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血と聖水と名において25

浮竹は、京楽を連れてハンターギルドにきていた。

出発する前は京楽は服を着ていたのだが、見送りにきたドラゴンサモナー浮竹に燃やされて、股間に葉っぱ一枚といういで立ちで平気で外を歩く。

認識阻害の魔法をかけておいたので、人々には京楽はかっこいい服を着たように見えていた。

「はぁ・・・・服を着ろ」

「燃やされるからやだ。着る服も少なくなってきたし、今度買いに行きたいから連れて行って」

「服くらい、一人で買えるだろう?」

「やだ!浮竹がいないとやだ!」

「仕方ないやつだなぁ」

京楽をそうやって甘やかすから、変態が治らないのだと、ドラゴンサモナーの浮竹がいたらそう言ったであろう。

「今度はロリコンのヴァンパイアの時のように、ショタコンの変態ヴァンパイアの男が、見目いい少年の純潔を奪って、血を吸うんだ。でも、花嫁にはしないし、殺しもしない。だが、もう犠牲者が5人も出ている。ほうっておけないので、この依頼引き受けてもらえないか」

ギルドマスターに言われて、浮竹はため息をつきつつも、その依頼を引き受けた。

ゾアンの町で、そのヴァンパイアは出没するらしい。

京楽に、ゾアンの町に行く前に服を買ってやって着せてから、フェンリルの背にのって、ジルフェでゾアンの町の近くに転移する。

「いいか、襲ってきたら禁欲半年の上に、口利いてやらないからな」

「うぐ・・・・どうせ、おとりになるんでしょ?」

「ああ。若返るりの薬を一時的に飲む。15歳くらいになる」

「15歳の浮竹・・・・・・じゅるっ」

よだれをぬぐいもせずに、15歳の少年の姿になった浮竹を見て、京楽は抱きつこうとしてやめる。半年の禁欲と、口を利いてやらないというのが大分こたえているようだった。

「さて、ゾアンの町に向かうぞ。どうせすぐに出てくるだろうし」

「う、うん。でも、気をつけてね?ボクは尾行するけど、おとりの君の傍にはいられないから」

ゾアンの町にいくと、少年の年頃の子供はいなくて、15歳の浮竹に住民が声をかける。

「そこの君、今このゾアンの町はショタコンの変態ヴァンパイアがいるんだ。君のように見目のいい少年を襲って、血を吸って穢すんだ」

「知っている。A級ヴァンパイアハンターだ。囮になっている」

「そ、そうか。どうか、ヴァンパイアを退治して平穏な町を取り戻してくれ」

「ああ」

浮竹は、京楽が離れて見守っているが、囮なので町を歩いた。

「ぐっふっふっふっふ。そこの美少年の君。このセニョールが君の血~をいただこ~う」

「変態って、よくもまぁこう出没しやすいんだろうな?」

「それは知らないよ!」

かけつけてきた京楽を見て、変態ショタコンヴァンパイアは京楽を見る。

「君、年はいっているがこのセニョールの愛しい兄に似ている。後で血を吸ってあげよう」

「ひいいいい、変態に獲物にされるううう」

「京楽、聖剣を抜け!」

「あ、ボク一応神父なんだった。忘れてた。神父の地位あるヴァンパイアハンターは聖銀の聖剣をもらえるんだよね」

「君たち、ハンターギルドの者か!セニョールが返り討ちにしてくれる。でもまず、そっちの君の血をもらう」

浮竹でなく、ヴァンパイアは京楽を選んだ。

「ひぎゃあああ」

牙をたてられて血を吸わて手、京楽が変な悲鳴をあげる。

「ぎょええええええええええ!なんてまずいんだ!こうなったら、美少年の血で口直しだ」

ヴァンパイアは、抵抗もろくにしない浮竹を、恐怖で動けないものだとみて、かみついて血をすする。

「ほげああああああああ!喉が焼ける!胃が!!」

「水銀の浮竹。それが俺の二つ名だ」

「血に水銀だと!?普通生きていられない。セニョールは逃げる!」

こうもりになって逃げようとするヴァンパイアを、京楽が網の魔法で捕まえる。

「しまった!」

ヴァンパイアの姿に戻ったところで、京楽が聖剣で首を切り落とした。

「ふふふ、この程度でこのセニョールを殺したと・・・・・」

「フェンリル、アイシクル!」

浮竹は2体の氷の精霊を呼び、ヴァンパイアを氷漬けにする。

「さ、さむいのだよ。セニョールは寒くても生きていられるがなぁ!」

ヴァンパイアは、血の刃で浮竹に切りかかる。

あたるはずももないと思っていたら、頬をざっくりと切られた。

「よくも、ボクの浮竹を・・・・・」

いつもの京楽は変態だが、やる時はやる。

ヴァンパイアの首を細切れにして、心臓を貫き、炎の魔法をかける。

「浮竹、大丈夫!?」

「かすり傷だ」

「だめだよ、ちゃんと消毒して止血しないと。ライフの精霊は?」

「ライフを呼ぶほどの傷じゃない」

「ふっふっふ、セニョールの正体が水だとは分かるまい。セニョールは復活してまたショタコンになり、美少年の血と純潔をもら・・・・・ぎああああああああ」

水蒸気になって、まだ生きていたヴァンパイアをフェニックスと精霊王イフリールの炎で燃やすと、ヴァンパイアは灰となって完全に活動を休止した。

灰をカプセルにつめて、犠牲者たちの家のをまわり、襲われたことの記憶を消していった。

ロリコンのヴァンパイアの時も同じことをした。

「浮竹、手を繋いでもいい?」

まだ15歳の姿のままの浮竹に承諾をもらい、手を握るとそこから魔力を流し込んで、傷を治そうとするができなかった。

「呪詛だね。まぁ、数日すれば傷ごと癒えるけど、神殿に行くかい?」

「ヴァンピールなんて、診てくれないだろう」

「そうだね」

京楽が悲しそうな顔をする。

そのまま灰をギルドに提出して、報酬の金貨1500枚をもらって、館に帰宅する。

『ヴァンピールの俺!頬にケガしてる!」

「ああ。呪詛もかかっていて、しばらく治らないそうだ」

『春水、頼む』

『はいはい』

パートナードラゴンの京楽は、あっという間に呪詛を消し去り、浮竹の傷を癒した。

「お、痛くない。ありがとう」

『綺麗なヴァンピールの俺の顔に傷をつけるなんて』

「もう退治して、灰をギルドに提出した」

『それでも許せないから、神父の京楽を燃やす!』

「なんでええええええ!もぎゃああああああああああ」

京楽は燃やされたが、燃える前に浮竹に買ってもらった服をバリアで燃えないようにして、アフロの黒焦げにはなったが、衣服はそのままだった。

「ああ、その服俺が買ってやったものだから。死守したのか」

「そうだよおおお。あちちちちち」

『あ、そうだったのか。じゃあ、燃やすのやめて凍らせる』

「ボク、何もしてないんですけどおおおお」

『日頃の行いじゃああああ』

『あーあ。だめだこりゃ』

パートナードラゴンの京楽は、止めることもなく落ち着くのを待った。

京楽の氷像を作り上げて、ドラゴンサモナーの浮竹が、浮竹を抱きしめる。

「ああ、浮気いいい」

氷像になっても、京楽にはまだ意識があった。

『ショタコンヴァンパイアの退治のために、囮になったそうだな』

「ああ」

『危ない真似は、あまりするなよ?心配になる』

『変態でも、花嫁の神父のボクがついているから・・・・余計に危なそう』

「ボクがいる限り、浮竹は危なくないよおおおお」

『お前がいるから、危ないんだ』

『同意見』

京楽はしくしくと泣き出す。氷も解けていく。

「ほら、タオル。風邪をひかれたら困るなんて思っていないんだからな!」

たまに見せる浮竹のツンデレに、みんなかわいいなぁと和むのであった。

京楽は、再び凍らされていたが。

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血と聖水と名において24

ハンターギルドに行くと、ギルドマスターに呼び出された。

依頼かと思えば、今居候しているドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽の話だった。

「いやぁ、すごく強くてねぇ。ローブを着てフードを被っていて、誰かまでは分からなかったけど、二人組でハンターでもないのに、ヴァンパイアを退治していたそうだ」

「はぁ。それがなにか」

「いやねぇ、会ったら教えてほしいんだ。ヴァンパイアハンターとしてスカウトしたい」

「はぁ」

まさか、ドラゴンサモナーとパートナードラゴンだとは思ってもいないのだろう。

ちなみに、居候中であることを京楽が話しそうになったので、思い切り足を踏んづけてやった。

「じゃあ、この依頼引き受ける」

「ああ、処女の少女だけを狙うヴァンパイアだね。ロリコンでねえ。被害者は花嫁にされるわけでもないけれど、血を吸われて純潔を奪われて、酷いものさ」

「まだ、年端もいかぬ少女だけを狙うなんて、変態ヴァンパイアだね」

「変態の意味ではお前と勝負できそう・・・・にないな。確実にお前のほうが変態だ」

「えええええ」

「自覚がないのか」

「あるけど」

「あるんかい!」

漫才のようなことをしながら、巨大化したフェンリルの背に乗って、風の上位精霊ジルフェに、被害が集中しているモアナ村まで転移してもらった。

「おとりがいるからな。特殊に調合した薬を飲む。頼むから、変態になってくれるなよ」

持続時間が決まっている、10歳くらいの少女になる薬を浮竹は飲み、おとりになることにした。

「はぁはぁ・・・・今すぐ、持ち帰りたい」

「頼むから、やめてくれ」

「すりすりしたい」

京楽に念のためあとをつけてもらって、モアナ村を歩く。

「はぁはぁ・・・見たことのない少女だな。この俺様が、その純潔をもらってあげよう」

でてきたのは、モヒカン頭の男だった。30代前半というところだろうか。

「きゃあああああ」

浮竹は、おとりらしく悲鳴をあげる。

「その血をもらうぞ。ぐあああああああああ!?」

「ふふ、かかったな。俺の血には水銀が混じっている。喉を焼かれてせいぜい苦しめ」

浮竹は、10歳の少女のまま、銀の短剣でヴァンパイアの心臓を刺す。

「ぐぎゃあああああああああ」

悲鳴をあげるが、どこかに心臓を隠しているのか死なない。

「浮竹の純潔を奪うのはボクだよ!」

「あほか!心臓を探せ。そう遠くにはないはずだ。こいつの匂い、わかるな?」

「うん。鼻がひんまがりそうなロリコンのおっさんの匂いがする!あの時計塔の上あたりに、あるよ!」

「行ってこい!」

「うん、分かったよ」

「おのれえええ、純潔だけでも奪ってやる!」

ロリコンのヴァンパイアに押し倒されて、浮竹はすぐに解毒剤を飲んで、元の姿に戻る。

「な、ヴァンピールの男だと!?これではまるで俺様が変態ではないか!」

「ロリコンの時点で、十分に変態だ!」

銃で、銀の弾丸でロリコンヴァンパイアの頭を打ちぬくが、しぶとくまだ生きていた。

「さあ、お待ちかねの時間だよ」

京楽が、ニィと笑って、ロリコンヴァンパイアの心臓を片手に時計塔から降りてくる。

「ああ、俺様の心臓!返せ!」

「未遂とはいえ、浮竹を押し倒した罰、受けてもらわないとね?」

京楽は、心臓を数ミリ単位で聖剣で切り刻んでいく。

「うがあああああ!!!!」

ロリコンヴァンパイアは、苦しみぬいて死んだ。

「ねぇ、浮竹、もっかいさっきの姿になって。はぁはぁ」

「この変態が!予備はあるが飲まない。お前に純潔をまた奪われたくないからな」

「はぁはぁ。10歳の浮竹の女の子姿かわいかったなぁ。でも、今の浮竹が一番いいかな。ボクのものってかんじがして」

「誰がお前のものだ!」

ハリセンで京楽を沈めて、浮竹はロリコンヴァンパイアの灰をカプセルにつめる。

少し遠くで、こちらを見ている12歳くらいの少女がいた。

浮竹は、優しく笑って、少女に近づくと頭を撫でた。

「君を酷い目にあわせたヴァンパイアは死んだからな?」

「ほんとに?もう襲ってこない?」

「ああ」

「浮竹、はぁはぁ」

京楽は、離れた場所で浮竹のパンツの匂いをかぎながら、舐めていた。

「あっちのヴァンパイアが怖いわ」

「京楽、変態を隠せ!」

「え、浮竹のパンツ食えって?さすがに食べれないかなぁ」

「死ね」

「もぎゃあああああああああ」

フェニックスを呼び出し、京楽を真っ黒こげのアフロにすると、少女は小さく笑った。

「うふふふ、変なお兄ちゃんたち」

「よし、戻るぞ京楽」

「アフロのままなんだけど」

「そのうち治るだろう。衣服は燃やさなかった」

「フェニックス、器用だね」

「毎度フルチンにするわけにもいかないからな」

浮竹は、フェンリルを呼び出し巨大化させると、その背に未だにはぁはぁいっている京楽と一緒に背中に乗って、ウィキティへとジルフェの転移魔法で帰還する。

「灰を提出してくる。お前はきもいから、ついてくるな」

「ああん、放置プレイ。浮竹の残り香・・・・スンスン」

「にゃああああ、京楽がきもち悪いんだにゃん」

フェンリルは猫サイズに戻る。

京楽は、フェンリルをすんすんと匂いをかぐ。

「コールドブレス!」

「もぎゃあ!」

「何してるんだ、お前たち」

「マスター、京楽がボクを手籠めにしようとしたにゃん」

「なんだと!この変態があああ!!」

「あらぬ嘘だよおおお”!!!」

浮竹は、京楽を燃やしたり凍らせたり水攻めしてみたりするのだが、京楽は気持ちよさそうにしていた。

「ふふふふ、ボクもヴァンパイアだからね。ちょうどいい温度にできる」

「くそ、変態のくせに!」

「うん、変態だよ!京楽のパンツ、予備で持ってるからね!」

「燃やしてくれる」

「ぎゃあああああああ、ボクの宝物があああああ」



ウィキティにある自分の館に帰った浮竹と京楽は、居候していたドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽に迎えられた。

「そうだ、ドラゴンサモナーの俺!ハンターギルドのマスターが、お前たちをハンターにしたいって騒いでたぞ!」

自分のことのように喜ぶ浮竹を見て、ドラゴンサモナーの浮竹は。

『かわいい。ヴァンピールの俺は、かわいいな?なぁ、春水?』

『うん、そうだね』

浮竹をドラゴンサモナーの浮竹が抱きしめるものだから、京楽はその仲をさこうと必死だった。

「ボクの浮竹だよ!」

『お前だけのものじゃない』

「俺は誰のものでもないぞ」

『ふふ、十四郎はヴァンピールの浮竹が好きだねぇ』

『ああ、大好きだ。その花嫁はいらんが』:

「酷い!」

「俺も、たまに京楽がいらないと思う時がある」

「浮竹まで!?酷いいいいい」

しくしくと泣き出す京楽に、浮竹はハンカチを差し出す。

「べ、別に泣いてるお前が少しかわいそうだなんて、思ってないんだからな!」

『ツンデレだ!かわいい!』

『ツンデレだね』

「浮竹は、ボクのものなんだからああああ」

「俺は誰のものでもないいいい」

そんな叫びが、館中に聞こえるのだった。

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血と聖水と名において23

「んー、朝か・・・・・・・もぎゃあああああああああ」

のどかで平和な一日になるはすであった。

昨日ヴァンパイアロードを一体倒して、報酬金を得たのでしばらく呼び出しがない限りはヴァンパイアハンター業はおやすみである。

そんな朝。目覚めると、天井に股間を葉っぱで隠してあとはフルチン状態の京楽が天井にはりついて、こっちを見降ろしてはぁはぁいっていたので、浮竹は悲鳴をあげてしまった。

「む、透明になる魔法がきれてしまったんだね。もう一度」

複雑な魔法を京楽は構築して、透明になって消えてしまった。

「ひいいいいい」

透明になった京楽に頬をぺろりと舐められて,さすがの浮竹もがちで引く。

「フェンリル、部屋中を凍りつかせろ!」

「わかったにゃ!京楽も凍りつくんだにゃ!ダイヤモンドダスト!

「もぎゃああああ、寒いいいいい」

そう悲鳴を残して、透明だったはずの京楽は姿を現すと氷漬けになっていた。

『どうした、ヴァンピールの俺!』

「きょ、京楽が透明になって天井にはりついてた。魔法でまた透明になって舐められた。あと、体を触られた」

『こいつ、昨日も確か夜這いにきて外で簀巻きにして放り出してたよな?』

ドラゴンサモナーの浮竹は、昨日確かに簀巻きにして外の木に吊るしたのだ。

「ああ。京楽のやつ、すまきとか縄とか解くの上手なんだ。とりあえず、この氷像は外に捨ててしまおう」

「酷い。ボクの氷像で浮竹もメロメロなはず」

「な、なんで凍ってるのに声が聞こえるんだ!?」

「ふふふ、恋次くんからいろいろ学んだからね」

「くそ、こんなことなら宮廷魔法士に魔法を教えさせるんじゃなかった」

『確かに、戦力としてはプラスかもしれないが、変態で使われるとマイナスだな』

浮竹たちは、二人がかりで京楽の氷像を運び、外の燃えるゴミに捨てた。

『あんなんじゃ、回収にくる前に溶けちゃよ?』

パートナードラゴンの京楽が、燃えるゴミに出された京楽を見る。

体温をあげているせいか、氷は半分溶けていた。

「出でよ、アイシクル!凍てつかせろ」

「もうかってまっか。はいよ、氷の魔法一丁。エターナルアイシクルワールド」

氷の上位魔法を放たれて、さすがの京楽もまた凍り付いて静かになった。

「今のうちに風呂に入ってくる。京楽にのぞかれる心配がないからな」

『大変だな、ヴァンピールの俺』

「なに、毎度のことさ」

毎日風呂やシャワーをのぞかれ、パンツを盗まれ、しっぽりしようと迫られ、夜這いをかけられ、セクハラをしてきて・・・・・・。

「あれ。俺、なんで京楽を花嫁にしたままなんだろう」

浮竹自身にも謎だった。

だが、変態であるが愛してはいた。

やがて燃えるゴミとして京楽は去っていった。


夕方。

みんな、京楽の存在を忘れ、和やかに過ごしていた。

「酷いよ浮竹!燃えるゴミに出すなんて!」

そこへ、京楽が帰宅する。

「ちっ、燃ええるゴミとして燃えればよかったのに」

『同意見だね』

『俺もそう思う』

「浮竹、今日のお風呂は?」

「もう朝のうちに入った」

「酷い!のぞけないじゃない!」

京楽は、なんとか衣服を着ていたが、燃えるゴミ用の衣服を着てきたのか穴だたけだった。

「風呂に入って着替えてこい。夕飯にする」

ぱぁぁぁと、京楽の顔が輝く。

『甘いな、ヴァンピールの俺』

「一応、多分、きっと、愛してるから」

言ってるうちに、浮竹はどんどん自信をなくしてくる。

『そういえば、最近新興宗教が網スピードで信者を増やしてるらしいよ?教祖は藍染らしい。宗教に入ると、血を少しだけ分け与えられえて少しだけ不老になるんだって』

「でも、その変わり血液を提供しなければいけないんだろう?」

『すごいね。分かるんだ』

『ヴァンピールの俺、大丈夫か?』

「藍染には、一度花嫁にされたからな。見たくなし、絶対会いたくない」

「ボクが、浮竹を守るから」

風呂からあがって、普通の衣服を着た京楽が、浮竹を抱きしめる。

「誓うよ。君を、どんな脅威からも守ってみせる」

「じゃあ、まずパンツを盗むな」

「ああああ、それはむりいい」

京楽は葛藤する。

「まぁ、変態なお前に何かを求めるだけ無駄だな」

「そ、そんなことないよ?しっぽりできるじゃない!」

「それだけか、このだアホが!」

「ぎゃああああああああああ」

今宵も、京楽の悲鳴が館に響き渡るが、その後普通に四人で食事して、いつものように京楽は浮竹に夜這いをかげて、フェニックスで燃やされて黒焦げのアフロになるのであった。

おまけで、ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽も、京楽を燃やしてダメージで京楽はその日おとなしく寝るのだった。


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血と聖水と名において22

「何度もごめんなさいね、ソアラ」

「いえ、母様のためなら」

浮竹は、ロッエというヴァンパイアの猫に憑依して蘇った、実の母であるブリュンヒルデに血の帝国ブラッディアまで来てほしいと言われ、風の上位精霊ジルフェを使えば転移可能なので、京楽と共にブラッディアをまた訪れていた。

「レイモンドが、どうしても私を抱きたいとうものだから」

「まさか、人化する薬を?」

「そうなの。ソアラは錬金術師としての腕前は確かでしょう。作れないかしら」

「作れるが、問題が。材料の在庫がない」

「なんでも言ってちょうだい。レイモンドが皇帝の力と金を使って揃えるから」

本当に、レイモンドは素材を全て揃えてしまった。

帝国の本格的な錬金術師の部屋を貸してもらい、人化の薬は完成した。

「母様、その体で飲むと、女性ではなく男性になるが」

「ああ、この猫のロッエはオスですものね。禁断の果実の味を、私も味わってみたいわ。ソアラも京楽に抱かれているのでしょう?」

「それは、まぁ」

その場には、京楽はいなかった。

京楽は、宮廷魔法士に魔法を学びに行っていた。

「まぁ、赤くなってかわいい。ソアラはますます私に似てきたわね」

「レイモンドもそう言う」

「じゃあ、レイモンドを呼ぶわね?」

「え、あ・・・・」

浮竹派やめておいたほうがいいと言いかけたが、レイモンドがやってきた。

「おお、美しい。ブリュンヒルデの外見をしているが、何故男性なのだ」

「それは、母様が憑依している猫がオスだから」

「それでもかまわん。ブリュンヒルデ、ソアラに弟か妹を作ってやろう」

「この体は男だし、仮初のものだから、子はできないわよ?」

浮竹は、言わなかった。女性化する薬もあるのだと。

味をじめて、何度も呼び出されて、薬を作らされるのは嫌だったからだ。

「じゃあ、父様は母様としっぽりしてくる。京楽とやらが、宮廷魔法士の教えを全て吸収して緑の館でまっているそうだ」

「この短時間で、全て吸収?・・・・さぼりかな」

緑の館にいくと、ふんどし一丁でフラダンスを踊っている京楽と遭遇する。

「この変態がああああ」

「違うよおおお。これ、修行なの。自分の好きなかっこでフラダンスを踊って、リズム乗せて体中に魔力をいき渡らせる訓練」

「そんな方法、聞いたこともないな」

「ええ、まじで。キラっていう、宮廷魔法士の一番お偉いさんから学んだんだけど」

「ああ、キラは痴呆症だ。その日食べた朝食も思い出せない。魔法の知識もあやふたで、でも魔力は帝国でも5本の指に入るくらいで、主に毎日魔道具に魔力を注ぐ、雑用係にされている。地位は、宮廷魔法士の中でも一番上だが」

「ぎゃああああああ、騙されたああああ」

「時間はまだある。今からでいいから、違う魔法士に教えをこうてこい」

「やだ」

京楽は、ふんどしを脱いで、浮竹に襲いかかる。

「しっぽりしよう!」

「フェニックス!」

「きゅおおおおん」

命令するまでもなく、フェニックスは京楽を真っ黒焦げにしてアフロにした。

とりあえず、意識を失っているので、京楽のかばんを漁ってぱんつくらいはかせやろうとみるが、ほとんどが浮竹のパンツだった。

「あ、これこの前なくしたやつ。これもこれも・・・・・・」

浮竹は、パンツを燃やすと、京楽のパンツを京楽の頭にかぶせて、股間を葉っぱで隠した。

「変態なお前には、こんな格好がお似合いだ」

「う、うーん」

意識を取り直した京楽は、自分の巣をみて、喜んだ。

「浮竹にも、ボクのセンスが分かってきたんだね。ただ、頭のパンツがボクのパンツじゃだめだね。京楽のパンツじゃなきゃ」

「お前の荷物の中にあった俺のパンツは、全部燃やした」

「ぎゃあああああ、ボクのコレクションが!」

「どうせ、また俺のパンツ盗んで、またコレクションするんだろう?」

「当り前だよ!」

股間の葉っぱだけではものたりないので、京楽は自分の乳首にも葉っぱをつけた。

「大自然と一体化したボクに抱かれてしっぽりしよう」

「ぎゃあああああ、くるなああああ」

京楽は、フェンリルに氷像にされた。

「マスターも変わってるのだにゃん。こんな変態のどこがいいのにゃん」

「変態だが、一応俺の花嫁だしな。決める時は真面目なこともある」

次の日から、浮竹が紹介した宮廷魔法士から魔法日中は学び、夜になると変態になる京楽がいた。

京楽に教えているのは、阿散井恋次という、皇族である朽木白哉の知り合いであった。

燃えるような赤い髪をした青年で、宮廷魔法士であるが、騎士団にも所属していた。

主に白哉の身辺警護にあたっている。

白哉は数少ない皇族の一人で、皇族の血を吸うと強くなれるという迷信のせいで、たまに襲われる。それを防ぐのが、恋次の仕事だった。



「お、京楽さんなんで簀巻きなのかは知りませんが、今日は何を教えましょう?」

「水を出せる魔法を覚えたいな。浮竹をびしょぬれにしてむふふふ」

「死ね」

「ぎゃああああああああ」

浮竹も、ついてきていた。

「じゃ、じゃあ水の初級魔法から教えますね。ウォーターボール」

恋次が小さな水の玉を作ったのを真似て、京楽も簀巻きのまま魔法を唱える。

「ウォーターボール・・・・へあ!?」

頭上に巨大な水の玉が出現した。

「恋次くん、こいつは死にがえりをしたせいで、魔力がアホなことになっているんだ。俺はエレメンタルマスターだから、普通の魔法は使えない。どうか。一人前にしてやってくれ」

「わわ、浮竹さん頭をあえてください!ちゃんと教えますから」

京楽はその後数日でめきめきと魔法の力をつけた。

「浮竹、おはよう、愛のキッスをジュテ~~ム」

ただ、アホなのと変態なのは、直らなかった。

「フェニックス」

「きゅおおおんん」

「ああ。今日もいい火だね!魔法を覚えたおかげで、黒焦げにならないようになったよ。まだまだ甘いね、浮竹。さぁ、しっぽりしよう!」:

「フェニックス、オーバーモード!」

「きゅあああああああああ!!

真っ黒こげされて、京楽は地面に浮竹とダイニングメッセージを残して、気絶するのだった。




ちなみに、ウィキティには今ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽がいる。帝国から戻ってくると、ドラゴンサモナーの浮竹に浮竹は抱きつかれて、いろいろ説明している間に、京楽が脱ぎだしフルチンになるものだから、フェンリルで氷漬けにして、放置プレイをしておくのだった。

一応、股間は葉っぱで隠しておいたのだった。

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血と聖水と名において21

浮竹と京楽は、レイモンドの手によって無理やり血の帝国ブラッディアにきていた。

「さぁ、ソアラ、ブリュンヒルデを蘇らすのだ」

「無理だ。昔に死んでいる上に魂が傷ついている」

「ライフの神の力を全て出し切ると、蘇生は可能だろう?」

そこへ、京楽が口を挟む。

「ライフの神は、そこまでしてくれないよ」

「うるさい花嫁だな。塵となるか?」

「よせ、レイモンド!」

浮竹は、京楽を自分の背に隠す。

「では、お前が器となれ、ソアラ」

「短時間だけだぞ。死者の魂を降臨させるのは、禁忌だ」

「短時間とは、どのくらいだ」

「もって1週間だな」

レイモンドは悲しげな顔をする。

「ソアラを使っても、無理があるのか」

「死者を蘇らすのは禁忌。まぁ、俺は京楽を蘇らせたが」

「愛の力だねえ」

何故か脱ぎだす京楽をハリセンで沈めておいいて、浮竹は降臨術の準備をする。

「レイモンド、お前は俺だけにしか母様を降臨させたくないのだろう?」

「当り前だ。他人などに、ブリュンヒルデの魂はやらぬ」

レイモンドから、傷ついたブリュンヒルデの魂を手渡されて、それをライフの神で一時的に完ぺきなものにして、浮竹はライフの神にブリュンヒルデの、母の魂を自分に降臨するように命令した。

降臨は、無事成功する。

「浮竹・・・・・・・・・」

京楽は悲しそうな顔をする。

「おお、ブリュンヒルデ!」

「あなた」

浮竹の器に降臨したブリュンヒルデは、レイモンドを殴った。

「愛しいソアラを器に使うなんて!」

「そ、それしか思い浮かばななかったのだ!」

「私は人間やヴァンパイアでなければ長時間降臨が可能よ」

「それは・・・・・?」

「この皇宮には、確か猫のヴァンパイアがいたでしょう。もう生きて百年以上経つ」

「う、うむ。ロッエのことだな」

「あの猫に、私は降臨します。ソアラを解放してあげて。そうじゃないと、あなたを許さないんだから」

「ブ、ブリュンヒルデ!」

ブリュンヒルデは、ロッエの猫の体に憑依して、浮竹を解放するとレイモンドにすり寄った。

「人のようにはいかないけれど、しゃべれるし、ちゃんと傍にいるわ。あなたがこうも歪んでしまったのは私のせいなのだから」

「愛している、ブリュンヒルデ」

「私もよ、レイモンド」

猫といちゃつく皇帝を放置して、京楽は意識のない浮竹を抱き起す。

「ねぇ、浮竹はどうなるの!?」

「解放しました。2、3日は眠ったままでしょうが、何もなく元気に起きるでしょう」

「そうかい。よかった」

京楽は、まだ与えられていた緑の館に浮竹をお姫様抱っこで運んで、目覚めるのを待つ。

2日は眠りっぱなしで、心配したが3日の朝に浮竹は気が付いた。

「何をしている」

「あ、浮竹の体をふいてあげようとして」

「なぜ股間がおっきしている」

「あはははは、何故だろうねぇ?」

半裸の浮竹は、ハリセンで京楽を沈めて、風呂に入った。

「母様は、猫に憑依したのだな」

「なんでも、猫に皇后の座を与えるとかで騒ぎになってるよ」

「猫の皇后か。まぁな中身は母様だし、皇帝のいう我儘なら通るだろう」

「母親に、会っていかないの?」

「いや、降臨させたときに言葉を交わした」

元気にしているかとか愛しているとか、愚かなレイモンドを許してやってくれとか。

「母様なら、うまくレイモンドを正しい方向に導けるさ」

「そう。じゃあ、ボクとしっぽり」

いつの間にかフルチンになっていた京楽に、浮竹は変態すぎて眩暈を覚えた。

「顕現せよ、炎の精霊王イフリエル」

「なんだい?ボクに用かい?」

「あのヘンタイを燃やしてくれ」

「お安いご用だよ」

炎の精霊王イフリエルは、僕っ子だった。京楽を真っ黒こげのアフロにして、精霊界に戻っていく。

「服を着ろ」

「ぐすん。しっぽりが・・・・・・」

京楽に強制的に服を着させる。

「ああ、ボクはフェニックス!」

また脱ぎだす京楽をハリセンで沈めて、布団で簀巻きにして蹴り転がす。

「ああ、これは愛の試練!」

「帰るぞ。転移魔法陣を使う」

「え、ボク簀巻きのまま?」

「ああ」

「酷い!」

「服を脱ぎだすお前が悪い」

「この美しい肉体を見たいとは思わないの!?」

「もじゃもじゃすぎて、気持ち悪い」

半分冗談であっただ、京楽はズーンと沈んだ。

まぁ、そのほうが静かで変態行為をしないので、浮竹は放置する。

自宅の館に戻ると、京楽は浮竹を無理やり誘って風呂に入った。

はぁはぁいいながら、浮竹に泡だらけの体と剃刀をさしだす。

「もじゃもじゃがいやなんでしょう?剃って。股間の毛も剃っていいよ」

「股間は、ちゃんとバスタオルで隠しているな。よし、胸毛と手足とギャランドゥを剃るか」

「いやああああん、浮竹の手ですべすべになっちゃううう」

「変な声を出すな!」

「あはん」

先に風呂から浮竹はあがる。

しっぽりしたいと言い出す前に。

「浮竹、この後しっぽり・・・・・・」

「しない。お前の毛がなくなったのでしない」

「なんですとおおおお!?騙された!?」

「お前の毛が生えてくるまで禁欲だ」

「騙された上にひどいいいいい」

「そうか。それはよかったな」

浮竹は、自分で入れた紅茶を飲む。

「お前も飲むか?」

「くすん。しっぽりできないから飲む」



京楽は、毛をはやすという薬を裏ルートで手に入れた。

「ぎゃああああああああ」

「なんだ、どうした!?」

突然の京楽の悲鳴に慌ててやってきた浮竹であったが、うねる大量の京楽の胸毛を見て、悲鳴をあげる。

「ぎゃあああああああああああ!どうしてこうなった!」

「毛生え薬を塗ったら・・・君としっぽりしたくて」

「ああもう。フェニックス、京楽ごと燃やせ!」

「きゅおおおおおんん」

「ええ、ボクごと!?胸毛だけにしてよ!」

「気持ちの悪いものを見せた罰だ」

京楽は、せっかく生えてきた胸毛ごと黒焦げになり、アフロにもなるのであった。



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血と聖水と名において20

「血と聖水の名において、アーメン!」

「ぐぎゃああああああああ!!」

そのヴァンパイアは、大量のグールを操っていたが、浮竹が放った銀の弾丸で心臓を貫かれて、あっさりと死んでしまった。

「むう。倒しがいがない」

「そう言わないでよ。レイモンドがブラッディア帝国の皇帝になって、今まで隠れて人の血を吸っていたようなヴァンパイアばかりになった。有名どころは、レイモンドに忠誠を誓うかわりに、今までの罪を許してもらう・・・・・」

「いやなシステムだ」

「でも、ハンターを退けるほどのヴァンパイアを束ねるなら、強いだろうね」

「それもいやで厄介なことだ」

「ほんとにね。ハンターギルドの賞金首がごっそり消えちゃってまぁ。まぁ、こんなやつでも金貨4百枚はあるから」

「まぁ、無収入よりはましだな」

ヴァンパイアの灰をカプセルにつめる。

それをギルドに提出すると、ギルドマスターに呼ばれた。

「ヴァンパイア化したドラゴンが出た。やれるか?」

「どうだろう。ボクの力が、ドラゴンに通じるかどうか」

「俺なら、精霊を使役できるからなんとかなりそうな気がする」

浮竹がフェンリルを召喚して、抱き上げる。

「そうなんだ。A級だが、実力はもうS級だろう。浮竹のエレメンタルマスターの力があればどうにかなるおと思うんだ。いってくれるか?」

「ああ、分かった」

「あの、ボクは?」

ギルドマスターはきっぱり言った。

「おまけで声をかけただけだ。お前はヴァンパイアには強いが、違うモンスターだとどうだかわからんしな。おまけに今回はドラゴンだ」

「ドラゴンなら、冒険者ギルドも動くんじゃないのか?」

「血の帝国のブラッディアからくる下級ヴァンパイアとグールの群れを阻止するのに手いっぱいらしい」

「レイモンドは、何がしたいんだろうね?」

「人間への、復讐かもな。母様、ブリュンヒルデが死んだのは、人間がわざと母様に病気をうつしたせいだ。病原菌を、直接無理やり摂取させた」

「あー。そりゃ、レイモンドでも怒るね。ブリュンヒルデは、ヴァンパイアになっていなかったの?」

「ああ。母様はヴァンパイアに近いが人間だった。レイモンドと不老の契約を交わしていた」

「とにかく、任せたぞ。場所はイアラの村だ。馬車で2週間かかるが、お前たちなら一瞬だろう。転移魔法が使えるのだから」

「まぁ、退治してみせよう」

浮竹は、ちゃっかり金貨4百枚を受け取って、巨大化したフェンリルの背に京楽と共に乗って、風の上位精霊ジルフェを呼ぶ。

「イアラの村まで、転移してくれ」

「了解した」

二人は、イアラの村のど真ん中に出た。

周囲は、焼け焦げていた。

アンデット化したドラゴンなら聞いたことはあるが、ヴァンパイア化したドラゴンは聞くのは初めてだった。

「きしゃあああああああ」

ドラゴンは、人の血をすすっていた。

食べるのではなく、すするのだ。周囲には、血を吸われつくしてミイラとなった死体の山。

「いけ、フェニックス!」

「きゅおおおおん」

「ボクも行くのにゃあ!」

「フェンリル、足を凍らせろ」

「分かったのにゃ!」

フェンリルは、氷のブレスでドラゴンの動きを封じる。フェニックスの業火は、ドラゴンには効いたことは効いたが、すぐに傷を再生してしまう。

「戻れ、フェニックス!フェンリル、氷のブレスで全体を凍らせろ!」

「今やってるにゃん。こいつ、魔法耐性が強くてなかなか凍らないのにゃん!」

「仕方ない。闇の精霊王、ダークピュリアよ、顕現せよ」

浮竹は、久しぶりに精霊王を呼び出す。

「はーい。呼んだぁ?」

「あのドラゴンを、お前の力でなんとかしてほしい」

「お安いご用よ。ヴァンパイア化したとはいえ、普通のドラゴンでしょ?」

「ああ」

「ヘルズゲート!」

「きゅああああああああああああ」

ドラゴンは、地獄に通じる門に吸い込まれて、大量の灰だけがその場に残った。

「やっつけたわよ?久しぶりなんだから、あたしとしっぽりしない?」

「しない!」

「浮竹の浮気者おおおおお。うわああああああん」

京楽が、何の役にも立てなかった上に、精霊王とはいえ、美しい女性と親密げに話す浮竹に浮気者といって、精霊王に嫉妬する。

「浮気者おおお。しっぽりとはボクとだけしてよおおおお」

「あれ、あなたの花嫁の成れの果て?」

「ああ」

「最初はかわいかったのに」

「今は変態のアホの子だ」

「酷いいいいいい」

「まぁ、いいわ。あなたの顔を久しぶりに見れたから。今度、精霊王が揃う祭りがあるの。全ての精霊王と契約しているあなたも、忘れずにきなさいね?」

「ああ、分かった」

「じゃあ、私は精霊界に戻るから。その花嫁としっぽりでもしてなさいな」

闇の精霊王ダークピュリアは、それだけ言い残すと精霊界に帰っていった。

「浮竹ええええ。ボクを捨てないでえええ」

「うわ、鼻水をかめ!」

「ちーん」

「何俺のぱんつでかんでるんだ!」

「だって、ティッシュもってない」

「ほら、てぃっしゅ」

「ちーん」

思いついたように、京楽はつけたす

「こ」

ちーんこ。

浮竹は、冷たい目で京楽の頭をハリセンではたきまくる。

「暴力反対!」

「お前のせいだろうが!」

「うわあああんん、愛が痛いいいいいい」




「ちっ、普通のドラゴンをヴァンパイア化させるだけではだめだったか」

それは、藍染であった。

本体だ。

藍染は、フードを目深に被り、闇に同化していくのであった。



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血と聖水と名において19

京楽と浮竹は、ヴァンパイアハンターをしながら、ウィキティの館に住んでいる。

館を競り落とした時にできた負債は全て返済し、京楽にかけられた悪魔王ディアブロの死の呪いも、京楽が一度死んで蘇ることでなんとかなった。

今、世界でライフの精霊神を使役できるのは、浮竹だけだ。

京楽の呪いが解けたことを知った、浮竹の父であるレイモンドは、ブラッディア帝国の皇帝になっることを決め、力でソアラこと、息子の浮竹十四郎を操ろうとしていた。

今、ブラッディア帝国は荒れていた。

皇帝になるために、藍染が世界各地から貧民を奴隷として集め、自分の手ごまである悪魔召喚をおこなっていた。

「ははは、私こそが皇帝にふさわしい」

「ふさわしいのは、藍染様です」

「藍染様こそふさわしい」

「そうだそうだ。レイモンドがなんだ!」

召喚された悪魔たちは、ある程度は藍染の言うことを聞くが、絶対服従ではなかった。悪魔はヴァンパイアと同等の存在であり、格上ではないので召喚されても従う義務はない。

だが、召喚されることで、魔戒から人間界にこれて、悪魔たちは喜んでいた。

悪魔の力でブラッディア帝国の住民たちを洗脳して、藍染は自分が皇帝になろうとしていた。

だが、あと一歩のところで、レイモンドに邪魔をされた。

レイモンドの二つ名は、悪魔王ディアブロ。悪魔王ディアブロの加護をもっている。召喚された普通の悪魔たちは、その存在に恐怖して魔界に帰っていく。

「おのれ、あと少しのところで!」

「殺しても復活するだろうが、とりあえず死ね」

レイモンドは、躊躇もなく藍染を殺す。灰となるが、その灰の中から小さなコウモリが無数に生まれて四方八方に散っていく。

「ふむ。皇帝になろうというのさえ、分身体か」

こうして、血の帝国ブラッディアの、第35代目の皇帝は、レイモンド・シュタットフェルト・ブラッディに決まった。

レイモンドは、早速まだ残っていた藍染の悪魔を自分のものにして、息子であるソアラこと浮竹に、血の帝国ブラッディアにくるように命令した。

従わない場合、周囲の者を殺すように命じておいた。



「私たちは、レイモンド様の悪魔。ソアラ様、レイモンド様が皇帝となられました。ソアラ様を血の帝国にお連れするよう、言い使っております」

「俺はいかない」

「ボクは行ってもいいけどね?」

「京楽、何を言っているんだ」

「会って、はっきりさせるべきだよ。ブリュンヒルデの魂は傷つきすぎて、昔に死んでしまったので蘇生できないって」

「ああ、そうかもしれないな。でも、そうなるとレイモンドは違う要求をしてくる。多分、俺にブリュンヒルデの器になれと」

「なんだって!」

「レイモンドは、そのためにも俺を生かしている。俺の中に、ブリュンヒルデの、母様の面影を見て」

「従わなかった場合、周囲の住民を殺せとも言われております。拒絶されたので、ウィキティの住民の3分の1を処分いたしま・・・・・ぐぎゃああああああ」

浮竹の水銀入りの血を浴びて、その悪魔は灰になった。

「なぜか、悪魔によく効くんだよな、俺の血」

「ひいいい」

「逃げろおお」

「京楽!」

「うん、分かってる!」

京楽は、悪魔たちを捕縛する。呪いをへて魔力が宿り、ヴァンパイアへの蘇りの復活を果たして、京楽の魔力はすごいことになっていた。

自分のオリジナルの魔法で、悪魔たちをがんじがらめにして捕縛する。

そこに、浮竹は水銀を含んだ自分の血をかけると、悪魔たちは灰となって消えてしまった。

「何してるんだ」

床をぺろぺろしてる変態に、浮竹が問いかける、

「だって、浮竹の血がもったいない」

「血くらい、俺から飲め」

「いいの!?」

「ただし、加減しろよ!前みたいに、一気に大量に飲むなよ」

「うん」

京楽は、浮竹の首筋に牙をつきたてて、何よりも甘く感じる浮竹の血を飲んでいく。

「ふう、ごちそうさま」

浮竹は、失血のせいで蒼くなっていた。

「人工血液もってこい、このだアホ!」

「きゃいん!今もってきます!」

京楽にはちょっとでも、浮竹には大量であった。

「全く、駄犬が」

人工血液の高級品を持ってきた京楽の手から、奪い取って接種してすぐに、水銀を含んだ自分の血に変換した。

「まだあるんだよね、人工血液。もっかい、飲ませて?」

「仕方ないやつだな。今度こそ、加減しろよ」

「うん」

血を吸われるのは、すごい快感を伴うので、浮竹は我慢するがつい声がもれてしうまう。

「あっ」

「感じてるの?かわいいね。しっぽりしようよ」

「禁欲半月残っているだろう・・・・ああ、俺のほうが限界だ。血を飲ませろ」

「へ?」

「花嫁のお前の血を吸ってこなかったが、それはお前がヴァンパイア化するのを防ぐためだった。ヴァンパイアとなったお前に、遠慮する必要はもうないというわけだ」

「のわきゃあああああああああ」

浮竹に血を吸われて、京楽は床でしくしく泣いていた。

「まずいな。人工血液のほうが数倍ましだ」

「酷い!ボクをもてあそんでおいて!」

「血を吸っただけだろう」

「ボクの純潔が汚された!」

「どこがだ!」

ハリセンではたかれて、京楽は床に沈む。

「このド変態が!」

「ぐへへっへ、浮竹の足~~~。ぺろぺろ」

「ぎゃああああああああ」

浮竹は悲鳴をあげて、容赦なく京楽にハリセンをお見舞いする。でも、京楽はヴァンパイア化したせいで、あまり意味はなかった。

「血と聖水の名において、アーメン!」

「ぎゃああああああああ、殺されるうううううう」

銀の短剣で刺されたが、特殊個体のため傷はすぐに再生する。、

「京楽、お前どうしたら死ぬんだ?」

「んー?浮竹が死んだ時かなぁ。花嫁になった時、そんな契約を交わした」

「そうだっけ?」

「ひどい!忘れてるなんてあんまりだ!」

本気で泣き出す居楽を、浮竹が宥める。

「悪かった。今日しっぽりしていいから」

「言ったね!?約束だからね!」

「な、ウソ泣きか!」

「ふふふ、しっぽりのためならプライドも捨てるよボクは!さぁ、今からしっぽりするよ!さぁさぁ」

「ぎゃあああああああああああああ」

浮竹の悲鳴が、館中に響くのであった、





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オメガバース恋白読み切り短編

「好きだ」

「へあ?」

恋次は、固まった。

執務時間中に、急に白哉からそんな言葉をかけられて、固まる。

「まぁよい、茶でも飲め」

「あ、はぁ」

緑茶をいれてもらって、それをすする。

「お前に、めちゃくちゃんにされてもよいと思えるほど、好きなのだ」

「ぶばっ」

恋次は、口の中に入っていた茶を全部、白哉の顔にふきだしていた。

「タオル」

「あ、すんません!これ、新しいタオルです」

恋次は真っ赤になって、タオルをあわあわと白哉に渡す。

「その、隊長は俺とその、深い仲になってもいいと」

「ふふふ、ひっかかたな。今日は4月1日。エイプリルフールの日だ。黒崎一護が教えてくれた」

「一護おおおおおおおお」

恋次は、今度一護に会ったら顔面にパンチをお見舞いしてやろうと決める。

「まぁ、好きなのは本当だ。隠してはいたが、私はオメガだ」

「え、隊長がオメガ!?」

「お前はアルファであろう、恋次。私と番になれ」

「ええっ」

白哉ほどの身分のオメガなら、同じ四大貴族の中からアルファを選びたい放題だろうに、白哉は恋次がよいという。

「あの、本気っすか?俺確かにアルファっすけど、貴族でもなんでもない、流魂街出身っすよ?」

「身分など関係ない。私はお前と番になりたいのだ、恋次」

「番になるってことは、その、ごにょごにょを・・・・・あ、またエイプリルフールだから!?」

「違う」

強い眼差しで見られて、恋次は自然と白哉を抱き寄せる。

白哉のことが前々から好きであったが、同性だし上官であるので思いを隠していた、その反動が一気に出た。

「痛い」

「す、すんません」

力の加減をミスして、恋次は白哉を思い切り抱きしめてしまっていた。

「その、番になるってことは、夜のごにょごにょも・・・・・・」

「心得ている。強い抑制剤を使ってヒートに耐えてきたが、もう限界だ。この前、四楓院家の男にレイプされそうになった。番にならないかと」

「そいつ、ぶっ殺す」

「千本桜で、半殺しにしておいた」

「おおう・・・・」

白哉は、腰の千本桜を撫でる。

「で、どうなのだ。私と番のなるのか、ならないのか。お前がいやなのであれば、他のアルファを探す」

「いやです!」

「そうか、ならば無理強いはすまい。他のアルファを・・・・・」

「違います!あんたが、他の男と番になるのがいやなんです!」

「では、私と番になると?言っておくが、私と番になればお前は朽木家の者になる」

貴族の作法など、厳しいものが待っている。

「それでも、隊長と番になりたいです。あんたと一緒にいたい。あんたを、他の誰にもあげたくないんです」

「ふふ、情熱的な口説き文句だな?」

「あ、あんたが相手だからっす!」

恋次は、赤くなりながらまくしたてる。

「では、今日の夜、別邸を用意してある。そこで、番になろう」

「ええええ、そんなにすぐっすか?」

「ヒート期間なのだ。薬でおさえいるが、番がいないときつい」

「今日はもう、仕事休んでください!」

「だが、重要書類が」

「そんなの、今週中にどうにかすればいい話でしょう!俺がやっときますから!」

「そうか。言葉に甘える。隊首室で、少し横になってくる」

そう言って、白哉は執務室をあとにした。



夜になり、別邸に恋次は白哉と共にやってきた。

「花街にいき、色子から話を聞いて知識だけはもっている」

「はああああ!?隊長が花街!?」

「騒がれぬよう、顔は隠していた」

「当り前っすよ!朽木家の当主が花街にいるってばれたら、どんな相手が寄ってくるか分かったもんじゃない!危険な真似しないでください」

「ふふ、恋次は過保護だな」

「そりゃ、好きな隊長の身に何か起きたらいけないから」

「もう一度、言ってくれぬか」

白哉は、甘えた声を出す。

「隊長、好きです。世界中で一番好きで愛してます」

「恋次」

白哉は、隊長羽織も死覇装も脱いで、普通の高級な着物を着ていたのだが、艶やかな柄で白哉にとても似合っていた。

「ああ、なんか脱がすのおしいな」

「お前は、服をきたままするのが好みなのか?」

「違います!隊長に、その着物似合ってるから」

「清家のおすすめの服だそうだ」

「めっちゃ似合ってます。風呂、入りましょうか?」

白夜の手を引いて、共に風呂に入り、お互い長い髪を乾かして、夕餉をとり、酒も少し飲んだ。


「じゃあ、抱きますよ?」

「私は経験がないゆえ」

「それは俺も同じっす!女すら、まだ抱いたことないんすよ」

「なんだ、童貞か」

白哉が、少しだけ笑う。

「あーもう!そういうのは、ほんとに好きな相手としたかったからです」

「それが私か」

「そうです。あーもう、今日の隊長は積極的な上によくしゃべりますね」

「ふ・・・・・・」

白哉は、無理をしていたみたいで、とたんに静かになった。

「ああ、もう。抱きますよ?」

「好きにせよ」




「ああ!」

恋次貫かれて、白哉は啼く。

「ひあああ!」

奥をかき回されて、同時に前もいじられて、思考がぐちゃぐちゃになる。

「あ、いく」

白哉は、恋次の手の平に精液をはきだす。

それを、恋次は舐めとる。

「ひあう、奥はだめぇ」

白哉の奥を抉りながら貫くと、白哉は精液を出さすにオーガズムでいっていた。

「隊長、色子の素質でもあるんじゃないっすか」

「あ、意地悪なことを、言う、な」

「すんません」

快感で涙を流す白哉の涙を唇で吸い取って、前をしつようにいじりながら、最奥を穿つ。

「ひああああああ!!!!」

びくんと、白哉は背を弓なりにしならせて、いっていた。

「うなじ、噛みますよ?番になりますからね」

「あ、早く」

まだ意識のあるうちに、番になりたかった。

恋次が白哉と交わりながらうなじを噛むと、互いに電気が走るような衝撃がくる。

「これでもう、隊長は俺のものだ」

「ひあああ、恋次と、番に・・・・・もうだめだ、後始末は任せる」

白夜の意識はそこで途絶えた。

「え。俺、まだいき足りないんすけど。まだ2回しかしてないっすよ?」

ぺちぺちと白哉の頬を叩いても、反応はない。

「仕方ないっすね。初めてだし」

恋次は、白哉の顔を見ながら自虐して、2回ほど精液を出すとティシュでぬぐってゴミ箱に捨てた。それから、濡れたタオルをもってきて、白哉を清めて、中に出したものもかきだす。

「ああ、アフターピル忘れるところだった」

白哉はヒート期間中なので、子ができやすい体質になっている。

白湯を口に含み、アフターピルを口移しで飲ませると、恋次はあどけない顔で眠る白哉のさらさらの絹のような髪を撫でる。

「あんたと番になれるなんて、ほんとに夢みたいだ」

手のひらから伝わる体温が、これが夢ではないと教えてくれる。

こうして、白哉と恋次は番になった。白哉はオメガであることを公表し、番の恋次を朽木家に婿入り養子とさせた。

恋次は、はじめ貴族の作法とかにうんざりしていたが、隣に白哉がいるので弱音は吐かなかった。


「愛してます、隊長」

「私も愛している、恋次」

番になり、後継者問題などがあるが、今のところ二人は仲睦まじく、普通のオメガとアルファとして生きていくのであった。





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血と聖水と名において18

ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽が言うには、京楽の悪魔王ディアブロの死の呪いの解呪方法が分かった。方法は2つあった。

1つ、かけた者に呪いを返す。しかしこれは、自分より格上の相手では無理。レイモンド相手では、浮竹と京楽ではまだ太刀打ちができない。

2つ、かけられた者を殺して蘇生させる。これは、ライフの精霊神を召喚、使役できる浮竹のためだけに許された方法。

2つ目のを行う場合、京楽は人間であるが限りなくヴァンパイアに近くなっていた。それが、完全なるヴァンパイアとなって復活する。

「京楽、お前はヴァンパイアになる覚悟はあるか」

「あるよ。ボクは、君のためなら悪魔にだって魔王にだってなれる」

「なれもしないくせに、口だけ達者だな」

「ふふ、ボクを殺す?」

京楽は、浮竹を誘ってくる。

「これはお前のためでもある。一度死んで蘇れば、もう悪魔王ディアブロの呪いは受けない。死んでくれ」

浮竹は、ゆっくりと京楽の首を絞めた。京楽は、それを恍惚と、息の根が止まるまで見ていた。


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「目覚めの気分はどうだ?」

「うーん、爽快だね。血が欲しい」

「待ってろ、今、人工血液を・・・・・」

「君の、マスターの血が欲しい。それ以外いらない」

「京楽、俺の血には猛毒の水銀が!あう!」

京楽は、自分のマスターであるはずの浮竹の首筋に噛みつくと、血をすする。

けっこうな量を飲まれて、浮竹はぐったりとなって、京楽に大量の人工血液をもってきてもらい、飲んだ。

「浮竹の水銀は、ボクには効かないよ。君の血と肉を口にしたことがあるんだから。花嫁となった時点で、水銀はきかないようになっていたよ」

「だからって、一度にあれほど口にするな。俺を殺すつもりか」

「あははは、ヴァンピールの君は血液がなくなった程度では死なないでしょう?おまけに銀の武器も効かないし、魔法も効きにくい。まるでヴァンパイアの王だね」

「まぁ、父はレイモンド。ヴァンパイアマスターは、ヴァンパイアの王種だ。その血を引く俺も、ある意味王種かもな」

「君は稀なる、神をも使役するエレメンタルマスターでもある。レイモンドの息子でもあるし、利用価値が高い。だから、レイモンドもボクを餌に君をブラッディア帝国の皇帝にしようとした。でも、ボクは一度死んで、命の神、ライフに蘇生してもらってヴァンパイアとなった」

京楽は、ヴァンパイア特有の尖った牙と耳をもっていた。ヴァンピールである浮竹とお揃いであった。

「なぁ、これからも俺たちはヴァンパイアハンターでいられるのだろうか」

「いられるよ?だって、ヴァンパイアとヴァンピールだけど、ハンターライセンスはもってるし、ボクも浮竹も人に害はなさないし、法律でも人に害をなしたヴァンパイア以外の殺生は禁じられている。大丈夫だよ。ただ、風当たりはきつくなるかもだけど」

「一度、ハンターギルドにいって、久しぶりに退治をしようと思う。最近旅やら休暇やらで、手持ちの金が減ってきた。その気になれば食うに困らないが、京楽はアホなことで金を使うし、俺も錬金術に関するものを仕入れたいしな」

浮竹には、錬金術師の才能もあった。

ポーション程度なら、店で買うものより浮竹が作ったもののほうが効果は数倍になる。

「行ってみよう。ハンターギルドに」

浮竹と京楽は、ヴァンパイアとヴァンピールである外見を隠しもせずに、ハンターギルドに入る。

「うわ、京楽、お前ヴァンパイアになったのか!くれぐれも、人に害をなして賞金首になったりするなよ。S級ハンターの賞金首なんて、しかも京楽じゃあ、誰も退治できやしない」

「ヴァンンピールの浮竹、久しぶりだな」

あちこちから、声をかけられる。

適当に流して、酒場にもなっているギルドで、エールを2つ注文して、ハンターギルドマスターを呼んだ。

「ああ、よりによってお前がレイモンドの息子とは。おまけに京楽はヴァンパイア化しているし」

「首か?」

「そんなことはない。A級以上のヴァンパイアハンターが不足している。血の帝国ブラッディアに皇帝がいないせいで、外の世界に出て人を襲うヴァンパイアが多くなっている。今回はこれなんてどうだ。シスター殺しのエンパニア。ヴァンパイアロードで、兄弟がいて名前は不明だが、兄と弟がいて、どっちもヴァンパイアロードだ」

「ふむ」

「ヴァンパイアロードを3人も相手なんて、京楽くらいしか頼めそうになくて往生していたところだ」

「この件、引き受けた」

京楽は、書類にサインした。報酬金は金貨3千枚。

通所のヴァンパイアで、金貨2百枚という相場なので、いかに強いのかが値段でもわかる。

「じゃあ、ちょっといって退治してくるよ」

「俺も一緒に行ってくる」

シスター殺しのエンパイアとその兄弟は、修道院に居を構えていた。周囲には、犯され血を吸われて下級のヴァンパイアになってしまったシスターたちの遺体が積み重なっていた。

「あははは、下級ヴァンパイアを犯すのも飽きたんだ。ハンターの血、飲ませてもらうぞ」

浮竹は、わざとエンパイアに血を飲ませた。

「ぎゃあああああああ、喉が、喉が焼けるううううう」

エンパイアは苦しみ続けた。

「シスターたちの仇だ。苦しみぬいて死ね」

浮竹は、エンパイアの腹を裂いて、そこに水銀を含む自分の血を滴らせる。

「ひぎあああああ!傷が再生しないいいい」

エンパイアの兄と弟は、すでに京楽が亡き者にしていた。

「京楽、とどめを」

「あいよ。血と盛衰の名において、アーメン」

そう祈り、京楽は聖銀の聖剣でエンパイアの首と胴を切り離す。傷口を焼いて、再生できないよにすると、エンパイアは吐き捨てた。

「いずれ、藍染様が帝国に君臨なさる。そうなれば、お前たちはすぐに殺される」

「うるさいね」

京楽は。エンパイアの頭を踏みつぶした。

さらさらと灰になったものをカプセルにつめこむ。3人分、3つのカプセルにつめこんで、ギルドに帰還した。

「はぁ!?もう倒した!?依頼を受けて、まだ半日だぞ!」

「いや、近かったから」

「はぁ!?馬車で1週間の距離だぞ!」

フェンリルに乗って、風の上位精霊ジルフェに依頼して一番近くの村まで転送してもらい、あとはフェンリルの足で修道院まで向かったのだと説明すると、ギルドマスターは頭を抱えてから、にこやかになった。

「今ある退治の依頼の中で、普通では倒せないのや、任務失敗の依頼を全部引き受けてくれ」

「え、ちょっと多すぎじゃない?」

「何、毎日片付けていけば、半月で終わる」

「仕方ないねぇ」

「仕方ないな」

「恩に着る!」

こうして、浮竹と京楽は、S級とA級のヴァンパイアハンターとして返り咲いたのであった。



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血と聖水と名において17

パートナードラゴンの京楽は、人の姿になれる魔道具の腕輪を入手して、さっそく人の姿でドラゴンサモナーである浮竹と共に、浮竹と京楽の館にやってきた。

最初は、浮竹も京楽もびっくりしていた。

パートナードラゴンの京楽が腕輪を使って、ちびドラゴンと人の姿を行き来して、しばらくして慣れた。

「何かあったのか?人の姿をしているし、そっちのドラゴンサモナーの俺は少し元気がなさそうだ」

『うーん、いろいろあってねぇ』

パートナードラゴンの京楽は、ドラゴンサモナーの浮竹の頭を撫でる。

『むう、子供扱いするな』

そう言いながら、ドラゴンサモナーの浮竹は顔を赤くする。

『ふふ、十四郎がかわいいからだよ』

『恥ずかしい奴め』

まんざらでもなさそうな、ドラゴンサモナーの浮竹であった。

「とりあえず、お茶していかない?苺のタルト作ったんだよ」

『ごちそうになっていこうかな』

『ああ』

出されたのは、アッサムの最高級品と京楽が作ったというおいしそうな苺のタルトだった。

「この苺、ライフの精霊に育ててもらったんだよ」

『命の神ライフを、そんな風に使役するのはヴァンピールの浮竹くらいだよ?そもそも、ボクの世界でも命の神ライフを使役できる者はごく少数だったしね。古代魔法文明があった頃は、人もライフを使役できたけど、条件つきだね』

「条件?俺は何もしないで召喚しているが」

『普通はね、ライフの神を召喚するのには自分の命を大量に捧げるんだよ。召喚し続ける限り、寿命が減っていく。2,3回使ったらお陀仏だね』

「そうなのか・・・・・・」

『うん。君は特別だね。エレメンタルマスターの中でも、神子に近い』

「おおげさだ」

浮竹は、赤くなった。

「浮気!?」

「なんでそうなる!褒められて照れただけだ!」

浮竹は、京楽をハリセンでしばく。すると、京楽はにょきと起き上がって、浮竹を抱きしめる。浮竹は、変わり身の術で丸太を抱かせた。

「もう、浮竹の照屋さん♡」

「少しは、パートナードラゴンの京楽を見習ったらどうだ」

「えー。だって、ボクと同じ顔見て頬を赤らめるから。ああ、ほんとに鏡みたい。ボクっていい男だよねぇ。これだけの美男子もなかなかお目にかかれないよ」

『自分で言ってるよ』

パートナードラゴンの京楽は呆れていた。

『人を滅ぼそうと思っていたが、止めたんだ。今は、京楽と二人で静かに暮らせる場所を探して旅をしている』

「人間を滅ぼしたら、この世界も滅びる。この世界は、人間のもつマナとごく少数の者がもつ魔力で成り立っているから」

『そ、そうなのか?』

「うーん、正確には人間がピラミッドの頂点にいるようで、この世界の成り立ちでは底辺にいることかな」

『なんだかよくわからん:』

『人を滅ぼしたら、この世界も静寂に包まれるってことだよ。他の命は生きているけど、消費する者が消えて淘汰されることがなくなって、バランスが崩れまくって壊れてしまうんだよ』

『そうなのか。それは、嫌だ。ますます滅ぼしたくない』

数週間前とは全く意見が正反対になっていて、浮竹は驚いていた。

「ここまで意見が正反対になるのも珍しいな。パートナードラゴンの京楽、何をした?」

『うーん、ひみつ』

「そ、そうか。すまない」

ドラゴンサモナーの浮竹の額jにキスをしていたパートナードラゴンの京楽を見て、浮竹は赤くなった。

「もー、なんでそこで赤くなるの!?ボクのこの股間を見て、赤くなって・・・・おぶ!」

ズボンぬいで。下半身はふんどし一丁になっていた京楽の鳩尾を、浮竹は蹴鞠を蹴るみたいに蹴った。

「おおう、効いた~~」

「変態は、地面に欲情して地面とキスでもしとけ!」

「うん、そうするね?」

「え?」

京楽は、魔法が使えるようになっていた。多分、呪いの反動だろう。

そこそこな魔力で、地面に浮竹の半裸姿を描くと、はぁはぁいって、床と接吻していた。

『変態だ・・・・・・・』

『うん、変態だね』

「でも、こんな変態だが料理の腕だけはいいんだよな」

他のメンツより多めに盛られた苺タルトを。浮竹は食べる。

『あ、ほんとにおいしい。変態が作ったのにな?』

『変態だけど、長所あってよかったよ。ただの変態なら、ボクと同じ姿をしているせいで、燃やしちゃいそうになる』

「燃やしたかったら、いつでも燃やしていいぞ?」

「酷い!浮竹の意地悪。今日のしっぽりのお誘いかい?」

「どこをどう解釈したらそうなる!」

「うふふふふ、照れちゃって」

ちゅっと、人前で唇にキスされて、浮竹は真っ赤になってフェンリルを呼び出す。

「来い、フェンリル」

「どうかしたのかにゃ?」

「この変態を凍りつかせろ」

「お安いご用にゃ!」

氷のブレスをはいて、フェンリルは京楽を凍りつかせた。

『ふふふ、なんだかんだいって、仲がいいんだな?』

『そうだね。見てて楽しいね』

「この変態とそっちの京楽、1時間だけチェンジしないか」

『『無理』』

「やっぱりか・・・・こんな変態、何故俺は花嫁にしたんだろう」

そう後悔する、浮竹であった。

ちなみに、京楽は魔法で熱気を出して氷を溶かして、浮竹の背後にこっそりと回り込む。

「変態のボクを、君は愛してる~~~~」

背後からハグされて、浮竹は驚いて京楽を投げ飛ばす。

「ああああ、幸せ」

そんな京楽を見て、ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽はどん引きするのであった。


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血と聖水と名において16

京楽の呪いはしばらくの間、解けることはないだろう。

血の帝国ブラッディアの皇帝になることが、京楽の呪いを解呪する条件であった。猶予期間は3年だ。その間に、異界の存在であるパートナードラゴンの京楽から、悪魔王ディアブロの呪いを解呪する方法を模索してもらおうと思っていた。

浮竹は、いざとなったら、ブラッディア帝国の皇帝になるだろう。

父、レイモンドが仕向けた方法は、浮竹を確実に皇帝にする方法だった。

「そういや、ヴァンパイアの世界では龍神がいるんだよね。7つのゴールデンボールを集めたらどんな願いでも聞き入れてくれるっていう」

「あほか!金玉集めてどうする!命の輝きの玉だ。聖女クラスの魂を具現化してできた玉を7つ集めると願いが叶うという。どのみち、神話だし集めれた者もいないし、誰も願いを叶えてもらった者はいない」

「ちぇっ。浮竹としっぽりしまくれますようにって願おうと思ったのに」

浮竹は、ハリセンで京楽の頭を何度もたたく。

「自分にかけられた死の呪いを解呪してもらおうとか思わないのか」

「うーん。まぁ、浮竹が皇帝になるだけでいいんなら」

「あほ!皇帝になったら、きっと離れ離れにされる。もう会えないかもしれないんだぞ」

「え、まじで。じゃあ、解呪の方法ボクも探す」

やっと、京楽は自分の死の呪いを厄介なもとのと理解した。


「それより、ズルズルボールはどうなの?集めたらちょっとのことなら願いを叶えてくれるんでしょ」

「ズルズルしてるぞ」

「うん。だからズルズルボール」

京楽は、浮竹の尻をさわりながら言う。

「ズルズル神を出すのは簡単だ」

浮竹は、そんな京楽を張り倒す。

「ズルズルボールなら、たくさんあるからそこらの雑貨屋でも売ってるだろう。だが、願いは一つしかかなわいないし、ズルズルしてるぞ」

「雑貨屋に買いにいってくる」

「おい、京楽!」

京楽は、ウィキティにある大きな雑貨屋で、1つ金貨100枚もするズルズルボールを7つも買ってきた。

「お前、まずは人の話を聞け。ズルズルボールなら、納屋に7個あった」

「ええ!1個金貨100枚で買っちゃったよ」

「また、変なことに大金を」

浮竹が怒らないのは、すでに館のお金は払い終えており、京楽のポケットマネーから金を出していたからだ。

共有の財産から出していたら、すまきにして天日干しにしていただろう。

「とにかく、ズルズル神を呼び出すよ?」

「勝手にしろ」

「ズルズルボールの偉大なるケチなズルズル神よ、出でよ!そして我が願いをできる範囲で聞き届けたまえ!」

呪文を詠唱すると、プルプル震えた高齢のズルズルした爺さんが現れた。

「いかにも、わしがズルズル神じゃ。何を願う?」

「無理だろうが頼んでみよう。この京楽にかけられた呪いの解呪はできるか?」

「む、無理じゃな。わしができるのは、物質を出すことだけじゃ。3千マニー以内の」

「銀貨3枚以内だとさ」

「じゃあ、浮竹のパンツおくれ!」

「だめじゃな。6千マニーする」

ぷくーと、京楽はむくれる。

「何を願っているんだ、お前は!」

浮竹にハリセンではたかれながらも、京楽はめげない。

「じゃあ、中古で。今浮竹がはいているパンツおくれ!」

「ちょうど3千マニーじゃ。よいじゃろう」

ズルズル神は、手の平からズルズルした浮竹のパンツをとりだすと、京楽に与えた。

「わーい!ずるずるでベタベタだけど、浮竹が今はいてたパンツだーーー」

うさぎさん柄だった。

「うさぎさんかわいい」

「あああああああ!!」

浮竹は、はいているパンツをなくしたことで、真っ赤になって、フェニックスを呼び出して京楽ごとパンツを燃やした。

「お前も燃えろおおおおお」

「ぬおあああああああ」

ズルズル神もついでに燃やした。

でも、一応神様なので死なない。

「願いはかなえた。さらばだ」

「納屋のズルズルボール破棄してやるうううう」

真っ黒こげになった京楽は、はぁはぁしていた。

「この炭化したのが浮竹のはいてたパンツってことは、今はノーパン!?」

「ぎゅああああああ、こっちにくるなああああ!!!」

浮竹は、京楽を縄で縛って、木に吊るした。

「はぁはぁ、もっとおおおお」

「この変態がああああ!!」

浮竹は、ノーパンなので、パンツをはきにいった。

「ああ、コレクションに入れたかったなぁ。浮竹のズルズルしたパンツ」

「この腐れ変態が!自分のパンツでも食ってろ!今日は飯ぬきだ!」

「ああん、浮竹の愛が激しい。そんなにボクのことが愛しいんだね?」

「話通じないな、この変態は・・・・・」

浮竹は、ウンディーネを呼び出して、京楽を水浸しにする。

この季節、まだ寒い。

「風邪でもひいてしまえ!」

「はぁはぁ。魔法使えなかったんだけど、最近基礎の魔法なら使えるようになってきたんだよね。乾け~~~~」

京楽が念じると、京楽の衣服はかわいた。

「ああ、でもパンツのあそこだけは濡れたままだよ」

「お前が濡らしているんだろうが!」

木に吊るされた京楽を、浮竹はブランブランと揺すり、ハリセンで頭をはたく。

「(*´Д`)ハァハァ。愛が激しい」

「だめだこりゃ」

浮竹は、京楽を放置して館に戻り、暖炉に牧をくべて暖をとるのであった。


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血と聖水と名において15

血の帝国ブラッディアに滞在中、浮竹は実の父のレイモンドと会ってしまった。

何も言えないでいる浮竹に、レイモンドはその顎に手をかけて上を向かせる。

「ますます、母であるブリュンヒルデに似てきたな」

「父様」

「皇帝になれ、ソアラ。いや、今は浮竹十四郎だったか」

「お断りいたします」

「ふふ、そう言うと思って、呪いをかけておいた。三年以内に皇帝にならねば、お前の愛しい花嫁、京楽春水は呪いで狂い死ぬ」

「なんてことを!」

浮竹は、実の父を殴ろうとして、抱きしめられていた。

「ソアラ。皇帝になり、ブリュンヒルデを蘇らせろ」

「呪いの解呪は!?」

「できない。悪魔王ディアブロの呪いだ。解呪方法などない。ただ、お前がおとなしくブラッディアの皇帝となり、愛しい妻で花嫁であるブリュンヒルデを、命の神ライフに生贄を捧げて蘇らせればいい。その後は、皇帝をやめてもかまわん」

「父様は狂ってる。母様は死んだのに」

「お前がライフの精霊、いや、神を使役できるからだ。命の神は死者さえ蘇らせる。なに、生贄など罪を言いわたされたヴァンパイアロードを五人ほど捧げればいい」

浮竹は、それ以上レイモンドと一緒にいたくなくて、赤の館のレイモンドの屋敷を京楽と一緒に飛び出して、自分の館として与えられた緑の館に帰る。

「まいったねぇ。解呪できない死の呪い、かけられちゃったのか」

「三年の猶予がある。その間にでも解呪がだめなら、俺はブラッディアの皇帝になる。京楽、お前を失いたくない」

「うん。仕方ないね」

「すまない。お前まで巻き込んでしまって」

「何言ってるの。ボクは君の花嫁で契約者でしょ」

「ああ。アホの子で変態だがな」

「酷い!」

しくしくと泣きだす京楽の手には、ハンカチ代わりの浮竹のパンツがあった。

「これだから、変態でアホの子なんだ」

「変態は認めるけど、なんでアホの子なの?」

京楽は、前から疑問に思っていたことを口にする。

「空気を読まないからだ。お前、父であるレイモンドの背後で尻文字でアホとかやってただろ」

「ばれてた!?」

「ばれるわ、ぼけ。レイモンドは気づいていなかったようだが。気づいていたら、死ななくても燃やされていたぞ」

「うわぁ、悪魔王ディアブロの名を冠するヴァンパイアマスターの炎、ちょっと味わってみたかったかも」

「そういうところも、アホの所以だ」

「えへへへ、そんなに褒めないでよ」

「褒めとらんわ、だアホ!」

浮竹は京楽をハリセンで殴り、レイモンドの執事に帰るということを伝えて、ウィキティへの転移魔法陣で帰ってきた。

「ああ、久しぶりの我が家だ」

「浮竹がさらわれた時、荒らされたのまだ完全に直してないからね。建物を壊すとか、どんだけアホなんだろね」

「アホのお前にアホ呼ばわりされたら、死んだとはいえS級ヴァンパイアハンターたちも成仏できないだろうな。さまよい出てきて、お前の肩に・・・・・」

「ひいいい、やめてよ!ボク、怖い心霊系はだめなんだよ」

「知ってる。今度、知り合いに頼んで心霊写真手に入れて見せてやろう」

「やーめーてー」

浮竹は、くすりと笑った。

「あ、浮竹、ブラッディアに旅立って滞在して帰ってきて、やっと笑ったね。もう二週間は強張った顔してたよ?」

「そうだな。ブラッディアまでいくのもうつだったし、滞在中もうつだった」

「今日は、ピザを作ろう。君の好きなシーフードの」

「ああ、今から楽しみだ」

浮竹は、京楽と共に仮眠した。血の帝国ブラッディアと外の世界は24時間時間が違う。

入ってでたら、それだけで1日が経っている。


『宿借りにきたよー』

「あ、パートナードラゴンの京楽じゃないか。久しぶりだな」

『あ、ヴァンピールの浮竹!ここ最近留守にしてたみたいだけど、宿を借りるのに何度か館に勝手に泊まらせてもらったよ?』

「ああ、かまわない」

『ヴァンピールの俺、浮かない顔だな?』

「実は、父のレイモンドに・・・・」

事情を説明すると、パートナードラゴンの京楽は、解呪方法があるかもしれないと言っていた。

『ちょっと時間かかるけど、解呪方法探せそうなんだ。期限は三年だよね?』

「ああ」

『その間に、なんとかしてみようと思う』

「頼む。ブラッディアの皇帝になると、父は母を蘇らせたらすぐ退位していいというんだが、そう簡単に退位できないのが皇帝というものだ」

浮竹は困った顔をしていた。

『大変だな、ヴァンピールの俺』

「母を蘇らすのには、一度失敗しているんだ。今度も多分失敗する。ライフの神は、死者の蘇りを禁呪にしているからな。死んだ者をすぐに蘇生なら、生贄なしでもできるが。体に破損がない限りは」

『そもそも、ライフの精霊と契約切っちゃえば?』

「治癒に使うから、絶対に必要なんだ。ヴァンパイアハンターをしていると、生死の境をさまようケガをする時もあるからな」

『ライフの神、呼び出せる?』

「ああ、できるが」

『ちょっと呼んでみて』

パートナードラゴンの京楽に言われて、浮竹はライフを召喚する、

「ライフよ、顕現せよ」

『やっぱり。この精霊というか神、この世界の者じゃないね』

半透明な、シルフのような乙女の姿のライフは、くすりと笑ってパートナードラゴンの京楽の周囲を舞い踊ってから、元の世界に帰ってしまった」

「どういうことだ?」

『ん。ボクは、この世界のドラゴンではないからね。そういうの、分かるんだ』

『京楽がどの世界のドラゴンでも、京楽は京楽だ』

ドラゴンサモナーの浮竹は、ちびドラゴン姿のパートナードラゴンの京楽を抱き上げる。

「異界関連なら、呪いの解呪方法があるかもしれないってことか」

『そういうことだね』

問題の京楽は、こしみの姿でサンバを踊っていたので、とりあれずハリセンで床に沈めておいた。

「今日は、この変態のアホがピザを作ってくれるんだ。よかったら、食べていけ」

『うん、そうするよ』

『世話になる』

アホの変態は、今度はふんどし姿でソーラン節を踊っていた。

つっこんだら負けだろうと思ったが、しつこかったので、ハリセンで仕留めた。

「くくくく。ぽろりしちゃた♡」

「ぎゃああああ!股間隠せえええ」

「顔隠すね?」

そんなやりとりをする二人を見ながら、パードナードラゴンの京楽とドラゴンサモナーの浮竹は、紅茶を飲んでクッキーを食べて、見なかったことにして寛ぐのであった。







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血と聖水と名において14

「何故、私の花嫁であることを拒絶する?」

「いやなものは、いやだからだ。花嫁にされた記憶は消されたが、一度お前の花嫁になってしまったのも事実だ。だが、幸福感などなかった。絶望感だけがあったのを、なんとなく覚えている」

京楽に、藍染にされたことの記憶を消してもらった浮竹であったが、自分の身に何が起こったのかは知っていた。

「私の花嫁になりたくないと?」

「当り前だ」

「ソアラ。神さえ使役できるお前の力があれば、私はブラッディアの皇帝となり、やがて神へと至る」

「妄想癖があるようだな。そんなことにはならない。お前が皇帝になるくらいなら、俺が皇帝になる!」

浮竹は、自分がブラッディア帝国の皇位継承者であることを、認めた。

「消えろ!」

浮竹が、フェニックスを召喚して藍染に向けると、藍染は渋い顔をしながら、フェニックスの業火に燃やされていく。

どうやら分身体のようで、灰さえ残らなかった。

「京楽、大丈夫か!?」

「うん。ちょっと、腹に大穴あいただけ」

「ライフ、顕現せよ!」

京楽は、体がヴァンパイア化しているので、腹に穴が開いたくらいでは死なないが、痛みは確実にある。

「そのライフって精霊、神でもあるんでしょ?」

「ああ。綺麗に治ったな」

「ライフってすごいね。その気になれば、死者さえ復活させれるんでしょう?」

「ああ。生贄が必要だがな」

「もしもの時は、ボクを生贄に・・・・・」

「しない。絶対に、そんなことしないし、そんなことにもさせない」

浮竹は涙をにじませて、京楽を抱きしめた。

「ライフで、父であるレイモンドは、奴隷を生贄に使って、俺に母様の蘇りを強制した。でも、生贄にされた奴隷が死んだだけで、母様は生き返らなかった。その後から、父は俺を疎ましく思うようになる時もあるし、目に入れても痛くないくらいかわいがる時もある、二面性を持つようになった・・・・・・・」

「うん」

「ライフの精霊を、自分で使役しようとしたんだ。その後遺症だ」

浮竹は、悲しそうな顔をした。

「そうなの。大変だったんだね」

「ああ。今も、俺に皇位継承権を与えたのは父だ」

「レイモンド・・・・・悪魔王ディアブロのレイモンド。数百年S級ヴァンパイアハンターたちを退けてきた、ヴァンパイアマスター」

「ああ」

浮竹は頷く。

「ボクも何度か戦ったことあるけど、全部引き分け」

「父と引き分けでいけるのがお前のすごいところだ」

「え、そうかな?」

京楽はデレデレして、むちゅーとキスをしようとしてくるのをハリセンではたいてから、浮竹と京楽はブラッディア帝国に入る。

「ソアラ様!」

レイモンドの執事が、駆け寄ってくる。

「ブラッディアにようこそおこしくださいました。館を用意してございます。皇帝候補の方一人につき、一つの館が与えられます」

「俺のくるかなり前に、黒崎一護というヴァンぽイアマスターが、朽木ルキアというメイドとこなかったか?」

「ああ、黒崎様ですね。青の館に滞在中でございます。ルキア様も、同じく」

「そうか。無事ならいいんだ」

浮竹は、京楽と共に安堵する。

「藍染様とレイモンド様は、時折館に泊まられますが、基本は外で活動しておいでです」

「俺も、そうなると思う。ずっと滞在はできない」

「そうでございますか。残念です。ソアラ様に与えられるのは、緑の館です。レイモンド様の子ということで、黒崎様や藍染様の館より、かなり豪華にしております。時折レイモンド様もお泊りになります」

「父に、会いたくない」

浮竹は、苦虫を嚙み潰したような表情になる。

「そのように、取り計らいましょう。レイモンド様のご帰還は、一週間後となっております」

「三日だけ滞在する」

「短いですね?」

「ひとまず、ブラッディアという帝国を見て回りたい」

「ボクも、興味あるな」

京楽がそう言うと、レイモンドの執事は眼鏡をくいっと手であげる。

「そちらが、花嫁の京楽春水様でございますね?」

「ああ」

「レイモンド様がおしゃっておりました。花嫁にさせたのは、失敗だったと」

「京楽、怒るなよ」

「怒らないよ。でも、レイモンドのお陰で君に出会えた。そのことは、感謝しているよ?」

「レイモンド様を呼び捨てとは!」

「いい。俺が許す」

「はい、生意気な口をきいてすみませんでした、ソアラ様」

執事に、緑の館を案内された。

王宮じゃないのかという豪華さだった。

「金、かけまくってるな」

「先代の皇帝ルキオラ様の離宮でもありましたから」

「ルキオラ皇帝って、確か美少女ばかりを花嫁にした好色のヴァンパイアマスターだよね。でも、子供はできなかった」

京楽が、うろ覚えの知識を出す。

「はい。一応、二人ほど御子は誕生なさいましたが、はやり病ですぐにお亡くなりになりました。ルキオラ様には子種がないと分かって、子を産んだ花嫁は断頭台の露に消えましたが」

「こわっ」

京楽は、浮竹が皇帝になってしまったらどうしようと、少し、いやかなり心配であった。

「京楽、心配しなくても俺は皇帝になんてならない。たとえなったとしても、あの館で一緒に暮らす」

「可能でございますよ?皇帝は権力の象徴であるだけ。統治は長老たちがなさっておいでです。帝国を覆う、ドーム状の日光をいれない結界を維持する、血液を注ぎ、魔力を特殊なオーブにありったけ注げば、それでよいのです。ですから、ソアラ様が皇帝になり、外の世界で生活して半年に一度ほど。ブラッディアに帰還して魔力の補填をするのであれば、外での生活も許されましょう。ただし、贅沢などはできませんが」

「贅沢なんかしない」

「レイモンド様は、金を湯水のように使いなさるんので、ソアラ様とは反対でございますね。こちらが寝室となっております。京楽様とお過ごしになるなら、この豪奢なベッドをお使いください。レイモンド様が、若かりし頃に使っていた、由緒正しき製作者が、特別に魔力を注いで作ったベッドとなっております」

「早い話が、お下がりってことだろう?」

「このベッド一つで、奴隷が百人は買えます」

「無駄に金かけてる。ブラッディアは、奴隷制度を廃止したんだろう?」

浮竹が怪訝そうな顔をする。

「それでも、人間やヴァンピールの底辺の者たちが奴隷として売買されております。ヴァンパイアと、戸籍のある人間の奴隷化は廃止されましたが、スラムに住む住民は戸籍がないため、奴隷として捕まれば売られていきます」

「変えたい。そんな帝国を」

「浮竹・・・・・」

京楽が、浮竹の手を握る。

「ならば、皇帝になられるとよいでしょう。皇帝の案であれば、通りましょうぞ」

「父がなればいい。父に、進言する」

「それは無理でございましょう、ソアラ様。レイモンド様は、ソアラ様を皇帝に立候補なさっておいでです」

「なんだって!」

「ああ、言っておりませんでしたか」

レイモンドが、ソアラこと浮竹を駒にするために、皇帝になることを推しているのだとは、まだほとんどの者が知らない。

「皇帝になれば、相応の力を得ます。ソアラ様の母君、ブリュンヒルデ様の蘇生を、レイモンド様は願っておいでです。どうか、命の神ライフを大切にしてください」

「ライフは、死者を蘇らすのに生贄を。たくさんの命を必要とする」

「それならば、ヴァンパイアロードの罪人を数人ささげるだけですみましょう」

「俺は、嫌だからな!絶対に、皇帝になったりしない」

「それは、分かりませんよ?」

執事は、何かいいたげであったが、口をつむぐ。

まさか、皇帝にならばければ、京楽の命の灯が危ういなど、その時の浮竹は知らなかった。














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血と聖水と名において13

「浮竹、いいものあげる」

「なんだ?」

るんるん気分の京楽が、綺麗にラッピングされた箱をもってきた。

中身は少し軽い。

「いいものだよ」

「ああ、もらう」

アクセサリーの類かと思っていたら、中に入っていたのはもじゃもじゃの毛だった。

「うふふ、ボクの胸毛♡」

「いるかこんなものおおおおお!!」

京楽の顔面に、箱を投げ返す。

「酷い!ボクの胸毛2か月分なんだよ!」

「気持ち悪いわ!変なものよこすな!」

「ははぁ、さては下の毛がよかったんだね。今から・・・・」

「死ね」

浮竹は、京楽はをハリセンでぼこぼこにした。

「う、冗談だったのに。毛を取り除いて箱の奥を見てごらん」

言われた通りにすると、翡翠の髪留めがあった。

「これは・・・綺麗だな。でも、値段が高そうだ」

「ボクも一応S級ヴァンパイアハンターだからね。この前ソロでヴァンパイアロード狩った報酬金で買ったの」

「あ、ありがとう。う、嬉しいなんて別に思っていないんだからな!」

「きたーーー、浮竹のツンデレ。かわいいいいい」

「う、うるさい」

そこで、ピンポーンとチャイムが鳴った。

「誰だろう」

「あ、ボクが出るから!もしも、また藍染関係だとやばいからね」

浮竹は、二週間ほど前に藍染に犯されて、無理やり花嫁にされて、それを同じ花嫁である京楽とまじりあうことで、花嫁でなくなった。

藍染の手下が2回ほどきたが、返り討ちにして殺した。

『元気か、ヴァンピールの俺』

「あ、ドラゴンサモナーの俺!」

『すまん、洗面所を貸してくれないか。手が血で濡れて気持ち悪い』

「誰か、殺したのか?」

浮竹が、不安げにドラゴンサモナーの浮竹を見る。

『何、お前に害をなそうとしたS級ヴァンパイアハンターの首をはねとばして火で完全に塵にしただけだ』

『浮竹ってば、君をさらおうとしてたらしいS級ヴァンパイアハンターを二人殺しちゃったの。注意したんだけどね、問題ないって聞かなくて』

「そうか・・・・あの二人を殺したんだな。俺は気にしない」

『ヴァンピールの俺ならそう言うと思った・・・・一度、誰かの花嫁にされたのか?首に、うっすらと痕がある』

「ああ、藍染に無理やり・・・・」

『藍染か。俺の力で殺せるかな?』

「藍染は不老不死に限りなく近いヴァンパイアマスターだ。普通の方法では殺せない」

『そうなのか』

ドラゴンサモナーの浮竹は、残念そうな顔をする。

「あ、ドラゴンサモナーの浮竹、これあげる!」

『なんだ?』

『何もらったの?』

パートナードラゴンのちびドラゴンの姿の京楽も、綺麗にラッピングされた箱の中身を見る。

「ボクのギャランドゥの毛」

『いるか、こんなものおおおおお!!』

浮竹と同じ反応をする。

違うのは、毛だけ燃やして、ついでに京楽も燃やした。

『ボクの浮竹に変なものあげないで!』

パートナードラゴンの京楽も、火のブレスで京楽を燃やす。

「あははは、いい火加減」

京楽は、アフロになりながらも体は燃えない。手加減されているし、京楽はもうほとんど体の構造がヴァンパイアに近くなっているせいで、炎なんてききやしない。

『あははは、アフロになってる』

パートナードラゴンの浮竹は、おかしそうに笑う。

『本当に渡したかったのはこっちか』

今の浮竹が髪に飾っている髪留めの翡翠と対になるような、ブルーサファイアの髪留めが箱の奥に入っていた。

『ありがとう。大切にする』

「うん。それなりの品物だよ。けっこうお金かかってるから、なくしたり、盗まれたりしないように気をつけてね」

『ボクの浮竹なら、大丈夫だよ』

「そうだね」

「京楽、服を脱げ」

突然、浮竹がそんなこと言いだした。

「ええ!こんなところでしっぽりのお誘い!?」

「違う、だアホ!」

おとなしく上半身裸になり、下半身も躊躇なく裸になりそうなのを慌てて止める。

「え、フルチンじゃなくていいの?」

「誰もそこまで脱げとは言ってない!」

くすくすと、そんな二人をドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽が笑う。

浮竹は、綺麗になくなった京楽の胸毛とギャランドゥを見て、溜息をこぼす。

「ライフよ、顕現せよ」

浮竹だけ使える、命の精霊ライフに、京楽の胸毛とギャランドゥをしばらくはえてこないようにお願いした。

「ちょっと!ボクの胸毛がはえてこなくなるうううう」

「こんなことに使うなら、永遠にはえてこんでいいわあああ」

「酷いいいいいい」

「この愚か者があああああ」

『なんだかんだって、仲いいね?』

『そりゃ、花嫁だからな?多分』

ドラゴンサモナーの浮竹は、勝手に紅茶をいれて飲んでいた。浅い皿にいれて、パートナードラゴンである京楽にも飲めれるようにする。

冷蔵庫を漁ると、大粒の苺があった。

それを、二人は食べる。

「あ、夕飯後の楽しみに残しておいた苺なのに。まぁいいか。ライフに頼んで、同じものをはやしてもらって収穫しよう」

ライフの精霊。

別名、命の神。

精霊でありながら、同時に神である。浮竹は、神さえ使役する。

四人は、和やかにお茶をしていたのだが、一向に燃え尽きない京楽のギャランドゥの毛を見て、浮竹が質問する。

「あれは、いつ燃え終わるんだ?」

「ん、ボクのギャランドゥは特別でね。火をつけても長時間それを維持するんだよ。冒険者してた時、よく松明代わりにしてたなぁ」

「汚らわしい松明だな」

「酷い!」

ちなみに、京楽はまだアフロだった。ライフの精霊に元に戻せと言っていなかったので。

「ボク、いつまでアフロなの?」

「一週間」

「びえええええん。ボクの美貌がああああ」

「自分で言うな!ナルシストか、お前は!」

「いえ、ただの変態です」

「たいへんだ、へんたいだ」

げらげらと、パートナードラゴンの京楽が笑い、ドラゴンサモナーの浮竹も腹を抱えて笑っていた。

変態でアホな子の京楽は、涙を浮竹のパンツでぬぐった。

「また俺のパンツを!」

「いやあああ、とりあげないで!ボクのコレクションがあああ」

「没収だ、没収」

「酷いいいいいい」

ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽は、夕飯をごちそうになってから、元いた町の宿屋に戻っていくのであった。


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血と聖水と名において12

「へへ、藍染のご所望のソアラこと浮竹を生きて連れてきたぞ」

「約束の、報酬の5倍をもらおうか」

「愚かなる人間の割には使えるな。ほら、星白金貨だ。好きなだけもっていけ」

藍染は、眠る浮竹をベッドに寝かした。

「ひゃっほう、これで超大金もちだ!」

「行こうぜ。藍染はやべぇ。気が変わる前におさらばしようぜ」

「そうだな」

S級ヴァンパイアハンターの二人は、藍染の秘密のあじとから出ると、帰路につこうとした。

そこに、フェンリルに乗った京楽が現れる。

「浮竹はどこ!」

「ちっ、夜叉の京楽か。浮竹は藍染の家にいる。今頃、花嫁にされてるんじゃないか」

「浮竹ーーー!!!」



浮竹は、藍染に犯された。

無理やり花嫁にされた。

そこへ、京楽が乗り込んでくる。

「浮竹を返せ!」

「残念ながら、ソアラは私の花嫁になった。契ったよ」

「京楽、俺を殺してくれ・・・・・・・」

浮竹は、絶望で涙を流していた。

「殺さない!絶対に、元に戻る方法見つけるから!」

「おもしろい。ソアラを返そう。まぁ、最終的には私の花嫁として帰ってくるだろうがな」

「京楽、俺は・・・・・」

「何も言わなくていいよ。館に帰って、お風呂にはいろ?」

「うん」

浮竹の首には、藍染の所有物の証である薔薇のいばらのタトゥーが浮かんでいた。

館に戻ると、まずは浮竹と湯あみをした。

藍染のキスマークの残る体を洗っていく。

「京楽、抱いてくれ」

「いいの?」

「花嫁同士が契りあうと、特別な力を得るという。今は、それにかけたい」



「はぁん、もっと奥う」

「浮竹、奥好きだね?」

「あああ、もっと奥に」

浮竹と京楽は、ヴァンパイアの花嫁同士で契りあう。

「奥に、いっぱい注いであげるね?」

「藍染の花嫁になるくらいなら、死んでやる」

「花嫁をやめる方法はあるはずだよ。実際、花嫁として誘拐された少女が元の普通の人間に戻ったって聞いたことあるし」

京楽は、浮竹の奥をつきあげながら、奥に直接精液を注ぎ込む。

すると、浮竹の藍染の所有物の証である首の薔薇のいばらのタトゥーが薄くなっていく。

「ああん、もっとおおお」

「淫乱な浮竹も大好きだよ」

久しぶりなので、京楽は優しく抱いた。

浮竹が意識を失う頃には、ばらのいばらのタトゥーはほとんど気てえいた。

「そうか。花嫁同士で契ることで、花嫁ではなくなるんだね。藍染も知らなかったみたいだし、浮竹には悪いけど、藍染にされたことの記憶を消すよ」

京楽は、魔法は使えないが、魔法のスクロールは使えた。

倉庫から漁りだした、記憶消去のスクロールを使って、誘拐されたこと自体をなかったことにした。

「ん・・・・京楽、俺は?何か、大切なことを忘れている気がする」

「忘れてていいんだよ。無断だけど、記憶消去のスクロールを使ったよ。そうしないと、浮竹が悲しみの絶望から抜け出せないから」

「そうか。俺の身に、何かあったんだな」

「思い出せないよ?」

「ああ。消去されるほどの記憶なら、思い出したくもない」

その日の夜、浮竹と京楽はまた契った。

そこには、アホで変態の居楽はいなかった。ただ、愛して純粋に優しく、浮竹の言うことを聞いてくれる京楽はがいた。


「ひああああ、いっちゃううう」

「何度でもいっていいよ?」

「やだあああ。京楽と、一緒がいい」

「じゃあ、一緒にいこうか」

「ひあああん、いくうううう」

「ボクも、浮竹の胎の奥に出すからね」

ドクドクと精液を浮竹の奥に注ぎこみ、浮竹と京楽はしっぽりしていた。

「あああ、頭が真っ白になって、おかしくなるうう」

「それだけ気持ちいいってことでしょ?」

「やあああん」

「もっと、だね?」

京楽は、浮竹の奥を抉って突き上げる。

「んあああ、深いいいい」

「もっと深くにあげるからね?」

浮竹の足を肩に担ぎあげて、京楽は浮竹が泣いてもういらないと言っても、抱いた。

もう、完全に藍染に汚されたあとはなく、記憶もない。

京楽だけの、浮竹だった。

たとえ、藍染が現れても、記憶はもう戻らない。

京楽は、今度藍染が来たら戦うつもりであった、たとえ、敗北しようとも。

浮竹の力はとても貴重で強い。

使役魔使い、つまりは精霊使い’(エレメンタルマスター)だ。

藍染でなくても、欲しがるだろう。世界には何人かの精霊使いがいるが、浮竹は精霊の王でさえ召喚できる、稀有な存在であった。

「君は、ボクが守る。藍染からも、君の父親からも.愛しているよ、浮竹。ソアラ」











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