よっぱらい
「日番谷隊長」
「なんだ、浮竹か。遊びにきても、あいにく俺には仕事がある。ソファーに座って、わかめ大使でも食って待ってろ」
浮竹は、10番隊の執務室のソファーで大人しく茶を飲みながら、わかめ大使を食べていたかと思うと、立ち上がって日番谷のところにきた。
「なんだ?」
「日番谷隊長、子作りしよう」
「ぶばーーーー!!!」
日番谷は、飲みかけていたお茶を重要な書類に上に、吹き出してしまった。
「な、何言ってやがる。そういうのは、京楽としとけ」
「嫌だ。日番谷隊長がいい」
浮竹に押し倒されて、日番谷は浮竹をどうしようかと考える。
正気でないのは確かだ。
「きゃあ、隊長が浮竹隊長に押し倒されてるうううう!いやーん、写真とらなきゃ」
松本は、そんな二人を見て腐った脳をしているので、創作のネタにしようとしていた。
「松本、のんきに写真なんかとってないで助けろ!」
「浮竹×日番谷。禁断の果実」
松本はすでに遠い世界に、旅立っていた。
浮竹からは、アルコールのにおいがした。
「おい、このよっぱらい。子作りは京楽としとけ」
「京楽だと、俺が産むことになるだろう?俺は日番谷隊長がいい」
「お前、自分で何言って、何してるのかわかってるのか?」
「あはははは、世界がまわるううう」
「だめだこりゃ」
浮竹は、酒にべろんべろんに酔っている挙句、熱を出していた。日番谷は、浮竹をどかして、執務室のソファーに座る。
浮竹が、まともな思考回路でないことは、確かだった。
「浮竹、日番谷隊長のところにいたの。ほら、戻るよ」
京楽がやってきて、浮竹を連れて帰ろうとするが、浮竹は嫌がった。
「まだ、日番谷隊長と子作りしてない」
京楽の視線が、日番谷に注がれる。
「言っとくが、何もしてないからな。浮竹に押し倒されたが」
「うらやましい」
「はぁ!?」
「浮竹がべろんべろんに酔っている挙句に、熱出してるの知ってるよね。浮竹ってば、熱あるの隠してボクのお酒のんで、いきなり日番谷隊長と子作りしてくるとか言って飛びだしていったの」
「そこをどうにかするのが、お前の役割だろう、京楽」
「浮竹、熱あって酔ってる癖に瞬歩早いから。追いかけるのに苦労したよ。未遂でよかった」
「未遂も何も、されかけたら氷輪丸でぶっとばす。病人でもだ」
「ほら、浮竹、冬獅郎君はああ言ってるから、子作りはボクとしようね?」
「じゃあ、ここでする」
「いいよ」
「おいまてこら」
「あ、春水‥‥」
「待ってっいってるだろ!」
「ああっ」
「蒼天に座せ、氷輪丸!!!」
「なんであたしまでええええ」
松本も巻き込んで、氷輪丸を初解させて、氷の龍を出すと浮竹と京楽と吹っ飛ばす。
京楽は慣れたもので、浮竹をお姫様抱っこして、瞬歩で去ってしまった。
「あー、また壊しちまった。ま、京楽の金で明日には修繕できてるだろうから、いいか」
べちゃ。
松本が落ちてきた。
「おい、生きてるか?」
「浮竹×日番谷で今度のコミケでます」
「こおら、松本おおおおおお」
「きゃあああああああ」
氷輪丸でまた吹っ飛ばされるのだが、松本はコミケで浮竹×日番谷の小説本を出すのである。
「浮竹、大丈夫?熱、あがってるよ」
「つわりだ。京楽の子を身籠った。気分が悪い」
「それ、ただ酒に酔ってのことだから」
「日番谷隊長と、子作りしたかった」
「君にはボクがいるでしょ」
京楽は、浮竹を雨乾堂の布団に寝かせて、氷水に浸してしぼったタオルを額に置いた。、
「京楽の子だと、スケベでアホでマヌケな子ができる」
「散々な言われようだね」
「きっと毛が性別関係なくもじゃもじゃなんだ」
「否定できない‥‥‥」
京楽は、浮竹に解熱剤を飲ませようと渡すが、浮竹は。
「いらない」
そう言って、飲まない。
「仕方ないねぇ」
京楽は、コップの水を口にふくんで、口移しで解熱剤を飲ませた。
「あ、京楽のせいで妊娠した」
「口づけで妊娠するの?」
「京楽はたらしだから」
「昔の話でしょ?ほら、いいからもう寝なさい」
体温計で熱を測ると、40度あった。
よく外を、酔ったまま瞬歩で移動できたものだと思った。
「仕方ない。日番谷隊長との子作りは、明日にする」
その明日には、昨日のことなど全く記憶にない浮竹がいるのだった。
「なんだ、浮竹か。遊びにきても、あいにく俺には仕事がある。ソファーに座って、わかめ大使でも食って待ってろ」
浮竹は、10番隊の執務室のソファーで大人しく茶を飲みながら、わかめ大使を食べていたかと思うと、立ち上がって日番谷のところにきた。
「なんだ?」
「日番谷隊長、子作りしよう」
「ぶばーーーー!!!」
日番谷は、飲みかけていたお茶を重要な書類に上に、吹き出してしまった。
「な、何言ってやがる。そういうのは、京楽としとけ」
「嫌だ。日番谷隊長がいい」
浮竹に押し倒されて、日番谷は浮竹をどうしようかと考える。
正気でないのは確かだ。
「きゃあ、隊長が浮竹隊長に押し倒されてるうううう!いやーん、写真とらなきゃ」
松本は、そんな二人を見て腐った脳をしているので、創作のネタにしようとしていた。
「松本、のんきに写真なんかとってないで助けろ!」
「浮竹×日番谷。禁断の果実」
松本はすでに遠い世界に、旅立っていた。
浮竹からは、アルコールのにおいがした。
「おい、このよっぱらい。子作りは京楽としとけ」
「京楽だと、俺が産むことになるだろう?俺は日番谷隊長がいい」
「お前、自分で何言って、何してるのかわかってるのか?」
「あはははは、世界がまわるううう」
「だめだこりゃ」
浮竹は、酒にべろんべろんに酔っている挙句、熱を出していた。日番谷は、浮竹をどかして、執務室のソファーに座る。
浮竹が、まともな思考回路でないことは、確かだった。
「浮竹、日番谷隊長のところにいたの。ほら、戻るよ」
京楽がやってきて、浮竹を連れて帰ろうとするが、浮竹は嫌がった。
「まだ、日番谷隊長と子作りしてない」
京楽の視線が、日番谷に注がれる。
「言っとくが、何もしてないからな。浮竹に押し倒されたが」
「うらやましい」
「はぁ!?」
「浮竹がべろんべろんに酔っている挙句に、熱出してるの知ってるよね。浮竹ってば、熱あるの隠してボクのお酒のんで、いきなり日番谷隊長と子作りしてくるとか言って飛びだしていったの」
「そこをどうにかするのが、お前の役割だろう、京楽」
「浮竹、熱あって酔ってる癖に瞬歩早いから。追いかけるのに苦労したよ。未遂でよかった」
「未遂も何も、されかけたら氷輪丸でぶっとばす。病人でもだ」
「ほら、浮竹、冬獅郎君はああ言ってるから、子作りはボクとしようね?」
「じゃあ、ここでする」
「いいよ」
「おいまてこら」
「あ、春水‥‥」
「待ってっいってるだろ!」
「ああっ」
「蒼天に座せ、氷輪丸!!!」
「なんであたしまでええええ」
松本も巻き込んで、氷輪丸を初解させて、氷の龍を出すと浮竹と京楽と吹っ飛ばす。
京楽は慣れたもので、浮竹をお姫様抱っこして、瞬歩で去ってしまった。
「あー、また壊しちまった。ま、京楽の金で明日には修繕できてるだろうから、いいか」
べちゃ。
松本が落ちてきた。
「おい、生きてるか?」
「浮竹×日番谷で今度のコミケでます」
「こおら、松本おおおおおお」
「きゃあああああああ」
氷輪丸でまた吹っ飛ばされるのだが、松本はコミケで浮竹×日番谷の小説本を出すのである。
「浮竹、大丈夫?熱、あがってるよ」
「つわりだ。京楽の子を身籠った。気分が悪い」
「それ、ただ酒に酔ってのことだから」
「日番谷隊長と、子作りしたかった」
「君にはボクがいるでしょ」
京楽は、浮竹を雨乾堂の布団に寝かせて、氷水に浸してしぼったタオルを額に置いた。、
「京楽の子だと、スケベでアホでマヌケな子ができる」
「散々な言われようだね」
「きっと毛が性別関係なくもじゃもじゃなんだ」
「否定できない‥‥‥」
京楽は、浮竹に解熱剤を飲ませようと渡すが、浮竹は。
「いらない」
そう言って、飲まない。
「仕方ないねぇ」
京楽は、コップの水を口にふくんで、口移しで解熱剤を飲ませた。
「あ、京楽のせいで妊娠した」
「口づけで妊娠するの?」
「京楽はたらしだから」
「昔の話でしょ?ほら、いいからもう寝なさい」
体温計で熱を測ると、40度あった。
よく外を、酔ったまま瞬歩で移動できたものだと思った。
「仕方ない。日番谷隊長との子作りは、明日にする」
その明日には、昨日のことなど全く記憶にない浮竹がいるのだった。
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京楽と中身が入れ替わった件3
「あ、書類が落ちたぞ」
浮竹がかがんで、書類を取ろうとする。
「いいよ、ボクが拾うから」
京楽もかがみこんで、ゴンと頭をぶつけあった。
「も、もしや」
浮竹は、わくわくした。
「ぎゃあああ、また浮竹と中身がいれかわったああああ」
浮竹の姿で、京楽は叫んだ。
過去に、2回浮竹は京楽と中身が入れ替わったことがあった。
他にも、ルキア、白哉、日番谷、一護などと入れ替わったこともあった。
京楽の姿で、浮竹は前々からしたいと思ってたことを実行することにした。
「じゃあ俺は、現世で男性専門のエステに行ってくる!」
「待って、浮竹!ボクの体で何をするつもり!」
「もちろん、このムダ毛をつるつるにするんだ!」
「ぎゃああ、ボクの毛がああああ!!!」
すでに腕には、こんな時がまたくるかもしれないと買っておいた、脱毛クリームを脱いっていた。
「おお、面白いくらい抜けるな」
「やめてよおおおお」
京楽は、浮竹の体で半泣きしていた。
「はははは!じゃあ、現世にいってくる!」
「待って、ボクも行く‥‥ごほっごほっ」
「ああ、今の俺は病み上がりだから、おとなしくしていろよ?」
「浮竹のあほおおお」
浮竹は、るんるん気分で現世に行った。
エステは高いと松本から聞いていたので、白哉から金を借りた。白哉も浮竹と京楽の中身がまた入れ替わっていたのに驚いていたが、浮竹には甘いので、京楽の姿だが、200万ほど貸してくれた。
男性専用エステ。
そう書かれた看板を見て、店内に入るとおしゃれなつくりになっていた。
「いらっしゃいませ。当店のご利用ははじめてでしょうか」
「ああ」
「会員になられますか?今なら全コース20%引きになります」
「会員になる」
「ありがとうございます」
女性のエステティシャンは、浮竹を奥に案内した。
「脱毛を頼む。腕と足と胸と顔」
「分かりました」
全身の脱毛に、3時間かかった。
普通なら、2時間程度で元に戻るのだが、今回は久しぶりに入れ替わったせいか、3時間経っても元に戻らなかった。
「やっほう、つるつるだぁ」
前々から、ちくちくと痛いムダ毛がなくなり、浮竹は喜んだ。
その頃、京楽は浮竹の体でおとなしく横になっていた。
高熱を出してしまっていた。
「お会計は、クレジットカードになさいますか?それとも分割祓いで‥‥」
「現金で一括払いでいい」
「は、はぁ。53万になります」
「高い。でもつるつるになったし、白哉からお金借りているので何の問題もない!」
浮竹は、ひげも脱毛してもらって、つるつるになった京楽の体に満足した。いずれまた生えてくるだろうが、しばらくは共に夜を過ごしてもちくちくしないですむ。
「あれ、京楽さんじゃないっすか。どうして、現世に?」
偶然会ったのは、一護だった。
「京楽さん‥‥すよね?髭とかないからちょっと分かり辛いけど」
「一護君、中身は浮竹だ」
「はぁ!?浮竹さん?また、中身入れ替わったんですか。俺の時みたいに」
「そうだぞ。京楽の胸毛とかを一度なくしてみたかったんだ。男性専門のエステにいって脱毛してもらった」
「うわー、それ京楽さんの許可なしですよね?」
「当り前だ。くくく、京楽もこれで少しはこりるだろ」
「浮竹さん、言葉が悪人になってますよ」
「まだ元に戻らないから、一護君遊ぼう」
一護は、困った顔をした。
「遊ぶっていっても、ゲーセンくらいしか思い浮かばないっすよ」
「ゲーセン!行ってみたい」
一護に連れられて、浮竹はゲーセンに行き、思う存分遊んだ。
「ああ、楽しかった」
「もう夕方っすね」
「おっと、そろそろいい加減に帰らないといけないな」
「俺の家、今日カレーなんすけど、食っていきますか?」
「それはぜひ食べてみたいというか、食べてから帰ることにする」
こうして、浮竹は尸魂界に帰還した。
「京楽戻ったぞー」
「浮竹、こんな時間まで何してたの。ごほっごほっ」
「ああ、熱があがったのか。薬のんで寝てろ。明日には元に戻っていると思うから」
京楽は、高熱のせいで、自分の体がエステで脱毛されたことに気づいてなかった。
翌日になり、二人は元に戻っていた。
「あー。まだ熱あるなぁ」
「なんじゃこりゃあああああああ」
京楽は、ツルツルスベスベのお肌に嘆いていた。
「酷いよ浮竹~~~~」
「毎回、抱かれるときにちくちくするんだ。どうせまた生えてくるだろうが」
「だからって、髭まで脱毛しなくても」
京楽は、ツルツルの顎を触った。
「ああ、これじゃあボクって分からない人が増えそう」
「大丈夫だ。涅印の育毛剤もらってきてある」
「何危ない薬もらってきてるの!?絶対わんさかはえるでしょ!」
「かもなぁ」
浮竹は、熱があることも忘れてからから笑う。
今度入れ替わったら、永久脱毛でも頼もうかなどと思う浮竹であった。
ちなみに、京楽の毛は2か月後には元に戻っていた。
浮竹がかがんで、書類を取ろうとする。
「いいよ、ボクが拾うから」
京楽もかがみこんで、ゴンと頭をぶつけあった。
「も、もしや」
浮竹は、わくわくした。
「ぎゃあああ、また浮竹と中身がいれかわったああああ」
浮竹の姿で、京楽は叫んだ。
過去に、2回浮竹は京楽と中身が入れ替わったことがあった。
他にも、ルキア、白哉、日番谷、一護などと入れ替わったこともあった。
京楽の姿で、浮竹は前々からしたいと思ってたことを実行することにした。
「じゃあ俺は、現世で男性専門のエステに行ってくる!」
「待って、浮竹!ボクの体で何をするつもり!」
「もちろん、このムダ毛をつるつるにするんだ!」
「ぎゃああ、ボクの毛がああああ!!!」
すでに腕には、こんな時がまたくるかもしれないと買っておいた、脱毛クリームを脱いっていた。
「おお、面白いくらい抜けるな」
「やめてよおおおお」
京楽は、浮竹の体で半泣きしていた。
「はははは!じゃあ、現世にいってくる!」
「待って、ボクも行く‥‥ごほっごほっ」
「ああ、今の俺は病み上がりだから、おとなしくしていろよ?」
「浮竹のあほおおお」
浮竹は、るんるん気分で現世に行った。
エステは高いと松本から聞いていたので、白哉から金を借りた。白哉も浮竹と京楽の中身がまた入れ替わっていたのに驚いていたが、浮竹には甘いので、京楽の姿だが、200万ほど貸してくれた。
男性専用エステ。
そう書かれた看板を見て、店内に入るとおしゃれなつくりになっていた。
「いらっしゃいませ。当店のご利用ははじめてでしょうか」
「ああ」
「会員になられますか?今なら全コース20%引きになります」
「会員になる」
「ありがとうございます」
女性のエステティシャンは、浮竹を奥に案内した。
「脱毛を頼む。腕と足と胸と顔」
「分かりました」
全身の脱毛に、3時間かかった。
普通なら、2時間程度で元に戻るのだが、今回は久しぶりに入れ替わったせいか、3時間経っても元に戻らなかった。
「やっほう、つるつるだぁ」
前々から、ちくちくと痛いムダ毛がなくなり、浮竹は喜んだ。
その頃、京楽は浮竹の体でおとなしく横になっていた。
高熱を出してしまっていた。
「お会計は、クレジットカードになさいますか?それとも分割祓いで‥‥」
「現金で一括払いでいい」
「は、はぁ。53万になります」
「高い。でもつるつるになったし、白哉からお金借りているので何の問題もない!」
浮竹は、ひげも脱毛してもらって、つるつるになった京楽の体に満足した。いずれまた生えてくるだろうが、しばらくは共に夜を過ごしてもちくちくしないですむ。
「あれ、京楽さんじゃないっすか。どうして、現世に?」
偶然会ったのは、一護だった。
「京楽さん‥‥すよね?髭とかないからちょっと分かり辛いけど」
「一護君、中身は浮竹だ」
「はぁ!?浮竹さん?また、中身入れ替わったんですか。俺の時みたいに」
「そうだぞ。京楽の胸毛とかを一度なくしてみたかったんだ。男性専門のエステにいって脱毛してもらった」
「うわー、それ京楽さんの許可なしですよね?」
「当り前だ。くくく、京楽もこれで少しはこりるだろ」
「浮竹さん、言葉が悪人になってますよ」
「まだ元に戻らないから、一護君遊ぼう」
一護は、困った顔をした。
「遊ぶっていっても、ゲーセンくらいしか思い浮かばないっすよ」
「ゲーセン!行ってみたい」
一護に連れられて、浮竹はゲーセンに行き、思う存分遊んだ。
「ああ、楽しかった」
「もう夕方っすね」
「おっと、そろそろいい加減に帰らないといけないな」
「俺の家、今日カレーなんすけど、食っていきますか?」
「それはぜひ食べてみたいというか、食べてから帰ることにする」
こうして、浮竹は尸魂界に帰還した。
「京楽戻ったぞー」
「浮竹、こんな時間まで何してたの。ごほっごほっ」
「ああ、熱があがったのか。薬のんで寝てろ。明日には元に戻っていると思うから」
京楽は、高熱のせいで、自分の体がエステで脱毛されたことに気づいてなかった。
翌日になり、二人は元に戻っていた。
「あー。まだ熱あるなぁ」
「なんじゃこりゃあああああああ」
京楽は、ツルツルスベスベのお肌に嘆いていた。
「酷いよ浮竹~~~~」
「毎回、抱かれるときにちくちくするんだ。どうせまた生えてくるだろうが」
「だからって、髭まで脱毛しなくても」
京楽は、ツルツルの顎を触った。
「ああ、これじゃあボクって分からない人が増えそう」
「大丈夫だ。涅印の育毛剤もらってきてある」
「何危ない薬もらってきてるの!?絶対わんさかはえるでしょ!」
「かもなぁ」
浮竹は、熱があることも忘れてからから笑う。
今度入れ替わったら、永久脱毛でも頼もうかなどと思う浮竹であった。
ちなみに、京楽の毛は2か月後には元に戻っていた。
さくらあやかしと共に29
浮竹は、気づくと額にツノを生やして桜色の瞳に、桜色の漢服を着ている姿になっていた。
「なぜ‥‥」
桜鬼になって、自分を失った後で、元に戻ったのだが、妖力のコントロールが難しくなっており、朝起きると桜鬼の姿になっていた。
それを察知したのか、京楽が浮竹の部屋をノックする。
「十四郎?入るよ?」
「京楽、くるな!」
桜鬼の姿を見られたくなくて、浮竹は叫ぶ。
「十四郎、ボクは君がどんな姿になっていても愛しているよ」
「京楽‥‥‥」
浮竹は、そっと鍵をかけていた扉を開いた。
「朝起きたら、この姿になっていたんだ。桜鬼に。俺は昔、人やあやかしの血をすすって養分にしていた」
「うん。でも、やめたんでしょう?」
「そうだな。人間の食事の味とそれでエネルギーをとれるようになったから」
「十四郎は、桜鬼の姿でも綺麗だよ。桜そのものみたい」
浮竹は、そういってもらえてうれしくて、少しだけ泣いた。
「桜鬼‥‥嫌いだったけど、お前のおかげで少し考え方が変わりそうだ」
「十四郎はいつだって綺麗だよ?バカみたいに笑ってる時も、夜刀神をハリセンでしばいてる時も、料理を作っている時も、寝ている時も」
「春水」
「心配しないで?桜鬼の姿、今戻してあげるから」
京楽は、札に力をこめて、それを浮竹の背中にはった。
ちらちらと桜吹雪が室内で舞い、浮竹は元の人の姿に戻っていた。
「桜色の瞳も綺麗だけど、ボクはボクの知る翡翠色の十四郎の瞳の色のほうが好きかな」
「桜鬼なったせいで、今まで封印していた力が使えるようになったようだ」
「お、すごいね。どんな力?」
「よいものじゃない。都市一つの人間を養分に、桜を咲かせたり、他人をただの桜にしてしまったり‥‥」
「うん。使わない方向で、いいじゃないかな」
「そうだな。ただ、夜刀神には桜になる術をかけてみたいな。絶対に効かないだろうから」
クスリと、浮竹が笑う。
浮竹が元気を出してくれたみたいでよかったと、京楽は思った。
「白哉は?」
「もう起きて、朝食待ってるよ」
「すまん。すぐ作る」
「あ、十四郎」
「ん?」
振り返った浮竹に、京楽は触れるだけのキスをさした。
「おはようのキス」
「ばか」
浮竹は真っ赤になって、キッチンに去っていく。
「桜鬼か‥‥‥‥また厄介な問題を抱え込んだね、シロ。いや、十四郎」
「白哉、またせたな。今日は和食にした」
出汁卵焼き、味噌汁、鮭の焼いたもの、それに白ごはんだった。
「和食とは、兄にしては珍しいな」
「まぁ、白哉は和食のほうが好きだろう?」
「そうだが」
「待たせた詫びだ」
「それほど待ってはいないのだがな」
「京楽、早く来い。朝飯が冷めるぞ」
「はいはい、今いくよ」
浮竹、京楽、白哉の3人は、何か事情でもない限り、なるべく一緒に食事をとっていた。
家族のような関係である。
「食べ終わったら、京楽は俺と一緒に、術者の俺と夜刀神の元にいくぞ。けがをさせてしまったからな。白哉、多分今晩は泊まって帰る」
「分かった。ルキアのいるネモフィラ畑で過ごすことにする」
「いつもすまないな」
「兄と200年以上もつきあっているのだ。慣れた」
白哉は、朝食を食べ終わると、35階のベランダから飛び降りていった。
「だから、何故玄関を使わないの。帰ってくる時は玄関使うのに」
「細かいことは気にするな」
浮竹は、京楽と白哉と自分が食べ終えた食器を洗ってから、異界を通って、術者の浮竹と夜刀神のところにやってくる。
「いるか?」
『はーい。いらっしゃいませ‥‥って、精霊の俺か。便利屋の京楽まで。どうした?』
「この前は、すまなかった。桜鬼になって、我を忘れた」
『ああ、俺も力暴走したことあるから、別に謝らなくていいぞ』
「夜刀神はどうしている?」
『ここにいるよー』
術者の浮竹の服に、こうもり姿でしがみついていた。
『おっと、落としたら大変だ』
術者の浮竹は、こうもり姿の夜刀神を両手で抱きしめる。
「治癒の術はかけてもらったんじゃないのか」
『君の桜鬼の力が強すぎて、完治してないんだよ』
「すまん」
『いいよ。腐れ縁だしね』
「そういってもらえると、助かる。京楽と一緒に、詫びをかねて家事をしにきた」
『わ、精霊の俺の手料理がまた食えるのか?』
術者の浮竹ははしゃぐ。一方、京楽たちは微妙な顔をしていた。
二人きりになりたいのだ。
『ボクは傷が癒えてないから、ハリセンではたかないでね』
「それくらい、承知している」
結局、その日は夕飯はビーフシチューだった。
夜刀神は、人間の姿になって、包帯だらけで術者の浮竹から食べさせてもらっていた。
「十四郎‥‥‥‥」
「言っとくが、しないぞ」
「クスン」
その日は泊まり、朝食を浮竹が作っていると、術者の浮竹の悲鳴が聞こえた。
「なんじゃこりゃあああ!!またかあああ!!」
皆で駆けつけてみると、白い狐がいた。尾は2本だ。
『治癒術使いすぎたみたいだ』
「じゃあ、今日の治癒はボクがしておくよ」
こうもり姿の夜刀神に、京楽は治癒術を施こす。
『そうか。「春」と一つになったことで、治癒術や浄化の術を使えるようになったんだね』
「うん、そうだよ。全部「春」のおかげだね」
京楽は、「春」でもあるので、自分を卑下したりしない。
「さて、術者の俺。元に戻れない間暇だろうヵら、遊ぼうか」
『なになに?おいかけっこ?』
「フリスビーだ」
なぜかフリスビーをもってきていた浮竹は、空き地に場所を変えて、思い切りフリスビーを投げる。
それを、狐なのに犬のように口でキャッチして、術者の浮竹は浮竹のところにもっていく。
『おもしろい!もう1回』
「何度だって投げてやるぞ」
夜刀神は、こうもり姿でベンチにいた。隣には、京楽の姿もあった。
「はぁ。かわいいけど、二人きりになりたい」
『同じく、二人きりがいい:』
珍しく意見が一致して、互いの顔を見合って、ため息をついた。
『京楽も投げてくれ!』:
術者の浮竹は、2本の尻尾をぶんぶんふっていた。
『病み上がりだけど、仕方ないねぇ。犬じゃないんだからって言いたいとこだけど』
人の姿になり、包帯だかけの恰好で、フリスビーを投げる。
ちゃんとキャッチして持って帰ってくる術者の浮竹がかわいすぎて、夜刀神はもふもふしだした。
『こそばゆい』
『浮竹はボクのものでしょ』
『うん』
『かまってくれないと、すねちゃうよ。すでに、便利屋のボクは拗ねてるけど』
浮竹が全然かまってくれないので、京楽は式を作って空を飛ばせたりしていた。
「ああ、京楽すねていたのか。一人遊びしているのかと思った」
「浮竹がボクを構ってくれないから、新しい式を作ってたよ」
「今日は、この辺で帰ろうか」
「うん、帰ろう!」
今なら、白哉もまだ帰ってきていないはずだと、京楽は浮竹と二人きりになれると嬉し気だった。
「術者の俺、これをやる」
『なんだ?』:
「俺の妖力の結晶だ。使えば、人の姿に戻れるだろう」
『そうなのか”!ありがとう!』
さすがに、白い珍しい2本の尾の狐と、こうもり姿の京楽だけでは不便だろうからと、浮竹なりに気を利かせたつもりだった。
『ボクが人型に戻ればいい話だけどね:』
「そう言いながら、狐姿の術者の俺の背中にしがみついてても、迫力もなにもないぞ」
『ふん、桜鬼のばか』
「ハリセンで殴られたいか」
『ごめんなさい』
謝罪は即答だった。
浮竹と享楽が去っていったのを見とどけてから、術者の浮竹は、浮竹にもらった結晶を粉々に砕き、自分に使ってみた。
『お、人の姿に戻れた』
『浮竹、耳がでてるよ』
『あれ。引っ込めるの難しいな。まぁいいか』:
『いいんかい!』
たまらず、ツッコミを入れる夜刀神だった。
一方、異界渡りで帰宅した浮竹と京楽は、久しぶりに二人きりなのだから、しっぽりしようとしていた寸前で、白哉が帰宅してきたので、京楽は突き飛ばされて、ベッドから転げ落ちた。
浮竹は、乱れた衣服を整えて、なにくわぬ顔で白哉に夕飯は何がいいのか聞きにいくのだった。
「あーーー。またおあずけええ。いつになったら、抱けるのお」「
京楽のため息交じりの泣き言が、空しく響くのだった。
「なぜ‥‥」
桜鬼になって、自分を失った後で、元に戻ったのだが、妖力のコントロールが難しくなっており、朝起きると桜鬼の姿になっていた。
それを察知したのか、京楽が浮竹の部屋をノックする。
「十四郎?入るよ?」
「京楽、くるな!」
桜鬼の姿を見られたくなくて、浮竹は叫ぶ。
「十四郎、ボクは君がどんな姿になっていても愛しているよ」
「京楽‥‥‥」
浮竹は、そっと鍵をかけていた扉を開いた。
「朝起きたら、この姿になっていたんだ。桜鬼に。俺は昔、人やあやかしの血をすすって養分にしていた」
「うん。でも、やめたんでしょう?」
「そうだな。人間の食事の味とそれでエネルギーをとれるようになったから」
「十四郎は、桜鬼の姿でも綺麗だよ。桜そのものみたい」
浮竹は、そういってもらえてうれしくて、少しだけ泣いた。
「桜鬼‥‥嫌いだったけど、お前のおかげで少し考え方が変わりそうだ」
「十四郎はいつだって綺麗だよ?バカみたいに笑ってる時も、夜刀神をハリセンでしばいてる時も、料理を作っている時も、寝ている時も」
「春水」
「心配しないで?桜鬼の姿、今戻してあげるから」
京楽は、札に力をこめて、それを浮竹の背中にはった。
ちらちらと桜吹雪が室内で舞い、浮竹は元の人の姿に戻っていた。
「桜色の瞳も綺麗だけど、ボクはボクの知る翡翠色の十四郎の瞳の色のほうが好きかな」
「桜鬼なったせいで、今まで封印していた力が使えるようになったようだ」
「お、すごいね。どんな力?」
「よいものじゃない。都市一つの人間を養分に、桜を咲かせたり、他人をただの桜にしてしまったり‥‥」
「うん。使わない方向で、いいじゃないかな」
「そうだな。ただ、夜刀神には桜になる術をかけてみたいな。絶対に効かないだろうから」
クスリと、浮竹が笑う。
浮竹が元気を出してくれたみたいでよかったと、京楽は思った。
「白哉は?」
「もう起きて、朝食待ってるよ」
「すまん。すぐ作る」
「あ、十四郎」
「ん?」
振り返った浮竹に、京楽は触れるだけのキスをさした。
「おはようのキス」
「ばか」
浮竹は真っ赤になって、キッチンに去っていく。
「桜鬼か‥‥‥‥また厄介な問題を抱え込んだね、シロ。いや、十四郎」
「白哉、またせたな。今日は和食にした」
出汁卵焼き、味噌汁、鮭の焼いたもの、それに白ごはんだった。
「和食とは、兄にしては珍しいな」
「まぁ、白哉は和食のほうが好きだろう?」
「そうだが」
「待たせた詫びだ」
「それほど待ってはいないのだがな」
「京楽、早く来い。朝飯が冷めるぞ」
「はいはい、今いくよ」
浮竹、京楽、白哉の3人は、何か事情でもない限り、なるべく一緒に食事をとっていた。
家族のような関係である。
「食べ終わったら、京楽は俺と一緒に、術者の俺と夜刀神の元にいくぞ。けがをさせてしまったからな。白哉、多分今晩は泊まって帰る」
「分かった。ルキアのいるネモフィラ畑で過ごすことにする」
「いつもすまないな」
「兄と200年以上もつきあっているのだ。慣れた」
白哉は、朝食を食べ終わると、35階のベランダから飛び降りていった。
「だから、何故玄関を使わないの。帰ってくる時は玄関使うのに」
「細かいことは気にするな」
浮竹は、京楽と白哉と自分が食べ終えた食器を洗ってから、異界を通って、術者の浮竹と夜刀神のところにやってくる。
「いるか?」
『はーい。いらっしゃいませ‥‥って、精霊の俺か。便利屋の京楽まで。どうした?』
「この前は、すまなかった。桜鬼になって、我を忘れた」
『ああ、俺も力暴走したことあるから、別に謝らなくていいぞ』
「夜刀神はどうしている?」
『ここにいるよー』
術者の浮竹の服に、こうもり姿でしがみついていた。
『おっと、落としたら大変だ』
術者の浮竹は、こうもり姿の夜刀神を両手で抱きしめる。
「治癒の術はかけてもらったんじゃないのか」
『君の桜鬼の力が強すぎて、完治してないんだよ』
「すまん」
『いいよ。腐れ縁だしね』
「そういってもらえると、助かる。京楽と一緒に、詫びをかねて家事をしにきた」
『わ、精霊の俺の手料理がまた食えるのか?』
術者の浮竹ははしゃぐ。一方、京楽たちは微妙な顔をしていた。
二人きりになりたいのだ。
『ボクは傷が癒えてないから、ハリセンではたかないでね』
「それくらい、承知している」
結局、その日は夕飯はビーフシチューだった。
夜刀神は、人間の姿になって、包帯だらけで術者の浮竹から食べさせてもらっていた。
「十四郎‥‥‥‥」
「言っとくが、しないぞ」
「クスン」
その日は泊まり、朝食を浮竹が作っていると、術者の浮竹の悲鳴が聞こえた。
「なんじゃこりゃあああ!!またかあああ!!」
皆で駆けつけてみると、白い狐がいた。尾は2本だ。
『治癒術使いすぎたみたいだ』
「じゃあ、今日の治癒はボクがしておくよ」
こうもり姿の夜刀神に、京楽は治癒術を施こす。
『そうか。「春」と一つになったことで、治癒術や浄化の術を使えるようになったんだね』
「うん、そうだよ。全部「春」のおかげだね」
京楽は、「春」でもあるので、自分を卑下したりしない。
「さて、術者の俺。元に戻れない間暇だろうヵら、遊ぼうか」
『なになに?おいかけっこ?』
「フリスビーだ」
なぜかフリスビーをもってきていた浮竹は、空き地に場所を変えて、思い切りフリスビーを投げる。
それを、狐なのに犬のように口でキャッチして、術者の浮竹は浮竹のところにもっていく。
『おもしろい!もう1回』
「何度だって投げてやるぞ」
夜刀神は、こうもり姿でベンチにいた。隣には、京楽の姿もあった。
「はぁ。かわいいけど、二人きりになりたい」
『同じく、二人きりがいい:』
珍しく意見が一致して、互いの顔を見合って、ため息をついた。
『京楽も投げてくれ!』:
術者の浮竹は、2本の尻尾をぶんぶんふっていた。
『病み上がりだけど、仕方ないねぇ。犬じゃないんだからって言いたいとこだけど』
人の姿になり、包帯だかけの恰好で、フリスビーを投げる。
ちゃんとキャッチして持って帰ってくる術者の浮竹がかわいすぎて、夜刀神はもふもふしだした。
『こそばゆい』
『浮竹はボクのものでしょ』
『うん』
『かまってくれないと、すねちゃうよ。すでに、便利屋のボクは拗ねてるけど』
浮竹が全然かまってくれないので、京楽は式を作って空を飛ばせたりしていた。
「ああ、京楽すねていたのか。一人遊びしているのかと思った」
「浮竹がボクを構ってくれないから、新しい式を作ってたよ」
「今日は、この辺で帰ろうか」
「うん、帰ろう!」
今なら、白哉もまだ帰ってきていないはずだと、京楽は浮竹と二人きりになれると嬉し気だった。
「術者の俺、これをやる」
『なんだ?』:
「俺の妖力の結晶だ。使えば、人の姿に戻れるだろう」
『そうなのか”!ありがとう!』
さすがに、白い珍しい2本の尾の狐と、こうもり姿の京楽だけでは不便だろうからと、浮竹なりに気を利かせたつもりだった。
『ボクが人型に戻ればいい話だけどね:』
「そう言いながら、狐姿の術者の俺の背中にしがみついてても、迫力もなにもないぞ」
『ふん、桜鬼のばか』
「ハリセンで殴られたいか」
『ごめんなさい』
謝罪は即答だった。
浮竹と享楽が去っていったのを見とどけてから、術者の浮竹は、浮竹にもらった結晶を粉々に砕き、自分に使ってみた。
『お、人の姿に戻れた』
『浮竹、耳がでてるよ』
『あれ。引っ込めるの難しいな。まぁいいか』:
『いいんかい!』
たまらず、ツッコミを入れる夜刀神だった。
一方、異界渡りで帰宅した浮竹と京楽は、久しぶりに二人きりなのだから、しっぽりしようとしていた寸前で、白哉が帰宅してきたので、京楽は突き飛ばされて、ベッドから転げ落ちた。
浮竹は、乱れた衣服を整えて、なにくわぬ顔で白哉に夕飯は何がいいのか聞きにいくのだった。
「あーーー。またおあずけええ。いつになったら、抱けるのお」「
京楽のため息交じりの泣き言が、空しく響くのだった。
さくらのかやかしと共に 外伝5
「どうしても欲しいなら、これをやる」
バレンタイン当日に、ツンデレ浮竹が降臨した。いつもはそんなにツンデレではないのだが、時折ツンデレになった。
京楽は、浮竹が用意したチョコを受け取った。
「100倍返しだぞ」
「普通、3倍返しじゃないの?」
「俺に、人間にまじってちょこ売り場まで行って買わせたんだ。100倍返しでも少ないほうだ」
「はいはい。何かみつくろっておくよ。ほしいものはある?」
「最近肩こりがひどい。マッサージチェアがほしい」
浮竹は、首を左右に動かしながら、少し自分の肩をもんだ。
「パソコンをいじってることが最近おおいからでしょ。適度に休憩とらなきゃだめだよ」
「分かってはいるんだが‥‥」
最近、浮竹はパソコンゲームにはまっていて、1日3時間くらい暇な時にゲームをしていた。
「浮竹、京楽、兄らにこのチョコをやろう」
珍しいことに、白哉がチョコを渡してきた。
「天変地異の前触れかな」
「明日槍がふる」
散々な言われように、白哉はため息をつく。
「ルキアからだ」
「なんだ、それなら先に言ってよ」
「ルキアちゃんも律儀だな」
「黒崎一護との結婚が控えているからな。のりのりでチョコを渡してきたぞ」
「ルキアちゃんも人妻か‥‥‥なんかいけない響きだね」
「いけないのはお前の脳みそだ」
浮竹が、ハリセンで京楽の頭を叩く。
「人妻の浮竹‥‥‥ゴクリ」
「ぎゃああああああ」
吸いついてくる京楽をハリセンでびしばし叩く。
「そのハリセンも、大分古くなってるね。新しいの買ってあげる」
「だめだ。これは夜刀神からもらったものだ。何百個目かは分からないが、夜刀神にハリセンを作らせると、右に出る者はいない」
「変なとこで役に立ってるね、彼も」
「浮竹が、そのハリセンを愛用しているからな。居楽、兄が新しいハリセンを買っても、きっと使わぬ」
白哉はそう言いながら、緑茶をすすり、あやしい形のお菓子を食べていた。
「白哉、何を食べているんだ?」
「私が考案した、わかめ大使だ」
「わかめ大使‥‥見た目はあれだけど、なんかおいしそうな予感がする。俺にもくれ」
「けっこう作らせたので食べるがよい」
「お、うまいな。誰に作らせたんだ?」
「小豆とぎだ。もらっていた給料の最高級小豆を3倍あげたら、喜んで作成してくれた。あやかしまんじゅうを置いてある店に、今度置くことになった」
「最近ちょこちょこ見かけないと思ったら、そんなことしてたんだね」
京楽も、わかめ大使を食べた。
「しつこくない甘さだね。上品な味がするよ」
「最高級小豆を使用しているからな」
白哉は自慢げに胸をはる。
「白哉さんいますかー?」
合鍵を使って勝手に入ってきたのは、阿散井恋次だった。
「恋次、こっちだ」
「あ、白哉さん」
「これをやる」
「まさか、バレンタインチョコっすか?」
「そうだ。何か文句でもあるか」
白哉は頬を若干赤くしながら、チョコを渡すと恋次を連れ出そうとする。
「ほら、あやかし退治の依頼がきているのであろうが。私もいくから、さっさといくぞ」
白哉は、チョコレートをもらって嬉しそうな恋次を引きずって、行ってしまった。
「京楽。そういえば、俺たちもあやかし退治の依頼、きてたな?」
「ああ。でも、子供河童のいたずらだよ。退治じゃなくて説得と保護か移住かかな」
「ふむ」
河童は悪戯好きで人間を困らることはおおいが、人を食ったり、酷い害を与える者はいない。
「まぁ、また今度でいいか。それより、牛鬼の知り合いが‥‥」
「牛鬼だって!?あの人を食べることで有名な強いあやかしでしょ?」
「普通の牛鬼はな。俺の知り合いの牛鬼は名前を藤(ふじ)と言って、ベジタリアンなんだ。肉類は一切食わず、いつもは坊さんに化けて、寺でお経唱えてる」
「うへあ、牛鬼のお坊さん‥‥」
「供養する亡骸が他のあやかしに食べられて、牛鬼ということがばれて退治されそうになっているんだそうだ。早急に手を打ちたい。今日の午後にでも向かえるか?」
「あ、あ、うん大丈夫だよ。河童の子供は後回しだね。それより、君とそのベジタリアンの牛鬼の馴れ初めが聞きたいくらいだね」
京楽が、興味をもったようだった。
「妖力があるって、あろうことか俺の桜の花を枝ごと食いやがたんだ。ボッコボコにしたら、人間を一度も食べていないので妖力が弱くなって、野垂れ死にしかけていたらしい。見捨てるのもなんだから、藤という名前を与えて妖力を分けてやり、俺の桜の大樹の見張り役を任せていた。大分古くからの知り合いだな」
「友人じゃないんだ」
「藤は、夜刀神が嫌いでな。その友である俺とは、友人にはなりたくないのだそうだ」
「浮竹と友達になりたくないだなんて、わがままだねぇ」
「まぁ、俺もあやかしの友は夜刀神くらいでいい」
浮竹と京楽は、その日の午後、異界渡りをして藤という牛鬼が住み込みで働いている寺にいき、関係者や亡骸を失った遺族たちから、藤が牛鬼であるという記憶を消した。
「ありがとう、桜鬼」
「その名はやめろ。今の俺は桜の王と呼ばれている」
「分かった。桜の王、ありがとう。少ないが、謝礼金だ」
藤は、50万ばかり入った封筒を浮竹に渡す。
「坊さんってもうかるのか?」
「けっこう。お経あげて供養するだけで金がもらえるから楽だ。他の牛鬼は人を食べて退治されているが、俺が退治されそうになったのは今回がはじめてだ」
「そりゃ、牛鬼の見た目も人食うことも、怖いからな」
「はははは。今じゃ見ての通り、ただの坊さんだ。近いうちに、人化の術を使おうと思う」
「人化の術を使うと、老いがくるぞ」
「ああ。それでいいんだ。俺は、人として生きて、人として死にたい」
その言葉は、京楽を感動させた。
「人として生きたいあやかしも、いるんだね」
「こいつは「春」じゃないな。誰だ」
「京楽春水。「春」の生まれ変わりで、「春」と魂が融合した者だよ」
「半妖の気配がする。妖力が漏れている。きちんと、妖力のコントロールの仕方を覚えないと、俺みたいに人間に退治されそうになるぞ。簡単な方法でいいなら、俺が教えてやろう」
藤は、半妖の気配をまとう京楽に、妖力のコントロールの仕方を教えた。
「すまん、藤。本来なら俺の役割だったんだろうな。京楽の気配に慣れすぎて、妖力が少し漏れているのに気づかなかった」
「こっちは助けてもらった恩があるからな。どうってことない」
そのまま藤と別れ、浮竹と京楽は帰宅した。
家では、白哉がもう帰っており、恋次の姿もあった。
「あ、お邪魔してます、浮竹さん京楽さん。白哉さんを、祓い屋の俺の家に行かせることができないので、こっちにお邪魔することにしました」
「ああ、わかめ大使でも食べて、待っていてくれ。夕飯を作る。食べていけ」
「浮竹の作る料理は、とてもうまいのだ」
「白哉さんがそう言うなら、相当おいしんでしょうね。楽しみっす」
「ああ‥‥また居候もどきというかが増えた。浮竹と二人っきりになれる時間はいずこへ?」
京楽は、賑やかなのはいいことだが、浮竹と二人でいちゃつけないので、浮竹の手料理を食べてから、ふて寝するのであった。
バレンタイン当日に、ツンデレ浮竹が降臨した。いつもはそんなにツンデレではないのだが、時折ツンデレになった。
京楽は、浮竹が用意したチョコを受け取った。
「100倍返しだぞ」
「普通、3倍返しじゃないの?」
「俺に、人間にまじってちょこ売り場まで行って買わせたんだ。100倍返しでも少ないほうだ」
「はいはい。何かみつくろっておくよ。ほしいものはある?」
「最近肩こりがひどい。マッサージチェアがほしい」
浮竹は、首を左右に動かしながら、少し自分の肩をもんだ。
「パソコンをいじってることが最近おおいからでしょ。適度に休憩とらなきゃだめだよ」
「分かってはいるんだが‥‥」
最近、浮竹はパソコンゲームにはまっていて、1日3時間くらい暇な時にゲームをしていた。
「浮竹、京楽、兄らにこのチョコをやろう」
珍しいことに、白哉がチョコを渡してきた。
「天変地異の前触れかな」
「明日槍がふる」
散々な言われように、白哉はため息をつく。
「ルキアからだ」
「なんだ、それなら先に言ってよ」
「ルキアちゃんも律儀だな」
「黒崎一護との結婚が控えているからな。のりのりでチョコを渡してきたぞ」
「ルキアちゃんも人妻か‥‥‥なんかいけない響きだね」
「いけないのはお前の脳みそだ」
浮竹が、ハリセンで京楽の頭を叩く。
「人妻の浮竹‥‥‥ゴクリ」
「ぎゃああああああ」
吸いついてくる京楽をハリセンでびしばし叩く。
「そのハリセンも、大分古くなってるね。新しいの買ってあげる」
「だめだ。これは夜刀神からもらったものだ。何百個目かは分からないが、夜刀神にハリセンを作らせると、右に出る者はいない」
「変なとこで役に立ってるね、彼も」
「浮竹が、そのハリセンを愛用しているからな。居楽、兄が新しいハリセンを買っても、きっと使わぬ」
白哉はそう言いながら、緑茶をすすり、あやしい形のお菓子を食べていた。
「白哉、何を食べているんだ?」
「私が考案した、わかめ大使だ」
「わかめ大使‥‥見た目はあれだけど、なんかおいしそうな予感がする。俺にもくれ」
「けっこう作らせたので食べるがよい」
「お、うまいな。誰に作らせたんだ?」
「小豆とぎだ。もらっていた給料の最高級小豆を3倍あげたら、喜んで作成してくれた。あやかしまんじゅうを置いてある店に、今度置くことになった」
「最近ちょこちょこ見かけないと思ったら、そんなことしてたんだね」
京楽も、わかめ大使を食べた。
「しつこくない甘さだね。上品な味がするよ」
「最高級小豆を使用しているからな」
白哉は自慢げに胸をはる。
「白哉さんいますかー?」
合鍵を使って勝手に入ってきたのは、阿散井恋次だった。
「恋次、こっちだ」
「あ、白哉さん」
「これをやる」
「まさか、バレンタインチョコっすか?」
「そうだ。何か文句でもあるか」
白哉は頬を若干赤くしながら、チョコを渡すと恋次を連れ出そうとする。
「ほら、あやかし退治の依頼がきているのであろうが。私もいくから、さっさといくぞ」
白哉は、チョコレートをもらって嬉しそうな恋次を引きずって、行ってしまった。
「京楽。そういえば、俺たちもあやかし退治の依頼、きてたな?」
「ああ。でも、子供河童のいたずらだよ。退治じゃなくて説得と保護か移住かかな」
「ふむ」
河童は悪戯好きで人間を困らることはおおいが、人を食ったり、酷い害を与える者はいない。
「まぁ、また今度でいいか。それより、牛鬼の知り合いが‥‥」
「牛鬼だって!?あの人を食べることで有名な強いあやかしでしょ?」
「普通の牛鬼はな。俺の知り合いの牛鬼は名前を藤(ふじ)と言って、ベジタリアンなんだ。肉類は一切食わず、いつもは坊さんに化けて、寺でお経唱えてる」
「うへあ、牛鬼のお坊さん‥‥」
「供養する亡骸が他のあやかしに食べられて、牛鬼ということがばれて退治されそうになっているんだそうだ。早急に手を打ちたい。今日の午後にでも向かえるか?」
「あ、あ、うん大丈夫だよ。河童の子供は後回しだね。それより、君とそのベジタリアンの牛鬼の馴れ初めが聞きたいくらいだね」
京楽が、興味をもったようだった。
「妖力があるって、あろうことか俺の桜の花を枝ごと食いやがたんだ。ボッコボコにしたら、人間を一度も食べていないので妖力が弱くなって、野垂れ死にしかけていたらしい。見捨てるのもなんだから、藤という名前を与えて妖力を分けてやり、俺の桜の大樹の見張り役を任せていた。大分古くからの知り合いだな」
「友人じゃないんだ」
「藤は、夜刀神が嫌いでな。その友である俺とは、友人にはなりたくないのだそうだ」
「浮竹と友達になりたくないだなんて、わがままだねぇ」
「まぁ、俺もあやかしの友は夜刀神くらいでいい」
浮竹と京楽は、その日の午後、異界渡りをして藤という牛鬼が住み込みで働いている寺にいき、関係者や亡骸を失った遺族たちから、藤が牛鬼であるという記憶を消した。
「ありがとう、桜鬼」
「その名はやめろ。今の俺は桜の王と呼ばれている」
「分かった。桜の王、ありがとう。少ないが、謝礼金だ」
藤は、50万ばかり入った封筒を浮竹に渡す。
「坊さんってもうかるのか?」
「けっこう。お経あげて供養するだけで金がもらえるから楽だ。他の牛鬼は人を食べて退治されているが、俺が退治されそうになったのは今回がはじめてだ」
「そりゃ、牛鬼の見た目も人食うことも、怖いからな」
「はははは。今じゃ見ての通り、ただの坊さんだ。近いうちに、人化の術を使おうと思う」
「人化の術を使うと、老いがくるぞ」
「ああ。それでいいんだ。俺は、人として生きて、人として死にたい」
その言葉は、京楽を感動させた。
「人として生きたいあやかしも、いるんだね」
「こいつは「春」じゃないな。誰だ」
「京楽春水。「春」の生まれ変わりで、「春」と魂が融合した者だよ」
「半妖の気配がする。妖力が漏れている。きちんと、妖力のコントロールの仕方を覚えないと、俺みたいに人間に退治されそうになるぞ。簡単な方法でいいなら、俺が教えてやろう」
藤は、半妖の気配をまとう京楽に、妖力のコントロールの仕方を教えた。
「すまん、藤。本来なら俺の役割だったんだろうな。京楽の気配に慣れすぎて、妖力が少し漏れているのに気づかなかった」
「こっちは助けてもらった恩があるからな。どうってことない」
そのまま藤と別れ、浮竹と京楽は帰宅した。
家では、白哉がもう帰っており、恋次の姿もあった。
「あ、お邪魔してます、浮竹さん京楽さん。白哉さんを、祓い屋の俺の家に行かせることができないので、こっちにお邪魔することにしました」
「ああ、わかめ大使でも食べて、待っていてくれ。夕飯を作る。食べていけ」
「浮竹の作る料理は、とてもうまいのだ」
「白哉さんがそう言うなら、相当おいしんでしょうね。楽しみっす」
「ああ‥‥また居候もどきというかが増えた。浮竹と二人っきりになれる時間はいずこへ?」
京楽は、賑やかなのはいいことだが、浮竹と二人でいちゃつけないので、浮竹の手料理を食べてから、ふて寝するのであった。
オメガバース恋白9
「隊長、バレンタインチョコって‥‥‥」
「そんなもの、用意しておらぬ」
「そうですよね」
恋次はがっくりとうなだれた。
番になって2年が経とうとしていた。
白哉はヒート期間は仕事を休むし、その相手をする恋次も仕事を休むが、それ以外の日は非番以外は休まない。
「チョコがそんなに欲しいか」
「欲しいです」
「では、清家に言って、現世で買ってこさせる」
「そうじゃなくって、隊長が買ってきてほしいんす」
「私に、現世にいき、女たちに混ざってバレンタインチョコを買えと?」
「いや、普通の菓子屋で売ってるようなんでいいんで。隊長が、俺のために買ってくれることに意味があるので。手作りは無理だろうし」
「当り前だ。私は料理などせぬ」
白哉は自慢気に言う。
「まぁ、専属の料理人いますからね」
「仕方ない。お前がそこまで望むなら、現世にいきチョコレートとやらを買ってこようではないか」
「え、まじっすか!楽しみに待ってますね!」
白哉は、現世に急遽行くことになった。
許可も得ずに現世に行き、短時間なのでささっとコンビニとやらでチョコレートを大量に買いこんだ。
「ほら、お前が欲しがっていたチョコレートだ」
「ちょっと、量がおおすぎませんか」
「お前が望んだことであろう。責任をとって、全部食せ」
「いや、この量は鼻血じゃすまない‥‥」
「恋次」
「はい!」
白哉は、恋次を呼ぶ。
「チョコレートなど、どうでもよいであろう。私はお前を愛している。番として、オメガとして、アルファであるお前を愛している」
「隊長‥‥抱いていいっすか?」
「だめだ。ヒート期間ではないのだ。体を繋げる必要はない」
「少しだけっすから」
恋次は、白哉を抱き寄せると、深い口づけをする。
「ふあ‥‥」
「隊長、かわいい」
「破道の4、白雷」
「ぬおおお!でも、負けません!」
恋次は、嫌がる白哉を姫抱きにして、奥の隊首室に連れていくと、やや乱暴にベッドに放りなげた。
「恋次?」
「俺は、いつだってあんたを抱きたい。飢えてるんだ」
「恋次、やめよ!」
「好きです、隊長」
「あああ!」
隊長羽織も死覇装もするすると脱がされて、白哉は諦めて恋次に身を委ねた。
「痛くしたりしたら、承知せぬぞ」
「もっとって、言わせてやりますよ」
自信満々な恋次に、白哉は抱かれる。
「んああああ!!!」
いい場所を指がすりあげて、白哉は啼いていた。
「んあ‥‥もう」
「もっとっていうまで、あげませんよ」
「恋次」
妖艶な笑みで、白哉が足を広げる。
「ま、負けません」
「く‥‥仕方ない。もっと、もっとお前をくれ」
「わかりました」
ローションまみれの指を引き抜いて、恋次は昂った己で白哉を貫いた。
「ああああ!!!!」
「隊長‥‥もっと力ぬいて」
「ううん」
「息、ちゃんとしてください」
「ひあああ!!!」
白哉の奥の奥まで侵入した恋次のものは、奥をゴリゴリと刺激する。
「いあああああ!」
白哉は、体をビクンと弓ぞりにしならせて、大きく中いきをしていた。
「きもちいいっすか?俺はすごくきもちいいです」
「たわけが‥‥ああああ!!」
一度引き抜かれてから、最奥まで一気に貫かれて、白哉は目を細めた。
「あ、もっと、恋次」
「はい、隊長。隊長が満足するまで、抱いてあげますよ」
恋次の熱い精液を胎の奥で受け止めて、白哉は目を閉じる。
じんわりと広がっていく熱は、アフターピルを飲まねば妊娠する。
コンドームをすればいいのだが、白哉も恋次もコンドームを使わない。
ヒート期間中に、白哉の欲望を沈下する作用があるせいで、ヒート期間でなくても生で交わる。
「ひあああ、ああ、ああ!」
ごりごりっと奥を抉られながら、白哉は己のものを恋次の手でしごかれて、恋次の手の中に精液を放っていた。
「んあっ」
「気持ちいいっすか、隊長?」
白哉は熱にうなされて、コクコクと頷いた。
「もっと、たくさん子種あげますからね」
「恋次、愛している」
「俺も愛してますよ、隊長」
白哉の胎の奥に子種を注ぎこむ。
白哉は、大きなオーガズムでいってしまい、そのまま意識を失った。
「隊長?」
白哉はピクリともしない。急に心配になって、呼吸をしているのを確かめると、ちゃんと息をしていたので安堵する。
「あちゃー、やりすぎちまったかな。後で怒られるな」
白哉の体を、濡れたタオルで清めて衣服を着せて、シーツを変えたベッドで横にさせたまま、恋次は白哉を起こさないで仕事をしだす。アフターピルは飲ませておいた。
白哉が起きてきたころには、夕方になっていた。
「恋次」
「あ、起きましたか隊長。俺のテクで気を失って‥‥」
「破道の4、白雷」
「ぎょえええええ」
調子に乗った恋次は、白哉に白雷を思い切りうたれた。
「すんませんでした!」
「わかればよい。チョコレートとやらは、お前で全部食べろ。残すなよ」
「はいいい」
恋次は、もう白雷をくらいたくなくて、思い切り返事をするのだった。
「そんなもの、用意しておらぬ」
「そうですよね」
恋次はがっくりとうなだれた。
番になって2年が経とうとしていた。
白哉はヒート期間は仕事を休むし、その相手をする恋次も仕事を休むが、それ以外の日は非番以外は休まない。
「チョコがそんなに欲しいか」
「欲しいです」
「では、清家に言って、現世で買ってこさせる」
「そうじゃなくって、隊長が買ってきてほしいんす」
「私に、現世にいき、女たちに混ざってバレンタインチョコを買えと?」
「いや、普通の菓子屋で売ってるようなんでいいんで。隊長が、俺のために買ってくれることに意味があるので。手作りは無理だろうし」
「当り前だ。私は料理などせぬ」
白哉は自慢気に言う。
「まぁ、専属の料理人いますからね」
「仕方ない。お前がそこまで望むなら、現世にいきチョコレートとやらを買ってこようではないか」
「え、まじっすか!楽しみに待ってますね!」
白哉は、現世に急遽行くことになった。
許可も得ずに現世に行き、短時間なのでささっとコンビニとやらでチョコレートを大量に買いこんだ。
「ほら、お前が欲しがっていたチョコレートだ」
「ちょっと、量がおおすぎませんか」
「お前が望んだことであろう。責任をとって、全部食せ」
「いや、この量は鼻血じゃすまない‥‥」
「恋次」
「はい!」
白哉は、恋次を呼ぶ。
「チョコレートなど、どうでもよいであろう。私はお前を愛している。番として、オメガとして、アルファであるお前を愛している」
「隊長‥‥抱いていいっすか?」
「だめだ。ヒート期間ではないのだ。体を繋げる必要はない」
「少しだけっすから」
恋次は、白哉を抱き寄せると、深い口づけをする。
「ふあ‥‥」
「隊長、かわいい」
「破道の4、白雷」
「ぬおおお!でも、負けません!」
恋次は、嫌がる白哉を姫抱きにして、奥の隊首室に連れていくと、やや乱暴にベッドに放りなげた。
「恋次?」
「俺は、いつだってあんたを抱きたい。飢えてるんだ」
「恋次、やめよ!」
「好きです、隊長」
「あああ!」
隊長羽織も死覇装もするすると脱がされて、白哉は諦めて恋次に身を委ねた。
「痛くしたりしたら、承知せぬぞ」
「もっとって、言わせてやりますよ」
自信満々な恋次に、白哉は抱かれる。
「んああああ!!!」
いい場所を指がすりあげて、白哉は啼いていた。
「んあ‥‥もう」
「もっとっていうまで、あげませんよ」
「恋次」
妖艶な笑みで、白哉が足を広げる。
「ま、負けません」
「く‥‥仕方ない。もっと、もっとお前をくれ」
「わかりました」
ローションまみれの指を引き抜いて、恋次は昂った己で白哉を貫いた。
「ああああ!!!!」
「隊長‥‥もっと力ぬいて」
「ううん」
「息、ちゃんとしてください」
「ひあああ!!!」
白哉の奥の奥まで侵入した恋次のものは、奥をゴリゴリと刺激する。
「いあああああ!」
白哉は、体をビクンと弓ぞりにしならせて、大きく中いきをしていた。
「きもちいいっすか?俺はすごくきもちいいです」
「たわけが‥‥ああああ!!」
一度引き抜かれてから、最奥まで一気に貫かれて、白哉は目を細めた。
「あ、もっと、恋次」
「はい、隊長。隊長が満足するまで、抱いてあげますよ」
恋次の熱い精液を胎の奥で受け止めて、白哉は目を閉じる。
じんわりと広がっていく熱は、アフターピルを飲まねば妊娠する。
コンドームをすればいいのだが、白哉も恋次もコンドームを使わない。
ヒート期間中に、白哉の欲望を沈下する作用があるせいで、ヒート期間でなくても生で交わる。
「ひあああ、ああ、ああ!」
ごりごりっと奥を抉られながら、白哉は己のものを恋次の手でしごかれて、恋次の手の中に精液を放っていた。
「んあっ」
「気持ちいいっすか、隊長?」
白哉は熱にうなされて、コクコクと頷いた。
「もっと、たくさん子種あげますからね」
「恋次、愛している」
「俺も愛してますよ、隊長」
白哉の胎の奥に子種を注ぎこむ。
白哉は、大きなオーガズムでいってしまい、そのまま意識を失った。
「隊長?」
白哉はピクリともしない。急に心配になって、呼吸をしているのを確かめると、ちゃんと息をしていたので安堵する。
「あちゃー、やりすぎちまったかな。後で怒られるな」
白哉の体を、濡れたタオルで清めて衣服を着せて、シーツを変えたベッドで横にさせたまま、恋次は白哉を起こさないで仕事をしだす。アフターピルは飲ませておいた。
白哉が起きてきたころには、夕方になっていた。
「恋次」
「あ、起きましたか隊長。俺のテクで気を失って‥‥」
「破道の4、白雷」
「ぎょえええええ」
調子に乗った恋次は、白哉に白雷を思い切りうたれた。
「すんませんでした!」
「わかればよい。チョコレートとやらは、お前で全部食べろ。残すなよ」
「はいいい」
恋次は、もう白雷をくらいたくなくて、思い切り返事をするのだった。
好きなものは好き
「その、今日はバレンタインの日であろう?失敗したが、チョコを作ってみたのだ」
ルキアが渡したチョコは、ラッピングもされておらず、焦げていた。
一護は、焦げたチョコを戸惑うことなく口に入れる。
「そ、その、ちゃんとしたやつを買ってくるから!」
「俺は、これでいい。ルキアの手作りってとこが一番いい」
「一護‥‥苦いであろう?」
「ガトーショコラだと思えばいい。ルキア、手作りチョコレートありがとな」
一護は文句も言わず、ルキアが失敗した手作りチョコを全部食べてしまった。
「無理をして、全部食べずともよかったのだぞ」
「ルキアが俺のために作ってくれたんだ。全部食うのが当たり前だろ」
「一護‥‥‥」
「ルキア、俺からもチョコやる」
「え?」
ルキアは目を瞬かせた。
「女性が男性におくるのが通常だけど、俺もルキアにチョコ渡したかったから、買ってきた。店員さんにかわいそうな目で見られてたけど」
「ふふっ」
ルキアは、おかしそうに笑う。
それから、一護からチョコを受けとって食べた。
「甘いな。おいしい。一護の愛がつまっている」
「ちゃんと、ホワイトデーにはお返しもするからな」
「すまぬな。あのようなチョコで」
「いいって。気にすんな」
一護が買ってきたチョコはハート型で、それを食べていたルキアが、ふと一護に口づけた。
「あめぇ」
「ふふ、おすそわけだ」
チョコを食べながら笑うルキアがかわいくて、一護はルキアを抱き寄せる。
「一護?」
「あー、もう、お前ってかわいいなぁ。食べてもいいか?」
「ちょこはもう食べたであろう?」
「違う。ルキアを食べたい」
ルキアは真っ赤になったが、コクンと頷いた。
「先に、一緒に風呂入ろうぜ」
「わかった]
そんなに広くない風呂場は、二人入るのが精一杯で、湯船に二人で浸った後、一護はルキアの髪を洗ってやった。
「私も貴様の髪を洗ってやる」
ルキアが、お返しにと一護の髪を洗う。
風呂から出て、髪の毛をドライヤーでかわかして、パジャマを着た。
「本当にいいのか?」
一護が聞くと、ルキアはコクンと頷いた。
初めてではないのだ。
だが、あまり抱かれることはないので、行為に慣れているわけでもない。
一護はルキアを大切にするあまり、セックスをあまりしなかった。
「貴様が欲しい」
そう言われて、一護のものも昂る。
「ああ!」
薄い胸の先端を甘噛みしてやると、ルキアが声をあげる。
「や‥‥」
「もう、こんなに濡れてる」
一護の手が、ルキアの秘所を触る。
「あ、一護」
「ルキア、好きだ」
「私も、一護が大好きだ」
秘所に指をいれられて、天井部分をこすられると、ルキアは快感のあまり頭が真っ白になった。
「ああああ!!!!」
「いれて、いいか?」
「う、うむ」
一護は、コンドームをつけて、ルキアの秘所に挿入する。
ゆっくりと、なるべく痛くないように。
「痛くないか?」
コクンと、ルキアは頷いた。
「もっと貴様が欲しい。もっと奥までこい」
「ルキア‥‥愛してる」
一護は、ルキアを突き上げて、揺さぶった。
「んああああ!!」
オーガズムの波にさらわれる。
「あ、あ、ああ!!」
一護を締め付けて、一護はコンドームの中に精液を出していた。
「コンドーム変えるな。ルキア、もう少し相手してくれるか」
「一護が、それを望むなら」
一護はルキアに口づけて、コンドームを変えるとまたルキアの中に侵入する。
「んあっ」
濡れた声を出すルキアは、快感でとろけていた。
「あああ、いやああ、もらしちゃうううう」
ルキアは、潮をふいていた。
「潮だ。もらしたわけじゃないから、安心しろ」
「ほんとに?潮とはなんだ?」
「あー、気持ちよくなりすぎたら出ちゃう、透明な液体」
一護もうまいこと説明できず、ルキアの額に口づけて、律動を再開する。
「あん、あ、あああ」
「もっと、声、聞かせて?」
「あああ、一護!」
「ルキア、愛してる」
「あ、私も愛している」
ルキアと一護は、一つになってお互い高みへと昇っていく。
一護がコンドームの中に二度目の精液を出していた頃には、ルキアは絶頂を迎えて、少し息を乱していた。
「大丈夫か?もう終わりだけど」
「あ、もっと、一護」
「ルキア‥‥」
一護は、ルキアの中でまた欲望をたぎらせる。
「あ、中で大きくなって‥‥」
「ごめん、ルキア。もうちょっと付き合ってくれ」
「わかった」
ルキアは、二度目の潮をふいて、一護から優しい口づけをもらっていた。
「ごめんな。俺ばっかいっちまって」
「そんなことはない。私も気持ちよかったし、何度もいった」
「そうか。ならよかった」
お互いを抱きしめあいながら、クスリと笑う。
「貴様は、私をあまり抱きたがらないから、異性として魅力がないのかと少し心配していたのだ」
「いや、ただ大事にしたいだけだ。セックスしだすと、夢中になってがっついてしまいそうで」
「それでも、別によいのだぞ?私たちは大人の関係だ」
「体が目的と思われたくねーんだよ」
一護は、優しくルキアの髪を手ですいた。
「一護は、そんな男じゃないことくらい、十分に知っている」
「そうか」
ルキアの体をぬれたタオルでぬぐい、一護は自分の体もふくと、パジャマをきて、新しくひいたシーツの上で、ルキアと一緒に横になる。
ルキアは体力を消耗していたのか、すぐに眠ってしまった。
「おやすみ、ルキア」
一護は、ルキアの額に口づけて、自分も寝ることにした。
明日は、ルキアが尸魂界に戻る日だ。
金曜の夜に現世にやってきて、土日を一護と過ごし、月曜の朝に尸魂界に戻る。
慌ただしいが、現世にいくことを許されている今が、一番幸福だった。
「ルキア、起きろ。朝だぞ」
「うーん、後10分‥‥」
「尸魂界に戻る時間、過ぎてるぞ?」
「へあ!?」
ルキアは飛び起きた。
「や、やばい。兄さまに叱られる」
「俺のせいだって言っとけ」
「そのような‥‥しかし、半分はそうだな」
ルキアは、尸魂界に戻る時間をとっくに過ぎているので、もう余裕で朝飯を食べてから、尸魂界に戻り、義兄である白哉から長いお説教をくらうのであった。
ルキアが渡したチョコは、ラッピングもされておらず、焦げていた。
一護は、焦げたチョコを戸惑うことなく口に入れる。
「そ、その、ちゃんとしたやつを買ってくるから!」
「俺は、これでいい。ルキアの手作りってとこが一番いい」
「一護‥‥苦いであろう?」
「ガトーショコラだと思えばいい。ルキア、手作りチョコレートありがとな」
一護は文句も言わず、ルキアが失敗した手作りチョコを全部食べてしまった。
「無理をして、全部食べずともよかったのだぞ」
「ルキアが俺のために作ってくれたんだ。全部食うのが当たり前だろ」
「一護‥‥‥」
「ルキア、俺からもチョコやる」
「え?」
ルキアは目を瞬かせた。
「女性が男性におくるのが通常だけど、俺もルキアにチョコ渡したかったから、買ってきた。店員さんにかわいそうな目で見られてたけど」
「ふふっ」
ルキアは、おかしそうに笑う。
それから、一護からチョコを受けとって食べた。
「甘いな。おいしい。一護の愛がつまっている」
「ちゃんと、ホワイトデーにはお返しもするからな」
「すまぬな。あのようなチョコで」
「いいって。気にすんな」
一護が買ってきたチョコはハート型で、それを食べていたルキアが、ふと一護に口づけた。
「あめぇ」
「ふふ、おすそわけだ」
チョコを食べながら笑うルキアがかわいくて、一護はルキアを抱き寄せる。
「一護?」
「あー、もう、お前ってかわいいなぁ。食べてもいいか?」
「ちょこはもう食べたであろう?」
「違う。ルキアを食べたい」
ルキアは真っ赤になったが、コクンと頷いた。
「先に、一緒に風呂入ろうぜ」
「わかった]
そんなに広くない風呂場は、二人入るのが精一杯で、湯船に二人で浸った後、一護はルキアの髪を洗ってやった。
「私も貴様の髪を洗ってやる」
ルキアが、お返しにと一護の髪を洗う。
風呂から出て、髪の毛をドライヤーでかわかして、パジャマを着た。
「本当にいいのか?」
一護が聞くと、ルキアはコクンと頷いた。
初めてではないのだ。
だが、あまり抱かれることはないので、行為に慣れているわけでもない。
一護はルキアを大切にするあまり、セックスをあまりしなかった。
「貴様が欲しい」
そう言われて、一護のものも昂る。
「ああ!」
薄い胸の先端を甘噛みしてやると、ルキアが声をあげる。
「や‥‥」
「もう、こんなに濡れてる」
一護の手が、ルキアの秘所を触る。
「あ、一護」
「ルキア、好きだ」
「私も、一護が大好きだ」
秘所に指をいれられて、天井部分をこすられると、ルキアは快感のあまり頭が真っ白になった。
「ああああ!!!!」
「いれて、いいか?」
「う、うむ」
一護は、コンドームをつけて、ルキアの秘所に挿入する。
ゆっくりと、なるべく痛くないように。
「痛くないか?」
コクンと、ルキアは頷いた。
「もっと貴様が欲しい。もっと奥までこい」
「ルキア‥‥愛してる」
一護は、ルキアを突き上げて、揺さぶった。
「んああああ!!」
オーガズムの波にさらわれる。
「あ、あ、ああ!!」
一護を締め付けて、一護はコンドームの中に精液を出していた。
「コンドーム変えるな。ルキア、もう少し相手してくれるか」
「一護が、それを望むなら」
一護はルキアに口づけて、コンドームを変えるとまたルキアの中に侵入する。
「んあっ」
濡れた声を出すルキアは、快感でとろけていた。
「あああ、いやああ、もらしちゃうううう」
ルキアは、潮をふいていた。
「潮だ。もらしたわけじゃないから、安心しろ」
「ほんとに?潮とはなんだ?」
「あー、気持ちよくなりすぎたら出ちゃう、透明な液体」
一護もうまいこと説明できず、ルキアの額に口づけて、律動を再開する。
「あん、あ、あああ」
「もっと、声、聞かせて?」
「あああ、一護!」
「ルキア、愛してる」
「あ、私も愛している」
ルキアと一護は、一つになってお互い高みへと昇っていく。
一護がコンドームの中に二度目の精液を出していた頃には、ルキアは絶頂を迎えて、少し息を乱していた。
「大丈夫か?もう終わりだけど」
「あ、もっと、一護」
「ルキア‥‥」
一護は、ルキアの中でまた欲望をたぎらせる。
「あ、中で大きくなって‥‥」
「ごめん、ルキア。もうちょっと付き合ってくれ」
「わかった」
ルキアは、二度目の潮をふいて、一護から優しい口づけをもらっていた。
「ごめんな。俺ばっかいっちまって」
「そんなことはない。私も気持ちよかったし、何度もいった」
「そうか。ならよかった」
お互いを抱きしめあいながら、クスリと笑う。
「貴様は、私をあまり抱きたがらないから、異性として魅力がないのかと少し心配していたのだ」
「いや、ただ大事にしたいだけだ。セックスしだすと、夢中になってがっついてしまいそうで」
「それでも、別によいのだぞ?私たちは大人の関係だ」
「体が目的と思われたくねーんだよ」
一護は、優しくルキアの髪を手ですいた。
「一護は、そんな男じゃないことくらい、十分に知っている」
「そうか」
ルキアの体をぬれたタオルでぬぐい、一護は自分の体もふくと、パジャマをきて、新しくひいたシーツの上で、ルキアと一緒に横になる。
ルキアは体力を消耗していたのか、すぐに眠ってしまった。
「おやすみ、ルキア」
一護は、ルキアの額に口づけて、自分も寝ることにした。
明日は、ルキアが尸魂界に戻る日だ。
金曜の夜に現世にやってきて、土日を一護と過ごし、月曜の朝に尸魂界に戻る。
慌ただしいが、現世にいくことを許されている今が、一番幸福だった。
「ルキア、起きろ。朝だぞ」
「うーん、後10分‥‥」
「尸魂界に戻る時間、過ぎてるぞ?」
「へあ!?」
ルキアは飛び起きた。
「や、やばい。兄さまに叱られる」
「俺のせいだって言っとけ」
「そのような‥‥しかし、半分はそうだな」
ルキアは、尸魂界に戻る時間をとっくに過ぎているので、もう余裕で朝飯を食べてから、尸魂界に戻り、義兄である白哉から長いお説教をくらうのであった。
演劇
「おお、一護、あなたはなぜ一護なの」
「おお、ルキア、愛しの‥‥やってられっか!」
高校3年の最後の文化祭で、一護とルキアは演劇を担当することに、半ば強制的に決められた。
ロミオとジュリエットのパロディで、ロミオ役が一護、ジュリエット役がルキアだった。
「私もやめだ。なぜ貴様と愛し合う劇などしなければならぬ。井上にでもさせておけばよかろう」
「え、あ、私!?えええ、困るなぁ」
そう言いつつ、井上は相手が一護なので満更でもないようだった。
「俺もやめだ。井上、石田、ということであとは頼む!」
一護とルキアは、演劇の練習を切り上げて、虚出現の連絡を受けて、学校を飛び出す。
一護は一度自宅に戻り、コンを肉体にいれて死神化すると、待っていたルキアと合流した。
この地区を担当する死神には手のあまる、少し強い虚だった。
「行くぞ、ルキア。油断すんなよ」
「誰に向かって言っておるだ」
ルキアは、袖白雪で、虚を凍りつかせる。
そこに、一護が斬月で切りかかり、虚はあっという間に片付いてしまった。
「どうする?学校に戻るか?」
「バカを言え。また、あのくだらない劇の続きをさせられえるぞ」
「俺、お芝居じゃなかったら、ルキアを愛してるって言えるんだけどな」
「はぁ!?」
ルキアは、一護の言葉にトマトのように真っ赤になった。
「わ、私を、愛しているだと!?」
「愛しているっていうか、恋愛感情で好きだ」
「き、貴様、そのようなこと微塵も感じさせなかったではないか!」
ルキアが叫ぶと、一護も少し赤くなった。
「そりゃ、隠してたから」
「本当に、私のことが好きなのか?」
「好きでもない女と、一緒のベッドで眠ったりしない」
ルキアは、一護の妹たちの部屋をあてがわれていたが、一護の部屋で一護のベッドでいつも、一護に背後から抱きしめられて寝ていた。
好きだとか、そんな感情を真剣に考えていなかった。
「一護‥‥‥その、真剣に考えると、一護のことを思うと胸がどきどきするのだ。これが、恋というものなのか?」
「多分そうじゃね?」
一護は、ルキアを抱き寄せた。
「一護‥‥‥」
ルキアは、一護の腕の中で、おとなしくなった。
「どうしたんだよ。いつもなら、貴様何をするとか言って、蹴ったりするのに」
「わ、私とて好きな相手を蹴りまくったりはせぬ」
「俺たち、相思相愛ってことでいいんだな?じゃあ、付き合おうぜ」
「付き合うか‥‥‥しかし、兄様が」
「白哉のことは抜きで」
「わかった。今日から、私は貴様の彼女ということにしてやろう」
「素直じゃないやつ」
「う、うるさい!」
一護とルキアは、手を繋いで歩きだす。
死神の姿なので、霊感のある者以外見えなかった。
「帰ったら、ファミレス行こうぜ。白玉餡蜜おごってやるよ」
「本当か!?」
ルキアが目を輝かせる。
「一応、初デートってことで」
「う、うむ」
ルキアは、一護の手をぎゅっと握った。
一護は、あいていた手でルキアの頭を撫でた。
「演劇、明日からも続けるか?」
「くだらぬ劇だが、相手が貴様なのだ。続けてやってもいい」
本当に、ルキアは素直じゃないなと一護は思うが、口には出さない。
素直じゃないところも、かわいいのだ。
一度自宅に戻り、死神姿から人間の体に戻ると、ルキアとまた手を繋いで、ファミレスに向かう。
「チョコレートパフェも頼んでもいいか?」
「バイト代入ったばっかだし、好きなもん頼めよ」
「うむ」
ルキアは、白玉餡蜜の他にいろんなスィーツを注文して、一護の財布に大打撃を与えるのだった。
「ルキア、食いすぎだ」
「好きなものを頼めと言ったのは、貴様だぞ?」
「だからって、遠慮を知らんのか」
「心配せずとも、金なら私も兄さまにもらった分をもってきている」
背に背負ったチャッピーのリュックサックを開けると、100万円の束がでてきた。
「ばか、危ないだろ!そんな大金持ち歩くな」
「でも、あったほうが何かあった時、便利であろう?」
「持ち歩くのは、せいぜい10万くらいにしとけ。それでも多い」
「ふむ」
ルキアは首を傾げた。
そんな仕草すら愛らしく見えてしまう。
一護は、自分も大分末期だなと思った。
「そういえば、他の男子たちが胸の大きい井上がいいと言っておったのだ。貴様は、違うのか?」
「あー俺?俺巨乳に興味ねーから。どっちかっていうと、貧乳派‥‥あべし」
ルキアにアッパーを食らった。
「貴様、私が貧乳だから好きだとか、最低な理由で好きではないだろうな?」
「違う違う。ルキアだから好きなんだ。そのルキアがたまたま貧乳で‥‥あべし」
今度はエルボーをくらった。
「私は断じて貧乳などではない!」
「いや、さっき自分で貧乳って言ってたじゃねーか」
「聞き間違いだ!」
「はいはい、そういうことにしておく」
ファミレスで大分時間をつぶしてしまい、外に出ると真っ暗になっていた。
「帰ろうか」
「うむ」
また、手を繋いで歩きだす。
ルキアは、高校を卒業するまでは現世にとどまることを許可されていた。
一護は、ルキアが高校を卒業した後も、定期的に会いにいこうと思うのであった。
「おお、ルキア、愛しの‥‥やってられっか!」
高校3年の最後の文化祭で、一護とルキアは演劇を担当することに、半ば強制的に決められた。
ロミオとジュリエットのパロディで、ロミオ役が一護、ジュリエット役がルキアだった。
「私もやめだ。なぜ貴様と愛し合う劇などしなければならぬ。井上にでもさせておけばよかろう」
「え、あ、私!?えええ、困るなぁ」
そう言いつつ、井上は相手が一護なので満更でもないようだった。
「俺もやめだ。井上、石田、ということであとは頼む!」
一護とルキアは、演劇の練習を切り上げて、虚出現の連絡を受けて、学校を飛び出す。
一護は一度自宅に戻り、コンを肉体にいれて死神化すると、待っていたルキアと合流した。
この地区を担当する死神には手のあまる、少し強い虚だった。
「行くぞ、ルキア。油断すんなよ」
「誰に向かって言っておるだ」
ルキアは、袖白雪で、虚を凍りつかせる。
そこに、一護が斬月で切りかかり、虚はあっという間に片付いてしまった。
「どうする?学校に戻るか?」
「バカを言え。また、あのくだらない劇の続きをさせられえるぞ」
「俺、お芝居じゃなかったら、ルキアを愛してるって言えるんだけどな」
「はぁ!?」
ルキアは、一護の言葉にトマトのように真っ赤になった。
「わ、私を、愛しているだと!?」
「愛しているっていうか、恋愛感情で好きだ」
「き、貴様、そのようなこと微塵も感じさせなかったではないか!」
ルキアが叫ぶと、一護も少し赤くなった。
「そりゃ、隠してたから」
「本当に、私のことが好きなのか?」
「好きでもない女と、一緒のベッドで眠ったりしない」
ルキアは、一護の妹たちの部屋をあてがわれていたが、一護の部屋で一護のベッドでいつも、一護に背後から抱きしめられて寝ていた。
好きだとか、そんな感情を真剣に考えていなかった。
「一護‥‥‥その、真剣に考えると、一護のことを思うと胸がどきどきするのだ。これが、恋というものなのか?」
「多分そうじゃね?」
一護は、ルキアを抱き寄せた。
「一護‥‥‥」
ルキアは、一護の腕の中で、おとなしくなった。
「どうしたんだよ。いつもなら、貴様何をするとか言って、蹴ったりするのに」
「わ、私とて好きな相手を蹴りまくったりはせぬ」
「俺たち、相思相愛ってことでいいんだな?じゃあ、付き合おうぜ」
「付き合うか‥‥‥しかし、兄様が」
「白哉のことは抜きで」
「わかった。今日から、私は貴様の彼女ということにしてやろう」
「素直じゃないやつ」
「う、うるさい!」
一護とルキアは、手を繋いで歩きだす。
死神の姿なので、霊感のある者以外見えなかった。
「帰ったら、ファミレス行こうぜ。白玉餡蜜おごってやるよ」
「本当か!?」
ルキアが目を輝かせる。
「一応、初デートってことで」
「う、うむ」
ルキアは、一護の手をぎゅっと握った。
一護は、あいていた手でルキアの頭を撫でた。
「演劇、明日からも続けるか?」
「くだらぬ劇だが、相手が貴様なのだ。続けてやってもいい」
本当に、ルキアは素直じゃないなと一護は思うが、口には出さない。
素直じゃないところも、かわいいのだ。
一度自宅に戻り、死神姿から人間の体に戻ると、ルキアとまた手を繋いで、ファミレスに向かう。
「チョコレートパフェも頼んでもいいか?」
「バイト代入ったばっかだし、好きなもん頼めよ」
「うむ」
ルキアは、白玉餡蜜の他にいろんなスィーツを注文して、一護の財布に大打撃を与えるのだった。
「ルキア、食いすぎだ」
「好きなものを頼めと言ったのは、貴様だぞ?」
「だからって、遠慮を知らんのか」
「心配せずとも、金なら私も兄さまにもらった分をもってきている」
背に背負ったチャッピーのリュックサックを開けると、100万円の束がでてきた。
「ばか、危ないだろ!そんな大金持ち歩くな」
「でも、あったほうが何かあった時、便利であろう?」
「持ち歩くのは、せいぜい10万くらいにしとけ。それでも多い」
「ふむ」
ルキアは首を傾げた。
そんな仕草すら愛らしく見えてしまう。
一護は、自分も大分末期だなと思った。
「そういえば、他の男子たちが胸の大きい井上がいいと言っておったのだ。貴様は、違うのか?」
「あー俺?俺巨乳に興味ねーから。どっちかっていうと、貧乳派‥‥あべし」
ルキアにアッパーを食らった。
「貴様、私が貧乳だから好きだとか、最低な理由で好きではないだろうな?」
「違う違う。ルキアだから好きなんだ。そのルキアがたまたま貧乳で‥‥あべし」
今度はエルボーをくらった。
「私は断じて貧乳などではない!」
「いや、さっき自分で貧乳って言ってたじゃねーか」
「聞き間違いだ!」
「はいはい、そういうことにしておく」
ファミレスで大分時間をつぶしてしまい、外に出ると真っ暗になっていた。
「帰ろうか」
「うむ」
また、手を繋いで歩きだす。
ルキアは、高校を卒業するまでは現世にとどまることを許可されていた。
一護は、ルキアが高校を卒業した後も、定期的に会いにいこうと思うのであった。
さくらさくら
季節は巡り巡る。
また、春がやってきた。
梅の花も散り、白哉のもっている千本桜の季節だ。
朽木家の屋敷では、今桜が見ごろな季節を迎えていた。
恋次と恋仲になって、10年以上の年月が経っていた。
この思いは、変わらない。
恋次が愛しい。いないと、不安になる。恋次が笑うと、心が穏やかになる。
「隊長、今日も花見っすか?」
恋次が、一人桜の散る縁側で酒を飲んでいると、勝手に入ってきて、白哉から酒を奪い、恋次は自分でも飲んだ。
「何をしにきた」
「隊長の顔を見に。この屋敷では出入り自由にされてますんで」
「そうか。桜が見ごろなのだ。お前も、花見をするか?」
「隊長が花見するなら、俺もします」
最初は、生意気な副官だと思っていた。力を求め、噛みついてきて、まるで野良犬のようだった。
ユーハバッハとの戦いで新たな卍解を手に入れて、恋次はまた変わった。
白哉をこえたいという願いは変わらないが、噛みついてくるようなことはなくなった。
元から好きだと言われていた。その思いに答えられなかったのは、緋真の存在が大きい。
冬に椿の花をもらった。
隊花だから、朽木家は椿がおおかった。
髪に飾られて、悪い気はしなかった。愛しさがあふれ、あの椿はいまだに氷室で氷に閉ざされたまま、残されている。
「恋次。愛している」
「隊長!?いきなり、どうしたんすか!酒の飲みすぎっすか!?」
「違う。ただ、純粋に愛しいと思ったからだ」
「あーもう、あんたは俺をあおるのうまいですね!」
恋次は、白哉にかみつくようなキスをする。
外なので、それ以上のことはしなかった。
「ふふ‥‥あの野良犬のようだった恋次が、今や血統書つきの犬のようだな」
「人を犬扱いしないでください」
「犬のようだと、他に言われたことは?」
恋次は、言いにくそうに。
「ルキアと一護からなら‥‥‥」
そう言って、顔を赤らめた。
「たまに見せるお前の恥じらいは、かわいいな」
「な!かわいいのは、隊長のほうです!」
縁側に座り込んで、なぜか置いてあったもう1つの盃で、酒を注ぎ恋次は飲む。
「これ‥‥かなり強いっすね。大丈夫ですか、隊長。酔いつぶれたりは」
「もう、とっくに酔っている」
「ですよね。素面の隊長が、俺を犬扱いすることはあれど、血統書つきとかいうことないっすから」
「眠い」
「ああ、もう、いきなり寝ようとしないでください!」
縁側でごろりと横になって、白哉は眠そうに目を閉じた。
「隊長、隊長!!!」
恋次の声が、遠い。
眠りに滑り落ちていった。
夢を見ていた。
緋真と、花見をする夢を。
「見てください、白哉様。桜が満開です」
「緋真、あまりはしゃぐでない。今日は体調がいいとはいえ、そなたは病の身。いつ倒れてもおかしくはないのだぞ」
「私が死んでも、愛しい方ができたら、結婚してくださいませね?」
「バカなことを。私は、そなた以外を愛するつもりはない」
嘘をついた。
今、白哉は恋次を愛している。
「すまぬ、緋真」
「いいえ、白哉様、私は幸せです。私を好いてくれた方が、また別の誰かを愛して、前へ向かって進まれている。緋真は、白哉様を空から見守っています」
「緋真!」
そこで、目を覚ました。
傍には、恋次が眠っていた。
眠っていてくれてよかったと、安堵する。
恋次は、白哉の口から緋真の名前が出ることを、あまり好きではない。
もういない、恋敵なのだ。
「恋次‥‥私には、お前が必要なのだ」
恋次の赤い髪を撫でて、白哉は恋次に触れるだけのキスをする。
「恋次‥‥愛している」
「俺も愛してますよ、隊長」
「恋次、いつから起きて‥‥」
「隊長に髪撫でられたあたりからっす」
白哉は、恋次の赤い髪をひっぱった。
「いてててて」
「寝たふりをするな」
「すみません、つい。でも、睦言をしているわけでもないのに、隊長に愛してるって言われて、すごく嬉しいです」
「戯言だ。忘れろ」
「そんなこと、できません」
恋次は、白哉を押し倒す。
「ここで抱けば、1ヵ月の禁欲になるが、いいのか?」:
「わぁ、すみません。禁欲だけは勘弁です!」
恋次は白哉の上からどくと、白哉を抱きしめた。
「桜の中の隊長って、いつ見ても心がざわつきます。このまま一緒に千本桜が散るように、隊長自身も散ってしまうんじゃないかって」
「昔も、同じようなことを言っていたな」
「覚えてるんすか」
「かすかに、だがな。私は私だ。桜のように、散ったりはせぬ」
「わかっちゃいるんですけどね‥‥‥」
恋次は、白哉を抱きしめる腕に力をこめてから、舌が絡み合う深い口づけをした。
「隊長。あんたは、俺の太陽だ。ないと、生きていけない」
「その言葉、そっくり返す」
「隊長‥‥」
「禁欲1か月」
「うっ‥‥」
恋次は、ため息をつきながら、白哉から離れる。
「今度は、ルキアや一護も誘って、花見しましょう」
「それまたよいな」
ちなみに、一護はルキアの夫だ。
本当の死神になって、13番隊の副隊長をしている。
「恋次、お前はもう朽木家の家族も同然」
「そう言ってもらえると嬉しいっす」
恋次は、嬉しそうに笑いながら、白哉をまた抱きしめるのであった。
また、春がやってきた。
梅の花も散り、白哉のもっている千本桜の季節だ。
朽木家の屋敷では、今桜が見ごろな季節を迎えていた。
恋次と恋仲になって、10年以上の年月が経っていた。
この思いは、変わらない。
恋次が愛しい。いないと、不安になる。恋次が笑うと、心が穏やかになる。
「隊長、今日も花見っすか?」
恋次が、一人桜の散る縁側で酒を飲んでいると、勝手に入ってきて、白哉から酒を奪い、恋次は自分でも飲んだ。
「何をしにきた」
「隊長の顔を見に。この屋敷では出入り自由にされてますんで」
「そうか。桜が見ごろなのだ。お前も、花見をするか?」
「隊長が花見するなら、俺もします」
最初は、生意気な副官だと思っていた。力を求め、噛みついてきて、まるで野良犬のようだった。
ユーハバッハとの戦いで新たな卍解を手に入れて、恋次はまた変わった。
白哉をこえたいという願いは変わらないが、噛みついてくるようなことはなくなった。
元から好きだと言われていた。その思いに答えられなかったのは、緋真の存在が大きい。
冬に椿の花をもらった。
隊花だから、朽木家は椿がおおかった。
髪に飾られて、悪い気はしなかった。愛しさがあふれ、あの椿はいまだに氷室で氷に閉ざされたまま、残されている。
「恋次。愛している」
「隊長!?いきなり、どうしたんすか!酒の飲みすぎっすか!?」
「違う。ただ、純粋に愛しいと思ったからだ」
「あーもう、あんたは俺をあおるのうまいですね!」
恋次は、白哉にかみつくようなキスをする。
外なので、それ以上のことはしなかった。
「ふふ‥‥あの野良犬のようだった恋次が、今や血統書つきの犬のようだな」
「人を犬扱いしないでください」
「犬のようだと、他に言われたことは?」
恋次は、言いにくそうに。
「ルキアと一護からなら‥‥‥」
そう言って、顔を赤らめた。
「たまに見せるお前の恥じらいは、かわいいな」
「な!かわいいのは、隊長のほうです!」
縁側に座り込んで、なぜか置いてあったもう1つの盃で、酒を注ぎ恋次は飲む。
「これ‥‥かなり強いっすね。大丈夫ですか、隊長。酔いつぶれたりは」
「もう、とっくに酔っている」
「ですよね。素面の隊長が、俺を犬扱いすることはあれど、血統書つきとかいうことないっすから」
「眠い」
「ああ、もう、いきなり寝ようとしないでください!」
縁側でごろりと横になって、白哉は眠そうに目を閉じた。
「隊長、隊長!!!」
恋次の声が、遠い。
眠りに滑り落ちていった。
夢を見ていた。
緋真と、花見をする夢を。
「見てください、白哉様。桜が満開です」
「緋真、あまりはしゃぐでない。今日は体調がいいとはいえ、そなたは病の身。いつ倒れてもおかしくはないのだぞ」
「私が死んでも、愛しい方ができたら、結婚してくださいませね?」
「バカなことを。私は、そなた以外を愛するつもりはない」
嘘をついた。
今、白哉は恋次を愛している。
「すまぬ、緋真」
「いいえ、白哉様、私は幸せです。私を好いてくれた方が、また別の誰かを愛して、前へ向かって進まれている。緋真は、白哉様を空から見守っています」
「緋真!」
そこで、目を覚ました。
傍には、恋次が眠っていた。
眠っていてくれてよかったと、安堵する。
恋次は、白哉の口から緋真の名前が出ることを、あまり好きではない。
もういない、恋敵なのだ。
「恋次‥‥私には、お前が必要なのだ」
恋次の赤い髪を撫でて、白哉は恋次に触れるだけのキスをする。
「恋次‥‥愛している」
「俺も愛してますよ、隊長」
「恋次、いつから起きて‥‥」
「隊長に髪撫でられたあたりからっす」
白哉は、恋次の赤い髪をひっぱった。
「いてててて」
「寝たふりをするな」
「すみません、つい。でも、睦言をしているわけでもないのに、隊長に愛してるって言われて、すごく嬉しいです」
「戯言だ。忘れろ」
「そんなこと、できません」
恋次は、白哉を押し倒す。
「ここで抱けば、1ヵ月の禁欲になるが、いいのか?」:
「わぁ、すみません。禁欲だけは勘弁です!」
恋次は白哉の上からどくと、白哉を抱きしめた。
「桜の中の隊長って、いつ見ても心がざわつきます。このまま一緒に千本桜が散るように、隊長自身も散ってしまうんじゃないかって」
「昔も、同じようなことを言っていたな」
「覚えてるんすか」
「かすかに、だがな。私は私だ。桜のように、散ったりはせぬ」
「わかっちゃいるんですけどね‥‥‥」
恋次は、白哉を抱きしめる腕に力をこめてから、舌が絡み合う深い口づけをした。
「隊長。あんたは、俺の太陽だ。ないと、生きていけない」
「その言葉、そっくり返す」
「隊長‥‥」
「禁欲1か月」
「うっ‥‥」
恋次は、ため息をつきながら、白哉から離れる。
「今度は、ルキアや一護も誘って、花見しましょう」
「それまたよいな」
ちなみに、一護はルキアの夫だ。
本当の死神になって、13番隊の副隊長をしている。
「恋次、お前はもう朽木家の家族も同然」
「そう言ってもらえると嬉しいっす」
恋次は、嬉しそうに笑いながら、白哉をまた抱きしめるのであった。
桜のあやかしと共に27
術者の浮竹と夜j刀神の家でお泊りをした浮竹と京楽は、今度は3億する高級タワーマンションの京楽の家に二人を招いた。
『ああ、あいかわずお金持ちって怖い。このベッド‥‥天蓋ついてるんだけど』
術者の浮竹が、京楽が割り当てた部屋を見て、その部屋に置いてあるアンティークや絵画を見て、気絶しそうになっていた。
「自由に使ってくれてかまわないよ。夜刀神のボクは、術者の浮竹と一緒に寝るんでしょう?」
京楽の言葉に、夜刀神がこうもり姿で術者の浮竹の頭の上にいて、もちろんだとばかりに頷く。
『ボクは浮竹から離れたくないからね』
「じゃあ、夕ご飯がでいたら呼ぶから、それまでまったりしててよ。今、浮竹が料理作ってるから」
『その、便利屋の京楽。ありがとう』
こうもり姿の夜刀神は人の姿をとると、術者の浮竹と京楽を二人きりにさせて、キッチンで料理を作っている浮竹をからかいに行った。
二人きりにすることにしたのだ。
『その‥‥この前の指摘とか‥‥泊めてくれたりとか』
術者の浮竹は、嬉しさからか、白い狐耳がひょっこり現れて、2つの尻尾も出ていた。
「尻尾と耳、出てるよ?」
『へ、あ、ほんとだ。えへへへへ‥‥夜刀神と同じ姿をしているからかな。それとも、お前が優しいからかな。精霊の俺だともっと甘えちゃうんだが』
京楽は、術者の浮竹には、愛しい浮竹とうり二つなので、なるべく優しく接していた。
「ねぇ。耳と尻尾、触っていい?」
『え、あ、いいぞ』
もふもふしたくて、京楽は術者の浮竹の耳と尻尾をもふもふした。
『ふふ、くすぐったい』
「耳と尻尾か。いいなぁ。ボクの浮竹にもあげたい」
『精霊の俺に、耳と尻尾をはやすのは無理だぞ。怪しい薬を使ったら、できなくもないが』
「そこまでして、浮竹に耳と尻尾を生やさせようとは思わないよ」
『うん。お前なら、そういうと思ってた。俺の耳と尻尾で我慢してくれ』
京楽は、遠慮なしでもふりまくった。
『ひゃん。あ、なんでもない!』
術者の浮竹は、真っ赤になって、もふもふされて気持ちよくなったなどと言えないでいた。
「そろそろ夕食ができるころだから、移動しようか」
『あ、ああ』
一方、キッチンでは。
「お前、じゃがいもの皮をむけと言ったが、なぜじゃがいもが残らない!」
『いやぁ、皮をむいてたつもりなんだけどなぁ』
「もういい。サラダを作ってくれ。野菜を洗って刻んで、ドレッシングをかけるだけだから、お前にでもできるだろ」
『野菜を切るね‥‥』
夜刀神は、包丁の上におかれたキャベツと睨み合いっこしていた。
「どうした」
『キャベツ、どうやって微塵切りにすればいいの』
「お前、そんなこともできないのか!」
『あはははは、怒った怒った。ジョークだよ。微塵切りくらいできるよ』
わりと手慣れた手つきで、夜刀神は、キャベツを微塵切りにしていく。
人参を同じように切って、ちぎったレタスと洗ったプチトマトをいれて、ドレッシングをかけてサラダは無事できあがった。
「やればできるじゃないか」
『君、ボクを過小評価しすぎでしょ。じゃがいもの皮むきは一番苦手なだけで、あとはわりとそつなくこなすよ?』
「夜刀神が料理だと‥‥明日、槍が降るな」
『酷い!』
浮竹は、笑いながらちゃんと皮を自分でむいて、一口サイズにきったじゃがいもと人参、玉ねぎを軽く炒めて、鍋にうつしてお湯をそそぎ、カレーのルーをいれた。
『それにしてもカレーだなんて。しかも普通の。君のことだから、またどこかのコースメニューみたいなの作ると思ってたよ』
「術者の俺が、高級なものは苦手そうだから、カレーにした。こったカレーを作ることもできるが、術者の俺が倒れては大変だからな」
『君も、変わったね』
「何がだ」
夜刀神は、昔を思い出す。
お互い、血の匂いを密かにさせて会っていた。
『誰かを愛することで、人もあやかしも変われるってことかな』
「?意味が分からない」
『「春」君と出会った頃の君に戻っているってことさ』
「まぁ、京楽は「春」でもあるからな。カレーができた。皿をもってきてくれ」
今回のメニューは、シーフードカレーにサラダ、フルーツヨーグルトだった。
『わぁ、いい匂い。おいしそうだな』
「おかわりの分もあるから、遠慮なく食べるといい」
『いただきます』
術者の浮竹は、浮竹の作ったシーフードカレーを食べて、幸福そうな顔をする。
『すごくおいしい』
「口にあっていたなら、よかった。サラダは夜刀神に作らせた」
『京楽、がんばったんだな』
『ボクも、少しは料理くらいできるよ?』
いつもは術者の浮竹に作ってもらうので、料理ができないように見えるが、一応料理はできた。
ただ、味のほうはなんとも言えないが。
「浮竹、ボクも手伝ったのに」
「お前はいつも手伝ってくれるから、今日はおやすみだ。術者の俺と話し込んでいただろう」
「いや、耳と尻尾が出てたからもふらせてもらってただけだよ」
「いいなぁ。なぁ、術者の俺、俺にも後で耳と尻尾をもふらせてくれ」
『え、別にいいが‥‥‥』
『ボクの許可をとりなさい』
「なんで、術者の俺の耳や尻尾を触るのに、いちいち夜刀神の許可が必要なんだ。お前など、無視だ無視」
『酷い!』
夕飯をとりながら、談笑する。
穏やか夜は更けていく。
『んー‥‥お腹すいた』
深夜になって、がっつくのもどうかと、控えめに食べた術者の浮竹は、お腹がすいて起きてしまった。
胸に抱いていたこうもり姿の夜刀神はよく眠っていて、そっとベッドから抜け出す。
「なんだ、起きてきたの。どうしたの?」
京楽が、同じように起きてきていた。
『それが‥‥恥ずかしい話だが、遠慮して食べたせいで腹が減って』
「ああ、カレーまだ残ってるから、食べるといいよ。レンジでチンしてあげる」
『す、すまない』
術者の浮竹は、ぐーとなる自分の腹に、赤面していた。
『便利屋の京楽は、何していたんだ?』
「んー、ちょっと混じりあった魂を、なじませてた。「春」と癒合したせいで、今まで使えなかった浄化や治癒能力も使えるようになったから。浮竹の負担も減らせれるだろうろと思って」
ちなみに、白哉は友人が泊まりにいくると言ったら、ネモフィラ畑で一夜を過ごすと、35階のベランダから飛び降りていった。
『あ、いい匂い』
「カレーは、少し寝かせるとさらにおいしくなるからね。これ、浮竹に食べさせようと思ってたシュークリーム。浮竹には内緒だよ?」
『二人だけの秘密か。なんだか楽しいな』
術者の浮竹は、レンジで温めてもらったカレーを食べて、シュークリームも食べた。
『うまい』
「老舗で買ったからね」
『高かったんだろう』
「まぁ、ほどほどにね」
ぴょこんと、また術者の浮竹は白い耳と2本の尻尾を出していた。
『あ、また出た』
「制御できないの?」
『ある程度はできるけど、嬉しいことや楽しいことがあると、無自覚で出てしまう』
「そっか。ボクと一緒にいるの、楽しい?」
『ああ、楽しいし、優しくしてくれるから嬉しいぞ』
京楽は、苦笑する。
「夜刀神が知ったら、ちょっと嫉妬しそうだね」
『夜刀神は、どうだろうな。嫉妬するのかな?』
「ボクだったら、浮竹が夜刀神とこうやって深夜に楽しく優しくってやってたら、少し嫉妬するけどね。「春」がまじったせいで、前みたいに激しく嫉妬することはなくなったよ」
『そうか』
「さぁ、まだ朝まで時間あるし、歯を磨いて寝なよ。ボクも寝るから」
『ああ。おやすみ』
「おやすみ」
朝になり、カレーの残りを食べようとした浮竹が、中身が空っぽになっているのに気づいて、こうもり姿の夜刀神にハリセンを食らわせる。
「お前、夜に勝手に食ったな!」
『誤解だよ!そんな女々しい真似はしないよ!』
「どうだか」
『あ、あの。ごめん、俺が夜に腹をすかせて、残っていた分全部食べてしまった』
「けっこう量あったぞ。大丈夫か?」
浮竹は、術者の浮竹に甘い。
『とてもおいしかった』
「それならいいんだ」
『ちょっと、ボクに謝罪はなし!?』
夜刀神がわめくが、浮竹は無視して朝食をつくりにキッチンに消える。
出された朝食は、バターをぬったトーストと、スクランブルエッグ、コーンポタージュスープだった。
「相変わらず、浮竹の作る料理はおいしいね。「春」であるボクもそう感じているよ」
『術者の俺、朝食を食べたら、ショッピングしよう』
「ああ、いいが」
術者の浮竹は、浮竹の手を握り、抱き着いた。
『やっぱり、精霊の俺は優しいな』
抱き着かれて、浮竹はどうしたものかという顔をしていたが、術者の浮竹の頭を優しく撫でた。
「そういえば、誕生日が近いんだったな。俺が、何か服をプレゼントしてやろう」
『本当か!?精霊の俺、できればペアルックにしよう』
「ええ?別に構わないが‥‥」
ペアルックでいると、まるで本当の双子のようだろうなと、二人の京楽は想像する。
『精霊の俺、大好きだ!』
手を握られて、いつもなら嫉妬おおおと言ってくる京楽は、「春」と融合したせいで、余裕の笑みで見守っていた。
夜刀神も、少し苦い顔をしているが、見守っていた。
朝食を食べ終えた4人は、安い服屋に出かける。術者の浮竹が高価な服なんていらないというので、安い量販店で買うことにした。
「これなんかどうだ?」
『春らしくていいんじゃないか』
術者の浮竹は、浮竹が選んだ服を試着して、ぴったりだったので買ってもらうことにした。
『ペアルック。精霊の俺も、同じ服を買おう』
「ああ」
こうして、ペアルックで手を繋ぎあったまま、術者の浮竹と浮竹は、背後から二人の京楽が見守る中、ショッピングを楽しむのであった。
『ああ、あいかわずお金持ちって怖い。このベッド‥‥天蓋ついてるんだけど』
術者の浮竹が、京楽が割り当てた部屋を見て、その部屋に置いてあるアンティークや絵画を見て、気絶しそうになっていた。
「自由に使ってくれてかまわないよ。夜刀神のボクは、術者の浮竹と一緒に寝るんでしょう?」
京楽の言葉に、夜刀神がこうもり姿で術者の浮竹の頭の上にいて、もちろんだとばかりに頷く。
『ボクは浮竹から離れたくないからね』
「じゃあ、夕ご飯がでいたら呼ぶから、それまでまったりしててよ。今、浮竹が料理作ってるから」
『その、便利屋の京楽。ありがとう』
こうもり姿の夜刀神は人の姿をとると、術者の浮竹と京楽を二人きりにさせて、キッチンで料理を作っている浮竹をからかいに行った。
二人きりにすることにしたのだ。
『その‥‥この前の指摘とか‥‥泊めてくれたりとか』
術者の浮竹は、嬉しさからか、白い狐耳がひょっこり現れて、2つの尻尾も出ていた。
「尻尾と耳、出てるよ?」
『へ、あ、ほんとだ。えへへへへ‥‥夜刀神と同じ姿をしているからかな。それとも、お前が優しいからかな。精霊の俺だともっと甘えちゃうんだが』
京楽は、術者の浮竹には、愛しい浮竹とうり二つなので、なるべく優しく接していた。
「ねぇ。耳と尻尾、触っていい?」
『え、あ、いいぞ』
もふもふしたくて、京楽は術者の浮竹の耳と尻尾をもふもふした。
『ふふ、くすぐったい』
「耳と尻尾か。いいなぁ。ボクの浮竹にもあげたい」
『精霊の俺に、耳と尻尾をはやすのは無理だぞ。怪しい薬を使ったら、できなくもないが』
「そこまでして、浮竹に耳と尻尾を生やさせようとは思わないよ」
『うん。お前なら、そういうと思ってた。俺の耳と尻尾で我慢してくれ』
京楽は、遠慮なしでもふりまくった。
『ひゃん。あ、なんでもない!』
術者の浮竹は、真っ赤になって、もふもふされて気持ちよくなったなどと言えないでいた。
「そろそろ夕食ができるころだから、移動しようか」
『あ、ああ』
一方、キッチンでは。
「お前、じゃがいもの皮をむけと言ったが、なぜじゃがいもが残らない!」
『いやぁ、皮をむいてたつもりなんだけどなぁ』
「もういい。サラダを作ってくれ。野菜を洗って刻んで、ドレッシングをかけるだけだから、お前にでもできるだろ」
『野菜を切るね‥‥』
夜刀神は、包丁の上におかれたキャベツと睨み合いっこしていた。
「どうした」
『キャベツ、どうやって微塵切りにすればいいの』
「お前、そんなこともできないのか!」
『あはははは、怒った怒った。ジョークだよ。微塵切りくらいできるよ』
わりと手慣れた手つきで、夜刀神は、キャベツを微塵切りにしていく。
人参を同じように切って、ちぎったレタスと洗ったプチトマトをいれて、ドレッシングをかけてサラダは無事できあがった。
「やればできるじゃないか」
『君、ボクを過小評価しすぎでしょ。じゃがいもの皮むきは一番苦手なだけで、あとはわりとそつなくこなすよ?』
「夜刀神が料理だと‥‥明日、槍が降るな」
『酷い!』
浮竹は、笑いながらちゃんと皮を自分でむいて、一口サイズにきったじゃがいもと人参、玉ねぎを軽く炒めて、鍋にうつしてお湯をそそぎ、カレーのルーをいれた。
『それにしてもカレーだなんて。しかも普通の。君のことだから、またどこかのコースメニューみたいなの作ると思ってたよ』
「術者の俺が、高級なものは苦手そうだから、カレーにした。こったカレーを作ることもできるが、術者の俺が倒れては大変だからな」
『君も、変わったね』
「何がだ」
夜刀神は、昔を思い出す。
お互い、血の匂いを密かにさせて会っていた。
『誰かを愛することで、人もあやかしも変われるってことかな』
「?意味が分からない」
『「春」君と出会った頃の君に戻っているってことさ』
「まぁ、京楽は「春」でもあるからな。カレーができた。皿をもってきてくれ」
今回のメニューは、シーフードカレーにサラダ、フルーツヨーグルトだった。
『わぁ、いい匂い。おいしそうだな』
「おかわりの分もあるから、遠慮なく食べるといい」
『いただきます』
術者の浮竹は、浮竹の作ったシーフードカレーを食べて、幸福そうな顔をする。
『すごくおいしい』
「口にあっていたなら、よかった。サラダは夜刀神に作らせた」
『京楽、がんばったんだな』
『ボクも、少しは料理くらいできるよ?』
いつもは術者の浮竹に作ってもらうので、料理ができないように見えるが、一応料理はできた。
ただ、味のほうはなんとも言えないが。
「浮竹、ボクも手伝ったのに」
「お前はいつも手伝ってくれるから、今日はおやすみだ。術者の俺と話し込んでいただろう」
「いや、耳と尻尾が出てたからもふらせてもらってただけだよ」
「いいなぁ。なぁ、術者の俺、俺にも後で耳と尻尾をもふらせてくれ」
『え、別にいいが‥‥‥』
『ボクの許可をとりなさい』
「なんで、術者の俺の耳や尻尾を触るのに、いちいち夜刀神の許可が必要なんだ。お前など、無視だ無視」
『酷い!』
夕飯をとりながら、談笑する。
穏やか夜は更けていく。
『んー‥‥お腹すいた』
深夜になって、がっつくのもどうかと、控えめに食べた術者の浮竹は、お腹がすいて起きてしまった。
胸に抱いていたこうもり姿の夜刀神はよく眠っていて、そっとベッドから抜け出す。
「なんだ、起きてきたの。どうしたの?」
京楽が、同じように起きてきていた。
『それが‥‥恥ずかしい話だが、遠慮して食べたせいで腹が減って』
「ああ、カレーまだ残ってるから、食べるといいよ。レンジでチンしてあげる」
『す、すまない』
術者の浮竹は、ぐーとなる自分の腹に、赤面していた。
『便利屋の京楽は、何していたんだ?』
「んー、ちょっと混じりあった魂を、なじませてた。「春」と癒合したせいで、今まで使えなかった浄化や治癒能力も使えるようになったから。浮竹の負担も減らせれるだろうろと思って」
ちなみに、白哉は友人が泊まりにいくると言ったら、ネモフィラ畑で一夜を過ごすと、35階のベランダから飛び降りていった。
『あ、いい匂い』
「カレーは、少し寝かせるとさらにおいしくなるからね。これ、浮竹に食べさせようと思ってたシュークリーム。浮竹には内緒だよ?」
『二人だけの秘密か。なんだか楽しいな』
術者の浮竹は、レンジで温めてもらったカレーを食べて、シュークリームも食べた。
『うまい』
「老舗で買ったからね」
『高かったんだろう』
「まぁ、ほどほどにね」
ぴょこんと、また術者の浮竹は白い耳と2本の尻尾を出していた。
『あ、また出た』
「制御できないの?」
『ある程度はできるけど、嬉しいことや楽しいことがあると、無自覚で出てしまう』
「そっか。ボクと一緒にいるの、楽しい?」
『ああ、楽しいし、優しくしてくれるから嬉しいぞ』
京楽は、苦笑する。
「夜刀神が知ったら、ちょっと嫉妬しそうだね」
『夜刀神は、どうだろうな。嫉妬するのかな?』
「ボクだったら、浮竹が夜刀神とこうやって深夜に楽しく優しくってやってたら、少し嫉妬するけどね。「春」がまじったせいで、前みたいに激しく嫉妬することはなくなったよ」
『そうか』
「さぁ、まだ朝まで時間あるし、歯を磨いて寝なよ。ボクも寝るから」
『ああ。おやすみ』
「おやすみ」
朝になり、カレーの残りを食べようとした浮竹が、中身が空っぽになっているのに気づいて、こうもり姿の夜刀神にハリセンを食らわせる。
「お前、夜に勝手に食ったな!」
『誤解だよ!そんな女々しい真似はしないよ!』
「どうだか」
『あ、あの。ごめん、俺が夜に腹をすかせて、残っていた分全部食べてしまった』
「けっこう量あったぞ。大丈夫か?」
浮竹は、術者の浮竹に甘い。
『とてもおいしかった』
「それならいいんだ」
『ちょっと、ボクに謝罪はなし!?』
夜刀神がわめくが、浮竹は無視して朝食をつくりにキッチンに消える。
出された朝食は、バターをぬったトーストと、スクランブルエッグ、コーンポタージュスープだった。
「相変わらず、浮竹の作る料理はおいしいね。「春」であるボクもそう感じているよ」
『術者の俺、朝食を食べたら、ショッピングしよう』
「ああ、いいが」
術者の浮竹は、浮竹の手を握り、抱き着いた。
『やっぱり、精霊の俺は優しいな』
抱き着かれて、浮竹はどうしたものかという顔をしていたが、術者の浮竹の頭を優しく撫でた。
「そういえば、誕生日が近いんだったな。俺が、何か服をプレゼントしてやろう」
『本当か!?精霊の俺、できればペアルックにしよう』
「ええ?別に構わないが‥‥」
ペアルックでいると、まるで本当の双子のようだろうなと、二人の京楽は想像する。
『精霊の俺、大好きだ!』
手を握られて、いつもなら嫉妬おおおと言ってくる京楽は、「春」と融合したせいで、余裕の笑みで見守っていた。
夜刀神も、少し苦い顔をしているが、見守っていた。
朝食を食べ終えた4人は、安い服屋に出かける。術者の浮竹が高価な服なんていらないというので、安い量販店で買うことにした。
「これなんかどうだ?」
『春らしくていいんじゃないか』
術者の浮竹は、浮竹が選んだ服を試着して、ぴったりだったので買ってもらうことにした。
『ペアルック。精霊の俺も、同じ服を買おう』
「ああ」
こうして、ペアルックで手を繋ぎあったまま、術者の浮竹と浮竹は、背後から二人の京楽が見守る中、ショッピングを楽しむのであった。
桜のあやかしと共に26
浮竹と京楽は、術者の浮竹と夜刀神のもとにきていた。
しばらく術者の浮竹の様子を見ていた浮竹は、術者の自分が夜刀神に全てを捧げるようにしているのに気づく。
そして、夜刀神がそれを指摘できないでいることも。
「散々傷つけたから、言えないのか」
『君に何が分かるの』
「分からない。だが、少なくとも、俺は術者の俺がお前に全てを、命さえも捧げる気でいるのを見ていられない」
『え?俺のことか?』
術者の浮竹は、自分を指さす。
「そうだよ。浮竹の言う通りだよ。君、夜刀神のボクに命さえもさしだすつもりでしょ」
『夜刀神が、それを望むなら‥‥』
浮竹は、そんな術者の自分をハリセンではたいた。
「もっと自分を大切にしろ。それでなくても、夜刀神の存在は危険なんだ。夜刀神が、お前を食ってしまったら、夜刀神は残されて狂うぞ」
『え‥‥』
『ボクは食べないよ!浮竹を食べたりしない!』
夜刀神は、激しく首を横に振った。
「でも、この間血をすすっていただろう。もっと飲んでたら、術者の俺は今頃あの世行きだ」
『それは‥‥‥』
「術者の俺、夜刀神に全てを捧げようとするな。それは自己犠牲で、愛の一種でもあるが、普通の愛じゃない」
『うん。俺、夜刀神が望むならそうしようと思ってたんだ。寂しい感情が流れてきて、このまま放置しておけないと思って血を与えて好きなようにさせていた。それが、間違いだったんだな』
術者の浮竹は、つきものがはれたような顔をする。
「そうだぞ。夜刀神は、お前を散々傷つけたから、自分で指摘できないんだ」
『ボクは!』
「だまれ、夜刀神。お前は術者の俺を傷つけるのが怖いんだろう」
『そうだよ。悪い?』
「悪くはない。だが、だからといって、自分の愛しい者のだめな部分から目を背けるな」
「浮竹の言う通りだね。夜刀神のボク、術者の浮竹を失いたくないのなら、大切にするだけじゃなくって、だめだところはだめって言わなきゃ」
『う‥‥』
浮竹は、夜刀神の頭をハリセンではたいた。
術者の浮竹の時のように力を抜いてではなく、思いっきり。
『痛い』
「痛いと思うなら、反省しろ。大切な術者の俺の血をすすった件もだ。本当に大切にしたいなら、我を失うな。何があっても、守り通せ」
『無茶なことを言うね』
「無茶でもだ。守り抜け」
「そうだよ。夜刀神のボク。ボクは浮竹を何があっても守ってみせる」
『口で言うのは簡単なんだよ』
スパーン。
すかさず、浮竹がハリセンで夜刀神の頭をはたく。
「術者の俺、夜刀神を愛しているなら、自分を捧げようとする真似はやめろ。分かったな?」
『ああ、分かった』
「まったく、夜刀神よりも術者の俺のほうが素直だし、ちゃんということを聞く」
『まるで、ボクがいうことを聞かない子供みたいな言い方だね?昔は、ボクと同じように人を食っていたのに』
「確かに、俺の桜の木の下には俺がエナジーを吸い取った人間の死体が埋まっている。人を愛することを知らなかった故の、過ちだ。過去に戻れるなら、俺は人を食べていた俺を殺している」
「十四郎‥‥」
「京楽、そんな顔をするな。あくまでもの話だ。俺はもう、人もあやかしも食べない」
浮竹の場合、食べるというより血をすすり、エナジーを自分のものとして吸収していた。
5千年も生きてきたのだ。
己を保つのに、他の生命力が必要だった。
「十四郎、ボクはこの前も言ったけど、どんな十四郎でも愛しているから。たとえその手が血でまみれていようとね」
「春水‥‥」
「ボクは、「春」と一つになって、君の大切さがさらに強くなった。もう、残したりしないから。死ぬ時は一緒だよ」
「ああ。春水、約束だ」
浮竹と京楽は、術者の浮竹と夜刀神の京楽を放置して、二人だけの世界に入りだす。
『ちょっと、ボクをしかっておきながら、何自分たちの世界を作ってるのさ』
『そうだぞ、精霊の俺に便利屋の京楽。かっこよかったのに、台無しだぞ』
「あー、とにかく術者の俺は夜刀神を憐れまないで、自分を大切にすること。夜刀神は、術者の俺を傷つけたくないのは分かるが、だめな部分はちゃんとだめって指摘すること」
浮竹は、ちょっとめんどくさそうに言い終えると、術者の浮竹から茶とあやかしまんじゅうをもらった。
「あやかしまんじゅうだが‥‥‥作っている小豆とぎたちが行方不明になっていて、しばらく販売中止だそうだ」
『ええ!困る!俺のお気にいりなのに!』
「俺と京楽で、小豆とぎたちを行方を追っている最中だ。多分、違うところ働いているんだろう。小豆とぎの給料は普通の小豆だからな。高級小豆でも与えられているんだろう」
「うん。じゃあ、ボクたちは小豆とぎを探しにいくから、これ、お店で売った最後のあやかしまんじゅうだよ」
『俺たちも手を貸そうか?』
『いや、「春」と魂が混じりあった京楽の力を見たいから、今回は俺たちだけで解決する」
『あやかしまんじゅう、また元に戻るようにしてね。浮竹の一番のお気に入りのものだから』
「ああ、分かっている」
こうして、浮竹と京楽がは、あやかしまんじゅうを作る小豆とぎの捜索に出かけるのであった。
「あー、小豆とぎたちかい?集団でひっこしてったよ。高級小豆がもらえるって、はしゃいでたね」
牛頭が、ミルク石鹸の店を開いていて、あやかしまんじゅうを作っている小豆とぎたちとは知り合いだった。
「ありうがとう。石鹸を4つもらえるか」
「毎度」
「小豆とぎたちが向かった方角は分かるかい?」
「北だね」
「北か‥‥森が広がっているが、工場があるんだろう」
浮竹と京楽は、北に向かっていく。
途中で小豆とぎの妖力を察知して、よく探すと枯れ葉でカモフラージュされた隠し階段があった。
「小豆とぎたちは、この中だ」
「強制労働させられているわけじゃないみたいだし、話し合いかな」
「そうだな。小豆とぎたちを雇っていた店の主人は、最高級小豆を給料に出すと言っていた。説得して、戻ってもらおう」
浮竹と京楽は、工場で働く小豆とぎたちに話をして、最高級あずきをもらえるなら、元の職場に戻ってもいいということになった。
「ということだ。すまないな、かまいたち」
小豆とぎたちを雇用していたのは、かまいたちだった。
「残念です。でも、最高級あずきを出せるほどの財力はないので、今回は諦めます。仕事についていない小豆とぎたちを誘って、工場を再稼働させることにします」
「ああ、そうしてくれ」
「出会ったのも何かの縁。小豆とぎたちに作らせていたおはぎをあげましょう」
浮竹と京楽は、おはぎをもらった。
自分たちでは食べずに、大事にしまった。
小豆とぎたちは無事元の職場に戻り、あやかしまんじゅうの販売がまた始まった。
『お、あやかしまんじゅう売ってる!精霊の俺と便利屋の京楽、うまくいったんだな』
『そうみたいだね。とりあず、買う?』
『5つください』
「らっしゃい。毎度ありがとうございます」
少しだけ値上げされていたが、まだまだ財布にやさしい値段だった。
小豆とぎたちに最高級小豆を給料に出すのに、あやかしまんじゅうを値上げするほかになかったのだ。
あやかしまんじゅうを買い終えて、家に戻ると浮竹と京楽がきていた。
『無事、小豆とぎたちを元に戻せたんだな』
「京楽の力を見るまでもなかった。話し合いだけで、無事解決した。これは、おみやけだ」
そう言って、浮竹は牛頭の店でかったミルク石鹸2つと、おはぎをとりだした。
『おおお、それはおはぎ!』
「小豆とぎたちが作っていたから、味はいいはずだよ。かまいたちが、高級小豆を給料にするっていって、小豆とぎたちを元の職場から引き抜いて作らせていたんだよ」
『食べていいのか?』
きらきらした瞳で見つめられて、浮竹も京楽も頷いた。
「お前と夜刀神のために、もらった分をわざわざ持って帰ってきたんだ」
おはぎを食べながら、術者の浮竹は、少しすまなさそうな顔をした。
『お前たちの分はないのか?』
『なしでいいんじゃない。ボクたちに食べさせるために持って帰ってきたみたいだし』
夜刀神は、おはぎを頬張りながら、浮竹と京楽を見る。
「おはぎは、他の老舗で買ってるからな。小豆とぎがつくったものより、きっとうまい」
「まぁ、値段が値段だからねぇ」
『これだから、金持ちは‥‥』
「何か言ったか?」
『げふんげふん、このおはぎ、絶品だね。すごくおいしいよ。食べれないってかわいそうに』
『精霊の俺、食べかけでよければ少し食うか?』
「いや、いい。老舗で買ったおがぎがここにある」
『老舗のおはぎ‥‥』
「食うか?」
『いや、俺は高価なものはだめだから。お前たちで食ってくれ』
ちゃっかり、夜刀神は老舗のおはぎを食べていた。
『うーん、甲乙つけがたいね。でもボクは小豆とぎが作ったっていうおはぎのほうが好きかな』
「お前は勝手に食うな!」
『えー。浮竹はよくて、ボクはだめなの?』
「そうだ」
「十四郎、夜刀神が食べてもいいじゃない」
「よくない。夜刀神にやるくらいなら、豚のエサにする」
浮竹の言葉に、京楽は笑った。
「酷い言われようだね」
『そうだよ、酷いよ!』
浮竹は、コウモリの姿をしていた夜刀神にハリセンを食らわせる。
『動物虐待反対!』
「なにが動物虐待だ。夜刀神のくせに」
睨みあう二人をおいて、京楽と術者の浮竹は、それぞれ違う場所で手に入れたおはぎを食べながら、お茶を飲むのであった。
しばらく術者の浮竹の様子を見ていた浮竹は、術者の自分が夜刀神に全てを捧げるようにしているのに気づく。
そして、夜刀神がそれを指摘できないでいることも。
「散々傷つけたから、言えないのか」
『君に何が分かるの』
「分からない。だが、少なくとも、俺は術者の俺がお前に全てを、命さえも捧げる気でいるのを見ていられない」
『え?俺のことか?』
術者の浮竹は、自分を指さす。
「そうだよ。浮竹の言う通りだよ。君、夜刀神のボクに命さえもさしだすつもりでしょ」
『夜刀神が、それを望むなら‥‥』
浮竹は、そんな術者の自分をハリセンではたいた。
「もっと自分を大切にしろ。それでなくても、夜刀神の存在は危険なんだ。夜刀神が、お前を食ってしまったら、夜刀神は残されて狂うぞ」
『え‥‥』
『ボクは食べないよ!浮竹を食べたりしない!』
夜刀神は、激しく首を横に振った。
「でも、この間血をすすっていただろう。もっと飲んでたら、術者の俺は今頃あの世行きだ」
『それは‥‥‥』
「術者の俺、夜刀神に全てを捧げようとするな。それは自己犠牲で、愛の一種でもあるが、普通の愛じゃない」
『うん。俺、夜刀神が望むならそうしようと思ってたんだ。寂しい感情が流れてきて、このまま放置しておけないと思って血を与えて好きなようにさせていた。それが、間違いだったんだな』
術者の浮竹は、つきものがはれたような顔をする。
「そうだぞ。夜刀神は、お前を散々傷つけたから、自分で指摘できないんだ」
『ボクは!』
「だまれ、夜刀神。お前は術者の俺を傷つけるのが怖いんだろう」
『そうだよ。悪い?』
「悪くはない。だが、だからといって、自分の愛しい者のだめな部分から目を背けるな」
「浮竹の言う通りだね。夜刀神のボク、術者の浮竹を失いたくないのなら、大切にするだけじゃなくって、だめだところはだめって言わなきゃ」
『う‥‥』
浮竹は、夜刀神の頭をハリセンではたいた。
術者の浮竹の時のように力を抜いてではなく、思いっきり。
『痛い』
「痛いと思うなら、反省しろ。大切な術者の俺の血をすすった件もだ。本当に大切にしたいなら、我を失うな。何があっても、守り通せ」
『無茶なことを言うね』
「無茶でもだ。守り抜け」
「そうだよ。夜刀神のボク。ボクは浮竹を何があっても守ってみせる」
『口で言うのは簡単なんだよ』
スパーン。
すかさず、浮竹がハリセンで夜刀神の頭をはたく。
「術者の俺、夜刀神を愛しているなら、自分を捧げようとする真似はやめろ。分かったな?」
『ああ、分かった』
「まったく、夜刀神よりも術者の俺のほうが素直だし、ちゃんということを聞く」
『まるで、ボクがいうことを聞かない子供みたいな言い方だね?昔は、ボクと同じように人を食っていたのに』
「確かに、俺の桜の木の下には俺がエナジーを吸い取った人間の死体が埋まっている。人を愛することを知らなかった故の、過ちだ。過去に戻れるなら、俺は人を食べていた俺を殺している」
「十四郎‥‥」
「京楽、そんな顔をするな。あくまでもの話だ。俺はもう、人もあやかしも食べない」
浮竹の場合、食べるというより血をすすり、エナジーを自分のものとして吸収していた。
5千年も生きてきたのだ。
己を保つのに、他の生命力が必要だった。
「十四郎、ボクはこの前も言ったけど、どんな十四郎でも愛しているから。たとえその手が血でまみれていようとね」
「春水‥‥」
「ボクは、「春」と一つになって、君の大切さがさらに強くなった。もう、残したりしないから。死ぬ時は一緒だよ」
「ああ。春水、約束だ」
浮竹と京楽は、術者の浮竹と夜刀神の京楽を放置して、二人だけの世界に入りだす。
『ちょっと、ボクをしかっておきながら、何自分たちの世界を作ってるのさ』
『そうだぞ、精霊の俺に便利屋の京楽。かっこよかったのに、台無しだぞ』
「あー、とにかく術者の俺は夜刀神を憐れまないで、自分を大切にすること。夜刀神は、術者の俺を傷つけたくないのは分かるが、だめな部分はちゃんとだめって指摘すること」
浮竹は、ちょっとめんどくさそうに言い終えると、術者の浮竹から茶とあやかしまんじゅうをもらった。
「あやかしまんじゅうだが‥‥‥作っている小豆とぎたちが行方不明になっていて、しばらく販売中止だそうだ」
『ええ!困る!俺のお気にいりなのに!』
「俺と京楽で、小豆とぎたちを行方を追っている最中だ。多分、違うところ働いているんだろう。小豆とぎの給料は普通の小豆だからな。高級小豆でも与えられているんだろう」
「うん。じゃあ、ボクたちは小豆とぎを探しにいくから、これ、お店で売った最後のあやかしまんじゅうだよ」
『俺たちも手を貸そうか?』
『いや、「春」と魂が混じりあった京楽の力を見たいから、今回は俺たちだけで解決する」
『あやかしまんじゅう、また元に戻るようにしてね。浮竹の一番のお気に入りのものだから』
「ああ、分かっている」
こうして、浮竹と京楽がは、あやかしまんじゅうを作る小豆とぎの捜索に出かけるのであった。
「あー、小豆とぎたちかい?集団でひっこしてったよ。高級小豆がもらえるって、はしゃいでたね」
牛頭が、ミルク石鹸の店を開いていて、あやかしまんじゅうを作っている小豆とぎたちとは知り合いだった。
「ありうがとう。石鹸を4つもらえるか」
「毎度」
「小豆とぎたちが向かった方角は分かるかい?」
「北だね」
「北か‥‥森が広がっているが、工場があるんだろう」
浮竹と京楽は、北に向かっていく。
途中で小豆とぎの妖力を察知して、よく探すと枯れ葉でカモフラージュされた隠し階段があった。
「小豆とぎたちは、この中だ」
「強制労働させられているわけじゃないみたいだし、話し合いかな」
「そうだな。小豆とぎたちを雇っていた店の主人は、最高級小豆を給料に出すと言っていた。説得して、戻ってもらおう」
浮竹と京楽は、工場で働く小豆とぎたちに話をして、最高級あずきをもらえるなら、元の職場に戻ってもいいということになった。
「ということだ。すまないな、かまいたち」
小豆とぎたちを雇用していたのは、かまいたちだった。
「残念です。でも、最高級あずきを出せるほどの財力はないので、今回は諦めます。仕事についていない小豆とぎたちを誘って、工場を再稼働させることにします」
「ああ、そうしてくれ」
「出会ったのも何かの縁。小豆とぎたちに作らせていたおはぎをあげましょう」
浮竹と京楽は、おはぎをもらった。
自分たちでは食べずに、大事にしまった。
小豆とぎたちは無事元の職場に戻り、あやかしまんじゅうの販売がまた始まった。
『お、あやかしまんじゅう売ってる!精霊の俺と便利屋の京楽、うまくいったんだな』
『そうみたいだね。とりあず、買う?』
『5つください』
「らっしゃい。毎度ありがとうございます」
少しだけ値上げされていたが、まだまだ財布にやさしい値段だった。
小豆とぎたちに最高級小豆を給料に出すのに、あやかしまんじゅうを値上げするほかになかったのだ。
あやかしまんじゅうを買い終えて、家に戻ると浮竹と京楽がきていた。
『無事、小豆とぎたちを元に戻せたんだな』
「京楽の力を見るまでもなかった。話し合いだけで、無事解決した。これは、おみやけだ」
そう言って、浮竹は牛頭の店でかったミルク石鹸2つと、おはぎをとりだした。
『おおお、それはおはぎ!』
「小豆とぎたちが作っていたから、味はいいはずだよ。かまいたちが、高級小豆を給料にするっていって、小豆とぎたちを元の職場から引き抜いて作らせていたんだよ」
『食べていいのか?』
きらきらした瞳で見つめられて、浮竹も京楽も頷いた。
「お前と夜刀神のために、もらった分をわざわざ持って帰ってきたんだ」
おはぎを食べながら、術者の浮竹は、少しすまなさそうな顔をした。
『お前たちの分はないのか?』
『なしでいいんじゃない。ボクたちに食べさせるために持って帰ってきたみたいだし』
夜刀神は、おはぎを頬張りながら、浮竹と京楽を見る。
「おはぎは、他の老舗で買ってるからな。小豆とぎがつくったものより、きっとうまい」
「まぁ、値段が値段だからねぇ」
『これだから、金持ちは‥‥』
「何か言ったか?」
『げふんげふん、このおはぎ、絶品だね。すごくおいしいよ。食べれないってかわいそうに』
『精霊の俺、食べかけでよければ少し食うか?』
「いや、いい。老舗で買ったおがぎがここにある」
『老舗のおはぎ‥‥』
「食うか?」
『いや、俺は高価なものはだめだから。お前たちで食ってくれ』
ちゃっかり、夜刀神は老舗のおはぎを食べていた。
『うーん、甲乙つけがたいね。でもボクは小豆とぎが作ったっていうおはぎのほうが好きかな』
「お前は勝手に食うな!」
『えー。浮竹はよくて、ボクはだめなの?』
「そうだ」
「十四郎、夜刀神が食べてもいいじゃない」
「よくない。夜刀神にやるくらいなら、豚のエサにする」
浮竹の言葉に、京楽は笑った。
「酷い言われようだね」
『そうだよ、酷いよ!』
浮竹は、コウモリの姿をしていた夜刀神にハリセンを食らわせる。
『動物虐待反対!』
「なにが動物虐待だ。夜刀神のくせに」
睨みあう二人をおいて、京楽と術者の浮竹は、それぞれ違う場所で手に入れたおはぎを食べながら、お茶を飲むのであった。
桜のあやかしと共に25
「これで、本当jにさよならだよ、シロ」
「「春」!!!待ってくれ!」
「ボクは、京楽春水の魂と混じりあう。京楽春水は、「春」であり「春」でない。でも、君の愛しい京楽春水の中に、ボクはいるから。どうか、そんな風に泣かないで」
「春」の魂は、京楽の魂と混じりあう。
京楽は「春」を受け入れた。
「おいで、昔のボク。一つになろう」
「ありがとう、未来のボク。一つになって、シロを愛そう」
----------------------------------------
「なんだかんだあったけど、「春」の魂って、今ボクの体の奥に眠っているんだよね?」
「そうだな。浄化したつもりだったんだが、黄泉に行かずに京楽の体の奥で眠っている」
京楽は、「春」の夢を見ることがなくなった。
浮竹は、今も「春」を愛している。
もちろん京楽のほうをさらに愛しているが。
京楽と浮竹は、桜が満開になったので、浮竹の仮初の宿り木である公園の桜を見に来ていた。
「春は生き物たちが眠りから目覚める季節だ」
「そうだね。冬眠してた動物や冬に耐えてきた草木が芽吹く季節だね」
京楽は、浮竹の桜の花を見上げた。
「綺麗だね」
「桜の王の俺が宿っているからな。一か月は咲き続けるぞ」
「わお。長く咲くんだね」
京楽は、浮竹の宿る桜の花を見上げていた。
浮竹は、京楽に幻想的な風景を見せたくて、わざと桜吹雪をおこした。
「桜にまみれちゃうね」
「桜は俺だ。俺の祝福だ」
「う‥‥」
突然、京楽が苦しみだした。
「どうした!?」
「わからない‥‥‥でも、邪悪な力を感じる。公園の向こう側に、誰かいる。ボクに術をかけてる」
「公園の向こう側だな!見てくる!」
「だめだ、浮竹、一人で行っちゃ‥‥」
そこで、京楽の意識は途絶えた。
浮竹が公園の向こう側に行くと、黒いフードをかぶった男性らしき影が、反魂の術を使っていた。
「お前‥‥‥藍染か!」
「おや、正体はばれていたか。また、君の愛する「春」に会わせててあげるよ」
「やめろ!死者の魂をいたぶるな!」
浮竹は、桜吹雪で藍染を包み、切り刻むが、藍染は平気な顔をしていた。
「ぐ‥‥‥これでもくらえ!」
手のひらに桜の花びらを乗せてふっと息を吹きかけると、それは業火となって藍染を包み込んだ。
よく燃えた。でも、燃えたのはフードだけで、火が消えそうになる頃には藍染の姿はなかった。
「くそ、京楽、無事でいてくれ!」
元来た道を走っていく。
公園で、桜の花びらに埋もれて京楽は倒れていた。
「京楽!」
「やぁ。また会えたねシロ」
「「春」‥‥‥」
「春」が、京楽の近くに立っていた。
「京楽に、何かしたのか!?」
「何も。魂の奥で眠っていたボクを無理やり起こされたショックで、気を失っているだけだよ」
「「春」‥‥俺は、お前を愛している。でも、もう一緒には行けない」
「わかっているよ。ボクを反魂した者は、ボクに京楽春水を殺させようとしていたみたいだけど、力いっぱい抗ったからね」
「「春」」
「シロ。最後だから、キスさせて?」
「うん」
浮竹は京楽がただ気を失っていることを確認すると、「春」とキスをした。
「「春」‥‥‥反魂はだめだ。また、眠りについてくれ」
「もう、眠らないよ?」
「え?」
浮竹は「春」を見上げた。
「京楽春水の魂と混じりあう。京楽春水は「春」であって「春」でない者になる」
「だめだ、「春」、いなくならないでくれ!今までみたいに、京楽の体の奥で眠っていてくれ!」
「それじゃあ、今回みたいにまた反魂で、今度こそシロに害をなす。ボクは消えるべきなんだ。だから、お別れだよ」
「「春」!!」
浮竹は叫んでいた。
「これで、本当jにさよならだよ、シロ」
「「春」!!!待ってくれ!」
浮竹は、ボロボロ涙をこぼしながら、「春」に抱き着いた。
「いやだ!いなくならないでくれ!」
「だめだよ、十四郎。彼を消してあげないと」
「京楽!」
いつの間にか気を取り戻した京楽が、「春」を抱きしめる浮竹を、背後から抱きしめた。
「京楽‥‥‥「春」が、「春」が」
「うん。つらいね。でも、ボクの魂と混じりあうから、完全に消滅するわけじゃないよ。「春」はボクと一つになるんだ」
「ボクは、京楽春水の魂と混じりあう。京楽春水は、「春」であり「春」でない。でも、君の愛しい京楽春水の中に、ボクはいるから。どうか、そんな風に泣かないで」
「春」の魂は、京楽の魂と混じりあう。
京楽は「春」を受け入れた。
「おいで、昔のボク。一つになろう」
「ありがとう、未来のボク。一つになって、シロを愛そう」
「春水‥‥‥」
ぱぁぁぁと光が輝き、「春」の体がぽろぽろ崩れていく。
「「春」!!」
「ボクは、永遠に君を愛しているよ、シロ。京楽春水と混じりあっても、この気持ちは変わらない」
桜の花吹雪が、「春」を包み込む。
もう、そこに「春」はいなかった。
京楽春水が立っていた。
「「春」?」
「なんだい?十四郎。シロって呼ぶべきかな?」
「いや、十四郎でいい。今まで通りで‥‥」
ボロボロと涙をこぼして、浮竹は京楽を抱きしめた。
「「春」のにおいがする‥‥」
もう、永遠に「春」とは会えない。
京楽と混じりあったというが、ベースは京楽で、「春」はそれに紛れ込んだ魂のかけら。
「春水‥‥‥‥愛してる」
「うん。十四郎、ボクも「春」も、君を愛しているよ」
桜が散っていく。
浮竹は、京楽の前で倒れた。
「十四郎!?」
「大丈夫だ。いろいろありすぎて、ショックとかでちょっと倒れただけだ」
浮竹は、藍染を業火で燃やすのに妖力の大半を使ってしまった。京楽は、浮竹をお姫様抱っこする。
「一緒に帰ろうか。マンションへ」
「おい、まさかこのお姫様抱っこのまま、運ぶつもりか?」
「そうだけど?」
浮竹は、泣きながら笑った。
「おんぶでいい」
「だーめ。このまま運ぶよ」
京楽の中に、「春」は浸透していた。「春」はよくお姫様だっこをしてくれた。
「春水‥‥‥「春」‥‥‥‥愛してる」
「ボクも愛してるよ、十四郎‥‥‥シロ」
京楽の口からシロと呼ばれて、いよいよ浮竹は涙腺が決壊し、涙を流しながら京楽の胸に顔を埋める。
「今日は、出前を頼もう。とても料理する気分になれない」
「うん。十四郎は、ゆっくり休んで?」
藍染が憎い。
けれど、「春」に会うことができた。
それはうれしい。
矛盾する二つの心で、浮竹は京楽に抱きしめられていた。
「キス、してもいい?」
「ああ、いいぞ」
「「春」としてたみたいだから。上書きね?」
「ん‥‥‥‥ふあっ」
舌をいれられて、浮竹は京楽を受け入れる。
「「春」‥‥‥‥永遠におやすみ。春水の中で、生きろ」
浮竹はそう言って、瞳を閉じた。
「「春」!!!待ってくれ!」
「ボクは、京楽春水の魂と混じりあう。京楽春水は、「春」であり「春」でない。でも、君の愛しい京楽春水の中に、ボクはいるから。どうか、そんな風に泣かないで」
「春」の魂は、京楽の魂と混じりあう。
京楽は「春」を受け入れた。
「おいで、昔のボク。一つになろう」
「ありがとう、未来のボク。一つになって、シロを愛そう」
----------------------------------------
「なんだかんだあったけど、「春」の魂って、今ボクの体の奥に眠っているんだよね?」
「そうだな。浄化したつもりだったんだが、黄泉に行かずに京楽の体の奥で眠っている」
京楽は、「春」の夢を見ることがなくなった。
浮竹は、今も「春」を愛している。
もちろん京楽のほうをさらに愛しているが。
京楽と浮竹は、桜が満開になったので、浮竹の仮初の宿り木である公園の桜を見に来ていた。
「春は生き物たちが眠りから目覚める季節だ」
「そうだね。冬眠してた動物や冬に耐えてきた草木が芽吹く季節だね」
京楽は、浮竹の桜の花を見上げた。
「綺麗だね」
「桜の王の俺が宿っているからな。一か月は咲き続けるぞ」
「わお。長く咲くんだね」
京楽は、浮竹の宿る桜の花を見上げていた。
浮竹は、京楽に幻想的な風景を見せたくて、わざと桜吹雪をおこした。
「桜にまみれちゃうね」
「桜は俺だ。俺の祝福だ」
「う‥‥」
突然、京楽が苦しみだした。
「どうした!?」
「わからない‥‥‥でも、邪悪な力を感じる。公園の向こう側に、誰かいる。ボクに術をかけてる」
「公園の向こう側だな!見てくる!」
「だめだ、浮竹、一人で行っちゃ‥‥」
そこで、京楽の意識は途絶えた。
浮竹が公園の向こう側に行くと、黒いフードをかぶった男性らしき影が、反魂の術を使っていた。
「お前‥‥‥藍染か!」
「おや、正体はばれていたか。また、君の愛する「春」に会わせててあげるよ」
「やめろ!死者の魂をいたぶるな!」
浮竹は、桜吹雪で藍染を包み、切り刻むが、藍染は平気な顔をしていた。
「ぐ‥‥‥これでもくらえ!」
手のひらに桜の花びらを乗せてふっと息を吹きかけると、それは業火となって藍染を包み込んだ。
よく燃えた。でも、燃えたのはフードだけで、火が消えそうになる頃には藍染の姿はなかった。
「くそ、京楽、無事でいてくれ!」
元来た道を走っていく。
公園で、桜の花びらに埋もれて京楽は倒れていた。
「京楽!」
「やぁ。また会えたねシロ」
「「春」‥‥‥」
「春」が、京楽の近くに立っていた。
「京楽に、何かしたのか!?」
「何も。魂の奥で眠っていたボクを無理やり起こされたショックで、気を失っているだけだよ」
「「春」‥‥俺は、お前を愛している。でも、もう一緒には行けない」
「わかっているよ。ボクを反魂した者は、ボクに京楽春水を殺させようとしていたみたいだけど、力いっぱい抗ったからね」
「「春」」
「シロ。最後だから、キスさせて?」
「うん」
浮竹は京楽がただ気を失っていることを確認すると、「春」とキスをした。
「「春」‥‥‥反魂はだめだ。また、眠りについてくれ」
「もう、眠らないよ?」
「え?」
浮竹は「春」を見上げた。
「京楽春水の魂と混じりあう。京楽春水は「春」であって「春」でない者になる」
「だめだ、「春」、いなくならないでくれ!今までみたいに、京楽の体の奥で眠っていてくれ!」
「それじゃあ、今回みたいにまた反魂で、今度こそシロに害をなす。ボクは消えるべきなんだ。だから、お別れだよ」
「「春」!!」
浮竹は叫んでいた。
「これで、本当jにさよならだよ、シロ」
「「春」!!!待ってくれ!」
浮竹は、ボロボロ涙をこぼしながら、「春」に抱き着いた。
「いやだ!いなくならないでくれ!」
「だめだよ、十四郎。彼を消してあげないと」
「京楽!」
いつの間にか気を取り戻した京楽が、「春」を抱きしめる浮竹を、背後から抱きしめた。
「京楽‥‥‥「春」が、「春」が」
「うん。つらいね。でも、ボクの魂と混じりあうから、完全に消滅するわけじゃないよ。「春」はボクと一つになるんだ」
「ボクは、京楽春水の魂と混じりあう。京楽春水は、「春」であり「春」でない。でも、君の愛しい京楽春水の中に、ボクはいるから。どうか、そんな風に泣かないで」
「春」の魂は、京楽の魂と混じりあう。
京楽は「春」を受け入れた。
「おいで、昔のボク。一つになろう」
「ありがとう、未来のボク。一つになって、シロを愛そう」
「春水‥‥‥」
ぱぁぁぁと光が輝き、「春」の体がぽろぽろ崩れていく。
「「春」!!」
「ボクは、永遠に君を愛しているよ、シロ。京楽春水と混じりあっても、この気持ちは変わらない」
桜の花吹雪が、「春」を包み込む。
もう、そこに「春」はいなかった。
京楽春水が立っていた。
「「春」?」
「なんだい?十四郎。シロって呼ぶべきかな?」
「いや、十四郎でいい。今まで通りで‥‥」
ボロボロと涙をこぼして、浮竹は京楽を抱きしめた。
「「春」のにおいがする‥‥」
もう、永遠に「春」とは会えない。
京楽と混じりあったというが、ベースは京楽で、「春」はそれに紛れ込んだ魂のかけら。
「春水‥‥‥‥愛してる」
「うん。十四郎、ボクも「春」も、君を愛しているよ」
桜が散っていく。
浮竹は、京楽の前で倒れた。
「十四郎!?」
「大丈夫だ。いろいろありすぎて、ショックとかでちょっと倒れただけだ」
浮竹は、藍染を業火で燃やすのに妖力の大半を使ってしまった。京楽は、浮竹をお姫様抱っこする。
「一緒に帰ろうか。マンションへ」
「おい、まさかこのお姫様抱っこのまま、運ぶつもりか?」
「そうだけど?」
浮竹は、泣きながら笑った。
「おんぶでいい」
「だーめ。このまま運ぶよ」
京楽の中に、「春」は浸透していた。「春」はよくお姫様だっこをしてくれた。
「春水‥‥‥「春」‥‥‥‥愛してる」
「ボクも愛してるよ、十四郎‥‥‥シロ」
京楽の口からシロと呼ばれて、いよいよ浮竹は涙腺が決壊し、涙を流しながら京楽の胸に顔を埋める。
「今日は、出前を頼もう。とても料理する気分になれない」
「うん。十四郎は、ゆっくり休んで?」
藍染が憎い。
けれど、「春」に会うことができた。
それはうれしい。
矛盾する二つの心で、浮竹は京楽に抱きしめられていた。
「キス、してもいい?」
「ああ、いいぞ」
「「春」としてたみたいだから。上書きね?」
「ん‥‥‥‥ふあっ」
舌をいれられて、浮竹は京楽を受け入れる。
「「春」‥‥‥‥永遠におやすみ。春水の中で、生きろ」
浮竹はそう言って、瞳を閉じた。
バレンタインでも変態です
「浮竹、ボクの手作りチョコだよ!食べて!」
「いらん」
「ええっ!愛情こめて作ったのに!」
「何かまぜてるだろ!」
「でゅふふふふ。催淫剤なんて決してこれっぽっちも混ぜてないからね!」
京楽は、綺麗にラッピングしたチョコを浮竹に食べてもらおうとしているのだが、誘導尋問で催淫剤を混ぜているのが発覚して、浮竹に股間を蹴られた。
「おおう‥‥‥」
股間を抑えて蹲っているところに、浮竹がやってきて、ラッピングをほどいてチョコを出す。
男性の股間についてる形をしていた。
「この変態が!これを自分で食ってろ!」
浮竹は、京楽の手作りチョコを京楽に無理やり食べさせた。
「(*´Д`)ハァハァ。やりたい。やらせてええええ」
「誰がやらせるかあああ」
力ではまけるので、布団でぐるぐる巻いてすまきにして、ベッドの上で放置する。
京楽は股間をぎんぎんにして、すまきのままベッドにこすりつけていた。
「うわぁ、変態すぎる」
「だって浮竹がやらせてくれないんだもん」
「誰がやらせるか。キスとハグまでの約束だろうが!」
「(*´Д`)ハァハァ、やりたい」
「それしか頭にないのか」
「うん」
浮竹は、ため息をついて京楽をボコボコにした。
すまきなのでダメージは主に顔だ。
「ああん、ボクを殴る浮竹でいっちゃうううう」
「ぎゃああああああああ」
すまきのまま、足をなめられて、浮竹はアッパーを京楽にかました。
京楽は、そのまま意識を失った。
「同じ寮の部屋で過ごすの、なんかいやだな」
2月14日はバレンタインの日。
浮竹は、ドブスで有名な女子生徒を呼び出して、1回だけデートしてやる代わりに、寮の部屋を交換してもらった。「
ドブスの女生徒は寮の部屋を一人で使っていた。
夜になって、ドブスの女生徒ははぁはぁと京楽のような荒い息をしながら、京楽のすまきをとる。
「おお、浮竹、ボクとやる気になったの?」
「うふん、やる気まんまんよ!いつでもきて、マイスウィートハニー」
「浮竹じゃない?女生徒?君はドブスで有名な夏子ちゃん‥‥‥‥ぎゃあああああ」
夏子ちゃんに襲われて、京楽は逃げ回って夏子ちゃんを気絶させると、すまきにしてぐるぐると厳重にまいて、ベッドに転がして毛布をかけた。
「はぁはぁ‥‥京楽君って、はじめてじゃないでしょ?ちょっとくらい、あたしと火遊びしてもいじゃない」
「いや、ボクは今浮竹一筋だから」
「ああん、禁断の恋!燃えるわああああ」
夏子ちゃんはベッドの上でボスンボスンとはねた。
夏子ちゃんは、ドブスの上にトドのようなデブだった。
「そうそう、浮竹君から預かっているものがあるの」
「そう言って、ボクを襲う気じゃ‥‥‥‥」
「あはん、よくわかったわね。でも今回は仕方ないから諦めてあげる」
夏子ちゃんはもぞもぞして、器用に預かっていた品を京楽の前に置く。
メッセージカードがついていた。
(京楽へ。これをやる。言っとくが、友チョコだからな!)
それは、浮竹が京楽用に買ったバレンタインチョコだった。
「浮竹ええええ!うおおおおおん、愛してるよおおお」
京楽は、今すぐ浮竹の元に行きたかったが、多分夏子ちゃんの部屋にいるのだろうが、浮竹ならまだしも。過去に女遊びが激しかった京楽が、女子寮にいくには問題が多すぎた。
「浮竹、明日愛を伝えるからね!」
その日は、すまきのままの夏子ちゃんの下で寝た。
重かったが、不埒なことは一切しなかった。
朝になると、夏子ちゃんの姿はなく、浮竹がいた。
「浮竹、愛のメッセージとチョコ受け取ったよ!さぁ、ボクと一つになってめくるめく愛の世界へと‥‥」
メキョ。
浮竹は遠慮もせず京楽を殴る。
京楽は、鼻血を出して沈んだ。
「アホか。俺はもう登校するからな」
床に沈んだまま放置された京楽は、2限目に登校して浮竹に抱き着いて、白雷をくらうのであった。
「いらん」
「ええっ!愛情こめて作ったのに!」
「何かまぜてるだろ!」
「でゅふふふふ。催淫剤なんて決してこれっぽっちも混ぜてないからね!」
京楽は、綺麗にラッピングしたチョコを浮竹に食べてもらおうとしているのだが、誘導尋問で催淫剤を混ぜているのが発覚して、浮竹に股間を蹴られた。
「おおう‥‥‥」
股間を抑えて蹲っているところに、浮竹がやってきて、ラッピングをほどいてチョコを出す。
男性の股間についてる形をしていた。
「この変態が!これを自分で食ってろ!」
浮竹は、京楽の手作りチョコを京楽に無理やり食べさせた。
「(*´Д`)ハァハァ。やりたい。やらせてええええ」
「誰がやらせるかあああ」
力ではまけるので、布団でぐるぐる巻いてすまきにして、ベッドの上で放置する。
京楽は股間をぎんぎんにして、すまきのままベッドにこすりつけていた。
「うわぁ、変態すぎる」
「だって浮竹がやらせてくれないんだもん」
「誰がやらせるか。キスとハグまでの約束だろうが!」
「(*´Д`)ハァハァ、やりたい」
「それしか頭にないのか」
「うん」
浮竹は、ため息をついて京楽をボコボコにした。
すまきなのでダメージは主に顔だ。
「ああん、ボクを殴る浮竹でいっちゃうううう」
「ぎゃああああああああ」
すまきのまま、足をなめられて、浮竹はアッパーを京楽にかました。
京楽は、そのまま意識を失った。
「同じ寮の部屋で過ごすの、なんかいやだな」
2月14日はバレンタインの日。
浮竹は、ドブスで有名な女子生徒を呼び出して、1回だけデートしてやる代わりに、寮の部屋を交換してもらった。「
ドブスの女生徒は寮の部屋を一人で使っていた。
夜になって、ドブスの女生徒ははぁはぁと京楽のような荒い息をしながら、京楽のすまきをとる。
「おお、浮竹、ボクとやる気になったの?」
「うふん、やる気まんまんよ!いつでもきて、マイスウィートハニー」
「浮竹じゃない?女生徒?君はドブスで有名な夏子ちゃん‥‥‥‥ぎゃあああああ」
夏子ちゃんに襲われて、京楽は逃げ回って夏子ちゃんを気絶させると、すまきにしてぐるぐると厳重にまいて、ベッドに転がして毛布をかけた。
「はぁはぁ‥‥京楽君って、はじめてじゃないでしょ?ちょっとくらい、あたしと火遊びしてもいじゃない」
「いや、ボクは今浮竹一筋だから」
「ああん、禁断の恋!燃えるわああああ」
夏子ちゃんはベッドの上でボスンボスンとはねた。
夏子ちゃんは、ドブスの上にトドのようなデブだった。
「そうそう、浮竹君から預かっているものがあるの」
「そう言って、ボクを襲う気じゃ‥‥‥‥」
「あはん、よくわかったわね。でも今回は仕方ないから諦めてあげる」
夏子ちゃんはもぞもぞして、器用に預かっていた品を京楽の前に置く。
メッセージカードがついていた。
(京楽へ。これをやる。言っとくが、友チョコだからな!)
それは、浮竹が京楽用に買ったバレンタインチョコだった。
「浮竹ええええ!うおおおおおん、愛してるよおおお」
京楽は、今すぐ浮竹の元に行きたかったが、多分夏子ちゃんの部屋にいるのだろうが、浮竹ならまだしも。過去に女遊びが激しかった京楽が、女子寮にいくには問題が多すぎた。
「浮竹、明日愛を伝えるからね!」
その日は、すまきのままの夏子ちゃんの下で寝た。
重かったが、不埒なことは一切しなかった。
朝になると、夏子ちゃんの姿はなく、浮竹がいた。
「浮竹、愛のメッセージとチョコ受け取ったよ!さぁ、ボクと一つになってめくるめく愛の世界へと‥‥」
メキョ。
浮竹は遠慮もせず京楽を殴る。
京楽は、鼻血を出して沈んだ。
「アホか。俺はもう登校するからな」
床に沈んだまま放置された京楽は、2限目に登校して浮竹に抱き着いて、白雷をくらうのであった。
病気
白哉は、インフルエンザにかかってしまった。
現世で今はやっていて、現世に赴いた死神から報告をもらった時に、うつったらしかった。
「すまぬ、ルキア」
ルキアは、マスクをしながら白哉におかゆと解熱剤をもってきた。
「兄様が病気なのに、あのアホはどこをほつき歩ているのだ!」
「いられても、病気をうつしてしまうだけであろう」
「いえ、兄様、あやつはもう去年に同じインフルエンザにかかっております。うつらないはずです」
「ふむ‥‥」
白哉は、食欲があまりないのでおかゆを数口食べて、解熱剤を飲んで横になる。
熱は高く、40度まであがったのだが、解熱剤のおかげで38.5度まで下がった。
「恋次‥‥」
ルキアにうつってはだめなので、ルキアを追い出して、白哉は愛しい者のことを思う。
「隊長、インフルエンザになって死にかけてるって本当ですか!俺を置いて死なないでください!」
涙をだばーっと流しながら、恋次は白哉の寝室の窓から入ってきた。
「玄関から入れ。あと、死にかけてなどいない。熱は高かったが、薬のおかげで少しはましになった」
「ルキアのやつ、隊長がまじで死にかけてるって‥‥」
「あれは大げさなのだ」
「俺、去年インフルエンザになってもううつらないと思うので、看病しますね」
「うむ、助かる」
いつもの白哉なら、「助けなどいらぬ」と一蹴するのだが、まだ高熱が出ているし、関節の節々が痛くてまともに動くこともままならない。
「汗をかいてきもち悪いのだ。すまぬが、体を濡れたタオルでふいて、着替えさせてはくれまいか」
恋次は、用意されてあったタオルを水にひたして、白哉の背中や腕、足とふいていく。
「ああ‥‥病気じゃなければ、押し倒しそうです」
白哉の白い肌を、濡れたタオルでふいていく。
「そんなことをした日には、1か月は口もきいてやらぬ」
「しません。1か月も口聞いてもらえないと、寂しくて死んじゃいます」
関節が痛くて、本当は風呂に入りたいのだが、そこは我慢して恋次に体をふいてもらい、新しい着物を着せてもらった。
白哉は、冷えピタを額にはった。
[なんすかそれ」
「冷えピタという。氷嚢の代わりだ。額にはると、冷たくて心地よい」
「どれどれ‥‥お、ひんやりしてますね。現世のやつっすか?」
「そうだ。ルキアが熱にはこれだと、置いていった」
恋次は、体温計を白哉に渡した。
熱は、38度だった。
「まだ、高いっすね」
「まだましだ。最初40度あったのだ」
「40度!死んじゃいますよ!」
「40度程度では死なぬ。そもそも、インフルエンザで死ぬなど、年よりや病弱な者だ。そういえば、明日浮竹に会う約束をしていたのだ。キャンセルだと伝えてくれ。私は、少し眠る」
恋次は、眠ってしまった白哉の髪を愛しそうに撫でながら、おでこには冷えピタがはられてあるので、頬にキスをした。
「早く、よくなってくださいね」
恋次は、結局白哉の看病のために、3日ほど朽木家に滞在するのであった。
「浮竹隊長、朽木隊長がインフルエンザでダウンしてるので、明日の約束はキャンセルだそうです」
恋次は、13番隊のところにいって、浮竹にそう言った。
「ははは、奇遇だな。俺も、インフルエンザになった‥‥ゴホゴホ」
浮竹は、せきこみながらついでに血を吐いた。
「わぁぁ!浮竹隊長、大丈夫っすか!?」
「いつものことだ。気にしないでくれ」
そう言うが、吐血は止まらない。
「ちょっと、どいてくれるかな恋次君」
「京楽隊長!」
「浮竹、呼吸を整えて‥‥そう、そのままゆっくりと息を吐いて」
浮竹の吐血は止まっていた。
「ごめん、恋次君。卯ノ花隊長を呼んできてくれるかな」
「あ、はい」
「ついでに、朽木隊長も診てもらうように言っておくね」
「あ、ありがとうございます!」
浮竹が病弱で肺を患っていることはしっていたが、吐血するシーンを見るのは初めてだった。
もしも、あれが白哉なら‥‥そう考えて、頭を振って思考を切り替える。
瞬歩で、恋次は13番隊に向かうのであった。
現世で今はやっていて、現世に赴いた死神から報告をもらった時に、うつったらしかった。
「すまぬ、ルキア」
ルキアは、マスクをしながら白哉におかゆと解熱剤をもってきた。
「兄様が病気なのに、あのアホはどこをほつき歩ているのだ!」
「いられても、病気をうつしてしまうだけであろう」
「いえ、兄様、あやつはもう去年に同じインフルエンザにかかっております。うつらないはずです」
「ふむ‥‥」
白哉は、食欲があまりないのでおかゆを数口食べて、解熱剤を飲んで横になる。
熱は高く、40度まであがったのだが、解熱剤のおかげで38.5度まで下がった。
「恋次‥‥」
ルキアにうつってはだめなので、ルキアを追い出して、白哉は愛しい者のことを思う。
「隊長、インフルエンザになって死にかけてるって本当ですか!俺を置いて死なないでください!」
涙をだばーっと流しながら、恋次は白哉の寝室の窓から入ってきた。
「玄関から入れ。あと、死にかけてなどいない。熱は高かったが、薬のおかげで少しはましになった」
「ルキアのやつ、隊長がまじで死にかけてるって‥‥」
「あれは大げさなのだ」
「俺、去年インフルエンザになってもううつらないと思うので、看病しますね」
「うむ、助かる」
いつもの白哉なら、「助けなどいらぬ」と一蹴するのだが、まだ高熱が出ているし、関節の節々が痛くてまともに動くこともままならない。
「汗をかいてきもち悪いのだ。すまぬが、体を濡れたタオルでふいて、着替えさせてはくれまいか」
恋次は、用意されてあったタオルを水にひたして、白哉の背中や腕、足とふいていく。
「ああ‥‥病気じゃなければ、押し倒しそうです」
白哉の白い肌を、濡れたタオルでふいていく。
「そんなことをした日には、1か月は口もきいてやらぬ」
「しません。1か月も口聞いてもらえないと、寂しくて死んじゃいます」
関節が痛くて、本当は風呂に入りたいのだが、そこは我慢して恋次に体をふいてもらい、新しい着物を着せてもらった。
白哉は、冷えピタを額にはった。
[なんすかそれ」
「冷えピタという。氷嚢の代わりだ。額にはると、冷たくて心地よい」
「どれどれ‥‥お、ひんやりしてますね。現世のやつっすか?」
「そうだ。ルキアが熱にはこれだと、置いていった」
恋次は、体温計を白哉に渡した。
熱は、38度だった。
「まだ、高いっすね」
「まだましだ。最初40度あったのだ」
「40度!死んじゃいますよ!」
「40度程度では死なぬ。そもそも、インフルエンザで死ぬなど、年よりや病弱な者だ。そういえば、明日浮竹に会う約束をしていたのだ。キャンセルだと伝えてくれ。私は、少し眠る」
恋次は、眠ってしまった白哉の髪を愛しそうに撫でながら、おでこには冷えピタがはられてあるので、頬にキスをした。
「早く、よくなってくださいね」
恋次は、結局白哉の看病のために、3日ほど朽木家に滞在するのであった。
「浮竹隊長、朽木隊長がインフルエンザでダウンしてるので、明日の約束はキャンセルだそうです」
恋次は、13番隊のところにいって、浮竹にそう言った。
「ははは、奇遇だな。俺も、インフルエンザになった‥‥ゴホゴホ」
浮竹は、せきこみながらついでに血を吐いた。
「わぁぁ!浮竹隊長、大丈夫っすか!?」
「いつものことだ。気にしないでくれ」
そう言うが、吐血は止まらない。
「ちょっと、どいてくれるかな恋次君」
「京楽隊長!」
「浮竹、呼吸を整えて‥‥そう、そのままゆっくりと息を吐いて」
浮竹の吐血は止まっていた。
「ごめん、恋次君。卯ノ花隊長を呼んできてくれるかな」
「あ、はい」
「ついでに、朽木隊長も診てもらうように言っておくね」
「あ、ありがとうございます!」
浮竹が病弱で肺を患っていることはしっていたが、吐血するシーンを見るのは初めてだった。
もしも、あれが白哉なら‥‥そう考えて、頭を振って思考を切り替える。
瞬歩で、恋次は13番隊に向かうのであった。
桜のあやかしと共に24
「雪女?」
「はい。実は妻が雪女だったんです。でも、彼女を愛しているんです。正体がばれたから、一緒にいられないと故郷の雪山に戻ってしまって‥‥‥どうか彼女を説得して、一緒にいられるようにしてください」
「君は、妻があやかしだと分かっていても、愛してるんだね?」
京楽が、依頼人の男性を見る。
まだ20代前半の見目のいい若者だった。
「妻は‥‥泪(るい)は、きっとまだ俺のことを愛しているはずなんです。俺も泪を愛している」
「事情は分かりました。できうる限りのことはしてみましょう」
浮竹が、依頼人にから前払い料金をもらい、依頼人を玄関まで送り届ける。
依頼人は、はじめ3億もするタワーマンションで便利屋として祓い屋をしている京楽のことを、ただのぼんぼんの遊びかと思っていたのだが、傍にいる二人の浮竹と白哉という桜のあやかしが、そんな依頼人の心を察知して、術を見せた。
依頼人は、これなら大丈夫だと思い、前払いまで払った。
「さて、どうする?雪山は遠いぞ」
「一番近くの町に、昔私が立ち寄ったことがある。私が異界通りをすれば、面倒な移動は簡単にすませれるであろう」
白哉は、異界通りをすすめた。
「浮竹も白哉君も、長い間生きてるだけあって、いろんなところに行ってるね?」
「京楽、兄も浮竹と同じ時間を生きるのだ。異界通りには慣れておけ。手をつながずとも、迷い子にならぬように」
「う、うん」
白哉が、異界へのゲートをあける。
そこに、冬服に着替えて防寒対策をした京楽と、普通の恰好の浮竹が入る。先頭を歩くのは白哉だ。
異界を抜けて、寂れた街に出た。
「ここから、数キロ先に雪山がある。雪女も住んでいるであろう。私は恋次の元に行く。恋次の祓い屋の手伝いをせねばならぬので、ここで一度お別れだ。帰りは浮竹が異界を通って帰ればよい」
「ありがとうな、白哉」
「浮竹、兄にはいつも世話になっている。これくらい、なんてことはない」
白哉は、異界を通って元来た道を戻っていった。
「さて、雪山にいってみるか」
「すでに寒い。雪女の住む雪山‥‥さぞかし寒いんだろうね。浮竹、そんな薄着で平気?」
「桜の術をかけてやろう」
浮竹は、桜の花びらをふっと京楽にふきかける。
すると、京楽は全く寒くなくなり、体がぽかぽかしてきて、防寒衣装を脱いだ。
「体があったかい。すごいね、浮竹は」
「べ、別にお前が風邪をひいたら困るとかでかけたわけじゃないらな!」
京楽は、クスっと笑って、浮竹と並んで雪山へと歩きだす。
数時間歩いて、雪山の中腹あたりまできた。
「雪女の泪とやら、いるなら返事をしてほしい!」
珍しい桜の王がきたと、雪女たちはこぞって浮竹を囲んで、自分をアピールする。
「俺は、もうパートナーがいる。他に手を出すつもりはない」
「桜の王‥‥つれないお方。でも、麗しくて綺麗」
「泪とやらはいないかい!」
「あたしが泪よ」
着物を着た、清楚な女性をイメージしていた浮竹と京楽は、泪のいけいけギャルの姿にしばし唖然となった。
「君の夫が、帰ってきてほしいと言っているんだ」
「まさか。あたしは雪女よ?それを知った、あの方が私を怖がることはあれど、愛してくれることなんて」
泪は、涙をこぼした。
「ああ。あたしは、まだあの方に必要とされているの?」
「そうだぞ。お前の夫の依頼人が、わざわざ俺たちに頼みに来るくらいだ」
「決めた。あたし、あの方の元にいくわ」
「泪!正体がばれた雪女は、もう二度と同じ人間の前に現れてはいけないという、掟を破るのか!」
おばあさんの雪女が、叫んだ。
「泪、行ってはだめよ。人間は、すぐに気が変わるわ」
「泪、あなたはここで私たちを暮らせばいいのよ」
京楽は、札を取り出す。
「眠れ‥‥」
泪を除く他の雪女たちが、ばたばたと倒れて眠っていく。
「さぁ、泪とやら。俺たちを一緒に、依頼人の元へ帰ろう」
「でも、どうやって?ここからあの町じゃあ、数日はかかるわ」
「俺が異界送りをする。異界を通ればすぐだ」
「異界!聞いたことはあるけど、なれないあやかしや人が入ると、迷い子になって二度と出れないという?」
「俺と手をつないでいれば平気だ。京楽も、帰るぞ」
浮竹は、雪女たちが泪を連れ戻しに来ないように、桜の花びらを散らして、記憶から泪のことを抹消した。
「こんなこと、本当はしたくないんだが‥‥雪女は仲間意識が高いからな」
異界を通って、浮竹、京楽、泪は3億のタワーマンションの一室に戻っていた。
「すごい!あっという間についちゃったわ」
「依頼人に電話しよう」
京楽が、頷いてスマホを取り出す。
依頼人はすぐにやってきた。
「泪!」
「あなた!」
二人は抱きしめあいながら、京楽と浮竹を見た。
「ありがとうございます。泪を説得してくれて」
「あなた、あたしは雪女のあやかしよ?それでも愛してくれるの?」
「当り前だ、泪。俺は、君だけを愛しているんだ。それに、お腹の子も‥‥‥」
「気づいていたの?」
「うん」
どうやら、泪のお腹には依頼人の子がいるらしい。
半妖となるので、世間の風当たりは冷たくなるかもしれないが、この二人なら乗り切ってしまいそうな、そんな気がした。
「では、残りの報酬金を払います」
「いいよいいよ。お腹の子のために、とっておいて。ボクは見ての通り、金に困っていないからね」
「ありがとうございました」
「ありがとう、桜の王に祓い屋さん」
二人は、手を繋いで帰っていった。
「いいことしたねぇ」
「どうだろうな。半妖は差別される。まぁ、母親が生きているうちは、守ってくれるだろう」
「泪。ちゃんと俺の‥‥‥私の子を産むのだよ?」
「はい、藍染様。桜の王と契約者はそこそこの力があるようです」
「それは知っているよ。わざわざ人間の体になって、会いに行ったんだからね?君を私の元に戻してくれという依頼で」
「全て愛染様の御心のままに」
泪は、藍染に忠誠を誓うように膝まづいた。
「京楽春水‥‥‥面白いね。私が殺した「春」の生まれ変わり。「春」を反魂していきついた先は京楽春水の体の奥で、魂として眠りについている。「春」、またお前の愛しい桜の王に、会わせてやろう‥‥‥」
くつくつと、藍染は笑うのだった。
「はい。実は妻が雪女だったんです。でも、彼女を愛しているんです。正体がばれたから、一緒にいられないと故郷の雪山に戻ってしまって‥‥‥どうか彼女を説得して、一緒にいられるようにしてください」
「君は、妻があやかしだと分かっていても、愛してるんだね?」
京楽が、依頼人の男性を見る。
まだ20代前半の見目のいい若者だった。
「妻は‥‥泪(るい)は、きっとまだ俺のことを愛しているはずなんです。俺も泪を愛している」
「事情は分かりました。できうる限りのことはしてみましょう」
浮竹が、依頼人にから前払い料金をもらい、依頼人を玄関まで送り届ける。
依頼人は、はじめ3億もするタワーマンションで便利屋として祓い屋をしている京楽のことを、ただのぼんぼんの遊びかと思っていたのだが、傍にいる二人の浮竹と白哉という桜のあやかしが、そんな依頼人の心を察知して、術を見せた。
依頼人は、これなら大丈夫だと思い、前払いまで払った。
「さて、どうする?雪山は遠いぞ」
「一番近くの町に、昔私が立ち寄ったことがある。私が異界通りをすれば、面倒な移動は簡単にすませれるであろう」
白哉は、異界通りをすすめた。
「浮竹も白哉君も、長い間生きてるだけあって、いろんなところに行ってるね?」
「京楽、兄も浮竹と同じ時間を生きるのだ。異界通りには慣れておけ。手をつながずとも、迷い子にならぬように」
「う、うん」
白哉が、異界へのゲートをあける。
そこに、冬服に着替えて防寒対策をした京楽と、普通の恰好の浮竹が入る。先頭を歩くのは白哉だ。
異界を抜けて、寂れた街に出た。
「ここから、数キロ先に雪山がある。雪女も住んでいるであろう。私は恋次の元に行く。恋次の祓い屋の手伝いをせねばならぬので、ここで一度お別れだ。帰りは浮竹が異界を通って帰ればよい」
「ありがとうな、白哉」
「浮竹、兄にはいつも世話になっている。これくらい、なんてことはない」
白哉は、異界を通って元来た道を戻っていった。
「さて、雪山にいってみるか」
「すでに寒い。雪女の住む雪山‥‥さぞかし寒いんだろうね。浮竹、そんな薄着で平気?」
「桜の術をかけてやろう」
浮竹は、桜の花びらをふっと京楽にふきかける。
すると、京楽は全く寒くなくなり、体がぽかぽかしてきて、防寒衣装を脱いだ。
「体があったかい。すごいね、浮竹は」
「べ、別にお前が風邪をひいたら困るとかでかけたわけじゃないらな!」
京楽は、クスっと笑って、浮竹と並んで雪山へと歩きだす。
数時間歩いて、雪山の中腹あたりまできた。
「雪女の泪とやら、いるなら返事をしてほしい!」
珍しい桜の王がきたと、雪女たちはこぞって浮竹を囲んで、自分をアピールする。
「俺は、もうパートナーがいる。他に手を出すつもりはない」
「桜の王‥‥つれないお方。でも、麗しくて綺麗」
「泪とやらはいないかい!」
「あたしが泪よ」
着物を着た、清楚な女性をイメージしていた浮竹と京楽は、泪のいけいけギャルの姿にしばし唖然となった。
「君の夫が、帰ってきてほしいと言っているんだ」
「まさか。あたしは雪女よ?それを知った、あの方が私を怖がることはあれど、愛してくれることなんて」
泪は、涙をこぼした。
「ああ。あたしは、まだあの方に必要とされているの?」
「そうだぞ。お前の夫の依頼人が、わざわざ俺たちに頼みに来るくらいだ」
「決めた。あたし、あの方の元にいくわ」
「泪!正体がばれた雪女は、もう二度と同じ人間の前に現れてはいけないという、掟を破るのか!」
おばあさんの雪女が、叫んだ。
「泪、行ってはだめよ。人間は、すぐに気が変わるわ」
「泪、あなたはここで私たちを暮らせばいいのよ」
京楽は、札を取り出す。
「眠れ‥‥」
泪を除く他の雪女たちが、ばたばたと倒れて眠っていく。
「さぁ、泪とやら。俺たちを一緒に、依頼人の元へ帰ろう」
「でも、どうやって?ここからあの町じゃあ、数日はかかるわ」
「俺が異界送りをする。異界を通ればすぐだ」
「異界!聞いたことはあるけど、なれないあやかしや人が入ると、迷い子になって二度と出れないという?」
「俺と手をつないでいれば平気だ。京楽も、帰るぞ」
浮竹は、雪女たちが泪を連れ戻しに来ないように、桜の花びらを散らして、記憶から泪のことを抹消した。
「こんなこと、本当はしたくないんだが‥‥雪女は仲間意識が高いからな」
異界を通って、浮竹、京楽、泪は3億のタワーマンションの一室に戻っていた。
「すごい!あっという間についちゃったわ」
「依頼人に電話しよう」
京楽が、頷いてスマホを取り出す。
依頼人はすぐにやってきた。
「泪!」
「あなた!」
二人は抱きしめあいながら、京楽と浮竹を見た。
「ありがとうございます。泪を説得してくれて」
「あなた、あたしは雪女のあやかしよ?それでも愛してくれるの?」
「当り前だ、泪。俺は、君だけを愛しているんだ。それに、お腹の子も‥‥‥」
「気づいていたの?」
「うん」
どうやら、泪のお腹には依頼人の子がいるらしい。
半妖となるので、世間の風当たりは冷たくなるかもしれないが、この二人なら乗り切ってしまいそうな、そんな気がした。
「では、残りの報酬金を払います」
「いいよいいよ。お腹の子のために、とっておいて。ボクは見ての通り、金に困っていないからね」
「ありがとうございました」
「ありがとう、桜の王に祓い屋さん」
二人は、手を繋いで帰っていった。
「いいことしたねぇ」
「どうだろうな。半妖は差別される。まぁ、母親が生きているうちは、守ってくれるだろう」
「泪。ちゃんと俺の‥‥‥私の子を産むのだよ?」
「はい、藍染様。桜の王と契約者はそこそこの力があるようです」
「それは知っているよ。わざわざ人間の体になって、会いに行ったんだからね?君を私の元に戻してくれという依頼で」
「全て愛染様の御心のままに」
泪は、藍染に忠誠を誓うように膝まづいた。
「京楽春水‥‥‥面白いね。私が殺した「春」の生まれ変わり。「春」を反魂していきついた先は京楽春水の体の奥で、魂として眠りについている。「春」、またお前の愛しい桜の王に、会わせてやろう‥‥‥」
くつくつと、藍染は笑うのだった。
桜のあやかしと共に23
それは、今から500年も前に遡る昔話である。
浮竹は、京楽とも「春」とも出会うことなく、ただ一人で桜の王として生きていた。
実に4500年もの間、孤独に生きていた。それでよかった。春がくれば桜を咲かせて、桜の王として世界に春を告げる。
『君さぁ。4500年もの間、一人ぼっちなんだってね?ボクと一緒だね?もっとも、ボクは500年だけど』
ふと、桜の大樹の中で眠っていた浮竹を起こす、大きな妖力を感じて、浮竹は人の姿をとって、世界に顕現する。
「誰だ。俺の眠りを妨げるのは」
『ボクは京楽春水。夜刀神だよ。よければ、友達にならない?』
「友達?他を探せ。俺は桜の王だ。桜のあやかしだけでなく、春に咲く花のあやかしの頂点に君臨する王」
『孤独な王様って悲しくない?』
「うるさい。神だか何だか知らんが、消えろ」
浮竹は、桜の花びらを手のひらに集めてふっとふくと、たちまち竜巻ができて夜刀神を襲った。
『わお。歓迎されてる』
「どこだが!」
桜の王である浮竹は、それから毎日定期的に同じ時間にやってくる夜刀神に、根負けして友人になることを約束した。
『わーい、ボクにも友達ができた』
「仮初の友だ。俺は桜の王。孤独を生きる王。春を統べる者」
『ボクは災禍を与える神だよ』
「俺にも災禍を与えるのか」
『さぁ、それは分からない。ボクの意思とは関係なしに周囲に災禍を降り注がせる時もあるから』
浮竹は、夜刀神とそれから時折会うようになった。
「血の匂いがする。人かあやかしでも食ったか」
『うん。あやかし食べたよ。味なんてしないけど、一応栄養補充しないと神として存在できないから』
「いつか、俺も食うのか」
『さぁ、どうだろうねぇ。でも、君はとてもおいしそうだけど、友達だから食べたくないな』
桜の王は、桜の咲く時期だけ王として君臨し、桜が散ると眠りに入る。
それを妨げるのは、夜刀神であった。
『ねえ、釣りに行こうよ』
「なんで俺なんだ」
『だって、ボクの存在を知っても、怖がらないのは君くらいだから。他のあやかしは、食べないでくれ、災禍を与えないでくれって泣き出すんだもの』
「俺はそこらの小者じゃない。桜の王だ」
『うん、知ってる。あやかしの王なら、ボクを怖がらないと思ったんだけど、大正解だったね』
「お前など、微塵も怖くない。災禍など、与えられてもはねのけてやろう」
結局、その日は夜刀神に言いくるめられて、一緒に釣りをした。
「釣れない」
『そりゃ、君の針にはエサがついてないからね』
「あんなうねうねしたきもち悪い虫、触れるか!」
『桜の王ってさ、王であることが悲しくならない?』
「いや、別に」
それは嘘だった。
浮竹は、人間に焦がれていた。
ある日、夜刀神が酒をもって現れた。
「俺にも飲ませろ」
酒を飲んだことのない浮竹は、自分が下戸であることを知らず、アルコール度の高い酒を浴びるように飲んで、ぶっ倒れた。
『ちょっと、桜の王!?』
「抱いてやる。脱げ」
『はいいいい????』
「ぬげえええええええ」
浮竹は夜刀神の衣服をはごうとする。
『ちょ、ま、まじで簡便。君を抱くならまだしも、抱かれるのはごめんだよ!』
夜刀神は、残りの酒を全部浮竹に飲ませた。
浮竹は眠ってしまった。
『酒乱だとは‥‥』
次の日。
「うーん、頭が痛い。飲みすぎた‥‥‥」
『ねぇ、君、昨日のこと覚えてる?』
「何かあったのか?」
『ボクに抱いてくれって泣きついてきた』
「そんなわけあるか!」
ハリセンが、夜刀神の頭に炸裂した。
『痛い‥‥』
「俺は桜の王だ。誰も抱かないし、誰にも抱かれない」
『君、下戸で酒乱だよ。もうお酒は飲まないほうがいいよ』
「酒乱?下戸なのはわかるが‥‥‥」
夜刀神は、昨日のことは内緒にしてあげた。
プライドの高そうな桜の王にはショックだろうからと。
それから時折遊びにくる夜刀神の相手をしているうちに、浮竹は桜の散った季節でも活動するようになっていた。
お互い孤独だが、共にいると少しだけ心が温かくなった。
それから数百年経った。
「紹介する。人間の「春」だ。俺の契約者にして、人生のパートナーだ」
『へぇ、桜の王って、誰にも抱かれないといっておきながら‥‥あべし!』
浮竹のハリセンが、夜刀神に炸裂する。
「はるか昔の言葉など忘れろ!」
『もう、出会って数百年か。ボクは君たちの行く末を見ながら、生きることにしよう』
それからさらに100年経った。
「「春」、「春」!!!」
『だめだ、桜の王。もう死んでる』
「同じ時を生きると約束したんだ。俺の命を、「春」に‥‥」
『だめだよ、桜の王。君がいなくなってしまうと、世界のバランスが崩れる』
「でも、「春」が。うわああああ!!」
浮竹の周囲をとんでもない妖力が集まり、爆発する。
そこに残ったのは、大事な大事な人間の「春」を失って、生きることを諦めたあやかし。
桜の王は、抜け殻のようになって、心を閉ざした。
どんなに夜刀神が話しかけても、何をしてもだだった。
やがて、3年の月日が流れた。
弟のような存在であった朽木白哉の献身的な介護と、夜刀神の接触で、浮竹は心を取り戻した。
でも、昔のように笑うことはなくなっていた。
「夜刀神、俺は少し眠ることにする。「春」の夢を見ながら‥‥‥10年くらい経ったら、気が向いたら起きる」
『ちょっと、ボクが寂しくなるじゃない』
「お前も俺も、元々は孤独だったろう?」
『そうだけど‥‥寂しくなるね』
やがて10年が経ち、桜の王はは再び目覚めた。
「みつけた。「春」の生まれ変わり」
『久しぶりに妖力を感じて起きたと思ったら、「春」の生まれ変わりを見つけたって?』
「そうだ」
『どうするの』
「当たって砕けない。俺のものにしてみせる」
『むしろ、抱かれるのは君のほうで‥‥‥あべし!』
久しぶりのハリセンは、夜刀神の脳を揺さぶった。
『うへぇ』
「お前も見つけれるだろう。大切に思える存在を」
『そうかなぁ‥‥‥』
やがて、夜刀神は術者の浮竹と巡りあう。
本当に、心から愛しいと思える存在に。
桜の王である浮竹は、人間の京楽に恋焦がれ、子猫の姿になって接触する。
さぁ、物語をはじめようか。
災禍ともたらす夜刀神と、その愛しい半妖の物語と。
桜の王と、「春」の生まれ変わりの人間との物語を。
浮竹は、京楽とも「春」とも出会うことなく、ただ一人で桜の王として生きていた。
実に4500年もの間、孤独に生きていた。それでよかった。春がくれば桜を咲かせて、桜の王として世界に春を告げる。
『君さぁ。4500年もの間、一人ぼっちなんだってね?ボクと一緒だね?もっとも、ボクは500年だけど』
ふと、桜の大樹の中で眠っていた浮竹を起こす、大きな妖力を感じて、浮竹は人の姿をとって、世界に顕現する。
「誰だ。俺の眠りを妨げるのは」
『ボクは京楽春水。夜刀神だよ。よければ、友達にならない?』
「友達?他を探せ。俺は桜の王だ。桜のあやかしだけでなく、春に咲く花のあやかしの頂点に君臨する王」
『孤独な王様って悲しくない?』
「うるさい。神だか何だか知らんが、消えろ」
浮竹は、桜の花びらを手のひらに集めてふっとふくと、たちまち竜巻ができて夜刀神を襲った。
『わお。歓迎されてる』
「どこだが!」
桜の王である浮竹は、それから毎日定期的に同じ時間にやってくる夜刀神に、根負けして友人になることを約束した。
『わーい、ボクにも友達ができた』
「仮初の友だ。俺は桜の王。孤独を生きる王。春を統べる者」
『ボクは災禍を与える神だよ』
「俺にも災禍を与えるのか」
『さぁ、それは分からない。ボクの意思とは関係なしに周囲に災禍を降り注がせる時もあるから』
浮竹は、夜刀神とそれから時折会うようになった。
「血の匂いがする。人かあやかしでも食ったか」
『うん。あやかし食べたよ。味なんてしないけど、一応栄養補充しないと神として存在できないから』
「いつか、俺も食うのか」
『さぁ、どうだろうねぇ。でも、君はとてもおいしそうだけど、友達だから食べたくないな』
桜の王は、桜の咲く時期だけ王として君臨し、桜が散ると眠りに入る。
それを妨げるのは、夜刀神であった。
『ねえ、釣りに行こうよ』
「なんで俺なんだ」
『だって、ボクの存在を知っても、怖がらないのは君くらいだから。他のあやかしは、食べないでくれ、災禍を与えないでくれって泣き出すんだもの』
「俺はそこらの小者じゃない。桜の王だ」
『うん、知ってる。あやかしの王なら、ボクを怖がらないと思ったんだけど、大正解だったね』
「お前など、微塵も怖くない。災禍など、与えられてもはねのけてやろう」
結局、その日は夜刀神に言いくるめられて、一緒に釣りをした。
「釣れない」
『そりゃ、君の針にはエサがついてないからね』
「あんなうねうねしたきもち悪い虫、触れるか!」
『桜の王ってさ、王であることが悲しくならない?』
「いや、別に」
それは嘘だった。
浮竹は、人間に焦がれていた。
ある日、夜刀神が酒をもって現れた。
「俺にも飲ませろ」
酒を飲んだことのない浮竹は、自分が下戸であることを知らず、アルコール度の高い酒を浴びるように飲んで、ぶっ倒れた。
『ちょっと、桜の王!?』
「抱いてやる。脱げ」
『はいいいい????』
「ぬげえええええええ」
浮竹は夜刀神の衣服をはごうとする。
『ちょ、ま、まじで簡便。君を抱くならまだしも、抱かれるのはごめんだよ!』
夜刀神は、残りの酒を全部浮竹に飲ませた。
浮竹は眠ってしまった。
『酒乱だとは‥‥』
次の日。
「うーん、頭が痛い。飲みすぎた‥‥‥」
『ねぇ、君、昨日のこと覚えてる?』
「何かあったのか?」
『ボクに抱いてくれって泣きついてきた』
「そんなわけあるか!」
ハリセンが、夜刀神の頭に炸裂した。
『痛い‥‥』
「俺は桜の王だ。誰も抱かないし、誰にも抱かれない」
『君、下戸で酒乱だよ。もうお酒は飲まないほうがいいよ』
「酒乱?下戸なのはわかるが‥‥‥」
夜刀神は、昨日のことは内緒にしてあげた。
プライドの高そうな桜の王にはショックだろうからと。
それから時折遊びにくる夜刀神の相手をしているうちに、浮竹は桜の散った季節でも活動するようになっていた。
お互い孤独だが、共にいると少しだけ心が温かくなった。
それから数百年経った。
「紹介する。人間の「春」だ。俺の契約者にして、人生のパートナーだ」
『へぇ、桜の王って、誰にも抱かれないといっておきながら‥‥あべし!』
浮竹のハリセンが、夜刀神に炸裂する。
「はるか昔の言葉など忘れろ!」
『もう、出会って数百年か。ボクは君たちの行く末を見ながら、生きることにしよう』
それからさらに100年経った。
「「春」、「春」!!!」
『だめだ、桜の王。もう死んでる』
「同じ時を生きると約束したんだ。俺の命を、「春」に‥‥」
『だめだよ、桜の王。君がいなくなってしまうと、世界のバランスが崩れる』
「でも、「春」が。うわああああ!!」
浮竹の周囲をとんでもない妖力が集まり、爆発する。
そこに残ったのは、大事な大事な人間の「春」を失って、生きることを諦めたあやかし。
桜の王は、抜け殻のようになって、心を閉ざした。
どんなに夜刀神が話しかけても、何をしてもだだった。
やがて、3年の月日が流れた。
弟のような存在であった朽木白哉の献身的な介護と、夜刀神の接触で、浮竹は心を取り戻した。
でも、昔のように笑うことはなくなっていた。
「夜刀神、俺は少し眠ることにする。「春」の夢を見ながら‥‥‥10年くらい経ったら、気が向いたら起きる」
『ちょっと、ボクが寂しくなるじゃない』
「お前も俺も、元々は孤独だったろう?」
『そうだけど‥‥寂しくなるね』
やがて10年が経ち、桜の王はは再び目覚めた。
「みつけた。「春」の生まれ変わり」
『久しぶりに妖力を感じて起きたと思ったら、「春」の生まれ変わりを見つけたって?』
「そうだ」
『どうするの』
「当たって砕けない。俺のものにしてみせる」
『むしろ、抱かれるのは君のほうで‥‥‥あべし!』
久しぶりのハリセンは、夜刀神の脳を揺さぶった。
『うへぇ』
「お前も見つけれるだろう。大切に思える存在を」
『そうかなぁ‥‥‥』
やがて、夜刀神は術者の浮竹と巡りあう。
本当に、心から愛しいと思える存在に。
桜の王である浮竹は、人間の京楽に恋焦がれ、子猫の姿になって接触する。
さぁ、物語をはじめようか。
災禍ともたらす夜刀神と、その愛しい半妖の物語と。
桜の王と、「春」の生まれ変わりの人間との物語を。