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俺はお前のラブドール3

「浮竹隊長!」

「やあ、朽木。いや、今は阿散井だったか?」

「隊長もおかわりないようで‥‥‥今は私が13番隊隊長ですが、浮竹隊長とお呼びしても?」

ルキアは、恋次とその間の子の苺花を連れて、1番隊の執務室に来ていた。

「阿散井も元気そうだな。朽木と仲良くやっているか?」

「はい。浮竹さんも、復活したって聞いて半信半疑でしたけど、確かに感じる霊圧は過去の浮竹さんのもので。お元気そうでなによりです」

「母様、この人だれ?」

10歳くらいになる苺花は、少しませた子供だった。

一角を師として、剣術を学んでいると聞いて、浮竹は苺花の頭を撫でる。

「このお方はな、浮竹隊長といって、私の前の13番隊隊長だ」

「ふーん。母様と父様のほうが強そう」

「こら、苺花!すんません、浮竹さん」

恋次は、もう浮竹が隊長ではないので、さんづけで名前を呼んでいた。ルキアは、昔の癖が抜けないようで、何度正そうとしても浮竹隊長と言ってしまうので、そのままにさせておいた。

浮竹自身も、阿散井ルキアとなったルキアのことを今も朽木と呼ぶし、どっこいどっこいであった。

「じゃあ、おじさんと遊ぼうな、苺花ちゃん」

「うん!剣術教えて!元隊長さんなら、強いんでしょ?」

「斬魄刀はないし、木剣でいいよな?」

「そうだね」

京楽が、自分が昔使っていた木剣を浮竹にもたせる。

1番隊の執務室は広いが、木剣を振り回すと周囲のものを破壊しそうなので、修練場まできた。

他の一般隊士に混ざって、浮竹と苺花は木剣で切り結び合う。

「そうそう、その調子だ」

木剣を受けてばかりの浮竹に、苺花がむくれる。

「おじさん、本気だしてよ!」

「いいのか?」

ルキアと恋次を見るが、頷いていた。

「せい!」

浮竹は掛け声と同時に苺花の木剣を絡めとり、大地に突き刺して喉元に木剣を突き立てる。

「これで、お前は一度死んだ」

「うわあああん、弓親さんのほうがいい~」

苺花は、ルキアから聞いてみると、一角の弟子ではあるが、いつもつるんでいる弓親にも相手をしてもらっており、弓親のことが大好きらしい。

将来結婚するとまで言い出して、ルキアと恋次を困らせているらしい。

「ほら、飴をあげよう」

「おじさん、優しいんだね」

「苺花、浮竹隊長におじさんは失礼だぞ」

「いいんだ朽木。俺や京楽は、これくらいの子から見れば立派なおじさんだからな」

30代後半~40代手前あたりに見える浮竹と京楽は、確かに若い者から見たらおじさんだったが、まだまだ現役であった。

苺花は、浮竹から飴をもらってそれを舐めて、浮竹の手をとって、散歩に誘う。

「浮竹おじさん、散歩しよ」

「京楽、ちょっと行ってくる」

「うん。気をつけてね」

ルキアと恋次は、仕事があるのでそれぞれの隊に戻っていった。

今日一日、浮竹が苺花の面倒を見ることになっていた。

甘味屋まで行くと、苺花が目を輝かせる。

「あ、新作のアイス売ってる!」

「ちょっとだけ、食べていこうか?」

「うん。母様から、買い食い禁止ってされてるけど、浮竹おじさんはばらしたりしないよね?」

「ああ、しないぞ」

浮竹と苺花は、甘味屋に入り、苺花はラズベリーのアイスを、浮竹は超ジャンボパフェを注文した。

「浮竹おじさん、そんなに食べれるの?」

「苺花ちゃんも、少し食うか?」

「うん!」

苺花は、浮竹の超ジャンポパフェを数口食べて、もういいと言った。

「あ、きたきた」

お目当てのラスベリーのアイスを頬張る苺花を和やかに見つつ、浮竹は超ジャンポパフェを完食してしまった。

「浮竹おじさんすごーい。その細い体のどこに、そんなに入るの?」

「それは秘密だ。さぁ、公園にでも行こうか」

「はーい」

勘定を終えて、浮竹は苺花と一緒に公園で遊びだした。

「浮竹、ちょっといい?」

京楽から、伝令神機で連絡がかかってきた。

「どうした?」

「それが、苺花ちゃんが狙われているらしい。浮竹、早く一番隊に連れて帰ってきて」

「俺は今瞬歩が使えないんだぞ!」

「分かってる。迎えの者をよこすから、一番隊の執務室まで走って戻ってきて」

浮竹は、苺花の頭を撫でる。

「分かった。じゃあ、早くも戻る。迎えの者と合流できなくてもいいな?」:

「うん。とにかく急いで」

「どうしたの、浮竹おじさん」

「苺花ちゃん。君が狙われているらしい。おじさんと一緒に、京楽おじさんのいる一番隊の執務室に戻ろう」

「えー大丈夫だよ?あたし、今までも暗殺者に狙われたことあったけど、返り討ちにしてきたから」

浮竹がそれにびっくりする。

「あたし、鬼道の腕いいから」

「そ、そうか。まぁ、念のために早くに戻ろう」

「うん」

刺客と会うことなく、無事帰還できると思ったら、一番隊の隊舎の近くで囲まれた。

「命はもらうぞ、少女よ。朽木家の跡取りににはさせない!」

「あたし、朽木家の、白哉おじさんの姪だけど、跡取りににはなれないよ?」

「そんなこと、知ったことか!こっちは、とりあえず殺せと言われているんだ!」

浮竹は、苺花を庇って斬魄刀で斬られる。

「よくも浮竹おじさんを!破道の4、白雷!」

白哉が得意とする鬼道を、苺花も得意のようであった。

4人ばかりの体に穴があいた躯が転がっていた。

「あ、浮竹様、苺花様!」

ちょうど到着した京楽の部下が、浮竹が背中から血を流しているのを見て、顔色を変える。

「浮竹様、すぐに手当てを」

「ああ、すまない。今の俺は鬼道が使えないからな」

四番隊の隊士が呼ばれて、浮竹はすぐに傷を治療されたが、思ったより深く、数日は傷跡が残るとのことだった。

苺花の命を狙ったのは、時期朽木家の当主の座を狙っている上流貴族で、少しだけ朽木家の血が流れていた。

京楽は、浮竹を傷つけたことに大層立腹して、首謀者を裁判にかけて死刑が決定すると、自分の腕で処刑した。

「京楽」

「浮竹、ボクがいながら、君を傷つけた。ごめんね、ごめんね」

京楽は、子供のように浮竹の腕の中で泣いた。

夜の館でだったので、見ている者は浮竹しかいなかった。

「背中、傷跡残ってるらしいね。見せて?」

「大した事ないぞ」

浮竹は、死覇装も襦袢も脱ぐと、白い背中を京楽にさらす。

背中には、大きく刀傷があったが、塞がっていたが斬られたと分かる一本線があった。

京楽は、その傷跡を手で撫でてから、つっと舌で舐めた。

「ひゃああ」

浮竹がびっくりする。

「君の背中、綺麗だね。見てたらむらむらしてきた」

「ここ二週間、睦みあってなかったからな。俺はいいぞ?」

「じゃあ、抱くね?」

京楽は、明日も早いので、潤滑油を指にまとわせて浮竹の蕾に指をいれていく。

ぐっと中を押されて、浮竹は射精していた。

「そこ、だめえええ」

「ここ、君弱いね?ここと奥で、一体今まで何千回いってきたの?」

「んあああ、わかん、ない」

ぐちゅっと音をたてて指を引き抜かれて、かわりに京楽の熱く滾ったものがあてがわれ、それに引き裂かれる。

「ひあああん!」

中は最高だった。

「ああ、いいね。君の奥で出すよ?」

「んあああ、奥に、奥にだしてぇぇ」

浮竹は、二週間ぶりなので乱れた。

まだまだ現役だが、若すぎるわけでもないので、交わるのは週に1~2回だった。

最近京楽の仕事が忙しく、それの補佐をしている浮竹も仕事を遅くまでしているので、睦みあう余裕がなかった。

「んあ、奥にちょうだい?」

「あげるからね」

ぱんぱんと肉と肉がぶつかりあう音をさせて、京楽は浮竹の奥で子種を弾けさせる。

「ああああ、いい♡」

浮竹はびくんびくんといきっぱなしだった。

「ほら、こっちでいくの忘れてるよ?」

浮竹のものをしごいていやる。

少し濃いめの精液がぽたぽたと滴った。

「んあ、二重でいってるうう♡」

「まだ終わりじゃないからね?」

京楽は、一度引き抜いて浮竹を立たせて、壁に手をつけさせると、片足を大きく広げさせて中を穿つ。

「ひあああ”あ”あ”!すごいのきたあああ♡」

立ったままで挿入れられるのは、ラブドールの体になって初めてのことで、浮竹はその刺激に敏感に反応する。

「んあああ、いい♡」

びゅるびゅると精子を出しながら、浮竹は壁を背にいきまくる。

「あ”あ”、出ちゃう♡」

潮を吹いたかと思うと、ちょろろろとおしっこを漏らしてしまった。

「あーあ。畳が、びしょびしょだね?」

「いやああああ、止まらないいいい”い”」

「後で始末するから、全部出しちゃいな」

「いああああ”あ”」

浮竹は、おしっこを出し切って、恥ずかしさもあって、気を失ってしまう。

浮竹を支えて、京楽は布団に寝かせると、タオルを何枚ももってきて、畳に染みにならないうちに浮竹が出したものをふきとっていく。

タオルは処分することにした。

それとは違う濡れたタオルをもってきて、浮竹の身を清めて中に出したものをかき出す。

「愛してるよ、浮竹」

京楽は、気を失った浮竹の額に優しくキスをして、明日も早いので自分も早めに寝た。

その2日後、非番となった。

浮竹と京楽は、甘味屋に出かけてから、屋敷に戻り、囲碁と将棋をした。

どちらも、浮竹の勝ちだった。

「よし、今日の夕飯はピザだ」

「あーあー。料理人にレシピ教えて、チーズとか現世から取り寄せないとね?」

カニより、浮竹はピザが食べたい気分だったのだ。

オーブンはあるが、材料がないので、家人に現世にいってもらい、買ってきてもらって苦労して作ってくれたのはシーフードピザだった。

浮竹はそれはそれはおいしそうに食べていた。

蘇ってから、多分一番おいしいと思える食べ物を食べたという顔だった。

「いやぁ、俺が死んで20年の間にここまで変わるとはなぁ」

エアコンとか掃除機とか普通にある。

浮竹は、関心しながらまたピザを食べるのであった。






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俺はお前のラブドール2

そのラブドールは恋をする。

そのラブドールは愛を囁く。

ラブドールであった浮竹は、魂を宿して浮竹となり、地獄の底から蘇ってきた。

食事もするし睡眠もとるし、生きているラブドールだった。京楽と20年ぶりに睦みあい、浮竹は満足げに眠り、起きた京楽は静かに浮竹の長い白髪を撫でていた。

護廷十三隊の間中に、浮竹が蘇ったと知らせた。

予想通り、12番隊の隊長である涅マユリが実験サンプルとして欲しいとごねてきたが、却下した。

ただ、異常はないのか12番隊で調べてもらったが、病んでいた肺の部分は失われていたが、あとはいたって健康で、肉体の細胞に至るまで死神のもので、もっている霊圧も浮竹のもので、間違いなく生前の浮竹と何一つ‥‥肺が片方かけている以外は一緒だった。

「浮竹、ずっと部屋に閉じ込めていてごめんね。12番隊の涅隊長怖くなかった?」

京楽は、12番隊への浮竹の検査についていっていた。血液を抜かれたり、何かを投与されたりする浮竹をよく見て、涅マユリがおかしなことをしないかと監視していたのだ。

「問題ない。でも、全隊に俺の復活を告げたということは、外を歩いてもいいんだな?」

「ボクと一緒にいる時はね。とりあえず、ボクと一緒にいる時は外出しよう。一人での外出はなるべく避けて?涅隊長のこともあるし、君が蘇った謎を解き明かしたいと思っている人物は他にもいるかもしれないからね?」

「分かった」

季節は、春になっていた。

「重箱のお弁当を作ってもらったんだ。花見にでも、行こうか」

「じゃあ、昔みたいに山に行くか?それとも、学院の桜の大樹の下でするか?」

当時、浮竹と京楽が通っていた学院は死神統学院といった。設立当初は死神統学院という名称だったが、死神以外の鬼道衆・隠密機動も輩出していることから、今は真央霊術院という名に変わっていた。

「近くだし、学院の桜にしようか。明日も仕事だし、浮竹はまだ登山とか慣れてないでしょ。瞬歩も使えないようだし」

浮竹は、霊圧こそ昔のままであったが、瞬歩と鬼道が使えなかった。

あと、斬魄刀である双魚理は、浮竹の遺体と共に墓の下に埋葬されて、今はなくなった雨乾堂のところに浮竹の墓石があった。

「ああ、分かった。じゃあ、学院に行こうか」

二人は手を繋いで歩いた。

総隊長だ、浮竹さんだと通りすがりの隊士などに声をかけられるが、ひらひらと二人は手を振って適当に挨拶する。

「はぁ。学院も大分変わったな」

「そりゃ、卒業して数百年は経ってるからね。建て直しもしたし、綺麗になったよ。新しい建物も増えてるしね。寮も、新しくなってるよ」

昔の、学院生時代のことを思い出して、浮竹も京楽も感傷に浸る。

「まぁ、昔のことは仕方ない。今は、花見しよう」

学院には大きさな桜の大樹があって、樹齢千年を超えていた。

その桜の根元にシートをしき、まだ寒いので浮竹には薄い毛布をかぶらせて、浮竹と京楽は花見をした。

ちらちらと、風がさぁぁと吹けば花びらが雨のように降ってくる。

桜は満開で、遠くに見える山も薄くピンク色に染まっていた。

「お、この卵焼きおいしいな」

「おいしいね。でも、ボクとしてはこの前君が作ってくれた朝食の出汁巻き卵のほうがおいしかったかな」

「あんな手料理でいいなら、いつでも作ってやるぞ?」

「うん。まぁ、ボクの食事を作る担当の家人がいるから、その人から仕事を奪うわけにもいかないから、たまにね?」

「ああ。桜、綺麗だな」

「うん。綺麗だね」

京楽は、重箱のお弁当を食べながら、ずっと浮竹を見ていた。

「そんなに俺ばかり見ていても何も起きないぞ?」

「ふふ、君の緑の瞳に映る桜を見ていたんだよ」

「普通に桜を見ろ」

「あ、お酒もってきてるんだけど、飲む?」

「飲む」

実に飲むのは20年ぶりになる酒を、浮竹は少しだけ飲んだ。

浮竹はおちょこに、果実酒を入れて飲んだ。ちらりと桜が、おちょこの上に舞い降りる。

「風流だな」

それを、酒と一緒に飲み干した。

「桜の枝、少しもらって帰るか」

よっと、と身軽に桜の気によじ登り、浮竹は細い沢山桜を咲かせている枝を一本手折って、シートの上に置く。

「桜神にたたられるよ?」

「桜神なぁ。ほんとにいたら面白いんだが」

少しだけのつもりが、重箱の中身を食べていくうちに喉が渇き、つい深酒にになってしまった。

浮竹は頬を染めて、昔を思い出す。

「思い出すなぁ。お前に始めて告白された時のこと」

「ふふ、今みたいに桜が満開の季節だったね」

学院4回生の頃、京楽は浮竹に告白した。答えはイエスでもノーでもなく。

しばらく考える時間をくれとの答えだった。それから浮竹は悩みに悩んで、親友以上恋人未満から始めようと言った。

その2カ月後には、もう京楽に食われて処女を失ったのだが。

「考えてみれば、前のがこの体の処女だったんだな」

ぶーーーっと、京楽が酒を吹き出す。

「しょ、処女!?」

「ああ。この体は、正確にはラブドールのものだ。俺が宿り生きているが、ラブドールが見えないけど、芯として存在している。死んでしまった俺の体とはまた別の体だ」

「へぇ。はい、あーん」

「あーん」

京楽は、浮竹の口の中にちくわを入れる。おでんが三段目に入っていた。

「うん、うまいな。味がしみ込んでいる」

「ふふ、ボクの家の料理人はそれなりの腕もってるよ。料亭の調理人だった者をスカウトしたからね」

「贅沢な奴め」

「その贅沢を、君も味わっているんだよ」

浮竹は、お返しとばかりにおでんのはんぺんを、京楽の口元にさしだす。

「あーん」

「恥ずかしいから、言うな」

はんぺんを京楽の口に入れて、京楽はおいしそうに食べる。

「いやぁ、君に食べさせてもらえるなんてねぇ。生きててよかった」

「すまん。俺は、お前の想いを知っていながら散った。護廷十三隊のために死なば本望。お前のことだけが気になっていた。確かに他にもたくさん気になることはあったが、死ぬ時お前と出会ってからあったことが走馬灯としてよぎり、俺は神掛をした」

「うん」

「俺には死神としての矜持があった。死んだことを後悔はしていないが、お前を一人残すのが心残りだった。こうして、元気に生きててくれて‥‥‥ラブドールを俺を愛するほど病んでいたとはいえ、まぁ体は元気でよかった。心の方は、俺が生き返ったことで満たされたようだし」

桜の木の下で、京楽は浮竹を押し倒していた。

「愛してるよ、浮竹」

「俺も愛してる、京楽」

二人は、桜の雨の降る中で、口づけしあった。

それから、昔浮竹に渡した結婚指輪を、浮竹の指にはめた。

「これ、俺の遺品の中にあったのか?」

「そうだよ。君の荷物は全部、屋敷の奥のほうの部屋に置いて管理してる。君に送った手紙とかまで大切にしてくれてて、ボクは君を失ってそれを見て泣いたよ。あと、遺書もあったね?」

「ああ。神掛イコール死だと分かっていたからな。俺の遺品は処理してくれって書いてたのに、お前は持っててくれたんだな」

「君との思い出の品ばかりだったよ。誕生日プレゼントにあげたもの何一つ欠けずにもっていてくれた」

京楽は、浮竹の白い髪を手ですいていく。

「子供の頃あげた、アイスの当たりくじとか、肩たたき券まであったのには驚いたね」

浮竹は、京楽にキスをする。

「はぁ‥‥‥なんか、すごいしたくなってきた」

「わお。言っとくけど、媚薬は入れてないよ?あと、ここではできないからね?」

「早く帰ろう。お前に、抱かれたい」

「急にどうしたの」

それはラブドールを基礎としてるが故の性(さが)。

持ち主の、主の愛を受けないと、ラブドールは生きていけない。

「一回、ここで出していいか」

熱い浮竹の吐息が耳にかかり、京楽が囁く。

「下着、汚れちゃうよ?」

「かまわない」

浮竹は、京楽に耳朶を噛まれて、抱き寄せられる。

お互いの性器をぐちゃぐちゃといじって、桜の木の下でいってしまった。

「んあああん」

「しーー」

精液にまみれた手をタオルで拭って、二人は熱を孕んだままゆっくりと京楽の屋敷に戻った。

京楽の屋敷の奥の、浮竹に与えられた30畳という広い部屋で、布団をしいて二人はもつれ合うように、布団の上に倒れこむ。

はぁはぁと、お互い荒い息をしながら口づけをかわしあいながら、お互いに衣服を脱いだ。

それぞれのものは、一度抜いたのにギンギンに勃っていた。

浮竹が悪戯心をもって、京楽のものを指で弾く。

「んっ。だめだよ、刺激だけでいっちゃいそう」

「俺もだ。先にいっとくか」

「そうだね」

お互いの性器をぴたりと擦り付けて、二人でぐちゅぐちゅとしごく。

限界はあっという間に訪れて、浮竹も京楽もいっていた。

「ひあああ」

「んんっ」

「君の中に挿入れるよ?」

「早く来い、春水」

浮竹は自分から足を開き、秘所を指でくぱぁと開いて、内部の桃色の内臓を見せる。

「エロい‥‥‥」

京楽はごくりと唾を飲み込んで、浮竹の中に侵入する。

「ん、力抜いて?いきそう」

「んああ‥‥あ、あ」

内部を押し広げていく熱の圧量に、浮竹は軽くオーガズムでいっていた。

「ひあん!」

ぱちゅんと音を立てて、奥まで入ってこられて、浮竹は頭が一瞬真っ白になって、快感以外何も感じれなくなった。

「はぁ、はぁ‥‥もっと奥にきてぇ、春水」

「うん。愛してるよ、十四郎」

「やあああ」

最奥を抉られて、精液を注ぎ込まれる。

「んあ、いい。いいよお」

「もっと欲しいよね?」

「んあ、もっとおおお」

浮竹は身をくねらせて、京楽の首の後ろに手をまわして、京楽の腰を足で挟み込む。

「子種、びゅるびゅる俺の中に出して?」

「ああ、君って清楚な美人系なのになんでこんなにエロいんだろう」

「それはぁ、お前の、お前に抱かれ続けて、お前のせいだからぁ」

「はいはい」

浮竹にディープキスを繰り返して、パンパンと腰をぶつけあいながら、高みにのぼっていく。

「あ、あーーーーー」

「気持ちいい?」

「あ、気持ちいい♡もっと俺を犯してぇ♡」

「こうかな?」

「あああ”---」

浮竹はドライのオーガズムでいきまくる。

「まだ欲しい?」

「まだまだ欲しいのぉ♡」

「ボクは次で最後だから‥‥‥一緒にいこうね?」

京楽が、ぐちゅぐちゅと音を立てて内部を抉り、揺さぶる。

最奥にくちゅりと音を立てて、ゆっくり侵入した。

「あ、あ”あ”----いく、い”っちゃうううう♡」

浮竹はたらたらと少量の精液を出してから、盛大に潮を吹く。

「んあ”あ”あ”。い”くの、とまんない♡」

京楽もびゅるびゅると浮竹の中に精子を出して、どさりと浮竹の隣に寝転ぶ。

「はぁ‥‥‥‥‥もう、出ない」

「あああーーー、まだ、いってるううう。い”ぐううう♡」

浮竹は終わった後も、びくんびくんと体を痙攣させてしばらくの間いき続けた。



「ん‥‥‥‥」

朝になり、昨日の痴態を思い出して、浮竹は赤くなる。

「ん、起きた?」

「あ、ああ‥‥‥」

「腰、大丈夫?」

「あんまり大丈夫じゃないけど、動ける」

京楽は、浮竹に上着を羽織らせた。

「今日は仕事だから。君も一緒に出勤してほしい。ボクの書類仕事手伝ってほしいんだ」

「分かった」

浮竹は、風呂に入って身支度をすると、京楽と並んで1番隊の隊舎に出かける。

「浮竹隊長‥‥‥ではなかった、浮竹さん、どうか今日からお願いします。このあほ隊長のせいで、書類仕事が滞りがちで‥‥‥‥」

「ちょ、七緒ちゃん、アホって何さ!」

「あなたがサボるからでしょうが!総隊長になりながら、仕事をさぼるなんて許されませんよ!」

「伊勢もまぁまぁ落ち着いて。俺が京楽の書類仕事の補佐に入るから、じゃんじゃんもってきてくれ」

浮竹の仕事の処理能力は高く、かつて臥せっていたのに副隊長がいない身分で13番隊が成り立っていたのには、病状が改善するとたまった仕事を一気に片付けるという、その能力ゆえだった。

「浮竹さんが補佐に入っていただけるなんて!京楽総隊長、今日こそたまりにたまりまくった仕事、終わるまで帰しませんからね!」

「ひええええ」

情けない京楽の悲鳴に、浮竹は笑う。

そのラブドールは、愛し愛され、主を思う。

そのラブドールは、抱かれて喘ぐ。

そのラブドールは、愛した人を決して裏切らない。








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トリックオアパンツ

「浮竹、トリックオアトリート」

「なんだそれは」

「え、知らないの?ハロウィン」

「この時代でその風習が 尸魂界にあるわけないだろ」

「まぁまぁ、細かいことは置いといて」

「大分重要なんだがな?」

浮竹はため息を長くつく。

「で、トリックオアトリート!お菓子のもってない浮竹には、いたずらとしてパンツを脱いでもらいます、おぶ」

浮竹は拳で思い切り京楽の顎を殴った。

「親父からもぶたれたことないのに!」

「なんか、どこぞのガンダムのネタになってるがまぁいいか。大体、この年でトリックオアトリートはなしだろ。せいぜい、12、13歳くらいまでだろ。あとは仮装するくらいで」

「浮竹、トリックオアパンツ」

「なんだそれは」

「お菓子くれないと、,パンツもらうよ」

「ほら、好きなだけもっていけ」

浮竹は、京楽のたんすから京楽のパンツを引っ張り出してきて、京楽に渡す。

「ノンノン、浮竹が今はいてる生パンツ♡」

「死ね」

「もぎゃああああああ」

京楽は静かになったが、すぐに復活する。

「ハロウィンといえば仮装だよね」

「そうなのか?」

「じゃーん。吸血鬼の衣装をもってきました」

京楽は、吸血鬼の衣装を二人分取り出す。

「なんで、こっちの服は乳首と股間の部分の布がないんだ?」

「それはもちろん、浮竹が着てボクとあはんうふんするために、あべし」

浮竹は、京楽の股間の蹴り上げた。

「その股間についているもの、よほどいらないとみた」

「嘘です!こっちの吸血鬼の服はボクが着るからぁ」

浮竹は、京楽が長く駄々をこねるので、仕方なく吸血鬼の恰好をする。

「似合ってる!抱いて!」

「誰が抱くか!」

「抱かせて!」

「もっといやだ!」

「うふん」

京楽は、乳首と股間に穴のあいた吸血鬼の服を着る。

パンツははいていなくて、ぎりぎりの形の葉っぱで隠していた。

ちなみに乳首にはニプレスをしていた。

「きもい。 破道の三十三 蒼火墜(そうかつい)」

「もぎゃああああああああああ」

勢いよく燃え上がる京楽。

ポケットからぽろぽろお菓子が出てくる。

捨てるのももったいない、しかし京楽がもっていたものなので、浮竹は悪友にあげた。

「(*´Д`)ハァハァ。股間がギンギンだぜ」

「やっぱ変な薬入ってやがった」

悪友を意識を失わせると、回道をかけておいた。

「(*´Д`)ハァハァ。股間がギンギンなの。鎮めて?」

「自分の手でしてろ」

「やだ、浮竹の手か浮竹のあそこがいい」

「死ね。 破道の四、白雷」

「あががががが」

京楽は今日もこりない。

隙を見て、浮竹の唇を奪う京楽。

「んっ」

舌を舌を絡めあわせて、ぐりっと、腰に硬くなったあそこを押し付けられて、浮竹は京楽の舌をかんだ。

「ぎにゃああああああああああ」

「このヘンタイが!」

「へにょあああああ」

京楽はだらだらと口から血を溢れさせる。

ちょっと深く噛み過ぎたかな?と、回道をかけてやると、京楽はすぐに復活した。

「しゅわっち!京楽マン参上!」

「はぁ‥‥誰か、このアホを止めてくれ‥‥‥‥」

浮竹は大きくため息をつきながらも仮装して仮装して、仮装して学友たちが集って開いたハロウィンパーティーに出て、京楽と過ごす羽目になるのであった。

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ラブドール

浮竹は、神掛をして死んだ。

京楽は、それを受け入れた。受け入れた、はずだった。

京楽の屋敷の奥には、ラブドールがいた。動かない、精緻に作られた人形。愛を求める、声なき人形、ラブドール。

その姿は、生前の浮竹そのもの。

死覇装をはだけた姿で、誘っているように見える、あどけない表情と潤んだ瞳。唇は今にも吐息をはきそうで。

「浮竹、ただいま」

「おかえり」

そのラブドールは声を出す。

必要最低限の会話のやりとりができた。

「浮竹、大好きだよ」

「俺も大好きだ、京楽」

もう、ルーティンになってしまった会話を続ける。

「ねぇ、動いてボクを抱きしめて。ボクの鼓動の音を聞いて。キスして。抱かせて?」

「‥‥‥‥俺も大好きだ、京楽」

ラブドールとの意思の疎通はできない。

京楽は、涙を流しながらラブドールの浮竹の白い髪をブラシですいて、編み上げて翡翠の髪飾りをつけた。

「綺麗だね、浮竹」

「おかえり」

「ねぇ、浮竹」

「愛している、京楽」

「そうじゃないんだ。ねぇ、浮竹!!」

乱暴にラブドールを揺すると、動かない浮竹はベッドから転げ落ちて、床に転がった。

「ああ、痛いよね。ごめんね、浮竹」

ラブドールの浮竹を抱きしめて、京楽は穏やかな顔になる。

ラブドールの浮竹からは、生前の浮竹と同じ匂いがした。

もう、浮竹が死んで20年になる。京楽は、狂ったようにラブドールに愛を囁き、ラブドールの浮竹はその寵愛を一心に受けたが、ラブドールなので会話は必要最低限のものしかできないし、意思の疎通は不可だ。

それでも、京楽は浮竹のラブドールを愛した。

愛し続けて20年。

古いものには魂が宿り、付喪神になるという。

ラブドールの浮竹に魂が宿り、ラブドールの浮竹は浮竹となった。

「ただいま、浮竹」

「おかえり、京楽」

「あれ、今いつもと違うこと言わなかった?それに、微妙に動いているような」

「俺はラブドールだったけど、魂が宿って浮竹となった。京楽、ただいま。俺は、地獄から這い上がってきたぞ?」

「浮竹‥‥‥?」

京楽は、目を見開く。

「腹がすいたんだ。何か、食べるものはないか?」

浮竹に触ってみる。

温かくて、人の皮膚の感触だった。

「浮竹、本当に君なの?ボクは夢を見ているのかな」

浮竹が、京楽の頬をつねる。

「いたたたた」

「どうだ?夢と思うか?」

「浮竹ええええ!!!」

京楽は、泣いてラブドールだった浮竹を抱きしめて、ベッドに押し倒す。

「俺は、腹が減っているんだが?20年以上、もう何も食べてないから」

「あ、うん。今、夕飯の用意させるね」

家人に頼んで、夕飯を二人分にしてもらった。

浮竹は、死覇装は着ているが、隊長羽織の裏には13番隊の文字がなく、白い羽織を着ていた。

夕食は、おでんだった。

あつあつのものを、浮竹はふーふーと息をふきかけて食べる。

「食べれるの?」

「当り前だぞ。俺は浮竹として蘇ったんだからな。まぁ、付喪神の一種みたいなもんだが」

おでんのおかわりを3回して、お茶を飲んで一息ついた浮竹は、同じく食べ終わった京楽に膝枕をしてやった。

「耳掃除、さぼってるな?」

「え、あ、うん」

「今してやる」

昔も、こんな風に耳掃除をしてもらった。

浮竹は、京楽の耳掃除をして、一緒に風呂に入った。

「なんだ?」

「いや、綺麗な体してるなと思って」

「ふふ、今の俺にはミミハギ様はいないぞ?ついでに病んでいた部分の肺もない。病弱でもないしな」

「あのさ」

「なんだ?」

浮竹が、湯船の中で京楽を見つめてくる。

「今夜、君を抱いていいかい?」

「あははは、俺は元ラブドールだ。愛されるために存在する。俺を抱けるのは、京楽、お前だけだ」

風呂からあがり、長い髪の水分をとってやり、京楽は薄い夜着を浮竹に着せて、お姫様抱きして褥に寝かせる。

「その、潤滑油とかないんだよ。それでも、大丈夫かな?」

「今の俺は、自然と濡れるから。大丈夫だ」

京楽は、浮竹に口づける。

浮竹は口を開いて、京楽の舌を受け入れて絡み合わせる。

「んっ」

「ああ、君の味がする。本物の浮竹だ」

京楽は、そこで意識が霞んでいき、眠ってしまった。

「緊張の糸が途切れたんだな。今日はおやすみ」

浮竹は、京楽を褥で寝かせると、ラブドールであった定位置に戻る。

朝起きると、浮竹がいなくて京楽は失望した。

やはり、夢だったのだ。浮竹が蘇ってくるはずがない。

「おはよう」

「うん、おはよう‥‥‥って、浮竹!?」

浮竹は、適当な着物を着て、朝食の用意をしてくれていた。家人には、自分が作るといって下がらせた。

「今日は、休みなんだろう?昨日の続き、しようか」

浮竹に大胆に誘われて、京楽はうんと小さく頷く。

朝食は、大根の漬物、白ごはん、焼いた鮭に豆腐とわかめの味噌汁、だし巻き卵だった。

「おいしい」

「そうか。腕がなまっていないようでよかった」

「これ、浮竹が作ってくれたの?」

「ああ、俺だが。嫌だったか?」

「とんでもない!」

ポタポタと、京楽は涙を流す。

塩味でないはずの白米が、ちょっとしょっぱくなった。



「浮竹、本当にいいの?」

「いいぞ。こい」

朝っぱらから、褥で向かい合う。

「じゃあ、遠慮なく」

潤滑油をまた忘れたが、浮竹のそこは自然と濡れていて、指で触るとくちゅりと音をたてる。

「んっ」

「浮竹、愛してるよ」

「俺もだ、京楽」

浮竹は、京楽の服を脱がしていく。京楽も、浮竹の衣服を脱がした。

口づけして肌を弄りあいながら、お互いのものを手で包み込んでしごいて、いってしまった。

「ん」

「ああ!」

「君の中に出していい?」

「こい。俺を壊せ」

「やだ。それだけは嫌だ」

京楽は、濡れている浮竹の蕾を指でいじくって、いい場所を何度もぐっと押して精液を出されると、浮竹の中に侵入する。

「んあああ」

「ふあ、君の中すごい‥‥」

「ふふ、久しぶりだろう?味わえよ」

ぱちゅんと音がするくらい腰を打ち付けて、最奥を抉ると、浮竹はオーガズムでいっていた。

「あああ、いくううう」

いつもの、昔乱れていた浮竹がそこにいた。

「あ、もっとおお」

京楽に自ら足を開いて、懇願してくる。

京楽は、浮竹の両足を開かせて、中を穿つ。

「ああああ!!!」

びくんと体を反応させて、ドライでいく浮竹が愛しい。

「たくさん、子種あげるね?」

「ひあああ!」

びゅるびゅると濃い精子を浮竹の中に注ぎ込んで、京楽はもう一度したいと言うと、浮竹がいいと言ったので、また抱いた。

「ああああ!」

奥まで貫かれて、浮竹は京楽の背中に手を回して、爪を立てる。

「んあ、いく、いっちゃうう」

何度もオーガズムでいきまくり、浮竹は気を失った。

「浮竹!?」

まさか死んだのかと息を確かめると、ちゃんと呼吸していたし、肌も暖かかった。

後始末をすませて、衣服を着させて違う布団で京楽は浮竹を抱きしめながら寝た。

「んー。あったかい‥‥‥‥」

「おはよう、京楽」

「おはよう、浮竹]

「今日は仕事があるんじゃないのか?」

「げ、今何時?」

「9時」

「遅刻だああああ」

さっさと着替えて出ていこうとする京楽に、浮竹が軽めの荷物を投げてよこす。

「おにぎりだ。ついてから、仕事の合間にでも食べるといい」

「ありがとう、浮竹!夕方には戻ってくるから、家からは出ないでね!家人とは話してもいいけど、外の人と話しちゃだめだよ!いろいろと騒がしくなるから!」

「ああ、分かった」

浮竹は、京楽が帰ってくるまでずっと眠っていた。

夕飯の時間になり、まだ帰ってこない京楽を不思議に思って地獄蝶を飛ばすと、残業で2時間ほど遅れるそうだ。

浮竹は家人の作ってくれた、うな重を食べた。

「早く、京楽戻ってこないかな」

ご飯を食べて、風呂もすませると、また眠っていた。

活動時間の大半を眠って過ごす。

元ラブドールの浮竹は、ひっそりと息をする。

「ごめんね、遅くなった」

「今日は睦みあえないな。一緒に寝るか」

夕食と風呂を手早く済ませた京楽と、浮竹は布団にそれぞれ寝転がりながら、今の 護廷十三隊の話をする。

ルキアが13番隊隊長になってくれたと聞いて、浮竹の喜びようは半端ではなかった。

「そうか。俺が死んで、もう20年になるんだな」

「ルキアちゃんはね、恋次君と結婚して子供がいて、苺花ちゃんっていって」

「会いたいなぁ」

「もう少し、待ってね?君が生き返ったこと、皆に知らせるから。穏便にすませなきゃ、12番隊の涅隊長がサンプルだとかいって、君を奪っていきそうだから」

「それは困る」

「浮竹、君はボクの傍にずっといてくれるよね?」

「当り前だ。元ラブドールなんだから。主の元にずっといるのが、俺の仕事だ」

「浮竹、大好きだよ。生き返ってくれて、ありがとうね?」

「京楽‥‥‥そろそろ寝ようか」

「うん」

二人は、手を繋ぎあって眠った。

どうか、この静かな平和と愛する人といられる時間が、ずっと続きますようにと、京楽は祈りながら眠るのであった。

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黒猫と白猫の亜人52

「んあ、いい」

浮竹は、快楽に身をくねらせる。

覆いかぶさっている京楽は、額に汗をかきながら浮竹を抱いていた。

なにせ、浮竹は12歳くらいになっていて、あまり無理をできないので、素股をさせて疑似セックスをしていた。

浮竹は、恋次がもってきた白哉に盛ろうとしていた、若返りの薬を間違って飲んでしまい、12歳くらいの子供になってしまった。

精通は迎えていたが、とても大きな京楽のものを受け入れきれないので、素股をさせた。

「んあああ!!!」

浮竹は、幼いのに中身は20歳なのでオーガズムでいく。

素股をされながら、京楽の手が小さな浮竹のものを包みこみ、射精へと導く。

「んあ、いっちゃううう」

「ボクもいきそう。浮竹、もうちょっと股、きゅってできる?」

「んあ、分かった」

狭まった浮竹の太ももで、京楽は何度も出し入れを繰り返して、シーツの上にびゅるるると、濃い精子を出す。

「ん、いくうう」

浮竹も、京楽に包み込まれた手の中でいっていた。

「んー。ねえ、先っぽだけいれていい?」

「全部は無理だぞ」

「分かってるよ」

くちゅっと音を鳴らして、まずは潤滑油をまとった指を一本二本と足していく。

三本くわえこむ頃には、蕾はとろとろに溶けて、ひくひくと京楽を誘ってくる。

先だけを中に入れる。

素股とは全く違う、快楽を京楽は味わい、浅いところを幼い姿の浮竹を犯す。

「んあ、そこいい」

「ん、ここかい?」

「ひあ!いい」

「じゃあ、ここ攻めてあげるね?」

くちゅりと音を立てて、浅いところばかりを攻める。

前立腺をかすめられて、浮竹はオーガズムでいきまくる。

「んあああ、いく、いくの止まらないいいい。ほんとは、奥に欲しいのおお」

「今の君の体じゃあ無理だ。ボクを受け入れるのに体がちいさすぎる」

「んあ、早く元の姿に戻ってお前に滅茶苦茶にされたい」

「浮竹、あおらないで。ああ、いくよ。精子注ぎ込むから、下の口で思う存分味わってね?」

「ひああああん!」

京楽のものがぐちゅっと音を立てて、浅い部分で子種をはじけさせる。

浮竹は、京楽に奥を突かれたいが、12歳の姿の浮竹は、標準の12歳の子供より発育が悪い。

虐待されてきたので、栄養状態がよろしくなく、肋骨も浮き気味であった。

「とりあえず、お風呂入って、食事にしようか」

「うん」

浮竹と京楽は一緒に風呂に入った。

浮竹は幼いせいで、女の子にしか見えないが、れっきとした男の子だ。

元の姿に戻る方法は、解毒剤を飲むのだが、肝心の恋次は逃げ出して解毒剤の在処が分からない。

仕方ないので、魔王の浮竹から血をもらうことにした。

「魔王の俺」

『うわあああああああ、白猫の俺、その姿はなんだ!かわいい!かわいすぎる!』

魔王の浮竹は、12歳の姿の浮竹を抱っこして、頬ずりした。

『京楽、服を商っている商人を呼べ。12歳くらいの、女の子の服をたくさんもってこさせろ』

「魔王の俺ぇぇぇぇ!?」

『いいだろう?今のお前、ほんとに女の子みたいで、ゴスロリとか似合いそうだ』

しばらくして、服屋の商人がやってきて、浮竹は魔王の浮竹の手で着せ替え人形にさせられて、これも似合うあれも似合うと、結局もってきた30着ばかりの衣服を全て購入した。

「俺は、この姿を治してもらおうと」

『ちょっとくらい、後でもいいいだろう?もう少しそのままでいてくれ。かわいいから』

『まぁ、浮竹の言う通りかわいいね。浮竹の血が欲しいんだろうけど、浮竹の気がすむ数日の間、そのままでいてほしいな』

幽鬼の京楽までそう言うものだから、浮竹は仕方なく、12歳の姿でゴシックロリータのドレスを着て、魔王城に数日泊まることになった。

「かわいい」

にまにまする京楽をぽかりと力なく殴って、浮竹は猫の姿になった。

やっぱり、子猫だった。

『ああああああああ。壊滅的にかわいい。俺のところの子になれ!』

『浮竹、無理言わないの』

『むう。こんなにかわいいのに』

子猫姿で、浮竹はうまく人の言葉がしゃべれなくて、にゃあと鳴く。

「にゃああ、普通に、にゃ、戻りたいにゃ」

『あと3日だけ。3日だけでいいからその姿で!』

魔王の浮竹に強く求められて、それから3日間、幼い姿のままだった。

3日経つ頃には、魔王の浮竹は自分の血を錠剤にしたものを、浮竹にくれた。

『これを飲めば、元に戻るだろう』

「ありがとう」

浮竹は、ぶかぶかの大人の衣服を着てから薬を飲む。

20歳の浮竹が戻ってきた。

「あああ、やっともとに戻ったぁ。かわいいけど、抱けないのがねぇ」

「お前の頭には、抱くことしかないのか」

「いや、まぁ、なんていうかボクが発情期なんだよね」

末恐ろしいことを聞いた。

性欲の強い京楽が発情期。えらい目にあいそうな予感がした。



そして、実際その通りになった。

「んあああ、もう、奥はだめええええ」

何度も奥を貫かれて揺すぶられて、浮竹はオーガズムでいく。

「やあああ」

京楽は4回は出しただろうにまだ硬く、ギンギンだった。

「やあ」

ぐいっと足を開かされて、浮竹は京楽を受け入れる。

「んっ」

くちゅっと音がして、京楽の手が浮竹のものをいじる。鈴口に爪を立てられて、くちゅちゅと音を出しながら扱われて、射精に導かれる。

「んああああ!!」

京楽は、浮竹の弱い奥を責めて、子種を弾けさせた。

「あ、もっと奥に。出すなら、もっと奥にぃ」

5回目の熱を受け入れた浮竹は、まだいけるようだった。

「んあ、もっとお前が欲しいって言いたいところだけど、そろそろ無理。あと1回で終わってくれ」

「うん、無理。あと3回くらいしたい」

「俺が無理いいい」

浮竹は、京楽に犯されながら意識を失った。意識を失った浮竹の体を、京楽はなるべく丁重に扱いながらも抱いた。

次の日も、またその次の日も求められた。

浮竹の時とは違うくて、発情期そのものは4日で終わった。

4日目になって求められなくなって、浮竹は安堵する。

「ごめんね」

「仕方ない。発情期だったんだ。俺の発情期の時も、お前には迷惑をかけたしな。お互い様だ」

京楽の発情期を何とか乗り越えて、浮竹は安堵するのだった。

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黒猫と白猫の亜人51

浮竹は、実家(魔王城)に来ていた。

また家出をしたのだ。

魔王の浮竹が理由を聞いてみると、ぷんぷん怒りながら、浮竹は言う。

「あいつ、他の猫の風呂場のぞいてたんだ!それにこりずに、白哉の風呂ものぞいてた!俺の風呂ものぞいてた!あんな変態は俺の夫じゃない」

『でも、結婚したままなんだろう?』

「知らん」

つーんと、浮竹はあらぬ方角を向く。

『何か理由があったんじゃないのか?』

「あいつ、またたびで酔ってた。猫用のまたたびでだぞ」

魔王の浮竹は、浮竹の頭を撫でる。

『お前も黒猫の京楽も、猫の亜人なだけあって、猫の姿の時はまたたびが効くのかもな?』

「俺には効かないぞ」

『でも、黒猫の京楽はまたたびに酔ってたんだろう?変な行動おこしても不思議じゃないだろう?』

優しく魔王の浮竹に諭されて、浮竹は自分も悪かったかもと思い、魔王の浮竹に礼を言って、自分の家まで戻っていった。

戻った先で見たものは、雌猫としっぽり中の黒猫姿の京楽だった。

「ああ、ごめん浮竹、またたびでむらむらしてたのに君がいないから!」

「実家(魔王城)へ帰らせていただきます」

京楽を人の姿で頭をゴンと殴り、身の回りのものを整えて、荷物を作って、浮竹は魔王城に家出しにいった。

「あいつ、また雌猫に浮気してた。前もうしないって約束したのに!」

浮竹は、荷物をほどくと、当分の着替えや自分用のエサ入れの皿、おもちゃなどを客間に広げる。

『浮気ねぇ。今回は、黒猫のボクが悪いね』

「そうだろう?当分帰ってやらないんだからな」

ぷんぷん怒る浮竹。

「こうなったら、俺も浮気してやる」

『誰と?』

「魔王の俺と!」

『ええ、そうなの?』

浮竹は、猫の姿になり、魔王の浮竹の元にいくとにゃーにゃーいって求婚行動をする。

「にゃーにゃー」

『どうしたんだ、白猫の俺は』

『君を口説きたいらしいよ』

『ぶっ』

「む、俺は本気だぞ。さぁ、猫の亜人族に伝わる求婚のこのダンスを見よ!」

にゃんにゃんいって、戦後左右に動いているだけだった。

「どうだ、俺に惚れただろう?俺のダンスはいけいけだからな。白哉のとこの猫も俺のダンスを見たら失神して惚れまくってくる」

『(ちょっと、これどういう反応したらいいんだ?)』

『(適当に、惚れたとか言っておけばいいんじゃない?)』

こそこそとやりとりをする魔王の浮竹と幽鬼の京楽を、浮竹は不思議そうに見ている。

『ほ、惚れた。俺はもうお前にめろめろだ』

「そうだろう。さぁ、チュールをくれ。愛のチュールを」

『はい、チュールだぞ』

「うにゃん」

浮竹は、チュールを食べる。食べ終わった後、猫の姿で魔王の浮竹の唇を舐める。

『舐められた』

「キスだ!」

『キスされた』

『はは、かわいい浮気だね?』

幽鬼の京楽は、にこにこしている。

「むう、でも魔王の俺に浮気したら、幽鬼の京楽が伴侶をなくすのか。それは嫌だなぁ」

『ほんとに、かわいいねぇ』

幽鬼の京楽は、浮竹の頭を撫でで喉を撫でてゴロゴロいわせる。

「むう」

浮竹は、うまくいかないと思案顔になる。

そこに、魔王の浮竹が最近雇いれた猫の亜人のミーアちゃんを連れてきた。

「激美人さん!タイプだにゃ!」

ミーアちゃんが、浮竹を見て赤くなる。

「あたし、ミーア。ミーアちゃんって呼んでね?」

「ミーアちゃん、結婚しよう」

「えー、美人でもいきなり結婚は無理にゃん。お付き合いからしましょ?」

「分かった。ミーアちゃん、中庭にお散歩に行こう」

ミーアちゃんと浮竹は、中庭に去っていく。

『よかったの、浮竹?』

『ないとは思うが、俺を本気で恋愛感情で好きになられたら、お互い困るし、どこかの幽鬼が、ボクのものだよって怒りそうだからな』

『ふふ、白猫の浮竹は本気で恋愛感情で君を好きになることはないと思うけどね?』

『分からんぞ?俺が受け入れたら、不倫は成功だろうが』

『まぁ、そうなんだけど』

浮竹はミーアちゃんと中庭で遊んで、魔王の浮竹からチュールをもらう。

ミーアちゃんはかしこまるが、浮竹が気にすることはないと、堂々とチュールをもらうものだから、ミーアちゃんもチュールをもらう。

「ミーアちゃん、しっぽりしよう」

「えー。子猫できちゃうから、だめぇ」

「がっくり」

浮竹は、それでもミーアちゃんが気に入ったというか、他に猫の亜人がいないので、ミーアちゃんといろいろ遊んだ。

それを影ながら見ていた京楽は。

「浮竹の浮気者おおおおおおおおおおお」

涙を出して、去っていく。

「あ、京楽!にゃん、ミーアちゃん、今までありがとう!俺、京楽と結婚してるんだ!不倫しようと思ってたけどやめた!」

「あら、つまんない」

「魔王の俺、家に戻る。京楽が家出するかもしれないから」

浮竹は、白哉の家にある一軒家の自分たちの家に戻る。

そこには、浮竹のダッチワイフとしっぽり中の京楽がいた。

「なんだこれ?」

「な、なんでもないの!」

「なんで裸なんだ?」

「汗、汗かいたから着替えようかなって」

「なんでフルチンなんだ?下着も汗で濡れたのか?」

「う、うん、そうなの」

浮竹は、ダッチワイフをなんだか知らない。

浮竹は、ふーんと言って、ダッチワイフの周りをうろうろして、衣服を身に着けた京楽に、人の姿になって抱きついた。

「今回だけ、許してやる。もう、浮気はするなよ?俺もまた浮気しちゃうからな!」

「浮竹けええええ」

京楽は、浮竹を押し倒す。

そのまま、おいしくいただかれるのであった。



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色子花魁(恋白)

白哉は没落した大貴族、朽木家の出身であった。

大量の借金の返済のためにと、子供の頃売らていくことになった。

「恋次。兄が、いつか迎えにきてくれ」

「白哉さん‥‥‥」

白哉には、恋次という付き人がいたが、白哉を含めた貴族が没落したために解雇されることとなった。

「これを」

それは、桜色の貝殻だった。

「ルキアの身は俺が守るんで。これを、俺と思って持っててください。いつか必ず、大金持ちになってあんたを迎えにいきます」

白哉にはルキアという義妹がいた。

ルキアも売られそうになったのだが、白哉が庇った。本当なら、当主となるはずであった白哉の身だけは売られることなく、という話だったのだ。

「兄様!」

「ルキア、体を大切にしろ。好きな相手ができたら、信頼できる相手であれば頼れ。私はもう帰ってこないかもしれないが、ルキア、そなたを愛している」

「兄様!」

「白哉さん!」

「恋次、兄も愛している」

白哉と恋次は恋仲だった。

その時、白哉は11歳、恋次は8歳であった。ルキアは7歳であった。

恋次は、子供であり力のない自分を責めた。

せめて、ルキアの身だけは命を賭けて守ろうと誓った。

「ルキア、明日から白哉さんはいない。俺と一緒に、白哉さんを取り戻そう」

「分かった、恋次」

ルキアは涙を流しながらも、恋次の言葉を信じた。

それから10年が経った。

白哉は、高級男娼の色子として、霞の里という花街一番の、桜の廓で花魁になっていた。

とても美しい青年に成長していた。白哉にはわずかだがエルフの血が流れており、成人していたが見た目は17、18歳くらいだった。

白哉は美しく、上客が何人もいた。

元大貴族出身というところも、売れる原因であった。

貴族の客は、白哉を手荒に抱き、元朽木家に辛酸をなめさせられた者は特にきつく白哉にあたった。

傷薬で傷が癒えるのをいいことに、折檻まがいのこともされたが、白哉は顔色一つ変えず、取り乱しもしなかった。

ただ、夜は乱れた。

そのギャップがたまらないと、白哉の客は言う。

高級男娼の色子という身分でありながら、大貴族としての所作を身に着けている白哉は、美しく鮮麗だった。

10年も色子を続けているうちに、白哉の中でも諦めの気持ちが出てきて、いつか恋次が会いにきてくれることだけを信じて、宝物の桜色の貝殻を見つめる。

「もう、あれから10年か。恋次は18。ルキアは17。きっと、結婚しているであろうな。恋次になら、ルキアのことをまかせられる」

恋次と恋仲ではあったが、子供同士であったので、性的なことは一切なかった。

始めても、違う男だった。

毎晩違う男に抱かれていくうちに、体は抱かれることになれて疼くようになった。

「もう、私は汚れている。どの顔をして恋次と会えるというのだ」

白哉は、自重気味に笑った。

「白哉、今日のお客さんは大貴族だ。粗相のないようにな」

「はい、主人」

廓の主人からそう言われて、白哉は化粧をしてもらい、大貴族だという客を迎える。

「やっと会えた。白哉さん」

「れ、恋次!?」

「俺、ルキアと一緒に4大貴族の四楓院家に拾われて、四楓院夜一の夫になって、正式に大貴族の一員になれたんです。商売を広げて、財も得ました。あんたを買いにきた。そして、身請けします」

「四楓院家‥‥‥夜一の、夫。帰れ」

「なんでですか」

「夜一の夫なのであろう?浮気のような真似はするな」

「形だけです。夜一さんとは体の関係もないし、形式上結婚したけど、俺を大貴族にしてくれる代わりに、形だけの夫になってくれという契約です」

白哉に裏切りの形は見せたくないので、契約書をもってきていた。

「あんたはただ黙って俺に身請けされたらいいんだ」

「れ、恋次」

「俺はまだ18だけど、四楓院恋次だ。あんたは、四楓院白哉になるんだ」

「何を言っている?」

恋次は、白哉を抱きしめる。

「あんたも夜一さんと婚姻して、四楓院白哉になってください。身請け金は俺の商売の財では足りないだろうから、夜一さんからも借りてます。将来ちゃんと返していくけど、あんたが隣にいないと、俺は生きていけないから」

「何をばかなことを。10年だぞ。もう、兄のことなど、なんとも思っておらぬ」

「じゃあ、どうして泣いているんですか」

「私が、泣いて‥‥‥‥?」

気づくと、白哉は涙を流していた。自分でも不思議だった。

10年間、見知らぬ男ばかりに足を開いて春を売り、生きてきた。死のうかと思ったこともあった。ただの口約束だった、恋次が会いにきてくれるという言葉だけを信じて生きてきた。

「私は‥‥‥嬉しいのか。この感情は」

「そうですよ。あんたは、俺にずっと会いたかった。違いますか?」

「恋次、恋次‥‥‥‥ずっと、兄と会えるを待っていた。10年間、他の男に抱かれ続けて私は汚い。それでも、私を愛してくれるか?」

「はい、もちろんです。あんたを身請けする。身の安全のために、あんたも夜一さんと形だけの婚姻をしてください。拾われた身分の夫の俺が、側室や恋人をもつわけにはいきませんから」

「恋次、愛している」

白哉は、褥に恋次を押し倒して、色子として培ってきた手練手管で恋次を翻弄させる。

「あ、もう十分です、白哉さん。あんたをきもちよくさせたい」

白哉は、恋次の体中のタトゥーが昔より更に増えていることに驚く。

「痛くないのか、これは」

「ああ、俺の生きてる証みたいなもんなんで。あんたが売られていった日から、1年に1回ずつタトゥー彫ってもらったんです。10年目で、ようやく終わる」

「恋次‥‥んあっ」

口づけあうと、ぬるりと恋次の舌が入ってきた。

「恋次、もっと‥‥‥」

「白哉さん、愛してます」

恋次は、白哉の衣服を脱がせて、その白い肌にキスマークを残していく。

「あっ」

太ももの内側にキスマークを残され、そのまま恋次は白哉のものを口にふくんで奉仕する。

「ああっ」

色子で欲に慣れてしまった体は、すぐに熱を外に吐き出した。

「恋次、兄もこい。一つになりたい」

「はい」

白哉は、いつ客がきてもいいようにと後ろを慣らしていた。恋次は、潤滑油を手にとって念のため蕾をぐちゅぐちゅといじるが、よく解されていたので、己のものをあてがって貫いた。

「ひああああん!!」

「ああ、あんたと一つになれた。最高だ。すげぇ、いっちまいそうだ」

「あ、我慢せずともよい。私に中に子種を注げ」

「くっ」

恋次は、眉を寄せてやってくる快感を凌いで、白哉の奥までどちゅんと貫く。

「ひあ!」

白哉は、精液をたらたら零しながら、オーガズムでいっていた。

「あう!」

そのままぐちゅりと音を立てて円を描かれ、また抉られて、白哉は快感に頭が真っ白になる。

「あーーあ、変になるうう」

「白哉さん、大好きだ」

恋次は、白哉の胎の奥に子種を巻き散らして、いっていた。

白哉もまた、それに刺激されてオーガズムでいく。

「もっと欲しいですよね?」

「あ、もっとおお」

美しい白哉は、妖艶に求めてくる。

白い頬を薔薇色に染めて、恋次を求める。潤んだ瞳は、黒曜石のようで、熱を孕んだ瞳で恋次を見上げる。

「恋次、もっと欲しい」

「はい。いくらでも」

恋次は白哉に口づけて、一度引き抜いて騎乗位に白哉をさせると下から突き上げた。

「あ、あ、あ!!!」

下から突き上げられるリズムに合わせて、白哉が啼く。

「白哉さん、自分で動いてみて?」

「んあ‥‥ひあ、あ、いい」

白哉は、腰を落としたり円を描くように動いたりして、自分の快感のままに動く。

「ああ、すげぇエロい。見てるだけでいっちまいそうだ」

「んああああ!!!」

ぐりっと中を抉りながら、騎乗位から押し倒されて、穿つ場所が奥の奥になって白哉は潮を吹いていた。

「白哉さん、エロい。ああ、いっちまう」

恋次は、白哉の締め付けに耐え切れずに白哉の胎の奥の奥に子種を巻き散らした。

「白哉さん」

「ん、恋次」

「もう1回だけ、いいですか」

「よかろう。花魁になる前は複数の相手もさせられたことがある。それを思えば、回数の多い兄など子供のようなものだ」

「廓の主人、殺しておこうか‥‥」

「よい。私も金が必要であった。少しでも早く年季明けするために」

白哉は美しいのに、夜は乱れて淫乱だと言われて人気が高く、年季明けは27歳になる6年先だった。

「んあ!熱くて太いの、くるうう」

恋次は、怒りにも滾ったもので白哉を貫いた。

「ひあああ!」

ぐちゅりと音がなる。

「あーーーー!」

白哉は、再び潮を吹いていた。背をしならせてオーガズムでいきまくる。

「白哉さん、俺の想い全て受け止めてくださいね?」

「あああ!」

びゅるびゅると最後の精子を体の中に吐き出されて、白哉も力尽きる。恋次はまだ動けるようで、後始末などは全て恋次がしてくれた。

「ん」

起きると、朝だった。

夜着から普通の着物に着替えさせられていた。

気を失っている間に風呂に入れてもらえたらしく、肌からも髪からもいい匂いがしていた。

「恋次」

「はい」

「私の身請け額は高いぞ。星金貨400枚だ」

「星金貨、2千枚もってきました」

白哉が、声を失う。

「あとくされないように、700枚くらい支払ってくるんで、ここで待っててください」

恋次は、大金を取り出して廓の主人と話をつけた。

「あんたを身請けしました。あんたはもう自由だ。俺と一緒に、きてくれますよね?」

「兄が身請けしたのだ。今日から、兄が私の主だ」

「対等ですよ、白哉さん。四楓院夜一の夫になってください。夜一さんは、立場上複数の夫が必要らしくて」

「ふむ‥‥」

「形式上の結婚ですからね?白哉さんはたとえ夜一さんでも、ルキアでもあげません」

「ふふ、夫は揃いに揃って浮気者同士ということか」

白哉は、薄く微笑する。それがあまりにも美しくて、恋次は目をこする。

「さぁ、行きましょう。馬車、用意してあります。持ち物は全て処分します」

廓にいた頃の思い出は処分。

ふと、白哉はこれだけはと、桜色の貝殻をもってきた。

「この貝殻を見るたびに、兄を思いだしていた。辛くても、我慢できた」

「白哉さん!」

恋次は、白哉を思い切り抱きしめた。

「もう、あんたは俺だけのもんだ。夜一さんとの婚姻も、書類だけで済ませる」

恋次は、花街を出ると一度四楓院家に顔を出して、夜一と話をして白哉の元に戻る。

「種類上の結婚で構わないそうです。今から、俺の館に案内します。ルキアもいるんで」

白哉は、その後ルキアと会い、感動の対面をした後、恋次に連れ去られてまた抱かれるのであった。




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色子花魁

浮竹と京楽は、幼馴染だった。

幼い頃から一緒に遊び、食べて寝て、一緒の家で暮らしてまるで兄弟のようだった。

でも、浮竹は京楽の家に厄介になっている身分で。

ある日、浮竹の親族が借金でどうしようもなくなり、浮竹も売られることになった。

京楽は反対して暴れまわったけれど、子供の力ではどうしようもなく、売られていく浮竹と約束をした。

「必ず、迎えにいくからね、浮竹」

「京楽‥‥‥俺は、色子として売られていく。この身が汚れていても、迎えにきてくれるか」

「浮竹がどれだけ汚れたって、きっと綺麗なままだ。いつか必ず、迎えにいくから」

そう約束をして、8年の歳月が経った。

浮竹は、花街の陰間茶屋の色子として人気を成し、陰間なのに花魁にまで出世していた。

年は18。

あと7年は年季が残っている。

ある日、懐かしい客がきた。

京楽だった。

「京楽‥‥‥会いたかった。お前に会えることだけを生きる目標で生きてきた」

「浮竹‥‥‥‥‥会いにくるのが遅くなってごめんね?」

「ううん、いいんだ」

「また、会いに来るからね?」

その日は、ただ会うだけで、京楽は金貨を10枚ほど払って去っていった。

数日後、京楽は客としてやってきた。

「浮竹、今日は君を買いにきた」

「お前になら、ただででも抱かれたい」

「ちゃんと、お金は払うから」

金貨300枚を出して、京楽はその日浮竹を買った。


「んあっ」

ずるっと、中を穿つ熱は、まだまだ硬い。

「ああ!」

京楽は浮竹のものをしごきあげて、熱を吐き出させると、それをなめとった。

「京楽」

「浮竹、大好きだよ。子供の頃からずっと好きだった」

「あ、俺もだ京楽。大好きだ」

浮竹は、大好きといいながら、他の男にも体を開かねばならないので大粒の涙を流す。

「こんな仕事、したくないんだ。でも、体を売らなければ折檻される」

「うん」

浮竹の中を抉って揺さぶると、浮竹はオーガズムでいっていた。

「ああああ!!」

「浮竹、エロくてかわいい」

「京楽。お前の子種を俺の中にちょうだい」

「うん。特別に濃いの、あげるね?ここ最近一人でもしてなかったから」

「んあああ!」

京楽は、浮竹の前立腺をこすり上げる。

「ひあ!」

ぐりっと奥を抉るように穿つと、浮竹は精液をタラタラ零しながら、ドライのオーガズムでいっていた。

「君の中、すごいね。うねって吸い付いてくる」

「ああ!京楽、すごいの、すごいの出でてるるうう」

びゅるびゅると、濃すぎる精子を、京楽は浮竹の中に吐き出す。

「もう1回ね?」

「んあ、お前になら何度抱かれてもいい」

「好きだよ」

「ひあああん」

中をぐるっと輪を描くようにすると、結合部がぐちゅぐちゅと濡れた音をたてる。

「あ、それすき」

「こう?」

「ああん」

中で円を描いて突き上げると、浮竹は背をしならせる。大きくオーガズムでいっている証だった。

「んあ、もっとお」

「ふふ、欲張りだね?」

「だって、きもちいいからぁ。他の客なんてどうでもいいくらい、きもいいよお」

心と体の感情が今まで食い違っていたが、好きな相手に抱かれるのは幸せだった。

「んあっ」

舌が絡み合うキスを繰り返し、一護引き抜かれると胸の先端ばかりをいじられる。

「やああ、我慢させないでぇ。俺の中にきて。俺をもっと滅茶苦茶に犯して」

「君って子は‥‥‥‥」

京楽は、浮竹の中を穿ち、最奥に精液を何度も注ぎこむ。

注ぎ込む度に、浮竹はオーガズムでいき、一緒に達していた。

「愛してるよ」

「俺もだ」

京楽は、浮竹を抱いで愛していると言ってくれてが、迎えに来たとは終ぞ言ってくれなかった。

それから3日に1回は、京楽は浮竹を買いにやってきた。

浮竹の人気は高いが、金の支払いの一番いい京楽が選ばれて、浮竹を抱いた。

「明日からしばらくいなくなる。君を、迎えるために大金が必要なんだ。危険な仕事に行く。もしかしたら、帰ってこれないかもしれない。半年が経っても音沙汰がなければ、ボクのことは忘れてほしい」

「そんな!」

「君を身請けするためだ。ボクも、命をかける」

京楽は、闇の仕事をしており、浮竹を身請けするほどの報酬をもらうためには、命の危険があったが、それしかもう方法がないので、命を賭けることにした。

浮竹は、京楽を待った。

1カ月が経ち、2カ月が経ち。

ただひたすらに待った。

色子の花魁としての名はますます高まっていく。

半年が経った。

けれど、京楽は戻ってこなかった。

浮竹は、京楽との約束通り、京楽を忘れることにした。

もうどうでもよくなり、人生は終わりだと感じて、阿片に手を出した。

3年が経ち、浮竹はそれでも花魁だった。一時阿片に手を出して身を滅ぼしかけたが、夢で京楽が「生きて」と叫んでいたので、もう一度生きてみようと思った。

3年後、京楽が現れた。

右目に眼帯をしており、隻眼になっていた。

和やかだった鳶色の瞳は、鋭い色になっていた。

「遅くなったね。君を、身請けにきたよ」

「京楽、ずっとずっと、会いたかった!」

浮竹は、涙を流して京楽に抱きついた。

「んっ」

舌を絡めあわせなながらディープキスを繰り返す。

「ここに、星金貨500枚ある。これで、君を身請けするよ」

「星金貨500枚!」

浮竹の身請の金額は、星金貨350枚だった。

京楽は、廓の主人を呼び、しぶろうとした廓の主人に星金貨500枚を見せた。

廓の主人は、満面の笑顔になり、浮竹の身請けを了承してくれた。

「京楽、ずっとお前を待っていた。その右目はどうしたんだ」

「ちょっと、ドジちゃってね。危うく左目もやられて失明するところだったよ。待たせてごめんね?」

「ううん、一度は絶望から阿片に手を出したが、どこかでお前が生きていると信じてがんばって生きて足掻いていた」

「阿片!もう、ぬけてる?」

「ああ。阿片からは足を洗った」

浮竹は、京楽を抱きしめる。京楽も浮竹を抱きしめ返した。

「半年が経っても、お金がたまらなくてね。ポカやらかして、右目を失った。何度か危ない橋を渡り続けて、星金貨千枚を稼いで、ボクも裏家業から足を洗ったよ」

「うん」

「残りの星金貨500枚で、小さい宿屋でも経営して、慎ましく暮らしていこう?星金貨が500枚あれば、大きな宿を数店経営できるけど、二人でいれる時間が少なくなる。小さな宿を経営して生きていこうと思うんだけど、どうかな?」

「俺は、京楽がそれでいいなら何も文句は言わない」

「うん。じゃあ、荷物まとめて宿になる予定の建物は買って手入れしてあるから、そこに行こうか」

「ああ。花魁としての終わりが、身請けなのは最高の終わり方だ」

こうして、浮竹は京楽に身請けされた。

京楽は裏社会で顔が広まっていたが、足を洗ったことでもう裏社会とは関係なくなっていた。



「んっ」

「相変わらず、胸弱いね?」

「やああ、そこばっかり、やぁ」

京楽と浮竹は小さな宿を経営していた。その一室で、浮竹は京楽に押し倒されて乱れていた。

「んあっ」

胸先端ばかりを、さっきからひっかいたり口にふくんだりと、肝心のところに触れてくれないので、浮竹は自分で自分のものを握って自虐しだす。

「ふあああん、きもちいい」

「ああもう、しばらくみない間にいやらしい子になっちゃって」

「だって、京楽がぁ、触って、くれないからぁ」

京楽は、浮竹の手をどかせると、浮竹のものを手でしごきながら舐めあげた。

「んあああ、いくうう」

どぴゅっと音をたてて、浮竹は精液を出していた。

浮竹の後ろは、京楽が全然いじってくれないので、自分で触っていたので柔らかかった。

潤滑油を塗りたくり、反り返った熱く昂るものを浮竹に見せる。

「今から、これできもちよくさせてあげるからね?」

「うん」

「さぁ、いくよ」

「ひあん!」

いきなり貫かれて、浮竹は射精していた。同時にオーガズムでもいっていた。

「んあああ、熱い」

「君の中も熱くてとろけそう」

「ひあ、ううん」

くちゅっと音をたてて、浅い部分ばかりで動いていると、浮竹が身をくねらせる。

「もっと、もっと奥にきてええ」

「ふふ、十四郎。大好きだよ」

下の名前を呼ばれたことで、浮竹は自然と締め付けてしまった。

「ああ、もうもたない。一度出すよ」

「んあああ、浅いところで春水のザーメンでたあああ」

「もっと深くがいいんだよね?」

「うん」

京楽は、浮竹の奥を突きあげる。

「ひああん」

浮竹は喜んで、自分から足を開く。

「はぁ、京楽ので、中いっぱい」

「ふふ、もっとあげるよ?」

京楽は、浮竹の片足を肩に担いで、深く挿入した。

「あ、いい。もっとおお」

浮竹の求めに応じて、京楽は奥を何度も突き上げる。

「ひああああん!!!」

前立腺まですりあげられて、浮竹はドライのオーガズムでいく。

京楽も、浮竹の胎の奥に子種を弾けさせる。

「んあ、いくのとまらないいい」

浮竹は、しまいには潮をふいていた。

「んあああ」

「きもちよかった?」

「ん、凄かった」

「まだできるんだけど、する?」

「んあ、無理。一度休憩する」

浮竹と京楽は、シャワーを浴びて昼飯を食べて仮眠して、また睦みあう。

「ああ、いいよお」

「ふふ、今日はあと2回までかな」

「あ、2回とも俺の奥でザーメンたっぷり出して?」

「エロいねぇ、十四郎は」

「春水のせいだからぁ」

京楽は、浮竹の中を犯して、子種をぶちまける。

それに満足そうに、潮をふきながら射精もして、浮竹はいきまくり、びくんびくんと体を痙攣させる。

「んああ、いきすぎて、変になるうう」

「ふふ、かわいい」

京楽は、浮竹にディープキスをしながら、腰をうちつける。

ぱんぱんと肉と肉がぶつかりあう音がした。

くちゅっと、音をたてて一護引き抜いて、最奥まで一気に貫く。

「あーーーー!!!!」

浮竹は、びくんと体を反応させて、オーガズムでいきまくる。

「最後のザーメンだから、下の口で味わってね?」

「ひあん、きたあああ。熱いの、びゅっびゅきてるうう」

京楽は、最後の一滴まで浮竹の中に出して満足した。

二人はまたシャワーを浴びる。

客がこない時はこっそり睦みあい、たまに客がきた時だけ対応して、畑なども作って二人は自給自足に近い生活をする。

たまに星金貨を使って、贅沢な旅行にいったりした。

京楽が浮竹と出会って18年。

気づけば、21歳になっていた。

まだまだ若い。

二人は、仲睦まじく共に生きていくのだった。

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琥珀

久しく存在を忘れていたが、白哉とルキアと一護は、琥珀と名付けたオッドアイの白猫を飼っていた。何度か子猫を生み、皆オッドアイの美人さんに育ち、貴族の子供にもらわれていった。

そんな琥珀と、一護は中身が入れ替わってしまった。

「にゃーにゃーにゃー(ルキア、助けてくれ、琥珀と中身が入れかわっちまった)」

ルキアは、琥珀を撫でて、チュールをさしだす。

一護はお腹がすいていたので、チュールを食べてそのおいしさに感動しつつ、なぜこうなったのかを思い出して、琥珀と一護の飲み物に何か混ぜていた白哉を思い出して歯ぎしりする。

白哉めえええ。技術開発局の、涅マユリあたりから何か変な薬をもらってきたに違いない。

琥珀の中身の一護の体は、寝ていた。

とにかく寝ていた。それが逆に安心できた。

目覚めると猫のような行動をとるに違いない。それが怖いので、寝ている限りは安全だった。

「にゃああああ(るきああああああ)」

「なんだ、琥珀。今日は世話しないな?すまぬが、今日は休みだが恋次と約束がある。一護は疲れておるのだろう、まだ寝ていた。起きた一度に相手をしてもらえ」

「琥珀‥‥‥」

白哉が、一護の中身の琥珀を抱き上げる。

「ぎにゃああああああああ」

「ふっ、成功か。しばし、兄は猫の生活を堪能すればよいのだ」

「にゃにゃにゃ!!!(ちくしょう、白哉、この野郎!)」

ひっかこうとするが、うまくかわされる。

一護は、仕方なく琥珀の体でルキアについていった。



「よお、ルキア。一護は今日は一緒じゃねーのか?」

「一護は、まだ眠っている。ここ数日、激務が続いていたからな。好きなだけ寝れるようにそのままにしておいた」

「なー(恋次、俺だ、一護だ)」

「お、確か名前は琥珀だっけ。一護の代わりに、こいつがきちまったのか」

「何故か、離れぬのだ。仕方ないので連れてきた」

ルキアは琥珀の体の一護を抱き上げる。

喉をくすぐられると、ゴロゴロと喉を鳴らしてしまう。

やべぇ、きもちいい。

「じゃあ、昼間っからだけど飲みにいくか。焼き鳥の店でよかったんだよな?」

「うむ。焼き鳥の店なら、琥珀も食べるものがあるだろうしな」

ルキアは、一護を抱きしめながら、他愛もない話をして恋次と歩きだす。

「ところで、ルキア、お前一護とは夜はどうなんだよ」

「な、何を言っているのだ貴様は!」

「いや、子供まだできてねぇだろ?そんなにしてねぇのか、避妊してるのかと思ってだな」

「避妊はしておらぬ。週に2日ほど行為には及んでいるが、子がまだできぬのだ」

ルキアは、残念そうな声を出す。

「まぁ、子を授かるのはこれは運任せの天の恵みだからな。まぁ、一護とちゃんとできてるようで安心したぜ。もう結婚してちょっと経つしな」

一護とルキアの間には、確かにまだ子がいなかった。

ルキアは、恋次の背中をばしっと叩く。

「そういう貴様こそ、誰か他にすきな相手はいないのか?」

「ルキアに振られちまったからなぁ。他に好きな相手かぁ。乱菊さんとたまにいい雰囲気になることあるけど、あの人気紛れだからなぁ」

「ふむ」

ルキアと恋次は焼き鳥屋にきて、空いている席に座った。

「一護とは、うまくいっているのだが、兄様とあまり仲がよくないようでな」

「隊長と?隊長、まぁルキア命ってかんじだもんな。ルキアをとられたと思ってるんじゃねーか?」

「にゃーん(その通りだぜ)」

「兄様に愛されているなぁ私は」

嬉しそうにするルキアに、一護は猫パンチをする。

「どうした、琥珀。腹がすいたのか。今、焼き鳥を頼んでやるからな」

「にゃああ(そんなんじゃねええええ)」

ルキアと恋次は酒といろんな種類の焼き鳥を注文した。

小皿に焼き鳥を入れてもらい、一護はふんふんと匂いをかいで、食べる。

「にゃ(うめぇ)」

「一護の奴も来ればよかったのにな?」

「まぁ、奴は最近寝不足と言っていたからな。休みの今日くらいはゆっくりさせてやるさ」

「にゃああああ(ありがたい気遣いだが、お陰で白哉に変な薬のまされた)」

「琥珀?貴様から、何故か一護の霊圧を感じるのだが」

ルキアは不思議そうな顔をする。

「そういうや、確かに一護の霊圧に似てるな。でも猫だしな」

恋次は笑い声をあげる。

一護は、にゃあにゃあいってから、すたっと机の上に座り、前足で文字をかきだした。

「おれはいちごだ‥‥‥‥?はぁ!?」

ルキアが素っ頓狂な声をあげる。

「き、貴様一護なのか?」

一護は、琥珀の体でこくんと頷いてにゃあと言った。

「兄様が、涅隊長から何やら怪しい薬を購入されていたのだが‥‥まさか、一護と琥珀の中身が入れかわったのか?」

「にゃあ!(そうだ)」

事態を把握して、飲んでいたルキアも恋次も、これはやばいと、勘定を払って急いで朽木邸に行く。

そこでは、猫用のペットシーツで用を足す、一護の姿をした琥珀がいた。衣服が嫌なのか、フルチンだった。

「にゃああああ」

一護の声でにゃあと鳴く。

白哉が、声もなく笑っていた。

「にゃあ?」

ふんふんと匂いを嗅いで、こっちにこようとする琥珀を、ルキアが殴る。

「貴様、兄様の前でなんという!いや、今は中身は琥珀だったか。とりあえず、服を着させよう、恋次、手伝ってくれ」

うわああああ。俺、フルチンでペットシーツでおしっこしてた。

うわああああ。もうお婿にいけない。いや、結婚してるけど。

もぎゃあああああ。

俺の人生やべえええええええ。

ルキアと恋次がは琥珀になんとか衣服を着させる。

「兄様、元に戻してやってはくれませんか」

「仕方ない。そなたの頼みは断れぬ」

恋次は、懐から怪しい色の薬を取り出すと、水に混ぜて琥珀に飲ませた。一護も、同じものを飲んだ。

「うるああああああああああ、白哉ああああああああああああああ」

「一護、落ち着け」

「落ち着いていられるか!フルチンでペットシーツで用たしちまったんだぞ!他の使用人にも見られてた!恋次にも見られた!うぎゃあああ、恥ずかしくて穴があったら入りたいいいい」

「兄のものは、粗末だな」

「なんだとう、白哉!そういうお前は立派だとても言いたいのか!」

「知らぬ。そのような下賤な会話はせぬ」

「下賤な真似をするようにさせたのはお前だろうがああああああ!その綺麗な顔、ぼっこぼこにするぞ」

「できるものならしてみせよ」

「むきいいいいい」

「にゃあ?」

元に戻った琥珀が、不思議そうに一護と白哉を見ていた。

白哉をその気になったらボコボコにできるだろうが、その時はルキアとも別れる時だ。

一護はひたすら我慢した。

「ふん、覚えてろ」

一護は、白哉の大事にしていた書物に、犬ののぐそを挟んでやった。

寝所の布団にも、犬ののぐそをつけてやった。

風呂にも、犬ののぐそを入れておいた。

数匹の野良犬からのぐそを回収する一護は、はたから見ると変人である。

白哉はめっちゃ怒って、一護を千本桜で切り刻むが、一護も斬月でやり返す。

「このおおお、白哉ああああ」

「兄が、義弟だなど、認めたくない」

「お前が籍を勝手に入れたんだろうがあああ」

「私の人生の最大の間違いで、汚点であった」

「このやろおおおおお」

一護と白哉のケンカは、夜まで続くのであった。


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卯ノ花隊長の患者

「うーん、熱は下がったな‥‥‥‥」

浮竹は、何日も高熱を出して、救護詰所で入院していた。

熱も下がり、元気なのにまだ数日安静にしていないとだめだと、卯ノ花に言われた。

「浮竹、ほんとに行くの?」

「行くったら行く」

「浮竹隊長、俺は知りませんからね」

海燕が、具合のよくなった浮竹のお見舞いにきて、呆れた声を出す。

点滴でしか栄養をとっていなかった日々。食事をできるようになったが、出される食事は味気なく、まずいものばかりが少量。カロリーなどを考えると適量で、栄養方面でも問題はないだろうが、浮竹は大いに不満だった。

そして、救護詰所を抜け出して甘味屋へ京楽と行くと言い出した。

海燕は止めたが、何度言っても聞かないのでもう放っておくことにした。

「じゃあ、海燕はベッドで布団被って身代わりになっててくれ」

「これ、ばれたら俺も処罰くうんじゃ」

「おはぎ買ってきてやるから、我慢しろ」

浮竹は、窓から外に出る。それを京楽が助ける。

「久しぶりの甘味屋だ~♪」

京楽は、金づるでもあった。

浮竹は甘味屋につくと、おはぎ10こ、ぜんざい3つ、白玉餡蜜2つ、団子5本さらにいろいろをペロリと平らげてしまった。

海燕のお土産にと、おはぎを4つ買っていく。

「ほんとに、浮竹は細いくせによく食べるねぇ。甘味ものに限るけど」

「甘未ものはいくらでも食えるぞ。俺の胃は小さなブラックホールだ」

海燕のおみやげにと買ったおはぎを1個食べる浮竹。

「ああ。どうか卯ノ花隊長に見つかりませんように」

甘味屋から戻り、自分の病室に行くと、ベッドの上で正座させられている海燕がいた。

「ひいいいい」

卯ノ花が、とんでもないオーラを出してにこにこしていた。

「浮竹隊長?あれほど、勝手に病室から出てはだめといったでしょう?まして甘味屋などに行くなんて‥‥‥‥」

「ご、ごめんなさい!!全部京楽が悪いんだ!京楽が、甘味屋に行かなきゃ俺を病室で襲うっていうから」

「ちょっと浮竹、そりゃないよ!君が甘味屋に連れて行ってって言ったんでしょ?」

浮竹は京楽に罪をなすりつけようとするが、そんなことで動じる卯ノ花ではない。

「京楽隊長と海燕副隊長は献血にいきましょうね」

「ひえええええ」

「ひぎゃあああ、助けてえええええ」

二人をずるずる引きずって、卯ノ花は歩いていく。

「浮竹隊長の処分は、その後でね?」

「怖いいいいいい」

浮竹は布団をかぶってぶるぶる震える。

30分くらいして、しおしおになった京楽と海燕が戻ってきた。

「ひどい。あんなことしなくても」

「血をとられすぎてしおしおだよ。浮竹も罰を受けなよお?」

京楽は、しおしおになりながら、浮竹への罰はんだろうと楽しみにしている。

「さぁ、浮竹隊長の出番ですよ。まずは献血しましょうか」

卯ノ花が現れる。

「ひいいいい。お、俺は病人だぞ」

「熱も下がったでしょう?さぁ、献血にいきましょうね」

「助けてくれええええ」

浮竹を助ける者は誰もいない。

京楽も海燕も、しおしおで動けない。

30分たって、しおしおになった浮竹が戻ってきた。

「浮竹隊長から献血するのは久しぶりですね。いつもは発作で血を吐きすぎて輸血するのに」

「卯ノ花隊長の鬼~~~」

「うふふふ、褒めても何もでませんよ?」

にーっこりと笑って、卯ノ花はでっかい注射器を取り出す。

「さぁ、念のため注射しておきましょうね?」

「ぎゃああああああああああ」

数分後、意識を失いまた点滴を受ける浮竹と、しおしおから回復してそんな浮竹を自業自得だと思う海燕と、卯ノ花はやっぱ修羅だと思う京楽がいた。

「卯ノ花隊長、絶対阿修羅だ。菩薩の顔で阿修羅かってやがる」

「海燕君に同意。浮竹もばかだねぇ。熱が下がったからって許可も取らず外出だなんて」

「そういうあんたが片棒をかついだんでしょうが」

「うん。おかげでしおしおになったけど。卯ノ花隊長ってほんと怖い」

「あら、名前呼びました?」

京楽と海燕の背後から、卯ノ花が出てくる。

「ぎゃああああああ」

「もぎゃああああああああ」

二人は悲鳴をあげる。

「あら、元気がありそうですね。もう一度、献血しておきましょうか」

「いぎゃあああああああ」

「簡便してよおお」

哀れ、浮竹の見舞いにきたせいで二人は卯ノ花の犠牲になった。

浮竹は注射がきいたのか眠っていた。

「浮竹隊長は、あと3日で退院できますので。それまで、くれぐれも勝手に外出させないように」

そう言われたのに、その2日後にまた勝手に病室を抜け出して、甘味屋に行く浮竹の姿があった。卯ノ花は額に怒りのマークを浮かべて、浮竹をモルモットにしたとかしなかったとか。




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黒猫と白猫の亜人50

浮竹は、料理の腕はけっこう壊滅的である。

7割の確率でダークマターを生む。ダークマターの処分先は、幽鬼の京楽が平気なので彼か、平気でないけど京楽いきかだった。浮竹本人も食べるが、ダークマターは平気なのか塩をいれすぎたとか、砂糖が少なかったとか、細かいとこに気づく。

ダークマターになる前に気づけよって、みんなにつっこまれたのだが、それでも浮竹は今日もその壊滅的な料理の腕をなんとかするべく、魔王の浮竹の作る手順で習って、簡単にオムライスを作ることにした。

『オムライスは、まずごはんをだな』

「ごはんに塩を投入か?」

『違う!ごはんを炊いて、具をまずは油で炒めて、そこにご飯を投入してトマトケチャップを入れて混ぜて、皿にもる。卵をふんわりする程度に焼いて、上にのせてトマトケチャップをかけてできあがりだ。分かったか?』

「分かった」

浮竹は、油に塩を入れて、さやえんどうをいれて黒毛和牛の脂身をいれて、七味をいれて、ホタテとイカを入れて炒める。

それから、卵を丸ごと鍋にいれてぐちゃああと炒めて、それにご飯をぶっかけて全部を炒めた。そこに黒い液体とごぽごぽいってるソースをぶっかける。

青いソースの、ぼこぼこいうダークマターができあがった。

「できたぞ」

『どこをどうしたらそうなるんだああああ』

魔王の浮竹は、なかなか手強いを弟子をもってしまった。

「ふうむ。もう一度作る」

10回作って、5回成功するようになってきた。

さらに10回つくると、8回成功になった。というか、どれも成功してるように見えたのだが、食べてみると2個がダークマターの味だったのだ。

食べてみないと、ダークマターかどうかが分からない。

まるでロシアンルーレットだ。

10皿できたオムライスを、幽鬼の京楽と京楽に全部ではないが食べてもらう。

『うん、どれもおいしいよ?』

「どれもおいし‥‥‥‥うぎゃぴかえぞおおお」

変な悲鳴をあげて、京楽が白目をむく。

「あれ?」

浮竹が食べてみると、ダークマターだった。

『やっぱり、ダークマター混じっていたか。白猫の俺の作る料理の8割は成功だが2割は成功と見せかけてダークマターだ』

京楽は気絶したままだ。

「秘伝のタレの黒い液体は使っていないのにな?なぜダークマターになるんだろう」

それはある意味才能である。

普通の材料でダークマターを生みだす。魔王の浮竹が作る手順にきちんと真似て作るのに、10個に2個はダークマターだった。

おやつでも、同じできだった。

2割がダークマターになる。

もう、2割のダークマターはどうにもならないので、とりあえず魔王の浮竹から8割は合格になれたと褒められた。

「京楽、魔王の俺に褒められた」

「胃薬胃薬‥‥‥ほぎゃあああ、胃が痛いぃぃぃ」

京楽はそれどころではなさそうで。

「幽鬼の京楽、魔王の俺に8割合格になれたと褒められた」

『そう。よかったね』

幽鬼の京楽は、浮竹の頭を撫でる。

喉をなでられて、ゴロゴロと言ってしまい、はっとなって猫の姿になる。

「ひ、人の姿をしている時に喉をなでるのは反則だぞ!」

『え、そうなの?』

『白猫の俺、黒猫の京楽が気絶しているがいいのか』

「回復ポーション飲ませておいたから、そのうち起きるだろ」

その日は、魔王の浮竹が作ったハンバーグ定食を食べた。

浮竹も作ろうとしたのだが、今日は魔王の浮竹が作ることにした。浮竹や京楽がいない日は、たまにお菓子を作るくらいで、いつもの食事はシェフに任せて豪華なものを食べているが、たまには手料理の素朴な味も欲しくなる。

「魔王の俺に、浮竹一族に伝わる秘伝の黒い液体をあげよう」

『え、なんだそれ』

「ちょっぴり甘くて辛くてすっぱいんだ」

舐めてみると、甘さを感じたあと辛くなってすっぱくなった。

『うーん、使い道に困りそうだな。まぁ、もらっておく』

「京楽、京楽起きろ」

気絶している京楽をビンタしまくって、京楽が目覚める。

「う、胃が」

「胃に穴があいてようが、回復ポーションで治ってるだろうが。魔王の俺が作ったハンバーグ定食、食べないなら俺が食うぞ?」

「いや。ボクが食べるから!よかった、浮竹が作ったんじゃないんだね。胃に穴があかずにすむ」

その言葉に、浮竹がぷくーと頬を膨らませる。

「明日の朝食は俺が作る。味見係は京楽、お前だ」

「ぎゃあああああああ。助けてええええええ」

京楽は、逃げ出しそうな勢いだった。

浮竹のダークマターを、いつもなぜか引いてしまうのだ。

ダークマターを食べすぎて、胃に穴があいた。回復のポーションで無理やりふさがれたが、また胃に穴があくと京楽は浮竹の用意した朝食の味見役をマッハで逃走してなしにする。

「むう」

浮竹はぷんすか怒るが、その姿がかわいすぎて、魔王の浮竹は浮竹の頭を撫でる。その魔王の浮竹の頭を幽鬼の京楽が撫でる。

次の日になり、朝食を浮竹が作った。

見た目はまともな、スクランブルエッグとトーストとサタダだった。

幽鬼の京楽も、魔王の浮竹も平気な顔で食べている。

『うん、うまいぞ』

『おいしいね?』

「京楽、お前も食え」

「どうか、ダークマターじゃありませんように。ぴぎゃああああああああ」

「ああ、やっぱダークマターだったか。まぁ相手は京楽だし、まぁいっか」

京楽は、また胃に穴をあけて回復ポーションを飲む羽目になるのであった。




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黒猫と白猫の亜人49

サタンになった京楽を封印するのに成功した幽鬼の京楽は、休眠モードに入っていた。

魔王の浮竹が言うには、1週間ばかり眠り続けるらしい。

京楽だけでなく浮竹も白哉も、幽鬼の京楽のお見舞いにきていた。

今日は、ちょうど1週間目だった。

「兄のお陰で京楽と浮竹が助かった。礼を言う」

白哉が、まだ眠り続けている幽鬼の京楽に礼を言うと、ピクリとその手が動いた。

『京楽!』

魔王の浮竹は、ほぼつきっきりで幽鬼の京楽の様子を見ていた。

『ん-おはよう。浮竹もおはよう』

ごく自然に、幽鬼の京楽は魔王の浮竹とキスをしてハグをする。

それを見ていた浮竹と京楽と白哉は、一時部屋を退出しようとする。

「お熱いみたいで。ボクらは外にいるね?」

「目覚めてよかったな、幽鬼の京楽!」

「邪魔はせぬゆえ、存分に甘えるがよい」

『ま、待ってくれ!ば、バカ!友人たちがいる前で何してる!!』

『ん?何もしてないよ?』

魔王の浮竹は視線で3人に助けを求める。

それに浮竹が反応して、魔王の自分の肩に猫の姿になって飛び乗る。

「じゃあボクも」

京楽は、黒猫になってベッドで横になって半身を起こしていた幽鬼の自分の肩に乗る。

それぞれ肩に猫が乗っていて、ハグもキスもできなくなった。

「お熱いのは、別にいいことだと思うよ?ボクらは気にしないから」

「俺もだぞ?別に気にしないから思う存分いちゃつけばいいと思う」

「私は傍観者なので、空気と思ってくれ」

猫になった浮竹と京楽は、幽鬼の京楽が魔王の浮竹に甘え始めたので、肩からのいた。

『ずっと、こうしていたいね』

『何を言っている。皆の前だぞ』

『ボクはみんなの前でも君に甘えたい。君が好きだよ』

魔王の浮竹は真っ赤になって茹蛸状態だ。

「熱いな」

「熱いねぇ」

「確かに熱い」

『ああもう、お前たちも京楽も!』

魔王の浮竹は赤くなって、1週間何も食べていなかった幽鬼の京楽に、まずは消化によさそうなお粥を作ることにした。

浮竹と京楽は人の姿になって、お粥を作る魔王の浮竹の手伝いをしようとする。

「卵粥をつくるのか?手伝うぞ?」

『いや、俺の手で作る』

「じゃあ、新鮮な卵とってくるね?」

京楽は、冷蔵庫にある卵ではなしに鶏舎からにわとりの産みたての卵をとってくる。

「あ、俺バナナ・オレ作るな?」

浮竹は、牛乳とバナナとりんごをミキサーにかけて、バナナ・オレを作った。

白哉は見てるだけだ。

卵粥にバナナ・オレというなんか不思議な組み合わせの食事を、幽鬼の京楽に食べてもらった。

『おいしいね。浮竹も食べる?』

『な、なにを言ってるんだ。お前の分だぞ』

『はい、あーん』

つい、口をあけてしまう魔王の浮竹に、幽鬼の京楽が卵粥を一口さしだす。

『おいしいでしょ?』

『まぁ、我ながらうまくできた‥‥‥って、白猫の俺も黒猫の京楽も白哉まで見てるじゃないか!!」

『まぁまぁ。卵粥、おいしかったよ。バナナ・オレもおいしかったよ』

浮竹はしっぽを揺らして、嬉しそうに自分が作ったのだとアピールする。

「元気そうでよかった。1週間もずっと眠ってたから、心配したんだぞ」

浮竹が、幽鬼の京楽の頭を撫でる。

その浮竹の頭を、京楽が撫でた。

「私は泊まるわけにはいかぬ故、ひとまずここで帰るとしよう。幽鬼の京楽、本当に京楽のサタンの件では世話になった。そのうち、礼をする」

『ああ、気にしなくていいよ?』

「そういうわけにもいかぬ。浮竹も京楽も、私の大事な家族ゆえ」

浮竹と京楽は、白哉に家族と言われてとても嬉しそうにしていた。

「じゃあ、俺は今日と明日、京楽と一緒に魔王城に泊まるな?」

「ボクに何かできることある?」

『黒猫の京楽がしでかしたことは、もう片がついた。無理しなくていい』

「でも、死者も出しちゃったし」

『遺族への報償金も配り終えた。負傷者は傷を完治させたし、瓦解した魔王城も見ての通り魔法で元通りだ』

「じゃあ、ボクはおやつでも作るね?」

京楽は、なんらかの形で魔王の浮竹と幽鬼の自分に恩返しがしたいらしい。

浮竹も一緒にお菓子をつくることにした。

10個作って、浮竹が作ったものの3個がダークマターだった。

「ダークマターできちゃった」

浮竹は嬉しそうにはしゃぐ。

「京楽、食べてくれるよな?」

ダークマターと分かっていながら、京楽への愛をためす浮竹。

京楽は、涙を流しながらダークマターに手を伸ばす。

ちなみに、作っていたのはカップケーキだった。

黒焦げの上に青い煙を放ち、異臭のするダークマターを京楽は食べる。

「ほげああああぎょぱええええええ」

すごい悲鳴の後、沈黙した。

「あれぇ?そんなにまずいかな?」

浮竹はダークマターを自分で食べる。

けろりとしていた。

「うーん、七味いれすぎたかな?」

魔王の浮竹は、ダークマターの残りをそっと処分するのだった。



その後で、京楽は幽鬼の京楽に呼ばれて二人きりになった。

『定期的にボクのところにおいで?封印はしたけど完全ではないから‥‥』

サタンの封印は完全なものではないらしい。

ただ、もうサタンが出てくるようなことはないだろうとのことだが、念には念を入れておいたほうがいい。

「うん。また来た時、封印の状態を見てほしい」

『おやすいご用だよ』

京楽たちがそんなことを相談している間に、浮竹たちは夕飯を作っていた。

ちなみに、浮竹の作った海鮮パスタはダークマターになって、京楽いきとなる。

幽鬼の京楽はダークマターを無効化できるので、平気で浮竹の作った海鮮パスタを食べているのだった。



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黒猫と白猫の亜人48

「落ち着いて、サタナシア・オルタナティブ」

京楽は焦っていた。瞳を金色にして、自分の中にとりこまれているサタナシア・オルタナティブを鎮めようとするが、逆に乗っ取られそうだった。

(愛シイ者。欲シイ。浮竹ガ欲シイ。殺シテ私ダケノモノニシタイ)

「サタナシア!落ち着いて!!」

京楽の悲鳴に、起きてきた浮竹がどうしたのかと、京楽の傍にいくと突き飛ばされた。

「京楽!?」

「浮竹、逃げて!」

京楽の手には剣があった。

京楽はそれで浮竹を突きさす。

「うっ」

血がジワリと広がっていく。

「京楽‥‥‥?」

「うわあああああああああ」

京楽は悲鳴をあげて、浮竹を突き飛ばして逃げていった。

「京楽、どうして‥‥‥‥」

浮竹は、魔法で深い傷を癒しながら、それでも京楽の後を追おうとする。

『いっちゃだめだよ、白猫の浮竹!』

浮竹の影から出てきた幽鬼の京楽が、浮竹を止めた。

「どうして。京楽は、どうなったんだ?」

『彼は今、自分の中にある異物のサタナシア・オルタナティブに支配されている。サタナシア・オルタナティブが欲しいのは君だ。君の命』

「俺の、命‥‥‥」

浮竹は、涙をたくさん流していた。

こつんと、1つ結晶ができて、それは白涙石になる。

『おいで、白猫の浮竹。浮竹の元に行こう。そこで、黒猫のボクを取り戻そう』

「うん」

幽鬼の京楽は、京楽がついてきていないかを確認してから、魔王城に戻る。浮竹は、京楽のことをずっと心配していた。

京楽は、サタナシア・オルタナティブに支配されて、愛しい半身を傷つけた。それに絶望して、小さくなっていく。

サタナシア・オルタナティブは羽化する。

本物のサタンへ。

「ぐおおおおお」

サタンとなった京楽は、暴れた。

猫たちが逃げ出していく。

「何が起こって‥‥‥お主、我を宿したか!」

猫のサタンが、サタンになってしまった京楽を見て、声を失いそうになる。

「浮竹ええええ。殺すうううう」

京楽は、魔王城にテレポートした。

魔王城で事件を聞いた魔王の浮竹は、浮竹を保護するために何重にも結界を張る。

「浮竹ぇ、殺す」

サタンになってしまった京楽が、愛しい浮竹の血肉を求めてやってきた。

『こりゃ、本気モードだね。殺さずに元に戻すのは骨が折れるかも』

『京楽、なんとかならないのか』

『封印、できるかもしれない。白猫の浮竹、君の涙でできた白涙石を使っていいかい?』

「京楽を止めてくれ!」

京楽は、結界が張られているにも関わらず、魔法で浮竹をずたずたにする。

「あうっ」

『ヒーリング!』

すかさず魔王の浮竹が傷を癒すが、失った血までは戻せない。

『結界が効かないのか。厄介だね』

「浮竹ぇ」

京楽は暴れまくった。城が瓦解していく。

何人かの魔王の浮竹の配下の者が殺されていく。

「やめてくれ、京楽!!」

「浮竹、殺す」

「どうしてだ!京楽!」

『今の黒猫のボクはサタンだ。君の声は届かないよ。さぁ、ボクが黒猫のボクを封印しよう』

幽鬼の京楽は、自分の纏っている魔力を全て解き放つ。

姿が鬼のようになった。

「ファイナルフレア」

「ファイナルフレア」

お互い、禁忌の魔法を放つ。

魔王城が爆発で粉々になっていく。

『魔王城にこれ以上被害は出せない。こっちにおいで』

幽鬼の京楽は空を飛ぶ。京楽も空を飛んで、お互い睨み合う。

「エターナルワールドエンド」

「エターナルワールドエンド」

白い爆発が、空で起こった。

空間が捻じ曲がる。

幽鬼の京楽は、白涙石に魔力をねりこんだ。

『世界の果ての混沌たる力をここに』

京楽を魔力でなんとか抑え込んで、影の魔法でがんじがらめにすると、白涙石が輝いた。

「あああああああああ!!!」

その輝きに、京楽が怯む。

『清浄あれ!』

京楽のまとっていた汚染された魔力が消えていく。

『君を、封印するよ』

『京楽、俺の分の魔力も念のためもっていけ!』

『うん!』

幽鬼の京楽は、魔王の浮竹の魔力ももらい受けて、京楽の中のサタンを封印する。

京楽の体が落下していく。

「京楽!!!」

ボロボロになった京楽を、浮竹が抱きとめる。

浮竹も全身の衣服がずたぼろで血にまみれていて、京楽と同じくらいボロボロだった。

「浮竹?」

「気づいたのか、京楽」

「あ、ボクは君を!うわああああ!!」

「落ち着け!もう、お前の中のサタンは封印されたから!俺はなんともないから、だから落ち着け」

「あああ、ボクは愛しい君を傷つけた」

京楽はたくさん泣いた。

浮竹も、同じようにたくさん泣いた。

「俺は生きてる。京楽、お前が元に戻ってよかった。幽鬼の京楽のお陰だ」

「幽鬼のボクの?」

『ボクは、君の中のサタンを封印したけど、きっかけは君の中に残った白猫の君を愛する心だよ。その心を強く輝かせて、君の中のサタンを封印した。もう、サタナシア・オルタナティブは存在はするけど、二度とサタンにはなれない。サタナシア・オルタナティブは君と混じりすぎて封印できないからね』

「浮竹、ボクはまだ君の傍にいていいのかな?」

「俺は、お前のいない世界なんていらない。だから、傍にいてくれ」

「うん」

浮竹と京楽はお互いを抱きしめあって、キスをする。

『おかげで、俺も魔力がほとんどない』

『ボクも‥‥‥‥』

幽鬼の京楽は、力を全て出し切って、魔王の浮竹の腕の中で静かになった。

もう鬼のような外見ではなく、いつもの幽鬼の京楽の姿だった。

浮竹と京楽は、失ってしまった命までは取り戻せないが、瓦解した建物を魔法で修復していった。魔王の浮竹も、魔力を国宝にした浮竹の白涙石で回復させて、瓦礫となっていた城を元に戻していく。

「ごめんね、浮竹」

「いいんだ、京楽。お前が元に戻ってよかった。死んでしまった人たちは、冥福を祈るしかないけど」

『死者への追悼と遺族への補償金はこちらで出しておくから』

「すまない、魔王の俺。幽鬼の京楽は?」

『眠っているだけだ。心配するな』

「よかった」

「ほんとによかったね。幽鬼のボク、ボクの中のサタンを封印してくれてありがとう」

浮竹と京楽は、幽鬼の京楽に魔力を分け与えた。

ほんのり、青白いかった顔に赤みがさす。

京楽の中には、サタナシア・オルタナティブがまだいるが、京楽と混じりすぎたせいでもう封印はできない。

その意識を沈ませて、支配していくしかない。

幽鬼の京楽は、力のほぼ全てを出し切ったせいで、1週間ばかり休眠モードに入った。

浮竹と京楽は、幽鬼の京楽の回復を祈りつつ、魔王の浮竹に見送られて、自分たちの家に戻る。





「京楽、愛している」

「ボクもだよ、浮竹」

どちらともなく、衣服を脱いでキスをしながらお互いの体を弄っていく。

お互い、傷が残っていないかを確かめあいながら。

「あっ」

胸の先端を甘噛みされて、浮竹が声を漏らす。

「やっ」

京楽の手が、浮竹のものに伸びる。こしこしと音をたてられて、しまいにはじゅぷじゅぷと水音をたてていじくられて、浮竹は精液を吐き出す。

「んあああ!」

「早く、君と一つになりたい」

潤滑油を手に、指で浮竹の蕾を性急にほぐしてから、ずっと音を立てて侵入する。

それだけで、浮竹はドライでいっていた。

「あ、あ‥‥‥」

「奥まで、いくからね?」

「んあ、お前の子種をたくさんくれ」

浮竹は自分から足を開いて京楽を迎え入れる。

「ん、んあ、いい」

ぐちゅぐちゅと内部を犯す熱に、浮竹の瞳がトロンとなる。

「あ、あーー」

京楽が最奥を貫いて揺さぶると、浮竹は射精しながらドライでいっていた。締め付けがきつくなり、京楽も浮竹の中に出してしまう。

「はぁ‥‥君の中、うねっていてすごい」

「もっと子種ちょうだい」

浮竹は、京楽の背に手を回して口づける。

「ひあ!」

ぱちゅんと音がたつくらい、深く早く挿入されて、浮竹はまたいっていた。

「んあああ、京楽も、いってえぇ」

「うん、ボクもいく」

京楽は、浮竹の最奥で子種を吐き出す。

「もっと、京楽のザーメン奥にちょうだい?」

ねだってくる浮竹に、京楽はこたえる。

騎乗位になると、京楽は下から浮竹を後突き上げた。

「ひあ、これ、深くてすきぃ」

浮竹は、ゆっくり引き抜いて、自分から腰を落として乱れる。

「んあ、奥まで届いてるう」

ぐりぐりっと奥を抉られて、浮竹は背をしならせていっていた。

「まだ、終わりじゃないからね?」

「ひあああ、奥にくるのおお。太くて熱いの、奥に当たってるうう」

浮竹は宙に白い髪を乱して大胆に動く。

「あ、いくうううう」

激しく中いきをして、京楽もその締め付けに浮竹の胎の奥に子種を注ぎ込む。

びゅーびゅーとたくさん注ぎ込む。

浮竹のお腹は、ぽっこりと膨らんでいた。

それでも、まだ終わらない。

「あああ、もう無理ぃ」

「ボクの全部をあげるから、もう少し、ね?」

「ひあああん」

京楽は、正常位で浮竹を抱いた。

舌を絡ませあうキスをしながら、京楽は浮竹の中を犯す。

「あーーーいくうう♡」

浮竹は、ついには潮を吹いていた。

お互いの無事を確認するように、お互いが生きているのだと証を刻むように乱れる。

「あ、あ♡あついの、くるのおお♡」

浮竹は、京楽のものを貪欲に飲み込む。そして何度も中いきをする。

「あ、きもちいい。あ、あーーー」

京楽は最後の一滴までを浮竹の中に注ぎ込んで満足する。

交わり続けて、落ち着いた頃にはシーツも体も精液と潤滑油でドロドロだった。

「お風呂、入ろうか」

「体力が残ってない」

「ボクが連れていくから」

浮竹をお姫様抱きにして、熱いシャワーを浴びて体と髪を洗い、浮竹の中に出したものをかき出してから湯につかる。

「寝てしまう」

「いいよ。疲れたでしょ。おやすみ」

「うん。ちょっと、眠る」

京楽は、暴れたが不思議と疲れてはいなかった。

浮竹は泥のように眠る。

京楽は、そんな浮竹を抱きしめて、衣服を着せて髪の水分をとってから、シーツを変えた一緒のベッドで眠るのであった。

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黒猫と白猫の亜人42

「ねぇ、白哉君。ボクのイメージってどんなかんじ?」

「ん?兄は‥‥‥浮竹が大好きなアホだな」

白哉に面と向かってアホと言われて、京楽はズーンと沈む。

「兄はアホでもいいのだぞ。明るい兄がいるおかげで、浮竹は健やかでいられる。兄は猫になるとかわいいしな。兄がどうであれ、浮竹は兄を愛しているだろう」

「うん、それは知ってる。最近、サタン君にアホって言われて、言い返そしたけど周りの猫からアホって言われて悩んでたんだよ」

アホでいることに、罪はない。

アホでいたほうが、楽しいこともある。

肝心な場面さえしっかりしておけば、アホだってアホなりにやっていける。

「お主、そんなことを考えるなどやはりアホだのお。我もアホだが」

サタンは、自分を偉大といいながら、たくさんの雌猫としっぽりしたりするアホだと自分でも認めていた。

「アホであるがゆえにたまにミスもするが、アホであるがゆえに許される。がはははは!我はサタン!アホ猫キングである!」

「アホ猫キング。そこまで自信満々に言えるなんてすごい」

京楽は、ちょっときらきらした瞳でサタンを見る。

「夜にな、ごにょごにょ」

サタンからごにょごにょを教わって、京楽は実行に移した。

「このダアホがあああああ」

「ぎにゃああああああああ」

京楽は、ごにょごにょしたテクニックで夜をしっぽりしようとして、浮竹に蹴られていた。

「く、サタン君、上級者じゃないとごにょごにょはできないみたい」

京楽は力尽きた。

「たまにはサタンのところで寝ようっと」

「ええ、浮気!?」

京楽が立ち上がって、浮竹を止めようとする。猫の姿になっていたが。

浮竹も猫の姿で、サタンのところに行くことしたが、自分だけで行くと言い張った。

「俺は、サタンと一緒にただしゃべって寝たいだけだ。浮気じゃない」

「サタン君のところには今3匹の夫人がいて、子猫もたくさんいるんだよ?」

「だからいいんじゃないか。家族の一員になれたかんじで。じゃあ、俺はサタンのところに行ってくる。お前は勝手にしろ」

「そんなあああ」

浮竹は、本当にサタンの元に行ってしまった。

「よう浮竹。3夫人と子猫たちと共に、来訪を歓迎するぞ。我はサタン!アホ猫キングなり!ワハハハハハハ!!」

「アホ猫キング!」

浮竹は目をきらきらさせていた。

『ふふ、楽しんでるみたいだね』

「うわぁ、びっくりした」

「ぎにゃああああ」

サタンの影から幽鬼の京楽が出てきて、浮竹はびっくりする。

サタンにいたっては、ひっくり返っていた。

『あはははは!サタン君ひっくり返ってる。おかしー』

「う、うるさい!我の影からいきなり出てくるからだ!我は偉大なる悪魔猫サタンなり!」

「悪魔王じゃなくなってる」

浮竹は楽しそうに笑う。

「お前がきてるってことは、魔王の俺も来てるのか?」

『うん。白哉君ところに、君たちを魔王城に招待したいって、言いにいってるよ』

「そうか。じゃあ、魔王の俺のところに行こう」

「魔王城か。我も行ってみたい」

『いいよ』

「え、いいのか?一応、元悪魔王だぞ。今は猫だけど」

浮竹が心配そうな声を出すと、幽鬼の京楽は楽しそうにまだ笑っていた。

『浮竹もサタン君のこと気に入ってるからね。別に問題はないはずだよ』

白哉のところに行くと、魔王の浮竹と京楽がいた。

「京楽のダアホ」

「浮竹、ごめんてばぁ」

『お、サタンも一緒か』

『サタン君も魔王城にきたいんだって。いいよね?』

『ああ、別に構わんぞ。それにしてもかわいい姿になったな、元悪魔王サタン?』

「にゃっ!魔王め。我は偉大なる悪魔猫サタンなり!」

こうして、サタンも一緒に皆で魔王城に向かった。

サタンは猫だが、元悪魔王だけあって、紅茶も飲むし紅茶クッキーも食べた。

猫だけど。

『チュールいるか?』

「は、はやくよこせ!ここのチュールはなんなのだ!うますぎる!!」

サタンはチュール一本で魔王浮竹の手に落ちた。

ちょろすぎた。

『サタン君って、やっぱちょろいよね』

「ふ、それもまた我の魅力なのだ。我はサタン!偉大なる悪魔猫ぞ!アホ猫キングでもある!」

その宣言に、魔王の浮竹がぶっと吹き出して笑い出した。

『サ、サタン、お前こんなにかわいくなってしまって』

「チュールもっとよこせ」

サタンはチュールをいっぱいもらった。

浮竹と京楽も、沢山ではないがそれなりにもらって、満足していた。

魔王の浮竹は、猫じゃらしを取り出して、サタンの前で振る。

「にゃっ!」

サタンは猫なので本能に抗えない。

「にゃにゃにゃ!我はこの程度では‥‥うにゅ、楽しいのだああ」

サタンが魔王の浮竹と幽鬼の京楽と仲良くしているシーンを、浮竹と京楽は和んでみている。

「魔王浮竹、覚悟!」

突然、下女の一人がナイフを手に魔王の浮竹を刺そうとする。

それを、京楽がナイフを叩き落とした。

「ボクの友人に手を出すのは、許さないよ?」

『君の言う通りだ。ボクの浮竹に手を出そうとしたね?消えて』

「ぎゃあああああああ」

下女は干からびて灰となった。

「がははははは!やるな、幽鬼の京楽」

『ふふ、サタン君も猫だけど元悪魔王なのに、魔王の国にくるなんて度胸あるね?』

「猫なってしまった我が動いた程度では、悪魔族は動かぬ。悪魔族はもともと魔族と共存しているしな。がはははは、我は魔王、お主と同盟を築いてもいいぞ」

『お、いいな。俺は和平条約を結びたい』

「よかろう。我が血をもって、我ら悪魔族は魔族と和平条約を結ぶものとする!」

サタンは、猫になっても悪魔族の長であった。その日、悪魔族たちは皆、魔族との和平条約の締結を喜んだ。

「では、運動してくるゆえ、浮竹、京楽、お主らもつきあえ」

サタンは、浮竹と京楽を連れて魔王城を散策しはじめる。

「魔王と平和条約結べるんだな、サタンは」

「すごいね」

「はははは、我は偉大なり!我はサタン!悪魔猫であるぞ!」

魔王城でも、サタンはサタンなのであった。



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黒猫と白猫の亜人47

「にゃーん(しっぽりしない?)」

「にゃんにゃん(京楽さん、前みたいにしっぽりしましょうよ)」

猫の発情期の季節がやってきた。雌猫たちは亜人でもあるが猫の姿をとれる浮竹と京楽ににゃんにゃん言いながら、交尾を迫ってくる。

猫の亜人とただの猫の間には子が成せないが、それでも浮竹と京楽は人気があって、猫の姿でいると襲われそうなので人の姿をしていた。

「あいにくだけど、浮竹と結婚してるからしっぽりはできないよ」

「俺もだ。しっぽりはできない。しっぽりするなら、サタンはどうだ?」

「にゃあにゃあ(あら素敵。サタン様の子を宿したいわ)」

「にゃーーん(サタン様がいたわ!夫人じゃないけどしっぽりしましょう)」

雌猫たちは、こぞってサタンの元に赴いた。

「わはははは、苦しゅうないぞ。夫人にはできぬが、我としっぽりしたいかわい子ちゃんはまとめてしっぽりしてやるぞ」

サタンががぜんやる気で、たくさんの猫としっぽりした。

ただし、一応避妊はしていた。

たくさんの猫との間に子供ができたら流石にやばい。

一気に50匹くらい子猫が増えてしまうかもしれない。なので、サタンは白哉の作った猫用コンドームをつけてたくさんの雌猫たちとしっぽりした。

雌猫たちはサタンが避妊しているのに最初は文句を言っていたが、そのテクニックで天国を味わい、満足して去っていく。

「うむ、流石に大勢を相手にして疲れたな。しかし、夫人であるジョセフィーヌちゃんとリリムちゃんとバニーちゃんとは発情期の間にしっぽりして子猫を産んでもらわねば」

サタンの子は人気が高く、貴族の間で予約ができるほど貰い手がいる。

なので、白哉がサタンに子を夫人との間にならばもうけてもいいと言っていて、サタンもかわいい我が子をまたみたいので、猫になって3回目の発情期の夫人たちの間に子を12匹もうけた。

「かわいいねぇ」

「かわいいなぁ」

「かわいい」

うまれてよちよち歩きするサタンの子猫たちは、やっぱり小さな黒い翼があるが悪魔ではない。

浮竹と京楽も白哉も、そんなサタンの子猫がかわいすぎてもふっている。

「にゃーん」

まだ子猫なので、何を言っているのか分からないが、きっとお腹がすいているのだろうと夫人の元に戻すと、よちよち歩きでおっぱいのところにいって母乳を飲みだす。

「にゃーん(浮竹さん京楽さん、白哉様にありがとうと言って。白哉様のお陰で今があるのだから)」

ジョセフィーヌちゃんの言葉を白哉に伝えると、白哉は淡く微笑みながらジョセフィーヌちゃんの頭を撫でる。

「かわいい、私の家族だ」

「む、では我も家族か?」

「そうなるな。サタンも私の家族だ」

「ぬおおおおおん。人と家族になるなんて嫌だっと思っていたが、白哉となら家族になってもかまわないのである。我はサタンぞ!」

サタンは漢泣きして、それからひょいっと白哉の肩に乗る。

「苦しゅうないぞ。我をもふるがいい」

白哉は、サタンをもふった。

猫じゃらしで遊んで、チュールをあげる。

「あ、俺も」

「ボクも」

猫の姿になった浮竹と京楽も白哉と遊んでチュールをもらった。

「うーん、やっぱチュールおいしいな」

「おいしすぎる」

浮竹と京楽は猫の間は味覚も猫なので、チュールのおいしさの虜になる。

白哉は猫じゃらしをサタンだけでなく、浮竹と京楽にもむける。

「にゃにゃ!」

「にゃ!」

猫の亜人とはいえ、猫でいる時間も多いので、本能的に猫じゃらしを追いかける。

『おーい、遊びにきたぞ』

そこに、魔王の浮竹が現れた。後ろには幽鬼の京楽もいた。

『お、遊んでいるのか?白哉、俺にも猫じゃらしを』

「兄の分までないので、私が使っているこれを使え」

魔王の浮竹は、白哉から猫じゃらしを受け取ると、浮竹と京楽の前で振る。

「にゃっ!」

「にゃん!」

すっかり猫モードになった浮竹と京楽は、猫じゃらしにじゃれつく。

『京楽、ねずみのおもちゃあっただろ。使ってみろ』

『うん』

ねずみの形をした走るおもちゃに、浮竹と京楽が夢中になる。

『かわいいなぁ。やっぱほしい』

「いくら魔王の兄とはいえ、浮竹と京楽は私のものだ。やれぬぞ」

白哉は、浮竹と京楽の家族である。

『分かっている。言ってみただけだ。この二人を連れて魔王城に行くが、問題ないな?』

「かまわぬ。ただ、最近京楽がちょっと食べすぎなので、チュールは数を控えるように」

『だそうだぞ、黒猫の京楽』

「えー。ダイエット必要かな?」

『そこまではいかないでしょ。運動をその分しっかりすればいいだけだよ』

幽鬼の京楽が、黒猫の自分を抱いてその体重にそれほど重くないと言う。

「昨日は浮竹としっぽりしたしそれなりに運動に」

浮竹から猫パンチをもらい、京楽は黙り込む。

ふしゃあああと逆毛を立てる浮竹。

京楽は耳と尻尾をたらして、反省する。

「それでよろしい」

「はい」

『別に隠さなくていいだろう。お前たちは結婚してるんだし』

『そうだね。結婚してるんだし』

「それでも恥ずかしいものは恥ずかしいんだ!」

浮竹は猫の姿のまま、魔王の自分の腕に抱かれて顔をこすりつける。

『くすぐったいぞ』

浮竹は、ずっとそうしているのであった。照れ隠しのつもりが、甘えたかんじになるのであった。


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"ココはカウンター設置場所"