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桜のあやかしと共に36

凍えるほどに寒い。

季節は春なのに、そこだけ冬。

冬の王である椿の王、日番谷冬獅郎は、氷でできた城に、氷の玉座に一人で座っていた。

身の回りの世話をするのは、氷でできたただの人形たち。

あとは、氷の精霊たちがたまに冬獅郎の元を訪れる。

「椿の王。桜の王が、謁見したいと」

「春の王の桜の王が?冬の譲渡は終わっただろう」

「それが、長老神のことについてと」

氷の精霊は、冬獅郎が氷で作った花から生まれた。

「話すことは何もない。帰ってもらえ」

「はい」

氷の精霊は、浮竹と京楽に帰るように促したが、浮竹は門前祓いする冬獅郎の態度にカチンときて、勝手に氷の城に入っていく。

「ちょっと、十四郎、無理やりはまずいんじゃないの」

「椿の王は、3千年も生きているのに、見かけも中身も、子供だ。中身は大人びてはいるがな」

氷の玉座に、冬獅郎はいた。

「椿の王」

「誰だ」

「桜の王だ」

「桜の王?帰れと伝えておいたはずだぞ」

「門前払いはないだろう。少し話をしないか」

「きたれ、氷の精霊たち。こいつらをつまみ出せ」

現れた氷の精霊たちは、浮竹と京楽をもちあげて、窓から放り投げた。

「同じ王に対して、随分な真似をしてくれるな」

桜でできた翼をはためかせて、浮竹は京楽を抱えて、窓から氷の城にまた入ってきた。

「しつこい大人は、嫌われるぞ」

「いつまでも子供のままのじじくさいガキも嫌われるぞ」

「やるつもりか?」

「そっちがその気なら」

冬獅郎の言葉に、受けて立つと浮竹が。

「ちょっと、二人ともケンカしないで。王同士なのに、レベルが低いよ」

京楽のもっともな言葉に、浮竹がまず非礼をわびた。

「いきなりですまない。長老神の藍染が動きだした。こちらに被害はないか」

「被害など、何もない。ここにあるのは俺と氷だけ。他の冬の花の精霊たちは、氷輪丸が見て、接している」

氷輪丸とは、元々冬獅郎のもっていた日本刀であった。

妖力を帯びていて、人の形になれる上に、冬獅郎のように冷たくなく、冬の花のあやかしである精霊たちに人気であった。

いっそ、冬の王になればいいと言われるほどに。

「俺は孤独だ。俺は一人だ。長老神が手を出すとしたら、氷輪丸のほうだろう。だが、氷輪丸の元には、俺が強い結界をはってある。たとえ長老神でも、やすやすと手は出せないだろう」

「そうか。長老神は、春の王である俺と、秋の王である卯ノ花に、手を出してきた。そして、夏の王である朝顔の王市丸ギンは、長老神‥‥藍染の下についている」

「市丸が?」

「ああ、そうだ」

浮竹と京楽は、立ち話もなんだからと、氷の椅子と机を冬獅郎が作りだす。

はじめは冷たいだろうと避けていたが、温かくて、そのまま氷の椅子に座って話をしていると、氷の人形が暖かな蜂蜜の入った紅茶をもってきた。

「他にあやかしはいないのか?」

「たまに用があってくる氷の花のあやかしと、氷輪丸くらいだ。後は誰も会いにこない」

「さみしくないの?」

京楽が聞くが、冬獅郎は冷めた目で氷の玉座を見た。

「氷の王は、死と終わりを司る。春の王の生と始まりと正反対の。だから、誰もよってこない。冬の花のあやかしたちの面倒は、俺の刀でもある氷輪丸が見ている」

「じゃあ、俺と友達になろう」

「はぁ?」

浮竹のいきなりの提案に、冬獅郎が素っ頓狂な声を出す。

「桜の王である俺と友達になれば、春の花のあやかしとも仲良くなれるぞ」

「別に、そんなの‥‥‥」

「じゃあ、今日から俺と冬獅郎は、友達な。こっちの京楽も、友達だ」

「はぁ。勝手にしてくれ」

浮竹と京楽は、それから冬獅郎の氷の城を度々訪れるようになった。

はじめは氷の人形のようだった冬獅郎も、喜怒哀楽を現して、凍てついているはずの氷の城は、春の温かさに満ちていた。

一人、また一人と、冬の花の精霊たちが冬獅郎の元を訪れて、冬獅郎の好きな甘納豆やら、お菓子やらをもってくる。

「浮竹、お前のせいだぞ」

「何がだ?」

「凍てついていた俺の氷の城と心を溶かしていった」

「それは何よりだ」

浮竹が無邪気に笑う。冬獅郎は、赤くなってうつむいた。

「まぁ、悪くはない。お前と、友になったことは」

「ボクは?」

京楽は一人置いて行かれたかんじで、寂しそうにしていた。

「お前は、浮竹のパートナー。俺にとって、それ以下でもそれ以上でもない」

「そんなぁ。ボク、これでも冬獅郎くんの友達のつもりなのに」

「ど、どうしてもというなら、友達になってやってもいい」

甘納豆をお土産にもってきた京楽を見て、冬獅郎はそう言った。

「全く、3千年も生きてるそうだけど、お子様だねぇ」

「俺を子供扱いするんじゃねぇ!」

ぱぁぁぁと氷の花が咲き、それは京楽を凍てつかせせようとする。

京楽は、冬獅郎に近づいてデコピンした。

「な!」

「友達に、攻撃は厳禁だよ」

「‥‥分かった」

「じゃあ、この甘納豆あげるね」

「今、蜂蜜入りの紅茶を出す。氷の人形たちにクッキーを作らせたから、お茶していけ」

冬獅郎は、この前作った氷の机と椅子を使うように指示した。

「椿の王は、かわいいなぁ」

浮竹の言葉に、冬獅郎は反論する。

「かわいいのは、お前のほうだ」

「そうか?」

「うん、ボクには二人ともそれぞれ違ったかわいさがあると思うよ」

「京楽、甘納豆早くよこせ」

「ほら、こんなとことかかわいいでしょ?」

「確かにかわいいな」

かわいいかわいいと言われて、冬獅郎は赤くなる。

前は怒って氷の花を出して刃になったが、今は氷でできた薔薇を咲かせる。氷の薔薇は、始まりでもある浮竹の妖力に反応して、あやかしとなって命を与えられて、氷の人形たちの中に、感情のあるメイドとして混じった。

今では、冬獅郎の世話をする者の7割が、氷の精霊であった。

「浮竹、お前がいてくれたおかげで、俺は嫌いだった冬が少し好きになりそうだ。春のお前が友になってくれたおかげで、俺の周囲も賑やかになってきた。もう、氷輪丸だけに冬のあやかしの相手をさせない。俺も責任をもって接しよう」

「俺のほうこそ、友人になってくれてありがとう、冬獅郎」

「ボクもボクも」

「京楽、お前の存在はどうでもいい」

「酷い!」

冬獅郎は、くすくすとあどけない顔で笑う。3千年を生きているが、まだまだ子供だった。

「春がくるには冬が必要だ。冬は命を芽吹く準備の季節だ。死と終わりだけの世界じゃない」

「ああ」

冬獅郎は頷いて、氷のメイドがもってきてくれた蜂蜜入りの紅茶を飲み、クッキーと、京楽からもらった甘納豆を食べる。

「冬獅郎、今度はお前が俺と京楽の家に遊びにきてくれ。弟がいるんだ。紹介したい」

「俺なんかが、遊びにいっていいのか?」

「ああ、大歓迎だ」

「でも、この氷の城を抜け出したら‥‥‥」

「大丈夫だ。もう、冬獅郎は一人じゃない」

「そうだな。明日、お前たちの家とやらに、遊びに行く」

そこで、妖狐の浮竹と夜刀神の京楽と会うのだが、それはまた別のお話である。





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それでも勇者。

新勇者は、パーティーメンバーに置いてけぼりにされた。

町の外にあるスラム街で、浮浪児になっていた。

勇者の力を使い、モンスターを討伐していたが、報酬金はワイバーンを退治にいったパーティーメンバーに支払われるようになっていて、金に困り、勇者教でしばらく世話になったあと、町の外でモンスターを狩って、素材を無法で売っていた。

「ああ‥‥‥俺の仲間はどこへ。いい加減、風呂にも入りたいし、魔王城にでもいくか」

浮浪児をしていたので、1か月風呂に入っていなかった。

魔王城にいくと、鼻をつまんだ京楽に、風呂場に連れていかれて、湯に突き落とされた。

「くさいよ、君。仕方ないから、替えの服とか用意してあげるから、綺麗になってから浮竹と会ってね?」

「久しぶりの風呂だああああ!やっほう!」

はしゃぐ新勇者を見て、京楽はため息をついた。

「パーティーメンバーのリーダーで要なのに、どうしたら置いていかれるのかな?」

女僧侶から、事前に新勇者がくるかもしれないが、適当に相手をしてやってくれと言われれていた。

時刻は夕刻で、京楽は浮竹と一緒に、シェフが調理した料理を食べていた。

新勇者は、それを見て盛大に腹を鳴らすので、浮竹は猫まんまをあげた。

「うまい!久しぶりの、残飯じゃない食事だ!」

嫌がらせのつもりもあったのだが、新勇者は猫まんまを喜んで食べた。

「ねえ、君なにしたの?」

「ん?パーティーメンバーの金を着服して、新しい鎧を買っただけだぞ?」

「あー。そいうことするから、置いてけぼりにされるんだよ」

「新勇者である俺のために、金はあるんだ!」

「だめだこりゃ」

京楽は、新勇者の猫まんまのおかわりをあげた。

「今日は、俺の誕生日なんだ」

新勇者は、寂しそうにしていた。

「祝ってやろう」

浮竹の言葉に、新勇者の目が輝く。

「プレゼントは、ミスリルの籠手でいいぞ」

「チュールをやろう」

「俺は猫じゃない‥‥‥でも、チュール美味。もっとちょうだい」

新勇者は、自分が人間であることを放棄しかけていた。

「魔王、俺を飼ってくれ」

「いやだ」

「そう言わず」

「だって、新勇者変態だから」

「う、それは否定できない」

新勇者は、自分が変態であることを理解していた。それに驚いたのは、浮竹と京楽だった。

「自覚あったんだ」

「自覚あるのに直さないとは、相当なものだね」

「にゃーにゃー。チュールもっとくれーーーー」

猫になりきった新勇者は、新スキル「憑依」を使って猫の霊を憑依させる。

浮竹にすり寄って、浮竹は鳥肌を立てながら、新勇者を蹴った。

「にゃおおおおおおおおん」

「どうなっているんだ?」

「鑑定してみるね‥‥猫の浮遊霊を、憑依させたみたいだよ」

「祓えないのか?」

「祓えるけど、このままのほうが平和じゃない?」

「それもそうだな」

こうして、新勇者は猫のまま半月を過ごした。

戻ってきた新勇者のパーティーメンバーは、すっかり猫になってしまった新勇者を殴り倒して、猫の霊を追い払う。

「はっ!俺は、今まで猫に!?」

「キャラがかぶるから、一緒はいやなのにゃ」

獣人盗賊がそう言った。

「世話になった、魔王浮竹、勇者京楽。世話になっ礼に、裸踊りでも‥‥」

「新勇者パーティー。今度から、新勇者を放置しないでね。しわ寄せがくるのはこっちなんだから」

京楽がため息を零す。

「分かったにゃ。奴隷として、連れていくにゃ!」

「俺はパーティーリーダーだぞおおお」

「あ、それ俺が新しいパーティーリーダになったから」

少年魔法使いが、衝撃の事実を新勇者に明かす。

「俺は新勇者だ!勇者だぞ!?」

「勇者でも、生理的に無理なのよねぇ」

女僧侶は、新勇者から距離をとる。

「まぁ、諦めて新しいこのパーティーの戦闘奴隷になるにゃん」

獣人盗賊は、チュールを手に新勇者を誘惑する。

新勇者はチュール中毒になっていた。

「チュールがもらえるなら。(*´Д`)ハァハァ」

「にぎゃああああああ!!!」

獣人盗賊に襲い掛かる新勇者を、少年魔法使いが燃やす。

「あああああ!!!気持ちE--------!!!」

「魔王浮竹、勇者京楽。このまま、新勇者を引き取る気はないか?」

二人は、首を左右に振った。

「猫になってた間、いろいろ調度品壊すし、チュールは1日30本は食うし、キャットフードは高級なものしか食べないし。かろうじで許せるのは、自分でトイレいったり、風呂に入れたからだね。でも、新勇者だからかわいくないし」

「京楽ばかりになついて、俺をひっかいてくるしな」

「よく、新勇者を追放しなかったのにゃん?」

「パーティーメンバーのお前たちがいないからだ。勇者教の者に渡そうとしたら、思いっきり野糞して、勇者教の者に投げていた」

「猫になってても、変態なのにゃん。困ったのにゃん」

「困ったのはこっちだよ。預かっている間にかかった金貨300枚、どうしてくれるの」

「し、知らないわよ!

「そうなのにゃん」

「お前たちが飼っていたんだろう。自腹にしろ」

「そ、それがいいと思うっす」

パーティーメンバーたちの声に、京楽も浮竹も、顔を見合わせて。

「そこに立って。新勇者も」

「チュールくれるか?」

「あとであげるから」

白い紐を、浮竹が引っ張る。

がこん。

音がして、新勇者とそのパーティーは、落ちていく。

「のわああああ、牛糞があああ」

「いやああ、この服買ったばかりなのにいいい」

そんな悲鳴を聞きながら、今度は京楽が赤い紐をひっぱる。

ゴゴゴゴゴゴ。

水が流れてきて、新勇者達は、水洗トイレのように流されていくのであった。



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桜のあやかしと共に35


「恨めしや。我を封印したあの男が憎い。我は復活をはたした。あの男を、今度こそ食い殺してくれる」

それは、飛頭蛮(ひとうばん)であった。

今から150年以上も前に、来栖春(くるすはる)、通称「春」に封印された人食いをしたあやかしであった。

150年が経ったことにも気づかず、また「春」がもうこの世にいないことも理解していなかった。

人間はただのえさ。

飛頭蛮は幼稚な頭で、考える。

どうすれば「春」を食い殺せて復讐できるのか。どうすれば「春」を悔しがらせれるのか。

たどり着いた答えは、「春」の大切なあやかしである、桜の王を食い殺すこと。

己の力の限界など知らず、まして桜の王ほどの妖力の高いあやかしにかなうことこないのも知らず、愚かな飛頭蛮は夜をさ迷うように空を飛び続け、人を襲うのであった。



「飛頭蛮が、「春」に復讐しようと、無差別に人を襲っているんだ。すまないが京楽、囮になっれくれるか?」

「その飛頭蛮って、「春」が死んでしまったことも知らないの?」

「150年前に、「春」が封印したあやかしだ。少ししか知性がないので、150年経ったことも、「春」がもういないことも知らないし、理解できないだろう」

「祓うしかないね」

「ああ。当時は封印だったが、今度は完全に消滅させてしまおう」

浮竹の言葉に、京楽は頷く。

飛頭蛮退治の用意をばっちりして、玄関で浮竹を待っていると。

「京楽、こっちだ」

浮竹がベランダに出て、手招きをする。

ちょっと行儀が悪いが、靴をはいたまま部屋を横切って、浮竹の元へ行った。

「飛頭蛮は野蛮だ。二人とも、気をつけろ」

寝ていたと思っていた白哉が、そういうとまた寝に部屋に戻ってしまった。

「どうしたの、浮竹」

「ここから移動する」

「へ?もぎゃああああああああああ」

京楽は、35階から浮竹に突き落とされた。浮竹も一緒に落ちていく。

地面にぶつかる!そう思って、目をぎゅっとつぶると、ぼふんと柔らかい何かに受け止められた。

「異界送りをした。ここは、異界にある俺の住処のベッドだ。危なくなったり、飛頭蛮は空を飛ぶから、退治しにくいと思う。何かあったらここに閉じ込めてくれ。今の京楽なら、思い描くだけで異界のゲートが開けるだろう」

「う、うん」

飛頭蛮が出るという町にやってきた。

異界を通ってきたので、すぐについた。

「京楽、異界のゲートをあけてみろ」

「分かったよ」

京楽は、異界を開くようにイメージした。目の前で空間が歪み、異界への入り口が開く。

「匂う、匂うぞ。憎き来栖春の匂いだ」

早速、飛頭蛮が現れた。厄介なことに、1匹ではなく3匹いた。

「縛!」

「効かぬ効かぬ。人を食って力をつけた。その程度の術は、我に効かぬ」

「そうよそうよ。憎き人の子め」

「来栖春、お前を食うのだけを目標に封印されてきたのだ」

「耳障りなあやかしだ」

浮竹が桜の花びらを吹いて、落雷を落とすが、ぴんぴんしていた。

「意外とタフだな?」

「くくくく」

「あはははは」

「くすくすくす」

笑う飛頭蛮たちに、京楽は桜鬼の姿になって、また術を使った。

「縛!」

「うぎぎぎぎぎ」

動きを封じれたのは一瞬で、飛頭蛮は浮竹に遅いかかった。

「来栖春の大事な大事な桜の王を食ってやる」

「桜よ!」

桜の花が咲き、幻影の浮竹を飛頭蛮は食う。

「桜の王、なぜ人の子を庇う。それは、我らあやかしの敵の術者ぞ」

「京楽は、「春」じゃない」

「異なことを。同じ匂い、同じ姿、同じ声」

飛頭蛮の一匹が、避けきれなくて浮竹の肩に嚙みついた。

「おお、なんといく美味よ。お前らも、食え食え。桜の王を食って、力をつけてもっと人間を食べるのだ」

「十四郎、大丈夫?」

「ああ」

京楽は、すぐに治癒する。

「十四郎を傷つけた罪、死んで詫びろ」

「京楽?」

京楽は、どこからか日本刀を出した。それは白哉のもつ千本桜に似ていて、桜の花びらをまとい、頭上に掲げると術が発動した。

「極滅破邪!天雷!」

「ぎゃあああああ」

「ひいいいいいい」

「うぎゃああああ」

飛頭蛮たちは、悲鳴を上げて飛び回る。

「これでもまだ死なないの。図太いねぇ。十四郎、一緒にいくよ!」

「ああ」

「「極滅破邪・天焔」」

異界のゲートに、逃げる飛頭蛮たちを押し込んで、閉ざされた空間に向けて、術を放った。

「我は‥‥‥こんなところで‥‥」

そう言って、飛頭蛮たちは息絶えた。念のために死体を浄化して、終わった。

「十四郎、傷見せて。咄嗟だったから、うまく治癒できてないはずだよ」

「大丈夫だ」

「だめ。もう1回治癒する」

浮竹の肩の傷はもうほとんど残っていなかったのだが、片鱗さえないように京楽は治癒術をかけた。

「依頼達成だな。京楽をただの人間と思い、「春」と間違えるからこうなるんだ」

飛頭蛮たちを倒した浮竹と京楽は、父を食い殺されたという依頼者に会って、退治し終わったことを報告し、報酬金をもらった。

「帰ろう」

「うん」

京楽は人の姿に戻っていた。

「なんで‥‥「春」が封印したのに、復活したんだろう」

「封印が時間が経って、効果がきれたんじゃんないか?」

「そうかもね」




「飛頭蛮ごときでは、傷を少しつけるだけかいな。まぁええわ。桜の王の血液は手に入れたからなぁ」

闇の中で蠢く影は、そう言って姿を消そうとする。

「藍染様に、渡すか」

[春」の封印を解いたのは、夏の王である朝顔の王の市丸ギンであった。

長老神の、忠実な部下である。

「まぁ、暇つぶしにはなったわ。また、遊ぼな」

去っていった浮竹と京楽を見送って、市丸はくすくすといつまでも笑い続けるのだった。


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桜のあやかしと共に34

『精霊の俺、たっぷりしっぽりしたんだな。桜鬼の匂いがいつもの10倍は濃い』

浮竹は妖狐の浮竹にハリセンをかませて、自分の腕のにおいをかいでみた。

「何も匂湾ないぞ」

『そりゃ普通ね。君の体内から、匂いがするから』

夜刀神にそう指摘されて、ハリセンではたきながら、浮竹は顔を真っ赤にしていた。

「いやあ、一昨日はしっぽりしたよ。十四郎、かわいかったなぁ」

「京楽、お前まで!」

浮竹は、自分のパートナーである京楽にもハリセンをかますのだった。


時は、一昨日に遡る。

満月の夜で、桜の血が騒ぐのか、京楽は桜鬼の姿になっていた。

瞳の色は桜色じゃなくて、血のような深紅。

けれど、力のコントロールを覚えているので、暴走することはなかった。

「京楽、そのまま桜鬼の姿で暴走することもなかったら、褒美を何かやろう」

「いいね。欲しいの、決まってるんだ」

「金をもつお前がほしいものってなんだろうな?珍しい」

京楽は、深紅の瞳のまま桜鬼の姿で一夜を過ごし、浮竹から褒美をもらえることになった。



「褒美は、浮竹が欲しい」

そう言いだした京楽に、浮竹は呆れた顔をする。

「もう、俺はお前のものだろう」

「そうじゃなくって、しっぽりね?桜鬼の姿のままやりたい」

「はぁ!?却下だ、却下」

京楽は、浮竹をお姫様抱っこした。

「ご褒美、くれるんでしょ」

「う、確かにそうは言ったが‥‥まるで何かのプレイのようで」

「いいじゃない。しようよ。桜鬼プレイ」

「ちょ、春水!」

浮竹は寝室のベッドに運ばれて、上から京楽が覆いかぶさってくる。

京楽の額の角を触ると、京楽は薄く笑った。

「じらされたいの?」

「あ‥‥」

服の上から愛撫されて、浮竹のものは緩く勃ちあがる。

「淫乱だねぇ。服の上から触っただけなのに」

「やだ、春水の意地悪」

浮竹は、妖狐の浮竹直伝の凄いテクのキスをすると、そのまま返された。

「ふあっ‥‥‥」

飲み込み切れなかった唾液が、顎を伝う。

「ふふっ、かわいい」

「春水」

衣服を脱がされて、京楽も脱いだ。京楽の引き締まった筋肉質の体に抱かれるのだと思うと、浮竹は期待で瞳を潤ませる。

「十四郎、たっぷりかわいがってあげるからね?」

「あ、春水」

京楽は、浮竹のものを手でしごいてから、口にふくみ、舐め転がしたりした。

「ああああ」

浮竹は、快感に涙を零す。

鈴口を舌で刺激されて、浮竹は精液を京楽の口の中にだしてしまった。

「あ、今ティッシュを‥‥」

「のんじゃった。君の体液は甘いから」

「ばか‥‥‥」

ローションを手に、時間をかけて浮竹の後ろを解していく。

前立腺をかすめるかと思ったら、いいところは触ってくれなくて、浮竹がねだった。

「も、いいから京楽のちょうだい。京楽の熱いので、俺をめちゃくちゃに犯して」

その言葉に、京楽は浮竹の片足を肩にかついだ。

「いれるよ?」

こくこく頷く浮竹を、貫く。

「ひああああ!!!」

「浮竹は、何度されれてもなれないね?でもそこがいいんだけど」

「あうっ」

入口まで一度引いて、奥まで突き上げると、浮竹は精液を零していた。

「こんなに濡らして」

「ああん」

浮竹の前立腺を刺激してやると、既に2回精液を放っていたが、浮竹のものはまた勃ちあがっていた。

すちゅり、ずちゅり。

恥ずかしくなりそうな水音が、下半身から聞こえる。

「ああああ、もっと、もっと、春水」

京楽は、浮竹の最奥にねじりこみ、そこに子種を弾けさせた。

「いっぱいあげるから、孕んでね?」

耳元で囁かれて、浮竹は熱にういなされたかのように返事をする。

「あ、あ、お前の子供ができちゃう」

男性同士で子供などできるはずもないのだが、このまま交わり続けたら、本当に子供ができそうな気がした。

「ひあああ!!!」

京楽が体勢を変えて、下になる。騎乗位になった浮竹は、長い白い髪を乱しながら、ずぶずぶと京楽のものを飲み込んでいく。

「いい眺め」

「ばかぁ」

桜鬼の妖力を、浮竹の中にも注ぎこみ、まだまだ萎えないようにする。

「あ、あ、あ!」

京楽が下から突き上げるリズムに合わせて、声が漏れた。

「んああああああ!!!」

騎乗位から半身を転がされように押し倒されて、浮竹はごりっと奥をえぐられて、大きく中いきしていた。同時に精液もだしていた。

「いやああ、一緒にいっちゃってるううう」

「浮竹、かわいい。もっと乱れて?」

「やああああん、桜鬼の妖力で、萎えない。終わらせたいのに、終わらない」

「だから言ったでしょ。たっぷりかわいがってあげるって」

「あ、責任はとれよ。春水のばかぁああ」

京楽は浮竹の中を穿ち、何度も精液を注ぎこんだ。浮竹のおなかは、京楽の出したものでぽっこりふくらんでいた。

「ひあああ、意識が、焼ききれ、る」

浮竹も、何度目になるかも分からない精液を吐き出しながら、背をしならせて中いきする。

「ああん、もうやぁ」

桜鬼の妖力は、まだまだ尽きない。

二人は、寝食を忘れて5時間ほども睦みあうのだった。



「やらぁ、もう、春水のザーメンいらない」

「そんなこと言わず、孕むまで犯してあげるから」

「やあ、もう孕んだぁぁ」

「たしかに、おなかぽっこりしてるね。ボクの出した精液のせいだろうけど」

「いやぁ、春水、もう終わってええ」

浮竹はぐずぐずになっていた。思考も精神も体も。

「やあ、また、真っ白いのくるうううう」

中いきしまくって、声もかすれていた。

京楽が浮竹の胎の奥に最後の一滴を注ぎ込む。

京楽の額にあるつのが、淡く輝いた。

「あれ、十四郎気絶しちゃった?」

主が気絶したりすると、額のつのが教えてくれるようになっていた。

「十四郎、ごめんね。いっぱい無理させちゃって」

浮竹の返事はない。

ここまでセックスに付き合えたのは、桜鬼の力であった。

もともと浮竹が桜鬼なので、体の相性の良さは抜群であった。

鋭かった爪は爪切りで切って、浮竹を傷つけないようにした。

時間をかけて後始末を終えて、マットレスにまで精液がしみこんでいたので買い替えることにして、違うベッドの浮竹を寝かせて、京楽は人の姿に戻った。

すると、急激な眠気を感じて立っていられなくなり、浮竹の隣で倒れるように寝た。

桜鬼の力を、エロいことに使いすぎて力尽きたのだ。

浮竹は、次の日に起きてきた。

「春水のアホ。スケベ」

そうやって一日中ののしられて、白哉はまたかと思うのであった。

そして、夜刀神の作るハリセンをもらいに、妖狐の浮竹と夜刀神の屋敷を訪れると、二人は終始にまにましていた。

浮竹が京楽に抱かれたことは、匂いだけでなくキスマークやら気ゃらで分かった。

『桜鬼のボク、そっちの浮竹を壊さないようにね?』

夜刀神がそんなことを言うものだから、浮竹はハリセンで夜刀神をはたく。

『随分と楽しんだんだな。桜鬼の京楽のにおいしかしない』

そう言われて、浮竹はちゃんとさシャワーを浴びて念入りに体や髪を洗ったのだが、内側からのにおいなので、とれなかった。

「浮竹、かわいかったよ。やりすぎて、はじめしかねだってくることはなかったけど」

「春水、お前はいっぺん死んどけえええ」

浮竹はハリセンをうならせながら、桜鬼の姿の京楽とセックスは今度しないと誓うのであった。



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桜のあやかしと共に33

夜、京楽は桜鬼の姿になって、ただひらすら眠る浮竹の髪を撫でていた。

「君はボクのものだ。ボクだけを見て、ボクのために笑って。十四郎、君はボクの全てだ」

すでに、あやかしになっているが、いつ闇に飲まれれてもおかしくない状態だった。

そんなある日、浮竹が夏の朝顔の王に会ってくると言って、出かけてしまった。

京楽はついていきたがったが、王同士の話があり、京楽は連れていけない言われて、しょぼんとなった。

夏の朝顔の王の名は市丸ギン。

京都弁をしゃべる、一見すると普通の青年だが、秘めている力は四季の王の中でも一番強かった。

「十四郎が帰ってこない」

1日経っても帰ってこないので、念のために妖狐の浮竹と夜刀神の元に連絡をいれてみたが、知らないと言われた。

『桜鬼の京楽、闇に飲まれるなよ』

電話ごしにそう言われたが、京楽は姿を桜鬼にして、すでに闇に飲まれていた。

「十四郎の居場所を見つけてきて」

京楽は、200体くらいの式を放ち、夏の朝顔の王近辺を探させた。

すると、浮竹を拉致したのは、朝顔の王だと分かった。

「十四郎を返してもらうよ」

「あちゃー、なんで居場所ばれてもうたんやろ。せっかく、藍染様に捧げようと思ってたのに」

「藍染に?させるものか。ここで、死んでしまえ」

京楽は、桜鬼になったまま、意識のない浮竹を庇いながら、桜の術を使う。

「うわ、なんやのこれ。桜の花びら‥‥刃やんか!」

「切り刻まれてしまうといいよ」

「ほんなん言うても、ボクも夏の朝顔の王やで?ただでやられるわけないやん」

市丸は、朝顔の花を咲かせて、桜の花びらの刃を吸収していく。

「これならどう?」

京楽は、桜の花をふっと吹いて、業火で市丸を包んだ。

「効かへんなぁ。でも、まだ桜鬼をやる時期じゃないし、藍染様も桜の王を今欲しているわけじゃないから、ボクは引かせてもらうわ」

「逃げるの?」

「ちゃうちゃう。見逃してあげるんや。こっちは撤退やで」

市丸は、朝顔の花鬼を大量に召喚した。

「させると思ってるの?」

市丸を消そうとする京楽の体を、朝顔のつるがしめつけて、動けないようにする。すぐに桜の花びらを吹いて、火で燃やすが、もう市丸の姿はなかった。

京楽は、襲い掛かってくる朝顔の花鬼を全て殺した。命乞いをしたり、逃げようとする者も。

「浮竹、起きて。ボクだけを見て。ボクだけのものになって」

浮竹と京楽を心配して、桜鬼の気配が強くなった場所にかけつけた妖狐の浮竹と夜刀神が見たものは、朝顔の花鬼を皆殺しにして、血の海にひたる京楽と浮竹の姿だった。

『桜鬼のボク。闇に、飲まれてるね?』

「また、ボクの浮竹をさらいにきたの。みんな、殺してあげる」

『だめだ、京楽。話し合いじゃどうにもならないくらい、暴走してる』

京楽は、桜の花びらの刃を二人に向ける。

それを、夜刀神がシールドをはって防ぐ。

「桜の花鬼たちよ、やってしまえ」

京楽は、桜の花鬼を数体召喚して、妖狐の浮竹と夜刀神にさしむける。

『この花鬼、普通じゃないね。桜鬼の分身みたいなものだね。でも、片付けても桜鬼には被害がでない‥‥‥‥‥これだから、桜系のあやかしは嫌いなんだよ。桜の王は別だけど』

『全部殺してしまえばいい』

妖狐の浮竹は、鬼火で桜の花鬼たちを灰にしていく。

けれど、灰から桜が芽吹き、また桜の花鬼が復活する。

『これじゃきりがない。術者である、桜鬼のボクをなんとかしないと』

『俺がいく』

妖狐の浮竹は、浮竹に化けた。

「十四郎が二人?」

とまどう京楽の鳩尾に、拳をいれる。

「ぐ‥‥‥‥」

『正気に戻れ、桜鬼』

「ボクは正気だよ」

『まさか、自分から闇に飲まれて、その力をコントロールしているのか?』

「さぁ、どうだろうね。妖狐の浮竹も、夜刀神もいらない。消えて」

妖狐の浮竹は、妖力をまとわせた拳で、再度京楽の鳩尾に拳を入れて、意識を失わせた。

『とりあえず、意識を失わせたが、起きたらまた暴走しそうだ。京楽、暴走しないように術をかけてやってくれ』

人の姿になっていた夜刀神は、京楽に術をかける。

暴走すると、激しい痛みが伴うものを。

「ん‥‥‥俺は?そうだ、朝顔の王に襲われて」

『助けにきた』

『右に同じく』

「京楽は?なぜ、血まみれで息絶えた花鬼たちがこんなにいる?」

『ここじゃ、ゆっくり話もできないね。とりあえず、ボクらの屋敷においで』

夜刀神は、意識のない京楽を背負い、浮竹は妖狐の浮竹に支えられて、異界を通って二人の屋敷にやってきた。

『案の定、桜鬼の京楽は暴走した』

 びくりと、浮竹が強張る。

『力のコントロールの仕方、一から教える必要があるな。俺は嫌だから、京楽に頼もう』

『仕方ないねぇ』

夜刀神は、京楽に力のコントロールの仕方を教えることが決まった。

「ん‥‥‥」

そこで、京楽が目覚める。桜鬼の姿ではなく、人の姿に戻っていたが、瞳は赤いままだった。

「ボクの十四郎を返して」

『何も、とってないぞ』

「ボクの十四郎は、ボクだけがいればそれでいい。ね、十四郎」

「正気に戻れ」

浮竹は、京楽に自分の血を少量分け与えた。

「ああっ、ボクは何を‥‥」

「もういいんだ、京楽。なるべくお前の傍にいるから、暴走しないでくれ」

『ボクが力のコントロールを教えるんだよ?そうそう暴走なんてしなくなるさ』

「ああ‥‥夜刀神、妖狐の浮竹、排除しようとしてごめん」

『今更だね』

『今更だな』

「夜刀神、力のコントロールの仕方を教えて。このままじゃ、十四郎まで傷つけてしうまう」

『仕方ないねぇ』

「京楽、無理はするなよ」

「うん」

二人は、数日屋敷に滞在して、京楽は夜刀神から力のコントロールの仕方を教わり、大分桜鬼でさあることにも慣れたし、妖狐の浮竹が浮竹に抱き着いたりしても、嫉妬で闇に飲まれることはなかった。

「長く、世話になったな。連絡はいれてあるが、白哉が飢え死にしてそうなので、帰る」

『ふふ、帰る理由がそれ?よっぽど白哉くんが大事なんだね』

「当り前だ。弟だからな。ほら、京楽も礼を言え」

「世話になったね。もう、きっと暴走はしない」

『だと、いいけどねぇ』

夜刀神が京楽を見る。

『まぁ、俺が精霊の俺に抱き着いたりキスしても、桜鬼にならなかったから、大丈夫じゃないか?』

『ちょ、浮竹キスって!』

浮竹は真っ赤になった。

「凄かった‥‥テクが、今までの誰よりも凄かった」

『ええっ』

夜刀神も知らない、妖狐の浮竹の一面であった。

『精霊の俺はかわいいな。キスしてもよいと思える』

『ボクがいるのにぃぃ』

夜刀神は、妖狐の浮竹の頭の上で、こうもり姿で嘆いた。

『俺が愛しているのは、京楽、お前だけだ』

『うん』

それを聞いて、京楽も浮竹にささやく。

「愛してるよ、十四郎。でも、君がボク以外を見ても我慢する。いろいろたくさん我慢する」

「春水、偉いぞ」

「ふふ。キスしていい?」

「俺からしてやろう」

浮竹にキスされて、京楽は赤くなった。

「テ、テクが凄い」

『妖狐の俺直伝だぞ」

『ああもう、いちゃつくなら外でやれ』

「ああ、そうする」

浮竹と京楽は、異界渡りをして、浮竹の桜の木がある公園まできていた。

「京楽。もう、俺のせいで暴走なんてしないでくれ」

「うん。でも、君を傷つけたり攫おうとする者は殺すよ?」

「俺は王だ。そうそう簡単にやられない」

「でも、この前は相手が格上の夏の王だった」

京楽は、心配気に浮竹を見つめた。

「市丸には気をつける。あと接触していないのは、冬の王で椿の王である、日番谷冬獅郎だけだな」

「接触するの?」

「桜の王として、椿の王から冬の終わりをもらうからな。椿の王は、3千年を少年の姿のまま生きている古参だ」

「浮竹に惚れない相手なら、いいよ」

「俺に惚れるのは、お前や「春」くらいだ」

「そうでもないよ?君は綺麗だから、いろんな花鬼やあやかしが惚れてる」

それは本当の話であった。

浮竹が気づいていないだけで。

「ねぇ、さっきのキス、もう一回して?覚えて、君にする」

「仕方ないやつだな」

浮竹は背伸びして、京楽に妖狐の浮竹直伝のキスをするのであった。






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寝顔見ながら

「浮竹?よく眠ってるね。でゅふふふふふ」

京楽は、浮竹のかわいい寝顔を見ながら、ベッドで自分のものをしごいてあはんあはんしていた。

「んー。京楽?」

ふと、浮竹は目覚める。

「ぎゃああああああああ」

「いやああああああ」

とんでもない光景を見せられた浮竹は、鬼道を放っていた。

京楽は股間をおっきさせたまま、火だるまになる。

「いやああ、熱い熱い!」

「このまま灰になれえええ!!!!何俺が寝ている隣でナニをしているんだ」

「ちょっとした出来心なんですうううう」

ところどころ焦げてはいるが、鎮火させた京楽は、正座させられていた。

もちろん、服をちゃんと着て。

「ナニをするなら、俺のいないところでやれ!」

「いつもやってますう。刺激が足りないんだよ。君の寝顔見てたらむらむらしてきて、ついやっちゃいました」

ズドン。

浮竹は、百科事典の角で京楽の頭をなぐる。

「もぎゃああああああ」

あまりの痛さに、京楽が涙目になる。

浮竹は、5回百科事典の角で京楽を殴り、気がおさまったのか、正座しなくていいと言った。

「まったく、お前の変態っぷりには呆れる」

「そんなに褒めないでよ」

「褒めてない。けなしてるんだ」

「ボクにとってはその言葉も甘い果実☆」

イラっときて、浮竹は京楽の頭をハリセンで殴る。

スパンといい音がした。

「これ、けっこういいな。通販で買ったんだが」

浮竹はハリセンを気に入ったようであった。

「ついでだ、今まで盗んでたパンツ返せ」

「ええ、いやだよ!ボクのオアシスを壊さないでよ。そもそも、浮竹のパンツは匂いをクンカクンカとかいでいつもおかずにしています。浮竹のパンツはいてナニをやったりしてます」

「もう、俺のパンツは返さなくていい。焼却処分だああああああああ」

「ぎゃああああああ、ボクのオアシスがあああああ」

たんすの中にあった、浮竹のパンツを浮竹は鬼道で全部もやした。

「あああ、頑張ってコレクションしたのに。また、浮竹のパンツ盗まなきゃ。まずは、今はいているパンツをよこせええええええ」

「ぎゃあああああああああ、この変態があああああああ!!!

浮竹のパンツを脱がそうとする京楽を、浮竹は背負い投げして、ベランダに転がすと、そこから外につきおとした。

「わあああああああああああ」

「一回死んでこいいいいいいい」

寮の部屋は3階なので、きっと京楽のことだからたいしたけがもしないだろう。

事実、京楽はぴんぴんして帰ってきた。

京楽をやるとしたら、色じかけで斬魄刀で斬るしかないか。そんなことを考える浮竹であった。



ちなみに。京楽のコレクションの浮竹のパンツを燃やしたので、京楽は浮竹のパンツを毎日盗み続けた。

その度に、通販でパンツを買う羽目になる。

燃やしたのは間違いだったかと、思うのであった。



「うひょう、今日の浮竹のパンツはひもぱんつ♪」

「それ、隣の西宮のパンツ」

「おええええええ。匂いかいでなめちゃった」

「この変態がああああああ!!」

浮竹のハリセンがうなる。

スパーンと顔面を叩かれて、京楽は涙目になった。

「ちょ、顔面はなしで」

「じゃあ、いらないものがついている下半身だな」

股間を思い切り蹴られて、京楽は気絶した。

「ふう。平和になった。今のうちに、課題しておこう」

京楽を紐でしばって、浮竹は燃えるゴミに出した。

京楽が起きる頃には夜は更けていて、なんとか紐の束縛から解放されて、自分の部屋でもある寮の浮竹との相部屋に帰ろうとするのだが、鍵がかけられていた。

今日かえたたばかりらしい。

しくしくと泣きながら、京楽は部屋の外で一夜を明かす。

朝になると、毛布がかけられてあった。

浮竹は何気にツンデレである。

ツンが9割、デレが1割だ。

浮竹のやさしさに、京楽は感謝するというより興奮して、朝食を食べに外にでてきた浮竹の飛びついて、蒼火堕でもやされるのであった。

ちなみに、すぐに火は消えて、京楽は何食わ顔で浮竹の隣を歩き、浮竹に声をかけようとする院生に般若を見せて、浮竹を孤立させるのであった。


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桜のあやかしと共に32

浮竹は、妖狐になった元術者の浮竹を見て、ため息を零した。

「いつか、こうなるんじゃないかと思っていたんだ」

『そうなのか?』

「半妖と神では、生きる時間が違いすぎる。俺は、俺と同じ時を生きるように京楽と不老の契約を結ばせた。生きる時間が違う、それはいつか死の別れがあるということだ。俺たちあやかしは、死を嫌う」

『まぁねぇ。浮竹、美人でしょ?』

夜刀神の京楽がそう自慢すると、負けてはいられないとばかりに京楽が反論する。

「ボクの浮竹のほうが美人だよ」

『お、言うようになったねぇ。ここは、勝負でも‥‥」

『やめろ、京楽』

「夜刀神はからかって楽しんでいるだけだ。本気にするな」

浮竹がそう言うと、妖狐の浮竹が口を開く。

『まぁ、俺もからかいたいんだがな』

「命を捧げた相手が夜刀神だからな。性悪なところが受け継がれたんだろう」

『ってういか、ぶっちゃけ今の俺は桜鬼の京楽が嫌いで、桜の王のお前が苦手だ』

「ぶっちゃけすぎだな。もう会わないほうがいいか」

『あ、それはそれで寂しいからだめだ』

「どっちなんだ」

『浮竹には、油上げがきくよ』

こそっと、夜刀神に耳打ちされて、浮竹はキッチンに行き、冷蔵庫にあった油あげを妖狐の浮竹の前でちらつかせた。

『あ、油あげ!』

「妖狐のお前は俺が苦手じゃなーい苦手じゃなーい」

『油あげ、くれ!苦手じゃなーい、苦手じゃなーい』

本能にすりこませるように、浮竹は何度も苦手じゃないと繰り返し、油あげをちらつかせた。

「ほら、油あげやるぞ。俺のことが苦手じゃなくなったら、もっとやろう」

『もう苦手じゃない!油あげ、もっとくれ』

「京楽が嫌いなのは、さすがに治せないか」

『桜鬼の京楽は嫌いだ。「春」が混じっているから。「春」も嫌いだ。夜刀神を傷つける原因になったから』

浮竹は、嫌いと言われてちょとショックを受けている京楽の頭を撫でる。

「お前には、俺がいるだろう?それで十分だろう?」

「それもそうだね。十四郎、今夜は‥‥‥」

『お、しっぽりするのか?』

『しっぽりするんだね?』

とりあえず、似たりよったりな反応を示す二人をハリセンで殴ってから、浮竹は妖狐の浮竹と夜刀神の新しい館を見る。

「おんぼろだな」

『そりゃ、金なんてないからね。どこぞのぼんぼんと違って』

「金はあったほうがいいよ。浮竹が高級思考なのに、金がないとやっていけないからね」

『あー、生まれながらの金持ちってヤダなぁ。ボクも浮竹も節約思考なのに、高級思考なところがやだ』

「夜刀神、お前は財に興味がないだけで、俺は長く生きてるからけっこうためこんでるぞ」

『え、桜の王まで金持ちだったの?』

「半分は、「春」が残した遺産だがな」

『「春」もそういえばぼんぼんだったね。生まれ変わってもぼんぼんとか、なんか恨めしい』

浮竹は、ため息をつく。

「祓い屋稼業続けて、金を稼げばいいだろう。少しお前たちの噂を聞くようになった。仕事はけっこうこなしているようだな」

『桜の王と桜鬼の京楽には負けるけどな』

妖狐の浮竹は、油あげをかじりながら、浮竹への苦手意識がなくなっているのに気づく。

『桜の王は苦手じゃなくなった。ただし、桜鬼の京楽は嫌いなままだ。近づいたら燃やす』

「そうまで言われて、近づいたりしないよ」

京楽は肩をすくめた。

こんこん。

扉をたたく音がして、妖狐から人に姿に化けた浮竹が出る。

『はい、なんでしょう:』

「あの、最近ここに狐のお化けが出るんです。尻尾が3本で‥‥怖いので、退治してもらえませんか」

『へぇ、尻尾が3本でこういうお化け?』

妖狐の浮竹は、人間の姿を解いてあやかしの姿になった。

「ひいいい、狐のお化けええええ!!!」

『めんどうだね。消す?』

物騒な夜刀神に、浮竹がまったをかける。

「俺が、記憶だけを消しておこう」

『いいなぁ。桜の王の力、人の精神や記憶に干渉できる。いいなぁ』

「ほしがっても身につかんぞ。これは「桜の王」独自の力だ」

『桜の王はずるいね。自分だけ綺麗になっちゃって』

それは、京楽に桜鬼を譲り渡したことを意味していた。

「俺は、京楽を傷つけるなら、お前たちとも戦う」

『へぇ。力ではかなわないと、分かっているのに?』

浮竹は、威嚇する。

「桜の王の力があると言っただろう。その気になれば、夜刀神、お前から妖狐の俺の記憶を抹消できるんだぞ」

『そんなことする前に、殺すよ?』

「お前に俺が殺せるのか?ただ一人の友を」

『う‥‥‥‥』:

夜刀神にとって、浮竹はただ一人の友で、長年付き合ってきた腐れ縁だった。

それを自分の手で壊すことは、できなかった。

『精霊の俺、京楽を困らせるな』

「それはこっちの台詞だ。妖狐になっても、人間の残滓が強いぞ、今のお前は。さっきの依頼人のように、人に正体を明かさいことだな」

『考えておく』

「今のお前たちといても、全然楽しくない。京楽、帰るぞ」

「浮竹、いいの?おみやげももってきてるんでしょ?」

「あげる必要はない。帰る」

浮竹は機嫌を損ねて、京楽と一緒に異界渡りをして帰ってしまった。

『よかったの、浮竹』

『んー。うまくいかないものだな。思考が人に近い精霊の俺とは、仲良くしたいが、怒らせてしまう』

『まぁ、妖狐の力のコントロールをするついでに、精霊の君との仲直りの仕方でも考えておくといいよ。ボクは、夕ご飯作ってくるね」

『稲荷寿司と、きつねうどんで!』

『はいはい。ほんとに、油あげがすきだねぇ』

『狐だからな』

その頃、浮竹と京楽は、二人のいらつかせた存在を忘れるために、白哉に結界をはってもらい、しっぽりするのであった。




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オメガバース恋白読み切り短編2

「隊長、熱あるんじゃないっすか?顔が赤い」

「気のせいだ」

「なんか、すごいいい匂いがする‥‥‥俺、変になりそう」

やばいと、白哉は思った。

周囲に隠してはいるけれど、白哉はオメガである。

一方、恋次はオメガのフェロモンにあてられやすいアルファだ。

白哉は、何故4大貴族の朽木家の当主であるのに、自分がアルファでなくオメガであることに、強い劣等感を抱いてきた。

そして、副官は流魂街出身なのにアルファだった。

正直、アルファであることがうらやましかった。

白哉は、裏マーケットでオメガであることを隠せる強い制御剤を飲んで、暮らしてきた。緋真との間に子ができなかったのは、白哉がオメガであることが大きい。

「隊長、俺、隊長を抱きたい」

「ばかを言うな。私は男だぞ」

「隊長、オメガっすよね?薬飲んで隠してるみたいだけど、フェロモンが漏れ出てる。俺、アルファなんでおかしくなりそうだ」

「私は、ベータだ!」

「いや、オメガっすね。知り合いのオメガと同じ匂いがする」

アルファと言えなかったのは、劣等感のせい。

「隊長」

「くるな。くっ‥‥」

熱っぽいと言われた通り、薬で隠していたが、今ヒート期間の真っ最中だった。

おとなしく、仕事を休んでいればよかったと思うが、後の祭りである。

「隊長、責任ちゃんととりますから、抱かせてください」

「よせ、恋次」

「隊長‥‥好きです」

告白されて、ドクンと心臓が高鳴る。

アルファである恋次を、白哉は自然と好きになっていた。だが、全部オメガのせいだと思いこみ、恋慕を隠していた。

「隊長‥‥」

「んう」

キスをされて、嫌ではなく、もっとされたいと思った。

「やめよ、恋次。このままでは、ただの上官と副官ではいられなくなる」

「それでもいいっすよ。俺は隊長が手に入るなら、副隊長の座もおしくないっす」

ソファーに押し倒されて、白哉は千本桜に手をかけたが、体が熱くなって、それどろこではなかった。

「ああ!熱が‥‥頭が、おかしくなる」

ヒートをまともに過ごしたことのない白哉は、薬を飲み忘れたわけでもないのに、ヒートの熱にあてられた。

「あ、恋次‥‥」

「隊長、初めてっすよね?優しくしますから」

「恋次、番になれるか。責任をとって」

「なれます。むしろ、隊長と番になりたいです」

恋次は死覇装を脱ぎ、入れ墨がされたよく鍛えられた体をさらす。

白哉の服は袴と下着だけ脱がされた。

「隊長、エロいかっこですね」

「貴様がしているんだろうが」

「そうですね。いっぱい愛してあげますから」



「あああ!!!」

白哉はその日、処女を失った。

恋次に濡れているとはいえ、はじめて挿入されて、苦し気に呼吸を繰り返す。

「隊長、もっと力ぬいてください。息もちゃんとして」

「ひああああ!!」

ごりごりと奥を削られて、白哉は頭が真っ白になり、人生ではじめての中いきを経験していた。

「隊長、いっちゃった?」

「あう」

「隊長、こっちでもいけますよね?」

恋次に己のものをしごかれて、また頭が真っ白になった。

精液を吐き出し、自分ですらまともにぬいたことのない白哉は、襲い掛かってくる快感に、体を震わせて、声をあげる。

「やあああ、変になる」

「きもちよくなるだけですよ。俺も、隊長の中に出しますよ?」

「あ、だめだ、妊娠する」

「あとでアフターピル飲めば大丈夫っすから」

「やああああ」

嫌がる白哉を貫いて、恋次は白哉の胎の奥で子種を弾けさせた。

「ひあああ!」

「まだ、終わりじゃないですよ?」

「やあああ」

「っと、隊長はじめてなんすよね。後1回で終わらせますから。本当なら、何回でも抱きたいっすけど」

「恋次、責任をとれ。私を犯した責任を」

白哉は、少し長い黒髪をかき分けて、うなじと首をさらす。

「噛みつきますよ?もう、本当に元に戻れないっすけど、いいですか?」

「どうせ、いつか誰かと番にならねばならぬのだ。それなら、恋次がいい」

白哉の言葉に、恋次は己を大きくさせていた。

「あ、中で大きく‥‥‥」

「隊長、いっちゃってください」

「んああああ!!」

恋次は、白哉から一度引き抜き、最奥まで貫きながら、白哉のうなじを噛んだ。

ビリビリと電気が走ったようになって、番になったのだと分かった。

「隊長、俺たちもう番です。隊長?」

白哉は気を失っていた。

「わああ、隊長!」

揺さぶっても起きないので、恋次は執務室で発見したアフターピルを、水と一緒に口移しで飲ませる。無事嚥下したのを確認して、ぐちゃぐちゃになったソファーの隊長羽織や死覇装をとりのぞき、白哉の中に出したものをかき出して、濡れたタオルで白哉を清めて、隊首室に置かれてあった、新しい死覇装を着せた。

「隊長、無理させてしまってすみません」

恋次は、白哉をお姫様抱っこすると、隊首室の仮眠用のベッドに寝かせた。

白哉の寝顔を見つめている間に、恋次もいつの間にか眠ってしまった。

「いい加減、起きよ」

「へ、え、あ、朝!?」

「朝ではない、たわけが。初めてだといったのに、激しい上に、夕食も取らず眠ってしまい、起きると早朝。恋次、貴様はきもちよさそうに半日は眠っていたぞ」

「す、すんません隊長!朝飯どうします?」

「それより、アフターピルは?妊娠したら、堕胎するぞ」

その言葉にがっくりとしながらも、アフターピルは飲ませたことを説明し、番になったことも説明した。

「今度から、ヒート期間は私の番として、一緒に過ごしてもらう」

「もちろんです、隊長!幸せになりましょうね!」

「恋次‥‥このアホウが」

白哉と番になったことは、ある意味結婚に近い。

それを言うと、恋次は顔を蒼くした。

「私の番になったのだ。貴族としての作法を、叩き入れるからな」

「簡便してください、隊長~~~~」

恋次の情けない声が、執務室まで響くのであった。

ちなみに、朝食は焼きおにぎりだった。朽木家に連絡を入れて、清家にもってきてもらったのだ。

「うまいですね、これ」

「その食べ方も直してもらうからな」

白哉は、結構なスパルタであると、恋次は遅まきに気づくのであった。





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浮竹の生きている世界線2

「浮竹、おはよう」

「おはよう、京楽」

浮竹は、大戦で神掛けをしてミミハギ様を手放し、戦死した。

はずだった。

なぜか、京楽のベッドで、院生時代の髪の短い少年の浮竹がいた。

京楽は開いた口が塞がらないと言ったかんじであったが、浮竹が生きてこの世界にいることに感謝をした。

好きだといって、付き合ってはいたが、まだ関係は浅かったのだ。

今の院生時代の浮竹とは、正式に付き合い、浮竹の兄弟ということで通している。

「ああ、今日もいい天気だ。仕事日和だな?」

「浮竹は仕事が好きだねぇ」

書類仕事を一緒にしてくれるので、京楽は随分助かっていた。

「仕事が終わったら、久しぶりに甘味屋にでも行く?」

「行く!行って、たくさん食べる!」

浮竹は、通常の食事はあまり食べないのだが、甘いものは人の数倍を食べた。

「じゃあ、執務室に行こうか」

昨日、隊首室でお互い泊まっていったので、執務室はすぐそこだった。

「朝食、おにぎり用意させてあるから」

「いつもすまんな」

「ううん。浮竹が生きていてくれるだけで、ボクは幸せだよ」

「大げさだな」

浮竹はからから笑う。

京楽は、そんな浮竹を見て、今が幸せなのだとかみしめていた。

「浮竹、ほっぺにご飯物ついてる」

「え、どこだ?」

おにぎりをもきゅもきゅ頬張っていた浮竹の頬についた米粒を、京楽はとって自分で食べた。

「は、恥ずかしやつだな」

「夜には、もっと恥ずかしいことしてるじゃない」

「い、言うな。この体はまだ慣れていないんだから」

「でも、中いきとか覚えちゃたよね?」

「うるさい!朝飯は終わりだ!仕事するぞ”!」

浮竹は、きびきびした動きで書類仕事にとりかかる。

京楽も、仕事をしながら時折浮竹を見て、浮竹が生きている喜びをかみしめた。

「今日の仕事は、これくらいかな」

「ありがとう。浮竹のおかげで、定時にあがれそうだよ」

「そうじゃないと困る。一緒に甘味屋に行く約束だろう?」

「浮竹、こっちおいで」

「なんだ?」

京楽は、浮竹の頭を撫でた後、触れるだけのキスをする。

「京楽!」

「ふふ。いいんじゃない、キスくらい。昔は関係を隠してもいなかったんだし」

「でも、俺は浮竹の弟ということになっている。よからぬ噂が流れても、知らないぞ」

「ああ、もうすでにボクが、浮竹を思うあまり、瓜二つの弟を寵愛してるって、噂されてるから」

「あちゃー。父上と母上に、顔向け出来ない」

「いいんじゃないの。浮竹の居場所は、ボクの隣なんだから」

「むう」

浮竹は、頬を膨らませる。

「ああ、浮竹はいつでもかわいいねぇ。ボクとおない年の浮竹は美人だったけど、院生時代の君はかわいいね」

「ぬかせ。甘味屋へ行くぞ」

「はいはい。おごるから、好きなだけ食べていいよ」

京楽は上流貴族で金をはいて捨てるほど持っているうえに、総隊長で給料もよかった。

浮竹は、甘味屋で好きなだけ飲み食いをして、勘定を京楽に払わせると、けっこうな額になった。

「京楽‥‥その、いっぱい使わせてしまったし、今日は抱いていいぞ」

「え、本当に?急いで帰ってお風呂に入ろう!」

「おい、京楽!」

浮竹の手をひっぱって、京楽はぐいぐい歩く。

「京楽、俺は逃げないし消えないから」

「うん。でも、君と二人きりでいられる時間が大切だから」

浮竹は、真っ赤になった。

「お前に抱かれるの、嫌いじゃない」

「早く帰ろう」

「あ、ああ」

風呂に入り、京楽の持つ館の一つで、夜を迎えようとしていた。

「抱くよ」

「加減、してくれよ?」

「できるならね」



「ああ!」

浮竹は、京楽に貫かれて啼いていた。

「ううん」

背後から突き上げられて、奥をごりごりと抉られて、中いきをしていた。

「君は若いから、まだまだいけるよね?」

「やああ、春水、奥はだめえええ」

「いいの、間違いじゃない?」

結腸にまで入りこんできた京楽のものは、浮竹の胎の奥で子種をまき散らす。

「ひあああ、あ、あ!」

じんわりと広がっていく熱を受け止めながら、浮竹は大きく中いきをしていた。

「やああん、いってる最中だからあああ」

「こっちでも、いけるでしょ?」

浮竹のものをしごくと、まだ硬さを失っていなかったそれは、精液をはきだした。

「やああああ、2重でいっちゃてえ、思考がぐずぐずになる」

「溶けちゃいなよ。アイスみたいに」

「ひああああ!」

京楽は、浮竹をひっくり返して正常位になると、ぱんぱんと音がなるほど打ち付ける。

「いあああ!」

浮竹は、その間いきっぱなしだった。

「らめえええ、変になるうう」

「何度も同じこと言ってきて、おかしくなったこと一度もないよね?ほら、まだ精液だせるでしょ。中いきと同時にいきなよ」

「んあああ!」

京楽に攻め立てられて、浮竹はあっけなく吐精する。

「やあああ、いっちゃううう」

ぷしゅわあああと、潮をふきながら、浮竹は京楽をしめつけて、ビクンと体を弓なりにのけぞらせて、いっていた。

「愛してるよ、十四郎」

「あ、春水‥‥」

浮竹の意識は、そこで途絶えた。



朝になり、浮竹は怒っていた。

「やりすぎだ。腰が痛くて立つのがやっとだ」

「ごめんなさい。久しぶりだったので、がっつきました」

「分かればいい。おはぎが食いたい」:

「はい、買ってきます」

京楽が去っていった隊首室で、浮竹はベッドに横になる。

「俺は、京楽に抱かれるために蘇ったわけじゃないんだけどなぁ」

京楽は、浮竹が傍にいるだけでいいと言った。

でも、実際はセックスをしている。

「やめたやめた。考えるだけ、時間の無駄だ」

浮竹は、京楽の帰りを待ちながら、非番の日なのだが暇なので仕事をするのであった。





ぎしりと。

体が、音を立てる。

足元から、粉々に崩れていく。

「嫌だ、消えたくない!」

欠片となって、世界から消えていく。

そこで、はっと目覚めた。

「夢‥‥不吉な‥‥」

隣では、京楽が浮竹の手を握り締めて、眠っていた。

「京楽。俺は、あとどれくらい、お前といられるのだろうな?]

一度死んで、地獄へ行った身だ。

突然院生時代の体で蘇った。消えるときも、突然かもしれない。

でも、なるべく京楽と長く一緒にいたいと、儚い願いを浮かべるのであった。







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ほわいとでー

浮竹は、義理の義理の心で、50円チョコを京楽にあげた。

京楽は涙を流してそれを受けとり、食べた。

「おいしいよ。おいしいよ浮竹。今まで食べてきたものの中で一番おいしいよ」

「大げさな」

「ホワイトデー、まっててね。1万倍返しするから」

そう言って、京楽は寮の相部屋を抜け出して、夜明けに戻ってきた。

「今日がのワイトデー!お返しはボクのヌード写真集と、ボク自身だよ!」

眠っていた浮竹は、あほなことを言って起こしてくる京楽の顔に、枕を投げた。

「スンスン。京楽のにおい。でゅふふふふ」

京楽の姿を見ると、股間に葉っぱ一枚をつけただけの、ほぼフルチン状態だった。

そのくせに、乳首にはニプレスをはっていて、何故か靴下もはいていた。

「この変態が!服を着ろ!!」

「着てるよ。葉っぱ着てるよ」

「それは着ているんじゃなくって、隠しているんだ」

京楽から、京楽のヌード写真集を渡されて、中身を見ることもなく、鬼道で灰にする。

「ああっ、ボクの写真集が!予備がはいっぱいあるから、またあげるね」

「いらんわ!」

「ああん、浮竹のいけずぅ」

浮竹は、全身に鳥肌がたった。

「死ね!死にくされ!破道の4、白雷!」

浮竹の白雷は、京楽の股間にひっとして、葉っぱは黒焦げになり、京楽のものは‥‥黒焦げにならなかった。

「お返しはボク自身だよ!たっぷり味わってね!」

ベッドにダイブしてくる京楽を、布団を使って避ける。

「ああん、浮竹の恥ずかしがり屋さん☆」

「破道の33、蒼火堕!」

「もぎゃあああああああああ」

青白い炎に燃やされて、京楽はくたばったかに見えた。

でも、変態だけにぴんぴんしていた。

股間を靴下で隠して、浮竹に迫る。

「浮竹、大好きだよ」

「俺は、こんなことをしてくるお前が大嫌いだ」

「もお、照れ屋さん☆」

いよいよ逃げ場がなくなって、浮竹は靴下の上から京楽の股間を握った。思い切り。

「もぎゃあああああああ」

ねじりきるように。

「股間があああああああ!愛でファイアーしてるうううう」

京楽は、それだけいって力尽きた。

「はぁはぁ‥‥危なかった」

まさか、蒼火堕が詠唱破棄であっても、通用しないとは思わなかった。

伸びた京楽に院生の服を着せて「ボクは変態です。落書きしてください」と書いた張り紙をはって、廊下に放置した。

数時間たったが、京楽は起きない。

顔は見事に落書きまみれにされていた。

「ああ、平和だ」

浮竹は、京楽のいない一日を満喫して、機嫌がよくなっていた。

そこへ、意識を回復した京楽がやってくる。

「酷いよ浮竹!ボク、落書きまみれじゃないの」

「襲ってくるお前が悪い」

「おまけに放置プレイ‥‥嫌いじゃないよ。(*´Д`)ハァハァ」

浮竹は、にっこりと笑った。

「もっかい死んでこい!破道の77、双連蒼火堕!」

「もぎゃああああああ!!!熱いいいいいい」

黒焦げになった京楽は、やっぱり生きていた。

「ちっ、しぶといな」

布団ですまきにして、ベランダに出す。

「しくしく。ホワイトデーなのに」

「今日はホワイトデーじゃない。ホワイトデーは来月だ」

「え、まじで?」

京楽は、きょとんとした顔になった。

浮竹はため息をついて、すまきは解かず、ベランダに放置したままの京楽に、風邪をひいてはなんだからと、毛布をかけてやる。

「浮竹って、なんだかんだあっても、優しいよね」

「気のせいだ。変態は、ベランダで十分だ。おやすみ」

「おやすみー。でゅふふふふ、浮竹がかけてくれた毛布‥‥浮竹のにおいがする、すんすん。ぐへへへへへ」

浮竹は、聞かなかったことにして、寝るのだった。

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桜のあやかしと共に31

京楽は、正直なところ、夜刀神の自分をよく思っていなかった。

自分より浮竹と一緒にいた時間が長く、そして友として普通に浮竹の傍にいれる。

京楽は、満月の夜にひっそりと夜刀神を呼び出した。

『どうしたの、こんな時間に』

「十四郎と、あまり仲良くしないで」

『え、何嫉妬?かわいいねぇ』

「ボクは本気だ!」

京楽は、感情が高ぶって、桜鬼の姿になっていた。

『桜の王と仲良くしようが、しまいが、ボクの気の向くままさ』

「君って人は‥‥」

『ボクは人じゃないからね?あやかしだけど、同時に神でもある』

そう言って、夜刀神はこうもり姿になって飛んで消えていってしまった。

「十四郎‥‥ボクは‥‥」



朝になって、京楽は何食わぬ顔で浮竹を起こして朝食を作ってもらい、早起きの白哉を呼んで、3人で朝食をとった。

「京楽、何かあったのか?桜鬼の気配が強い」

「ん?何にもないよ」

「嘘をつくな。ばればれだぞ、京楽。兄は、隠し事がへたくそだ」

「んー。夜中に夜刀神とあって、ちょっと喧嘩しちゃった」

「夜刀神、しばく」

「ううん、悪いのはボクだから。浮竹は気にしないで?」

次の日、夜刀神と術者の浮竹と会った。

浮竹は無防備に夜刀神に近づいて、そっと耳うちされて笑っていた。

ギシリ。

桜鬼の感情が、歪みを覚える。

それは、闇そのもの。

「だめだ、しっかりしないと。ボクは十四郎の影で、十四郎を守る存在なんだから」

京楽は自分にしっかり言い聞かせる。

けれど、内に秘めた闇は増大するばかり。

夜刀神と、視線があった。人型をとっていた夜刀神は、ニタリと笑って、浮竹を抱きしめる。

「何をする、夜刀神!」

浮竹は怒って、ハリセンでびしばし夜刀神を殴る。

「どいて。浮竹は、ボクのものだよ。ベタベタしないで」

京楽は、桜鬼の姿になっているのにも気づかず、浮竹を奪い返す。

「京楽、桜鬼になっているぞ!落ち着け!」

「落ち着いてるよ。それなのに、わざと夜刀神が君に‥‥」

京楽が、桜色の瞳から血のような深紅の瞳に変わっていた。

『少し、闇に飲まれたようだな。精霊の俺、桜鬼の京楽を正気づかせるために少し扱いが乱暴になるが、許してくれ』

「京楽、俺が分からないのか、京楽!」

『名前言っても無駄だよ。闇に飲まれてる』

「京楽!」

「おいしそう。血をちょうだい?」

京楽は、そう言って浮竹に近づく。

「精霊の俺、こっちだ!このままじゃ、忠告した通りになってしまう」

術者の浮竹がバリアをはるが、浮竹は首を左右に振った。

「もともと、桜鬼は俺だ。俺の血をすすれば、正気に戻る」

「愛してるよ、十四郎」

闇に飲まれてもなお、恋心は消えていなかった。

京楽は浮竹の肩に噛みついて、血をすする。

それを、浮竹は受け入れる。

「あ、ボクは、なんてことを‥‥‥!」

すぐに正気に戻った京楽は、部屋を飛び出していった。

「あ、京楽!」

『今は、そっとしていおいてあげよう。自己嫌悪にひたって、帰ってくるだろうから』

「元をただせば、夜刀神、お前が!」

『うん。わざとあおったよ。それで闇に飲まれたまま帰ってこないようじゃ、桜鬼になったのは間違いだからね?』

浮竹は、ただひたすら待った。

術者の浮竹も、夜刀神も、浮竹と一緒に待った。

夜になって、京楽はずぶ濡れになって戻ってきた。

外で、どこか水のある場所で頭をひやすついでに飛び込んできたのだろう。

まだ寒いので、風邪をひかないようにと、浮竹はバスタオルをもってくる。

「浮竹、ボクが怖くないの?」

「怖くない。桜鬼はもともと俺だ。俺が桜鬼だった頃は、もっと闇に飲まれていた」

「うん‥‥‥」

「京楽、嫌なことは嫌って言ってくれ。俺には時折お前が何を考えているのか分からない時がある」

「うん、ごめんね。あと、君の血って今までのどんなおいしい料理より美味だった」

「ばか」

闇に完全に飲まれずに戻ってきた京楽は、浮竹を抱きしめて、術者の浮竹が治した噛み後に噛みついた。

「いたたた」

「ボクのものだっていう、証だよ」

「ばか‥‥」

浮竹は真っ赤になった。

心配していた術者の浮竹も夜刀神も、生温かい眼差しでこちらを見ていた。

『ラブラブだな』

『ラブラブだね。心配して損した』

『元を言えば、お前が精霊の俺を抱きしめて、わざと闇に落とすような真似をするからだ!』

術者の浮竹は、怒って、こうもり姿にもどっていた夜刀神をソファーに投げ捨てた。

『ご、誤解だよ!あれはわざとであって』

『なお、悪い』

術者の浮竹は、怒って夜刀神を放り出して、浮竹と京楽の輪に交じる。

京楽はおちついて、風呂に入りに行った。

「俺も風呂に入ってくる」

『お、しっぽりかい?』

「お前の脳内はそういうことしかないのか!違うバスルームを使うに決まっているだろう!」

『なーんだ、つまんないの』

『京楽?精霊の俺をからかうのも、ほどごどにな?桜鬼の京楽を闇に落としたりして、今日は本当に疲れた』

京楽が嚙みついた痕は、術者の浮竹が治療してくれたが、浮竹は京楽に治癒してもらいたがっていた。

傷が少し深かったので、却下されたが。

『あーあ、精霊の俺も、俺の二の舞だな。自己犠牲は愛だけど普通の愛じゃないって言ってたのに。言い出しっぺがこうなると、もうどうにもならないな』

風呂からあがってきた浮竹と京楽は、ペアルックのパジャマを着ていた。

『うわぁ、ラブパワー全開だ』

「ち、違う。パジャマは今これしかなくて、洗濯しているんだ」

『じゃあ、普通の服着ればいいのに』

もっともな夜刀神の言葉に、浮竹も京楽も赤くなった。

『どうせ、白哉くんもいないし、ボクたちがいなかったら、しっぽりしてたとこでしょ?』

「だから、お前の脳はそれしかないのか!」

逃げようとしたこうもり姿の夜刀神を、術者の浮竹は手で持って固定する。

『ちょ、浮竹ぇ!?』

『ハリセンいちゃって』

「助かる」

スパーンと、本日最大に痛いハリセンを食らって、夜刀神は涙目になった。

「ボクもハリセンで殴りたい」

『どうぞどうぞ』

術者の浮竹は、京楽のほうに夜刀神を向けた。

スパーン。

浮竹だけでなく、京楽にまでハリセンではたかれて、がっくりした。

『桜鬼のボクは怖いんじゃなかったの?』

『こわいぞ。でも、お前のふざけかたが頭にきたから』

『うううう。ごめんなさい』

『じゃあ、俺たちは帰る‥‥いい匂い。夕飯ご馳走になってから、帰るな?』

今回は、ちゃんと夜刀神の分もあった。

「今帰った」

「遅かったな、白哉。夕飯の用意をしてあるから、手を洗ってこい」

「今日は、訪問者も一緒か」

「いやだったか?」

「いや、そんなことはない。賑やかになりそうだ」

白哉は手を洗いに、奥に消えてしまう。

『精霊の俺って、白哉君には甘いよな』

『そうだね』

「白哉は、十四郎の弟だから」

「俺は、普通に白哉と接してるつもりだが?」

『天然か』

『やだやだ、たらしじゃない』

「そこもまた、十四郎のいいところだよ」

「何がだ?」

浮竹は理解できないまま、ボロネーゼやチーズハンバーグといった夕食を食べるのであった。



『ああ、やっぱり精霊の俺の飯はうまいな』

『ボクも負けないよ!』

「負けるよ。何せ、十四郎は昔、人間に化けて、料理の学校に通っていたからね」

『何それ!チートじゃない』

夜刀神の頭を、ハリセンがうなる。

「ちゃんと、努力して料理の勉強したんだからな。チートなんかじゃない」

皆、明るく笑う。

京楽も、笑っていた。

浮竹は安堵する。夜刀神のように、傷つけたくないからと、なることがなくて。

その日、就寝した白哉の部屋に結界をはって、浮竹と京楽は久しぶりに睦みあうのであった。


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さくらのあかやかしと共に30

京楽が、望んで浮竹の闇の部分である桜鬼を身に宿した。

忌み嫌われる桜鬼になって、少しでも浮竹の負担を軽くしてやりたかった。

「春水‥‥‥」

「ボクは後悔していないよ。桜鬼は君の一部でもある。愛しい」

「春」と混じりあったた京楽は、覚悟を決めて桜鬼を宿した。もう、普通の人間ではなく、あやかしであった。

「人間に戻りたいとは、思わないんだな?」

「うん。十四郎は、桜の王のままでいればいい」

「春水。愛してる」

「ボクも愛してるよ。ボクは十四郎の影だ。血なまぐさいことはボクが引き受ける」

浮竹は、そうまで愛してくれている京楽に涙を浮かべた。

「十四郎、泣かないで。これはボクと「春」が決めたことだから」

「俺のせいで、お前はあやかしになった。でも、お前を否定はしない。俺の闇を受け入れてくれて、ありがとう」

「十四郎」

京楽は、浮竹を抱き寄せて口づける。

あふれる涙を吸い取って、浮竹の頭を撫でた。

「桜鬼の姿から、元に戻らないとね」

京楽は、まるで浮竹のように桜の花びら吹いて、人間の姿に戻った。

「京楽、桜鬼の闇は深い。飲まれるなよ」

「うん。大丈夫。浮竹の一部であると愛し続けるなら、飲まれはしないよ」

「帰ったら、白哉にどう説明しよう」

「ありのままでいいんじゃないかな。ボクが浮竹の影になって、桜鬼になったことを、知らせればいい」

二人は、高級タワーマンションの自宅に戻った。

「浮竹、京楽は見つかったのか?」

白哉は、京楽から禍々しい力を感じて、目を見開いた。

「京楽‥‥‥兄は、あやかしに?」

「うん。浮竹の闇の部分である桜鬼になったんだよ」

「桜鬼は厄介だぞ?」

「慣れていくから、大丈夫」

白哉はため息をついた。

「浮竹を愛しすぎる故か」

「そうだね」

「私が、力の使い方を教えよう。浮竹は桜鬼であったから、その存在が当たり前すぎて、他の者に教えるなどできないであろう?」

「ああ、そうだな」

こうして、白哉に桜鬼としての、あやかしの力の使い方を、日々少しずつ教えてもらうことになるのであった。



『精霊の俺、元気か?』

京楽が桜鬼になってから1週間ほどして、術者の浮竹と夜刀神の京楽が、家を訪ねてきた。

『あやかしになっちゃったもう一人のボクは、どう?』

「白哉から力の使い方を教わって、桜鬼の力を制御できるようになっている」

『すごいね。普通、人間があやかしになると、その闇に飲まれちゃうんだけど。愛の力ってやつ?あれからもうやちゃった?』

からかってくる夜刀神を、浮竹はハリセンではたく。

コウモリ姿で術者の浮竹の頭の上にいたので、術者の浮竹もハリセンを食らう羽目になった。

『痛い』

「すまん。夜刀神を見ると、ついハリセンが」

『酷い!動物虐待反対!』

「おまえはこうもりでなく、夜刀神だろうが」

術者の浮竹は、夜刀神の巻き添えになるのはごめんだと、頭の上からソファーに夜刀神の体を移動させた。

『これなら、好きなだけハリセン食らわせてもいい』

『ちょっと、浮竹ぇぇぇえ!?』

京楽が涙声を出す。

そこへ、訓練を終えた京楽とそれに付き合っていた白哉が帰ってきた。

『やぁ、元人間のボク。力は制御できるようになった?』

夜刀神の首元に、手だけ桜鬼にさせた京楽が爪をつきつける。

「こんなかんじ」

『こわいからやめてええ。なんでみんなよってたかってボクをいじめるのさ』

「からかいがいがあるからだろう?」

浮竹は言葉を一緒にハリセンを一発。

『でもよかった。闇に飲み込まれなくて』

『そうだな。便利屋の京楽、すごいぞ』

「ボク、浮竹や白哉君みたいに、桜を使った術を使えるようになったの」

『すごいじゃないか。祓い屋としての力も増したことになるな』

術者の浮竹が、浮竹のほうを向いて何かを言おうとして、顔を赤くした。

「どうした?」

『キスマークついてる。いっぱい』

「!!!」

浮竹は鏡を見て、真っ赤になってから、京楽に手加減なしのハリセンを食らわせていると、京楽は桜鬼になって、桜になって散ってしまった。

マンションから出て、公園の浮竹の桜の木にワープしたのだ。

「京楽、飯抜きにしてやる」

『キスマークつけられるくらい、やちゃったってことだね?』

「ええい、お前は一言いつも余計に多い!」

夜刀神は、またハリセンを食らい、1時間ほどして京楽が帰ってくる。

「京楽、夕飯ぬきか禁欲1週間か、どっちか選べ」

「もちろん、夕飯抜きを選ぶね」

『ひゅーひゅー、お熱いねぇ』

からかってくる夜刀神がうっとうしくて、浮竹は術者の浮竹を見た。

『ほら、京楽そんなことばっかり言ってると、精霊の俺に嫌われるぞ?』

『桜の王とは腐れ縁だから、大丈夫』

「夕飯つくるけど、京楽ふたりはぬきな」

『ええええ。元人間のボクはともかく、ボクまで!?』

「ボクと一緒に、空腹になって、水かお茶でもいっぱい飲んで、空腹を紛らわせよう」

『そんなのヤダああああ』

「ボクには桜の術があるからね」

桜吹雪を出した後には、おはぎがあった。

『あ、ずるい!ボクの分も!』

京楽は桜鬼になって、桜の術を使いまくって、おはぎやら団子やらを出す。

「俺は、桜鬼の頃そんな使い方はしたことがないが」

「桜鬼の力、すごいよ。無から有を作れる」

「あんまり、俺たち以外には見せるなよ」

ずっと黙っていた白哉が。

「腹が減った」

そういうものだから、浮竹は急いでキッチンに行き、夕食の準備をする。

浮竹は、昔から白哉には甘い。

『白哉君には甘いよね、桜の王って。ハリセンとか食らったことなさそう』

「そうでもないぞ。情事にでくわしたときなど、ハリセンがうなる」

『白哉くんがいても、盛るの、あの二人』

「いつもは私が結界をはって、眠る」

『うわぁ、大変だねぇ』

「もう慣れた」

『精霊の俺って、やっぱりセックスとかいっぱいしてるんだな』

「まぁ、恋人同士であるからな」

白哉は、術者の浮竹と夜刀神にはそういうことがほとんどないのだと察知して、桜の花びらを散らせて、幻想的な風景を見せて、忘れさせるのであった。

「おはぎ、おいしい」

夕飯抜きを言い渡されたが、京楽は作りだしたおはぎで空腹を満たす。

ちゃっかり、こうもり姿で夜刀神もおはぎにかじりつくのであった。



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オメガバース恋白読み切り短編

「隊長‥‥‥‥‥‥」

恋次は、かける言葉が出なかった。

隠していたが、白哉はオメガだった。それを知られた四楓院家の傍系の男に、オメガであることをばらすと脅されて、レイプされた。

「このようなこと‥‥蚊に噛まれたようなものだ。どうってことはない。幸いにもヒート期間ではなかった。妊娠することはないであろう」

ズタボロになった白哉を発見した恋次は、白哉を抱きしめて涙を流した。

「俺が、隊長がオメガだって気づいてれば‥‥。隊長、レイプされたんですよ!?なんでそんなに平然としていられるんすか!」

「幼少期、父から性的虐待を受けていた。あの日々を思えば、この程度のこと‥‥‥恋次、なぜそなたが泣く?」

「隊長が、泣かないっすから!代わりに泣いてるんす!」

「おかしなやつだ」

ポロリと。

白哉の瞳から涙があふれ、それは波のように訪れた。

「オメガであることをばらすと‥‥オメガであることがばれたら、朽木家の当主の座も危うい。
何故、私だけがこのような目に合わねばならぬのだ。オメガであることが、それほど罪なのか」

「隊長。もう、他のアルファにレイプとかされなうように、俺と番になりましょう」

「恋次と?そなた、アルファだったのか。てっきり、ベータだと‥‥」

「最初に検査された時はベータだったんです。でも、二回目の検査でアルファであることが分かりました。でも、アルファは支配階級。護廷13隊の死神だなんて、危険な場所にいられませんから。俺はどうしても、隊長、あんたをこえたかった。でも、こんな形になりたいと願ってアルファでいたわけじゃありません」

恋次は、白哉を抱き上げて、朽木家の湯殿まで連れてくると、見知らぬ男が出した精液をかきだした。

「んっ」

「隊長、俺は本気です。俺と番になりましょう。もう、他のアルファが手を出せないように」

「副官である恋次と番にか。それもまた、運命なのだろうな」

白哉は、恋次と番になることを了承した。

白哉をレイプした男は、暗闇のある日、誰かに殺された。それが恋次の仕業であると白哉は気づいていたが、何も言わなかった。

やがて、白哉にヒート期間がきた。

すでに首にかみついて、番になる条件は整えているが、正式に番になるにはヒート期間に交じりあって、首を噛む必要があった。

白哉は長い間、ヒート期間を強い薬で抑えつけていたため、初めで味わう本物のヒートに、思考がぐずぐずに溶けていく。

「恋次‥‥‥抱け」

「隊長。いいんすね?もう、後戻りできませんよ。俺と籍を入れて、家族になりましょう」

「それもかまわぬ」

「分かりました。ヒート期間、いっぱい抱いてあげますね?番になりましょう」




「ああ!」

もう何度目になるかも分からぬ欲望を吐き出して、白哉は恋次の動きに翻弄されていた。

「んあああ」

ずちゅずちゅと、秘所は自然と濡れて恋次のものをくわえこむ。

「あ、もっと奥に‥‥」

「隊長、愛してます。ずっと好きだったんです。でも同性だから、告白もできなかった。隊長がオメガだなんて、今でもまだ信じられません」

「ひあああ!」

恋次のものが、ごりごりと奥を抉り、白哉は背をしならせて大きく中いきをしていた。

「あ、ああ‥‥もう、何も考えられぬ。早く、首にかみつけ」

「はい」

セックスをしながら、恋次は自分でつけた噛み後のある、白哉の細い白い首に嚙みついた。

びりっと電流のようなものが走り、本当の番になったことが分かる。

「俺の子供、産んでくれますか」

「そなたが、それを望むなら。もう、きっと私は朽木家の当主ではいられない」

ぐちゅぐちゅと中を犯されて、白哉は涙を流した。

「オメガなど‥‥‥でも、恋次と番になれたことだけは、感謝しよう」

「それはこっちの台詞です」

「あああああ!!」

一際強く貫かれて、白哉は精液を出しながら、中いきしまくっていた。

「ああ、あ、思考が、すりきれる‥‥」

「隊長。もう俺だけのものだ。あんたはオメガで俺はアルファ。きっと、番になるためにそう選ばれたんですよ」

「ひあああ‥‥」

恋次は、まだ欲望が硬く、白哉を貫く。

白哉は慣れぬセックスのため、もう限界に近かった。

「恋次、意識を失いそうだ。後のことは、任せてよいか」

「はい。ヒートを抑えるためにも、生で俺の子種、たくさんあげますからね?」

恋次は、白哉の胎の奥で子種を弾けさせた。

「ああああ!」

白哉は、じんわりと熱が広がっていくのを感じながら、意識を失った。


「隊長、大丈夫っすか?」

「ん‥‥私はどれくらい寝ていた?」

「半日っすね」

「仕事が!」

「ヒート休暇とったので、大丈夫っす」

「それでは、私がオメガであると他にばれたのか?」

「いや、反対です。俺がオメガってことにして、隊長がアルファってことにしました」

「無理があるだろう」

「でも、みんな納得してましたよ。隊長は強い薬飲んでるから、オメガ特有のフェロモンも出ないし。俺は、偽のフェロモンが出る薬服用したんで、みんな俺がオメガだって思ってます」

「恋次。私がオメガであることを、そなたとだけ秘密にできるか?」

「はい。人生をかけて誓います」

白哉は、涙を浮かべた。

「そなたの一生を台無しにしてまって、すまぬ」

「いえ、だから俺は隊長のこと好きだし愛してますから!」

「恋次‥‥‥」

白哉は淡く微笑んだ。

それが妖艶に見えて、恋次は自分の頬をひっぱたく。

少し前まで、無理させてまで交わっていたのだ。

「隊長に言い寄る女も男も、みんな遠ざけるくらい、仲良くしましょう」

「私にできるだろうか?」

「隊長は、今のままでいいっすよ。俺がいちゃつきますんで」

「ふふっ、恋次は面白いな」

「そうですか?」

白哉は、触れるだけのキスを自分から恋次にした。

「た、隊長!」

抱き着いてくる恋次を受け止めながら、もう当主の座を追われてもいいと思った。

恋次と番として生きていくのが、今の白哉の目標であり、夢であった。

オメガの当主など、聞いたこともないが、籍をいれたら恋次を当主にしようかとも思った。

「恋次。私と、どこまでも堕ちてくれるか?」

「はい。どこまでも、一緒に堕ちていきます」

1か月後。

白哉は、朽木家の当主であるが自分がオメガであることを公表した。

他の朽木家に連なる者から、当主にふさわしくないと言われて、夫として籍をいれた恋次を、婿養子にして朽木家の当主にした。

周囲は反対ばかりであったが、今まで白哉がきりもりしていたから、朽木家は4大貴族のままでいれたのも事実で、反対の声は次第に薄まっていった。

ヒート期間は仕事を休み、睦みあった、

籍を入れてから半年。

「恋次‥‥‥妊娠した」

「まじっすか」

「そうだ」

「朽木家の次期当主っすね」

「気が早い」

「産んでくれるんでしょう?」

「そのつもりだ」

朽木家の当主は、今は恋次だが、実際切り盛りしているのは白哉だった。

「幸せに、なりましょう」

「私は、すでに幸せだ」

「隊長‥‥‥」

「白哉と、呼べ」

「白哉‥‥‥‥」

恋次と白哉は、口づけをしあいながら、ベッドに向かうのであった。




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よっぱらい

「日番谷隊長」

「なんだ、浮竹か。遊びにきても、あいにく俺には仕事がある。ソファーに座って、わかめ大使でも食って待ってろ」

浮竹は、10番隊の執務室のソファーで大人しく茶を飲みながら、わかめ大使を食べていたかと思うと、立ち上がって日番谷のところにきた。

「なんだ?」

「日番谷隊長、子作りしよう」

「ぶばーーーー!!!」

日番谷は、飲みかけていたお茶を重要な書類に上に、吹き出してしまった。

「な、何言ってやがる。そういうのは、京楽としとけ」

「嫌だ。日番谷隊長がいい」

浮竹に押し倒されて、日番谷は浮竹をどうしようかと考える。

正気でないのは確かだ。

「きゃあ、隊長が浮竹隊長に押し倒されてるうううう!いやーん、写真とらなきゃ」

松本は、そんな二人を見て腐った脳をしているので、創作のネタにしようとしていた。

「松本、のんきに写真なんかとってないで助けろ!」

「浮竹×日番谷。禁断の果実」

松本はすでに遠い世界に、旅立っていた。

浮竹からは、アルコールのにおいがした。

「おい、このよっぱらい。子作りは京楽としとけ」

「京楽だと、俺が産むことになるだろう?俺は日番谷隊長がいい」

「お前、自分で何言って、何してるのかわかってるのか?」

「あはははは、世界がまわるううう」

「だめだこりゃ」

浮竹は、酒にべろんべろんに酔っている挙句、熱を出していた。日番谷は、浮竹をどかして、執務室のソファーに座る。

浮竹が、まともな思考回路でないことは、確かだった。

「浮竹、日番谷隊長のところにいたの。ほら、戻るよ」

京楽がやってきて、浮竹を連れて帰ろうとするが、浮竹は嫌がった。

「まだ、日番谷隊長と子作りしてない」

京楽の視線が、日番谷に注がれる。

「言っとくが、何もしてないからな。浮竹に押し倒されたが」

「うらやましい」

「はぁ!?」

「浮竹がべろんべろんに酔っている挙句に、熱出してるの知ってるよね。浮竹ってば、熱あるの隠してボクのお酒のんで、いきなり日番谷隊長と子作りしてくるとか言って飛びだしていったの」

「そこをどうにかするのが、お前の役割だろう、京楽」

「浮竹、熱あって酔ってる癖に瞬歩早いから。追いかけるのに苦労したよ。未遂でよかった」

「未遂も何も、されかけたら氷輪丸でぶっとばす。病人でもだ」

「ほら、浮竹、冬獅郎君はああ言ってるから、子作りはボクとしようね?」

「じゃあ、ここでする」

「いいよ」

「おいまてこら」

「あ、春水‥‥」

「待ってっいってるだろ!」

「ああっ」

「蒼天に座せ、氷輪丸!!!」

「なんであたしまでええええ」

松本も巻き込んで、氷輪丸を初解させて、氷の龍を出すと浮竹と京楽と吹っ飛ばす。

京楽は慣れたもので、浮竹をお姫様抱っこして、瞬歩で去ってしまった。

「あー、また壊しちまった。ま、京楽の金で明日には修繕できてるだろうから、いいか」

べちゃ。

松本が落ちてきた。

「おい、生きてるか?」

「浮竹×日番谷で今度のコミケでます」

「こおら、松本おおおおおお」

「きゃあああああああ」

氷輪丸でまた吹っ飛ばされるのだが、松本はコミケで浮竹×日番谷の小説本を出すのである。


「浮竹、大丈夫?熱、あがってるよ」

「つわりだ。京楽の子を身籠った。気分が悪い」

「それ、ただ酒に酔ってのことだから」

「日番谷隊長と、子作りしたかった」

「君にはボクがいるでしょ」

京楽は、浮竹を雨乾堂の布団に寝かせて、氷水に浸してしぼったタオルを額に置いた。、

「京楽の子だと、スケベでアホでマヌケな子ができる」

「散々な言われようだね」

「きっと毛が性別関係なくもじゃもじゃなんだ」

「否定できない‥‥‥」

京楽は、浮竹に解熱剤を飲ませようと渡すが、浮竹は。

「いらない」

そう言って、飲まない。

「仕方ないねぇ」

京楽は、コップの水を口にふくんで、口移しで解熱剤を飲ませた。

「あ、京楽のせいで妊娠した」

「口づけで妊娠するの?」

「京楽はたらしだから」

「昔の話でしょ?ほら、いいからもう寝なさい」

体温計で熱を測ると、40度あった。

よく外を、酔ったまま瞬歩で移動できたものだと思った。

「仕方ない。日番谷隊長との子作りは、明日にする」

その明日には、昨日のことなど全く記憶にない浮竹がいるのだった。



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よっぱらい

「日番谷隊長」

「なんだ、浮竹か。遊びにきても、あいにく俺には仕事がある。ソファーに座って、わかめ大使でも食って待ってろ」

浮竹は、10番隊の執務室のソファーで大人しく茶を飲みながら、わかめ大使を食べていたかと思うと、立ち上がって日番谷のところにきた。

「なんだ?」

「日番谷隊長、子作りしよう」

「ぶばーーーー!!!」

日番谷は、飲みかけていたお茶を重要な書類に上に、吹き出してしまった。

「な、何言ってやがる。そういうのは、京楽としとけ」

「嫌だ。日番谷隊長がいい」

浮竹に押し倒されて、日番谷は浮竹をどうしようかと考える。

正気でないのは確かだ。

「きゃあ、隊長が浮竹隊長に押し倒されてるうううう!いやーん、写真とらなきゃ」

松本は、そんな二人を見て腐った脳をしているので、創作のネタにしようとしていた。

「松本、のんきに写真なんかとってないで助けろ!」

「浮竹×日番谷。禁断の果実」

松本はすでに遠い世界に、旅立っていた。

浮竹からは、アルコールのにおいがした。

「おい、このよっぱらい。子作りは京楽としとけ」

「京楽だと、俺が産むことになるだろう?俺は日番谷隊長がいい」

「お前、自分で何言って、何してるのかわかってるのか?」

「あはははは、世界がまわるううう」

「だめだこりゃ」

浮竹は、酒にべろんべろんに酔っている挙句、熱を出していた。日番谷は、浮竹をどかして、執務室のソファーに座る。

浮竹が、まともな思考回路でないことは、確かだった。

「浮竹、日番谷隊長のところにいたの。ほら、戻るよ」

京楽がやってきて、浮竹を連れて帰ろうとするが、浮竹は嫌がった。

「まだ、日番谷隊長と子作りしてない」

京楽の視線が、日番谷に注がれる。

「言っとくが、何もしてないからな。浮竹に押し倒されたが」

「うらやましい」

「はぁ!?」

「浮竹がべろんべろんに酔っている挙句に、熱出してるの知ってるよね。浮竹ってば、熱あるの隠してボクのお酒のんで、いきなり日番谷隊長と子作りしてくるとか言って飛びだしていったの」

「そこをどうにかするのが、お前の役割だろう、京楽」

「浮竹、熱あって酔ってる癖に瞬歩早いから。追いかけるのに苦労したよ。未遂でよかった」

「未遂も何も、されかけたら氷輪丸でぶっとばす。病人でもだ」

「ほら、浮竹、冬獅郎君はああ言ってるから、子作りはボクとしようね?」

「じゃあ、ここでする」

「いいよ」

「おいまてこら」

「あ、春水‥‥」

「待ってっいってるだろ!」

「ああっ」

「蒼天に座せ、氷輪丸!!!」

「なんであたしまでええええ」

松本も巻き込んで、氷輪丸を初解させて、氷の龍を出すと浮竹と京楽と吹っ飛ばす。

京楽は慣れたもので、浮竹をお姫様抱っこして、瞬歩で去ってしまった。

「あー、また壊しちまった。ま、京楽の金で明日には修繕できてるだろうから、いいか」

べちゃ。

松本が落ちてきた。

「おい、生きてるか?」

「浮竹×日番谷で今度のコミケでます」

「こおら、松本おおおおおお」

「きゃあああああああ」

氷輪丸でまた吹っ飛ばされるのだが、松本はコミケで浮竹×日番谷の小説本を出すのである。


「浮竹、大丈夫?熱、あがってるよ」

「つわりだ。京楽の子を身籠った。気分が悪い」

「それ、ただ酒に酔ってのことだから」

「日番谷隊長と、子作りしたかった」

「君にはボクがいるでしょ」

京楽は、浮竹を雨乾堂の布団に寝かせて、氷水に浸してしぼったタオルを額に置いた。、

「京楽の子だと、スケベでアホでマヌケな子ができる」

「散々な言われようだね」

「きっと毛が性別関係なくもじゃもじゃなんだ」

「否定できない‥‥‥」

京楽は、浮竹に解熱剤を飲ませようと渡すが、浮竹は。

「いらない」

そう言って、飲まない。

「仕方ないねぇ」

京楽は、コップの水を口にふくんで、口移しで解熱剤を飲ませた。

「あ、京楽のせいで妊娠した」

「口づけで妊娠するの?」

「京楽はたらしだから」

「昔の話でしょ?ほら、いいからもう寝なさい」

体温計で熱を測ると、40度あった。

よく外を、酔ったまま瞬歩で移動できたものだと思った。

「仕方ない。日番谷隊長との子作りは、明日にする」

その明日には、昨日のことなど全く記憶にない浮竹がいるのだった。



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