血と聖水と名において13
「浮竹、いいものあげる」
「なんだ?」
るんるん気分の京楽が、綺麗にラッピングされた箱をもってきた。
中身は少し軽い。
「いいものだよ」
「ああ、もらう」
アクセサリーの類かと思っていたら、中に入っていたのはもじゃもじゃの毛だった。
「うふふ、ボクの胸毛♡」
「いるかこんなものおおおおお!!」
京楽の顔面に、箱を投げ返す。
「酷い!ボクの胸毛2か月分なんだよ!」
「気持ち悪いわ!変なものよこすな!」
「ははぁ、さては下の毛がよかったんだね。今から・・・・」
「死ね」
浮竹は、京楽はをハリセンでぼこぼこにした。
「う、冗談だったのに。毛を取り除いて箱の奥を見てごらん」
言われた通りにすると、翡翠の髪留めがあった。
「これは・・・綺麗だな。でも、値段が高そうだ」
「ボクも一応S級ヴァンパイアハンターだからね。この前ソロでヴァンパイアロード狩った報酬金で買ったの」
「あ、ありがとう。う、嬉しいなんて別に思っていないんだからな!」
「きたーーー、浮竹のツンデレ。かわいいいいい」
「う、うるさい」
そこで、ピンポーンとチャイムが鳴った。
「誰だろう」
「あ、ボクが出るから!もしも、また藍染関係だとやばいからね」
浮竹は、二週間ほど前に藍染に犯されて、無理やり花嫁にされて、それを同じ花嫁である京楽とまじりあうことで、花嫁でなくなった。
藍染の手下が2回ほどきたが、返り討ちにして殺した。
『元気か、ヴァンピールの俺』
「あ、ドラゴンサモナーの俺!」
『すまん、洗面所を貸してくれないか。手が血で濡れて気持ち悪い』
「誰か、殺したのか?」
浮竹が、不安げにドラゴンサモナーの浮竹を見る。
『何、お前に害をなそうとしたS級ヴァンパイアハンターの首をはねとばして火で完全に塵にしただけだ』
『浮竹ってば、君をさらおうとしてたらしいS級ヴァンパイアハンターを二人殺しちゃったの。注意したんだけどね、問題ないって聞かなくて』
「そうか・・・・あの二人を殺したんだな。俺は気にしない」
『ヴァンピールの俺ならそう言うと思った・・・・一度、誰かの花嫁にされたのか?首に、うっすらと痕がある』
「ああ、藍染に無理やり・・・・」
『藍染か。俺の力で殺せるかな?』
「藍染は不老不死に限りなく近いヴァンパイアマスターだ。普通の方法では殺せない」
『そうなのか』
ドラゴンサモナーの浮竹は、残念そうな顔をする。
「あ、ドラゴンサモナーの浮竹、これあげる!」
『なんだ?』
『何もらったの?』
パートナードラゴンのちびドラゴンの姿の京楽も、綺麗にラッピングされた箱の中身を見る。
「ボクのギャランドゥの毛」
『いるか、こんなものおおおおお!!』
浮竹と同じ反応をする。
違うのは、毛だけ燃やして、ついでに京楽も燃やした。
『ボクの浮竹に変なものあげないで!』
パートナードラゴンの京楽も、火のブレスで京楽を燃やす。
「あははは、いい火加減」
京楽は、アフロになりながらも体は燃えない。手加減されているし、京楽はもうほとんど体の構造がヴァンパイアに近くなっているせいで、炎なんてききやしない。
『あははは、アフロになってる』
パートナードラゴンの浮竹は、おかしそうに笑う。
『本当に渡したかったのはこっちか』
今の浮竹が髪に飾っている髪留めの翡翠と対になるような、ブルーサファイアの髪留めが箱の奥に入っていた。
『ありがとう。大切にする』
「うん。それなりの品物だよ。けっこうお金かかってるから、なくしたり、盗まれたりしないように気をつけてね」
『ボクの浮竹なら、大丈夫だよ』
「そうだね」
「京楽、服を脱げ」
突然、浮竹がそんなこと言いだした。
「ええ!こんなところでしっぽりのお誘い!?」
「違う、だアホ!」
おとなしく上半身裸になり、下半身も躊躇なく裸になりそうなのを慌てて止める。
「え、フルチンじゃなくていいの?」
「誰もそこまで脱げとは言ってない!」
くすくすと、そんな二人をドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽が笑う。
浮竹は、綺麗になくなった京楽の胸毛とギャランドゥを見て、溜息をこぼす。
「ライフよ、顕現せよ」
浮竹だけ使える、命の精霊ライフに、京楽の胸毛とギャランドゥをしばらくはえてこないようにお願いした。
「ちょっと!ボクの胸毛がはえてこなくなるうううう」
「こんなことに使うなら、永遠にはえてこんでいいわあああ」
「酷いいいいいい」
「この愚か者があああああ」
『なんだかんだって、仲いいね?』
『そりゃ、花嫁だからな?多分』
ドラゴンサモナーの浮竹は、勝手に紅茶をいれて飲んでいた。浅い皿にいれて、パートナードラゴンである京楽にも飲めれるようにする。
冷蔵庫を漁ると、大粒の苺があった。
それを、二人は食べる。
「あ、夕飯後の楽しみに残しておいた苺なのに。まぁいいか。ライフに頼んで、同じものをはやしてもらって収穫しよう」
ライフの精霊。
別名、命の神。
精霊でありながら、同時に神である。浮竹は、神さえ使役する。
四人は、和やかにお茶をしていたのだが、一向に燃え尽きない京楽のギャランドゥの毛を見て、浮竹が質問する。
「あれは、いつ燃え終わるんだ?」
「ん、ボクのギャランドゥは特別でね。火をつけても長時間それを維持するんだよ。冒険者してた時、よく松明代わりにしてたなぁ」
「汚らわしい松明だな」
「酷い!」
ちなみに、京楽はまだアフロだった。ライフの精霊に元に戻せと言っていなかったので。
「ボク、いつまでアフロなの?」
「一週間」
「びえええええん。ボクの美貌がああああ」
「自分で言うな!ナルシストか、お前は!」
「いえ、ただの変態です」
「たいへんだ、へんたいだ」
げらげらと、パートナードラゴンの京楽が笑い、ドラゴンサモナーの浮竹も腹を抱えて笑っていた。
変態でアホな子の京楽は、涙を浮竹のパンツでぬぐった。
「また俺のパンツを!」
「いやあああ、とりあげないで!ボクのコレクションがあああ」
「没収だ、没収」
「酷いいいいいい」
ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽は、夕飯をごちそうになってから、元いた町の宿屋に戻っていくのであった。
「なんだ?」
るんるん気分の京楽が、綺麗にラッピングされた箱をもってきた。
中身は少し軽い。
「いいものだよ」
「ああ、もらう」
アクセサリーの類かと思っていたら、中に入っていたのはもじゃもじゃの毛だった。
「うふふ、ボクの胸毛♡」
「いるかこんなものおおおおお!!」
京楽の顔面に、箱を投げ返す。
「酷い!ボクの胸毛2か月分なんだよ!」
「気持ち悪いわ!変なものよこすな!」
「ははぁ、さては下の毛がよかったんだね。今から・・・・」
「死ね」
浮竹は、京楽はをハリセンでぼこぼこにした。
「う、冗談だったのに。毛を取り除いて箱の奥を見てごらん」
言われた通りにすると、翡翠の髪留めがあった。
「これは・・・綺麗だな。でも、値段が高そうだ」
「ボクも一応S級ヴァンパイアハンターだからね。この前ソロでヴァンパイアロード狩った報酬金で買ったの」
「あ、ありがとう。う、嬉しいなんて別に思っていないんだからな!」
「きたーーー、浮竹のツンデレ。かわいいいいい」
「う、うるさい」
そこで、ピンポーンとチャイムが鳴った。
「誰だろう」
「あ、ボクが出るから!もしも、また藍染関係だとやばいからね」
浮竹は、二週間ほど前に藍染に犯されて、無理やり花嫁にされて、それを同じ花嫁である京楽とまじりあうことで、花嫁でなくなった。
藍染の手下が2回ほどきたが、返り討ちにして殺した。
『元気か、ヴァンピールの俺』
「あ、ドラゴンサモナーの俺!」
『すまん、洗面所を貸してくれないか。手が血で濡れて気持ち悪い』
「誰か、殺したのか?」
浮竹が、不安げにドラゴンサモナーの浮竹を見る。
『何、お前に害をなそうとしたS級ヴァンパイアハンターの首をはねとばして火で完全に塵にしただけだ』
『浮竹ってば、君をさらおうとしてたらしいS級ヴァンパイアハンターを二人殺しちゃったの。注意したんだけどね、問題ないって聞かなくて』
「そうか・・・・あの二人を殺したんだな。俺は気にしない」
『ヴァンピールの俺ならそう言うと思った・・・・一度、誰かの花嫁にされたのか?首に、うっすらと痕がある』
「ああ、藍染に無理やり・・・・」
『藍染か。俺の力で殺せるかな?』
「藍染は不老不死に限りなく近いヴァンパイアマスターだ。普通の方法では殺せない」
『そうなのか』
ドラゴンサモナーの浮竹は、残念そうな顔をする。
「あ、ドラゴンサモナーの浮竹、これあげる!」
『なんだ?』
『何もらったの?』
パートナードラゴンのちびドラゴンの姿の京楽も、綺麗にラッピングされた箱の中身を見る。
「ボクのギャランドゥの毛」
『いるか、こんなものおおおおお!!』
浮竹と同じ反応をする。
違うのは、毛だけ燃やして、ついでに京楽も燃やした。
『ボクの浮竹に変なものあげないで!』
パートナードラゴンの京楽も、火のブレスで京楽を燃やす。
「あははは、いい火加減」
京楽は、アフロになりながらも体は燃えない。手加減されているし、京楽はもうほとんど体の構造がヴァンパイアに近くなっているせいで、炎なんてききやしない。
『あははは、アフロになってる』
パートナードラゴンの浮竹は、おかしそうに笑う。
『本当に渡したかったのはこっちか』
今の浮竹が髪に飾っている髪留めの翡翠と対になるような、ブルーサファイアの髪留めが箱の奥に入っていた。
『ありがとう。大切にする』
「うん。それなりの品物だよ。けっこうお金かかってるから、なくしたり、盗まれたりしないように気をつけてね」
『ボクの浮竹なら、大丈夫だよ』
「そうだね」
「京楽、服を脱げ」
突然、浮竹がそんなこと言いだした。
「ええ!こんなところでしっぽりのお誘い!?」
「違う、だアホ!」
おとなしく上半身裸になり、下半身も躊躇なく裸になりそうなのを慌てて止める。
「え、フルチンじゃなくていいの?」
「誰もそこまで脱げとは言ってない!」
くすくすと、そんな二人をドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽が笑う。
浮竹は、綺麗になくなった京楽の胸毛とギャランドゥを見て、溜息をこぼす。
「ライフよ、顕現せよ」
浮竹だけ使える、命の精霊ライフに、京楽の胸毛とギャランドゥをしばらくはえてこないようにお願いした。
「ちょっと!ボクの胸毛がはえてこなくなるうううう」
「こんなことに使うなら、永遠にはえてこんでいいわあああ」
「酷いいいいいい」
「この愚か者があああああ」
『なんだかんだって、仲いいね?』
『そりゃ、花嫁だからな?多分』
ドラゴンサモナーの浮竹は、勝手に紅茶をいれて飲んでいた。浅い皿にいれて、パートナードラゴンである京楽にも飲めれるようにする。
冷蔵庫を漁ると、大粒の苺があった。
それを、二人は食べる。
「あ、夕飯後の楽しみに残しておいた苺なのに。まぁいいか。ライフに頼んで、同じものをはやしてもらって収穫しよう」
ライフの精霊。
別名、命の神。
精霊でありながら、同時に神である。浮竹は、神さえ使役する。
四人は、和やかにお茶をしていたのだが、一向に燃え尽きない京楽のギャランドゥの毛を見て、浮竹が質問する。
「あれは、いつ燃え終わるんだ?」
「ん、ボクのギャランドゥは特別でね。火をつけても長時間それを維持するんだよ。冒険者してた時、よく松明代わりにしてたなぁ」
「汚らわしい松明だな」
「酷い!」
ちなみに、京楽はまだアフロだった。ライフの精霊に元に戻せと言っていなかったので。
「ボク、いつまでアフロなの?」
「一週間」
「びえええええん。ボクの美貌がああああ」
「自分で言うな!ナルシストか、お前は!」
「いえ、ただの変態です」
「たいへんだ、へんたいだ」
げらげらと、パートナードラゴンの京楽が笑い、ドラゴンサモナーの浮竹も腹を抱えて笑っていた。
変態でアホな子の京楽は、涙を浮竹のパンツでぬぐった。
「また俺のパンツを!」
「いやあああ、とりあげないで!ボクのコレクションがあああ」
「没収だ、没収」
「酷いいいいいい」
ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽は、夕飯をごちそうになってから、元いた町の宿屋に戻っていくのであった。
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血と聖水と名において12
「へへ、藍染のご所望のソアラこと浮竹を生きて連れてきたぞ」
「約束の、報酬の5倍をもらおうか」
「愚かなる人間の割には使えるな。ほら、星白金貨だ。好きなだけもっていけ」
藍染は、眠る浮竹をベッドに寝かした。
「ひゃっほう、これで超大金もちだ!」
「行こうぜ。藍染はやべぇ。気が変わる前におさらばしようぜ」
「そうだな」
S級ヴァンパイアハンターの二人は、藍染の秘密のあじとから出ると、帰路につこうとした。
そこに、フェンリルに乗った京楽が現れる。
「浮竹はどこ!」
「ちっ、夜叉の京楽か。浮竹は藍染の家にいる。今頃、花嫁にされてるんじゃないか」
「浮竹ーーー!!!」
浮竹は、藍染に犯された。
無理やり花嫁にされた。
そこへ、京楽が乗り込んでくる。
「浮竹を返せ!」
「残念ながら、ソアラは私の花嫁になった。契ったよ」
「京楽、俺を殺してくれ・・・・・・・」
浮竹は、絶望で涙を流していた。
「殺さない!絶対に、元に戻る方法見つけるから!」
「おもしろい。ソアラを返そう。まぁ、最終的には私の花嫁として帰ってくるだろうがな」
「京楽、俺は・・・・・」
「何も言わなくていいよ。館に帰って、お風呂にはいろ?」
「うん」
浮竹の首には、藍染の所有物の証である薔薇のいばらのタトゥーが浮かんでいた。
館に戻ると、まずは浮竹と湯あみをした。
藍染のキスマークの残る体を洗っていく。
「京楽、抱いてくれ」
「いいの?」
「花嫁同士が契りあうと、特別な力を得るという。今は、それにかけたい」
「はぁん、もっと奥う」
「浮竹、奥好きだね?」
「あああ、もっと奥に」
浮竹と京楽は、ヴァンパイアの花嫁同士で契りあう。
「奥に、いっぱい注いであげるね?」
「藍染の花嫁になるくらいなら、死んでやる」
「花嫁をやめる方法はあるはずだよ。実際、花嫁として誘拐された少女が元の普通の人間に戻ったって聞いたことあるし」
京楽は、浮竹の奥をつきあげながら、奥に直接精液を注ぎ込む。
すると、浮竹の藍染の所有物の証である首の薔薇のいばらのタトゥーが薄くなっていく。
「ああん、もっとおおお」
「淫乱な浮竹も大好きだよ」
久しぶりなので、京楽は優しく抱いた。
浮竹が意識を失う頃には、ばらのいばらのタトゥーはほとんど気てえいた。
「そうか。花嫁同士で契ることで、花嫁ではなくなるんだね。藍染も知らなかったみたいだし、浮竹には悪いけど、藍染にされたことの記憶を消すよ」
京楽は、魔法は使えないが、魔法のスクロールは使えた。
倉庫から漁りだした、記憶消去のスクロールを使って、誘拐されたこと自体をなかったことにした。
「ん・・・・京楽、俺は?何か、大切なことを忘れている気がする」
「忘れてていいんだよ。無断だけど、記憶消去のスクロールを使ったよ。そうしないと、浮竹が悲しみの絶望から抜け出せないから」
「そうか。俺の身に、何かあったんだな」
「思い出せないよ?」
「ああ。消去されるほどの記憶なら、思い出したくもない」
その日の夜、浮竹と京楽はまた契った。
そこには、アホで変態の居楽はいなかった。ただ、愛して純粋に優しく、浮竹の言うことを聞いてくれる京楽はがいた。
「ひああああ、いっちゃううう」
「何度でもいっていいよ?」
「やだあああ。京楽と、一緒がいい」
「じゃあ、一緒にいこうか」
「ひあああん、いくうううう」
「ボクも、浮竹の胎の奥に出すからね」
ドクドクと精液を浮竹の奥に注ぎこみ、浮竹と京楽はしっぽりしていた。
「あああ、頭が真っ白になって、おかしくなるうう」
「それだけ気持ちいいってことでしょ?」
「やあああん」
「もっと、だね?」
京楽は、浮竹の奥を抉って突き上げる。
「んあああ、深いいいい」
「もっと深くにあげるからね?」
浮竹の足を肩に担ぎあげて、京楽は浮竹が泣いてもういらないと言っても、抱いた。
もう、完全に藍染に汚されたあとはなく、記憶もない。
京楽だけの、浮竹だった。
たとえ、藍染が現れても、記憶はもう戻らない。
京楽は、今度藍染が来たら戦うつもりであった、たとえ、敗北しようとも。
浮竹の力はとても貴重で強い。
使役魔使い、つまりは精霊使い’(エレメンタルマスター)だ。
藍染でなくても、欲しがるだろう。世界には何人かの精霊使いがいるが、浮竹は精霊の王でさえ召喚できる、稀有な存在であった。
「君は、ボクが守る。藍染からも、君の父親からも.愛しているよ、浮竹。ソアラ」
「約束の、報酬の5倍をもらおうか」
「愚かなる人間の割には使えるな。ほら、星白金貨だ。好きなだけもっていけ」
藍染は、眠る浮竹をベッドに寝かした。
「ひゃっほう、これで超大金もちだ!」
「行こうぜ。藍染はやべぇ。気が変わる前におさらばしようぜ」
「そうだな」
S級ヴァンパイアハンターの二人は、藍染の秘密のあじとから出ると、帰路につこうとした。
そこに、フェンリルに乗った京楽が現れる。
「浮竹はどこ!」
「ちっ、夜叉の京楽か。浮竹は藍染の家にいる。今頃、花嫁にされてるんじゃないか」
「浮竹ーーー!!!」
浮竹は、藍染に犯された。
無理やり花嫁にされた。
そこへ、京楽が乗り込んでくる。
「浮竹を返せ!」
「残念ながら、ソアラは私の花嫁になった。契ったよ」
「京楽、俺を殺してくれ・・・・・・・」
浮竹は、絶望で涙を流していた。
「殺さない!絶対に、元に戻る方法見つけるから!」
「おもしろい。ソアラを返そう。まぁ、最終的には私の花嫁として帰ってくるだろうがな」
「京楽、俺は・・・・・」
「何も言わなくていいよ。館に帰って、お風呂にはいろ?」
「うん」
浮竹の首には、藍染の所有物の証である薔薇のいばらのタトゥーが浮かんでいた。
館に戻ると、まずは浮竹と湯あみをした。
藍染のキスマークの残る体を洗っていく。
「京楽、抱いてくれ」
「いいの?」
「花嫁同士が契りあうと、特別な力を得るという。今は、それにかけたい」
「はぁん、もっと奥う」
「浮竹、奥好きだね?」
「あああ、もっと奥に」
浮竹と京楽は、ヴァンパイアの花嫁同士で契りあう。
「奥に、いっぱい注いであげるね?」
「藍染の花嫁になるくらいなら、死んでやる」
「花嫁をやめる方法はあるはずだよ。実際、花嫁として誘拐された少女が元の普通の人間に戻ったって聞いたことあるし」
京楽は、浮竹の奥をつきあげながら、奥に直接精液を注ぎ込む。
すると、浮竹の藍染の所有物の証である首の薔薇のいばらのタトゥーが薄くなっていく。
「ああん、もっとおおお」
「淫乱な浮竹も大好きだよ」
久しぶりなので、京楽は優しく抱いた。
浮竹が意識を失う頃には、ばらのいばらのタトゥーはほとんど気てえいた。
「そうか。花嫁同士で契ることで、花嫁ではなくなるんだね。藍染も知らなかったみたいだし、浮竹には悪いけど、藍染にされたことの記憶を消すよ」
京楽は、魔法は使えないが、魔法のスクロールは使えた。
倉庫から漁りだした、記憶消去のスクロールを使って、誘拐されたこと自体をなかったことにした。
「ん・・・・京楽、俺は?何か、大切なことを忘れている気がする」
「忘れてていいんだよ。無断だけど、記憶消去のスクロールを使ったよ。そうしないと、浮竹が悲しみの絶望から抜け出せないから」
「そうか。俺の身に、何かあったんだな」
「思い出せないよ?」
「ああ。消去されるほどの記憶なら、思い出したくもない」
その日の夜、浮竹と京楽はまた契った。
そこには、アホで変態の居楽はいなかった。ただ、愛して純粋に優しく、浮竹の言うことを聞いてくれる京楽はがいた。
「ひああああ、いっちゃううう」
「何度でもいっていいよ?」
「やだあああ。京楽と、一緒がいい」
「じゃあ、一緒にいこうか」
「ひあああん、いくうううう」
「ボクも、浮竹の胎の奥に出すからね」
ドクドクと精液を浮竹の奥に注ぎこみ、浮竹と京楽はしっぽりしていた。
「あああ、頭が真っ白になって、おかしくなるうう」
「それだけ気持ちいいってことでしょ?」
「やあああん」
「もっと、だね?」
京楽は、浮竹の奥を抉って突き上げる。
「んあああ、深いいいい」
「もっと深くにあげるからね?」
浮竹の足を肩に担ぎあげて、京楽は浮竹が泣いてもういらないと言っても、抱いた。
もう、完全に藍染に汚されたあとはなく、記憶もない。
京楽だけの、浮竹だった。
たとえ、藍染が現れても、記憶はもう戻らない。
京楽は、今度藍染が来たら戦うつもりであった、たとえ、敗北しようとも。
浮竹の力はとても貴重で強い。
使役魔使い、つまりは精霊使い’(エレメンタルマスター)だ。
藍染でなくても、欲しがるだろう。世界には何人かの精霊使いがいるが、浮竹は精霊の王でさえ召喚できる、稀有な存在であった。
「君は、ボクが守る。藍染からも、君の父親からも.愛しているよ、浮竹。ソアラ」
血と聖水と名において11
「おめでとうございます。この度は、血の帝国ブラッディアの皇帝候補に選ばれました。皇位継承権をあなたはおもちです」
「は?」
訪ねてきた初老のヴァンパイアの執事らしき者は、そう言って浮竹を困らせた。
「あなたは、確か父の執事?」
「そうです。レイモンド様の執事でございます。レイモンド様も皇位継承権をお持ちです。今のブラッディアの皇帝は空位。他に、黒崎一護様、藍染惣右介様が皇位継承権をおもちです」
「一護くんはいいとして、藍染はあの悪名高い藍染か」
「さようでございます」
「俺は、皇位継承権を放棄する」
「なりません。誰かが皇帝となられるまで、皇位継承権は消えません」
執事の言葉に、浮竹は顔をしかめる。
「そもそも、ヴァンパイアマスターの父もブラッディアとか関係ないだろう」
「いいえ、おありです。レイモンド・シュタットフェルト・ブラッディ。ブラッディは、代々皇族に使われる名です。レイモンド様は、先帝の実の弟君であらせられます。ソアラ・シュタットフェルト・ブラッディであられるあなたも、皇族の血を引いておいでです」
「ソアラでは今はない。今は浮竹十四郎だ」
「これは大変失礼しました浮竹様。レイモンド様はこうもおしゃっていました。愛児であるあなたは皇位継承権がなければただのごみだと」
「父様・・・・」
浮竹はショックを受ける。
それから、浮竹は執事が、一緒にブラッディアに来いというので、断固拒否して執事を追い返した。
「私はあきらめませんからね!」
「帰れ!俺は皇族なんかじゃない!」
「いいえ、あなた様はレイモンド様と聖女の奥方であられたブリュンヒルデ様の子。皇族でございます」
「帰れ!」
「仕方ありません。今日はこのへんで引きあげましょう」
執事が帰ったのを確認すると、浮竹はフェンリルを召喚する。
「どうしたにゃ。顔色が悪いにゃ」
「すまんがもふもふさせてくれ」
「京楽としっぽりのほうがいいんじゃないのかにゃ」
「そんな体力も性欲もない」
浮竹は、思い切りフェンリルをもふる。
「くすぐったいのにゃ!いやにゃん、そこはだめなのにゃん」
起きてきた京楽が、じーっと黙ってこっちを見ていた。
「なんだ」
「いや、獣姦とかさすが浮竹だけあってレベルが高いなぁと思って。まぜてまぜて。あ、今度、熊のぐるみきてしっぽりして、いくときがおーって鳴いてあげるね?」
「誤解の上にくそしょうもないことを提案するな!」
「え、今がいいの?仕方ないなぁ」
パジャマを脱ぎだした京楽を、浮竹はフェニックスを召喚して黒焦げにすると、寝室に閉じこもった。
「ねぇ、浮竹、ボクが悪かったから」
「今は、一人にしてくれ」
「やだよ」
京楽は、無理やり扉をあけて、泣いている浮竹を抱きしめた。
「君が、ソアラでも浮竹でも、ボクは君を愛しているから」
「なぜ、俺がソアラだと知っている?」
浮竹が涙をふいて、京楽に尋ねる。
「ごめん、さっきの話盗み聞きしてた」
「俺は、父様の愛児であるのに、皇位継承権がないとただのごみだそうだ。愛されているのか、愛されていないのかわからない。多分、父様は俺に母様を重ねているんだろうな。母様にとても俺は似ているからな」
「浮竹、もっと泣いていいんだよ?」
「いや、もう泣かない。みっともない姿を見せたな」
「ううん、そんなことないよ。ほら、ハンカチ」
「ありがとう・・・・・って、これ俺の新しい買ったばかりのお気に入りのパンツじゃないか!どこかにいったと思ったら、お前が盗んでいたのか!」
浮竹は、京楽が頼もしいと一瞬でも思ったことを後悔した。
「うわあああん、そんなにハリセンで殴らないでよおおお」
「うるさいいいい。全部お前が悪いいいいい」
「きゃいーん」
京楽は、ハンターギルドに逃げ出した。さすがの浮竹も、そこまで追おうとはしなかった。
「ソアラ・シュタットフェルト・ブラッディとかいうヴァンピールに多額の報酬金が出たそうだぞ。しかし、聞いたことのない名前だな?」
「なんでも、なかなか凄腕のヴァンピールらしい」
「浮竹に、報酬金?誰が・・・・・・・」
京楽は、ギルドマスターを呼び止める。
「ソアラというヴァンピールは何もしていないんでしょ?なぜ、報酬金が出ているの?」
「ああ、藍染とかいうヴァンパイアマスターが、報酬金を出したらしい。ヴァンパイアだから、あてにはできんが、生かして連れてくれば報酬金の5倍を出すそうだ」
「藍染・・・・あの、いかれヴァンパイアめ」
京楽は、過去に何度か藍染と戦ったことがあった。どちらの勝利も分からい引き分けばかりであったが。
「浮竹に知らせなきゃ」
京楽が帰ると、館は荒らされており、浮竹の姿がなかった。
「浮竹!」
「にゃああん。京楽、マスターがS級ヴァンパイアハンターの二人組に連れ去られたにゃ!スリープの呪文かけられて、ボクも眠ってしまっていたにゃ!マスターを助け出さないと!」
「フェンリル、匂いはたどれるかい?」
「任すのにゃ!」
フェンリルは、3メートルはある魔氷狼の姿になると、京楽を乗せて浮竹をさらっていった犯人たちの元へと走っていくんのだった。
「は?」
訪ねてきた初老のヴァンパイアの執事らしき者は、そう言って浮竹を困らせた。
「あなたは、確か父の執事?」
「そうです。レイモンド様の執事でございます。レイモンド様も皇位継承権をお持ちです。今のブラッディアの皇帝は空位。他に、黒崎一護様、藍染惣右介様が皇位継承権をおもちです」
「一護くんはいいとして、藍染はあの悪名高い藍染か」
「さようでございます」
「俺は、皇位継承権を放棄する」
「なりません。誰かが皇帝となられるまで、皇位継承権は消えません」
執事の言葉に、浮竹は顔をしかめる。
「そもそも、ヴァンパイアマスターの父もブラッディアとか関係ないだろう」
「いいえ、おありです。レイモンド・シュタットフェルト・ブラッディ。ブラッディは、代々皇族に使われる名です。レイモンド様は、先帝の実の弟君であらせられます。ソアラ・シュタットフェルト・ブラッディであられるあなたも、皇族の血を引いておいでです」
「ソアラでは今はない。今は浮竹十四郎だ」
「これは大変失礼しました浮竹様。レイモンド様はこうもおしゃっていました。愛児であるあなたは皇位継承権がなければただのごみだと」
「父様・・・・」
浮竹はショックを受ける。
それから、浮竹は執事が、一緒にブラッディアに来いというので、断固拒否して執事を追い返した。
「私はあきらめませんからね!」
「帰れ!俺は皇族なんかじゃない!」
「いいえ、あなた様はレイモンド様と聖女の奥方であられたブリュンヒルデ様の子。皇族でございます」
「帰れ!」
「仕方ありません。今日はこのへんで引きあげましょう」
執事が帰ったのを確認すると、浮竹はフェンリルを召喚する。
「どうしたにゃ。顔色が悪いにゃ」
「すまんがもふもふさせてくれ」
「京楽としっぽりのほうがいいんじゃないのかにゃ」
「そんな体力も性欲もない」
浮竹は、思い切りフェンリルをもふる。
「くすぐったいのにゃ!いやにゃん、そこはだめなのにゃん」
起きてきた京楽が、じーっと黙ってこっちを見ていた。
「なんだ」
「いや、獣姦とかさすが浮竹だけあってレベルが高いなぁと思って。まぜてまぜて。あ、今度、熊のぐるみきてしっぽりして、いくときがおーって鳴いてあげるね?」
「誤解の上にくそしょうもないことを提案するな!」
「え、今がいいの?仕方ないなぁ」
パジャマを脱ぎだした京楽を、浮竹はフェニックスを召喚して黒焦げにすると、寝室に閉じこもった。
「ねぇ、浮竹、ボクが悪かったから」
「今は、一人にしてくれ」
「やだよ」
京楽は、無理やり扉をあけて、泣いている浮竹を抱きしめた。
「君が、ソアラでも浮竹でも、ボクは君を愛しているから」
「なぜ、俺がソアラだと知っている?」
浮竹が涙をふいて、京楽に尋ねる。
「ごめん、さっきの話盗み聞きしてた」
「俺は、父様の愛児であるのに、皇位継承権がないとただのごみだそうだ。愛されているのか、愛されていないのかわからない。多分、父様は俺に母様を重ねているんだろうな。母様にとても俺は似ているからな」
「浮竹、もっと泣いていいんだよ?」
「いや、もう泣かない。みっともない姿を見せたな」
「ううん、そんなことないよ。ほら、ハンカチ」
「ありがとう・・・・・って、これ俺の新しい買ったばかりのお気に入りのパンツじゃないか!どこかにいったと思ったら、お前が盗んでいたのか!」
浮竹は、京楽が頼もしいと一瞬でも思ったことを後悔した。
「うわあああん、そんなにハリセンで殴らないでよおおお」
「うるさいいいい。全部お前が悪いいいいい」
「きゃいーん」
京楽は、ハンターギルドに逃げ出した。さすがの浮竹も、そこまで追おうとはしなかった。
「ソアラ・シュタットフェルト・ブラッディとかいうヴァンピールに多額の報酬金が出たそうだぞ。しかし、聞いたことのない名前だな?」
「なんでも、なかなか凄腕のヴァンピールらしい」
「浮竹に、報酬金?誰が・・・・・・・」
京楽は、ギルドマスターを呼び止める。
「ソアラというヴァンピールは何もしていないんでしょ?なぜ、報酬金が出ているの?」
「ああ、藍染とかいうヴァンパイアマスターが、報酬金を出したらしい。ヴァンパイアだから、あてにはできんが、生かして連れてくれば報酬金の5倍を出すそうだ」
「藍染・・・・あの、いかれヴァンパイアめ」
京楽は、過去に何度か藍染と戦ったことがあった。どちらの勝利も分からい引き分けばかりであったが。
「浮竹に知らせなきゃ」
京楽が帰ると、館は荒らされており、浮竹の姿がなかった。
「浮竹!」
「にゃああん。京楽、マスターがS級ヴァンパイアハンターの二人組に連れ去られたにゃ!スリープの呪文かけられて、ボクも眠ってしまっていたにゃ!マスターを助け出さないと!」
「フェンリル、匂いはたどれるかい?」
「任すのにゃ!」
フェンリルは、3メートルはある魔氷狼の姿になると、京楽を乗せて浮竹をさらっていった犯人たちの元へと走っていくんのだった。
血と聖水と名において10
いつものような朝がやってくる。
今日は、月に一度のメイドさんによる大きな洋館の手入れの日だった。
一護と血の帝国ブラッディアに旅立った、メイドだったルキアと入れ替わりでメイドになった七緒が、リーダーとなってメイドたちをまとめあげて、普段使っていない部屋も掃除する。
庭では、男性が庭師をしていた。
男性といっても少年で、まだ子供だった。ヴァンピールで、孤児らしい。
名前は日番谷冬獅郎。
浮竹が、時折寄付する孤児院にいるヴァンピールだった。氷の適性が高く、氷雪系の魔法を使い、ダンジョンなどに単独でもぐって、フロアボスを倒して財宝を手に入れて、孤児院に帰ってくる。
同じ孤児のヴァンピールの少女、雛森桃と仲がいい。
雛森は、今日もメイドとして孤児院から派遣されていた。
ヴァンパイアの血を引いているため、二人は孤児院でも浮いていて、成長が遅いせいで長く孤児院にいて、労働を義務づけられていた。
「日番谷くん、休憩したらどうだ。甘納豆あるぞ」
「・・・・・もらう」
冬獅郎は、浮竹の館の手入れは賃金がいいので、庭師として昔働いていた経験を生かして、月に数回庭の手入れに来ていたが、今日はメイドたちも一緒だった。
メイドの多くは孤児院育ちの者が多かった。
ヴァンピールが住んでいるので、万が一のことがあってもいいように、孤児だった者を選ぶ。そんなメイドの組織は大嫌いだが、浮竹は孤児を歓迎した。
冬獅郎は、近いうちに冒険者として雛森と一緒に、人間のパーティーに入ってやっていく予定だった。
今は、武具を買う金をためるために働いていた。
「ダンジョンはどうだ。単独で10階のフロアボスを倒して、財宝を持って帰ったそうじゃないか」
「必要経費だと、没収された」
「なに!俺が・・・・」
「いい!俺は、雛森と静かに暮らしたいんだ。冒険者にはなるが、ヴァンピールが好きな人間と組むことになっている。孤児院の居心地は最低だ。早く、独立したい」
「そうか・・・・・」
「浮竹、もしかしてショタコン!?だから、ボクとあんまりしっぽりしないの!?」
「何をほざいている、このだアホが!」
京楽の頭をすぱーんとハリセンで殴ると、氷の彫像のようだった冬獅郎が少しだけ笑った。
「このだアホ、ほんとに手がかかるんだ。俺のパンツ盗んだり、食べ残し食べたりはまだいいが、食べ終わった食器を舐めたり」
「変態だな」
「ああ、変態なんだ」
浮竹は頷く。
「変態で悪い?」
京楽は堂々としていて、いっそ潔かった。変態であるが。
「シロちゃん、仕事終わったよ」
「ああ、こっちももうすぐ終わる」
そんな二人を、浮竹と京楽は暖かい眼差しで見守る。
「何かあったら、いつでも館にこい」
「ああ。なにかピンチの時は、頼らせてもらう」
その日は、それで終わった。
後日になって、冬獅郎が血まみれの雛森を抱いて、浮竹の元に助けてくれとやってきた。
「ふざけんな!あの人間のパーティー、俺と雛森をボスの気をそらすために使いやがった。雛森は助かりそうか!?」
「ああ、さすがにヴァンピールなだけある。致命傷はないし、出血の割には傷は浅い。傷跡も残さず、癒そう」
浮竹は、ライフの精霊をだして、雛森に治癒術を施す。
ライフの精霊は、命を扱う精霊だ。そんな精霊を使役できるのは、世界広しといえど浮竹くらいだろう。
「冬獅郎くんの傷も癒そう」
「ああ、頼む。お金は、出世払いでいいか」
「こんな子供から、金なんかとらんさ」
「そうだよ?浮竹、実はショタコンだから」
京楽が、浮竹の隣でうねうねしていた。
「うるさい、京楽。誰がショタコンだ!」
「だって、冬獅郎くんにはいつも優しいし甘いじゃない。ボクにも同じように接してよ」
「毎日しっぽりうるさい自主休業S級ハンターと比べたら、冬獅郎くんのほうがいい」
「酷い!酷すぎる!!」
京楽はさらにうねうねした。
「ああもう、うっとうしい!」
蹴り上げると、京楽はキャインと鳴いて、しくしくと泣きながら用があると、七緒に連れ去られていった。
「あいつ、あんたの花嫁なんだろう?よくあんなひけもじゃの同性を花嫁にしたな」
「あれでも、まだ容姿が十代の頃はそんなにもじゃもじゃじゃなかったし、それなりにかっこよかったんだ。今は見る影もないが」
「殺して、また好きな花嫁を迎えないのか?」
「俺は、これでもあんな京楽だけど愛しているんだ。花嫁にしたことを後悔したことは・・・・数え切れないな。あれ、おかしいな」
「はははは、あんたバカだろ」
「そうかもな」
浮竹も笑って、冬獅郎と雛森の分だと、お菓子をいっぱいあげた。
「孤児院には、別途で送っておいたから、取り上げられることはないはずだ。あと、君たちを捨て駒にしようとした冒険者は、冒険者ギルドのほうで、厳しい処罰を受けるように手配しておいた」
「俺、女だったら、きっとあんたに惚れてる」
「もう、シロちゃんたら!」
怪我が綺麗に癒えた雛森は、ぷくーっと頬を膨らませて、冬獅郎をポカポカと殴る。
「雛森、冗談だ」
「シロちゃんなんて知らない!先に帰る!」
「雛森、独立しよう。もう、あんな孤児院に帰るのはやめよう。稼ぎのほとんどをもってかれるし、あの冒険者たちを手配したのも孤児院だ。最初から、捨てるつもりだったんだ」
「でも、お金ないよ?どこに住むの?」
「俺と京楽が、昔住んでいた離れの小さい家でよければ、無料で貸そう」
「いいのか?」
「いいんですか?」
「ああ」
浮竹は、冬獅郎と雛森の頭を撫でる。
「同じヴァンピールだ。助け合わないとな」
「ありがとう。恩に着る。ちゃんとした仲間を見つけて、冒険者として成功してみせる。しばらくは雛森と二人きりだが」
「ランクの高いダンジュンに挑みたい時は、俺と京楽に声をかけろ。助っ人になろう」
「浮竹、助けてええええ!!七緒ちゃんが、ボクのチャーミングなひげ剃ろうとしてくるうううう」
「はいはい、今行く」
「ついでに、しっぽりもしよおおお」
「しない!俺がびげを剃るぞ」
「ああん、浮竹になら剃られていいかも。あそこの毛を」
浮竹は、ハリセンで京楽を殴りまくる。
「まぁ、こんな京楽だが、戦闘になるとかなり強い」
「何、夜の格闘戦!?」
「このだアホがああ!子供の前だぞおおおお」
「子供の前だろうがしっぽりできるよ。むしろ見せつけたい!」
京楽は、浮竹にキスをするが、拒否される。
「誰がするか!禁欲2週間だ!」
「うわあああん、酷いいいいいいい」
「酷いのは、お前の日ごろの態度だ!毎回毎回しっぽりしっぽりうるさい!」
「うわあああんんん」
京楽は、涙を浮竹のパンツで拭う。
「あ、それこの前買ったお気に入りのパンツ!お前というやつは!」
「うええええんん」
「家、借りるな。行こうか、雛森」
「うん、シロちゃん」
冬獅郎と雛森は、手を繋いで歩き出す。
あんな時代もあったなと、浮竹はすまきにした京楽を転がしながら、懐かしく思うのであった。
「ソアラ・・・・・・ブリュンヒルデと、私の子よ。ブラッディアの、皇位継承権をお前にも与えた」
レイモンド・シュタットフェルト・ブラッディは、闇夜に紛れて、クスクスと笑う。
「私の、愛児よ」
レイモンドは、妻で花嫁であった聖女ブリュンヒルデにますます似てきたわが子を、皇位継承の争いに巻き込もうとしているのであった。
今日は、月に一度のメイドさんによる大きな洋館の手入れの日だった。
一護と血の帝国ブラッディアに旅立った、メイドだったルキアと入れ替わりでメイドになった七緒が、リーダーとなってメイドたちをまとめあげて、普段使っていない部屋も掃除する。
庭では、男性が庭師をしていた。
男性といっても少年で、まだ子供だった。ヴァンピールで、孤児らしい。
名前は日番谷冬獅郎。
浮竹が、時折寄付する孤児院にいるヴァンピールだった。氷の適性が高く、氷雪系の魔法を使い、ダンジョンなどに単独でもぐって、フロアボスを倒して財宝を手に入れて、孤児院に帰ってくる。
同じ孤児のヴァンピールの少女、雛森桃と仲がいい。
雛森は、今日もメイドとして孤児院から派遣されていた。
ヴァンパイアの血を引いているため、二人は孤児院でも浮いていて、成長が遅いせいで長く孤児院にいて、労働を義務づけられていた。
「日番谷くん、休憩したらどうだ。甘納豆あるぞ」
「・・・・・もらう」
冬獅郎は、浮竹の館の手入れは賃金がいいので、庭師として昔働いていた経験を生かして、月に数回庭の手入れに来ていたが、今日はメイドたちも一緒だった。
メイドの多くは孤児院育ちの者が多かった。
ヴァンピールが住んでいるので、万が一のことがあってもいいように、孤児だった者を選ぶ。そんなメイドの組織は大嫌いだが、浮竹は孤児を歓迎した。
冬獅郎は、近いうちに冒険者として雛森と一緒に、人間のパーティーに入ってやっていく予定だった。
今は、武具を買う金をためるために働いていた。
「ダンジョンはどうだ。単独で10階のフロアボスを倒して、財宝を持って帰ったそうじゃないか」
「必要経費だと、没収された」
「なに!俺が・・・・」
「いい!俺は、雛森と静かに暮らしたいんだ。冒険者にはなるが、ヴァンピールが好きな人間と組むことになっている。孤児院の居心地は最低だ。早く、独立したい」
「そうか・・・・・」
「浮竹、もしかしてショタコン!?だから、ボクとあんまりしっぽりしないの!?」
「何をほざいている、このだアホが!」
京楽の頭をすぱーんとハリセンで殴ると、氷の彫像のようだった冬獅郎が少しだけ笑った。
「このだアホ、ほんとに手がかかるんだ。俺のパンツ盗んだり、食べ残し食べたりはまだいいが、食べ終わった食器を舐めたり」
「変態だな」
「ああ、変態なんだ」
浮竹は頷く。
「変態で悪い?」
京楽は堂々としていて、いっそ潔かった。変態であるが。
「シロちゃん、仕事終わったよ」
「ああ、こっちももうすぐ終わる」
そんな二人を、浮竹と京楽は暖かい眼差しで見守る。
「何かあったら、いつでも館にこい」
「ああ。なにかピンチの時は、頼らせてもらう」
その日は、それで終わった。
後日になって、冬獅郎が血まみれの雛森を抱いて、浮竹の元に助けてくれとやってきた。
「ふざけんな!あの人間のパーティー、俺と雛森をボスの気をそらすために使いやがった。雛森は助かりそうか!?」
「ああ、さすがにヴァンピールなだけある。致命傷はないし、出血の割には傷は浅い。傷跡も残さず、癒そう」
浮竹は、ライフの精霊をだして、雛森に治癒術を施す。
ライフの精霊は、命を扱う精霊だ。そんな精霊を使役できるのは、世界広しといえど浮竹くらいだろう。
「冬獅郎くんの傷も癒そう」
「ああ、頼む。お金は、出世払いでいいか」
「こんな子供から、金なんかとらんさ」
「そうだよ?浮竹、実はショタコンだから」
京楽が、浮竹の隣でうねうねしていた。
「うるさい、京楽。誰がショタコンだ!」
「だって、冬獅郎くんにはいつも優しいし甘いじゃない。ボクにも同じように接してよ」
「毎日しっぽりうるさい自主休業S級ハンターと比べたら、冬獅郎くんのほうがいい」
「酷い!酷すぎる!!」
京楽はさらにうねうねした。
「ああもう、うっとうしい!」
蹴り上げると、京楽はキャインと鳴いて、しくしくと泣きながら用があると、七緒に連れ去られていった。
「あいつ、あんたの花嫁なんだろう?よくあんなひけもじゃの同性を花嫁にしたな」
「あれでも、まだ容姿が十代の頃はそんなにもじゃもじゃじゃなかったし、それなりにかっこよかったんだ。今は見る影もないが」
「殺して、また好きな花嫁を迎えないのか?」
「俺は、これでもあんな京楽だけど愛しているんだ。花嫁にしたことを後悔したことは・・・・数え切れないな。あれ、おかしいな」
「はははは、あんたバカだろ」
「そうかもな」
浮竹も笑って、冬獅郎と雛森の分だと、お菓子をいっぱいあげた。
「孤児院には、別途で送っておいたから、取り上げられることはないはずだ。あと、君たちを捨て駒にしようとした冒険者は、冒険者ギルドのほうで、厳しい処罰を受けるように手配しておいた」
「俺、女だったら、きっとあんたに惚れてる」
「もう、シロちゃんたら!」
怪我が綺麗に癒えた雛森は、ぷくーっと頬を膨らませて、冬獅郎をポカポカと殴る。
「雛森、冗談だ」
「シロちゃんなんて知らない!先に帰る!」
「雛森、独立しよう。もう、あんな孤児院に帰るのはやめよう。稼ぎのほとんどをもってかれるし、あの冒険者たちを手配したのも孤児院だ。最初から、捨てるつもりだったんだ」
「でも、お金ないよ?どこに住むの?」
「俺と京楽が、昔住んでいた離れの小さい家でよければ、無料で貸そう」
「いいのか?」
「いいんですか?」
「ああ」
浮竹は、冬獅郎と雛森の頭を撫でる。
「同じヴァンピールだ。助け合わないとな」
「ありがとう。恩に着る。ちゃんとした仲間を見つけて、冒険者として成功してみせる。しばらくは雛森と二人きりだが」
「ランクの高いダンジュンに挑みたい時は、俺と京楽に声をかけろ。助っ人になろう」
「浮竹、助けてええええ!!七緒ちゃんが、ボクのチャーミングなひげ剃ろうとしてくるうううう」
「はいはい、今行く」
「ついでに、しっぽりもしよおおお」
「しない!俺がびげを剃るぞ」
「ああん、浮竹になら剃られていいかも。あそこの毛を」
浮竹は、ハリセンで京楽を殴りまくる。
「まぁ、こんな京楽だが、戦闘になるとかなり強い」
「何、夜の格闘戦!?」
「このだアホがああ!子供の前だぞおおおお」
「子供の前だろうがしっぽりできるよ。むしろ見せつけたい!」
京楽は、浮竹にキスをするが、拒否される。
「誰がするか!禁欲2週間だ!」
「うわあああん、酷いいいいいいい」
「酷いのは、お前の日ごろの態度だ!毎回毎回しっぽりしっぽりうるさい!」
「うわあああんんん」
京楽は、涙を浮竹のパンツで拭う。
「あ、それこの前買ったお気に入りのパンツ!お前というやつは!」
「うええええんん」
「家、借りるな。行こうか、雛森」
「うん、シロちゃん」
冬獅郎と雛森は、手を繋いで歩き出す。
あんな時代もあったなと、浮竹はすまきにした京楽を転がしながら、懐かしく思うのであった。
「ソアラ・・・・・・ブリュンヒルデと、私の子よ。ブラッディアの、皇位継承権をお前にも与えた」
レイモンド・シュタットフェルト・ブラッディは、闇夜に紛れて、クスクスと笑う。
「私の、愛児よ」
レイモンドは、妻で花嫁であった聖女ブリュンヒルデにますます似てきたわが子を、皇位継承の争いに巻き込もうとしているのであった。
血と聖水と名において9
レイモンド・シュタットフェルト・ブラッディ。
通称悪魔王ディアブロのレイモンド。
それが、ソアラ・シュタットフェルト・ブラッディという名ももつ、浮竹の父である、ヴァンパイアマスターの名であった。
甘い蜂蜜のように優しく、時には氷の刃のように冷たく。
父親としては、育児をメイドに任せきりにさせていたのでだめだったのかもしれない。だが、師として見るなら、超一流であった。
浮竹は剣術や体術、それに使役魔・・・・精霊使いとしての訓練も、父から受けた。
父は、魔法が使えて、それは浮竹も同じだった。
魔法が使えるものは限られている。
昔には、古代魔法文明があり、人類の全てが魔法を使えたとされているが、今の人間は全体の5%程度しか魔法が使えなかった。
なので、魔法の才能がある者は出世を約束されたようなものだ。魔法を使える者は王立の学園に入ることができる。魔法の才能の高い者は宮廷魔法士になれたりした。少しの火の魔法しか使えないような者でも、一応魔法が使えるので魔法に関係ある職につけた。
ヴァンパイアやヴァンピール、ドラゴンなどはほとんどが魔法を使えた。
ヴァンパイアは、花嫁にしたい者が意にそぐわないとき、チャームの魔法を使ったりして無理やり花嫁にする時がある。
まぁ、そんな風に花嫁にされた者は、人形のように生きるか死を選ぶかの二択だった。
それはさておき。
ヴァンパイアのアイゼアなる者を倒して、気絶したドラゴンサモナーの浮竹は、パートナードラゴンの京楽が見ている中、ゲストルームで眠っていた。
『ねぇ、神父のボクを放置して帰ったけど、よかったの?』
「あの場には、フェンリルを残らせた。フェンリルに乗ってそのうち帰ってくるだろうさ」
「はい、その通りです!帰ってきたよ!」
「はや!!!」
むちゅーとたこのように吸い付いてこようとする京楽を、浮竹はハリセンではたく。
「しっぽり!今すぐしっぽりしよう!」
「却下。ドラゴンサモナーの俺の意識が戻り、彼らが館から出るまではしっぽりしない」
「二人とも、今すぐ帰って?」
『いや、浮竹が目覚めてないんだけど』
『う・・・・・』
そこで、ドラゴンサモナーの浮竹が目を覚ました。
『よかった、浮竹、大丈夫?』
ちびドラゴンの体であるパートナードラゴンの京楽を見てから、浮竹はキッチンに行く。
『のどが、かわいた。水を・・・・・・』
「オレンジ水だ。ほのかに甘い。疲労回復の効果がある」
浮竹がキッチンから、オレンジ水の入った氷の浮かんだコップをもってくる。すると、ドラゴンサモナーの浮竹はそれを受け取って一気に飲み干して、おかわりももらった。
『ああ、生き返るようだ。ありがとう。俺は、どのくらい眠っていた?』
「4時間ってとこだね。もう外も暗いし、泊まってういけば・・・・・って、泊まられたらしっぽりできない。今すぐ出てけーーー」
そんな京楽をハリセンで黙らせて、浮竹は京楽に四人分の夕飯を作るように言って、京楽はしぶしぶそれを承諾する。
『ごめんね、食事まで世話になちゃって』
『明日には出ていくから、その後は好きにしっぽりしまくってくれ』
「しっぽりしたいのは京楽だけだ。俺は別にしたいわけじゃない」
京楽がいないので、断言する。
もしもここに京楽がいたら「酷い、ボクとのことは遊びだったのね!」とか言い出しそうだなと浮竹は思った。
「酷い、ボクとのことは遊びだったのね!浮竹のだアホおおおおおおおお」
しっぽりしたいので、冷凍食品を解凍しただけの京楽がそこにいて、わんわん泣き出すものだから、浮竹は困って京楽に明日しっぽりしていいと約束した。
「ぐひひひひ。約束しちゃった」
『計画的犯行だね』
『そうだな』
「まったく、お前は・・・・・」
浮竹は、額に手を当てて天を仰ぐ。
「じゃあ、夕飯にしよう。解凍しただけだけど、この前ボクが作ったものだから味はいいはずだよ」
メニューは、海鮮パスタとカレーであった。
『あ、このオレンジ水まだあるか?』
「気に入ったのか?俺が作ったんだが、気に入ったのなら2L入りのペットボトルのを持って帰るといい」
『すごくおいしい。水にオレンジを混ぜただけじゃあこうはならないだろう』
「ああ。魔法を使っている」
「魔法か。ヴァンピールだものな。使えて当たり前か」
ちなみに、京楽は魔法は使えない。
だから、剣術と銃の腕に特化していた。
ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽は、一晩だけ泊まって帰っていった。
館に、訪問者がいた。
京楽がしっぽりしようと、風呂からあがったところで遭遇した。
「ぎゃあああああ、裸みられたああ!花嫁になってるけど、もう花嫁にいけない!」
「ぐおおお、汚いものをみたあああ」
やってきたのは、昨日の昼に倒したヴァンパイア、アイゼアの兄だった。
「どうした!?ぎゃあああ、なぜ京楽はフルチンなんだ!せめて股間は隠せ!」
「恥ずかしいから、顔隠すね」
「股間を隠せーーー!!」
仕方ないので、浮竹がバスタオルを京楽の腰にまきつける。
「俺はアイゼアの兄のライゼア。昨日は、弟を倒してくれてありがとう。あいつは、誰かれかまわず花嫁にするから、一族が追放しようとしていたところだったんだ。手間が省けた」
「弟の敵討ちじゃ、ないんだな」
「あんな弟、血が繋がっているとも考えたくない。二つ名のも色欲だしな」
「ああああ、浮竹が浮気してる!」
「なぜそうなる!会話してるだけだ!」
「浮気者おおお。うわあああんんん」
腰のバスタオルをとって、京楽はフルチンで館を走り回り、メイドの伊勢に叱られて服を着せられていた。
「これは、一族からアイゼアにかけられていた報酬金だ。受け取ってくれ」
「分かった、もらっておこう。あの古城には、またヴァンパイアが住むのか?」
「俺たちの一族の一部が住む予定だ。人間とは共存協定を結んでいるから、心配はない」
共存協定。人とヴァンパイアが、互いに争いあわずに手を取り合って暮らしていく協定であった。
「浮竹、しっぽりしよ!」
「ああ、なんかすまないな。俺はこれで帰る。しっぽりでもなんでもしてくれ」
ライゼアは、金を渡して消えてしまった。
「浮竹、しっぽり!」
「だアホ!」
「おぶ!」
鳩尾を殴られて、京楽は涙をためる。
「しっぽり、するまで、粘るんだから、ね!」
「本当に仕方のないやつだ。しっぽりを許してやろう」
「やったああああ」
その晩、京楽は久しぶりに浮竹と甘い夜を過ごした。
「ソアラ・シュタットフェルト・ブラッディ。悪魔王ディアブロのレイモンド・シュタットフェルト・ブラッディの一人息子にして、三人のヴァンパイアマスターの後から追加された、血の帝国ブラッディアの皇位継承者」
くすくすと、その人影は笑う。
「今は、浮竹十四郎。花嫁は、あの夜叉の京楽」
その人影は、ゆっくりと闇に溶けていくのであった。
通称悪魔王ディアブロのレイモンド。
それが、ソアラ・シュタットフェルト・ブラッディという名ももつ、浮竹の父である、ヴァンパイアマスターの名であった。
甘い蜂蜜のように優しく、時には氷の刃のように冷たく。
父親としては、育児をメイドに任せきりにさせていたのでだめだったのかもしれない。だが、師として見るなら、超一流であった。
浮竹は剣術や体術、それに使役魔・・・・精霊使いとしての訓練も、父から受けた。
父は、魔法が使えて、それは浮竹も同じだった。
魔法が使えるものは限られている。
昔には、古代魔法文明があり、人類の全てが魔法を使えたとされているが、今の人間は全体の5%程度しか魔法が使えなかった。
なので、魔法の才能がある者は出世を約束されたようなものだ。魔法を使える者は王立の学園に入ることができる。魔法の才能の高い者は宮廷魔法士になれたりした。少しの火の魔法しか使えないような者でも、一応魔法が使えるので魔法に関係ある職につけた。
ヴァンパイアやヴァンピール、ドラゴンなどはほとんどが魔法を使えた。
ヴァンパイアは、花嫁にしたい者が意にそぐわないとき、チャームの魔法を使ったりして無理やり花嫁にする時がある。
まぁ、そんな風に花嫁にされた者は、人形のように生きるか死を選ぶかの二択だった。
それはさておき。
ヴァンパイアのアイゼアなる者を倒して、気絶したドラゴンサモナーの浮竹は、パートナードラゴンの京楽が見ている中、ゲストルームで眠っていた。
『ねぇ、神父のボクを放置して帰ったけど、よかったの?』
「あの場には、フェンリルを残らせた。フェンリルに乗ってそのうち帰ってくるだろうさ」
「はい、その通りです!帰ってきたよ!」
「はや!!!」
むちゅーとたこのように吸い付いてこようとする京楽を、浮竹はハリセンではたく。
「しっぽり!今すぐしっぽりしよう!」
「却下。ドラゴンサモナーの俺の意識が戻り、彼らが館から出るまではしっぽりしない」
「二人とも、今すぐ帰って?」
『いや、浮竹が目覚めてないんだけど』
『う・・・・・』
そこで、ドラゴンサモナーの浮竹が目を覚ました。
『よかった、浮竹、大丈夫?』
ちびドラゴンの体であるパートナードラゴンの京楽を見てから、浮竹はキッチンに行く。
『のどが、かわいた。水を・・・・・・』
「オレンジ水だ。ほのかに甘い。疲労回復の効果がある」
浮竹がキッチンから、オレンジ水の入った氷の浮かんだコップをもってくる。すると、ドラゴンサモナーの浮竹はそれを受け取って一気に飲み干して、おかわりももらった。
『ああ、生き返るようだ。ありがとう。俺は、どのくらい眠っていた?』
「4時間ってとこだね。もう外も暗いし、泊まってういけば・・・・・って、泊まられたらしっぽりできない。今すぐ出てけーーー」
そんな京楽をハリセンで黙らせて、浮竹は京楽に四人分の夕飯を作るように言って、京楽はしぶしぶそれを承諾する。
『ごめんね、食事まで世話になちゃって』
『明日には出ていくから、その後は好きにしっぽりしまくってくれ』
「しっぽりしたいのは京楽だけだ。俺は別にしたいわけじゃない」
京楽がいないので、断言する。
もしもここに京楽がいたら「酷い、ボクとのことは遊びだったのね!」とか言い出しそうだなと浮竹は思った。
「酷い、ボクとのことは遊びだったのね!浮竹のだアホおおおおおおおお」
しっぽりしたいので、冷凍食品を解凍しただけの京楽がそこにいて、わんわん泣き出すものだから、浮竹は困って京楽に明日しっぽりしていいと約束した。
「ぐひひひひ。約束しちゃった」
『計画的犯行だね』
『そうだな』
「まったく、お前は・・・・・」
浮竹は、額に手を当てて天を仰ぐ。
「じゃあ、夕飯にしよう。解凍しただけだけど、この前ボクが作ったものだから味はいいはずだよ」
メニューは、海鮮パスタとカレーであった。
『あ、このオレンジ水まだあるか?』
「気に入ったのか?俺が作ったんだが、気に入ったのなら2L入りのペットボトルのを持って帰るといい」
『すごくおいしい。水にオレンジを混ぜただけじゃあこうはならないだろう』
「ああ。魔法を使っている」
「魔法か。ヴァンピールだものな。使えて当たり前か」
ちなみに、京楽は魔法は使えない。
だから、剣術と銃の腕に特化していた。
ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽は、一晩だけ泊まって帰っていった。
館に、訪問者がいた。
京楽がしっぽりしようと、風呂からあがったところで遭遇した。
「ぎゃあああああ、裸みられたああ!花嫁になってるけど、もう花嫁にいけない!」
「ぐおおお、汚いものをみたあああ」
やってきたのは、昨日の昼に倒したヴァンパイア、アイゼアの兄だった。
「どうした!?ぎゃあああ、なぜ京楽はフルチンなんだ!せめて股間は隠せ!」
「恥ずかしいから、顔隠すね」
「股間を隠せーーー!!」
仕方ないので、浮竹がバスタオルを京楽の腰にまきつける。
「俺はアイゼアの兄のライゼア。昨日は、弟を倒してくれてありがとう。あいつは、誰かれかまわず花嫁にするから、一族が追放しようとしていたところだったんだ。手間が省けた」
「弟の敵討ちじゃ、ないんだな」
「あんな弟、血が繋がっているとも考えたくない。二つ名のも色欲だしな」
「ああああ、浮竹が浮気してる!」
「なぜそうなる!会話してるだけだ!」
「浮気者おおお。うわあああんんん」
腰のバスタオルをとって、京楽はフルチンで館を走り回り、メイドの伊勢に叱られて服を着せられていた。
「これは、一族からアイゼアにかけられていた報酬金だ。受け取ってくれ」
「分かった、もらっておこう。あの古城には、またヴァンパイアが住むのか?」
「俺たちの一族の一部が住む予定だ。人間とは共存協定を結んでいるから、心配はない」
共存協定。人とヴァンパイアが、互いに争いあわずに手を取り合って暮らしていく協定であった。
「浮竹、しっぽりしよ!」
「ああ、なんかすまないな。俺はこれで帰る。しっぽりでもなんでもしてくれ」
ライゼアは、金を渡して消えてしまった。
「浮竹、しっぽり!」
「だアホ!」
「おぶ!」
鳩尾を殴られて、京楽は涙をためる。
「しっぽり、するまで、粘るんだから、ね!」
「本当に仕方のないやつだ。しっぽりを許してやろう」
「やったああああ」
その晩、京楽は久しぶりに浮竹と甘い夜を過ごした。
「ソアラ・シュタットフェルト・ブラッディ。悪魔王ディアブロのレイモンド・シュタットフェルト・ブラッディの一人息子にして、三人のヴァンパイアマスターの後から追加された、血の帝国ブラッディアの皇位継承者」
くすくすと、その人影は笑う。
「今は、浮竹十四郎。花嫁は、あの夜叉の京楽」
その人影は、ゆっくりと闇に溶けていくのであった。
血と聖水と名において8
血の帝国、ヴァンパイアだけの楽園ブラッディアの皇帝の座が空位であった。
そこで、血の帝国の長老たちは、相談しあって三人のヴァンパイアマスターからより優れた者を選び、皇帝とすることにした。
浮竹の父、藍染惣右介 、黒崎一護の三人が、ヴァンパイアマスターであり、ブラッディア帝国の皇位継承権をもっていた。
藍染は、浮竹の父から浮竹の存在を知り、手元に欲しがっていた。
黒崎一護は、何かわからないまま巻き込まれた。絶大な力をもっているが、制御があまりできなくて暴走しがちなので、浮竹の父が、浮竹と京楽を紹介して力の制御の仕方を教えるようにと言ってきた。
その黒崎一護は、朽木ルキアに怒られていた。
朽木ルキアは、元々浮竹を育てたメイドで、浮竹の父失踪後は、浮竹の血で作りだされて管理されているが、一応一人のヴァンパイア扱いであった。
「ルキアって呼んでいいか?」
「好きにするがよい、たわけが」
「ルキア、花嫁にならないか?」
「な、まだ会ったばかりだ!なるわけがなかろう」
そうこうしている間に、浮竹と京楽が帰ってくる。
「浮竹殿、怪しい黒崎一護となるの人物がきています」
浮竹rは、ルキアの頭を撫でた。
「留守番ご苦労さま。一護くんは客人だ」
「そうなのですか」
「あ、浮竹さんと京楽さんか?力の制御の仕方教えてくれるっていう」
「ああ、そうだ。俺の父の紹介では断れないしな」
「居候がいると、しっぽりできない。いや、結界をはってしっぽり・・・・・:」
「だアホが!」
浮竹は、ハリセンで京楽をしばいた。
「はは。にぎやかですね。あのヴァンパイアマスターの息子って聞いてたから、もっと堅物イメージしてました」
「父は元気にしていたか?」
「元気すぎてハンター倒しまくってましたよ。殺してはいなかったけど」
「父らしいな。余計な殺生は好まない。明日から、びしばし鍛えていくからそのつもりで、今日は長旅で疲れただろう。ゆっくり休んでくれ」
「ルキア、話し相手になってくれ」
「ルキアを気に入ったのか?花嫁にしてもいいいぞ」
「浮竹殿!」
ルキアは、顔を赤くして叫ぶ。
「私には、浮竹殿を世話する責任があります」
「いや、俺は別にいいぞ。自分のことは自分でできるしな」
「か、解雇ですか?」
「いや、そうじゃない。幸せを見つけてほしいだけだ」
浮竹は。またルキアの頭を撫でた。
「黒崎一護、時間をやる。私が花嫁になってもいいという力をもっていたら、花嫁になってやろう」
「まじか。がんばるぞ!」
次の日から、一護の特訓が始まった。
まずは魔力をコントロールするために、精神集中からはじめる。
「足痛くなってきた」
「少し休憩しようか。10分だけ」
「うげー。座禅で5時間もなんてきつい」
「文句を言うな。ルキアを花嫁にしたいんだろう、力の制御くらいできないでどうする」
精神集中が終わると、京楽との実戦がまっていた。
「わぁ、京楽さん強すぎじゃね?」
「まぁ、一応S級ハンターだしね?」
京楽は加減しなはら、一護を攻撃する。一護はめきめきと力をつけて、はじめは敗戦一方だったが、勝利するようになってきた。
「うん、その調子。汗かいたでしょ、はいハンカチ」
京楽が渡したのは、間違って浮竹のパンツだった。
「パンツなんすけど」
「ああ、ボクのコレクションが。これは失礼。ハンカチはこっちだよ」
それも、浮竹のパンツだった。
「浮竹さん、京楽さんって・・・・・・」
「何も言うな。分かってる」
そうして、その日の修業は終わった。
一護は時間をみつけると、ルキアを口説いた。ルキアもまんざらではなさそうで、いずれ花嫁にいってしまうだろう。
家事全般は京楽ができるので、特に問題はなかった。
月1で他のメイドを雇うし。
「今日の修業をはじめるぞ。この岩を、素手でくだくのが最終目標だ」
「それくらい、できますよ?手に魔力まとって・・・・・・」
一護は、簡単に岩を砕いてしまった。
「む、やるな」
「浮竹さんの教え方がいいからっす」
「じゃあ、京楽と俺とで実践訓練をしよう」
「げ、二人も相手!?京楽さんだけでも厄介なのに」
「文句を言うな。強くなりたいんだろう?力の制御はもう大分できるようになってるみたいだし」
一護が館にきてから一か月が経とうとしていた。
「本気でこい。こちらも本気でいく」
浮竹は持っているすべての精霊を召喚する。その数の多さに、一護はあっけなく負けてしまう。
「使役魔全部召喚とかチートっすよ!」
「むう。じゃあ、フェンリルとフェニックスだけにしておく」
「ボクの存在も忘れないでね!」
京楽は、聖剣で一護に切りかかる。
一護はそれを余裕でよけて、鬼火を作り出すと京楽に向かってなげた。
一護は魔法が使えた。魔法の使える者は少ない。
浮竹の父も魔法を使えた。浮竹の精霊使いも、分類すれば魔法に入る。
「行くぞ!」
「行くよ!」
修業して1か月。黒崎一護は、二人に勝てるようになっていた。
「じゃあ、卒業を祝って乾杯」
「乾杯」
「いいんすか。こんなごちそう・・・・・・」
「今日は一護君の卒業の日だから、好きなだけ飲んで食べてくれ」
その場には、ルキアもいた。
ルキアは一護の花嫁になる決意をした。それを浮竹に伝えると、浮竹はとても喜んだ。
「ルキアのこと、頼む。幸せにしてやってくれ。マスター権限は、一護くんに譲っておいた」
ルキアは血でできたヴァンパイアだ。マスターがいないと存在できない。
今は、一護の血で体を作っていた。
「浮竹、今日こそしっぽり」
「しない。一護くんが出立したら、しっぽりしてもいい」
「え、まじで。一護くん、早くいなくなって」
一護は苦笑する。
その日は卒業を祝ってパーティーをして、次の日に一護はルキアを花嫁にして契り、一緒に血の帝国ブラッディアに旅立っていった。
「ルキアちゃんがいなくなると、寂しくなるねぇ」
「血液で他のメイドを作ろう」
浮竹は、自分の血からメイドを作り出す。
「お呼びでしょうか、ご主人様」
「浮竹でいい。こっちは京楽」
「では、浮竹様と京楽様とお呼びいたします」
「お前の名は、伊勢七緒。母様のメイドをしていた頃のメイドだった。覚えているか?」
「はい。聖女のお方ですね」
「一からメイドを作るのは苦労するからな」
京楽が残念がる。
「くすん。浮竹と二人暮らしのしっぽり計画が」
「お前は、いい加減しっぽりから離れろ」
「うん、無理」
にこやかに断言する京楽を、浮竹はハリセンでなぐりまくるのであった。
そこで、血の帝国の長老たちは、相談しあって三人のヴァンパイアマスターからより優れた者を選び、皇帝とすることにした。
浮竹の父、藍染惣右介 、黒崎一護の三人が、ヴァンパイアマスターであり、ブラッディア帝国の皇位継承権をもっていた。
藍染は、浮竹の父から浮竹の存在を知り、手元に欲しがっていた。
黒崎一護は、何かわからないまま巻き込まれた。絶大な力をもっているが、制御があまりできなくて暴走しがちなので、浮竹の父が、浮竹と京楽を紹介して力の制御の仕方を教えるようにと言ってきた。
その黒崎一護は、朽木ルキアに怒られていた。
朽木ルキアは、元々浮竹を育てたメイドで、浮竹の父失踪後は、浮竹の血で作りだされて管理されているが、一応一人のヴァンパイア扱いであった。
「ルキアって呼んでいいか?」
「好きにするがよい、たわけが」
「ルキア、花嫁にならないか?」
「な、まだ会ったばかりだ!なるわけがなかろう」
そうこうしている間に、浮竹と京楽が帰ってくる。
「浮竹殿、怪しい黒崎一護となるの人物がきています」
浮竹rは、ルキアの頭を撫でた。
「留守番ご苦労さま。一護くんは客人だ」
「そうなのですか」
「あ、浮竹さんと京楽さんか?力の制御の仕方教えてくれるっていう」
「ああ、そうだ。俺の父の紹介では断れないしな」
「居候がいると、しっぽりできない。いや、結界をはってしっぽり・・・・・:」
「だアホが!」
浮竹は、ハリセンで京楽をしばいた。
「はは。にぎやかですね。あのヴァンパイアマスターの息子って聞いてたから、もっと堅物イメージしてました」
「父は元気にしていたか?」
「元気すぎてハンター倒しまくってましたよ。殺してはいなかったけど」
「父らしいな。余計な殺生は好まない。明日から、びしばし鍛えていくからそのつもりで、今日は長旅で疲れただろう。ゆっくり休んでくれ」
「ルキア、話し相手になってくれ」
「ルキアを気に入ったのか?花嫁にしてもいいいぞ」
「浮竹殿!」
ルキアは、顔を赤くして叫ぶ。
「私には、浮竹殿を世話する責任があります」
「いや、俺は別にいいぞ。自分のことは自分でできるしな」
「か、解雇ですか?」
「いや、そうじゃない。幸せを見つけてほしいだけだ」
浮竹は。またルキアの頭を撫でた。
「黒崎一護、時間をやる。私が花嫁になってもいいという力をもっていたら、花嫁になってやろう」
「まじか。がんばるぞ!」
次の日から、一護の特訓が始まった。
まずは魔力をコントロールするために、精神集中からはじめる。
「足痛くなってきた」
「少し休憩しようか。10分だけ」
「うげー。座禅で5時間もなんてきつい」
「文句を言うな。ルキアを花嫁にしたいんだろう、力の制御くらいできないでどうする」
精神集中が終わると、京楽との実戦がまっていた。
「わぁ、京楽さん強すぎじゃね?」
「まぁ、一応S級ハンターだしね?」
京楽は加減しなはら、一護を攻撃する。一護はめきめきと力をつけて、はじめは敗戦一方だったが、勝利するようになってきた。
「うん、その調子。汗かいたでしょ、はいハンカチ」
京楽が渡したのは、間違って浮竹のパンツだった。
「パンツなんすけど」
「ああ、ボクのコレクションが。これは失礼。ハンカチはこっちだよ」
それも、浮竹のパンツだった。
「浮竹さん、京楽さんって・・・・・・」
「何も言うな。分かってる」
そうして、その日の修業は終わった。
一護は時間をみつけると、ルキアを口説いた。ルキアもまんざらではなさそうで、いずれ花嫁にいってしまうだろう。
家事全般は京楽ができるので、特に問題はなかった。
月1で他のメイドを雇うし。
「今日の修業をはじめるぞ。この岩を、素手でくだくのが最終目標だ」
「それくらい、できますよ?手に魔力まとって・・・・・・」
一護は、簡単に岩を砕いてしまった。
「む、やるな」
「浮竹さんの教え方がいいからっす」
「じゃあ、京楽と俺とで実践訓練をしよう」
「げ、二人も相手!?京楽さんだけでも厄介なのに」
「文句を言うな。強くなりたいんだろう?力の制御はもう大分できるようになってるみたいだし」
一護が館にきてから一か月が経とうとしていた。
「本気でこい。こちらも本気でいく」
浮竹は持っているすべての精霊を召喚する。その数の多さに、一護はあっけなく負けてしまう。
「使役魔全部召喚とかチートっすよ!」
「むう。じゃあ、フェンリルとフェニックスだけにしておく」
「ボクの存在も忘れないでね!」
京楽は、聖剣で一護に切りかかる。
一護はそれを余裕でよけて、鬼火を作り出すと京楽に向かってなげた。
一護は魔法が使えた。魔法の使える者は少ない。
浮竹の父も魔法を使えた。浮竹の精霊使いも、分類すれば魔法に入る。
「行くぞ!」
「行くよ!」
修業して1か月。黒崎一護は、二人に勝てるようになっていた。
「じゃあ、卒業を祝って乾杯」
「乾杯」
「いいんすか。こんなごちそう・・・・・・」
「今日は一護君の卒業の日だから、好きなだけ飲んで食べてくれ」
その場には、ルキアもいた。
ルキアは一護の花嫁になる決意をした。それを浮竹に伝えると、浮竹はとても喜んだ。
「ルキアのこと、頼む。幸せにしてやってくれ。マスター権限は、一護くんに譲っておいた」
ルキアは血でできたヴァンパイアだ。マスターがいないと存在できない。
今は、一護の血で体を作っていた。
「浮竹、今日こそしっぽり」
「しない。一護くんが出立したら、しっぽりしてもいい」
「え、まじで。一護くん、早くいなくなって」
一護は苦笑する。
その日は卒業を祝ってパーティーをして、次の日に一護はルキアを花嫁にして契り、一緒に血の帝国ブラッディアに旅立っていった。
「ルキアちゃんがいなくなると、寂しくなるねぇ」
「血液で他のメイドを作ろう」
浮竹は、自分の血からメイドを作り出す。
「お呼びでしょうか、ご主人様」
「浮竹でいい。こっちは京楽」
「では、浮竹様と京楽様とお呼びいたします」
「お前の名は、伊勢七緒。母様のメイドをしていた頃のメイドだった。覚えているか?」
「はい。聖女のお方ですね」
「一からメイドを作るのは苦労するからな」
京楽が残念がる。
「くすん。浮竹と二人暮らしのしっぽり計画が」
「お前は、いい加減しっぽりから離れろ」
「うん、無理」
にこやかに断言する京楽を、浮竹はハリセンでなぐりまくるのであった。
血と聖水と名において7
「いやだ、母様おいていかないで!」
「ごめんなさいソアラ。あなたを置いていってしまう私を許して」
「いやだ!母様がいなくなったら、父様は俺を見てくれない!偉大なるヴァンパイアマスターの子でありながら、なんの能力をもたない俺を見てくれない!」
ソアラは、泣き叫んだ。
「ソアラ、強くなりなさい。ヴァンパイアハンターになりなさい。父様に殺されないように」
「父様が俺を殺す?」
「そう、前に言っていたの。お前はなんの能力ももたないできそこないだから、殺して新しい子をもうけて、ヴァンピールでありながらヴァンパイアマスターほどの力のある子を作ろうと」
「父様酷い」
ソアラは泣きじゃくった。
「聖女でありながら、ヴァンパイアマスターの花嫁となった報いね。不老だけど、不死ではないから。ソアラ、愛しているわ。あなたも、世界でこの人だけは愛しているという人を見つけて、花嫁にしなさい。ソアラ、愛しているわ」
そういって、ソアラの母である聖女は死んだ。
「母様!いやだああああああ!!!」
「母様!」
浮竹は、はっとなっておきた。
「夢・・・・また、懐かしくも忌まわしい夢を見たな」
ソアラとは浮竹の本名だ。
浮竹十四郎とは、ヴァンパイアハンターをしだした頃に名乗りだした。15で花嫁である京楽を迎えた。
父であるヴァンパイアマスターは、母である聖女が死ぬ13の頃まで優しかったり冷たかったり、忌まわし気に扱われたり、愛されたり、どちらが真実なのかわからぬ愛し方をしてきた。
15で京楽が父を葬りにきて、浮竹に一目ぼれして、面白いと父は花嫁にすることを半ば強制した。
だが、はじめてできた人間の友達であり、恋人でもあった京楽を花嫁にするのはいやではなかた。
「ソアラ・シュタットフェルト・ブラッディ」
それが、浮竹の本当の名前。
京楽も知らない、浮竹の本名。
ヴァンパイアマスターである父は、育児はメイドに任せきりで、病弱であった聖女の母をいつも心配していた。
失い、きつくあたられた時もあったが、決して憎まれて殺されそうなときはなかった。
処分されるかもと思った時はあったが、父は処分はしなかった。15で精霊使いの能力を発揮した浮竹を、父はかわいがったが、突然失踪した。
残された浮竹は、母の言っていた通りに狩られないようにヴァンパイアハンターとなり、同胞を殺して水銀の浮竹と恐れられた。
父であるヴァンパイアマスターも、血に水銀を含んでいた。確かに親子だった。
父を退治しにきた、若い京楽は、浮竹に一目ぼれした。
お互い思いを寄せ合って、京楽を花嫁として迎え、ある程度の年齢まで成長させて体の年齢を止めた。
「浮竹、ごはんできたよ」
「ああ、今行く」
ソアラは死んだ。
15の時に。
浮竹十四郎という、父から新たにもらった名で通している。京楽でさえ、浮竹の本名は知らない。
ふと、窓辺にフクロウが止まっていた。
窓を開くと、人の声を発する。
「ソアラ、お帰り。ヴァンパイアマスターは世界に三人いる。私は藍染という。ソアラの力がほしい。花嫁にならないか」
「ごめんこうむる」
浮竹は、フクロウを呼び出したウンディーネで水をかけて、追い払う。
「浮竹、まだ起きないのー?ボクが全部食べちゃうよー。浮竹も食べちゃうよー」
「このだアホが!」
何気ない顔で、京楽の元にいく。
水面下で、三人のヴァンパイアマスターは血jの帝国、ヴァンパイアだけの楽園ブラッディアを自分のものにしようと動き出していた。
浮竹の父であるヴァンパイアマスターも、きっと狙っている。
「今日はいい天気だし、休みにしよう。一緒に買い物でもいくか」
「え、一緒にっしっぽり?」
「だアホ!」
浮竹にハリセンではたかれまくられて、京楽は涙を浮かべる。
「酷い!花嫁なのに」
「本当に、俺は何を考えてこんなもじゃひげを花嫁ににしたんだろうな?花嫁にした頃はこんなにもじゃもじゃじゃなかったのに」
「うふふ、これもボクの魅力の一つだよ」
「全身の毛を剃ってやろうか!」
「いやん、下の毛も?」
「だアホ!」
ハリセンでこれでもかというほどなぐると、気分がすっきりした。
「なんか、疲れてるっぽいから、ジャスミンティーにしておいたよ」
「お、俺はそんな心使いされてもうれしいなんて思っていないんだからな!」
「うーん、たまに出るツンデレがかわういい」
「かわいいとかいうな、だアホ!」
京楽は、朝食を浮竹ととって、洗濯機を回して洗濯をし終えると、町に買い出しに出かけた。
「あ、ドラゴンサモナー様だ!」
「いや、違うから」
「パートナードラゴンは、人型になれるんですか?」
「だから、人違い!俺は水銀の浮竹。同胞を狩るヴァンピールだ」
「ああ、あの例のヴァンピール・・・・・・」
「ドラゴンサモナーの浮竹様に退治してもらいたいわ」
人は、違う種族を前にすると、時折軽蔑する。
「ちょっと、ボクの浮竹を蔑ろにするなら、ボクが許さないんだからね」
浮竹の代わりに、京楽が怒りだす。
「こわいこわい。A級ヴァンパイアハンターといっても、しょせんはヴァンピール。いつ、人を襲うか分かったもんじゃない」
ドラゴンサモナーだと集まっていた人たちは、口々に怖いだの恐ろしいだの言って、去っていく。
「全く、人間は自分勝手な生き物だね」
「お前も、一応人間だろう」
「ああ、そういえばそうだったね。気にせず、買い物続けよう」
「俺は、外套を着ておく」
「うん。仕方ないね」
そこへ、ふくろうが一羽飛んでくる。
「ソアラ、ヴァンパイアマスターの黒崎一護と接触せよ。これは父の命令だ」
「父様?」
「大きくなったな。今は浮竹十四郎だったな。父は、いつも遠くからお前を見守っていた。ヴァンパイアハンターA級昇格おめでとう」
「父様、会いたい!どこにいるんだ!」
「私はわけあって、まだお前と直接会うことはできない。黒崎一護が、もうすぐやってくるはずだ。ヴァンパイアマスターだが、若すぎて力の制御の仕方をあまり知らない。教えてやれ」
「父様!」
「またな、十四郎」
「黒崎一護・・・・・ヴァンパイアマスター」
「なんか、義父の言う通りだと、きなくさいことになってきたね」
「ああ。食料を買い込んだら、館に戻ろう」
「えーとこの辺に浮竹さんと京楽さんが住む大きな洋館が・・・・あった、あれかな?」
黒崎一護は、無人というか浮竹のメイドしかいない館に入っていく。
「すんませーん。あれ、留守かな?」
「侵入者発見。駆除します」
「わあああああ!!!」
メイドの名前は、朽木ルキア。
浮竹が自分の館を競り落としたときに、朽木白哉が気に言って、義妹にしたメイドだった。
意思をちゃんともち、食べるし寝るし、メイドとして家事は完璧にこなすし、何より美少女だった。胸は小さいが。
「胸がでかくない・・・・俺のタイプかも」
黒崎一護は、貧乳好きであった。
「ごめんなさいソアラ。あなたを置いていってしまう私を許して」
「いやだ!母様がいなくなったら、父様は俺を見てくれない!偉大なるヴァンパイアマスターの子でありながら、なんの能力をもたない俺を見てくれない!」
ソアラは、泣き叫んだ。
「ソアラ、強くなりなさい。ヴァンパイアハンターになりなさい。父様に殺されないように」
「父様が俺を殺す?」
「そう、前に言っていたの。お前はなんの能力ももたないできそこないだから、殺して新しい子をもうけて、ヴァンピールでありながらヴァンパイアマスターほどの力のある子を作ろうと」
「父様酷い」
ソアラは泣きじゃくった。
「聖女でありながら、ヴァンパイアマスターの花嫁となった報いね。不老だけど、不死ではないから。ソアラ、愛しているわ。あなたも、世界でこの人だけは愛しているという人を見つけて、花嫁にしなさい。ソアラ、愛しているわ」
そういって、ソアラの母である聖女は死んだ。
「母様!いやだああああああ!!!」
「母様!」
浮竹は、はっとなっておきた。
「夢・・・・また、懐かしくも忌まわしい夢を見たな」
ソアラとは浮竹の本名だ。
浮竹十四郎とは、ヴァンパイアハンターをしだした頃に名乗りだした。15で花嫁である京楽を迎えた。
父であるヴァンパイアマスターは、母である聖女が死ぬ13の頃まで優しかったり冷たかったり、忌まわし気に扱われたり、愛されたり、どちらが真実なのかわからぬ愛し方をしてきた。
15で京楽が父を葬りにきて、浮竹に一目ぼれして、面白いと父は花嫁にすることを半ば強制した。
だが、はじめてできた人間の友達であり、恋人でもあった京楽を花嫁にするのはいやではなかた。
「ソアラ・シュタットフェルト・ブラッディ」
それが、浮竹の本当の名前。
京楽も知らない、浮竹の本名。
ヴァンパイアマスターである父は、育児はメイドに任せきりで、病弱であった聖女の母をいつも心配していた。
失い、きつくあたられた時もあったが、決して憎まれて殺されそうなときはなかった。
処分されるかもと思った時はあったが、父は処分はしなかった。15で精霊使いの能力を発揮した浮竹を、父はかわいがったが、突然失踪した。
残された浮竹は、母の言っていた通りに狩られないようにヴァンパイアハンターとなり、同胞を殺して水銀の浮竹と恐れられた。
父であるヴァンパイアマスターも、血に水銀を含んでいた。確かに親子だった。
父を退治しにきた、若い京楽は、浮竹に一目ぼれした。
お互い思いを寄せ合って、京楽を花嫁として迎え、ある程度の年齢まで成長させて体の年齢を止めた。
「浮竹、ごはんできたよ」
「ああ、今行く」
ソアラは死んだ。
15の時に。
浮竹十四郎という、父から新たにもらった名で通している。京楽でさえ、浮竹の本名は知らない。
ふと、窓辺にフクロウが止まっていた。
窓を開くと、人の声を発する。
「ソアラ、お帰り。ヴァンパイアマスターは世界に三人いる。私は藍染という。ソアラの力がほしい。花嫁にならないか」
「ごめんこうむる」
浮竹は、フクロウを呼び出したウンディーネで水をかけて、追い払う。
「浮竹、まだ起きないのー?ボクが全部食べちゃうよー。浮竹も食べちゃうよー」
「このだアホが!」
何気ない顔で、京楽の元にいく。
水面下で、三人のヴァンパイアマスターは血jの帝国、ヴァンパイアだけの楽園ブラッディアを自分のものにしようと動き出していた。
浮竹の父であるヴァンパイアマスターも、きっと狙っている。
「今日はいい天気だし、休みにしよう。一緒に買い物でもいくか」
「え、一緒にっしっぽり?」
「だアホ!」
浮竹にハリセンではたかれまくられて、京楽は涙を浮かべる。
「酷い!花嫁なのに」
「本当に、俺は何を考えてこんなもじゃひげを花嫁ににしたんだろうな?花嫁にした頃はこんなにもじゃもじゃじゃなかったのに」
「うふふ、これもボクの魅力の一つだよ」
「全身の毛を剃ってやろうか!」
「いやん、下の毛も?」
「だアホ!」
ハリセンでこれでもかというほどなぐると、気分がすっきりした。
「なんか、疲れてるっぽいから、ジャスミンティーにしておいたよ」
「お、俺はそんな心使いされてもうれしいなんて思っていないんだからな!」
「うーん、たまに出るツンデレがかわういい」
「かわいいとかいうな、だアホ!」
京楽は、朝食を浮竹ととって、洗濯機を回して洗濯をし終えると、町に買い出しに出かけた。
「あ、ドラゴンサモナー様だ!」
「いや、違うから」
「パートナードラゴンは、人型になれるんですか?」
「だから、人違い!俺は水銀の浮竹。同胞を狩るヴァンピールだ」
「ああ、あの例のヴァンピール・・・・・・」
「ドラゴンサモナーの浮竹様に退治してもらいたいわ」
人は、違う種族を前にすると、時折軽蔑する。
「ちょっと、ボクの浮竹を蔑ろにするなら、ボクが許さないんだからね」
浮竹の代わりに、京楽が怒りだす。
「こわいこわい。A級ヴァンパイアハンターといっても、しょせんはヴァンピール。いつ、人を襲うか分かったもんじゃない」
ドラゴンサモナーだと集まっていた人たちは、口々に怖いだの恐ろしいだの言って、去っていく。
「全く、人間は自分勝手な生き物だね」
「お前も、一応人間だろう」
「ああ、そういえばそうだったね。気にせず、買い物続けよう」
「俺は、外套を着ておく」
「うん。仕方ないね」
そこへ、ふくろうが一羽飛んでくる。
「ソアラ、ヴァンパイアマスターの黒崎一護と接触せよ。これは父の命令だ」
「父様?」
「大きくなったな。今は浮竹十四郎だったな。父は、いつも遠くからお前を見守っていた。ヴァンパイアハンターA級昇格おめでとう」
「父様、会いたい!どこにいるんだ!」
「私はわけあって、まだお前と直接会うことはできない。黒崎一護が、もうすぐやってくるはずだ。ヴァンパイアマスターだが、若すぎて力の制御の仕方をあまり知らない。教えてやれ」
「父様!」
「またな、十四郎」
「黒崎一護・・・・・ヴァンパイアマスター」
「なんか、義父の言う通りだと、きなくさいことになってきたね」
「ああ。食料を買い込んだら、館に戻ろう」
「えーとこの辺に浮竹さんと京楽さんが住む大きな洋館が・・・・あった、あれかな?」
黒崎一護は、無人というか浮竹のメイドしかいない館に入っていく。
「すんませーん。あれ、留守かな?」
「侵入者発見。駆除します」
「わあああああ!!!」
メイドの名前は、朽木ルキア。
浮竹が自分の館を競り落としたときに、朽木白哉が気に言って、義妹にしたメイドだった。
意思をちゃんともち、食べるし寝るし、メイドとして家事は完璧にこなすし、何より美少女だった。胸は小さいが。
「胸がでかくない・・・・俺のタイプかも」
黒崎一護は、貧乳好きであった。
血と聖水と名において6
ドラゴンサモナーの浮竹からヴァンパイアロードの灰をもらい、浮竹は京楽と共にハンターギルドに行って、事情を説明すると、手間賃として浮竹と京楽には金貨20枚、ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンに、金貨千枚が渡されることになった。
『やあ、一週間ぶりかな?』
『野宿する羽目になるので、悪いが宿を借りにきた』
ドラゴンサモナーの浮竹は、申し訳なさそうにしていた。
乱れていた衣服を直して、浮竹が対応する。
京楽としっぽりしかけていたのだ。京楽のぺースに巻きまれて、あやうくしっぽりするところだった。
「ぶーぶー。せっかくしっぽりしようと思ってたのに」
京楽が不満を露わにすると、浮竹がハリセンでその頭をはたく。ドラゴンサモナーの浮竹は赤くなり、パートナードラゴンの京楽は顔色を変えてはいなかった。
「客人の前だぞ。おとなしくしとけ」
「おとなしく浮竹にハグしとく」
「好きにしろ」
浮竹は京楽のしたいようにさせて、事情を説明して金貨千枚を渡そうとしたが、断られた。
『この館を買い取るのにお金がいるんだろう?俺たちも厄介になるし、館の負債の足しにでもしてくれ』
『そうそう、ボクらは有名人だし金には困ってないからね。むしろ金があまってて困ってる』
「二人がそう言うなら、ありがたくもらっておく」
ちなみに、京楽は抱き着いたままだ。
「ええい、うっとうしい!」
浮竹がハリセンをうならせると、京楽は涙ぐんだ。
「きゃんきゃん!動物じゃなしに恋人虐待」
「このだアホが!」
浮竹はさらにハリセンで京楽の頭を殴る。
『神父の京楽、お前、本当にSランクハンターなんだよな?』
ドラゴンサモナーの浮竹が、どうしてもS級に見えないので聞いてみた。
「ん?そうだよ。いつでも休業中だけど」
「ただの俺のひもだ」
「酷い!家事全般してるから、ヒモじゃありませーん」
「生活費は俺が出しているだろう」
「う”」
京楽は言葉に詰まった。
「このだアホが!夕飯の準備でもしてこい!お前は家事くらいしか取り柄がなんだからな」
「きゃいん!酷い!でも夕食作ってくる。4人前だから少し時間がかかるよ?」
「かまわん」
『あ、俺も手伝う』
『ボクも』
「ああ、もう好きにしてくれ」
『一泊の恩義になるしね。金は受け取ってくれなさそうだし」
ドラゴンサモナーの浮竹は、金貨をちらつかせるが、浮竹は興味を抱かなかった。
屋敷の負債の完済まで、あと少しなのだ。
元々住んでた家であるが、父であるヴァンパイアマスターが失踪したことで、悪徳業者の手にかかり、館は売られてしまった。
まだ、浮竹も若かった。人間の年で換算すと、13歳くらいだろうか。
人の言葉を素直に信じて、住んでいた館を追放された。
競売にかけられて、子供であったが、代理人をたてて競り落とした。
代理人の名は朽木白哉。浮竹と同じようん、ヴァンパイアマスターを師とあおぐカイザーヴァンパイアであった。
ヴァンパイア社会の皇族で、とにかく強い。S級ハンターを殺しはせずに倒して、森に放置したりする。
浮竹は、ハンターが嫌いではなかった。
たまにいいハンターもいて、何もしていない父や白哉、浮竹の話し相手になってくれたりした。
ハンターも、賞金がかけられない限り。。緊急の時をのぞいてヴァンパイアは殺さない。
だが、最近のハンターは見境なく殺しており、浮竹はそれが嫌だった。
「どうしたの?具合悪いの?」
「ああ、お前がしっぽりしようとしたせいで具合が悪い」
「そんな!しっぽりは楽園だよ!」
「だアホのお前にはな。ちょっと考え事をしていただけだ」
京楽は、ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽に手伝ってもらい、4人分の夕食を完成させてもってきた。
「今日はカルボナーラと、チーズハンバーグだよ。浮竹、好きでしょ?」
「ああ。いただく」
ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽は、少し手伝いをしただけなので、味は京楽が調整した。
『なにこれめっちゃうまいんだが』
『おいしすぎる・・・・・』
感動する二人に、浮竹は苦笑する。
「このだアホを、花嫁にもらっていいかなと思ったきっかけが、食事だ」
「ええ、愛じゃないの!?」
「あ、愛はないこともないんだからな!」
『『ツンデレだ』』
夕飯をごちそうになり、湯あみもすませて就寝することにした。
「ねぇ、浮竹、しっぽり・・・・」
「お前の頭にはそれしかないのか。客人がきているんだぞ。しっぽりなんかするか!キスで我慢しとけ」
居楽のキスは深くねちっこかった。
「いい加減にしろ!」
ハリセンで頭をはたいた。
次の日になり、ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽は旅の続きをと去ってしまった。
「さて、俺たちもハンターギルドにいくぞ」
「この前仕事したばかりじゃない」
「次の仕事あたりで、館の負債を完済できそうなんだ」
「それなら、仕事に行かないとね。久しぶりにボクもまじめにハンター稼業するかな」
ヴァンピールが、ヴァンバイアハンターをするなど、過去に例がなかった。はじめは血を吸いにきたのか、復讐にきたのかと勘違いされて駆除されそうになったが、当時から使役魔がいたのでなんとかなった。
「お、浮竹と京楽じゃないか。いいところにきたな。ヴァンパイアキングの退治依頼が出ている。A級以上のハンターじゃないと受注できない。すでに6人がやられている。まぁ、忠告を無視して狩りにいった新米ばかりだがな」
「それでも、新米でも経験をつんでいけばいずれA級S級になる。新米を失いのは痛い」
「そうなんだ。だから、S級の京楽に頼みたかったんだ」
「えーボクー?どうしようかなぁ」
「引き受けて倒した夜なら、しっぽりにつきあってやるぞ」
浮竹は京楽に耳打ちする。
「うん、引き受ける。マジで本気だす。しっぽりだー、わーい」
浮竹は赤くなって、京楽はハリセンで殴り倒す。
「公衆の面前でいうな!」
「ぐふっふふ、しっぽり・・・・今から退治いこう」
「まだ準備が済んでないぞ」
「君の銀の銃と短剣はもってきているよ」
「抜け目のないやつめ」
フェンリルを呼び出し。3メートルのサイズになってもらうと、その背中に乗ってヴァンパイアキングの出るダンジョンに向かった。
普通はダンジョンで発生したモンスターは冒険者が倒すのだが、ヴァンパイアキングは外からダンジョンにきて居座り、冒険者を襲っているらしい。
「ついたぞ」
フェンリルに乗って走ること5時間。
すでに辺りは暗く、転移魔法陣で一度ウィキティの自宅に戻って一夜をあかすと、朝は活動のにぶいヴァンぽイアを駆除するために、ダンジョンにもぐる。
ゴブリンやらオークやら、どうでもいいモンスターは召喚したフェニックスの炎で焼いて、魔石だけは回収した。
金になるものは、基本拾うようにしていた。
「くくく、愚かな冒険者ども、きたな。ヴァンパイアキングであるこの私が血を吸ってやろう・・・て、浮竹?」
「お、伯父さん?」
「え、血縁者なの?」
「伯父さん、こんなところで何をしているんだ。懸賞金がかけられている。悪いが、討伐させてもらうぞ」
浮竹の叔父が、ヴァンパイアキングだった。もう冒険者を含めると20人以上は殺している。
「伯父さんは、逃げます。しばらく人は襲いません」
「どうする、京楽」
「いや、伯父でも人を殺してる。駆除する」
「そんな、浮竹、見逃してよ」
「無理だ、伯父さん」
「じゃあ、久しぶりに働きますか!」
そういった瞬間、浮竹の叔父である強力なヴァンパイアキングは、首と銅が切り離されていた。
「ぐがががが、何をした!?」
「ちょっと、聖銀でできた聖剣をふるっただけだよ」
「すごい・・・・動きが見えなかった」
「えへへ、浮竹ボクに惚れ直した?しっぽり・・・おぶ」
顔面にハリセンをくらい、京楽は蹲る。
「伯父さん、悪いが死んでくれ。出でよ、カイザーフェニックス」
「きゅああああああ!!我にようか、ヴァンピールの気高き子よ」
「ここヴァンぽイアを、灰になるまで焼き尽くしてくれ」
「ちょ、待ってくれ!私はお前の本当の叔父だぞ!?」
「だから、余計に許すわけにはいかない。俺は同胞殺しの水銀の浮竹」
「ぎゃあああああああ」
ヴァンぽイアキングは、炎の高位精霊に焼かれ、灰となった。
「浮竹、大丈夫?」
「少し疲れた。高位精霊も呼び出したしな」
カイザーフェニックスは、すでに精霊界に帰ってしまっていた。
「あの優しかった伯父さんが、こんなことになるなんて」
「悲しいよね?これで波をふいで」
京楽は、白い布をさしだす。
「ってこれ、俺のパンツじゃないか!このだアホの変態があああ!出でよ、エターナルフェニックス!」
炎の最高位精霊に燃やされて、京楽は髪がアフロになった。
手加減はしているし、京楽は耐性が強いので、魔法攻撃に分類される精霊の力など、大したケガをさせられる相手ではない。
「帰ってのしっぽりは?」
「無論、なしだ。さらに2週間の禁欲を言い渡す」
「そんなぁ」
京楽の間抜けな声をききながら、スクロールで浮竹と京楽はダンジョンの外に出て、ウィキティの町に転移魔法陣で帰還して、ハンターギルドに行って、灰を提出する。
「今回は、俺の実の叔父だった。ヴァンパイアマスターのにおいがほのかにした気がする。父上が、動いているかもしれない」
「簡便してくれ。ヴァンパイアマスターだぞ?S級ハンターが束になっても勝てやしない。いや、京楽ならあるいは・・・・・・」
「父の件は、俺に任せてくれないか。あの人は人を襲うヴァンパイアじゃない」
「まあ、浮竹がそう言うなら、任せよう」
「しっぽりは~~~?」
「しつこい!」
「あべし!」
また顔面にハリセンを受けて、痛みで京楽は転がってじたばたするのであった。
『やあ、一週間ぶりかな?』
『野宿する羽目になるので、悪いが宿を借りにきた』
ドラゴンサモナーの浮竹は、申し訳なさそうにしていた。
乱れていた衣服を直して、浮竹が対応する。
京楽としっぽりしかけていたのだ。京楽のぺースに巻きまれて、あやうくしっぽりするところだった。
「ぶーぶー。せっかくしっぽりしようと思ってたのに」
京楽が不満を露わにすると、浮竹がハリセンでその頭をはたく。ドラゴンサモナーの浮竹は赤くなり、パートナードラゴンの京楽は顔色を変えてはいなかった。
「客人の前だぞ。おとなしくしとけ」
「おとなしく浮竹にハグしとく」
「好きにしろ」
浮竹は京楽のしたいようにさせて、事情を説明して金貨千枚を渡そうとしたが、断られた。
『この館を買い取るのにお金がいるんだろう?俺たちも厄介になるし、館の負債の足しにでもしてくれ』
『そうそう、ボクらは有名人だし金には困ってないからね。むしろ金があまってて困ってる』
「二人がそう言うなら、ありがたくもらっておく」
ちなみに、京楽は抱き着いたままだ。
「ええい、うっとうしい!」
浮竹がハリセンをうならせると、京楽は涙ぐんだ。
「きゃんきゃん!動物じゃなしに恋人虐待」
「このだアホが!」
浮竹はさらにハリセンで京楽の頭を殴る。
『神父の京楽、お前、本当にSランクハンターなんだよな?』
ドラゴンサモナーの浮竹が、どうしてもS級に見えないので聞いてみた。
「ん?そうだよ。いつでも休業中だけど」
「ただの俺のひもだ」
「酷い!家事全般してるから、ヒモじゃありませーん」
「生活費は俺が出しているだろう」
「う”」
京楽は言葉に詰まった。
「このだアホが!夕飯の準備でもしてこい!お前は家事くらいしか取り柄がなんだからな」
「きゃいん!酷い!でも夕食作ってくる。4人前だから少し時間がかかるよ?」
「かまわん」
『あ、俺も手伝う』
『ボクも』
「ああ、もう好きにしてくれ」
『一泊の恩義になるしね。金は受け取ってくれなさそうだし」
ドラゴンサモナーの浮竹は、金貨をちらつかせるが、浮竹は興味を抱かなかった。
屋敷の負債の完済まで、あと少しなのだ。
元々住んでた家であるが、父であるヴァンパイアマスターが失踪したことで、悪徳業者の手にかかり、館は売られてしまった。
まだ、浮竹も若かった。人間の年で換算すと、13歳くらいだろうか。
人の言葉を素直に信じて、住んでいた館を追放された。
競売にかけられて、子供であったが、代理人をたてて競り落とした。
代理人の名は朽木白哉。浮竹と同じようん、ヴァンパイアマスターを師とあおぐカイザーヴァンパイアであった。
ヴァンパイア社会の皇族で、とにかく強い。S級ハンターを殺しはせずに倒して、森に放置したりする。
浮竹は、ハンターが嫌いではなかった。
たまにいいハンターもいて、何もしていない父や白哉、浮竹の話し相手になってくれたりした。
ハンターも、賞金がかけられない限り。。緊急の時をのぞいてヴァンパイアは殺さない。
だが、最近のハンターは見境なく殺しており、浮竹はそれが嫌だった。
「どうしたの?具合悪いの?」
「ああ、お前がしっぽりしようとしたせいで具合が悪い」
「そんな!しっぽりは楽園だよ!」
「だアホのお前にはな。ちょっと考え事をしていただけだ」
京楽は、ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽に手伝ってもらい、4人分の夕食を完成させてもってきた。
「今日はカルボナーラと、チーズハンバーグだよ。浮竹、好きでしょ?」
「ああ。いただく」
ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽は、少し手伝いをしただけなので、味は京楽が調整した。
『なにこれめっちゃうまいんだが』
『おいしすぎる・・・・・』
感動する二人に、浮竹は苦笑する。
「このだアホを、花嫁にもらっていいかなと思ったきっかけが、食事だ」
「ええ、愛じゃないの!?」
「あ、愛はないこともないんだからな!」
『『ツンデレだ』』
夕飯をごちそうになり、湯あみもすませて就寝することにした。
「ねぇ、浮竹、しっぽり・・・・」
「お前の頭にはそれしかないのか。客人がきているんだぞ。しっぽりなんかするか!キスで我慢しとけ」
居楽のキスは深くねちっこかった。
「いい加減にしろ!」
ハリセンで頭をはたいた。
次の日になり、ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽は旅の続きをと去ってしまった。
「さて、俺たちもハンターギルドにいくぞ」
「この前仕事したばかりじゃない」
「次の仕事あたりで、館の負債を完済できそうなんだ」
「それなら、仕事に行かないとね。久しぶりにボクもまじめにハンター稼業するかな」
ヴァンピールが、ヴァンバイアハンターをするなど、過去に例がなかった。はじめは血を吸いにきたのか、復讐にきたのかと勘違いされて駆除されそうになったが、当時から使役魔がいたのでなんとかなった。
「お、浮竹と京楽じゃないか。いいところにきたな。ヴァンパイアキングの退治依頼が出ている。A級以上のハンターじゃないと受注できない。すでに6人がやられている。まぁ、忠告を無視して狩りにいった新米ばかりだがな」
「それでも、新米でも経験をつんでいけばいずれA級S級になる。新米を失いのは痛い」
「そうなんだ。だから、S級の京楽に頼みたかったんだ」
「えーボクー?どうしようかなぁ」
「引き受けて倒した夜なら、しっぽりにつきあってやるぞ」
浮竹は京楽に耳打ちする。
「うん、引き受ける。マジで本気だす。しっぽりだー、わーい」
浮竹は赤くなって、京楽はハリセンで殴り倒す。
「公衆の面前でいうな!」
「ぐふっふふ、しっぽり・・・・今から退治いこう」
「まだ準備が済んでないぞ」
「君の銀の銃と短剣はもってきているよ」
「抜け目のないやつめ」
フェンリルを呼び出し。3メートルのサイズになってもらうと、その背中に乗ってヴァンパイアキングの出るダンジョンに向かった。
普通はダンジョンで発生したモンスターは冒険者が倒すのだが、ヴァンパイアキングは外からダンジョンにきて居座り、冒険者を襲っているらしい。
「ついたぞ」
フェンリルに乗って走ること5時間。
すでに辺りは暗く、転移魔法陣で一度ウィキティの自宅に戻って一夜をあかすと、朝は活動のにぶいヴァンぽイアを駆除するために、ダンジョンにもぐる。
ゴブリンやらオークやら、どうでもいいモンスターは召喚したフェニックスの炎で焼いて、魔石だけは回収した。
金になるものは、基本拾うようにしていた。
「くくく、愚かな冒険者ども、きたな。ヴァンパイアキングであるこの私が血を吸ってやろう・・・て、浮竹?」
「お、伯父さん?」
「え、血縁者なの?」
「伯父さん、こんなところで何をしているんだ。懸賞金がかけられている。悪いが、討伐させてもらうぞ」
浮竹の叔父が、ヴァンパイアキングだった。もう冒険者を含めると20人以上は殺している。
「伯父さんは、逃げます。しばらく人は襲いません」
「どうする、京楽」
「いや、伯父でも人を殺してる。駆除する」
「そんな、浮竹、見逃してよ」
「無理だ、伯父さん」
「じゃあ、久しぶりに働きますか!」
そういった瞬間、浮竹の叔父である強力なヴァンパイアキングは、首と銅が切り離されていた。
「ぐがががが、何をした!?」
「ちょっと、聖銀でできた聖剣をふるっただけだよ」
「すごい・・・・動きが見えなかった」
「えへへ、浮竹ボクに惚れ直した?しっぽり・・・おぶ」
顔面にハリセンをくらい、京楽は蹲る。
「伯父さん、悪いが死んでくれ。出でよ、カイザーフェニックス」
「きゅああああああ!!我にようか、ヴァンピールの気高き子よ」
「ここヴァンぽイアを、灰になるまで焼き尽くしてくれ」
「ちょ、待ってくれ!私はお前の本当の叔父だぞ!?」
「だから、余計に許すわけにはいかない。俺は同胞殺しの水銀の浮竹」
「ぎゃあああああああ」
ヴァンぽイアキングは、炎の高位精霊に焼かれ、灰となった。
「浮竹、大丈夫?」
「少し疲れた。高位精霊も呼び出したしな」
カイザーフェニックスは、すでに精霊界に帰ってしまっていた。
「あの優しかった伯父さんが、こんなことになるなんて」
「悲しいよね?これで波をふいで」
京楽は、白い布をさしだす。
「ってこれ、俺のパンツじゃないか!このだアホの変態があああ!出でよ、エターナルフェニックス!」
炎の最高位精霊に燃やされて、京楽は髪がアフロになった。
手加減はしているし、京楽は耐性が強いので、魔法攻撃に分類される精霊の力など、大したケガをさせられる相手ではない。
「帰ってのしっぽりは?」
「無論、なしだ。さらに2週間の禁欲を言い渡す」
「そんなぁ」
京楽の間抜けな声をききながら、スクロールで浮竹と京楽はダンジョンの外に出て、ウィキティの町に転移魔法陣で帰還して、ハンターギルドに行って、灰を提出する。
「今回は、俺の実の叔父だった。ヴァンパイアマスターのにおいがほのかにした気がする。父上が、動いているかもしれない」
「簡便してくれ。ヴァンパイアマスターだぞ?S級ハンターが束になっても勝てやしない。いや、京楽ならあるいは・・・・・・」
「父の件は、俺に任せてくれないか。あの人は人を襲うヴァンパイアじゃない」
「まあ、浮竹がそう言うなら、任せよう」
「しっぽりは~~~?」
「しつこい!」
「あべし!」
また顔面にハリセンを受けて、痛みで京楽は転がってじたばたするのであった。
血と聖水と名において5
「はぁはぁ・・・・・浮竹のパンツ!」
「こら、京楽、また俺の新しいパンツ盗んだな!」
浮竹がハリセンではたくと、京楽はまだはぁはぁしていた。
「いいじゃない。洗濯前のパンツを盗んでるんじゃないし」
「そこまで変態だと、追い出してる」
「酷い!こんなに愛してるのに!」
「お前の愛はゆがんでいるからな」
朝からそんなやりとりをして、ヴァンパイアハンターギルドに向かった。
「お、ちょうどいいことろにきたな。ヴァンパイアロードが出た。退治を頼めるか。A級とS級なら、軽いことだろう?」
「S級の誰かはあてにあまりならんがな」
「浮竹が怒るから、ちゃんと仕事はするよう」
こうして、浮竹と京楽は、サザンの古城に住むヴァンパイアロード退治に出かけた。
今回もフェンリルに巨大化してもらって、その背に乗って移動する。
遠かったので、途中宿で一泊した。
転移の魔法陣もあったが、知らない町で泊まるのが新鮮だったため、宿をとった。
「浮竹、しっぽりしよう!はぉはぁ」
「アホか!仕事先でしっぽりするハンターがどこにいる!」
「ここにいる!」
自慢げに胸をはる京楽をハリセンで殴り倒して、その日は就寝した。
ちなみにベッドは2つあるのに、京楽は浮竹のベッドで寝た。いつものことなので、浮竹は気にせずぐっすりと寝た。
サザンの古城につくと、ヴァンパイアロードは、美しい少女たちに囲まれていた。
「全部、花嫁にしたのか」
「ふふふ、そうだ。お前も美しいな?花嫁になるか?」
「浮竹はボクの花婿だよ!」
「げ、そっちのヴァンピールの花嫁はお前か!もじゃもじゃの男じゃないか。花嫁になんて絶対したくない」
「失礼な。愛があるから花嫁になったんだよ」
京楽は、聖剣を抜き放つと、ヴァンパイアロードの花嫁たちを殺していく。
一度花嫁になってヴァンパイア化したら、元に戻る方法はなく、血をすするヴァンパイアになってしまう。
「よくも私の花嫁たちを!」
「出でよフェニックス!血と聖水の名においてアーメン!」
浮竹はフェニックスを召喚すると、ヴァンパイアロードを炎で燃やす。
「はははは、私はヴァンパイアロード!これしきの炎では死なぬ!」
「じゃあ、死んで?」
京楽が、目にも見えない速さで、、聖銀でできた聖剣でヴァンパイアロードの心臓を貫く。
「うぎゃあああああああ」
ヴァンパイアロードは、叫び声をあげながらもまだ死なない。
「出でよ、アイシクル、フェンリル!凍り付かせてしまえ!」
氷雪系の精霊を呼び出し、浮竹は氷のブレスをはいてもらい、ヴァンパイアロードは氷漬けになり、京楽が聖剣でその氷像を壊す。
「退治完了だね。さぁ、しっぽりしよう!」
「報告までが仕事だ!このだアホが!」
ハリセンではたかれまくっていたが、京楽は幸せそうだった。
「やばい、変態度が高くなりつつある」
「もっと殴って~~~~~~~」
「知るか!あほ!」
浮竹はヴァンパイアロードの灰をカプセルに詰めて、転移の魔法陣でウィキティにある自宅まで一度戻り、食事と湯あみをしてから浮竹は灰の入ったカプセルを提出するために、ハンターギルドまで戻る。
ちなみに、京楽は浮竹のお風呂をのぞいていたので、すまきにして外の木に吊るしておいた。
「全く、京楽のやつ強いくせになんであんなアホで変態なんだ」
ハンターギルドに行くと、ギルドマスターが話しかけてきた。
「おお、戻ったか。いつも退治が早くて助かる」
「花嫁も数人いたが、殺しておいた」
「仕方ないな。一度花嫁にされたれた、ヴァンパイア化してしまう」
ちなみに、京楽は花嫁にされたが人間のままだった。偉大なるヴァンパイアマスターの血も分けてもらっていて、人間であり続けることを許された。
ヴァンパイアもヴァンピールも、日の光の元で活動できるが、銀に弱い。
浮竹は特殊で、銀の武器を使うことができて、父であるヴァンパイアマスターから加護をもらっていた。
退治されないために、同胞殺しをする。
浮竹は、ヴァンパイアのすべてが人間の敵ではないことを知っている。人間と共存するヴァンパイアも結構いて、そういうヴァンパイアは駆除対象にならない。
誰かが退治してくれと言っても、人に危害を加えてない限りは退治されない。
「くすん。酷いよ浮竹。ボクのこと忘れてたでしょ」
洋館に戻って、アホの子を探していたら、庭の木にすまきで吊るしていたのをすっかり忘れていた。
「ああ、存在を忘れていた」
「酷い!おわびにしっぽりを」
「いいだろう。今日は満月だ。半分とはいえ、ヴァンパイアの血が疼く」
「え、まじでしっぽりしていいの?」
「別にしなくてもどっちでもいい」
「します!しっぽりします!」
浮竹は妖艶に笑い、京楽をすまきかから解放すると、京楽は真剣な顔で浮竹をお姫様だっこして、寝室に向かう。
「あ、この前おとなのおもちゃ買ってきたんだけど」
「自分に使っとけ、このだアホが!」
浮竹の機嫌をそこねてしまい、結局その日はしっぽりできなかったのであった。
「こら、京楽、また俺の新しいパンツ盗んだな!」
浮竹がハリセンではたくと、京楽はまだはぁはぁしていた。
「いいじゃない。洗濯前のパンツを盗んでるんじゃないし」
「そこまで変態だと、追い出してる」
「酷い!こんなに愛してるのに!」
「お前の愛はゆがんでいるからな」
朝からそんなやりとりをして、ヴァンパイアハンターギルドに向かった。
「お、ちょうどいいことろにきたな。ヴァンパイアロードが出た。退治を頼めるか。A級とS級なら、軽いことだろう?」
「S級の誰かはあてにあまりならんがな」
「浮竹が怒るから、ちゃんと仕事はするよう」
こうして、浮竹と京楽は、サザンの古城に住むヴァンパイアロード退治に出かけた。
今回もフェンリルに巨大化してもらって、その背に乗って移動する。
遠かったので、途中宿で一泊した。
転移の魔法陣もあったが、知らない町で泊まるのが新鮮だったため、宿をとった。
「浮竹、しっぽりしよう!はぉはぁ」
「アホか!仕事先でしっぽりするハンターがどこにいる!」
「ここにいる!」
自慢げに胸をはる京楽をハリセンで殴り倒して、その日は就寝した。
ちなみにベッドは2つあるのに、京楽は浮竹のベッドで寝た。いつものことなので、浮竹は気にせずぐっすりと寝た。
サザンの古城につくと、ヴァンパイアロードは、美しい少女たちに囲まれていた。
「全部、花嫁にしたのか」
「ふふふ、そうだ。お前も美しいな?花嫁になるか?」
「浮竹はボクの花婿だよ!」
「げ、そっちのヴァンピールの花嫁はお前か!もじゃもじゃの男じゃないか。花嫁になんて絶対したくない」
「失礼な。愛があるから花嫁になったんだよ」
京楽は、聖剣を抜き放つと、ヴァンパイアロードの花嫁たちを殺していく。
一度花嫁になってヴァンパイア化したら、元に戻る方法はなく、血をすするヴァンパイアになってしまう。
「よくも私の花嫁たちを!」
「出でよフェニックス!血と聖水の名においてアーメン!」
浮竹はフェニックスを召喚すると、ヴァンパイアロードを炎で燃やす。
「はははは、私はヴァンパイアロード!これしきの炎では死なぬ!」
「じゃあ、死んで?」
京楽が、目にも見えない速さで、、聖銀でできた聖剣でヴァンパイアロードの心臓を貫く。
「うぎゃあああああああ」
ヴァンパイアロードは、叫び声をあげながらもまだ死なない。
「出でよ、アイシクル、フェンリル!凍り付かせてしまえ!」
氷雪系の精霊を呼び出し、浮竹は氷のブレスをはいてもらい、ヴァンパイアロードは氷漬けになり、京楽が聖剣でその氷像を壊す。
「退治完了だね。さぁ、しっぽりしよう!」
「報告までが仕事だ!このだアホが!」
ハリセンではたかれまくっていたが、京楽は幸せそうだった。
「やばい、変態度が高くなりつつある」
「もっと殴って~~~~~~~」
「知るか!あほ!」
浮竹はヴァンパイアロードの灰をカプセルに詰めて、転移の魔法陣でウィキティにある自宅まで一度戻り、食事と湯あみをしてから浮竹は灰の入ったカプセルを提出するために、ハンターギルドまで戻る。
ちなみに、京楽は浮竹のお風呂をのぞいていたので、すまきにして外の木に吊るしておいた。
「全く、京楽のやつ強いくせになんであんなアホで変態なんだ」
ハンターギルドに行くと、ギルドマスターが話しかけてきた。
「おお、戻ったか。いつも退治が早くて助かる」
「花嫁も数人いたが、殺しておいた」
「仕方ないな。一度花嫁にされたれた、ヴァンパイア化してしまう」
ちなみに、京楽は花嫁にされたが人間のままだった。偉大なるヴァンパイアマスターの血も分けてもらっていて、人間であり続けることを許された。
ヴァンパイアもヴァンピールも、日の光の元で活動できるが、銀に弱い。
浮竹は特殊で、銀の武器を使うことができて、父であるヴァンパイアマスターから加護をもらっていた。
退治されないために、同胞殺しをする。
浮竹は、ヴァンパイアのすべてが人間の敵ではないことを知っている。人間と共存するヴァンパイアも結構いて、そういうヴァンパイアは駆除対象にならない。
誰かが退治してくれと言っても、人に危害を加えてない限りは退治されない。
「くすん。酷いよ浮竹。ボクのこと忘れてたでしょ」
洋館に戻って、アホの子を探していたら、庭の木にすまきで吊るしていたのをすっかり忘れていた。
「ああ、存在を忘れていた」
「酷い!おわびにしっぽりを」
「いいだろう。今日は満月だ。半分とはいえ、ヴァンパイアの血が疼く」
「え、まじでしっぽりしていいの?」
「別にしなくてもどっちでもいい」
「します!しっぽりします!」
浮竹は妖艶に笑い、京楽をすまきかから解放すると、京楽は真剣な顔で浮竹をお姫様だっこして、寝室に向かう。
「あ、この前おとなのおもちゃ買ってきたんだけど」
「自分に使っとけ、このだアホが!」
浮竹の機嫌をそこねてしまい、結局その日はしっぽりできなかったのであった。
血と聖水と名において4
自分の館にやってきた人物を見て、浮竹はぽかんとしていた。
そしてハリセンでぼこぼこにした京楽を、ある程度の大きさにしたフェンリルに運んでもらう。
「俺は浮竹十四郎。見ての通りのヴァンピールだが、同胞を狩るようにヴァンパイアハンターをしている。さっきのアホが京楽春水で、俺のヴァンパイアとしての花嫁で、契約者だ。不老で、もう契約して10年になる」
『へぇ、そうなんだ』
「ウィキティの町には、長旅で寄っただけだそうだな。この呪符をやろう」
『これは?』
ドラゴンサモナーの浮竹が聞くと、浮竹はクスリと笑う。
「転移の魔法呪符を知らないのか」
『うん。ボク、記憶喪失なんだよ』
「そうか。大変だな。まぁパートナードラゴンがいいやつみたいだから、心配はなさそうだが。あげたのは、どこからでもこのウィキティと行き来できる転移の魔法陣がでるやつだ。それがあれば、旅の先からこのウィキティの町にいつでもこれる」
「きゅるるる!(ありがとう、とても助かるよ)」
ドラゴンサモナーのパートナードラゴンの京楽は、早速外に出て少し遠くまでドラゴンサモナーの浮竹をのせて移動すると、転移の魔法呪符を使い、魔法陣に乗ると、浮竹と京楽の住む大きな洋館に戻っていた。
『これはすごい!旅先からも帰れるなんて、野宿せずにすむ!』
「ああ。これも何かの縁だ。泊まるところがなかった日は、俺たちの洋館で泊まっていけ」
「浮竹、酷いよ。気絶するまでボコボコにすることないじゃない!」
そこに、移動したはずの京楽がやってくる。
頭にでかいたんこぶをいくつもこさえて、京楽は自分にヒールを使った。
「あ、遊びにきてくれたんだね。今、紅茶と茶菓子を用意するから」
『いや、気にしないでくれ』
「そういうわけにもいかないよ。この洋館に3年ぶりのお客さんだからね」
京楽は、アッサムの高級茶葉の紅茶をだして、ラズペリーケーキを出した。
『きゅるるるる!(おいしい!)』
『ああ、京楽の言う通りうまいな。こんなのごちそうになって、すまんな』
「気にするな。友人になろう。これも何かの縁だ。ああ、あと俺たちはよくヴァンパイアハンター退治で家を空けることが多いから、もしもウィキティのこの館に帰ってきて誰もいなかったら、俺の血で作り出したメイドが1体いるので、それに食事やらを任せて気軽に泊まるといい」
『いや、さすがに悪い』
「この洋館に客は久しぶりだからな。気にするな」
『じゃあ、お言葉に甘えようかな』
『きゅるるるる!!(そうだよ、そうしようよ)』
「京楽にも、パートナードラゴンの京楽が何を言っているのかわかるように古代魔法をかけてやろう。もう失われた魔法だ。父から習ったんだがな」
浮竹の父親である、偉大なるヴァンパイアマスターは、今は行方知れずだった。
ヴァンパイアハンターに殺されていないことだけは、確実であるが。
浮竹は幼い頃に聖女であった母をなくし、ヴァンパイアマスターである父親が作ったメイドに育てられた。
今、そのメイドは浮竹が引き継いでいた。
『きゅるるるう』
「あ、今、ボクの言葉分かる?って言ったね」
『正解だよ』
パートナードラゴンの京楽の言葉を、京楽は聞き取れるようになっていた。
「今日は時間も襲いし、泊まっていけ。ゲストルームを掃除させるから」
『いいのか』
「ああ、いいとも」
浮竹は、笑顔を浮かべた。
「えええ、じゃあ今日のしっぽりは?」
「お前はそれしか頭にないのか!」
ハリセンで思い切り頭を殴られる京楽を、客人のドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽は、痛そうだなぁとみているのであった。
そしてハリセンでぼこぼこにした京楽を、ある程度の大きさにしたフェンリルに運んでもらう。
「俺は浮竹十四郎。見ての通りのヴァンピールだが、同胞を狩るようにヴァンパイアハンターをしている。さっきのアホが京楽春水で、俺のヴァンパイアとしての花嫁で、契約者だ。不老で、もう契約して10年になる」
『へぇ、そうなんだ』
「ウィキティの町には、長旅で寄っただけだそうだな。この呪符をやろう」
『これは?』
ドラゴンサモナーの浮竹が聞くと、浮竹はクスリと笑う。
「転移の魔法呪符を知らないのか」
『うん。ボク、記憶喪失なんだよ』
「そうか。大変だな。まぁパートナードラゴンがいいやつみたいだから、心配はなさそうだが。あげたのは、どこからでもこのウィキティと行き来できる転移の魔法陣がでるやつだ。それがあれば、旅の先からこのウィキティの町にいつでもこれる」
「きゅるるる!(ありがとう、とても助かるよ)」
ドラゴンサモナーのパートナードラゴンの京楽は、早速外に出て少し遠くまでドラゴンサモナーの浮竹をのせて移動すると、転移の魔法呪符を使い、魔法陣に乗ると、浮竹と京楽の住む大きな洋館に戻っていた。
『これはすごい!旅先からも帰れるなんて、野宿せずにすむ!』
「ああ。これも何かの縁だ。泊まるところがなかった日は、俺たちの洋館で泊まっていけ」
「浮竹、酷いよ。気絶するまでボコボコにすることないじゃない!」
そこに、移動したはずの京楽がやってくる。
頭にでかいたんこぶをいくつもこさえて、京楽は自分にヒールを使った。
「あ、遊びにきてくれたんだね。今、紅茶と茶菓子を用意するから」
『いや、気にしないでくれ』
「そういうわけにもいかないよ。この洋館に3年ぶりのお客さんだからね」
京楽は、アッサムの高級茶葉の紅茶をだして、ラズペリーケーキを出した。
『きゅるるるる!(おいしい!)』
『ああ、京楽の言う通りうまいな。こんなのごちそうになって、すまんな』
「気にするな。友人になろう。これも何かの縁だ。ああ、あと俺たちはよくヴァンパイアハンター退治で家を空けることが多いから、もしもウィキティのこの館に帰ってきて誰もいなかったら、俺の血で作り出したメイドが1体いるので、それに食事やらを任せて気軽に泊まるといい」
『いや、さすがに悪い』
「この洋館に客は久しぶりだからな。気にするな」
『じゃあ、お言葉に甘えようかな』
『きゅるるるる!!(そうだよ、そうしようよ)』
「京楽にも、パートナードラゴンの京楽が何を言っているのかわかるように古代魔法をかけてやろう。もう失われた魔法だ。父から習ったんだがな」
浮竹の父親である、偉大なるヴァンパイアマスターは、今は行方知れずだった。
ヴァンパイアハンターに殺されていないことだけは、確実であるが。
浮竹は幼い頃に聖女であった母をなくし、ヴァンパイアマスターである父親が作ったメイドに育てられた。
今、そのメイドは浮竹が引き継いでいた。
『きゅるるるう』
「あ、今、ボクの言葉分かる?って言ったね」
『正解だよ』
パートナードラゴンの京楽の言葉を、京楽は聞き取れるようになっていた。
「今日は時間も襲いし、泊まっていけ。ゲストルームを掃除させるから」
『いいのか』
「ああ、いいとも」
浮竹は、笑顔を浮かべた。
「えええ、じゃあ今日のしっぽりは?」
「お前はそれしか頭にないのか!」
ハリセンで思い切り頭を殴られる京楽を、客人のドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽は、痛そうだなぁとみているのであった。
血と聖水と名において3
浮竹と京楽は、ウィキティの町の外れにある、大きな洋館に住んでいた。
必要最低限の部屋しか使わず、月に一度メイドさんを雇って大掃除をしてもらっていた。
「にゃんにゃん」
フェンリルが、猫の声を出してチュールをねだる。
浮竹は仕方ないので、チュールをあげた。
「もっとくれにゃん」
フェンリルの知能は高い。人の言葉を解すなど、造作もないことであった。
浮竹が、初めに契約した使役魔であった。
同じヴァンパイアハンターは、使役魔といってもせいぜい烏、鷹とかフクロウ、ネズミといった鳥か小型動物しか使役魔にできない。
精霊を使役できるのは、浮竹だけだった。
冒険者としてのほうが向いているのだろうが、ヴァンパイアハンターを続けていた。京楽の存在もあるし、ヴァンパイアが人に害をなすのは嫌いだった。
偉大なるヴァンパイアたちの父でもあるヴァンパイアマスターと、当時聖女であった女性との間に生まれたのが浮竹であった。
一方、京楽は孤児で、生きていくためにヴァンパイアハンターの道を選び、神父はついでだからなった。こんな色欲魔人の神父がいてたまるか、が浮竹の口癖でもあった。
「はぁ。腰が痛い。京楽のやつ、手加減せず抱きやがって」
痛む腰をおさえつつ、フェンリルを中庭に出して遊ばせる。
ボールを放り投げると、しっぽをぶんぶんふってとってくる。いつもは子犬サイズだが、本当は
3メートルがあるであろう体躯をもつ。
たまに移動手段としても使われた。
「京楽はどうしたにゃ?」
「買い物に行かせた。俺はしっぽりのせいであまり動けないからな」
「しっぽりかにゃん。京楽は年中発情期何だにゃん」
「ああ、その通りだな」
「ただいまー」
「ちっ、戻ってきた]
[ちょ、酷くない?」
「お前がしっぽりしすぎるから、今日は仕事は休みだ」
京楽は、悪びれもせずに、浮竹に口づける。
「回復魔法かけたでしょ?」
「それでも痛いんだ!」
「ありゃ」
京楽は昨日のことを重い出して、ふにゃふにゃした顔になっていた。
「次の仕事の目星をつけたい。ハンターギルドに行って、何か退治依頼を引き受けてきてくれ。今回は、俺のA級にランクが上がるのがかかっているんだ。倒せそうだけど、強すぎないやつを見つけてこい」
「わがままだねぇ」
「俺だって、自分でギルドに行って選びたい。だが、誰かのせいで腰が痛いし、治癒魔法は効かないし、最悪だ」
「まぁまぁ。今、お茶入れるから。お茶したら、ギルドでめぼしい退治依頼引き受けてくるよ」
京楽の入れるお茶と、作る菓子は絶品だった。
今日の茶菓子はアップルパイだった。
「早く、行って来い」
「でも、この間の浮竹にそっくりなドラゴンサモナーの存在も気になるねぇ」
「どうでもいい。似ているからたまに間違われるのが嫌だ」
浮竹は、ペロリとアップルパイを京楽の分まで食べてしまった。
「後のことは任せたぞ」
「うん」
浮竹は、具合も悪かったので寝室のベッドで横になって眠る。
「マスター、ねちゃったかにゃん?」
「ああ、フェンリルか。もう、おかわりのチュールはないぞ。ああ、京楽に買いに行かせたものの中にあったかな」
「ちゅーる食べるにゃん!もってくるから、あけてほしいにゃん」
フェンリルは、京楽が買い物してきた荷物の中から器用にチュールを出すと、浮竹の元に走る。
「ちゅーる、あけてにゃん」
「すまん、ちょっと血をくれ」
「仕方ないにゃんね?マスターは精霊の血を摂取しないと、精霊を扱えないからにゃん」
ごく少量だけ、フェンリルから血を分けてもらい、浮竹はフェンリルに、いつもは1日1個だけの約束のチュールをお礼に2個あげた。
「おや、モンスターが暴れているみたいだね。まぁ、放置しても冒険者もいっぱいいる町だし、悪目立ちするのは避けたいしね」
京楽は、魔法で翼を出して空を飛んでギルドまでやってくる。
「浮竹はどうした?A級昇格のテストになるんだぞ」
ギルドマスターが、京楽を見る。
「ちょっといろいろあってね。ボクが代役で、仕留めるヴァンパイアを選びにきたの」
「夜叉の京楽が選ぶのか。この前はヴァンピール退治で、ハンターとして復活したというのは本当だったんだな」
「まぁ、ぼちぼちね。今は浮竹のサポート役さ」
ギルドマスターは、うんうんと首を縦に振る。
「浮竹は、精霊を使役できる貴重なハンターだからな。慎重に選べよ」
「この、鮮血のカスタトロフというのにするよ」
「鮮血のか。もうハンターを4人も殺している」
「ボクもサポートするから大丈夫。じゃあ、これ退治するってことで、クエスト引き受けるね」
「ああ、ピンチになったら逃げろよ・・・・おっと、夜叉の京楽も一緒にいくんだな。それなら安心か」
「ボクは、あくまでもサポート役だからね。倒すのは、浮竹さ」
京楽は、鮮血のカスタトロフを選んで帰ってきた。
「鮮血か。まあ、倒せなくもないだろう」
数日が経ち、浮竹は京楽と巨大化したフェンリルの背に乗って、鮮血のカスタトロフのいる古城にやってきた。
「くくくく、今宵も愚かなヴァンパイアハンターが二人も。血をすすって、殺してやろう」
浮竹は、マントの下から銀の短剣を引き抜くと、カスタトロフに投げる。
「くくく、私に銀はそうそう効かない」
「く、特異体質か。ならば・・・・出でよ、ジルフェ!」
「あーなんだー。かったりぃ」
「いいから、あいつを攻撃しろ」
「後で、フルーツジュース10人前な」
ジルフェは風の上位精霊だ。
「ウィドカッター」
「ぐおおおおお」
ジルフェに前足を風の魔法で切り飛ばされて、鮮血のカスタトロフは地面に膝をつく。
「この俺が、ヴァンパイアハンターごときに!」
「その調子だよ、浮竹」
京楽は、離れたところで見守っていた。
「ダークフェニックス!あのヴァンパイアを、闇の炎で燃やし尽くせ!」
ただのフェニックスだと、周りの建物にも被害が及ぶので、ダークフェニックスを召喚して使役する。
「ぎいやあああああああ」
鮮血のカスタトロフは、悲鳴を残して灰となった。
その灰をカプセルに入れて、帰り路もフェンリルにのって、ウィキティの町にあるヴァンパイアハンターギルドに行き、灰の入ったカプセルを提出する。
「京楽の手助けは?」
「受けていない」
「うむ、嘘は言っていないようだな。水銀の浮竹、お前をA級ヴァンパイアハンターとする!」
「やった!!」
「よかったね、浮竹。お祝いに、帰ったらしっぽりしようね?」
「アホか。誰がするか。A級になったら、報酬金もあがるし、Aランクのクエストの退治依頼を引き受けれる。ばりばりやっつけるぞ」
「くすん。しっぽりしたいよう」
そんな京楽を足で蹴って、浮竹は京楽を放置して自宅に帰る。
「お前、尻にしかれまくりだな。何で、浮竹の花嫁になったんだ?」
ギルドマスターに声をかけられる。
「だって、10年前になるけど、一目ぼれだったんだよ。ボクがヴァンパイアだったら、浮竹を花嫁にしてたけど、ボクは人間だったから。浮竹に頼んで、花嫁にしてもらって契りあい、契約を交わしたのさ」
「まぁ、最近ヴァンパイアどもの活動が活発になってきているからな。S級の京楽、お前が復帰してくれたことは、大きなプラスになる」
「まぁ、半分隠居だけどね」
「そう言わず、どんどん倒してくれ。まだ、あの洋館の金、払いきれていないんだろう?」
浮竹と京楽の住む大きな洋館は、元々浮竹の父のもので、いなくなって競売にかけられて、浮竹が競り落としたのだ。
その頃はすでに母は他界していたし、父もいなくなったが、成人していたので屋敷を競り落とすことができた。
思い出のいっぱいつまった洋館を手放すことはしたくなかった。
値段が値段だけに、今でもちまちまと返済をしていた。
「A級になったし、稼ぎまくって、負債を取り消しにするぞー」
「そうだのだにゃー」
「あれ、京楽は?」
「置いて毛ぼりくらって、ギルドで隅っこでいじけいたにゃ」
「まぁ、腹がすいたらそのうち帰ってくるだろう。フェンリル、今後もよろしくな」
「任せてなのにゃ。マスターの初めての使役精霊として、ビシバシ働くから、チュールは1日2本にしてほしいにゃ「
「仕方ないやつだなぁ」
浮竹は、フェンリルをもふりまくるのであった。
ちなみに、京楽は帰ってきていたが、存在に気付いてもらえなかったそうな。
必要最低限の部屋しか使わず、月に一度メイドさんを雇って大掃除をしてもらっていた。
「にゃんにゃん」
フェンリルが、猫の声を出してチュールをねだる。
浮竹は仕方ないので、チュールをあげた。
「もっとくれにゃん」
フェンリルの知能は高い。人の言葉を解すなど、造作もないことであった。
浮竹が、初めに契約した使役魔であった。
同じヴァンパイアハンターは、使役魔といってもせいぜい烏、鷹とかフクロウ、ネズミといった鳥か小型動物しか使役魔にできない。
精霊を使役できるのは、浮竹だけだった。
冒険者としてのほうが向いているのだろうが、ヴァンパイアハンターを続けていた。京楽の存在もあるし、ヴァンパイアが人に害をなすのは嫌いだった。
偉大なるヴァンパイアたちの父でもあるヴァンパイアマスターと、当時聖女であった女性との間に生まれたのが浮竹であった。
一方、京楽は孤児で、生きていくためにヴァンパイアハンターの道を選び、神父はついでだからなった。こんな色欲魔人の神父がいてたまるか、が浮竹の口癖でもあった。
「はぁ。腰が痛い。京楽のやつ、手加減せず抱きやがって」
痛む腰をおさえつつ、フェンリルを中庭に出して遊ばせる。
ボールを放り投げると、しっぽをぶんぶんふってとってくる。いつもは子犬サイズだが、本当は
3メートルがあるであろう体躯をもつ。
たまに移動手段としても使われた。
「京楽はどうしたにゃ?」
「買い物に行かせた。俺はしっぽりのせいであまり動けないからな」
「しっぽりかにゃん。京楽は年中発情期何だにゃん」
「ああ、その通りだな」
「ただいまー」
「ちっ、戻ってきた]
[ちょ、酷くない?」
「お前がしっぽりしすぎるから、今日は仕事は休みだ」
京楽は、悪びれもせずに、浮竹に口づける。
「回復魔法かけたでしょ?」
「それでも痛いんだ!」
「ありゃ」
京楽は昨日のことを重い出して、ふにゃふにゃした顔になっていた。
「次の仕事の目星をつけたい。ハンターギルドに行って、何か退治依頼を引き受けてきてくれ。今回は、俺のA級にランクが上がるのがかかっているんだ。倒せそうだけど、強すぎないやつを見つけてこい」
「わがままだねぇ」
「俺だって、自分でギルドに行って選びたい。だが、誰かのせいで腰が痛いし、治癒魔法は効かないし、最悪だ」
「まぁまぁ。今、お茶入れるから。お茶したら、ギルドでめぼしい退治依頼引き受けてくるよ」
京楽の入れるお茶と、作る菓子は絶品だった。
今日の茶菓子はアップルパイだった。
「早く、行って来い」
「でも、この間の浮竹にそっくりなドラゴンサモナーの存在も気になるねぇ」
「どうでもいい。似ているからたまに間違われるのが嫌だ」
浮竹は、ペロリとアップルパイを京楽の分まで食べてしまった。
「後のことは任せたぞ」
「うん」
浮竹は、具合も悪かったので寝室のベッドで横になって眠る。
「マスター、ねちゃったかにゃん?」
「ああ、フェンリルか。もう、おかわりのチュールはないぞ。ああ、京楽に買いに行かせたものの中にあったかな」
「ちゅーる食べるにゃん!もってくるから、あけてほしいにゃん」
フェンリルは、京楽が買い物してきた荷物の中から器用にチュールを出すと、浮竹の元に走る。
「ちゅーる、あけてにゃん」
「すまん、ちょっと血をくれ」
「仕方ないにゃんね?マスターは精霊の血を摂取しないと、精霊を扱えないからにゃん」
ごく少量だけ、フェンリルから血を分けてもらい、浮竹はフェンリルに、いつもは1日1個だけの約束のチュールをお礼に2個あげた。
「おや、モンスターが暴れているみたいだね。まぁ、放置しても冒険者もいっぱいいる町だし、悪目立ちするのは避けたいしね」
京楽は、魔法で翼を出して空を飛んでギルドまでやってくる。
「浮竹はどうした?A級昇格のテストになるんだぞ」
ギルドマスターが、京楽を見る。
「ちょっといろいろあってね。ボクが代役で、仕留めるヴァンパイアを選びにきたの」
「夜叉の京楽が選ぶのか。この前はヴァンピール退治で、ハンターとして復活したというのは本当だったんだな」
「まぁ、ぼちぼちね。今は浮竹のサポート役さ」
ギルドマスターは、うんうんと首を縦に振る。
「浮竹は、精霊を使役できる貴重なハンターだからな。慎重に選べよ」
「この、鮮血のカスタトロフというのにするよ」
「鮮血のか。もうハンターを4人も殺している」
「ボクもサポートするから大丈夫。じゃあ、これ退治するってことで、クエスト引き受けるね」
「ああ、ピンチになったら逃げろよ・・・・おっと、夜叉の京楽も一緒にいくんだな。それなら安心か」
「ボクは、あくまでもサポート役だからね。倒すのは、浮竹さ」
京楽は、鮮血のカスタトロフを選んで帰ってきた。
「鮮血か。まあ、倒せなくもないだろう」
数日が経ち、浮竹は京楽と巨大化したフェンリルの背に乗って、鮮血のカスタトロフのいる古城にやってきた。
「くくくく、今宵も愚かなヴァンパイアハンターが二人も。血をすすって、殺してやろう」
浮竹は、マントの下から銀の短剣を引き抜くと、カスタトロフに投げる。
「くくく、私に銀はそうそう効かない」
「く、特異体質か。ならば・・・・出でよ、ジルフェ!」
「あーなんだー。かったりぃ」
「いいから、あいつを攻撃しろ」
「後で、フルーツジュース10人前な」
ジルフェは風の上位精霊だ。
「ウィドカッター」
「ぐおおおおお」
ジルフェに前足を風の魔法で切り飛ばされて、鮮血のカスタトロフは地面に膝をつく。
「この俺が、ヴァンパイアハンターごときに!」
「その調子だよ、浮竹」
京楽は、離れたところで見守っていた。
「ダークフェニックス!あのヴァンパイアを、闇の炎で燃やし尽くせ!」
ただのフェニックスだと、周りの建物にも被害が及ぶので、ダークフェニックスを召喚して使役する。
「ぎいやあああああああ」
鮮血のカスタトロフは、悲鳴を残して灰となった。
その灰をカプセルに入れて、帰り路もフェンリルにのって、ウィキティの町にあるヴァンパイアハンターギルドに行き、灰の入ったカプセルを提出する。
「京楽の手助けは?」
「受けていない」
「うむ、嘘は言っていないようだな。水銀の浮竹、お前をA級ヴァンパイアハンターとする!」
「やった!!」
「よかったね、浮竹。お祝いに、帰ったらしっぽりしようね?」
「アホか。誰がするか。A級になったら、報酬金もあがるし、Aランクのクエストの退治依頼を引き受けれる。ばりばりやっつけるぞ」
「くすん。しっぽりしたいよう」
そんな京楽を足で蹴って、浮竹は京楽を放置して自宅に帰る。
「お前、尻にしかれまくりだな。何で、浮竹の花嫁になったんだ?」
ギルドマスターに声をかけられる。
「だって、10年前になるけど、一目ぼれだったんだよ。ボクがヴァンパイアだったら、浮竹を花嫁にしてたけど、ボクは人間だったから。浮竹に頼んで、花嫁にしてもらって契りあい、契約を交わしたのさ」
「まぁ、最近ヴァンパイアどもの活動が活発になってきているからな。S級の京楽、お前が復帰してくれたことは、大きなプラスになる」
「まぁ、半分隠居だけどね」
「そう言わず、どんどん倒してくれ。まだ、あの洋館の金、払いきれていないんだろう?」
浮竹と京楽の住む大きな洋館は、元々浮竹の父のもので、いなくなって競売にかけられて、浮竹が競り落としたのだ。
その頃はすでに母は他界していたし、父もいなくなったが、成人していたので屋敷を競り落とすことができた。
思い出のいっぱいつまった洋館を手放すことはしたくなかった。
値段が値段だけに、今でもちまちまと返済をしていた。
「A級になったし、稼ぎまくって、負債を取り消しにするぞー」
「そうだのだにゃー」
「あれ、京楽は?」
「置いて毛ぼりくらって、ギルドで隅っこでいじけいたにゃ」
「まぁ、腹がすいたらそのうち帰ってくるだろう。フェンリル、今後もよろしくな」
「任せてなのにゃ。マスターの初めての使役精霊として、ビシバシ働くから、チュールは1日2本にしてほしいにゃ「
「仕方ないやつだなぁ」
浮竹は、フェンリルをもふりまくるのであった。
ちなみに、京楽は帰ってきていたが、存在に気付いてもらえなかったそうな。
血と聖水と名において2
東のバラムまで、馬車で3日はかかる。
そこで、氷の精霊フェンリルを呼び出し、元の巨大な大きさになってもらい、その背に浮竹と京楽は乗って、バラムまで向かった。
半日もしないうちにつくと、バラムの町はゴーストタウンと化していた。
人が一人もいないのだ。」
いるのはグールに下級ヴァンパイアのみ。
それらの群れは、浮竹と京楽を見つけると、襲いかかってくる。
「いちいち相手にしていたらきりがない。フェニックス、イフリート、出でよ!」
「きゅあああああ」
「何ぞ用だ」
「この町のグールと下級ヴァンパイアたちを焼き尽くしてくれ」
「きゅあああ」
「承知」
フェニックスとイフリートは、灼熱の炎でグールや下級ヴァンパイアを焼き尽くし、後に残るのは灰ばかりであった。
「そこにいるんだろう、出てこい!」
「お兄ちゃん、強いんだね」
「君は?」
京楽が、住民の生き残りかと保護しようと近づくと、浮竹に止められた。
「ヴァンピールだ。三人のハンターの命を奪っている」
「あは、ヴァンパイアハンターなんだ。道理で銀のにおいがするわけね。このミネアに倒せないハンターなんていないんだから!」
ミネアと名乗ったヴァンピールは、まだ年端も行かぬ10歳くらいの女の子だった。
「両親はどうした!」
「あははは、ミネアの邪魔するから、殺してあげたの。お父様はお母さまを最後まで庇っていたけど、ミネアの攻撃に耐えきれずに灰になちゃった♪」
「このヴァンビール、感情が欠落しているな。処分しなくちゃ危険だ」
「あはははは、ミネアを処分?笑わせないで。たかがB級のハンターごときが」
浮竹はB級を意味するペンダントをしていた。
だが、浮竹もペンダントをしている。
「な、そっちはS級ですって!たかが人間ごときが!」
「まだ、休業していたいんだけどねぇ。仕方ない、一緒に駆除するよ、浮竹!」
「ああ!」
ミネアは、自分の血から戦闘人形を作りだしてけしかけてくる。
「こんなの、何の役にもたたないよ」
京楽が剣をとりだすと、一掃してしまった。
「血を飲んで、ヴァンパイアにしてあげる。そっちの白い髪のお兄ちゃん綺麗ね。血を吸って、ずっとミネアに尽くす奴隷ヴァンパイアになって?」
なぜか、浮竹を見るヴァンパイアは皆、浮竹の血を欲しがる。それはヴァンピールでも同じことだった。
浮竹は銀の短剣をミネアに投げていたが、素早い動きにあたらず、銀の弾丸の入った銃でもとらえることができなかった。
「いただきまーす」
ミネアは、浮竹の隙をついて、肩に噛みつき血をすする。
「うぎゃああああああ!!!喉が、喉が焼けるうううう」
「ふふ、残念だったな。俺は水銀の浮竹。俺の血には、猛毒の水銀が含まれている」
「おのれえええ」
ミネアが可憐な少女の姿から、醜い肉の塊になる。
「あはははは、この姿は誰にも消せない。銀もきかないし、物理攻撃も魔法攻撃も効かないんだから!」
「いっそ、その姿のほうが殺しやすくて助かるよ。本気でいっていい、浮竹?」
「ああ。夜叉の京楽の力、見せてやれ」
夜叉。それが、京楽の二つ名だった。
京楽は、軽くミネアに触れる。そこから、大量の血液が噴き出す。
「な、ミネアに今何をした!」
「死ねと思って触れただけだよ」
「そんなことで、ミネアは死なないわよ!」
「浮竹、銀の銃を」
「銃くらい、自分のをもっておけ」
浮竹は、京楽に銃を渡すと、下がった。
「血と聖水の名において、アーメン」
そう言って、京楽は銀の弾丸をミネアに向かって打つ。
それは大きな銀の刃となって、ミネアを引き裂いた。
「きゃあああああ!!!」
ミネアは、元の少女の姿に戻っていたが、右手と左足がなかった。
「嘘!ミネアのあの体を傷つけれるハンターがいるなんて、嘘!」
「いや、一応ボクはこれでもS級ヴァンパイアハンターだからね。その気になれば、ヴァンパイアマスターだって殺せるよ」
「ひいいい、くるな!ミネアは、このミネアだけの楽園の町で生きるのよ!」
「あいにくだが、住民のグールや下級ヴァンパイアたちは燃やし尽くした」
「あんなの、ミネアの血があればいくらでも作れるわ」
「ますます、君を殺さないといけなくなったね」
京楽は、銀の剣を抜いた。
S級ハンターにだけ所持を許される、聖剣であった。
「せめて、楽にいかせてあげよう」
「ミネアはこんなところで死なないわ!この町と同じように、隣の都市のリハイムも手に入れるのよ!」
叫ぶミネアを、京楽は顔色一つ変えずに、その心臓を貫く。
「あはははは、ミネアの心臓は・・・・・」
「これだろう?」
浮竹の手には、どくどくと脈打つ心臓があった。
「ぎゃああ、それに触るな!かくしておいたのに、なぜ見つけた!」
「そりゃ、あんだけ結界はってれば、ここに何かありますっていっているようなものだしな。そら、京楽、トドメを」
「いやああああああ!ごめんなさい、もう何もしませんから、どうか命だけは!」
「自分勝手がすぎるよ。おとなしく、死んで?」
京楽は、聖剣でミネアの心臓を貫いた。
「ぎゃあああああああああ」
叫び声を残して、ミネアは灰となる。その灰を、浮竹はカプセルに入れる。
「さすがだな、京楽」
「しっぽり!」
「前言撤回。お前の頭には、しっぽりすることしかないのか!」
「うん」
「だめだこりゃ」
ハンターギルドに行き、灰を提出して金貨千枚を手に入れた。
「けっこうば儲けになったな」
「早く!早く家に帰ってしっぽりしよう!」
「はぁ・・・・・まあ、約束だから仕方ない。しっぽりするか」
「やっほう!二週間ぶりに浮竹を抱ける!」
「まぁ、二週間禁欲言いつけてたからな。よく守れたな」
京楽は、浮竹を抱きしめる。
「君に嫌われたくないからね。ボクの花婿」
「お前が花嫁なんだよなぁ。変だが」
「変でもなんでもいいから、家に帰ってしっぽりしようね」
「ああ、分かっている」
京楽は性欲が強いが二週間も禁欲を言いつけられた反動か、浮竹が意識を失うまで抱くのであった。
そこで、氷の精霊フェンリルを呼び出し、元の巨大な大きさになってもらい、その背に浮竹と京楽は乗って、バラムまで向かった。
半日もしないうちにつくと、バラムの町はゴーストタウンと化していた。
人が一人もいないのだ。」
いるのはグールに下級ヴァンパイアのみ。
それらの群れは、浮竹と京楽を見つけると、襲いかかってくる。
「いちいち相手にしていたらきりがない。フェニックス、イフリート、出でよ!」
「きゅあああああ」
「何ぞ用だ」
「この町のグールと下級ヴァンパイアたちを焼き尽くしてくれ」
「きゅあああ」
「承知」
フェニックスとイフリートは、灼熱の炎でグールや下級ヴァンパイアを焼き尽くし、後に残るのは灰ばかりであった。
「そこにいるんだろう、出てこい!」
「お兄ちゃん、強いんだね」
「君は?」
京楽が、住民の生き残りかと保護しようと近づくと、浮竹に止められた。
「ヴァンピールだ。三人のハンターの命を奪っている」
「あは、ヴァンパイアハンターなんだ。道理で銀のにおいがするわけね。このミネアに倒せないハンターなんていないんだから!」
ミネアと名乗ったヴァンピールは、まだ年端も行かぬ10歳くらいの女の子だった。
「両親はどうした!」
「あははは、ミネアの邪魔するから、殺してあげたの。お父様はお母さまを最後まで庇っていたけど、ミネアの攻撃に耐えきれずに灰になちゃった♪」
「このヴァンビール、感情が欠落しているな。処分しなくちゃ危険だ」
「あはははは、ミネアを処分?笑わせないで。たかがB級のハンターごときが」
浮竹はB級を意味するペンダントをしていた。
だが、浮竹もペンダントをしている。
「な、そっちはS級ですって!たかが人間ごときが!」
「まだ、休業していたいんだけどねぇ。仕方ない、一緒に駆除するよ、浮竹!」
「ああ!」
ミネアは、自分の血から戦闘人形を作りだしてけしかけてくる。
「こんなの、何の役にもたたないよ」
京楽が剣をとりだすと、一掃してしまった。
「血を飲んで、ヴァンパイアにしてあげる。そっちの白い髪のお兄ちゃん綺麗ね。血を吸って、ずっとミネアに尽くす奴隷ヴァンパイアになって?」
なぜか、浮竹を見るヴァンパイアは皆、浮竹の血を欲しがる。それはヴァンピールでも同じことだった。
浮竹は銀の短剣をミネアに投げていたが、素早い動きにあたらず、銀の弾丸の入った銃でもとらえることができなかった。
「いただきまーす」
ミネアは、浮竹の隙をついて、肩に噛みつき血をすする。
「うぎゃああああああ!!!喉が、喉が焼けるうううう」
「ふふ、残念だったな。俺は水銀の浮竹。俺の血には、猛毒の水銀が含まれている」
「おのれえええ」
ミネアが可憐な少女の姿から、醜い肉の塊になる。
「あはははは、この姿は誰にも消せない。銀もきかないし、物理攻撃も魔法攻撃も効かないんだから!」
「いっそ、その姿のほうが殺しやすくて助かるよ。本気でいっていい、浮竹?」
「ああ。夜叉の京楽の力、見せてやれ」
夜叉。それが、京楽の二つ名だった。
京楽は、軽くミネアに触れる。そこから、大量の血液が噴き出す。
「な、ミネアに今何をした!」
「死ねと思って触れただけだよ」
「そんなことで、ミネアは死なないわよ!」
「浮竹、銀の銃を」
「銃くらい、自分のをもっておけ」
浮竹は、京楽に銃を渡すと、下がった。
「血と聖水の名において、アーメン」
そう言って、京楽は銀の弾丸をミネアに向かって打つ。
それは大きな銀の刃となって、ミネアを引き裂いた。
「きゃあああああ!!!」
ミネアは、元の少女の姿に戻っていたが、右手と左足がなかった。
「嘘!ミネアのあの体を傷つけれるハンターがいるなんて、嘘!」
「いや、一応ボクはこれでもS級ヴァンパイアハンターだからね。その気になれば、ヴァンパイアマスターだって殺せるよ」
「ひいいい、くるな!ミネアは、このミネアだけの楽園の町で生きるのよ!」
「あいにくだが、住民のグールや下級ヴァンパイアたちは燃やし尽くした」
「あんなの、ミネアの血があればいくらでも作れるわ」
「ますます、君を殺さないといけなくなったね」
京楽は、銀の剣を抜いた。
S級ハンターにだけ所持を許される、聖剣であった。
「せめて、楽にいかせてあげよう」
「ミネアはこんなところで死なないわ!この町と同じように、隣の都市のリハイムも手に入れるのよ!」
叫ぶミネアを、京楽は顔色一つ変えずに、その心臓を貫く。
「あはははは、ミネアの心臓は・・・・・」
「これだろう?」
浮竹の手には、どくどくと脈打つ心臓があった。
「ぎゃああ、それに触るな!かくしておいたのに、なぜ見つけた!」
「そりゃ、あんだけ結界はってれば、ここに何かありますっていっているようなものだしな。そら、京楽、トドメを」
「いやああああああ!ごめんなさい、もう何もしませんから、どうか命だけは!」
「自分勝手がすぎるよ。おとなしく、死んで?」
京楽は、聖剣でミネアの心臓を貫いた。
「ぎゃあああああああああ」
叫び声を残して、ミネアは灰となる。その灰を、浮竹はカプセルに入れる。
「さすがだな、京楽」
「しっぽり!」
「前言撤回。お前の頭には、しっぽりすることしかないのか!」
「うん」
「だめだこりゃ」
ハンターギルドに行き、灰を提出して金貨千枚を手に入れた。
「けっこうば儲けになったな」
「早く!早く家に帰ってしっぽりしよう!」
「はぁ・・・・・まあ、約束だから仕方ない。しっぽりするか」
「やっほう!二週間ぶりに浮竹を抱ける!」
「まぁ、二週間禁欲言いつけてたからな。よく守れたな」
京楽は、浮竹を抱きしめる。
「君に嫌われたくないからね。ボクの花婿」
「お前が花嫁なんだよなぁ。変だが」
「変でもなんでもいいから、家に帰ってしっぽりしようね」
「ああ、分かっている」
京楽は性欲が強いが二週間も禁欲を言いつけられた反動か、浮竹が意識を失うまで抱くのであった。
血と聖水と名において1
むせ返るような血の匂い。錆びた鉄の匂いが空気に四散している。
浮竹は、無残にもヴァンパイアに血を吸われた死体を検分していた。
「まだ生暖かい」
死体は、まだ先ほどまで生きていたのだろう。
「血と聖水の名において・・・アーメン」
浮竹にに信じる神はない。何せ、彼はヴァンパイアと人の子の間に生まれたヴァンピールであり、ヴァンパイア退治をするヴァンパイアハンターであった。
浮竹は、もっていた銃で、死体の頭部を撃ち抜いた。
そうしないと、グールとなって、生ける屍となるか、ヴァンパイアの下等な、本能で血を求めるだけのヴァンパイアとして蘇ってしまう可能性もあるからだ。
死者がヴァンパイア化すると、知能はゼロだが、並外れた身体能力を有する場合が多い。本当なら、心臓に杭をさして聖水をかけ、墓地に埋葬しなければいけなかったが、そんなことをしている時間はない。
銃の銀の弾丸が、聖水のかわりになってくれる。頭部を銀の弾丸でうちぬけば、ヴァンパイアは死ぬ。
「美しい方・・・・このような荒れ果てた町へようこそ」
背後から声がした。
浮竹の体は、とんでいた。
地面から体が離れ、ほんの一瞬浮遊感を味わったかと思うと、家のレンガに叩きつけられていた。
「がはっ]
「匂いがする・・・・銀の匂いが。ヴァンパイアハンターか」
現れたのは、ごく普通のヴァンパイアではなく、ヴァンパイアロードだった。
ぎりっと、長く細い手が伸びて、浮竹の首を絞めた。
「くっ」
目の前にいたのは、美しい容姿をした20代後半のヴァンパイアロードの男だった。黒一色の服をまとい、血の色のマントをしていた。一般的なヴァンパイアの服装だ。
「それにしても美しいな・・・・」
浮竹は容姿を褒められることが多かった。長い白い髪に翡翠の瞳、整った顔、白い肌。ヴァンピールは美しい者がおおい。
ヴァンパイアロードの手が首から外されると、浮竹は呼吸を求めて息をつくと、いっきに駆け出した。
「血と聖水の名において・・・アーメン!」
長い真紅のコートの下から銀の短剣を取り出し、ヴァンパイアロードに向かって投げる。ヴァンパイアロードは余裕でそれをかわし、一度無数のこうもりの姿になる。それにむかって、また銀の短剣を投げる。
「100人目の生贄になってもらおうか」
そのヴァンパイアロードはが跳躍し、浮竹と距離をとる。
ヴァンパイアロードは、浮竹の影に潜んだ。
「な!」
いきなり背後から現れて、浮竹が体勢を立て直す前に、その首筋に、ヴァンパイアロードが牙をたてる。
「やめろ!」
抗うが、凄まじい力にはなすすべもない。
浮竹は、血を吸われ、そしてゆっくりと微笑んだ。
「俺の血には水銀がまじっている。猛毒だぞ」
「なにいいい」
「血と聖水の名において・・・・いでよ、フェンリル!」
「うぐああああ、喉が、喉がやけるうう!」
もがくヴァンパイアロードに向かって、銀の短剣を投げて描いた陣で、使役魔を呼び出した。フェンリルと名づけた狼は、氷を司る精霊だ。
凍てつく氷のブレスを受けて、ヴァンパイアロードは凍結した。
氷の彫像と化したヴァンパイアロードに、浮竹は銀の弾丸を撃ち込んだ。
ガラガラと、氷の彫像が崩れ、そして灰になっていく。
「血と聖水の名において」
灰を小さなカプセルの中に入れ、そのヴァンパイアのを個体を倒した証とする。灰と引き換えに、ヴァンパイアハンターは報酬金をもらっていた。
「あ、すまん。精霊界に戻ってくれ」
呼び出したフェンリルを元の世界に戻そうするが。フェンリルは戻ってくれない。
フェンリルは尻尾をふって、浮竹にじゃれてくる。
「すまない。戻ってくれないだろうか」
「わん」
「狼なので、わんと咆えないでくれないか」
「にゃあ」
「いや、もっと違うから・・・」
浮竹は、銃をホルダーに直し、カプセルを直すと、ため息をついた。
いつもこんなかんじで、いつまでたっても一流のヴァンパイアハンターになれない。使役魔の数は他のヴァンパイアハンターと比べてもひけをとらないが、使役魔は服従絶対であるのに、浮竹の使役魔は時々いうことを聞いてくれない。
他のヴァンパイアハンターにバカにされることもしばしばだ。もう十年もヴァンパイアハンターを続けているのに、未だに字(あざな)をもらえない。
「はぁ・・・・京楽の元に帰るか」
フェンリルを抱き上げて、浮竹は住処の洋館へと帰還した。
「お帰り。無事、退治できたようだね」
「普通、神父であるお前の仕事だろうが」
「ポクも一応ヴァンパイアハンターだけど、あんまり向いてないから」
「にゃあ」
「フェンリル、外で遊んでおいで」
「にゃあ」
浮竹の使役魔であるフェンリルは、中庭で遊びだした。
「浮竹、血を吸われたね?他にけがはない?」
京楽が、癒しの力で浮竹のヴァンパイアロードに噛まれた傷を癒す。
「他にけがはない」
「そう。ならよかった。昼食の準備はできてるよ」
浮竹と暮らす神父の名は、京楽春水。
神父であり、ヴァンパイアハンターであるが、滅ぼすべきヴァンピールである浮竹と一緒に暮らして10年になる。
浮竹の、いわばヴァンパイアの花嫁として浮竹と契約しており、ただの人間ではなった。不老であった。
浮竹はヴァンピールであるが、父親がヴァンパイアマスター、全てのヴァンパイアの頂点に立つ者で、力はあった。
ただ、今はまだ能力は眠りについていて、本来の力をあまり発揮できずにいた。
「京楽、ヴァンパイアハンターギルドに灰を納品に行くから、ついてきてくれ。お前がいると、俺に敵意を向けるヴァンパイアハンターが少ない」
ヴァンピールも、人の血を吸って生きる。
浮竹の場合、人工血液か、もしくは京楽の血であった。
「へぇ、今回はヴァンパイアロードだったんだ。強くなったね、浮竹」
「まだまだだ。それより、京楽、お前はいつになったらヴァンパイアハンターの稼業を再開するんだ?」
「ん-。気が向いたらかなぁ」
京楽は、浮竹と契っている。
その気になれば、京楽は浮竹を殺せる力をもつ。いや、ヴァンパイアマスターでさえ滅ぼせるかもしれない。
出会いは、父親であるヴァンパイアマスターを退治しにきた京楽が、ヴァンパイアマスターの一粒種であった浮竹に一目ぼれをして、浮竹の父は京楽を殺せたが、面白いといって、浮竹と一緒に自由にさせた。
結果、浮竹は京楽と契って契約を交わし、京楽は不老になった。
でも、ヴァンパイアハンターである。
ヴァンピールである浮竹は、自分たちを守るため、わざとヴァンパイアハンターになって、同胞を殺していた。
昼食を食べ終えて、浮竹と京楽はヴァンパイアハンターギルドに出かける。
「おい、見ろよ、ヴァンピールの浮竹だぞ」
「あっちは神父でありながら、契約者になった京楽だ」
ひそひそ噂話をされるが、気にしない。
「マスター、手配書のあったヴァンパイアロードの灰だ」
「どれどれ・・・・おお、本物だな。ヴァンパイアロードを倒せるなんて、成長したじゃないか浮竹」
「フェンリルのおかげだ」
「にゃああ」
「そのフェンリル、本当に氷の魔狼か?どう見てもにゃあと鳴く子犬に見えるが」
「フェンリル、ブレスを」
「にゃあ」
ハンターギルドのマスターの髪を氷漬けにして、フェンリルは精霊界に戻っていった。
「報酬の、金貨200枚だ。京楽、あんたは浮竹にばかりヴァンパイア退治させて、自分もヴァンパイアハンターなのに浮竹のひもになっているのか?」
「あはははは。まぁ、家事全般やってるから、浮竹の家政婦みたいなもんだよ」
「あんたほどの腕があるなら、ヴァンパイアの駆除も楽になるんだがな」
「マスター、あまり無理を言わないでくれ。京楽には、今その気はないし、ヴァンパイア退治をはじめると、父であるヴァンパイアマスターが出てきそうだから」
浮竹の言葉に、ギルドマスターは顔を青くする。
「ヴァンパイアマスターなんて出た日には、ヴァンパイアハンターなんてみんな殺される」
「父は、平和主義者だ。ハンターをさしむけない限り、害をなすことがない」
「浮竹、お前がヴァンパイアマスターの子でよかったよ。ヴァンパイアハンターとして同族を殺しているが、父親がマスターだから、このギルドまでは報復にこない。どのヴァンパイアも」
「ああ。報復にきたら、俺が退治する」
「ふふ、もう10年か。早いものだな。水銀の浮竹という、二つ名をやろう」
浮竹は嬉しそうに顔をあげる。
「二つ名か!俺も、一人前と認められるんだな?」
「ああ。ロードを倒すくらいだからな」
「よかったね、浮竹。帰ったら、しっぽりしようね?」
「ええい、京楽は一人でしっぽりしてろ!」
「そんなー」
「それがいやなら、そろそろヴァンパイアハンターとして活動しろ」
浮竹は、次のターゲットの情報をもらう。
「次は、東のバラムにいるヴァンピールを退治してほしい。ただのヴァンピールでなく、特異体質で、すでに3人のハンターがやられている」
「分かった。出でよ、フェニックス!」
「きゅああああ!!!」
「ちょ、ギルド内で使役魔を呼ばないでくれ!」
「大丈夫だ。小さくしている」
「そうか」
「浮竹は、使役魔の数は多いからねえ」
「うるさい。どうせ、まだB級のハンターだ。悪かったな」
「いや、攻めてはいないんだけど」
「フェニックス。東のバラムを偵察してきてくれ。ヴァンパイア化した人間がいたなら、炎で焼き殺してくれ」
「きゅああああ」
分かったと、フェニックスは東のバラムに飛んでいく。
「さて、たまには本当に働いてもらうぞ、京楽」
「えー。めんどくさいーーー」
「一緒にバラムに行くんだ」
「それ終わったら、しっぽりしていい?」
「ああ、いいから行くぞ」
浮竹と京楽は、ヴァンパイアハンターとして、再始動するのであった。
浮竹は、無残にもヴァンパイアに血を吸われた死体を検分していた。
「まだ生暖かい」
死体は、まだ先ほどまで生きていたのだろう。
「血と聖水の名において・・・アーメン」
浮竹にに信じる神はない。何せ、彼はヴァンパイアと人の子の間に生まれたヴァンピールであり、ヴァンパイア退治をするヴァンパイアハンターであった。
浮竹は、もっていた銃で、死体の頭部を撃ち抜いた。
そうしないと、グールとなって、生ける屍となるか、ヴァンパイアの下等な、本能で血を求めるだけのヴァンパイアとして蘇ってしまう可能性もあるからだ。
死者がヴァンパイア化すると、知能はゼロだが、並外れた身体能力を有する場合が多い。本当なら、心臓に杭をさして聖水をかけ、墓地に埋葬しなければいけなかったが、そんなことをしている時間はない。
銃の銀の弾丸が、聖水のかわりになってくれる。頭部を銀の弾丸でうちぬけば、ヴァンパイアは死ぬ。
「美しい方・・・・このような荒れ果てた町へようこそ」
背後から声がした。
浮竹の体は、とんでいた。
地面から体が離れ、ほんの一瞬浮遊感を味わったかと思うと、家のレンガに叩きつけられていた。
「がはっ]
「匂いがする・・・・銀の匂いが。ヴァンパイアハンターか」
現れたのは、ごく普通のヴァンパイアではなく、ヴァンパイアロードだった。
ぎりっと、長く細い手が伸びて、浮竹の首を絞めた。
「くっ」
目の前にいたのは、美しい容姿をした20代後半のヴァンパイアロードの男だった。黒一色の服をまとい、血の色のマントをしていた。一般的なヴァンパイアの服装だ。
「それにしても美しいな・・・・」
浮竹は容姿を褒められることが多かった。長い白い髪に翡翠の瞳、整った顔、白い肌。ヴァンピールは美しい者がおおい。
ヴァンパイアロードの手が首から外されると、浮竹は呼吸を求めて息をつくと、いっきに駆け出した。
「血と聖水の名において・・・アーメン!」
長い真紅のコートの下から銀の短剣を取り出し、ヴァンパイアロードに向かって投げる。ヴァンパイアロードは余裕でそれをかわし、一度無数のこうもりの姿になる。それにむかって、また銀の短剣を投げる。
「100人目の生贄になってもらおうか」
そのヴァンパイアロードはが跳躍し、浮竹と距離をとる。
ヴァンパイアロードは、浮竹の影に潜んだ。
「な!」
いきなり背後から現れて、浮竹が体勢を立て直す前に、その首筋に、ヴァンパイアロードが牙をたてる。
「やめろ!」
抗うが、凄まじい力にはなすすべもない。
浮竹は、血を吸われ、そしてゆっくりと微笑んだ。
「俺の血には水銀がまじっている。猛毒だぞ」
「なにいいい」
「血と聖水の名において・・・・いでよ、フェンリル!」
「うぐああああ、喉が、喉がやけるうう!」
もがくヴァンパイアロードに向かって、銀の短剣を投げて描いた陣で、使役魔を呼び出した。フェンリルと名づけた狼は、氷を司る精霊だ。
凍てつく氷のブレスを受けて、ヴァンパイアロードは凍結した。
氷の彫像と化したヴァンパイアロードに、浮竹は銀の弾丸を撃ち込んだ。
ガラガラと、氷の彫像が崩れ、そして灰になっていく。
「血と聖水の名において」
灰を小さなカプセルの中に入れ、そのヴァンパイアのを個体を倒した証とする。灰と引き換えに、ヴァンパイアハンターは報酬金をもらっていた。
「あ、すまん。精霊界に戻ってくれ」
呼び出したフェンリルを元の世界に戻そうするが。フェンリルは戻ってくれない。
フェンリルは尻尾をふって、浮竹にじゃれてくる。
「すまない。戻ってくれないだろうか」
「わん」
「狼なので、わんと咆えないでくれないか」
「にゃあ」
「いや、もっと違うから・・・」
浮竹は、銃をホルダーに直し、カプセルを直すと、ため息をついた。
いつもこんなかんじで、いつまでたっても一流のヴァンパイアハンターになれない。使役魔の数は他のヴァンパイアハンターと比べてもひけをとらないが、使役魔は服従絶対であるのに、浮竹の使役魔は時々いうことを聞いてくれない。
他のヴァンパイアハンターにバカにされることもしばしばだ。もう十年もヴァンパイアハンターを続けているのに、未だに字(あざな)をもらえない。
「はぁ・・・・京楽の元に帰るか」
フェンリルを抱き上げて、浮竹は住処の洋館へと帰還した。
「お帰り。無事、退治できたようだね」
「普通、神父であるお前の仕事だろうが」
「ポクも一応ヴァンパイアハンターだけど、あんまり向いてないから」
「にゃあ」
「フェンリル、外で遊んでおいで」
「にゃあ」
浮竹の使役魔であるフェンリルは、中庭で遊びだした。
「浮竹、血を吸われたね?他にけがはない?」
京楽が、癒しの力で浮竹のヴァンパイアロードに噛まれた傷を癒す。
「他にけがはない」
「そう。ならよかった。昼食の準備はできてるよ」
浮竹と暮らす神父の名は、京楽春水。
神父であり、ヴァンパイアハンターであるが、滅ぼすべきヴァンピールである浮竹と一緒に暮らして10年になる。
浮竹の、いわばヴァンパイアの花嫁として浮竹と契約しており、ただの人間ではなった。不老であった。
浮竹はヴァンピールであるが、父親がヴァンパイアマスター、全てのヴァンパイアの頂点に立つ者で、力はあった。
ただ、今はまだ能力は眠りについていて、本来の力をあまり発揮できずにいた。
「京楽、ヴァンパイアハンターギルドに灰を納品に行くから、ついてきてくれ。お前がいると、俺に敵意を向けるヴァンパイアハンターが少ない」
ヴァンピールも、人の血を吸って生きる。
浮竹の場合、人工血液か、もしくは京楽の血であった。
「へぇ、今回はヴァンパイアロードだったんだ。強くなったね、浮竹」
「まだまだだ。それより、京楽、お前はいつになったらヴァンパイアハンターの稼業を再開するんだ?」
「ん-。気が向いたらかなぁ」
京楽は、浮竹と契っている。
その気になれば、京楽は浮竹を殺せる力をもつ。いや、ヴァンパイアマスターでさえ滅ぼせるかもしれない。
出会いは、父親であるヴァンパイアマスターを退治しにきた京楽が、ヴァンパイアマスターの一粒種であった浮竹に一目ぼれをして、浮竹の父は京楽を殺せたが、面白いといって、浮竹と一緒に自由にさせた。
結果、浮竹は京楽と契って契約を交わし、京楽は不老になった。
でも、ヴァンパイアハンターである。
ヴァンピールである浮竹は、自分たちを守るため、わざとヴァンパイアハンターになって、同胞を殺していた。
昼食を食べ終えて、浮竹と京楽はヴァンパイアハンターギルドに出かける。
「おい、見ろよ、ヴァンピールの浮竹だぞ」
「あっちは神父でありながら、契約者になった京楽だ」
ひそひそ噂話をされるが、気にしない。
「マスター、手配書のあったヴァンパイアロードの灰だ」
「どれどれ・・・・おお、本物だな。ヴァンパイアロードを倒せるなんて、成長したじゃないか浮竹」
「フェンリルのおかげだ」
「にゃああ」
「そのフェンリル、本当に氷の魔狼か?どう見てもにゃあと鳴く子犬に見えるが」
「フェンリル、ブレスを」
「にゃあ」
ハンターギルドのマスターの髪を氷漬けにして、フェンリルは精霊界に戻っていった。
「報酬の、金貨200枚だ。京楽、あんたは浮竹にばかりヴァンパイア退治させて、自分もヴァンパイアハンターなのに浮竹のひもになっているのか?」
「あはははは。まぁ、家事全般やってるから、浮竹の家政婦みたいなもんだよ」
「あんたほどの腕があるなら、ヴァンパイアの駆除も楽になるんだがな」
「マスター、あまり無理を言わないでくれ。京楽には、今その気はないし、ヴァンパイア退治をはじめると、父であるヴァンパイアマスターが出てきそうだから」
浮竹の言葉に、ギルドマスターは顔を青くする。
「ヴァンパイアマスターなんて出た日には、ヴァンパイアハンターなんてみんな殺される」
「父は、平和主義者だ。ハンターをさしむけない限り、害をなすことがない」
「浮竹、お前がヴァンパイアマスターの子でよかったよ。ヴァンパイアハンターとして同族を殺しているが、父親がマスターだから、このギルドまでは報復にこない。どのヴァンパイアも」
「ああ。報復にきたら、俺が退治する」
「ふふ、もう10年か。早いものだな。水銀の浮竹という、二つ名をやろう」
浮竹は嬉しそうに顔をあげる。
「二つ名か!俺も、一人前と認められるんだな?」
「ああ。ロードを倒すくらいだからな」
「よかったね、浮竹。帰ったら、しっぽりしようね?」
「ええい、京楽は一人でしっぽりしてろ!」
「そんなー」
「それがいやなら、そろそろヴァンパイアハンターとして活動しろ」
浮竹は、次のターゲットの情報をもらう。
「次は、東のバラムにいるヴァンピールを退治してほしい。ただのヴァンピールでなく、特異体質で、すでに3人のハンターがやられている」
「分かった。出でよ、フェニックス!」
「きゅああああ!!!」
「ちょ、ギルド内で使役魔を呼ばないでくれ!」
「大丈夫だ。小さくしている」
「そうか」
「浮竹は、使役魔の数は多いからねえ」
「うるさい。どうせ、まだB級のハンターだ。悪かったな」
「いや、攻めてはいないんだけど」
「フェニックス。東のバラムを偵察してきてくれ。ヴァンパイア化した人間がいたなら、炎で焼き殺してくれ」
「きゅああああ」
分かったと、フェニックスは東のバラムに飛んでいく。
「さて、たまには本当に働いてもらうぞ、京楽」
「えー。めんどくさいーーー」
「一緒にバラムに行くんだ」
「それ終わったら、しっぽりしていい?」
「ああ、いいから行くぞ」
浮竹と京楽は、ヴァンパイアハンターとして、再始動するのであった。
桜のあやかしと共に98
藍染は、7つある命のうち、3つを失った。
魔神であることが終わったのだ。
「何故だ!何故、私は神のままでいられない!」
「それは、君が神にふさわしくないからだよ」
「ええい、うるさい!死ね!」
藍染は、憐れむような京楽に向けて、破壊の力を発動させる。
京楽は、それを桜鬼神の力で受け止める。
「何故、私だけ神になれないのだ!こんなにも神になりたいのに」
「動機が不純だからだろう。お前は神の力を利用してこの世界を自分のものにしようとしている」
桜の花神になった浮竹は、ふっと桜の花びらを吹いた。
それは炎となって藍染を包み込む。
「この程度の攻撃・・・・・」
藍染は、火をすぐに消し去った。
「やはり、しぶといな。魔神になりそこなっても神もどきであることには変わりない。京楽!」
「うん、分かってるよ!」
浮竹と京楽は、神の力を合体させる。
「われは桜の神。四季の神。桜の鬼の神。死するに値する者よ、滅びるがいい」
「うぎゃああああああ」
藍染は、4つの命のうち1つをまた失った。
「こ、こうなれば魔神ユーハバッハの核を取り込んでやる!」
藍染は、取り出した魔神ユーハバッハの核を飲み込んだ。
「くくくく、力があふれてくる」
「愚かな。相応の力もないのに、そんなものを取り込めば・・・・・・」
「ぐが、ぐぎゃああああああああ!!」
藍染は、血を全身から出しながら倒れる。
「愚かな者に死の慈悲を」
浮竹と京楽は、神として合体して一柱の神になっていた。元々、桜の花神も桜鬼神も1つの神であった。
「さぁ、残りの命はあと3つ。いつまで耐えれるかな?」
「ま、待て!わ、私と手を組もう!」
「そんなことするわけないと、分かっているだろに。我は桜の神。桜があれば、それでよいのだ」
異界にある、桜の大樹が輝いた。
「滅びよ、藍染」
「ぎゃああああああああ」
一気に残り3つの命を奪われて、藍染は塵となってこの世から消え失せた。
「ふう、終わったね」
「ああ、終わったな」
桜の神であった二人は、一人から二人に戻っていた。
「さて、これからどうするの?」
「藍染の手下を全て殺す」
「容赦ないねぇ」
「第二の藍染が出てこないとも限らないからな」
「そうだね。一掃したら、平和になるね」
それから、1か月かけて藍染の手下を全て処分した。
「結局、太陽の王の出番はなかったね」
「一護くんには、争いと無縁でいてほしいからな」
「うん、そうだね」
「俺は長く生きすぎた。少し・・・・・そうだな、1年くらい休眠しようと思う」
「じゃあ、ボクも付き合うよ」
「祓い屋の仕事はいいのか?」
浮竹が首を傾げる。
「恋次くんになすりつける」
「ふふ、わがままな神もあったものだな」
「じゃあ、眠ろうか」
「うん」
異界の桜の大樹は、いつものように咲き狂っていた。
「いつか、人とあやかしが仲良く生きられる時代がくるといいな」
「そうだね」
二人は、1年の休眠に入るのだった。
藍染はいなくなり、脅威は去った。
二人は、不要となった神の力を放棄するために休眠に入ったのだ。
それから1年後、休眠から目覚めると、白哉が迎えにいてくれた。恋次も一緒だった。
「この赤ハエがあああああああ」
「うわあああ、だから、一緒に迎えに行くの反対だったんです!」
浮竹は、どこからか殺虫スプレーを取り出して恋次にふきかける。
「うう、体がしびれる」
「ふふふ。人間にも効くように作ったからな」
「浮竹、やめないと、弟であることをやめるぞ?」
「白哉、すまなかった」
浮竹はしょんぼりした。
「さぁ、現世に返ろう。鴆の京楽と彼岸花の整理絵の浮竹が、首を長くして待っているぞ」
「帰ろうか、京楽」
「うん」
こうして、二人は京楽のマンションに戻る。
『やっと目覚めたな。神であることをやめたのか。もったいない』
『藍染が死んで、不要になったからじゃない?』
「その通りだ。不相応の力は、己を滅ぼす」
「ボクは神のままでもよかったんだけどね?」
京楽は、浮竹にハリセンではたかれる。
「さぁ、藍染もその手下もいない平和な世界を満喫しよう。まずは世界旅行だ!」
「うわあ、スケールがでかいねぇ」
『またいなくなるのか?』
彼岸花の精霊の浮竹が不機嫌そうに言う。
「何、異界渡りをすれば、いつでも会える」
『それならいい。桜の王とはもっと遊びたいからな』
鴆の京楽は、薬をいっぱいくれた。
『1年も眠っていたんでしょ。力が弱まっているはずだよ。これはそれを治す薬ね?』
「ああ、ありがとう」
「ありがとね」
浮竹と京楽は、白哉も連れて世界一周旅行に出かけることになった。
平和なさりげない日常が戻ってくる。
船での旅であったが、浮竹はよく異界を通って、彼岸花の精霊の浮竹と鴆の京楽に、京楽と一緒に会いにいった。
「世界は広いぞ」
『うん、そうだね。ボクもいつか、外の世界を旅してみたいよ』
「まずは、人になれることからだな」
『うん』
『今日のお土産は?』
急かす彼岸花の精霊の浮竹に、浮竹はドーナツをあげた。
『始めてた食べるが、うまいな』
「ふふ。さぁ、始めようか、俺たちの新しい物語を」
浮竹は、桜の花びらを散らせて、微笑んだ。
みんな、その顔があまりにも綺麗なので、見つめていた。
さぁ、はじめよう。
新しい、物語を。
魔神であることが終わったのだ。
「何故だ!何故、私は神のままでいられない!」
「それは、君が神にふさわしくないからだよ」
「ええい、うるさい!死ね!」
藍染は、憐れむような京楽に向けて、破壊の力を発動させる。
京楽は、それを桜鬼神の力で受け止める。
「何故、私だけ神になれないのだ!こんなにも神になりたいのに」
「動機が不純だからだろう。お前は神の力を利用してこの世界を自分のものにしようとしている」
桜の花神になった浮竹は、ふっと桜の花びらを吹いた。
それは炎となって藍染を包み込む。
「この程度の攻撃・・・・・」
藍染は、火をすぐに消し去った。
「やはり、しぶといな。魔神になりそこなっても神もどきであることには変わりない。京楽!」
「うん、分かってるよ!」
浮竹と京楽は、神の力を合体させる。
「われは桜の神。四季の神。桜の鬼の神。死するに値する者よ、滅びるがいい」
「うぎゃああああああ」
藍染は、4つの命のうち1つをまた失った。
「こ、こうなれば魔神ユーハバッハの核を取り込んでやる!」
藍染は、取り出した魔神ユーハバッハの核を飲み込んだ。
「くくくく、力があふれてくる」
「愚かな。相応の力もないのに、そんなものを取り込めば・・・・・・」
「ぐが、ぐぎゃああああああああ!!」
藍染は、血を全身から出しながら倒れる。
「愚かな者に死の慈悲を」
浮竹と京楽は、神として合体して一柱の神になっていた。元々、桜の花神も桜鬼神も1つの神であった。
「さぁ、残りの命はあと3つ。いつまで耐えれるかな?」
「ま、待て!わ、私と手を組もう!」
「そんなことするわけないと、分かっているだろに。我は桜の神。桜があれば、それでよいのだ」
異界にある、桜の大樹が輝いた。
「滅びよ、藍染」
「ぎゃああああああああ」
一気に残り3つの命を奪われて、藍染は塵となってこの世から消え失せた。
「ふう、終わったね」
「ああ、終わったな」
桜の神であった二人は、一人から二人に戻っていた。
「さて、これからどうするの?」
「藍染の手下を全て殺す」
「容赦ないねぇ」
「第二の藍染が出てこないとも限らないからな」
「そうだね。一掃したら、平和になるね」
それから、1か月かけて藍染の手下を全て処分した。
「結局、太陽の王の出番はなかったね」
「一護くんには、争いと無縁でいてほしいからな」
「うん、そうだね」
「俺は長く生きすぎた。少し・・・・・そうだな、1年くらい休眠しようと思う」
「じゃあ、ボクも付き合うよ」
「祓い屋の仕事はいいのか?」
浮竹が首を傾げる。
「恋次くんになすりつける」
「ふふ、わがままな神もあったものだな」
「じゃあ、眠ろうか」
「うん」
異界の桜の大樹は、いつものように咲き狂っていた。
「いつか、人とあやかしが仲良く生きられる時代がくるといいな」
「そうだね」
二人は、1年の休眠に入るのだった。
藍染はいなくなり、脅威は去った。
二人は、不要となった神の力を放棄するために休眠に入ったのだ。
それから1年後、休眠から目覚めると、白哉が迎えにいてくれた。恋次も一緒だった。
「この赤ハエがあああああああ」
「うわあああ、だから、一緒に迎えに行くの反対だったんです!」
浮竹は、どこからか殺虫スプレーを取り出して恋次にふきかける。
「うう、体がしびれる」
「ふふふ。人間にも効くように作ったからな」
「浮竹、やめないと、弟であることをやめるぞ?」
「白哉、すまなかった」
浮竹はしょんぼりした。
「さぁ、現世に返ろう。鴆の京楽と彼岸花の整理絵の浮竹が、首を長くして待っているぞ」
「帰ろうか、京楽」
「うん」
こうして、二人は京楽のマンションに戻る。
『やっと目覚めたな。神であることをやめたのか。もったいない』
『藍染が死んで、不要になったからじゃない?』
「その通りだ。不相応の力は、己を滅ぼす」
「ボクは神のままでもよかったんだけどね?」
京楽は、浮竹にハリセンではたかれる。
「さぁ、藍染もその手下もいない平和な世界を満喫しよう。まずは世界旅行だ!」
「うわあ、スケールがでかいねぇ」
『またいなくなるのか?』
彼岸花の精霊の浮竹が不機嫌そうに言う。
「何、異界渡りをすれば、いつでも会える」
『それならいい。桜の王とはもっと遊びたいからな』
鴆の京楽は、薬をいっぱいくれた。
『1年も眠っていたんでしょ。力が弱まっているはずだよ。これはそれを治す薬ね?』
「ああ、ありがとう」
「ありがとね」
浮竹と京楽は、白哉も連れて世界一周旅行に出かけることになった。
平和なさりげない日常が戻ってくる。
船での旅であったが、浮竹はよく異界を通って、彼岸花の精霊の浮竹と鴆の京楽に、京楽と一緒に会いにいった。
「世界は広いぞ」
『うん、そうだね。ボクもいつか、外の世界を旅してみたいよ』
「まずは、人になれることからだな」
『うん』
『今日のお土産は?』
急かす彼岸花の精霊の浮竹に、浮竹はドーナツをあげた。
『始めてた食べるが、うまいな』
「ふふ。さぁ、始めようか、俺たちの新しい物語を」
浮竹は、桜の花びらを散らせて、微笑んだ。
みんな、その顔があまりにも綺麗なので、見つめていた。
さぁ、はじめよう。
新しい、物語を。
桜のあやかしと共に97
彼岸花の精霊の浮竹と鴆の京楽の力をかりて、浮竹は京楽のさらわれた商店街にきていた。
ちょうど昼頃で、活気があってにぎわっていたが、鴆の京楽は人がだめなので、人のいない場所で待機してもらっていた。
「このへんに、京楽がいるはずなんだが」
『窮鼠と藍染のにおいがする』
「あ、十四郎!」
現れたのは、元に戻っていた京楽だった。
誘拐から6時間が経過していた。商店街につくまでに、走ったが4時間もかかってしまった。
幼子になった京楽に、何かあるかと心配していたが、杞憂に終わった。
「お前、窮鼠は?」
「3歳の体で術を使ったら暴走して、ズタボロになって死んだよ」
『それはちょっと気の毒だな』
彼岸花の精霊の浮竹は、クスクスと笑う。
「お前が無事でよかった」
「もう、これにこりたら縮む薬なんて飲ませないでね!」
「あ、ああ」
3歳の京楽を愛でたかった浮竹であるが、敵に誘拐されるとは思っていなかったので、もう飲ませないと誓う。
『藍染は出たのか?ブーンカサカサろ』
「それゴキじゃ・・・・・」
『あんなやつ、ゴキブリでいいだろ』
「そうだそうだ。ゴキだ。藍ゴキだ]
二人の浮竹は、藍染をゴキブリ扱いする。
「殺虫スプレー今度買ってこよう」
『藍染ホイホイはないのか?』
「ひっかかるエサが何かわからないからな」
「藍染はこなかったけど、そのうち来るとは言っていたね。魔王の種とかいうものを窮鼠は藍染からもらっていたみたいだけど、確かにただの窮鼠にしてはやたらとタフだったけど、しょせんは窮鼠。ぎったんぎったんにしてやったよ」
「3歳の体でか?」
「うん、そう。いつもより術が扱いにくかったけど、暴走してくれたおかげでいつもの2倍の威力が出たし、藍染が来る前に脱出できたから問題はないよ」
『窮鼠は、お前を贄にすると言っていたんだろう?』
彼岸花の精霊の浮竹は、京楽の心配をする。
『本当に、大丈夫なのか?』
「大丈夫。何もされてないはず・・・・・浮竹、一応チェックしてみて」
京楽は、浮竹に頼む。
「あ、魔王の種!お前の背中についていたぞ。発芽していたら、ちょっとややこしいことになったかもな」
「魔王の種ごときで、死んだり傷ついたりはしないだろうけど、一応藍染の手下もどきにされてしまう可能性もあるからね」
『窮鼠もばかだな。魔神か知らないが、藍染なんかにくみするから、死ぬ羽目になった』
彼岸花の精霊の浮竹は、さまよい出てきた窮鼠の魂を、冥界に送ってやる。
「そういえば、何か忘れているような気がするんだが」
「なんだろうね?」
『さぁ、なんだろろう』
三人は、首を傾げる。
『ちょっと、どうなってるの~。人無理だから隔離されたのに、迎えにもきてくれないなんて薄情だーーーーー』
鴆の京楽の存在を、三人はすっかり忘れていた。
彼岸花の精霊の浮竹が思い出して、商店街から帰還した後で気づいた。
『そういえば、京楽を知らないか』
「ああ、そういえば人が無理っていうから、空き店舗にいてくれってお願いして忘れてた」
『異界渡りをして、迎えに行ってくる』
「ああ。すまないと、伝えておいてくれ」
「ボクを助けに人は無理なのに、きてくれてたんだね。今度、改めてお礼をしなきゃね?」
『じゃあ、京楽を迎えにいってくる』
「ああ、行ってこい」
-----------------------------------------------------
「窮鼠?ばらばらじゃないか。魔王の種を植えこんだんだぞ?それをこうもたやすく殺すとは・・・・・・桜鬼神は、私の魔神と同等かそれ以上の力でもあるというのか?」
窮鼠の死体を踏みつぶして、藍染は歯ぎしりする。
窮鼠が、魔王の種を欲しがっていたので、かわりに桜鬼神をさらって生贄にしろと言っておいたのだ。
まぁ、最初から生贄にするのは無理だろうとは思っていたが、3歳の姿でここまでされると、さすがに桜鬼神の力の巨大さを見せつけられるようで、面白くなかった。
「魔王の種を改良するか。もっと、力がつくように・・・・・」
藍染は、自分がゴキブリ呼ばわりされていることなど、全く知る由もなかった。
浮竹と京楽は、きっと待っていたら藍染と会えたかもしれないが、決選の準備が整っていないし、穏やかに暮らしたいので、藍染を放置プレイしておくのだった。
ちょうど昼頃で、活気があってにぎわっていたが、鴆の京楽は人がだめなので、人のいない場所で待機してもらっていた。
「このへんに、京楽がいるはずなんだが」
『窮鼠と藍染のにおいがする』
「あ、十四郎!」
現れたのは、元に戻っていた京楽だった。
誘拐から6時間が経過していた。商店街につくまでに、走ったが4時間もかかってしまった。
幼子になった京楽に、何かあるかと心配していたが、杞憂に終わった。
「お前、窮鼠は?」
「3歳の体で術を使ったら暴走して、ズタボロになって死んだよ」
『それはちょっと気の毒だな』
彼岸花の精霊の浮竹は、クスクスと笑う。
「お前が無事でよかった」
「もう、これにこりたら縮む薬なんて飲ませないでね!」
「あ、ああ」
3歳の京楽を愛でたかった浮竹であるが、敵に誘拐されるとは思っていなかったので、もう飲ませないと誓う。
『藍染は出たのか?ブーンカサカサろ』
「それゴキじゃ・・・・・」
『あんなやつ、ゴキブリでいいだろ』
「そうだそうだ。ゴキだ。藍ゴキだ]
二人の浮竹は、藍染をゴキブリ扱いする。
「殺虫スプレー今度買ってこよう」
『藍染ホイホイはないのか?』
「ひっかかるエサが何かわからないからな」
「藍染はこなかったけど、そのうち来るとは言っていたね。魔王の種とかいうものを窮鼠は藍染からもらっていたみたいだけど、確かにただの窮鼠にしてはやたらとタフだったけど、しょせんは窮鼠。ぎったんぎったんにしてやったよ」
「3歳の体でか?」
「うん、そう。いつもより術が扱いにくかったけど、暴走してくれたおかげでいつもの2倍の威力が出たし、藍染が来る前に脱出できたから問題はないよ」
『窮鼠は、お前を贄にすると言っていたんだろう?』
彼岸花の精霊の浮竹は、京楽の心配をする。
『本当に、大丈夫なのか?』
「大丈夫。何もされてないはず・・・・・浮竹、一応チェックしてみて」
京楽は、浮竹に頼む。
「あ、魔王の種!お前の背中についていたぞ。発芽していたら、ちょっとややこしいことになったかもな」
「魔王の種ごときで、死んだり傷ついたりはしないだろうけど、一応藍染の手下もどきにされてしまう可能性もあるからね」
『窮鼠もばかだな。魔神か知らないが、藍染なんかにくみするから、死ぬ羽目になった』
彼岸花の精霊の浮竹は、さまよい出てきた窮鼠の魂を、冥界に送ってやる。
「そういえば、何か忘れているような気がするんだが」
「なんだろうね?」
『さぁ、なんだろろう』
三人は、首を傾げる。
『ちょっと、どうなってるの~。人無理だから隔離されたのに、迎えにもきてくれないなんて薄情だーーーーー』
鴆の京楽の存在を、三人はすっかり忘れていた。
彼岸花の精霊の浮竹が思い出して、商店街から帰還した後で気づいた。
『そういえば、京楽を知らないか』
「ああ、そういえば人が無理っていうから、空き店舗にいてくれってお願いして忘れてた」
『異界渡りをして、迎えに行ってくる』
「ああ。すまないと、伝えておいてくれ」
「ボクを助けに人は無理なのに、きてくれてたんだね。今度、改めてお礼をしなきゃね?」
『じゃあ、京楽を迎えにいってくる』
「ああ、行ってこい」
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「窮鼠?ばらばらじゃないか。魔王の種を植えこんだんだぞ?それをこうもたやすく殺すとは・・・・・・桜鬼神は、私の魔神と同等かそれ以上の力でもあるというのか?」
窮鼠の死体を踏みつぶして、藍染は歯ぎしりする。
窮鼠が、魔王の種を欲しがっていたので、かわりに桜鬼神をさらって生贄にしろと言っておいたのだ。
まぁ、最初から生贄にするのは無理だろうとは思っていたが、3歳の姿でここまでされると、さすがに桜鬼神の力の巨大さを見せつけられるようで、面白くなかった。
「魔王の種を改良するか。もっと、力がつくように・・・・・」
藍染は、自分がゴキブリ呼ばわりされていることなど、全く知る由もなかった。
浮竹と京楽は、きっと待っていたら藍染と会えたかもしれないが、決選の準備が整っていないし、穏やかに暮らしたいので、藍染を放置プレイしておくのだった。