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小説掲載プログ
10 2024/11 14 2324 28 29 30 12

子猫とルキア

結婚して、5か月が経った。

子猫だった琥珀は立派な大人の猫になっていた。雌猫だった。猫好きな雛森の勧めで、同じオッドアイの白猫と一緒に過ごさせて、子猫を産んだ。

「うわぁ、かわいいなぁ」

にゃあにゃあと、おっぱいを求めて鳴く5匹の子猫を抱き締めて、ルキアは幸せそうだった。

一護は、最近ルキアが子猫に夢中になっているため、放置され気味だった。

「ルキア、夫の俺にもスキンシップくれよ」

「何を言うのだ。貴様は時間が経っても変わらぬ、この子猫たちは、時間が経つと成長してしまい、大人になってしまうのだぞ。今が一番かわいい盛りなのだ」

「ルキアのばか!」

「ほら、一護も抱いてみろ。かわいいであろう?」

「確かにかわいいけど、かわいいって言ってるお前のほうがかわいい」

その言葉に、ルキアが朱くなる。

「恥ずかしいやつだな、貴様は!」

「にゃあ」

一護が、猫の鳴きまねをしてルキアに抱き着いた。

「ええい、鬱陶しい・・・・・」

「なールキア。子供なら俺たちも作ろうぜ」

「そればかりは、天に運を任せるしかあるまい」

まだ新婚といっていい時期ではある。セックスは週に2回くらいはしていた。

「ルキアが食べたい」

「こら、一護」

ルキアを腕の中に抱いて、一護はルキアにキスをする。

「盛るのはいいが、ここが食堂であることを心得よ、駄犬」

「きゃいん!ってでもいえばいいのか、白哉義兄様!」

ばちばちと、二人の目線が火花を散らす。

「ルキア、今日の昼餉はルキアの弁当を食したい」

「はい、兄様、喜んで作ります!」

それ見たかと、白哉は得意げになった。

「ルキア、今日夜は二人で焼肉食い放題の店にいこうぜ」

「何、焼肉食い放題だと!けしからん、必ず行くぞ、一護!」

ふふんと、今度は一護が得意げになった。

そもそも、ルキアと籍を勝手にいれ、黒崎一護を朽木一護にしたのは白哉なのだ。

それなのに、ルキアの取り合いをしたり、嫌がらせをしたり。

白哉の性格は、何気にねじ曲がっている。おまけの極度のシスコンだ。

それに加えて、義妹であるルキアの白哉大好きのブラコンなのだ。

この兄妹、本当になぜ一護と結婚したのだろうかと思うほどに仲がよい。

「では、今から兄様のお弁当を作ってきます。一護は、兄様と先に朝餉をとっていてくれ」

「うわ、最悪だ」

「こちらの台詞だ」

朝食のメニューがやってくる。白哉のは普通であったが、一護のはわかめ大使だった。

「ふ・・・甘いぜ」

わかめ大使をもきゅもきゅと、一護は食べた。

しかし、顔色が赤くなって蒼くなって、また赤くなった。

「からいいいいい!」

唐辛子とマスタードが、これでもかというほど入っていた。

水をごくごく飲む。

水のおかわりを頼むと、沸騰したお湯をもってこられた。

「水!」

仕方なしに、井戸までいって水を飲んだ。

「くー白哉めえええ!覚えてろーーー!」

その日の朝は、白哉の勝ちだった。



9時前になり、一護もルキアも13番隊隊舎に出勤する。

「今日は、通常の仕事の他に、流魂街での虚退治がある」

「お、待ってました。最近体あんま動かしてないから、いい運動になるぜ」

一護は、ルキアの他に誰もいないことを確認すると、ルキアを抱き締めた。

「ふあっ!?」

突然のことで、ルキアが目を丸くする。

「好きだぜ、ルキア」

「それくらい、知っておる」

舌が絡まるキスをして、二人は離れた。

それから12時まで執務仕事をして、12時になって、朽木家から昼のメニューがやってくる。

豪華ではあるしメニューの数は多いが、1品自体の量は少なく、食べ残しをあまりしないように配慮されていた。

足りない時は、言えば追加メニューが出てくる。

今日の一護のメニューは普通だった。普通すぎて、つまらなかった。美味しかったけど。



一方の白哉は。

愛しい義妹の手作り弁当を食べようとしていた。

さらさらと、弁当箱が粉っぽいことに気づき、まさかと思って中身をあけると、弁当の上にいっぱい砂糖がかけてあった。

「く、あやつ・・・・・・」

白哉は甘い物が嫌いだ。

仕方なしに清家を読んで、早急に昼餉の準備をしてもってくるように命じた。

「せっかくのルキアの手作り弁当だというのに・・・・・」

砂糖のかかっていない一部分だけしか、食せなかった。

昼は、一護の勝ちだった。



一方、一護とルキアは。

それから流魂街に、席官を数名伴って、虚退治に出かけた。最近24地区で暴れまわっている虚の大群だった。

姿を現した虚たちを、ルキアと一護はなんの遠慮もなく切っていく。

虚の数は多く、こちらは席官をいれて5名だったが、尸魂界を二度も救った英雄がついているのだ。

遅れをとることなど、万に一つもない。

「うらぁ!・・・ああ、たまには卍解するような強敵はいねぇもんかなぁ」

「たわけ!貴様が卍解をするような相手がいたら、尸魂界にとっても脅威だ!」

「それもそうだな」

斬魄刀をしまい、帰路につく。

今日は戦闘があったので、執務仕事をは早めに打ち切られて、4時には仕事は終わりとされて、
あがることができた。

「少し早いけど、焼肉食い放題の店に行こうぜ」

「うむ。食べ放題なのであろう。今から楽しみだ」

少し早かった。店は5時からあくのだ。

仕方なしに、ベンチに座って、膝にルキアを乗せた。

「これは、なんの意味があるのだ?」

「ん?意味なんかねーよ。ただ、お前といちゃつきたいだけ」

「たわけが・・・・・」

そう言いながらも、ルキアは長くなった黒髪をいじってくる手を止めなかった。

そうだと、一護は懐から何かの箱をとりだした。

「これは?」

「やるよ。この前店で見つけて、いいなと思って買ったんだ」

先端にアメジストをあしらった、ヘアピンだった。

「かわいいではないか。貴様にしては、私のつぼをよく分かっているな」

「お前のつぼはたまにチャッピーとかわけわからないのあるけど、概ね10代の少女のまんまだろ」

「10代のままか・・・・そういう一護も、18のまま時が止まってしまったな。死んだこと、本当に後悔しておらぬのか?」

「ああ?別に後悔してねーよ。確かに親父や妹たちや友人を置いてきたのは悪いと思ってるけど、こっちにこれてお前と結婚できて、俺は死んで良かったとさえ思っている」

未練も悔いもないと言われて、ルキアもすっきりした顔をしていた。

「私はな・・・・いつか、貴様が他界したら、魂をもらいにいこうと思っていたのだ。技術開発局で開発した、魂魄の若返りの装置を使い、貴様を若返らせて、死神にさせようと思っていた。それが、若くして、事故ではあるがこちら側にきて、喜んではいけないのだが喜んでしまったのだ。また、共に在れると。そして貴様は本物の死神となった。いつか、貴様にこの狂おしい想いを告げようとして・・・・兄様が、籍をいれてしまったのだがな」

ルキアは苦笑する。

「まぁ、籍のことは白哉に感謝かな。お前、恋次とできそうになってただろ」

「な、何故それを知っておるのだ!」

「恋次のやつ、お前にベタ惚れだったからな。横からかっさらうようで悪かったが、こればかりは俺も譲れねぇ。ルキア、お前は俺のものだ」

「一護・・・・・・」

唇が重なる。

「お待たせいたしました、只今より開店でーす」

二人は、ぱっと離れた。

そして、焼肉食い放題を思う存分頼んで、酒も飲んで二人は朽木邸に帰宅した。

食堂で、白哉が長椅子に横になって寝ていた。子猫と遊んでいたらしく、周囲には猫の玩具が散乱していて、子猫が3匹、白哉と一緒に眠っていた。

「お疲れなのだろう。そっとしておこう」

「ああ」

眠いっている白哉の表情は穏やかで、同じ男とは思えない端正な作りをしていた。

「今日の夜は、勝負はなしだ、白哉義兄様」

ルキアは、寝室からもってきた毛布をそっと白哉にかけて、にゃあにゃあと鳴き出した子猫3匹を連れて、食堂を後にした。

琥珀は、ルキアと一護の寝室にいた。

にゃあにゃあと、残りの2匹の子猫にお乳をあげていた。・

「琥珀、この子らをわすれているぞ」

3匹の子猫を与えると、琥珀はぺろぺろと3匹の毛並みを舐めた。

「よし、ルキア、俺たちも子作りするぞ!」

「おい、一護、こんな時間から!」

「夕飯もくったし、後は湯あみするだけだろ」

「で、では湯浴みをしてからだ」

「分かった。でも、湯浴みが終わったら、抱くぞ」

ルキアは真っ赤になった。

たまに、一護は男らしいところがある。でも、優しいのだ。

ルキアが拒否すると、まずしないだろう。

「一度、だけだぞ」

「うっし。好きだぜ、ルキア」

触れるだけのキスを何度もしてくる。

一護は、甘く優しい。

甘くて甘くて、まるで砂糖菓子のようだった。

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山じいの紹介ではじまる未来。

上流貴族の次男坊として生まれた。

誰もが羨まむ境遇だと、他人は思うのだろう。この窮屈で、貴族であるということに執着しまくっている京楽家で、霊力が並外れてあるせいで、子供のうちから異端のように扱われた。

そして死神統学院に半ば無理やり入らされた。

両親に、死神になれと。

けれど、それは京楽にとってあの窮屈な家から抜けだすことのできる口実となった。

始めの頃は真面目に授業に出ていたが、そのうちに飽きて授業中に廓に遊びにいくようになっていた。

「惜しいのお」

恩人である山じいが、そんなことをいうけれど、女遊びもただ暇を持て余しているからだけで、本当はどうでもよかったのだ。

「お主に、紹介しておきたい人物がおる」

誰だと思って振り向くと、白い髪に白い肌の、翡翠の瞳をした同い年くらいの子だった。

「浮竹十四郎という。よろしく」

「・・・・・・京楽春水だよ。よろしくね」

綺麗な子だった。同じ性別なのかと思うくらいに。

寮の部屋が、京楽家の名で二人部屋を一人で使っていたのに、急遽寮に入ることになった浮竹と同室になった。

なんでも、下宿していた先の親戚が、急に死んでしまい、寮に入ることになったそうだ。

浮竹は誰にでも優しく気さくで、まるで陽だまりのような子だった。

一度、悪戯で女物の院生服まみれにしてやると、全く気にしたそぶりも見せずそれを着て授業を受けたことがあった。

たくさんの男に囲まれて、悪戯した京楽が浮竹を庇う羽目になった。

かわいいということが、学院中に知れ渡ることになって、次の日普通に男ものの院生の服を着ているのに、ナンパされたり告白されたりしていた。

「冗談がすぎた、ごめんね浮竹」

「この程度、悪戯だろうと思ったしどうってことない」

「ごめん」

京楽は、深く反省した。

「どうじゃ、春水。十四郎は」

たまに顔を見せる山じいに、そんなことを聞かれた。

「いい子だね。惹かれた」

「そうじゃろうそうじゃろう。十四郎のような死神になれ」

「それは無理な相談だなぁ」

「じゃが、廓での女遊びもなくなった。十四郎をよき友人として紹介して正解じゃったわ」

よき友人か。

親友の位置にはいるのだと思う。多分。

浮竹の友人の輪の中心に常にいたし、一緒に行動して、座学に励み、剣の稽古をして、鬼道を習った。

浮竹は、肺を患っていた。たまに発作を出して、血を吐いた。おまけに病弱で、すぐ熱を出した。

京楽は、気づけば浮竹を看病するようになっていた。

昨日、浮竹は授業中に血を吐いた。すぐに医務室に運ばれて処置がされ、大事に至らずにすんだが、念のため3日は安静にするようにと言い渡されて、面白くもなく天井を睨んでいた。

京楽が学院から京楽が帰ってくると、浮竹はぱっと顔を輝かせた。

「今日の学院はどうだった?」

「今日はね・・・・」

そんな日が、3日続いた。

3日目には安静にしているのにも飽きて、貸本屋からかりてきた小説なんかを読んでいた。

「何、読んでるの?」

「うわあ、吃驚した」

タイトルを見る。星の砂。そう書かれていた。

ああ、最近瀞霊廷で人気の恋愛ものの小説なのだと分かって、興味なさげに京楽はベッドに横になった。

「京楽は、もてるからこんな小説面白くないんだろうが、恋もしたことのない俺にはけっこう面白い」

「それより、こっちを見なよ」

たまに読む小説を投げてよこす。

中身を読んでいって、浮竹は真っ赤になった。

「官能小説じゃないか!」

小説版のエロ本だ。

「それ読んで、勉強したら。君もけっこうもてるでしょ。男からももてちゃってるけど、ちゃんと女の子からも告白されてるでしょ?」

「今は、誰とも付き合う気はないんだ。それにこんな体だ・・・付き合う相手に悪い。それに、
誰かを好きになったことがない」

「じゃあさ、僕を好きになりなよ」

冗談のつもりだった。

「お前を?」

「そう、僕を」

「分かった」

頬を染めて、浮竹はベッドに横になって毛布を被った。

あれ?

僕、何か変なこと言ったかな?

ただの冗談なのに。

「その・・・時間を、くれないか。流石にこういうのは初めてで・・・・その、いやなんでもない、すまない」

冗談のつもりが。

あれ?

確かに、京楽も浮竹に惹かれていた。

キスしてみたいとも思った。あわよくば、それ以上もしてみたいと考えたこともある。けれど、同じ性別である、というところで、踏みとどまっていた。

初めて見た時に、一目惚れをしたのだ。

その日を境に、何かがおかしくなっていった。

浮竹が京楽を見る目がきらきらしていた。二人きりになると、恥ずかしそうにする浮竹を見ていて、何故かかわいいと思った。

女物の院生服を着せた時、本当に美人だった。背はやや高かったが、女といっても通用する容姿をしていた。

「京楽」

京楽の行く場所について歩く浮竹を、鬱陶しいと思ったことはない。かわいいと思った。

それより、離れた時のほうが心配になった。

「あ、京楽・・・・」

その日、まだ1回生なのに、6回生の先輩に呼び出されて、恐怖に震えて泣いている浮竹をみた。院生の服が破れていて、肌も露わになっていた。見るからに強引に関係を迫っていたのがわかった。頭に血が昇り、沸騰した。

京楽も浮竹もまだ1回生だ。鬼道もやっと習い始めたばかり。かたや6回生のその男は屈強で、卒業したら死神になることが決まっていた。

なるようになれと、喧嘩をしかけた。

たくさん傷を負ったけど、浮竹を庇いながらなんとか勝った。

「京楽、俺のせいでこんなに怪我を・・・すまない」

涙をぽろぽろと流して、地面に座り込んだ京楽の体を抱き締めた。

教師が呼ばれ、その6回生は退学処分になった。山じいのお気に入りに手をかけたのだ。当たり前であろう。毛布にくるまれて、浮竹はそれでも京楽の心配をしていた。

京楽は、全治2週間の傷を負った。京楽家の者に手をあげただけでも退学処分ものなのに、よりにもよって、山じいのお気に入りの浮竹を強姦しようとしたのだ。

京楽に力があったら、半殺にしていただろう。

寮の部屋に戻ると、カタカタと浮竹が震えていた。

「あ、京楽、大丈夫か、傷は・・・・」

「僕の傷より、君の心の傷のほうが問題だよ」

「お、俺は大丈夫・・・・・・」

そんな浮竹を抱き締めた。カタカタと音を立てて震えていた浮竹の震えがなくなった。

「京楽・・・・俺、京楽になら・・・」

京楽は、その言葉の最後までを言わせず、キスをした。

「君の心が傷ついてしまう。ゆっくりでいいよ」

ほっとした表情を、浮竹は浮かべた。

それから、瞬く間に時間は過ぎ去っていく。

3回生になっていた。

いつも一緒に、常に傍にいた。

「うむうむ、十四郎もあのことはもう忘れたようだし、よく成長しておる」

「山じいの目は節穴かい。強姦未遂の件は、今でも浮竹の心に深く傷を負って血を流させているよ」

「そんなことなかろう。もう2年前の話じゃ。それより春水。お主、十四郎をどうするつもりなのじゃ!」

「どうするって?僕のものにするだけだよ」

「こりゃ、春水!」

山じいを置いて、逃げ出した。

「京楽、元柳斎先生は、何か言っていたか?」

「いや、特には何も」

浮竹を抱き締めて、口づけると、浮竹は朱くなりながらこう言った。

「京楽は、その、俺のことを抱きたいと思うのか?」

「思ってるよ。いつでも、脳内で君を犯してる」

「なっ」

更に真っ赤になった浮竹がかわいくて、抱き上げた。

「僕のものになる決心はついた?」

こくりと、小さく浮竹は頷いた。

あの強姦未遂の事件から、時間をかけてきて成功だった。性急に関係を求めていたら、フラシュバックで拒絶されただろう。

都合のよいことに、寮はまた同じ二人部屋だった。

京楽が浮竹の病の看病を引き受ける形で、上とやり取りをして同じ部屋にさせた。

浮竹に邪な思いを抱いている者が数人、同じ部屋になりたがっていたが、京楽のせいで却下されていた。京楽以上の身分の者・・・一人だけいた。浮竹が、たまに声をかける人物。

4大貴族の1つの家の、傍系の子だった。死神など興味がないようで、いつもふらふらしていた。

何はともあれ、とさりと浮竹をベッドに寝かせる。

浮竹ががちがちになっていた。ぎゅっと目をつぶっている。

優しくキスをすると、体が柔らかくなっていき、翡翠の瞳で見つめてきた。

「京楽・・・1回生の頃、言われた通りに、お前を好きになった」

「1回生・・・・そんなこと、僕言ったっけ」

「言った。まぁいい、責任はとれよ?」

キスを何度も繰り返し、通販でかった潤滑油を用意する。

すでに、いつかこうなると覚悟していたのか、その手の知識を京楽も浮竹も身に着けていた。

「あ、胸は・・・・」

胸をなでられると、浮竹は苦しそうな顔をした。

「あの男に、散々なでられて・・・・ああでも、京楽の手だと気にならない。暖かい」

ほっとした様子だった。この調子なら、フラッシュバックは起きそうになかった。

互いに院生の服を脱ぎ、抱き締めあった。

「あ・・・・」

脇腹、胸、鎖骨、臍、腹とキスマークを残していく。

膝を膝で割って、縮こまっている浮竹の中心に触れる。

「んあう」

びくんと、浮竹の体が痙攣した。

「大丈夫、気持ちよくするだけだから」

「でも・・・」

浮竹の花茎に手をかけると、先走りの透明な蜜がでてきた。それを潤滑油代わりにぐちゃぐちゃと浮竹のものに手を這わせ、しごいていると、浮竹がまた痙攣した。

「ああああ!」

他人の手でいかされるのは初めてなのか、ぜいぜいと荒い息をついていた。

「大丈夫?」

「ん・・・・大丈夫」

潤滑油を指にかけて、浮竹の内部に入りこむ。

「ああっ!」

こりこりと、前立腺を刺激してやれば、また花茎がとろとろと透明な蜜を零した。

ぐちゃぐちゃと音が経ちだした頃にぬきさって、京楽のものを宛がうと、ゆっくりと侵入した。

「あ、あ、あ・・・・・・・」

中は狭く、異物を排除しようと動いて、痛いくらいだった。

「もうちょっと、力ぬいて?」

「ん・・・・」

なんとか全部をいれきった。大きさに馴染むまでの間、口づけを交わしていた。

浮竹は、京楽とのキスが好きだった。

「ふあっ」

とろけるようなキスを繰り返し、前立腺めがけて突き上げた。

「ああっ」

浮竹は、それだけでいってしまった。

「十四郎、好きだよ・・・・愛してる」

「俺もだ春水・・・好きだ、愛してる」

とろけるようになった浮竹の内部を堪能しながら、前立腺をすりあげていく。

何度も突き上げて、引き抜いて、また挿入を繰り返していると、京楽も余裕がなくなって浮竹の中に欲望を出していた。

「あ・・・・京楽が、中で・・・・・」

「まだ終わりじゃないよ、浮竹」

「あ・・・・・ああ、ひあああ」

今度は激しく突き上げ始めた。

その激しさに、白い髪が宙を舞う。1回生の頃は短かったが、今は肩より少し長くなっていた。

「ああ!きょうら・・・・激し・・・・・」

乱暴に中を侵すと、浮竹は啼いた。

「ひああああ!」

何度か腰を腰に打ち付けて、京楽は二度目の欲望を浮竹の中に放つ。同時に浮竹の花茎に手をかけて、先端の爪を立てると、浮竹もまた白濁した液を出した。

「んあああ!」


体だけなく、恋人同士として過ごすようになった二人を、山じいは困った目で見ていた。

「十四郎を、このようにするために紹介したのではないのだがのう」

「もう、浮竹は僕がいただいたから」

「いつか、互いに妻を娶らせて子を成さようといわしの計画が・・・あの十四郎が、春水なんぞの恋人になるとは・・・・・」

「すみません、元柳斎先生。京楽のことだけは、譲れません」

浮竹が、本当にすまなさそうに山じいを見た。

「これもまた何かの縁(えにし)。春水よ、十四郎を大切にするのじゃぞ」

「勿論、当たり前だろ、山じい」

こうして、二人は学院を卒業し、山本元柳斎重國の秘蔵っ子として、学院卒業初の護廷13隊席官となった。

その数年後には副隊長となり、その50年後には隊長にまで若くして登りつめた。

二人は、いつも一緒だった。

院生時代の関係を築きながら、山じいに時にはそこのことで怒られはしたが(隊首会に遅れたりして)、概ね順風満帆な人生をおくるのであった。







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嫉妬と青空


「白哉じゃないか。どうしたんだ」

恋次を連れて、雨乾堂まできた白哉は、本当に珍しくおはぎなどもって浮竹の見舞いにきていた。

「浮竹は、この間の隊首会もその前も病欠したであろう。病状はどうなのだ?」

「あー、今はよくもなく悪くもなくだな」

「見舞いをもってきた。食べろ」

「おはぎか。俺の好物をわざわざありがとう。辛い物好きなお前には、買うのもきつかったんじゃないのか?」

「恋次に買わせた」

「なるほど」

長い白髪の、白い肌をした浮竹も容姿がかなり整っているが、白哉も負けていなかった。

白皙の美貌は、気品があり、気高い。

二人並べば、大輪の花が咲いたようだと、恋次は思った。

「浮竹隊長、どうかお大事に」

「ああ、ありがとう」

今まで何度か浮竹が会いにきたり、会いに行ったりするのを見てきた。

嫉妬というわけではないが、やはりあまり気分のいいものではなかった。

「隊長、浮竹隊長とは長いんですか」

「子供の頃から、たまに面倒を見てもらった。兄のようなものだ」

父というほどには、まだ年齢は離れていない。

白哉は幼い頃に父を戦死でなくしている。先代の当主銀嶺が、親代わりだった。

「やっぱり、長いこと一緒にいる人が羨ましい。隊長の子供の頃か。かわいかったんだろうなぁ」

少年時代は、冷めやすく熱しやすかった。

よく、夜一にからかわれては、瞬歩で追いかけっこののような真似ごとをしたものだ。

「浮竹に嫉妬などするなよ」

「う」

「あれは、私の兄のような存在だ。そんな存在に嫉妬するだけ、無駄というもの」

「でも、嫉妬しちゃいます」

浮竹は、京楽とできているという噂をよく耳にする。

白哉とできることはないだろうが、それでも自分の知らないところでよく会っている二人の存在を見つけると、嫉妬心が沸いた。

「隊長は、もっと俺だけをみてください」

「戯言を・・・・・」

恋次は、本気だった。

「隊長は、戯言だというけど、俺は本気ですよ」

前を塞がれる。

「邪魔だ、どけ」

「好きです、隊長」

その細い顎をとらえて、口づけるすると、白哉のまゆねが寄った。

「んん・・・・」

舌と舌がからみあい、ぴちゃりと音を立てた。

「ん・・・・やめろ、恋次」

「隊長・・・・・」

「往来だ。やめよ」

凄まじい霊圧を当てられて、流石の恋次も動きが止まった。

「外では、このような真似はするな」

「俺は、別に見られて困るようなことはないっすけどね」

「朽木家に関わる問題になる。やめよ」

「わかりましたよ」

ふてくされる恋次を放りだして、白哉は来た道を戻る。

「執務室でなら、時折なら許す」

その言葉に、まるで尻尾をふる犬のように恋次が喜んだ。

「隊長、大好きです!」

抱き着いてくる恋次から距離をとりながら、白哉は何故こんな、恋次のような副官をすきになっってしまったのだろうかと思いながら、空を見上げるのであった。

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風邪はあげれません

白哉が風邪をひいた。

今年の冬は風邪が流行った。インフルエンザも流行ったが、幸いなことに白哉のはただの風邪であるらしかった。

治りが遅く長引いていた。

「隊長、大丈夫っすか?」

「大丈夫と言いたいところだが、あまり芳しくなはない」

ごほごほと咳き込んで、まるで浮竹のようだなと、ふと白哉は思った。

浮竹はこんな咳の辛い状態をいつも抱えてるのかと思うと、脱帽する思いだった。

布団に横になっていたが、恋次がきたので半身を起こしていた。

「昼、何か食べました?」

「粥を食した。薬も飲んだ。医者にも診てもらった。後は、自然治癒に任せるしかない」

まさか、ただの風邪で4番隊にかかるわけもいかないので、白哉は風邪が長引いてるために、職務を休みながら自宅で療養生活を送っていた。

「りんご剥いたんですけど、食べれますか」

「ああ」

かわいくウサギカットにされたりんごを見て、ふっと、小さな笑みをこぼす。

「はい、あーん」

「何のつもりだ。一人で食べれる」

「まぁまぁ。はいあーん」

そうしないと、いつまでたっても終わらないだろうと感じて・・・恋次はしつこいから。

素直に口を開けると、りんごを放り込まれた。

少しだけ甘い味が口に広がる。

甘いのは嫌いだが、たまにはいいかと思う。

「はい、あーん」

そうやって、1個分のりんごを食べさせられた。

2個目を剥いていくので、白哉が声をかける。

「もう、りんごはいらぬ」

「あ、俺が食べるんす」

「それよりも、うつるかもしれぬ。早々にでていけ」

「いやです。今日は隊長の傍にいたい」

もう、1週間も会っていなかった。

寂しさは募り、こうやって会いにきたのだ。

「ん・・・・」

少し、熱いと感じた。

「隊長、顔赤いですよ。熱あるんじゃないっすか」

「ふむ・・・・・少し、あるようだ」

「寝てください!濡れたタオル、用意しますから」

「それより、薬箱から解熱剤をとってほしい」

薬箱を探して見つけて、解熱剤をとってもってくる。水の入ったコップを渡すと、白哉はそれを飲んだ。

「少し寝れば、熱も下がるであろう」

「じゃあ寝てください」

「貴様は戻れ」

「嫌です。隊長の顔を見ていたい」

「眠った私を見ていても、つまらぬであろう」

「いや、いろいろと想像するから、大丈夫です」

「貴様・・・・下劣なことを考えているのではあるまいな」

「さぁ?」

白哉はため息をついた。

「こちらにこい、恋次」

「はい」

ちゅっ。

頬にキスを受けて、恋次が目を見開く。

「貴様にかまってやれぬ、詫びだ」

「唇にもしてください」

「調子に乗るな。それに、風邪がうつる」

「隊長からもらえるなら、風邪でもいい」

「愚か者」

ぴしゃりと、そう言われた。

熱が上がってきたのか、白哉は咳込みながら、布団に横になった。

額にひんやりとしたものが当てられて、ふと目を開ける。

恋次が氷水で冷やしたタオルを白哉の額に置いたのだ。

「すまぬ・・・・」

「いいんすよ」

解熱剤に入っていた、睡眠成分のせいか、白哉はすーっと深い眠りに落ちていった。



「ん・・・何時だ」

「午後の5時です」

「まだいたのか・・・・仕事はどうした」

「今日は休暇をとりました」

「隊長である私がいないというのに、副隊長の貴様までいないと・・・・」

「何、今まで戦時中もそんな日が多々とあったので、平気っすよ。それより、熱さがりましたよね?」

聞かれると、確かに熱は下がっていた。

「大分、風邪は癒えたようだ。明日から、通常通り仕事に戻る」

「そうですか」

恋次は嬉しそうだった。

「貴様も、風邪などひかぬようにな」

「大丈夫、風邪とかほとんどひいたことないんで」

真冬でも、薄い死覇装一枚の恋次は、とにかく元気だ。

健康すぎて、白哉も少し羨ましくなるくらいだ、個人的に親しい浮竹に、その元気を分けてやりたいと思うのだった。







                      





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緋真の墓参り

朽木緋真の墓参りに、白哉はきていた。

「何故、貴様までついてくる」

「だって、隊長が愛した人でしょう?」

朽木家の者が代々葬られる廟堂に、白哉と恋次の姿があった。

白哉は、本当なら一人で訪れるはずが、途中で恋次と出会ってそのまま恋次がついてきたのだ。

「ルキアに、似てましたか?」

「見た目は実の姉妹だから、そっくりだ。だが、性格が違う。緋真は、陽だまりのような人だった。ルキアは、太陽そのものだ」

「ルキアを、陽だまりにしたような人か・・・・・」

想像できなかった。

ルキアは芯が強く、流魂街にいた頃からどこか気品があって、男言葉を使うせいもあり、どこか少年のような形をもっていた。

「ルキアが、陽だまり・・・・」

「ついたぞ」

「うわ、立派だな」

廟堂は、立派なものだった。

中に入り、緋真の眠っている墓の前にきて、緋真が好きだった梅の花をそえた。

「緋真、ルキアは元気にしている。この通り、私も元気だ」

「緋真さん、隊長は俺がもらっていくけど、悪く思わないでくれよ」

「そのような戯言を・・・・・」

恋次の手をはたく。

「緋真、他の男に体を許しているといえば、お前はどんな顔をしてしまうのだろうな。こんな情けない夫を、許してくれ」

「緋真さん、隊長は責任をもって俺が幸せにするんで、天国から見守っていてください」

「また戯言を・・・・・」

黙祷を捧げて、緋真の好きだった食べ物をそえて、廟堂の外に出た。

「んっ」

恋次に、いきなりかき抱かれ、舌が絡み合う口づけをされて、白哉は眉をしかめた。

「緋真が見ているかもしれないような場所で、このような真似を・・・・」

「見せつけてるんすよ」

「貴様、切られたいのか?」

「俺を切ったら、隊長の体を慰めてくれる人がいなくなりますよ」

「戯言を・・・・」

ぷいっとあっちの方を向いて、白哉が歩いていく。

その後を、恋次が追いかける。

「いつか、絶対緋真さんを忘れさせてみせる!」

「そのようなこと、この世界が滅んでもありえぬ」

白哉の心の奥深くには、今も緋真がいる。

いつか、追い出してみせる。

追い出すのが無理なら、片隅にいかす。

「緋真・・・愛している」

廟堂を遠くからみながら、白哉は陽だまりであった、あの愛しい妻のことを思うのだった。

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愛しているのは

「ん・・・・・」

情事の後、湯浴みをして寝ている白哉の顔を眺めていた。

恋次も同じ寝具で眠っていたのだが、ふと目が覚めたのだ。

白哉の白い肌は、男のものとは思えないくらいすべすべしているのを、知っている。

その夜烏のような漆黒の瞳が、潤み、熱を孕む様を知っている。

桜色の唇が、「恋次」と名を呼び、甘い喘ぎ声をあげるのを知っている。

その男のものにしては端正すぎる顔が、イクときの顔を知っている。

「ん・・・恋次?」

「ああ、目がさめたんすか。まだ朝方の4時です。もっと眠って下さい」

「こっちにこい」

言われるままに、傍によると、白哉が甘えるようにすり寄ってきた。

「貴様も、寝ろ」

「いや、なんか目がさえちゃって・・・・」

白哉が半身を起こして、恋次に口づけた。

「隊長?」

「眠れるように、おまじないだ」

「隊長・・・あんた、ほんとにかわいいっすね」

「かわいいは、余計だ」

つんと拗ねる様が、余計にかわいいのだ。

「そういえば、今日は皆既月食でしたよ。見てないし、もう、流石に見れないでしょうけど」

「それなら、貴様が寝ている間に見た」

「ええっ、起こしてくださいよ!」

「するだけして、爆睡している貴様を起こすほど、寛容ではない」

「するだけって・・・・・あんたも、十分に楽しんだでしょう。そうじゃなきゃ、こんな関係続けてない」

「私は、貴様のことを好いてはおるが、愛してはいない」

「隊長・・・・・」

知っているのだ。

この関係が、永遠に続くわけではないと。

白哉が、恋愛感情で愛しているのは、今は亡き緋真のみ。

それを知っていても、この関係を続けている。

白哉はルキアを愛しているが、それは家族愛だ。 

「いつか、あんたに愛していると、言わせてみせる」

「ふ・・・言わせてみせろ」

もう睦みあったので、抱きしめたりキスをしたりしながら、褥の上で横になっていると、二人ともいつの間にか眠ってしまっていた。

いつか。

あんたの口から、「恋次、愛している」そう言わせてみせる。

そう強く思う恋次だった。

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にゃんにゃんにゃん

「んっ・・・・体がおかしい」

酒を飲み交わしあっていると、じんわりと体があったかくなってから、急にかっと体が熱くなった。

「なんだ・・・・・何か変・・」

一緒に酒を飲んでいた京楽は、浮竹の変化にごくりと唾を飲み込んだ。

「にゃあああ」

猫のように鳴いた浮竹の頭には猫耳が、お尻には猫の尻尾が生えていた。

「何これ・・・やっ、体が熱い・・・京楽・・・」

京楽に助けを求めて抱き着いた。

多分、何かの薬を盛られたのだと分かってはいたが、まるで発情期の猫のように体が疼いて仕方なかった。

「京楽・・・・助けて」

京楽は、浮竹を抱き上げると、用意していた褥に座らせた。

「んっ」

耳をやわやわとさわれると、下半身に熱が集まるのが分かった。

それでも、我慢する。

「あっ」

尻尾をさわられると、それだけでいってしまいそうになった。

京楽は、意地悪だ。

耳と尻尾ばかり触って、肝心なところに触れてくれない。

10分くらい、耳と尻尾ばかりを触られていて、いい加減限界が近づいてきた;

「きょうら・・・・触って・・」

立ち上がってしまった花茎に、京楽の手を誘導する。

京楽は、待ち望んでいたように、袴をずらして隙間から浮竹のたちあがり、先走りの蜜を垂らす花茎をいじった。

「んあっ」

少しいじられてしまっただけで、いきそうになる、

「んあう」

そのまま、ぐちゃぐちゃうと音をたてて扱われて、鈴口に爪をたてられて、浮竹は衣服をきたまま射精してしまった。

「あっ・・・・・服が・・・・ああっ」

隊長羽織を脱がされ、死覇装まで抜かされた。濡れてしまった下着までぬがされた。

ゆらりと、もの欲しそうに猫の尻尾が揺れた。

「にゃあって、いってみて?」

「にゃあ・・・・んんっ」

キスをされて、浮竹は口づけに夢中になった。

ぴくぴくと、猫耳が動いた。

その耳をさわり、耳朶をかみ、耳に舌をいれられた。

「んあっ」

さわさわと、胸を撫でる手が、突起をつまむ。

「あう」

「たまには・・・・・ね?」

死覇装の帯で、手首を戒められた。

「やあっ、こんなのいやっ」

瞳を閉じさせられた。

「んっ」

舌を出して、京楽の舌を追った。

全身を、愛撫してくる手。体が熱かった。

脇腹をなであげられて、猫の尻尾が揺れた。

「もうこんな濡らしちゃって・・・・」

「やっ」

潤滑油ので濡れた指が、先走りの蜜で濡れてしまった蕾に、ぐちゅりと入ってくる。

「ああっ!」

入ってきただけで、射精してしまった。

こりこりと前立腺を刺激される。

「にゃあっ」

啼く声まで、猫が混じる。

「あ、あ、あ、あ・・・・・」

前立腺をくちゅくちゅと音を立てて、指で刺激されていると、また花茎が立ち上がった。いくらなんでも、何度もいきすぎなのに、止まらない。

「んっ」

指が引き抜かれて、熱い灼熱が宛がわれて、尻尾が揺れた。

待ち望んだ衝撃を与えられえて、いってしまった。

吐精した浮竹を、そのまま突き上げる。

「んあーー!」

前立腺をすりあげられて、いってるのに中でもいってしまった。

「ひうっ」

何度も突き上げられて、まただらだらと先走りの蜜を零した。

「やあっ、この体変っ」

何度もいってるのに、まだ精を放つ。

多分、精強剤の成分も入っているのだろうか。

「にゃあっ・・・・んあっ」

京楽の与えてくれる刺激だけでは物足りなくんて、自分からいい場所に当たるように体を動かした。

「好きだよ、浮竹」

「きょうら・・・・おれも、すき。にゃあっ」

ゆっくりと犯された。

時間をかけて、何度も緩く浅く、時に強く深く突き上げられた。

「あ、あ、あ・・・・・・」

しっぽがゆらりと揺れて、耳がぴくぴくと動いた。

「あ、またいく・・・・・やああああ」

前立腺をすりあげられて、5回目になる射精を迎えた。でも、流石に限界で、もう花茎はだらだらと先走りの蜜を零すだけで、吐精はしなくなった。

それなのに、もっと何度でもいきたくなった。

「京楽・・・・・俺の中で、いって。んああああ」

京楽が、一際大きく突き上げると、京楽もやっと1回目の熱を浮竹の中に注いだ。

「にゃあっ・・・・んあっ」

ずちゅずちゅと、突き上げられた。

結合部は泡立ち、お互いの体液でどろどろにになっていた。

「ああん・・・んあ」

前立腺ばかりをすりあげられる。

快感で、涙が零れた。

「ああ、いっちゃう!」

もう、ドライのオーガズムでいくしかなかった。

びくんびくんと体を痙攣させる。

手を戒められているので、京楽に抱き着きたくても抱き着けない。

「京楽・・・・・手の、取って・・・キスして・・・・・・」

京楽は、言われた通り手を戒めていた布をとった。

京楽に抱きついて、その腰を足で挟んだ。

「京楽・・・・・もっと・・もっと犯して」

キスを受けながら、もっとと強請った。

京楽は、望み通り犯してくれた。

ゆっくりだった交わりが、激しくなる。

「あん、んあ!」

何度も前立腺をすりあげて、突き上げてくる。

「あ、あ、あ・・・・・・・」

ゆらりと、猫のしっぽが物欲しそうに揺れる。

「十四郎、かわいい」

「あ、春水・・・・・にゃあああ」

また、ドライのオーガズムで達してしまい、飲み込み切れなかった唾液が顎を伝った。

「んう」

激しく犯されているのに、気持ちいい。それしか考えれなくなる。

「あ、気持ちいい・・・ああ!」

無理やり立ち上がらさせられて、立ったまま欲望を蕾で受け止める。

くちゅくちゅと音をならして、前立腺をつきあげてくる。

「ああっ!」

ぐちゃぐちゃと、犯されて、体は喜んでいた。

太ももを肩まで抱え上げられて、貫かれた。

「あーーーーーーー!」

もう、言葉にできない。

快感で、頭が真っ白になる。体の疼きが、なくなってくる。

2回目の京楽の欲望を注ぎ込まれて、浮竹も満足した。

「にゃあ・・・・」

ゆらりと、尻尾が揺れる。

そして、意識を失った。



「ん・・・・・・」

気づくと、もう、体には媚薬の影響は残っていなかったが、猫耳と尻尾はそのままだった。

「京楽の、バカ」

「きもちよかった?」

「にゃあ・・・・・」

「猫になる媚薬。高かったんだよ。屋敷一軒分ぼったくられた。でも、僕も満足したよ」

「にゃあ・・・・・おい、この・・・・にゃあああ。・・・・鳴き声をと猫耳と尻尾はどうにかならないのか」

「かわいいから、しばらくそのままでいてよ」

「他人事だと思って・・・・」

結局、1週間は猫耳と猫の尻尾をつけたままだった。

なので、雨乾堂から出れなくて、人前にも出れなくて、臥せっていると嘘をついた。

「にゃああ」

京楽が、猫耳をさわって、尻尾をにぎにぎしてくる。

触れるのは、京楽だけ。

京楽と浮竹は、猫耳と猫の尻尾があるうちに、もう一度体を重ねたが、その時はそんなに乱れず、快感はあるがそれで頭がいっぱいになることはなかった。

猫耳と尻尾が消えて、やっと元に浮竹に戻ると、京楽は少しだけ残念そうにしていた。

そして、猫になる媚薬を盛られたのだと知って、1週間京楽と口を聞いてやらなかった。

半月の禁欲を言い渡すと、京楽はそんなぁと、とても残念そうにしていて、ざまぁみろと思う浮竹だった。




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こちらの空気にはお帰りを願います。

「隊長、起きてください」

「んーあと1時間」

「もう9時ですよ!死神の仕事業務始まってます!ちゃんと時間を守ってください」

「ふあーーー」

大きな欠伸をして、浮竹は起きた。

顔を洗い、遅めの朝餉をとると、10時になっていた。

「仕事でもするか・・・・・」

「今日の昼は杏仁豆腐らしいですよ。仕事がんばってくれたら、俺の分もあげます」

「さぁ、きりきり仕事するぞ!」

浮竹はその気になって、ばりばりと仕事を始めた。

ここ最近、臥せっていたので仕事が溜まっていたのだ。それを、すごいスピードで処理していく。

仕事をさぼる京楽の、その気になった仕事処理能力ほどではないが、それに勝るとも劣らぬスピードで、仕事を片していった。

昼の12時なったが、お腹がすいていなかったので、1時まで仕事を続けて、1時になって昼餉を食した。

海燕の分の杏仁豆腐をもらい、至福顔の浮竹に、海燕もなんだが心がぽかぽかした。

午後の3時まで仕事を続け、一休憩を入れる。

おはぎを食べて、お茶をのんで、糖分を吸収してまた仕事を処理し始めた。

「・・・・・・・・・」

視線が、浮竹に突き刺さる。

浮竹は、それをないものとして扱った。

「僕さ、10時からずっとこの雨乾堂にいるんだよね。ここまで無視されると、怒りを通りこして、悲しみも通りこして、何かを悟りそう」

「空気がしゃべった。おい、海燕、あの空気に餌をやれ」

ぐーぐーと、お腹をならす京楽に、海燕は昼餉をあげた。

それを食し終わって、京楽はずーっと浮竹を見ていた。

浮竹はその視線を無視して、仕事を続ける。

「ねぇ、浮竹。君、そんなに涅隊長の媚薬盛ったこと、怒ってるの?」

「空気がしゃべった。おい、海燕、あの空気にお茶とおはぎをやれ」

「はいはい・・・・・空気京楽隊長・・・うぷぷぷぷ」

「副官にまで馬鹿にされる僕って一体・・・・・・」

がっくりとしながらも、浮竹が空気としてでも扱いだしてくれて、ほんのりと嬉しさを感じ出す。本気で怒ると、1週間は口を聞いてくれないのだ。

「空気がね、こう言ってるよ。君も十分楽しんでいたようだから、そこまで怒らなくていいじゃないって」

「うるさい空気だな。海燕、窓をあけて寒気してくれ。空気がうるさい」

「うぷぷぷぷ。京楽隊長、媚薬なんて浮竹隊長に盛るから・・・・」

「でもね、院生時代から何十回と盛ってきたんだよ?今更じゃない」

「ああ、この空気が!」

べしっと、座布団を投げられた。

6時になって、死神の業務が終わると、京楽が土下座した。

「ごめんなさい。しばらくの間、もう媚薬は盛りません」

「本当だな?信じるぞ。約束破ったら、また空気だからな!」

媚薬を盛った後の怒りが空気くらいなら、まだまだ大丈夫。そう京楽は思った。

はじめて媚薬を盛ったのは、院生時代。怒りまくられて、そして浮竹は熱を出した。それからはしばらく媚薬はつかわなかったが、学院を卒業して死神の席官になった頃、あまりに淡泊な性関係にまた媚薬を使った。

隊長になってからは、時々。そして、涅マユリという媚薬の種類まで選べる供給源をもって、年に2回ほど、媚薬を盛った。

浮竹は、年に2回ほど、こうして怒りだす。

ちなみに前回は、ちょうど半年前で、1週間口を聞いてもらえず、半月の禁欲生活を強いられた。

それに比べたら、今回は軽い。

何せ、盛った媚薬が普通のものだったからだ。

半年前に盛った媚薬は、猫の耳と尻尾がはえて、盛りの季節を迎えた状態になるものだった。

思いっきり楽しんだけど、反動はでかかった。

「京楽、俺はな、別にお前との関係をやめるつもりはない。愛しているし、愛されていると思う。なのに、なんで媚薬なんて盛えるんだ」

「いや、君、媚薬盛るとすごいから。思い出すだけで鼻血でそう」

「海燕、この空気にお帰りになってもらうように言ってくれ」

「はい。すみません、空気さん、隊長がこういっているので、帰ってもらえますか」

「浮竹、愛してるよ!」

「んあう」

いきなり、舌が絡むキスをされて、きわどい部分を触ってきた。

「やっ・・・・・」

「浮竹、僕だけのものだ。空気はね、いつでも君を欲しがっているから」

「やあっ」

隊長の声は腰にくるものがあるので、海燕は耐えた。

「んっ、空気・・・・分かったから、やめろ、空気・・・・京楽」

潤んだ瞳で京楽を見つめる浮竹は、京楽の手練手管で落とされてしまった。

「はぁっ・・・・」

何度も抱き締められて、舌が絡みあうキスをされた。浮竹は、京楽とのキスが好きだった。

とろんとした瞳で、京楽を見つめる。

「京楽のバカ・・・・・」

ぽふりと、その体に体重を預けて、浮竹は京楽を許した。

「僕はバカだよ。君のことになると、一途なバカになるんだ」

幸いなことに、行為に及ぶわけではなさそうなので、海燕も安心した。

この二人は、海燕がいても、それこそ海燕を空気のように思って盛りだすから、始末が悪い。

「じゃあ、空気改め京楽隊長、今日はお泊りじゃないので、帰ってくださいね」

「海燕君まで、辛口だなぁ」

「そりゃ、敬愛する上司に媚薬なんて盛るやつを、普通には扱えません」

「浮竹、今日は僕ももう帰るから。また明日ね」

「ああ・・・・」

去り際に、ちゅっと音がなるキスを頬にして、京楽は去って行った。

「はぁ・・・・・」

海燕が、溜息を零す。

「隊長、怒ってもやっぱ、最終的には許すんですね。俺なら、絶対別れてるけど」

「京楽は・・・悪い奴じゃあないんだ。まぁ、悪乗りをする時もあるが、優しいし、包容力はあるし、見た目はいいし、俺に甘いし・・・」

「何気にすごいのろけられてる」

「はぁ。疲れたから、ちょっと早いけど湯浴みしてくる」

「じゃあ、夕餉の用意しときますね」

海燕は、浮竹の副官であることを―——嫌になったりはしないが、やはり京楽のことは上官である浮竹のように素直に、尊敬とか、そういう気持ちを抱けそうにはなかった。





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皆既月食

「浮竹!」

「んー?」

火鉢にあたりながら、うとうとしていた浮竹は、京楽に名前を呼ばれて、目をこすった。

「今日、皆既月食なんだって!」

「そうか」

興味なさげな浮竹に、京楽が言う。

「なんでも、300年に一度の皆既月食らしいよ。珍しいから、見ようよ」

「寒いからいい」

「またまた。たまには、こういうものも見ておくべきだよ。確かに死神の寿命なら3回くらいは見れるかもしれないけど・・・・・」

「眠いし、どうでもいい」

本当に、どうでもよさそうだった。

「一緒に見てくれたら、壬生の甘味物をいやというほどおごってあげる」

「一緒に見よう」

切り替わりの早い浮竹に苦笑を零す京楽。

「君は、ほんとに甘味物が好きだね」

「悪いか」

「いや、かわいいと思ってね」

長い白い髪は、昨日悪戯に三つ編みにしていたので、波打っていた。綺麗にウェーブのかかった長い白髪は珍しくて、手に取って口づけると、浮竹はまたうとうとし始めていた。

「寝不足なの?」

「昨日、咳込んであまり眠れなかったんだ」

「そうなの。なら、無理はしないほうがいいね」

「甘味物食い放題なんだろう。皆既月食を、一緒に見るぞ」

「起こしてあげるから、2時間くらい仮眠したら?夜になるけど、その時に見よう」

今は、6時だった。

まだ、皆既月食が見れる時刻は10時頃。

2時間ほど、浮竹は眠った。

その寝顔をずっと見ていた。

整った容姿は、白い色にまみれていて、とても儚く見えた。

「ん・・・・腹減った」

8時半頃に起き出した浮竹は、京楽と一緒に少し遅めの夕餉をとる。

清音が、食べ終わった夕餉の膳を下げていった。

「先に湯浴みするか」

「そうだね」

いつものように、一緒に湯浴みをして、そして10時になった。

「そろそろ、時間だよ」

外に出て月を見上げると、紅い月が月食を起こしていた。

「何故、紅いんだ?」

「なんでも、違う星の位置のせいだそうだよ。詳しいことは知らないけど」

「綺麗だけど・・・なんだか、怖い」

「そう?幻想的じゃない」

「紅い月なんて・・・・気味が悪い」

雨乾堂の廊下に佇んでいたが、皆既月食を見ながら酒を飲み交わし始めた。

「寒くない?」

「寒い」

「大丈夫?」

「甘味物のためなら・・・・・」

1時間ほど酒を飲みあって、皆既月食にも飽きて、雨乾堂に戻る。

浮竹は、火鉢に当たりながら、またうとうととしだしていた。

「もう寝なさい」

「ん・・・・布団が冷たい。一緒に寝ろ」

「仕方ないなぁ」

布団をしいて、浮竹は京楽に抱き着いた。

「あったかい・・・・」

「君、体冷たいね。大丈夫?熱出したり、しないでね」

「京楽ほっかいろがあるから、大丈夫だ」

浮竹は、親鳥に甘える雛のようだった。

「ん・・・・あったかい」

京楽にすり寄る。

京楽は、その気はなかったが、浮竹を抱きたくなっていた。

「なんか・・・・かたいものがあたっているが、言っておくが、今日はしないからな」

「けち」

「一緒に皆既月食を見て酒をのんだ。それで今日は終わりだ」

浮竹は、それだけを言うと、眠ってしまった。

眠ってしまった浮竹に抱いた劣情を、浴室で始末すると、京楽は浮竹を起こさないように同じ布団でまた眠るのだった。





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浮竹死んだけど幽霊です憑いてます8 メリークリスマス!

12月。
クリスマスの季節になった。
「浮竹、実体化してこのサンタ服着て」
「えー」
「いいじゃない。さぁさぁ」
「仕方ないなぁ」
5分ほど実体化した。
隊長羽織と死覇装を脱いで、ふわふわのサンタ服を着る。帽子もかぶる。
そのままスーッと透けて、浮竹はサンタ幽霊になった。
「やっぱり思った通り、かわいいね」
ふわふわのサンタ服だった。
ふりふりでふわふわの上の服に、ズボンがついていた。
京楽のことだから、ズボンをはかずにふりふりふわふわの上の服だけ着ろとか、言われそうだと思っていたので、ズボンがついていたので着てみた。
鏡を見る。
真っ赤なふわふわのサンタ服に、長い白髪が映える。けっこう似合っていた。
「うん、かわいいかわいい。さぁ、隊長副隊長たちに挨拶とプレゼントを配るよ!」
「ええっ、この姿でか?」
「だから、この格好になってもらったんだよ。僕にはサンタ服は似合わないからね」
「ずるいぞ京楽、俺だけなんて」
「ふりふりふわふわの、サンタ服が僕に似合うと思う?」
「うっ」
想像してみると、ちょっと嫌かもしれない。
こうして、サンタ服を着せられた浮竹は、京楽と一緒に、クリスマスプレゼントであるクリスマスケーキとクッキーを配っていく。
「浮竹、その姿は?」
白哉が、ふわふわのサンタ服の浮竹を見て問う。
「京楽に似合うから着ろといわれた」
「そうか。似合っているぞ」
「ありがとう。白哉が甘いものが嫌いだろうから、クリスマスケーキを、辛い味付けにしたチキンにしておいた。クッキーのほうは、阿散井副隊長にでもあげてくれ」
恋次は、仕事で隊をあけていたので、クリスマスケーキとクッキーを置いておいた。
「わざわざ、辛いものにしてくれたのか・・・すまぬ、浮竹」
「白哉の好みは大体分かってるからな!」
京楽は、二人の醸し出す空気にじとーっとしていた。
「なんだ、京楽総隊長」
「いくらかわいくても、うちの子はあげませんからね!」
幽霊浮竹を隠して、京楽はがるるると、唸り声をあげた。
「誰も、兄から浮竹をとったりはせぬ。そもそも、兄にとり憑いているのであろう」
「それはそうだけど。見た通り、浮竹はいつでもかわいいからね」
「かっこいいんだ、俺は!」
そう言い出した浮竹の、今の姿とのギャップに、余計にかわいいと思う京楽と白哉だった。
「次は、日番谷副隊長のところにでも行くか」
10番隊の執務室にくると、日番谷はサンタ服の浮竹に驚いた。
「浮竹、これまた随分とかわいい恰好してるじゃねぇか」
「はぁ。日番谷隊長もきっと似合うぞ。お揃いの恰好なんてどうだ?」
「遠慮しておく」
「(*´Д`)ハァハァ。浮竹隊長、かわいい。クリスマスサンタ服・・・・」
「松本お!お前は仕事をしろ!」
「(*´Д`)ハァハァ。クリスマスサンタ浮竹、京楽総隊長に食べられる。きたー、執筆の神が降臨したーーー!」
「松本お!」
「プレゼントのクリスマスケーキとクッキーは、ここに置いておくな」
京楽が、浮竹の代わりにプレゼントを置いていった。
「相変わらず、乱菊ちゃんは腐っているようで」
「ああ、京楽。そうなんだ。お前に浮竹がとり憑いたって知った日から、京浮王道復活とかいって、執筆活動してやがる」
「まぁ、ほどほどに」
浮竹は、苦笑した。
ふわふわのサンタ服が揺れる。
幽霊だから、半分透けているが、浮竹のふりふりふわふわのサンタ服は、浮竹だから似合うのではないだろうかと、日番谷は思った。
11番隊にいくと、プレゼントはどうでもいいから、稽古つけて行きやがれと言われたので、プレゼントを置いて逃げ出した。
4番隊にいくと、虎鉄隊長が、さっそくクリスマスケーキを食べだした。
「ありがとうございます、京楽総隊長、浮竹隊長」
清音も、同じくもらってその場で美味しそうに食べだした。
そして、一番厄介な12番隊にいく。
「なんだねその頭の中身まで咲いたような恰好は。クリスマスプレゼント?そんなものより、さぁ、浮竹隊長、実験体に・・・・・」
クリスマスプレゼントを涅マユリに無理やりもたせて、11番隊よりも脱兎の如く逃げ出した。
「残るは、朽木の13番隊だけか・・・・・」
もう、今は雨乾堂はないので、13番隊の執務室にいってルキアにクリスマスプレゼントを渡すと、チャッピーのど飴を代わりにもらった。
「京楽総隊長、浮竹隊長、メリークリスマス。プレゼント、ありがとうございます」
「うう、浮竹隊長!幽霊でも、復活してくれて俺はもう涙がとまりません!」
大泣きする仙太郎を、手だけ実体化させてよしよしと撫でた。
全部の隊の隊長と副隊長にプレゼントを配り終えて、1番隊の寝室に戻ってくる。
「着替えていいか?」
「んー、せめて25日が過ぎるまで、その恰好でいてよ」
「仕方ないなぁ」
少しだけ実体化して、京楽を抱き締めると、とさりとベッドに押し倒された。
「1時間、実体化できる?」
「できるが・・・・・」
「じゃあ、1時間。その恰好のままで、いただきます」
「え?あ、あ、ああんっ、京楽っ」
サンタ服を、ズボンと下着だけを脱がされて、ふりふりふわふわの上半身の服はそのままで、貪られた。
「あ、あ、あっ・・・・」
服をまくりあげられて、胸を撫でられる。先端をかじられて、浮竹はびくんと反応した。
「あ、キスしてくれ、京楽・・・・・」
「いいよ」
舌が絡まるキスを何度も繰り返すが、1時間しか時間がないので、蕾に潤滑油で濡れた指で、前立腺をいじることなく解していく。
「ああああ!」
潤滑油で解し、欲望を潤滑油まみれにしたとはいえ、本来交じるための器官ではないそこを突き上げられ、広げられて、浮竹は白い髪を宙に乱した。
「あ、あ、あ!・・・・んっ」
浮竹の好きなキスをしながら、突き上げられた。
そして、ズチュズチュと、蕾を出入りする京楽の欲望に、浮竹は啼いた。
「んあっ、あああう」
前立腺を思い切りこすられると、びくびくと体を痙攣させて精液を出した。
「あ、サンタ服が・・・」
白濁した液がついてしまったが、どうせ行為が終われば着替えるのだ。いいかと、そのままにする。
「ああっ、京楽!」
「浮竹、かわいいね。サンタ服のままとか、もう御馳走だよ」
くちゅくちゅと、京楽の欲望で前立腺を刺激される。
「あっ、そこいい・・・・もっと突いて」
ずちゅりと、音を立てて京楽は浮竹の前立腺を突き上げた。
「あ、ああ・・・・・ああん・・・ああああ」
とろとろと、先走りの液をこぼす浮竹の体を抱き締めて、囁く。
「メリークリスマス、浮竹」
「あああ、メリークリスマス、京楽・・・・ああっ!」
ズチュンと、奥を突きあげられて、浮竹はまたいった。
「ひあっ・・・・・」
何度も前立腺ばかりを突き上げて、京楽も浮竹の中に体液を放った。さらに奥を突き上げて、立て続けに2度目の体液を浮竹の腹の奥に叩きつけた。
「んあう!」
1時間まであと5分。
ひきぬくと、とろとろと、太ももを京楽が出した体液が伝い落ちていく。
濡れたタオルでそれをぬぐいとって、1時間を少しオーバーさせて実体化を保ちながら、死覇装と隊長羽織を着た。
すーっと、浮竹の体が透けていく。
「やるなら、最初からいってくれ・・・・・」
「君のそのかわいい姿を見てたら、抱きたくなっちゃってね・・・」
「しばらく、短時間でしか実体化できないぞ」
「かわいい浮竹を可愛い恰好で可愛がれたから、いいよ」
「んあっ」
突然喘ぐ浮竹に、京楽がどうしたのかと聞く。
「どうしたの」
「お前が、奥にだしたものが溢れて・・・・」
「ああっ、かきだすの忘れてた」
「もういい。霊体のままなんとかするから」
浮竹は、顔を真っ赤にさせながら、霊体のまま京楽の出した精液をかき消すのであった。





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浮竹死んだけど幽霊です憑いてます7 闇鍋

11月。

肌寒い季節になった。

「ふう、少し寒いね」

「ほんとだな」

こたつを用意してあったので、その中に入った。

「あったかい・・・・・・」

幽霊浮竹は、温度が分かるようで、暖かいこたつの中に、京楽と一緒に半身をもぐりこませた。

「そうだ。今日は鍋にしよう」

「お、いいな。カニ鍋にしよう!」

「いや、闇鍋だ」

「何故に!?」

浮竹が突っ込むが、京楽は悪戯心から、浮竹にいつの日か闇鍋をさせようと思っていのだが、生前にはできなかったことを思い出す。

今の幽霊浮竹は、食事もできるので、闇鍋をどうしてもしたくなった。

「じゃあ、料理人に、適当に材料入れてもらってくるから、浮竹はここにいてね」

ぽつんと、浮竹は残された。

最近は、少しの時間なら、少しくらい遠く離れても大丈夫なようになっていて、もはや京楽に憑いているのかも怪しい。

やがて、鍋がやってきた。

ことことと、音をたてて、いい匂いをさせている。

お腹がすいた浮竹は、闇鍋というものをあまり詳しく知らなかった。

京楽と並んで、食べることにする。

京楽が、鍋からとりだしたものを、さっと浮竹は食べた。浮竹は、食べようとしたものをさっと消し去る。それが浮竹の食事であった。

「これは・・・・バナナ?んー意外といける」

もっきゅもっきゅと、かんで味を確かる。

バナナも甘い。

鍋も甘かった。砂糖が入っているのか、鍋は甘ったるい匂いで満ちていた。

京楽が、次をとりだす。

りんごだった。それを、京楽は食べたけど微妙な顔をしていた。

「んー悪くはないけど、鍋にいれるもんじゃあないね」

「でも、闇鍋だろう」

「そう、闇鍋。僕も何が入っているのか知らないんだ」

京楽が次を鍋の中から取り出す。

また、りんごだった。それを浮竹はさっと食べた。

「ただのりんごだな・・・・ただ、シロップ漬けになってるみたいでけっこういい」

「ええ、僕は同じりんご食べた時、そんな風には思わなかったよ」

闇鍋には砂糖がたっぷり入っていた。

「んー。汁が甘いね。これじゃあ、闇鍋だけど、フルーツ鍋だね」

京楽が次を取り出す。幽霊浮竹は、実体化しない限りものに触れられないので、京楽がすくってくれたものを食べた。

「柿か・・・・僕はいらない。浮竹食べたら?」

さっと、柿が消える。

「んー。普通の柿より甘い」

もっきゅもっきゅと、柿を口にする。

次から次へと闇鍋に入っていたものをとりだす。

りんご、メロン、苺、りんご、ばななだった。

それで、闇鍋の中身は終わりだった。

京楽は食欲を失せさせて、全部浮竹が食べた。

「んーちょっと普通より変な味はするけど、これはこれでうまい」

「普通の鍋、もってきてもらうよ。今度こそ、ほんとのカニ鍋で」

「そうか。俺ももう少し食えるから、ご相伴に預かろうかな」

今度は、正真正銘のカニ鍋だった。

ぐつぐつと、良い匂いがして、入れたカニは鮮やかな朱色になって、食べごろだと伝えてくる。

京楽が、浮竹の分をすくうと、さっとカニの中身だけを食べたのか、殻が残された。

「器用だね、君の食べ方」

「そうか?」

「いちいち、身をほじくらなくていいとか、便利だね」

「カニもうまいな。俺的には、さっきの闇鍋もよかったが」

甘いものが大好きな浮竹の口にあったのだろう。

料理人に、闇鍋にしてくれとは頼んだが、フルーツものばかりにしてくれとは頼んでいなかったし、砂糖をあんなに入れるとは思っていなかったのだ。

「はぁ。普通のカニは美味しいね」

「うん。カニも美味い」

浮竹の分を皿にのせると、浮竹は殻だけ残して器用に中身だけを口にする。

「あ、餅が入ってる」

「食べるかい?」

「ああ」

もちをおいしそうにほうばる、浮竹はかわいかった。

鮭や海老も入っていた。カニと一緒に、京楽も浮竹も食べた。

「俺はもういい。お腹いっぱいだ」

浮竹にしては食べたほうだろう。フルーツの闇鍋が、甘味物になるのかわからないが、多分別腹状態で食べていたのだろう。

残りのカニと海鮮物を、京楽は一人で食べた。

「僕もおなかいっぱいだ。流石に雑炊まではむりだね」

カニ鍋のあとの、出汁のしみた雑炊はうまいが、今回はなしだ。

「それにしても、あの料理人、浮竹のことを思ってあんな闇鍋にしたのかな」

「さぁ?」

1番隊の料理人は、浮竹が甘党で、果物や甘味物に目がないことを知っていた。

まさか、浮竹に懸想しているのではあるまいな。

そういえば、あの料理人はいつも浮竹の方を見ていた。

「幽霊になっても・・・君は、罪づくりな男だね」

「は?」

あの料理人には、違う隊にいってもらおう。

そう決意する京楽であった。


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浮竹死んだけど幽霊です憑いてます6

「柘榴が食べたい」

急に、浮竹がそう言い出した。

「どうして?」

「いや、昔お前が柘榴の髪飾りをくれたのを思い出して」

「それ、院生時代のことじゃない?よくそんなの、覚えていたね。君が高価なものを嫌がるから、確か柘榴をかたどった色硝子でできた髪飾りをあげたんだっけ」

「けっこうお気に入りだったんだ。あれは、どこへいってしまったんだろう?」

「ああ・・・・まだ整理してなかったけど、君の遺品をまとめたものを、僕の屋敷の1つの部屋に置いてあるんだ・・・・見に行くかい?」

「ああ、見たい」

雨乾堂もなくなり、浮竹の数多い遺品は、京楽が引き取ったのだ。

京楽邸にいき、浮竹の遺品を入れた袋をひもとくと、院生時代から隊長時代までもらった髪飾りや簪、指輪に首飾り・・・・・たくさんの高価なものと安いものが混じったものがでてきた。
螺鈿細工の櫛とかもあった。

「懐かしいね、この螺鈿細工の櫛・・・・いつも、湯上りの君の髪をといてあげてた」

「あ、あった。柘榴の髪飾り」

色硝子でできた、少し地味な髪飾りだったが、よく浮竹が身に着けてくれていたのを思い出す。

「実体化するから、つけてくれないか」

「ああ、いいよ」

実体化したときに身に着けたものは、そのまま霊体の一部になる。

一房長い髪を手に取り、そこに柘榴の髪飾りをつけてあげた。

すーっと、霊体化して柘榴の髪飾りも浮竹の一部となった。

「どうせなら、翡翠のやつのほうがよかったんじゃない?君も、気に入ってたでしょう」

その言葉に、浮竹を首を横に振る。

「俺が身に着けると、なくなってしまうから、安いもののほうがいい」

「でも、君のものだ。こだわる必要なんてないのに。君の遺品は、処理するつもりもないし、気が向いたらいつでも言って」

「ああ・・・・・・遺品とか、すまないな。辛い思いをさせただろう」

「そうだね。君が死んだということを受け入れられずに、1週間くらい放心してたね。でも、僕も総隊長だから、いつまでもくよくよしているわけにはいかなかくてね。雨乾堂の取り壊しを決めたのも僕なんだ。君を思い出してしまうから。そこに、君の墓を建てた」

「この前、墓参りでいったな。立派な墓をありがとう」

「君がこうして、幽霊だけど居てくれて、僕はとても幸せなんだ」

「京楽・・・・・」

「浮竹、愛してるよ」

「ああ、俺もだ」

1分間だけ実体化し、舌が絡み合うキスをして、離れた。

「君に触れられるこの喜びを、どうすれば君に伝えれるだろう」

「もう、十分なくらい伝わっている」

「そうかい?」

「この前、散々俺を犯して想いをぶつけたくせに」

「あれは、まぁ、その、7年ぶりだったから」

「まぁいい。変な薬も使われたけど、俺も気持ちよかったし」

お互い、真っ赤になった。

何時間も睦みあった。濃い1日だった。

「螺鈿細工の櫛と、翡翠の首飾りだけ、お前の寝る一番隊の寝室に置いておいてもいいか」

「ああ、いいよ」

「髪をとくことはなくなったけど、思い出深いから、近くに置いておきたい」

京楽が寝る場所で、憑いている浮竹も眠る。

螺鈿細工の櫛と翡翠の首飾りを手に、1番隊の執務室までいったん戻り、それから寝室にきた。ベッドの上の横側においた。

「ここでいいかい?」

「ああ」

浮竹は、嬉しそうだった。

柘榴の髪飾りをした浮竹も、よかった。翡翠の髪飾りをと思ったのだけど、柘榴の色硝子はいろんな色があって、光をうけるとキラキラと輝いた。

浮竹の指には、ずっと前にあげたエンゲージリングも光っていた。

「そうだ、朽木の結婚式の動画を見たい。盛ったお前に連れられて、途中で抜け出したから」

「あ、うん。用意するよ」

動画を再生していくと、ぽたぽたと浮竹は涙を零した。

「朽木ーーー幸せになれよおおお」

「浮竹、言っとくけど、ルキアちゃんが結婚してもう1か月も経つんだよ」

「そうだな。そうだ、結婚したときのプレゼントを渡していなかった。とはいっても、俺は幽霊だし・・・・京楽は、何かあげたか?」

「僕は、アメジストの髪飾りをあげたよ。浮竹が寝ている間に買ったからね。浮竹も今からでもいいから、何か贈り物をするかい?」

「ああ。京楽が金を出すことになってすまないが・・・そうだな、宝石店に行こう」

二人で、高めの宝石店にやってきた。

「これはこれは京楽様と浮竹様。今日はどんなものが、お望みでしょうか」

この宝石店で、京楽は院生時代から浮竹に贈るものをずっと買ってきたのだ。老舗で、京楽はそこの常連であった。

浮竹が幽霊として半透明で京楽の隣にいた姿に、はじめはぎょっとしていた店員であるが、説明するとすぐに受け入れてくれた。

「アメジストの、何か装飾品はないだろうか」

浮竹が、いろんな宝石の入ったケースを見ていた。

「アメジストでしたら・・・・髪飾り、首代わり、指輪、ピアス、イヤリング、ブローチ、腕輪・・・一通りそろっておりますが。そうだ、こんなものもありますよ?」

店員が見せたのは、大きめのアメジストの結晶だった。

「こちらは置きものになりますので、身に着ける物にはなりませんが」

「これがいい」

一目見て、浮竹は気に入ってしまった。

見てみれば、値段も安めで、これがいいと思った。

「京楽、これを買ってくれ」

「わかったよ。これを買うよ。プレゼント用だから、できればかわいくラッピングしてほしいな」

「かしこまりました」

お金を払って、品物を受け取った。

アメジストなので、それを意識した紫色の箱にいれて、紫のリボンで包装された。

「京楽、今から朽木のいる13番隊に渡しにいっても大丈夫か?」

「ああ、いいよ」

京楽と浮竹は、アメジストの結晶をもって、13番隊の、新しく作られた執務室にやってきた。

「京楽総隊長に浮竹隊長、どうしたのですか?」

「浮竹がね、君に結婚記念の贈り物をあげたいって」

「そんな、お気持ちだけでけっこうです!」

「まぁ、そう言わずに受け取ってくれ。もう買ってしまったものだし」

浮竹の言葉に、京楽からラッピングされら紫の箱を受け取る。

「中身を拝見してもいいですか?」

「ああ」

「うわぁ・・・・・・」

大きなアメジストの、研磨していない結晶だった。

「綺麗」

「気に入ったか?」

「ありがとうございます、浮竹隊長!大切にします!」

光にすかすと、アメジストが紫色の光を反射させて綺麗だった。

「改めて、結婚おめでとう、朽木」

「ありがとうございます、浮竹隊長」

光に煌めいて、浮竹の柘榴の髪飾りも輝いていた。霊体の一部になっているが、輝くのだ。

「浮竹隊長も、その柘榴の髪飾りとても似合っています。清楚な感じがします」

「ありがとう、朽木」

浮竹の指と、京楽の指にエンゲージリングが光っているのに、前々から気づいていたが、それとは別に輝く浮竹の柘榴の髪飾りも、きっと二人の思い出がいっぱいつまったものなのだろうと思う。

「じゃあ、僕らはこれで戻るから。またね、ルキアちゃん」

「またな、朽木・・・いや、今は阿散井・・・ああめんどくさい、朽木のままでいいか」

ルキアは、苦笑して二人を見送った。



二人は、市場に来ていた。

「どうしたんだ、こんなところにきて」

「柘榴が食べたいって言ったでしょ。探してるの」

朝に言った言葉を覚えててくれたことに、浮竹は京楽の優しさにノックダウンされそうになった。本当に、京楽は優しい。甘えると、とことん甘やかしてくれる。

果物店で柘榴を二人分購入した。

「うん、甘くて美味しい。ほら、浮竹も食べなよ」

さっと、柘榴が消える。

「甘い・・・・」

ぺろりと、果汁が滴った唇を舐めようとして、実体化して、果汁にまみれたキスをしかけると、京楽が驚いた。

「浮竹、こんな人前で・・・」

「え」

見ると、市場にいる人たちの視線が釘付けになっていた。

幽霊なのだ。半透明の浮竹をなんなんだろうという視線と、総隊長である京楽を純粋に珍しがる視線などが集まっていた。

「か、帰ろう京楽!」

真っ赤になった浮竹を連れて、1番隊の寝室に戻るのであった。

今日1日は、浮竹のために使ったが、それもまたいいだろうと思う京楽がいた。

「柘榴、まだあるから食べなよ」

甘いものが大好きな浮竹は、夕餉の前に柘榴を食べつくしてしまうのだった。





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とある夜

夜の朽木邸の別宅に呼ばれた恋次は、淡い期待を抱きながら、白哉と一緒に食事をした。

朽木家の食事は豪華であるが、食べ残しがない程度の量をそれぞれ出されるので、恋次の中にある貴族の腐った食生活とはまるっきり違った。

他の貴族はどうかは知らないが、朽木家では食べ残しは基本NGらしい。食べれる量だけを出される。

けっこう食べる恋次には、お替りが追加で出されていく。

「恋次、貴様はよく食べるな」

白哉も、見ていて爽快になるほど食べる。

「え、そうっすか。これくらい普通ですけど」

「酒は飲むか?」

「勿論」

それほどアルコール度の高くない、日本酒だった。

「まぁ、飲め」

杯に注がれて、中身をあおると高級酒なのだろう。美味だった。

「隊長も飲んでください」

ほどほどに、白哉は飲んだ。

酔っぱらっていないので、酔って恋次を誘ってくることはなさそうだと、少し残念に思った。酔った白哉は、言動こそつんけんしているがそれは愛らしいのだ。

「この後、いいっすか?」

「もとより、そのつもりで誘った」

白哉は、性欲を覚えると恋次と褥を共にした。

そうだと、最後の酒に、恋次は涅マユリからこっそりもらった媚薬を入れた。

そうとは知らず、白哉はその酒を飲んだ。

「ん・・・・・なんだ、体が熱い・・・・」

即効性と言っていた通り、もう効いてきた。

「隊長・・・・褥にいきましょう」

「あ、ああ・・・・・・・んっ」

着ている服が肌をこするのさえ、刺激になるようで、白哉は甘い声あげた。

「おかしい・・・・・恋次、貴様、まさか私に何か薬も盛ったのではあるまいな?」

「正解。媚薬盛りました」

「貴様!・・・ああっ」

怒る白哉の死覇装に手をさしいれて、胸の先端を触ると、白哉は甘い声をあげた。

「早く褥に行きましょう」

「く、覚えていろ・・・・んんっ」

褥に抱き上げた白哉をおろし、隊長羽織を脱がせて死覇装をはだけさせていく。

細く白い体は、恋次の体とは全然違った。きめ細かい肌は手に吸い付くようで、夢中になってそこかしをを撫でまくった。

「ああ・・・・・・・」

媚薬がきいているせいか、そんな刺激でも白哉には快感になるのだろう。

薄い胸をもみしだくように手を動かし、突起をつまむと、びくりと白哉の体が反応した。

「ひっ」

「感度、やっぱいいけど薬のせいか、いつもより感じてますね」

先端を口に含んで転がしてやると、背中に白哉の手が回された。

「ああ、もう・・・・・いきたい」

「ちょっとまってください」

反応している白哉のものに手をかけて、先端を口で銜えて、鈴口を舌で刺激してやると、あっという間に白哉は精液を放ってしまった。

「あああああ!」

ぜぇぜぇと、荒い息をつく白哉が落ち着くのを待ってから、潤滑油で濡らした指を、つぷりと白哉の体内に侵入させた。

「んああ、あああ・・・・」

指をいれただけでこれだ。ごくりと、恋次は唾を飲み込んだ。

こりこりと、前立腺を刺激してやると、白哉の体はねる。

「ううん!」

何度も何度もそうやっていると、白哉は花茎からだらだらと先走りの液を垂らしていた。

「ああっ、恋次!もう、いやだ・・・・ああ!」

「何言ってるんすか。これからですよ」

指をひきぬいて、猛り狂った己を宛がい、細い白哉の体を一気に貫いた。

「ひああああああああ!」

びくんびくんとはね、逃げる体を褥に縫い留めて、恋次は中を突き上げる。

「すっげ・・・隊長の中、すげぇいい」

「んあう」

挿入と同時に弾けてしまった白哉は、射精の余韻に浸る間もなく、刺激をあたえられる。

「あ、あ、あ・・・・・・」

恋次にしがみつきながら、その背中に整った爪をたてた。

「爪立てていいから、もっと乱れてください」

「ああん・・・・んあ、ひあっ」

ずちゅずちゅと、中を侵されて、声が漏れる。

「んあ・・・・・ひう」

前立腺をこすりあげあれると、白哉はそのたびにビクンと体を痙攣させた。

「ああ・・・・オーガズムでいっちゃいました?」

「オーガ・・・ズム?」

「射精しないでいくこと。さっきから、いきっぱなしですね」

「ひっ・・・いやぁっ」

「いやじゃないでしょ?ここをこんなにして・・・・」

また立ちあがた花茎を手でしごかれて、3度目になる射精を迎えた。

「いああああ!やっ、やぁっ・・・おかしくなる」

「そしたら責任とるから・・・・もっといっちゃってください」

びくんびくんと、ドライでまたいってしまった。

「ひうっ」

敏感になりすぎた体は、突き上げるたび反応した。

「あ、あ、あ・・・・」

もう、自分が何を言っているのが白哉は分かっていなかった。

何度も最奥を突き上げ、何度も白哉をいかせてから、やっと恋次は白濁した液体を白哉の中に注ぎ込んだ。

「まだ、終わりじゃないっすよ。俺、まだ1回目なんで」

「うあ・・・・・・」

白哉を攻めて、やめてくれと懇願されるまで抱いた。

3回目の欲望を注ぎ込んで、やっと恋次も満足した。

「ああ・・・・・うあああ・・・・・・・あああ・・・・・・」

半分狂ったオルゴールのような白哉も、恋次が満足したと同時に意識を失った。


「ん・・・・・」

3時間ほど意識を失っていた。

「あっ・・・・・」

まだ媚薬が効いているようで、白哉は朱くなりながら、身を隠した。

恋次も起きた。

「ああ・・・・まだ、媚薬残ってるんすか。もう挿入はできないけど、かわいがってあげます」

「んあああ」

花茎に手をかけらて、もう出すものなどないのに何度もしごかれた。

「もうよい・・・・・放っておいてくれ」

「でも、辛いでしょう?」

「ひあ・・・・あ、あ・・貴様が触るから・・・辛いのだ。薬も、大分ぬけてきた」

「そうっすか。じゃあ湯浴みにいきますか」

「ううん・・・・・あっあっ・・・・・あとで、後でよい」

全身を這う恋次の手に喘ぎ声をもらしつつ、白哉はまた意識を失った。

「うん・・・・・?」

次に起きると、媚薬は抜けていた。

「湯あみする」

寝ていた恋次も起き出す。

「一人じゃ、立つのつらいでしょう。一緒に入りましょう」

「もう、手を出してくるなよ」

「流石に、俺ももう出ません」

結局、白哉が意識を失う前に4回目の射精を白哉の中に放った恋次だ。

よろける体の白哉を支えて、湯殿に入ると身を清めた。

「寝る」

シーツを変えた褥で、白哉はそういうと恋次のことを無視して、大分疲れたのがすぐに深い眠りに入っていった。

恋次も、白哉を抱き締めながら眠った。


次の日、起きると白哉に往復ビンタをかまされた。

「すんません・・・・調子に乗りました」

「媚薬など・・・・今後、使うな」

「はい」

「昨日のお前はしつこかった。しつこいのは嫌いだ」

「すんません」

白哉は怒ってはいたが、そんなに激しく怒ってはいなかった。

「昨日、よかったっすか?」

その問いに、白哉は真っ赤になってそっぽをむいた。

ああ、なんだかんだでこの人も楽しんでいたんだ。そう分かって、恋次の罪悪感も軽くなる。

「昨日のことなど、忘れろ」

「はい」

言葉では、そうしておいた。

でも、乱れに乱れた白哉の妖艶な姿は、しばらくの間脳裏から離れそうになかった。

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浮竹死んだけど幽霊です憑いてます5

朽木ルキアが結婚した。

阿散井恋次と。

京楽は、幽霊浮竹と一緒に白無垢姿でウェディングヴェールをかぶる、美しいルキアの姿を見た。

「朽木ー幸せになれよーーー」

浮竹は、まるで自分がお父さんのような心境だった。

正装した白哉に連れられて、歩いていく姿を見る。

白哉も、幽霊浮竹を見て最初は驚いたが、今は受け入れてくれている。それは、祝いの席に顔をだしている日番谷も同じだった。

というか、隊首会をどうしても開くので、その時に幽霊浮竹がいるのだ。

みんな、最初は奇妙な視線を向けていたが、整然と変わらぬ浮竹の姿を見て、ほっこりしたりして、特に白哉と日番谷は、京楽によかったなと声をかけたほどだ。

「うえーーん」

「ちょっと、浮竹!」

感動のあまり、泣きだした浮竹を泣き止ませるために、京楽は式場を少し出た。

「うわーーーん朽木ーー」

「君が泣いてどうするの!」

「だって、あの朽木が・・・娘みたいに思ってた朽木が阿散井副隊と結婚なんだぞ。これが泣かずにいられるか」

「ああもう、落ち着いて」

「あ、すまない。俺が泣くと、憑いている京楽が泣いているように、遠くからだと見えるな」

ぽたぽたと、涙の雫が降ってきた。

「あれ?」

すーっと、浮竹の体が実体化していく。

「浮竹?なんで?」

「分からない・・・・でも、なぜか分かるんだ。今日一日は、ずっと生身のままでいれる」

京楽は、式場を抜け出して、七緒に何かを告げると、浮竹を横抱きにして瞬歩で1番隊の隊首室の奥にある、寝室にやってきた。

「京楽?式は・・・?」

「後で、いくらでも見せてあげるから。ちゃんと撮影させてあるし」

「ああ、うん。どうしたんだ・・・・・んんっ」

抱き締められて、そのまま舌が絡まる口づけを受けた。

「ああっ」

体を弄られて、浮竹は声を漏らしていた。

「京楽・・・・そのするのか?」

「この日がくるのを・・・・ずっとずっと、待っていたんだよ。君をこの手で抱ける日を」

浮竹の着ている衣服を全部ぬがせて、全身にキスの雨を降らせていく。

「んっ」

首筋にピリッと痛みを感じた。

歯型が残された。

「噛むな・・・・時間は、ある」

「そんなの、分からないじゃない」

平坦な胸を撫でて、先端を口に含み、もう一方を摘みあげた。

「ああん」

「君の、演技ではない喘ぎ声・・・腰にくるね」

かたくなった熱いものが、浮竹の腰に当てられた。

浮竹も、久しぶりすぎて最初は戸惑ったが、火をつけられて、京楽の衣服を脱がしていく。

「んっ」

潤滑油にまみれた指が、体内に入ってくる。実に、7年ぶりくらいだろうか。

「あああ!」

ばらばらに動かされて、その1つが前立腺を刺激した。

「京楽・・・・・、もういいから、来い。お前と一つになりたい。数年ぶりなんだ・・・」

浮竹の言葉に、京楽も我慢ができずに潤滑油で己をぬらすと、狭い浮竹の中に欲望をめりこませた。

「あああ、ああ、ああ!」

みしみしと、音がする。

「きついな・・・」

ちゃんと解しておかなかったので、半ば無理やり侵入する形になった。

「痛くない?」

「痛みさえ、今は愛おしい」

京楽が動き出す。潤滑油まみれにしているので、一度中に入ると、後はすむーずに挿入が繰り返された。

「ああっ!・・・・・いい、もっと・・・・・」

浮竹は乱れた。

7年ぶりとの恋人との逢瀬に、夢中になる。

「キスして・・・」

突き上げられながら、キスを強請った。

舌が絡まるキスをしながら、京楽は浮竹の中を侵し、前立腺をすりあげる。

「んああああ!」

びくりと、浮竹の体がはねた。

実に7年ぶりになる吐精は、刺激が強すぎて、あまりの気持ちよさに浮竹は意識を失いかけた。

「まだ、気絶するのは早いよ」

「ああん!」

何度も何度も前立腺をすりあげられる。

ドライのオーガムズでもいかされた。

京楽は、最初は性急であったが、ゆっくりと浮竹を犯した。

「ああ、君の中は気持ちいいね・・・・僕もそろそろ限界だ」

「ひあっ、やめ・・・・・」

「絶対にやめない」

逃げる浮竹の体を、その両手を頭の上で戒めて、最奥をつきあげて、ドクドクと大量の精液を、浮竹の腹の奥に出した。

じんわりと広がっていく熱に、浮竹は生理的な涙を零した。

「京楽のものだって、印をもらった」

その涙を吸い取って、またパンパンと音がなるくらい、激しく浮竹の腰に腰をぶつける。

「あああ!」

浮竹の啼き声が、京楽の耳を脳を刺激する。

その声を聞くだけでもいけるのだ。いつもは、浮竹の喘ぎ声だけで自分を慰めていた。

7年ぶりの逢瀬は、激しかった。

途中で、精強剤を京楽は口にして、浮竹には媚薬を与えた。

「ああ、んああああ!!!」

浮竹と京楽が繋がっているそこは、じゅぷじゅぷと体液が粟立っていた。

「んあっ、激し・・・・・」

「まだまだだよ。7年だよ?どれほどこの日を待ちわびたことか・・・・」

一度引き抜いて、後ろから浮竹を貫いた。

「あああ!」

そのまま、とさりと自分のほうへ浮竹をもってきて、角度をかえさせる。

ぐりっと前立腺を抉られて、浮竹は精液を吐き出した。

「ああ!」

騎乗位になった。

浮竹は、自分から京楽を受け入れる。

ずぷずぷと、蕾の中に飲み込んでいく。

「んあ・・・あああ、京楽が・・・中で、大きく・・・・」

精強剤の影響だろうか。

二度目の熱を放った。まだまだいけそうだった。



ずちゅ、ずちゅ。

もう、浮竹は体力が尽きて、か細い喘ぎ声を出すだけになっていた。

「んあ・・・・・・ああ・・・・・」

3時間ばかりは、浮竹を犯し続けただろうか。

もう5回は浮竹は性液を放った。その後は、放つものもなくなったが、ドライのオーガズムで何十回といった。

ただの精強剤ではない。涅マユリに過去に作らせて、結局浮竹が生きている間は使わなかった薬だった。

もう6回以上、浮竹の中に放っているのに、まだまだ欲望は硬い。

前立腺をすりあげてやると、ぴくんと浮竹の体は反応する。

「ううん・・・・・・あっ、あっ」

くちゅくちゅ。

浅い部分を犯してから、ぐちゅりと音を立てて、前立腺を突き上げた。

「ああん・・・・ああ・・・・・」

射精したいのにもうだすものがなくて、出したいのに出せなくて、浮竹は生理的な涙を流す。

ぐちゃぐちゃと、最奥まで突き上げると、がくりと、限界を迎えたのか、浮竹が意識を失った。

でも、まだ京楽は満足していない。

浮竹を頬をぺチぺチと叩いて意識を戻させると、また浮竹を犯した。

「ああん、もう頭が、おかしく、なるう。きょうら・・・・・やあ、もう、犯さないで・・・・やあああっ」

浮竹の願いも、今ばかりは聞き入れられない。

それから、何度も意識を失う浮竹を起こしては、ずちゅずちゅと中を突き上げて、ぐちゃぐちゃに犯した。

「ふう・・・・・・」

10回目の射精を終えて、やっと京楽は満足した。

「ああ・・・・うう・・・うあああ・・・・・」

浮竹は、半ば壊れ気味に喘ぎ声を漏らす。

「浮竹・・・・・・・愛してるよ。酷くしてごめんね」

「あ・・・・きょうら・・く・・・・・俺も、愛して・・・・・・・」

ガクリと。

最後まで言えず、浮竹は意識をやっと完全に手放すことを許された。

京楽は、浮竹を抱き上げて、湯浴みをする。ぼとぼとと、大量の白濁した液体が、浮竹の蕾からあふれてきた。

「僕、すごく出したんだね・・・ああ、本当にきもちよかった。極楽だったよ」

意識のない浮竹に口づけて、情事の痕を隠すように、髪も体もべとべとだったので洗ってあげた。

ベッドは二人の体液ですごいことになっていたので、シーツを変えた。

浮竹をそっと寝かす。体中にキスマークを残されて、まるで数人がかりで犯された後のようなかんじだった。

「ごめんね、浮竹」

3時間ほど、浮竹は眠っていたが、ふと気を取り戻した。

「やり過ぎた・・・・・もう、指を動かすのさえだるい・・・・・・・」

「ごめん。7年ぶりなものだから」

「分けてするとか、少しは受け身の配慮をしろ」

「ごめんね。愛してるよ」

抱き締めてくる京楽を抱き締め返す。

「俺も、愛している。こんな性欲バカでも、愛してる」

「制欲バカでこめんね」

「全くだ・・・・・・んっ」

口づけを何度もされた。

残った時間は、二人で一緒にべッドの上で体温を共有しあって過ごした。

いつの愛にか眠ってしまった。

食事をとることもなく、睦みあって寝るだけだった。

やがて24時間が経過したのか、浮竹の体が透けていく。

すーっと、透けてしまって、もう触れない浮竹を残念に思いつつも、7年間溜めていた想いをぶつけれたので、満足だった。

「むー。今度長く実体化したときは、もっと手加減してくれ」

「うん。でも、また長く実体化できそうなの?」

「年に一度くらいはできそうだ。お前の霊圧を浴び続けているせいだろうな」

「幽霊の浮竹も、さっきまで生身だった浮竹にも霊圧はなかったからね」

8番隊の食堂にいき、実に24時間以上ぶりになる食事だったので、二人はよく食べた。

「んー。この中華スープうまいなぁ。疲れた体に染み渡る」

その日のメニューは中華だった。中華スープ、麻婆豆腐、エビチリ、エビマヨ、キムチチャーハン、杏仁豆腐。

杏仁豆腐をは浮竹は3人前はぺろりと平らげてしまった。

「あー。すっきりしてよく寝た後の食事はおいしいね」

「お陰で、こっちは霊体になってもくたくただ。腰が今までの人生の中で一番痛くて重い」

「ごめん。でも、君も気持ちよかったでしょ?媚薬、けっこうきいたでしょ」

「もうしらん!」

ぷいっとあっちを向く、幽霊の恋人のご機嫌をとるために、もう1人前杏仁豆腐を注文する京楽であった。





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浮竹死んだけど幽霊です憑いてます4

「あーおいしかった」

浮竹は満足げだった。

今回は、高級料理店に、京楽と二人きりで訪れたのだ。とはいっても、浮竹は幽霊だったが。しかも幽霊なのにものを食べれるのだ。

おまけに、短い時間なら具現化できて触れるし、寝るし、お風呂に入ってそのぬくもりを堪能するし・・・ないことといえば、厠にいくことと、着換えることがないことだろうか。

「んー。お酒の味もよかったね」

「ああ。この幽霊の姿だと、酔うこともないようで、京楽の飲む酒の良さも分かった」

「一つ、新しい発見をしたね」

「ああ」

二人きりで、夜の瀞霊廷を歩く。

月明りが綺麗で、星も綺麗だった。

「総隊長は意外と大変だからねぇ。ああ、8番隊の隊長であった頃が懐かしいよ」

「俺も、生きてた頃が懐かしい」

できることなら、京楽と一緒に生きていたかった。その願いが強すぎたために、幽霊になって憑いてしまったのかと思ったほどだった。

「明日も早いのか?」

「ううん。明日は久しぶりの非番だよ」

「そうか!実は行きたいところがあるんだ」

「どこだい?」

「その・・・・京楽には悪いんだが、実家へ一度もどってみたいんだ」

「分かった。君をお嫁さんにもらっているって報告だね」

「京楽!」

浮竹は真っ赤になっていた。

「両親には、長いこと顔を出さなかった上に、葬儀の時にはもうしゃべることもできなかったから・・・・幽霊であれるうちに、言葉を交わしておきたくて」

「分かったよ。明日は、君の故郷へ行こう」

「すまない、京楽」

浮竹は、10秒間くらい具現化すると、ちゅっと音をたてて京楽の頬にキスをした。

「どうせなら、唇にしてくれたらいいのに」

「そんな、人が見てるかもしれないだろう!」

「こんな夜中に出歩いてるのは、不寝番か飲みいったりしてる死神たちだけだよ」

「じゃあ・・・・」

今度は、1分間ほど具現化した。

唇を重ねあう。舌が絡まった。

「ああ・・・・んっ、京楽」

思い切り抱きしめられていたが、時間切れになって宙を抱いた。

「ああ、残念。一度でいいから、1日中君が触れる日がこないかな」

「誰かにとり憑けば可能だが、そんなの嫌だろう?」

「他人にとり憑くのがそもそもいやだね。浮竹が僕以外にとり憑くなんてだめだよ」

「京楽の霊圧を浴び続けているから、そのうち1時間くらいなら実体化できるかもしれない」

「ほんとに!?エッチしてもいい?」

浮竹は真っ赤になった。

「ま、まぁ仕方ないか。お前にはもう5年以上も我慢させてるんだものな」

京楽の一人エッチをなるべく見ないようにして、おかずにと一人で喘ぐという虚しい行為は、週に2回くらいあった。

キスなら今まで何度かしてきたが、流石に交わることまではできなかった。

「とにかく、今日はもう帰ろう。お酒のせいか、眠い」

「寝てていいよ」

「ああ、じゃあ先に寝る」

京楽に憑いているので、寝ていても京楽が移動すると移動した。


次の日になって、浮竹と京楽は、浮竹の故郷に来ていた。

「十四郎・・・本当に、十四郎なの!?」

「十四郎!」

「お兄様!」

「兄ちゃん!」

「兄貴!」

家族全員に、京楽がもみくちゃにされた。

「あ、すみません京楽様・・・・その十四郎はどうして。成仏できなかったのでしょうか?」

「うーん、よく分からないんだけど、突然ある日こうして幽霊になってとり憑かれてね。でも祟りとかないし、虚化するわけでもないし、害は全くないんだ」

「十四郎、幽霊らしいけど、元気にやっているの?」

「ああ、母上。幽霊だけど、食事もできるし味も分かるんだ。けっこう、幽霊ライフエンジョイしてる」

「まぁ。それなら、今日は手料理を作るから、久しぶりに食べてね」

幽霊になった浮竹をすぐ受け入れるあたり、浮竹の家系は適応力が高すぎると、京楽は思った。

浮竹も、幽霊になったことを最初は悩んでいたようだが、3日ほどすると飽きて、幽霊でいることを楽しみだした。

といっても、京楽に憑いているので、京楽がいる範囲から2~3メートルほどしか移動できないが。

「母上の料理はうまいんだぞ、京楽。お前も食え」

「ご相伴に預かります」

「まぁ、上流貴族である京楽家の方には、味気ないかもしれませんが・・・・」

浮竹は、気分が済むまで両親と妹弟たちと会話をした。

夜になって、湯殿をかりて湯浴みをした。

「あーきもちいい・・・今日は、楽しかったなぁ」

「まだ、ご飯があるでしょ」

「そうだった。母上が、丹精込めて作ってくれるらしいから」

浮竹が死に、仕送りのなくなった浮竹の家族は、一時期借金を背負った。死亡という形で、遺族年金として、仕送りをしていた額を毎月送られるようになって、浮竹の家族はなんとか生きていけるようになった。仕送りに頼り切りだった妹や弟たちも、職を得るいい機会にはなった。

だが、兄の死は大きかった。

浮竹の死を一番嘆いたのは京楽であるが、家族もそれに劣らないほど嘆いた。

その日の夕飯のために、浮竹の父親が、山に入って猪をとってきた。

その日の夕食は、牡丹鍋だった。

「猪食べるのはじめてだけど・・・・・意外と美味しいね」

「そうだろう」

浮竹の器にもられた肉は、さっと消える。

兄弟が多いだけあって、たくさんあった猪の肉も、すぐになくなってしまった。

次に出されたのは、鮎の塩焼きだった。これも量があったが、8人兄弟で両親しかも京楽つきということもあって11人が食事をするとえらいことになるのが分かった。

母親だけでなく、2人の妹に、5人の弟たちも料理を手伝うので、ただ食べているだけなのは、京楽と浮竹と、浮竹の父だった。

浮竹の父親は、猪としとめたり、鮎をとってきたりで疲れているからだ。

浮竹家では、鶏もたくさんかわれていて、他にもうずらもいた。畑も広いし、鮎を養殖している。

自給自足っぽい生活を送りつつ、足りない部分を、今まで浮竹の仕送りで補ってきたのだ。

確かに職をもっていない弟もいたが、ちゃんと畑仕事や狩りはしていたし、浮竹の家族が京楽が思っていたよりしっかりしていた。

浮竹の仕送りに頼り切りだと聞いた時は、なんて酷い家族だろうと思い、職を得させようと動いて、逆に浮竹に怒られたことがあった。

「まぁなんだかんだで。浮竹十四郎は、京楽春水が、責任をもって面倒を見ます。嫁にいったと思ってください。浮竹に会いにきたいなら、いつでも一番隊執務室を訪れてください」

瀞霊廷の端っこに住んでいる浮竹一族は、嫁にいってしまった浮竹を、京楽に「どうか幸せにしてください」と言って、次の日別れの時に涙を流しながら手を振っていた。

「なぁ、浮竹」

「言わなくていい。俺の一族は、ちょっと変なんだ」

「うん、そうだね」

普通、幽霊で嫁にもらったなんて言い出すと、怒る。それが、涙を流して幸せにしください・・・適応力がありすぎて、京楽もびっくりだった。

幽霊浮竹は、好きなだけ家族と話ができて、すっきりした顔をしていた。

結局、肺の病でなくなったので、両親も弟妹も、とても悲しんだのだ。

浮竹はもやはり、病気が急激に進行して亡くなったので、家族と言葉を交わしたかったのだ。

それが叶って、京楽も嬉しかった。

「時々でいいから、また故郷に足を向けてもらってもいいか?」

「浮竹をお嫁さんにもらったからね。勿論だよ」

「京楽十四郎か、俺は?」

くすくすと、二人で笑いあった。

幽霊浮竹と、生身の京楽の奇妙な同棲生活は、今後も続きそうであった。






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