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黒猫と白猫の亜人24

浮竹は、主である白哉の膝の上で丸くなる。

「にゃあ」

白哉の膝の上で、小首を傾げてから、浮竹は眠ってしまった。

白哉は、貴族としての責務である書類の仕事をしていた。立ち上がろうとして、浮竹が寝ていることに気づき、それを見て同じく丸くなっていた京楽が気づき、人の姿になって浮竹を受け取る。

「最近、寝ていることが多いな。白猫は、少し病弱だからな。心配だ」

「確かに、最近の浮竹、元気ないね」

もう、3週間もセックスしていなかった。

京楽が誘うが、気分が乗らないと、浮竹は拒否する。

「念のため、獣医に診てもらうか」

「うん」

人の医者でもいいのだが、猫でもあるので、両方の医者に診てもらうことになった。

「なまけ病ですな」

「ま、なまけ病?」

「本物の猫から感染する、眠ってばかりになり、食事もとらなくなって、放置していると衰弱ししてしまう、けっこう怖い病気ですよ」

「大変だ!ドクター、治す方法は?」

「特効薬があります。注射して、1週間ほど薬を与え続ければ治るでしょう。しかし、猫の亜人が猫と同じ病にかかるとは」

「京楽、兄も念のため注射を受けておけ」

獣医は、嫌がる浮竹に注射して、次に猫の姿になった京楽に注射する。

「広場の猫たちにも、注射してほしい」

「はいはい。何匹ですか?」

「123匹だ」

「また、増えてる‥‥‥」

京楽は、愛猫家の白哉の猫の保護活動には賛成でもないし、反対でもなかった。

野良猫は暖やら餌を求めてやってくる。居つく猫は、そのうち純金の首輪を与えられて、白哉の猫として保護される。

「100匹超えですか。ちょっと、いったん家に戻り、特効薬を取ってまいります」

「頼む。京楽は、浮竹についていてやってくれ」

「うん」

浮竹は、注射された時は嫌がってぴくんと耳をたてて反応したが、後は眠りっぱなしだった。

「浮竹、早くよくなってね」

浮竹は、人の姿になる元気もないようで、その日の夕飯はキャットフードだった。中に薬を混ぜていた。

食欲はあるようで、キャットフードは高級な魚を使っているせいで、貧民が食べるものより上等だった。

ぺろりと平らげて、浮竹は京楽の眠るベッドの傍で丸くなって眠った。

少量ならと、白哉から猫の亜人用のまたたびをもらっていた。

猫の浮竹が起きて、またたびにじゃれつき、噛んでよっぱらい状態になって、そのまま人の姿に戻る。

「京楽、世界が廻ってる‥‥‥‥にゃああん」

またたびのせいで、浮竹は酔っ払い状態になっていた。

京楽はまたたびに反応しないので、またたびで酔ってしまった浮竹は新鮮だった。

「浮竹、起きてて大丈夫?」

「にゃあ、体が熱い」

ぽいぽいと、着ている服を脱いでしまう。

「にゃあああ」

喉をごろごろ鳴らして、猫の姿になったり人の姿になったりを繰り返す浮竹。

猫の姿でまたたびに酔い、京楽のものを服の上から舐める。

「ちょ、浮竹?盛ってる?」

浮竹は、人の姿になった。

「悪いか‥‥‥にゃあ、鎮めろ」

ごくりと、浮竹は唾を飲み込む。

「じゃあ、抱くよ?」

「早くう。体が疼く」

いわゆる、誘い受けというやつだ。浮竹は、自分から足を開く。

「いただきます」

京楽は、3週間我慢していたので、ぎんぎんに勃っていた。

「にゃあああ」

浮竹が、口で奉仕してくれる。

「あ、いいねぇ。そこ、もっと舐めて?」

「にゃああん」

京楽は、浮竹の白猫の耳をもふったり、揺れる尻尾を触る。

浮竹は、京楽が性欲が強いのを知っているので、口で2回抜いてくれた。

浮竹の口の中に立て続けに精液を出して、飲み切れなかった精液が、浮竹の顎を伝う。

「うわ、エロ‥‥‥」

「にゃああんん」

浮竹は、またたびのせいかにゃあにゃああ鳴いた。

浮竹が自分の精液を飲み込んだのを確認した京楽は、浮竹に口づける。

「にゃっ」

浮竹が、京楽の首に噛みつく。

潤滑油を手に、浮竹の蕾をほぐしていく。

「にゃあああん」

物足りないと、尻尾が揺れる。

その尻尾をに握って、京楽は浮竹の中を突きあげる。

「にゃあああん!」

びくっと、浮竹は背をしならせて、オーガズムでいっていた。

「あ、あ」

浮竹は、人の声を取り戻す。

「やあああ、体が熱いのおお」

「鎮めてあげるからね?」

こくんと、浮竹が頷く。

「京楽のでぇ、中を犯して、子種でいっぱいにして?」

「浮竹、エロいね」

「あんっ」

浮竹の奥を貫くと、浮竹は射精しながらオーガズムでもいっていた。

「ああ、にゃああああん」

もっとと、求めてくる。

京楽は、ぐちゅぐちゅと結合分が水音をたてて、泡立つまでピストン運動を続ける。

「あ、そこいいのお。にゃあああ」

「ここだね?」

「にゃっ!」

耳と尻尾をピーンと立てる浮竹。それから、へにゃりとなる。

「あ、いっちゃうううう」

京楽に自分のものをしごかれて、ドライでいきながら、浮竹は京楽の手の中に精液を吐き出していた。

「にゃああ、いくの、とまらない♡」

「浮竹、大好きだよ」

「じゃあ、もっといかせて?」

京楽は、浮竹の胎の奥に子種を注ぎ込む。

それから一度引き抜き、体位を騎乗位に変えて交じりあった。

「やん、やん」

下からとんとんと突き上げられる度に、浮竹は啼く。

「はぁぁぁ!」

京楽のものを引き抜いて、浮竹は腰を下ろしていく。

ずぷずぷと、京楽のものを飲みこんでいく秘所をさらして。

「ああ、今日の浮竹めっちゃエロい」

「にゃあああん」

奥をぐりっと突き上げられて抉られて、浮竹は顔を天井に向けていく。

「あああん」

「あ、ボクもいく」

浮竹の中に2回連続で子種を注ぎこむ。

浮竹は、もう限界のようであった。京楽のものは、まだ硬さを失っていない。

浮竹は、足りない時は抜いてやるという約束を覚えているのか、京楽のものを手でしごいて、もう何も出せないまで追い詰めた。

「はぁ‥‥‥俺の中、京楽の子種でいっぱい♡」

秘所をさわると、ぐちゅりと音をたててたくさんの精子が逆流してくる。

「わ、タオルタオル」

「んあ‥‥ねぇ、京楽」

「なんだい?」

「またたびセックス最高によかった。また、いつかしよう」

「う、うん」

後始末をしながら、京楽は今日の浮竹はエロすぎると思うのであった。

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黒猫と白猫の亜人23

「にゃあ‥‥‥」

「へ?」

京楽の子を宿したという、茶色の猫が浮竹の元を訪れていた。

「にゃあにゃあ(京楽さん、酔ってたんですよ。猫の姿で、発情期の私に交尾しましたわ。お腹の子は、京楽さんの子ですわ。責任とってもらいますから)」

「猫の亜人と猫では、子供できないはずなんだが」

「にゃあにゃあにゃあ(あら、知りませんでしたの?黒猫の亜人の場合、普通の猫との間にも子ができるのです。なので、責任とってもらいますから)」

「京楽ううううう」

「んー、どうしたの浮竹?」

浮竹は、猫の広間から自分たちの一軒家に戻ると、京楽に問答無用でアッパーを食らわせた。

「この、浮気者おおおおお」

「えええええええ。話が見えない!」

「にゃあ!(京楽さん、責任とってもらいますよ)」

「ああ、君はエレンちゃん?」

「やっぱり浮気なのかあああ!!!!」

「もぎゃあああああああ!ま、待って、浮竹!黒猫でも、普通の猫の亜人のように、猫との間に子はできないよ?その、交尾はしたけど」

浮竹が怒る。

「交尾したってことは、浮気を認めるんだな?」

「ええっ。猫相手だったし‥‥‥酔ってたし‥‥‥」

「雌猫に交尾するのも立派な浮気だ」

「はい、すみません」

「にゃああ(私のお腹の子はどうなるの。私、京楽さん以外と交尾してませんのよ?)」

「エレンちゃんは、たしかタシノ君とできていたよね?」

「にゃ(びくっ)」

エレンちゃんという茶色の猫は、逃げ出した。

「にゃああん(私、用を思いだ出したのでこれで失礼させてもらいますわ)」

「はぁ‥‥白状しろ。今まで、何回雌猫と交尾してきた」

「えーと30回以上」

「この色欲魔あああああ!」

浮竹からまたアッパーを食らって、京楽はベッドの上に倒れる。

「実家に帰らせていただきます」

「ええ、浮竹ぇ?」

浮竹は、魔王城にテレポートするお札を手に、魔王の浮竹のところに家出をしてしまった。

「魔王城って、実家なんだろうか」

そんな疑問を口にする京楽は、はてどうすれば浮竹が許してくれるのだろうかと考えるのであった。



「全く、京楽のやつ、雌猫と30回以上交尾したとか、浮気のし過ぎだ」

『まぁ、黒猫のボクもたまってたんじゃない?君に負担かけたくないとかで』

『それはありえそうだ。黒猫の亜人は性欲が強いらしいから』

浮竹は、幽鬼の京楽が用意してくれた紅茶クッキーをかじりながら、紅茶を飲む。

「たまっていたなら、言ってくれればよかったんだ。その、セックスまではできないけど、抜いたりとはかできるから」

『これ、痴話喧嘩だね』

『そうだな。まぁ、気がすむまでここにいさせよう』

丸一日、浮竹は魔王城で過ごした。

『白猫の俺、一緒にお風呂入ろう』

『白猫の浮竹、ホットココアができたよ』

浮竹は、甘やかされまくった。

魔王の浮竹と一緒にお風呂に入って、髪だけでなく肌も洗ってもらう。猫の姿になると、ブラッシングもしてもらった。

幽鬼の京楽には、絵本を読んでもらい、ホットココアをもらう。

「幸せだなぁ」

夜寝る時は、魔王の浮竹と幽鬼の京楽を挟んで、川の字で寝た。

『起きた?朝食できてるよ』

「うーん、あと10分」

『分かったよ。10分後に起こしに来るからね?』

幽鬼の京楽に10分後に起こされて、寝ぼけ眼で、浮竹はパジャマ姿のまま食堂に行く。

朝から豪華な朝食が用意されてあった。

「おいしい‥‥」

『おかわり、あるからね?』

『白猫の俺、おはよう』

「魔王の俺、おはよう」

浮竹はおかわりをした。

昼まで昼寝をして過ごした。その後も甘やかされた。パジャマから魔王の浮竹のものだという、いい匂いのする服をもらって着替えた。

猫の姿でいると、魔王の浮竹からチュールをもらい、浮竹はぺろぺろとそれを舐めて食べる。

『ああ、かわいいなぁ。いっそ、俺んところの子になるか?』

「はて。俺は、なんでここにきたんだっけ」

『さぁ?昼ごはん用意してあるからな』

魔王の浮竹は、本気でこのまま自分ちの子にしたそうだった。

お昼ご飯を食べて、猫の姿になってお城の中を探検すると、幽鬼の京楽にだっこされる。

『お迎えが、来てるよ?中庭に行こうか』

浮竹は、中庭で魔王の浮竹と幽鬼の京楽と午後の紅茶を楽しむ。

京楽が迎えに来た。

「浮竹、ボクが悪かったから、帰ろう?」

「何が?」

「何がって、どうしたの」

「俺は今幸せなんだ。なんで京楽が悪かったのか分からない。あ、この紅茶クッキー食べるか?」

「食べるけど‥‥‥帰ろう?ボクたちの家に」

「俺は、京楽とケンカしていたのか?」

「そうだよ。ボクが雌猫に手を出すからって」

「ああ、思い出した!もう、しないか?」

「しない。約束するから」

「本当だな?破ったら、1カ月禁欲だからな?」

1カ月の禁欲はきついと、京楽も素直に反省した。

「お前は、黒猫の亜人だから、その性欲が強いから俺とできない時に雌猫とを交尾していたんだろう?」

「うん」

「今度から、俺に言え。セックスした後も、まだすっきりしなかったら、俺が抜いてやるから」

「まじ?」

「まじだ」

仲直りする二人を見て、魔王の浮竹と幽鬼の京楽は、浮竹を自分ちの子にできなくてちょっと残念がった。

『また、喧嘩したらおいで』

『白猫の俺、いつでもこいよ』

浮竹と京楽は、元の自分たちの家に戻るのだった。

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黒猫と白猫の亜人19

「浮竹、話があるんだ」

「なんだ?」

「ボクが時折金色の瞳をしているのは知っているね?」

びくりと、浮竹が止まる。

「ボクの中には、サタナシア・オルタナティブという別人格というか、別存在がある。人格ではないね。ボクの中に混ざって溶け込んでるから。それでも、時おり意識を滲ませる。ボクが金色の瞳をしている時は、サタナシア・オルタナティブがいるんだと思って。ボクが君を愛しているように、通称サタンも君を愛しているから、危害は加えないと思う」

「溶けてこんでいるってことは、ただの京楽には戻れないんだな?」

「うん。もしもボクが金色の瞳のまま戻らない時は、幽鬼のボクを頼って?もう一人のボクを、通称サタンは怖がってるから」

「分かった」

そんな会話をした数日後、突然京楽が倒れた。

高熱を出して倒れ、マナ欠乏症であることが分かり、浮竹は白哉を頼ってマナ回復の上位ポーションを買ってもらい、京楽に与えた。

ぶわりと、京楽の中に封印されていた魔力が解放される。

目を開けた京楽は、金色の瞳をしていた。

「ボクは‥‥」

「京楽、こっちにこい」

「浮竹、十四郎」

「浮竹、京楽はどうしたのだ?」

「白哉。京楽の中には、サタナシア・オルタナティブという別存在が存在する。通称サタン。今、京楽の意識がないから出てきたみたいだ。害はなさないけど、京楽が目覚めれないから、サタンの苦手な幽鬼の京楽のところにいってくる」

浮竹は、京楽抱きしめて、魔王の浮竹の城までいけるお札を手にとる。

二人は、テレポートして魔王の浮竹の城までやってきた。

『どうしたの』

ちょうど、魔王の浮竹と幽鬼の京楽がお茶をしているところだった。

「あ、幽鬼の京楽、助けてくれ。京楽がサタナシア・オルタナティブを宿して、意識を戻してこない」

『おや、いけない。おはようだね、サタナシア・オルタナティブ?』

幽鬼の京楽が、ぼんやりしていた金色の瞳の京楽の目をのぞきこみ、にっこりと赤い虚ろな目でいると、京楽の中のサタナシア・オルタナティブは恐怖を感じて、逃げ出していこうにも、京楽という肉体に縛られているので逃げられない。

幽鬼の京楽は、そんな京楽を見てにこにこしている。

(ぎゃあああああ)

京楽の中のサタナシア・オルタナティブが悲鳴をあげて、京楽の意識の中に溶けていく。

「あれ、ボクは?幽鬼のボクに魔王の浮竹?」

「京楽、元に戻ったんだな!」

浮竹は、安堵して京楽に抱きつく。

「わっ」

いきなりのことだったので、京楽は中庭で尻もちをついた。

「京楽、お前が金色の瞳になったまま元に戻らないから、幽鬼の京楽に助けてもらったんだ」

「ああ、そうだったのかい。それで、魔王城にいるんだね?」

『せっかく来たんだ。お茶していけ』

『そうだね。お茶、いれるね?』

「幽鬼の京楽、ありがとう」

『どういたしまして』

幽鬼の京楽は、客人である京楽と浮竹の分のお茶をいれると、紅茶クッキーを用意してくれた。

「このクッキーおいしいから好きなんだ」

よく食べる浮竹を、京楽は愛しそうに見る。

『黒猫のボク。サタナシア・オルタナティブはボクのこと怖がってるから。また何かあったら、ボクのところへおいで。黒猫のボクが動けない時は、白猫の浮竹、君が頼りだよ』

「分かった」

「分かったよ。ありがとう」

そのままお茶をしてから、白哉の家に戻る。

白哉が、浮竹と京楽を抱きしめる。

「心配、したのだぞ」

「うん。ごめんね、白哉君」

「白哉、いきなりいなくなってすまん」

「一度、専門家に診てもらうか?」

白哉の提案に、京楽が首を横に振る。

「ボクが赤子の時からの付き合いだし、ボクと混じりすぎて、サタナシア・オルタナティブだけを消すのは‥‥‥そうだね、幽鬼のボクならできるかもしれないけど、ボクはサタナシア・オルタナティブもボクの一部だと思っているから」

うまく付き合っていくよ、と京楽は浮竹の頭を撫でて、白哉の頭も撫でた。

「念のため、大神官の恋次を呼んでいたのだが、無駄足だったな」

「そんなこと言わないでくださいよー。京楽さん、みてあげますから、座ってください」

恋次に言われて、京楽はソファーに座りこむ。

「出てこい。通称サタン」

京楽がそう声をかけると、京楽は瞳を金色に変えた。ぶわりと、まとう魔力が高くなる。

「あ、無理っす」

「へ?」

浮竹が、間の抜けた声を出す。

「正真正銘、悪魔王サタンの一部ですね。俺の手でどうこうできる存在じゃありません」

「サタナシア・オルタナティブは、悪魔王サタンの一部なのか」

「うーん、正確には違うかもしれないけど、悪魔王サタンとどこかでリンクしてますね」

「そうか‥‥‥」

浮竹は、京楽を抱きしめる。

「どんな京楽であろうと、俺はお前を愛してる」

浮竹に抱きしめられて、京楽は涙を滲ませる。

「うん。ボクがなんであれ、ボクを愛してくれてありがとう」

恋次と白哉やは、浮竹と京楽を残して部屋から退出する。

「悪魔王サタンか。きな臭いな」

「魔王サタン崇拝者には、涎物の存在ですね。情報がもれないようにしないと」

「無論、兄は神殿に報告したりしないであろうな?」

「え、あ、はい」

実はちょっとだけ報告するか迷っていた恋次であったが、白哉の言葉で報告するのはなしにした。

「悪魔王サタンに魔王浮竹‥‥‥人の手には、余る存在だな」

白哉は、長いため息を零すのであった。

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黒猫と白猫の亜人22

その日、王国では実に数年ぶりになる雪が降った。

「京楽、この冷たいのはなんだ?」

「雪だよ。この地方は暖かいから、雪が降るのは珍しいね」

「初めて見た」

「これは積もりそうだね。雪が積もったら、雪だるまや雪うさぎを作って、雪合戦もしようか」

「なんだか分からないが、楽しそうだな」

その日は、散歩はなしにして、白哉の家の窓から、しんしんと降る雪を見ていた。

ぱちっと、暖炉の火が爆ぜる。

「浮竹、外に出て雪で遊ぶのであれば、ちゃんと温かい恰好をしておけ。兄は病弱だからな。まぁ、白猫の亜人が体が弱いのは当たり前なので仕方ないかもしれぬが」

「俺は元気いっぱいだぞ?」

「でも浮竹、この前熱だしたでしょ?」

「ああ、そう言われると回答に困る」

その日は、浮竹は窓の外から雪が積もるのをずっと見ていた。

次の日になり、雪は積もったまま溶けることがなかった。

「雪だるま作ろうか」

京楽が、作り方を浮竹に教えて、二人で雪玉を大きく大きく作っていく。

下の部分ができると、頭の部分を作って、二人でもちあげてほぼ完成した。

「目は‥‥‥青いビー玉があったから、これにしよう」

「腕は?」

「この木の棒でいいんじゃない?」

腕の木の棒に、浮竹は古くなって使わなくなった手袋をさせる。

鼻は台所でもらってきた人参の先端、口は黒めの小さな木の枝にした。

「次は雪うさぎ作ろうよ」

「ああ」

二人で、2匹の雪うさぎを雪だるまの隣につくる。

目は赤いビー玉、耳は庭園にある緑の葉っぱを作った。

「白哉君呼んでこよ」

「俺が呼んでくる」

浮竹は、今日は仕事をお休みにしている白哉を呼ぶ。

「白哉、雪だるまと雪うさぎを作ったんだ。写真とりたいから、一緒に来てくれ」

「兄は、子供心を忘れぬのだな。すぐ向かう」

白哉は、風邪をひかないように上着をきてから、京楽と浮竹の元に向かう。

ちなみに、遊びにきていた恋次にカメラをもたせて、一緒にやってきた。

「ほう、見事だな」

雪だるまは、白哉の身長より幾分か低いくらいの大きさだった。

「白哉も、恋次君も、雪うさぎ作るか?」

白哉が頷く。白哉が作るなら自分もと、恋次も雪うさぎを作り出す。

「目は、この赤いビー玉‥‥‥というか、これは赤水晶の結晶だな」

「え、なんか高いやつか?」

「いや、赤水晶は安い。ビー玉よりは高いが」

「白哉が安いというと、なんだか高そうな気がする」

「1個、銀貨2枚くらいだよ」

「後で回収するし、それくらいならいいか」

京楽の言葉に、浮竹は1個銀貨2枚くらいならと思う。浮竹は昔なら、銀貨2枚なんてという価値観であったが、大金持ちの4大貴族の朽木にいるせいで、金銭感覚が狂ってきていた。

「葉は、これらを」

庭園にしげっている木の葉をちぎって、4枚で2匹分の雪うさぎの耳にした。

「写真とりましょう!記念に!」

恋次が言うと、浮竹は京楽と手を握り合い、雪だるまの隣に座りこむ。

白哉は、雪うさぎの群れの後ろに立った。

「じゃあ、写真撮りますよ。後で、俺と白哉さんだけのツーショットも撮ってくださいね?はい、いきますよー」

パシャリ。

パシャリ。

何枚か恋次は写真をとった。

写真を撮る度に浮竹と京楽は動き、最後は白哉としゃがんで3人並んで撮ってもらった。

「じゃあ、俺と白哉さん撮ってください」

恋次が、白哉の隣に並ぶ。

それだけならよかったのだが、2枚目の写真を撮る時には白哉を抱き寄せ、口づけしようとしたので白哉に殴られていた。

「愛が痛い」

殴られて寝転んでいる恋次と、呆れている白哉をツーショットで撮った。

「今度、この写真を恋次の大神官の写真に用いるようにしてやろう」

「あああ、白哉さんごめんなさいいいいい」

呆れる白哉のご機嫌をとろうとする恋次に、浮竹が丸めた雪玉を投げた。

「浮竹さん、やりましたね?」

白哉にも、雪玉を投げるがひょいと交わされてしまった。

「雪合戦をしよう!俺と京楽と、白哉と恋次君で勝負だ!」

「泣いてもしりませんよ?」

「仕方ない‥‥」

白哉も恋次も混じって、雪玉を投げ合う。

京楽がひたすら雪玉を作って、それを浮竹が投げた、

「わっ」

白哉の投げた雪玉が、浮竹の顔面に当たる。

「降参か、浮竹?」

「まだまだ!」

京楽も参加して、雪玉を投げていく。

ちなみに恋次の投げる雪玉は違う方向に飛んでいく。

「恋次、兄は雪玉だけ作っていろ。投げても変な方角に飛ぶだけだ。全く、使えない‥‥‥」

「じゃあ、白哉さんの盾になります!」

白哉の前に飛び出して、恋次は京楽の投げた雪玉をいっぱいくらって、倒れた。

「勝負あり、かな?」

「やったね、浮竹」

「全く、使えない‥‥‥」

「しくしく( ノД`)」

白哉は風邪をひくからと、浮竹を連れて家の中に戻ってしまう。

「恋次君、白哉君に使えないって言われたわりには嬉し気だね?」

「だって、失敗しても白哉さん昔みたいに俺をずっと無視とかじゃないから。あたっくし始めた当時は、24時間完全無視だったんです」

「そりゃきつい」

「だから、こうして一緒に過ごせてすごく幸せです」

恋次は笑う。

愛の形はいろいろだが、白哉と恋次はぎこちないが、それでも愛し合っているんだなぁと京楽は思うのであった。




「浮竹、体は大丈夫?」

「大丈夫、だからぁ。もっと、お前をくれ、京楽」

浮竹は、足を開いて、疼く秘所を指で広げて誘ってくる。

「ここ、お前ので満たして?」

「仕方ないねぇ」

京楽は、硬く反り返った己のものを、すでに濡れてほぐしてとろとろにしてある蕾にあてがい、挿入していく。

「あああ、きたぁ。熱いのお」

「浮竹、抱かれるの好きだよね?」

「あ、俺は男娼だったからぁ。抱かれるのは、すき」

「君はもう男娼なんかじゃないよ。ボクの伴侶なんだから」

「んあ、お前の、今までのどの客だったやつよりいい。はぁ、いいよお」

身を快感でくねらせる浮竹に、京楽は体を抱きしめから浮竹の奥に精液を注ぎこむ。

「はぁん、いっぱいで、満たされてく‥‥京楽のザーメン、熱くてすきぃ」

「全く、君は清楚系の美人さんなのに、夜になるとサキュバスのようだね?」

「ふふふ、嫌か?」

「ううん、大歓迎だよ」

浮竹は、京楽に深く口づける。京楽は、舌を絡ませる。

「ああ、いい。あ、あ、いくううう」

京楽にオーガズムでいきながら自分のものをしごかれて、浮竹は射精していた。

「君、中だけでもここでいけるよね?」

ピンと、まだ硬く勃ちあがったものを指ではじかれて、浮竹はその刺激にびくっ体を反応させる。

「中だけでいくのも、すき」

「どっちで?射精して?それともメスの中いき?」

「あ、メスの中いきも、射精していくのも、どっちもすきぃ」

トロトロと蜜を零す浮竹のものを握りこむ。

「あぁあああ、そんな風にしたら、いっちゃううう」

「中いきもしてね?」

ぱちゅんと音たてて、奥まではいってきた京楽のものが、精液を中で吐き出す。

「んああああ、いくうう、いってるうう♡」

「浮竹、大好きだよ」

「あ、俺も好き‥‥京楽、もっとおお」

外では、また雪が降っていた。

作った雪だるまや雪うさぎは溶けないようで、京楽は心のどこかで安堵する。

「ボクはまだいけるよ?君も、付き合ってね?」

「んあああ、はぁん、いきすぎて変になったら、責任とれよ」

「君なら、平気でしょ。こんなに淫乱なんだから」

「やああ、俺は普通だからぁ」

「普通の男性は、男をくわえこんでいったりしません」

「京楽の、意地悪ぅ」

浮竹は啼きなら、京楽を締め付ける。

もう何度目の熱か分からぬ白濁を浮竹に注ぎこむ。浮竹は、うっとりとした表情をしている。

「雪、降ってるね」

「んあ、雪、か‥‥‥」

雪は嫌いでないと、浮竹も京楽も思うのであった。

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黒猫と白猫の亜人外伝3

ある日、浮竹は起きると白猫の子猫になっていた。

「にゃあ!?(なぜだ!?)」

にゃあにゃあと叫んで、京楽を起こす。

「んー、見慣れない子だね。浮竹、知らない?」

「にゃああ(俺が浮竹だ)」

「あれ、この子何を言ってるのか分からない‥‥‥不思議だね。たまにいるんだよねぇ。子猫だと、心の声が聞こえない子」

「にゅあああ(京楽、俺が分からないのか。俺の言ってる言葉も分からないのか」

そうだと、浮竹は人の姿に戻ろうとするが、できなかった。

「にゃああああ(ずっとこのままだったらどうしよう)」

浮竹は、にゃあにゃあ鳴いて、京楽の服を引っ張る。

「遊んでほしいの?」

「にゃあ(違う。助けてほしい)」

「猫じゃらしあるよ?」

「にゃっ」

つい、条件反射で浮竹は猫じゃらしで遊んでしまい、体力を使ってしまい、ぜえぜえいいながら、猫の広場に行った。

京楽がああでは、話にならないからだ。

「にゃあああ」

「にゃおーん」

「みぎゃああ」

広間では、白哉のものである刻印の刻まれた純金の首輪をした、白哉の猫でいっぱいだった。

中には半分野良の子もいる。

「おや、新しい白猫の子供か。まだ兄様の証の首輪をつけていないのだな。今、兄様のところに連れていってやる」

ルキアがそう言って、子猫姿の浮竹を抱っこして、白哉の元に連れていく。

白哉は、昨日恋次と睦みあったのか、気だるげな表情で、乱れた衣服を整えながら、ルキアと会う。ルキアは、兄の色っぽすぎる姿に、浮竹をその場に置いて去ってしまった。

「ああ、兄様が色っぽ過ぎる‥‥‥‥いかん、鼻血が」

そんなことを言いながら去っていくルキア。

残された白哉と浮竹は、見つめ合う。

「‥‥‥‥浮竹、か?」

「にゃあ!」

「どうしたのだ、そんな姿で」

「にゃあ!」

「ほう。起きると、その姿になっていたと?猫の亜人がかかる、風邪のようなものであろう。猫の亜人がある風邪をひくと、子猫の姿になって、毛並みや瞳の色も変わるそうだ。兄は白猫だが、瞳がオッドアイだな」

浮竹の瞳は、いつもの翡翠の色ではなく、金と銀のオッドアイだった。

「にゃあああ」

「元に戻る方法か?数日たてば、自然に治るそうだ。京楽には知らせていないのであろう?私から、連絡をいれておく」

白哉は、子猫のになった浮竹をひょいと頭の上にのせて、京楽のところにいく。

「あ、白哉君、浮竹知らない?どこ行ったんだろう」

白哉は、京楽に真実を話す。

「ええ、この子猫が浮竹?」

京楽は、浮竹を抱き上げる。

「にゃあ!」

浮竹は、京楽に猫パンチをかます。

「兄が分からなかったので、怒っているようだ」

「人の姿にはなれないのかい‥‥‥キャットフード食べさすには、まだ幼いね。子猫用のミルクあげなきゃいけないかも」

「では、世話は京楽、兄に任せたぞ」

「浮竹、子猫になってもかわいいいい」

「ぎにゃああああああああああああ」

浮竹は、激しい頬ずりにすごい悲鳴をあげる。

「にゃああああ」

これはたまらんと、逃げ出した。

「あ、浮竹さんだ」

「うにゃあ?」

いたのは、恋次だった。

「特殊な猫風邪にかかったんすね。確か、俺の部屋に特効薬が‥‥‥‥ああでも、この前の大掃除で捨てちゃったか」

「うにゃあ!」

便りにならん!

そう言って、浮竹は恋次に猫パンチをかます。

「浮竹さん、かわいいですね。(*´Д`)ハァハァ」

「ぎにゃあああああああああああ」

恋次が怖くなって、浮竹は逃げ出し、結局白哉の部屋に入って、白哉に抱き上げられて、白哉の頭の上によじのぼる。

その光景に、ルキアも、京楽も、恋次もメロメロになった。

美人すぎる白哉の頭の上に、かわいすぎる子猫の浮竹。

「しゃ、写真だ!恋次、早くカメラをもってこぬか!」

「あ、ボクもとりたい!」

結局、浮竹は子猫のまま数日を過ごした。

面倒は京楽がみてくれたけれど、眠る時などは白哉と同じベッドで寝た。

恋次が盛りだしても、浮竹は傍にいた。

「うにゃああ」

「恋次がいつもああなのかと?その通りだ、浮竹。全く、恋次はどうやって教育をされたらあんな色魔になるのであろう」

「にゃああん」

それは、白哉が美人すぎるからだ。

そう言う浮竹の頭を撫でて、白哉は淡く微笑む。

「にゃあ」

「浮竹、兄はよいな」

「うにゃあ?」

「自由な兄が、時おり羨ましくなる」

「うにゃ」

そうかな?

浮竹は、定位置になりつつある白哉の頭の上で、首を傾げる。

ちなみに、元に戻ったのはそれからさらに3日後だった。

白哉は恋次に。浮竹は京楽に。

かまってもらえばなかった時間を取り戻すかのように、いちゃいちゃしてきて、白哉は切れて、浮竹は呆れるのだった。

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黒猫と白猫の亜人21

ルキアの誕生日は1月14日だが、白哉の誕生日の31日に二人分のバースデーパーティーが開かれた。

31日の午前中は、白哉は貴族としてルキアと一緒に招いた貴族の客の相手をしていた。

午後になり、貴族の客たちが続々と帰っていく。

「白哉」

戸惑いがちに、浮竹が声をかけるが、白哉は静かに微笑む。

「他の貴族たちに祝われるよりも、兄や京楽といった知った者と祝われるほうが楽しいし嬉しい。今回はルキアの誕生日もかねているしな」

「バースデーケーキ、俺と京楽で用意したんだ」

貴族が集まっていた中庭ではなく、食堂でケーキを用意していた。

「浮竹、兄も作ったのか?」

「うん」

「ボクも作ったよ」

「京楽がまともにケーキが作れるとは」

「ふっふっふ、修行したからね。あ、ルキアちゃんの分もあるからね?」

ルキアが喜ぶ。

「かたじけない、京楽殿」

ルキアのバースデーケーキは白哉のものよりやや小ぶりで、苺がふんだんに使われていた。

「じゃあ、白哉とルキアちゃんのバースデーパーティー始めようか」

「白哉さん、これ誕生日プレゼントです。ルキアにはこっちの」

恋次が、高級そうな赤ワインを白哉に渡す。ルキアには、この地方では珍しいメロンの果汁のジュースをあげた。

ルキアはまだ未成年なので、酒は無理なのだ。

「俺からは、これを」

浮竹が二人に渡したのは、お揃いの柄のマフラーだった。

「最近寒いからな。早速、明日からでも使わせてもらう」

「浮竹殿、ありがとうございます」

「ボクからは、手袋を。浮竹のマフラーと同じ種類のをお揃いで」

京楽が二人に渡したのは手袋だった。京楽の言葉通り、浮竹がくれたものと同じ柄だった。

「大切に、使わせてもらう」

「京楽殿もありがとうございます」

「それにしても、恋次君の誕生日プレゼントが高いとはいえ、ただの赤ワインなのには驚いたね。てっきり、媚薬でも贈るかと思っていたのだけど」

「いや、赤ワインには媚薬は入ってませんからね!?」

いきなり慌てだす恋次を、みんなジーっと見る。

白哉が赤ワインの栓を抜いてグラスに注ぎ、恋次に飲ませる。

「体が熱い‥‥」

「恋次、兄という者は‥‥‥」

白哉はあきれて、赤ワインを全部恋次に飲ませて、もぞもぞする恋次を縛って放置するのだった。

「白哉さーん。俺といいことしましょうよー」

「あれは放置で」

「うん、空気だね」

「空気だな」

「恋次のやつ兄様に。後で鞭打ちの刑にでもしてやろうか‥‥‥」

媚薬を大量摂取して、はぁはぁいってる恋次を放置する。

浮竹は、食堂を去る間際に恋次に中和の魔法を少しだけかけてやった。



白哉の部屋で、浮竹と京楽と白哉とルキアの4人で、白哉やルキアの昔話を聞く。

「兄様に拾われたのは、12の時だ。もう5年になる。それまでは貧民街で過ごしていた。すりや食べるものを盗んで、生きてきた」

「ルキア‥‥」

「でも、兄様に拾われて全てが変わった。兄様は、緋真姉様の妹である私をずっと探しておられたのだ。貧民街に視察に出た兄様と偶然会い、今に至る」

その頃、白哉は緋真を失ったばかりであった。

形見を探すように、ルキアの似顔絵を作って、配布して探させたりもした。

貧民街で似た少女がいるという噂を聞いて、危険を承知で視察という名目で貧民街を探した。

ルキアはすぐに見つかった。貧民街の孤児たちのリーダーだったのだ。

白哉は、孤児院を建てて、他の孤児たちを収容し、教育を施して衣食住を与えた。最初はうなるように人見知りの激しかったルキアだが、優しくされて、愛されて、変わった。

他の孤児の友人たちが幸福にくらしているのを見て、心を開いていく。

白哉は、孤児院だけでなく教会も建てた。

貧民たちに毎日炊き出しをしていた。金は飛んでいったが、ルキアと会わせてくれた貧民街に感謝していた。

「ルキア。そなたは私の誇りだ。私が肉親として唯一愛する者」

「兄様‥‥‥兄様の、小さい時の話を伺っても?」

白哉は困ったような顔をした後、亡くなった父のことや母のこと、今は亡き元当主の銀嶺という祖父のことも話してくれた。

「夜一というのに、鍛えられえた。黒猫の亜人で、浮竹と京楽は知っているであろうが、あれは化け猫だ。私が7歳の幼い頃から今に至るまで、全く年をとっておらぬ。寿命が120年ある猫の亜人だが、すでに齢100歳をこえておる」

「おお、夜一殿‥‥‥今度会うことがあったら、サインをもらおう」

「ルキア、やめておけ」

「しかし、兄様を鍛えたということは兄様より強いと言うことでは?」

「私は、夜一の他に祖父の銀嶺にも鍛えられた。祖父は、剣豪であったし、魔法も使えた。私の母は魔法士であった。その血を色濃く受け継いだ私は、魔法も剣も得意であった」

「はい、兄様」

「だが、得意なだけではダメなのだ。ちゃんと使い方を学び、研鑽していかねば、いつか自分の首を絞めることになるであろう」

「ルキアちゃんも、魔法使えるんだったよね?」

京楽の質問に、ルキアが頬を染める。

「その、本当に初級魔法なのですが。4大属性の初歩魔法と、氷だけは上位魔法まで使えます」

「ルキアは、氷の精霊に愛されている」

「すごいね」

少し見せてもらったが、氷で繊細な細工の小さな人形を作りだす。

白哉、浮竹、京楽、恋次、そしてルキアの己自身を、氷の魔法で小さな人形を作ってしまった。

「すごい‥‥‥ここまで氷の魔法が極めれるなんて、氷の精霊に確かに愛されているようだ」

ルキアは、フェンリルという氷の精霊を召喚できた。

召喚されたフェンリルは、人の姿をとった。

名を、黒崎一護というらしい。

「なんだよルキア。用がないなら呼ぶなよ」

「ええい、兄様の前でその態度はなんだ、貴様!」

「兄様とか、俺には関係ないしな。久しぶりに人間界にこれたんだし、何かうまいものでも買って食おうっと」

「あ、貴様、私の財布を!」

「ばーか。とられるほうがまぬけなんだよ」

「まてえええ」

ルキアは、バースデーパーティーの途中であることも忘れて、一護の後をついて走っていく。

「浮竹と京楽に、紹介していなかったな。さっきのが、ルキアが召喚でき、ルキアを愛する氷の精霊、フェンリルの黒崎一護だ」

「元気だね」

「元気だな」

「いずれ、ルキアは精霊と結ばれると昔、神託を受けている。きっと、黒崎一護と結ばれるのであろう」

ルキアをとられるのは、兄として悲しいようであった。

「もう、夕暮れ時だね。夕飯にしようか」

「そうだな」

白哉が立ち上がり、バースデーパーティーもお開きになるというか、夕飯を食べて終わりということになった。

今日の夕飯は、いつにもかけて豪華で美味だった。

「そういえば、何か忘れてる気がするけど」

「あー、なんだろう?」

皆、恋次の存在を忘れているのであった。

「シクシク( ;∀;)お腹減ったよう‥‥‥‥」

食堂の離れに縄でぐるぐる巻きにされて放置された恋次は、次の日になって白哉に思い出されて、やっと縄を解いてもらったが、禁欲半月を言い渡されるのであった。

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黒猫と白猫の亜人20

浮竹と京楽が白哉のところにきて、1年が経とうとしいた。

今日は、浮竹が白哉の猫になって一周年で、本当の誕生日を知らぬ浮竹の誕生日ということになった。

バースデーケーキを焼いてもらい、半分は京楽が作ってくれた。皆に祝福される。

京楽からのプレゼントは、YESかNOの枕だった。とりあえず、京楽の頭を殴っておく。

「プレゼントあげたのに殴られるなんて」

「このプレゼント、することしか意味がないじゃないか」

「でも、あったほうが便利でしょ?」

確かにそうなので、浮竹は頬が赤くなる。

「浮竹、私からプレゼントだ」

白哉からのプレゼントは、高いお風呂のセットと高級な石鹸だった。

「わぁ。花の香りがする。ありがとう、白哉」

「喜んでもらえたようで、何よりだ」

「浮竹殿、私からも」

ルキアからのプレゼントは、バスローブだった。

兄妹そろって、お風呂にこだわったらしい。

「俺からも」

「恋次君のはいらない」

「酷い!」

泣き真似をする恋次に、浮竹は。

「冗談だ。何をくれるんだ?」

「これです」

エロ本だった。サブのマッチョのホモの。

浮竹は、魔法で燃やしてしまった。

「あ、やっぱりそうくるだろうと思ってもう一つ用意しておいたんすよ」

風呂に浮かべるアヒルちゃんだった。

「恋次君、どんな顔でこれ買ったんだ。恥ずかしかっただろう」

「恋次君だから、案外平気な顔で買ったかもよ?」

「いや、息子用に買うって誤魔化しました」

「恋次君は若いけど、子がいてもおかしくない年齢だからね」

恋次の年齢は若いが、子がいてもおかしくはない。

「子というと、白哉は再婚しないのか?」

「する気はない。跡継ぎは、朽木家の血筋の中から優秀な子を選び、養子にするつもりだ」

「俺が白哉さんの婿です」

断言する恋次の頬を、白哉が引っ張る。

「いたた、痛いです白哉さん」

「いらぬことを言うなと、毎回言っているであろうが」

「でも京楽さんと浮竹さんは俺と白哉さんの仲知ってるし」

こほんと咳払いして、白哉はやや赤い頬のまま、浮竹の誕生日を祝ってくれた。

「浮竹、兄が私の猫になってもう1年だ。これからも、共に仲良く過ごそう」

「ああ、白哉もみんなもありがとう」

浮竹は幸せそうだった。

こんなに幸せそうな浮竹の顔を見るのも、久しぶりだった。



「で。俺は誕生日なのに、なんでマンドラゴラの収穫の手伝いをやらされているんだ?」

いぎゃああああ。

引っこ抜く度に死の絶叫をあげるマンドラゴラを無視して、ひっこぬいていく。

「白哉君もルキアちゃんにもさせれないでしょ?恋次君は耐性なさそうだし。他の使用人を使うと、死の絶叫でほんとに死んでしまうから」

「はぁ。お前は、マンドラゴラを植えた時から収穫も、俺に手伝わせるるつもりだったんだな?」

「あははは、ばれちゃってる」

「そういえば、もうすぐ1月だな。ルキアちゃんが14日で、白哉が31日だったか。誕生日」

「ああ、去年はいろいろとありすぎて祝えなかったから、今年はぱーっと祝おうか」

「シェフに、バースデーケーキの作り方教えてもらう」

「本格的だねぇ」

京楽が、浮竹の頭を撫でる。

「白哉の猫になって、お前と出会えて俺はすごく幸せになったんだ。この幸せを少しでも分けてやりたい」

「浮竹はいい子だねぇ。でも、白哉君なら傍にいてくれるだけでいいって言うんじゃないかな?」

「それでも、恩を少しでも返したい。京楽、お前もバースデーケーキ作り、手伝えよ」

「ええ、ボクも?料理とか、あんまり得意じゃないんだけど」

「生クリームでデコレーションするところくらいはできるだろ?」

「まぁ、そのくらいなら」

浮竹の誕生日はけっこうあっけなく終わり、その次の日から白哉のためのバースデーケーキ作りの修行をはじめる。

教えるのは、朽木家が抱える、もと3つ星レストランのコック長であった。

「スポンジが硬い!」

「ひええええ」

「もっと早くかき混ぜなさい。砂糖を入れすぎだ!」

コック長にばしばししごかれながら、なんとか合格ラインのバースデーケーキを作ることに成功した。

「ボクらで食べるには量があるし、ボクたちがバースデーケーキ作ってるの秘密にしたいから、これ魔王の浮竹と幽鬼の京楽に食べてもらおっか」

「ああ、そうだな」

仕上がったバースデーケーキを箱にいれて、浮竹と京楽はお札を掲げる。

すると、光が瞬いて、二人は魔王城にきていた。

門番に無言で通される。

浮竹と京楽が遊びにきてくれたことに気づいた、魔王の浮竹がやってくる。

『なんか、いい匂いがするな』

「ま、まさか嗅覚犬なみとか?」

『失礼な。魔族は、鼻がみんないいのだ。それ、ケーキだな?』

「うん。ある人に贈るためのバースデーケーキの試作品。よければ、魔王の君と幽鬼のボクとでボクらと一緒にお茶にして、食べよう」

『京楽』

魔王の浮竹が名を呼ぶと、魔王の浮竹の影に隠れていた幽鬼の京楽が現れる。

『了解したよ。中庭で食べよう。お茶、いれてくるね?』

「幽鬼の京楽って、いつもお前の影にいるのか?」

『いや、たまにだ。誰にも会いたくない時とか移動が面倒くさい時によく俺の影に潜んでいるな』

「便利だなぁ」

『魔族にしか使えない魔法だからな。伝授はできん』

『お茶の用意、できたよ?』

「じゃあ、いこっか」

「うん」

中庭では、相変わらず花が見事に咲きほこっていたが、魔王の浮竹のいる部分だけ枯れていた。

『うん、うまいなこのケーキ。この城のシェフが作ったもの以上にうまいかもしれない』

『ほんと、おいしいね?誰のためのものなの?』

「俺たちの飼い主というか、主である人のためのものだ」

『ああ、朽木白哉か。お前たちのところに泊まる時、世話になっているから、俺からも何か渡そう』

『ボクも』

幽鬼の京楽はいつもの紅茶のクッキーを。

魔王の浮竹は、マジックアイテムのマントを差し出してきた。

「このマントは?」

『最近見つかった、古代遺跡のものだ。夏は涼しく、冬は暖かい。そんな魔法がかかっている』

「え、遺跡のもの?いいの、そんな大切なの」

『遺跡から発掘されたものはごまんとあるんだ。このマントなら、魔力を使わなくても快適でいられる』

「白哉に、渡しておくな?」

『ああ、頼む』

浮竹と京楽は、魔王の浮竹と幽鬼の京楽と一緒にケーキを食べて、魔王の浮竹VS京楽。幽鬼の京楽VS浮竹でチェスをして遊ぶ。

「あー負けたああ」

『ふふ、ボクの勝ちだね?』

『ま、負けた‥‥‥』

自身満々だった魔王の浮竹は、京楽の強さの前でなすすべもなく負けた。

『もう一勝負だ』

「いいよ。何度やっても、ボクが勝つだろうけど」

夕暮れ時になり、二人はテレポートの魔法で帰っていった。



「白哉君、君の誕生日のことなんだけど」

「ああ、京楽兄か。今年の誕生日は、ルキアも近いし一緒に祝うことになった」

「え、そうなのか?」

浮竹がびっくりしていた。

「バースデーケーキはボクらが作るから。楽しみにしててね。あと、これ魔王の浮竹から。暑い時は涼しくて、寒い時には温かい古代の遺跡から出てきたマジックアイテムのマント。こっちの紅茶クッキーは幽鬼の京楽から」

白哉が目を見開く。

「魔王とはそれほど親しくないのだが」

「ボクらの主だって言ったら、世話になってるからだってさ」

「まぁ、泊まる時に食事を提供はしているが」

「そいうことをこめたお礼じゃないかな。誕生日はまだ先だけど、今受け取ってくれる?」

白哉は紅茶クッキーを一口食べて、おいしいと呟く。

それから、マジックアイテムのマントを羽織った。

「温かい‥‥‥」

「白哉、すごい似合ってる」

「うん。デザインも優雅だし、これなら正装の時とかもにも使えるかも」

「浮竹、京楽。今度魔王に会ったら、礼を言っておいてくれ」

「お礼なら、何か甘いお菓子用意するといいかも。今度泊りにくる時に出したいから」

「分かった。いろんな甘いお菓子を用意させよう」

そのお菓子を、浮竹がちょっとだけつまみ食いしてしまうのは、ご愛敬であった。

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黒猫と白猫の亜人18

「恋次君、これどういうこと?」

神官服を着せられた京楽が、恋次に問う。

「俺にもよくわからないんすよ。なんでも、大司祭様のとこに神託がおりて、猫神祭の時に猫神様を降臨させた白猫の亜人が、この世界を救済するとかなんとか」

「そんなこと、本気で受け取ってるの?」

「大司祭様には逆らないんすよ。浮竹さんも、大人しくしてたら、そのうち解放されると思うんすけど」

「そのうちっていつ?」

「そこまでは‥‥‥‥」

そこへ、巫女服を着た浮竹がやってくる。

「浮竹、大丈夫?変なことされてない?でもその巫女服、すごい似合ってるかも」

「京楽。俺は世界を救う。救済である。この世界の全てを、猫神の名の元に!」

「浮竹、しっかりして!」

京楽が浮竹を揺すぶるが、浮竹は緑の瞳を虚ろにしたままだった。

「浮竹、元に戻って」

京楽が瞳を金色にする。サタナシア・オルタナティブ、通称サタンがゆっくりと覚醒する。

「ボクの、好きな、浮竹に戻って?」

浮竹は金色の瞳で見つめられた後、口づけされた。

「あ、京楽?俺は、何を?」

「猫神様の神子に選ばれたから、この世界を救済するとかさっきまで言ってたよ」

大司祭が来て、恭しく浮竹の前に跪く。

「神子様。どうか、我らをお導きください」

「俺は、神子じゃない。確かに猫神祭の時は猫神様を降臨させたが、それだけだ」

「そうですか。では神子様、せめて猫神様の神像の前で、お祈りください。次の神子様を選ぶために」

「それくらいなら‥‥‥‥」

大司教に案内されて、浮竹と京楽と恋次が、猫神様の神像のある秘密の部屋まで通された。

「どうか、お祈りください」

「分かった」

浮竹は、神像の前で跪き、祈った。

すると青い光が灯り、それは空の彼方へと飛んでいき、貧民街の13歳の娘に宿る。

その光景を、まるで光と一体化したように見てしまった。

「次の神子様が決まった。浮竹様、短い間でしたが、神子様としてありがとうございました。恋次、浮竹様と京楽様を、服を元に戻して解放してさしあげなさい」

「分かりました、大司祭様」

恋次は、巫女服の浮竹と神官服の京楽に、着ていた服を返して着替えさせると、大司祭の言う通り自由にした。

京楽の瞳はまだ金色のままだった。

「サタン、お眠り」

京楽が、そっと祈ると、京楽は瞳を鳶色のいつもの瞳の色に変えた。

「京楽、とりあえず帰ろう」

「うん」

浮竹と京楽は白哉のいる家に戻り、白哉に自分たちの身におきたことを報告する。

「そうか。神子か」

「ああ、なんだか分からなかったが。次に見えたのは、貧民街の13歳の少女に俺から出た青い光が宿る場面だった」

「では、次の神子は決まったのだな?」

「みたい、だね」

京楽も安堵の声を出す。

「猫神様は、神子を求める。神子に己を宿して、世界をあるべき姿にする。それが、猫神教だ」

「んー。なんか分からないけど、神猫様を宿した浮竹が最初の神子に選ばれたんだね」

「そうなるな」

「で、次の神子は13歳の少女ってことかい。今頃、猫神教の大司祭が迎えに行ってるだろうね」

恋次も、大神官として、13歳の神子を迎えに行っていた。



「んあっ」

「浮竹、神子にするにはエロすぎるよね?」

「んんっ」

浮竹は、京楽に口づけられ、己のものをしごかれしゃぶられて、精液を吐き出す。

「神子の場合、神子の精液って何か意味あるのかな」

「やああ」

浮竹の蕾を潤滑油に濡れた指でほぐしてから、京楽は熱く滾る己を埋め込んでいく。

「ひあっ」

浮竹は、一瞬呼吸を忘れる。

「ちゃんと息吸って、吐いて?」

その通りにすると、快感が押し寄せてきた。

「んあ、いいっ」

「もっとよくしてあげるからね?」

浮竹の足を肩に担ぎあげて、ぐりっと奥まで侵入して抉った。

「ああああ!!!」

浮竹は背をしならせ、顔をあげていく。

「子種、たっぷり欲しいでしょ?淫乱な神子様」

「あ、たっぷり欲しい。たくさん出してぇ」

快感でとろけた瞳で、浮竹がねだってくる。

「ああっ」

中をぐっと力をこめて押して抉ると、浮竹はオーガズムでいっていた。

「あ、いい」

「子種、あげるね?」

びゅるびゅると、たくさんの子種を京楽は浮竹の中に放つ。

それを3回ほど繰り返して、京楽は満足する。

「んっ‥‥‥もう、無理っ」

黒猫の亜人は性欲が普通の人より強い。京楽は、浮竹を抱く時いつもセーブして抱くのだが、今回は3回だったが思い切り抱いた。

「浮竹、寝ていいよ。後始末はボクがしとくから」

「ん‥‥‥ちょっと、寝る」

浮竹は疲れていたので、すぐに眠ってしまった。

京楽は、金色の瞳になる。

「満足かい、サタナシア・オルタナティブ。浮竹は、ボクのものだよ。君のものでもあるけど」

ふっと、京楽は金色の瞳を鳶色に変えて、目を瞬かせる。

「浮竹、何があろうと君を愛しているよ。たとえ、君が神子であろうとなかろうと」

京楽は、窓の外を見る。

満月だった。

「サタン、今はお眠り」

京楽の中の、通称サタンが満月だから自由になりたいと喚く。

それを押し殺して、京楽は浮竹の頭を撫でる。

「ボクは、サタンにはならない。サタンは、人を愛せないから」

サタンは、愛する者でも食べてしまう。

背徳の象徴だ。

京楽は、瞳を一瞬金色にしてから、元の鳶色に戻して、眠ってしまった愛しい人の髪をいつまでも指ですいているのだった。


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幽鬼の京楽は、黒猫の京楽を見つめる。

京楽の中のサタナシア・オルタナティブが悲鳴をあげる。

サタナシア・オルタナティブ、通称サタンは、幽鬼の京楽が怖かった。自分より上位の存在が。

『さぁ、お眠り』

猫を使った違法な降霊術は、魔王の浮竹と浮竹、幽鬼の京楽と京楽の手で完結した。

だが、京楽の中のナニカは、困惑していた。

自分が京楽なのか、サタナシア・オルタナティブなのか、それとも全く違う別のナニカなのかと疑問を覚える。

『さぁ、お眠り』

自分より上位である幽鬼の京楽の言葉に逆らえずに、サタナシア・オルタナティブはゆっくりと京楽の中に溶けていった。

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黒猫と白猫の亜人17

浮竹と京楽は、魔王城で一夜を過ごした。

豪華な夕飯を食べて、広すぎる浴場で風呂に入った。

新しい下着が用意されており、絹でできたバスローブが脱衣所にあった。

脱いだ服はすぐに洗濯に出されて、乾かされた。

魔王の浮竹の客人として扱われ、白哉の家も広くて綺麗だが、そこに荘厳さを取り入れたよう城で、ダブルベッドを二人分用意されている客室で夜を過ごす。

「なんか、枕が変わって眠れない」

「ボクは緊張で眠れない」

二人は2時間ほどごろごろうねうねしていたが、深夜の0時を時計が指さす頃には、寝ていた。

「んー、今何時?」

「2時」

「寝過ごしたあああ」

「構わないだろ。俺たちは自由気ままな猫の亜人なんだから」

「浮竹、とにかく起きて」

「うーん」

京楽に手伝われながら、バスローブから洗濯されてやたらいい匂いのする普段着に着替える。

「ほら、浮竹顔洗って」

「んー」

浮竹は、たまに朝に弱い。今は昼だが。

食堂に行くと、昼食が用意されてあった。それも豪華なものであった。

『また、遊んで泊まりにきてくれ。昨晩は楽しかった』

『ボクも楽しかったよ。朝は、そっちの白猫の亜人の浮竹に遊んでもらったよ?また、遊びに泊まりにきてね?』

「浮竹、道理でなかなか起きないわけだ」

京楽は、寝ぼけている浮竹が昼食を食べ終わると、浮竹をおんぶして、魔王の浮竹と幽鬼の京楽と別れをすませ、荷物をもって白哉の家にテレポートの魔法で戻ってきた。

すると、白哉がすぐに出迎えてくれた。

「心配したのだぞ。魔王の城に泊まると突然手紙をよこすから」

「ああ、うん。その、唐突でごめんね?でも、魔王はけっこういい人だから」

京楽が謝る。

「人間社会では、恐怖政治をやめたが、それでも反抗する国は滅ぼされる。とにかく、魔王と今後付き合うなら、怒らせてはだめだぞ?」

「ああ、分かっている、白哉」

「白哉さぁぁぁん!うーん、朝からあの二人がいないといちゃいちゃできて‥‥‥あ」

「「あ」」

浮竹と京楽は、白哉といちゃいちゃしていたらしい恋次を見て、声を出す。

恋次の衣服が少し乱れているのは、見間違いではないだろう。

「その、どうぞ続きを」

「ボクたちに構わないで?」

「だ、そうですよ、白哉さん。さぁ、俺の愛を‥‥‥‥」

バキっ。

凄い音がして見ると、恋次が頭を殴られて床にめり込んでいた。

「愛が、痛い」

そう言って、恋次は気絶した。

それを、浮竹が木の枝でつんつんする。

「浮竹、アホ菌がうつるからやめなさい」

「分かった。あ、白哉」

「なんだ」

「首の鎖骨のとこ、キスマークついてる」

白哉はやや頬を赤く染めて、衣服の襟をたてて、キスマークが見えないようにする。

「あ、そっちにもキスマークが」

「く、この駄犬もどきの駄猫が」

気絶している白哉にとどめとばかりに蹴りを入れて、白哉は仕事をするために書斎に戻ってしまった。



「今日は何する?」

「貧民街を見に行こう。ちゃんとなっているのか確かめたい」

浮竹と京楽は、久しぶりに貧民街に赴いた。

道路が綺麗に舗装されており、家も綺麗な家が建っていた。騎士が、貧民街も含めた街を巡回している。

「あ、一緒に牢屋にいたお兄ちゃんだ!」

ボールで遊んでいた一人の少女が、浮竹のところにやってくる。

「大人のお兄さんたちに聞いたの。お兄ちゃんたちが、助けてくれたって。でも、助けてくれたのに、なんで一緒の牢屋に入ってたんだろう?よく分からないけど、ありがとう!」

貧民街では、新しい商売が始まったりしていて、とても前の犯罪者がたくさんいるような同じ貧民街に見えなかった。

「白哉君の手腕かな。統治者として、あんなに優れている統治者はそうそういないねぇ」

「ああ、そうだな」

白哉の領地は、北の方角にあるが、王都の運営も任されていた。

「白哉は本当に偉いな。貧民街をここまで変えてしまうなんて」

「本当だね。これで貧富の差がもっとなくなれば、いい王国になるんだけどね」

教会の炊き出しは依然とあるようで、行列している人の姿が見える。

「貧富の差をなくす場合、共和国になるしかないね。ボクの住んでいた里は、アガリア共和国という、亜人たちが統べる共和国の一部だった」

「アガリア共和国‥‥‥確か、温泉で有名な国だな?」

「そうだよ。どこで知ったの?」

「白哉が、魔法の授業の時に歴史も教えてくれたんだ。この王国の成り立ちとか、近隣諸国がどうなっているかとか」

「へぇ」

貧民街のいろんな場所を見て回った。

まだ完全によくなっていない地域もあって、そんな場所の住民は、王都の中心の市場で小銭を稼いだり、物乞いになって金をもらったりしている。

盗みをおかす犯罪者はぐっと減ったらしい。

市場の簡単な作業を、白哉は貧民街の働き口を探している者たちに与えていた。

「夕暮れ時だし、帰ろうか」

「ああ」

浮竹と京楽は、手をつないで帰る。

浮竹の首の鈴が、チリンと鳴る。

風が出てきた。嵐がくる気配がした。




「俺、は?」

「浮竹十四郎様。猫神様の神子よ。どうか、我らをお導きください」

浮竹が起きると、巫女服を着せられていた。

「ここは‥‥」

「ここは、猫神様の神殿。神子様に選ばれたあなた様を、ずっと待っていました」

「京楽は?」

「あの黒猫の亜人なら、浮竹様の伴侶として禊(みぞぎ)をしてもらっております。もう少ししたら、お見えになります」

浮竹は頭がぼーっとしていた。何かの眠り薬をかがされたらしい。

「やあ、浮竹。なんかよく分からないけど、連れ去られて崇められてるみたい、ボクたち」

「恋次君と、連絡はとれるか?」

「大神官の阿散井恋次様ですね。お呼びいたします」

浮竹と京楽は顔を見合って、とりあえず自分たちの現状を知るために、恋次を呼んでもらうのであった。

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黒猫と白猫の亜人16

魔王の浮竹の城に泊まった次の日。


「ああ、そこいい」

「ここ、弱いねぇ、浮竹は」

奥を貫かれ、揺すぶられて更に奥にまで入ってくる京楽の熱に翻弄される浮竹。

「ひあああ!」

ぐちゅっと音をたてて引き抜かれ、また最奥まで抉られた。

「んあああ、いっちゃうう、やああ」

「いくといいよ?」

「ひあああん」

浮竹は体をびくびくと震わせながら、京楽の熱い手に握りこまれて、射精もしていた。

「あ、あ。いくのとまらないい」

背をしならせて、大きく中いきを繰り返す浮竹を、京楽が更に追い詰める。

「あっ、あっ、あっ」

「全部出しちゃいなよ」

「やああああ」

浮竹は、京楽の体液を体の奥で受け止めて、潮を吹いてた。

それだけでは止まらず、ジョロジョロと黄金の液体を出してしまう。

「いやああ、漏れてるうう」

「このベッドマットもシーツごと処分するからいいよ?全部出しちゃいなよ」

「いやああああ」

おしっこを漏らして、浮竹は泣きじゃくる。

そんな浮竹を抱き上げて、京楽は風呂場に向かい、泣きじゃくる浮竹にお湯をかけた。

「誰にも言わないから」

「でも‥‥」

「ボクと浮竹だけの秘密。それでいいでしょ?」

「うん」

浮竹と京楽はシャワーを軽く浴びて、京楽は浮竹の中に出した体液をかき出す。

「ふあ、ああ」

「あおってる?」

「ち、違う」

京楽は、ベッドマットごと布団とシーツを処分する。

誰にも分からないように、庭に出すとフレアの魔法で焼却処分してしまった。

新しいベッドマットをしいて、布団をしき、その上にシーツをかぶせる。

浮竹はまだ泣いていたので、ホットココアを入れてやった。

「ありがとう、京楽」

「少しは落ち着いた?」

「うん」

浮竹はホットココアを飲んで、スースーと寝息をたてだす。

そんな浮竹に毛布をかけて、ベッドに寝かせる。

朝になると、浮竹は新しくなったベッドの布団やシーツを、ぼーっと見ていた。

「どうしたの?昨日の続き、したくなった?」

京楽がからかうと、浮竹は赤くなって頷いた。

「昨日、その、ああなったがめちゃくちゃ気持ちよかった。でも、まだ足りない」

京楽は、浮竹を衣服を着たまま抱いていく。

「んああああ」

「ここ、昨日ボクを受け入れていたせいで、指でならさなくても、すぐにボクをくわえこむね?」

「やあああん」

「気持ちいい?」

「あ、気持ちいい。もっとおおお」

浮竹は甘えてねだってくる。

そんな浮竹が愛しくて、京楽は浮竹が満足するまで抱いた。

「ああん」

「すごい締め付け。こっちがとろけちゃいそう」

「あ、あ。奥に出してくれ。いっぱい」

「奥に出すよ?孕んでも、知らないからね?」

「ひゃあああ、くるうう。京楽の子種、いっぱいくるうう」

浮竹は、京楽の子種がぽっこりとお腹を膨らませるまでねだる。

「まだ、出せるだろう?もっとくれ」

その日の浮竹は、淫乱だった。

唇をペロリと舐めて、自分から足を開き、京楽を誘う。

「これが、最後だからね?」

最後の子種を受け取った浮竹は、背をしならせて大きく中いきをしながら、射精していた。

「ひああああん、すごいのきたああ。いくのとまらないいい♡」

浮竹は、いきまくってから気を失った。

衣服を着たまま抱き合ったので、衣服に精液がついていて、結局着替えた。

浮竹の体を濡れたタオルでふいて、中に出したものをかき出す。

浮竹が起きると、昼になっていた。

「朝食もとってなかったね。お腹すいたでしょう。お昼ご飯、食べに行こ?」

「ああ」

浮竹は、いつもの浮竹に戻っていた。

食堂で昼飯を食べる。

かつ丼だった。

「さぁ、今日は何をしよう?」

「あ、畑できたから、マンドラゴラ育てたいんだよ。手伝ってくれる?」

「何故にマンドラゴラ‥‥」

「錬金術に必要なんだけど、白哉君いわく、今あんまり流通してなくて困ってるって言うから。普通の野菜も育てるけど、マンドラゴラも育てようと思って」

浮竹は、人の顔をしているマンドラゴラの根を見る。

にたぁ。

マンドラゴラは、浮竹に笑いかけた。

「おや、マンドラゴラに好かれたようだね?」

「今、こいつにたぁってなったぞ?呪いじゃないのか?」

「呪いの材料にはなるかもしれないけど、マンドラゴラは単品だと、熟成した時にひっこぬくと死の絶叫を叫ぶだけで。あ、それは普通の人間が聞くとお陀仏だから、ボクら猫の亜人には効果ないので安心してね?」

ふと、持っていた魔王浮竹からもらったお札が点滅する。

「京楽、お札が‥‥‥」

「ああ、遊びに来いって誘いだろうね。着替えて行こうか」

京楽は、市場で買ったマンドラゴラをおみやげに、浮竹と一緒に魔王城にテレポートする。

「何者だ!」

「あ、このお札」

「あ、失礼しました。魔王様のお客人ですね。奥へどうぞ」

中に入る許可をすぐもらって、浮竹と京楽は広い魔王城をの奥に入っていく。

開けた中庭があって、そこに魔王の浮竹と幽鬼の京楽がいた。

『ああ、2日ぶりだな』

「これ、おみやげのマンドラゴラ」

『なぜに、マンドラゴラ‥‥‥でも、最近流通してないので助かる』

魔王の浮竹に喜ばれて、京楽自身もびっくりしていた。

『綺麗な庭でしょ?』

幽鬼の京楽が微笑むが、魔王の浮竹の近くだけ、花が全部枯れていた。

「これは‥‥」

『ああ、俺の魔力のせいで、花はしおれるんだ。動物には好かれるけどな?逆に、幽鬼の京楽だと花が咲く』

幽鬼の京楽が動くと、すぐ近くでさぁぁと花が咲き乱れる。

『まぁ、立っているのもなんだし、座って?』

中庭にはテーブルと椅子があって、その椅子に浮竹と京楽も腰掛ける。

『茶菓子は、紅茶のクッキーでいいよね?』

「別に、なんでもかまわない」

浮竹はそう言う。京楽も同じ意見だった。

『新作のアップルパイもあるんだよ。食べてみて?』

幽鬼の京楽が、アップルパイを取り出して、4人分に均等に分ける。

お茶は、ダージリンだった。

『ああ、茶葉セット、渡しておくな?』

魔王の浮竹から茶葉セットをもらい、京楽が嬉し気に微笑む。

『ボクからは、このアップルパイのレシピ』

幽鬼の京楽が作ったというアップルパイは、とてもおいしかった。浮竹は、幽鬼の京楽が作る紅茶クッキーがお気に入りであった。

『また、泊まっていかないか?』

『泊まっていってよ』

「そうだね。また1日だけ、厄介になろうかな」

「白哉には、魔法で手紙を出しておこう」

こうして、二人は魔王城でまた一夜を過ごすのであった。

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黒猫と白猫の亜人15

魔王の浮竹と幽鬼の京楽の手で、各地の子供の行方不明事件は解決した。

浮竹と京楽も力をかしたが、残念ながら子供たちは帰ってこなかった。

幽鬼の京楽は、京楽の中にいるナニカ・・・・・・・サタナシア・オルタナティブと潜在的に会話して、言い負かした。

京楽は、それに感謝した。

黒猫と白猫の亜人は貴重なので、行動するときは魔王の浮竹と幽鬼の京楽の肩に別れて乗って、最後には白哉が騎士団を率いてやってきて、事件は終結した。

犯人である男は捕まり、極刑が言い渡された。

捕まった子供たちは、サタン崇拝の者たちに売られて、臓物を引き出されて生贄にされて、もう死んでいることが判明し、サタン崇拝者たちも捕まった。

主犯である男と同じ極刑が言い渡された。

そいうことをしたためた書状を、浮竹が魔王城に向かって送る。

「助けれればよかったんだけど」

「そればかりは仕方ないよ、浮竹」

京楽と浮竹は、犯人たちがギロチンで首をはねられて絶命するのを見とどけるのだった。


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数日後。

「今日は、恋次君の誕生日らしいよ。何贈ろうかな」

「俺はもう決めた。エロ本だ」

「う、浮竹、そのビジュアルでエロ本買いに行ったの?」

「え、なんか変だったか。そういや、客やら店主からじろじろ見られていたな」

「浮竹、今度からエロ本なんて買っちゃだめだよ」

「そういう京楽も、雑誌じゃないか」

享楽が恋次に贈ろうとしていた雑誌を、浮竹は少しだけ見てみる。

白哉が大きく映っていた。

「これは、恋次君が喜びそうだな」

「でしょ。政治の雑誌なんだけど、白哉君の特集があって、写真がいっぱいのってあるんだよ」

恋次は、猫の広場のキャットタワーの上で、赤猫姿のままでふて寝していた。

「恋次君、誕生日おめでとう」

「おめでとう」

ぴくぴく。

恋次の耳が動いて、猫から人の姿になる。

「京楽さんと浮竹さんくらいです・・・・・・俺の誕生日、祝ってくれるのは」

泣き出した恋次を勇気づけるように、浮竹が励ます。

「白哉が、夜は恋次と一緒にいると言っていたぞ」

「まじっすか!今から白哉さんのとこに行ってきます」

浮竹と京楽が慌てる。

「その前に、誕生日プレゼントをもらってくれ」

「そうだよ。せっかく用意したんだから」

「ありがとうございますううう」

恋次は、中身は見ようとせずに白哉のところへ行ってしまった。

それから、数分で恋次が戻ってきた。

頭には、大きなたんこぶをこさえて。

「白哉さんに、誕生日プレゼントくださいって押し倒したら、グーで思い切り殴られました」

「白哉君は、あくまで夜に君と一緒にいたいって言ってただけで、夜を共にするとまでは言ってなかったよ。まぁ、共にするつもりだったんだろうけど、肝心の恋次君がそんなじゃ、一緒に過ごしてもらえないよ?」

「しくしく‥‥‥」

恋次は感情表現が豊かだ。

あまり感情をあらわさない白哉に、分けてあげたいと思った。

「誕生日プレゼント、ありがとうございました。エロ本がなぜホモのマッチョなのか分からなかったけど、白哉さんの特集の雑誌は今度写真だけ切り抜きます」

「う、浮竹ぇ?」

「え、なんだ?」

「ただのエロ本じゃなかったの?」

京楽は、てっきり普通の女性のエロ本を恋次に贈ったものだと思っていた。

ホモのマッチョなエロ本‥‥‥多分、白哉とできているので、それを選んだのだろう。

「あ、でもホモのマッチョの裸には興味なかったすけど、付録でついてた黒い目隠しは興奮しました。今日の夜にでも使おうかと。あと、受けの感想がためになりした。あそこが気持ちいいなんて‥‥‥」

恋次に余計な知識が増え、目隠しとか今日の白哉と恋次のプレイは、ちょっと濃くなりそうだった。


「恋次、前が見えぬ」

「ふふ、白哉さん、見えないとなんか興奮しませんか?」

「ああっ」

恋次は、白哉のものを口で奉仕する。

「いやだ、恋次」

「ここは、そうは言ってないみたいっすよ?」

潤滑油で濡れた指を蕾にいれると、びくんと白哉の体がはねる。

「あっ」

「気持ちいいっすか?」

「あ、もっと‥‥‥早く来い、恋次」

白哉は、自ら足を開く。

恋次は喉をごくりと鳴らして、白哉の中にはいっていく。

「んあああ」

「あっちい・・・・・・とろけそうだ」

「あ、奥まで来い。奥で、お前の子種をたくさん私に注ぎ込め」

「はい」

恋次は、白哉のいいとこをすりあげながら、白哉の最奥まで穿つ。

「ひあ!」

「ここの、奥がいいんですよね?」

「やああっ」

「子種、いっぱいあげますからね?」

恋次はぐちゅぐちゅと結合部が水音を出して泡立つまで出し入れを繰り返す。

「やああ、何も見えぬ‥‥恋次、恋次」

「ここにいます」

「目隠しとってぇ」

「いいっすよ。代わりに、俺の子種、全部受け止めてくださいね?」

たくさんの子種を白哉の奥に注ぎこみながら、恋次は白哉の目隠しをとる。

白哉は、欲と快感で濡れた瞳で、恋次を見る。

「あ、すんません、もう一回させてください」

「やっ」

「白哉さんのそんな顔見てたら、我慢できないっす」

「あ、恋次」

「愛してます、白哉さん」

「恋次‥‥‥」



その頃、浮竹と京楽は、どうだったんだろうと、猫の姿で白哉の部屋の前にいたのだが、白哉の濡れた声を聴いて、赤くなって自分たちの家に戻った。

「恋次君、うまく白哉君を抱けたみたいだね。それにしても、白哉君があんなに乱れるとは」

「白哉の情事見てしまうの、これで二度目だ」

浮竹は赤い顔で、猫の姿から人の姿になる。

「なぁ、京楽‥‥‥」

「はいはい。したくなってきたんだね?」

「んっ、仕方ないだろう。白哉の声、腰にくるんだから」

「君も白哉君が好きだねぇ。ボクは白哉君の声聞いても、なにもかんじないけど」

「やああん」

京楽に体をひらかされていき、浮竹は快楽の海に沈んでいく。

「ああっ」

京楽に貫かれて、浮竹は京楽の背中に手を回す。

「俺は、お前を愛している」

「うん、知ってる」

「あっ」

浮竹は、京楽に奥を抉られて、甘い声を出す。

「奥、弱いもんね?」

「やあああん」

「こっち、こんなに硬くなってる」

浮竹のものを手でしごいてやれば、浮竹は京楽の手の中に欲望を放つ。

「あ、あ」

「奥にあげるから、たっぷり受け止めてね?」

「んあああ」

最奥にずるっと入ってきた京楽のものを締め上げて、浮竹はドライでいく。

「こっちも、いかせてあげるね?」

浮竹のものをしごきまくる。

「やああ、二重にいくのは、おかしく、なるううう」

「好きなくせに」

京楽が意地悪く微笑む。

「んあっ」

京楽のものがまた、子種を中で弾けさせた。

その感触を味わいながら、浮竹はまたいっていた。

「トロトロだね。その溶けた表所、大好き」

「ああ、きょらくうう」

二人はまだ睦みあう。

夜はまだ終わらないようであった。





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黒猫と白猫の亜人14

その日は、京楽が白哉の猫になってちょうど1年目の日だった。

京楽も浮竹も、自分の誕生日を知らない。

なので、出会った日を誕生日にしていた。

「ハッピーバースデー、京楽」

「ありがとね、浮竹」

浮竹からの贈り物は、かつおぶしだった。

「かつおぶし‥‥‥しかも丸ごと」

京楽は苦笑しながら、もらう。

「これを兄に」

白哉からのプレゼントはクッションだった。

「私はこれを」

ルキアからは、人の姿になった時、猫耳が見られるとやばい時用に、おしゃれなデザインの帽子を。

恋次からは、媚薬をもらった。

「恋次君、なんつーものを渡してるんだ!没収!」

浮竹が怒って、京楽から媚薬を取り上げる。

「ああ、使ってみたいのに」

京楽が残念がるが、浮竹は使われるのは嫌だといって、廃棄処分してしまった。

「京楽さん、ストックはたくさんあるんで、使いたくなったらこっそり俺に言ってください」

「まさか、白哉君に使ってるの?」

「たまに、ですね」

「こらそこ!」

浮竹だけでなく、白哉も怒る。

二人は正座をさせられた。

「主役が正座というのは恰好がつかんな。京楽、普通にしていていいぞ」

「白哉さん、俺は?」

「日が沈むまで正座だ」

「そんなああああ」

恋次の悲しい悲鳴を聞きながら、浮竹と享楽は人の姿で京楽のバースデーケーキを食べた。

「これ、おいしいな」

「まぁ、一応私の家のシェフが作ったものだからな。そこらへんの店で買うよりはおいしくできていると思う」

「うん。甘さがまったりとしてていいね。今度、作り方教えてもらえる?」

「シェフに伝えておく」

「今度は、浮竹の誕生日がくるでしょ?その時に、ボクが作ったバースデーケーキを食べてもらいたい」

浮竹はやや赤くなる。

「見せつけてくれますねぇ」

「恋次、兄は口を閉じていろ。今度何かいらぬことを言ったら、猿轡(さるぐつわ)をさせる」

「酷いいいいいい( ;∀;)」

泣き出す恋次を皆無視して、京楽の誕生日を祝った。


ふと、京楽と浮竹が住む離れの一軒家に、すごい魔力と禍々しい魔力をかんじて、京楽と浮竹でなく、白哉もルキアも驚く。

「ああ、気にしないで。魔王の、ボクらの友達だから」

「魔王が友達?まぁ、敵意はないようだが。くれぐれも無茶はしないように」

白哉は、魔王に関わりたくないのか、ルキアと一緒に念のために見張りを立てる。



『いやぁ、今日が君の誕生日だって聞いてねぇ。浮竹が、どうしても渡したいものがあるって』

『渡したいものがあるのは、京楽のほうだろう?』

京楽と浮竹の住む一軒家に現れたのは、魔王の浮竹と幽鬼の京楽だった。

『ノックしたけど、反応ないので勝手にあがらせてもらったよ。施錠しないと、危ないよ?』

「白哉君の敷地で盗みを働くバカはいないさ」

『これ‥‥‥ボクが作った紅茶クッキー。おいしいと思うから、後で食べてみて?』

「ありがとう」

京楽が受け取ると、幽鬼の京楽は僅かに微笑む。

『俺からはこれだ。高級茶葉セット』

「いいね。お茶にする?紅茶のクッキーはボクが後でいただくので、普通のクッキーが茶菓子になるけど、いいよね?」

『俺は別に構わん』

『ボクも』

「じゃあ、俺が茶菓子のクッキー用意してくるな?京楽は茶をいれていてくれ」

魔王の浮竹からもらった高級茶葉は、いろんな紅茶の茶葉が入っていて、京楽はアッサムの紅茶の茶葉を選んで、紅茶にして出した。

「この茶葉セット、いいね。誰かに贈り物にするのにすごく喜んでもらえそう」

『なんなら、今度数セットもってこようか?』

「え、いいの?」

そこで浮竹が現れて、クッキーを持ってくる。

「この前、白哉のところのシェフに習って作った自作のクッキーだ。口にあうといいんだが」

『おいしいぞ』

『おいしいね』

「浮竹は家事もこなすから。料理の腕もけっこういいんだよ」

京楽も、浮竹の作ったクッキーを食べて、紅茶を飲んでほわりとなる。

「なんか、こういうのいいな。友達同士でおしゃべりしあって、お茶会とか」

2時間ほどして、魔王の浮竹が帰ると言い出したので、京楽と浮竹は見送る。

『また、遊びにくる』

『今度は、泊まりかもね』

「ああ、いいぞ。布団と毛布、用意しとくな?」

京楽も、手を振っていた。

ドクン。

鼓動の音がして、京楽がその場に蹲る。

「どうしたんだ?」

「ボクの中のナニカ‥‥‥サタナシア・オルタナティブが、何か言おうとしてる」

(魔王と深く関わるな。サタンになりたいのなら、止めはしないが)

そう、京楽の内側から声が聞こえてきた。

「通称サタン。ボクの中のナニカ。そうなる可能性は極めて薄いんじゃないのかな。ボクはサタンの血肉を受け継いでいない」

(確かにそうだ。0,01%の可能性にすぎぬかもしれぬが、念のためだ。私はまたお前の中に混じり溶け込んで眠る)

「京楽、大丈夫か?通称サタンって、お前‥‥‥」

「ボクは、赤子の頃実の父親にサタンの贄として捧げられた。サタンが宿り、ボクは息をふきかえして、サタンはボクの中にサタナシア・オルタナティブ、通称サタンをボクの中に残した。それはボクの中に溶け込んで、ボクと一つになったけど、時おりこうして意識を出す」

浮竹は、よく分からなくて混乱していた。

「ええと、京楽の中に通称サタンとかいう別人格がいるのか?」

「まぁ、似たようなものかな。ボクがサタンになる可能性は極めて0に近いから、大丈夫」

「京楽も、苦労してきたんだな」

浮竹に抱きしめられて、京楽はその背中に手をまわし、浮竹の頬にキスをする。

「でも、幸せだよ?そのおかげで生き返って、こうして君と会えて日常を過ごせるんだから」

「何か異常があった時は、遠慮なく言ってくれな?」

「うん」

魔王との交流。サタンは魔族ではなく大悪魔だ。大悪魔と魔族は似て非なる存在。

京楽は、思う。

魔王との交流で、いつかサタンが目覚めたとしても、制御下におけると。

京楽の意識は強かった。

通称サタンを捻じ曲げるほどに。

もしもサタンを手に入れたら‥‥‥‥その力で、浮竹と永遠を生きよう。そう思うのだった。

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黒猫と白猫の亜人外伝2

「京楽?どうしたんだ、目が金色だぞ」

サタナシア・オルタナティブがゆっくりと京楽春水の中で目覚める。

ボクの中で同化してしまった通称サタンは、時おり意識を覚醒させる。

「ううん、なんでもないんだよ」

「でも京楽、なんだか苦しそうだ」

「君の愛が足りないから」

キスをすると、浮竹は怒ってぽかぽかと殴ってきた。

それさえも愛しい。

ああ、こんなに愛しい存在が世界にあるなんて。

京楽は、浮竹を抱きしめる。

「京楽?」

「本当に、なんでもないんだよ。ちょっと古傷が痛んでね」

京楽の裸の胸には大きな傷跡がある。

なんでも、幼い頃にサタン崇拝者に、臓物を引き抜かれそうになってできた傷だという。

半ば嘘であり、半ば本当だった。

ボクは京楽春水。

愛しい伴侶の名は、浮竹十四郎。黒猫より貴重な、白猫の亜人の青年。

「君が大好きだよ、浮竹」

京楽の中の通称サタンは、ボクとまじわって消えていく。

消えないで。

そう語りかけるのは、ボクの中にほんの少し混じった本当のサタン叫び。

小さすぎて、時おりしか声は聞こえない。

サタナシア・オルタナティブが悪いわけじゃない。ただ、サタンの最愛の‥‥‥であることに問題があるので、ボクの中に混じって溶けてもらう。

「浮竹、明日はサーカスに行こうか。王都のほうで、有名なサーカス団がきてるらしいんだ」

京楽は浮竹をそう誘うと、浮竹はキラキラした瞳をしていた。

「行きたい!」

「じゃあ、白哉君の許可も取らないとね」

「ああ、楽しみだなぁ」

「浮竹。ボクの中に、ボク以外の何かが混じっていたらどうする?」

「気にしない。京楽は京楽だから。いつも俺に優しい」

気にしない‥‥‥。

その言葉に、ほっとする。

さよなら、通称サタン。

サタナシア・オルタナティブは京楽の意識の下へ下へと溶けて沈んでいく。

次の日になり、王都にいく途中で占い師の婆に捕まった。

「そこの黒猫の亜人のお主、中に人食いの魔人を飼っておるな?」

「なんのことだい?」

京楽が首を傾げる。

心当たりがなかった。

「その一部が、溶けて溶けてお主と混じっておる。いずれ、いつかお主と相対するであろう」

「ばからしい。行くよ、浮竹」

「京楽、でも」

「あんな怪しい占い師の言葉なんて、気にすることないよ」

サタナシア・オルタナティブがはサタンじゃない。

通称サタンで、サタンとは別物だ。

そして、ボクの意識に溶け込んでしまっている。

いつか、通称サタンと相対することがあっても、もう溶けこんでいるので、のっとられたりはしない。

意識が混じりあうことはあるかもしれないが。

サタナシア・オルタナティブも浮竹を愛していた。

京楽が愛するから。


「ほら、チケットの予約の席に行こう」

「ああ」



京楽の世界は、閉じられた世界だった。

父親はサタン崇拝者で、兄がいたが、京楽と同じ黒猫の亜人だったので、父に臓物を取り出されて生贄にされた。

その時は、サタンも通称サタンも降りてこなかった。

母親は、父に愛想をつかして出て行ってしまった。

里の者に、黒猫の亜人だと愛されていたが、閉じられた世界だった。

いつか、外に羽ばたきたいと願った。

さして、皆が知らないところで実の父を殺し、出ていった母のところに身を寄せて生きた。

里の者から、みんなから愛されていたが、母親と父親の愛は、もらえなかった。

欲しいもの。

ボクを一心に愛してくれ誰か。

それが欲しいと渇望した。

結果、浮竹と巡り会う。

浮竹の家族の母に酸をかけた。京楽の中の、サタナシア・オルタナティブが殺してしまえと叫んでいて、ちょっとその気になったけど、殺しはしなかった。

ただ、もうその美貌が戻らないような、魔法でも癒せぬ酸をかぶせた。

「あはははは。浮竹を傷つける者は、みんなこうなるんだ」

京楽の中で、沈んで溶けてしまっていた通称サタンが、意識に混じる。

瞳を金色にして、京楽はいつまでも笑い続ける。


「京楽?」

「ねぇ、浮竹。ボクのこと、何があっても好きでいてくれる?」

「ああ。俺は、お前がサタンでも愛する」

京楽は、浮竹の膝の上で泣いた。ただ、泣いた。


ボクを必要としてくれる者がいる、明るい世界。

それが、ここにある。


空は、晴れていた。

いつの日だったのように、星空が綺麗だった。

手を伸ばせばーーーーー。

「手を伸ばせば、星に届きそうだな?」

浮竹がそう言うので、京楽はびっくりする。

「ボクが言おうとした台詞なのに」

「え、そうなのか。ごめん」

「ううん、かまわないよ」

手を伸ばせば、いつかきっと、星に届く。

ボクの中の通称サタンは、溶けながらそう言っていた。

サタンの‥‥‥であるが、サタナシア・オルタナティブは邪悪な存在じゃないし、人食いでも魔人でも魔神でもない。

ただ、今はボクの中に溶け込んでいるだけ。

「浮竹、帰ろうか」

「うん」

浮竹と手を繋ぎながら、帰り道をゆっくりと歩いていく。

さよなら、サタナシア・オルタナティブ。

また、いつか出会える時まで。

ボクの中で、眠っていてね。



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黒猫と白猫の亜人外伝1

サタナシア・オルタナティブ。

それが、本当の名前だった。

通称サタン。

猫人の里で愛され育ってきた少年の中にいるモノ。

生まれた時、父の手によってサタンへの供物として、その少年は生贄にされた。臓物を捧げられた。

その生贄に、サタンは宿り、命をもった。捧げられた臓物を巻き戻りするように、赤子の腹に入れて、おぎゃあと泣いた。

サタナシア・オルタナティブ。通称サタン。

父が望むものとは違うナニカが、少年の中に宿るが、父は成功だと喜んだ。

少年は、魔人だった。

それを隠して生きる。

サタナシア・オルタナティブは、京楽春水という名を与えられて、今を生きる。

もう、自分の中にいたナニカが、サタンであったのかも忘れてしまっていた。

「ボクは‥‥‥誰、だっけ」

一人、ぽつんと月を見上げる。

「ここ、いいか?」

「うん」

浮竹が隣に座る。

浮竹十四郎。ボクだけでなく、ボクの中にいるナニカも愛する、ボクの伴侶。

一緒の時間を生きるうち、ボクの中にあったナニカは、ボクと同化してしまった。

ただ、サタナシア・オルタナティブという名前だけは忘れなかった。

「今日も、君を愛しているよ、浮竹」

少年は青年になり、白猫の亜人を伴侶とした。



それは、遠い過去のできごと。

サタンは、魔人であり魔神であり、人食いの化け物だった。

虐げられ、一部では崇められた。

サタンは、自分の一部をきりとって、サタナシア・オルタナティブとそれに名を与えた。

通称サタン。

でも、サタンではない。

サタンは、悪魔の国で、深い眠りにつく。

時折、黒猫の亜人の臓物を捧げられては、目を覚ます。


「自由に生きるがいい。我が、最愛の‥‥‥」

プツリ。

そこで意識は途切れて、ごちゃごちゃになり、サタナシア・オルタナティブが青年の中でふと意識を取り戻す。

「ああ、ボクは‥‥‥‥」

ボクの中に混じった、ナニカ。

それは、通称サタン。

「ボクは‥‥京楽、春水。浮竹、君を愛する、者」

京楽は、金色で光る瞳で浮竹を見る。

浮竹は疲れてしまっているのか、眠っていた。

「愛してる愛してる愛してる」

まるで、壊れたラジオ。

同じことを繰り替えす。

空を見上げると、星が降ってきそうだった。

星が掴みたくて、手を伸ばすが届かない。

どれだけ望んでも。


「ボクはもう、ナニカじゃない。京楽春水だ」

ボクは同化してしまった。

魔力も、ただの黒猫の亜人のもの。

片割れの、伴侶に大半の魔力を譲渡した。

もう、禁忌の魔法を1、2回使うのがやっと。

昔は、大きな大地を焦土に変えるほどの力があったが。

今は、京楽春水。

京樂春水として、浮竹十四郎を愛して生きよう。

ボクは、もう京楽春水なのだから。







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黒猫と白猫の亜人13

「んあっ」

白哉は、恋次に貫かれながら濡れた声を出す。

「あ、もっとだ、恋次」

「白哉さん‥‥俺のものだ」

「ああっ」

恋次は白哉の最奥を穿つ。

「あ、あ、もっと奥までえ」

「白哉さん、愛してます」

白哉の胎の奥に、欲望を巻き散らして恋次は満足する。

「あ、浮竹?」

「え?」

「今、浮竹が通り過ぎていったような」



浮竹は、猫の姿でたまたま白哉の寝室の中に迷いこんでいた。

そこで繰り広げられていた、主である白哉と恋次の色事を目撃してしまい、悲鳴をあげそうになった。

そっと、知られないように音もたてずに出ていこうとしたのだが、多分魔力の流れで白哉に気づかれた。

「京楽、どうしよう」

「どうしたんだい、浮竹?」

白哉のいる本家とは少し離れた一軒家に、京楽と浮竹は住んでいた。

「白哉の寝室に迷って入り込んでしまったら、その、恋次君と白哉がやっていた」

「あーあ。濡れ場、目撃しちゃったんだね?」

コクリと、浮竹が頷く。

「まぁ、見ちゃったものは仕方ない」

「見てしまったの、気づかれたみたいで」

「あちゃあ。まぁ、白哉君の性格からして、自分から言ってくることはないよ。見なかったことにしてそっとしておくといいよ」

「でも、あの秀麗だが沈着冷静な白哉があんなに乱れるなんて」

浮竹は真っ赤になっていた。

「したく、なちゃった?」

京楽の問いに、また浮竹はこくんと頷く。

「じゃあ、おいで」

浮竹は、人の姿になって、人の姿をとっていた京楽の胸に飛び込む。


「あっ」

「浮竹は、相変わらず奥が弱いねぇ」

「あ、だめぇ。奥は、だめぇ」

「そう言うけど、いいんでしょ?」

「やあああん」

浮竹の蕾を、ぐちゅりという音を立てて京楽が犯す。

「あっ、あっ」

前をしごいてやると、浮竹は簡単に熱を京楽の手の中に弾けさせる。

それを京楽が舐めとる。

「やあ」

見せつけるように舐めあげてから、京楽は勢いをつけて浮竹の奥を抉った。

「やああ、奥、そんなに抉っちゃだめえ。いっちゃううう」

浮竹の白い猫耳に、京楽が甘く噛みついて、揺れる白い尻尾を握りこむ。

「好きなだけいっていいよ?」

「んあああ!」

浮竹は、背をしならせてオーガズムでいきながら、射精もしていた。

「ああ、二重なんて、頭おかしくなるうう」

「大丈夫だから。好きなだけいって?」

「ひあああ!!!」

浮竹は何度か中いきを繰り返して、気を失ってしまった。

京楽は、どくどくと浮竹の胎の奥に子種を出す。

浮竹の中から引き抜くと、コポリと出した精子が逆流してくる。それを濡れたタオルで受け止めて、別の濡れたタオルで浮竹の体をふいてから、中に出したものをかき出した。

「浮竹から求めてくるのは珍しいねぇ」

あどけない顔で眠る浮竹の隣で、京楽も眠った。

朝起きると、浮竹はシャワーを浴びたようで、シャンプーのいい香りがした。

「ボクもシャワー浴びてこよ」

実は、京楽はまだまだいけるのだが、伴侶である浮竹がついてこれないので、いつもセーブして交じりあった。

満足できなかった時は、風呂場でよく抜いた。

今日も、京楽はシャワーを浴びながら、昨日の浮竹を思い出して欲を吐き出す。

「はぁ。黒猫の亜人は、性欲が多くて困るなぁ。夜一ちゃんとか、どうしてるんだろ」

ふと、猫神祭の時に出会った黒猫の亜人の、褐色の肌をもつ美女を思い出す。

「まぁいいか。浮竹、あがったよ」

京楽がいつもの普段着を着て出てくると、浮竹は風呂掃除が今日の担当なので、掃除のために風呂場に消えていく。

「ねぇ、浮竹」

「ん?」

「もしも、ボクが君をもっと抱きたいって言ったら、どうする?」

「そ、そんなこと言われても、無理だ」

「やっぱり、そうだよねぇ」

「その、物足りないのか?」

「黒猫の亜人は性欲が強いからねぇ」

「白猫の亜人は、逆に性欲が薄い」

「そうなの」

「ああ」

結局浮竹を自分が満足するまで抱くと、浮竹を壊してしまいそうなので、引き続きセーブしながら抱くことに決める。

「朝食、食べに行こうか」

「白哉と恋次君に、どの顔で会えばいいのか‥‥」

「どうってことないよ。堂々としてればいいよ」

「分かった」

食堂で白哉と恋次と会ったが、昨日のことは言ってこなかった。

猫の姿になり、京楽と一緒に他の普通の猫たちと遊んでいると、猫の姿になった恋次に話しかけられる。

「浮竹さん、昨日の俺と白哉さんのしてる場面、目撃したでしょう?」

「それがなんなの?」

京楽が、真っ赤になってうつむいる浮竹の代わりに答える。

「いや、他に吹聴しないでくれないかって。それだけっす」

「言わない。約束する。白哉に恋次君が懸想しているのはみんな知ってるけど、完全に出来てるなんて言わないから」

まっすぐな視線でそう言われて、恋次が赤くなる。

「白哉さん、美人でしょ?猫の亜人にしか興味ないって言ってるし、俺がいるからって見合い断ってるらしいから、知ってる人は知ってるんすけどね。四大貴族の当主が、子も成せない男の赤猫の亜人とできてるなんて大っぴらに知られたら、俺も居づらくなりますから」

「恋次君は、今のままでいいと思う。白哉を頼むな?」

にこりと浮竹に微笑まれて、恋次はまた赤くなる。

「今度、ボクと浮竹がしてるとこ見てみる?」

「な、京楽、何を言ってるんだ」

「いやぁ、なんとなく?」

「あ、じゃあもし機会があれば‥‥‥」

「恋次君まで!俺はやだからな」

浮竹は、ぷんぷん怒ってキャットタワーのてっぺんまでのぼるのだった。





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