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好きなのか?

その日、考えれば白哉はおかしかった。

酒を飲まないかと誘われて、恋次は高めの居酒屋に来ていた。

一護とルキアも誘われていて、久しぶりに一護と話す機会があって、飯も酒も進む。ルキアは義兄である白哉があまり食がすすまないようなので、心配していた。

「兄様、ここの居酒屋の食事は口にあいませんでしたか?」

「いや、そうではない。少し、食欲がないだけだ」

白哉は、そう言って高級酒を飲む。

一護はもう大学生なので、酒は飲めた。

「高い店だけあって、酒も料理もうまいよな」

「そうだろ、一護。ここは、たまに隊長と飲みにくる店なんだ」

「へぇ。白哉でも、外にこんな風に飲みに行くこともあるんだな」

「兄は、私が飲みに行くのがおかしいか」

「いや、そんなことねーぜ?ただ、もっと個室の部屋で静かに飲んでそうだなと思っただけだ」

「昔はそうだった。最近は、普通に外でも飲む」

「この店は兄様のお気に入りなのだ。酒も飯もうまいであろう、一護」

なぜかルキアが威張る。

「会計は兄様が出してくれる。思う存分飲んで食うがいい」

ルキアも、遠慮せずに食べて飲んでいた。

恋次も、普段は飲まないような高級酒を飲み、高めのつまみを頼んだりする。

「‥‥‥好きだ、恋次」

「は?」

「え?」

「兄様?」

突然の白哉の告白に、三人とも固まる。

「好きなのだ、恋次」

「た、隊長!?酒の飲みすぎですか!?」

「兄様が好きだと言われておるのだ!ちゃんと返事を‥‥」

「ルキア、朽木家に戻るぞ」

「へあ、一護!?」

一護はルキアを連れて、居酒屋から出る。

「がんばれよ、恋次」

「おいこら、一護おおおおお」

白哉は、白い頬をうっすら紅色に染めて、恋次を見つめる。

「隊長、俺は」

「私のことが好きなのであろう?」

「え、ばれてた!?」

「日々の言動を見れば分かる」

「え、あ、はい、すんません」

「私は好きなのだ、恋次」

白哉は、絹のような黒髪をさらさらと零して、恋次を見つめる。

「隊長、俺も隊長のこと好きです。愛してます」

「私は‥‥だから、辛い酒が好きなのだ」

「はぁ」

「椿も好きなのだ」

「はぁ」

「梅の花も好きなのだ」

「はぁ」

「桜の花も好きなのだ」

「はぁ‥‥隊長、熱でもあるんすか?」

恋次は、白哉の額に手を当てると、とんでもない高熱だった。

「わああああ、隊長、熱高すぎです!自分が何いってるのかあんまり分かってませんね!?」

「恋次は、私のことが好きなのであろう」

「そうですけど、帰りますよ!いや、救護詰所に行ったほうがいいか」

「私は辛いものが好きなのだ、恋次」

「はい、わかりましたから、瞬歩で移動します!」

代金を白哉のもっていた財布から勝手に支払い、恋次は白哉をおぶって瞬歩で4番隊ヘ向かう。

隊長である虎徹勇音が、まだいた。

診てもらい、インフルエンザだと判明する。

「薬処方しておきますので、くれぐれも安静に」

「ありがとうございました」

「私は辛いものが好きなのだ」

「ああもう、隊長同じこと10回は繰り返してますよ!?」

朽木家に戻り、白哉を寝室に寝かせて、薬を飲ませると白哉はあっという間に眠ってしまった。

体温は41度もあって、へろへろだろうに、言動はおかしいが、見た目は普通だった。

一護とルキアに、白哉がインフルエンザであることを告げ、念のために検査キットをもらってきていたので、検査するが一護もルキアも恋次も陰性だった。

白哉はそれから一週間は寝込んだ。

インフルエンザが完治して、白哉が執務室に顔を出すようになると、恋次は顔が合わせづらかった。

熱のせいだとはいえ、恋次が白哉を好きなことがばれてしまったのだ。

一方の白哉は、恋次が好きだと言っていたが、他にもいろんなものを好きだと言っていたので、恋愛感情で好きと言ってくれたのかどうか怪しい。

恋次は、勇気を振り絞って白哉に言う。

「隊長、俺は隊長のことが好きです。恋愛感情で」

「そうか」

白哉は黙々と仕事を続ける。

「隊長、俺はピクミンです」

「そうか」

はぁと、恋次はため息をつく。

「隊長、俺の顔ちゃんと見て、俺の言葉聞いてください」

「恋次?」

白哉の手をとって、恋次は手を重ねた。

「俺のこと、嫌いですか」

「それはない」

「じゃあ、俺のこと好きですか」

「‥‥‥‥‥‥分からぬ。ただ、傍にいてほしいとは思うのだ」

「それ、きっと俺のこと好きなんすよ」

「そうなのであろうか」

奥手な白哉を、言い聞かせるように何度も好きだからと言っていると、白哉もだんだんそう思えてきた。

「恋次」

「はい」

「駄犬」

「酷い!」

「ふふ‥‥‥」

白哉はうっすら微笑する。その白い顔があまりにも綺麗で、恋次は見惚れてしまう。

「きっと、私は恋次が好きなのであろうな。恋次」

「はい」

白哉は、恋次の目を手で覆って口づけた。

「た、隊長!?」

「嫌ではない。私と付き合ってみるか、恋次」

「はい!」

恋次は自分の中の欲に気づいてしまっていた。いつか、白哉の全てを手に入れたいと。

「隊長、俺本気で落としにかかりますからね!」

「ふふ、構わぬぞ。私の全てを手に入れたいなら、励むことだ」

恋次は、白哉に口づける。

「今は、キスまでだ。それ以上は、まだだめだ」

「隊長の全てが欲しいです。いつか、全てを手に入れてみせます」

「恋次」

「はい」

「お前のそういう前向きなところ、嫌いではない」

「隊長、覚悟しておいてくださいね」

「ふ‥‥‥」

白哉は小さく笑うと、仕事に戻る。恋次も、仕事をする。

その日から、恋次と白哉は交際しだした。

ルキアはその話を聞いて、卒倒するのだった。

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血と聖水と名において29

100年に一度の精霊祭が行われることになった。

見た目は若いが、何気に齢100をこしている浮竹にとって、2回目の精霊祭だった。

当時はやっと精霊と契約ができるレベルで、精霊界に行ったが、祭りの隅っこで見学しているだけだった。

今は、全ての属性の精霊王と契約している、世界で唯一のエレメンタルマスターとして、主賓であった。

浮竹は、京楽を連れていくことを決めていた。

「精霊界で、精霊祭が行われるんだ。俺の知り合いなら、参加できる。お前たちもくるか?」

『え、精霊?精霊界に行けるの?』

『面白そうだ。行ってみたい』

パートナードラゴンの京楽は精霊界に行くのは久しぶりだった。もともと異界のドラゴンなので、精霊の知り合いは多い。

何気にフェンリルとかと顔見知りだったりした。フェンリルはそんなこと一言も言わないし、パートナードラゴンの京楽も何も言わないので、初対面と思っていたら違ったと知ったのは最近のことだ。

ドラゴンサモナーの浮竹は、精霊の知り合いはおらず、精霊界に行ったこともなかった。

『行きたい!』

ドラゴンサモナーの浮竹は、精霊界に行きたがっているし、パートナードラゴンの京楽も行っていいみたいなので、二人をゲストして招くことにした。

ちなみに、京楽は正式な浮竹のパートナーとして招待されていた。

「おい、京楽。くれぐれも変なことはするなよ?変態にはなるな。アホの子はいいが」

あほの子はいいんかいと、ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽はつっこみを入れそうになって、かろうじでこらえた。

「浮竹のパンツ頭に被っていけば、大丈夫だよね?」

「あほおおおおお」

パンツを奪って、ハリセンではたきまくる。

「お前は俺の花嫁としていくんだ。もっとまともになれ」

「まともだよ」

浮竹のパンツをスーハーしながら、京楽は言う。

「もういい。アホの変態ですって、精霊王たちに紹介してやる」



「はぁい、久しぶり。元気にしてた?」

闇の精霊王ダークピュリアが、精霊界へ行くために迎えにやってきた。

「俺以外に3人ついていく。ドラゴンサモナーの俺と、パートナードラゴンの京楽、あとアホで変態な俺のパートナーだ」

「あら、ほんとに変態ね。あなたのパンツじゃないの、あれ」

「更生できるなら、すでにしている」

浮竹は、浮竹のパンツを舐めている京楽をハリセンではたいておいた。

『お、ダークピュリアじゃない』

「あら、そういうあなたは異界のドラゴンの」

『ダークピュリアリアと知り合いか?」

『うん。ボクは結構生きてるからね。知り合いの精霊は多いよ』

「そうか。では、ダークピュリア、精霊界まで案内してくれ」

闇の精霊王ダークピュリアは、精霊界に続く扉を出す。

4人は、その扉をくぐった。


そこかしこで、人型をとれない精霊たちが光を瞬かせている。

精霊界は緑と水に囲まれた、美しい世界だった。

いくつもの虹がかかっており、人間界でいうとエルフの里に近いかもしれない。

「ついたわよ?」

『綺麗なところだな』

「さぁ、こっちよ。エレメンタルマスターのあなたは主賓ですもの。そのお友達も、主賓として迎えらるわよ?」

ダークピュリアは、去る間際にパートナードラゴンの京楽の顎を撫でていく。

『むう』

『十四郎、嫉妬しないで。ダークピュリアは古い知り合いなだけだよ』

『俺の知らない春水を、知っているんだろうな』

『まぁまぁ。さぁ、祭りを楽しもう』

パートナードラゴンの居楽とドラゴンサモナーの浮竹がそんなことを言い合っているうちに、豪華な料理といろんな酒が運ばれてくる。

「古き友も一緒か」

『お、氷の精霊王、アイシクルアイシス』

「浮竹、何故いつもアイシクルとフェンリルを呼ぶ。なぜ我を呼ばぬ」

「だって、アイシクルアイシスはなんでも氷漬けにするだろう。加減もなしで。エレメンタルマスターとしては、使い時が強敵しかいない時だけとか条件が限られるし、人の世界にくるとどこかへ行ってしまうから、あんまり呼ばない」

「むう。我は強いのだぞ。炎の精霊王イフリールにも負けぬ」

「それは分かっている」

「ボクも強いぞ!」

炎の精霊王イフリールが、浮竹たちのために用意された酒の中で、一番強いものを飲み干した。

「ボクに何か文句jでもあるのか、アイシクルアイシス。全く、水の精霊王ウォータを見習え。呼ばれなくても文句の一つも言わない」

「くんくん。かすかに浮竹の匂いがする」

京楽は、イフリールの匂いをかぐ。

「ぎゃあああああああ、なんだこの変態はあああああ」

「京楽、お座り!」

「わん!」

浮竹は精霊界にいく前に、京楽に「お座り」と言ったら「わん」とないて、静かにその場所に座ることを教えた。

それを繰り返せば、しっぽりしていいと約束したので、京楽は素直に従う。

「においを嗅ぐのはマナー違反だ。パンツ被っててていいから、おとなしく食事でもしとけ」

「うん、そうする」

京楽は、出された精霊界だけの食事を楽しむ。浮竹も、静かに食事をしていた。

時折精霊王が現れては、浮竹に挨拶をしていく。

「今度、風の精霊王になったジルフェだ。お前はもう俺を何度も召喚しているから、自己紹介はいらないな」

「え、ジルフェ、風の精霊王になったのか!?」

転移魔法を引き受けてくれる、風の上位精霊であったが、いつの間にか精霊王になってしまっていたらしい。

「精霊王になったの、気づかなかった」

「戴冠してまだ1週間だからな」

「そうか。まぁ、今後もよろしく」

「仕方ないやつだ」

「浮竹、浮気かい!?はぁはぁ‥‥‥浮竹が食べ終わったお皿」

べろべろとそれを舐める京楽に、ジルフェだけでなく、その場にいた精霊王全員とドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽も引いていた。

「京楽はどうしようもない変態のアホなんだ」

「なるほど」

「マスターのパートナーって‥‥‥」

「変態でもおもしろいからいい」

いろんな意見が飛び交う中、京楽は浮竹の使った食器を舐めまくる。

「いい加減にしとけ!」

浮竹にハリセンで床に沈められて、京楽ははぁはぁしていた。

「もっと!」

「ついにどMになったか!」

「そんなことないよ!ただ、浮竹がボクをパートナーとして紹介してくれたことが嬉しくて、しっぽりしたい」

「精霊界ではしないからな!」

「人間界に戻ったら、約束もあるししっぽりしようね?」

浮竹は赤くなりながら、京楽をハリセンではたきまくる。

「ああん、愛が激しい!」

「ド変態だな。よく花嫁にしたな?」

ジルフェに言われて、浮竹は昔を懐かしむ。

「今はどうしようもないは変態だが、まぁ花嫁になる前もっとまもともだった」

「ボクはいつでもまともだよ!」

浮竹の食べかけの料理を盗んで食べていく京楽に、浮竹はため息をつく。

「改めて紹介する。アホで変態だが、俺の花嫁でパートナーの京楽春水だ。おい、挨拶くらいしろ」

「はぁはぁ、ボクは京楽春水。見ての通り変態さ!」

「こいつ、自分で変態って認めた。やるな」

「ふふふ、京楽が変態なのは前から知ってるもんねー」

「変態の花嫁の男かぁ。俺には無理だな」

いろんな意見が飛び交う中、パートナードラゴンの京楽とドラゴンサモナーの浮竹は、食事を終えて精霊界を見て回ってくると別れていった。



「多分、世界樹の雫でも京楽の変態は治らない」

「すごい変態だ。絶滅する前に保護しよう」

「あーれー」

アホなやりとりを広げて、浮竹も京楽も、精霊王たちも笑って酒を飲みかわしかうのだった。ただし、京楽は浮竹の飲みかけのものを飲んでいたが。

「あほで変態な花嫁の京楽に乾杯」

「乾杯」


精霊界で、しばしの間京楽の変態は語り継がれていくのであった。










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再婚

「ルキア、好きだ」

「ふ、冗談も休み休みにしておけ。貴様には井上がいるであろうが」

「離婚した」

その言葉に、ルキアが目を見開く。

「結婚して、まだ1か月であろう!?」

「ああ。でも気づいたんだ。ずっとルキアが好きだって。井上‥‥‥織姫を愛していると思っていたけど、違った。俺が愛していたのはルキア、お前だ」

「やめよ。私には恋次が」

「恋次と、うまくいってないんだろ?」

「何故それを知っている」

「恋次から聞いた」

「恋次、あやつめ‥‥‥‥」

ルキアは、大きくため息をついた。

「白状する。一護、貴様のことがずっと好きだった。しかし貴様は人間。同じ人間である井上と結婚するのが一番だと思って、思いを隠していた。恋次と結婚すれば、この恋心も消えるであろうと思っていた」

「ルキア‥‥」

一護は、ルキアの華奢な体を抱きしめた。

「私はもう、体は恋次のものになってしまった。それでも、私を好きでいてくれるか?」

「俺も、井上‥‥織姫を抱いちまった。それでも、お前が好きだ」

一護とルキアは、どちらともなしに衣服を脱がし合いながら、キスをする。

「恋次と離婚する」

「恋次のやつ、頷いてくれるか?」

行為が終わり、一護はルキアをただ抱きしめていた。

「ん‥‥貴様が中に出したものがあふれてきた」

「風呂、入るか」

「ああ」

そこは、一護が一人暮らしをはじめたアパートだった。

翻訳家になったので、外に仕事に行くことはあまりない。一時は井上がおしかけてきたが、今では誰もこない。

「なぁ。お前さえよければ、このアパートで一緒に暮らさないか」

「しかし、仕事が」

「ああ。週末だけ現世にきてくれればいいから」

「まるで、通い妻だな?」

「そうだな」

一護とルキアは一緒に風呂に入り、そこでも行為に及んだ。

「この義骸は子を産める。もしかしたら、孕んだやもしれぬな」

「そしたら、産んでくれるか?」

「もしも、できていたのであればな」

ルキアは一度 尸魂界にもどった。

いろいろとごたごたがあり、結局ルキアは恋次と離婚した。そして、現世で一護と再婚した。

「子が、いるのだ。腹のなかに」

「まじか。男の子か女の子かどっちだろう」

「ふふ、こんな最低な二人の間にも、子は平等に生まれるのだな」

ルキアは、まだ膨らんでもいない腹部を愛しそうに撫でる。

一護も、ルキアの腹部を撫でた。

「ルキア。幸せになろう」

「うむ。恋次と誓いあったからな。一護と幸せになると」

「俺もだ。井上と誓った」

ルキアは、尸魂界で普段暮らし、13番隊隊長を務めながら、週末になると現世の一護のアパートで過ごした。

やがて、月日も経ち、二人の間に子が生まれた。

子は、死神だった。

一護は、自分から代行ではなく、本物の死神になることを選び、現世の家を引き払って、尸魂界でルキアと一緒に暮らし始めた。

「ルキア、おはよう」

「おはよう、一護。朝食はできておるぞ」

ルキアは、朽木家からよこされた家政婦を雇い、隊長としての忙しい日々と母としての忙しい日々も送っていた。

一護は、話し合いの結果、ルキアのいる13番隊へしばらくの間死神業務に慣れるために配属が決まり、二人は1日ほぼ一緒にいた。

「おぎゃあ、おぎゃああ」

泣き出した子供をあやして、ルキアは家政婦に後のことを頼む。

「では行ってくる。一護、先に行くぞ」

「待ってくれよ。俺も行くから」

歪な愛の形から始まったが、今は幸せだった。

「ルキア、好きだ」

「ああ、私も好きだ、一護」

二人の死神は、再婚して幸せになった。

不幸にしてしまった人はいたけれど、そちらも新しい出会いを得て幸せになっていく。



「子を、もう一人作らぬか」

「いいのか?」

「苺花だけでは、かわいそうに思えてな」

子は女の子で、苺花と名付けられ、2歳になっていた。

「今度は、男の子がいいな」

「ふふ、そればかりは分からぬ」

一護とルキアはキスをして、乱れ合っていく。

今までずっと避妊していたが、その日から避妊しなかった。

やがて半年が経ち、ルキアは懐妊した。

「子は、男の子だそうだ」

「そうか!愛してるぜ、ルキア」

「私も愛している、一護」

浮気から始まった恋であったが、幸せになれた。離別した相手も、今は幸せになっていた。

幼い苺花を連れて、白哉の元にたまに顔を見せにいく。

「ルキア、今幸せか?」

「はい、兄様」

「黒崎一護、これからもルキアを幸せにできるか」

「魂をかけて誓う。幸せにし続ける」

「そうか‥‥‥‥」

白哉はルキアが離婚を決めた時、叱責しなかった。

本人たちの問題であると、恋次とルキアに任せて、一護と再婚すると言い出した時は天を仰いだが、今では一護も家族であった。

「いつまでも、幸せにな」

「はい、兄様」

「白哉も、幸せになれよ」

「ふ、兄は相変わらずだな。まぁよい。では、ルキアまた会う時まで」

「はい」

「またな、白哉」

愛の形は人それぞれ。

結婚してから、違う誰かが好きだったと気づいてしまった。

もう、手遅れかもしれないと思いつつも、相手に本当の気持ちを伝えて理解してもらった。

再婚という形になるが、ルキアと一護は幸せだった。

その幸せは長く続くのであった。




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好きなものは好き20

「今度、一緒に温水プールに行こうぜ。バイト先でチケットもらったんだ」

「むう。私は、水着をもっていないぞ」

「明日休日だし、買いに行こう」

一護は、ルキアをそう誘って、一緒に水着を買いにいくことにした。

大胆なセクシー水着から、スクール水着なようなものでまで、多種多様な水着が売っていた。

「これなんかどうだ?薄い水色だけど、ちょっとルキアの瞳の色と同じアメジスト色が入ってる。上下に分かれたビキニタイプだけど、胸のなさを隠せるようにフリルがふんだんにあしらわれている」

「むう、貧乳で悪かったな!」

「俺は貧乳が大好きだ」

他の客もいるのに、一護は自信満々に、ルキアにそう答える。

「は、恥ずかしいやつめ。それでいい。レジに行くぞ」

「帰りにレストランに入って、白玉餡蜜食べて帰るか」

「それはいいな!」

ルキアは、るんるん気分でレジで水着を購入した。金は一護がだしたがっていたが、たくさんもっているのでルキアが出した。



後日、温水プールにやってきた。

「やっぱ、その水着似合ってる。買って正解だったな」

一護は、ルキアの水着姿を褒めた。

折れそうに華奢なルキアに、ぴったりだった。


二人で泳ぐというか、何度もウォータースライダーを滑り落ちる。

「もう一度だ!」

ルキアはウォータースライダーが気に入ったようで、何度も一護と滑り落ちた。

「普通に泳ぐか」

「私はあまり泳げんぞ」

不安げなルキアに、一護は浮き輪を渡す。

「これで、大丈夫だろ?」

「うむ。何気にチャッピー柄とは、貴様も見る目がいいな」

現世のうさぎ模様であったのだが、ルキアにはチャッピー柄に見えた。


2時間ほど遊泳し、一護はルキアを岸に引き上げる。

「腹減っただろ?今、屋台で何か買ってくるから」

「イカ焼きがいい」

「はいはい」

そんなルキアと一護を、たまたま現世にきていた乱菊に見つかって、いろいろ根掘り葉掘り聞かれた。

「一護って、意外と紳士よね?」

「当り前であろう。私が愛した者だ」

「はは~ん。ルキア、もう初めても終わってるわね?」

ルキアは真っ赤になって、乱菊の胸を見る。

「私の胸が羨ましいの?一護も男だから、でかい胸のほうがすきでしょ?」

「そうでもない。貧乳が好きだそうだ」

「ぶばっ」

乱菊は、飲みかけのドリンクをルキアの顔に吹き出していた。

「ルキア、ほらイカ焼き。乱菊さん、なんでこんなところにいるんだ?」

「いや、本当はちょっと朽木隊長に様子を見てこいと頼まれて」

「俺たちは、普通だぞ?」

「そうだぞ。何もやましいことなどしていない」

「そうね。健全すぎて、お姉さんちょっとつまらないわ」

乱菊の豊満な胸を見て、一護は次に平らに近いルキアの胸を見る。

「やっぱ、巨乳より貧乳だな」

「まぁ、失礼な!」

「い、一護」

一護は、ルキアと乱菊の分のかき氷を買いに行った。

「彼氏、なかなかいうし、優しいじゃないの」

「一護は、私に甘いから」

「ふふふ、愛されてる証拠よ?」

「そうなのであろうか」

「ええ、そうに決まってるわ」

一護が戻ってくる。手には、3人分のかき氷。

全部、苺味だった。

「苺は好きだ。一護と同じ名前だから」

「俺も好きだな。乱菊さんは?」

「あたしは普通かしら。朽木隊長には、仲良くやってたと伝えておくわ。じゃあ、戻るわね」

かき氷を食べて、乱菊は温水プールから出ると、 尸魂界に戻ってしまった。

一護とルキアは、まったり夕暮れ時になるまで、温水プールで遊んだ。

家への帰り道、ルキアは一護をの手を握る。

「ん、どうした?」

「目、目を閉じろ!」

「ああ」

ちゅっと、ルキアは触れるだけのキスを一護にする。

「きょ、今日は楽しかった。また、行きたい」

「ああ、いいぜ。また今度行こうぜ」

家に戻る前に、スーパーに寄って、今日の夕飯の材料を買って帰る。

今日は、王道にカレーだった。

「一護の作るカレーはうまいからな。今から、楽しみだ」

ルキアは、一護とまた手を繋いで歩きだす。

荷物は、一護が反対の手でもっていた。

「ルキア、かわいい」

「へあ!?」

ルキアは、突然の言葉に顔を真っ赤にさせる。

「な、なんなのだ突然!」

「いや、好きだなぁと思って」

「わ、私のほうが一護のことを好きだ」

「俺だって、ルキアのこと世界一好きだぜ?」

「せ、世界一とか‥‥」

ルキアはまた赤くなって黙りこむ。


ちゅっ。

頬にキスをされて、ルキアは赤くなったまま、一護と帰宅するのであった。






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血と聖水と名において28

ある日、闇市で「変態を治す薬」なるものが売っていたので、浮竹はつい購入してしまった。

解毒剤もちゃんとあったので、つい京楽に飲ませてしまった。

浮竹のパンツを被って、パンツをスーハースーハーしていた京楽は、浮竹が自分ためにいれてくれたのだという紅茶をのんで、バタンと倒れた。

「京楽!?」

「いやいや、すみませんですわ。私ったら、パンツを被ったりパンツをスーハーしたり、変態でごいざいましたね。今日今からまともに生きます。まずは、コレクションのパンツを燃やして処分したしますわ」

「京楽、大丈夫なのか!あれだけ変態だったお前が‥‥ちょっと言葉遣いがおねぇちっくだけど、本当に変態が治ったのか?」

「ふふふ、私のマスターの浮竹さん。変態ではありませんのことよ」

京楽は、自分で自分のコレクションを燃やしたりした。

『なんか、別の意味できもい』

『そうだね。神父のボクは変態のままのほうがいいと思う』

ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽がそう言う。

「あら酷い。まっとうに生きてみせますのことよ?ほほほほほ」

『変態は治ったけど、おかまになってる。これも一種の変態だぞ』

「確かに。こんな京楽いやだ。解毒剤を飲ませる」

浮竹は、変態の京楽には慣れているがおかまな京楽はいやだった。

紅茶でなく、拒否されたので、ハリセンをくらわせて無理やり解毒剤を原液で飲ませた。

「きゃああああ、せっかく変態がなおったのに、浮竹さん酷いわ!」

「俺をさんづけする京楽なんかいやだ。変態でも、もっと身近な京楽のほうがいい。オカマな京楽もいやだ」

京楽は、またばたんと倒れた。

「うーん。まずい‥‥浮竹酷いよ!ボクは変態でも、変態を大切にしてるんだよ。ぎゃああああああ、そういえばボクは自分の手でコレクションを燃やしてしまったあああ」

「その点はよかったんだけどな」

「残っているのはこれとこれのパンツだけ‥‥‥」

京楽は、涙する。

「また、浮竹のパンツ盗んでコレクションしなきゃ」

「盗むな!」

浮竹は、京楽をハリセンではたく。

「あまり酷いことをすると、さっきのように戻りますのことよ?」

びくんと、浮竹の動きが止まる。

京楽がわざとそう声を出していたのだが、その効き目に感動して調子にのる。

「熱いキッスをしないことには、治ってしまいますのことよ?」

「うーん‥‥‥京楽、お前わざとやってないか?」

「ギクリ」

『うわぁ、わざとか。これは、燃やさないとねぇ』

『心配をかけておいて、さらに心配させるとは、燃やさないとなぁ』

パートナードラゴンの京楽とドラゴンサモナーの浮竹は、京楽を燃やしたそうにしていた。

変態が治ったという時、今までの行為を謝罪させられたからだ。

『ちょっと激しめに燃やしても、変態だから大丈夫だよな』

『大丈夫大丈夫。いざとなったらヴァンピールの浮竹がライフの精霊出すから』

「ちょ、二人とも待つのことですわよ?」

『もう、その言葉使いもいらないからな』

「ぎゃあああ、ボクが調子に乗ってました、ごめんなさいいいいい」

京楽がそう謝罪するので、燃やしたが加減はしておいた。

パートナードラゴンの京楽は、ドラゴンサモナーの浮竹の手で燃える京楽に、氷の魔法を使って鎮火させて凍らせた。

「あがががが、いつもと同じ扱い」

「当り前だろう。だが、今回は俺も悪かった。京楽の変態が治るかもと思って薬を飲ませたら、一部の変態はなおってオカマになった」

「オカマなボクは嫌いかい?」

「それがお前が自然になってしまったのなら受け止めよう。だが、薬でなってしまったから、嫌だ」

「そうかい。元のままのピュアなボクが好きってことだね!」

そそくさと衣服を脱ぎだして、襲ってくるものだから、浮竹はフェニックスを召喚する。

「お前のそういうところは、治ってほしいな!」

「もぎゃああああああ!フェニックス、オーバーモードじゃない?」

「あ、本当だ。まぁいいか。燃えてしまえ」

「もぎゃあああああああああああ」

黒焦げのアフロになって、京楽は床に転がる。

「愛がj激しいいいい。でも、それだけ燃やしたいほど愛はあついってことだよね!?」

こんがり焼けながら、京楽は浮竹をハグする。

「あついヴェーゼを」

「ダークフェニックス!」

「きゅおおおおおんんん」

「え。あ?」

「ヘルズゲート!」

「ぎいいやあああああああああああ!」

闇の不死鳥に抱かれて、京楽は闇へ続く扉に吸い込まれて、普通は戻ってこないのだが、ぺっとダークフェニックスは吐き出した。

闇の炎で燃やされた。

「ダークフェニックスは、お前なんかいらないそうだ。闇の炎がお似合いだとさ」

「ぎょえええええ、燃えるのは慣れてるけど、闇の炎ちくちくするううう」

「ダークフェニックス、戻れ!」

「きゅおおおおおんん」

ダークフェニックスは拒否する。

「どうした?」

「きゅおんん」

「もっと、お前を闇の炎で燃やしたいそうだ」

「うげああああ、酷いいいいい」

「燃えて生きていられるのが少ないから、もっと実験したいそうだ。ダークフェニックス、自然治癒できる範囲でな?」

「きゅあああ」

承諾したと、ダークフェニックスは頷く。

しばしの間、京楽は燃えていた。でも、なんだか少しずつ気持ちよくなってきた気がして、最後はうふふふふふと笑っていた。

ドラゴンサモナーの浮竹、パートナードラゴンの京楽、そして京楽のパートナーである浮竹も、それを見て引いているのだった。


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血と聖水と名において27

知の帝国ブラッディアにまた呼び出された。

今回は、浮竹を正式な皇位継承者にするためだった。

「私の身に何かあれば、次の皇帝はお前だ、ソアラ」

「断っても、勝手に皇太子にするんだろう?」

「ふふ、その通りだ。その花嫁との間に子は望めぬから、別れろとはいわぬが、女性の花嫁をもて。それがいやなら・・・・そうだな、ぱふぱふ屋で女性と体験してこい。女性のよさが分かる」

「はぁ!?」

レイモンドの言葉に、浮竹派素っ頓狂な声をあげる。

「ぱふぱふはいいぞ」

「あなた?」

「う、ブリュンヒルデ」

浮竹の母であるブリュンヒルデは、猫のヴァンパイアに宿っていたが、人化する術を会得して美しい昔のままの女性の姿をしていた。

「ソアラ、無理はしなくていいのよ。次の皇帝が、必ずしも血縁者でなくてはならない理由も掟もないわ。黒崎一護くんを、次期皇帝に指名しようと思っているの」

「一護くんか。それはいいな」

京楽は、何か言いたいことがいっぱいありそうだったけど、口を開かない。何か言ったら禁欲1か月と言っておいた効果かもしれない。


レイモンドとブリュンヒルデのいる謁見の間から去ると、京楽が涙する。

「うう、ボクはどうせ花嫁だけど子供は産めないよ。でもだからってぱふぱふ屋はないでしょ。浮竹は行きたそうな顔してるし」

「どこをどう見たら、行きたそうな顔に見えるんだ」

「だって、ぱふぱふだよ!ボクが頑張っても絶対できない。せいぜい、ふかふかきんたまくらだよ!」

「どっちもいらんわ!」

浮竹は、京楽をハリセンで殴り倒し、帰還のスクロールを使ってウィキティの自宅に戻る。

『どうだった、ヴァンピールの俺?』

居候中のドラゴンサモナーの浮竹が、心配そうに出迎えてくれた。

「新しい女性の花嫁を作れと言われた。あと、なぜかぱふぱふ屋をすすめられた」

『ぱふぱふ・・・・・ううむ、普通の男にはロマンだな』

『十四郎、行ってみたいの?』

『ち、違う。春水と一緒なら、行ってもいいが』

『ボクはどっちでもいいよ。十四郎が一緒なら、少々いかがわしくても』

パートナードラゴンの京楽は、何故かぱふぱふ屋に行ってもいいと言う。

『俺は浮気はしない。春水だけがいい』

その言葉を聞いて、京楽が熱い視線で浮竹を見る。

「俺は今のところ浮気をするつもりはないが、京楽がいいとは言わない」

「酷い!やっぱり、ボクとのことは遊びだったのね!」

「おとついしっぽりしそうになっただろうが!」

「なっただけで、しっぽりしてない!今から既成事実を作りにしっぽりするよ!」

「子供ができるわけじゃなし、既成事実などいらんわ!」

浮竹は、服を脱ぎ始めた京楽をハリセンで床に沈めた。

『ヴァンピールの俺は、こんなやつのことを放置して、他に花嫁は迎えないんだな』

「ああ。花嫁にしたいと思ったのは、変態でアホの子になってしまったが、京楽だけだ」

『花嫁じゃなかった頃は、普通だったの?』

パートナードラゴンの京楽が、不思議そうに首を傾げる。

「ああ。まともな人間だった。ちょっとアホだったけど、ここまでひどくなかった」

『でも、離縁しないんだね』

「一度花嫁に迎えて契約し、契っているからな」

『俺だったら、新しい花嫁迎えているな。こんな花嫁なら見捨てて』

「まぁ、京楽にもいいところが・・・・・・あれ。いいところってどこだろう」

「ぼくのあそこがでかいこと!」

「下ネタだろうが!」

復活した京楽を、浮竹は再びハリセンで床に沈める浮竹。

「ああん、愛が激しい」

「きもちよさそうな声をだすな」

「だって、くせになりそう」

「そっちの変態までくわわったら、ずっとしっぽりしてやらないからな」

「酷いいいいいい」

京楽はくねくねして、浮竹は呆れたように京楽から目をそらす。



その日の夜、浮竹は1か月以上ぶりに京楽としっぽりしていた。

京楽には常に欲があるが、浮竹はそうでもない。ただ、人並みに欲はあるが禁欲を言い渡すため、月に1~2回しかしっぽりしない。

「んああああ、奥はだめええええ」

「奥好きでしょ、浮竹?」

浮竹の奥を突き上げ、京楽は揺さぶる。

「ひああああ、いっちゃうううう」

「いいよ、何度でもいってごらん?見ているのはボクだけなんだから」

「いやあああああああ」

「ふふ、そういいながら、こっちはトロトロだよ?」

白濁した液体を出す浮竹自身を握りこんで、京楽はしごく。

「ひあああああ!!!」

またいってしまい、浮竹は京楽の背中に爪をたてる。

「ふふ、男の勲章だね。もっとひっかいてもいいよ?」

「血が飲みたい。まずいけど」

浮竹は、交じり合いながら、京楽の首筋に牙をたてて血をすする。

「まずい」

「なら、飲まなきゃいいのに」

ヴァンパイアにとって、セックス中の吸血は吸われるほうも吸うほうも、麻薬みたいな快感を覚える。花嫁の血を吸いすぎて、殺してしまうヴァンパイアも珍しくなかった。

「今度はボクが吸うよ?」

「あああああ!」

血を吸われながら、びくんと浮竹は背をしならせて、大きく中いきをする。

「ふふ、気持ちいい?」

「あ、気持ちいい」

「常日頃からそう正直だと、かわいいのにね?まぁ、浮竹はいつでもかわいいけど」

京楽は、奥に勢いをつけて突き上げると、子種を弾けさせた。

「ああああ、奥に出てるうう。だめええええ」

「奥に直接出されるの、大好きだもんね?」

「ひああああ、いくううう」

浮竹はまたオーガズムでいき、意識を失った。



『つやつやだな?しっぽりしたのか』

ドラゴンサモナーの浮竹にそう言われて、浮竹は真っ赤になる。

「防音の結界はってたはずだ。何故分かる?」

『キスマーク、アホほどついてる』

「京楽うううううう」

「ぎゃああああああああああああああ」

浮竹にハリセンでボコボコにされてから燃やされて、京楽はそれでもしっぽりできたので幸せそうだった。

『あーあ。高い毛生え薬もらってつるっぱげから回復したのに、アフロになってるよ』

『ヴァンピールの俺は、美人だな』

『ん?そうだね。特にしっぽりした後だからね。でも、ボクの十四郎も美人だよ?』

パートナードラゴンに言われて、ドラゴンサモナーの浮竹は赤くなる。

『きょ、京楽はかっこいいぞ』

『うん。あれと比べればねぇ』

あれとは、変態でアホの子の京楽であった。

『あれと比べるな。あれは汚染物質だ』

「汚染物質か。そうだな」

浮竹が頷く。

「浮竹をピーーーーで汚染する、京楽さんだよおおお」

「自分でいうなあああ。このアホがああああ」

「ぎゃああああああああああ」

今日もまた、京楽の悲鳴が館中に響くのであった。



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血と聖水と名において26

「のわああああああああああ」

「やっほおおおいいいいいい」

朝から、変な悲鳴をあげる京楽と、浮かれ気分の声をあげる浮竹に、何事かと居候中のドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽がかけつける。

そこで見たものは、全裸になろうとしている浮竹と、それをはがいじめして、止めている京楽だった。

「た、助けてくれドラゴンサモナーの俺!京楽からもらった飲み物を飲んだら、中身がいれかわった!」

『ええ!』

京楽をいつもの火で燃やそうにも、奇行に走っている浮竹をどうしようかと迷っていたところだった。

『あちゃー。よりによって、変態と入れ替わるなんて』

『と、とりあえず悪化しないように・・・・・スリープ』

ドラゴンサモナーの浮竹は、中身が京楽な浮竹に眠りの呪文をかけて、沈黙させる。

「た、助かった・・・・・こいつ、俺の体でピーとかピーーとかしたいとか言い出して、俺の体を弄って、しまいには脱ぎだした」

『なんというか・・・・元に戻る方法は?』

「半日で効果が切れるらしい。それまで、この変態の京楽の体で我慢だ。スリープの魔法、ずっとかけておいてくれ。起きたら、俺の体で変態行為しだしやがる」

浮竹は、京楽の体でぷりぷり怒る。ドラゴンサモナーの浮竹は、抱きつきたいが抱きつきたくないという葛藤と闘っていた。

中身は大好きな浮竹だが、外見は大嫌いな京楽なのだ。

「そうだ、こいつの体でいるうちに、いつの間にか指紋認証に変わった京楽の部屋に入って、中身を全て燃やしてしまおう」

『それなら、手伝うぞ』

『ボクは、ここで眠りから目残めないように見張っとくね?』

「ああ、頼む」

浮竹は、ドラゴンサモナーの浮竹を連れて、京楽の部屋に指紋認証してはいる。

「無駄に金と手間のかかる部屋にしやがって。うわあ、早速俺のパンツのコレクションか」

『えぐいな』

浮竹のパンツでできたタオルやハンカチなどがあった。

「燃やしてしまおう」

『そうだな:』

たんすの中は、全て浮竹のパンツだった。

「洗濯はパンツは自分でしているが、干している間に1日2枚はなくなる」

『かわいそうに』

ドラゴンサモナーの浮竹は、京楽姿の浮竹の頭を撫でた。

『大嫌いなのに、中身がヴァンピールの俺だと触れる』

「そうか。無理はしないでくれよ?」

浮竹は、炎精霊王イフリールを呼び出した。

「ボクに何かようかな?おや、器が変わっているね」

「京楽と入れ替わってしまった」

「ふむ」

「この部屋にあるものを、全て燃やしてほしい」

「おや、君の愛しい花嫁のコレクションだろう?燃やしたりして、いいのかい?」

「いいんだ。あいつのことだから、またコレクションはじめるから」

「だと、意味がないんじゃないかい?」

「いや、ぎゃふんという目にあわせてやりたい。元の体に戻ってからだが」

浮竹は、メラメラと復讐心を燃やす。

「では、全て燃やすぞ?」

「ああ、頼む」

『俺は結界をはる』

ドラゴンサモナーの浮竹は、自分たちに炎が及ばないようにマジックバリアをはった。

「全て灰燼と化せ。炎よ踊り狂え。廻れ廻れ。カラミティファイアワールド!」

ごおおおおおおおお。

マジックバリアはっても、高温の空気が流れてくる。

「マジックバリア」

ドラゴンサモナーの浮竹は、マジックバリアを二重にした。

京楽姿の浮竹も、マジックバリアを唱える。

「こういう時だけ、こいつに魔法習わせて良かったと思う」

『不毛だな・・・・・』

「ああ」

京楽の部屋は、灰だけになった。

ベッドなど、寝る部屋は他にもあるので、しばらくはそっちで眠ってもらうしかない。


「終わったぞ」

『あ、一度起きて、股間さすりだすから、スリープの魔法きつめにかけておいたよ』

「この変態があああああああ」

浮竹は、ふと長い京楽の髪を手にとって、にやりと笑った。




「うーん。ああ、ボクの体に戻っちゃってる。面白くないなぁ。ん?やけに頭部がすーすーする・・・・・もぎゃああああああ、髪が、髪があああああ」

浮竹は、京楽の体にいる間に体中の毛という毛をそってやったのだ。股間はスルーだが、頭をマルハゲにされて、京楽は浮竹を探す。

浮竹を見つけると、浮竹はにこにこしていた。

「死ね。フェニックス、オーバーモード!」

「きゅあああああ」

「ぎゃああああああああ」:

浮竹が召喚したフェニックスは、限界突破した炎を京楽にたたきつける。

「けほ」

アフロになるべき毛がなかった。

逃げるように、指紋認証で自分の部屋に戻ろうとする。

「ぎゃああああああ、ボクの部屋のコレクションがあああああああ!」

燃えながら、叫んで泣き出す京楽を、皆冷めた目で見ていた。

『自業自得だね』

と、パートナードラゴンの京楽が。

『俺の大事な友人を、怒らせるからだ』

と、ドラゴンサモナーの浮竹が。

「覚悟は、できているんだろうな?」

笑顔で、浮竹はぽきぽきと骨を鳴らしながら。

「ぎいいいやあああああああああああああ」

悲鳴は、しばらくの間続くのであった。

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血と聖水と名において25

浮竹は、京楽を連れてハンターギルドにきていた。

出発する前は京楽は服を着ていたのだが、見送りにきたドラゴンサモナー浮竹に燃やされて、股間に葉っぱ一枚といういで立ちで平気で外を歩く。

認識阻害の魔法をかけておいたので、人々には京楽はかっこいい服を着たように見えていた。

「はぁ・・・・服を着ろ」

「燃やされるからやだ。着る服も少なくなってきたし、今度買いに行きたいから連れて行って」

「服くらい、一人で買えるだろう?」

「やだ!浮竹がいないとやだ!」

「仕方ないやつだなぁ」

京楽をそうやって甘やかすから、変態が治らないのだと、ドラゴンサモナーの浮竹がいたらそう言ったであろう。

「今度はロリコンのヴァンパイアの時のように、ショタコンの変態ヴァンパイアの男が、見目いい少年の純潔を奪って、血を吸うんだ。でも、花嫁にはしないし、殺しもしない。だが、もう犠牲者が5人も出ている。ほうっておけないので、この依頼引き受けてもらえないか」

ギルドマスターに言われて、浮竹はため息をつきつつも、その依頼を引き受けた。

ゾアンの町で、そのヴァンパイアは出没するらしい。

京楽に、ゾアンの町に行く前に服を買ってやって着せてから、フェンリルの背にのって、ジルフェでゾアンの町の近くに転移する。

「いいか、襲ってきたら禁欲半年の上に、口利いてやらないからな」

「うぐ・・・・どうせ、おとりになるんでしょ?」

「ああ。若返るりの薬を一時的に飲む。15歳くらいになる」

「15歳の浮竹・・・・・・じゅるっ」

よだれをぬぐいもせずに、15歳の少年の姿になった浮竹を見て、京楽は抱きつこうとしてやめる。半年の禁欲と、口を利いてやらないというのが大分こたえているようだった。

「さて、ゾアンの町に向かうぞ。どうせすぐに出てくるだろうし」

「う、うん。でも、気をつけてね?ボクは尾行するけど、おとりの君の傍にはいられないから」

ゾアンの町にいくと、少年の年頃の子供はいなくて、15歳の浮竹に住民が声をかける。

「そこの君、今このゾアンの町はショタコンの変態ヴァンパイアがいるんだ。君のように見目のいい少年を襲って、血を吸って穢すんだ」

「知っている。A級ヴァンパイアハンターだ。囮になっている」

「そ、そうか。どうか、ヴァンパイアを退治して平穏な町を取り戻してくれ」

「ああ」

浮竹は、京楽が離れて見守っているが、囮なので町を歩いた。

「ぐっふっふっふっふ。そこの美少年の君。このセニョールが君の血~をいただこ~う」

「変態って、よくもまぁこう出没しやすいんだろうな?」

「それは知らないよ!」

かけつけてきた京楽を見て、変態ショタコンヴァンパイアは京楽を見る。

「君、年はいっているがこのセニョールの愛しい兄に似ている。後で血を吸ってあげよう」

「ひいいいい、変態に獲物にされるううう」

「京楽、聖剣を抜け!」

「あ、ボク一応神父なんだった。忘れてた。神父の地位あるヴァンパイアハンターは聖銀の聖剣をもらえるんだよね」

「君たち、ハンターギルドの者か!セニョールが返り討ちにしてくれる。でもまず、そっちの君の血をもらう」

浮竹でなく、ヴァンパイアは京楽を選んだ。

「ひぎゃあああ」

牙をたてられて血を吸わて手、京楽が変な悲鳴をあげる。

「ぎょええええええええええ!なんてまずいんだ!こうなったら、美少年の血で口直しだ」

ヴァンパイアは、抵抗もろくにしない浮竹を、恐怖で動けないものだとみて、かみついて血をすする。

「ほげああああああああ!喉が焼ける!胃が!!」

「水銀の浮竹。それが俺の二つ名だ」

「血に水銀だと!?普通生きていられない。セニョールは逃げる!」

こうもりになって逃げようとするヴァンパイアを、京楽が網の魔法で捕まえる。

「しまった!」

ヴァンパイアの姿に戻ったところで、京楽が聖剣で首を切り落とした。

「ふふふ、この程度でこのセニョールを殺したと・・・・・」

「フェンリル、アイシクル!」

浮竹は2体の氷の精霊を呼び、ヴァンパイアを氷漬けにする。

「さ、さむいのだよ。セニョールは寒くても生きていられるがなぁ!」

ヴァンパイアは、血の刃で浮竹に切りかかる。

あたるはずももないと思っていたら、頬をざっくりと切られた。

「よくも、ボクの浮竹を・・・・・」

いつもの京楽は変態だが、やる時はやる。

ヴァンパイアの首を細切れにして、心臓を貫き、炎の魔法をかける。

「浮竹、大丈夫!?」

「かすり傷だ」

「だめだよ、ちゃんと消毒して止血しないと。ライフの精霊は?」

「ライフを呼ぶほどの傷じゃない」

「ふっふっふ、セニョールの正体が水だとは分かるまい。セニョールは復活してまたショタコンになり、美少年の血と純潔をもら・・・・・ぎああああああああ」

水蒸気になって、まだ生きていたヴァンパイアをフェニックスと精霊王イフリールの炎で燃やすと、ヴァンパイアは灰となって完全に活動を休止した。

灰をカプセルにつめて、犠牲者たちの家のをまわり、襲われたことの記憶を消していった。

ロリコンのヴァンパイアの時も同じことをした。

「浮竹、手を繋いでもいい?」

まだ15歳の姿のままの浮竹に承諾をもらい、手を握るとそこから魔力を流し込んで、傷を治そうとするができなかった。

「呪詛だね。まぁ、数日すれば傷ごと癒えるけど、神殿に行くかい?」

「ヴァンピールなんて、診てくれないだろう」

「そうだね」

京楽が悲しそうな顔をする。

そのまま灰をギルドに提出して、報酬の金貨1500枚をもらって、館に帰宅する。

『ヴァンピールの俺!頬にケガしてる!」

「ああ。呪詛もかかっていて、しばらく治らないそうだ」

『春水、頼む』

『はいはい』

パートナードラゴンの京楽は、あっという間に呪詛を消し去り、浮竹の傷を癒した。

「お、痛くない。ありがとう」

『綺麗なヴァンピールの俺の顔に傷をつけるなんて』

「もう退治して、灰をギルドに提出した」

『それでも許せないから、神父の京楽を燃やす!』

「なんでええええええ!もぎゃああああああああああ」

京楽は燃やされたが、燃える前に浮竹に買ってもらった服をバリアで燃えないようにして、アフロの黒焦げにはなったが、衣服はそのままだった。

「ああ、その服俺が買ってやったものだから。死守したのか」

「そうだよおおお。あちちちちち」

『あ、そうだったのか。じゃあ、燃やすのやめて凍らせる』

「ボク、何もしてないんですけどおおおお」

『日頃の行いじゃああああ』

『あーあ。だめだこりゃ』

パートナードラゴンの京楽は、止めることもなく落ち着くのを待った。

京楽の氷像を作り上げて、ドラゴンサモナーの浮竹が、浮竹を抱きしめる。

「ああ、浮気いいい」

氷像になっても、京楽にはまだ意識があった。

『ショタコンヴァンパイアの退治のために、囮になったそうだな』

「ああ」

『危ない真似は、あまりするなよ?心配になる』

『変態でも、花嫁の神父のボクがついているから・・・・余計に危なそう』

「ボクがいる限り、浮竹は危なくないよおおおお」

『お前がいるから、危ないんだ』

『同意見』

京楽はしくしくと泣き出す。氷も解けていく。

「ほら、タオル。風邪をひかれたら困るなんて思っていないんだからな!」

たまに見せる浮竹のツンデレに、みんなかわいいなぁと和むのであった。

京楽は、再び凍らされていたが。

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血と聖水と名において24

ハンターギルドに行くと、ギルドマスターに呼び出された。

依頼かと思えば、今居候しているドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽の話だった。

「いやぁ、すごく強くてねぇ。ローブを着てフードを被っていて、誰かまでは分からなかったけど、二人組でハンターでもないのに、ヴァンパイアを退治していたそうだ」

「はぁ。それがなにか」

「いやねぇ、会ったら教えてほしいんだ。ヴァンパイアハンターとしてスカウトしたい」

「はぁ」

まさか、ドラゴンサモナーとパートナードラゴンだとは思ってもいないのだろう。

ちなみに、居候中であることを京楽が話しそうになったので、思い切り足を踏んづけてやった。

「じゃあ、この依頼引き受ける」

「ああ、処女の少女だけを狙うヴァンパイアだね。ロリコンでねえ。被害者は花嫁にされるわけでもないけれど、血を吸われて純潔を奪われて、酷いものさ」

「まだ、年端もいかぬ少女だけを狙うなんて、変態ヴァンパイアだね」

「変態の意味ではお前と勝負できそう・・・・にないな。確実にお前のほうが変態だ」

「えええええ」

「自覚がないのか」

「あるけど」

「あるんかい!」

漫才のようなことをしながら、巨大化したフェンリルの背に乗って、風の上位精霊ジルフェに、被害が集中しているモアナ村まで転移してもらった。

「おとりがいるからな。特殊に調合した薬を飲む。頼むから、変態になってくれるなよ」

持続時間が決まっている、10歳くらいの少女になる薬を浮竹は飲み、おとりになることにした。

「はぁはぁ・・・・今すぐ、持ち帰りたい」

「頼むから、やめてくれ」

「すりすりしたい」

京楽に念のためあとをつけてもらって、モアナ村を歩く。

「はぁはぁ・・・見たことのない少女だな。この俺様が、その純潔をもらってあげよう」

でてきたのは、モヒカン頭の男だった。30代前半というところだろうか。

「きゃあああああ」

浮竹は、おとりらしく悲鳴をあげる。

「その血をもらうぞ。ぐあああああああああ!?」

「ふふ、かかったな。俺の血には水銀が混じっている。喉を焼かれてせいぜい苦しめ」

浮竹は、10歳の少女のまま、銀の短剣でヴァンパイアの心臓を刺す。

「ぐぎゃあああああああああ」

悲鳴をあげるが、どこかに心臓を隠しているのか死なない。

「浮竹の純潔を奪うのはボクだよ!」

「あほか!心臓を探せ。そう遠くにはないはずだ。こいつの匂い、わかるな?」

「うん。鼻がひんまがりそうなロリコンのおっさんの匂いがする!あの時計塔の上あたりに、あるよ!」

「行ってこい!」

「うん、分かったよ」

「おのれえええ、純潔だけでも奪ってやる!」

ロリコンのヴァンパイアに押し倒されて、浮竹はすぐに解毒剤を飲んで、元の姿に戻る。

「な、ヴァンピールの男だと!?これではまるで俺様が変態ではないか!」

「ロリコンの時点で、十分に変態だ!」

銃で、銀の弾丸でロリコンヴァンパイアの頭を打ちぬくが、しぶとくまだ生きていた。

「さあ、お待ちかねの時間だよ」

京楽が、ニィと笑って、ロリコンヴァンパイアの心臓を片手に時計塔から降りてくる。

「ああ、俺様の心臓!返せ!」

「未遂とはいえ、浮竹を押し倒した罰、受けてもらわないとね?」

京楽は、心臓を数ミリ単位で聖剣で切り刻んでいく。

「うがあああああ!!!!」

ロリコンヴァンパイアは、苦しみぬいて死んだ。

「ねぇ、浮竹、もっかいさっきの姿になって。はぁはぁ」

「この変態が!予備はあるが飲まない。お前に純潔をまた奪われたくないからな」

「はぁはぁ。10歳の浮竹の女の子姿かわいかったなぁ。でも、今の浮竹が一番いいかな。ボクのものってかんじがして」

「誰がお前のものだ!」

ハリセンで京楽を沈めて、浮竹はロリコンヴァンパイアの灰をカプセルにつめる。

少し遠くで、こちらを見ている12歳くらいの少女がいた。

浮竹は、優しく笑って、少女に近づくと頭を撫でた。

「君を酷い目にあわせたヴァンパイアは死んだからな?」

「ほんとに?もう襲ってこない?」

「ああ」

「浮竹、はぁはぁ」

京楽は、離れた場所で浮竹のパンツの匂いをかぎながら、舐めていた。

「あっちのヴァンパイアが怖いわ」

「京楽、変態を隠せ!」

「え、浮竹のパンツ食えって?さすがに食べれないかなぁ」

「死ね」

「もぎゃあああああああああ」

フェニックスを呼び出し、京楽を真っ黒こげのアフロにすると、少女は小さく笑った。

「うふふふ、変なお兄ちゃんたち」

「よし、戻るぞ京楽」

「アフロのままなんだけど」

「そのうち治るだろう。衣服は燃やさなかった」

「フェニックス、器用だね」

「毎度フルチンにするわけにもいかないからな」

浮竹は、フェンリルを呼び出し巨大化させると、その背に未だにはぁはぁいっている京楽と一緒に背中に乗って、ウィキティへとジルフェの転移魔法で帰還する。

「灰を提出してくる。お前はきもいから、ついてくるな」

「ああん、放置プレイ。浮竹の残り香・・・・スンスン」

「にゃああああ、京楽がきもち悪いんだにゃん」

フェンリルは猫サイズに戻る。

京楽は、フェンリルをすんすんと匂いをかぐ。

「コールドブレス!」

「もぎゃあ!」

「何してるんだ、お前たち」

「マスター、京楽がボクを手籠めにしようとしたにゃん」

「なんだと!この変態があああ!!」

「あらぬ嘘だよおおお”!!!」

浮竹は、京楽を燃やしたり凍らせたり水攻めしてみたりするのだが、京楽は気持ちよさそうにしていた。

「ふふふふ、ボクもヴァンパイアだからね。ちょうどいい温度にできる」

「くそ、変態のくせに!」

「うん、変態だよ!京楽のパンツ、予備で持ってるからね!」

「燃やしてくれる」

「ぎゃあああああああ、ボクの宝物があああああ」



ウィキティにある自分の館に帰った浮竹と京楽は、居候していたドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽に迎えられた。

「そうだ、ドラゴンサモナーの俺!ハンターギルドのマスターが、お前たちをハンターにしたいって騒いでたぞ!」

自分のことのように喜ぶ浮竹を見て、ドラゴンサモナーの浮竹は。

『かわいい。ヴァンピールの俺は、かわいいな?なぁ、春水?』

『うん、そうだね』

浮竹をドラゴンサモナーの浮竹が抱きしめるものだから、京楽はその仲をさこうと必死だった。

「ボクの浮竹だよ!」

『お前だけのものじゃない』

「俺は誰のものでもないぞ」

『ふふ、十四郎はヴァンピールの浮竹が好きだねぇ』

『ああ、大好きだ。その花嫁はいらんが』:

「酷い!」

「俺も、たまに京楽がいらないと思う時がある」

「浮竹まで!?酷いいいいい」

しくしくと泣き出す京楽に、浮竹はハンカチを差し出す。

「べ、別に泣いてるお前が少しかわいそうだなんて、思ってないんだからな!」

『ツンデレだ!かわいい!』

『ツンデレだね』

「浮竹は、ボクのものなんだからああああ」

「俺は誰のものでもないいいい」

そんな叫びが、館中に聞こえるのだった。

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血と聖水と名において23

「んー、朝か・・・・・・・もぎゃあああああああああ」

のどかで平和な一日になるはすであった。

昨日ヴァンパイアロードを一体倒して、報酬金を得たのでしばらく呼び出しがない限りはヴァンパイアハンター業はおやすみである。

そんな朝。目覚めると、天井に股間を葉っぱで隠してあとはフルチン状態の京楽が天井にはりついて、こっちを見降ろしてはぁはぁいっていたので、浮竹は悲鳴をあげてしまった。

「む、透明になる魔法がきれてしまったんだね。もう一度」

複雑な魔法を京楽は構築して、透明になって消えてしまった。

「ひいいいいい」

透明になった京楽に頬をぺろりと舐められて,さすがの浮竹もがちで引く。

「フェンリル、部屋中を凍りつかせろ!」

「わかったにゃ!京楽も凍りつくんだにゃ!ダイヤモンドダスト!

「もぎゃああああ、寒いいいいい」

そう悲鳴を残して、透明だったはずの京楽は姿を現すと氷漬けになっていた。

『どうした、ヴァンピールの俺!』

「きょ、京楽が透明になって天井にはりついてた。魔法でまた透明になって舐められた。あと、体を触られた」

『こいつ、昨日も確か夜這いにきて外で簀巻きにして放り出してたよな?』

ドラゴンサモナーの浮竹は、昨日確かに簀巻きにして外の木に吊るしたのだ。

「ああ。京楽のやつ、すまきとか縄とか解くの上手なんだ。とりあえず、この氷像は外に捨ててしまおう」

「酷い。ボクの氷像で浮竹もメロメロなはず」

「な、なんで凍ってるのに声が聞こえるんだ!?」

「ふふふ、恋次くんからいろいろ学んだからね」

「くそ、こんなことなら宮廷魔法士に魔法を教えさせるんじゃなかった」

『確かに、戦力としてはプラスかもしれないが、変態で使われるとマイナスだな』

浮竹たちは、二人がかりで京楽の氷像を運び、外の燃えるゴミに捨てた。

『あんなんじゃ、回収にくる前に溶けちゃよ?』

パートナードラゴンの京楽が、燃えるゴミに出された京楽を見る。

体温をあげているせいか、氷は半分溶けていた。

「出でよ、アイシクル!凍てつかせろ」

「もうかってまっか。はいよ、氷の魔法一丁。エターナルアイシクルワールド」

氷の上位魔法を放たれて、さすがの京楽もまた凍り付いて静かになった。

「今のうちに風呂に入ってくる。京楽にのぞかれる心配がないからな」

『大変だな、ヴァンピールの俺』

「なに、毎度のことさ」

毎日風呂やシャワーをのぞかれ、パンツを盗まれ、しっぽりしようと迫られ、夜這いをかけられ、セクハラをしてきて・・・・・・。

「あれ。俺、なんで京楽を花嫁にしたままなんだろう」

浮竹自身にも謎だった。

だが、変態であるが愛してはいた。

やがて燃えるゴミとして京楽は去っていった。


夕方。

みんな、京楽の存在を忘れ、和やかに過ごしていた。

「酷いよ浮竹!燃えるゴミに出すなんて!」

そこへ、京楽が帰宅する。

「ちっ、燃ええるゴミとして燃えればよかったのに」

『同意見だね』

『俺もそう思う』

「浮竹、今日のお風呂は?」

「もう朝のうちに入った」

「酷い!のぞけないじゃない!」

京楽は、なんとか衣服を着ていたが、燃えるゴミ用の衣服を着てきたのか穴だたけだった。

「風呂に入って着替えてこい。夕飯にする」

ぱぁぁぁと、京楽の顔が輝く。

『甘いな、ヴァンピールの俺』

「一応、多分、きっと、愛してるから」

言ってるうちに、浮竹はどんどん自信をなくしてくる。

『そういえば、最近新興宗教が網スピードで信者を増やしてるらしいよ?教祖は藍染らしい。宗教に入ると、血を少しだけ分け与えられえて少しだけ不老になるんだって』

「でも、その変わり血液を提供しなければいけないんだろう?」

『すごいね。分かるんだ』

『ヴァンピールの俺、大丈夫か?』

「藍染には、一度花嫁にされたからな。見たくなし、絶対会いたくない」

「ボクが、浮竹を守るから」

風呂からあがって、普通の衣服を着た京楽が、浮竹を抱きしめる。

「誓うよ。君を、どんな脅威からも守ってみせる」

「じゃあ、まずパンツを盗むな」

「ああああ、それはむりいい」

京楽は葛藤する。

「まぁ、変態なお前に何かを求めるだけ無駄だな」

「そ、そんなことないよ?しっぽりできるじゃない!」

「それだけか、このだアホが!」

「ぎゃああああああああああ」

今宵も、京楽の悲鳴が館に響き渡るが、その後普通に四人で食事して、いつものように京楽は浮竹に夜這いをかげて、フェニックスで燃やされて黒焦げのアフロになるのであった。

おまけで、ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽も、京楽を燃やしてダメージで京楽はその日おとなしく寝るのだった。


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血と聖水と名において22

「何度もごめんなさいね、ソアラ」

「いえ、母様のためなら」

浮竹は、ロッエというヴァンパイアの猫に憑依して蘇った、実の母であるブリュンヒルデに血の帝国ブラッディアまで来てほしいと言われ、風の上位精霊ジルフェを使えば転移可能なので、京楽と共にブラッディアをまた訪れていた。

「レイモンドが、どうしても私を抱きたいとうものだから」

「まさか、人化する薬を?」

「そうなの。ソアラは錬金術師としての腕前は確かでしょう。作れないかしら」

「作れるが、問題が。材料の在庫がない」

「なんでも言ってちょうだい。レイモンドが皇帝の力と金を使って揃えるから」

本当に、レイモンドは素材を全て揃えてしまった。

帝国の本格的な錬金術師の部屋を貸してもらい、人化の薬は完成した。

「母様、その体で飲むと、女性ではなく男性になるが」

「ああ、この猫のロッエはオスですものね。禁断の果実の味を、私も味わってみたいわ。ソアラも京楽に抱かれているのでしょう?」

「それは、まぁ」

その場には、京楽はいなかった。

京楽は、宮廷魔法士に魔法を学びに行っていた。

「まぁ、赤くなってかわいい。ソアラはますます私に似てきたわね」

「レイモンドもそう言う」

「じゃあ、レイモンドを呼ぶわね?」

「え、あ・・・・」

浮竹派やめておいたほうがいいと言いかけたが、レイモンドがやってきた。

「おお、美しい。ブリュンヒルデの外見をしているが、何故男性なのだ」

「それは、母様が憑依している猫がオスだから」

「それでもかまわん。ブリュンヒルデ、ソアラに弟か妹を作ってやろう」

「この体は男だし、仮初のものだから、子はできないわよ?」

浮竹は、言わなかった。女性化する薬もあるのだと。

味をじめて、何度も呼び出されて、薬を作らされるのは嫌だったからだ。

「じゃあ、父様は母様としっぽりしてくる。京楽とやらが、宮廷魔法士の教えを全て吸収して緑の館でまっているそうだ」

「この短時間で、全て吸収?・・・・さぼりかな」

緑の館にいくと、ふんどし一丁でフラダンスを踊っている京楽と遭遇する。

「この変態がああああ」

「違うよおおお。これ、修行なの。自分の好きなかっこでフラダンスを踊って、リズム乗せて体中に魔力をいき渡らせる訓練」

「そんな方法、聞いたこともないな」

「ええ、まじで。キラっていう、宮廷魔法士の一番お偉いさんから学んだんだけど」

「ああ、キラは痴呆症だ。その日食べた朝食も思い出せない。魔法の知識もあやふたで、でも魔力は帝国でも5本の指に入るくらいで、主に毎日魔道具に魔力を注ぐ、雑用係にされている。地位は、宮廷魔法士の中でも一番上だが」

「ぎゃああああああ、騙されたああああ」

「時間はまだある。今からでいいから、違う魔法士に教えをこうてこい」

「やだ」

京楽は、ふんどしを脱いで、浮竹に襲いかかる。

「しっぽりしよう!」

「フェニックス!」

「きゅおおおおん」

命令するまでもなく、フェニックスは京楽を真っ黒焦げにしてアフロにした。

とりあえず、意識を失っているので、京楽のかばんを漁ってぱんつくらいはかせやろうとみるが、ほとんどが浮竹のパンツだった。

「あ、これこの前なくしたやつ。これもこれも・・・・・・」

浮竹は、パンツを燃やすと、京楽のパンツを京楽の頭にかぶせて、股間を葉っぱで隠した。

「変態なお前には、こんな格好がお似合いだ」

「う、うーん」

意識を取り直した京楽は、自分の巣をみて、喜んだ。

「浮竹にも、ボクのセンスが分かってきたんだね。ただ、頭のパンツがボクのパンツじゃだめだね。京楽のパンツじゃなきゃ」

「お前の荷物の中にあった俺のパンツは、全部燃やした」

「ぎゃあああああ、ボクのコレクションが!」

「どうせ、また俺のパンツ盗んで、またコレクションするんだろう?」

「当り前だよ!」

股間の葉っぱだけではものたりないので、京楽は自分の乳首にも葉っぱをつけた。

「大自然と一体化したボクに抱かれてしっぽりしよう」

「ぎゃあああああ、くるなああああ」

京楽は、フェンリルに氷像にされた。

「マスターも変わってるのだにゃん。こんな変態のどこがいいのにゃん」

「変態だが、一応俺の花嫁だしな。決める時は真面目なこともある」

次の日から、浮竹が紹介した宮廷魔法士から魔法日中は学び、夜になると変態になる京楽がいた。

京楽に教えているのは、阿散井恋次という、皇族である朽木白哉の知り合いであった。

燃えるような赤い髪をした青年で、宮廷魔法士であるが、騎士団にも所属していた。

主に白哉の身辺警護にあたっている。

白哉は数少ない皇族の一人で、皇族の血を吸うと強くなれるという迷信のせいで、たまに襲われる。それを防ぐのが、恋次の仕事だった。



「お、京楽さんなんで簀巻きなのかは知りませんが、今日は何を教えましょう?」

「水を出せる魔法を覚えたいな。浮竹をびしょぬれにしてむふふふ」

「死ね」

「ぎゃああああああああ」

浮竹も、ついてきていた。

「じゃ、じゃあ水の初級魔法から教えますね。ウォーターボール」

恋次が小さな水の玉を作ったのを真似て、京楽も簀巻きのまま魔法を唱える。

「ウォーターボール・・・・へあ!?」

頭上に巨大な水の玉が出現した。

「恋次くん、こいつは死にがえりをしたせいで、魔力がアホなことになっているんだ。俺はエレメンタルマスターだから、普通の魔法は使えない。どうか。一人前にしてやってくれ」

「わわ、浮竹さん頭をあえてください!ちゃんと教えますから」

京楽はその後数日でめきめきと魔法の力をつけた。

「浮竹、おはよう、愛のキッスをジュテ~~ム」

ただ、アホなのと変態なのは、直らなかった。

「フェニックス」

「きゅおおおんん」

「ああ。今日もいい火だね!魔法を覚えたおかげで、黒焦げにならないようになったよ。まだまだ甘いね、浮竹。さぁ、しっぽりしよう!」:

「フェニックス、オーバーモード!」

「きゅあああああああああ!!

真っ黒こげされて、京楽は地面に浮竹とダイニングメッセージを残して、気絶するのだった。




ちなみに、ウィキティには今ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽がいる。帝国から戻ってくると、ドラゴンサモナーの浮竹に浮竹は抱きつかれて、いろいろ説明している間に、京楽が脱ぎだしフルチンになるものだから、フェンリルで氷漬けにして、放置プレイをしておくのだった。

一応、股間は葉っぱで隠しておいたのだった。

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血と聖水と名において21

浮竹と京楽は、レイモンドの手によって無理やり血の帝国ブラッディアにきていた。

「さぁ、ソアラ、ブリュンヒルデを蘇らすのだ」

「無理だ。昔に死んでいる上に魂が傷ついている」

「ライフの神の力を全て出し切ると、蘇生は可能だろう?」

そこへ、京楽が口を挟む。

「ライフの神は、そこまでしてくれないよ」

「うるさい花嫁だな。塵となるか?」

「よせ、レイモンド!」

浮竹は、京楽を自分の背に隠す。

「では、お前が器となれ、ソアラ」

「短時間だけだぞ。死者の魂を降臨させるのは、禁忌だ」

「短時間とは、どのくらいだ」

「もって1週間だな」

レイモンドは悲しげな顔をする。

「ソアラを使っても、無理があるのか」

「死者を蘇らすのは禁忌。まぁ、俺は京楽を蘇らせたが」

「愛の力だねえ」

何故か脱ぎだす京楽をハリセンで沈めておいいて、浮竹は降臨術の準備をする。

「レイモンド、お前は俺だけにしか母様を降臨させたくないのだろう?」

「当り前だ。他人などに、ブリュンヒルデの魂はやらぬ」

レイモンドから、傷ついたブリュンヒルデの魂を手渡されて、それをライフの神で一時的に完ぺきなものにして、浮竹はライフの神にブリュンヒルデの、母の魂を自分に降臨するように命令した。

降臨は、無事成功する。

「浮竹・・・・・・・・・」

京楽は悲しそうな顔をする。

「おお、ブリュンヒルデ!」

「あなた」

浮竹の器に降臨したブリュンヒルデは、レイモンドを殴った。

「愛しいソアラを器に使うなんて!」

「そ、それしか思い浮かばななかったのだ!」

「私は人間やヴァンパイアでなければ長時間降臨が可能よ」

「それは・・・・・?」

「この皇宮には、確か猫のヴァンパイアがいたでしょう。もう生きて百年以上経つ」

「う、うむ。ロッエのことだな」

「あの猫に、私は降臨します。ソアラを解放してあげて。そうじゃないと、あなたを許さないんだから」

「ブ、ブリュンヒルデ!」

ブリュンヒルデは、ロッエの猫の体に憑依して、浮竹を解放するとレイモンドにすり寄った。

「人のようにはいかないけれど、しゃべれるし、ちゃんと傍にいるわ。あなたがこうも歪んでしまったのは私のせいなのだから」

「愛している、ブリュンヒルデ」

「私もよ、レイモンド」

猫といちゃつく皇帝を放置して、京楽は意識のない浮竹を抱き起す。

「ねぇ、浮竹はどうなるの!?」

「解放しました。2、3日は眠ったままでしょうが、何もなく元気に起きるでしょう」

「そうかい。よかった」

京楽は、まだ与えられていた緑の館に浮竹をお姫様抱っこで運んで、目覚めるのを待つ。

2日は眠りっぱなしで、心配したが3日の朝に浮竹は気が付いた。

「何をしている」

「あ、浮竹の体をふいてあげようとして」

「なぜ股間がおっきしている」

「あはははは、何故だろうねぇ?」

半裸の浮竹は、ハリセンで京楽を沈めて、風呂に入った。

「母様は、猫に憑依したのだな」

「なんでも、猫に皇后の座を与えるとかで騒ぎになってるよ」

「猫の皇后か。まぁな中身は母様だし、皇帝のいう我儘なら通るだろう」

「母親に、会っていかないの?」

「いや、降臨させたときに言葉を交わした」

元気にしているかとか愛しているとか、愚かなレイモンドを許してやってくれとか。

「母様なら、うまくレイモンドを正しい方向に導けるさ」

「そう。じゃあ、ボクとしっぽり」

いつの間にかフルチンになっていた京楽に、浮竹は変態すぎて眩暈を覚えた。

「顕現せよ、炎の精霊王イフリエル」

「なんだい?ボクに用かい?」

「あのヘンタイを燃やしてくれ」

「お安いご用だよ」

炎の精霊王イフリエルは、僕っ子だった。京楽を真っ黒こげのアフロにして、精霊界に戻っていく。

「服を着ろ」

「ぐすん。しっぽりが・・・・・・」

京楽に強制的に服を着させる。

「ああ、ボクはフェニックス!」

また脱ぎだす京楽をハリセンで沈めて、布団で簀巻きにして蹴り転がす。

「ああ、これは愛の試練!」

「帰るぞ。転移魔法陣を使う」

「え、ボク簀巻きのまま?」

「ああ」

「酷い!」

「服を脱ぎだすお前が悪い」

「この美しい肉体を見たいとは思わないの!?」

「もじゃもじゃすぎて、気持ち悪い」

半分冗談であっただ、京楽はズーンと沈んだ。

まぁ、そのほうが静かで変態行為をしないので、浮竹は放置する。

自宅の館に戻ると、京楽は浮竹を無理やり誘って風呂に入った。

はぁはぁいいながら、浮竹に泡だらけの体と剃刀をさしだす。

「もじゃもじゃがいやなんでしょう?剃って。股間の毛も剃っていいよ」

「股間は、ちゃんとバスタオルで隠しているな。よし、胸毛と手足とギャランドゥを剃るか」

「いやああああん、浮竹の手ですべすべになっちゃううう」

「変な声を出すな!」

「あはん」

先に風呂から浮竹はあがる。

しっぽりしたいと言い出す前に。

「浮竹、この後しっぽり・・・・・・」

「しない。お前の毛がなくなったのでしない」

「なんですとおおおお!?騙された!?」

「お前の毛が生えてくるまで禁欲だ」

「騙された上にひどいいいいい」

「そうか。それはよかったな」

浮竹は、自分で入れた紅茶を飲む。

「お前も飲むか?」

「くすん。しっぽりできないから飲む」



京楽は、毛をはやすという薬を裏ルートで手に入れた。

「ぎゃああああああああ」

「なんだ、どうした!?」

突然の京楽の悲鳴に慌ててやってきた浮竹であったが、うねる大量の京楽の胸毛を見て、悲鳴をあげる。

「ぎゃあああああああああああ!どうしてこうなった!」

「毛生え薬を塗ったら・・・君としっぽりしたくて」

「ああもう。フェニックス、京楽ごと燃やせ!」

「きゅおおおおおんん」

「ええ、ボクごと!?胸毛だけにしてよ!」

「気持ちの悪いものを見せた罰だ」

京楽は、せっかく生えてきた胸毛ごと黒焦げになり、アフロにもなるのであった。



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血と聖水と名において20

「血と聖水の名において、アーメン!」

「ぐぎゃああああああああ!!」

そのヴァンパイアは、大量のグールを操っていたが、浮竹が放った銀の弾丸で心臓を貫かれて、あっさりと死んでしまった。

「むう。倒しがいがない」

「そう言わないでよ。レイモンドがブラッディア帝国の皇帝になって、今まで隠れて人の血を吸っていたようなヴァンパイアばかりになった。有名どころは、レイモンドに忠誠を誓うかわりに、今までの罪を許してもらう・・・・・」

「いやなシステムだ」

「でも、ハンターを退けるほどのヴァンパイアを束ねるなら、強いだろうね」

「それもいやで厄介なことだ」

「ほんとにね。ハンターギルドの賞金首がごっそり消えちゃってまぁ。まぁ、こんなやつでも金貨4百枚はあるから」

「まぁ、無収入よりはましだな」

ヴァンパイアの灰をカプセルにつめる。

それをギルドに提出すると、ギルドマスターに呼ばれた。

「ヴァンパイア化したドラゴンが出た。やれるか?」

「どうだろう。ボクの力が、ドラゴンに通じるかどうか」

「俺なら、精霊を使役できるからなんとかなりそうな気がする」

浮竹がフェンリルを召喚して、抱き上げる。

「そうなんだ。A級だが、実力はもうS級だろう。浮竹のエレメンタルマスターの力があればどうにかなるおと思うんだ。いってくれるか?」

「ああ、分かった」

「あの、ボクは?」

ギルドマスターはきっぱり言った。

「おまけで声をかけただけだ。お前はヴァンパイアには強いが、違うモンスターだとどうだかわからんしな。おまけに今回はドラゴンだ」

「ドラゴンなら、冒険者ギルドも動くんじゃないのか?」

「血の帝国のブラッディアからくる下級ヴァンパイアとグールの群れを阻止するのに手いっぱいらしい」

「レイモンドは、何がしたいんだろうね?」

「人間への、復讐かもな。母様、ブリュンヒルデが死んだのは、人間がわざと母様に病気をうつしたせいだ。病原菌を、直接無理やり摂取させた」

「あー。そりゃ、レイモンドでも怒るね。ブリュンヒルデは、ヴァンパイアになっていなかったの?」

「ああ。母様はヴァンパイアに近いが人間だった。レイモンドと不老の契約を交わしていた」

「とにかく、任せたぞ。場所はイアラの村だ。馬車で2週間かかるが、お前たちなら一瞬だろう。転移魔法が使えるのだから」

「まぁ、退治してみせよう」

浮竹は、ちゃっかり金貨4百枚を受け取って、巨大化したフェンリルの背に京楽と共に乗って、風の上位精霊ジルフェを呼ぶ。

「イアラの村まで、転移してくれ」

「了解した」

二人は、イアラの村のど真ん中に出た。

周囲は、焼け焦げていた。

アンデット化したドラゴンなら聞いたことはあるが、ヴァンパイア化したドラゴンは聞くのは初めてだった。

「きしゃあああああああ」

ドラゴンは、人の血をすすっていた。

食べるのではなく、すするのだ。周囲には、血を吸われつくしてミイラとなった死体の山。

「いけ、フェニックス!」

「きゅおおおおん」

「ボクも行くのにゃあ!」

「フェンリル、足を凍らせろ」

「分かったのにゃ!」

フェンリルは、氷のブレスでドラゴンの動きを封じる。フェニックスの業火は、ドラゴンには効いたことは効いたが、すぐに傷を再生してしまう。

「戻れ、フェニックス!フェンリル、氷のブレスで全体を凍らせろ!」

「今やってるにゃん。こいつ、魔法耐性が強くてなかなか凍らないのにゃん!」

「仕方ない。闇の精霊王、ダークピュリアよ、顕現せよ」

浮竹は、久しぶりに精霊王を呼び出す。

「はーい。呼んだぁ?」

「あのドラゴンを、お前の力でなんとかしてほしい」

「お安いご用よ。ヴァンパイア化したとはいえ、普通のドラゴンでしょ?」

「ああ」

「ヘルズゲート!」

「きゅああああああああああああ」

ドラゴンは、地獄に通じる門に吸い込まれて、大量の灰だけがその場に残った。

「やっつけたわよ?久しぶりなんだから、あたしとしっぽりしない?」

「しない!」

「浮竹の浮気者おおおおお。うわああああああん」

京楽が、何の役にも立てなかった上に、精霊王とはいえ、美しい女性と親密げに話す浮竹に浮気者といって、精霊王に嫉妬する。

「浮気者おおお。しっぽりとはボクとだけしてよおおおお」

「あれ、あなたの花嫁の成れの果て?」

「ああ」

「最初はかわいかったのに」

「今は変態のアホの子だ」

「酷いいいいいい」

「まぁ、いいわ。あなたの顔を久しぶりに見れたから。今度、精霊王が揃う祭りがあるの。全ての精霊王と契約しているあなたも、忘れずにきなさいね?」

「ああ、分かった」

「じゃあ、私は精霊界に戻るから。その花嫁としっぽりでもしてなさいな」

闇の精霊王ダークピュリアは、それだけ言い残すと精霊界に帰っていった。

「浮竹ええええ。ボクを捨てないでえええ」

「うわ、鼻水をかめ!」

「ちーん」

「何俺のぱんつでかんでるんだ!」

「だって、ティッシュもってない」

「ほら、てぃっしゅ」

「ちーん」

思いついたように、京楽はつけたす

「こ」

ちーんこ。

浮竹は、冷たい目で京楽の頭をハリセンではたきまくる。

「暴力反対!」

「お前のせいだろうが!」

「うわあああんん、愛が痛いいいいいい」




「ちっ、普通のドラゴンをヴァンパイア化させるだけではだめだったか」

それは、藍染であった。

本体だ。

藍染は、フードを目深に被り、闇に同化していくのであった。



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血と聖水と名において19

京楽と浮竹は、ヴァンパイアハンターをしながら、ウィキティの館に住んでいる。

館を競り落とした時にできた負債は全て返済し、京楽にかけられた悪魔王ディアブロの死の呪いも、京楽が一度死んで蘇ることでなんとかなった。

今、世界でライフの精霊神を使役できるのは、浮竹だけだ。

京楽の呪いが解けたことを知った、浮竹の父であるレイモンドは、ブラッディア帝国の皇帝になっることを決め、力でソアラこと、息子の浮竹十四郎を操ろうとしていた。

今、ブラッディア帝国は荒れていた。

皇帝になるために、藍染が世界各地から貧民を奴隷として集め、自分の手ごまである悪魔召喚をおこなっていた。

「ははは、私こそが皇帝にふさわしい」

「ふさわしいのは、藍染様です」

「藍染様こそふさわしい」

「そうだそうだ。レイモンドがなんだ!」

召喚された悪魔たちは、ある程度は藍染の言うことを聞くが、絶対服従ではなかった。悪魔はヴァンパイアと同等の存在であり、格上ではないので召喚されても従う義務はない。

だが、召喚されることで、魔戒から人間界にこれて、悪魔たちは喜んでいた。

悪魔の力でブラッディア帝国の住民たちを洗脳して、藍染は自分が皇帝になろうとしていた。

だが、あと一歩のところで、レイモンドに邪魔をされた。

レイモンドの二つ名は、悪魔王ディアブロ。悪魔王ディアブロの加護をもっている。召喚された普通の悪魔たちは、その存在に恐怖して魔界に帰っていく。

「おのれ、あと少しのところで!」

「殺しても復活するだろうが、とりあえず死ね」

レイモンドは、躊躇もなく藍染を殺す。灰となるが、その灰の中から小さなコウモリが無数に生まれて四方八方に散っていく。

「ふむ。皇帝になろうというのさえ、分身体か」

こうして、血の帝国ブラッディアの、第35代目の皇帝は、レイモンド・シュタットフェルト・ブラッディに決まった。

レイモンドは、早速まだ残っていた藍染の悪魔を自分のものにして、息子であるソアラこと浮竹に、血の帝国ブラッディアにくるように命令した。

従わない場合、周囲の者を殺すように命じておいた。



「私たちは、レイモンド様の悪魔。ソアラ様、レイモンド様が皇帝となられました。ソアラ様を血の帝国にお連れするよう、言い使っております」

「俺はいかない」

「ボクは行ってもいいけどね?」

「京楽、何を言っているんだ」

「会って、はっきりさせるべきだよ。ブリュンヒルデの魂は傷つきすぎて、昔に死んでしまったので蘇生できないって」

「ああ、そうかもしれないな。でも、そうなるとレイモンドは違う要求をしてくる。多分、俺にブリュンヒルデの器になれと」

「なんだって!」

「レイモンドは、そのためにも俺を生かしている。俺の中に、ブリュンヒルデの、母様の面影を見て」

「従わなかった場合、周囲の住民を殺せとも言われております。拒絶されたので、ウィキティの住民の3分の1を処分いたしま・・・・・ぐぎゃああああああ」

浮竹の水銀入りの血を浴びて、その悪魔は灰になった。

「なぜか、悪魔によく効くんだよな、俺の血」

「ひいいい」

「逃げろおお」

「京楽!」

「うん、分かってる!」

京楽は、悪魔たちを捕縛する。呪いをへて魔力が宿り、ヴァンパイアへの蘇りの復活を果たして、京楽の魔力はすごいことになっていた。

自分のオリジナルの魔法で、悪魔たちをがんじがらめにして捕縛する。

そこに、浮竹は水銀を含んだ自分の血をかけると、悪魔たちは灰となって消えてしまった。

「何してるんだ」

床をぺろぺろしてる変態に、浮竹が問いかける、

「だって、浮竹の血がもったいない」

「血くらい、俺から飲め」

「いいの!?」

「ただし、加減しろよ!前みたいに、一気に大量に飲むなよ」

「うん」

京楽は、浮竹の首筋に牙をつきたてて、何よりも甘く感じる浮竹の血を飲んでいく。

「ふう、ごちそうさま」

浮竹は、失血のせいで蒼くなっていた。

「人工血液もってこい、このだアホ!」

「きゃいん!今もってきます!」

京楽にはちょっとでも、浮竹には大量であった。

「全く、駄犬が」

人工血液の高級品を持ってきた京楽の手から、奪い取って接種してすぐに、水銀を含んだ自分の血に変換した。

「まだあるんだよね、人工血液。もっかい、飲ませて?」

「仕方ないやつだな。今度こそ、加減しろよ」

「うん」

血を吸われるのは、すごい快感を伴うので、浮竹は我慢するがつい声がもれてしうまう。

「あっ」

「感じてるの?かわいいね。しっぽりしようよ」

「禁欲半月残っているだろう・・・・ああ、俺のほうが限界だ。血を飲ませろ」

「へ?」

「花嫁のお前の血を吸ってこなかったが、それはお前がヴァンパイア化するのを防ぐためだった。ヴァンパイアとなったお前に、遠慮する必要はもうないというわけだ」

「のわきゃあああああああああ」

浮竹に血を吸われて、京楽は床でしくしく泣いていた。

「まずいな。人工血液のほうが数倍ましだ」

「酷い!ボクをもてあそんでおいて!」

「血を吸っただけだろう」

「ボクの純潔が汚された!」

「どこがだ!」

ハリセンではたかれて、京楽は床に沈む。

「このド変態が!」

「ぐへへっへ、浮竹の足~~~。ぺろぺろ」

「ぎゃああああああああ」

浮竹は悲鳴をあげて、容赦なく京楽にハリセンをお見舞いする。でも、京楽はヴァンパイア化したせいで、あまり意味はなかった。

「血と聖水の名において、アーメン!」

「ぎゃああああああああ、殺されるうううううう」

銀の短剣で刺されたが、特殊個体のため傷はすぐに再生する。、

「京楽、お前どうしたら死ぬんだ?」

「んー?浮竹が死んだ時かなぁ。花嫁になった時、そんな契約を交わした」

「そうだっけ?」

「ひどい!忘れてるなんてあんまりだ!」

本気で泣き出す居楽を、浮竹が宥める。

「悪かった。今日しっぽりしていいから」

「言ったね!?約束だからね!」

「な、ウソ泣きか!」

「ふふふ、しっぽりのためならプライドも捨てるよボクは!さぁ、今からしっぽりするよ!さぁさぁ」

「ぎゃあああああああああああああ」

浮竹の悲鳴が、館中に響くのであった、





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オメガバース恋白読み切り短編

「好きだ」

「へあ?」

恋次は、固まった。

執務時間中に、急に白哉からそんな言葉をかけられて、固まる。

「まぁよい、茶でも飲め」

「あ、はぁ」

緑茶をいれてもらって、それをすする。

「お前に、めちゃくちゃんにされてもよいと思えるほど、好きなのだ」

「ぶばっ」

恋次は、口の中に入っていた茶を全部、白哉の顔にふきだしていた。

「タオル」

「あ、すんません!これ、新しいタオルです」

恋次は真っ赤になって、タオルをあわあわと白哉に渡す。

「その、隊長は俺とその、深い仲になってもいいと」

「ふふふ、ひっかかたな。今日は4月1日。エイプリルフールの日だ。黒崎一護が教えてくれた」

「一護おおおおおおおお」

恋次は、今度一護に会ったら顔面にパンチをお見舞いしてやろうと決める。

「まぁ、好きなのは本当だ。隠してはいたが、私はオメガだ」

「え、隊長がオメガ!?」

「お前はアルファであろう、恋次。私と番になれ」

「ええっ」

白哉ほどの身分のオメガなら、同じ四大貴族の中からアルファを選びたい放題だろうに、白哉は恋次がよいという。

「あの、本気っすか?俺確かにアルファっすけど、貴族でもなんでもない、流魂街出身っすよ?」

「身分など関係ない。私はお前と番になりたいのだ、恋次」

「番になるってことは、その、ごにょごにょを・・・・・あ、またエイプリルフールだから!?」

「違う」

強い眼差しで見られて、恋次は自然と白哉を抱き寄せる。

白哉のことが前々から好きであったが、同性だし上官であるので思いを隠していた、その反動が一気に出た。

「痛い」

「す、すんません」

力の加減をミスして、恋次は白哉を思い切り抱きしめてしまっていた。

「その、番になるってことは、夜のごにょごにょも・・・・・・」

「心得ている。強い抑制剤を使ってヒートに耐えてきたが、もう限界だ。この前、四楓院家の男にレイプされそうになった。番にならないかと」

「そいつ、ぶっ殺す」

「千本桜で、半殺しにしておいた」

「おおう・・・・」

白哉は、腰の千本桜を撫でる。

「で、どうなのだ。私と番のなるのか、ならないのか。お前がいやなのであれば、他のアルファを探す」

「いやです!」

「そうか、ならば無理強いはすまい。他のアルファを・・・・・」

「違います!あんたが、他の男と番になるのがいやなんです!」

「では、私と番になると?言っておくが、私と番になればお前は朽木家の者になる」

貴族の作法など、厳しいものが待っている。

「それでも、隊長と番になりたいです。あんたと一緒にいたい。あんたを、他の誰にもあげたくないんです」

「ふふ、情熱的な口説き文句だな?」

「あ、あんたが相手だからっす!」

恋次は、赤くなりながらまくしたてる。

「では、今日の夜、別邸を用意してある。そこで、番になろう」

「ええええ、そんなにすぐっすか?」

「ヒート期間なのだ。薬でおさえいるが、番がいないときつい」

「今日はもう、仕事休んでください!」

「だが、重要書類が」

「そんなの、今週中にどうにかすればいい話でしょう!俺がやっときますから!」

「そうか。言葉に甘える。隊首室で、少し横になってくる」

そう言って、白哉は執務室をあとにした。



夜になり、別邸に恋次は白哉と共にやってきた。

「花街にいき、色子から話を聞いて知識だけはもっている」

「はああああ!?隊長が花街!?」

「騒がれぬよう、顔は隠していた」

「当り前っすよ!朽木家の当主が花街にいるってばれたら、どんな相手が寄ってくるか分かったもんじゃない!危険な真似しないでください」

「ふふ、恋次は過保護だな」

「そりゃ、好きな隊長の身に何か起きたらいけないから」

「もう一度、言ってくれぬか」

白哉は、甘えた声を出す。

「隊長、好きです。世界中で一番好きで愛してます」

「恋次」

白哉は、隊長羽織も死覇装も脱いで、普通の高級な着物を着ていたのだが、艶やかな柄で白哉にとても似合っていた。

「ああ、なんか脱がすのおしいな」

「お前は、服をきたままするのが好みなのか?」

「違います!隊長に、その着物似合ってるから」

「清家のおすすめの服だそうだ」

「めっちゃ似合ってます。風呂、入りましょうか?」

白夜の手を引いて、共に風呂に入り、お互い長い髪を乾かして、夕餉をとり、酒も少し飲んだ。


「じゃあ、抱きますよ?」

「私は経験がないゆえ」

「それは俺も同じっす!女すら、まだ抱いたことないんすよ」

「なんだ、童貞か」

白哉が、少しだけ笑う。

「あーもう!そういうのは、ほんとに好きな相手としたかったからです」

「それが私か」

「そうです。あーもう、今日の隊長は積極的な上によくしゃべりますね」

「ふ・・・・・・」

白哉は、無理をしていたみたいで、とたんに静かになった。

「ああ、もう。抱きますよ?」

「好きにせよ」




「ああ!」

恋次貫かれて、白哉は啼く。

「ひあああ!」

奥をかき回されて、同時に前もいじられて、思考がぐちゃぐちゃになる。

「あ、いく」

白哉は、恋次の手の平に精液をはきだす。

それを、恋次は舐めとる。

「ひあう、奥はだめぇ」

白哉の奥を抉りながら貫くと、白哉は精液を出さすにオーガズムでいっていた。

「隊長、色子の素質でもあるんじゃないっすか」

「あ、意地悪なことを、言う、な」

「すんません」

快感で涙を流す白哉の涙を唇で吸い取って、前をしつようにいじりながら、最奥を穿つ。

「ひああああああ!!!!」

びくんと、白哉は背を弓なりにしならせて、いっていた。

「うなじ、噛みますよ?番になりますからね」

「あ、早く」

まだ意識のあるうちに、番になりたかった。

恋次が白哉と交わりながらうなじを噛むと、互いに電気が走るような衝撃がくる。

「これでもう、隊長は俺のものだ」

「ひあああ、恋次と、番に・・・・・もうだめだ、後始末は任せる」

白夜の意識はそこで途絶えた。

「え。俺、まだいき足りないんすけど。まだ2回しかしてないっすよ?」

ぺちぺちと白哉の頬を叩いても、反応はない。

「仕方ないっすね。初めてだし」

恋次は、白哉の顔を見ながら自虐して、2回ほど精液を出すとティシュでぬぐってゴミ箱に捨てた。それから、濡れたタオルをもってきて、白哉を清めて、中に出したものもかきだす。

「ああ、アフターピル忘れるところだった」

白哉はヒート期間中なので、子ができやすい体質になっている。

白湯を口に含み、アフターピルを口移しで飲ませると、恋次はあどけない顔で眠る白哉のさらさらの絹のような髪を撫でる。

「あんたと番になれるなんて、ほんとに夢みたいだ」

手のひらから伝わる体温が、これが夢ではないと教えてくれる。

こうして、白哉と恋次は番になった。白哉はオメガであることを公表し、番の恋次を朽木家に婿入り養子とさせた。

恋次は、はじめ貴族の作法とかにうんざりしていたが、隣に白哉がいるので弱音は吐かなかった。


「愛してます、隊長」

「私も愛している、恋次」

番になり、後継者問題などがあるが、今のところ二人は仲睦まじく、普通のオメガとアルファとして生きていくのであった。





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