」
「お前が受けても意味がないだろう」
「いや、浮竹がいないからさぼってたらボクも補習受けろって」
「何をしているんだお前は!」
浮竹が呆れた声を出す。
「だって浮竹がいないんだよ?授業に出てもつまらないじゃない」
「だからって、さぼるな。ちゃんと授業に出ろ」
「浮竹が一緒ならね」
「はぁ‥‥‥‥」
浮竹派大きなため息をついて、京楽に院生服を着させる。頭にかぶっていた浮竹のパンツは没収してゴミ箱いきにした。
「ああ、ボクの神器が!」
「なんで俺のパンツが神器なんだ。ほら、遅れるなよ。一緒に登校するぞ」
「うん♡」
京楽は、浮竹の手を繋いだ。
浮竹は何も言わず、京楽と手を繋いだまま登校する。
「(*´Д`)ハァハァ‥‥‥浮竹とずっと手をはなしたくない」
「いい加減はなせ。お前の手が汗ばんでていやだ」
「京楽汁だよ!さぁ、なめていいよ?」
「なめるかあああ!」
鞄で京楽の頭を殴って手をはなして、浮竹は目を回して倒れた京楽の首根っこを引きずって、教室に向かう。
「ああん、浮竹激しい。夜は寝かせないよ」
「起きてるなら自分で歩け!」
「いやん」
「はぁ‥‥‥」
まだ、残暑も厳しい。
夏は暦の上では終わりだが、30度をこえる日が続いていた。
「暑いな」
「ボクのハートも熱いよ!」
「ああそうか、よかったな。あ、蝉が飛んできた」
ジジジジと鳴く蝉が、開け放った窓から入ってきて、浮竹の肩にとまった。
「ぎやああああああああああああああああああああ」
京楽が、青い顔をして後ずさる。
「ひいいいい、くるなあああ」
「京楽‥‥‥‥お前、虫だめなのか?」
「う、浮竹、はやく窓の外に捨てて!」
「へぇ。虫だめなのか。くくくく‥‥‥」
浮竹は悪役の顔になって、蝉を手に取ると京楽の顔面前までもってくる。
「もぎゃあああああああああ」
結果、京楽は失神した。
「ふむ。京楽が虫が弱いとは‥‥使えるな、これは」
京楽が気づいた時には蝉はもういなくて、補習がはじまっていた。
浮竹と京楽の他にも、授業をばっくれていた生徒も数人混じっていた。
補習が終わって、帰り道になり京楽がべたべたひっつこうとしてくると、浮竹は。
「夏も終わりだが、鈴虫でも飼おうか。いい音色で鳴いてくれる」
「ぎゅああああああ!だめ、絶対だめ!!!」
鈴虫を想像するだけで、京楽はもだえるのであった。
最近はパンツをはいていたので、久しぶりにいやなものを見て浮竹は見なかったことにして二度寝しようとした。
「ああ、浮竹ぇ!ボクとマッパで体操して、そのままベッドでも‥‥‥おぶ」
浮竹は、京楽の顔に枕を投げた。
「ああん、愛を感じるよ!」
もそもそと、浮竹のベッドに入ってきたので、浮竹は京楽の股間を思い切り蹴った。
「んがああああああ」
「せめてパンツをはけ!」
「パンツ、全部洗濯しちゃったんだよね」
「じゃあ服だけでも着ろ!」
「パンツないと服きたくないんだよね」
浮竹は大きなため息をついて、まだ使っていない新しいパンツを出すと、京楽の顔に拳と共にめりこませた。
「(*´Д`)ハァハァ。浮竹のパンツ」
「言っとくが、新品だぞ」
「ボク、中古がいいなぁ。浮竹が今はいてるパンツでいいよ?」
「誰がそんな変態行為をするかああああ!」
京楽の頭をグーで殴り、なんとかパンツをはかせた。
京楽は、浮竹のコレクションのパンツを取り出して、スーハースーハーを匂いをかいでから頭にかぶった。
「ああ‥‥やっぱ、こいつもうだめだ」
「今日は休みだね!一緒に朝からにゃんにゃんしよう」
「一人でしとけ。俺は、病のせいでしばらく休んでいたから、補習がある」
「浮竹が出るならボクも行く」
「お前が受けても意味がないだろう」
「いや、浮竹がいないからさぼってたらボクも補習受けろって」
「何をしているんだお前は!」
浮竹が呆れた声を出す。
「だって浮竹がいないんだよ?授業に出てもつまらないじゃない」
「だからって、さぼるな。ちゃんと授業に出ろ」
「浮竹が一緒ならね」
「はぁ‥‥‥‥」
浮竹派大きなため息をついて、京楽に院生服を着させる。頭にかぶっていた浮竹のパンツは没収してゴミ箱いきにした。
「ああ、ボクの神器が!」
「なんで俺のパンツが神器なんだ。ほら、遅れるなよ。一緒に登校するぞ」
「うん♡」
京楽は、浮竹の手を繋いだ。
浮竹は何も言わず、京楽と手を繋いだまま登校する。
「(*´Д`)ハァハァ‥‥‥浮竹とずっと手をはなしたくない」
「いい加減はなせ。お前の手が汗ばんでていやだ」
「京楽汁だよ!さぁ、なめていいよ?」
「なめるかあああ!」
鞄で京楽の頭を殴って手をはなして、浮竹は目を回して倒れた京楽の首根っこを引きずって、教室に向かう。
「ああん、浮竹激しい。夜は寝かせないよ」
「起きてるなら自分で歩け!」
「いやん」
「はぁ‥‥‥」
まだ、残暑も厳しい。
夏は暦の上では終わりだが、30度をこえる日が続いていた。
「暑いな」
「ボクのハートも熱いよ!」
「ああそうか、よかったな。あ、蝉が飛んできた」
ジジジジと鳴く蝉が、開け放った窓から入ってきて、浮竹の肩にとまった。
「ぎやああああああああああああああああああああ」
京楽が、青い顔をして後ずさる。
「ひいいいい、くるなあああ」
「京楽‥‥‥‥お前、虫だめなのか?」
「う、浮竹、はやく窓の外に捨てて!」
「へぇ。虫だめなのか。くくくく‥‥‥」
浮竹は悪役の顔になって、蝉を手に取ると京楽の顔面前までもってくる。
「もぎゃあああああああああ」
結果、京楽は失神した。
「ふむ。京楽が虫が弱いとは‥‥使えるな、これは」
京楽が気づいた時には蝉はもういなくて、補習がはじまっていた。
浮竹と京楽の他にも、授業をばっくれていた生徒も数人混じっていた。
補習が終わって、帰り道になり京楽がべたべたひっつこうとしてくると、浮竹は。
「夏も終わりだが、鈴虫でも飼おうか。いい音色で鳴いてくれる」
「ぎゅああああああ!だめ、絶対だめ!!!」
鈴虫を想像するだけで、京楽はもだえるのであった。
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あるモンスターテイマー
一護はモンスターテイマーだった。
ある日、強いモンスターのテイムを求めて魔物の森という場所に入ったのだが、迷子になった。
「まいったな。どっちからきたんだっけ」
そんな一護を守るのは、小さなフェンリルの子供だった。まだ小さいが、フェンリルとしては覚醒していて、氷のブレスは吐けるし、中級魔法までなら使えた。
「おい、そこの貴様」
「ん、空耳か?」
「そこの貴様だ!」
一護が声のする方を見ると、小さないのししの子供がいた。
「なんだ、罠にはまったのか」
小さないのししの足には、罠の歯がくいこんでいた。
「私は高貴なる存在だぞ。さぁ、遠慮なく私をこの罠から解放するがよい」
「生意気ないのししだな。まぁ、ガキだし食べられても食いでなさそうだしな。助けてやるか」
一護は、いのししの子供を助けた。
「よく助けてくれた。私はこの森の女王の朽木ルキアという。礼に、お前にテイムされてやろう」
「は?いのししの子供だろ。どう見ても弱そうだし虚言癖ありそうだから却下」
「はぁ!?この高貴なる私の言葉を疑うのか!」
「どこが高貴なんだよ!ただの汚いいのししの子供だろ!言葉はしゃべれるから、モンスターみたいだけど」
「汚いとはなんだ!」
「まぁいいか。テイムしてやるよ」
「テイムされてやろう。喜べ」
「ルキアつったっけ。メスか?」
ルキアは、人型になった。
十代半ばくらいの少女の姿になっていた。わりと気品がありそうな顔立ちに、衣服も高価そうなものを着ていた。
「人化できるのか」
「森の女王である私がお前にテイムされてやったのだ。喜べ。今日から貴様は私の下僕だ」
「いや、普通反対じゃないか?」
「うるさい!森の女王の力を見よ!」
ルキアは呪文を唱えると、緑を出した。
ちょっとだけ、雑草が生えた。
「つかえねぇ」
「しゅ、修行中なのだ!」
「ざこモンスターだな。一応テイムしちまったから、衣食住の面倒は見てやらないといけないか」
「だ、誰がざこモンスターだ!私は森の女王だぞ!」
「はいはい。じゃあその衣服だと目立つからこの服着ろ」
一護は、ルキアに自分のかえの衣服を渡す。ルキアの着ている衣服は高価そうで、目立った。
「名前、一応教えとく。俺は黒崎一護。Aランクのモンスターテイマーだ」
「私は朽木ルキア。森の女王だ。き、着替えるからあっちむいてろ」
「いや、まぁ少々かわいいけど、そんな貧相な体見ても俺は嬉しくないし」
「貧相とはなんだ!これから育つのだ!」
一護は、後ろを向いた。その間にルキアは一護の服に着替える。
だぼだぼだった。
それを、一護はかわいいと思ってしまった。
「お前‥‥‥まぁまぁかわいいな」
「美しいと言え!」
「はいはい。んで、雑草を生やす以外に何ができるんだ?」
「ふ。緑を支配できる‥‥‥‥といいなぁ。兄様が権限をもっていらっしゃるから、今は雑草を生やすので精一杯だ」
一護は深くため息をついた。
「つかえねぇ」
「う、うるさい!あと、癒しの魔法が使える。ほら、自分の足の怪我も自分で治したのだ」
「お、まじか!ヒール系ができるモンスターほしかったんだ」
「ふふふふ。役に立ちそうであろう?」
「まぁ、言葉使いが気になるけど、まぁいいか。ルキア、今日からよろしくな」
「うむ。もっと感謝しろ」
こうして、モンスターテイマーの一護はルキアという自称森の女王のモンスターをテイムするのであった。
「よく食うな」
「う、うるさい。ここ数日あの罠でほとんど何も食せていなかったのだ」
一護は、ルキアに食事を提供した。
ここは、魔物の森から一番近い町だった。
宿屋で飯を頼み、ルキアと一護は人間の食事、いつも連れ歩いているフェンリルの子供には肉を食べさせていた。
「女将、おかわり」
「おいおい、まだ食うのかよ。簡便してくれよ」
「まだまだ食えるぞ」
「1回の食事は銀貨1枚まで。今日は特別だぞ。もう銀貨3枚分食ってる」
「なんだ、貴様は貧乏なのか?」
「いや、フェンリルにも装備買ってやりたいし、今のとこクエストはこなしてるけど貯金中だからな。強いモンスターはオークションで売ってるときもあるから」
「ふむ。まぁ、私の衣服を売る許可をやろう。あの服は金貨20枚になる」
「まじかよ!早速売ってくる」
「あ、一護!」
ルキアが止める暇もなく、一護はルキアが着ていた服を手に道具屋までいって売っぱらい、金貨20枚もらってきた。
「いや、助かる。もっと食っていいぞ」
「むう。本当に売ってしまうとは。兄様からもらった服なのに」
「お前の兄ってことは、森の王の朽木白哉か?」
「ああ、そうだ。何故、兄様の名を?」
「お前、まじで森の王の朽木白哉の妹なんだな。白哉は森の王として有名だ。テイムできるような存在じゃない。高次元生命だ。森の王といったら朽木白哉だ。精霊王の一種だろ」
「そうだ。兄様は偉大な存在なのだ」
「その妹がこれか。緑の雑草生やすだけが精一杯なのに、自称森の女王」
ルキアは、顔を真っ赤にして怒る。
「わ、私はまだ修行中なのだ!それに森の管理は兄様がしている」
「ふーん。あ、宿は一緒の部屋だからな」
「き、貴様、最初から私の体が目当てで!」
「はいはい。もっと成長して大人になってから言ってくれ」
「一護、貴様!」
「まぁ、それなりにかわいいけどな」
くしゃりと頭を撫でられて、ルキアは顔を赤くする。結局、宿はルキアと一護は一緒の部屋でベッドも2つあった。ソファーにはフェンリルの子供が寝ることになった。
「兄様。私は、しばしの間この一護という男と旅をしてみようと思います」
ルキアは、真夜中に窓辺のプランターの緑にそう話しかけると、眠った。
黒崎一護というモンスターテイマーと、朽木ルキアという森の女王との旅は、ここから始まるのであった。
ある日、強いモンスターのテイムを求めて魔物の森という場所に入ったのだが、迷子になった。
「まいったな。どっちからきたんだっけ」
そんな一護を守るのは、小さなフェンリルの子供だった。まだ小さいが、フェンリルとしては覚醒していて、氷のブレスは吐けるし、中級魔法までなら使えた。
「おい、そこの貴様」
「ん、空耳か?」
「そこの貴様だ!」
一護が声のする方を見ると、小さないのししの子供がいた。
「なんだ、罠にはまったのか」
小さないのししの足には、罠の歯がくいこんでいた。
「私は高貴なる存在だぞ。さぁ、遠慮なく私をこの罠から解放するがよい」
「生意気ないのししだな。まぁ、ガキだし食べられても食いでなさそうだしな。助けてやるか」
一護は、いのししの子供を助けた。
「よく助けてくれた。私はこの森の女王の朽木ルキアという。礼に、お前にテイムされてやろう」
「は?いのししの子供だろ。どう見ても弱そうだし虚言癖ありそうだから却下」
「はぁ!?この高貴なる私の言葉を疑うのか!」
「どこが高貴なんだよ!ただの汚いいのししの子供だろ!言葉はしゃべれるから、モンスターみたいだけど」
「汚いとはなんだ!」
「まぁいいか。テイムしてやるよ」
「テイムされてやろう。喜べ」
「ルキアつったっけ。メスか?」
ルキアは、人型になった。
十代半ばくらいの少女の姿になっていた。わりと気品がありそうな顔立ちに、衣服も高価そうなものを着ていた。
「人化できるのか」
「森の女王である私がお前にテイムされてやったのだ。喜べ。今日から貴様は私の下僕だ」
「いや、普通反対じゃないか?」
「うるさい!森の女王の力を見よ!」
ルキアは呪文を唱えると、緑を出した。
ちょっとだけ、雑草が生えた。
「つかえねぇ」
「しゅ、修行中なのだ!」
「ざこモンスターだな。一応テイムしちまったから、衣食住の面倒は見てやらないといけないか」
「だ、誰がざこモンスターだ!私は森の女王だぞ!」
「はいはい。じゃあその衣服だと目立つからこの服着ろ」
一護は、ルキアに自分のかえの衣服を渡す。ルキアの着ている衣服は高価そうで、目立った。
「名前、一応教えとく。俺は黒崎一護。Aランクのモンスターテイマーだ」
「私は朽木ルキア。森の女王だ。き、着替えるからあっちむいてろ」
「いや、まぁ少々かわいいけど、そんな貧相な体見ても俺は嬉しくないし」
「貧相とはなんだ!これから育つのだ!」
一護は、後ろを向いた。その間にルキアは一護の服に着替える。
だぼだぼだった。
それを、一護はかわいいと思ってしまった。
「お前‥‥‥まぁまぁかわいいな」
「美しいと言え!」
「はいはい。んで、雑草を生やす以外に何ができるんだ?」
「ふ。緑を支配できる‥‥‥‥といいなぁ。兄様が権限をもっていらっしゃるから、今は雑草を生やすので精一杯だ」
一護は深くため息をついた。
「つかえねぇ」
「う、うるさい!あと、癒しの魔法が使える。ほら、自分の足の怪我も自分で治したのだ」
「お、まじか!ヒール系ができるモンスターほしかったんだ」
「ふふふふ。役に立ちそうであろう?」
「まぁ、言葉使いが気になるけど、まぁいいか。ルキア、今日からよろしくな」
「うむ。もっと感謝しろ」
こうして、モンスターテイマーの一護はルキアという自称森の女王のモンスターをテイムするのであった。
「よく食うな」
「う、うるさい。ここ数日あの罠でほとんど何も食せていなかったのだ」
一護は、ルキアに食事を提供した。
ここは、魔物の森から一番近い町だった。
宿屋で飯を頼み、ルキアと一護は人間の食事、いつも連れ歩いているフェンリルの子供には肉を食べさせていた。
「女将、おかわり」
「おいおい、まだ食うのかよ。簡便してくれよ」
「まだまだ食えるぞ」
「1回の食事は銀貨1枚まで。今日は特別だぞ。もう銀貨3枚分食ってる」
「なんだ、貴様は貧乏なのか?」
「いや、フェンリルにも装備買ってやりたいし、今のとこクエストはこなしてるけど貯金中だからな。強いモンスターはオークションで売ってるときもあるから」
「ふむ。まぁ、私の衣服を売る許可をやろう。あの服は金貨20枚になる」
「まじかよ!早速売ってくる」
「あ、一護!」
ルキアが止める暇もなく、一護はルキアが着ていた服を手に道具屋までいって売っぱらい、金貨20枚もらってきた。
「いや、助かる。もっと食っていいぞ」
「むう。本当に売ってしまうとは。兄様からもらった服なのに」
「お前の兄ってことは、森の王の朽木白哉か?」
「ああ、そうだ。何故、兄様の名を?」
「お前、まじで森の王の朽木白哉の妹なんだな。白哉は森の王として有名だ。テイムできるような存在じゃない。高次元生命だ。森の王といったら朽木白哉だ。精霊王の一種だろ」
「そうだ。兄様は偉大な存在なのだ」
「その妹がこれか。緑の雑草生やすだけが精一杯なのに、自称森の女王」
ルキアは、顔を真っ赤にして怒る。
「わ、私はまだ修行中なのだ!それに森の管理は兄様がしている」
「ふーん。あ、宿は一緒の部屋だからな」
「き、貴様、最初から私の体が目当てで!」
「はいはい。もっと成長して大人になってから言ってくれ」
「一護、貴様!」
「まぁ、それなりにかわいいけどな」
くしゃりと頭を撫でられて、ルキアは顔を赤くする。結局、宿はルキアと一護は一緒の部屋でベッドも2つあった。ソファーにはフェンリルの子供が寝ることになった。
「兄様。私は、しばしの間この一護という男と旅をしてみようと思います」
ルキアは、真夜中に窓辺のプランターの緑にそう話しかけると、眠った。
黒崎一護というモンスターテイマーと、朽木ルキアという森の女王との旅は、ここから始まるのであった。
ある花屋と組長
京楽は、やくざの組長だった。
最近勢力をましてきた違う組の者に命を狙われて、腕を拳銃で撃たれて、その傷を庇いながら裏道を歩くが、途中で力尽きた。
それを拾ったのが、浮竹という名の青年だった。
浮竹は花屋の店員で、帰り道に京楽を見つけて、銃で撃たれているのを見つけて、救急車や警察は呼ばず、自分で傷の手当てをして京楽を自分のマンションのベッドに寝かせていた。
浮竹は裏家業でもぐりの医者をしているので、京楽の怪我を手当することは簡単だった。弾は貫通していて、出血を止血して針と糸で傷口を塗って、ガーゼをあてて包帯を巻いた。
「ここは‥‥‥地獄にしては温かい部屋だねぇ。花が綺麗だ。ここは天国かい?」
「あ、気づいたか?」
浮竹は、京楽の顔を知っていた。
京楽も浮竹の顔を知っていた。
京楽がヤクザの組長であることは知らなかったが、何度か京楽は浮竹が開いている花屋に花を買いにきたことがあった。
「君が、手当してくれたのかい。君、確かあの小さな花屋の店員の‥‥」
「浮竹だ。浮竹十四郎。お前は、腕を撃たれて裏路地で気絶していたんだ。警察や救急車を呼んだらだめだろうから、俺が手当した。痛くないか?一応痛み止めを打とうか?」
「君、ボクの命の恩人だね。ボクは京楽春水。京楽組の組長をしている」
「やっぱり、やくざか」
浮竹は、白いカップにコーヒーを入れてもってきた。
「怖くないの?」
「別に。ここらをしきっているやくざの組長はお人よしで有名だ。どうせなにかのいざこざに巻き込まれてけがをしたんだろう?」
「そうだけど‥‥普通、やくざの組長って聞いたら、怖がって部屋からたたき出すのに」
「ああ‥‥‥‥その心配はない。花屋をしているが、裏家業で闇世界相手の医者をしている。たまに、拳銃で撃たれた者が運び込まれてくる」
「へぇ、じゃあボクの組の者がお世話になってる花屋の医者って君だったんだね」
京楽はベッドから半身を起き上がらせて、浮竹からコーヒーを受け取った。
「本業は花屋だ。医者はまぁ、道楽でやってる」
「それはまぁ‥‥‥‥なんというか、ありがとう」
「変な奴」
「それは君のほうでしょ。やくざの組長を相手に怖がらないなんて」
浮竹は、苦笑する。
「命の恩人をあだなすような男じゃないだろう?」
「うん、まぁそうなんだけど」
京楽は、財布ももっていないことに気づいた。
「治療費っている?」
「いや、俺が勝手に助けただけだからいらない」
「ねぇ、ボクをしばらくかくまってくれない?命を狙われているんだよ」
「こんな狭いマンションでよければいいが。だが、俺にも仕事がある。朝~昼は花屋で、3時から8時まで闇医者だ」
「うん。お礼に、花屋の仕事手伝うよ」
「ケガが治ったらな」
それから、2週間ばかり、京楽は浮竹のマンションで過ごして、怪我の具合が大分よくなってから、本当に浮竹の働く花屋で臨時のバイトとして花屋の仕事をしていた。
「この薔薇はどうすればいいの」
「こっちの花と一緒に花束にしてくれ」
花に囲まれる浮竹は、美しかった。
「ねぇ」
闇医者の時間も終わって、マンションに戻った二人は、食事をとりながら会話をしていた。
「君、ボクの愛人にならない?」
「は?」
浮竹は、マヌケな顔をして口をぽかんとあけていた。
「君を気に入ったんだよ。ボクは欲しいものはたいていなんでも手に入れてきた。君が欲しい」
「な、俺は男だぞ!?」
「関係ないね」
京楽は、食事をし終えてから浮竹を押し倒していた。
浮竹が嫌がらないのをいいことに、最後までやってしまった。
「お前、本気か?」
「君、嫌がらなかったじゃない。けっこうよさそうに、うぐ」
頭をグーで殴られた。
浮竹は顔を赤くして、京楽を睨む。
「せ、責任はとれよ!」
「うん。愛人になるけど。ああ、ちなみにボクは今のとこ他に愛人はいないから」
「京楽‥‥‥‥」
「春水って呼んで?ボクも十四郎って呼ぶから」
「春水」
「うん。十四郎、いいかい?ボクは組に復帰するけど、君は今まで通りの仕事を続けていればいいから。ボクがこのマンションに通うから」
京楽は、その日から本当に浮竹のマンションに出入りするようになった。
組には復帰して、ヤクザとして闇世界で蠢く。
だが、非道なことはなるべくせず、銃をもっている以外は法に触れることはあまりなかった。
「十四郎」
「ああ、春水か。今、仕事が終わる。一緒に帰ろう」
京楽の家は、浮竹のマンションになっていた。
浮竹を愛人としたが、囲うことはせず、自由にさせていた。
それがいけなかった。
抗争中の他の組の者に、浮竹は攫われた。
「十四郎!」
「春水‥‥‥」
長い白い髪を切られ、殴られたのか口を切って血を流している浮竹を見て、京楽は手下の者たちと一緒に暴れて浮竹を救い出す。
「ごめんね、十四郎。もう、こんなことが起きないようにするから」
「別れるって選択肢はないんだな」
「十四郎と別れるなんて無理。十四郎だって、ボクがいなくちゃ体が疼くでしょ?」
「春水!」
真っ赤になって、それでも京楽から手当てを受けた。
「あとは自分でできる。そこまで酷く殴られたわけじゃないから」
「うん。ああ、でも君の綺麗な髪が‥‥切り揃えないとね?」
京楽は、浮竹が自分の手当てを終わらすと、はさみをもってきた。
「ボク、昔は美容師めざしていたんだよ。腕はなまってないと思うから、ボクに揃えさせて?」
浮竹は、京楽に髪を切られていく。
肩より少し長いところで綺麗にそろえられた。
浮竹は、攫われた時少し怖い思いをしたが、闇医者をしていたので闇世界に参ることはなかった。
「今日、抗争相手と決着つけてきたから。ボクの組に吸収合併って形になった」
「そうか」
花屋で、京楽は浮竹が働いているのもかまわずに抱きしめるものだから、浮竹に殴られていた。
「ふふ、ボクを殴れるのはキミくらいだよ」
「もっと殴られたいか?」
「遠慮しとく。医者の仕事終わったら、迎えにいくから」
「分かった」
浮竹は花屋の仕事をしながら、京楽の言葉を聞く。
「あ、待って。この薔薇買うよ」
「誰かに贈るのか?」
「うん。君へ。メッセージカードもつける。愛してるって書いてね」
「は、恥ずかしいやつ!」
高い人工的に作られた青い薔薇を花束にして、京楽は愛しているというメッセージカードをつけて、浮竹に贈った。
「はぁ‥‥‥‥」
受け取った浮竹は、赤い顔をして花束を持つ。
「とっても似合ってるよ。今すぐ抱きたい」
「盛るな!」
浮竹は、京楽の頭をぐーで殴る。
「あはははは」
「笑いごとじゃない‥‥‥なんで、俺、お前の愛人なんてしてるんだろう」
「好きだからでしょ?」
「まぁ‥‥‥‥好きだが‥‥はぁ。今日は疲れた。闇医者稼業は休みにする」
「じゃあ、時間あくね。いい店知ってるんだ。夕飯食べにいかない?」
「ああ、もうお前の好きにしてくれ」
浮竹は長いため息をついて、青い薔薇の花束を大切そうに持つのだった。
最近勢力をましてきた違う組の者に命を狙われて、腕を拳銃で撃たれて、その傷を庇いながら裏道を歩くが、途中で力尽きた。
それを拾ったのが、浮竹という名の青年だった。
浮竹は花屋の店員で、帰り道に京楽を見つけて、銃で撃たれているのを見つけて、救急車や警察は呼ばず、自分で傷の手当てをして京楽を自分のマンションのベッドに寝かせていた。
浮竹は裏家業でもぐりの医者をしているので、京楽の怪我を手当することは簡単だった。弾は貫通していて、出血を止血して針と糸で傷口を塗って、ガーゼをあてて包帯を巻いた。
「ここは‥‥‥地獄にしては温かい部屋だねぇ。花が綺麗だ。ここは天国かい?」
「あ、気づいたか?」
浮竹は、京楽の顔を知っていた。
京楽も浮竹の顔を知っていた。
京楽がヤクザの組長であることは知らなかったが、何度か京楽は浮竹が開いている花屋に花を買いにきたことがあった。
「君が、手当してくれたのかい。君、確かあの小さな花屋の店員の‥‥」
「浮竹だ。浮竹十四郎。お前は、腕を撃たれて裏路地で気絶していたんだ。警察や救急車を呼んだらだめだろうから、俺が手当した。痛くないか?一応痛み止めを打とうか?」
「君、ボクの命の恩人だね。ボクは京楽春水。京楽組の組長をしている」
「やっぱり、やくざか」
浮竹は、白いカップにコーヒーを入れてもってきた。
「怖くないの?」
「別に。ここらをしきっているやくざの組長はお人よしで有名だ。どうせなにかのいざこざに巻き込まれてけがをしたんだろう?」
「そうだけど‥‥普通、やくざの組長って聞いたら、怖がって部屋からたたき出すのに」
「ああ‥‥‥‥その心配はない。花屋をしているが、裏家業で闇世界相手の医者をしている。たまに、拳銃で撃たれた者が運び込まれてくる」
「へぇ、じゃあボクの組の者がお世話になってる花屋の医者って君だったんだね」
京楽はベッドから半身を起き上がらせて、浮竹からコーヒーを受け取った。
「本業は花屋だ。医者はまぁ、道楽でやってる」
「それはまぁ‥‥‥‥なんというか、ありがとう」
「変な奴」
「それは君のほうでしょ。やくざの組長を相手に怖がらないなんて」
浮竹は、苦笑する。
「命の恩人をあだなすような男じゃないだろう?」
「うん、まぁそうなんだけど」
京楽は、財布ももっていないことに気づいた。
「治療費っている?」
「いや、俺が勝手に助けただけだからいらない」
「ねぇ、ボクをしばらくかくまってくれない?命を狙われているんだよ」
「こんな狭いマンションでよければいいが。だが、俺にも仕事がある。朝~昼は花屋で、3時から8時まで闇医者だ」
「うん。お礼に、花屋の仕事手伝うよ」
「ケガが治ったらな」
それから、2週間ばかり、京楽は浮竹のマンションで過ごして、怪我の具合が大分よくなってから、本当に浮竹の働く花屋で臨時のバイトとして花屋の仕事をしていた。
「この薔薇はどうすればいいの」
「こっちの花と一緒に花束にしてくれ」
花に囲まれる浮竹は、美しかった。
「ねぇ」
闇医者の時間も終わって、マンションに戻った二人は、食事をとりながら会話をしていた。
「君、ボクの愛人にならない?」
「は?」
浮竹は、マヌケな顔をして口をぽかんとあけていた。
「君を気に入ったんだよ。ボクは欲しいものはたいていなんでも手に入れてきた。君が欲しい」
「な、俺は男だぞ!?」
「関係ないね」
京楽は、食事をし終えてから浮竹を押し倒していた。
浮竹が嫌がらないのをいいことに、最後までやってしまった。
「お前、本気か?」
「君、嫌がらなかったじゃない。けっこうよさそうに、うぐ」
頭をグーで殴られた。
浮竹は顔を赤くして、京楽を睨む。
「せ、責任はとれよ!」
「うん。愛人になるけど。ああ、ちなみにボクは今のとこ他に愛人はいないから」
「京楽‥‥‥‥」
「春水って呼んで?ボクも十四郎って呼ぶから」
「春水」
「うん。十四郎、いいかい?ボクは組に復帰するけど、君は今まで通りの仕事を続けていればいいから。ボクがこのマンションに通うから」
京楽は、その日から本当に浮竹のマンションに出入りするようになった。
組には復帰して、ヤクザとして闇世界で蠢く。
だが、非道なことはなるべくせず、銃をもっている以外は法に触れることはあまりなかった。
「十四郎」
「ああ、春水か。今、仕事が終わる。一緒に帰ろう」
京楽の家は、浮竹のマンションになっていた。
浮竹を愛人としたが、囲うことはせず、自由にさせていた。
それがいけなかった。
抗争中の他の組の者に、浮竹は攫われた。
「十四郎!」
「春水‥‥‥」
長い白い髪を切られ、殴られたのか口を切って血を流している浮竹を見て、京楽は手下の者たちと一緒に暴れて浮竹を救い出す。
「ごめんね、十四郎。もう、こんなことが起きないようにするから」
「別れるって選択肢はないんだな」
「十四郎と別れるなんて無理。十四郎だって、ボクがいなくちゃ体が疼くでしょ?」
「春水!」
真っ赤になって、それでも京楽から手当てを受けた。
「あとは自分でできる。そこまで酷く殴られたわけじゃないから」
「うん。ああ、でも君の綺麗な髪が‥‥切り揃えないとね?」
京楽は、浮竹が自分の手当てを終わらすと、はさみをもってきた。
「ボク、昔は美容師めざしていたんだよ。腕はなまってないと思うから、ボクに揃えさせて?」
浮竹は、京楽に髪を切られていく。
肩より少し長いところで綺麗にそろえられた。
浮竹は、攫われた時少し怖い思いをしたが、闇医者をしていたので闇世界に参ることはなかった。
「今日、抗争相手と決着つけてきたから。ボクの組に吸収合併って形になった」
「そうか」
花屋で、京楽は浮竹が働いているのもかまわずに抱きしめるものだから、浮竹に殴られていた。
「ふふ、ボクを殴れるのはキミくらいだよ」
「もっと殴られたいか?」
「遠慮しとく。医者の仕事終わったら、迎えにいくから」
「分かった」
浮竹は花屋の仕事をしながら、京楽の言葉を聞く。
「あ、待って。この薔薇買うよ」
「誰かに贈るのか?」
「うん。君へ。メッセージカードもつける。愛してるって書いてね」
「は、恥ずかしいやつ!」
高い人工的に作られた青い薔薇を花束にして、京楽は愛しているというメッセージカードをつけて、浮竹に贈った。
「はぁ‥‥‥‥」
受け取った浮竹は、赤い顔をして花束を持つ。
「とっても似合ってるよ。今すぐ抱きたい」
「盛るな!」
浮竹は、京楽の頭をぐーで殴る。
「あはははは」
「笑いごとじゃない‥‥‥なんで、俺、お前の愛人なんてしてるんだろう」
「好きだからでしょ?」
「まぁ‥‥‥‥好きだが‥‥はぁ。今日は疲れた。闇医者稼業は休みにする」
「じゃあ、時間あくね。いい店知ってるんだ。夕飯食べにいかない?」
「ああ、もうお前の好きにしてくれ」
浮竹は長いため息をついて、青い薔薇の花束を大切そうに持つのだった。
オメガバース恋白13
「恋次」
「どうしたんすか隊長」
「呼んでみただけだ」
白哉は、恋次の腕の中にいた。
ヒート期間中で、交わり続けていた。
「あっ」
「まだいけますよね?」
「んっ」
何度か恋次は白哉の中に精液を注ぎ込んでいるし、オメガである白哉は秘所が自然と濡れる。
「もっかいしていいっすか?]
「好きにするといい」
「じゃあ‥‥‥‥」
「あう」
恋次は白哉の蕾に己をあてがい、貫く。
「ああああ!」
もう、今日は3度目か4度目の行為だった。
何度抱かれても、白哉は初心な反応をする。
「ああ、隊長の中最高っす」
「恋次‥‥‥もっと、奥まで」
「はい」
「ひあう」
白哉が求めると、恋次はそれにこたえる。
「あ、あ、あ」
とんとんとリズムをつけて突き上げると、白哉は背をしらなせてオーガズムで中いきをしていた。
「んあああ」
「隊長‥‥‥好きです」
「あ、恋次、私もだ」
ヒート期間中は交わり続けて、あとは食事をして風呂に入り眠るだけだ。
眠る時間は多いけれど、起きている時間はたいてい交わっていた。
「中にぶちまけますよ」
「うあっ」
どくどくと精液を恋次は白哉の子宮に注ぎ込む。
「こんなに出されたら、孕んでしまう」
「子供できたらちゃんと産んでくださいね」
「恋次‥‥‥‥」
恋次は知っていた。白哉が行為の後必ずアフターピルを飲むことを。
恋次の子ができるのがいやなわけではない。
ただ、子を生む勇気と恋次をとりあえげられるのが怖いのだ。
子が生まれれば、恋次は白哉だけのものではなくなる。
「子は、まだ産まぬ」
「はい。それでもいいっす」
「恋次、もっと‥‥‥」
「隊長、今日はこのへんにしときましょう。まだヒート期間きて2日目ですよ。ずっと交わってたら、体力がもたない」
「それでもよい。もう一度、抱け」
「隊長‥‥‥本当にあんたって人は」
恋次は、また白哉を貫く。
「今日はこれで最後ですからね。俺のほうがもたない」
「ひああああ!」
白哉は奥を突きあげられ、抉られて潮をふく。
「淫らになっちゃって」
「あ、恋次、兄のせいだ」
「はい、そうですね」
恋次は角度を変えて白哉を貫き、揺さぶった。
「あああ」
「隊長」
「あ、恋次」
お互いを抱きしめあいながら、高みへとのぼる。
「んっ」
「あ、隊長‥‥‥すげぇいい」
行為が終わると、白哉は湯あみをするといって風呂に消えてしまった。
ちゃんと、アフターピルを飲んで。
「隊長‥‥‥‥俺との間に子供できるのいやなのかな」
「いやというわけではないが、子供を産むと育てなければならないであろう。まだその覚悟ができておらぬ」
「ぬお、隊長いつの間に風呂からあがってきたんすか」
「さっきだ」
「まだ15分しかたってないっすよ」
「恋次ともう一度入ろうと思ってな」
「あの、俺もう無理っすよ。やりすぎて抱けません」
白哉は、くすりと笑う。
「私とて、今日はもう十分だ。恋次、共に風呂に入ろう」
「はい。隊長の望むままに」
恋次は、白哉に甘い。
そもそも、白哉が我儘を言い出すことがほとんどないのだ。
一緒に風呂に入り、同じ布団で眠る。
ヒート期間なので、白哉は眠っていることがおおい。恋次はそんな時書物なんかを読んで時間をつぶす。
「ん‥‥‥朝か」
「あ、朝食用言されてますよ」
「うむ。行こう」
「はい」
ヒート期間中は別邸で過ごすのだが、食事を恋次が作る時もあるが、たいてい料理人を雇って食事を用意してもらい、なるべく二人きりで過ごした。
朝からやや豪勢な食事をして、白哉はまた眠ってしまった。
昼に起きる頃には、恋次に抱いてくれと言い出していた。
恋次も、番になった白哉を満足させるために、薬を飲んだりするのだった。
「どうしたんすか隊長」
「呼んでみただけだ」
白哉は、恋次の腕の中にいた。
ヒート期間中で、交わり続けていた。
「あっ」
「まだいけますよね?」
「んっ」
何度か恋次は白哉の中に精液を注ぎ込んでいるし、オメガである白哉は秘所が自然と濡れる。
「もっかいしていいっすか?]
「好きにするといい」
「じゃあ‥‥‥‥」
「あう」
恋次は白哉の蕾に己をあてがい、貫く。
「ああああ!」
もう、今日は3度目か4度目の行為だった。
何度抱かれても、白哉は初心な反応をする。
「ああ、隊長の中最高っす」
「恋次‥‥‥もっと、奥まで」
「はい」
「ひあう」
白哉が求めると、恋次はそれにこたえる。
「あ、あ、あ」
とんとんとリズムをつけて突き上げると、白哉は背をしらなせてオーガズムで中いきをしていた。
「んあああ」
「隊長‥‥‥好きです」
「あ、恋次、私もだ」
ヒート期間中は交わり続けて、あとは食事をして風呂に入り眠るだけだ。
眠る時間は多いけれど、起きている時間はたいてい交わっていた。
「中にぶちまけますよ」
「うあっ」
どくどくと精液を恋次は白哉の子宮に注ぎ込む。
「こんなに出されたら、孕んでしまう」
「子供できたらちゃんと産んでくださいね」
「恋次‥‥‥‥」
恋次は知っていた。白哉が行為の後必ずアフターピルを飲むことを。
恋次の子ができるのがいやなわけではない。
ただ、子を生む勇気と恋次をとりあえげられるのが怖いのだ。
子が生まれれば、恋次は白哉だけのものではなくなる。
「子は、まだ産まぬ」
「はい。それでもいいっす」
「恋次、もっと‥‥‥」
「隊長、今日はこのへんにしときましょう。まだヒート期間きて2日目ですよ。ずっと交わってたら、体力がもたない」
「それでもよい。もう一度、抱け」
「隊長‥‥‥本当にあんたって人は」
恋次は、また白哉を貫く。
「今日はこれで最後ですからね。俺のほうがもたない」
「ひああああ!」
白哉は奥を突きあげられ、抉られて潮をふく。
「淫らになっちゃって」
「あ、恋次、兄のせいだ」
「はい、そうですね」
恋次は角度を変えて白哉を貫き、揺さぶった。
「あああ」
「隊長」
「あ、恋次」
お互いを抱きしめあいながら、高みへとのぼる。
「んっ」
「あ、隊長‥‥‥すげぇいい」
行為が終わると、白哉は湯あみをするといって風呂に消えてしまった。
ちゃんと、アフターピルを飲んで。
「隊長‥‥‥‥俺との間に子供できるのいやなのかな」
「いやというわけではないが、子供を産むと育てなければならないであろう。まだその覚悟ができておらぬ」
「ぬお、隊長いつの間に風呂からあがってきたんすか」
「さっきだ」
「まだ15分しかたってないっすよ」
「恋次ともう一度入ろうと思ってな」
「あの、俺もう無理っすよ。やりすぎて抱けません」
白哉は、くすりと笑う。
「私とて、今日はもう十分だ。恋次、共に風呂に入ろう」
「はい。隊長の望むままに」
恋次は、白哉に甘い。
そもそも、白哉が我儘を言い出すことがほとんどないのだ。
一緒に風呂に入り、同じ布団で眠る。
ヒート期間なので、白哉は眠っていることがおおい。恋次はそんな時書物なんかを読んで時間をつぶす。
「ん‥‥‥朝か」
「あ、朝食用言されてますよ」
「うむ。行こう」
「はい」
ヒート期間中は別邸で過ごすのだが、食事を恋次が作る時もあるが、たいてい料理人を雇って食事を用意してもらい、なるべく二人きりで過ごした。
朝からやや豪勢な食事をして、白哉はまた眠ってしまった。
昼に起きる頃には、恋次に抱いてくれと言い出していた。
恋次も、番になった白哉を満足させるために、薬を飲んだりするのだった。
ある冒険者たち
京楽と浮竹は、同じ里に生まれた。
同い年だった。
ある日、里が襲撃を受けてまだ幼かった京楽と浮竹は奴隷として売られていってしまった。二人は互いに互いを必要として、なかなか離れなかったので、買い取るのも一緒ということにされた。
一度離れ離れにした時、浮竹は体が弱いのを悪化させて血を吐いた。
京楽を傍に置くと、血は吐かなくなった。
何かの魔法のような効果を京楽はもっているらしい。
「ねぇ、自由になったら何がしたい?」
「うーん、いろんな場所にいってみたい。旅人に、いや冒険者になるのが夢だ」
「じゃあ、一緒にいつか冒険者になろう」
「ああ」
二人は、買い手がつかないまま数年が過ぎた。
浮竹は美しい少年になっていた。京楽はかっこよい少年になっていた。
「喜べ、お前たちの買い手がついた。二人そろってだ。今まで世話してきた額も出してもらえた。ご主人様に尽くすんだぞ」
奴隷商人の言葉に、浮竹が涙を滲ませる。
「一緒に買われるのは嬉しいけど、自由がほしい」
「浮竹、それは言っちゃいけないよ」
奴隷商人は、浮竹の背中にむちを打つ。
「ほら、さっさと歩け!」
「いた‥‥‥」
そこへ、浮竹と京楽を買った富豪の男がやってくる。
「ふむ。身なりは汚いが磨けば綺麗になるだろう。浮竹だったか。お前は性奴隷だ。京楽は戦闘奴隷だ。コロシアムに出てもらう」
浮竹は、主人となった男の言葉に目を見開く。
「いやだ!俺も戦闘奴隷にしてくれ!」
「お前は体が弱いそうじゃないか。何より見た目がいい。性奴隷はお前一人じゃないし、従順になるように仕込まないとな」
「浮竹!!!」
主人となった男に連れ去られていく浮竹に、京楽が手を伸ばすが鎖でつながれているために止められない。
次に主人がやってきた時、京楽は浮竹と会うことを要求したが、却下されて食事を与えられて、身なりをそれなりにこぎれいにされて風呂にいれられ、戦闘奴隷としてコロシアムでデビューした。戦闘には全て勝った。
次の日には、浮竹と出会えた。
「浮竹!」
浮竹の瞳に光はなく、暗い目をしていた。
主である男に手籠めにされて、浮竹は京楽の胸の中で静かに泣いた。
「京楽‥‥‥俺は汚された。いっそ、死んでしまいたい」
「だめだよ浮竹!いつか、ボクらは自由になるんだ!」
京楽は、主を浮竹を汚したことで殴りかかったが、他の奴隷たちに取り押さえられて、3日間飯ぬきの刑にされた。
その間も、浮竹は性奴隷として主から寵愛を受けていた。
浮竹は長い白髪に白い肌、翡翠の瞳をもつ美少女と見間違う見た目をしていた。
京楽も浮竹も、14になったばかりだった。
まだやや幼い。
男性としての成長が遅れている浮竹は、中性的で、装い一つで美少女になれた。
京楽も見惚れたほどに、浮竹は美しかった。
だが、浮竹の顔からは笑顔が消えて、翡翠色の瞳が綺麗に輝くことはなかった。
京楽は、コロシアムで勝ちまくって、大金を得た。ほとんどを没収されたが、自分で自分を買うことができて、解放奴隷となった。
そのままコロシアムで金をためて、浮竹を買い取った。
主である男はなかなか浮竹を手放したくないらしくて、大金をふっかけてきたのが、コロシアムで大金を稼いでいるので、京楽は浮竹を買い戻せた。
「浮竹、これからはボクが一緒にずっといるから」
「本当に?もう、体を売らなくていい?」
「そんなことする必要はないよ」
「じゃあ、京楽が俺を抱いてくれ」
「浮竹?」
京楽は困った顔をした。
「お前に抱かれたい。あの男に汚されたままでいるのはいやだ」
「うん、分かった」
その日の夜、京楽は浮竹を抱いた。
浮竹が意識を飛ばしている間に、町に買い物に出かけて、冒険者になる用意をしておいた。
「ん‥‥‥‥‥京楽?」
「おはよう。傍にちゃんといるよ。今日はゆっくりしよう。お金ならあるから。明日、冒険者ギルドに登録しにいこう」
「うん‥‥‥‥」
浮竹は、やや赤くなって、頷いた。
浮竹は京楽のことが好きだった。主であった男に手籠めにされた時も、普通に抱かれる時も相手は京楽だと思い込むことで、自害を防いでいた。
「京楽‥‥‥俺、お前のことが好きだ」
「ボクも君のことが好きだよ。幼いころからずっと。好きじゃなきゃ、君を抱いたりしない」
「うん」
浮竹は、ぽろぽろと大粒の涙を零して、京楽に抱きしめられていた。
8歳の頃奴隷にされ、14で買いとられるまで奴隷としてこき使われて、17で自由になった。
浮竹の心の傷は大きいが、京楽は浮竹が壊れてしまうぎりぎりのところで、自分の手元に戻せた。
17歳の冬に、二人は冒険者ギルドに登録して、夢だった冒険者になった。
二人はペアを組んだ。
戦闘は京楽が担当で、浮竹は治癒魔法の素質があったので、治癒術師になっていた。
「いつもすまない。俺が戦えなくて‥‥‥‥」
「いいんだよ。守りたいし。それに、傷を癒してもらえるお陰で、ちょっとした無茶もできるしね」
「京楽、その‥‥‥」
「どうしたの?」
「今日、俺を抱いてくれないか。性奴隷だったせいで、誰かに抱かれないとうずうずするんだ」
「うん、分かったよ」
京楽は、その日の夜も浮竹を抱いた。
浮竹はまるで高級男娼のようだった。
「京楽、お前がいやなら、俺は」
「ううん。君が大切だし、君をもう他の男に抱かせたくない」
「京楽、ありがとう」
浮竹の翡翠の瞳に光が戻っていた。
二人は、世界中を旅してまわった。
20の時、Aランク冒険者になり、それなりに名が売れ始めると、元奴隷であったことがばらされて、ひそひそと噂されるようになった。
浮竹がAランク冒険者になったのは、試験官に抱かれたせいだとか、心にもない噂が出回って、浮竹はそれに酷く傷ついた。
京楽は、そんな噂をする相手を殴った。
21の頃、同性でも結婚できる国を知り、そこで二人は静かに式を挙げた。
また、世界中を旅した。
空島という、ほとんど誰も到達できなかった場所までたどりついた。
22の頃、Sランク冒険者になっていた。
京楽も浮竹も、自分のことをただの人間だと思っていたが、見た目が少年の頃からあまり変わらないので、調べてもらうとエルフの血を引いていることが分かった。
浮竹と京楽は、エルフの里に行ってみた。
エルフの里は静かなところだった。
探してみると、浮竹の曾祖父になるエルフが生きていて、二人は出会い、幾日かそのエルフの家に泊まった。
京楽の祖先はすでに死んでいて、見つけれたのは浮竹の曾祖父だけだった。
二人は、また旅に出た。
金をためて、昔の自分たちのように苦しんでいる奴隷を買いとって解放奴隷にして、独り立ちできるまで面倒をみたりしていた。
気づくと、27歳になっていた。
エルフの血のせいで、見た目は少年であったが、熟練の冒険者になっていた。
二人は違う異世界に行く方法を見つけて、世界から旅立った。
異世界でも、二人はいつも一緒に旅をしていた。
「なぁ、今幸せか?俺は幸せだ。お前の傍にいれて、毎日が旅で新鮮で。京楽がいるから、俺は俺でいられた」
「ボクも幸せだよ。君の傍にいれるから」
二人は笑い合って、旅を続けた。
やがて、世界の果てを見つけて、そこで二人はひっそりと自給自足の生活をはじめる。
京楽は伝説の剣士になっていて、浮竹はその名を知らぬ者がいない賢者になっていた。
世界の果てで暮らし、たまに元の世界に戻って冒険者として活動してみたり。自由きままに生きた。
100を過ぎる頃には、普通の人間なら死んでいるのだが、覚醒遺伝らしく、エルフの血が濃い二人は若い姿のまま、世界を冒険しつくて、隠居生活をしていた。
「京楽、いい魚が手に入ったぞ」
「お。ちょうど蒸し焼きにいい野菜が収穫時期なんだよ」
「じゃあ、今日は昼から畑の仕事をしようか」
「浮竹、書きかけの本はいいの?」
「ああ。時間はいくらでもあるからな」
200になる頃、若い姿のまま、浮竹が病を悪化させて死の床についた。
京楽はずっとそばにいて、浮竹が息を引き取るのを見守った。
「京楽‥‥‥‥幸せ、だった。俺を愛してくれて、ありが、とう」
「浮竹、ボクも幸せだったよ。先に逝ってね。ボクも近いうちにそっちにいくから」
京楽は、浮竹が死んだ3年後に、あとを追うように静かに死んだ。
異世界の住人に墓を建ててもらい、二人は一緒に埋葬されて、眠るのだった。
同い年だった。
ある日、里が襲撃を受けてまだ幼かった京楽と浮竹は奴隷として売られていってしまった。二人は互いに互いを必要として、なかなか離れなかったので、買い取るのも一緒ということにされた。
一度離れ離れにした時、浮竹は体が弱いのを悪化させて血を吐いた。
京楽を傍に置くと、血は吐かなくなった。
何かの魔法のような効果を京楽はもっているらしい。
「ねぇ、自由になったら何がしたい?」
「うーん、いろんな場所にいってみたい。旅人に、いや冒険者になるのが夢だ」
「じゃあ、一緒にいつか冒険者になろう」
「ああ」
二人は、買い手がつかないまま数年が過ぎた。
浮竹は美しい少年になっていた。京楽はかっこよい少年になっていた。
「喜べ、お前たちの買い手がついた。二人そろってだ。今まで世話してきた額も出してもらえた。ご主人様に尽くすんだぞ」
奴隷商人の言葉に、浮竹が涙を滲ませる。
「一緒に買われるのは嬉しいけど、自由がほしい」
「浮竹、それは言っちゃいけないよ」
奴隷商人は、浮竹の背中にむちを打つ。
「ほら、さっさと歩け!」
「いた‥‥‥」
そこへ、浮竹と京楽を買った富豪の男がやってくる。
「ふむ。身なりは汚いが磨けば綺麗になるだろう。浮竹だったか。お前は性奴隷だ。京楽は戦闘奴隷だ。コロシアムに出てもらう」
浮竹は、主人となった男の言葉に目を見開く。
「いやだ!俺も戦闘奴隷にしてくれ!」
「お前は体が弱いそうじゃないか。何より見た目がいい。性奴隷はお前一人じゃないし、従順になるように仕込まないとな」
「浮竹!!!」
主人となった男に連れ去られていく浮竹に、京楽が手を伸ばすが鎖でつながれているために止められない。
次に主人がやってきた時、京楽は浮竹と会うことを要求したが、却下されて食事を与えられて、身なりをそれなりにこぎれいにされて風呂にいれられ、戦闘奴隷としてコロシアムでデビューした。戦闘には全て勝った。
次の日には、浮竹と出会えた。
「浮竹!」
浮竹の瞳に光はなく、暗い目をしていた。
主である男に手籠めにされて、浮竹は京楽の胸の中で静かに泣いた。
「京楽‥‥‥俺は汚された。いっそ、死んでしまいたい」
「だめだよ浮竹!いつか、ボクらは自由になるんだ!」
京楽は、主を浮竹を汚したことで殴りかかったが、他の奴隷たちに取り押さえられて、3日間飯ぬきの刑にされた。
その間も、浮竹は性奴隷として主から寵愛を受けていた。
浮竹は長い白髪に白い肌、翡翠の瞳をもつ美少女と見間違う見た目をしていた。
京楽も浮竹も、14になったばかりだった。
まだやや幼い。
男性としての成長が遅れている浮竹は、中性的で、装い一つで美少女になれた。
京楽も見惚れたほどに、浮竹は美しかった。
だが、浮竹の顔からは笑顔が消えて、翡翠色の瞳が綺麗に輝くことはなかった。
京楽は、コロシアムで勝ちまくって、大金を得た。ほとんどを没収されたが、自分で自分を買うことができて、解放奴隷となった。
そのままコロシアムで金をためて、浮竹を買い取った。
主である男はなかなか浮竹を手放したくないらしくて、大金をふっかけてきたのが、コロシアムで大金を稼いでいるので、京楽は浮竹を買い戻せた。
「浮竹、これからはボクが一緒にずっといるから」
「本当に?もう、体を売らなくていい?」
「そんなことする必要はないよ」
「じゃあ、京楽が俺を抱いてくれ」
「浮竹?」
京楽は困った顔をした。
「お前に抱かれたい。あの男に汚されたままでいるのはいやだ」
「うん、分かった」
その日の夜、京楽は浮竹を抱いた。
浮竹が意識を飛ばしている間に、町に買い物に出かけて、冒険者になる用意をしておいた。
「ん‥‥‥‥‥京楽?」
「おはよう。傍にちゃんといるよ。今日はゆっくりしよう。お金ならあるから。明日、冒険者ギルドに登録しにいこう」
「うん‥‥‥‥」
浮竹は、やや赤くなって、頷いた。
浮竹は京楽のことが好きだった。主であった男に手籠めにされた時も、普通に抱かれる時も相手は京楽だと思い込むことで、自害を防いでいた。
「京楽‥‥‥俺、お前のことが好きだ」
「ボクも君のことが好きだよ。幼いころからずっと。好きじゃなきゃ、君を抱いたりしない」
「うん」
浮竹は、ぽろぽろと大粒の涙を零して、京楽に抱きしめられていた。
8歳の頃奴隷にされ、14で買いとられるまで奴隷としてこき使われて、17で自由になった。
浮竹の心の傷は大きいが、京楽は浮竹が壊れてしまうぎりぎりのところで、自分の手元に戻せた。
17歳の冬に、二人は冒険者ギルドに登録して、夢だった冒険者になった。
二人はペアを組んだ。
戦闘は京楽が担当で、浮竹は治癒魔法の素質があったので、治癒術師になっていた。
「いつもすまない。俺が戦えなくて‥‥‥‥」
「いいんだよ。守りたいし。それに、傷を癒してもらえるお陰で、ちょっとした無茶もできるしね」
「京楽、その‥‥‥」
「どうしたの?」
「今日、俺を抱いてくれないか。性奴隷だったせいで、誰かに抱かれないとうずうずするんだ」
「うん、分かったよ」
京楽は、その日の夜も浮竹を抱いた。
浮竹はまるで高級男娼のようだった。
「京楽、お前がいやなら、俺は」
「ううん。君が大切だし、君をもう他の男に抱かせたくない」
「京楽、ありがとう」
浮竹の翡翠の瞳に光が戻っていた。
二人は、世界中を旅してまわった。
20の時、Aランク冒険者になり、それなりに名が売れ始めると、元奴隷であったことがばらされて、ひそひそと噂されるようになった。
浮竹がAランク冒険者になったのは、試験官に抱かれたせいだとか、心にもない噂が出回って、浮竹はそれに酷く傷ついた。
京楽は、そんな噂をする相手を殴った。
21の頃、同性でも結婚できる国を知り、そこで二人は静かに式を挙げた。
また、世界中を旅した。
空島という、ほとんど誰も到達できなかった場所までたどりついた。
22の頃、Sランク冒険者になっていた。
京楽も浮竹も、自分のことをただの人間だと思っていたが、見た目が少年の頃からあまり変わらないので、調べてもらうとエルフの血を引いていることが分かった。
浮竹と京楽は、エルフの里に行ってみた。
エルフの里は静かなところだった。
探してみると、浮竹の曾祖父になるエルフが生きていて、二人は出会い、幾日かそのエルフの家に泊まった。
京楽の祖先はすでに死んでいて、見つけれたのは浮竹の曾祖父だけだった。
二人は、また旅に出た。
金をためて、昔の自分たちのように苦しんでいる奴隷を買いとって解放奴隷にして、独り立ちできるまで面倒をみたりしていた。
気づくと、27歳になっていた。
エルフの血のせいで、見た目は少年であったが、熟練の冒険者になっていた。
二人は違う異世界に行く方法を見つけて、世界から旅立った。
異世界でも、二人はいつも一緒に旅をしていた。
「なぁ、今幸せか?俺は幸せだ。お前の傍にいれて、毎日が旅で新鮮で。京楽がいるから、俺は俺でいられた」
「ボクも幸せだよ。君の傍にいれるから」
二人は笑い合って、旅を続けた。
やがて、世界の果てを見つけて、そこで二人はひっそりと自給自足の生活をはじめる。
京楽は伝説の剣士になっていて、浮竹はその名を知らぬ者がいない賢者になっていた。
世界の果てで暮らし、たまに元の世界に戻って冒険者として活動してみたり。自由きままに生きた。
100を過ぎる頃には、普通の人間なら死んでいるのだが、覚醒遺伝らしく、エルフの血が濃い二人は若い姿のまま、世界を冒険しつくて、隠居生活をしていた。
「京楽、いい魚が手に入ったぞ」
「お。ちょうど蒸し焼きにいい野菜が収穫時期なんだよ」
「じゃあ、今日は昼から畑の仕事をしようか」
「浮竹、書きかけの本はいいの?」
「ああ。時間はいくらでもあるからな」
200になる頃、若い姿のまま、浮竹が病を悪化させて死の床についた。
京楽はずっとそばにいて、浮竹が息を引き取るのを見守った。
「京楽‥‥‥‥幸せ、だった。俺を愛してくれて、ありが、とう」
「浮竹、ボクも幸せだったよ。先に逝ってね。ボクも近いうちにそっちにいくから」
京楽は、浮竹が死んだ3年後に、あとを追うように静かに死んだ。
異世界の住人に墓を建ててもらい、二人は一緒に埋葬されて、眠るのだった。
犬か猫か
「恋次、兄は大型犬のようだな」
「え、そうっすか?俺全然犬っぽくないっすよ?」
「いや、犬すぎる」
白哉は思う。
お手とお座りはできる。
ただし、けっこう待てができない。
白哉が煽情的な姿をしていたり、そんな言動をすると、白哉は「待て」を発動させるのだが、恋次は見えない大きな犬の尻尾を振って、白哉を押し倒す。
もう、犬すぎる。
「6番隊でとってみたアンケートだ」
紙には、恋次は大型犬か小型犬か野良猫か家猫かという4種がかかれていて、全部の紙に大型犬に〇がついていた。
「ええっ、俺どっちかっていうと家猫っすよ!」
「どこがだ」
「いや、だって‥‥‥」
「よいか、兄は大型犬だ。お手とお座りはできる。だが、待てができない」
「できますよ?」
白哉は、おもむろに隊長羽織を脱いで、死覇装を着くずす。
「た、隊長‥‥‥鎖骨とか見えてます」
「待て」
「隊長、抱かせてください」
「やはり、待てができぬな」
「待てできないでいいっす。隊長が誘って‥‥‥‥」
白哉は、抱きついてきた恋次を抱きしめ返して、ふっと笑う。
やっぱり、恋次は大型犬だ。
ある程度しつけはなっているが「待て」ができない。
そう結論づけるのであった。
キスをしてくる恋次から離れると、恋次は怒られた大型犬のようにしゅんとなる。
「隊長‥‥」
「待てだ、恋次」
「できないっす」
「兄は駄犬か」
「駄犬でもいいっす」
「ま、待てだ。その気はない」
白哉は、完全に恋次のペースに流されている。
「待てはできないでいいっす。隊長、好きです」
「あっ」
恋次が鎖骨に噛みついてきてから、深いキスをしてくる。
白哉の体も熱をもちはじめる。
自分からしかけたこととはいえ、こうまでなるとは思っていなかったので、目を閉じる。
「隊長‥‥‥‥‥」
恋次の鼓動の音が聞こえる。
それが、白哉を安心させた。
「兄は、本当に仕方のないやつだ」
「隊長が誘ってきたんですからね?」
「分かっている」
白哉は、恋次の肩に噛みつく。
「ちなみに、私の場合は高級な家猫というアンケート結果だった」
「隊長は確かに犬より猫っぽいですね」
「まぁ、どうでもよい。続きをするのか?しないのか?」
白哉は、恋次の頬を白い出て撫でる。
「続き、します。褥いきましょう」
「ふ‥‥‥」
夜は、まだはじまったばかりであった。
「え、そうっすか?俺全然犬っぽくないっすよ?」
「いや、犬すぎる」
白哉は思う。
お手とお座りはできる。
ただし、けっこう待てができない。
白哉が煽情的な姿をしていたり、そんな言動をすると、白哉は「待て」を発動させるのだが、恋次は見えない大きな犬の尻尾を振って、白哉を押し倒す。
もう、犬すぎる。
「6番隊でとってみたアンケートだ」
紙には、恋次は大型犬か小型犬か野良猫か家猫かという4種がかかれていて、全部の紙に大型犬に〇がついていた。
「ええっ、俺どっちかっていうと家猫っすよ!」
「どこがだ」
「いや、だって‥‥‥」
「よいか、兄は大型犬だ。お手とお座りはできる。だが、待てができない」
「できますよ?」
白哉は、おもむろに隊長羽織を脱いで、死覇装を着くずす。
「た、隊長‥‥‥鎖骨とか見えてます」
「待て」
「隊長、抱かせてください」
「やはり、待てができぬな」
「待てできないでいいっす。隊長が誘って‥‥‥‥」
白哉は、抱きついてきた恋次を抱きしめ返して、ふっと笑う。
やっぱり、恋次は大型犬だ。
ある程度しつけはなっているが「待て」ができない。
そう結論づけるのであった。
キスをしてくる恋次から離れると、恋次は怒られた大型犬のようにしゅんとなる。
「隊長‥‥」
「待てだ、恋次」
「できないっす」
「兄は駄犬か」
「駄犬でもいいっす」
「ま、待てだ。その気はない」
白哉は、完全に恋次のペースに流されている。
「待てはできないでいいっす。隊長、好きです」
「あっ」
恋次が鎖骨に噛みついてきてから、深いキスをしてくる。
白哉の体も熱をもちはじめる。
自分からしかけたこととはいえ、こうまでなるとは思っていなかったので、目を閉じる。
「隊長‥‥‥‥‥」
恋次の鼓動の音が聞こえる。
それが、白哉を安心させた。
「兄は、本当に仕方のないやつだ」
「隊長が誘ってきたんですからね?」
「分かっている」
白哉は、恋次の肩に噛みつく。
「ちなみに、私の場合は高級な家猫というアンケート結果だった」
「隊長は確かに犬より猫っぽいですね」
「まぁ、どうでもよい。続きをするのか?しないのか?」
白哉は、恋次の頬を白い出て撫でる。
「続き、します。褥いきましょう」
「ふ‥‥‥」
夜は、まだはじまったばかりであった。
白哉がニャン
夜一と会った。
それは別にどうでもよかった。
たまには一緒に飲まないかと誘われて、白哉はそれを了承した。夜一は酒豪で、いつも一緒に飲む恋次のように酔いつぶれることなく、長い間一緒に飲めた。
夜一が、最近お気に入りだという酒を勧められて、それを飲んだのが間違いだった。
「ふふふ、飲んだな?」
「なんだというのだ]
「その酒には涅マユリが作った薬が混ざっている」
「夜一、兄は何を‥‥‥」
白哉は、ドクンと心臓が鼓動をうつのを感じていた。
「何、少しの間猫になる薬だ。共に夜の散歩でもしようではないか」
「何をばかな‥‥」
夜一は、黒猫の姿になる。
白哉は、体が熱くなるのを感じていた。きづくと、高貴そうなオッドアイの白猫になっていた。
「ふむ、白哉は白猫か」
「にゃあああ」
「ああ、言葉までは話せぬか。まぁ、2~3時間もすれば人の姿に戻れる。それまで散歩でもしようではないか」
「にゃあ!(無責任なことを)」
「まぁよいではないか。そうだ、恋次を呼んでおいた。お主が猫になったと知ったら、どんな顔をするだろうな?」
「にゃああ(恋次を呼んだだと?)」
白哉がにゃあにゃあ言ってる間に、恋次がやってきた。
「あれ?夜一さんと隊長がいない?」
「にゃあああ(恋次、私だ)」
「お、この黒猫は夜一さんっすかね。こっちの白猫は?」
「にゃああ(恋次)」
「恋次、私は散歩に行くゆえその白猫を頼むぞ」
「あ、はい、夜一さん」
黒猫の姿の夜一は、着ていた着物を口でくわてえ去ってしまった。
「この白猫‥‥‥まさか、隊長だなんてことないですよね?」
「にゃあにゃああああ(そうだ、その通りだ)」
「確か昨日夜一さんから渡された猫じゃらしが‥‥お、あったあった」
恋次は、白猫が白哉であることなど気づきもせずに、荷物から猫じゃらしをだして白哉の前で振る。
「うにゃああ!!!(か、体が勝手に)」
「あははは、かわいいなぁ。野良じゃないな。隊長が新しく飼った猫かな?」
「にゃあああ(恋次、私は白哉だ)」
白哉はにゃあにゃあ訴えるが、恋次には届かない。
「それにしても隊長どこいったんだろ」
恋次は、白猫になってしまった白哉を抱っこして、喉元をくすぐる。
「にゃん(うぬ、気持ちいい‥‥)」
恋次は、白哉を撫でまくったり、猫用のおもちゃを出して遊んでいた。
やがて、2~3時間が経過して白哉は元に戻った。完全にではないが。
「はええええ、隊長!?」
「愚か者にゃん。夜一に薬を飲まされて猫になっていたのだにゃん」
幸いなことに、来ている服ごと猫化したので、変身が解いても裸という醜態晒すことはなかったが、語尾にニャンがつき、さらに頭には猫耳に尻尾もあった。
「く、夜一めにゃん。後でおぼえていろにゃん」
「隊長‥‥‥かわいいーーー」
「ぎにゃああああああああ」
恋次に思い切り抱き着かれて、白哉は叫んでいた。
猫の尻尾をピーンと立てて、恋次と距離をとる。
「な、恋次、おちつけにゃん」
「語尾ににゃんがつく隊長‥‥」
「抱きつくなにゃん!」
「隊長が白猫だって分かってたらもっとスキンシップとったのに」
恋次は、十分白猫になっていた白哉と遊んだが、白猫が白哉だったと知って、ちょっともっと触っておけばよかったと後悔する。
「隊長、夜は長いですよ?」
「な、何をする気だにゃん」
「猫耳と尻尾あるんすね」
「な、なんだにゃん」
「かわいいいいいいいい」
「ぎにゃああああああああああああああ」
恋次に思い切り頬ずりされて、白哉は尻尾も耳も立てて、恋次を怒る。
「恋次!何をするのだにゃん」
「いや、向こうに褥まで用意されてるし‥‥‥」
「あれは夜一が寝たいと言っていたから用意させただけだにゃん」
恋次は、白哉を姫抱きにすると褥に押し倒した。
「隊長‥‥‥俺、我慢できません」
「や、やめろにゃん」
「食べちゃっていいっすよね?」
「だめだにゃん」
「隊長、好きです」
「あっ」
結局、白哉は恋次に抱かれた。
「んっ」
恋次に着物を脱がされて、布団の上に縫い付けるように拘束される。
「んあっ」
小さい喘ぎ声では語尾ににゃんはつかないらしい。
胸の先端を舐め転がされて、恋次は白哉のものに手をははせてしごきあげると、白哉は最近恋次としていなかったので、少し濃いめの精子を吐き出していた。
「隊長、自分で処理とかしなかったんすね。濃い」
「う、うるさいにゃん」
「きもちいい?」
「にゃああああ」
ゆるゆると白哉は己のものを扱われて、熱に濡れた目で恋次を見る。
「ああ、俺がもう限界っす」
潤滑油を何故携帯しているのだと問いたいが、恋次は潤滑油に濡れた指を白哉の蕾にいれてばらばらに動かす」
「ん」
「挿入れますよ?」
「にゃあああああ」
ズンと抉られて、白哉はドライのオーガズムでいっていた。
「やああああ」
奥を抉られて、胎の奥が疼いた。
「あ、もっとにゃん」
「隊長、かわいい」
「にゃあっ」
恋次は、白哉のよいところを突き上げる。
「にゃっ」
白哉は猫のように鳴く。
「もっと?」
恋次にそう聞かれて、白哉はこくこくと頷く。
「隊長‥‥‥一緒にいきましょう」
「ああああ‥‥にゃああああ」
恋次に攻められて、白哉は意識を混濁させていく。
夜があけた頃には語尾のにゃんも猫耳も尻尾も綺麗に消えていた。
「ああ、もったいない」
「恋次。兄は‥‥‥‥」
「すんません、隊長。かわいすぎて自制がききませんでしたーーー!!」
がばりと土下座する恋次を見て、白哉はため息を零す。
「猫化して隙を見せたのは私だ。だが、もうこのような真似はするなよ」
「んー、それはわかんないっす」
「恋次!」
「はい、すみません!」
「全く、兄という男は‥‥‥‥」
白哉はまたため息を零すのであった。
それは別にどうでもよかった。
たまには一緒に飲まないかと誘われて、白哉はそれを了承した。夜一は酒豪で、いつも一緒に飲む恋次のように酔いつぶれることなく、長い間一緒に飲めた。
夜一が、最近お気に入りだという酒を勧められて、それを飲んだのが間違いだった。
「ふふふ、飲んだな?」
「なんだというのだ]
「その酒には涅マユリが作った薬が混ざっている」
「夜一、兄は何を‥‥‥」
白哉は、ドクンと心臓が鼓動をうつのを感じていた。
「何、少しの間猫になる薬だ。共に夜の散歩でもしようではないか」
「何をばかな‥‥」
夜一は、黒猫の姿になる。
白哉は、体が熱くなるのを感じていた。きづくと、高貴そうなオッドアイの白猫になっていた。
「ふむ、白哉は白猫か」
「にゃあああ」
「ああ、言葉までは話せぬか。まぁ、2~3時間もすれば人の姿に戻れる。それまで散歩でもしようではないか」
「にゃあ!(無責任なことを)」
「まぁよいではないか。そうだ、恋次を呼んでおいた。お主が猫になったと知ったら、どんな顔をするだろうな?」
「にゃああ(恋次を呼んだだと?)」
白哉がにゃあにゃあ言ってる間に、恋次がやってきた。
「あれ?夜一さんと隊長がいない?」
「にゃあああ(恋次、私だ)」
「お、この黒猫は夜一さんっすかね。こっちの白猫は?」
「にゃああ(恋次)」
「恋次、私は散歩に行くゆえその白猫を頼むぞ」
「あ、はい、夜一さん」
黒猫の姿の夜一は、着ていた着物を口でくわてえ去ってしまった。
「この白猫‥‥‥まさか、隊長だなんてことないですよね?」
「にゃあにゃああああ(そうだ、その通りだ)」
「確か昨日夜一さんから渡された猫じゃらしが‥‥お、あったあった」
恋次は、白猫が白哉であることなど気づきもせずに、荷物から猫じゃらしをだして白哉の前で振る。
「うにゃああ!!!(か、体が勝手に)」
「あははは、かわいいなぁ。野良じゃないな。隊長が新しく飼った猫かな?」
「にゃあああ(恋次、私は白哉だ)」
白哉はにゃあにゃあ訴えるが、恋次には届かない。
「それにしても隊長どこいったんだろ」
恋次は、白猫になってしまった白哉を抱っこして、喉元をくすぐる。
「にゃん(うぬ、気持ちいい‥‥)」
恋次は、白哉を撫でまくったり、猫用のおもちゃを出して遊んでいた。
やがて、2~3時間が経過して白哉は元に戻った。完全にではないが。
「はええええ、隊長!?」
「愚か者にゃん。夜一に薬を飲まされて猫になっていたのだにゃん」
幸いなことに、来ている服ごと猫化したので、変身が解いても裸という醜態晒すことはなかったが、語尾にニャンがつき、さらに頭には猫耳に尻尾もあった。
「く、夜一めにゃん。後でおぼえていろにゃん」
「隊長‥‥‥かわいいーーー」
「ぎにゃああああああああ」
恋次に思い切り抱き着かれて、白哉は叫んでいた。
猫の尻尾をピーンと立てて、恋次と距離をとる。
「な、恋次、おちつけにゃん」
「語尾ににゃんがつく隊長‥‥」
「抱きつくなにゃん!」
「隊長が白猫だって分かってたらもっとスキンシップとったのに」
恋次は、十分白猫になっていた白哉と遊んだが、白猫が白哉だったと知って、ちょっともっと触っておけばよかったと後悔する。
「隊長、夜は長いですよ?」
「な、何をする気だにゃん」
「猫耳と尻尾あるんすね」
「な、なんだにゃん」
「かわいいいいいいいい」
「ぎにゃああああああああああああああ」
恋次に思い切り頬ずりされて、白哉は尻尾も耳も立てて、恋次を怒る。
「恋次!何をするのだにゃん」
「いや、向こうに褥まで用意されてるし‥‥‥」
「あれは夜一が寝たいと言っていたから用意させただけだにゃん」
恋次は、白哉を姫抱きにすると褥に押し倒した。
「隊長‥‥‥俺、我慢できません」
「や、やめろにゃん」
「食べちゃっていいっすよね?」
「だめだにゃん」
「隊長、好きです」
「あっ」
結局、白哉は恋次に抱かれた。
「んっ」
恋次に着物を脱がされて、布団の上に縫い付けるように拘束される。
「んあっ」
小さい喘ぎ声では語尾ににゃんはつかないらしい。
胸の先端を舐め転がされて、恋次は白哉のものに手をははせてしごきあげると、白哉は最近恋次としていなかったので、少し濃いめの精子を吐き出していた。
「隊長、自分で処理とかしなかったんすね。濃い」
「う、うるさいにゃん」
「きもちいい?」
「にゃああああ」
ゆるゆると白哉は己のものを扱われて、熱に濡れた目で恋次を見る。
「ああ、俺がもう限界っす」
潤滑油を何故携帯しているのだと問いたいが、恋次は潤滑油に濡れた指を白哉の蕾にいれてばらばらに動かす」
「ん」
「挿入れますよ?」
「にゃあああああ」
ズンと抉られて、白哉はドライのオーガズムでいっていた。
「やああああ」
奥を抉られて、胎の奥が疼いた。
「あ、もっとにゃん」
「隊長、かわいい」
「にゃあっ」
恋次は、白哉のよいところを突き上げる。
「にゃっ」
白哉は猫のように鳴く。
「もっと?」
恋次にそう聞かれて、白哉はこくこくと頷く。
「隊長‥‥‥一緒にいきましょう」
「ああああ‥‥にゃああああ」
恋次に攻められて、白哉は意識を混濁させていく。
夜があけた頃には語尾のにゃんも猫耳も尻尾も綺麗に消えていた。
「ああ、もったいない」
「恋次。兄は‥‥‥‥」
「すんません、隊長。かわいすぎて自制がききませんでしたーーー!!」
がばりと土下座する恋次を見て、白哉はため息を零す。
「猫化して隙を見せたのは私だ。だが、もうこのような真似はするなよ」
「んー、それはわかんないっす」
「恋次!」
「はい、すみません!」
「全く、兄という男は‥‥‥‥」
白哉はまたため息を零すのであった。
偽りの姫君と海賊
浮竹十四郎。
彼は、ソウルソサエティ王国の王子として生まれてきた。
しかし、ソウルソサエティ王国には魔女の呪いがかけられていて、男児が生まれると成人する前に命を落とす。
国王と王妃は、生まれてきた浮竹を、姫として育てることにした。
浮竹には姉と妹がいたが、浮竹が男であるということは知らなかった。浮竹が本当は王子であるということは、両親と一部の者を除いて知らなかった。
そんなソウルソサエティ王国に、近隣の海を荒らしまわっている海賊の京楽春水が、王女の身代金目的で王女を攫いにやってきた。
浮竹は姉と妹を隠して庇い、自分が拉致られた。
姫を凌辱しようとしていた京楽は、浮竹を汚そうとした。
身代金を払っても返す気はなく、奴隷として売ろうと思っていた。京楽は非情な海賊であった。
「残念だったな。俺は姫として育てられてきたが、実は王子だ。お前のものにはならない」
京楽は、浮竹の美貌に虜になっていた。
「それだけ綺麗なら、男でも構わないよ」
「え?」
浮竹は、京楽に汚された。
けれど、行為はすごく優しくて、きもちのいいものだった。
「京楽、俺を汚したのならもう気はすんだだろう。俺を解放してくれ。身代金はもう払われたはずだ」
「普通は、君を人買いに売るんだけどね。君を気に入ったよ。ボクのものにする」
京楽は、浮竹を口説きはじめた。
すでに肉体関係をもってしまっているので、順序が逆なのだが、京楽は気にすることなく浮竹を口説いた。
「君が好きになった。ボクだけのものになってよ」
「もう、お前は俺を汚して一度自分のものにしただろう。それでは満足できないのか?」
「ボクは海賊の京楽だよ。望んだものは全て手に入れる」
大量の身代金を払ったのに、帰ってこない浮竹に、国王と王妃は国をあげて救出作戦を展開し、京楽のいる海賊船は狙われることとなった。
京楽はすぐに海賊船を動かして、浮竹の両親の手が届かない遠い海域に行ってしまった。
「君の帰る場所はもうないよ。諦めてボクのものになりなよ」
「断る。悪逆非道な海賊のものになる気はない」
「じゃあ、ボクは善人になる」
その日から、悪逆非道と恐れられた京楽春水は消えた。
海賊稼業はすれど、人質の命は守り、金品だけを奪っていく。
人々を奴隷として売ることもなくなり、貧しい地域に金をばらまいた。
「ねぇ、ボクいい子になったよ。ボクのものになってよ」
「お前はすでに俺を汚しているだろう」
「あれはなかったことにする。もう一度、君を手に入れる」
浮竹は、再び京楽に抱かれた。
姫のドレス姿で。
「ああ!」
自分のものをくわえられて、浮竹は我慢できずに射精してしまう。
「ふふ、姫と思っていたら男だった。でも、ボクにはそんなことどっちでもいいよ。ボクは浮竹、君に惚れたんだよ」
「いやああああ」
浮竹は、京楽に貫かれて涙を零した。
汚されるのは二度目。
「やああ」
「でも、体は喜んでるよ?」
「やっ」
最奥を抉られて、浮竹は身をよじる。
「さぁ、ボクのものを注ぎ込んであげるから、ボクの子を孕んでね?姫として育てられたんだからさぉ」
「やああああ」
浮竹は、京楽に蹂躙されるが、不思議と死にたいとかそういうことは思わなかった。
「あ!」
どくんと大量の精液を胎の奥に注がれて、浮竹は意識を失った。
浮竹が気づいた時には、浮竹は違うドレスを着せられてベッドで横になっていた。
「俺は、性奴隷になったのか」
「違うよ。ボクの恋人だよ?」
ベッドの傍にいた京楽が、浮竹の頬を撫でる。
「京楽春水。どんなに望んでも、俺の心はあげない」
「ふふ、それはいつまでもつかな?」
誰も知り合いのいない海賊の船で、しゃべれるのは京楽とだけであった。
京楽は何度も浮竹を抱いた。
そのたびに身がとろけそうな快感を与えられた。
もう、京楽なしでは生きていけないような体になっていた。
「あ、京楽、早くう」
「ふふ、淫乱になったね?ボクだけのお姫様は」
「んあああああ!!!」
胎に精液を出されて、浮竹は女のようにいっていた。
もう、ソウルソサエティ王国には戻れない。
こんな汚れた体と心では。
浮竹は、半年以上も時間をかけられて、京楽の手の中に落ちていった。
「あ、孕んじゃううう」
「ふふ、僕だけのお姫様は孕めないくせに孕むっていうんだね。でも、君が男でよかった。女だと、ボクの手下たちにも汚されていた」
「それはいやあああ」
「浮竹なら男でも構わないって、君を汚そうとしていた部下は多かったよ。力でねじ伏せたけど」
「んあああ。京楽、京楽」
「浮竹‥‥‥‥好きだよ」
好きと言われるのも何度目だろうか。
もう、浮竹には何がなんだか分からなくなっていた。
そんな関係が一年続いた頃、京楽は海賊を辞めた。奪ってきた金銀財宝ではるか東国に屋敷を建て、海賊を解散させて浮竹と二人ですむようになった。
「浮竹、ボクのことは好きかい?」
「あ、好き」
もう、すりこまされた。
「侍女を雇うけど、いいよね?」
「京楽の好きなようにしてくれ。俺は、京楽が傍にいてくれるなら、それでいい」
「ふふふ‥‥‥‥君を手に入れるのに一年かかった。もう、逃がさない」
二人で静かに生活しだして三年が経つ頃、ソウルソサエティ王国の兵士が浮竹の居場所を掴んで救出にやってきた。
浮竹は、首を横に振って、一緒に帰るという選択をしなかった。
「もう、俺は京楽のものだ。京楽のものでいたい」
「しかし、姫殿下」
「俺は姫じゃない。もう、ソウルソサエティ王国に帰る気もない。ソウルソサエティ王国に帰るには身も心も汚い」
「姫殿下が王子というのは分かっています。とにかく、一度お戻りに」
「ボクの浮竹を連れ出そうっていうの?殺すよ?」
「京楽、殺さないでくれ!」
浮竹が懇願すると、京楽は兵士たちを叩きの占めたが命まではとらなかった。
「こんな辺境の地にいるのに、情報がもれたんだね。浮竹、引っ越しするよ。もっと遠くに逃げよう」
「分かった、京楽」
浮竹は、京楽に必要とされているので生きていた。
ソウルソサエティ王国にいた時代、誰にも必要とされず、はれもののように扱われていたが、両親は確かに浮竹を愛してくれていた。
でも、もっと誰かに必要とされたかった。
京楽に攫われて汚されて、出会いは最悪だったけれど、浮竹は京楽に抱かれるたびに愛を囁かれて、京楽のものになり、京楽の言葉を聞くようになっていた。
「荷物をまとめる」
「うん。浮竹はいい子だね」
「お前だけだ。俺を必要と言ってくれるのは」
「そうだよ。ボクだけだから。さぁ、ソウルソサエティ王国の手が伸びない遠国までにげるよ」
「分かった」
金目になるものを手に、二人は海に出た。
もう、京楽は海賊ではなくなっていた。
浮竹と暮らすようになって、海賊をやめて自分たちの農園で野菜を育てて、自給自足穏やかな生活を送っていた。
浮竹も、満足していた。
「さぁ、また一からやり直しだよ。ついてこれる、浮竹?」
「お前が行く場所なら、どこまでも」
浮竹は、はじめは洗脳されたようなかんじだったが、今は心から京楽を愛していた。
「さぁ、愛の逃避行といこうじゃないの」
「ああ」
二人は東の果ての果ての島国に居を構え、静かに暮らしていくのであった。
彼は、ソウルソサエティ王国の王子として生まれてきた。
しかし、ソウルソサエティ王国には魔女の呪いがかけられていて、男児が生まれると成人する前に命を落とす。
国王と王妃は、生まれてきた浮竹を、姫として育てることにした。
浮竹には姉と妹がいたが、浮竹が男であるということは知らなかった。浮竹が本当は王子であるということは、両親と一部の者を除いて知らなかった。
そんなソウルソサエティ王国に、近隣の海を荒らしまわっている海賊の京楽春水が、王女の身代金目的で王女を攫いにやってきた。
浮竹は姉と妹を隠して庇い、自分が拉致られた。
姫を凌辱しようとしていた京楽は、浮竹を汚そうとした。
身代金を払っても返す気はなく、奴隷として売ろうと思っていた。京楽は非情な海賊であった。
「残念だったな。俺は姫として育てられてきたが、実は王子だ。お前のものにはならない」
京楽は、浮竹の美貌に虜になっていた。
「それだけ綺麗なら、男でも構わないよ」
「え?」
浮竹は、京楽に汚された。
けれど、行為はすごく優しくて、きもちのいいものだった。
「京楽、俺を汚したのならもう気はすんだだろう。俺を解放してくれ。身代金はもう払われたはずだ」
「普通は、君を人買いに売るんだけどね。君を気に入ったよ。ボクのものにする」
京楽は、浮竹を口説きはじめた。
すでに肉体関係をもってしまっているので、順序が逆なのだが、京楽は気にすることなく浮竹を口説いた。
「君が好きになった。ボクだけのものになってよ」
「もう、お前は俺を汚して一度自分のものにしただろう。それでは満足できないのか?」
「ボクは海賊の京楽だよ。望んだものは全て手に入れる」
大量の身代金を払ったのに、帰ってこない浮竹に、国王と王妃は国をあげて救出作戦を展開し、京楽のいる海賊船は狙われることとなった。
京楽はすぐに海賊船を動かして、浮竹の両親の手が届かない遠い海域に行ってしまった。
「君の帰る場所はもうないよ。諦めてボクのものになりなよ」
「断る。悪逆非道な海賊のものになる気はない」
「じゃあ、ボクは善人になる」
その日から、悪逆非道と恐れられた京楽春水は消えた。
海賊稼業はすれど、人質の命は守り、金品だけを奪っていく。
人々を奴隷として売ることもなくなり、貧しい地域に金をばらまいた。
「ねぇ、ボクいい子になったよ。ボクのものになってよ」
「お前はすでに俺を汚しているだろう」
「あれはなかったことにする。もう一度、君を手に入れる」
浮竹は、再び京楽に抱かれた。
姫のドレス姿で。
「ああ!」
自分のものをくわえられて、浮竹は我慢できずに射精してしまう。
「ふふ、姫と思っていたら男だった。でも、ボクにはそんなことどっちでもいいよ。ボクは浮竹、君に惚れたんだよ」
「いやああああ」
浮竹は、京楽に貫かれて涙を零した。
汚されるのは二度目。
「やああ」
「でも、体は喜んでるよ?」
「やっ」
最奥を抉られて、浮竹は身をよじる。
「さぁ、ボクのものを注ぎ込んであげるから、ボクの子を孕んでね?姫として育てられたんだからさぉ」
「やああああ」
浮竹は、京楽に蹂躙されるが、不思議と死にたいとかそういうことは思わなかった。
「あ!」
どくんと大量の精液を胎の奥に注がれて、浮竹は意識を失った。
浮竹が気づいた時には、浮竹は違うドレスを着せられてベッドで横になっていた。
「俺は、性奴隷になったのか」
「違うよ。ボクの恋人だよ?」
ベッドの傍にいた京楽が、浮竹の頬を撫でる。
「京楽春水。どんなに望んでも、俺の心はあげない」
「ふふ、それはいつまでもつかな?」
誰も知り合いのいない海賊の船で、しゃべれるのは京楽とだけであった。
京楽は何度も浮竹を抱いた。
そのたびに身がとろけそうな快感を与えられた。
もう、京楽なしでは生きていけないような体になっていた。
「あ、京楽、早くう」
「ふふ、淫乱になったね?ボクだけのお姫様は」
「んあああああ!!!」
胎に精液を出されて、浮竹は女のようにいっていた。
もう、ソウルソサエティ王国には戻れない。
こんな汚れた体と心では。
浮竹は、半年以上も時間をかけられて、京楽の手の中に落ちていった。
「あ、孕んじゃううう」
「ふふ、僕だけのお姫様は孕めないくせに孕むっていうんだね。でも、君が男でよかった。女だと、ボクの手下たちにも汚されていた」
「それはいやあああ」
「浮竹なら男でも構わないって、君を汚そうとしていた部下は多かったよ。力でねじ伏せたけど」
「んあああ。京楽、京楽」
「浮竹‥‥‥‥好きだよ」
好きと言われるのも何度目だろうか。
もう、浮竹には何がなんだか分からなくなっていた。
そんな関係が一年続いた頃、京楽は海賊を辞めた。奪ってきた金銀財宝ではるか東国に屋敷を建て、海賊を解散させて浮竹と二人ですむようになった。
「浮竹、ボクのことは好きかい?」
「あ、好き」
もう、すりこまされた。
「侍女を雇うけど、いいよね?」
「京楽の好きなようにしてくれ。俺は、京楽が傍にいてくれるなら、それでいい」
「ふふふ‥‥‥‥君を手に入れるのに一年かかった。もう、逃がさない」
二人で静かに生活しだして三年が経つ頃、ソウルソサエティ王国の兵士が浮竹の居場所を掴んで救出にやってきた。
浮竹は、首を横に振って、一緒に帰るという選択をしなかった。
「もう、俺は京楽のものだ。京楽のものでいたい」
「しかし、姫殿下」
「俺は姫じゃない。もう、ソウルソサエティ王国に帰る気もない。ソウルソサエティ王国に帰るには身も心も汚い」
「姫殿下が王子というのは分かっています。とにかく、一度お戻りに」
「ボクの浮竹を連れ出そうっていうの?殺すよ?」
「京楽、殺さないでくれ!」
浮竹が懇願すると、京楽は兵士たちを叩きの占めたが命まではとらなかった。
「こんな辺境の地にいるのに、情報がもれたんだね。浮竹、引っ越しするよ。もっと遠くに逃げよう」
「分かった、京楽」
浮竹は、京楽に必要とされているので生きていた。
ソウルソサエティ王国にいた時代、誰にも必要とされず、はれもののように扱われていたが、両親は確かに浮竹を愛してくれていた。
でも、もっと誰かに必要とされたかった。
京楽に攫われて汚されて、出会いは最悪だったけれど、浮竹は京楽に抱かれるたびに愛を囁かれて、京楽のものになり、京楽の言葉を聞くようになっていた。
「荷物をまとめる」
「うん。浮竹はいい子だね」
「お前だけだ。俺を必要と言ってくれるのは」
「そうだよ。ボクだけだから。さぁ、ソウルソサエティ王国の手が伸びない遠国までにげるよ」
「分かった」
金目になるものを手に、二人は海に出た。
もう、京楽は海賊ではなくなっていた。
浮竹と暮らすようになって、海賊をやめて自分たちの農園で野菜を育てて、自給自足穏やかな生活を送っていた。
浮竹も、満足していた。
「さぁ、また一からやり直しだよ。ついてこれる、浮竹?」
「お前が行く場所なら、どこまでも」
浮竹は、はじめは洗脳されたようなかんじだったが、今は心から京楽を愛していた。
「さぁ、愛の逃避行といこうじゃないの」
「ああ」
二人は東の果ての果ての島国に居を構え、静かに暮らしていくのであった。
教師と式22
鬼の浮竹と鬼神の京楽は元に戻り、浮竹の屋敷から自分たちのマンションへ帰っていった。
浮竹は心配で、鬼の浮竹と鬼神の京楽の住んでいるマンションを、京楽と白哉を連れて訪れる。
「元気にしているか?」
「やぁ、元気?」
「主が心配しておられる」
三人の言葉に、鬼の浮竹と鬼神の京楽ははもって。
『『元気』』
と答えるのであった。
その日は、浮竹は日曜だったので学校は休みだった。
『ナポリタン作るんだけど、食べてく?』
「ああ、そういえば昼食を食べていなかったな。ご馳走になろう」
浮竹も京楽も白哉も、食べていくらしかった。
『ちょっと待っててね。その間、浮竹と話でもしてて』
『しばらく怪異の探偵を休業していたんだが、依頼がたまっていてな。何件か、そっちにまわしたいのだが、いいか?』
「いいぞ」
浮竹は出された紅茶を飲みながら、快諾する。
『水絡みの事件が多くてな。特に河童の事件が多い』
「河童なら、俺も何件か対処してきた。任せてくれ」
『じゃあ、頼もうか』
『ナポリタンスパゲッティできたよ』
鬼神の京楽に言われて、席について昼食としていただく。
白哉は京楽に自分の多い分を無理やり食べさせた。
「白哉くん、ちゃんと食べなきゃ。それでなくても細いのに」
「椿の花神は、それほど食べぬ。少量でいいのだ」
「いつもより少なくないか?」
浮竹が心配するが、白哉はやや顔を赤くして小さい声で呟く。
「恋次から、生気を直接わけてもらったゆえ」
「そうか、恋次くんか。白哉、隠さなくても恥じなくてもいいんだぞ?」
同じ椿の花鬼である恋次という青年と、白哉ができているのは浮竹も京楽も知っていた。
「恋次くんから直接生気をもらったのか」
「やるねぇ、白哉くん」
白哉は余計に頬を赤らめた。
「知らぬ」
呪符に戻ってしまった。
昼食を食べ終わり、河童が出るという川に着く。
なんでも、近くにいる人を川の中に引きずりこんで溺死させようとするのだという。一般的な河童の度をすぎた悪戯方法であった。
「河童、いるなら出てこい」
河童は出てこなくて、かわりに魚人が出てきた。
「河童の亜空(あくう)様の手下、うおうおだ。げぎゃぎゃぎゃ、川に引きずり込んで食べてやる」
「白哉、いけ」
「分かった、主」
白哉は雷を使って、うおうおという魚人を感電させて地面に転がす。
「ぬおおお、亜空さまあああ」
「なんだ、騒々しい」
出てきた亜空という名の河童は、普通の河童の五倍はある巨大な河童だった。
「人間風情が。この河童王の亜空様を退治にきたのか?」
「ああ、そうだ」
「けきゃきゃきゃ、面白い!水で溺死させてやる!」
亜空は、川の水を操って、浮竹たちを飲み込もうとするが、浮竹は結界をはってそれをやり過ごす。
「少しはできるようだな。では、これではどうだ?」
亜空は、川の水の刃を飛ばせてくる。
数が多くて、結界の一部が破れて、そこから入ってきた水の刃が浮竹の肩をかすった。
ぽたぽたと、血が流れ出る。
「よくも浮竹に傷を‥‥」
ゆらりと、京楽が桜の花びらをまとわせて、亜空に近づく。
「桜の花神!上級妖怪が、なぜ人ごときの式になっている!」
「そりゃ、浮竹が好きだからだよ」
「人などもろい。俺と同盟を組もう」
「死んでもごめんだね」
京楽は、抜き放っていた桜の刀を鞘におさめた。
居合いで、亜空の体は真っ二つにされていた。
「ぐおおおお。痛い、痛い」
「あれ、まだ死なないの。頑丈だねぇ」
「ここは、私に任せよ。雷よ」
白哉が雷をおこして、亜空に浴びせる。
「ぐぎいいいい、これしきに雷で」
「俺が雷を落とす」
「わお。雷神の雷はすごいよ?」
京楽の台詞に、胴を真っ二つにされた亜空が青ざめる。
「人と思っていたが、まさか雷神お雷虎か!?」
「そうだ。愚かなあやかしよ。くらえ」
「ぎゃああああああああああ」
雷神の雷を受けて、亜空は塵も残さずに黒焦げとなって消えていった。
「他に、河童の件は‥‥」
「隣町の池と、琥珀川だね。そう遠くないし、ついでだから退治しちゃおう」
「ああ。今年は猛暑で河童たちの気性が荒くなっている。祓うしかないな」
「主、さっきの傷は大丈夫か?」
心配気な白哉に、京楽が笑う。
「傷なら、ボクの生気を分けて治しておいたよ」
「エロ桜め」
「何を!?」
京楽と白哉は、ぎゃあぎゃあと言い争いをはじめる。
それを、浮竹はため息をついてなだめるのであった。
浮竹は心配で、鬼の浮竹と鬼神の京楽の住んでいるマンションを、京楽と白哉を連れて訪れる。
「元気にしているか?」
「やぁ、元気?」
「主が心配しておられる」
三人の言葉に、鬼の浮竹と鬼神の京楽ははもって。
『『元気』』
と答えるのであった。
その日は、浮竹は日曜だったので学校は休みだった。
『ナポリタン作るんだけど、食べてく?』
「ああ、そういえば昼食を食べていなかったな。ご馳走になろう」
浮竹も京楽も白哉も、食べていくらしかった。
『ちょっと待っててね。その間、浮竹と話でもしてて』
『しばらく怪異の探偵を休業していたんだが、依頼がたまっていてな。何件か、そっちにまわしたいのだが、いいか?』
「いいぞ」
浮竹は出された紅茶を飲みながら、快諾する。
『水絡みの事件が多くてな。特に河童の事件が多い』
「河童なら、俺も何件か対処してきた。任せてくれ」
『じゃあ、頼もうか』
『ナポリタンスパゲッティできたよ』
鬼神の京楽に言われて、席について昼食としていただく。
白哉は京楽に自分の多い分を無理やり食べさせた。
「白哉くん、ちゃんと食べなきゃ。それでなくても細いのに」
「椿の花神は、それほど食べぬ。少量でいいのだ」
「いつもより少なくないか?」
浮竹が心配するが、白哉はやや顔を赤くして小さい声で呟く。
「恋次から、生気を直接わけてもらったゆえ」
「そうか、恋次くんか。白哉、隠さなくても恥じなくてもいいんだぞ?」
同じ椿の花鬼である恋次という青年と、白哉ができているのは浮竹も京楽も知っていた。
「恋次くんから直接生気をもらったのか」
「やるねぇ、白哉くん」
白哉は余計に頬を赤らめた。
「知らぬ」
呪符に戻ってしまった。
昼食を食べ終わり、河童が出るという川に着く。
なんでも、近くにいる人を川の中に引きずりこんで溺死させようとするのだという。一般的な河童の度をすぎた悪戯方法であった。
「河童、いるなら出てこい」
河童は出てこなくて、かわりに魚人が出てきた。
「河童の亜空(あくう)様の手下、うおうおだ。げぎゃぎゃぎゃ、川に引きずり込んで食べてやる」
「白哉、いけ」
「分かった、主」
白哉は雷を使って、うおうおという魚人を感電させて地面に転がす。
「ぬおおお、亜空さまあああ」
「なんだ、騒々しい」
出てきた亜空という名の河童は、普通の河童の五倍はある巨大な河童だった。
「人間風情が。この河童王の亜空様を退治にきたのか?」
「ああ、そうだ」
「けきゃきゃきゃ、面白い!水で溺死させてやる!」
亜空は、川の水を操って、浮竹たちを飲み込もうとするが、浮竹は結界をはってそれをやり過ごす。
「少しはできるようだな。では、これではどうだ?」
亜空は、川の水の刃を飛ばせてくる。
数が多くて、結界の一部が破れて、そこから入ってきた水の刃が浮竹の肩をかすった。
ぽたぽたと、血が流れ出る。
「よくも浮竹に傷を‥‥」
ゆらりと、京楽が桜の花びらをまとわせて、亜空に近づく。
「桜の花神!上級妖怪が、なぜ人ごときの式になっている!」
「そりゃ、浮竹が好きだからだよ」
「人などもろい。俺と同盟を組もう」
「死んでもごめんだね」
京楽は、抜き放っていた桜の刀を鞘におさめた。
居合いで、亜空の体は真っ二つにされていた。
「ぐおおおお。痛い、痛い」
「あれ、まだ死なないの。頑丈だねぇ」
「ここは、私に任せよ。雷よ」
白哉が雷をおこして、亜空に浴びせる。
「ぐぎいいいい、これしきに雷で」
「俺が雷を落とす」
「わお。雷神の雷はすごいよ?」
京楽の台詞に、胴を真っ二つにされた亜空が青ざめる。
「人と思っていたが、まさか雷神お雷虎か!?」
「そうだ。愚かなあやかしよ。くらえ」
「ぎゃああああああああああ」
雷神の雷を受けて、亜空は塵も残さずに黒焦げとなって消えていった。
「他に、河童の件は‥‥」
「隣町の池と、琥珀川だね。そう遠くないし、ついでだから退治しちゃおう」
「ああ。今年は猛暑で河童たちの気性が荒くなっている。祓うしかないな」
「主、さっきの傷は大丈夫か?」
心配気な白哉に、京楽が笑う。
「傷なら、ボクの生気を分けて治しておいたよ」
「エロ桜め」
「何を!?」
京楽と白哉は、ぎゃあぎゃあと言い争いをはじめる。
それを、浮竹はため息をついてなだめるのであった。
黒猫の寵姫
ソウル帝国407年。
皇帝は、10貴族から選抜された者が皇帝となった。
先代の皇帝が没して3年の空白期間を得て、ソウル帝国の皇帝は10貴族が一人、阿散井恋次となった。
「は~つまんねぇ。闇マーケットにかわいい子いねーかみてくるか」
恋次は、皇帝となったものの、政治は10貴族に任せきりで、お飾りの皇帝だった。
後宮には、恋次が気に入った娘たちが入れられて、寵姫となっていた。
その日、闇マーケットは騒がしかった。実に50年ぶりに、黒猫の亜人が奴隷として出品されるのだという。
「どんな子だろ」
恋次は、皇帝なのにお供の者も連れずに、闇マーケットで奴隷のオークションが開始されるのを待った。
「さて、次は本日の目玉商品!なんと、黒猫の亜人の青年だ!その美しさに、誰もが心奪われる!さぁさぁ」
「なんだ、野郎か」
出てきたのは、絹のような黒髪に黒い瞳、白い肌をした男性とはとても思えない、美しい青年だった。
「1億!」
「1億3千万!」
「10億」
気づけば、恋次はその黒猫の青年を競り落としていた。
「10億がでたー!さぁ、他にいませんか」
さすがに、10億以上を出す者はいなくて、恋次が黒猫の亜人の青年を落札した。
黒猫の亜人の青年の名は、朽木白哉。
人攫いに攫われて、はるばるソウル帝国の闇マーケットに売られたのだという。
ソサエティ王国という国の、貴族出身の若者だった。
「主と、呼べばいいのか」
白哉は、貴族らしい物言いの青年だった。
「いや、恋次でいいっす」
年は24歳。恋次より3つ年上だった。
「何を呆けておるのだ」
「いや、綺麗だなぁと思って」
「それで、私は何をすればいい。労働か。それとも性奴隷か」
白哉はドライな性格で、自分の立場を悲しむことなく、淡々としていた。
「いや、あんたを奴隷から解放します」
「解放されたところで、行く当ても金もない。故郷に帰るあてもないし、ここから遠すぎる。兄は、私に10億を出した。その働きはせねばなるまい」
「いや、まじでいいですから!」
「私を抱くか?」
「え、いいんすか?」
「私は兄のものだ。兄が望むことをするのが、私の仕事であろう」
恋次は、服を脱ごうとする白哉を止める。
「いや、無理しないでください。今日は、風呂に入って飯くって、ゆっくり寝てください」
「よいのか、それで」
「はい」
白哉は、言われた通りにした。
白哉が起きると、そこは宮殿の一室だった。
「私は‥‥」
「あ、起きましたか?」
「恋次、だったか」
「はい。白哉さんって呼んでいいですか」
「なんでもかまわぬ」
「じゃあ、白哉さんで」
白哉は、恋次が皇帝であることに驚きはしたが、顔には出さなかった。
「俺の、付き人になってください」
「執事のようなものか?」
「まぁ、似たようなもんすかね」
「分かった」
白哉は、恋次の付き人になった。
恋次は、白哉に恋心を抱くようになっていた。悟られないように振る舞うが、自然と視線は白哉を追ってしまう。
「ああ、なんて格好してるんですか!」
ある日、白哉が胸のあいたちょっと見た目にも煽情的な衣服を着ていたものだから、恋次は上着を脱いで白哉に着せた。
「メイドが、この服を切ればいちころだといっていた。意味が分からぬが」
「ああもう、ルキアのやつ」
後で叱っておこうと思って白哉のほうを向くと、白哉が恋次に口づけをしてきた。
ぺろりと、唇を舐める煽情的な仕草に、唾を飲み込む。
「酒持ってきてください。ありったけ」
酒を飲んで、忘れようと思った。
結果、少し酔ったが、同じように飲めと言われた白哉はかなり酔っていた。
「あーもう、知らないっすからね」
白哉をお姫様抱っこする。見た目も華奢だったが、体重も軽かった。
「ちゃんと食べてます?」
「ほどほどに」
白哉は、とろんとした瞳で見つめてくる。
恋次の我慢の糸は、すでに切れていた。
白哉をベッドに寝かせると、衣服をはぎとって、自分も裸になる。
「あんたから、誘ってきたんすからね」
「そうだ。そういう意味で、キスをした。兄は、ずっとそういう目で私を見ていたであろうが」
「それはそうですけど」
「抱きたいなら、素直に言えばいい。私は、兄のものなのだから」
「抱きますよ?」
「好きにせよ」
まず、キスをした。
逃げる白哉の舌を絡めとり、両手を頭の上で拘束して、何度も口づける。
「ふあっ」
漏れた白哉の声だけで、恋次はいきそうになっていた。
細い体を愛撫して、胸の先端を舐め転がす。黒猫の耳と尻尾を触ると、性感帯なのか、ぴくりと反応する。
「んっ」
「もっと、声きかせてください」
「ああっ」
下肢を触られて、白哉は足を閉じようとする。
膝で割って入り、恋次は白哉のものに舌を這わせた。
「っはぁ」
びくんと、白哉の全身が動く。
「あ、もうだめえええ」
白哉は、恋次の口の中に精液をはきだしていた。
「はぁはぁ」
息が整う前に、潤滑油をまとった指が、体内に侵入する。
「あっ」
前立腺を刺激されて、白哉は濡れた声を出す。
それが腰にきて、恋次は手早く白哉の蕾をほぐすと、自分のものをあてがい、引き裂いた。
「ああああ!!!」
悲鳴に似た声だった。
「痛い?」
「あう」
「大丈夫っすか?」
「あ、平気だ」
とてもそうは見えないが、恋次は続けた。
もう、とてもじゃないが我慢がきかない。
白哉の中は熱くて狭くて、恋次ものを締め付けてくる。
「あ」
恋次が動くと、ぐちゅりと、音がなった。
「痛くしたらすみません」
「ああ、あ、あ」
パンパンと、肉と肉をぶつけ合わせる。
「ひあああ!」
最奥を突きあげると、白哉はびくりと痙攣して、精液を出す。
同時に、恋次も白哉の中に精液を吐き出していた。
「まだ、続けますよ」
「あう」
ぐりっと奥をえぐらて、白哉はドライのオーガズムでいっていた。
「白哉さん、かわいい」
「ひあ、恋次」
「もっと、名前呼んでください」
「あ、恋次、恋次。熱が昂って、止まらぬ」
「一緒にいきましょう」
「んああああ」
白哉の中をこすりあげて、最奥を貫く。肩に白哉の細い足を抱え込むと、より深くはいった。
「ひあ、深い」
「奥の奥まで、抉ってあげます」
「やあああああ」
前をいじられながら、胎の奥まで侵入されて、白哉はドライでいきながら、精液を出していた。
恋次も、白哉の胎の奥に精液を叩きつける。
「んああ、あ」
ずるりと引き抜かれると、中に出したものが逆流して溢れ、シーツ白い水たまりをつくる。
「白哉さん、好きです」
「ん‥‥」
おぼろげな意識の下で、白哉は静かに「そうか」と呟く。
「‥‥‥‥あ」
白哉が目覚めると、後始末は全て終わった後で、違う新しい衣服を着て、違うベッドで眠っていたらしかった。
「恋次?」
「はい、白哉さん」
「私はどれくらい眠っていた?」
「半日ですかね。無理、させすぎましたね。すんません」
「半日も‥‥‥仕事が‥‥」
白哉は、恋次の代わりに書類仕事をするようになっていた。
腐っても皇帝なので、その気になれば仕事はある。
「今日は大人しく寝ていてください」
「そうする。腰が痛い」
白哉は、その日から恋次の寵姫として扱われるようになった。
子はなせないが、元々皇帝は10貴族の中から選抜して選ばれるので、跡継ぎなどの問題はなかった。
「今日は、何をすればいい?」
「子守唄、歌ってください。あと、膝枕してもらっていいですか」
「私は、あまり歌はうまくないぞ」
「かまいません」
白哉は、うまくないというが、歌姫もかくやという歌声をもっていた。
白哉の歌声を聞きながら、恋次は白哉の黒猫の尻尾をいじる。
「んっ。尻尾は、よせ」
歌声がやみ、白哉が目を潤ませる。
「感じちゃいました?」
「うるさい」
白哉はつーんとあらぬ方角を見る。
「白哉さん」
「なんだ」
「好きです」
「そうか」
「白哉さんは?」
「知らぬ」
少し赤くなって、白哉はまた歌い始める。
黒猫の寵姫。
男でありながら、後宮に入った。
恋次は白哉を寵愛し、他の寵姫たちを無視するようになった。
他の寵姫たちも、白哉の美貌に惚れて、白哉に迫る者もいたが、そんな寵姫は恋次が排除した。
黒猫の寵姫と言われ、長い間白哉は恋次に寵愛されるのであった。
皇帝は、10貴族から選抜された者が皇帝となった。
先代の皇帝が没して3年の空白期間を得て、ソウル帝国の皇帝は10貴族が一人、阿散井恋次となった。
「は~つまんねぇ。闇マーケットにかわいい子いねーかみてくるか」
恋次は、皇帝となったものの、政治は10貴族に任せきりで、お飾りの皇帝だった。
後宮には、恋次が気に入った娘たちが入れられて、寵姫となっていた。
その日、闇マーケットは騒がしかった。実に50年ぶりに、黒猫の亜人が奴隷として出品されるのだという。
「どんな子だろ」
恋次は、皇帝なのにお供の者も連れずに、闇マーケットで奴隷のオークションが開始されるのを待った。
「さて、次は本日の目玉商品!なんと、黒猫の亜人の青年だ!その美しさに、誰もが心奪われる!さぁさぁ」
「なんだ、野郎か」
出てきたのは、絹のような黒髪に黒い瞳、白い肌をした男性とはとても思えない、美しい青年だった。
「1億!」
「1億3千万!」
「10億」
気づけば、恋次はその黒猫の青年を競り落としていた。
「10億がでたー!さぁ、他にいませんか」
さすがに、10億以上を出す者はいなくて、恋次が黒猫の亜人の青年を落札した。
黒猫の亜人の青年の名は、朽木白哉。
人攫いに攫われて、はるばるソウル帝国の闇マーケットに売られたのだという。
ソサエティ王国という国の、貴族出身の若者だった。
「主と、呼べばいいのか」
白哉は、貴族らしい物言いの青年だった。
「いや、恋次でいいっす」
年は24歳。恋次より3つ年上だった。
「何を呆けておるのだ」
「いや、綺麗だなぁと思って」
「それで、私は何をすればいい。労働か。それとも性奴隷か」
白哉はドライな性格で、自分の立場を悲しむことなく、淡々としていた。
「いや、あんたを奴隷から解放します」
「解放されたところで、行く当ても金もない。故郷に帰るあてもないし、ここから遠すぎる。兄は、私に10億を出した。その働きはせねばなるまい」
「いや、まじでいいですから!」
「私を抱くか?」
「え、いいんすか?」
「私は兄のものだ。兄が望むことをするのが、私の仕事であろう」
恋次は、服を脱ごうとする白哉を止める。
「いや、無理しないでください。今日は、風呂に入って飯くって、ゆっくり寝てください」
「よいのか、それで」
「はい」
白哉は、言われた通りにした。
白哉が起きると、そこは宮殿の一室だった。
「私は‥‥」
「あ、起きましたか?」
「恋次、だったか」
「はい。白哉さんって呼んでいいですか」
「なんでもかまわぬ」
「じゃあ、白哉さんで」
白哉は、恋次が皇帝であることに驚きはしたが、顔には出さなかった。
「俺の、付き人になってください」
「執事のようなものか?」
「まぁ、似たようなもんすかね」
「分かった」
白哉は、恋次の付き人になった。
恋次は、白哉に恋心を抱くようになっていた。悟られないように振る舞うが、自然と視線は白哉を追ってしまう。
「ああ、なんて格好してるんですか!」
ある日、白哉が胸のあいたちょっと見た目にも煽情的な衣服を着ていたものだから、恋次は上着を脱いで白哉に着せた。
「メイドが、この服を切ればいちころだといっていた。意味が分からぬが」
「ああもう、ルキアのやつ」
後で叱っておこうと思って白哉のほうを向くと、白哉が恋次に口づけをしてきた。
ぺろりと、唇を舐める煽情的な仕草に、唾を飲み込む。
「酒持ってきてください。ありったけ」
酒を飲んで、忘れようと思った。
結果、少し酔ったが、同じように飲めと言われた白哉はかなり酔っていた。
「あーもう、知らないっすからね」
白哉をお姫様抱っこする。見た目も華奢だったが、体重も軽かった。
「ちゃんと食べてます?」
「ほどほどに」
白哉は、とろんとした瞳で見つめてくる。
恋次の我慢の糸は、すでに切れていた。
白哉をベッドに寝かせると、衣服をはぎとって、自分も裸になる。
「あんたから、誘ってきたんすからね」
「そうだ。そういう意味で、キスをした。兄は、ずっとそういう目で私を見ていたであろうが」
「それはそうですけど」
「抱きたいなら、素直に言えばいい。私は、兄のものなのだから」
「抱きますよ?」
「好きにせよ」
まず、キスをした。
逃げる白哉の舌を絡めとり、両手を頭の上で拘束して、何度も口づける。
「ふあっ」
漏れた白哉の声だけで、恋次はいきそうになっていた。
細い体を愛撫して、胸の先端を舐め転がす。黒猫の耳と尻尾を触ると、性感帯なのか、ぴくりと反応する。
「んっ」
「もっと、声きかせてください」
「ああっ」
下肢を触られて、白哉は足を閉じようとする。
膝で割って入り、恋次は白哉のものに舌を這わせた。
「っはぁ」
びくんと、白哉の全身が動く。
「あ、もうだめえええ」
白哉は、恋次の口の中に精液をはきだしていた。
「はぁはぁ」
息が整う前に、潤滑油をまとった指が、体内に侵入する。
「あっ」
前立腺を刺激されて、白哉は濡れた声を出す。
それが腰にきて、恋次は手早く白哉の蕾をほぐすと、自分のものをあてがい、引き裂いた。
「ああああ!!!」
悲鳴に似た声だった。
「痛い?」
「あう」
「大丈夫っすか?」
「あ、平気だ」
とてもそうは見えないが、恋次は続けた。
もう、とてもじゃないが我慢がきかない。
白哉の中は熱くて狭くて、恋次ものを締め付けてくる。
「あ」
恋次が動くと、ぐちゅりと、音がなった。
「痛くしたらすみません」
「ああ、あ、あ」
パンパンと、肉と肉をぶつけ合わせる。
「ひあああ!」
最奥を突きあげると、白哉はびくりと痙攣して、精液を出す。
同時に、恋次も白哉の中に精液を吐き出していた。
「まだ、続けますよ」
「あう」
ぐりっと奥をえぐらて、白哉はドライのオーガズムでいっていた。
「白哉さん、かわいい」
「ひあ、恋次」
「もっと、名前呼んでください」
「あ、恋次、恋次。熱が昂って、止まらぬ」
「一緒にいきましょう」
「んああああ」
白哉の中をこすりあげて、最奥を貫く。肩に白哉の細い足を抱え込むと、より深くはいった。
「ひあ、深い」
「奥の奥まで、抉ってあげます」
「やあああああ」
前をいじられながら、胎の奥まで侵入されて、白哉はドライでいきながら、精液を出していた。
恋次も、白哉の胎の奥に精液を叩きつける。
「んああ、あ」
ずるりと引き抜かれると、中に出したものが逆流して溢れ、シーツ白い水たまりをつくる。
「白哉さん、好きです」
「ん‥‥」
おぼろげな意識の下で、白哉は静かに「そうか」と呟く。
「‥‥‥‥あ」
白哉が目覚めると、後始末は全て終わった後で、違う新しい衣服を着て、違うベッドで眠っていたらしかった。
「恋次?」
「はい、白哉さん」
「私はどれくらい眠っていた?」
「半日ですかね。無理、させすぎましたね。すんません」
「半日も‥‥‥仕事が‥‥」
白哉は、恋次の代わりに書類仕事をするようになっていた。
腐っても皇帝なので、その気になれば仕事はある。
「今日は大人しく寝ていてください」
「そうする。腰が痛い」
白哉は、その日から恋次の寵姫として扱われるようになった。
子はなせないが、元々皇帝は10貴族の中から選抜して選ばれるので、跡継ぎなどの問題はなかった。
「今日は、何をすればいい?」
「子守唄、歌ってください。あと、膝枕してもらっていいですか」
「私は、あまり歌はうまくないぞ」
「かまいません」
白哉は、うまくないというが、歌姫もかくやという歌声をもっていた。
白哉の歌声を聞きながら、恋次は白哉の黒猫の尻尾をいじる。
「んっ。尻尾は、よせ」
歌声がやみ、白哉が目を潤ませる。
「感じちゃいました?」
「うるさい」
白哉はつーんとあらぬ方角を見る。
「白哉さん」
「なんだ」
「好きです」
「そうか」
「白哉さんは?」
「知らぬ」
少し赤くなって、白哉はまた歌い始める。
黒猫の寵姫。
男でありながら、後宮に入った。
恋次は白哉を寵愛し、他の寵姫たちを無視するようになった。
他の寵姫たちも、白哉の美貌に惚れて、白哉に迫る者もいたが、そんな寵姫は恋次が排除した。
黒猫の寵姫と言われ、長い間白哉は恋次に寵愛されるのであった。
黒猫の外伝 浮竹と京楽
ソウル帝国で、代々騎士団の副団長を務めるのは京楽というエルフの一族だった。
団長にもなったりもしたし、近衛騎士として動くこともあった。
皇帝が黒崎一護になり、京楽は剣の稽古を一護につけた。
ある日、一護が珍しい白猫の亜人の少年を連れ帰ってきた。その美しさに、京楽は言葉を失った。
「君‥‥‥名前は?」
「浮竹十四郎。一護くんに買われた奴隷だ。正確には、保護されたというべきか」
一護は、まだ13歳だった。
浮竹もまだ17歳くらいで、性奴隷として闇マーケットに売りに出されていたところを、一護に買われて保護された。
女であれば、寵姫として後宮に入れられただろう。
それくらい、美しかった。
「‥‥‥‥惚れた」
「は?」
浮竹は、目をハートマークにする京楽から、その日から愛の告白を毎日のように聞くことになるのであった。
「浮竹、今日も綺麗だね」
「お前は‥‥仕事もせず俺のところになんてきたりして」
浮竹は、とりあえず兵士として一護の傍にいることになったのだが、その剣の腕は副団長でもある京楽に引けをとらず、騎士となり、やがて騎士団の団長になった。
「仕事をしろ、仕事を」
「でも、ボクらの仕事は国を守ることじゃない。あとは、一護くんに剣の稽古をさせること」
「俺も、剣の師匠として、一護くんには強くなってもらう。俺を性奴隷から解放してくれた恩人だしな」
「浮竹は美人だもんねぇ」
「お前、いやらしい目つきでこっちを見るな」
「だって、ボクは浮竹、君に惚れたから。好きだよ?」
「あいにく、俺はそういう趣味はない」
「偶然だね。ボクも、そういう趣味はないんだよ」
「なら、なぜ俺を口説く?」
「綺麗だから」
浮竹はため息を零して、剣を手にとる。
「俺に勝てたら、お前と付き合ってやる」
「まじで?」
「ああ」
浮竹の言葉を聞いて、京楽は本気を出した。
その強さに、浮竹は負けた。
「お前、こんなに強かったのか。なのに、なぜ副団長の座にいる」
「えー、だって団長っていろいろあってかたっ苦しいじゃない。とりあえず、ボクが勝ったから君は今日からボクとお付き合いしてね」
最初は、友人の延長線のような関係だった。
それが半年ほど続き、ある日酔った京楽に押し倒されて口づけされた。
その次の日から、浮竹は京楽と少し距離を置くようになった。
浮竹は、剣の腕はあったが、外見のせいで性的な目で見られることが多く、それがたまらなく嫌いであった。
京楽からの視線は嫌ではなかったが、やはり少し距離を置きたくなった。
「浮竹は、ボクのこと嫌い?」
「いや‥‥‥ただ、こういう、なんというのか同性同士の恋愛には慣れていないから」
「ボクが手とり足とり教えてあげるよ?」
「けっこうだ」
浮竹は、一護の剣の師匠として一護に剣術を教える。騎士団に所属する騎士たちにも、剣の指導をした。
「団長なのに、筋肉あんまりつかないね」
「うるさい」
「ねぇ、ケーキ買ってきたんだよ。甘いもの好きって聞いたから」
「何、ケーキだと?」
食べ物でつれる浮竹。
案外ちょろいかもと、京楽は思う。
「ねぇ、試しにボクと寝てみない?」
「嫌だ」
「そう言わずに。スイーツ食べ放題のチケットあげるから」
「本当か?」
目をきらきら輝かせる浮竹に、京楽はしめしめと思った。
酒を飲ませて、酒に酔った勢いのまま浮竹を宿で押し倒して抱いた。
「‥‥‥‥きもちよかった。最悪だ」
「きもちよかったならいいじゃない。ボクたち、付き合ってるんだし」
「同僚だぞ。最悪だ」
「気にしない気にしない」
「俺が気にする!」
一護が、浮竹と京楽の関係に気づいていたが、特に何も言わなかった。
「浮竹さん、京楽さん、今日もお願いします」
「一護くんは素直でいいねぇ。どこかの誰かもこれくらい素直ならないかなぁ」
「京楽、殺されたいか」
剣を抜き放つ浮竹に追いかけられても、京楽は楽し気だった。
酒で関係をもってから、何度か肉体関係をもった。
浮竹は、京楽を好きになっていた。
無論、京楽は初めから浮竹のことが好きだ。
「京楽」
「なんだい?」
「伴侶に、ならないか」
プロポーズは、浮竹のほうからだった。
「え、結婚してくれるの!?」
「だって、そういう仲だし‥‥‥その‥‥式は挙げないからな!」
ぽいっと。浮竹は京楽にペアリングを放り投げる。
「嬉しい!大切にするね?」
式は挙げず、籍だけ入れた。
一護に祝われて、浮竹は真っ赤になっていた。
そんな初々しいところも、京楽は好きだった。
これは一護とルキアが出会う前のお話。
団長にもなったりもしたし、近衛騎士として動くこともあった。
皇帝が黒崎一護になり、京楽は剣の稽古を一護につけた。
ある日、一護が珍しい白猫の亜人の少年を連れ帰ってきた。その美しさに、京楽は言葉を失った。
「君‥‥‥名前は?」
「浮竹十四郎。一護くんに買われた奴隷だ。正確には、保護されたというべきか」
一護は、まだ13歳だった。
浮竹もまだ17歳くらいで、性奴隷として闇マーケットに売りに出されていたところを、一護に買われて保護された。
女であれば、寵姫として後宮に入れられただろう。
それくらい、美しかった。
「‥‥‥‥惚れた」
「は?」
浮竹は、目をハートマークにする京楽から、その日から愛の告白を毎日のように聞くことになるのであった。
「浮竹、今日も綺麗だね」
「お前は‥‥仕事もせず俺のところになんてきたりして」
浮竹は、とりあえず兵士として一護の傍にいることになったのだが、その剣の腕は副団長でもある京楽に引けをとらず、騎士となり、やがて騎士団の団長になった。
「仕事をしろ、仕事を」
「でも、ボクらの仕事は国を守ることじゃない。あとは、一護くんに剣の稽古をさせること」
「俺も、剣の師匠として、一護くんには強くなってもらう。俺を性奴隷から解放してくれた恩人だしな」
「浮竹は美人だもんねぇ」
「お前、いやらしい目つきでこっちを見るな」
「だって、ボクは浮竹、君に惚れたから。好きだよ?」
「あいにく、俺はそういう趣味はない」
「偶然だね。ボクも、そういう趣味はないんだよ」
「なら、なぜ俺を口説く?」
「綺麗だから」
浮竹はため息を零して、剣を手にとる。
「俺に勝てたら、お前と付き合ってやる」
「まじで?」
「ああ」
浮竹の言葉を聞いて、京楽は本気を出した。
その強さに、浮竹は負けた。
「お前、こんなに強かったのか。なのに、なぜ副団長の座にいる」
「えー、だって団長っていろいろあってかたっ苦しいじゃない。とりあえず、ボクが勝ったから君は今日からボクとお付き合いしてね」
最初は、友人の延長線のような関係だった。
それが半年ほど続き、ある日酔った京楽に押し倒されて口づけされた。
その次の日から、浮竹は京楽と少し距離を置くようになった。
浮竹は、剣の腕はあったが、外見のせいで性的な目で見られることが多く、それがたまらなく嫌いであった。
京楽からの視線は嫌ではなかったが、やはり少し距離を置きたくなった。
「浮竹は、ボクのこと嫌い?」
「いや‥‥‥ただ、こういう、なんというのか同性同士の恋愛には慣れていないから」
「ボクが手とり足とり教えてあげるよ?」
「けっこうだ」
浮竹は、一護の剣の師匠として一護に剣術を教える。騎士団に所属する騎士たちにも、剣の指導をした。
「団長なのに、筋肉あんまりつかないね」
「うるさい」
「ねぇ、ケーキ買ってきたんだよ。甘いもの好きって聞いたから」
「何、ケーキだと?」
食べ物でつれる浮竹。
案外ちょろいかもと、京楽は思う。
「ねぇ、試しにボクと寝てみない?」
「嫌だ」
「そう言わずに。スイーツ食べ放題のチケットあげるから」
「本当か?」
目をきらきら輝かせる浮竹に、京楽はしめしめと思った。
酒を飲ませて、酒に酔った勢いのまま浮竹を宿で押し倒して抱いた。
「‥‥‥‥きもちよかった。最悪だ」
「きもちよかったならいいじゃない。ボクたち、付き合ってるんだし」
「同僚だぞ。最悪だ」
「気にしない気にしない」
「俺が気にする!」
一護が、浮竹と京楽の関係に気づいていたが、特に何も言わなかった。
「浮竹さん、京楽さん、今日もお願いします」
「一護くんは素直でいいねぇ。どこかの誰かもこれくらい素直ならないかなぁ」
「京楽、殺されたいか」
剣を抜き放つ浮竹に追いかけられても、京楽は楽し気だった。
酒で関係をもってから、何度か肉体関係をもった。
浮竹は、京楽を好きになっていた。
無論、京楽は初めから浮竹のことが好きだ。
「京楽」
「なんだい?」
「伴侶に、ならないか」
プロポーズは、浮竹のほうからだった。
「え、結婚してくれるの!?」
「だって、そういう仲だし‥‥‥その‥‥式は挙げないからな!」
ぽいっと。浮竹は京楽にペアリングを放り投げる。
「嬉しい!大切にするね?」
式は挙げず、籍だけ入れた。
一護に祝われて、浮竹は真っ赤になっていた。
そんな初々しいところも、京楽は好きだった。
これは一護とルキアが出会う前のお話。
黒猫の皇妃終章
ルキアは、一護と出会ってから4年目を迎えようとしていた。
もう少女という年ではなくなり、20歳になっていた、
一護も22歳になっていた。
二人は正式に婚姻し、ルキアはソウル帝国の皇妃になった。
最初は黒猫の皇妃と蔑まれていたが、ルキアはかまわなかった。
子供を産むことができるようになった。
子ができないのは、生まれつきの呪いのせいであった。
ルキアは、呪いを解呪された翌月には身籠り、一護と出会って3年と少し経った頃に男児を懐妊し、4年目になった頃に、皇太子を産んだ。
ソウル帝国中が喜び、ルキアの名は一気に世界にとどろいた。
黒猫の亜人でありながら、子を産み、皇妃になったと。
ルキアは、黒猫と白猫の亜人の保護を世界に訴えた。奴隷となっているなら、国で買いとるという形にした。結果、奴隷とされていた黒猫と白猫の亜人のほとんどが解放された。
「ルキア様万歳!一護陛下万歳!」
国中が皇太子の誕生に浮かれた。
一護は皇太子に一勇と名付け、ルキアと一緒に大切にした。
「こら、一勇!」
「べーだ。父様なんか嫌いだ。勉強勉強ばかりで!」
一護は、7歳になった皇太子に、帝王学を学ばせはじめていた。
一勇を産んで3年後、ルキアは女児を出産し、苺花と名付けられた。
「お兄様待って」
「苺花はいいよな。女だから、嫁入り修行すればいいだけだから」
一勇の言葉に、一護が首を横に振る。
「苺花ももう少し大きくなったら、帝王学を学ばせる」
「父様は無茶苦茶だ」
「こら、一勇。言いすぎだ」
「でも、母様」
ルキアは、二人の我が子を抱きしめて、微笑む。
「二人とも、愛しているぞ」
「俺も母様大好き!」
「母様」
「ルキアは俺のものだ!」
一護が、ルキアを奪う。
「ぶーぶー。父様、母様独占しすぎー」
ルキアは困った顔を浮かべる。
「母様はな、父様が大好きなのだ。だから、独占されても構わぬのだ」
「ルキア、愛してる」
「一護、私も愛している」
一護とルキアは、我が子の前でも国民の前でも家臣の前でもラブラブいちゃいいちゃする。
もう、周囲は止めることを諦めた。
「そういえば、もうすぐルキアの誕生日だったな」
「そういえば、そうだったな」
「よし、雪国のスノー王国に子供たちも一緒に旅行に出かけるか」
「国をあけても平気なのか、一護」
「ああ。一週間くらいなら、平気だろ。国は騎士団の団長の恋次が守ってくれるし、浮竹さんや京楽さんもいる」
どこかの国から戦争をもちかけられても、叩き潰す自信があった。
「じゃあ、俺はスノー王国に旅行できるように仕事を調節してくる」
「一護、あまり根を詰めぬようにな」
「ああ」
一護は、執務をささっと終わらせて一週間の休暇をもぎとった。
ルキアと一緒に、スノー王国への滞在許可をもらい、子供たちと一緒に家族旅行に出かけた。皇族なので、護衛がいるのは仕方ないが、国外に家族旅行に行くのは初めてだった。
ルキアは雪を見るのが初めてで、はしゃいで滑って転んだ。
「ルキア、大丈夫か?」
「ああ、大丈夫だ。一面銀世界だな。寒いが、綺麗だ」
「ルキアのほうが、綺麗だぜ?」
「い、一護、恥ずかしい」
「何を今さら」
「うむ、そうだな」
雪だるまをつくったり、かまくらや雪うさぎを作ったり、雪玉の投げ合いもした。
「さすがに寒いな。滞在する宿に戻ろう。確か、温泉がわいているんだったな?」
「ああ。一緒に入るか」
「そうだな」
貸し切り状態なので、子供たちと一緒に入った。
雪国で温泉に入り、旅行を満喫して一護とルキアと子供たちは帰国した。
ルキアは、黒猫の皇妃という異名で知られている。もう、差別的な意味は含まれず、よき皇妃として皇帝である黒崎一護を支えた。
一護とルキアの名は、ソウル帝国でも名君と謡われて長くに渡り語り継がれていくのであった。
黒猫の皇妃 END
もう少女という年ではなくなり、20歳になっていた、
一護も22歳になっていた。
二人は正式に婚姻し、ルキアはソウル帝国の皇妃になった。
最初は黒猫の皇妃と蔑まれていたが、ルキアはかまわなかった。
子供を産むことができるようになった。
子ができないのは、生まれつきの呪いのせいであった。
ルキアは、呪いを解呪された翌月には身籠り、一護と出会って3年と少し経った頃に男児を懐妊し、4年目になった頃に、皇太子を産んだ。
ソウル帝国中が喜び、ルキアの名は一気に世界にとどろいた。
黒猫の亜人でありながら、子を産み、皇妃になったと。
ルキアは、黒猫と白猫の亜人の保護を世界に訴えた。奴隷となっているなら、国で買いとるという形にした。結果、奴隷とされていた黒猫と白猫の亜人のほとんどが解放された。
「ルキア様万歳!一護陛下万歳!」
国中が皇太子の誕生に浮かれた。
一護は皇太子に一勇と名付け、ルキアと一緒に大切にした。
「こら、一勇!」
「べーだ。父様なんか嫌いだ。勉強勉強ばかりで!」
一護は、7歳になった皇太子に、帝王学を学ばせはじめていた。
一勇を産んで3年後、ルキアは女児を出産し、苺花と名付けられた。
「お兄様待って」
「苺花はいいよな。女だから、嫁入り修行すればいいだけだから」
一勇の言葉に、一護が首を横に振る。
「苺花ももう少し大きくなったら、帝王学を学ばせる」
「父様は無茶苦茶だ」
「こら、一勇。言いすぎだ」
「でも、母様」
ルキアは、二人の我が子を抱きしめて、微笑む。
「二人とも、愛しているぞ」
「俺も母様大好き!」
「母様」
「ルキアは俺のものだ!」
一護が、ルキアを奪う。
「ぶーぶー。父様、母様独占しすぎー」
ルキアは困った顔を浮かべる。
「母様はな、父様が大好きなのだ。だから、独占されても構わぬのだ」
「ルキア、愛してる」
「一護、私も愛している」
一護とルキアは、我が子の前でも国民の前でも家臣の前でもラブラブいちゃいいちゃする。
もう、周囲は止めることを諦めた。
「そういえば、もうすぐルキアの誕生日だったな」
「そういえば、そうだったな」
「よし、雪国のスノー王国に子供たちも一緒に旅行に出かけるか」
「国をあけても平気なのか、一護」
「ああ。一週間くらいなら、平気だろ。国は騎士団の団長の恋次が守ってくれるし、浮竹さんや京楽さんもいる」
どこかの国から戦争をもちかけられても、叩き潰す自信があった。
「じゃあ、俺はスノー王国に旅行できるように仕事を調節してくる」
「一護、あまり根を詰めぬようにな」
「ああ」
一護は、執務をささっと終わらせて一週間の休暇をもぎとった。
ルキアと一緒に、スノー王国への滞在許可をもらい、子供たちと一緒に家族旅行に出かけた。皇族なので、護衛がいるのは仕方ないが、国外に家族旅行に行くのは初めてだった。
ルキアは雪を見るのが初めてで、はしゃいで滑って転んだ。
「ルキア、大丈夫か?」
「ああ、大丈夫だ。一面銀世界だな。寒いが、綺麗だ」
「ルキアのほうが、綺麗だぜ?」
「い、一護、恥ずかしい」
「何を今さら」
「うむ、そうだな」
雪だるまをつくったり、かまくらや雪うさぎを作ったり、雪玉の投げ合いもした。
「さすがに寒いな。滞在する宿に戻ろう。確か、温泉がわいているんだったな?」
「ああ。一緒に入るか」
「そうだな」
貸し切り状態なので、子供たちと一緒に入った。
雪国で温泉に入り、旅行を満喫して一護とルキアと子供たちは帰国した。
ルキアは、黒猫の皇妃という異名で知られている。もう、差別的な意味は含まれず、よき皇妃として皇帝である黒崎一護を支えた。
一護とルキアの名は、ソウル帝国でも名君と謡われて長くに渡り語り継がれていくのであった。
黒猫の皇妃 END
黒猫の皇妃10
性懲りもなく、近衛騎士採用試験に、海賊の頭である阿散井恋次がきていた。
「おーい、ルキア」
「恋次!?貴様、仲間はどうした!海賊は!?」
「海賊やめた。俺はこの国の、皇族の血の流れを受け継ぐ侯爵家の人間だから、皇帝の一護でも処刑はできないはずだ」
「ほお。いい度胸してるじゃねーか」
一護が、ルキアを下がらせて、剣を構える。
「俺は、近衛騎士になりにきたんだ。ルキアを守るために」
「私も騎士だぞ!守られなくとも、自分の身は自分で守れる」
「俺に拉致られてたじゃねーか」
「あれは!一護、とにかく剣をおさめてくれ」
「仕方ねえな」
一護は、剣を鞘におさめる。
「ま、俺は近衛騎士の試験受けてくる。またな、ルキア、一護」
「呼び捨てにすんな!」
一護は怒っていたが、恋次を処刑するだとか、簿縛するだとかは言わなかった。
阿散井恋次は、本当に皇帝の血の流れをくむ侯爵家の跡取り息子で、父親は帝国の執務大臣であった。
「気に入らねぇ。ルキア、恋次が近衛騎士になっても、油断するんじゃねえぞ」
「分かっている」
やがて、恋次はあっけなく近衛騎士の試験に受かり、ルキアではなく一護の護衛に配置された。
「なんでてめぇなんて守らなきゃなんねーんだよ」
「そりゃ、こっちの台詞だ!」
二人はいがみ合うが、それなりに仲はよく、ルキアを安心させた。
「一護、恋次、アップルパイを焼いてみたのだ。食してくれ」
「おいルキア、恋次になんてやることねーぞ」
「んだよ、一護。やる気か?」
「なんだよ、この赤猿!」
「オレンジツンツン頭が!」
「何を!?」
「なんだよこの野郎!」
「二人とも、仲良くせんか!」
ルキアが、二人に蹴りを入れる。
「いってええ。ルキア、何するんだよ!」
「ルキア、どっちの味方なんだよ!」
ルキアは、いがみ合う二人の口に、切ったアップルパイをつめこむ。
「うまい」
「うめぇ」
「貴様らの二人分と、浮竹殿と京楽殿にも焼いた故、渡してくる」
「あ、俺もいく。京楽さんに本借りてたんだ」
一護は、ルキアと並んで歩き出す。
恋次は、昼食休憩なので、護衛から外れて食堂に向かった。
「京楽殿、浮竹殿」
「お、ルキアちゃんじゃないの。元気?一護くんもいるのか」
「アップルパイを焼いた故、おすそわけに」
ルキアがアップルパイを差し出すと、京楽が受け取った。ついでに、一護は京楽に借りていた本を返す。
「ありがとうね。ルキアちゃん。浮竹は、その、寝込んでるから」
「何か病気にでも!?」
「いや、そういうわけじゃ」
「ちょっと調子が悪いだけだ」
浮竹が現れて、アップルパイを食べた。
「うまいな。一人で作ったのか?」
「侍女に、手伝ってもらった。作り方を知らなかったので」
「ありがとうな、ルキアちゃん」
「いえ‥‥‥‥」
ルキアは、京楽と浮竹の関係に顔を赤くしつつ、去っていく。
「ありゃあ、感づかれちゃったかな?」
「俺たちの関係を知っていたら、普通気づくだろう」
浮竹の首には、キスマークが残っていたのを、ルキアは目撃してしまったのだ。
「いちゃつくのはいいが、あんましルキアに影響出さないようにな」
「はいはい、分かったよ一護くん」
「承知している」
一護は、ルキアが去っていった後を、走って追いかけた。
「ルキア!」
「一護?」
「たまには、城下町に出てみないか。お忍びで」
「でも、見つかったらまた家臣に怒られるぞ」
「んなの、どうとでもなる。昼時だし、町の酒場にでも行こうぜ」
「う、うむ‥‥‥」
一護とルキアは、黒いフードつきの外套を着て、城下町に出かけた。
人々で賑わっていた。
「あの酒場だ。俺が贔屓にしてる店」
「わりと、小ぢんまりしているのだな?」
酒場はそんなに広くなかったが、ほぼ満席だった。奥のカウンターに座る場所を見つけて、一護とルキアは座る。
「ラム肉のソテーとフィッシュカレー、あとレモネードを二人分」
「あいよ!」
酒場は女主人と給仕の娘が三人。
「何かにつまった時、たまに息抜きにここにくるんだ」
「そうなのか」
「ルキアを連れてきてなかったなぁって思って」
「ふふ、嬉しいぞ一護。また、お前のことを一つ知った」
「酒は今日は飲まないのかい、一護の旦那」
「じゃあ、エールを二人分」
「そっちの子が、ルキアちゃんかい?」
「ああ、そうだ」
「かわいらしい子だね。そういや、黒猫の亜人が子を産む方法が見つかったって知ってるかい?」
その話題に、一護が食いついた。
「まじか!」
「ああ。なんでも、黒猫の亜人の子が成せないのは、生まれつきの呪いだそうだから、特殊な方法で解呪すれば、子ができるそうだよ」
「その話、詳しく聞かせてくれ」
一護は、黒猫の亜人が子を成せる術を知り、すぐに錬金術師を呼んで、ルキアに解呪を試みた。すると、呪いは解けた。
「ルキア。俺の皇妃になってくれ」
「一護‥‥‥喜んで」
ソウル帝国504年。
16代目皇帝黒崎一護は、ソサエティ王国の四大貴族出身の黒猫の亜人の少女を妃として、朽木ルキアは正式な一護の妻として、皇妃になるのであった。
、
「おーい、ルキア」
「恋次!?貴様、仲間はどうした!海賊は!?」
「海賊やめた。俺はこの国の、皇族の血の流れを受け継ぐ侯爵家の人間だから、皇帝の一護でも処刑はできないはずだ」
「ほお。いい度胸してるじゃねーか」
一護が、ルキアを下がらせて、剣を構える。
「俺は、近衛騎士になりにきたんだ。ルキアを守るために」
「私も騎士だぞ!守られなくとも、自分の身は自分で守れる」
「俺に拉致られてたじゃねーか」
「あれは!一護、とにかく剣をおさめてくれ」
「仕方ねえな」
一護は、剣を鞘におさめる。
「ま、俺は近衛騎士の試験受けてくる。またな、ルキア、一護」
「呼び捨てにすんな!」
一護は怒っていたが、恋次を処刑するだとか、簿縛するだとかは言わなかった。
阿散井恋次は、本当に皇帝の血の流れをくむ侯爵家の跡取り息子で、父親は帝国の執務大臣であった。
「気に入らねぇ。ルキア、恋次が近衛騎士になっても、油断するんじゃねえぞ」
「分かっている」
やがて、恋次はあっけなく近衛騎士の試験に受かり、ルキアではなく一護の護衛に配置された。
「なんでてめぇなんて守らなきゃなんねーんだよ」
「そりゃ、こっちの台詞だ!」
二人はいがみ合うが、それなりに仲はよく、ルキアを安心させた。
「一護、恋次、アップルパイを焼いてみたのだ。食してくれ」
「おいルキア、恋次になんてやることねーぞ」
「んだよ、一護。やる気か?」
「なんだよ、この赤猿!」
「オレンジツンツン頭が!」
「何を!?」
「なんだよこの野郎!」
「二人とも、仲良くせんか!」
ルキアが、二人に蹴りを入れる。
「いってええ。ルキア、何するんだよ!」
「ルキア、どっちの味方なんだよ!」
ルキアは、いがみ合う二人の口に、切ったアップルパイをつめこむ。
「うまい」
「うめぇ」
「貴様らの二人分と、浮竹殿と京楽殿にも焼いた故、渡してくる」
「あ、俺もいく。京楽さんに本借りてたんだ」
一護は、ルキアと並んで歩き出す。
恋次は、昼食休憩なので、護衛から外れて食堂に向かった。
「京楽殿、浮竹殿」
「お、ルキアちゃんじゃないの。元気?一護くんもいるのか」
「アップルパイを焼いた故、おすそわけに」
ルキアがアップルパイを差し出すと、京楽が受け取った。ついでに、一護は京楽に借りていた本を返す。
「ありがとうね。ルキアちゃん。浮竹は、その、寝込んでるから」
「何か病気にでも!?」
「いや、そういうわけじゃ」
「ちょっと調子が悪いだけだ」
浮竹が現れて、アップルパイを食べた。
「うまいな。一人で作ったのか?」
「侍女に、手伝ってもらった。作り方を知らなかったので」
「ありがとうな、ルキアちゃん」
「いえ‥‥‥‥」
ルキアは、京楽と浮竹の関係に顔を赤くしつつ、去っていく。
「ありゃあ、感づかれちゃったかな?」
「俺たちの関係を知っていたら、普通気づくだろう」
浮竹の首には、キスマークが残っていたのを、ルキアは目撃してしまったのだ。
「いちゃつくのはいいが、あんましルキアに影響出さないようにな」
「はいはい、分かったよ一護くん」
「承知している」
一護は、ルキアが去っていった後を、走って追いかけた。
「ルキア!」
「一護?」
「たまには、城下町に出てみないか。お忍びで」
「でも、見つかったらまた家臣に怒られるぞ」
「んなの、どうとでもなる。昼時だし、町の酒場にでも行こうぜ」
「う、うむ‥‥‥」
一護とルキアは、黒いフードつきの外套を着て、城下町に出かけた。
人々で賑わっていた。
「あの酒場だ。俺が贔屓にしてる店」
「わりと、小ぢんまりしているのだな?」
酒場はそんなに広くなかったが、ほぼ満席だった。奥のカウンターに座る場所を見つけて、一護とルキアは座る。
「ラム肉のソテーとフィッシュカレー、あとレモネードを二人分」
「あいよ!」
酒場は女主人と給仕の娘が三人。
「何かにつまった時、たまに息抜きにここにくるんだ」
「そうなのか」
「ルキアを連れてきてなかったなぁって思って」
「ふふ、嬉しいぞ一護。また、お前のことを一つ知った」
「酒は今日は飲まないのかい、一護の旦那」
「じゃあ、エールを二人分」
「そっちの子が、ルキアちゃんかい?」
「ああ、そうだ」
「かわいらしい子だね。そういや、黒猫の亜人が子を産む方法が見つかったって知ってるかい?」
その話題に、一護が食いついた。
「まじか!」
「ああ。なんでも、黒猫の亜人の子が成せないのは、生まれつきの呪いだそうだから、特殊な方法で解呪すれば、子ができるそうだよ」
「その話、詳しく聞かせてくれ」
一護は、黒猫の亜人が子を成せる術を知り、すぐに錬金術師を呼んで、ルキアに解呪を試みた。すると、呪いは解けた。
「ルキア。俺の皇妃になってくれ」
「一護‥‥‥喜んで」
ソウル帝国504年。
16代目皇帝黒崎一護は、ソサエティ王国の四大貴族出身の黒猫の亜人の少女を妃として、朽木ルキアは正式な一護の妻として、皇妃になるのであった。
、
黒猫の皇妃9
ルキアが、一護と出会ってから2年が経とうとしていた。
ルキアは、一護の政治の補佐も行っていた。
ある日、賑わう港町に一護と視察に訪れると、ちょうど大きな海賊船が港を襲撃してきた。
一護とルキアは騒動で離れ離れになり、一護には浮竹と京楽もついていたので、心配はなかったのだが、ルキアは剣の腕で海賊に捕まった人々を解放していく最中、燃えるような赤い髪の青年に出会い、剣の腕で負けた。
「殺せ」
「俺は女子供は殺さねぇ。皇帝、黒崎一護の寵姫、朽木ルキアだな?」
「そうだ」
「人質になってもらう。何、おとなしくしていれば手はださねぇよ。身代金もらったら、ちゃんと無事解放する」
「本当か」
「俺は嘘はつかねぇ。俺の名は阿散井恋次。赤髪海賊段のリーダーだ]
ルキアは、恋次と出会った。
恋次は、ルキアを丁重に扱った。
ルキアは、一護と京楽と浮竹以外の男性から、あまり親密に接することはなかった。一護との交渉が難しくなっている中、涙を零すこともなく、凛としたその姿勢に恋次が惚れて、ルキアを口説きはじめた。
「ルキア、俺のものにならねぇか」
「無駄だ。私は一護の寵姫で、一護のものだ」
「その一護は、お前を見捨てたぜ」
「嘘だ!」
「じゃあ、なんですぐに身代金を支払わねえんだ?」
「それは‥‥分からぬ」
ルキアは、黒い猫耳をへにゃりとさせる。
「俺のものになっちまえよ、ルキア」
1カ月以上にも及ぶ、海賊としての暮らしの中で、ルキアの心に恋次が入りこむ。
「一護‥‥‥早く、迎えにきてくれ」
一方、一護は今すぐ身代金を支払いたいところだったが、その膨大な額に手間取り、家臣たちの大反対もあって、武力でルキアを取り戻すことになった。
「皇帝軍の船がきたぞおおお。交渉は決裂だぁ!」
「一護、何故だ。何故、すぐに迎えにきてくれぬ」
「もう、見捨てられたんだよ、おめぇは。俺のものになっちまえ」
乱暴に口づけられて、ルキアはアメジスト色の瞳を見開き、恋次をビンタする。
「おお、気がつぇぇことで。ますます俺の好みだぜ」
「一護、一護!」
ルキアは、恋次に迫らて、甲板に身を乗り出し、後ろに続く皇帝の海軍を見る。
「私はここだ!」
「おいルキア、あぶねーから船室に入っとけ」
「私はここだああああ!」
ルキアのありったけの叫びに、海軍の船に乗っていた一護が叫ぶ。
「ルキア!助けにきた!!」
「一護!」
「ちっ、囲まれたか。仕方ねぇ、ずらかるぞ。帆をはれ!」
「私は、一護の元に戻るのだ!」
「おい、ルキア”!!」
恋次が止める間もなく、ルキアは海に飛び込んだ。
それを見ていた一護も、海に飛び込む。
「ちっ、仕方ねぇ。浮き輪をなげてやれ。皇帝の寵姫を殺すわけにはいかねぇ」
ルキアは、泳げなかったので、浮き輪に掴まる。
海軍が、ルキアと一護を救出している間に、恋次の船の海賊船は海の彼方に去ってしまった。
「ルキア!ルキア!」
「一護!」
海軍の船に拾われた一護とルキアは、久しぶりの再会を喜ぶ前に、一護にルキアは思い切り抱きしめられた。
「苦しいぞ、一護」
「身代金が膨大すぎて、払えなかった。税をあげるわけにもいかず、お前を救い出すのに1か月もかかちまった。何もされてないと、俺は思いたい」
「何もされていないわけではないが、ほぼ無傷だ」
「何されたんだ!」
「キスを、恋次に」
「あの海賊の頭にか」
「そうだ」
「ぶっ殺す」
「待て、一護。そんな理由で、海軍で戦争など起こすな」
「けど」
「私は無事に戻ってきたのだ。それでも、不満か?」
「そんなわけじゃねーけど、お前を攫った海賊が許せない」
一護は、怒っていた。
「海賊の首に懸賞金をかければよかろう。まぁ、恋次という男、そう悪そうには見えなかったが」
「ばか、拉致られたんだぞ」
「でも、扱いは丁重だった」
「まぁ、ルキアが無事なら戻るか。海での暮らしはもうこりただろ?」
「ああ。湯あみがしたい。体をふくだけでは、どうにも‥‥」
一護は、港につくと宮殿まで帰らず、宿をとった。
「一緒に湯あみしようぜ。宮殿まで、待てないだろ?」
「うむ」
湯あみしながら、久しぶりに二人は肌を重ね合う。
「んあっ、お湯が、中に‥‥‥」
「ああ、ルキアの中に入るの、久しぶりだ」
「んんっ」
ちゃぷんと、動いで湯があふれる。
一護はルキアを下から貫きながら、揺さぶった。
「あああ、深い」
「お前のここ、俺をもっと欲しいっていってる」
「あ、一護。もっと、欲しい」
ルキアは、淫らになるのは一護の腕の中だけだ。
秘所を抉られ、Gスポットを刺激されて、同時に陰核をつまみあげられて、ルキアは潮をふいていってしまった。
「あああああ!」
「ルキア、すげぇいい。もっと、欲しいか?」
「あ、もっと‥‥‥」
「俺の寵姫は、淫乱だな。清楚なのに」
「こうさせたのは貴様であろう。あああ、またくる‥‥いっちゃう」
「何度いってもいいぜ」
結局、二人はのぼぜた。
「風呂の中でするもんじゃあねぇな」
「同感だ」
冷たい果実ジュースを飲みながら、うちわで風をあおぎながら、二人は体の火照りがおさまるのを待って、宮殿に戻るのであった。
ルキアは、一護の政治の補佐も行っていた。
ある日、賑わう港町に一護と視察に訪れると、ちょうど大きな海賊船が港を襲撃してきた。
一護とルキアは騒動で離れ離れになり、一護には浮竹と京楽もついていたので、心配はなかったのだが、ルキアは剣の腕で海賊に捕まった人々を解放していく最中、燃えるような赤い髪の青年に出会い、剣の腕で負けた。
「殺せ」
「俺は女子供は殺さねぇ。皇帝、黒崎一護の寵姫、朽木ルキアだな?」
「そうだ」
「人質になってもらう。何、おとなしくしていれば手はださねぇよ。身代金もらったら、ちゃんと無事解放する」
「本当か」
「俺は嘘はつかねぇ。俺の名は阿散井恋次。赤髪海賊段のリーダーだ]
ルキアは、恋次と出会った。
恋次は、ルキアを丁重に扱った。
ルキアは、一護と京楽と浮竹以外の男性から、あまり親密に接することはなかった。一護との交渉が難しくなっている中、涙を零すこともなく、凛としたその姿勢に恋次が惚れて、ルキアを口説きはじめた。
「ルキア、俺のものにならねぇか」
「無駄だ。私は一護の寵姫で、一護のものだ」
「その一護は、お前を見捨てたぜ」
「嘘だ!」
「じゃあ、なんですぐに身代金を支払わねえんだ?」
「それは‥‥分からぬ」
ルキアは、黒い猫耳をへにゃりとさせる。
「俺のものになっちまえよ、ルキア」
1カ月以上にも及ぶ、海賊としての暮らしの中で、ルキアの心に恋次が入りこむ。
「一護‥‥‥早く、迎えにきてくれ」
一方、一護は今すぐ身代金を支払いたいところだったが、その膨大な額に手間取り、家臣たちの大反対もあって、武力でルキアを取り戻すことになった。
「皇帝軍の船がきたぞおおお。交渉は決裂だぁ!」
「一護、何故だ。何故、すぐに迎えにきてくれぬ」
「もう、見捨てられたんだよ、おめぇは。俺のものになっちまえ」
乱暴に口づけられて、ルキアはアメジスト色の瞳を見開き、恋次をビンタする。
「おお、気がつぇぇことで。ますます俺の好みだぜ」
「一護、一護!」
ルキアは、恋次に迫らて、甲板に身を乗り出し、後ろに続く皇帝の海軍を見る。
「私はここだ!」
「おいルキア、あぶねーから船室に入っとけ」
「私はここだああああ!」
ルキアのありったけの叫びに、海軍の船に乗っていた一護が叫ぶ。
「ルキア!助けにきた!!」
「一護!」
「ちっ、囲まれたか。仕方ねぇ、ずらかるぞ。帆をはれ!」
「私は、一護の元に戻るのだ!」
「おい、ルキア”!!」
恋次が止める間もなく、ルキアは海に飛び込んだ。
それを見ていた一護も、海に飛び込む。
「ちっ、仕方ねぇ。浮き輪をなげてやれ。皇帝の寵姫を殺すわけにはいかねぇ」
ルキアは、泳げなかったので、浮き輪に掴まる。
海軍が、ルキアと一護を救出している間に、恋次の船の海賊船は海の彼方に去ってしまった。
「ルキア!ルキア!」
「一護!」
海軍の船に拾われた一護とルキアは、久しぶりの再会を喜ぶ前に、一護にルキアは思い切り抱きしめられた。
「苦しいぞ、一護」
「身代金が膨大すぎて、払えなかった。税をあげるわけにもいかず、お前を救い出すのに1か月もかかちまった。何もされてないと、俺は思いたい」
「何もされていないわけではないが、ほぼ無傷だ」
「何されたんだ!」
「キスを、恋次に」
「あの海賊の頭にか」
「そうだ」
「ぶっ殺す」
「待て、一護。そんな理由で、海軍で戦争など起こすな」
「けど」
「私は無事に戻ってきたのだ。それでも、不満か?」
「そんなわけじゃねーけど、お前を攫った海賊が許せない」
一護は、怒っていた。
「海賊の首に懸賞金をかければよかろう。まぁ、恋次という男、そう悪そうには見えなかったが」
「ばか、拉致られたんだぞ」
「でも、扱いは丁重だった」
「まぁ、ルキアが無事なら戻るか。海での暮らしはもうこりただろ?」
「ああ。湯あみがしたい。体をふくだけでは、どうにも‥‥」
一護は、港につくと宮殿まで帰らず、宿をとった。
「一緒に湯あみしようぜ。宮殿まで、待てないだろ?」
「うむ」
湯あみしながら、久しぶりに二人は肌を重ね合う。
「んあっ、お湯が、中に‥‥‥」
「ああ、ルキアの中に入るの、久しぶりだ」
「んんっ」
ちゃぷんと、動いで湯があふれる。
一護はルキアを下から貫きながら、揺さぶった。
「あああ、深い」
「お前のここ、俺をもっと欲しいっていってる」
「あ、一護。もっと、欲しい」
ルキアは、淫らになるのは一護の腕の中だけだ。
秘所を抉られ、Gスポットを刺激されて、同時に陰核をつまみあげられて、ルキアは潮をふいていってしまった。
「あああああ!」
「ルキア、すげぇいい。もっと、欲しいか?」
「あ、もっと‥‥‥」
「俺の寵姫は、淫乱だな。清楚なのに」
「こうさせたのは貴様であろう。あああ、またくる‥‥いっちゃう」
「何度いってもいいぜ」
結局、二人はのぼぜた。
「風呂の中でするもんじゃあねぇな」
「同感だ」
冷たい果実ジュースを飲みながら、うちわで風をあおぎながら、二人は体の火照りがおさまるのを待って、宮殿に戻るのであった。
黒猫の皇妃8
その日は、一護の誕生日パーティーがあった。
国中の貴族、皇族、近隣諸国の王侯貴族がきていた。
一護は、隣にルキアを立たせた。
「一護、このような式典に私など」
「いいんだよ。それに一人じゃあつまんねーし、他の国の王侯貴族の娘を紹介されて、皇妃にしないかってうるせーんだよ。俺が皇妃にするとしたら、ルキア、お前しかいねぇ」
「でも、私は黒猫の亜人だ。子を産めぬ故、皇妃にはなれぬ」
「今、裏でいろいろ法律かえてるんだよ。大反対する家臣たちちも説得してる」
「一護‥‥‥」
ルキアが一護の隣に立っているのを見て、隣国の王侯貴族たちはまだ皇妃が決まっていないのだと安堵する。
「これこれは一護陛下、ご機嫌麗しゅう。私はアズア王国の王、トレッド・アズアにございます。この度は18歳の誕生日ということで、皇妃候補に、我が娘ドリッドを紹介したく」
「アズア王国の第王女、ドリッド・アズアにごいます」
「ああ、そうか。じゃあな」
「ちょ、陛下!」
「どけどけ。俺はルンバ公国のイルガデス。皇妃には、我が娘リリーを」
「興味ねぇ」
一護は、ルキアを連れて玉座に座ると、隣の皇妃の席にルキアを座らせたかったができないので、そのすぐ近くに椅子を設置して、それにルキアを座らせた。
「皆、俺の誕生日の式典に集まってもらってすまない。俺は皇妃はまだもたない。候補として後宮に娘を入れるなら、それも拒否しない。だが、俺はルキア以外を寵愛するつもりはない」
「陛下、黒猫の亜人の寵姫を妃のように扱うなど、前代未聞ですぞ」
「かまわねぇ。この国の皇帝は俺だ。俺が法だとは言わないが、皇妃に関しては、俺の意思を尊重してもらう。皇妃は一人だけ。側室ももたない。今はこれ以上は言えない」
近隣諸国の王侯貴族はざわついた。
帝国の貴族たちは、一護とルキアのことを知っているので、後宮に娘をいれようとする者はいなかったが、近隣の王侯貴族は、ここまではっきり一護が、ルキアだけを寵愛すると言ったのに、自分の娘を後宮に入れる算段をしはじめた。
「ではドリッド、うまくやるのだぞ」
「はい、父様」
「リリー、お前の美貌なら皇帝を落とせる。後宮に入るのだぞ」
「分かりました、父上」
一護の誕生日の式典は華やかに行われたが、同時に5人ほどの近隣諸国の王族の姫君などが後宮入りした。
ソウル帝国は、今一護の統治の元、黄金時代を迎えようとしていた。
領土は広くなり、和平条約も進み、ソウル帝国が魔術師を3人ももっているということで、敵対関係にあった隣国とも、休戦協定を結んでいた。
ソウル帝国を脅かす存在など、もうどの国にもなかった。
一護は酒を飲み、酔っていた。
ルキアは、先に後宮へと戻る。
一護が、後宮入りしたルンバ公国のリリー姫に、酔った勢いで手を出してしまったという情報は、すぐに後宮中に知れ渡り、ルキアは耳を疑った。
「一護」
「すまねぇ、ルキア。薬盛られて、抱かされた。子供、身籠ったかもしれない」
「卑怯だぞ、リリー姫!」
「あら、なんのことかしら。あたしは一護陛下の寵愛を受けただけよ。激しい夜だったもの。きっと、陛下の子を孕んだわ。陛下の子を産めば、皇妃になれるのよ」
今の法律では、身分に関係なく一護の子を産めば皇妃になれるとなっていた。
その母親が平民や奴隷でなく、貴族以上の娘なら、家臣たちも納得するし、リリー姫は領土は狭いものの、金がよく産出する大金持ちのルンバ公国の第一公女だ。
皇妃にするには、まさにとてもよい条件であった。
子が生まれれば、一護の意思など関係なく、皇妃になってしまう。
たとえその仲が冷めきっていたとしても、ルキアを側室におくことはできる。
リリー姫は、はなからそのつもりで、一護の飲む酒に薬を入れたのだ。
ルキアに手を出せば、きっと追放される。
だから、あえてルキアを放置した。ルキアだけなら、なんの力ももたない。そう思っていた。
「寵姫のルキアとやら。元奴隷の卑しい身分のあなたに、一護様はふさわくないわ」
「私は、貴族だ」
「あら、今頃そんな嘘をつくの?」
「私は、ソサエティ王国の四大貴族、朽木家の娘。朽木ルキアだ」
ルキアの素性を調べると、王族の血の流れを受け継ぐ、れっきとした大貴族の娘だと分かった。
だが、それでもリリーは焦らなかった。
リリーは、一護の子を孕んだかどうか分からぬうちに、幾人もの男と交わり、懐妊していた。
一護が手を出した事実と子さえいれば、父親の血筋などどうでもいいと考えていた。
それが間違いだった。
後宮にきて腹が膨らみ始めると、さすがの一護もリリーを皇妃にすることを承諾する他なかった。
ルキアは泣いたが、側室として絶対に寵愛すると言われて、皇妃の座を諦めていた。
やがて、生まれてくる子が、本当に一護の子なのか鑑定された。
結果、同じ黒崎家の血筋の皇族の子であるが、父親は一護ではないと分かり、リリーは堕胎させられ、後宮から追放された。
極刑にならぬだけ、ましであった。
「ルキア、すまねぇ。もう、大丈夫だ」
「一護‥‥‥‥」
「俺は、もう絶対にルキア以外を抱かない」
「一護、愛している」
「俺も愛してる、ルキア」
一護とルキアは、何度も肌を重ねた。
けれど、黒猫の亜人であるルキアには月経もなく、一護の子を身籠ることはなかった。
国中の貴族、皇族、近隣諸国の王侯貴族がきていた。
一護は、隣にルキアを立たせた。
「一護、このような式典に私など」
「いいんだよ。それに一人じゃあつまんねーし、他の国の王侯貴族の娘を紹介されて、皇妃にしないかってうるせーんだよ。俺が皇妃にするとしたら、ルキア、お前しかいねぇ」
「でも、私は黒猫の亜人だ。子を産めぬ故、皇妃にはなれぬ」
「今、裏でいろいろ法律かえてるんだよ。大反対する家臣たちちも説得してる」
「一護‥‥‥」
ルキアが一護の隣に立っているのを見て、隣国の王侯貴族たちはまだ皇妃が決まっていないのだと安堵する。
「これこれは一護陛下、ご機嫌麗しゅう。私はアズア王国の王、トレッド・アズアにございます。この度は18歳の誕生日ということで、皇妃候補に、我が娘ドリッドを紹介したく」
「アズア王国の第王女、ドリッド・アズアにごいます」
「ああ、そうか。じゃあな」
「ちょ、陛下!」
「どけどけ。俺はルンバ公国のイルガデス。皇妃には、我が娘リリーを」
「興味ねぇ」
一護は、ルキアを連れて玉座に座ると、隣の皇妃の席にルキアを座らせたかったができないので、そのすぐ近くに椅子を設置して、それにルキアを座らせた。
「皆、俺の誕生日の式典に集まってもらってすまない。俺は皇妃はまだもたない。候補として後宮に娘を入れるなら、それも拒否しない。だが、俺はルキア以外を寵愛するつもりはない」
「陛下、黒猫の亜人の寵姫を妃のように扱うなど、前代未聞ですぞ」
「かまわねぇ。この国の皇帝は俺だ。俺が法だとは言わないが、皇妃に関しては、俺の意思を尊重してもらう。皇妃は一人だけ。側室ももたない。今はこれ以上は言えない」
近隣諸国の王侯貴族はざわついた。
帝国の貴族たちは、一護とルキアのことを知っているので、後宮に娘をいれようとする者はいなかったが、近隣の王侯貴族は、ここまではっきり一護が、ルキアだけを寵愛すると言ったのに、自分の娘を後宮に入れる算段をしはじめた。
「ではドリッド、うまくやるのだぞ」
「はい、父様」
「リリー、お前の美貌なら皇帝を落とせる。後宮に入るのだぞ」
「分かりました、父上」
一護の誕生日の式典は華やかに行われたが、同時に5人ほどの近隣諸国の王族の姫君などが後宮入りした。
ソウル帝国は、今一護の統治の元、黄金時代を迎えようとしていた。
領土は広くなり、和平条約も進み、ソウル帝国が魔術師を3人ももっているということで、敵対関係にあった隣国とも、休戦協定を結んでいた。
ソウル帝国を脅かす存在など、もうどの国にもなかった。
一護は酒を飲み、酔っていた。
ルキアは、先に後宮へと戻る。
一護が、後宮入りしたルンバ公国のリリー姫に、酔った勢いで手を出してしまったという情報は、すぐに後宮中に知れ渡り、ルキアは耳を疑った。
「一護」
「すまねぇ、ルキア。薬盛られて、抱かされた。子供、身籠ったかもしれない」
「卑怯だぞ、リリー姫!」
「あら、なんのことかしら。あたしは一護陛下の寵愛を受けただけよ。激しい夜だったもの。きっと、陛下の子を孕んだわ。陛下の子を産めば、皇妃になれるのよ」
今の法律では、身分に関係なく一護の子を産めば皇妃になれるとなっていた。
その母親が平民や奴隷でなく、貴族以上の娘なら、家臣たちも納得するし、リリー姫は領土は狭いものの、金がよく産出する大金持ちのルンバ公国の第一公女だ。
皇妃にするには、まさにとてもよい条件であった。
子が生まれれば、一護の意思など関係なく、皇妃になってしまう。
たとえその仲が冷めきっていたとしても、ルキアを側室におくことはできる。
リリー姫は、はなからそのつもりで、一護の飲む酒に薬を入れたのだ。
ルキアに手を出せば、きっと追放される。
だから、あえてルキアを放置した。ルキアだけなら、なんの力ももたない。そう思っていた。
「寵姫のルキアとやら。元奴隷の卑しい身分のあなたに、一護様はふさわくないわ」
「私は、貴族だ」
「あら、今頃そんな嘘をつくの?」
「私は、ソサエティ王国の四大貴族、朽木家の娘。朽木ルキアだ」
ルキアの素性を調べると、王族の血の流れを受け継ぐ、れっきとした大貴族の娘だと分かった。
だが、それでもリリーは焦らなかった。
リリーは、一護の子を孕んだかどうか分からぬうちに、幾人もの男と交わり、懐妊していた。
一護が手を出した事実と子さえいれば、父親の血筋などどうでもいいと考えていた。
それが間違いだった。
後宮にきて腹が膨らみ始めると、さすがの一護もリリーを皇妃にすることを承諾する他なかった。
ルキアは泣いたが、側室として絶対に寵愛すると言われて、皇妃の座を諦めていた。
やがて、生まれてくる子が、本当に一護の子なのか鑑定された。
結果、同じ黒崎家の血筋の皇族の子であるが、父親は一護ではないと分かり、リリーは堕胎させられ、後宮から追放された。
極刑にならぬだけ、ましであった。
「ルキア、すまねぇ。もう、大丈夫だ」
「一護‥‥‥‥」
「俺は、もう絶対にルキア以外を抱かない」
「一護、愛している」
「俺も愛してる、ルキア」
一護とルキアは、何度も肌を重ねた。
けれど、黒猫の亜人であるルキアには月経もなく、一護の子を身籠ることはなかった。
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