ボクだけの翡翠9
死神になって、1年が過ぎた。
お互い大分慣れてきて、非番でない日も遅くならない日は会って食事して酒を飲み、当たり前のように睦みあった。
その日は、次の日が浮竹の非番で、京楽は昼からの出勤だった。
「俺を抱け」
しばらくご無沙汰だった浮竹は、たまっていた。
自分で処理する日もあったが、受け身で中いきを覚えた体は、京楽に抱かれたがってうずうずしていた。
「わお。積極的だね」
浮竹は、軽く自分の唇を舐めて、京楽の衣服を脱がしていく。
「ん・・・いいね、積極的な君も」
浮竹は、京楽のものを手でしごいて、口に含む。
風呂には入った後なので、戸惑いはなかった。
「ふ・・・・」
鈴口を舌でチロチロと刺激されて、さらに全体をこするように手でしごいた。
「出すよ・・・・飲んで?」
京楽は、浮竹の口の中に射精した。
浮竹は、それを当たり前のように嚥下して、口をあけて中身を全て飲みほしたことをアピールする。
「ん・・・君のここ、柔らかいね。さては、一人の時ちょっといじってたね?」
「あ、京楽のじゃないと中いきできない。中できもちよくなりたい」
「正直な君もかわいいね」
京楽は、潤滑油を足して、すでに柔らかくなっている蕾に指をいれて、前立腺をひっかいてやった。
「はう!中で、いっちゃう」
「思う存分いって?前も慰めてあげる」
口で浮竹のものを舐めあげながら、指で浮竹の前立腺をコリコリと刺激すると、びくんと浮竹の体がはねた。
「やああああ、中いきしながらいっちゃう!」
「2重にいくの、クセになりそうでしょ?」
「んああああ!!」
びくんびくんと体をはねさせて、浮竹はいっていた。
「じゃあ、いれるよ?」
「あ、早く・・・俺を、めちゃくちゃにして?」
「十四郎、かわいい」
「あ、春水・・・・あああ、挿入ってきてる。京楽の、熱いのおおお」
京楽は、ゆっくりと浮竹を貫く。
「あああ、またいっちゃう!」
ぐりっと奥を刺激されて、それに弱い浮竹は中いきをまたしていた。
「いああああ!」
京楽は、何度か浮竹を貫き揺さぶり、ごりごりと奥を抉ってから、浮竹の胎の奥に射精していた。
「あ、くる、春水の子種・・・あああ、俺もいっちゃう」
「一緒にいこうか」
京楽は、萎えていない浮竹のものを手でしごいて、射精に導く。
「いやああああ、あああ」
「こんなに濡らして、いやじゃないでしょ?」
「ううん・・」
舌を絡み合わせてキスを繰り返す。
「あああ!」
ごりごりと、結腸にまでグポンと入り込んできた京楽のものを締め上げる。
「ん、ちょっときつい。まだ君の中堪能したいから」
「ああああ!」
浮竹のものに手をそえて、しごきあげる。
「んあああ!」
中の締め付けが、少し緩くなった。
京楽は、浮竹から抜いて、浮竹の反応を見た。
「なんで?俺の中、きもちよくない?」
「そんなことないよ。今度は、君が挿入れてみて?」
京楽は寝転がり、その上に浮竹がしゃがみこむ。
「ああああ!!!」
自分の体重で、ずぷずぷと京楽のものを飲みこんでいく。
「あ、深い・・・・深いの、好き」
「奥、ごりごりしてあげるからね?」
「うん」
下から突き上げられながら、浮竹も自分で動いた。
いい場所に当たるように、腰をくねらせる。
「今日の十四郎、エロい・・・・・・」
「あ、奥にきてる!このまま、京楽の子種どぴゅどぴゅ注いで!」
京楽は、浮竹を勢いよく押し倒した。
ゴリっと奥を抉られまくって、浮竹は今日一番の大きな中いきをしながら、射精していた。
「いあああああああ、あああ、あ”!」
頭が真っ白になる。
快感に支配されて、何も考えられなくなる。
「あ、きもちいい、春水、春水」
「ボクも最高にきもちいいよ。君の中はとろけるように熱くて、締め付けてくる」
京楽は、最後の一滴まで浮竹の中に吐き出して、満足した。
「んあ・・・ああああ」
浮竹は、京楽にしごかれて、最後の射精を終えた。
「はう・・・・あああ、お前の子種が、流れ出てしまう」
ぽっこりと少しお腹を膨らませた部分から、とろとろと白い液体が太ももを伝って流れ落ちてくる。
「俺が女なら、京楽の子を孕めて、愛の結晶を生み出せるのに」
「浮竹、そんなものいらないよ。浮竹が男の子でも、ボクは愛してる。もちろん、女の子でも愛してるけどね」
「ん・・・・」
濡れたタオルで、太ももを伝い落ちる白濁した液体をふかれて、浮竹は京楽にキスをする。
「何、まだ足りないの?」
「ん・・・・愛に、形があればいいのにと思って」
京楽が、浮竹が大規模な遠征に出ると知ったのは、浮竹が自分の家に帰って、太陽が登り切り、遠征のメンバーが出発した後だった。
お互い大分慣れてきて、非番でない日も遅くならない日は会って食事して酒を飲み、当たり前のように睦みあった。
その日は、次の日が浮竹の非番で、京楽は昼からの出勤だった。
「俺を抱け」
しばらくご無沙汰だった浮竹は、たまっていた。
自分で処理する日もあったが、受け身で中いきを覚えた体は、京楽に抱かれたがってうずうずしていた。
「わお。積極的だね」
浮竹は、軽く自分の唇を舐めて、京楽の衣服を脱がしていく。
「ん・・・いいね、積極的な君も」
浮竹は、京楽のものを手でしごいて、口に含む。
風呂には入った後なので、戸惑いはなかった。
「ふ・・・・」
鈴口を舌でチロチロと刺激されて、さらに全体をこするように手でしごいた。
「出すよ・・・・飲んで?」
京楽は、浮竹の口の中に射精した。
浮竹は、それを当たり前のように嚥下して、口をあけて中身を全て飲みほしたことをアピールする。
「ん・・・君のここ、柔らかいね。さては、一人の時ちょっといじってたね?」
「あ、京楽のじゃないと中いきできない。中できもちよくなりたい」
「正直な君もかわいいね」
京楽は、潤滑油を足して、すでに柔らかくなっている蕾に指をいれて、前立腺をひっかいてやった。
「はう!中で、いっちゃう」
「思う存分いって?前も慰めてあげる」
口で浮竹のものを舐めあげながら、指で浮竹の前立腺をコリコリと刺激すると、びくんと浮竹の体がはねた。
「やああああ、中いきしながらいっちゃう!」
「2重にいくの、クセになりそうでしょ?」
「んああああ!!」
びくんびくんと体をはねさせて、浮竹はいっていた。
「じゃあ、いれるよ?」
「あ、早く・・・俺を、めちゃくちゃにして?」
「十四郎、かわいい」
「あ、春水・・・・あああ、挿入ってきてる。京楽の、熱いのおおお」
京楽は、ゆっくりと浮竹を貫く。
「あああ、またいっちゃう!」
ぐりっと奥を刺激されて、それに弱い浮竹は中いきをまたしていた。
「いああああ!」
京楽は、何度か浮竹を貫き揺さぶり、ごりごりと奥を抉ってから、浮竹の胎の奥に射精していた。
「あ、くる、春水の子種・・・あああ、俺もいっちゃう」
「一緒にいこうか」
京楽は、萎えていない浮竹のものを手でしごいて、射精に導く。
「いやああああ、あああ」
「こんなに濡らして、いやじゃないでしょ?」
「ううん・・」
舌を絡み合わせてキスを繰り返す。
「あああ!」
ごりごりと、結腸にまでグポンと入り込んできた京楽のものを締め上げる。
「ん、ちょっときつい。まだ君の中堪能したいから」
「ああああ!」
浮竹のものに手をそえて、しごきあげる。
「んあああ!」
中の締め付けが、少し緩くなった。
京楽は、浮竹から抜いて、浮竹の反応を見た。
「なんで?俺の中、きもちよくない?」
「そんなことないよ。今度は、君が挿入れてみて?」
京楽は寝転がり、その上に浮竹がしゃがみこむ。
「ああああ!!!」
自分の体重で、ずぷずぷと京楽のものを飲みこんでいく。
「あ、深い・・・・深いの、好き」
「奥、ごりごりしてあげるからね?」
「うん」
下から突き上げられながら、浮竹も自分で動いた。
いい場所に当たるように、腰をくねらせる。
「今日の十四郎、エロい・・・・・・」
「あ、奥にきてる!このまま、京楽の子種どぴゅどぴゅ注いで!」
京楽は、浮竹を勢いよく押し倒した。
ゴリっと奥を抉られまくって、浮竹は今日一番の大きな中いきをしながら、射精していた。
「いあああああああ、あああ、あ”!」
頭が真っ白になる。
快感に支配されて、何も考えられなくなる。
「あ、きもちいい、春水、春水」
「ボクも最高にきもちいいよ。君の中はとろけるように熱くて、締め付けてくる」
京楽は、最後の一滴まで浮竹の中に吐き出して、満足した。
「んあ・・・ああああ」
浮竹は、京楽にしごかれて、最後の射精を終えた。
「はう・・・・あああ、お前の子種が、流れ出てしまう」
ぽっこりと少しお腹を膨らませた部分から、とろとろと白い液体が太ももを伝って流れ落ちてくる。
「俺が女なら、京楽の子を孕めて、愛の結晶を生み出せるのに」
「浮竹、そんなものいらないよ。浮竹が男の子でも、ボクは愛してる。もちろん、女の子でも愛してるけどね」
「ん・・・・」
濡れたタオルで、太ももを伝い落ちる白濁した液体をふかれて、浮竹は京楽にキスをする。
「何、まだ足りないの?」
「ん・・・・愛に、形があればいいのにと思って」
京楽が、浮竹が大規模な遠征に出ると知ったのは、浮竹が自分の家に帰って、太陽が登り切り、遠征のメンバーが出発した後だった。
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ボクだけの翡翠8
席官としての死神の業務は忙しかった。
たまに休みをとれても、お互いが一緒の非番の日はなく、すれ違いの毎日を過ごす。
「ああ浮竹、君に会いたい。君を抱きたいよ」
「ばかか。今俺たちにそんな余裕はない」
地獄蝶でたまにやりとりをした。
席官となり、隊長となる。
それが二人の最終目的だった。卍解はすでに習得済みで、経験さえ重ねれば十分に隊長になれる可能性はあった。
死神になって、半年が過ぎた。
時折非番になった時、セックスをして眠ることはあったが、どこかへ一緒に出掛けるということがなかった。
久しぶりに、お互い1週間の休暇をもぎとった。
二人がしたのは、温泉旅行に行くことだった。
「温泉旅行、院生時代を思い出すねぇ」
「院生時代に借りた宿より、はるかに高級だけどな」
お互い、金はあった。
浮竹の場合、家族に仕送りをしているが、薬を買ってもまだ金は残るほどには給金はもらえていた。
「ようこそ、おいでくださいました」
「すまない。3日ほど、世話になる」
京楽の馴染みの店らしく、女将は京楽を見ると頬を染めた。
「おい、お前まさか・・・・・」
「あ、うん。学院に入る前、火遊びでちょっと・・・・・」
「うわー最悪だ」
浮竹は京楽の脛を蹴りあげた。
「このすけこまし!」
「む、昔のことだよ。ボクもまだ、少年になって、性に敏感だった頃に、初めての相手で・・・・・」
「もっと最悪だ」
だからと言って、今更宿を変えることもできないので、そのまま宿泊することにした。
宿の女将は、案の定死神となった京楽にちょっかいをかけてきたが、ことあるごとに浮竹が潰し、しまいには女将の目の前でいちゃついてキスをして、女将を落胆させた。
「京楽様は、女殺しの京楽様と異名を持っていらしゃったのに、今はもう違うのですね」
「京楽は俺のものだ。欲しければ、俺からとりあげてみろ」
「浮竹様・・・できません。浮竹様、私と京楽さまは火遊びの相手だったのです。どうか京楽様といつまで仲良く、夫婦のようにいてくださいませ」
「浮竹、やっぱり結婚するしかないね」
「言ってろ」
そのまま温泉に浸かり、日頃の疲れを癒した。
夜になり、京楽が迫ってくる。
「したくない」
「そんなぁ。次にいつ休暇とれるかわかんないんだよ」
「素股なら、してもいい」
「それでもいいから、させて!」
京楽は、浮竹の浴衣を脱がせて、股を閉じさせるとそこに自分のものを出し入れした。
「気持ちいいのか?」
「うん、最高・・・・ねぇ、君もきもちよくなって?」
「あ、やああああ」
京楽は浮竹の素股を楽しみながら、浮竹のものをしごきあげる。
「あ、あ、あ、あ!」
リズミカルにしごかれて、浮竹はたまっていたこともあり、あっという間に精液を畳に零していた。
「やああ、らめええええ」
また、京楽の手が浮竹のものを触る。
ズリズリと、京楽は浮竹の素股を楽しんだ。
「やらあああああ」
京楽は、浮竹のものを射精に導こうとして、ぎゅっと握りしめていけないようにする。
「やあああ、いかせてええええ」
「ふふ、ボクと一緒にいこうね?」
「あああ、あああ!!!!」
京楽が、浮竹の太ももと腹に白濁した液体を垂らす頃には、浮竹のものを戒めている手を離してやって、精液を出させてやった。
久しぶりの行為に、浮竹はごっそりと体力をとられてしまった。
「ねぇ、やっぱりしようよ」
「やらぁ。だめぇえ」
まだ頭が真っ白になったままで、うまく言葉を話せない。
「仕方ない、今回は諦めるよ。でも、今度同じ休暇とれたときには、君を想う存分抱くからね?」
「あ・・・・ん・・・勝手に、決める、な」
少し意識を回復した浮竹が、怒る。
「素股だけって言ったのに!」
「でも、素股だけじゃあボクだけが気持ちよくなって、君は気持ちよくなれないでしょ?」
「それは・・・・」
「疑似セックスなんだから、君も気持ちよくならないとね?」
京楽に言いくるめられて、浮竹は次の日結局、体を許すのであった。
たまに休みをとれても、お互いが一緒の非番の日はなく、すれ違いの毎日を過ごす。
「ああ浮竹、君に会いたい。君を抱きたいよ」
「ばかか。今俺たちにそんな余裕はない」
地獄蝶でたまにやりとりをした。
席官となり、隊長となる。
それが二人の最終目的だった。卍解はすでに習得済みで、経験さえ重ねれば十分に隊長になれる可能性はあった。
死神になって、半年が過ぎた。
時折非番になった時、セックスをして眠ることはあったが、どこかへ一緒に出掛けるということがなかった。
久しぶりに、お互い1週間の休暇をもぎとった。
二人がしたのは、温泉旅行に行くことだった。
「温泉旅行、院生時代を思い出すねぇ」
「院生時代に借りた宿より、はるかに高級だけどな」
お互い、金はあった。
浮竹の場合、家族に仕送りをしているが、薬を買ってもまだ金は残るほどには給金はもらえていた。
「ようこそ、おいでくださいました」
「すまない。3日ほど、世話になる」
京楽の馴染みの店らしく、女将は京楽を見ると頬を染めた。
「おい、お前まさか・・・・・」
「あ、うん。学院に入る前、火遊びでちょっと・・・・・」
「うわー最悪だ」
浮竹は京楽の脛を蹴りあげた。
「このすけこまし!」
「む、昔のことだよ。ボクもまだ、少年になって、性に敏感だった頃に、初めての相手で・・・・・」
「もっと最悪だ」
だからと言って、今更宿を変えることもできないので、そのまま宿泊することにした。
宿の女将は、案の定死神となった京楽にちょっかいをかけてきたが、ことあるごとに浮竹が潰し、しまいには女将の目の前でいちゃついてキスをして、女将を落胆させた。
「京楽様は、女殺しの京楽様と異名を持っていらしゃったのに、今はもう違うのですね」
「京楽は俺のものだ。欲しければ、俺からとりあげてみろ」
「浮竹様・・・できません。浮竹様、私と京楽さまは火遊びの相手だったのです。どうか京楽様といつまで仲良く、夫婦のようにいてくださいませ」
「浮竹、やっぱり結婚するしかないね」
「言ってろ」
そのまま温泉に浸かり、日頃の疲れを癒した。
夜になり、京楽が迫ってくる。
「したくない」
「そんなぁ。次にいつ休暇とれるかわかんないんだよ」
「素股なら、してもいい」
「それでもいいから、させて!」
京楽は、浮竹の浴衣を脱がせて、股を閉じさせるとそこに自分のものを出し入れした。
「気持ちいいのか?」
「うん、最高・・・・ねぇ、君もきもちよくなって?」
「あ、やああああ」
京楽は浮竹の素股を楽しみながら、浮竹のものをしごきあげる。
「あ、あ、あ、あ!」
リズミカルにしごかれて、浮竹はたまっていたこともあり、あっという間に精液を畳に零していた。
「やああ、らめええええ」
また、京楽の手が浮竹のものを触る。
ズリズリと、京楽は浮竹の素股を楽しんだ。
「やらあああああ」
京楽は、浮竹のものを射精に導こうとして、ぎゅっと握りしめていけないようにする。
「やあああ、いかせてええええ」
「ふふ、ボクと一緒にいこうね?」
「あああ、あああ!!!!」
京楽が、浮竹の太ももと腹に白濁した液体を垂らす頃には、浮竹のものを戒めている手を離してやって、精液を出させてやった。
久しぶりの行為に、浮竹はごっそりと体力をとられてしまった。
「ねぇ、やっぱりしようよ」
「やらぁ。だめぇえ」
まだ頭が真っ白になったままで、うまく言葉を話せない。
「仕方ない、今回は諦めるよ。でも、今度同じ休暇とれたときには、君を想う存分抱くからね?」
「あ・・・・ん・・・勝手に、決める、な」
少し意識を回復した浮竹が、怒る。
「素股だけって言ったのに!」
「でも、素股だけじゃあボクだけが気持ちよくなって、君は気持ちよくなれないでしょ?」
「それは・・・・」
「疑似セックスなんだから、君も気持ちよくならないとね?」
京楽に言いくるめられて、浮竹は次の日結局、体を許すのであった。
ボクだけの翡翠7
「うー、腰が痛い」
「回道、かけてあげるね」
「やり過ぎた、バカ!」
浮竹が起きると、後始末は綺麗にされており、中に出されたものもかき出されていて、シーツも新しいものに変えられており、浮竹はパジャマを着ていた。
「腰がいたくなかったら、全てが夢だったように思える」
「浮竹のヴァージンは、ボクがもらったからね」
「恥ずかしいことを言うな、バカ!」
「ふふ・・・」
京楽は、浮竹の腰に回道をかける。浮竹も回道を使えるようになっていて、自分でも回道をかけた。
「今日は、念のためベッドで過ごしてね。今日と明日は休みだし」
「風呂に入ってくる」
「一人で入れる?なんなら、一緒に入る?」
「お前のことだから、絶倫だし絶対風呂の中でするだろ」
「あ、ばれた?」
「バカ!」
浮竹は、京楽をポカリと殴って、風呂に消えていった。
「ああ、幸せだなぁ」
京楽は、浮竹を手に入れた幸せを噛みしめていた。
それから月日は流れ、5回生になっていた。
浮竹の髪は腰まで伸びて、麗人だった。
「きゃあ、浮竹さんよ」
「素敵。京楽さんもいるわ」
二人は、お互いを高めあい、死神となるために歩み続ける。
5回生になった頃から、死神にまじって行動するようになった。
もう、学院で習うことは何もなかった。
卍解まで会得しており、6回生になって卒業した後には、席官クラスが用意されているそうだ。
「京楽、俺たち、死神の隊長になるぞ。先生に言われた通りに進んでいくんだ」
「山じいの言われた通りってわけじゃあないけど、ここまできたら、隊長になるしかないねぇ」
6回生になり、卒業式がやってきた。
浮竹は家族総出で喜んでいたが、京楽は一人だった。
「京楽、一緒にこい!」
「ええ!?」
浮竹は、京楽を無理やり誘って、流魂街にある自分の家に招待した。
「十四郎が、いつもお世話になっております」
「あ、これはどうも」
「これからも、十四郎のことを頼みます」
浮竹の母と父からそう言われて、京楽はまさかと思った。
「浮竹、もしかしてボクらのこと・・・・」
「文で書いて知らせている」
「えええええ!!いいの!?君、長男でしょ!?」
「俺が愛した人なら、性別も年齢もなんでもいいと言われた」
「緩すぎない?」
「そういう教育で育ってきた。今更だ」
「じゃあ、ボクたちは君の両親に認められて、正式にお付き合いしているって言ってもいいんだね?」
「ああ」
「お父さん、お母さん。ボクは京楽春水と申します。息子さんの浮竹十四郎は、ボクにとってとても大事な人です。幸せにします。どうか、ボクたちを見守っていてください」
京楽は、かしこまって浮竹の両親に挨拶をした。
浮竹の父と母は朗らかな人で「息子を頼みます」といって、ごちそうと酒を用意してくれた。
「お前の食べてきた貴族としての食事には遠く及ばないだろうけれど、俺も手伝って作ったんだ。食べてくれ」
京楽は、もっていたはしを動かして、祝い事のある時でしか作らないごちそうを食べていく。
「うん、おいしいね。君が作るの手伝ったっていうから、余計においしくかんじられる」
「そうか。よかった。酒は飲むだろう?」
京楽は酒豪だった。
浮竹はある程度は飲めるが、一定量を飲むと眠ってしまうので、酒を飲む時はセーブして飲んでいた。
「今日は、お互いはれて13番隊と8番隊の7席と8席としての席官入りを果たした日でもある。飲め。俺も今日は限界まで飲むぞ」
浮竹は言葉通り、眠りに落ちるまで飲んだ。
酒豪である京楽が、浮竹を抱き上げて、浮竹の寝室にまで運ぶと、浮竹を布団に寝かせて、キスをすると、その隣に布団をしいて、自分も寝た。
「浮竹、朝だよ。起きなよ」
「ん・・・昨日は、飲みすぎたな」
「そうみたいだね。君、途中で潰れちゃって、ボクが部屋まで運んで布団に寝かせたよ」
「すまん!客人であるお前に迷惑をかけた」
「そんなこと、いいって。それより、家族と別れをすましてこないと。しばらくの間は、死神としての業務に追われるよ」
「ああ、そうだな」
京楽の言葉通り、浮竹は家族に会い、しばしの別れを告げた。
「いいねぇ、浮竹にはいい家族がいて。ボクの家族ときたら、卒業式にもこないし、8番隊の8席になったっていうのに、祝いの言葉もなしだよ」
「京楽、寂しいか?」
別れを済ませた浮竹が、京楽に問う。
すると、京楽は笑って浮竹を抱き上げた。
「ボクは、君がいるから寂しくないよ。君は、ボクだけの翡翠だ」
「こら、まだ家族が見てるかもしれないんだぞ。やめないか」
「ふふ、浮竹の恥ずかしがりやさん」
「ばか、弟や妹はまだ幼いんだ。教育に悪い」
浮竹は、京楽の頭をぽかりと殴った。
「ふふ。ボクは幸せ者だなぁ」
「家族が卒業式に顔も出さないのにか?」
「あんな奴ら、家族と思ってない。ボクの家族は、浮竹、君だよ」
浮竹は真っ赤になった。
「お、俺もお前のこと、家族だと、思っている」
「ねえ、隊長になったら結婚式挙げようか」
「な!何をばかな・・・・・」
浮竹は、京楽がからかっているものだと思っていた。
「結婚式あげよ?」
「本気か?」
「本気だよ」
「考えておく」
答えは、保留だった。
「回道、かけてあげるね」
「やり過ぎた、バカ!」
浮竹が起きると、後始末は綺麗にされており、中に出されたものもかき出されていて、シーツも新しいものに変えられており、浮竹はパジャマを着ていた。
「腰がいたくなかったら、全てが夢だったように思える」
「浮竹のヴァージンは、ボクがもらったからね」
「恥ずかしいことを言うな、バカ!」
「ふふ・・・」
京楽は、浮竹の腰に回道をかける。浮竹も回道を使えるようになっていて、自分でも回道をかけた。
「今日は、念のためベッドで過ごしてね。今日と明日は休みだし」
「風呂に入ってくる」
「一人で入れる?なんなら、一緒に入る?」
「お前のことだから、絶倫だし絶対風呂の中でするだろ」
「あ、ばれた?」
「バカ!」
浮竹は、京楽をポカリと殴って、風呂に消えていった。
「ああ、幸せだなぁ」
京楽は、浮竹を手に入れた幸せを噛みしめていた。
それから月日は流れ、5回生になっていた。
浮竹の髪は腰まで伸びて、麗人だった。
「きゃあ、浮竹さんよ」
「素敵。京楽さんもいるわ」
二人は、お互いを高めあい、死神となるために歩み続ける。
5回生になった頃から、死神にまじって行動するようになった。
もう、学院で習うことは何もなかった。
卍解まで会得しており、6回生になって卒業した後には、席官クラスが用意されているそうだ。
「京楽、俺たち、死神の隊長になるぞ。先生に言われた通りに進んでいくんだ」
「山じいの言われた通りってわけじゃあないけど、ここまできたら、隊長になるしかないねぇ」
6回生になり、卒業式がやってきた。
浮竹は家族総出で喜んでいたが、京楽は一人だった。
「京楽、一緒にこい!」
「ええ!?」
浮竹は、京楽を無理やり誘って、流魂街にある自分の家に招待した。
「十四郎が、いつもお世話になっております」
「あ、これはどうも」
「これからも、十四郎のことを頼みます」
浮竹の母と父からそう言われて、京楽はまさかと思った。
「浮竹、もしかしてボクらのこと・・・・」
「文で書いて知らせている」
「えええええ!!いいの!?君、長男でしょ!?」
「俺が愛した人なら、性別も年齢もなんでもいいと言われた」
「緩すぎない?」
「そういう教育で育ってきた。今更だ」
「じゃあ、ボクたちは君の両親に認められて、正式にお付き合いしているって言ってもいいんだね?」
「ああ」
「お父さん、お母さん。ボクは京楽春水と申します。息子さんの浮竹十四郎は、ボクにとってとても大事な人です。幸せにします。どうか、ボクたちを見守っていてください」
京楽は、かしこまって浮竹の両親に挨拶をした。
浮竹の父と母は朗らかな人で「息子を頼みます」といって、ごちそうと酒を用意してくれた。
「お前の食べてきた貴族としての食事には遠く及ばないだろうけれど、俺も手伝って作ったんだ。食べてくれ」
京楽は、もっていたはしを動かして、祝い事のある時でしか作らないごちそうを食べていく。
「うん、おいしいね。君が作るの手伝ったっていうから、余計においしくかんじられる」
「そうか。よかった。酒は飲むだろう?」
京楽は酒豪だった。
浮竹はある程度は飲めるが、一定量を飲むと眠ってしまうので、酒を飲む時はセーブして飲んでいた。
「今日は、お互いはれて13番隊と8番隊の7席と8席としての席官入りを果たした日でもある。飲め。俺も今日は限界まで飲むぞ」
浮竹は言葉通り、眠りに落ちるまで飲んだ。
酒豪である京楽が、浮竹を抱き上げて、浮竹の寝室にまで運ぶと、浮竹を布団に寝かせて、キスをすると、その隣に布団をしいて、自分も寝た。
「浮竹、朝だよ。起きなよ」
「ん・・・昨日は、飲みすぎたな」
「そうみたいだね。君、途中で潰れちゃって、ボクが部屋まで運んで布団に寝かせたよ」
「すまん!客人であるお前に迷惑をかけた」
「そんなこと、いいって。それより、家族と別れをすましてこないと。しばらくの間は、死神としての業務に追われるよ」
「ああ、そうだな」
京楽の言葉通り、浮竹は家族に会い、しばしの別れを告げた。
「いいねぇ、浮竹にはいい家族がいて。ボクの家族ときたら、卒業式にもこないし、8番隊の8席になったっていうのに、祝いの言葉もなしだよ」
「京楽、寂しいか?」
別れを済ませた浮竹が、京楽に問う。
すると、京楽は笑って浮竹を抱き上げた。
「ボクは、君がいるから寂しくないよ。君は、ボクだけの翡翠だ」
「こら、まだ家族が見てるかもしれないんだぞ。やめないか」
「ふふ、浮竹の恥ずかしがりやさん」
「ばか、弟や妹はまだ幼いんだ。教育に悪い」
浮竹は、京楽の頭をぽかりと殴った。
「ふふ。ボクは幸せ者だなぁ」
「家族が卒業式に顔も出さないのにか?」
「あんな奴ら、家族と思ってない。ボクの家族は、浮竹、君だよ」
浮竹は真っ赤になった。
「お、俺もお前のこと、家族だと、思っている」
「ねえ、隊長になったら結婚式挙げようか」
「な!何をばかな・・・・・」
浮竹は、京楽がからかっているものだと思っていた。
「結婚式あげよ?」
「本気か?」
「本気だよ」
「考えておく」
答えは、保留だった。
ボクだけの翡翠6
受け入れるための準備をして、二人で風呂に入った。
お互いの体を洗い合い、髪を洗って湯船につかる。
「これから君を抱けると思うと、想像だけでいっちゃいそう」
「湯船の中に出すなよ!」
「そんなもったいないことしないよ!君の奥で出したい」
あられもない言葉に、浮竹は真っ赤になる。
「て、手加減しろよ?俺は始めてなんだ」
「うん、ボクに任せて?いつもの抜きあいっこの延長戦だと思えばいい」
「無理がありすぎるだろう。お前のそれが・・・・俺の、体の中に入るんだぞ?」
京楽のものは、でかい。
それを受け入れる場所ではないところで銜えこむのだ。相当の負担になるだろう。
風呂からあがり、室内着を着て、浮竹ばベッドに腰かけた。
京楽も腰かけて、まずは浮竹に触れるだけのキスをする。
「ん・・・・」
「リラックス、リラックス」
「う・・・・無理、だ」
浮竹は、真っ赤になって顔を隠した。
「じゃあ、いただきます」
京楽はそう言って、浮竹の衣服を次々とはいでいく。
浮竹が抵抗しないのをいいことに、下着も取り去って、裸にすると、覆いかぶさった。
「あ、いやだ!」
かつて、5人の男に輪姦されかけた記憶がフラッシュバックする。
「す、すまない・・・・襲われた時の記憶が蘇って・・・」
ガタガタと震え出す浮竹の体を抱きしめて、震えが治まるのを待った。
「大丈夫?」
「な、なんとか・・・・」
「じゃあ、始めるよ」
「んう」
ぴちゃりと舌が絡まりあうキスをされる。それだけで、体が疼いてくるのが分かった。
「んっ」
胸の先端をかりかりとひっかかれ、もう片方を甘噛みされると、くすぐったいが、少しきもちよくて、声がでた。
「あっ」
出た己の声を押し殺すように、手を口に当てる。
「声、聞かせて?君の感じてる声、もっと聞ききたい」
「あう」
京楽は、浮竹のものに手をはさせて、口に含んで直接愛撫した。
「あ、ああああ」
いつもの抜きあいっこで慣れてはきているが、やはり少し緊張しているのか。
「全部、ボクに任せて?」
「ん・・・ああああ!!!」
潤滑油でぬめった指が、体内に埋め込まれる。
ばらばらに動く指が前立腺をかすめて、浮竹はびくんと体をはねさせた。
「ふふ、ここ?君のいいことこ」
「やあああ、ぐりぐりしないでえええ」
浮竹のものをしゃぶりながら、指で前立腺のある場所を攻めたてる。
「あああああ!!!」
浮竹は、あまりの快感で頭が真っ白になった。
射精と同時に、中いきをしてしまっていた。
京楽は、浮竹の出した精液を味わうように嚥下する。
「やああ、飲むな」
「浮竹のは、薄いね。子種がないのかな?」
「やあああ」
耳まで犯されている錯覚に陥る。
指で蕾がぐちゃぐちゃになるまで解されて、京楽の猛ったものが宛がわれる。
「いれるよ?」
「あ、あ・・・・・・」
ずぷり。
「いたっ」
先端が入っただけで、浮竹は痛みを感じて声をあげていた。
「最初は痛いかもしれないけど、我慢して?すぐに、天国に連れてってあげるから」
「いあああああ!!」
ズチュリ。グチャグチャ。
中を犯す熱は大きく、浮竹は意識をもっていかれそうになった。
「やあああんん」
前立腺ばかりをすりあげられて、浮竹は身を捩る。
「逃げないで?」
「んあああああ!!」
一度引き抜いて、再び挿入された。
それを繰り返している間に、浮竹の蕾は京楽の大きさに慣れて、京楽を強く締め上げる。
「んっ、一度君の中に出すよ」
「あ、だめええ、孕んじゃう」
「ふふ、僕の子種ほしくて、奥がきゅんきゅんしてる」
「やああ!」
京楽は、浮竹の胎の奥に濃い精子をびゅるびゅると吐き出した。
「ああああ!!」
出されている間も、浮竹は体をびくびくさせて、中いきをしていた。
「ふふ、始めてなのにもう中いき覚えちゃったの?淫乱だね」
「やああ、違う、体が勝手に・・・・んう」
言葉を唇で封じられて、浮竹は京楽の舌を甘噛みした。
「次は、体位を変えてやろうか」
「え?」
京楽は、騎乗位にされていた。
「やああああ」
自分の体重で、ずぶずぶと京楽のものを飲みこんでいく。
「あああ!」
浮竹は、唇を舐めた。
「うわ、えっろ・・・・」
「んんう」
下から突きあげられると、肩まで伸びた白髪がふわりと宙を舞う。
「んああああ!」
ごちゅんごちゅんと、最奥をこじあけられて、浮竹はまた中いきをしていた。
「やあ、奥に、奥に当たってる」
「うん。君の奥に出すよ」
「やあああ、だめえええ」
「全部うけとめてね?」
京楽は、精液を浮竹の胎の奥に出していた。同時に、中いきしながら浮竹は射精していた。
「ふふ、一緒にいけたね?」
「んああ、気持ちいいの、止まらない。やあ、俺が、俺でなくなる・・・・・」
「一緒に、どろどろになっちゃおう」
「あ・・・・・」
抜きさられると、ひくひく蠢く蕾から、大量の精液が逆流して流れて、シーツを汚した。
「シーツ、洗濯・・・・・・・」
「そんなこと、どうでもいいから、今はこっちに集中して?」
また京楽に犯されて、浮竹は啼く。
「やあああん、だめええ、そこ、だめええ」
「ここ、気持ちいいんだね?もっと抉ってあげる」
「ひゃあああんん」
浮竹の思考が、ドロドロに溶けていく。
頭が真っ白になって、快感の海を漂い、そしてぷつりと意識は途絶えた。
「浮竹、浮竹?」
反応はなかった。
「初めてなのに、4回はさすがにやりすぎたかな・・・・」
浮竹が起きて、いつもの浮竹であれば「当たり前だ!」といって、殴ってくるだろう。
「君のヴァージン、ボクがもらったよ。君の初めての相手はボクだ。これからも、ボクだけのものだ」
翡翠を手に入れた。
ボクだけの翡翠を。
お互いの体を洗い合い、髪を洗って湯船につかる。
「これから君を抱けると思うと、想像だけでいっちゃいそう」
「湯船の中に出すなよ!」
「そんなもったいないことしないよ!君の奥で出したい」
あられもない言葉に、浮竹は真っ赤になる。
「て、手加減しろよ?俺は始めてなんだ」
「うん、ボクに任せて?いつもの抜きあいっこの延長戦だと思えばいい」
「無理がありすぎるだろう。お前のそれが・・・・俺の、体の中に入るんだぞ?」
京楽のものは、でかい。
それを受け入れる場所ではないところで銜えこむのだ。相当の負担になるだろう。
風呂からあがり、室内着を着て、浮竹ばベッドに腰かけた。
京楽も腰かけて、まずは浮竹に触れるだけのキスをする。
「ん・・・・」
「リラックス、リラックス」
「う・・・・無理、だ」
浮竹は、真っ赤になって顔を隠した。
「じゃあ、いただきます」
京楽はそう言って、浮竹の衣服を次々とはいでいく。
浮竹が抵抗しないのをいいことに、下着も取り去って、裸にすると、覆いかぶさった。
「あ、いやだ!」
かつて、5人の男に輪姦されかけた記憶がフラッシュバックする。
「す、すまない・・・・襲われた時の記憶が蘇って・・・」
ガタガタと震え出す浮竹の体を抱きしめて、震えが治まるのを待った。
「大丈夫?」
「な、なんとか・・・・」
「じゃあ、始めるよ」
「んう」
ぴちゃりと舌が絡まりあうキスをされる。それだけで、体が疼いてくるのが分かった。
「んっ」
胸の先端をかりかりとひっかかれ、もう片方を甘噛みされると、くすぐったいが、少しきもちよくて、声がでた。
「あっ」
出た己の声を押し殺すように、手を口に当てる。
「声、聞かせて?君の感じてる声、もっと聞ききたい」
「あう」
京楽は、浮竹のものに手をはさせて、口に含んで直接愛撫した。
「あ、ああああ」
いつもの抜きあいっこで慣れてはきているが、やはり少し緊張しているのか。
「全部、ボクに任せて?」
「ん・・・ああああ!!!」
潤滑油でぬめった指が、体内に埋め込まれる。
ばらばらに動く指が前立腺をかすめて、浮竹はびくんと体をはねさせた。
「ふふ、ここ?君のいいことこ」
「やあああ、ぐりぐりしないでえええ」
浮竹のものをしゃぶりながら、指で前立腺のある場所を攻めたてる。
「あああああ!!!」
浮竹は、あまりの快感で頭が真っ白になった。
射精と同時に、中いきをしてしまっていた。
京楽は、浮竹の出した精液を味わうように嚥下する。
「やああ、飲むな」
「浮竹のは、薄いね。子種がないのかな?」
「やあああ」
耳まで犯されている錯覚に陥る。
指で蕾がぐちゃぐちゃになるまで解されて、京楽の猛ったものが宛がわれる。
「いれるよ?」
「あ、あ・・・・・・」
ずぷり。
「いたっ」
先端が入っただけで、浮竹は痛みを感じて声をあげていた。
「最初は痛いかもしれないけど、我慢して?すぐに、天国に連れてってあげるから」
「いあああああ!!」
ズチュリ。グチャグチャ。
中を犯す熱は大きく、浮竹は意識をもっていかれそうになった。
「やあああんん」
前立腺ばかりをすりあげられて、浮竹は身を捩る。
「逃げないで?」
「んあああああ!!」
一度引き抜いて、再び挿入された。
それを繰り返している間に、浮竹の蕾は京楽の大きさに慣れて、京楽を強く締め上げる。
「んっ、一度君の中に出すよ」
「あ、だめええ、孕んじゃう」
「ふふ、僕の子種ほしくて、奥がきゅんきゅんしてる」
「やああ!」
京楽は、浮竹の胎の奥に濃い精子をびゅるびゅると吐き出した。
「ああああ!!」
出されている間も、浮竹は体をびくびくさせて、中いきをしていた。
「ふふ、始めてなのにもう中いき覚えちゃったの?淫乱だね」
「やああ、違う、体が勝手に・・・・んう」
言葉を唇で封じられて、浮竹は京楽の舌を甘噛みした。
「次は、体位を変えてやろうか」
「え?」
京楽は、騎乗位にされていた。
「やああああ」
自分の体重で、ずぶずぶと京楽のものを飲みこんでいく。
「あああ!」
浮竹は、唇を舐めた。
「うわ、えっろ・・・・」
「んんう」
下から突きあげられると、肩まで伸びた白髪がふわりと宙を舞う。
「んああああ!」
ごちゅんごちゅんと、最奥をこじあけられて、浮竹はまた中いきをしていた。
「やあ、奥に、奥に当たってる」
「うん。君の奥に出すよ」
「やあああ、だめえええ」
「全部うけとめてね?」
京楽は、精液を浮竹の胎の奥に出していた。同時に、中いきしながら浮竹は射精していた。
「ふふ、一緒にいけたね?」
「んああ、気持ちいいの、止まらない。やあ、俺が、俺でなくなる・・・・・」
「一緒に、どろどろになっちゃおう」
「あ・・・・・」
抜きさられると、ひくひく蠢く蕾から、大量の精液が逆流して流れて、シーツを汚した。
「シーツ、洗濯・・・・・・・」
「そんなこと、どうでもいいから、今はこっちに集中して?」
また京楽に犯されて、浮竹は啼く。
「やあああん、だめええ、そこ、だめええ」
「ここ、気持ちいいんだね?もっと抉ってあげる」
「ひゃあああんん」
浮竹の思考が、ドロドロに溶けていく。
頭が真っ白になって、快感の海を漂い、そしてぷつりと意識は途絶えた。
「浮竹、浮竹?」
反応はなかった。
「初めてなのに、4回はさすがにやりすぎたかな・・・・」
浮竹が起きて、いつもの浮竹であれば「当たり前だ!」といって、殴ってくるだろう。
「君のヴァージン、ボクがもらったよ。君の初めての相手はボクだ。これからも、ボクだけのものだ」
翡翠を手に入れた。
ボクだけの翡翠を。
ボクだけの翡翠5
浮竹と京楽が付きあいだして、1年が経とうとしていた。
3回生になっていた。
現世に、虚退治に皆で行く実習では、率先して虚に切りかかり、勝利を収めてきた。
そんな実習のある日、浮竹が血を吐いた。それも、虚との戦闘中にだ。
「ぐ・・・・・・・」
「危ない、浮竹!」
京楽は、必死で浮竹を庇った。
「く・・・」
背に、酷い傷を負う。
「京楽、俺のことより虚を!」
「君を、こんなところで死なせてなるもんか!」
京楽は、斬魄刀を握りしめて、浮竹を襲おうとして自分の背中を抉った虚と対峙して、その首を跳ね飛ばした。
「しゃああああああ」
虚は大きな声をあげて、消えていく。
「浮竹、無事かい?」
「俺より、京楽、出血量がやばい。今すぐ、4番隊に見てもらえ!」
念のためにとついてきていた4番隊に、今日は隊長の卯ノ花がいて、助かった。
京楽の背の傷は酷く出血は多かったが、命に別状はなかった。
卯ノ花は、次に浮竹を診た。
「発作が酷くなっていますね?ちゃんと薬を飲んでいますか?」
「最新の薬は高くて・・・前の薬を、服用しています・・・・・・」
「浮竹、お金のことはボクに任せてって言ったじゃない」
前に、お金に困ったことがあったら、京楽が助けると言っていたのだ。
「でも、薬に、お前にまで金を出してもらうのは悪くて・・・・」
甘味物や食事をおごられたり、着るものや装飾品、本や筆・・・・・いろんなものを買ってもらってはいたが、薬だけは自分の金でなんとかしたかった。
そして、なんとかしてきた。
最新の薬に変わり、値段が前の倍以上にはねあがった。
下級生の勉強を見てもらう賃金では、補えなくなっていた。
「いけません。高くても、きちんと最新の薬を飲んでください。あなたの肺の病は特殊で進行しませんが、時折悪化はします。薬を最新のものを飲むように・・・京楽さん、あなたからも言ってあげてください。私の言葉より、あなたの言葉を聞く子のようですから」
「卯ノ花隊長の言う通りだよ。ボクが薬代負担してあげるから、最新の薬を飲んで?」
「でも、それじゃあ俺はお前に与えられるだけで、何も返せない・・・・」
「返す方法はあるよ?」
「どこに?」
「ボクたち、付き合いはじめて1年経ったよね。1年経ったら・・・・・」
言葉の続きを理解して、浮竹は赤くなった。
「すみません、気分が悪いので今日の実習は早退します!」
「あ、浮竹!」
浮竹は、逃げるように現世から尸魂界に戻り、寮の部屋に戻るでもなく、よく京楽が登って寝ている桜の大木によじ登り、横になってみた。
肺の発作は、卯ノ花から渡された最新の薬を飲んで、落ち着いた。
季節は秋。
夏の暑い日光は和らぎ、さんさんと太陽の光が降り注ぐ。
浮竹は、春の次に秋が好きだった。
春は、愛しい相手の名前でもあるから。
春水。
どうすれば、俺はお前に報いることができる?
体を許せば、それでいいのか?
いろんなマイナスの思考がぐるぐる回る。
「好きなだけじゃ、だめなんだな」
分かっていた。
京楽が、浮竹を欲していることを。
付き合って1年が経過したら、体の関係を結んでもいいと言っていた。
でも、怖いのだ。
あの時、5人の男に襲われた時、京楽が助けてくれた。でも、トラウマになっていて、体を許すという行為が怖かった。
「俺は・・・・駄目だ、怖がってばかりじゃ。俺は京楽と付き合っているんだ。俺も、克服しなくちゃ」
「おーい、浮竹!」
ちょうど、京楽が浮竹の霊圧を探り、迎えにやってきた。
「京楽、するぞ」
「え、何を?」
「その・・・・・なにを、だ」
「はい?」
浮竹は言いにくそうに言葉を濁す。
何も分かっていない京楽は、浮竹は体の関係を拒むだろうと思っており、時間をかけて落としていくつもりだった。
「セックスだ、ばか!」
「ええええ!!」
「声がでかい!」
浮竹は、京楽に抱きしめられていた。
「ボクのこと、受け入れてくれるんだ。嬉しい」
「お、俺は初めてだし、その、お前の思うようには・・・・・」
「うん、いいんだ。ぐだぐだになったっていい。失敗で終わってもいい。でも、君を抱くよ」
京楽は、強く浮竹を抱きしめた。
「ボクだけの翡翠・・・・・手に入れた」
君は、ボクだけの翡翠。
君がいれば、他に何もいらない。
3回生になっていた。
現世に、虚退治に皆で行く実習では、率先して虚に切りかかり、勝利を収めてきた。
そんな実習のある日、浮竹が血を吐いた。それも、虚との戦闘中にだ。
「ぐ・・・・・・・」
「危ない、浮竹!」
京楽は、必死で浮竹を庇った。
「く・・・」
背に、酷い傷を負う。
「京楽、俺のことより虚を!」
「君を、こんなところで死なせてなるもんか!」
京楽は、斬魄刀を握りしめて、浮竹を襲おうとして自分の背中を抉った虚と対峙して、その首を跳ね飛ばした。
「しゃああああああ」
虚は大きな声をあげて、消えていく。
「浮竹、無事かい?」
「俺より、京楽、出血量がやばい。今すぐ、4番隊に見てもらえ!」
念のためにとついてきていた4番隊に、今日は隊長の卯ノ花がいて、助かった。
京楽の背の傷は酷く出血は多かったが、命に別状はなかった。
卯ノ花は、次に浮竹を診た。
「発作が酷くなっていますね?ちゃんと薬を飲んでいますか?」
「最新の薬は高くて・・・前の薬を、服用しています・・・・・・」
「浮竹、お金のことはボクに任せてって言ったじゃない」
前に、お金に困ったことがあったら、京楽が助けると言っていたのだ。
「でも、薬に、お前にまで金を出してもらうのは悪くて・・・・」
甘味物や食事をおごられたり、着るものや装飾品、本や筆・・・・・いろんなものを買ってもらってはいたが、薬だけは自分の金でなんとかしたかった。
そして、なんとかしてきた。
最新の薬に変わり、値段が前の倍以上にはねあがった。
下級生の勉強を見てもらう賃金では、補えなくなっていた。
「いけません。高くても、きちんと最新の薬を飲んでください。あなたの肺の病は特殊で進行しませんが、時折悪化はします。薬を最新のものを飲むように・・・京楽さん、あなたからも言ってあげてください。私の言葉より、あなたの言葉を聞く子のようですから」
「卯ノ花隊長の言う通りだよ。ボクが薬代負担してあげるから、最新の薬を飲んで?」
「でも、それじゃあ俺はお前に与えられるだけで、何も返せない・・・・」
「返す方法はあるよ?」
「どこに?」
「ボクたち、付き合いはじめて1年経ったよね。1年経ったら・・・・・」
言葉の続きを理解して、浮竹は赤くなった。
「すみません、気分が悪いので今日の実習は早退します!」
「あ、浮竹!」
浮竹は、逃げるように現世から尸魂界に戻り、寮の部屋に戻るでもなく、よく京楽が登って寝ている桜の大木によじ登り、横になってみた。
肺の発作は、卯ノ花から渡された最新の薬を飲んで、落ち着いた。
季節は秋。
夏の暑い日光は和らぎ、さんさんと太陽の光が降り注ぐ。
浮竹は、春の次に秋が好きだった。
春は、愛しい相手の名前でもあるから。
春水。
どうすれば、俺はお前に報いることができる?
体を許せば、それでいいのか?
いろんなマイナスの思考がぐるぐる回る。
「好きなだけじゃ、だめなんだな」
分かっていた。
京楽が、浮竹を欲していることを。
付き合って1年が経過したら、体の関係を結んでもいいと言っていた。
でも、怖いのだ。
あの時、5人の男に襲われた時、京楽が助けてくれた。でも、トラウマになっていて、体を許すという行為が怖かった。
「俺は・・・・駄目だ、怖がってばかりじゃ。俺は京楽と付き合っているんだ。俺も、克服しなくちゃ」
「おーい、浮竹!」
ちょうど、京楽が浮竹の霊圧を探り、迎えにやってきた。
「京楽、するぞ」
「え、何を?」
「その・・・・・なにを、だ」
「はい?」
浮竹は言いにくそうに言葉を濁す。
何も分かっていない京楽は、浮竹は体の関係を拒むだろうと思っており、時間をかけて落としていくつもりだった。
「セックスだ、ばか!」
「ええええ!!」
「声がでかい!」
浮竹は、京楽に抱きしめられていた。
「ボクのこと、受け入れてくれるんだ。嬉しい」
「お、俺は初めてだし、その、お前の思うようには・・・・・」
「うん、いいんだ。ぐだぐだになったっていい。失敗で終わってもいい。でも、君を抱くよ」
京楽は、強く浮竹を抱きしめた。
「ボクだけの翡翠・・・・・手に入れた」
君は、ボクだけの翡翠。
君がいれば、他に何もいらない。
ボクだけの翡翠4
季節は夏になった。
長期夏季休暇に、尸魂界にはない現世の海にいくことになった。
浮竹と京楽で、夏の熱帯気候の沖縄に近い無人島にやってきた。
「ここの気候なら、大丈夫だと思ったんだけど・・・・」
浮竹は、夏に弱い。
よく倒れる。
遊びにきたのに、早速太陽の熱にやられてパラソルの下でカキ氷を食べながらなんとか涼んで、体調を戻そうとしていた。
「京楽、もう大丈夫だ。回道もかけたし、泳ごう」
「本当に大丈夫かい?無理してない?」
「せっかく現世の海にこれたんだぞ。泳がないと勿体ない!」
浮竹は、珊瑚礁の海の中を潜っていく。
その後をおって、京楽も海の中に潜る。
海の中は鮮やかな熱帯魚たちが泳いでいた。
「ん・・・・・・」
海の中で、口づけされて、ゴポリと空気の泡が浮かんでいく。
「んう」
周囲には、熱帯魚。
浮竹は限界になり、酸素を求めて海面に出た。京楽もその後を続く。
「な、京楽!海の中でキスなんてするな!」
「だって、君が綺麗だったから」
エメラルドグリーンの海に、翡翠の瞳は綺麗で綺麗で、泣きそうなほどに綺麗だった。
「キスする時は、普通にしろ」
キス自体には、怒っていなかった。
食べ物はあまりもってきていなかったので、釣り道具を出して魚を釣り、焼いて食べた。
貝やら魚やら、それにもってきた野菜を焼いて、バーベキューをした。
「こんな夏も、いいな」
「そうでしょ。絶対、思い出に残る」
「尸魂界にいても、熱いだけだからな。夏季休暇は課題を出されるが、すでに終わってしまった。2学期の授業再開まで、暇だったので誘ってくれて嬉しかった」
「あの課題の量、もう全部終わらせたの?まだ夏休みはじまって1週間とそこらだよ」
「簡単だったぞ?ちゃんと授業に出て、予習復習をしていれば、解ける問題ばかりだ」
京楽は、よく授業をさぼった。
浮竹に連れられて、授業に出る時もあるが、寝ていて授業の内容など頭に入っていなかった。
でも、鬼道や剣の稽古には毎度顔を出した。
京楽の剣の腕は凄く、もう特進クラスである浮竹と京楽のクラスで相手になる者は、浮竹くらいしかいなかった。
毎度、浮竹と本当の死闘のような、稽古試合を繰り広げる。
京楽と浮竹を目にかけている山じいの目に狂いはなく、将来絶対に隊長クラスまで上り詰めるだろうと、教師たちや試合を見にきた卯ノ花隊長などに、そう言われていた。
夜になり、真っ暗になる。
浮竹は夜目が効くので、枯れ木を集めて火を起こし、灯りにした。
「ああ、星が綺麗だね」
「本当だ。尸魂界の空にも星はあるが、現世の星はまるで落ちてきそうなほどに輝いているな」
「あ、流れ星だよ」
「え、どこだ!?」
その日は、ラッキーなことに流星群の降る日だった。
たくさんの流れ星を見ながら、京楽は浮竹の隣に座る。浮竹は、京楽と手を繋ぎながら、京楽の肩に頭を乗せて、もたれかかった。
「綺麗だね」
「うん、綺麗だな」
「あ、翡翠色の流れ星・・・・・・」
京楽が、流れ落ちていった星に手伸ばす。
「翡翠、好きだな?」
「君の瞳の色だからね。君は、ボクだけの翡翠だ」
「は、恥ずかしい奴」
浮竹は赤くなって、京楽の胸で顔を隠した。
「もう、寝ようか。明日は浜辺で遊ぼう」
「そうだな」
その夜は、お互い疲れていたのかすぐに眠ってしまった。
「起きろ、京楽、朝だぞ」
「んー。なんか、甘い匂いがする」
「パイナップルという果実だ。朝はこれですまそう」
見た目はとげとげしいかったが、調理器具をもってきていたので、ナイフで半分に切ると、食欲をそそる甘い匂いがした。
「ん、これ甘酸っぱい。酸っぱいようで、甘味が強いね。おいしい」
「尸魂界にも、探せばあると思うぞ。とりあえず、お腹いっぱいになるまで数がいるから、もう少しとってきてくれ。群生地を教える」
京楽は、パイナップルを5つほどとってきた。
それを全部切り分けて、平等に・・・・のつもりだったが、甘いものが好きな浮竹のために、3対2になるように分けた。
「すまん。お前の分まで食べてしまって」
「いいよ。君は食が基本細いから、甘いものをたくさん食べるのはいいことだよ
太陽が真上に昇りきる前に、砂浜でお城をつくったりした。
昼は、ヤドカリを焼いて食べた。
「もう少し滞在したいけど、ボクたちのような存在がいると、虚が集まる。虚をおびき出す前に、尸魂界に帰ろうか」
「そうだな。いくら無人島といっても、近くに大きな島国があるんだろう。虚が出るかもしれない」
念のためもってきていた、斬魄刀を撫でる。
二人は、まだ2回生だというのに浅打から、己の斬魄刀を作り出し、対話できるようになっていた。
「帰ろうか。尸魂界に」
「ああ、帰ろう」
砂浜は、誰もいなくなったけれど、立派な城が残されるのだった。
長期夏季休暇に、尸魂界にはない現世の海にいくことになった。
浮竹と京楽で、夏の熱帯気候の沖縄に近い無人島にやってきた。
「ここの気候なら、大丈夫だと思ったんだけど・・・・」
浮竹は、夏に弱い。
よく倒れる。
遊びにきたのに、早速太陽の熱にやられてパラソルの下でカキ氷を食べながらなんとか涼んで、体調を戻そうとしていた。
「京楽、もう大丈夫だ。回道もかけたし、泳ごう」
「本当に大丈夫かい?無理してない?」
「せっかく現世の海にこれたんだぞ。泳がないと勿体ない!」
浮竹は、珊瑚礁の海の中を潜っていく。
その後をおって、京楽も海の中に潜る。
海の中は鮮やかな熱帯魚たちが泳いでいた。
「ん・・・・・・」
海の中で、口づけされて、ゴポリと空気の泡が浮かんでいく。
「んう」
周囲には、熱帯魚。
浮竹は限界になり、酸素を求めて海面に出た。京楽もその後を続く。
「な、京楽!海の中でキスなんてするな!」
「だって、君が綺麗だったから」
エメラルドグリーンの海に、翡翠の瞳は綺麗で綺麗で、泣きそうなほどに綺麗だった。
「キスする時は、普通にしろ」
キス自体には、怒っていなかった。
食べ物はあまりもってきていなかったので、釣り道具を出して魚を釣り、焼いて食べた。
貝やら魚やら、それにもってきた野菜を焼いて、バーベキューをした。
「こんな夏も、いいな」
「そうでしょ。絶対、思い出に残る」
「尸魂界にいても、熱いだけだからな。夏季休暇は課題を出されるが、すでに終わってしまった。2学期の授業再開まで、暇だったので誘ってくれて嬉しかった」
「あの課題の量、もう全部終わらせたの?まだ夏休みはじまって1週間とそこらだよ」
「簡単だったぞ?ちゃんと授業に出て、予習復習をしていれば、解ける問題ばかりだ」
京楽は、よく授業をさぼった。
浮竹に連れられて、授業に出る時もあるが、寝ていて授業の内容など頭に入っていなかった。
でも、鬼道や剣の稽古には毎度顔を出した。
京楽の剣の腕は凄く、もう特進クラスである浮竹と京楽のクラスで相手になる者は、浮竹くらいしかいなかった。
毎度、浮竹と本当の死闘のような、稽古試合を繰り広げる。
京楽と浮竹を目にかけている山じいの目に狂いはなく、将来絶対に隊長クラスまで上り詰めるだろうと、教師たちや試合を見にきた卯ノ花隊長などに、そう言われていた。
夜になり、真っ暗になる。
浮竹は夜目が効くので、枯れ木を集めて火を起こし、灯りにした。
「ああ、星が綺麗だね」
「本当だ。尸魂界の空にも星はあるが、現世の星はまるで落ちてきそうなほどに輝いているな」
「あ、流れ星だよ」
「え、どこだ!?」
その日は、ラッキーなことに流星群の降る日だった。
たくさんの流れ星を見ながら、京楽は浮竹の隣に座る。浮竹は、京楽と手を繋ぎながら、京楽の肩に頭を乗せて、もたれかかった。
「綺麗だね」
「うん、綺麗だな」
「あ、翡翠色の流れ星・・・・・・」
京楽が、流れ落ちていった星に手伸ばす。
「翡翠、好きだな?」
「君の瞳の色だからね。君は、ボクだけの翡翠だ」
「は、恥ずかしい奴」
浮竹は赤くなって、京楽の胸で顔を隠した。
「もう、寝ようか。明日は浜辺で遊ぼう」
「そうだな」
その夜は、お互い疲れていたのかすぐに眠ってしまった。
「起きろ、京楽、朝だぞ」
「んー。なんか、甘い匂いがする」
「パイナップルという果実だ。朝はこれですまそう」
見た目はとげとげしいかったが、調理器具をもってきていたので、ナイフで半分に切ると、食欲をそそる甘い匂いがした。
「ん、これ甘酸っぱい。酸っぱいようで、甘味が強いね。おいしい」
「尸魂界にも、探せばあると思うぞ。とりあえず、お腹いっぱいになるまで数がいるから、もう少しとってきてくれ。群生地を教える」
京楽は、パイナップルを5つほどとってきた。
それを全部切り分けて、平等に・・・・のつもりだったが、甘いものが好きな浮竹のために、3対2になるように分けた。
「すまん。お前の分まで食べてしまって」
「いいよ。君は食が基本細いから、甘いものをたくさん食べるのはいいことだよ
太陽が真上に昇りきる前に、砂浜でお城をつくったりした。
昼は、ヤドカリを焼いて食べた。
「もう少し滞在したいけど、ボクたちのような存在がいると、虚が集まる。虚をおびき出す前に、尸魂界に帰ろうか」
「そうだな。いくら無人島といっても、近くに大きな島国があるんだろう。虚が出るかもしれない」
念のためもってきていた、斬魄刀を撫でる。
二人は、まだ2回生だというのに浅打から、己の斬魄刀を作り出し、対話できるようになっていた。
「帰ろうか。尸魂界に」
「ああ、帰ろう」
砂浜は、誰もいなくなったけれど、立派な城が残されるのだった。
ボクだけの翡翠3
結局、浮竹を襲った5人は退学処分となり、警邏隊に引き渡されて、京楽家の力が加わって5年強制労働の罰を受けた。
「京楽、次の授業はとってないよな?俺は受けるから、いつもの桜の木の上で待っていてくれ」
浮竹は、京楽に完全に依存していた。
京楽は、自分の欲を浮竹に見せずに、親友という位置を守り続けた。
浮竹の意識がないのをいいことに、何度か口づけして、キスマークを残したりしたが、あの5人のようになりたくなくて、無理強いはしないし、まだ好きだとも言っていなかった。
でも、浮竹もうすうす感じていた
京楽と、ただの親友でおさまる関係でなくなってきていることに。
ある日、眠っている浮竹に口づけると、翡翠の瞳がゆっくり見開かれた。
「京楽・・・・・・」
「浮竹、これは・・・・」
「ん、いいんだ。俺は、京楽のこと好きだ。その、こういう行為はまだ慣れてないけど、お前が俺のことを好きなように、俺もお前のことが・・・・」
「浮竹!」
「京楽、苦しい」
京楽は、涙を零しながら、浮竹を抱きしめた。
「少し、外を歩こうか。夜桜を見に行こう」
「うん」
浮竹と京楽は、手を繋いで外に出て、ゆっくり移動する。
「綺麗だな。夜桜」
「ボクは、浮竹のほうが綺麗に見える。散っていく花びらに混じって、そのまま消えてしまいそうに儚く見える」
「これでも、一応鍛えてるんだぞ」
「そのわりには筋肉あんまりついていないけどね」
「むう」
浮竹は口を尖らせた。
「その、この前は危ないところをありがとう。でも、京楽はあいつらとは違う。俺のことを一番に見てくれるし、俺を守ってくれる」
「そりゃ、君のことが好きだからね」
「その、恋人同士というのか。好き同士なら」
顔を赤くさせなながら、浮竹は続きを言う。
「京楽となら、恋人同士になっても、いい」
「本当に?浮竹、後悔したりしない?ボクも男だよ。あいつらと同じ欲をもっている。恋人同士になったら、抑えがきかないかもしれない」
「その、京楽は俺のこと考えてくれるだろう?無理やりとか、しないだろう?」
「当たり前でしょ!」
京楽の声が大きくなる。
「うん。俺、お前となら恋仲に落ちていいと、多分ずっと思ってた」
「浮竹?」
「第一印象は最悪だったけど、接しているうちに、ああ、こいつは俺を見てくれているんだなって・・・・・」
浮竹は、赤くなりながら手を差し出してきた。
「最初は、親友の一歩先からでお願いします!」
「ぷ・・・・あはははは」
「ちょ、京楽酷いぞ。俺の一大決心なのに」
「うん。ボクもよろしく。親友の一歩先からで」
京楽は、夜桜を見上げながら、浮竹を抱きしめる。
「京楽?」
「キス、していい?」
「キスくらいなら・・・・・」
「じゃあ、するよ?」
「んんう!」
浮竹の唇を無理やりこじ開けて、縮まっている舌を絡めとり、お互いの唾液を交じり合わせながら、ディープキスを繰り返す。
「きょうら・・・・・ふあっ」
浮竹は、京楽のテクニックの前では赤子のようだった。
「どうしたの?」
「立てない。腰にきた」
「瞬歩で帰ろうか。その、ボクが抜いてあげようか?」
「だ、だめだ!交際は順序がある!」」
浮竹曰く、肉体関係になるには最低でも1年は付き合わなけれはならないらしい。
京楽はもどかしいと思うが、浮竹を手に入れたので、それでもいいかと思った。
浮竹と京楽は、恋人同士になった。
それを察するに者はあまりいなかった。
甘い関係を匂わせるのは二人だけの時で、今はハグとキスだけだった。
そんな関係が半年続き、京楽は焦らずに浮竹が体を許してくれるのを待った。
半年が経って、お互い一緒に入浴するようになった。
浮竹は京楽の逞しい体を羨ましがった。
京楽は線の細い浮竹の体を見て、欲情していた。
「君をめちゃめちゃにしたい」
「でも、しないだろう?」
「うん。君を大切にしたいから」
「その・・・抜きあいっこなら、いいぞ」
その言葉に、京楽は鳶色の瞳を細めた。
「じゃあ、遠慮なく」
「え、あ、はう、ああああ」
浮竹のものに手をはわせて、それから躊躇もなく口に含んだ。
「んんっ」
全体をしごきながら、舐めあげて先端を舌で刺激すると、浮竹は我慢できずに精液を京楽の口の中に放っていた。
「ああ、やああ、京楽、はき出せ」
京楽は、見せつけるようにゴクリとそれを嚥下する。
「京楽!」
「次は浮竹の番だよ?それとも、もっと抜いてほしい?」
「い、いらない。俺がする・・・・その、口ではまだ無理だけど・・・」
京楽の勃起した、自分のものよりはるかに巨大なそれに手をはわせて、しごきあげて、鈴口に爪をたてると、京楽はたまっていた精液を浮竹の顔にかけてしまった。
「ごめん、顔射しちゃった」
「顔射?それってなんだ?」
ある意味純粋培養な浮竹に、男同士のやり方や気持ちのいい場所を教えていく。
浮竹は、真っ赤になってそれを聞いていた。
「京楽、次の授業はとってないよな?俺は受けるから、いつもの桜の木の上で待っていてくれ」
浮竹は、京楽に完全に依存していた。
京楽は、自分の欲を浮竹に見せずに、親友という位置を守り続けた。
浮竹の意識がないのをいいことに、何度か口づけして、キスマークを残したりしたが、あの5人のようになりたくなくて、無理強いはしないし、まだ好きだとも言っていなかった。
でも、浮竹もうすうす感じていた
京楽と、ただの親友でおさまる関係でなくなってきていることに。
ある日、眠っている浮竹に口づけると、翡翠の瞳がゆっくり見開かれた。
「京楽・・・・・・」
「浮竹、これは・・・・」
「ん、いいんだ。俺は、京楽のこと好きだ。その、こういう行為はまだ慣れてないけど、お前が俺のことを好きなように、俺もお前のことが・・・・」
「浮竹!」
「京楽、苦しい」
京楽は、涙を零しながら、浮竹を抱きしめた。
「少し、外を歩こうか。夜桜を見に行こう」
「うん」
浮竹と京楽は、手を繋いで外に出て、ゆっくり移動する。
「綺麗だな。夜桜」
「ボクは、浮竹のほうが綺麗に見える。散っていく花びらに混じって、そのまま消えてしまいそうに儚く見える」
「これでも、一応鍛えてるんだぞ」
「そのわりには筋肉あんまりついていないけどね」
「むう」
浮竹は口を尖らせた。
「その、この前は危ないところをありがとう。でも、京楽はあいつらとは違う。俺のことを一番に見てくれるし、俺を守ってくれる」
「そりゃ、君のことが好きだからね」
「その、恋人同士というのか。好き同士なら」
顔を赤くさせなながら、浮竹は続きを言う。
「京楽となら、恋人同士になっても、いい」
「本当に?浮竹、後悔したりしない?ボクも男だよ。あいつらと同じ欲をもっている。恋人同士になったら、抑えがきかないかもしれない」
「その、京楽は俺のこと考えてくれるだろう?無理やりとか、しないだろう?」
「当たり前でしょ!」
京楽の声が大きくなる。
「うん。俺、お前となら恋仲に落ちていいと、多分ずっと思ってた」
「浮竹?」
「第一印象は最悪だったけど、接しているうちに、ああ、こいつは俺を見てくれているんだなって・・・・・」
浮竹は、赤くなりながら手を差し出してきた。
「最初は、親友の一歩先からでお願いします!」
「ぷ・・・・あはははは」
「ちょ、京楽酷いぞ。俺の一大決心なのに」
「うん。ボクもよろしく。親友の一歩先からで」
京楽は、夜桜を見上げながら、浮竹を抱きしめる。
「京楽?」
「キス、していい?」
「キスくらいなら・・・・・」
「じゃあ、するよ?」
「んんう!」
浮竹の唇を無理やりこじ開けて、縮まっている舌を絡めとり、お互いの唾液を交じり合わせながら、ディープキスを繰り返す。
「きょうら・・・・・ふあっ」
浮竹は、京楽のテクニックの前では赤子のようだった。
「どうしたの?」
「立てない。腰にきた」
「瞬歩で帰ろうか。その、ボクが抜いてあげようか?」
「だ、だめだ!交際は順序がある!」」
浮竹曰く、肉体関係になるには最低でも1年は付き合わなけれはならないらしい。
京楽はもどかしいと思うが、浮竹を手に入れたので、それでもいいかと思った。
浮竹と京楽は、恋人同士になった。
それを察するに者はあまりいなかった。
甘い関係を匂わせるのは二人だけの時で、今はハグとキスだけだった。
そんな関係が半年続き、京楽は焦らずに浮竹が体を許してくれるのを待った。
半年が経って、お互い一緒に入浴するようになった。
浮竹は京楽の逞しい体を羨ましがった。
京楽は線の細い浮竹の体を見て、欲情していた。
「君をめちゃめちゃにしたい」
「でも、しないだろう?」
「うん。君を大切にしたいから」
「その・・・抜きあいっこなら、いいぞ」
その言葉に、京楽は鳶色の瞳を細めた。
「じゃあ、遠慮なく」
「え、あ、はう、ああああ」
浮竹のものに手をはわせて、それから躊躇もなく口に含んだ。
「んんっ」
全体をしごきながら、舐めあげて先端を舌で刺激すると、浮竹は我慢できずに精液を京楽の口の中に放っていた。
「ああ、やああ、京楽、はき出せ」
京楽は、見せつけるようにゴクリとそれを嚥下する。
「京楽!」
「次は浮竹の番だよ?それとも、もっと抜いてほしい?」
「い、いらない。俺がする・・・・その、口ではまだ無理だけど・・・」
京楽の勃起した、自分のものよりはるかに巨大なそれに手をはわせて、しごきあげて、鈴口に爪をたてると、京楽はたまっていた精液を浮竹の顔にかけてしまった。
「ごめん、顔射しちゃった」
「顔射?それってなんだ?」
ある意味純粋培養な浮竹に、男同士のやり方や気持ちのいい場所を教えていく。
浮竹は、真っ赤になってそれを聞いていた。
ボクだけの翡翠2
「雪だ!」
浮竹は、院生服のまま外にでて、雪兎を作っていた。
「だめだよ、浮竹。ちゃんと上着着なきゃ」
「でも、雪だぞ。瀞霊廷では滅多に降らない。俺が生まれた流魂街でも降らなかった」
本当に雪が積もるほど降るのは珍しく、京楽は浮竹に上着とマフラーと手袋をさせて、浮竹が雪だるまを作るのを手伝った。
「けっこう重労働だね。雪だるま作るのって」
「目は・・・この木の実でいいか。枝を腕にしよう」
適当な位置に茂っていた、葉のない枝を折って、浮竹は雪だるまの腕にした。
「っくしょん」
「ああ、浮竹、もうだめだよ。雪遊びはおしまい。これ以上してたら、風邪をひく」
「多分、もうひいてるかもしれない」
その言葉通り、浮竹は次の日には熱を出し、咳をしていた。
「おかゆ、作ってもらったよ。病院で風邪薬もらってきたから、食べたら飲んでね」
「京楽、そのすまない。せっかくの冬の長期休みなのに、お前は家族のところにも帰らず、俺が寮で過ごすと言い出したから、一緒にいてくれるんだろう?」
「違うよ。ボクの家族はボクをこの学院に放りこんだからね。放蕩息子に嫌気がさしたんだろうさ。今頃実家に帰っても、いい顔をされないよ」
本当は、ずっと浮竹の傍にいたいから、とは言い出せなかった。
浮竹は、困ったような顔をしてから、おかゆを少し食べて風邪薬を飲むと、眠ってしまった。
「ねぇ、浮竹。ボクが、君のことを抱きたいくらいに君が好きって言ったら、どう思う?」
意識のない浮竹の少し伸びた白髪を、手ですいてみる。
浮竹は自分の白い髪が嫌いなのだそうだが、綺麗だから伸ばせばいいと京楽が言ってから、髪を切るのを止めてしまった。
「ねぇ、なんで髪伸ばしてくれてるの?ボクが綺麗だからって言ったせい?」
浮竹の眠りは深く、起きない。
「浮竹・・・・好き、だよ」
意識のない浮竹に、触れるだけの口づけをしてから、京楽は頭を冷やすために風呂に入るのだった。
季節は移りかわり、春になった。
2回生になっていた。
相変わらず浮竹の傍には京楽がいて、浮竹狙いの女子には邪魔な相手だった。
浮竹は、女の子にそれなりにもてた。病弱で下級貴族だが、可憐な容姿をしていて、彼女になりたがる女の子はけっこういた。
でも、みんな告白する前に京楽に告白されて、しばらく付きあったのち振られた。
「もう、春水ってばさいてー。浮竹君狙いだったのに」
「浮竹には、無垢なままでいてほしい」
「なにそれー。あたし、わかんなーい」
馬鹿な頭の女の子を振って、浮竹を守った。
浮竹は、その見た目のせいで男にまでもてた。
男の先輩からラブレターをもらった日には、どうしようと相談してきた。
その気はないと言えばいいというと、怖くて一人では会えないというので、京楽がついていった。
「すみません、俺にはそういう気はないので」
「じゃあ、その側の京楽ってのはなんだよ。お前狙いなんだろ?」
「京楽を侮辱しないでもらいたい。京楽はかけがえのない、俺の親友です」
親友。
そのポジションは、心地よかった。
「ちっ、俺は諦めねーからな」
男の先輩を振った数日後、女の名前で浮竹は呼び出された。
浮竹に変な虫がついてほしくないので、そっと後をつける。
「きたきた。なかなか上玉じゃん。はやく、まわしちまおうぜ」
「え?」
浮竹はいきなり無人の教室の床に押し倒されて、手首を縄で戒められて、院生服をびりっとやぶかれた。
「は、破道の・・んんん」
口にタオルをつっこまれて、浮竹はあまりさらさない白い肌を、男たちの前で見せることになる。
「俺は諦めねーっていっただろ。お前、一度自分のこと理解すればいいんだ。一部の男は、お前をこうした目で見てるってことにな!!!」
「んんーーー!!!」
びりっとさらに院制服を破かれて、浮竹は涙を流す。
「そこまでだよ」
ゆらりと、京楽が凄まじい霊圧でその場を支配した。
「ちっ、またお前かよ!邪魔すんなよ。あ、そっか。お前も仲間に入るか?」
「んーーー!!」
浮竹は、京楽と叫んでいるらしかった。
「その汚いいちもつ、直してくれない?そのかっこのまま、気絶したくないでしょ?」
「うっせぇな。もういい、こいつたたんじまおうぜ。それから、こいつが見ている前で浮竹を輪姦だ」
「んんん!!!」
浮竹は、泣きながら恐怖に震え、京楽を見ていた。
数は五人。対して、こちらは京楽一人。
「やっちまえ」
「おう」
京楽は、鬼道を唱えた。
「破道の4、白雷」
本来なら、人に向かって使用してはいけない、鬼道だった。
「ぎゃああああ」
「ぐぎゃああああ」
足を貫かれて、動けない相手を蹴り飛ばして、顔面を殴る。鼻血が顔面を汚すまで、殴ったり蹴ったりした。
「もう、君たちは学院にはいられないからね?浮竹が、理事長である山じいのお気に入りだって、知らなかったでしょ。この件は山じいに訴える。あと、京楽家の、上流貴族の力で退学後もしばらくは豚箱行きだからね」
「ひいいい」
京楽がふと我に返った時には、全員床の伸びていた。
「んん・・・・・」
「浮竹!ごめんね、すぐにタオルとってあげるし、縄もといてあげる」
「ん・・・京楽、京楽!怖かった!」
浮竹は、肌も露わな上半身をさらして、京楽に抱き着いた。
涙で揺れる翡翠の瞳に、思わずぞくりとなる。
「寮の部屋に帰ろう。こいつらの始末は、京楽家の人間に任せて?」
「うん・・・・・・」
浮竹は、いかにも強姦未遂されましたという出で立ちで、困った京楽は、医務室にいって誰もいないのを確認すると、シーツで浮竹を包んで、瞬歩で寮の部屋に戻った。
破れた院生の服を室内着に着替えさせて、ショックでガタガタ震えている浮竹を抱きしめる。
「怖かった・・・・怖くて、怖くて・・・」
「大丈夫、君の傍にはボクがいる。ボクが、君を守るから」
「京楽・・・・ありがとう」
京楽に抱きしめられながら、浮竹は眠ってしまった。
浮竹は、院生服のまま外にでて、雪兎を作っていた。
「だめだよ、浮竹。ちゃんと上着着なきゃ」
「でも、雪だぞ。瀞霊廷では滅多に降らない。俺が生まれた流魂街でも降らなかった」
本当に雪が積もるほど降るのは珍しく、京楽は浮竹に上着とマフラーと手袋をさせて、浮竹が雪だるまを作るのを手伝った。
「けっこう重労働だね。雪だるま作るのって」
「目は・・・この木の実でいいか。枝を腕にしよう」
適当な位置に茂っていた、葉のない枝を折って、浮竹は雪だるまの腕にした。
「っくしょん」
「ああ、浮竹、もうだめだよ。雪遊びはおしまい。これ以上してたら、風邪をひく」
「多分、もうひいてるかもしれない」
その言葉通り、浮竹は次の日には熱を出し、咳をしていた。
「おかゆ、作ってもらったよ。病院で風邪薬もらってきたから、食べたら飲んでね」
「京楽、そのすまない。せっかくの冬の長期休みなのに、お前は家族のところにも帰らず、俺が寮で過ごすと言い出したから、一緒にいてくれるんだろう?」
「違うよ。ボクの家族はボクをこの学院に放りこんだからね。放蕩息子に嫌気がさしたんだろうさ。今頃実家に帰っても、いい顔をされないよ」
本当は、ずっと浮竹の傍にいたいから、とは言い出せなかった。
浮竹は、困ったような顔をしてから、おかゆを少し食べて風邪薬を飲むと、眠ってしまった。
「ねぇ、浮竹。ボクが、君のことを抱きたいくらいに君が好きって言ったら、どう思う?」
意識のない浮竹の少し伸びた白髪を、手ですいてみる。
浮竹は自分の白い髪が嫌いなのだそうだが、綺麗だから伸ばせばいいと京楽が言ってから、髪を切るのを止めてしまった。
「ねぇ、なんで髪伸ばしてくれてるの?ボクが綺麗だからって言ったせい?」
浮竹の眠りは深く、起きない。
「浮竹・・・・好き、だよ」
意識のない浮竹に、触れるだけの口づけをしてから、京楽は頭を冷やすために風呂に入るのだった。
季節は移りかわり、春になった。
2回生になっていた。
相変わらず浮竹の傍には京楽がいて、浮竹狙いの女子には邪魔な相手だった。
浮竹は、女の子にそれなりにもてた。病弱で下級貴族だが、可憐な容姿をしていて、彼女になりたがる女の子はけっこういた。
でも、みんな告白する前に京楽に告白されて、しばらく付きあったのち振られた。
「もう、春水ってばさいてー。浮竹君狙いだったのに」
「浮竹には、無垢なままでいてほしい」
「なにそれー。あたし、わかんなーい」
馬鹿な頭の女の子を振って、浮竹を守った。
浮竹は、その見た目のせいで男にまでもてた。
男の先輩からラブレターをもらった日には、どうしようと相談してきた。
その気はないと言えばいいというと、怖くて一人では会えないというので、京楽がついていった。
「すみません、俺にはそういう気はないので」
「じゃあ、その側の京楽ってのはなんだよ。お前狙いなんだろ?」
「京楽を侮辱しないでもらいたい。京楽はかけがえのない、俺の親友です」
親友。
そのポジションは、心地よかった。
「ちっ、俺は諦めねーからな」
男の先輩を振った数日後、女の名前で浮竹は呼び出された。
浮竹に変な虫がついてほしくないので、そっと後をつける。
「きたきた。なかなか上玉じゃん。はやく、まわしちまおうぜ」
「え?」
浮竹はいきなり無人の教室の床に押し倒されて、手首を縄で戒められて、院生服をびりっとやぶかれた。
「は、破道の・・んんん」
口にタオルをつっこまれて、浮竹はあまりさらさない白い肌を、男たちの前で見せることになる。
「俺は諦めねーっていっただろ。お前、一度自分のこと理解すればいいんだ。一部の男は、お前をこうした目で見てるってことにな!!!」
「んんーーー!!!」
びりっとさらに院制服を破かれて、浮竹は涙を流す。
「そこまでだよ」
ゆらりと、京楽が凄まじい霊圧でその場を支配した。
「ちっ、またお前かよ!邪魔すんなよ。あ、そっか。お前も仲間に入るか?」
「んーーー!!」
浮竹は、京楽と叫んでいるらしかった。
「その汚いいちもつ、直してくれない?そのかっこのまま、気絶したくないでしょ?」
「うっせぇな。もういい、こいつたたんじまおうぜ。それから、こいつが見ている前で浮竹を輪姦だ」
「んんん!!!」
浮竹は、泣きながら恐怖に震え、京楽を見ていた。
数は五人。対して、こちらは京楽一人。
「やっちまえ」
「おう」
京楽は、鬼道を唱えた。
「破道の4、白雷」
本来なら、人に向かって使用してはいけない、鬼道だった。
「ぎゃああああ」
「ぐぎゃああああ」
足を貫かれて、動けない相手を蹴り飛ばして、顔面を殴る。鼻血が顔面を汚すまで、殴ったり蹴ったりした。
「もう、君たちは学院にはいられないからね?浮竹が、理事長である山じいのお気に入りだって、知らなかったでしょ。この件は山じいに訴える。あと、京楽家の、上流貴族の力で退学後もしばらくは豚箱行きだからね」
「ひいいい」
京楽がふと我に返った時には、全員床の伸びていた。
「んん・・・・・」
「浮竹!ごめんね、すぐにタオルとってあげるし、縄もといてあげる」
「ん・・・京楽、京楽!怖かった!」
浮竹は、肌も露わな上半身をさらして、京楽に抱き着いた。
涙で揺れる翡翠の瞳に、思わずぞくりとなる。
「寮の部屋に帰ろう。こいつらの始末は、京楽家の人間に任せて?」
「うん・・・・・・」
浮竹は、いかにも強姦未遂されましたという出で立ちで、困った京楽は、医務室にいって誰もいないのを確認すると、シーツで浮竹を包んで、瞬歩で寮の部屋に戻った。
破れた院生の服を室内着に着替えさせて、ショックでガタガタ震えている浮竹を抱きしめる。
「怖かった・・・・怖くて、怖くて・・・」
「大丈夫、君の傍にはボクがいる。ボクが、君を守るから」
「京楽・・・・ありがとう」
京楽に抱きしめられながら、浮竹は眠ってしまった。
ボクだけの翡翠
それは、ボクだけの翡翠。
ボクだけの。
出会いは、山じいの紹介から始まった。
「この子は、お前と同じ寮の部屋に入る相手じゃ。肺を病んでいて、時折血を吐く上に病弱じゃ。じゃが、死神になるのに申し分ない素質をもっておる」
正直、その子を見たとき、翡翠が輝いていると思った。
翡翠の瞳に白い髪の、綺麗な子だった。
「ボク、女の子には優しいよ?」
「俺は浮竹十四郎。男だ!」
浮竹と名乗った翡翠の瞳をもつ、少女でなく少年は、性別を間違えられたことに怒って違う方向を向いてしまった。
「こりゃ、十四郎。これからこの春水と一緒に生活するのじゃぞ。仲良くせんか」
「ごめんごめん。あまりに綺麗な翡翠の瞳に綺麗な顔立ちをしているから、女の子と思っちゃった。悪気はなかったんだ。許してよ」
「・・・・・許してやる。名は?」
「京楽春水。本名はもっと長いんだけど、これで通してる」
「上流貴族か」
「そうだよ」
「俺も下級だが貴族だ。だが、上流貴族だからって、命令とかしても聞かないからな」
第一印象は、最悪のようであった。
その日から、一緒に生活するようになった。
出会いの悪印象は一日で解けて、浮竹はボクの後を追ってくる、子犬みたいだった。
「京楽、次の授業とってるだろう?席をとっておくな?」
「あー次の授業は・・・・・」
「さぼりはだめだぞ。先週さぼっただろう!」
浮竹は、体が弱くて病気がちで授業を休むこともあったが、基本真面目で必須科目以外の座学もとっていた。
鬼道と木刀をもった稽古試合の実力は、目を見張るものがあった。
「次。はい、お前の負け。次!」
次々と木刀で、相手をしてくる者を叩き伏せる。
「次は、ボクだよ」
「京楽か・・・手加減はしないぞ」
「ボクだって」
何度も切り結びあい、お互い息が上がってきた。
それでも、京楽も浮竹も心の底から楽しんでいた。この相手ともっと剣を交えたい、と。
「ごほっ」
浮竹が咳き込み、血を吐いたのを京楽は見ていた。
血を吐いてもなお、木刀を落とさずに切りかかってくる。
その切っ先は、京楽の喉もと。
「参った。ボクの負けだよ」
「ふふ、あの京楽に勝ったぞ。ごほっ、ごほっ・・・・ぐ・・・・・」
ますます咳き込んで、血を吐く京楽を抱き上げて、医務室まで走る。
「すまない、京楽」
「何、負けたのはボクだしね。それにしても、発作が起きてるのにボクに勝つなんて、君、本当に才能あるね」
「鍛錬はできるだけしているからな。先生にも教えてもらっている」
この場合の先生とは、山じいのことだ。
道理で、強いわけだ。
山じいの指導は厳しくて、音を上げる者が殆どだと聞いた。
そんな中、この浮竹は山じいに教えをこい、それを紙が水を吸収するように覚えていくのだろう。
ほしい。
この翡翠が欲しい。
始めて出会った時から、胸は高鳴る一方だった。
同じ性別なので、何かの勘違いかと思っていたのだが、浮竹の一足一挙動が、京楽の心を刺激した。
医務室に行くと、担当医はおらず、ベッドに浮竹を寝かせると、布団をかけてやった。
「ごほっごほっ」
「待ってて。今、水をはったたらいとタオルもってくるから」
院生の服を赤く染める浮竹が心配すぎて、本当は離れたくなかったけれど、浮竹のためだと言い聞かせて、水をはったたらいとタオルで、口元の血を拭う。
「熱があるんじゃない?」
「ん・・・そういえば、朝から体がだるくて、少し熱っぽかった」
体温計で測ると、38度となっていた。
「完全に病人じゃない!そんな体でよくボクに勝てたね」
「熱を出すのはいつものことだ。慣れている」
浮竹は、京楽に濡れたタオルを額に置いてもらいながら、布団をかぶりなおした。
「今度から、熱が出たり出そうだったりする時はボクに言って。簡単なものだけど、回道かけるから」
「京楽、お前もう回道を使えるのか」
「山じいにしごかれて、自分でできた傷を治しているうちに、自然とね」
「俺も回道を使えるようになりたい」
「そのうち、授業で教えてくれるはずだよ」
京楽はそう言うが、浮竹は首を横に振った。
「お前が教えてくれ。少しでも、自分で治して周囲への負担を軽くしたい」
「いいよ。でも、その代わり・・・・ねぇ、ボクと同じベッドで眠って?」
「は?」
浮竹は、翡翠の瞳を見開いた。
「添い寝だよ、添い寝」
「普通、そういうのは女の子に頼まないか?お前、もてるんだろう?」
「もてるよ。でも、飽きちゃった」
「なんだ、それ」
京楽は苦笑した。
「まぁ、いいぞ。添い寝くらい。同じベッドで眠るだけなんだろう。今年の冬は寒いっていうし・・・・・・」
浮竹は、京楽に下心があるなんて、微塵も疑わなかった。
京楽は、下心で浮竹の純粋である部分を侵食していく。
出会いは桜の咲く春。
今は、冬がこようとしていた。
ボクだけの。
出会いは、山じいの紹介から始まった。
「この子は、お前と同じ寮の部屋に入る相手じゃ。肺を病んでいて、時折血を吐く上に病弱じゃ。じゃが、死神になるのに申し分ない素質をもっておる」
正直、その子を見たとき、翡翠が輝いていると思った。
翡翠の瞳に白い髪の、綺麗な子だった。
「ボク、女の子には優しいよ?」
「俺は浮竹十四郎。男だ!」
浮竹と名乗った翡翠の瞳をもつ、少女でなく少年は、性別を間違えられたことに怒って違う方向を向いてしまった。
「こりゃ、十四郎。これからこの春水と一緒に生活するのじゃぞ。仲良くせんか」
「ごめんごめん。あまりに綺麗な翡翠の瞳に綺麗な顔立ちをしているから、女の子と思っちゃった。悪気はなかったんだ。許してよ」
「・・・・・許してやる。名は?」
「京楽春水。本名はもっと長いんだけど、これで通してる」
「上流貴族か」
「そうだよ」
「俺も下級だが貴族だ。だが、上流貴族だからって、命令とかしても聞かないからな」
第一印象は、最悪のようであった。
その日から、一緒に生活するようになった。
出会いの悪印象は一日で解けて、浮竹はボクの後を追ってくる、子犬みたいだった。
「京楽、次の授業とってるだろう?席をとっておくな?」
「あー次の授業は・・・・・」
「さぼりはだめだぞ。先週さぼっただろう!」
浮竹は、体が弱くて病気がちで授業を休むこともあったが、基本真面目で必須科目以外の座学もとっていた。
鬼道と木刀をもった稽古試合の実力は、目を見張るものがあった。
「次。はい、お前の負け。次!」
次々と木刀で、相手をしてくる者を叩き伏せる。
「次は、ボクだよ」
「京楽か・・・手加減はしないぞ」
「ボクだって」
何度も切り結びあい、お互い息が上がってきた。
それでも、京楽も浮竹も心の底から楽しんでいた。この相手ともっと剣を交えたい、と。
「ごほっ」
浮竹が咳き込み、血を吐いたのを京楽は見ていた。
血を吐いてもなお、木刀を落とさずに切りかかってくる。
その切っ先は、京楽の喉もと。
「参った。ボクの負けだよ」
「ふふ、あの京楽に勝ったぞ。ごほっ、ごほっ・・・・ぐ・・・・・」
ますます咳き込んで、血を吐く京楽を抱き上げて、医務室まで走る。
「すまない、京楽」
「何、負けたのはボクだしね。それにしても、発作が起きてるのにボクに勝つなんて、君、本当に才能あるね」
「鍛錬はできるだけしているからな。先生にも教えてもらっている」
この場合の先生とは、山じいのことだ。
道理で、強いわけだ。
山じいの指導は厳しくて、音を上げる者が殆どだと聞いた。
そんな中、この浮竹は山じいに教えをこい、それを紙が水を吸収するように覚えていくのだろう。
ほしい。
この翡翠が欲しい。
始めて出会った時から、胸は高鳴る一方だった。
同じ性別なので、何かの勘違いかと思っていたのだが、浮竹の一足一挙動が、京楽の心を刺激した。
医務室に行くと、担当医はおらず、ベッドに浮竹を寝かせると、布団をかけてやった。
「ごほっごほっ」
「待ってて。今、水をはったたらいとタオルもってくるから」
院生の服を赤く染める浮竹が心配すぎて、本当は離れたくなかったけれど、浮竹のためだと言い聞かせて、水をはったたらいとタオルで、口元の血を拭う。
「熱があるんじゃない?」
「ん・・・そういえば、朝から体がだるくて、少し熱っぽかった」
体温計で測ると、38度となっていた。
「完全に病人じゃない!そんな体でよくボクに勝てたね」
「熱を出すのはいつものことだ。慣れている」
浮竹は、京楽に濡れたタオルを額に置いてもらいながら、布団をかぶりなおした。
「今度から、熱が出たり出そうだったりする時はボクに言って。簡単なものだけど、回道かけるから」
「京楽、お前もう回道を使えるのか」
「山じいにしごかれて、自分でできた傷を治しているうちに、自然とね」
「俺も回道を使えるようになりたい」
「そのうち、授業で教えてくれるはずだよ」
京楽はそう言うが、浮竹は首を横に振った。
「お前が教えてくれ。少しでも、自分で治して周囲への負担を軽くしたい」
「いいよ。でも、その代わり・・・・ねぇ、ボクと同じベッドで眠って?」
「は?」
浮竹は、翡翠の瞳を見開いた。
「添い寝だよ、添い寝」
「普通、そういうのは女の子に頼まないか?お前、もてるんだろう?」
「もてるよ。でも、飽きちゃった」
「なんだ、それ」
京楽は苦笑した。
「まぁ、いいぞ。添い寝くらい。同じベッドで眠るだけなんだろう。今年の冬は寒いっていうし・・・・・・」
浮竹は、京楽に下心があるなんて、微塵も疑わなかった。
京楽は、下心で浮竹の純粋である部分を侵食していく。
出会いは桜の咲く春。
今は、冬がこようとしていた。
いちご、すきだ
「いちご、好きだ」
「え、ルキア?」
「何を惚けておる。苺が好きなのだと言っている。貴様の苺をよこせ」
ルキアは今、一護の家に居候している。
夕飯の席でのいきなりの「好きだ」発言に、みんな「ええ!?」っていう顔になったが、デザートで出された苺が甘くておいしくて、ルキアは気に入って、一護の分まで食べた。
「はぁ。ドキッとして損した。俺の青春を返せ」
「はぁ?何を惚けたことを言っている」
すでに余所行きの口調は疲れるし、いつまでも騙せないので、いつものルキアのふるまいで一護の家族とも接していた。
「貴様の名も一護だったな。ふふ、私が貴様を好きだといったと勘違いしたのであろう」
「うっせ。風呂入ってくる」
一護は、自分の分の苺を全部ルキアにとられて、もうどうでもいいようなかんじで、風呂に行ってしまった。
「変な奴だ」
ルキアは、2階の一護の寝室のベッドに寝転がる。
目を閉じると、急激な眠気が襲ってきて、ルキアは眠ってしまった。
「おい、ルキア、風呂入れって親父が・・・・・寝てんのか?」
「一護、好きだ・・・一護・・・・・」
「はぁ、また苺かよ」
ルキアのふっくらとした唇に、指で触れる。
一護は、ルキアが寝ているのをいいことに、キスをした。
その瞬間ルキアの目が開いて、ゴンと、二人は額をぶつけあう。
「な、き、貴様、今、私に何をした!?」
「何って、ただのキス。俺はルキアのこと好きだから。好きな子が自分の部屋にいるんだ。少しくらいちょっかいかけても、かまわねぇだろ?」
「な!」
ルキアがボンと音をたてて真っ赤になった。
「貴様、私のことを好いているというのか」
「そうだぜ。好きだって、いつも常日頃から言ってるだろ」
「友情や家族の好きだと思っていた・・・・・・」
「ひでぇ」
「わ、私も・・・・・・」
一護は首を傾げる。
「私も?その続きは?」
「私も・・・・・一護のことが、好きだ!」
押し入れからコンを取り出して、好きだといいながら、コンを一護の顔に押し付けた。
「姉さん、ひでぇ!」
「おいルキア、コンを使うな」
かあああと、真っ赤になったルキアはかわいかった。
いつもかわいし、可憐な容姿をしているが、今は特別かわいく見えた。
「俺たち、両想いなんだな。じゃあ、付き合うか」
「つ、付き合う!?」
「なんだ、嫌なのか?」
「私は死神で、貴様は人間だぞ」
「愛に、種族も性別もかんけぇねえ」
「そのような言葉だと、私が男だったとしても好きだと言っているように聞こえる」
「ルキアは女の子だろ。例えで話しただけで、俺は女の子しか好きじゃねぇ」
「い、井上がいるであろうが!」
つい先日、井上が一護に告白しのをルキアは知っていた。
それを断ったことまでは知らなかった。
「ああ、井上の告白なら断った。ルキアのことが好きだからって」
「なななな、な!」
ルキアは真っ赤になって、ぼふんと音を立てて倒れた。
「おい、ルキア!?」
のそりと立ち上がり、お風呂セットを手に、部屋の扉をあける。
「風呂に入ってくる・・・少し、頭を冷やしてくる・・・・」
逃げるように、ルキアは一護の前から去った。
ルキアが風呂からあがり、一護の部屋の前で入るのを躊躇っていると、一護が扉をあけてルキアを抱きしめた。
「な、一護!?」
「好きだって言ったよな。お前も俺のこと好きだって。今日もいつもみたいに、一緒に寝ようぜ」
一護は、ルキアを腕の中に抱いて眠る。
今まで恥ずかしくもなかった行為なのだが、好きで好きだと言われて、すごく恥ずかしく思えた。
「わ、私は押入れで寝る・・・・・」
「何もしやしねぇよ。押し入れなんかで寝るなよ。一緒に寝ようぜ」
「しかし・・・・」
「ほら、明日も学校があるんだ。早めに寝ようぜ?」
ルキアを抱きしめて、一護は電気を消すと、すーすーとすぐに眠ってしまった。
「ううう・・・近すぎる。緊張して眠れぬ」
一護の腰にまわされた手を握り返しながらいろいろ考えていると、そのうち睡魔が襲ってきて眠ってしまった。
「ルキア、朝だぜ、起きろ」
「うーん、あと10分・・・・・」
「昨日なかなか寝付けなかったのか?」
「誰かのせいでな!」
ルキアは悪態をつくが、一護は嬉しそうにしていた。
「俺のこと、意識してくれたのか。ルキア、すっげぇかわいい」
「な!」
朝ごはんに呼ばれて、顔が赤いままトーストとサラダを食べて、そのまま登校する。
「手、繋ごうぜ」
「た、たわけ!誰かが見ていたらどうするのだ」
「ああ、今日の朝のうちに、スマホで井上とチャドと石田に、ルキアと付き合うことになったってメッセージ送っておいた」
「ななななな!!!」
ルキアは、これはもう観念するいしかないと思った。
「一護、手を繋ぐぞ。こうなればやけだ。貴様との交際を兄様にも認めてもらう」
「白哉、許してくれるかな?」
「兄様は、私の幸せを一番に考えてくれる。反対はすまい。ただし、浮気などしたら兄様の千本桜で塵一つこの世からなくなると思え」
「うわ、こえー。でも、ルキア以外に興味ねーよ。好きだぜ、ルキア」
「わ・・・・・私も貴様のことが好きだ、一護」
初々しく、手を繋ぎながら登校する。
学校では、ルキアと一護が付きあいだしたと、大騒ぎであった。
一応、水色と啓吾にも報告したのがいけなかったらしい。
「よ、ご両人、お揃いで」
「一護の裏切者おおおお」
朝からハイテンションな水色と啓吾と適当に会話して、一護とルキアは今週の日曜に初デートする約束をするのであった。
「え、ルキア?」
「何を惚けておる。苺が好きなのだと言っている。貴様の苺をよこせ」
ルキアは今、一護の家に居候している。
夕飯の席でのいきなりの「好きだ」発言に、みんな「ええ!?」っていう顔になったが、デザートで出された苺が甘くておいしくて、ルキアは気に入って、一護の分まで食べた。
「はぁ。ドキッとして損した。俺の青春を返せ」
「はぁ?何を惚けたことを言っている」
すでに余所行きの口調は疲れるし、いつまでも騙せないので、いつものルキアのふるまいで一護の家族とも接していた。
「貴様の名も一護だったな。ふふ、私が貴様を好きだといったと勘違いしたのであろう」
「うっせ。風呂入ってくる」
一護は、自分の分の苺を全部ルキアにとられて、もうどうでもいいようなかんじで、風呂に行ってしまった。
「変な奴だ」
ルキアは、2階の一護の寝室のベッドに寝転がる。
目を閉じると、急激な眠気が襲ってきて、ルキアは眠ってしまった。
「おい、ルキア、風呂入れって親父が・・・・・寝てんのか?」
「一護、好きだ・・・一護・・・・・」
「はぁ、また苺かよ」
ルキアのふっくらとした唇に、指で触れる。
一護は、ルキアが寝ているのをいいことに、キスをした。
その瞬間ルキアの目が開いて、ゴンと、二人は額をぶつけあう。
「な、き、貴様、今、私に何をした!?」
「何って、ただのキス。俺はルキアのこと好きだから。好きな子が自分の部屋にいるんだ。少しくらいちょっかいかけても、かまわねぇだろ?」
「な!」
ルキアがボンと音をたてて真っ赤になった。
「貴様、私のことを好いているというのか」
「そうだぜ。好きだって、いつも常日頃から言ってるだろ」
「友情や家族の好きだと思っていた・・・・・・」
「ひでぇ」
「わ、私も・・・・・・」
一護は首を傾げる。
「私も?その続きは?」
「私も・・・・・一護のことが、好きだ!」
押し入れからコンを取り出して、好きだといいながら、コンを一護の顔に押し付けた。
「姉さん、ひでぇ!」
「おいルキア、コンを使うな」
かあああと、真っ赤になったルキアはかわいかった。
いつもかわいし、可憐な容姿をしているが、今は特別かわいく見えた。
「俺たち、両想いなんだな。じゃあ、付き合うか」
「つ、付き合う!?」
「なんだ、嫌なのか?」
「私は死神で、貴様は人間だぞ」
「愛に、種族も性別もかんけぇねえ」
「そのような言葉だと、私が男だったとしても好きだと言っているように聞こえる」
「ルキアは女の子だろ。例えで話しただけで、俺は女の子しか好きじゃねぇ」
「い、井上がいるであろうが!」
つい先日、井上が一護に告白しのをルキアは知っていた。
それを断ったことまでは知らなかった。
「ああ、井上の告白なら断った。ルキアのことが好きだからって」
「なななな、な!」
ルキアは真っ赤になって、ぼふんと音を立てて倒れた。
「おい、ルキア!?」
のそりと立ち上がり、お風呂セットを手に、部屋の扉をあける。
「風呂に入ってくる・・・少し、頭を冷やしてくる・・・・」
逃げるように、ルキアは一護の前から去った。
ルキアが風呂からあがり、一護の部屋の前で入るのを躊躇っていると、一護が扉をあけてルキアを抱きしめた。
「な、一護!?」
「好きだって言ったよな。お前も俺のこと好きだって。今日もいつもみたいに、一緒に寝ようぜ」
一護は、ルキアを腕の中に抱いて眠る。
今まで恥ずかしくもなかった行為なのだが、好きで好きだと言われて、すごく恥ずかしく思えた。
「わ、私は押入れで寝る・・・・・」
「何もしやしねぇよ。押し入れなんかで寝るなよ。一緒に寝ようぜ」
「しかし・・・・」
「ほら、明日も学校があるんだ。早めに寝ようぜ?」
ルキアを抱きしめて、一護は電気を消すと、すーすーとすぐに眠ってしまった。
「ううう・・・近すぎる。緊張して眠れぬ」
一護の腰にまわされた手を握り返しながらいろいろ考えていると、そのうち睡魔が襲ってきて眠ってしまった。
「ルキア、朝だぜ、起きろ」
「うーん、あと10分・・・・・」
「昨日なかなか寝付けなかったのか?」
「誰かのせいでな!」
ルキアは悪態をつくが、一護は嬉しそうにしていた。
「俺のこと、意識してくれたのか。ルキア、すっげぇかわいい」
「な!」
朝ごはんに呼ばれて、顔が赤いままトーストとサラダを食べて、そのまま登校する。
「手、繋ごうぜ」
「た、たわけ!誰かが見ていたらどうするのだ」
「ああ、今日の朝のうちに、スマホで井上とチャドと石田に、ルキアと付き合うことになったってメッセージ送っておいた」
「ななななな!!!」
ルキアは、これはもう観念するいしかないと思った。
「一護、手を繋ぐぞ。こうなればやけだ。貴様との交際を兄様にも認めてもらう」
「白哉、許してくれるかな?」
「兄様は、私の幸せを一番に考えてくれる。反対はすまい。ただし、浮気などしたら兄様の千本桜で塵一つこの世からなくなると思え」
「うわ、こえー。でも、ルキア以外に興味ねーよ。好きだぜ、ルキア」
「わ・・・・・私も貴様のことが好きだ、一護」
初々しく、手を繋ぎながら登校する。
学校では、ルキアと一護が付きあいだしたと、大騒ぎであった。
一応、水色と啓吾にも報告したのがいけなかったらしい。
「よ、ご両人、お揃いで」
「一護の裏切者おおおお」
朝からハイテンションな水色と啓吾と適当に会話して、一護とルキアは今週の日曜に初デートする約束をするのであった。
オメガバース恋白4
白哉は、アルファとして振る舞っているが、実はオメガだ。
もうその事実は、貴族の間でも護廷13隊の間でも広まってしまい、隠しようがなかったが、あくまでアルファのように日々を送った。
「隊長、大丈夫っすか?そろそろヒートくる頃っすよね」
「くどい。ヒート抑制剤の新しい新薬を飲んでいる。ヒートはしばらく来ぬ」
「そんな、薬ばかりに頼ってると、体に悪いですよ」
恋次は、白哉のもっていた書類の束を持って、机に置いた。
「今は仕事がたまっている。仕事に集中しろ」
「はいはい」
今日も、白哉は美人だと恋次は思った。
少し長めの黒髪はさらさらで、全く日に焼けていない肌、どこか甘い香りがして、長いまつ毛に囲まれた黒曜石の瞳は、潤んでいるように見えた。
「恋次・・・・・すまぬ、ヒートだ」
「隊長?」
「く、新薬は効果が薄いか・・・・ヒートがきたと言っているのだ。相手をせよ」
「ええっ。ここでですか?」
「違う。隊首室にベッドがあっただろう。あそこでだ」
念のため、恋次は隊首室に潤滑油やらアフターピルやらを用意していた。
それを知らない白哉ではなかった。
「歩くのが億劫だ。抱き上げろ」
「お姫様っすね」
「千本桜で、切り刻まれたいか」
「う、嘘っす。抱き上げますよ」
同じ男にしては華奢すぎる体は、軽かった。
横抱きにして、隊首室まで移動して、ベッドの上に座らせる。
白哉は、自分から恋次に口づけし、口を開いて舌を入れた。
「た、隊長・・・・・」
「黙れ」
恋次の我慢の紐は、すぐにちぎれてしまった。
「んう」
深く白哉に口づけて、舌を絡めとると、唾液がまじりあうくらいにキスを繰り返す。
「あっ」
白哉の隊長羽織と死覇装やもろもろのものをはぎとって、裸にすると、白哉は目を細めた。
「お前も脱げ」
「言われなくても・・・・」
恋次も死覇装を脱いで、鍛えぬいた逞しい体をさらす。
「隊長、愛してます」
白哉の首筋をなめて、キスマークを残し、下へ下へと唇をはわせていく。
胸の先端を甘噛みすると、ピクリと白哉が動いた。
「気もちいいっすか?」
「し、知らぬ」
「ほんと、素直じゃないっすね」
白哉のものを直接口に含んで愛撫してやれば、ビクンと白哉は体をはねさせる。
「ああああ!!」
ヒート期間以外に交わることはあまりないので、けっこう濃いめの精子を白哉は恋次の口の中に吐き出していた。
「濃いっすね。ドロドロだ」
「う、うるさい」
「指、いれますよ」
「んああああ」
潤滑油に濡れた指を蕾に入れて、ばらばらに動かす。
もう片方の手で、まだ萎えていない白哉のものをしごいた。
「ひあああ!!」
指がこりこりと前立腺を刺激して、白哉は中いきと同時に精液を吐き出していた。
「俺も、我慢の限界っす。いれますよ?」
「ん・・こい」
「あっちい・・・・・」
恋次は、己のものを自然に濡れている白哉の蕾にあてがい、貫いた。
「ひああああ!あ!」
白哉は挿入された瞬間、頭が真っ白になった。
快感だけに支配されて、オメガの浅はかな性欲が出てくる。
「あ、や・・・・」
「ここ、こんなに濡らして、いやじゃないですよね?」
「やあっ」
恋次は、白哉の足を肩に担ぐと、奥まで挿入した。
ごりごりと最奥の子宮がある場所まで入り込む。
「やあああ、深い・・・・・」
「きもちいいっすか?」
「あ、し、知らぬ・・・・・」
「ほんと、あんたって素直じゃないっすね」
ぱんぱんと腰を打ち付けると、白哉は恋次の背中に手をまわして、背中に爪をたてる。
「すごいきもいいっす、隊長」
「あ、あ、あ!」
恋次は、リズミカルに動く。
時に浅く、時に深く。
「あああああ!!!」
白哉が快感で真っ白になった瞬間に、恋次は白哉の子宮の奥に子種をたっぷり注いでいた。
「まだ、足りないっすよね?俺も抱くの久しぶりだから、止まらないっす」
「やあああ」
白哉は首を縦に振るが、恋次は白哉の足を広げさせて、奥を貫いた。
「んあ!はう!」
ごりごりと奥を抉ってやると、白哉の締め付けが強くなった。
「ああ、いっちゃてるんすね。いくらでもいちゃってください。後始末とか全部俺がするし、アフターピルも飲ませるんで」
「いあああ!!」
白哉はあまりの快感に涙を流していた。
その涙を、恋次が舐めとる。
「愛してます、隊長」
恋次は番だ。
白哉も恋次を愛しているが、あまり言葉にしてくれない。
「隊長はどうっすか?俺のこと、愛してますか?」
「あ、あ、し、知らぬ」
「じゃあ、もう終わっちゃいますよ?」
熱い熱がずるりと引き抜かれていき、それを締め付けて白哉は甘ったるい声を出した。
「あ、あ、恋次、愛している・・・・・私だけの、番・・・・」
ぱちゅん!
再び貫くと、白哉は精液を吐き出していた。
「あああ、頭が、真っ白に・・・・・・」
「気、失ってもいいっすよ。後始末は全部俺がするんで」
ぐりぐりと子宮に侵入してきた恋次のものは、子種をまき散らす。白哉の舌を絡めとるキスをしながら、欲望をたっぷりと白哉の中に注ぎこんだ。
「恋次・・・・・すまぬ、もう、意識が・・・・・」
「いいっすよ。ヒート期間の始まりっすから、眠るかセックスするかのどっちかしか大抵しない。いった勢いのまま、寝てください。どうせ、予兆があって寝れなかったんでしょう?寝不足の顔してますよ」
「ああああああ!!!」
白哉は中いきをして、喘いでそのまま意識を闇に落としていった。
次に気づくと、朽木家の自分の部屋で寝かされていた。
身は綺麗に清められており、アフターピルも飲んだようで、子を孕んだかんじはしなかった。
「私は・・・なぜ、オメガなのだ」
自分の浅はかな欲と、それを巻き起こすヒートが憎い。
でも、愛しい者ができた。
緋真を愛し失ってから、もう二度と作らぬと思っていた、愛しい者が。
「恋次」
「はい」
「わ!」
白哉はびっくりした。
恋次が、白哉の布団の隣で布団をしいて、寝ていたのだ。起きてはいたが、寝ようとしているところだったようだ。
「あ、念のためもっかいアフターピル飲むっすか?」
「うむ」
白い錠剤と、水の入ったコップを受け取って、胃に流しこむ。
「すまぬ、恋次。ヒート期間は、世話になる」
「何言ってるんすか。俺たち、番でしょう?隊長がヒートになったら、相手してなだめるのが俺の役割っす」
「本当に、オメガというのは厄介だ」
「でも、お陰で隊長を手に入れられた。他のアルファには、気を許さぬようにしてくださいっす。隊長綺麗な上にオメガで、4大貴族朽木家当主だから、狙われやすい」
「私は弱くない。返り討ちにできる」
「でも、ヒート期間はそうは言ってられないでしょ」
「むう・・・・・」
眉間に皺を寄せる白哉に、キスをして、恋次は白哉の布団にもぐりこんだ。
「なんのつもりだ」
「添い寝っすよ」
「いらぬ」
「まぁ、そう言わずに」
またキスされて、今度は舌をからめとられて、ズクンと体が疼きそうになった。
「お前など知らぬ。寝る」
白哉は、恋次を布団から叩き出すと、横になってすぐに眠ってしまった。
「ほんと、俺のお姫様は素直じゃないっすね・・・・・」
隣の布団にもぐりこみ、恋次も眠ることにした。
ヒート期間は1週間は続く。
白哉は抑制剤を飲んで軽いヒートにすませているが、それでもヒート期間は辛い。番となっているから安心できるが、もしも番とならずに上流貴族にでも抱かれて、子でも身籠った日には、恋次は怒りで白哉をきっと奪うだろう。
「おやすみなさい、俺の隊長」
眠る白哉に触れるだけのキスをする、恋次だった。
もうその事実は、貴族の間でも護廷13隊の間でも広まってしまい、隠しようがなかったが、あくまでアルファのように日々を送った。
「隊長、大丈夫っすか?そろそろヒートくる頃っすよね」
「くどい。ヒート抑制剤の新しい新薬を飲んでいる。ヒートはしばらく来ぬ」
「そんな、薬ばかりに頼ってると、体に悪いですよ」
恋次は、白哉のもっていた書類の束を持って、机に置いた。
「今は仕事がたまっている。仕事に集中しろ」
「はいはい」
今日も、白哉は美人だと恋次は思った。
少し長めの黒髪はさらさらで、全く日に焼けていない肌、どこか甘い香りがして、長いまつ毛に囲まれた黒曜石の瞳は、潤んでいるように見えた。
「恋次・・・・・すまぬ、ヒートだ」
「隊長?」
「く、新薬は効果が薄いか・・・・ヒートがきたと言っているのだ。相手をせよ」
「ええっ。ここでですか?」
「違う。隊首室にベッドがあっただろう。あそこでだ」
念のため、恋次は隊首室に潤滑油やらアフターピルやらを用意していた。
それを知らない白哉ではなかった。
「歩くのが億劫だ。抱き上げろ」
「お姫様っすね」
「千本桜で、切り刻まれたいか」
「う、嘘っす。抱き上げますよ」
同じ男にしては華奢すぎる体は、軽かった。
横抱きにして、隊首室まで移動して、ベッドの上に座らせる。
白哉は、自分から恋次に口づけし、口を開いて舌を入れた。
「た、隊長・・・・・」
「黙れ」
恋次の我慢の紐は、すぐにちぎれてしまった。
「んう」
深く白哉に口づけて、舌を絡めとると、唾液がまじりあうくらいにキスを繰り返す。
「あっ」
白哉の隊長羽織と死覇装やもろもろのものをはぎとって、裸にすると、白哉は目を細めた。
「お前も脱げ」
「言われなくても・・・・」
恋次も死覇装を脱いで、鍛えぬいた逞しい体をさらす。
「隊長、愛してます」
白哉の首筋をなめて、キスマークを残し、下へ下へと唇をはわせていく。
胸の先端を甘噛みすると、ピクリと白哉が動いた。
「気もちいいっすか?」
「し、知らぬ」
「ほんと、素直じゃないっすね」
白哉のものを直接口に含んで愛撫してやれば、ビクンと白哉は体をはねさせる。
「ああああ!!」
ヒート期間以外に交わることはあまりないので、けっこう濃いめの精子を白哉は恋次の口の中に吐き出していた。
「濃いっすね。ドロドロだ」
「う、うるさい」
「指、いれますよ」
「んああああ」
潤滑油に濡れた指を蕾に入れて、ばらばらに動かす。
もう片方の手で、まだ萎えていない白哉のものをしごいた。
「ひあああ!!」
指がこりこりと前立腺を刺激して、白哉は中いきと同時に精液を吐き出していた。
「俺も、我慢の限界っす。いれますよ?」
「ん・・こい」
「あっちい・・・・・」
恋次は、己のものを自然に濡れている白哉の蕾にあてがい、貫いた。
「ひああああ!あ!」
白哉は挿入された瞬間、頭が真っ白になった。
快感だけに支配されて、オメガの浅はかな性欲が出てくる。
「あ、や・・・・」
「ここ、こんなに濡らして、いやじゃないですよね?」
「やあっ」
恋次は、白哉の足を肩に担ぐと、奥まで挿入した。
ごりごりと最奥の子宮がある場所まで入り込む。
「やあああ、深い・・・・・」
「きもちいいっすか?」
「あ、し、知らぬ・・・・・」
「ほんと、あんたって素直じゃないっすね」
ぱんぱんと腰を打ち付けると、白哉は恋次の背中に手をまわして、背中に爪をたてる。
「すごいきもいいっす、隊長」
「あ、あ、あ!」
恋次は、リズミカルに動く。
時に浅く、時に深く。
「あああああ!!!」
白哉が快感で真っ白になった瞬間に、恋次は白哉の子宮の奥に子種をたっぷり注いでいた。
「まだ、足りないっすよね?俺も抱くの久しぶりだから、止まらないっす」
「やあああ」
白哉は首を縦に振るが、恋次は白哉の足を広げさせて、奥を貫いた。
「んあ!はう!」
ごりごりと奥を抉ってやると、白哉の締め付けが強くなった。
「ああ、いっちゃてるんすね。いくらでもいちゃってください。後始末とか全部俺がするし、アフターピルも飲ませるんで」
「いあああ!!」
白哉はあまりの快感に涙を流していた。
その涙を、恋次が舐めとる。
「愛してます、隊長」
恋次は番だ。
白哉も恋次を愛しているが、あまり言葉にしてくれない。
「隊長はどうっすか?俺のこと、愛してますか?」
「あ、あ、し、知らぬ」
「じゃあ、もう終わっちゃいますよ?」
熱い熱がずるりと引き抜かれていき、それを締め付けて白哉は甘ったるい声を出した。
「あ、あ、恋次、愛している・・・・・私だけの、番・・・・」
ぱちゅん!
再び貫くと、白哉は精液を吐き出していた。
「あああ、頭が、真っ白に・・・・・・」
「気、失ってもいいっすよ。後始末は全部俺がするんで」
ぐりぐりと子宮に侵入してきた恋次のものは、子種をまき散らす。白哉の舌を絡めとるキスをしながら、欲望をたっぷりと白哉の中に注ぎこんだ。
「恋次・・・・・すまぬ、もう、意識が・・・・・」
「いいっすよ。ヒート期間の始まりっすから、眠るかセックスするかのどっちかしか大抵しない。いった勢いのまま、寝てください。どうせ、予兆があって寝れなかったんでしょう?寝不足の顔してますよ」
「ああああああ!!!」
白哉は中いきをして、喘いでそのまま意識を闇に落としていった。
次に気づくと、朽木家の自分の部屋で寝かされていた。
身は綺麗に清められており、アフターピルも飲んだようで、子を孕んだかんじはしなかった。
「私は・・・なぜ、オメガなのだ」
自分の浅はかな欲と、それを巻き起こすヒートが憎い。
でも、愛しい者ができた。
緋真を愛し失ってから、もう二度と作らぬと思っていた、愛しい者が。
「恋次」
「はい」
「わ!」
白哉はびっくりした。
恋次が、白哉の布団の隣で布団をしいて、寝ていたのだ。起きてはいたが、寝ようとしているところだったようだ。
「あ、念のためもっかいアフターピル飲むっすか?」
「うむ」
白い錠剤と、水の入ったコップを受け取って、胃に流しこむ。
「すまぬ、恋次。ヒート期間は、世話になる」
「何言ってるんすか。俺たち、番でしょう?隊長がヒートになったら、相手してなだめるのが俺の役割っす」
「本当に、オメガというのは厄介だ」
「でも、お陰で隊長を手に入れられた。他のアルファには、気を許さぬようにしてくださいっす。隊長綺麗な上にオメガで、4大貴族朽木家当主だから、狙われやすい」
「私は弱くない。返り討ちにできる」
「でも、ヒート期間はそうは言ってられないでしょ」
「むう・・・・・」
眉間に皺を寄せる白哉に、キスをして、恋次は白哉の布団にもぐりこんだ。
「なんのつもりだ」
「添い寝っすよ」
「いらぬ」
「まぁ、そう言わずに」
またキスされて、今度は舌をからめとられて、ズクンと体が疼きそうになった。
「お前など知らぬ。寝る」
白哉は、恋次を布団から叩き出すと、横になってすぐに眠ってしまった。
「ほんと、俺のお姫様は素直じゃないっすね・・・・・」
隣の布団にもぐりこみ、恋次も眠ることにした。
ヒート期間は1週間は続く。
白哉は抑制剤を飲んで軽いヒートにすませているが、それでもヒート期間は辛い。番となっているから安心できるが、もしも番とならずに上流貴族にでも抱かれて、子でも身籠った日には、恋次は怒りで白哉をきっと奪うだろう。
「おやすみなさい、俺の隊長」
眠る白哉に触れるだけのキスをする、恋次だった。
奴隷竜とSランク冒険者30
海底にある地下Sランクダンジョンをクリアした。
報酬は、水を大量にだして、水圧で圧死させるウォータープレッシャーの魔法と、綺麗な細工がされたエメラルドのはめこまれた指輪だった。
鑑定すると、マジックアイテムで、一度行ったことのある場所にワープできると書いてあった。
浮竹は、その言葉を信じて指輪をつけてしまった。
パリンと、指輪が音を立てた。
長い時間放置されていたので、呪いがかけられていたのだ。
「は、外れない・・・・」
「大地母神の神殿にいこう。呪いを解呪してもらおう」
呪いの効果が、少しずつHPを削っていくという悪質なものだったため、浮竹は自分のアンチカースの魔法で解呪しようとしたが、失敗した。
ヒールをかけ続けて、HPが0になるのを防ぐ。
HPが0になれば、すなわち死だ。
呪いによる死は、蘇生の魔法リザレクションの奇跡がおこりにくい。
大地母神の神殿にいき、大金を払って大神官に見てもらったが、古代の呪いで解けないとのことで、浮竹と京楽は慌てた。
ヒールをかけ続けれる今はいい。ヒール程度の魔法なら、ずっとかけ続けれる。
でも、寝ている間もHPが削られていくので、これは厄介な呪いだと理解した二人は、ハイエルフの浮竹とダークネスドラゴンの京楽の元に行った。
「Sランクダンジョンの報酬の指輪が、呪われていたんだ。HPがずっと減り続けるという、古代の呪いで、大地母神の大神官でも解けなかった。なんとかならないか?」
「ボクが悪いんだよ。鑑定スキルで全てを見抜けなかった」
ハイエルフの浮竹は、浮竹の呪いの指輪を見て、中央大図書館に皆で移動すると、一冊の古い魔法書を出した。
『ハイネスアンチカースの魔法だ。覚えるといい。この魔法なら、どんな呪いでも解いてくれるはずだ』
「ありがたい。ユニークスキル「オボエルモノ」があるので、俺が覚える」
「ボクも覚える!浮竹に何かあった時、ボクも使えるようにしたい」
浮竹と京楽は、ハイネスアンチカースの魔法を覚えて、早速浮竹の指輪にかけた。
パリンと音がして、呪いは砕け散った。
『それにしても、少しずつHPが減るなんて、また嫌がらせのような呪いだな』
『その呪い、聞いたことあるけどね。確か、あいぜむだったか、あいぜあだったかの魔王が得意とする魔法に、特殊な呪いをかけれるのがあったはずだよ』
「藍染じゃないのか?」
『ああ、そんな名前だったね。興味ないから、覚えてなかったよ』
中央大図書館に一度侵入し、魔法書を盗んでいった魔王は、ダークネスドラゴンの京楽の記憶から名前がさっぱり覚えてもらえていなかった。
『藍染・・・・どこかにめもしないと、また忘れそうだ。どうでもいい奴だから』
ダークネスドラゴンの京楽は、メモ用紙に藍染と書いた。
「ダークネスドラゴンの王種に覚えてもらえない魔王・・・ちょっと笑える」
「モレ草もられた魔王として覚えればいいんじゃない?」
浮竹と京楽の言葉に、ダークネスドラゴンの京楽は手を叩いた。
『なるほど。モレ草をもられてもらした魔王としてなら、名前覚えれそうだよ』
「はっくしょい」
その頃、藍染はくしゃみをしていた。
「ふふ、誰かが私の偉業を口にしているのかな」
そんなことを言っていた。
ちなみに、この後の夕飯にまたモレ草をもられるのであった。
「ハイネスアンチカース、ハイネスアンチカース、ハイネスアンチカース」
浮竹は、今まで呪いがかかって、売れなかったマジックアイテムをかたっぱしから古代の解呪魔法で呪いをといていく。
「オリハルコンの剣とか・・・・・けっこう、金になりそうなものに特殊な呪いが多いんだよね」
京楽は、浮竹が解呪したマジックアイテムを、別のアイテムポケットに収納していく。
「今まで、呪いが解けなくて売れなかったマジックアイテムけっこうあるからな。解呪して売れば、けっこうな額になりそうだ」
浮竹は、臨時収入だと喜んだ。
『ダンジョンのマジックアイテムはたまに呪われてることあるからな。普通のアンチカースの魔法や神官で解ける呪いがほとんどだが、古代のマジックアイテムだと、ちょっと特殊な呪いがかかっていてもおかしくはないな』
ハイエルフの浮竹は、水の上を歩ける靴というのを見て、少し欲しがった。
『これ、もらえるか?』
「ああ、いいぞ。ハイエルフの俺には、いつも世話になっているからな」
「それ、売っても安そうだし、もっていってもいいよ」
浮竹と京楽の許可を得て、ハイエルフの浮竹は水の上を歩ける靴手に入れた。
『そんな靴もらって、どうするの?』
『海を歩ける魔法を作る基礎として、使おうかと』
『海の上歩けるって、なんかメリットある?』
『船から落ちても、溺れない』
『まぁ、確かにそうだね。でも、船乗りは魔法を使ったりしないから、海のフィールドがあるダンジョンで使いそうだね』
浮竹が、目をきらきらさせてハイエルフの浮竹を見つめる。
「魔法、今作れるのか?」
『うん』
「作る瞬間、見てみたい」
「ボクも」
二人の要望を受け取って、錬金術の鍋を取り出して、マンドレイクやらなんやらを放り込んで、最後に白い何も書いていない魔法書を取り出して、魔法を刻み込む。
『ほら、完成だ』
「マンドレイク・・・・」
「マンドレイクだね。あと竜の血と」
『竜の血はボクのものだよ』
ドラゴンの血は、その魔法に属するドラゴンの血が必要だった。大抵は、ダークネスドラゴンの京楽の血を代替えにしてまかなっている。
『どうだ、簡単だろう?』
ハイエルフの浮竹はそう言うが、魔法書をつくるだけの魔力はもっておらず、真似はできなかった。
「あの方法で魔法書って作れるのか。なんか、もっと仰々しい魔法陣とか描いて、瞑想して作るものだと思ってた」
「ボクは、魔力を筆にこめて、書いていくものだとばかり思っていたよ」
『まぁ、魔法陣が書かれた紙の上に、必要な道具を置いて作る方法もあるけどな』
「そっちのほうが、魔法書を作ってるってかんじするな」
浮竹がそう言う。
『ちなみに、魔法名はウォーターウォークだ。禁忌でもないから、気軽に覚えていいぞ』
「じゃあ、早速」
「ボクも」
浮竹と京楽は、ウォーターウォークの魔法を覚えて、近くの湖でためしに水の上を歩いて、はしゃぐのだった。
報酬は、水を大量にだして、水圧で圧死させるウォータープレッシャーの魔法と、綺麗な細工がされたエメラルドのはめこまれた指輪だった。
鑑定すると、マジックアイテムで、一度行ったことのある場所にワープできると書いてあった。
浮竹は、その言葉を信じて指輪をつけてしまった。
パリンと、指輪が音を立てた。
長い時間放置されていたので、呪いがかけられていたのだ。
「は、外れない・・・・」
「大地母神の神殿にいこう。呪いを解呪してもらおう」
呪いの効果が、少しずつHPを削っていくという悪質なものだったため、浮竹は自分のアンチカースの魔法で解呪しようとしたが、失敗した。
ヒールをかけ続けて、HPが0になるのを防ぐ。
HPが0になれば、すなわち死だ。
呪いによる死は、蘇生の魔法リザレクションの奇跡がおこりにくい。
大地母神の神殿にいき、大金を払って大神官に見てもらったが、古代の呪いで解けないとのことで、浮竹と京楽は慌てた。
ヒールをかけ続けれる今はいい。ヒール程度の魔法なら、ずっとかけ続けれる。
でも、寝ている間もHPが削られていくので、これは厄介な呪いだと理解した二人は、ハイエルフの浮竹とダークネスドラゴンの京楽の元に行った。
「Sランクダンジョンの報酬の指輪が、呪われていたんだ。HPがずっと減り続けるという、古代の呪いで、大地母神の大神官でも解けなかった。なんとかならないか?」
「ボクが悪いんだよ。鑑定スキルで全てを見抜けなかった」
ハイエルフの浮竹は、浮竹の呪いの指輪を見て、中央大図書館に皆で移動すると、一冊の古い魔法書を出した。
『ハイネスアンチカースの魔法だ。覚えるといい。この魔法なら、どんな呪いでも解いてくれるはずだ』
「ありがたい。ユニークスキル「オボエルモノ」があるので、俺が覚える」
「ボクも覚える!浮竹に何かあった時、ボクも使えるようにしたい」
浮竹と京楽は、ハイネスアンチカースの魔法を覚えて、早速浮竹の指輪にかけた。
パリンと音がして、呪いは砕け散った。
『それにしても、少しずつHPが減るなんて、また嫌がらせのような呪いだな』
『その呪い、聞いたことあるけどね。確か、あいぜむだったか、あいぜあだったかの魔王が得意とする魔法に、特殊な呪いをかけれるのがあったはずだよ』
「藍染じゃないのか?」
『ああ、そんな名前だったね。興味ないから、覚えてなかったよ』
中央大図書館に一度侵入し、魔法書を盗んでいった魔王は、ダークネスドラゴンの京楽の記憶から名前がさっぱり覚えてもらえていなかった。
『藍染・・・・どこかにめもしないと、また忘れそうだ。どうでもいい奴だから』
ダークネスドラゴンの京楽は、メモ用紙に藍染と書いた。
「ダークネスドラゴンの王種に覚えてもらえない魔王・・・ちょっと笑える」
「モレ草もられた魔王として覚えればいいんじゃない?」
浮竹と京楽の言葉に、ダークネスドラゴンの京楽は手を叩いた。
『なるほど。モレ草をもられてもらした魔王としてなら、名前覚えれそうだよ』
「はっくしょい」
その頃、藍染はくしゃみをしていた。
「ふふ、誰かが私の偉業を口にしているのかな」
そんなことを言っていた。
ちなみに、この後の夕飯にまたモレ草をもられるのであった。
「ハイネスアンチカース、ハイネスアンチカース、ハイネスアンチカース」
浮竹は、今まで呪いがかかって、売れなかったマジックアイテムをかたっぱしから古代の解呪魔法で呪いをといていく。
「オリハルコンの剣とか・・・・・けっこう、金になりそうなものに特殊な呪いが多いんだよね」
京楽は、浮竹が解呪したマジックアイテムを、別のアイテムポケットに収納していく。
「今まで、呪いが解けなくて売れなかったマジックアイテムけっこうあるからな。解呪して売れば、けっこうな額になりそうだ」
浮竹は、臨時収入だと喜んだ。
『ダンジョンのマジックアイテムはたまに呪われてることあるからな。普通のアンチカースの魔法や神官で解ける呪いがほとんどだが、古代のマジックアイテムだと、ちょっと特殊な呪いがかかっていてもおかしくはないな』
ハイエルフの浮竹は、水の上を歩ける靴というのを見て、少し欲しがった。
『これ、もらえるか?』
「ああ、いいぞ。ハイエルフの俺には、いつも世話になっているからな」
「それ、売っても安そうだし、もっていってもいいよ」
浮竹と京楽の許可を得て、ハイエルフの浮竹は水の上を歩ける靴手に入れた。
『そんな靴もらって、どうするの?』
『海を歩ける魔法を作る基礎として、使おうかと』
『海の上歩けるって、なんかメリットある?』
『船から落ちても、溺れない』
『まぁ、確かにそうだね。でも、船乗りは魔法を使ったりしないから、海のフィールドがあるダンジョンで使いそうだね』
浮竹が、目をきらきらさせてハイエルフの浮竹を見つめる。
「魔法、今作れるのか?」
『うん』
「作る瞬間、見てみたい」
「ボクも」
二人の要望を受け取って、錬金術の鍋を取り出して、マンドレイクやらなんやらを放り込んで、最後に白い何も書いていない魔法書を取り出して、魔法を刻み込む。
『ほら、完成だ』
「マンドレイク・・・・」
「マンドレイクだね。あと竜の血と」
『竜の血はボクのものだよ』
ドラゴンの血は、その魔法に属するドラゴンの血が必要だった。大抵は、ダークネスドラゴンの京楽の血を代替えにしてまかなっている。
『どうだ、簡単だろう?』
ハイエルフの浮竹はそう言うが、魔法書をつくるだけの魔力はもっておらず、真似はできなかった。
「あの方法で魔法書って作れるのか。なんか、もっと仰々しい魔法陣とか描いて、瞑想して作るものだと思ってた」
「ボクは、魔力を筆にこめて、書いていくものだとばかり思っていたよ」
『まぁ、魔法陣が書かれた紙の上に、必要な道具を置いて作る方法もあるけどな』
「そっちのほうが、魔法書を作ってるってかんじするな」
浮竹がそう言う。
『ちなみに、魔法名はウォーターウォークだ。禁忌でもないから、気軽に覚えていいぞ』
「じゃあ、早速」
「ボクも」
浮竹と京楽は、ウォーターウォークの魔法を覚えて、近くの湖でためしに水の上を歩いて、はしゃぐのだった。
え、生きてる?5
虚圏にいた頃は、京楽がちょくちょく会いにきてくれたから、寂しくはなかった。
むしろ、霊王宮に居た頃のほうが、寂しかった。
こちら側からでは京楽のことは見えるのに、会えない。
京楽は、言葉通り浮竹を拉致した。
現世ではなく、あえて虚圏という誰もが思いつかない世界に匿った。
「朝だよ、浮竹」
「んー、あと10分・・・・・」
「出勤の時間だよ?」
「わあああ、それを早く行ってくれ!飯は一番隊隊舎についたら、簡単なのを食べる」
「そう言うだろうと思って、おむすび作ってもらっておいたよ」
「ありがとう、助かる」
真新しい死覇装に袖を通して、浮竹は京楽の補佐として、今日も京楽の隣にいる。
「さぁ、今日もばりばり仕事するぞ」
「ほどほどにね・・・・君が手伝ってくれるるようになってから、書類の仕事が増えて増えて、君がいなかった間苦労したよ」
浮竹は、桜の咲きはじめた京楽の館を出て、小走りに歩く。
それから、京楽に振り向いた。
「俺を、あの鳥かごから助けてくれてありがとう」
「どういたしまして」
「俺には、まだ霊王の残滓が残っている。多分、一生消えない。それでも、傍にいてくれるか?」
「もちろんだよ。君の傍で、君と同じ時間を生きて、死んでいく」
「死ぬのは、千年以上先かもな!」
浮竹は朗らかに笑い、京楽と手を繋いで歩きだす。
霊王には、新しい流魂街出身の子がなった。
悪いことをしたと思っているが、流魂街での暮らしよりは、霊王としての暮らしのほうがましだろう。
「きゃあ、元霊王様よ」
「すてき。元霊王様と、その旦那様の総隊長よ」
仲を隠さなかったので、浮竹と京楽は瀞霊廷でも有名なカップルになっていた。
元霊王だからと、浮竹に懸想するバカがいれば、京楽が記憶いじったりして、ライバルが出ないようにした。
「春の天気は、心地いいな」
「春でも、まだ寒いでしょ。ほら、隊長羽織かしてあげるから」
「ありがとう」
浮竹と、京楽は、ゆっくりと歩んでいく。
霊王として蘇りを果たして、それを放棄しても、命は奪われなかった。
霊王の残滓が、残念だ残念だと泣くが、浮竹は無視する。
仕事もおわり、帰って食事も湯浴みも終わり、夜になった。
「その、いいかい?」
「今更聞くな」
「じゃあ、抱くね」
京楽は、何千回と抱いてきた浮竹の肌を吸い上げる。
衣服を脱がして、浮竹のものを口に含むと、浮竹は京楽の黒い意外と柔らかな髪を掴む。
「あ、もうだめだ。いっちゃう」
「いいよ。僕の口の中に出して」
「ああああ!!」
びくんと浮竹の体が反応して、浮竹は精液を京楽の口の中に吐き出していた。
「あ、だめえええぇぇ」
京楽は、浮竹のものをしゃぶりながら、ローションにまみれた指を蕾にいれて、浮竹のいい場所をこりこりと指で刺激してやった。
「ひああああ!」
浮竹は、中いきと射精を同時にして、息を乱した。
「あ、春水、来い」
「うん」
浮竹は、唇を舐めて、自分から足を開く。
京楽は、そそり立つもので、浮竹を貫いた。
「あああ、奥まで、きてる!ひゃん」
「ふふ、奥、好きでしょ?」
「やああ、奥、ごりごりしないでえええ」
京楽は、浮竹の言葉通り、奥に入らず浅い位置で挿入を繰り返す。
「やああ、もっと、もっと欲しい。奥に、奥にちょうだい!」
「十四郎、かわいい」
「やああん」
浮竹は、京楽の肩に噛みついた。
「いたたたた」
「意地悪するな」
「分かってるよ」
奥をごりっと抉ると、浮竹ば背を弓なりにそらせて、オーガズムでいっていた。
「あ、あ、波が、またくるう。ああああ!!」
胎の最奥で出された京楽の白濁した液体を、浮竹は自分の体で受け止める。
「ひゃあああん、孕む、子供できちゃう!」
「子供、たくさんほしいね。涅隊長に頼んだら、ほんとにできちゃいそう」
「やあああ、子供なんてできたら、京楽をとられる」
浮竹は甘い啼き声をあげながら、京楽のものを締め付ける。
「君の中は、いつも熱くてて気持ちいい」
「あ、あ、もっときもちよくなって、俺もきもちよくしてくれ」
体位を変えて、背後から貫いた。
「あああああ!」
浮竹は、前より更に長くなった白髪を乱す。
「ねぇ、浮竹、髪切らないの?」
「願掛けだ。お前と1年一緒に過ごせたら、切る」
「もう、あと半年だね」
「んああああ!」
京楽の逞しいものに貫かれて、浮竹は中いきと同時に射精していた。
「やああああ、止まらない」
ぷしゅわああと、潮をふいてしまった。
「エロ・・・・ご褒美に、たくさん子種あげるね?」
「あ、ちょうだい、春水のザーメン、俺の胎に」
浮竹は、目をトロンとさせて、正常位に戻ると、京楽の背に手を回し、背中をひっかいた。
「いたたたた」
「マーキング」
くすりと、浮竹が笑う。
妖艶で、とても美しかった。
「今日は休む」
「そうだね。ちょっと無理させすぎちゃったね」
珍しく仕事を休むと言い出した浮竹に、ならばと京楽も、最近休暇をとっていなかったので、休むことにした。
「囲碁をしないか」
「いいよ」
「その後は花札、カルタ、将棋、麻雀・・・・・・」
「したいこと、いっぱいあるね」
「霊王宮に居た頃は暇で、侍女とそんな遊びばかりしていたら、クセになってしまった」
「ボクは、君ともう離れない。逝く時は、一緒だよ」
「俺は、霊王のなりそこないだ。長く生きるかもしれないから、その辺は涅隊長と相談する。一緒の時を、生きたいから」
浮竹は、京楽を見つめた。
京楽は、懐から指輪を取り出した。
「何、これ」
「エンゲージリング・・・・のつもり」
「ふふ・・・京楽が、どんな顔してこれを買ったのか想像できて、笑える」
京楽は、浮竹の指に指輪をはめた。
「ボクの分は、君がはめて?」
「ああ」
指輪を交換し合い、キスをした。
結婚式を挙げるつもりはなかったけれど、籍はいれるつもりだった。
苗字は変わらないが。
「永久(とこしえ)の愛を君に」
「永久の愛を、お前に」
二人は、二人で一つ。
支え合いながら、生きていく。
いつか、寿命がきて死ぬまで。
比翼の鳥のように、お互いを支え合いながら、生きていくのであった。
fin
むしろ、霊王宮に居た頃のほうが、寂しかった。
こちら側からでは京楽のことは見えるのに、会えない。
京楽は、言葉通り浮竹を拉致した。
現世ではなく、あえて虚圏という誰もが思いつかない世界に匿った。
「朝だよ、浮竹」
「んー、あと10分・・・・・」
「出勤の時間だよ?」
「わあああ、それを早く行ってくれ!飯は一番隊隊舎についたら、簡単なのを食べる」
「そう言うだろうと思って、おむすび作ってもらっておいたよ」
「ありがとう、助かる」
真新しい死覇装に袖を通して、浮竹は京楽の補佐として、今日も京楽の隣にいる。
「さぁ、今日もばりばり仕事するぞ」
「ほどほどにね・・・・君が手伝ってくれるるようになってから、書類の仕事が増えて増えて、君がいなかった間苦労したよ」
浮竹は、桜の咲きはじめた京楽の館を出て、小走りに歩く。
それから、京楽に振り向いた。
「俺を、あの鳥かごから助けてくれてありがとう」
「どういたしまして」
「俺には、まだ霊王の残滓が残っている。多分、一生消えない。それでも、傍にいてくれるか?」
「もちろんだよ。君の傍で、君と同じ時間を生きて、死んでいく」
「死ぬのは、千年以上先かもな!」
浮竹は朗らかに笑い、京楽と手を繋いで歩きだす。
霊王には、新しい流魂街出身の子がなった。
悪いことをしたと思っているが、流魂街での暮らしよりは、霊王としての暮らしのほうがましだろう。
「きゃあ、元霊王様よ」
「すてき。元霊王様と、その旦那様の総隊長よ」
仲を隠さなかったので、浮竹と京楽は瀞霊廷でも有名なカップルになっていた。
元霊王だからと、浮竹に懸想するバカがいれば、京楽が記憶いじったりして、ライバルが出ないようにした。
「春の天気は、心地いいな」
「春でも、まだ寒いでしょ。ほら、隊長羽織かしてあげるから」
「ありがとう」
浮竹と、京楽は、ゆっくりと歩んでいく。
霊王として蘇りを果たして、それを放棄しても、命は奪われなかった。
霊王の残滓が、残念だ残念だと泣くが、浮竹は無視する。
仕事もおわり、帰って食事も湯浴みも終わり、夜になった。
「その、いいかい?」
「今更聞くな」
「じゃあ、抱くね」
京楽は、何千回と抱いてきた浮竹の肌を吸い上げる。
衣服を脱がして、浮竹のものを口に含むと、浮竹は京楽の黒い意外と柔らかな髪を掴む。
「あ、もうだめだ。いっちゃう」
「いいよ。僕の口の中に出して」
「ああああ!!」
びくんと浮竹の体が反応して、浮竹は精液を京楽の口の中に吐き出していた。
「あ、だめえええぇぇ」
京楽は、浮竹のものをしゃぶりながら、ローションにまみれた指を蕾にいれて、浮竹のいい場所をこりこりと指で刺激してやった。
「ひああああ!」
浮竹は、中いきと射精を同時にして、息を乱した。
「あ、春水、来い」
「うん」
浮竹は、唇を舐めて、自分から足を開く。
京楽は、そそり立つもので、浮竹を貫いた。
「あああ、奥まで、きてる!ひゃん」
「ふふ、奥、好きでしょ?」
「やああ、奥、ごりごりしないでえええ」
京楽は、浮竹の言葉通り、奥に入らず浅い位置で挿入を繰り返す。
「やああ、もっと、もっと欲しい。奥に、奥にちょうだい!」
「十四郎、かわいい」
「やああん」
浮竹は、京楽の肩に噛みついた。
「いたたたた」
「意地悪するな」
「分かってるよ」
奥をごりっと抉ると、浮竹ば背を弓なりにそらせて、オーガズムでいっていた。
「あ、あ、波が、またくるう。ああああ!!」
胎の最奥で出された京楽の白濁した液体を、浮竹は自分の体で受け止める。
「ひゃあああん、孕む、子供できちゃう!」
「子供、たくさんほしいね。涅隊長に頼んだら、ほんとにできちゃいそう」
「やあああ、子供なんてできたら、京楽をとられる」
浮竹は甘い啼き声をあげながら、京楽のものを締め付ける。
「君の中は、いつも熱くてて気持ちいい」
「あ、あ、もっときもちよくなって、俺もきもちよくしてくれ」
体位を変えて、背後から貫いた。
「あああああ!」
浮竹は、前より更に長くなった白髪を乱す。
「ねぇ、浮竹、髪切らないの?」
「願掛けだ。お前と1年一緒に過ごせたら、切る」
「もう、あと半年だね」
「んああああ!」
京楽の逞しいものに貫かれて、浮竹は中いきと同時に射精していた。
「やああああ、止まらない」
ぷしゅわああと、潮をふいてしまった。
「エロ・・・・ご褒美に、たくさん子種あげるね?」
「あ、ちょうだい、春水のザーメン、俺の胎に」
浮竹は、目をトロンとさせて、正常位に戻ると、京楽の背に手を回し、背中をひっかいた。
「いたたたた」
「マーキング」
くすりと、浮竹が笑う。
妖艶で、とても美しかった。
「今日は休む」
「そうだね。ちょっと無理させすぎちゃったね」
珍しく仕事を休むと言い出した浮竹に、ならばと京楽も、最近休暇をとっていなかったので、休むことにした。
「囲碁をしないか」
「いいよ」
「その後は花札、カルタ、将棋、麻雀・・・・・・」
「したいこと、いっぱいあるね」
「霊王宮に居た頃は暇で、侍女とそんな遊びばかりしていたら、クセになってしまった」
「ボクは、君ともう離れない。逝く時は、一緒だよ」
「俺は、霊王のなりそこないだ。長く生きるかもしれないから、その辺は涅隊長と相談する。一緒の時を、生きたいから」
浮竹は、京楽を見つめた。
京楽は、懐から指輪を取り出した。
「何、これ」
「エンゲージリング・・・・のつもり」
「ふふ・・・京楽が、どんな顔してこれを買ったのか想像できて、笑える」
京楽は、浮竹の指に指輪をはめた。
「ボクの分は、君がはめて?」
「ああ」
指輪を交換し合い、キスをした。
結婚式を挙げるつもりはなかったけれど、籍はいれるつもりだった。
苗字は変わらないが。
「永久(とこしえ)の愛を君に」
「永久の愛を、お前に」
二人は、二人で一つ。
支え合いながら、生きていく。
いつか、寿命がきて死ぬまで。
比翼の鳥のように、お互いを支え合いながら、生きていくのであった。
fin
え、生きてる?4
「霊王様。今日も食事を召し上がらないのですか。いくら霊王様となられたとはいえ、今も生身の肉体。食事をしなければ、体に差支えがあります」
「いい。食事はいらない。放っておいてくれ」
「霊王様・・・・・そんなに、京楽春水が恋しいですか?」
「お前、京楽と俺のこと・・・・・」
長い黒髪の美しい娘は、零番隊のリーダーであり、浮竹の身の回りの世話を率先して行っていた。
「存じております。霊王様の恋人であった方でしょう。でも、それも過去の話。霊王様はもう、下界へは戻らない」
「俺は、諦めていない。霊王になっても、京楽に会う」
「特別召還をなさいますか?」
黒髪の娘は、淡く微笑んだ。
「なんだ、それは」
「お気に入りの者を、傍に置くことです。人形のようになりますが、特別に意思を与えて動くようにすれば、霊王様も満足でしょう?」
「いや・・・・・それは、しない」
京楽が傍にいてくれるなら心強いが、京楽は総隊長だ。おまけに、人形のようになるのに、特別に意思を与えるとか、まるで生きた人形を侍らすようで、気が引ける。
それに、京楽がいなくなれば、瀞霊廷は混乱に陥る。
「では、一度きりの特別召還ができる術を授けましょう」
浮竹は、目を輝かせた。
「その術、もらい受ける」
術を自分のものにするのに、半月かかった。半月も、京楽と別れて過ごした。
京楽は、霊王宮にあがるための方法を探し続けていた。
そして、特別召還を知る。
伝令神器は奪われたので、特別な地獄蝶を飛ばして、浮竹のところまでメッセージを送った。
「ボクを、特別召還してほしい。君を奪う」
「京楽・・・・」
浮竹は、そのメッセージを受けて、涙を零した。
そして、誰もが寝静まった深夜に、特別召還を行った。
「浮竹!!!」
「京楽、会いたかった!」
「ボクもだよ!」
お互いを抱擁しあい、京楽は眉をしかめた。
「痩せた?」
「ああ。ほとんど食事をとっていないから。それでも、霊王は死なないそうだ」
京楽は、浮竹を胸にかき抱いた。
「逃げるよ」
「どこへ?」
「虚圏へ」
京楽は、浮竹を連れて虚圏へと渡った。
「しばらくの間は、ここに身を隠して。君は自害したと思わせるために、開発局で君の霊子からうみだしたクローンを、自害させる」
「でも、俺は霊王だ。霊王がいなくなると、世界は・・・・」
浮竹は、言いづらそうにしていた。
「それについては、詳しく調べたんだよ。今だに、ユーハバッハの亡骸は霊王として存在している。正当なる霊王が欲しくて、零番隊は霊王になった君を迎えにいったんだ。君は、霊王であるけれど、死神のままだ」
「俺は・・・霊王じゃなくても、いいのか?」
「そうだよ。君が霊王として存在しなくても、霊王はユーハバッハの亡骸でなんとかなってるんだよ」
「騙されたのか」
「そうなるね」
京楽は、虚圏のラスノーチェスに、浮竹を匿った。
瀞霊廷は、零番隊が霊王が自害したと騒いでいた。
「作戦は、うまくいったみたいだね」
結局、零番隊は浮竹十四郎を諦めて、次の霊王となる子を選び、霊王とした。
そうなるまで、半年ほどかかった。
浮竹は、京楽がちょくちょく様子を見にきてくれるので、寂しくはなかった。
アランカルと出会うこともあったが、比較的交友関係を築けた。
新たなる霊王の即位祭が開かれた時、京楽は浮竹を尸魂界へと戻した。
「れ、霊王様!?」
「ばかな、霊王様は自害なされたはず!」
「俺は霊王じゃない。霊王には、新しい子を選んだのだろう。俺の中には、もうミミハギ様も霊王としての霊圧も存在しない。ただの、浮竹十四郎だ」
「おのれ、京楽春水・・・・謀ったな」
零番隊に囲まれる京楽。
「京楽に傷をつければ、俺は次の霊王を殺す」
「霊王・・・・浮竹様!」
「浮竹様、今ならまだ霊王として復活できます。お考えなおしを」
「俺は、霊王になんてなりたくない。自由がほしい。京楽の傍で、一人の死神として生きて、死んでいきたい」
浮竹は、翡翠の瞳で零番隊を威圧した。
次の霊王に選ばれた子はまだ子供で、一護なみの霊力をもっているが、何せまだ子供なので力の使い方を知らない。浮竹でも、殺害できた。
「皆、今の霊王様を守れ。先代の霊王様は、自害なされた」
その言葉に、浮竹はほっとする。
京楽を囲んでいた零番隊も退いていった。
「京楽!」
「浮竹!」
二人は、再び一緒にいられるようになった。
浮竹の中にはまだ霊王の残滓が残っているが、もう霊王として世界に必要されることはなかった。
京楽と浮竹は、手を繋いで寄り添いあいながら、京楽の屋敷に帰る。
そこが、浮竹の居場所だった。
京楽の隣が、浮竹の居場所だった。
「いい。食事はいらない。放っておいてくれ」
「霊王様・・・・・そんなに、京楽春水が恋しいですか?」
「お前、京楽と俺のこと・・・・・」
長い黒髪の美しい娘は、零番隊のリーダーであり、浮竹の身の回りの世話を率先して行っていた。
「存じております。霊王様の恋人であった方でしょう。でも、それも過去の話。霊王様はもう、下界へは戻らない」
「俺は、諦めていない。霊王になっても、京楽に会う」
「特別召還をなさいますか?」
黒髪の娘は、淡く微笑んだ。
「なんだ、それは」
「お気に入りの者を、傍に置くことです。人形のようになりますが、特別に意思を与えて動くようにすれば、霊王様も満足でしょう?」
「いや・・・・・それは、しない」
京楽が傍にいてくれるなら心強いが、京楽は総隊長だ。おまけに、人形のようになるのに、特別に意思を与えるとか、まるで生きた人形を侍らすようで、気が引ける。
それに、京楽がいなくなれば、瀞霊廷は混乱に陥る。
「では、一度きりの特別召還ができる術を授けましょう」
浮竹は、目を輝かせた。
「その術、もらい受ける」
術を自分のものにするのに、半月かかった。半月も、京楽と別れて過ごした。
京楽は、霊王宮にあがるための方法を探し続けていた。
そして、特別召還を知る。
伝令神器は奪われたので、特別な地獄蝶を飛ばして、浮竹のところまでメッセージを送った。
「ボクを、特別召還してほしい。君を奪う」
「京楽・・・・」
浮竹は、そのメッセージを受けて、涙を零した。
そして、誰もが寝静まった深夜に、特別召還を行った。
「浮竹!!!」
「京楽、会いたかった!」
「ボクもだよ!」
お互いを抱擁しあい、京楽は眉をしかめた。
「痩せた?」
「ああ。ほとんど食事をとっていないから。それでも、霊王は死なないそうだ」
京楽は、浮竹を胸にかき抱いた。
「逃げるよ」
「どこへ?」
「虚圏へ」
京楽は、浮竹を連れて虚圏へと渡った。
「しばらくの間は、ここに身を隠して。君は自害したと思わせるために、開発局で君の霊子からうみだしたクローンを、自害させる」
「でも、俺は霊王だ。霊王がいなくなると、世界は・・・・」
浮竹は、言いづらそうにしていた。
「それについては、詳しく調べたんだよ。今だに、ユーハバッハの亡骸は霊王として存在している。正当なる霊王が欲しくて、零番隊は霊王になった君を迎えにいったんだ。君は、霊王であるけれど、死神のままだ」
「俺は・・・霊王じゃなくても、いいのか?」
「そうだよ。君が霊王として存在しなくても、霊王はユーハバッハの亡骸でなんとかなってるんだよ」
「騙されたのか」
「そうなるね」
京楽は、虚圏のラスノーチェスに、浮竹を匿った。
瀞霊廷は、零番隊が霊王が自害したと騒いでいた。
「作戦は、うまくいったみたいだね」
結局、零番隊は浮竹十四郎を諦めて、次の霊王となる子を選び、霊王とした。
そうなるまで、半年ほどかかった。
浮竹は、京楽がちょくちょく様子を見にきてくれるので、寂しくはなかった。
アランカルと出会うこともあったが、比較的交友関係を築けた。
新たなる霊王の即位祭が開かれた時、京楽は浮竹を尸魂界へと戻した。
「れ、霊王様!?」
「ばかな、霊王様は自害なされたはず!」
「俺は霊王じゃない。霊王には、新しい子を選んだのだろう。俺の中には、もうミミハギ様も霊王としての霊圧も存在しない。ただの、浮竹十四郎だ」
「おのれ、京楽春水・・・・謀ったな」
零番隊に囲まれる京楽。
「京楽に傷をつければ、俺は次の霊王を殺す」
「霊王・・・・浮竹様!」
「浮竹様、今ならまだ霊王として復活できます。お考えなおしを」
「俺は、霊王になんてなりたくない。自由がほしい。京楽の傍で、一人の死神として生きて、死んでいきたい」
浮竹は、翡翠の瞳で零番隊を威圧した。
次の霊王に選ばれた子はまだ子供で、一護なみの霊力をもっているが、何せまだ子供なので力の使い方を知らない。浮竹でも、殺害できた。
「皆、今の霊王様を守れ。先代の霊王様は、自害なされた」
その言葉に、浮竹はほっとする。
京楽を囲んでいた零番隊も退いていった。
「京楽!」
「浮竹!」
二人は、再び一緒にいられるようになった。
浮竹の中にはまだ霊王の残滓が残っているが、もう霊王として世界に必要されることはなかった。
京楽と浮竹は、手を繋いで寄り添いあいながら、京楽の屋敷に帰る。
そこが、浮竹の居場所だった。
京楽の隣が、浮竹の居場所だった。
え、生きてる?3
ドクンドクンと、鼓動がする。
それは、心臓ではない。
肺から聞こえた。
いなくなってしまったミミハギ様の鼓動だった。
「浮竹十四郎。次の霊王よ」
「え?」
夢の中で、浮竹はミミハギ様に語りかけられていた。
「霊王がユーハバッハの亡骸のままでは困るのだ。次の霊王に相応しいのは、汝だ。私を宿した。霊王の右腕を宿した汝の肉体は、霊王となるに相応しい蘇りを果たした。次の霊王は、汝だ」
「そんなばかなことがあるか!!」
ばっと飛び起きると、ベッドの上だった。
「どうしたの?」
横で眠っていた京楽が、浮竹の様子を伺う。
「いやな夢を見たんだ。俺が霊王だと・・・・ミミハギ様が・・・・・」
「変な夢を見たんだね。まだ夜明けまで時間があるから、もう一度寝なよ」
「ああ、そうする」
次に起きると、朝だった。
浮竹は気づく。
失ってしまったミミハギ様が、再び自分の中に宿っていることに。
それは、霊王の右腕。
霊王になれる身代わりの証。
「浮竹?朝ごはん食べるでしょ?」
「ん、ああ」
浮竹は、何故失ったはずのミミハギ様が戻ってきたのか分からなかった。
夢の中の言う通りに、次の霊王になるためか。
「はい、お味噌汁」
「あ、ああ、すまない」
ぼーっとしながら朝ごはんを食べていると、京楽の出勤時間になった。
一番隊隊長補佐についているので、京楽と並んで浮竹も一番隊隊舎に向かう。
ユーハバッハの手による滅却師の侵略の爪痕は深く、瀞霊廷はまだまだ復興途中だった。
「京楽、もしも俺が霊王になって、霊王宮にしかいられなくなったら、どうする?」
「え?そんなの決まってるでしょ。拉致る」
「まじか」
「まじだよ。誰も分からない場所に隠す」
浮竹の運命は、変わろうとしていた。
ただ、地獄が溢れそうだからと蘇ったわけではなかったのだ。
ユーハバッハの亡骸を、いつまでも霊王として留めておけないので、天が下した答えだった。
ミミハギ様を・・・・霊王の右腕を、霊王を宿したことのある者を霊王とせよ。
死しているならば、今一度命を授け、霊王とせよ。
「浮竹?なんか怖い顔してる」
「京楽・・・・・俺は、霊王になりたくない!」
浮竹は、京楽に縋りついた。
「何言ってるの。霊王は、ユーハバッハの亡骸でなんとかなっているよ。君が霊王になる必要なんて・・・・・」
気づけば、囲まれていた。
「浮竹十四郎様。迎えに参りました。次代の、霊王様」
「なんだい、君たちは!」
京楽は斬魄刀を抜いた。
「我らは新たなる零番隊。浮竹十四郎様は、霊王となられるお方です。霊王宮にお連れします。邪魔をするなら、総隊長であるあなたとて、容赦はしません」
「待ってくれ!俺は霊王になんて、なりたくない!」
「これは天の定め。霊王になるのためだけに、あなたは蘇った。浮竹様・・・・・いいえ、霊王様」
京楽は、斬魄刀で新しい零番隊と切り結びあう。
零番隊は8人いて、いくら京楽が総隊長とはいえ、戦況は厳しかった。
「致し方ありません。総隊長は、代わりはいくらでもききます。やっておしまいなさい」
「はっ」
「待ってくれ!!」
隊長羽織を朱に染め上げる京楽を見かねて、浮竹は自分の斬魄刀を捨てて、零番隊に言った。
「俺は霊王になる。霊王宮に連れていけ。ただし、今後一切京楽に手出しするな」
「浮竹!!!」
「大丈夫だ、京楽。きっと、戻ってこれる・・・・戻ってこれなかったら、拉致ってくれ」
「霊王様がお通りになる。道を開けよ!」
浮竹は、零番隊が見守る中、霊王宮に続くゲートをくぐらされて、霊王宮に消えてしまった。
「浮竹ええええええ!!!」
京楽は叫ぶ。
愛しい者をとりあげられた。
ただ、大人しくいつもの日常に、浮竹が生き返ったということなど忘れて、生きろとでも?
京楽の左目には、狂気が宿っていた。
「待っててね、浮竹。必ず、拉致るから」
「霊王様。ユーハバッハの亡骸から、霊王様への力の譲渡が終わりました。これで、浮竹十四郎は死にました。新たなる霊王様です」
「俺は・・・・霊王、か」
「そうです。あなたが霊王様です。この世界を守る贄であり、絶対存在であり、ただ在るだけの存在」
「俺は、霊王になるために生き返ったんじゃない」
「いいえ、世界が霊王となるためにあなたを求めて、あなたを生き返らせた。ミミハギ様を宿していたあなたこそ、霊王に相応しいのです」
「京楽・・・・・・俺を、攫いにきてくれ」
霊王宮は、豪華な場所だった。
新たに建築されて、生きている霊王の浮竹を迎えるために人が住める空間になっていた。
「暇でしたら、下界を見てはいかがですか?」
意識すると、下界が見えた。
浮竹は、京楽を探した。
京楽は、斬魄刀を手に、伊勢と何か言い合いをしていた。
「京楽・・・・助けて、くれ。俺を、ここから連れ出してくれ・・・・・・」
浮竹は、京楽・・・・と呟く。
「京楽春水のことはお忘れください。あなたは霊王様なのです。ただ、ここに在ればよいのです。誰かへの想いなど、いらないはず」
零番隊のリーダーである黒髪の女性が、浮竹に膝ますづいた。
「霊王様、夕餉の支度が整いました。どうぞ、こちらへ」
ついていくと、豪華な食事が並んでいた。
けれど、浮竹は一口も食べずに、水だけを飲んだ。
「霊王様は生きていらっしゃる。食物を摂取しないと、霊王様のためになりません。今はまだ無理強いしはしませんが、どうしても食べないのであれば、点滴を受けてもらいます」
「俺は・・・・霊王になんて、なりたくなかった。ただ、京楽の傍にいれれば、それでよかったんだ」
「霊王様は、もう霊王様です。浮竹十四郎は死んだのです」
「俺は、ここにいて生きている」
「霊王様ですから。今ここにいるあなたは霊王様です。京楽春水は、もうあなたには不要の存在。お忘れなさい」
浮竹は、零番隊のリーダーである女性にむかって水をかけた。
「お怒りを、お沈めください。霊王様の怒りは、大地の怒りとなります」
「京楽・・・・・・」
浮竹は、ただ京楽を求めた。
院生時代から、ずっと一緒にいた。
恋人同士だった。
先に浮竹が神掛をして死んでしまっても、京楽は浮竹を愛し続けていた。
数日が経ち、浮竹はまた下界を見ていた。
京楽は、浮竹と呟いて、仕事も手につかないようだった。
「京楽・・・・俺はここにいる。連れ去ってくれ・・・・・」
霊王になんて、なりたくない。
でも、もう霊王だ。
それでも、京楽と一緒にいたい。
浮竹は、京楽と一緒に生きる道を模索しようとしていた。
それは、心臓ではない。
肺から聞こえた。
いなくなってしまったミミハギ様の鼓動だった。
「浮竹十四郎。次の霊王よ」
「え?」
夢の中で、浮竹はミミハギ様に語りかけられていた。
「霊王がユーハバッハの亡骸のままでは困るのだ。次の霊王に相応しいのは、汝だ。私を宿した。霊王の右腕を宿した汝の肉体は、霊王となるに相応しい蘇りを果たした。次の霊王は、汝だ」
「そんなばかなことがあるか!!」
ばっと飛び起きると、ベッドの上だった。
「どうしたの?」
横で眠っていた京楽が、浮竹の様子を伺う。
「いやな夢を見たんだ。俺が霊王だと・・・・ミミハギ様が・・・・・」
「変な夢を見たんだね。まだ夜明けまで時間があるから、もう一度寝なよ」
「ああ、そうする」
次に起きると、朝だった。
浮竹は気づく。
失ってしまったミミハギ様が、再び自分の中に宿っていることに。
それは、霊王の右腕。
霊王になれる身代わりの証。
「浮竹?朝ごはん食べるでしょ?」
「ん、ああ」
浮竹は、何故失ったはずのミミハギ様が戻ってきたのか分からなかった。
夢の中の言う通りに、次の霊王になるためか。
「はい、お味噌汁」
「あ、ああ、すまない」
ぼーっとしながら朝ごはんを食べていると、京楽の出勤時間になった。
一番隊隊長補佐についているので、京楽と並んで浮竹も一番隊隊舎に向かう。
ユーハバッハの手による滅却師の侵略の爪痕は深く、瀞霊廷はまだまだ復興途中だった。
「京楽、もしも俺が霊王になって、霊王宮にしかいられなくなったら、どうする?」
「え?そんなの決まってるでしょ。拉致る」
「まじか」
「まじだよ。誰も分からない場所に隠す」
浮竹の運命は、変わろうとしていた。
ただ、地獄が溢れそうだからと蘇ったわけではなかったのだ。
ユーハバッハの亡骸を、いつまでも霊王として留めておけないので、天が下した答えだった。
ミミハギ様を・・・・霊王の右腕を、霊王を宿したことのある者を霊王とせよ。
死しているならば、今一度命を授け、霊王とせよ。
「浮竹?なんか怖い顔してる」
「京楽・・・・・俺は、霊王になりたくない!」
浮竹は、京楽に縋りついた。
「何言ってるの。霊王は、ユーハバッハの亡骸でなんとかなっているよ。君が霊王になる必要なんて・・・・・」
気づけば、囲まれていた。
「浮竹十四郎様。迎えに参りました。次代の、霊王様」
「なんだい、君たちは!」
京楽は斬魄刀を抜いた。
「我らは新たなる零番隊。浮竹十四郎様は、霊王となられるお方です。霊王宮にお連れします。邪魔をするなら、総隊長であるあなたとて、容赦はしません」
「待ってくれ!俺は霊王になんて、なりたくない!」
「これは天の定め。霊王になるのためだけに、あなたは蘇った。浮竹様・・・・・いいえ、霊王様」
京楽は、斬魄刀で新しい零番隊と切り結びあう。
零番隊は8人いて、いくら京楽が総隊長とはいえ、戦況は厳しかった。
「致し方ありません。総隊長は、代わりはいくらでもききます。やっておしまいなさい」
「はっ」
「待ってくれ!!」
隊長羽織を朱に染め上げる京楽を見かねて、浮竹は自分の斬魄刀を捨てて、零番隊に言った。
「俺は霊王になる。霊王宮に連れていけ。ただし、今後一切京楽に手出しするな」
「浮竹!!!」
「大丈夫だ、京楽。きっと、戻ってこれる・・・・戻ってこれなかったら、拉致ってくれ」
「霊王様がお通りになる。道を開けよ!」
浮竹は、零番隊が見守る中、霊王宮に続くゲートをくぐらされて、霊王宮に消えてしまった。
「浮竹ええええええ!!!」
京楽は叫ぶ。
愛しい者をとりあげられた。
ただ、大人しくいつもの日常に、浮竹が生き返ったということなど忘れて、生きろとでも?
京楽の左目には、狂気が宿っていた。
「待っててね、浮竹。必ず、拉致るから」
「霊王様。ユーハバッハの亡骸から、霊王様への力の譲渡が終わりました。これで、浮竹十四郎は死にました。新たなる霊王様です」
「俺は・・・・霊王、か」
「そうです。あなたが霊王様です。この世界を守る贄であり、絶対存在であり、ただ在るだけの存在」
「俺は、霊王になるために生き返ったんじゃない」
「いいえ、世界が霊王となるためにあなたを求めて、あなたを生き返らせた。ミミハギ様を宿していたあなたこそ、霊王に相応しいのです」
「京楽・・・・・・俺を、攫いにきてくれ」
霊王宮は、豪華な場所だった。
新たに建築されて、生きている霊王の浮竹を迎えるために人が住める空間になっていた。
「暇でしたら、下界を見てはいかがですか?」
意識すると、下界が見えた。
浮竹は、京楽を探した。
京楽は、斬魄刀を手に、伊勢と何か言い合いをしていた。
「京楽・・・・助けて、くれ。俺を、ここから連れ出してくれ・・・・・・」
浮竹は、京楽・・・・と呟く。
「京楽春水のことはお忘れください。あなたは霊王様なのです。ただ、ここに在ればよいのです。誰かへの想いなど、いらないはず」
零番隊のリーダーである黒髪の女性が、浮竹に膝ますづいた。
「霊王様、夕餉の支度が整いました。どうぞ、こちらへ」
ついていくと、豪華な食事が並んでいた。
けれど、浮竹は一口も食べずに、水だけを飲んだ。
「霊王様は生きていらっしゃる。食物を摂取しないと、霊王様のためになりません。今はまだ無理強いしはしませんが、どうしても食べないのであれば、点滴を受けてもらいます」
「俺は・・・・霊王になんて、なりたくなかった。ただ、京楽の傍にいれれば、それでよかったんだ」
「霊王様は、もう霊王様です。浮竹十四郎は死んだのです」
「俺は、ここにいて生きている」
「霊王様ですから。今ここにいるあなたは霊王様です。京楽春水は、もうあなたには不要の存在。お忘れなさい」
浮竹は、零番隊のリーダーである女性にむかって水をかけた。
「お怒りを、お沈めください。霊王様の怒りは、大地の怒りとなります」
「京楽・・・・・・」
浮竹は、ただ京楽を求めた。
院生時代から、ずっと一緒にいた。
恋人同士だった。
先に浮竹が神掛をして死んでしまっても、京楽は浮竹を愛し続けていた。
数日が経ち、浮竹はまた下界を見ていた。
京楽は、浮竹と呟いて、仕事も手につかないようだった。
「京楽・・・・俺はここにいる。連れ去ってくれ・・・・・」
霊王になんて、なりたくない。
でも、もう霊王だ。
それでも、京楽と一緒にいたい。
浮竹は、京楽と一緒に生きる道を模索しようとしていた。