おめがばーす恋白10
「どうだ、見事な桜であろう」
「そうっすね」
朽木家の屋敷の庭で、白哉は満開に咲いた桜を見上げながら、酒を飲んでいた。
「緋真は梅が好きだった。梅はもう散り、今は桜が見頃だ」
「いっぱい植えられてますね。全部満開だ」
「緋真は、桜も好きだったので‥‥‥」
恋次は、酒を飲みながら、白哉を見る。
「緋真さんのこと、俺に言って俺の機嫌が悪くなるとか、思わないんすか」
「え。そ、そうなのか?」
「嫉妬してます。まだ、隊長の心の中に永遠にいる緋真さんに」
「緋真は亡くなった。死者に嫉妬しても‥‥」
「そうです。どうにもならないんす。でも、嫉妬しちまう」
恋次は、白哉を抱き寄せた。
「恋次?」
「人払いすませてますか」
「まさか、ここで抱くつもりか」
「いけませんか」
「せめて、褥で‥‥あっ」
恋次は、白哉にキスをする。
そのまま、押し倒されて、白哉はとまどった 。
「抱きますよ?」
「むう。人はこぬようにはしてある。好きにせよ」
白夜の了解をもらい、恋次は白哉の衣服を最低限しか脱がさなかった。
「隊長、エロい‥‥」
「馬鹿者!あっ!」
死覇装の中に入りこんだ指が、胸の先端をきゅっとつまむ。
しばらくいじっていると、白哉がもぞもぞしだした。
「恋次、下も‥‥」
「隊長、エロくなちゃったすね?こんなにトロトロになってる」
恋次は、白哉の前をいじり、蕾に舌をねじ込んだ。
「ひあう!や、やめ‥‥‥」
「じゃあ、こうならいいっすか?」
恋次は、白哉の前をなめあげて、指を蕾にいれて動かした。
「いああああ!!!」
びくんと、白哉の体がはねて、中いきしたのが分かる。
「ひああああ!!!」
恋次の前を舐めあげられえて、恋次の口の中に、白哉は精液を出す。
「恋次、お前がアルファで番でなかったら、千本桜の露にしているところだ。んあああ」
「怖いこと言っても。感じっちゃっててかわいいっすよ」
「あああ、もっととおお。恋次のもので、私の奥をかき混ぜてくれ」
「隊長、えっろ‥‥」
恋次は、蕾をほぐしていた指を引き抜くと、己をあてがった。
「ひああああああ!!!」
ぐちゅりと突き入れられて、白哉は恋次の背中に爪をたてる。
「奥、いっぱいあげますから、孕んでくださいね?」
「あ、いやだ、孕みたくない。でも、恋次の子種がたくさん欲しい」
「たくさん、あげますね?」
恋次は、白哉の奥の子宮を自分の熱でとんとんとのっくして、中に入ってくる。
「ひああああ、奥に、奥にあたってっるううう」
「子種、たくさんあげますからね?」
「ひああああ、いっちゃうううう」
恋次の子種を直接子宮に注がれて、白哉は体をびくんとはねさせて、中いきをする。
「こっちもいっちゃってください」
「あああ、前もなんて、だめええええ」
恋次は、いっている最中の白哉の前をしごいて、精液を出させた。
「ひああああん、ああ、いくのとまらないい」
「好きなだけいってください。ああ、桜が綺麗ですよ?」
「ひあん、桜を見る余裕など」
恋次は、酒を口に含むtと、口移しで白哉に飲ませた。
アフターピルを含んでいた。
「ああああ!!!}
白哉は、何度かいき、快感に涙を浮かべながら、恋次のものをしめあげる。
「く、また中に出しますよ」
「だめえええ。またいっちゃううう」
恋次は、自然に濡れる白哉の蕾がトロトロになっているのに、唾を飲み込む。
「ひあん、きたあああ。大きいの、きてるうう」
恋次は、後ろから白哉を貫く。
「ひああ、ごつんごつんいってるうう」
奥をごつごつと抉って、恋次は白哉の中に欲望を全て注ぎこんだ。
「ひあう、ヒート期間ではないのにぃ」
「番っすからね。ヒート期間とか関係ないっすよ」
「あああ、真っ白になる。もう、だめ‥‥‥」
白哉は、激しいセックスに、意識を失う。
「隊長?」
ぐったりとなった白哉からひきぬくと、こぽこぽと中に出した精液が逆流してきた。
タオルがなかったので、自分の死覇装でそれをぬぐう。
「隊長、ちょっと待っててくださいね。今、ふくものもってきますんで」
タオルを水で濡らして持ってくると、白哉を清める。
中に出したものは、できる範囲でかきだした。
白夜の死覇装を整えて、恋次も新しい死覇装を身に着ける。
「ああ、桜が綺麗っすね。隊長のほうが綺麗っすけど」
「馬鹿者‥‥‥」
「あ、いつから気がついてたんすか]
[ついさっきだ。番とはいえ、恋次、お前はがつがつしすぎている」
「そりゃ、隊長がオメガで俺がアルファっすからね。ヒート期間以外にも抱ける時があれば、普通に抱きますよ」
「これが普通なのか」
「ちょっと激しかったっすか?」
恋次が、首を傾げる。
「もうよい。新しい酒をもってこい」
「はいはい。花見するんでしょう?」
「誰かのおかげで、中断されたからな」
白哉は、もう数え切れないほど恋次に抱かれているが、抱かれた後は気だるい雰囲気で、艶やかになる。
そんな白哉を誰にも見せたくなくて、恋次は白哉を独り占めする。
「ほら、新しい酒ですよ」
厨房から高級酒をもらってきて、白哉の空になった盃に酒を注ぐ。
それを白哉は一気に飲み干した。
恋次も真似するが、アルコール度が高くて、胸が焼かれるようだった。
「隊長、よくこんな強い酒一気に飲めますね」
「外で抱かれてしまったなど、酔って忘れたい」
「えー。いいじゃないっすか、たまには」
「人払いしていたとはいえ、朽木家には使用人がおおい。私たちが番であることは知っており、邪魔はしてこぬが」
「隊長、桜の花びら髪についてます」
白夜の艶やかな黒髪についた桜の花びらをとると、口移しで強い酒を飲ませられた。
「隊長、酔いつぶれてしまいます」
「ふふ。酔いつぶれてしまえ」
「隊長の腕の中で寝れるなら」
「当然放置する」
「あ、酷い」
恋次は、そう言いながらも、白哉に酒を注がれて、強い酒に酔ってしまいには寝てしまうのであった。
「お前は、私のものだ。他には、渡さぬ」
白哉は隊長羽織を眠る恋次にかけて、一人で桜を見上げながら酒を飲むのであった。
「そうっすね」
朽木家の屋敷の庭で、白哉は満開に咲いた桜を見上げながら、酒を飲んでいた。
「緋真は梅が好きだった。梅はもう散り、今は桜が見頃だ」
「いっぱい植えられてますね。全部満開だ」
「緋真は、桜も好きだったので‥‥‥」
恋次は、酒を飲みながら、白哉を見る。
「緋真さんのこと、俺に言って俺の機嫌が悪くなるとか、思わないんすか」
「え。そ、そうなのか?」
「嫉妬してます。まだ、隊長の心の中に永遠にいる緋真さんに」
「緋真は亡くなった。死者に嫉妬しても‥‥」
「そうです。どうにもならないんす。でも、嫉妬しちまう」
恋次は、白哉を抱き寄せた。
「恋次?」
「人払いすませてますか」
「まさか、ここで抱くつもりか」
「いけませんか」
「せめて、褥で‥‥あっ」
恋次は、白哉にキスをする。
そのまま、押し倒されて、白哉はとまどった 。
「抱きますよ?」
「むう。人はこぬようにはしてある。好きにせよ」
白夜の了解をもらい、恋次は白哉の衣服を最低限しか脱がさなかった。
「隊長、エロい‥‥」
「馬鹿者!あっ!」
死覇装の中に入りこんだ指が、胸の先端をきゅっとつまむ。
しばらくいじっていると、白哉がもぞもぞしだした。
「恋次、下も‥‥」
「隊長、エロくなちゃったすね?こんなにトロトロになってる」
恋次は、白哉の前をいじり、蕾に舌をねじ込んだ。
「ひあう!や、やめ‥‥‥」
「じゃあ、こうならいいっすか?」
恋次は、白哉の前をなめあげて、指を蕾にいれて動かした。
「いああああ!!!」
びくんと、白哉の体がはねて、中いきしたのが分かる。
「ひああああ!!!」
恋次の前を舐めあげられえて、恋次の口の中に、白哉は精液を出す。
「恋次、お前がアルファで番でなかったら、千本桜の露にしているところだ。んあああ」
「怖いこと言っても。感じっちゃっててかわいいっすよ」
「あああ、もっととおお。恋次のもので、私の奥をかき混ぜてくれ」
「隊長、えっろ‥‥」
恋次は、蕾をほぐしていた指を引き抜くと、己をあてがった。
「ひああああああ!!!」
ぐちゅりと突き入れられて、白哉は恋次の背中に爪をたてる。
「奥、いっぱいあげますから、孕んでくださいね?」
「あ、いやだ、孕みたくない。でも、恋次の子種がたくさん欲しい」
「たくさん、あげますね?」
恋次は、白哉の奥の子宮を自分の熱でとんとんとのっくして、中に入ってくる。
「ひああああ、奥に、奥にあたってっるううう」
「子種、たくさんあげますからね?」
「ひああああ、いっちゃうううう」
恋次の子種を直接子宮に注がれて、白哉は体をびくんとはねさせて、中いきをする。
「こっちもいっちゃってください」
「あああ、前もなんて、だめええええ」
恋次は、いっている最中の白哉の前をしごいて、精液を出させた。
「ひああああん、ああ、いくのとまらないい」
「好きなだけいってください。ああ、桜が綺麗ですよ?」
「ひあん、桜を見る余裕など」
恋次は、酒を口に含むtと、口移しで白哉に飲ませた。
アフターピルを含んでいた。
「ああああ!!!}
白哉は、何度かいき、快感に涙を浮かべながら、恋次のものをしめあげる。
「く、また中に出しますよ」
「だめえええ。またいっちゃううう」
恋次は、自然に濡れる白哉の蕾がトロトロになっているのに、唾を飲み込む。
「ひあん、きたあああ。大きいの、きてるうう」
恋次は、後ろから白哉を貫く。
「ひああ、ごつんごつんいってるうう」
奥をごつごつと抉って、恋次は白哉の中に欲望を全て注ぎこんだ。
「ひあう、ヒート期間ではないのにぃ」
「番っすからね。ヒート期間とか関係ないっすよ」
「あああ、真っ白になる。もう、だめ‥‥‥」
白哉は、激しいセックスに、意識を失う。
「隊長?」
ぐったりとなった白哉からひきぬくと、こぽこぽと中に出した精液が逆流してきた。
タオルがなかったので、自分の死覇装でそれをぬぐう。
「隊長、ちょっと待っててくださいね。今、ふくものもってきますんで」
タオルを水で濡らして持ってくると、白哉を清める。
中に出したものは、できる範囲でかきだした。
白夜の死覇装を整えて、恋次も新しい死覇装を身に着ける。
「ああ、桜が綺麗っすね。隊長のほうが綺麗っすけど」
「馬鹿者‥‥‥」
「あ、いつから気がついてたんすか]
[ついさっきだ。番とはいえ、恋次、お前はがつがつしすぎている」
「そりゃ、隊長がオメガで俺がアルファっすからね。ヒート期間以外にも抱ける時があれば、普通に抱きますよ」
「これが普通なのか」
「ちょっと激しかったっすか?」
恋次が、首を傾げる。
「もうよい。新しい酒をもってこい」
「はいはい。花見するんでしょう?」
「誰かのおかげで、中断されたからな」
白哉は、もう数え切れないほど恋次に抱かれているが、抱かれた後は気だるい雰囲気で、艶やかになる。
そんな白哉を誰にも見せたくなくて、恋次は白哉を独り占めする。
「ほら、新しい酒ですよ」
厨房から高級酒をもらってきて、白哉の空になった盃に酒を注ぐ。
それを白哉は一気に飲み干した。
恋次も真似するが、アルコール度が高くて、胸が焼かれるようだった。
「隊長、よくこんな強い酒一気に飲めますね」
「外で抱かれてしまったなど、酔って忘れたい」
「えー。いいじゃないっすか、たまには」
「人払いしていたとはいえ、朽木家には使用人がおおい。私たちが番であることは知っており、邪魔はしてこぬが」
「隊長、桜の花びら髪についてます」
白夜の艶やかな黒髪についた桜の花びらをとると、口移しで強い酒を飲ませられた。
「隊長、酔いつぶれてしまいます」
「ふふ。酔いつぶれてしまえ」
「隊長の腕の中で寝れるなら」
「当然放置する」
「あ、酷い」
恋次は、そう言いながらも、白哉に酒を注がれて、強い酒に酔ってしまいには寝てしまうのであった。
「お前は、私のものだ。他には、渡さぬ」
白哉は隊長羽織を眠る恋次にかけて、一人で桜を見上げながら酒を飲むのであった。
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桜のあやかしと共に81
「回転寿司を食べにいかないか」
突然そう言われて、鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹は頭に?マークを浮かべた。
言い出したのは、浮竹だった。
「鴆の京楽が人が無理だろうから、あやかし専門の回転寿司の店を見つけたんだ」
『回転寿司ってなんだ?』
彼岸花の精霊の浮竹は、回転寿司に行ったことも聞いたことも見たこともない。鴆の京楽は名前だけは知っているらしかった。
「寿司がね、ぐるーって回ってくるんだよ。欲しい寿司を皿をとって食べるんだよ」
『ほう、おもしろそうだな。行きたい』
『ボクも行ってみたいね。ボクが人間が無理だから、わざわざあやかし専門の店を見繕ってくれたんでしょ?』
「べ、別に鴆の京楽のためなんかじゃないんだからな。たまたまあやかし専門店だっただけだ」
「でたよ、浮竹のツンデレ」
京楽は、苦笑していた。
鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹は、脳内で回る寿司をイメージする。
『おいしいのか?』
「味は悪くないはずだよ。人の店で修行した九尾狐が店を開いてるんだ」
『行こう。今すぐに』
彼岸花の精霊の浮竹は、鴆の京楽の腕をとる。
「じゃあ、行こうか。あやかしまんじゅうを売ってる店の近くにあるんだ」
「ちおみに、かっぱ巻きは本物のかっぱが作ってるそうだよ」
それを想像して、なんだかシュールな気分になった。
4人で、あやかしまんじゅうを買いにいくついでに、回転寿司屋に入る。
いろんなあやかしがいて、けっこうにぎわっていた。
「うにが食べたい」
「ボクは大トロ」
浮竹と京楽は、高級な料理に慣れているため、回転寿司よりも普通の寿司屋にいくことのほうが多かった。
『じゃあ、俺はかっぱ巻きで』
『ボクもかっぱ巻きで』
「もっといいいものくえ。金はすべて、京楽が出すぞ」
「ええ、ボクなの!?」
「俺は金なんてもってきてないぞ。まぁ、店の主人の九尾狐とは知り合いなので、つけはきくけどな」
『かっぱがかっぱ巻き作っているのがみたい』
店の中心で、従業員が寿司を握って、回転する場所に乗せていく。
『おお、本当にかっぱがかっぱ巻き作ってる』
彼岸花の精霊の浮竹は、面白そうにその光景を見ていた。
『かっぱ巻き‥‥意外とおいしいね?』
鴆の京楽が、かっぱ巻きの皿をとって、中身を口にする。
「ここの店の従業員は、皆慣れているからな」
浮竹は、うにののった寿司をとった。
一皿で同じ額ではなく、寿司のネタによって値段が違った。
「あ、大トロとられちゃた。次くるのまつかな」
「九尾狐、大トロを頼む」
「お、桜の王の旦那じゃないですか。急いで握りますよ」
京楽は、大トロを食べれた。
鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹は、まわってくる寿司をどんどんとって食べていく。
海の幸をあまり食したことがないので、気に入ったらしい。
『ああ、食べた食べた』
『ボクも満足だよ。回転寿司というわりには、本格的な寿司ばっかりだったね』
会計を京楽が払って、重かった財布はすっかり軽くなっていた。
帰りにあやかしまんじゅうをたくさん買って、4人は帰宅した。
『楽しかったよ。ありがとう』
『俺も楽しかったし、おいしかった』
「どこか行きたいとこがあったら、俺か京楽に言うといい。京楽の金で連れていけるところには連れていくから」
鴆の京楽が、人がだめなので、行けるところは限られているが。
『今度は、海にいってみたい』
彼岸花の精霊の浮竹がそう言うと、京楽が笑う。
「おやすい御用だよ。ボクのもってるプライベートビーチなら、人もいないし自由にできるよ」
『桜鬼の京楽は、金持ちだな』
『そうだねぇ。住んでるところからして、お金あるねぇ』
「まぁ、親からもらったものだけどね。あやかしになってから、会いにいってないけど」
浮竹は、それに少し悲しそうな表情になる。
「お前は、俺のせいで人間からあやかしに‥‥‥」
「ううん、ボクは後悔してないから別にいいんだよ」
「春水」
「十四郎」
『しっぱりか?』
彼岸花の精霊の浮竹は、ニヤニヤと見ていて、鴆の京楽は困ったような表情をしていた。
「ああ、お前たちが返ったらしっぽりしてやる」
「お、言ったね?」
「う、冗談だ」
「はいだめー。,あうと。この後、しっぽりね?」
『がんばってしっぽりしろよ』
『ほどほどにね』
鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹は、異界渡りをして裏山の洞窟に戻っていった。
「春水、本気でするのか?」
「ボクはその気満々だよ」
「仕方ない。来い」
誘ってくる浮竹は、どこか淫らで美しかった。
----------------------------------------------------------
「ユエがやられたか。でも、悪くはなかったな」
藍染は、次の子の名前を呼ぶ。
「千早(ちはや)出番だぞ」
「はい‥‥‥」
水龍神の女をさらって、子をうませた。
神の血を引いている子だった。
千早は、藍染に従順でいることを強いられた。
「父様、四季の王を倒したら、本当に母様を元に戻してくれますか?」
「もちろんだ」
千早の母の水龍神は、藍染のせいで狂ってしまい、幽閉されていた。
「母様のためなら‥‥」
千早は、涙を浮かべながら、四季の王のところへ向かうのだった。
突然そう言われて、鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹は頭に?マークを浮かべた。
言い出したのは、浮竹だった。
「鴆の京楽が人が無理だろうから、あやかし専門の回転寿司の店を見つけたんだ」
『回転寿司ってなんだ?』
彼岸花の精霊の浮竹は、回転寿司に行ったことも聞いたことも見たこともない。鴆の京楽は名前だけは知っているらしかった。
「寿司がね、ぐるーって回ってくるんだよ。欲しい寿司を皿をとって食べるんだよ」
『ほう、おもしろそうだな。行きたい』
『ボクも行ってみたいね。ボクが人間が無理だから、わざわざあやかし専門の店を見繕ってくれたんでしょ?』
「べ、別に鴆の京楽のためなんかじゃないんだからな。たまたまあやかし専門店だっただけだ」
「でたよ、浮竹のツンデレ」
京楽は、苦笑していた。
鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹は、脳内で回る寿司をイメージする。
『おいしいのか?』
「味は悪くないはずだよ。人の店で修行した九尾狐が店を開いてるんだ」
『行こう。今すぐに』
彼岸花の精霊の浮竹は、鴆の京楽の腕をとる。
「じゃあ、行こうか。あやかしまんじゅうを売ってる店の近くにあるんだ」
「ちおみに、かっぱ巻きは本物のかっぱが作ってるそうだよ」
それを想像して、なんだかシュールな気分になった。
4人で、あやかしまんじゅうを買いにいくついでに、回転寿司屋に入る。
いろんなあやかしがいて、けっこうにぎわっていた。
「うにが食べたい」
「ボクは大トロ」
浮竹と京楽は、高級な料理に慣れているため、回転寿司よりも普通の寿司屋にいくことのほうが多かった。
『じゃあ、俺はかっぱ巻きで』
『ボクもかっぱ巻きで』
「もっといいいものくえ。金はすべて、京楽が出すぞ」
「ええ、ボクなの!?」
「俺は金なんてもってきてないぞ。まぁ、店の主人の九尾狐とは知り合いなので、つけはきくけどな」
『かっぱがかっぱ巻き作っているのがみたい』
店の中心で、従業員が寿司を握って、回転する場所に乗せていく。
『おお、本当にかっぱがかっぱ巻き作ってる』
彼岸花の精霊の浮竹は、面白そうにその光景を見ていた。
『かっぱ巻き‥‥意外とおいしいね?』
鴆の京楽が、かっぱ巻きの皿をとって、中身を口にする。
「ここの店の従業員は、皆慣れているからな」
浮竹は、うにののった寿司をとった。
一皿で同じ額ではなく、寿司のネタによって値段が違った。
「あ、大トロとられちゃた。次くるのまつかな」
「九尾狐、大トロを頼む」
「お、桜の王の旦那じゃないですか。急いで握りますよ」
京楽は、大トロを食べれた。
鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹は、まわってくる寿司をどんどんとって食べていく。
海の幸をあまり食したことがないので、気に入ったらしい。
『ああ、食べた食べた』
『ボクも満足だよ。回転寿司というわりには、本格的な寿司ばっかりだったね』
会計を京楽が払って、重かった財布はすっかり軽くなっていた。
帰りにあやかしまんじゅうをたくさん買って、4人は帰宅した。
『楽しかったよ。ありがとう』
『俺も楽しかったし、おいしかった』
「どこか行きたいとこがあったら、俺か京楽に言うといい。京楽の金で連れていけるところには連れていくから」
鴆の京楽が、人がだめなので、行けるところは限られているが。
『今度は、海にいってみたい』
彼岸花の精霊の浮竹がそう言うと、京楽が笑う。
「おやすい御用だよ。ボクのもってるプライベートビーチなら、人もいないし自由にできるよ」
『桜鬼の京楽は、金持ちだな』
『そうだねぇ。住んでるところからして、お金あるねぇ』
「まぁ、親からもらったものだけどね。あやかしになってから、会いにいってないけど」
浮竹は、それに少し悲しそうな表情になる。
「お前は、俺のせいで人間からあやかしに‥‥‥」
「ううん、ボクは後悔してないから別にいいんだよ」
「春水」
「十四郎」
『しっぱりか?』
彼岸花の精霊の浮竹は、ニヤニヤと見ていて、鴆の京楽は困ったような表情をしていた。
「ああ、お前たちが返ったらしっぽりしてやる」
「お、言ったね?」
「う、冗談だ」
「はいだめー。,あうと。この後、しっぽりね?」
『がんばってしっぽりしろよ』
『ほどほどにね』
鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹は、異界渡りをして裏山の洞窟に戻っていった。
「春水、本気でするのか?」
「ボクはその気満々だよ」
「仕方ない。来い」
誘ってくる浮竹は、どこか淫らで美しかった。
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「ユエがやられたか。でも、悪くはなかったな」
藍染は、次の子の名前を呼ぶ。
「千早(ちはや)出番だぞ」
「はい‥‥‥」
水龍神の女をさらって、子をうませた。
神の血を引いている子だった。
千早は、藍染に従順でいることを強いられた。
「父様、四季の王を倒したら、本当に母様を元に戻してくれますか?」
「もちろんだ」
千早の母の水龍神は、藍染のせいで狂ってしまい、幽閉されていた。
「母様のためなら‥‥」
千早は、涙を浮かべながら、四季の王のところへ向かうのだった。
桜のあやかしと共に80
浮竹と京楽は、鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹のいる裏山の洞窟前に来ていた。
「まずは、ユエって子をどうにかしないとね」
「でも、いつも分身体だろう」
「分身体といっても、本体と繋がっている。そこで、だよ」
京楽は、鴆の京楽の毒と、彼岸花の精霊の浮竹がもつ毒に注目した。
「二人の毒って、まぜれない?」
『可能だけど?』
鴆の京楽が、不思議そうにする。
「分身体も、本体に繋がっているはずなんだよ。猛毒を分身体に与え続けたら、本体にも効くんじゃないかと思ってね」
「京楽のくせに真面目に考えてるんだな」
「十四郎ひどい!」
浮竹は、鴆の京楽と彼岸花の精霊の自分を見た。
「毒を混ぜて、攻撃してくれるか。きっと必ず近いうちにまた現れる」
といっていた傍から、ユエが現れた。
「やあ、みんなおそろいで。今日こそあの世にいってもらうよ」
「あの世にいくのはお前のほうだ」
「ふふ、僕を倒しても、僕の本体には‥‥」
『本体にも、毒は広がっている。違うかい?』
鴆の京楽が、分身体を一度毒でしとめたことがあるので、そう言うとユエはびくっとなった。
「ふ、ふん、お前の毒なんて」
『ボクだけじゃない。浮竹のもつ彼岸花の毒も混ぜたこの毒をくらえ!』
鴆の京楽は、足を鳥の足に変えて、ユエに毒をふくんだ爪で攻撃した。
「うぐ‥‥がはっ」
『どうやら効いてるようだな』
彼岸花の精霊の浮竹は、自分の彼岸花にある毒を濃縮したものを、鴆の京楽にさしだす。
「覚えてろ!分身体は、毒でやられても、本体までには‥‥ぐおおおお」
「どうやら、本体まで届いたみたいだね?」
京楽が、猛毒を受けて死にそうなユエに、浮竹に術をかけてもらった。
「本体をひきずりだす!」
浮竹は、桜の術で瀕死のユエの本体を召喚する。
「くそ、こんな術あるなんて聞いてないぞ!」
「桜の術はいろいろあるんだ。さぁ、観念しろ」
「くそおおおおおおお!僕は神の子だぞ!こんなことが許されると思っているのか」
「どうでもいいから、早く死んで」
京楽は、式神を取り出すと、業火でユエを包み込んだ。
「ぎゃあああああああ」
「灰になりなよ」
京楽は、容赦しない。
『せっかくだから、もっと毒をあげよう』
鴆の京楽は、彼岸花の精霊の浮竹からもらった、彼岸花の毒を濃縮したもので、燃えるユエの体に毒を注入する。
「ああああああ!」
ユエは、数分苦しんでいたが、浮竹が桜の花びらをふっと吹き、炎を追加すると、骨まで残らず燃えてしまった。
『彼岸花の養分となれ』
『ちょっと、浮竹、ここはボクの家の前だから』
分身体の時も同じようなやりとりをした。
灰を養分に咲いた彼岸花は、とても美しかったが、毒の名残か数分で枯れてしまった。
「鴆の京楽の毒はすごいな?」
浮竹に褒められて、鴆の京楽は恥ずかしそうに照れて、何故か彼岸花の精霊の浮竹がえっへんといばっていた。
『俺の毒もきいたんだぞ』
「ああ、彼岸花の精霊の俺もすごいな」
『そうだろう、そうだろう:』
もっと褒めろとばかりに、彼岸花の精霊の浮竹は胸を張る。
『じゃあ、勝利を祝してしっぽりしよう!』
「どこをどうすればそうなる!?」
浮竹は、京楽を連れて、帰ろうとする。
『ふふ、また4人で楽しもうじゃないか』
「彼岸花の精霊の俺‥‥んあっ」
彼岸花の精霊の浮竹から口づけを受けて、浮竹にも火がともる。
「京楽も、一緒に‥‥」
『そうこなくちゃ』
「十四郎、いいの?」
「あ、もう戻れない」
鴆の京楽は、彼岸花の精霊を洞窟の奥に連れ込み、交わりだす。浮竹と京楽も、恥ずかしそうにしながら、藁のベッドで交わりだした。
「ああ、だめええええ。見られてるうううう」
『ふふ、桜の王の俺、かわいいぞ?ひあん!』
彼岸花の精霊の浮竹は、鴆の京楽に貫かれながら、浮竹の前をいじる。
「ひあああん、だめぇ。彼岸花の精霊の俺‥‥」
『こっちは、いやだって、いってないぞ。ひあああああん、奥にあたってるううう』
『奥、好きだもんね?』
『やぁ、ごつごつもっとしてぇ』
「京楽も、こい。俺をもっと乱らせろ」
京楽は、4人で交わるのを遠慮がちだったが、楽しんでいた。
「ボクも、奥にいっぱいあげるね?」
「ひああああん、奥にきたああ!春水のザーメン沢山出てるううう」
『桜の王、いきかたがかわいい‥‥‥ああああ、俺もいくううう」
彼岸花の精霊の浮竹は、鴆の京楽に奥まで貫かれて、いっていた。
「あああ、いくううう」
『俺もいくうう、あああ、もっとおおお』
「俺も、もっとおお」
飢えた獣のように貪欲で、淫靡で、妖艶な二人に、二人の京楽は夢中になった。
4人で交わると言っても、基本は浮竹を京楽が抱いて、彼岸花の精霊の浮竹を鴆の京楽が抱き、浮竹同士でさわりあったり、なめあったり、キスをしたりする。
「ひゃあああん、きたあ、奥に、熱いのおおおお」
京楽は、浮竹の胎の奥に子種を注ぐ。浮竹は、彼岸花の精霊の浮竹とキスをしていた。
「あ、キス、もっとおおお」
『かわいいな、桜の王の俺。いあああ、俺も奥にきたあああ。出てるううう』
鴆の京楽に奥をごつごつと抉られて、メスイキをしながら彼岸花の精霊の浮竹もいっていた。
2時間ほど、4人で睦みあって、終わると浮竹と京楽は真っ赤になった。
『悪くなかっただろう?また、しような』
彼岸花の精霊の浮竹はまだしたりなさそうで、鴆の京楽を誘う。
「お前になめられた時が、一番興奮した」
『ふふ‥‥俺のもなめてくれたしな?』
浮竹は、まだ足りないと鴆の京楽をひっぱる、彼岸花の精霊の浮竹の性欲に圧倒される。
「あれだけやっといて、まだ足りないのか」
『足りない。24時間交わりたい』
「はぁ‥‥」
浮竹は、真っ赤になりながらも、京楽と一緒に去っていった。
『ほんとに、まだやるの?』
『お前なら、できるだろう?この前性欲剤作ってただろう。あれを飲め』
鴆の京楽は、その気になった彼岸花の精霊の浮竹にしっぽりを続けさせれて、終わると疲労で寝てしまう。
『むう。まだ足りない‥‥‥』
彼岸花の精霊の浮竹は、一度冥界に帰ると、おとなのおもちゃで欲を消化していくのだった。
桜のあやかしと共に79
京楽は、自分の中の闇をどうにかするために、新婚である一護とルキアが暮らすネモフィラ畑に来ていた。
「あれ、京楽さん一人っすか?珍しいですね」
早速一護と出会う。
「いきなりで悪いんだけど、ボクの闇を‥‥‥」
京楽は、今まで出来事を一護に語って聞かせた。
「あー、その闇、もう京楽さんの一部になってる。消し去ることはできませんよ?」
「うん、それは覚悟してる。どうにか闇に飲まれないように、暴走しないようにしたいんだよ」
「じゃあ、俺が京楽さんの闇を引きずりだして、ぎゅっとしてぱぱっとして丸めますね」
「う、うん」
京楽は、一護に任せて本当に大丈夫なのかと思った。
「ひきずりだしますよ」
「ぐ‥‥‥」
京楽の姿が桜鬼になる、
「んで、ぎゅっとします」
ひっこんで、なくなったかんじがした。
「んで、ぱぱっとします」
でもそこには確かに闇があって、眠っているようなかんじだった。
「こんなもんでどうですか?」
「うん。大丈夫っぽいみたい。様子みたいから、2~3日滞在してもいいかな?」
「いいっすよ。俺とルキアの家でよければ」
「ありがとう」
急落の中の闇は、今は静かに眠りについている。
そこへ、ユエが現れた。
「あーあ、つまんない。君の中の闇、眠りについたのか」
「君は!」
「ネモフィラ畑って綺麗だよね。綺麗なもの、壊すの好きだよ」
「それは俺が許さない」
一護が前に進み出る。
「君‥‥‥太陽の王?父さんより上の、神のごとき存在というか、神そのもの。そんなの相手にしてたら、命がいくつあっても足りやしない。ボクは逃げるよ」
逃げるユエを追うように、一護は斬月というデカい刀を振り下ろす。
その衝撃波だけで、ユエの分身体はふきとんでいた。
「ちっ、本体じゃなかったか」
一護は、斬月をしまった。
「一護君‥‥‥君、すごいね。強い」
「ま、まぁ太陽の王っすから」
「こら一護、また斬月を使ったな!ネモフィラの花が一部散ってしまったではないか!」
ルキアは、小さな子を連れていた。
一護のとの間にできた、子供だった。
「ああ、すっかりこっちにきてなかったけど、結婚した時すでに妊娠していたんだったね」
「名前は苺花といいます」
「だぁだぁ」
1歳半くらいの幼子は、京楽の髪をひっぱる。
「あいたたたた」
「こら、苺花やめぬか!」
「だぁ?」
藍らしい笑みを見せられて、京楽も和む。
「2~3日、滞在したいって言ったけど、いいや。ボクも、愛しい人のところに戻るよ」
「いいんすか?まだ、闇は身のうちにあるままっすよ」
「消せないんでしょう?」
「京楽さんの意識がある限り、消えません。消したら、京楽さんの意識まで消えちまう」
「うん。闇とは、うまくつきあっていくよ。じゃあ、おじさんは帰るね、苺花ちゃん」
「だぁだぁ」
苺花は、よだれを京楽につけた。
「こら、苺花!」
「まぁまぁ。こんなに幼いんだし」
「すみません、京楽殿」
ルキアは、すまなさそうに、自分の愛しい幼子を抱っこしなおした。
「じゃあ、またね」
「今度は、浮竹さんも連れて来てくださいね」
「京楽殿、浮竹殿にもよろしく!」
「うん、またねぇ」
京楽は、一護たちと別れを告げたが、すぐにはマンションに戻らず、鴆の京楽のところにいった。
『あれ、家出したって聞いたんだけど』
「ちょっとね。太陽の王に、闇を封じてもらったんだ」
『お前の中にすくう、闇は好きだったんだがな?』
彼岸花の精霊の浮竹が、着物を乱して洞窟の奥から現れる。
『浮竹、そういうこと言わないの』
『つまらん。しっぽりの続きをしよう、京楽』
『ちょっと、さんざんやったでしょ!』
『まだ足りない』
彼岸花の精霊の浮竹は、りろちと舌で唇をなめる。そういうえば、浮竹もたまに同じことをするなと思いつつ、妖艶になった時の浮竹を思い出すと、京楽までしっぽりしたくなってきた。
「じゃあ、ボクは家に戻るね」
『気をつけなよ。ユエっての、まだ生きてるみたいだから』
「もうあった。一護君の一撃でふきとんでいった」
『ああ、話に聞いてた太陽の王か』
彼岸花の精霊の浮竹派、一護に興味をもったようだった。
「ちなみに、妻帯してるし子供もいるからね?」
『なんだ、しっぽりには混ぜれそうにないか』:
『ちょ、浮竹何考えてるの!』
『より楽しくしっぽりできる方法を』
漫才のような二人を放置して、京楽は帰宅した。
「おかえり、春水。心配なんて、これっぽっちもしてなかったんだからな」
「目が赤いよ。泣いてた?」
「目にゴミが入っただけだ」
強がる浮竹を抱きしめると、浮竹はおとなしく京楽のされるがままになっていた。
「待て。どこを触っている」
「このまま。しっぽりしようと思って!」
京楽は、結局1週間ほど行方をくらましていたが、こうやって無事に帰ってきて、浮竹からハリセンをくらうのであった。
「あれ、京楽さん一人っすか?珍しいですね」
早速一護と出会う。
「いきなりで悪いんだけど、ボクの闇を‥‥‥」
京楽は、今まで出来事を一護に語って聞かせた。
「あー、その闇、もう京楽さんの一部になってる。消し去ることはできませんよ?」
「うん、それは覚悟してる。どうにか闇に飲まれないように、暴走しないようにしたいんだよ」
「じゃあ、俺が京楽さんの闇を引きずりだして、ぎゅっとしてぱぱっとして丸めますね」
「う、うん」
京楽は、一護に任せて本当に大丈夫なのかと思った。
「ひきずりだしますよ」
「ぐ‥‥‥」
京楽の姿が桜鬼になる、
「んで、ぎゅっとします」
ひっこんで、なくなったかんじがした。
「んで、ぱぱっとします」
でもそこには確かに闇があって、眠っているようなかんじだった。
「こんなもんでどうですか?」
「うん。大丈夫っぽいみたい。様子みたいから、2~3日滞在してもいいかな?」
「いいっすよ。俺とルキアの家でよければ」
「ありがとう」
急落の中の闇は、今は静かに眠りについている。
そこへ、ユエが現れた。
「あーあ、つまんない。君の中の闇、眠りについたのか」
「君は!」
「ネモフィラ畑って綺麗だよね。綺麗なもの、壊すの好きだよ」
「それは俺が許さない」
一護が前に進み出る。
「君‥‥‥太陽の王?父さんより上の、神のごとき存在というか、神そのもの。そんなの相手にしてたら、命がいくつあっても足りやしない。ボクは逃げるよ」
逃げるユエを追うように、一護は斬月というデカい刀を振り下ろす。
その衝撃波だけで、ユエの分身体はふきとんでいた。
「ちっ、本体じゃなかったか」
一護は、斬月をしまった。
「一護君‥‥‥君、すごいね。強い」
「ま、まぁ太陽の王っすから」
「こら一護、また斬月を使ったな!ネモフィラの花が一部散ってしまったではないか!」
ルキアは、小さな子を連れていた。
一護のとの間にできた、子供だった。
「ああ、すっかりこっちにきてなかったけど、結婚した時すでに妊娠していたんだったね」
「名前は苺花といいます」
「だぁだぁ」
1歳半くらいの幼子は、京楽の髪をひっぱる。
「あいたたたた」
「こら、苺花やめぬか!」
「だぁ?」
藍らしい笑みを見せられて、京楽も和む。
「2~3日、滞在したいって言ったけど、いいや。ボクも、愛しい人のところに戻るよ」
「いいんすか?まだ、闇は身のうちにあるままっすよ」
「消せないんでしょう?」
「京楽さんの意識がある限り、消えません。消したら、京楽さんの意識まで消えちまう」
「うん。闇とは、うまくつきあっていくよ。じゃあ、おじさんは帰るね、苺花ちゃん」
「だぁだぁ」
苺花は、よだれを京楽につけた。
「こら、苺花!」
「まぁまぁ。こんなに幼いんだし」
「すみません、京楽殿」
ルキアは、すまなさそうに、自分の愛しい幼子を抱っこしなおした。
「じゃあ、またね」
「今度は、浮竹さんも連れて来てくださいね」
「京楽殿、浮竹殿にもよろしく!」
「うん、またねぇ」
京楽は、一護たちと別れを告げたが、すぐにはマンションに戻らず、鴆の京楽のところにいった。
『あれ、家出したって聞いたんだけど』
「ちょっとね。太陽の王に、闇を封じてもらったんだ」
『お前の中にすくう、闇は好きだったんだがな?』
彼岸花の精霊の浮竹が、着物を乱して洞窟の奥から現れる。
『浮竹、そういうこと言わないの』
『つまらん。しっぽりの続きをしよう、京楽』
『ちょっと、さんざんやったでしょ!』
『まだ足りない』
彼岸花の精霊の浮竹は、りろちと舌で唇をなめる。そういうえば、浮竹もたまに同じことをするなと思いつつ、妖艶になった時の浮竹を思い出すと、京楽までしっぽりしたくなってきた。
「じゃあ、ボクは家に戻るね」
『気をつけなよ。ユエっての、まだ生きてるみたいだから』
「もうあった。一護君の一撃でふきとんでいった」
『ああ、話に聞いてた太陽の王か』
彼岸花の精霊の浮竹派、一護に興味をもったようだった。
「ちなみに、妻帯してるし子供もいるからね?」
『なんだ、しっぽりには混ぜれそうにないか』:
『ちょ、浮竹何考えてるの!』
『より楽しくしっぽりできる方法を』
漫才のような二人を放置して、京楽は帰宅した。
「おかえり、春水。心配なんて、これっぽっちもしてなかったんだからな」
「目が赤いよ。泣いてた?」
「目にゴミが入っただけだ」
強がる浮竹を抱きしめると、浮竹はおとなしく京楽のされるがままになっていた。
「待て。どこを触っている」
「このまま。しっぽりしようと思って!」
京楽は、結局1週間ほど行方をくらましていたが、こうやって無事に帰ってきて、浮竹からハリセンをくらうのであった。
桜のあやかしと共に78
ユエがまたやってきたが、鴆の京楽と彼岸花の精霊jの浮竹の前で、彼岸花にされて散ってしまった。
「やはり、分身体では力不足か」
ユエは、ゆっくりと住処の屋敷で起きた。
ソファーの上で横になって、分身体を操っていたのだ。
「彼岸花の精霊の浮竹か。彼岸花にされてしまった。注意が必要だな。京楽は闇に落ちたが、今頃元に戻っているだろうな」
京楽は、一度完全に闇に飲まれたが、彼岸花の精霊の浮竹の力を借りた形で、浮竹が彼岸花の中から出てきて、桜鬼になってしまった京楽にキスをして、抱きしめた。
鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹は、傷だけ治してあとは二人の問題だからと、去ってしまった。
浮竹は、膝に京楽の頭をのせて、京楽が目覚めるのを待った。
「う‥‥」
「京楽、目が覚めたのか?」
「あ、十四郎、ボクはなんてことを!君を守ると言いながら、ボクの手で君を傷つけてしまった!!!」
「ケガは、鴆の京楽が治してくれた。お前は闇に飲まれていたんだ」
「それでも、ボクは君を傷つけたボク自身が許せない」
京楽は、桜鬼の姿から、人の姿に戻っていたが、手だけ桜鬼のものにすると、尖った爪で自身を傷つける。
「やめろ!」
浮竹は、京楽の手をとると、同じ場所に傷をつくる。
「十四郎、なんで!」
「お前が傷を自分につけるなら、俺も同じ傷をつける。一緒じゃなきゃ、嫌だ」
「十四郎‥‥‥こんなボクでも、まだ愛してくれるかい?」
「何を言っているんだ。俺が愛しているのは、お前だけだ」
「でも、白哉くんや鴆のボクや彼岸花の精霊の君は?」
「家族愛と友愛だ。恋愛感情で愛しているのは、お前だけだ」
京楽は、ぽたりと一滴涙を零す。
「傷、癒すからもっとそばにきて?」
「お前の傷を先に治せ」
「うん、分かった。治したよ。さぁ、次は十四郎の番だ」
「春」から受け継いだ治癒能力で、京楽は自分で傷つけた傷と、同じ傷を作った浮竹の傷を癒す。
「闇に飲まれてごめん。制御できてたつもりだったのに」
「お前が、ちゃんと生きて俺の傍にいるか、確かめさせてくれ」
浮竹は、自分から深い口づけを交わす。
「んんんっ、あっ」
それに京楽が答える。
「一緒に、ぐちゃぐちゃになっちゃおう。桜の王も桜鬼も関係なく」
京楽は、浮竹を抱きしめてマンションに戻ると、結界をはった。
白哉がいたので、念のlために。
「あっ」
胸の先端ばかりいじられて、浮竹は切なそうな顔をする。
「我慢できない?」
「できない。お前をくれ。お前で、ぐちゃぐちゃにしてくれ」
京楽は、あえて浮竹の全身を愛撫する。
「あ、もういいからぁ」
「ボクが、確かめたいの。君が生きていることを」
京楽は、浮竹のものをこすりあげて、口にふむみ、舐めころがす。
「ひああああああ!」
いきなりの強烈な快感に、浮竹が啼く。
「あああ、あ、あ、もっと」
京楽は、浮竹のものをしごきあげて、鈴口に舌をねじ込み、精液を出させた。
「ひああああん!」
「こっちも、いじるよ?」
蕾にローションをまとわせた指が入り込む。
「あああ、前も後ろも一緒はだめえええ」
京楽は、浮竹のものをまた口に含み口淫しながら、後ろの蕾の前立腺を指ですりあげる。
「ひあああああああ!!!!」
浮竹は、中いきと同時に精液をまた吐き出していた。
「いくの、早いね?」
「春水のばかぁ」
「十四郎、ボクが傍にいるって確認でききた?」
「あ、一つになりたい」
「分かったよ」
京楽は、浮竹の右足を肩に担ぎあげると、いきなり深く挿入した。
「ひあん!激しいいい」
中に侵入してきた京楽の熱は、浮竹の中でうねる。
深く、浅く、深く、浅くを繰り返されえて、浮竹は京楽に口づけを求めた。
「春水、キスして」
「はいはい。お姫様の言う通りに」
「んああああああ!!やああ、大きいのきたああああ」
口づけしおわると、京楽は浮竹の最奥を穿ち、浮竹はメスいきをしていた。
「あうううううう、子種が、びゅるびゅるきてるうう」
京楽は、浮竹の胎の奥で、長い射精をする。
・
「ひあん、とまらないいい。京楽のザーメンたっぷり注がれたあああ」
「全部、飲みほしてね?」
「いやああああ、まだ出てるうううう」
「ふふ、いっぱいあげるね?」
「やあああああ」
浮竹は、灼熱の海の飲まれて意識を失う。
「うっ」
京楽は、また闇に飲まれそうになって、浮竹を清めて服を着せてから、荷物をまとめた。
「このままじゃ、ボクはまた君を傷つけてしまう。少しだけ、さよならだよ、十四郎」
京楽は、浮竹の額にキスをして、マンションを出ていこうとする。
「どこにいくのだ、京楽。兄がいなくなれば、浮竹が平静を失う」
白夜が、結界から出てきて、どこかに行きそうな京楽に声をかける。
「いや、ちょっとネモフィラ畑にまで。遠くに家出すると、十四郎が泣いちゃうからね。太陽の王、一護君の力で、闇をどうにかしてもらうよ」
「黒崎一護か。あれは、忘れがちだが太陽の王であったな」
「そう。長老神藍染より上の存在。彼なら、ボクの中の闇を消すことはできなくても、暴走しないようにしてくれるかもしれない。あとルキアちゃんとの新婚生活を邪魔しに」
「兄も、意地が悪いな」
「ふふ。ボクがいない間、十四郎のこと、頼んだよ」
「ああ、任せておけ」
京楽は、そうしていなくなった。
気づいた時、傍にいない京楽に浮竹は困惑したが、ネモフィラ畑のほうに妖力を感じて、寂しいので思いっきり白哉に甘えるのであった。
「やはり、分身体では力不足か」
ユエは、ゆっくりと住処の屋敷で起きた。
ソファーの上で横になって、分身体を操っていたのだ。
「彼岸花の精霊の浮竹か。彼岸花にされてしまった。注意が必要だな。京楽は闇に落ちたが、今頃元に戻っているだろうな」
京楽は、一度完全に闇に飲まれたが、彼岸花の精霊の浮竹の力を借りた形で、浮竹が彼岸花の中から出てきて、桜鬼になってしまった京楽にキスをして、抱きしめた。
鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹は、傷だけ治してあとは二人の問題だからと、去ってしまった。
浮竹は、膝に京楽の頭をのせて、京楽が目覚めるのを待った。
「う‥‥」
「京楽、目が覚めたのか?」
「あ、十四郎、ボクはなんてことを!君を守ると言いながら、ボクの手で君を傷つけてしまった!!!」
「ケガは、鴆の京楽が治してくれた。お前は闇に飲まれていたんだ」
「それでも、ボクは君を傷つけたボク自身が許せない」
京楽は、桜鬼の姿から、人の姿に戻っていたが、手だけ桜鬼のものにすると、尖った爪で自身を傷つける。
「やめろ!」
浮竹は、京楽の手をとると、同じ場所に傷をつくる。
「十四郎、なんで!」
「お前が傷を自分につけるなら、俺も同じ傷をつける。一緒じゃなきゃ、嫌だ」
「十四郎‥‥‥こんなボクでも、まだ愛してくれるかい?」
「何を言っているんだ。俺が愛しているのは、お前だけだ」
「でも、白哉くんや鴆のボクや彼岸花の精霊の君は?」
「家族愛と友愛だ。恋愛感情で愛しているのは、お前だけだ」
京楽は、ぽたりと一滴涙を零す。
「傷、癒すからもっとそばにきて?」
「お前の傷を先に治せ」
「うん、分かった。治したよ。さぁ、次は十四郎の番だ」
「春」から受け継いだ治癒能力で、京楽は自分で傷つけた傷と、同じ傷を作った浮竹の傷を癒す。
「闇に飲まれてごめん。制御できてたつもりだったのに」
「お前が、ちゃんと生きて俺の傍にいるか、確かめさせてくれ」
浮竹は、自分から深い口づけを交わす。
「んんんっ、あっ」
それに京楽が答える。
「一緒に、ぐちゃぐちゃになっちゃおう。桜の王も桜鬼も関係なく」
京楽は、浮竹を抱きしめてマンションに戻ると、結界をはった。
白哉がいたので、念のlために。
「あっ」
胸の先端ばかりいじられて、浮竹は切なそうな顔をする。
「我慢できない?」
「できない。お前をくれ。お前で、ぐちゃぐちゃにしてくれ」
京楽は、あえて浮竹の全身を愛撫する。
「あ、もういいからぁ」
「ボクが、確かめたいの。君が生きていることを」
京楽は、浮竹のものをこすりあげて、口にふむみ、舐めころがす。
「ひああああああ!」
いきなりの強烈な快感に、浮竹が啼く。
「あああ、あ、あ、もっと」
京楽は、浮竹のものをしごきあげて、鈴口に舌をねじ込み、精液を出させた。
「ひああああん!」
「こっちも、いじるよ?」
蕾にローションをまとわせた指が入り込む。
「あああ、前も後ろも一緒はだめえええ」
京楽は、浮竹のものをまた口に含み口淫しながら、後ろの蕾の前立腺を指ですりあげる。
「ひあああああああ!!!!」
浮竹は、中いきと同時に精液をまた吐き出していた。
「いくの、早いね?」
「春水のばかぁ」
「十四郎、ボクが傍にいるって確認でききた?」
「あ、一つになりたい」
「分かったよ」
京楽は、浮竹の右足を肩に担ぎあげると、いきなり深く挿入した。
「ひあん!激しいいい」
中に侵入してきた京楽の熱は、浮竹の中でうねる。
深く、浅く、深く、浅くを繰り返されえて、浮竹は京楽に口づけを求めた。
「春水、キスして」
「はいはい。お姫様の言う通りに」
「んああああああ!!やああ、大きいのきたああああ」
口づけしおわると、京楽は浮竹の最奥を穿ち、浮竹はメスいきをしていた。
「あうううううう、子種が、びゅるびゅるきてるうう」
京楽は、浮竹の胎の奥で、長い射精をする。
・
「ひあん、とまらないいい。京楽のザーメンたっぷり注がれたあああ」
「全部、飲みほしてね?」
「いやああああ、まだ出てるうううう」
「ふふ、いっぱいあげるね?」
「やあああああ」
浮竹は、灼熱の海の飲まれて意識を失う。
「うっ」
京楽は、また闇に飲まれそうになって、浮竹を清めて服を着せてから、荷物をまとめた。
「このままじゃ、ボクはまた君を傷つけてしまう。少しだけ、さよならだよ、十四郎」
京楽は、浮竹の額にキスをして、マンションを出ていこうとする。
「どこにいくのだ、京楽。兄がいなくなれば、浮竹が平静を失う」
白夜が、結界から出てきて、どこかに行きそうな京楽に声をかける。
「いや、ちょっとネモフィラ畑にまで。遠くに家出すると、十四郎が泣いちゃうからね。太陽の王、一護君の力で、闇をどうにかしてもらうよ」
「黒崎一護か。あれは、忘れがちだが太陽の王であったな」
「そう。長老神藍染より上の存在。彼なら、ボクの中の闇を消すことはできなくても、暴走しないようにしてくれるかもしれない。あとルキアちゃんとの新婚生活を邪魔しに」
「兄も、意地が悪いな」
「ふふ。ボクがいない間、十四郎のこと、頼んだよ」
「ああ、任せておけ」
京楽は、そうしていなくなった。
気づいた時、傍にいない京楽に浮竹は困惑したが、ネモフィラ畑のほうに妖力を感じて、寂しいので思いっきり白哉に甘えるのであった。
桜のあやかしと共に77
「お前は、満月の日に生まれてきた。月とかいてユエと読む名を与えよう」
藍染は、ろくろ首の女の腹を破ってうまれてきた男児に、ユエと名付けた。
禁呪の成長促進の術と薬を使って、まだ幼子だったユエはたった1日で15歳くらいにまで成長した。
「さぁ、父のために四季の王を、桜の王であり花神でもある浮竹を殺すのだ」
「‥‥‥‥はい」
ユエは、金髪碧眼で、とても藍染とろくろ首の女との子には見えなかった。
藍染は、腹のうちにいる頃から薬を使い、桜の花鬼として生まれるようにした。
ユエは、桜の上級花鬼だった。
浮竹にとって、桜の花鬼は同胞だ。きっと油断するに違いない。
藍染めにとって、世界は自分を中心に回っている。
前の桜の花鬼の娘のようにならないように、浮竹を強く敵だと思い込ませた。
-------------------------------------------
「釣れんな」
「釣れないねぇ」
その頃の浮竹と京楽は、裏山に流れる川で魚釣りをしていた。
都会の中の山なので、自然は残されているが、鴆の京楽が山の王の居楽だった頃のに住んでいた山の川では鮎やヤマメが釣れたが、鴆の京楽が今住んでいる山の川にはいなかった。
「ざりがに釣りしよう」
「え、ざりがに?食べるの?」
「外国では食用として人気があるんだぞ。まぁ、釣っても俺は料理しないし食べないが」
「じゃあ釣る意味ないじゃない」
「遊びだ、遊び。それにザリガニはアメリカザリガニで、生態系を壊す。駆除だな」
「ふーん」
そこへ、彼岸花の精霊の浮竹がやってくる。
『何か釣れたか?てっきり釣りを放り出してしっぽりしていると思ってきたのに、感が外れたか:』
「こんな真昼間っから、外でやるほど飢えてない!」
「えー。外も刺激的でいいと思うけどねぇ」
「うるさい、タコ!」
浮竹は、もってきていたハリセンで、京楽の頭をはたく。
『ザリガニをとっているのか?』
「ああ。食えなくもないが‥‥」
『じゃあ、もって帰って京楽に調理してもらおう』
「ザリガニだぞ?」
「ザリガニだよ?」
『ああ、ザリガニを食う。あやかしは少々げてものでも食えるぞ』
彼岸花の精霊の浮竹の言葉に、二人は顔を見合わす。
浮竹と京楽は、人間に食事の中でも高級なものばかりを食しているせいで、ザリガニを食べるという発想がなかった。
「少し待ってろ。もっといっぱい釣るから」
『ふふ、慌てなくていいんだぞ?』
今日は、鴆の京楽の誕生日だった。
浮竹と京楽は、ささやかな宴を開きたいといって、料理、お菓子、お酒、ジュースなどを手に鴆の京楽のところにきた。
鴆の京楽は、薬師としての仕事があるからと、宴は夜にしてほしいと言われて、暇になった浮竹と京楽は、川で釣りをすることにしたのだった。
「ん‥‥馴染みのない妖力を感じるな。鴆の京楽の客か?」
浮竹が、たくさん釣れたザリガニをばけつに放り込む。
「違う、これは‥‥藍染の匂いがかすかにする!」
「手下か」
『彼岸花の養分に変えてやる』
彼岸花の精霊の浮竹も、臨戦態勢をとる。
やってきたのは、金髪碧眼の、どう見ても外国人にしか見えない、桜の上級花鬼だった。
「父さんが、お前を殺せとうるさいんだ。死んでくれ」
「お前が死ね!」
浮竹は、桜の花びらをふっと吹くと、それは炎となってユエを包む。
「効かないね」
「縛!天空破邪、天炎!」
京楽が放った術を受けても、ユエは平気そうな顔をしていた。
『彼岸花の養分となれ:』
「君がなりなよ」
『なに、返された!?』
思った以上の強敵に、3人が一斉に攻撃を加えようとすると、ユエはあくびをした。
「弱くてつまらない。帰る」
「「『はぁ!?』」」
3人は、緊張感が全くない敵に、おまけに敵意もほとんど感じられずに、顔を見合わせる。
「また、父さんがうるさいようなら、遊びにくるからね」
そう言って、ユエは空気に溶けてしまった。
「もう来るな!」
「そうだそうだ」
『今日は京楽の誕生日なんだ。台無しになる前に、俺たちも戻ろう。京楽のところにも、敵が来ているかもしれない』
彼岸花の精霊の浮竹は、ザリガニがいっぱいはいったばけつを手に、浮竹と京楽と共に、鴆の京楽のところに帰る。
『あれ、どうしたの。そんなに慌てて』
「俺たちのところに、藍染の子が来たんだ。名乗りもせず、消えてしまったが」
『ああ、桜の上級花鬼?ユエって名前だそうだよ。藍染に盛るからと、モレ草をもっていったよ』
鴆の京楽は、先ほどまでいた少年を思い出す。
「ぶはっ」
「浮竹、笑っちゃだめだよ」
「でも、実の子供にモレ草もられるんだぞ‥‥‥ぷくくく」
『京楽、無事でよかった。少し早いが、誕生日パーティーをはじめよう』
『みんな、ありがとね。ボクなんかのために』
「ケーキは俺が作った。彼岸花の精霊の俺も、手伝ってくれたぞ」
『浮竹‥‥‥‥』:
『京楽‥‥‥しっぽりしたい』
「はい、却下。しっぽりは、パーティーガ終わった後でしてくれ」
鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹は、酒を飲んだ。
禁止しているのに、浮竹が勝手に酒を飲んでしまい、パーティーをめちゃくちゃにした挙句、鴆の京楽を押し倒すので、彼岸花の精霊の浮竹は。
『3Pするのか?』
と、京楽を悩また。
「ごめんね、回収していくから」
酔って眠った浮竹をおんぶして、京楽は「またね」と言って、帰っていくのであった。
「浮竹十四郎。父さんが、目の敵にする相手。でも、四季の王で桜の花神であるわりには、弱そうだったなぁ」
与えられた住処で、ユエは浮竹を思い出す。
「どちらかとうと、京楽春水‥‥あっちのほうが、闇をもっていてどうにかしやすいな」
ユエは、笑う。
飾られたしゃれこうべたちおも、カラカタと笑うのだった。
藍染は、ろくろ首の女の腹を破ってうまれてきた男児に、ユエと名付けた。
禁呪の成長促進の術と薬を使って、まだ幼子だったユエはたった1日で15歳くらいにまで成長した。
「さぁ、父のために四季の王を、桜の王であり花神でもある浮竹を殺すのだ」
「‥‥‥‥はい」
ユエは、金髪碧眼で、とても藍染とろくろ首の女との子には見えなかった。
藍染は、腹のうちにいる頃から薬を使い、桜の花鬼として生まれるようにした。
ユエは、桜の上級花鬼だった。
浮竹にとって、桜の花鬼は同胞だ。きっと油断するに違いない。
藍染めにとって、世界は自分を中心に回っている。
前の桜の花鬼の娘のようにならないように、浮竹を強く敵だと思い込ませた。
-------------------------------------------
「釣れんな」
「釣れないねぇ」
その頃の浮竹と京楽は、裏山に流れる川で魚釣りをしていた。
都会の中の山なので、自然は残されているが、鴆の京楽が山の王の居楽だった頃のに住んでいた山の川では鮎やヤマメが釣れたが、鴆の京楽が今住んでいる山の川にはいなかった。
「ざりがに釣りしよう」
「え、ざりがに?食べるの?」
「外国では食用として人気があるんだぞ。まぁ、釣っても俺は料理しないし食べないが」
「じゃあ釣る意味ないじゃない」
「遊びだ、遊び。それにザリガニはアメリカザリガニで、生態系を壊す。駆除だな」
「ふーん」
そこへ、彼岸花の精霊の浮竹がやってくる。
『何か釣れたか?てっきり釣りを放り出してしっぽりしていると思ってきたのに、感が外れたか:』
「こんな真昼間っから、外でやるほど飢えてない!」
「えー。外も刺激的でいいと思うけどねぇ」
「うるさい、タコ!」
浮竹は、もってきていたハリセンで、京楽の頭をはたく。
『ザリガニをとっているのか?』
「ああ。食えなくもないが‥‥」
『じゃあ、もって帰って京楽に調理してもらおう』
「ザリガニだぞ?」
「ザリガニだよ?」
『ああ、ザリガニを食う。あやかしは少々げてものでも食えるぞ』
彼岸花の精霊の浮竹の言葉に、二人は顔を見合わす。
浮竹と京楽は、人間に食事の中でも高級なものばかりを食しているせいで、ザリガニを食べるという発想がなかった。
「少し待ってろ。もっといっぱい釣るから」
『ふふ、慌てなくていいんだぞ?』
今日は、鴆の京楽の誕生日だった。
浮竹と京楽は、ささやかな宴を開きたいといって、料理、お菓子、お酒、ジュースなどを手に鴆の京楽のところにきた。
鴆の京楽は、薬師としての仕事があるからと、宴は夜にしてほしいと言われて、暇になった浮竹と京楽は、川で釣りをすることにしたのだった。
「ん‥‥馴染みのない妖力を感じるな。鴆の京楽の客か?」
浮竹が、たくさん釣れたザリガニをばけつに放り込む。
「違う、これは‥‥藍染の匂いがかすかにする!」
「手下か」
『彼岸花の養分に変えてやる』
彼岸花の精霊の浮竹も、臨戦態勢をとる。
やってきたのは、金髪碧眼の、どう見ても外国人にしか見えない、桜の上級花鬼だった。
「父さんが、お前を殺せとうるさいんだ。死んでくれ」
「お前が死ね!」
浮竹は、桜の花びらをふっと吹くと、それは炎となってユエを包む。
「効かないね」
「縛!天空破邪、天炎!」
京楽が放った術を受けても、ユエは平気そうな顔をしていた。
『彼岸花の養分となれ:』
「君がなりなよ」
『なに、返された!?』
思った以上の強敵に、3人が一斉に攻撃を加えようとすると、ユエはあくびをした。
「弱くてつまらない。帰る」
「「『はぁ!?』」」
3人は、緊張感が全くない敵に、おまけに敵意もほとんど感じられずに、顔を見合わせる。
「また、父さんがうるさいようなら、遊びにくるからね」
そう言って、ユエは空気に溶けてしまった。
「もう来るな!」
「そうだそうだ」
『今日は京楽の誕生日なんだ。台無しになる前に、俺たちも戻ろう。京楽のところにも、敵が来ているかもしれない』
彼岸花の精霊の浮竹は、ザリガニがいっぱいはいったばけつを手に、浮竹と京楽と共に、鴆の京楽のところに帰る。
『あれ、どうしたの。そんなに慌てて』
「俺たちのところに、藍染の子が来たんだ。名乗りもせず、消えてしまったが」
『ああ、桜の上級花鬼?ユエって名前だそうだよ。藍染に盛るからと、モレ草をもっていったよ』
鴆の京楽は、先ほどまでいた少年を思い出す。
「ぶはっ」
「浮竹、笑っちゃだめだよ」
「でも、実の子供にモレ草もられるんだぞ‥‥‥ぷくくく」
『京楽、無事でよかった。少し早いが、誕生日パーティーをはじめよう』
『みんな、ありがとね。ボクなんかのために』
「ケーキは俺が作った。彼岸花の精霊の俺も、手伝ってくれたぞ」
『浮竹‥‥‥‥』:
『京楽‥‥‥しっぽりしたい』
「はい、却下。しっぽりは、パーティーガ終わった後でしてくれ」
鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹は、酒を飲んだ。
禁止しているのに、浮竹が勝手に酒を飲んでしまい、パーティーをめちゃくちゃにした挙句、鴆の京楽を押し倒すので、彼岸花の精霊の浮竹は。
『3Pするのか?』
と、京楽を悩また。
「ごめんね、回収していくから」
酔って眠った浮竹をおんぶして、京楽は「またね」と言って、帰っていくのであった。
「浮竹十四郎。父さんが、目の敵にする相手。でも、四季の王で桜の花神であるわりには、弱そうだったなぁ」
与えられた住処で、ユエは浮竹を思い出す。
「どちらかとうと、京楽春水‥‥あっちのほうが、闇をもっていてどうにかしやすいな」
ユエは、笑う。
飾られたしゃれこうべたちおも、カラカタと笑うのだった。
桜のあやかしと共に76
この前、浮竹を攫った夜叉神が訪ねてきた。
「この前は、脅されていたとはいえ、悪かった」
「もうすんだこどだ。人質は返してもらったんだろう?」
浮竹が対応した。
「かえってきたが、藍染に変な薬を使われたらしい。藍染様といって、出ていこうとするんだ」
「ああ、それならいい薬師を紹介しよう」
浮竹は裏山に住む鴆の京楽を紹介する。
「乗りかかった船だ。人を怖がるから、直接は診てもらえないかもしれないが、魅了の術であったら、俺が解除しよう」
「十四郎、いいの?」
「ああ。とりあえず、女性を連れてきてくれ」
夜叉神は、一度帰り恋人である人間の女性を連れて来た。
「藍染様はどこ!?」
女性は魅了の術と薬を使われていたらしく、浮竹が桜の術でまずは魅了を解除した。
「京楽、彼女を見ていてくれ。鴆の京楽のところに、夜叉神といってくる」
「うん、分かったよ」
京樂は、女性を見守るためにお留守番だった。白哉もいるので、安心できた。
「藍染様のところにいかせて!」
「うっとうしいなぁ。白哉くん、眠らせることはできる?」
「ああ、可能だ。このままでは、暴れ出しかねない。桜の術で眠ってもらおう」
白哉は、ふっと桜の花びらを女性に向けて吹くと、女性は眠り床に倒れた。
「このままだと、十四郎に怒られるから、ソファーにでも寝かせるかな」
女性をソファーに横にさせて、京楽は浮竹の帰りを待つ。
「おーい、いるか、鴆の京楽」
『なんだい??』
洞窟の奥から、今服を着たばかりといった風体な鴆の京楽が出てくる。
『邪魔が、入ったな』
着物を乱して、彼岸花の精霊の浮竹も姿を現した。
「すまん。しっぽりしてたんだな」
浮竹派真っ赤になっていた。
『おや、そっちは‥‥‥夜叉神だね:』
「知っているのか?」
『神だからね。桜の花神でもある君も神でしょう?同じ神なら、神に詳しくならなきゃ』
「いやだ、めんどくさい」
『春水、はやく用事を終わらせて、続きをしよう』
『はいはい。で、なんの用?:
浮竹派事情を説明した。
鴆の京楽は、人間のためというのが気に食わなかったが、解毒剤を作ってくれた。
「感謝する。代償に、汝に一時夜叉神の力を使えるようにしよう」
『いや、別にいいよ』:
「では、貨幣で」
夜叉神は、貨幣といって小判をたくさん払う。
神だけに、生きている年齢が違うので、夜叉神にとって今も小判で通用すると思っていた。
恋人の女性は小判をお札に変えて、夜叉神と一緒に暮らしていた。
「早く帰ろう。魅了を一刻も早く解いてやりたい」
『さよなら。しっぽりするから。しばらくくるなよ」
彼岸花の精霊の浮竹は、用事は終わったとばかりに、鴆の京楽を引きずって、洞窟の奥に消えていった。
『こんなに小判なんていらないのにーーーー』
鴆の京楽は、お礼が高すぎると言いたいらしかったが、夜叉神には解毒j財にそれだけの価値があるとみていた。
「戻ろう」
「ああ」
夜叉神と浮竹は、少しでも早く戻るために異界渡りをした。
「メイ!」
夜叉神は、ソファーの上で眠っている恋人にかけより、名を呼ぶが、起きない。
「メイは?」
「暴れ出しそうなので、桜の術で眠らせた。今、解く」
白哉が、ふっと桜の花びらを吹くと、メイという名の女性は気づいた。
「ああ、藍染様のところへいかなくては!」
「メイ、薬だ。飲め」
「いやよ!」
仕方なしに、夜叉神は自分の口に解毒剤を含ませると、メイという女性に無理やり獅子飲ませた。
「夜叉?」
「メイ、正気に戻ったのか!」
「ああ、夜叉!私は、魅了にかかっていたとはいえ、あなたに酷いことをたくさんしてしまった」
「いいんだ、メイ。お前が無事なら」
「一件落着だね」
留守番していた京楽が、念のためにと護符の札をメイに持たせた。
「藍染クラスには効かないかもしれないけど、一応もっておいて?」
「ありがとう」
夜叉神は、これまた小判をたくさん置いて、帰っていった。
「この小判、本物だね。状態もいいし、高値がつくよ」
「売りたいなら売れ」
「いや、珍しいからもっておくかな」
「鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹は、しっぽり中だったみたいだ」
「おやまぁ。こんな昼から、お盛んだねぇ。ねえ、十四郎」
「しないぞ!昨日睦み合ったばかりだろう」
「ちぇ、ケチ」
浮竹は、古くなってしまったが、ハリセンで京楽の頭を殴る。
「あいたたたた」
「明日の夜なら、別にいい」
「お、約束だからね。たくさんしっぽりしようね」
「いやだ。お前のたくさんは、長いからいやだ。お前が2回いったら、終わりにする」
「えー、せめて5回くらいは付き合ってよ」
「多すぎる!」
「ケチー」
京楽は、浮竹にハリセンで殴られる。
「私もいるということを、忘れていないか」
白夜の少し冷めた一言で、浮竹は真っ赤になった。
「白哉、いつもすまん」
「いい。兄らのやりとりには慣れた」
ほんとは、寝れてなどほしくないのだが。
「しっぽりとやらを、私もしたくなった。恋次の家にいってくる」
白哉は、浮竹が止める暇も与えず、異界渡りをして行ってしまった。
[ああああああああ!!!俺の白哉が、狼に食われるううう。赤ずきんになってしまううう」
浮竹は、そう言って取り乱す。それを、京楽は,クスクスと小さく笑うのだった。
「この前は、脅されていたとはいえ、悪かった」
「もうすんだこどだ。人質は返してもらったんだろう?」
浮竹が対応した。
「かえってきたが、藍染に変な薬を使われたらしい。藍染様といって、出ていこうとするんだ」
「ああ、それならいい薬師を紹介しよう」
浮竹は裏山に住む鴆の京楽を紹介する。
「乗りかかった船だ。人を怖がるから、直接は診てもらえないかもしれないが、魅了の術であったら、俺が解除しよう」
「十四郎、いいの?」
「ああ。とりあえず、女性を連れてきてくれ」
夜叉神は、一度帰り恋人である人間の女性を連れて来た。
「藍染様はどこ!?」
女性は魅了の術と薬を使われていたらしく、浮竹が桜の術でまずは魅了を解除した。
「京楽、彼女を見ていてくれ。鴆の京楽のところに、夜叉神といってくる」
「うん、分かったよ」
京樂は、女性を見守るためにお留守番だった。白哉もいるので、安心できた。
「藍染様のところにいかせて!」
「うっとうしいなぁ。白哉くん、眠らせることはできる?」
「ああ、可能だ。このままでは、暴れ出しかねない。桜の術で眠ってもらおう」
白哉は、ふっと桜の花びらを女性に向けて吹くと、女性は眠り床に倒れた。
「このままだと、十四郎に怒られるから、ソファーにでも寝かせるかな」
女性をソファーに横にさせて、京楽は浮竹の帰りを待つ。
「おーい、いるか、鴆の京楽」
『なんだい??』
洞窟の奥から、今服を着たばかりといった風体な鴆の京楽が出てくる。
『邪魔が、入ったな』
着物を乱して、彼岸花の精霊の浮竹も姿を現した。
「すまん。しっぽりしてたんだな」
浮竹派真っ赤になっていた。
『おや、そっちは‥‥‥夜叉神だね:』
「知っているのか?」
『神だからね。桜の花神でもある君も神でしょう?同じ神なら、神に詳しくならなきゃ』
「いやだ、めんどくさい」
『春水、はやく用事を終わらせて、続きをしよう』
『はいはい。で、なんの用?:
浮竹派事情を説明した。
鴆の京楽は、人間のためというのが気に食わなかったが、解毒剤を作ってくれた。
「感謝する。代償に、汝に一時夜叉神の力を使えるようにしよう」
『いや、別にいいよ』:
「では、貨幣で」
夜叉神は、貨幣といって小判をたくさん払う。
神だけに、生きている年齢が違うので、夜叉神にとって今も小判で通用すると思っていた。
恋人の女性は小判をお札に変えて、夜叉神と一緒に暮らしていた。
「早く帰ろう。魅了を一刻も早く解いてやりたい」
『さよなら。しっぽりするから。しばらくくるなよ」
彼岸花の精霊の浮竹は、用事は終わったとばかりに、鴆の京楽を引きずって、洞窟の奥に消えていった。
『こんなに小判なんていらないのにーーーー』
鴆の京楽は、お礼が高すぎると言いたいらしかったが、夜叉神には解毒j財にそれだけの価値があるとみていた。
「戻ろう」
「ああ」
夜叉神と浮竹は、少しでも早く戻るために異界渡りをした。
「メイ!」
夜叉神は、ソファーの上で眠っている恋人にかけより、名を呼ぶが、起きない。
「メイは?」
「暴れ出しそうなので、桜の術で眠らせた。今、解く」
白哉が、ふっと桜の花びらを吹くと、メイという名の女性は気づいた。
「ああ、藍染様のところへいかなくては!」
「メイ、薬だ。飲め」
「いやよ!」
仕方なしに、夜叉神は自分の口に解毒剤を含ませると、メイという女性に無理やり獅子飲ませた。
「夜叉?」
「メイ、正気に戻ったのか!」
「ああ、夜叉!私は、魅了にかかっていたとはいえ、あなたに酷いことをたくさんしてしまった」
「いいんだ、メイ。お前が無事なら」
「一件落着だね」
留守番していた京楽が、念のためにと護符の札をメイに持たせた。
「藍染クラスには効かないかもしれないけど、一応もっておいて?」
「ありがとう」
夜叉神は、これまた小判をたくさん置いて、帰っていった。
「この小判、本物だね。状態もいいし、高値がつくよ」
「売りたいなら売れ」
「いや、珍しいからもっておくかな」
「鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹は、しっぽり中だったみたいだ」
「おやまぁ。こんな昼から、お盛んだねぇ。ねえ、十四郎」
「しないぞ!昨日睦み合ったばかりだろう」
「ちぇ、ケチ」
浮竹は、古くなってしまったが、ハリセンで京楽の頭を殴る。
「あいたたたた」
「明日の夜なら、別にいい」
「お、約束だからね。たくさんしっぽりしようね」
「いやだ。お前のたくさんは、長いからいやだ。お前が2回いったら、終わりにする」
「えー、せめて5回くらいは付き合ってよ」
「多すぎる!」
「ケチー」
京楽は、浮竹にハリセンで殴られる。
「私もいるということを、忘れていないか」
白夜の少し冷めた一言で、浮竹は真っ赤になった。
「白哉、いつもすまん」
「いい。兄らのやりとりには慣れた」
ほんとは、寝れてなどほしくないのだが。
「しっぽりとやらを、私もしたくなった。恋次の家にいってくる」
白哉は、浮竹が止める暇も与えず、異界渡りをして行ってしまった。
[ああああああああ!!!俺の白哉が、狼に食われるううう。赤ずきんになってしまううう」
浮竹は、そう言って取り乱す。それを、京楽は,クスクスと小さく笑うのだった。
桜のあやかしと共に75
京楽は、浮竹が自分のことを忘れてしまったのにショックを受けまくった。
そして、眠らされた浮竹の意識に潜り込み、精神的にリンクして無理やり思い出させる行動に移った。
マンションの室内は、彼岸花の精霊の浮竹が真っ赤な彼岸花の絨毯に変えてしまった。
『このまま戻ってこないか、あるいは戻ってきても忘れたままか‥‥』
『浮竹、縁起の悪いことを言うもんじゃないよ』
浮竹は、夢を見ていた。
「春」と愛し合った時の夢だった。
そこに、京楽が滑り込んでくる。
「誰だ」
「ボクだよ、十四郎」
「「春」に似ているが、違うな。親戚か何かか?」
「十四郎、愛してるよ」
京楽は、まどろむ夢の中の浮竹を抱きしめてキスをした。
「何をする!」
パンと乾いた音を立てて、浮竹は京楽の頬を殴った。
「どうしたの、シロ」
「「春」お前に似た者がいきなり俺を‥‥」
「シロ、ボクは[春」であり京楽春水であるんだよ?」
「「春」?」
「十四郎、思い出して?」
「春」であったはずの者は京楽になり、京楽はまた浮竹を抱きしめてキスをして、桜鬼の姿になった。
「思い出して、ボクのことを」
「うう‥‥…頭が、痛い」
「癒しの術をかけるから。思い出して?」
「春」と似ていて、「春」と同じ術を使えて、でも「春」ではない。けれど、心が叫ぶ。ただ愛しいと。
「京楽春水」
「そう。ボクは京楽春水。思い出して?」
京楽は、浮竹にディープキスを繰り返す。
「んうっ‥‥‥はぁっ」
「思い出した?」
「春水のバカ!なぜ、俺が春水のことを忘れなきゃいけないんだ。ああ、この場合春水ではなく藍染め死ねっていうところか」
浮竹は、夢の中で作り出したハリセンで京楽を殴った.。
「記憶、取り戻したの?」
「ああ。お前のねちっこいいやらしいキスのおかげでな」
「十四郎、愛してるよ!」
「分かっている。とりあえず、目覚めよう。いや、先にもぐりこんだお前が元の自分の体に帰れ」
「うん。待ってるから。思い出して起きてね?
「分かっている」
浮竹は、京楽が去っていったのを確認して、夢の中で仲睦まじく寄り添いあっている、自分と「春」を見た。
「さよなら、「春」。夢の中だけど、出会えて、嬉しかった」
「ボクもだよ、シロ」
「「春」!!!」
「さぁ、起きないと。今のボクが、待っているよ」
「ああ、そうする。また夢で会おう「春」
「うん、シロ」
浮竹が目覚めると、心配そうな顔でのぞきこんでくる京楽の姿があった。
「大丈夫、十四郎?」
「ああ。全部、思い出した。愛しいお前のことを」
鴆の京楽と、彼岸花の精霊の浮竹の姿もあった。
『一件落着だね?』
『むう、闇に落ちなかったか‥‥』
彼岸花の精霊の浮竹は、京楽に埋め込んだ種は開花したものの、枯れているのを確認して残念そうにしていた.。
「二人とも、ありがとう‥‥‥でも彼岸花の精霊の浮竹は、床一面の彼岸花を元に戻してね?」
『むう、せっかく綺麗に咲いたのに』
『浮竹、ほら、言う通りにしてあげなよ』
鴆の京楽に言われて、彼岸花の精霊の浮竹は、しぶしぶ床を元に戻す。
『じゃあ、ボクたちは帰るね?』
『しっぽりも、ほどほどにな』
「はいはい。行った行った」
二人を追い出して、京楽は改めて浮竹を抱きしめる。
「記憶、元に戻ってよかった」
「お前が精神リンクなんて危険な真似をしてくれたおかげでな」
精神リンクは、うまくいかなければ人格が崩壊する。
「君にかけられた呪詛は浄化したけど、君は呪詛を含めて穢れや毒に弱いそうだよ。身を守るために、守護札がいるけど、もち歩くのはあれだから、体に刻もう」
「え」
「ほら、そうだね、太ももの内側とかいいね」
「え」
ほいほいと衣服を脱がされて、京楽は決して消えない特殊なインクで、浮竹の太ももの内側に、紋章のようなものを書いた。
「これでよし‥‥‥誘ってるの?」
「そんな風にしたのは、お前だろうが。責任をとれ」
浮竹は、潤んだ瞳で京楽を見る。
京楽は、浮竹をお姫様機器抱きにして、寝室のベッドに寝かせた。
「守護の印、考えてみればエロいとこにしちゃったね」
「んあ、春水‥‥」
自分の手で乱れていく浮竹を確認しながら、京楽は満足そうに微笑むのだった。
「く‥‥桜の花神だと?最初から、神だっただと?」
藍染は、機嫌が最高に悪かった。
「おい、ろくろ首、早く子供を産め!」
「そう言われましても、身籠ったばかりで‥‥」
「ろくろ首、もうお前はいらない」
「藍染様?」
「母である者の腹を破り、生まれいでよ!」
ろくろ首の女は、腹痛を覚えたと思ったら、腹から子が手をつきだしてきて、母体の栄養を全て吸われて、ミイラと化していた。
「名をやろう。お前の名は‥‥‥‥」
そして、眠らされた浮竹の意識に潜り込み、精神的にリンクして無理やり思い出させる行動に移った。
マンションの室内は、彼岸花の精霊の浮竹が真っ赤な彼岸花の絨毯に変えてしまった。
『このまま戻ってこないか、あるいは戻ってきても忘れたままか‥‥』
『浮竹、縁起の悪いことを言うもんじゃないよ』
浮竹は、夢を見ていた。
「春」と愛し合った時の夢だった。
そこに、京楽が滑り込んでくる。
「誰だ」
「ボクだよ、十四郎」
「「春」に似ているが、違うな。親戚か何かか?」
「十四郎、愛してるよ」
京楽は、まどろむ夢の中の浮竹を抱きしめてキスをした。
「何をする!」
パンと乾いた音を立てて、浮竹は京楽の頬を殴った。
「どうしたの、シロ」
「「春」お前に似た者がいきなり俺を‥‥」
「シロ、ボクは[春」であり京楽春水であるんだよ?」
「「春」?」
「十四郎、思い出して?」
「春」であったはずの者は京楽になり、京楽はまた浮竹を抱きしめてキスをして、桜鬼の姿になった。
「思い出して、ボクのことを」
「うう‥‥…頭が、痛い」
「癒しの術をかけるから。思い出して?」
「春」と似ていて、「春」と同じ術を使えて、でも「春」ではない。けれど、心が叫ぶ。ただ愛しいと。
「京楽春水」
「そう。ボクは京楽春水。思い出して?」
京楽は、浮竹にディープキスを繰り返す。
「んうっ‥‥‥はぁっ」
「思い出した?」
「春水のバカ!なぜ、俺が春水のことを忘れなきゃいけないんだ。ああ、この場合春水ではなく藍染め死ねっていうところか」
浮竹は、夢の中で作り出したハリセンで京楽を殴った.。
「記憶、取り戻したの?」
「ああ。お前のねちっこいいやらしいキスのおかげでな」
「十四郎、愛してるよ!」
「分かっている。とりあえず、目覚めよう。いや、先にもぐりこんだお前が元の自分の体に帰れ」
「うん。待ってるから。思い出して起きてね?
「分かっている」
浮竹は、京楽が去っていったのを確認して、夢の中で仲睦まじく寄り添いあっている、自分と「春」を見た。
「さよなら、「春」。夢の中だけど、出会えて、嬉しかった」
「ボクもだよ、シロ」
「「春」!!!」
「さぁ、起きないと。今のボクが、待っているよ」
「ああ、そうする。また夢で会おう「春」
「うん、シロ」
浮竹が目覚めると、心配そうな顔でのぞきこんでくる京楽の姿があった。
「大丈夫、十四郎?」
「ああ。全部、思い出した。愛しいお前のことを」
鴆の京楽と、彼岸花の精霊の浮竹の姿もあった。
『一件落着だね?』
『むう、闇に落ちなかったか‥‥』
彼岸花の精霊の浮竹は、京楽に埋め込んだ種は開花したものの、枯れているのを確認して残念そうにしていた.。
「二人とも、ありがとう‥‥‥でも彼岸花の精霊の浮竹は、床一面の彼岸花を元に戻してね?」
『むう、せっかく綺麗に咲いたのに』
『浮竹、ほら、言う通りにしてあげなよ』
鴆の京楽に言われて、彼岸花の精霊の浮竹は、しぶしぶ床を元に戻す。
『じゃあ、ボクたちは帰るね?』
『しっぽりも、ほどほどにな』
「はいはい。行った行った」
二人を追い出して、京楽は改めて浮竹を抱きしめる。
「記憶、元に戻ってよかった」
「お前が精神リンクなんて危険な真似をしてくれたおかげでな」
精神リンクは、うまくいかなければ人格が崩壊する。
「君にかけられた呪詛は浄化したけど、君は呪詛を含めて穢れや毒に弱いそうだよ。身を守るために、守護札がいるけど、もち歩くのはあれだから、体に刻もう」
「え」
「ほら、そうだね、太ももの内側とかいいね」
「え」
ほいほいと衣服を脱がされて、京楽は決して消えない特殊なインクで、浮竹の太ももの内側に、紋章のようなものを書いた。
「これでよし‥‥‥誘ってるの?」
「そんな風にしたのは、お前だろうが。責任をとれ」
浮竹は、潤んだ瞳で京楽を見る。
京楽は、浮竹をお姫様機器抱きにして、寝室のベッドに寝かせた。
「守護の印、考えてみればエロいとこにしちゃったね」
「んあ、春水‥‥」
自分の手で乱れていく浮竹を確認しながら、京楽は満足そうに微笑むのだった。
「く‥‥桜の花神だと?最初から、神だっただと?」
藍染は、機嫌が最高に悪かった。
「おい、ろくろ首、早く子供を産め!」
「そう言われましても、身籠ったばかりで‥‥」
「ろくろ首、もうお前はいらない」
「藍染様?」
「母である者の腹を破り、生まれいでよ!」
ろくろ首の女は、腹痛を覚えたと思ったら、腹から子が手をつきだしてきて、母体の栄養を全て吸われて、ミイラと化していた。
「名をやろう。お前の名は‥‥‥‥」
桜のあやかしと共に74
「俺は藍染様の部下の窮鼠(きゅうそ)」
「ああ、間に合ってます」
チャイムを押してでたら、藍染の部下という窮鼠がきていた。お断りをいれて、無視すると鋭い牙で扉をかじりはじめる。
「ちょっと、やめてくれない?」
「やめてほしくば、四季の王を呼べ」
「おーい、十四郎、藍染の部下とかいうアホが扉かじってるんだよ。君の力を見せつけてやって?」
「いいぞ」
四季の王であり、桜の王であり、桜の花神でもある浮竹と窮鼠の力の差は歴然だと思えた。
「くくく、かかったな!」
窮鼠は、何かの液体を浮竹にかけた。
すると、浮竹は子猫のサイズよりも小さくなり、窮鼠は瓶の中に浮竹を閉じ込めてしまった。
「ふふふ、四季の王はもらっていくぞ!」
「待て!」
京楽が桜鬼の姿になって、窮鼠を殺そうとするが、結界ではじかれてしまった。
「君は、ただの窮鼠ではないね」
「心眼見事なり。我は夜叉。藍染の部下ではないが、人質をとられている。悪いが、四季の王はもらっていくぞ!」
「あ、まて!」
夜叉は、神の一種だ。そんな相手が、藍染なんかの部下であるはずがない。
京楽は、桜鬼の姿のまま、浮竹の妖力を頼りに浮竹を探すが、ある一定の場所までくると、浮竹の妖力は消えていた。
「十四郎‥‥‥どうしよう」
京楽は困り果て、鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹がいる裏山の洞窟までやってきた。
『どうした、一人で。しっぽりしすぎて、嫌われたか?』
『浮竹、彼に失礼だよ』
和んでいる二人とは反対に、青白い顔をして京楽は訴える。
「浮竹が連れ去られた!相手は夜叉。神だ」
『夜叉神が、藍染と結託しているのか?』
「ううん、人質をとられてるっていってたよ。とにかく、浮竹を助け出したいんだ。力をかしてくれるかな?」
『もちろんだ』
『当たり前でしょ』
頼もしい仲間が二人加わり、それぞれの方法で浮竹の居場所を探すが、一向に見つからなかった。
「どうしよう‥‥‥ひどい目にあってなきゃいいけど。藍染、殺してやる‥‥」
京楽が、少しずつ闇の飲まれていくのを、恍惚とした表情で彼岸花の浮竹が見ていた。
『浮竹、今はそんな場合じゃないでしょ』
鴆の京楽にたしなめられて、彼岸花の精霊の浮竹は残念そうな顔をする。
『俺好みの闇なんだがな‥‥』
3人の元へ、浮竹を攫った夜叉が現れる。
「すまぬ、人質を解放されたので、桜の花神の居場所を言う」
夜叉神は、藍染に恋人の人間を人質にとられていて、仕方なしに浮竹を攫ったらしかった。
「浮竹はどこ!?」
「中央大学の地下にいる」
「大学?そんなところに潜んでいたのかい」
「元のサイズには戻されたが、藍染から何かをされているかもしれない。四季の王を藍染は殺せないが、傷つけれないわけじゃない」
『早く行こう、中央大学へ!』
『俺の異界渡りを使え!』
「浮竹、待ってて!すぐに助けにいくから!」
一方、浮竹は。
「はじめましてかな、浮竹十四郎」
「お前が、藍染惣右介か」
「いかにも。長老神であり、四季の王となり神となる存在だ」
「はっ、笑わせてくれる。何が神だ。宝玉たちに拒まれて、四季の王になれなかったくせに」
浮竹は、元のサイズに戻されていた。
「今、君は私の手の中なのだよ。言葉に気をつけたまえ」
「どうあがいたところで、俺を殺せないだろう。お前の手では」
「だから、違うあやかしをけしかけて殺そうと思ってね」
今度は、本物の窮鼠が20体は出てきた。
「やってしまえ!」
「桜の花びらよ!」
結界がはられてあった。本来なら、浮竹の術など使えないはずであった。
「俺を怒らせたこと、後悔させてやる」
浮竹は、桜の花神になっていた。桜の花びらに触れると、窮鼠たちは桜の花になってしまった。
「なんだと!?神だというのか!私をさしおいて、お前が神だというのかあああ!!!」
藍染は、浮竹を自分の手では殺せないという掟を破って、殺そうとする。
全ての攻撃は、藍染自身に跳ね返った。
「ぐわあああ」
「俺は桜の花神」
「神だと‥‥‥ええい、呪詛をかけてやる。お前の愛しい者の記憶を奪ってやる!」
「うぐ‥‥‥」
浮竹は、穢れ、毒、呪詛に弱かった。
「くくく、ははははは!お前の仲間たちがきそうなので私はここで退散させてもらう。愛しい者を忘れて、絶望するといい!」
藍染は、そう言い残して消えた。
『こっちから、桜の王の気配がする』
『大きなけがとかはしてないようだね』
「十四郎、今行くよ!」
3人がかけつけると、白い椅子以外何もない部屋で、浮竹は座っていた。
「十四郎!」
「誰だ、お前は。俺は、桜の王。俺を知っているのか?どこか、懐かしいかんじがする」
その言葉に、京楽は茫然とした。
「冗談、だよね?」
『これは、藍染の仕業だな。君の記憶だけを綺麗に抜かれているみたいだよ?』
鴆の京楽が、浮竹にかけられた呪詛を見ながら言う。
「嘘でしょ、十四郎」
「そっちは鴆の京楽、彼岸花の精霊の俺‥‥‥お前は鴆の京楽に瓜二つだ。双子か何か?」
「十四郎!!」
浮竹は、涙を流していた。
「分からない‥‥愛しいのに、お前のことを思い出せない」
京楽は、浮竹を抱きしめた。
『とりあえず、呪詛を解かないと』
「あ、うん」
京楽は、浄化の力で浮竹が纏っていた呪詛を解くが、浮竹の記憶が戻ることはなかった。
「十四郎‥‥‥‥‥」
「泣くな。誰か分からないが、俺のためなんかに泣くな」
京楽は、闇にのみこまれていく。
『彼岸花が‥‥‥咲いた』
彼岸花の精霊の浮竹は、京楽に埋め込んだ種が開花したことに喜びを感じた。
「十四郎、帰ろう?ボクらの家に」
「俺は、お前の恋人なのか?」
京楽は泣きながら、浮竹を強く抱きしめた。
「君の記憶は、ボクが絶対に取り戻してみせるから」
「懐かしい‥‥‥「春」みたいだ」
京楽は、浮竹をただ抱きしめた。そして異界渡りをして、自宅に戻る。
『桜鬼の京楽、どうするつもりだ』
『闇に飲まれているな』
「浮竹の意識にもぐりこんでやる」
『その方法は、あまりにも危険だよ?』:
下手をすると、現実世界に帰ってこれない。
「構わない。ボクを忘れた浮竹を見ていたくないから」
『闇が、お前を照らすだろう。さぁ、彼岸花の褥で眠れ』
彼岸花の精霊の浮竹は、京楽の家の中を彼岸花の絨毯に変えた。
そこに、浮竹を術で眠らせて、京楽も隣で横たわり、手を繋いで精神的にリンクする。
『さぁ、戻ってこれるか?』
『浮竹、だめだよ、このまま二人が眠りについたまま帰らないとか』
『すべては、桜鬼の京楽次第‥‥‥‥』
彼岸花の精霊の浮竹は、妖艶に笑って、彼岸花の絨毯で眠る二人をそっと撫でるのだった。
「ああ、間に合ってます」
チャイムを押してでたら、藍染の部下という窮鼠がきていた。お断りをいれて、無視すると鋭い牙で扉をかじりはじめる。
「ちょっと、やめてくれない?」
「やめてほしくば、四季の王を呼べ」
「おーい、十四郎、藍染の部下とかいうアホが扉かじってるんだよ。君の力を見せつけてやって?」
「いいぞ」
四季の王であり、桜の王であり、桜の花神でもある浮竹と窮鼠の力の差は歴然だと思えた。
「くくく、かかったな!」
窮鼠は、何かの液体を浮竹にかけた。
すると、浮竹は子猫のサイズよりも小さくなり、窮鼠は瓶の中に浮竹を閉じ込めてしまった。
「ふふふ、四季の王はもらっていくぞ!」
「待て!」
京楽が桜鬼の姿になって、窮鼠を殺そうとするが、結界ではじかれてしまった。
「君は、ただの窮鼠ではないね」
「心眼見事なり。我は夜叉。藍染の部下ではないが、人質をとられている。悪いが、四季の王はもらっていくぞ!」
「あ、まて!」
夜叉は、神の一種だ。そんな相手が、藍染なんかの部下であるはずがない。
京楽は、桜鬼の姿のまま、浮竹の妖力を頼りに浮竹を探すが、ある一定の場所までくると、浮竹の妖力は消えていた。
「十四郎‥‥‥どうしよう」
京楽は困り果て、鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹がいる裏山の洞窟までやってきた。
『どうした、一人で。しっぽりしすぎて、嫌われたか?』
『浮竹、彼に失礼だよ』
和んでいる二人とは反対に、青白い顔をして京楽は訴える。
「浮竹が連れ去られた!相手は夜叉。神だ」
『夜叉神が、藍染と結託しているのか?』
「ううん、人質をとられてるっていってたよ。とにかく、浮竹を助け出したいんだ。力をかしてくれるかな?」
『もちろんだ』
『当たり前でしょ』
頼もしい仲間が二人加わり、それぞれの方法で浮竹の居場所を探すが、一向に見つからなかった。
「どうしよう‥‥‥ひどい目にあってなきゃいいけど。藍染、殺してやる‥‥」
京楽が、少しずつ闇の飲まれていくのを、恍惚とした表情で彼岸花の浮竹が見ていた。
『浮竹、今はそんな場合じゃないでしょ』
鴆の京楽にたしなめられて、彼岸花の精霊の浮竹は残念そうな顔をする。
『俺好みの闇なんだがな‥‥』
3人の元へ、浮竹を攫った夜叉が現れる。
「すまぬ、人質を解放されたので、桜の花神の居場所を言う」
夜叉神は、藍染に恋人の人間を人質にとられていて、仕方なしに浮竹を攫ったらしかった。
「浮竹はどこ!?」
「中央大学の地下にいる」
「大学?そんなところに潜んでいたのかい」
「元のサイズには戻されたが、藍染から何かをされているかもしれない。四季の王を藍染は殺せないが、傷つけれないわけじゃない」
『早く行こう、中央大学へ!』
『俺の異界渡りを使え!』
「浮竹、待ってて!すぐに助けにいくから!」
一方、浮竹は。
「はじめましてかな、浮竹十四郎」
「お前が、藍染惣右介か」
「いかにも。長老神であり、四季の王となり神となる存在だ」
「はっ、笑わせてくれる。何が神だ。宝玉たちに拒まれて、四季の王になれなかったくせに」
浮竹は、元のサイズに戻されていた。
「今、君は私の手の中なのだよ。言葉に気をつけたまえ」
「どうあがいたところで、俺を殺せないだろう。お前の手では」
「だから、違うあやかしをけしかけて殺そうと思ってね」
今度は、本物の窮鼠が20体は出てきた。
「やってしまえ!」
「桜の花びらよ!」
結界がはられてあった。本来なら、浮竹の術など使えないはずであった。
「俺を怒らせたこと、後悔させてやる」
浮竹は、桜の花神になっていた。桜の花びらに触れると、窮鼠たちは桜の花になってしまった。
「なんだと!?神だというのか!私をさしおいて、お前が神だというのかあああ!!!」
藍染は、浮竹を自分の手では殺せないという掟を破って、殺そうとする。
全ての攻撃は、藍染自身に跳ね返った。
「ぐわあああ」
「俺は桜の花神」
「神だと‥‥‥ええい、呪詛をかけてやる。お前の愛しい者の記憶を奪ってやる!」
「うぐ‥‥‥」
浮竹は、穢れ、毒、呪詛に弱かった。
「くくく、ははははは!お前の仲間たちがきそうなので私はここで退散させてもらう。愛しい者を忘れて、絶望するといい!」
藍染は、そう言い残して消えた。
『こっちから、桜の王の気配がする』
『大きなけがとかはしてないようだね』
「十四郎、今行くよ!」
3人がかけつけると、白い椅子以外何もない部屋で、浮竹は座っていた。
「十四郎!」
「誰だ、お前は。俺は、桜の王。俺を知っているのか?どこか、懐かしいかんじがする」
その言葉に、京楽は茫然とした。
「冗談、だよね?」
『これは、藍染の仕業だな。君の記憶だけを綺麗に抜かれているみたいだよ?』
鴆の京楽が、浮竹にかけられた呪詛を見ながら言う。
「嘘でしょ、十四郎」
「そっちは鴆の京楽、彼岸花の精霊の俺‥‥‥お前は鴆の京楽に瓜二つだ。双子か何か?」
「十四郎!!」
浮竹は、涙を流していた。
「分からない‥‥愛しいのに、お前のことを思い出せない」
京楽は、浮竹を抱きしめた。
『とりあえず、呪詛を解かないと』
「あ、うん」
京楽は、浄化の力で浮竹が纏っていた呪詛を解くが、浮竹の記憶が戻ることはなかった。
「十四郎‥‥‥‥‥」
「泣くな。誰か分からないが、俺のためなんかに泣くな」
京楽は、闇にのみこまれていく。
『彼岸花が‥‥‥咲いた』
彼岸花の精霊の浮竹は、京楽に埋め込んだ種が開花したことに喜びを感じた。
「十四郎、帰ろう?ボクらの家に」
「俺は、お前の恋人なのか?」
京楽は泣きながら、浮竹を強く抱きしめた。
「君の記憶は、ボクが絶対に取り戻してみせるから」
「懐かしい‥‥‥「春」みたいだ」
京楽は、浮竹をただ抱きしめた。そして異界渡りをして、自宅に戻る。
『桜鬼の京楽、どうするつもりだ』
『闇に飲まれているな』
「浮竹の意識にもぐりこんでやる」
『その方法は、あまりにも危険だよ?』:
下手をすると、現実世界に帰ってこれない。
「構わない。ボクを忘れた浮竹を見ていたくないから」
『闇が、お前を照らすだろう。さぁ、彼岸花の褥で眠れ』
彼岸花の精霊の浮竹は、京楽の家の中を彼岸花の絨毯に変えた。
そこに、浮竹を術で眠らせて、京楽も隣で横たわり、手を繋いで精神的にリンクする。
『さぁ、戻ってこれるか?』
『浮竹、だめだよ、このまま二人が眠りについたまま帰らないとか』
『すべては、桜鬼の京楽次第‥‥‥‥』
彼岸花の精霊の浮竹は、妖艶に笑って、彼岸花の絨毯で眠る二人をそっと撫でるのだった。
桜のあやかしと共に73
「んあ‥‥」
彼岸花の精霊の浮竹に言いくるめられて、浮竹は京楽と彼岸花の精霊の浮竹と鴆の京楽で4人で交わった。
非常に気持ちよかったが、見られている恥ずかしさに死にそうになった。
だが、それは昨日の出来事だ。
恥ずかしさのあまり、浮竹は結界をはって、一人で寝てしまった。
「ん‥‥‥春水の注いだものが、溢れてくる」
今日もまた、京楽と睦み合った。
中に注がれたものが、溢れて太ももを伝う。
「春水、もっとおおお」
「はいはい。ボクのお姫様は淫乱でかわいくて美人だね」
「淫乱は、余計、だからぁ」
中に突き入れられた状態で、胸の先端をきゅっとつままれて、浮竹派啼く。
「ああん、そこだめえええ」
「後ろかき混ぜられながら、弄られるの好きだよね?あとこっちも」
京楽は、勃ちあがっている浮竹のものを手でしごく。
「ひあああああああ!!!いっちゃううう!!!」
「ほんと、はじめては処女みたいに初々しかったのに、いつの間にこんなにエロくなっちゃったんだだろうね?」:
「それはぁお前が‥‥‥」
「ん?ボクがなに?」
「んあっ、奥かき混ぜちゃだめって、言ってるのにぃ」
「奥好きだよね?ぐちゃぐちゃにされるの」
「ひあああああん!!!」
浮竹は、意識を飛ばしそうなほど、いっていた。
「ああ、そうだ。これ、試してみようか?」
「ん、何?」
「バイブ」
「やああああ」
京楽が己を引き抜いて、白濁が逆流してくる前にバイブを浮竹の蕾にいれる。
「いやああ、おもちゃいやあああ」
「強にしてっと」
「きゃあああああああ」
内部でぐいんぐいんとバイブがうねり、浮竹の奥を刺激する。
「いやああ、いやなのにいっちゃうううう」
浮竹は泣いていた。
「やああ、これとってええ。生の京楽がいい」
居楽は、バイブで浮竹の奥をかき混ぜてから、己を再び浮竹の中に穿つ。
「んあああ、はぁ、もっとおお。バイブはいやああ」
「分かったよ。バイブはもう使わないから」
鴆の京楽にでもあげようと思う京楽だった。
「はぁん、奥、もっとおお」
「最奥抉られてとんとんされるの好きだもんね?」
「んさああ、好きいい」
京楽は、浮竹の最奥の結腸にまで侵入して、奥をトントンとノックするように欲望を動かす。
「ひああああ、きたああああ」
浮竹は、めすいきが止まらないようで、息を乱していた。
「ああん、大きいいい」
「大きいほうがすきでしょ?」
「はあん」
「もう、何も考えられない?」
「んあ、んんん、ああああ」
「十四郎?」
「やああ、春水、抜かないで。奥に注いでえええ」
浮竹のおねだりに、京楽はふと己と一緒にバイブをつっこんだ。
「ひぎあ!」
入り口が、みしみしと音をたてるが、しっかり飲み込んでいく。
「あが、やあああああ」
ぶんぶんと振動するバイブで、浮竹はいっていた。
「バイブ、やだっていったのににいいい」
「ごめん、これで最後にするから」
バイブを引き抜いて、京楽は腰をくねらせる浮竹の動きにあわせて奥を貫いて、子種を弾けさせた。
「ひあああああああ!いってるのに、中でどぴゅどぴゅでてるうう」
「ほんと、エロくなったねぇ、十四郎?」
「やあん」
キスをすると、舌を絡みつかせてくる。
「全部、お前と「春」が俺に教え込んだ」
「そうなの」
「ああ、もうだめ‥‥」
そう言って、浮竹は意識を手放した。
「どうにも4人で交わった時の興奮が抜けないねぇ」
浮竹の中から引き抜くと、こぽりと精液が逆流してくる。それをタオルでぬぐう。
「十四郎、愛してるからね」:
ちなみに、バイブを使ったせいで、京楽は気づいた浮竹に100回ハリセンではたかれるのであった。
「いい気なものだな。交わるなど」
遠くから、藍染が盗み見していた。
「く、浮竹というのはあんなにもエロいのか」
藍染も、欲望を膨らませていた。
「おい、ろくろ首!」
「はい、藍染様」
「今日の伽をせよ」
「まぁ、藍染様のお子を孕めるので?」
「ああ、そうだ。神の子を孕めるのだ。光栄に思うがいい」
浮竹は、藍染が自分に性的欲求を覚えたなど、知る由もなかった。
彼岸花の精霊の浮竹に言いくるめられて、浮竹は京楽と彼岸花の精霊の浮竹と鴆の京楽で4人で交わった。
非常に気持ちよかったが、見られている恥ずかしさに死にそうになった。
だが、それは昨日の出来事だ。
恥ずかしさのあまり、浮竹は結界をはって、一人で寝てしまった。
「ん‥‥‥春水の注いだものが、溢れてくる」
今日もまた、京楽と睦み合った。
中に注がれたものが、溢れて太ももを伝う。
「春水、もっとおおお」
「はいはい。ボクのお姫様は淫乱でかわいくて美人だね」
「淫乱は、余計、だからぁ」
中に突き入れられた状態で、胸の先端をきゅっとつままれて、浮竹派啼く。
「ああん、そこだめえええ」
「後ろかき混ぜられながら、弄られるの好きだよね?あとこっちも」
京楽は、勃ちあがっている浮竹のものを手でしごく。
「ひあああああああ!!!いっちゃううう!!!」
「ほんと、はじめては処女みたいに初々しかったのに、いつの間にこんなにエロくなっちゃったんだだろうね?」:
「それはぁお前が‥‥‥」
「ん?ボクがなに?」
「んあっ、奥かき混ぜちゃだめって、言ってるのにぃ」
「奥好きだよね?ぐちゃぐちゃにされるの」
「ひあああああん!!!」
浮竹は、意識を飛ばしそうなほど、いっていた。
「ああ、そうだ。これ、試してみようか?」
「ん、何?」
「バイブ」
「やああああ」
京楽が己を引き抜いて、白濁が逆流してくる前にバイブを浮竹の蕾にいれる。
「いやああ、おもちゃいやあああ」
「強にしてっと」
「きゃあああああああ」
内部でぐいんぐいんとバイブがうねり、浮竹の奥を刺激する。
「いやああ、いやなのにいっちゃうううう」
浮竹は泣いていた。
「やああ、これとってええ。生の京楽がいい」
居楽は、バイブで浮竹の奥をかき混ぜてから、己を再び浮竹の中に穿つ。
「んあああ、はぁ、もっとおお。バイブはいやああ」
「分かったよ。バイブはもう使わないから」
鴆の京楽にでもあげようと思う京楽だった。
「はぁん、奥、もっとおお」
「最奥抉られてとんとんされるの好きだもんね?」
「んさああ、好きいい」
京楽は、浮竹の最奥の結腸にまで侵入して、奥をトントンとノックするように欲望を動かす。
「ひああああ、きたああああ」
浮竹は、めすいきが止まらないようで、息を乱していた。
「ああん、大きいいい」
「大きいほうがすきでしょ?」
「はあん」
「もう、何も考えられない?」
「んあ、んんん、ああああ」
「十四郎?」
「やああ、春水、抜かないで。奥に注いでえええ」
浮竹のおねだりに、京楽はふと己と一緒にバイブをつっこんだ。
「ひぎあ!」
入り口が、みしみしと音をたてるが、しっかり飲み込んでいく。
「あが、やあああああ」
ぶんぶんと振動するバイブで、浮竹はいっていた。
「バイブ、やだっていったのににいいい」
「ごめん、これで最後にするから」
バイブを引き抜いて、京楽は腰をくねらせる浮竹の動きにあわせて奥を貫いて、子種を弾けさせた。
「ひあああああああ!いってるのに、中でどぴゅどぴゅでてるうう」
「ほんと、エロくなったねぇ、十四郎?」
「やあん」
キスをすると、舌を絡みつかせてくる。
「全部、お前と「春」が俺に教え込んだ」
「そうなの」
「ああ、もうだめ‥‥」
そう言って、浮竹は意識を手放した。
「どうにも4人で交わった時の興奮が抜けないねぇ」
浮竹の中から引き抜くと、こぽりと精液が逆流してくる。それをタオルでぬぐう。
「十四郎、愛してるからね」:
ちなみに、バイブを使ったせいで、京楽は気づいた浮竹に100回ハリセンではたかれるのであった。
「いい気なものだな。交わるなど」
遠くから、藍染が盗み見していた。
「く、浮竹というのはあんなにもエロいのか」
藍染も、欲望を膨らませていた。
「おい、ろくろ首!」
「はい、藍染様」
「今日の伽をせよ」
「まぁ、藍染様のお子を孕めるので?」
「ああ、そうだ。神の子を孕めるのだ。光栄に思うがいい」
浮竹は、藍染が自分に性的欲求を覚えたなど、知る由もなかった。
オメガバース恋白読み切り短編シリーズ
「あんた、名前は?」
「椿。本名は、朽木白哉という」
「え、朽木って大昔、4大貴族に数えられていた、あの朽木家ですか?」
「そうだ。本来であれば、私は当主だな。だが、当主である私が、オメガで色子をしているという時点で、もう一族は終わっているが」
最近新しくできた廓の霞亭に、恋次は出入りしていた。
はじめは、花魁を選んでいた。
恋次の一族の阿散井家は、今や知らぬ者のいない4大貴族の一つだった。
無論、その一族の血に生まれた阿散井恋次も大金持ちだった。ある日、とても綺麗な花魁がいて、恋次はその花魁を指名した。
名は、椿といった。
だが、ただの花魁と思っていたのだが、色子の花魁で、しかも珍しいことにオメガだった。
オメガの保護条例ができた今となっては。花街にオメガいることのほうが少ない。
よほどの借金を抱えていない限り、オメガが花街で花を売ることはない。
椿こと、白哉は朽木家の当主であるはずなのだが、数世代に渡って重なった借金を返すために、あえて妹のルキアを売らずに、自分の身を売った。
オメガであるというだけで、大金が支払われて、借金の2分の1は消えて、残りの借金は白哉が身を売った金から支払われることになっていた。
妹のルキアには、贅沢はさせられないが、人並みの暮らしができるように仕送りを別にしていた。
「番はいるんすか?」
「いたら、体など売っていない」
「それもそうっすね。まいったなぁ。ただの花魁と思ったら、色子でその上オメガだなんて。俺アルファなんすよ」
「いやなら、違う花魁を指名すればいい。恋次とやら、そなたにはそれほどの財力と力があるであろう」
「いや、そうなんすけど‥‥‥純粋に、あんた俺の超好みのタイプなんすよね。色子も抱いたことあるから、大丈夫っすよ?」
「ふ、私を買うというのか?そこらの花魁の数倍の値段がするぞ?」
「金なら、腐るほどあります」
恋次は、椿という名で通している白哉を、あえて白哉さんと呼んだ。
「白哉さん、抱いてもいいっすか?」
「好きにせよ。私は、客がくればその客の言われるままに体を売る」
恋次は、白哉を抱いた。
何度か白哉を買いにやってきて、白哉が他の客を取っているシーンを目撃してしまった。
そして、白哉にもう体を売るなと言ってきた。
「あんたを、俺だけのものにしたい」
「ばかなことを。私の代金は高いであろう。独り占めできるほど、安くはないはずだ」
「屋敷2つ売ったので、当分の間あんたを独り占めできます」
「身請けでもしてくれるのか?ふふふ、世迷言が過ぎたな。今のは忘れろ」
「あんたを、俺の番にして、正式な妻にしたい」
恋次は、嘘偽りのない瞳で、白哉を射抜く。
「愚かなことを。確かに、オメガは妻にすればアルファを産んでくれる可能性は高いが、普通はオメガの女性だろう。オメガの女性は貴重だ。オメガの男はさらに貴重だ。私の存在は稀有。そうそうに、身請けできる額ではない」
「半年。半年待っててください。絶対金作って、迎えにきますんで。その間、なるべく客は取らないようにしてください。まぁ、言うだけ無駄だろうけど」
「当り前だ。私は色子だぞ?借金がある限り、体は売る」
白哉はしかし、恋次のことをもっと知りたいと思った。
半年の期間までの間、定期的に恋次は白哉を抱きにきては、他の客がよりつかないように、廓の主人を言いくるめて、大金を握らせた。
そのうえで、身請けの金を用意するなど、無謀に思えた。
半年後。
恋次は、言っていた通りに白哉を迎えにきた。
金銀財宝を手に。
廓の主人は、惜しみながらも色子でありオメガであり、看板花魁だった白哉を手放した。
借金は綺麗に消えて、白哉は仮初ではあるが、自由を与えられた。
まず最初にしたことは、一人残してきたルキアと会うことだった。
「兄さま!」
「ルキア、息災だったか。む、この者は?」
「黒崎一護といいます。兄さまに教えようか迷っていたのですが、婚姻を前提に付き合っています」
「はじめまして、白哉さん。あんたのことは、ルキアから聞いてる。ここにいるってことは、借金完済したか、身請けでもされたんすね」
「だめだ、一護、兄さまはオメガなのだ。アルファの貴様が近づいてはならぬ」
「あ、失礼しました。そっちの方は?」
「私を身請けした、阿散井恋次だ」
「阿散井!?あの、4大貴族の阿散井家の?」
「そうだ。ルキア、長い間一人にしてすまなかった。黒崎一護とやら、ルキアを幸せにしてやってくれ」
「もちろんです」
白哉は、ルキアと一護に別れを告げて、恋次の住む屋敷にきていた。
「ここ、新しく白哉さんのために建てたんすよ」
「また、無駄な金を‥‥」
白哉は、そう言うが嬉しそうであった。
「アルファであるお前が、オメガである私を身請けしたのだ。番に、なってくれるのであろう?」
「もちろん、そのつもりっす」
番になるのを阻止するために、首にしていた首輪を、恋次の手で外された。
「褥に行きましょう」
「う、うむ」
色子の花魁ではなくなったが、まだ白哉は気ぐらいが高く、それは生まれつきのものだった。
「んんっ」
恋次と、舌を絡み合うキスを繰り返し、お互いに着ている衣服を脱がしていく。
「んあう」
胸の先端をいじられて、白哉はうっすらと頬を染める。
「白哉さん‥‥‥もう、俺だけのものだ」
「ああっ、恋次」
前を宥められて、白哉は精液を放つ。
「こっち、もうこんなに濡れてる」
「や、言うな」
「一応、指で解しますね?ローションも使いますから」
ぬるぬるとした指が入ってくる。白哉の中のいいところを刺激されて、白哉は中いきをしていた。
「あああ!恋次、もっと奥に、お前をくれ」
「白哉さん、花魁だった頃もそうだけど、エロいっすね。体も言動も」
「あ、早く」
「今、あげますから」
恋次は、白哉を背後から貫く。
「ひあああああ!!!」
待ちに待っていた瞬間に、白哉は精液を漏らしながら、大きく中いきをする。
「子種、沢山あげますから、俺の子、妊娠してくださいね?
「ひあああ!やあん、孕むう」
「孕んでください。あんたは、俺の妻になるんだから」
「わ、私は色子だったのだぞ」
「オメガだから、関係ないっす」
「他の男とも寝ていた」
「花街にいたから、仕方ないっす」
白哉は、涙を零した。
「好きだ、恋次」
「俺も大好きですよ、白哉さん」
白夜の最奥を抉り、ごりごりと押しあてる。
「ひあん、奥はだめえええ!奥は‥‥ひあああ、いっちゃう!」
「うなじに噛みつきますよ。番にします」
恋次は、白哉を抱きながら、うなじに噛みついた。
「あああ!番に、させられた」
「これでもう、あんたは俺から逃げれない。阿散井恋次の妻で、色子の花魁だったけど、子を産んでくれる人だ」
恋次の血筋はよかった。
よかっただけに、花街の色子を身請けすると話した時、大反対された。
だが、その色子がオメガだと知って、周囲の者はオメガならいいと言うようになった。
今の時代、オメガからべータになる方法が分かって、オメガなど絶滅寸前であった。
幸いにも、恋次はアルファだった。オメガと番になれば、生まれてくる子がアルファである可能性は高い。
阿散井家の当主の条件は、アルファであることだった。
現当主と恋次以外に、今のところアルファはいなかった。子が産まれてくれば、きっとアルファで次期当主であろう。
「ひあああん、あ、そこ、そこいい」
「ここっすか?」
「ひあん!」
かわいく喘ぐ白哉を組み敷いて、恋次は欲望を白哉の子宮に注ぎ込む。
「あ、もっとだ。あふれるくらい、子種をくれ」
「あんたも好きですね。こうやって、同じオスと交わるの」
「だって、私はオメガだからぁ」
「そういうことにしときます」
白夜をぐちゃぐちゃに犯して、恋次は最後の一滴まで白哉の中に注ぎ込んで満足した。
「あ、まだ足りぬ」
「どんだけタフなんすか。指でいかせてあげますから、それで我慢してください」
「ひあああああ!!!!」
指で何度もいかせられて。白哉も満足したようだった。
「これから、毎日のように抱きますからね」
「毎日は、簡便願いたい」
「色子で体売ってたんだから、毎日でもいけるでしょう?」
「それはそうだが‥‥」
「じゃあ決まり。子供がきでるまで、毎日睦みあいましょう」
「はぁ‥‥好きにせよ」
白哉は、呆れ気味に恋次を見るのだった。
「椿。本名は、朽木白哉という」
「え、朽木って大昔、4大貴族に数えられていた、あの朽木家ですか?」
「そうだ。本来であれば、私は当主だな。だが、当主である私が、オメガで色子をしているという時点で、もう一族は終わっているが」
最近新しくできた廓の霞亭に、恋次は出入りしていた。
はじめは、花魁を選んでいた。
恋次の一族の阿散井家は、今や知らぬ者のいない4大貴族の一つだった。
無論、その一族の血に生まれた阿散井恋次も大金持ちだった。ある日、とても綺麗な花魁がいて、恋次はその花魁を指名した。
名は、椿といった。
だが、ただの花魁と思っていたのだが、色子の花魁で、しかも珍しいことにオメガだった。
オメガの保護条例ができた今となっては。花街にオメガいることのほうが少ない。
よほどの借金を抱えていない限り、オメガが花街で花を売ることはない。
椿こと、白哉は朽木家の当主であるはずなのだが、数世代に渡って重なった借金を返すために、あえて妹のルキアを売らずに、自分の身を売った。
オメガであるというだけで、大金が支払われて、借金の2分の1は消えて、残りの借金は白哉が身を売った金から支払われることになっていた。
妹のルキアには、贅沢はさせられないが、人並みの暮らしができるように仕送りを別にしていた。
「番はいるんすか?」
「いたら、体など売っていない」
「それもそうっすね。まいったなぁ。ただの花魁と思ったら、色子でその上オメガだなんて。俺アルファなんすよ」
「いやなら、違う花魁を指名すればいい。恋次とやら、そなたにはそれほどの財力と力があるであろう」
「いや、そうなんすけど‥‥‥純粋に、あんた俺の超好みのタイプなんすよね。色子も抱いたことあるから、大丈夫っすよ?」
「ふ、私を買うというのか?そこらの花魁の数倍の値段がするぞ?」
「金なら、腐るほどあります」
恋次は、椿という名で通している白哉を、あえて白哉さんと呼んだ。
「白哉さん、抱いてもいいっすか?」
「好きにせよ。私は、客がくればその客の言われるままに体を売る」
恋次は、白哉を抱いた。
何度か白哉を買いにやってきて、白哉が他の客を取っているシーンを目撃してしまった。
そして、白哉にもう体を売るなと言ってきた。
「あんたを、俺だけのものにしたい」
「ばかなことを。私の代金は高いであろう。独り占めできるほど、安くはないはずだ」
「屋敷2つ売ったので、当分の間あんたを独り占めできます」
「身請けでもしてくれるのか?ふふふ、世迷言が過ぎたな。今のは忘れろ」
「あんたを、俺の番にして、正式な妻にしたい」
恋次は、嘘偽りのない瞳で、白哉を射抜く。
「愚かなことを。確かに、オメガは妻にすればアルファを産んでくれる可能性は高いが、普通はオメガの女性だろう。オメガの女性は貴重だ。オメガの男はさらに貴重だ。私の存在は稀有。そうそうに、身請けできる額ではない」
「半年。半年待っててください。絶対金作って、迎えにきますんで。その間、なるべく客は取らないようにしてください。まぁ、言うだけ無駄だろうけど」
「当り前だ。私は色子だぞ?借金がある限り、体は売る」
白哉はしかし、恋次のことをもっと知りたいと思った。
半年の期間までの間、定期的に恋次は白哉を抱きにきては、他の客がよりつかないように、廓の主人を言いくるめて、大金を握らせた。
そのうえで、身請けの金を用意するなど、無謀に思えた。
半年後。
恋次は、言っていた通りに白哉を迎えにきた。
金銀財宝を手に。
廓の主人は、惜しみながらも色子でありオメガであり、看板花魁だった白哉を手放した。
借金は綺麗に消えて、白哉は仮初ではあるが、自由を与えられた。
まず最初にしたことは、一人残してきたルキアと会うことだった。
「兄さま!」
「ルキア、息災だったか。む、この者は?」
「黒崎一護といいます。兄さまに教えようか迷っていたのですが、婚姻を前提に付き合っています」
「はじめまして、白哉さん。あんたのことは、ルキアから聞いてる。ここにいるってことは、借金完済したか、身請けでもされたんすね」
「だめだ、一護、兄さまはオメガなのだ。アルファの貴様が近づいてはならぬ」
「あ、失礼しました。そっちの方は?」
「私を身請けした、阿散井恋次だ」
「阿散井!?あの、4大貴族の阿散井家の?」
「そうだ。ルキア、長い間一人にしてすまなかった。黒崎一護とやら、ルキアを幸せにしてやってくれ」
「もちろんです」
白哉は、ルキアと一護に別れを告げて、恋次の住む屋敷にきていた。
「ここ、新しく白哉さんのために建てたんすよ」
「また、無駄な金を‥‥」
白哉は、そう言うが嬉しそうであった。
「アルファであるお前が、オメガである私を身請けしたのだ。番に、なってくれるのであろう?」
「もちろん、そのつもりっす」
番になるのを阻止するために、首にしていた首輪を、恋次の手で外された。
「褥に行きましょう」
「う、うむ」
色子の花魁ではなくなったが、まだ白哉は気ぐらいが高く、それは生まれつきのものだった。
「んんっ」
恋次と、舌を絡み合うキスを繰り返し、お互いに着ている衣服を脱がしていく。
「んあう」
胸の先端をいじられて、白哉はうっすらと頬を染める。
「白哉さん‥‥‥もう、俺だけのものだ」
「ああっ、恋次」
前を宥められて、白哉は精液を放つ。
「こっち、もうこんなに濡れてる」
「や、言うな」
「一応、指で解しますね?ローションも使いますから」
ぬるぬるとした指が入ってくる。白哉の中のいいところを刺激されて、白哉は中いきをしていた。
「あああ!恋次、もっと奥に、お前をくれ」
「白哉さん、花魁だった頃もそうだけど、エロいっすね。体も言動も」
「あ、早く」
「今、あげますから」
恋次は、白哉を背後から貫く。
「ひあああああ!!!」
待ちに待っていた瞬間に、白哉は精液を漏らしながら、大きく中いきをする。
「子種、沢山あげますから、俺の子、妊娠してくださいね?
「ひあああ!やあん、孕むう」
「孕んでください。あんたは、俺の妻になるんだから」
「わ、私は色子だったのだぞ」
「オメガだから、関係ないっす」
「他の男とも寝ていた」
「花街にいたから、仕方ないっす」
白哉は、涙を零した。
「好きだ、恋次」
「俺も大好きですよ、白哉さん」
白夜の最奥を抉り、ごりごりと押しあてる。
「ひあん、奥はだめえええ!奥は‥‥ひあああ、いっちゃう!」
「うなじに噛みつきますよ。番にします」
恋次は、白哉を抱きながら、うなじに噛みついた。
「あああ!番に、させられた」
「これでもう、あんたは俺から逃げれない。阿散井恋次の妻で、色子の花魁だったけど、子を産んでくれる人だ」
恋次の血筋はよかった。
よかっただけに、花街の色子を身請けすると話した時、大反対された。
だが、その色子がオメガだと知って、周囲の者はオメガならいいと言うようになった。
今の時代、オメガからべータになる方法が分かって、オメガなど絶滅寸前であった。
幸いにも、恋次はアルファだった。オメガと番になれば、生まれてくる子がアルファである可能性は高い。
阿散井家の当主の条件は、アルファであることだった。
現当主と恋次以外に、今のところアルファはいなかった。子が産まれてくれば、きっとアルファで次期当主であろう。
「ひあああん、あ、そこ、そこいい」
「ここっすか?」
「ひあん!」
かわいく喘ぐ白哉を組み敷いて、恋次は欲望を白哉の子宮に注ぎ込む。
「あ、もっとだ。あふれるくらい、子種をくれ」
「あんたも好きですね。こうやって、同じオスと交わるの」
「だって、私はオメガだからぁ」
「そういうことにしときます」
白夜をぐちゃぐちゃに犯して、恋次は最後の一滴まで白哉の中に注ぎ込んで満足した。
「あ、まだ足りぬ」
「どんだけタフなんすか。指でいかせてあげますから、それで我慢してください」
「ひあああああ!!!!」
指で何度もいかせられて。白哉も満足したようだった。
「これから、毎日のように抱きますからね」
「毎日は、簡便願いたい」
「色子で体売ってたんだから、毎日でもいけるでしょう?」
「それはそうだが‥‥」
「じゃあ決まり。子供がきでるまで、毎日睦みあいましょう」
「はぁ‥‥好きにせよ」
白哉は、呆れ気味に恋次を見るのだった。
桜のあやかしと共に72
「花嵐‥‥‥‥また出会えたのに、また失ってしまった」
「十四郎、落ち着いて」
「俺は、何度なくせばいいんだろう。「春」も‥‥。いつか、お前も白哉も、俺の前からいなくなって失ってしまうのか?」
ただ涙を流す浮竹を、京楽は抱きしめた。
とても残酷だった。
花嵐の生首が、京楽のマンションの入り口に置かれていたのだ。深紅の血を流して、その顔は痛そうに歪んでいた。
元が綺麗な花鬼だっただけに、無残な姿に変わり果てた花嵐を見て、浮竹は気を失い、今やっと起きたところだった。
「本当に酷いことをするね」
生首の横には、文が置かれていた、
(近いうちに、お前の大切な友人、恋人、家族がこうなるだろう)
そう書かれてあった。
改めて字を読むと癖があり、それが藍染の手書きの文字であることが分かった。
「藍染‥‥‥許さない。殺してやる」
「十四郎、今は落ち着いて。藍染がどこにいるのかも分からないんだよ?」
「俺の大切な人たちに手を出すやつは、皆殺しにしてやる」
浮竹の瞳は、翡翠色から血のような深紅に変わっていた。
京楽が桜鬼を継いでいなければ、桜鬼になっていたであろう。
京楽は、鴆の京楽のところに浮竹を連れていき、花嵐のことと、精神安定剤のようなものを処方してくれと頼んだ。
『鴆のボク、彼岸花の精霊の浮竹も、用心してね。今まで刺客を送りこんできただけの藍染が、花嵐を殺したんだよ」
『ええ、花嵐ちゃん殺されちゃったの?』
『どうしてわかったんだ?』
「家の前に、生首が置かれていたの」
『酷いね』
『あやかしでも、そうそう残酷なことをするやつは珍しいぞ』
鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹派、わずかな時間であったが、共に過ごした者が頃されてショックを受けていた。
「いやだ‥‥‥もう、失いたくない」
浮竹は、京楽に抱きしめられながら、泣いていた。
『よく眠れるようになる薬、処方しておくから。あと、気分を安らげる薬も』
「ごめん、ありがとう、鴆のボク」
浮竹を抱っこして、京楽は自分の家に戻っていく。
『それにしても、ついに死人が』
『用心しておいたほうがよさそうだな』
『うん。桜の王、大丈夫かな?』
『俺が冥界に送ったと思って首を絞めてきたくらいだからな。平静ではいられないだろうな。しばらく無理にでも眠らせるしかない』
『後で、桜の王の様子見に行こうか』
『ああ、そうしよう』
「くすくすくす‥‥‥」
どこからか、女の笑い声を聞こえてきた。
浮竹をベッドで眠らせて、買い物の帰り道だった。
浮竹は白哉のことをとみると、花嵐が生きていると錯覚して落ち着くので、白哉にはお留守番としばらくの間の浮竹の精神安定剤の代わりになってもらっていた。
「誰だい。どこにいる!」
「くすくす‥‥あの桜の上級花鬼、いい声で啼いたのよ。あなたも、いい声で啼いてくださる?」
それは、藍染の愛人でもある濡れ女だった。
「まさか、君が花嵐ちゃんを?」
「そうよ?一人で無防備にいるから、連れ去って藍染様に忠誠を誓わせようとしたけど、拒否したから見せしめに殺してやったのよ。さんざんいたぶってね」
「殺してやる‥‥‥‥」
京楽は、桜鬼になっていた。
買い物のスーパーの袋を地面に置いて、鋭い爪で濡れ女に襲いかかるが、するりと交わされてしまう。
「ふふ、その程度なの?」
「天空破邪!天炎!」
「きゃああああああああ」
いきなり起こった黄金の炎に飲まれて、濡れ女は悲鳴をあげる。
「こ、こんな術ごときで!」
濡れ女は、焼かれながら京楽に刃で切りかかる。
「桜鬼ごときに!」
「花嵐ちゃんを殺した報い、受けてもらうよ!縛!」
「ぎゃあ!」
濡れ女は束縛されて動けなくなった。そこへ、京楽が追加の炎を叩きこむ。
「天空破邪、天炎、天炎、天炎!!!!」
「ぎいやあああああああああ」
死なないようにしながら生きながら燃やされて、濡れ女は苦痛の悲鳴をあげる。
京楽は、それでも気がおさまらずに、日本刀を取り出すと、濡れ女の指から徐々に切り落としていく。
「あああああ、ひと思いに殺してえええ」
「君が、花嵐ちゃんに味わわゼた地獄を、君も味わえ」
「京楽、そこまでだ」
「十四郎!?起きてて大丈夫なの?」
浮竹が、立っていた。
「こいつが、花嵐を殺したのか」
「うん」
しゅぱん。
浮竹の桜の花びらでできた刀で、濡れ女は生きたまま首をはねられる。
「ああああ、藍染様が、許さないんだから。私を、こんな、目に、あわせて」
「藍染も殺してやるから、安心しろ」
「藍染さまぁ、愛していますうううう」
それきり、濡れ女は動かなくなった。
浮竹は、濡れ女の生首を、焦げた髪をもちあげて、式を出した。
「主人のところへ届けてやれ」
式である白い烏は、濡れ女の首を髪をくわえてかなたに消えていった。
「ううっ」
ふらりとぐらつく浮竹を、京楽が抱きとめる。
「十四郎、無茶しちゃだめだよ」
「でも、仇は討てた」
「そうだね。花嵐ちゃんが味わったのと同じくらい苦しみを与えてやったから」
「うう‥‥我は桜の花神。我の依り代を泣かせるのはどこのどいつだ」
「十四郎?」
「我は‥‥俺は、桜の花神。花嵐が封印していた、もう一人の俺」
浮竹は、背中に桜色の翼を6枚生やしていた。
「十四郎!!!」
「時がくれば、また俺は覚醒する。それまで、俺を大切にしてくれ」
桜の花神は、濡れ女の死体を桜の木に変えて、満開の桜にした。
「花嵐‥‥仇はとったぞ。今は、ただ静かに眠れ。京楽」
「はい!」
「桜の花神である俺は、神に叙されている。くれぐれも、桜の王を悲しませるな。俺がでてくると、全てがいずれ壊れてしまう」
「花神‥‥‥」
「俺は、桜の名はついているが、藍染と同じ災厄をもたらす神だ。もっとも、藍染は神のなりそこないだがな」
桜の花神は、桜の花吹雪を巻き散らす。
「桜の花神として生まれた俺は、先代の長老神であった者に封印されて、その封印は代々俺に近しい上級花鬼がもっていた。封印とも知らずに」
「うん」
「桜の花神は、四季の王であるもう一人の俺より強い。京楽、お前に何かあれば覚醒するかもしれない。くれぐれも、俺を外に出すな。俺を守れ」
「うん、守るよ」
「俺はまた眠りにつく。藍染と闘うのはきっと俺だ。もしくは、完全に覚醒して桜の花神となった桜の王かもしれない」
「最終決戦は近いの?」
「分からない。藍染の出方次第だ」
京楽は、浮竹が桜の花神を宿していることには驚かなかった。
四季の王になるくらいなのだから、神になっていてもおかしくはないのだ。
「では、俺は眠る」
「十四郎」
「ん?どうしたんだ‥‥ああ、もう一人の俺が出てきていたのか。花嵐が殺されたことで封印が解けた。まぁ、俺は神になんてなりたくないから、そんな顔をするな」
京楽の顔は、悲壮と困惑を浮かべていた。
「十四郎が、十四郎じゃなくなっちゃうってことじゃないよね?」
「眠りについたりもするが、基本は俺をベースにできている。桜の花神の俺は、もう一人の俺というのと、俺自身でもある。二重人格とは、少し違うな。俺の意思もそこにあるから」
「うん。十四郎、何があっても君を愛しているよ。たとえ邪神だったとしても、愛している」
「勝手に、俺を邪神にするな」
浮竹は、ハリセンで京楽の頭を殴る。
「花嵐はいなくなったが、白哉がいる。封印は、多分白哉に移った」
「白哉くんにも、いろいろ説明しないとね?」
「その前にしっぽりだろ?」
「え、なんで分かったの」
「顔に書いてある。桜の花神になった俺が変わってないか、確かめたいんだろう?」
「だめかい?」
「いや、いいぞ。俺も、まだ花嵐が殺されたショックがある。忘れたい」
しっぽりして、一時的な安らぎを得る。
浮竹は、くつくつと笑った。
「覚えておけ、藍染。お前の大切にしているもの、全て壊してやる」
「怖い怖い。十四郎を怒らせると、命がいくつあっても足りないね」
浮竹は、今まで静観してきたが、藍染への反撃を決意するのであった。
「十四郎、落ち着いて」
「俺は、何度なくせばいいんだろう。「春」も‥‥。いつか、お前も白哉も、俺の前からいなくなって失ってしまうのか?」
ただ涙を流す浮竹を、京楽は抱きしめた。
とても残酷だった。
花嵐の生首が、京楽のマンションの入り口に置かれていたのだ。深紅の血を流して、その顔は痛そうに歪んでいた。
元が綺麗な花鬼だっただけに、無残な姿に変わり果てた花嵐を見て、浮竹は気を失い、今やっと起きたところだった。
「本当に酷いことをするね」
生首の横には、文が置かれていた、
(近いうちに、お前の大切な友人、恋人、家族がこうなるだろう)
そう書かれてあった。
改めて字を読むと癖があり、それが藍染の手書きの文字であることが分かった。
「藍染‥‥‥許さない。殺してやる」
「十四郎、今は落ち着いて。藍染がどこにいるのかも分からないんだよ?」
「俺の大切な人たちに手を出すやつは、皆殺しにしてやる」
浮竹の瞳は、翡翠色から血のような深紅に変わっていた。
京楽が桜鬼を継いでいなければ、桜鬼になっていたであろう。
京楽は、鴆の京楽のところに浮竹を連れていき、花嵐のことと、精神安定剤のようなものを処方してくれと頼んだ。
『鴆のボク、彼岸花の精霊の浮竹も、用心してね。今まで刺客を送りこんできただけの藍染が、花嵐を殺したんだよ」
『ええ、花嵐ちゃん殺されちゃったの?』
『どうしてわかったんだ?』
「家の前に、生首が置かれていたの」
『酷いね』
『あやかしでも、そうそう残酷なことをするやつは珍しいぞ』
鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹派、わずかな時間であったが、共に過ごした者が頃されてショックを受けていた。
「いやだ‥‥‥もう、失いたくない」
浮竹は、京楽に抱きしめられながら、泣いていた。
『よく眠れるようになる薬、処方しておくから。あと、気分を安らげる薬も』
「ごめん、ありがとう、鴆のボク」
浮竹を抱っこして、京楽は自分の家に戻っていく。
『それにしても、ついに死人が』
『用心しておいたほうがよさそうだな』
『うん。桜の王、大丈夫かな?』
『俺が冥界に送ったと思って首を絞めてきたくらいだからな。平静ではいられないだろうな。しばらく無理にでも眠らせるしかない』
『後で、桜の王の様子見に行こうか』
『ああ、そうしよう』
「くすくすくす‥‥‥」
どこからか、女の笑い声を聞こえてきた。
浮竹をベッドで眠らせて、買い物の帰り道だった。
浮竹は白哉のことをとみると、花嵐が生きていると錯覚して落ち着くので、白哉にはお留守番としばらくの間の浮竹の精神安定剤の代わりになってもらっていた。
「誰だい。どこにいる!」
「くすくす‥‥あの桜の上級花鬼、いい声で啼いたのよ。あなたも、いい声で啼いてくださる?」
それは、藍染の愛人でもある濡れ女だった。
「まさか、君が花嵐ちゃんを?」
「そうよ?一人で無防備にいるから、連れ去って藍染様に忠誠を誓わせようとしたけど、拒否したから見せしめに殺してやったのよ。さんざんいたぶってね」
「殺してやる‥‥‥‥」
京楽は、桜鬼になっていた。
買い物のスーパーの袋を地面に置いて、鋭い爪で濡れ女に襲いかかるが、するりと交わされてしまう。
「ふふ、その程度なの?」
「天空破邪!天炎!」
「きゃああああああああ」
いきなり起こった黄金の炎に飲まれて、濡れ女は悲鳴をあげる。
「こ、こんな術ごときで!」
濡れ女は、焼かれながら京楽に刃で切りかかる。
「桜鬼ごときに!」
「花嵐ちゃんを殺した報い、受けてもらうよ!縛!」
「ぎゃあ!」
濡れ女は束縛されて動けなくなった。そこへ、京楽が追加の炎を叩きこむ。
「天空破邪、天炎、天炎、天炎!!!!」
「ぎいやあああああああああ」
死なないようにしながら生きながら燃やされて、濡れ女は苦痛の悲鳴をあげる。
京楽は、それでも気がおさまらずに、日本刀を取り出すと、濡れ女の指から徐々に切り落としていく。
「あああああ、ひと思いに殺してえええ」
「君が、花嵐ちゃんに味わわゼた地獄を、君も味わえ」
「京楽、そこまでだ」
「十四郎!?起きてて大丈夫なの?」
浮竹が、立っていた。
「こいつが、花嵐を殺したのか」
「うん」
しゅぱん。
浮竹の桜の花びらでできた刀で、濡れ女は生きたまま首をはねられる。
「ああああ、藍染様が、許さないんだから。私を、こんな、目に、あわせて」
「藍染も殺してやるから、安心しろ」
「藍染さまぁ、愛していますうううう」
それきり、濡れ女は動かなくなった。
浮竹は、濡れ女の生首を、焦げた髪をもちあげて、式を出した。
「主人のところへ届けてやれ」
式である白い烏は、濡れ女の首を髪をくわえてかなたに消えていった。
「ううっ」
ふらりとぐらつく浮竹を、京楽が抱きとめる。
「十四郎、無茶しちゃだめだよ」
「でも、仇は討てた」
「そうだね。花嵐ちゃんが味わったのと同じくらい苦しみを与えてやったから」
「うう‥‥我は桜の花神。我の依り代を泣かせるのはどこのどいつだ」
「十四郎?」
「我は‥‥俺は、桜の花神。花嵐が封印していた、もう一人の俺」
浮竹は、背中に桜色の翼を6枚生やしていた。
「十四郎!!!」
「時がくれば、また俺は覚醒する。それまで、俺を大切にしてくれ」
桜の花神は、濡れ女の死体を桜の木に変えて、満開の桜にした。
「花嵐‥‥仇はとったぞ。今は、ただ静かに眠れ。京楽」
「はい!」
「桜の花神である俺は、神に叙されている。くれぐれも、桜の王を悲しませるな。俺がでてくると、全てがいずれ壊れてしまう」
「花神‥‥‥」
「俺は、桜の名はついているが、藍染と同じ災厄をもたらす神だ。もっとも、藍染は神のなりそこないだがな」
桜の花神は、桜の花吹雪を巻き散らす。
「桜の花神として生まれた俺は、先代の長老神であった者に封印されて、その封印は代々俺に近しい上級花鬼がもっていた。封印とも知らずに」
「うん」
「桜の花神は、四季の王であるもう一人の俺より強い。京楽、お前に何かあれば覚醒するかもしれない。くれぐれも、俺を外に出すな。俺を守れ」
「うん、守るよ」
「俺はまた眠りにつく。藍染と闘うのはきっと俺だ。もしくは、完全に覚醒して桜の花神となった桜の王かもしれない」
「最終決戦は近いの?」
「分からない。藍染の出方次第だ」
京楽は、浮竹が桜の花神を宿していることには驚かなかった。
四季の王になるくらいなのだから、神になっていてもおかしくはないのだ。
「では、俺は眠る」
「十四郎」
「ん?どうしたんだ‥‥ああ、もう一人の俺が出てきていたのか。花嵐が殺されたことで封印が解けた。まぁ、俺は神になんてなりたくないから、そんな顔をするな」
京楽の顔は、悲壮と困惑を浮かべていた。
「十四郎が、十四郎じゃなくなっちゃうってことじゃないよね?」
「眠りについたりもするが、基本は俺をベースにできている。桜の花神の俺は、もう一人の俺というのと、俺自身でもある。二重人格とは、少し違うな。俺の意思もそこにあるから」
「うん。十四郎、何があっても君を愛しているよ。たとえ邪神だったとしても、愛している」
「勝手に、俺を邪神にするな」
浮竹は、ハリセンで京楽の頭を殴る。
「花嵐はいなくなったが、白哉がいる。封印は、多分白哉に移った」
「白哉くんにも、いろいろ説明しないとね?」
「その前にしっぽりだろ?」
「え、なんで分かったの」
「顔に書いてある。桜の花神になった俺が変わってないか、確かめたいんだろう?」
「だめかい?」
「いや、いいぞ。俺も、まだ花嵐が殺されたショックがある。忘れたい」
しっぽりして、一時的な安らぎを得る。
浮竹は、くつくつと笑った。
「覚えておけ、藍染。お前の大切にしているもの、全て壊してやる」
「怖い怖い。十四郎を怒らせると、命がいくつあっても足りないね」
浮竹は、今まで静観してきたが、藍染への反撃を決意するのであった。
桜のあやかしと共に71
消えてしまったはずの花嵐は、新しくまた桜の花鬼として生を受ける。
「ああ‥‥さよならって、言ったのに」
花嵐は苦笑して、桜の王である浮竹に会いにいこうか悩んだ。
「私が存在していることがばれたら、きっと藍染がまた私を狙って、桜の王を苦しめる」
花嵐は、遠まきに現世に住む浮竹と、その伴侶である京楽、そして転生したはずの白哉を見ていた。
「転生したはずなのに、また転生するなんて、おかしいわね」
クスリと、花嵐は笑う。
『そこの桜の花鬼』
「え、私のことですか?」
彼岸花の精霊の浮竹が、花嵐に声をかけた。
「浮竹様にそっくり‥‥」
『ふふ、やっぱり桜の王に縁がある者か』
『ちょっと浮竹、いきなり失礼だよ!』
「私は構いませんよ?」
『桜の王には会いに行かないのか』
「悩んでます。会いたいけど、すでに転生した私が弟として家族として傍にいる。さらに転生したなんて知れたら‥‥」
『いいじゃないか。会いたいなら、会えばいい』:
『浮竹、そんなこと言うけど、そう簡単なものじゃないかもしれないよ』
「決めました。やっぱり、会いにいきます!」
花嵐は、桜色のは髪を風になびかせて、桜色の瞳で前を向いて歩きだす。
ピンポーン。
チャイムがなり、京楽が対応した。
「依頼かい?」
「似たようなものです。桜の王に会わせてください」
「そういうわけにもいかないんだ。最近は物騒だからね。誰か、身の保証をしてくれる人は‥‥」
『俺が保証しよう』
「彼岸花の精霊の浮竹!まぁ、君が保証するならいいか」
花嵐は、京楽の3億するマンションに恐る恐る足を踏み入れる。
「桜の王‥‥‥私です。分かりますか?」
桜の王である浮竹に話しかけると、浮竹は目を見開いた。
「花嵐!成仏したんじゃなかったのか!」
「それがぁ、また桜の花鬼として命をさずかったみたいで‥‥‥」
「花嵐?私の前世が、また転生を?」
白哉がやや困惑気に、花嵐を見る。
「えへへ、また転生しちゃいました。今日は、それを知らせたかっただけです」
「まぁ、中に入れ。京楽、彼女がこの前言っていた、桜の上級花鬼の花嵐だ]
「いやぁ、どうも。浮竹が世話になったみたいで」
「もう、2千年以上も前も話ですよ」
「それでも、君がいてくれたから、今の十四郎がいるわけで」
「あははは、そうですね」
『もっと修羅場を期待していたのに』
『ちょっと、浮竹失礼だよ』
鴆の京楽と、彼岸花の精霊の浮竹も来ていた。
「知り合いのフルメンバーに近いな。よし、ベランダでバーベキューをしよう」
浮竹がそう言いだした。具材はもう買ってあるらしく、物置になっている部屋にバーベキュー用の器具があり、それを京楽がベランダに設置する。
「この階は、他に住人がいないからね。騒いでも平気だよ」
『バーベキューか。肉を焼け、肉を』
『ちょっと浮竹、まるで夕食をたかりにきたみたいになってよ』
「歓迎するぞ、鴆の京楽に彼岸花の精霊の俺」
白哉は、花嵐と向かいあって、酒を飲んだ。
「何はともあれ、また転生したのであれば、新しい人生を謳歌すればいい」
「白哉くんはぁ、いい子ですねぇ。私が転生した先とは思えないくらい、いい子」
「子供扱いはよせ」
「でもぉ、私にとっては実の子供ような存在でぇ」
花嵐は、すでに酔っていた。
そして、バーベキューを楽しんでいるメンバーに酒をすすめていく。
「俺は飲めないんだ。下戸に上に酒乱らしくて」
浮竹にも酒をすすめるが、浮竹は首を左右に振る。
「気にしなくていいから、飲みなさい」
「花嵐がそう言うなら」
浮竹は、すすめられるままに酒を飲んだ。
そして、彼岸花の精霊の浮竹に抱き着いて離れなくなった。
『どうした、桜の王。また、昔のように俺としっぽりしたいのか?』
『浮竹から離れて、桜の王』
「十四郎、こっちに来なさい」
「あははははは。星が回ってるうううう」
京楽の腕の中で、浮竹は眠りについてしまった。
「主役が寝ちゃったよ」
『え、今回の主役は花嵐ちゃんでしょ』
『しっぽりしたいなぁ‥‥‥なぁ、京楽ぅ』
彼岸花の精霊の浮竹も酔って、鴆の京楽にしなだれかかる。
『しっぽりしよう?』
『ごめん、ゲストルーム借りるね』
鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹は、京楽の家でしっぽりする気満々だった。
「私は、明日また恋次と祓い屋の仕事があるので、寝る」
「あははは、みんな自由人ねぇ」
花嵐は、飲んで食べて笑っていた。
「ふにゃあ。花嵐、それは京楽といって飲み物だ]
「ちょっと、何言ってるのさ浮竹!寝てたんじゃないの?」
「ふにゃああ」
「だめだこりゃ」
花嵐は、一夜を京楽の家で過ごして、朝になって異界の桜の里に帰還することにした。
「うう、頭が痛い‥‥」
「お酒を飲むからだよ」
『ゲストルームありがとう。しっぽりできたよ』
『京楽、酒が入るとすごい‥‥‥‥‥』
彼岸花の精霊の浮竹は、満足そうにしていた。鴆の京楽はしっぽりの報告までする。
「じゃあ、私は帰るね?」
「ああ、気をつけて」
「あ、異界に帰る前に、こっちの世界の浮竹様の桜見て帰ります」
花嵐は、そう言って35階のベランダの窓から飛び降りていった。
「だから、玄関使って!」
「私も行くぞ。では、後日」
白哉も、35階のベランダの窓から飛び降りていく。
それを真似して、鴆の京楽も彼岸花の精霊の浮竹も飛び降りていった。
「だーかーらー、玄関!!!」
「もし、そこの桜の上級花鬼のお嬢さん」
「誰?」
花嵐は、近くの公園の浮竹の桜を見上げていると、老婆から声をかけられた。
「フフフフ‥‥‥‥」
「濡れ女?何、なんなの!」
濡れ女は、若い美女の姿になると、花嵐を術で眠らせた。
「藍染様に、いい手土産ができたわ。桜の王の悔しがる顔が、早く見たいわ」
ふっと、濡れ女も花嵐も、次元のかなたに消えるのであった。
「ああ‥‥さよならって、言ったのに」
花嵐は苦笑して、桜の王である浮竹に会いにいこうか悩んだ。
「私が存在していることがばれたら、きっと藍染がまた私を狙って、桜の王を苦しめる」
花嵐は、遠まきに現世に住む浮竹と、その伴侶である京楽、そして転生したはずの白哉を見ていた。
「転生したはずなのに、また転生するなんて、おかしいわね」
クスリと、花嵐は笑う。
『そこの桜の花鬼』
「え、私のことですか?」
彼岸花の精霊の浮竹が、花嵐に声をかけた。
「浮竹様にそっくり‥‥」
『ふふ、やっぱり桜の王に縁がある者か』
『ちょっと浮竹、いきなり失礼だよ!』
「私は構いませんよ?」
『桜の王には会いに行かないのか』
「悩んでます。会いたいけど、すでに転生した私が弟として家族として傍にいる。さらに転生したなんて知れたら‥‥」
『いいじゃないか。会いたいなら、会えばいい』:
『浮竹、そんなこと言うけど、そう簡単なものじゃないかもしれないよ』
「決めました。やっぱり、会いにいきます!」
花嵐は、桜色のは髪を風になびかせて、桜色の瞳で前を向いて歩きだす。
ピンポーン。
チャイムがなり、京楽が対応した。
「依頼かい?」
「似たようなものです。桜の王に会わせてください」
「そういうわけにもいかないんだ。最近は物騒だからね。誰か、身の保証をしてくれる人は‥‥」
『俺が保証しよう』
「彼岸花の精霊の浮竹!まぁ、君が保証するならいいか」
花嵐は、京楽の3億するマンションに恐る恐る足を踏み入れる。
「桜の王‥‥‥私です。分かりますか?」
桜の王である浮竹に話しかけると、浮竹は目を見開いた。
「花嵐!成仏したんじゃなかったのか!」
「それがぁ、また桜の花鬼として命をさずかったみたいで‥‥‥」
「花嵐?私の前世が、また転生を?」
白哉がやや困惑気に、花嵐を見る。
「えへへ、また転生しちゃいました。今日は、それを知らせたかっただけです」
「まぁ、中に入れ。京楽、彼女がこの前言っていた、桜の上級花鬼の花嵐だ]
「いやぁ、どうも。浮竹が世話になったみたいで」
「もう、2千年以上も前も話ですよ」
「それでも、君がいてくれたから、今の十四郎がいるわけで」
「あははは、そうですね」
『もっと修羅場を期待していたのに』
『ちょっと、浮竹失礼だよ』
鴆の京楽と、彼岸花の精霊の浮竹も来ていた。
「知り合いのフルメンバーに近いな。よし、ベランダでバーベキューをしよう」
浮竹がそう言いだした。具材はもう買ってあるらしく、物置になっている部屋にバーベキュー用の器具があり、それを京楽がベランダに設置する。
「この階は、他に住人がいないからね。騒いでも平気だよ」
『バーベキューか。肉を焼け、肉を』
『ちょっと浮竹、まるで夕食をたかりにきたみたいになってよ』
「歓迎するぞ、鴆の京楽に彼岸花の精霊の俺」
白哉は、花嵐と向かいあって、酒を飲んだ。
「何はともあれ、また転生したのであれば、新しい人生を謳歌すればいい」
「白哉くんはぁ、いい子ですねぇ。私が転生した先とは思えないくらい、いい子」
「子供扱いはよせ」
「でもぉ、私にとっては実の子供ような存在でぇ」
花嵐は、すでに酔っていた。
そして、バーベキューを楽しんでいるメンバーに酒をすすめていく。
「俺は飲めないんだ。下戸に上に酒乱らしくて」
浮竹にも酒をすすめるが、浮竹は首を左右に振る。
「気にしなくていいから、飲みなさい」
「花嵐がそう言うなら」
浮竹は、すすめられるままに酒を飲んだ。
そして、彼岸花の精霊の浮竹に抱き着いて離れなくなった。
『どうした、桜の王。また、昔のように俺としっぽりしたいのか?』
『浮竹から離れて、桜の王』
「十四郎、こっちに来なさい」
「あははははは。星が回ってるうううう」
京楽の腕の中で、浮竹は眠りについてしまった。
「主役が寝ちゃったよ」
『え、今回の主役は花嵐ちゃんでしょ』
『しっぽりしたいなぁ‥‥‥なぁ、京楽ぅ』
彼岸花の精霊の浮竹も酔って、鴆の京楽にしなだれかかる。
『しっぽりしよう?』
『ごめん、ゲストルーム借りるね』
鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹は、京楽の家でしっぽりする気満々だった。
「私は、明日また恋次と祓い屋の仕事があるので、寝る」
「あははは、みんな自由人ねぇ」
花嵐は、飲んで食べて笑っていた。
「ふにゃあ。花嵐、それは京楽といって飲み物だ]
「ちょっと、何言ってるのさ浮竹!寝てたんじゃないの?」
「ふにゃああ」
「だめだこりゃ」
花嵐は、一夜を京楽の家で過ごして、朝になって異界の桜の里に帰還することにした。
「うう、頭が痛い‥‥」
「お酒を飲むからだよ」
『ゲストルームありがとう。しっぽりできたよ』
『京楽、酒が入るとすごい‥‥‥‥‥』
彼岸花の精霊の浮竹は、満足そうにしていた。鴆の京楽はしっぽりの報告までする。
「じゃあ、私は帰るね?」
「ああ、気をつけて」
「あ、異界に帰る前に、こっちの世界の浮竹様の桜見て帰ります」
花嵐は、そう言って35階のベランダの窓から飛び降りていった。
「だから、玄関使って!」
「私も行くぞ。では、後日」
白哉も、35階のベランダの窓から飛び降りていく。
それを真似して、鴆の京楽も彼岸花の精霊の浮竹も飛び降りていった。
「だーかーらー、玄関!!!」
「もし、そこの桜の上級花鬼のお嬢さん」
「誰?」
花嵐は、近くの公園の浮竹の桜を見上げていると、老婆から声をかけられた。
「フフフフ‥‥‥‥」
「濡れ女?何、なんなの!」
濡れ女は、若い美女の姿になると、花嵐を術で眠らせた。
「藍染様に、いい手土産ができたわ。桜の王の悔しがる顔が、早く見たいわ」
ふっと、濡れ女も花嵐も、次元のかなたに消えるのであった。
桜のあやかしと共に70
「あなただけを、ただ愛しています」
「いくな、花嵐(カラン)!!」
「今度生まれかわったら、また桜の花鬼になって、あなたと家族に‥‥」
そこで、浮竹ははっと起きた。
泣いていた。
「花嵐‥‥‥俺が、初めて心を許した桜の花鬼」
桜の花鬼はたくさんいるが、浮竹の硬い心を溶かしたのは花嵐という名の女性の花鬼だった。
今から2千年前にもなる、遠い遠い昔の出来事だった。
桜鬼と恐れられていた浮竹は、同胞でもある桜の花鬼さえ、自分の養分とした。
そんな時に現れたのが、花嵐だった。
「同胞を食らうなら、まず私から食べてください」
「愚かな。自分から、命を差し出すというのか」
「それで、あなたの心に少しでも安らぎが訪れるなら。愛しています、桜の王」
桜鬼と呼ばれてばかりで、久方ぶりに桜の王と呼ばれた。
それに気を良くした浮竹は、花嵐という名の桜の花鬼の同胞を食わず、身の回りの世話をする侍女に選んだ。
桜鬼でありながら、桜の王であった浮竹の寵愛を得ようと、他の花鬼たちはこびへつらったり、もしくは畏怖の対象として遠巻きに見るかの二択しかなかった。
寵愛を得ようという者も、絶対どこかで浮竹のことを畏怖していた。
怖い。でも、桜の王の寵愛を受ければ、長く生きられる。
そんな周囲の花鬼たちに嫌気がさして、眠りについたり、人間に混ざって生きたりもした。
でも、花嵐はいつも一緒だった。
浮竹のことを好きだというわけでもなく、ただ自然に隣にいた。知人として愛してくれた。
浮竹にとって、それは新鮮であり、他者の命を食らうのがどれほどだめなことなのか、いつの間にか痛感してしまった。
もしも、花嵐を食ってしまえば、浮竹は悲しみで泣くだろう。
今まで食ってきたあやかしや人間にも、愛する者や愛される者がいたに違いない。
花嵐と出会って10年目。
浮竹は、桜鬼であることを止めた。
他のあやかしや人間を食べるのをやめて、人が口にするもので栄養をとるようになっていた。それは花嵐の真似であった。
「あなたは桜の王。桜鬼である前に、桜の王なのです。そのことをよく理解して、行動してください。人やあやかしを食わなくなったら、いつか必ずあなたは桜鬼と呼ばれなくなる。それが、私の願いです」
「随分と、優しいことを言う。俺の寵愛がほしいのか?]
「いいえ。そんなもの、いりません。ただ、桜の王である浮竹様、あなたのことをちゃんと理解したい」
「他者が他者を理解するなんてできない」
「そうかもしれません。でも、少しは分かると思いますよ?」
花嵐は、桜色の髪に瞳をした、桜の花鬼の中でも高レベルの存在であった。
食らえば、数年は他に食わずと済むが、浮竹が花嵐を食うことはなかった。
少しずつ、氷が解けていくように、浮竹の心が雪解け水になっていく。
浮竹は、他者の痛みというものを知った。
花嵐を失うと考えると、悲しさで満たされる。
「お前は、ずっと俺の傍にいろ」
愛しているとはまた違った感情だった。
大切な友人のような関係であったと思う。
花嵐は、浮竹の世話をよくしてくれた。料理も、彼女から教わり、桜の術の使い方の詳細も彼女から教わった。
花嵐なくして、今の浮竹はいない。
そんな存在だった。
ある日、長老神と自称する若い男に花嵐は連れ去られ、辱められて、嬲られて、花嵐は自ら命を絶とうとしていた。
「藍染の子なんて産みたくないのです。ああ、桜の王、泣かないで」
「やめろ、花嵐。俺を置いていくな」
「愛していました。これは本当。姉にのようにですが」
「花嵐!」
「ふふふ。次に生まれ変わったら、あなたの傍にまたいたい。桜の花鬼として命をまた受けて、あなたと本当の家族になりたい」
なぜ、忘れていたのだろうか。
浮竹は、ただ涙して花嵐の最期の言葉を思い出す。
「白哉と。そう名付けてください。もしも私が生まれ変わってあなたの家族になったときは。きっと男性でしょう。未来予知の禁忌の術を使いました。私は、これから1800年もの後に、あなたの弟として生を受けるでしょう。名は白哉と。苗字は好きにつけてくださってかまいません、浮竹十四郎様。私の最愛の人」
「花嵐!!」
そこで、記憶はぷつりと途切れる。
花嵐が、最期の術で、自分に関する記憶を浮竹から消し去ったのだ。
そして、1800年の時が流れた。
「桜の大樹の傍に、小さな命がある。株分けした桜に宿るようにしてやろう」
浮竹は、その赤子を見た時、なぜか白哉と名付けていた。
「苗字は‥‥そうだな、朽ちない木とかいて、朽木白哉。それが、今日からお前の名だ。お前は、俺のたった一人の家族であり、弟だ」
本体である桜の大樹に穢れをまかれ、浄化された際にふとぼんやりと思い出した。
鮮明に記憶が蘇ったのは、今日の夢を見たからだった。
「白哉!!!!」
「んー。どうしたのだ、浮竹、こんな朝から‥‥」
「お前は、花嵐の生まれ変わりだったのだな。俺の弟として生まれてきてくれて、ありがとう」
ゆらりと、白哉の中から何かが滲み出てくる。
「やっと、気づいてくれたのですね、桜の王。200年我慢してました。もう、これで私もやっと眠れる。どうか、私を、白哉を、かわいがってくださいね」
「いくな、花嵐」
「だめですよ。私は死者です。いつまでも生者の中にいられない」
「ありがとう、花嵐。白哉になってくれて。俺は、これからも弟の白哉を愛する。家族として、古き知人として」
「ふ‥‥‥そういうことか。どうりで、私がいきなり桜の王である浮竹の弟として生まれてきたわけだ。そうか、私にも前世があったのだな」
「白哉、愛しているぞ。花嵐としてではなく、ちゃんと白哉として、俺の弟として」
「ふふ、くすぐったいな」
浮竹は、実の弟である白哉を抱きしめた。
「ああ、十四郎が浮気して!しかも白哉くんと!」
起きてきた京楽が、二人を見て引きはがそうとする。
「花嵐は、いってしまったか」
「どうやら、そのようだ。昔から、私の中に何か異物があると感じていたのだ。花嵐という、桜の上級花鬼の魂だったのだな」
「そうみたいだな」
「どういうこと?」
全然分からない京楽に説明もなしで、浮竹は黒い絹のような白哉の黒髪を手ですいて、頭を撫でる。
「子供ではないのだが」
「俺にとっては、まだまだ子供だ。200歳なんて、まだまだ子供さ」
「10時に、恋次とあやかし退治に行くことになっているのだが」
「恋次!俺の白哉を横取りしおってえええ」
その場に恋次がいたら、呪いそうな勢いだった。
「まぁ、うまくいっているならいい」
「あの、ボクには何が何だがさっぱりなんだけど」
「そのうち、話してやるさ。多分、そのうち、気が向いたら」
「絶対話す気ないでしょ」
浮竹は、笑ってキッチンで朝食を作り始める。白哉は、その手伝いをする。
「ボクだけ除け者はないよおおおお」
京楽の情けない声が、いつまでもこだまするのであった。
「いくな、花嵐(カラン)!!」
「今度生まれかわったら、また桜の花鬼になって、あなたと家族に‥‥」
そこで、浮竹ははっと起きた。
泣いていた。
「花嵐‥‥‥俺が、初めて心を許した桜の花鬼」
桜の花鬼はたくさんいるが、浮竹の硬い心を溶かしたのは花嵐という名の女性の花鬼だった。
今から2千年前にもなる、遠い遠い昔の出来事だった。
桜鬼と恐れられていた浮竹は、同胞でもある桜の花鬼さえ、自分の養分とした。
そんな時に現れたのが、花嵐だった。
「同胞を食らうなら、まず私から食べてください」
「愚かな。自分から、命を差し出すというのか」
「それで、あなたの心に少しでも安らぎが訪れるなら。愛しています、桜の王」
桜鬼と呼ばれてばかりで、久方ぶりに桜の王と呼ばれた。
それに気を良くした浮竹は、花嵐という名の桜の花鬼の同胞を食わず、身の回りの世話をする侍女に選んだ。
桜鬼でありながら、桜の王であった浮竹の寵愛を得ようと、他の花鬼たちはこびへつらったり、もしくは畏怖の対象として遠巻きに見るかの二択しかなかった。
寵愛を得ようという者も、絶対どこかで浮竹のことを畏怖していた。
怖い。でも、桜の王の寵愛を受ければ、長く生きられる。
そんな周囲の花鬼たちに嫌気がさして、眠りについたり、人間に混ざって生きたりもした。
でも、花嵐はいつも一緒だった。
浮竹のことを好きだというわけでもなく、ただ自然に隣にいた。知人として愛してくれた。
浮竹にとって、それは新鮮であり、他者の命を食らうのがどれほどだめなことなのか、いつの間にか痛感してしまった。
もしも、花嵐を食ってしまえば、浮竹は悲しみで泣くだろう。
今まで食ってきたあやかしや人間にも、愛する者や愛される者がいたに違いない。
花嵐と出会って10年目。
浮竹は、桜鬼であることを止めた。
他のあやかしや人間を食べるのをやめて、人が口にするもので栄養をとるようになっていた。それは花嵐の真似であった。
「あなたは桜の王。桜鬼である前に、桜の王なのです。そのことをよく理解して、行動してください。人やあやかしを食わなくなったら、いつか必ずあなたは桜鬼と呼ばれなくなる。それが、私の願いです」
「随分と、優しいことを言う。俺の寵愛がほしいのか?]
「いいえ。そんなもの、いりません。ただ、桜の王である浮竹様、あなたのことをちゃんと理解したい」
「他者が他者を理解するなんてできない」
「そうかもしれません。でも、少しは分かると思いますよ?」
花嵐は、桜色の髪に瞳をした、桜の花鬼の中でも高レベルの存在であった。
食らえば、数年は他に食わずと済むが、浮竹が花嵐を食うことはなかった。
少しずつ、氷が解けていくように、浮竹の心が雪解け水になっていく。
浮竹は、他者の痛みというものを知った。
花嵐を失うと考えると、悲しさで満たされる。
「お前は、ずっと俺の傍にいろ」
愛しているとはまた違った感情だった。
大切な友人のような関係であったと思う。
花嵐は、浮竹の世話をよくしてくれた。料理も、彼女から教わり、桜の術の使い方の詳細も彼女から教わった。
花嵐なくして、今の浮竹はいない。
そんな存在だった。
ある日、長老神と自称する若い男に花嵐は連れ去られ、辱められて、嬲られて、花嵐は自ら命を絶とうとしていた。
「藍染の子なんて産みたくないのです。ああ、桜の王、泣かないで」
「やめろ、花嵐。俺を置いていくな」
「愛していました。これは本当。姉にのようにですが」
「花嵐!」
「ふふふ。次に生まれ変わったら、あなたの傍にまたいたい。桜の花鬼として命をまた受けて、あなたと本当の家族になりたい」
なぜ、忘れていたのだろうか。
浮竹は、ただ涙して花嵐の最期の言葉を思い出す。
「白哉と。そう名付けてください。もしも私が生まれ変わってあなたの家族になったときは。きっと男性でしょう。未来予知の禁忌の術を使いました。私は、これから1800年もの後に、あなたの弟として生を受けるでしょう。名は白哉と。苗字は好きにつけてくださってかまいません、浮竹十四郎様。私の最愛の人」
「花嵐!!」
そこで、記憶はぷつりと途切れる。
花嵐が、最期の術で、自分に関する記憶を浮竹から消し去ったのだ。
そして、1800年の時が流れた。
「桜の大樹の傍に、小さな命がある。株分けした桜に宿るようにしてやろう」
浮竹は、その赤子を見た時、なぜか白哉と名付けていた。
「苗字は‥‥そうだな、朽ちない木とかいて、朽木白哉。それが、今日からお前の名だ。お前は、俺のたった一人の家族であり、弟だ」
本体である桜の大樹に穢れをまかれ、浄化された際にふとぼんやりと思い出した。
鮮明に記憶が蘇ったのは、今日の夢を見たからだった。
「白哉!!!!」
「んー。どうしたのだ、浮竹、こんな朝から‥‥」
「お前は、花嵐の生まれ変わりだったのだな。俺の弟として生まれてきてくれて、ありがとう」
ゆらりと、白哉の中から何かが滲み出てくる。
「やっと、気づいてくれたのですね、桜の王。200年我慢してました。もう、これで私もやっと眠れる。どうか、私を、白哉を、かわいがってくださいね」
「いくな、花嵐」
「だめですよ。私は死者です。いつまでも生者の中にいられない」
「ありがとう、花嵐。白哉になってくれて。俺は、これからも弟の白哉を愛する。家族として、古き知人として」
「ふ‥‥‥そういうことか。どうりで、私がいきなり桜の王である浮竹の弟として生まれてきたわけだ。そうか、私にも前世があったのだな」
「白哉、愛しているぞ。花嵐としてではなく、ちゃんと白哉として、俺の弟として」
「ふふ、くすぐったいな」
浮竹は、実の弟である白哉を抱きしめた。
「ああ、十四郎が浮気して!しかも白哉くんと!」
起きてきた京楽が、二人を見て引きはがそうとする。
「花嵐は、いってしまったか」
「どうやら、そのようだ。昔から、私の中に何か異物があると感じていたのだ。花嵐という、桜の上級花鬼の魂だったのだな」
「そうみたいだな」
「どういうこと?」
全然分からない京楽に説明もなしで、浮竹は黒い絹のような白哉の黒髪を手ですいて、頭を撫でる。
「子供ではないのだが」
「俺にとっては、まだまだ子供だ。200歳なんて、まだまだ子供さ」
「10時に、恋次とあやかし退治に行くことになっているのだが」
「恋次!俺の白哉を横取りしおってえええ」
その場に恋次がいたら、呪いそうな勢いだった。
「まぁ、うまくいっているならいい」
「あの、ボクには何が何だがさっぱりなんだけど」
「そのうち、話してやるさ。多分、そのうち、気が向いたら」
「絶対話す気ないでしょ」
浮竹は、笑ってキッチンで朝食を作り始める。白哉は、その手伝いをする。
「ボクだけ除け者はないよおおおお」
京楽の情けない声が、いつまでもこだまするのであった。
桜のあやかしと共に69
「どうして人間が好きかだって?そう言われてもなぁ」
鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹に問われて、浮竹は首を傾げる。
「気づいたら、人間に混じって生活していた。そのせいかな?確かにいやな人間はいるけど、いい人間も多い」
「ボクも、人間だったしね」
「そうだな。俺がお前たちみたいに人間が嫌いだったら、「春」とも京楽とも出会わずに、出会っても無関心で一緒になれなかっただろうな。俺は、人間が好きでよかったと思っている」
『甘いね』
『甘い。人間は臆病で強欲だ』
「それもまた、人間の一面だ。それが全てじゃない。いい一面もある」
『どうであろうと、ボクは人間が嫌いだ』
『俺も嫌いだ』
浮竹は、それでもいいと思った。
「別に、無理をして人間を好きにならなくてもいいんじゃないか。人それぞれで。俺と京楽は人間ががそこそこ好きで、そっちは人間が嫌い。それでいいじゃないか」
『それはそうだけど』
『でも、俺たちは術者に祓われそうになったことが何度もある』
「でも、返り討ちにしたんだろう?」
『ああ。彼岸花にしてやった』
『ちょっと、浮竹、それは』
鴆の京楽が、彼岸花の精霊の浮竹が人を殺したと言っているようなものなので、止めようとする。
「襲ってきたんだろう?その場合は、正当防衛で不問にする」
『よかった‥‥‥君たちに祓われたんじゃ、悲しすぎるからね』
「そうだな。俺も京楽も、友人であるお前たちを祓いたくない。無意味な人殺しは厳禁だぞ」
『わかっているが‥‥襲ってくるのは、いつも人間のほうだ』
「術者だろうからな。あやかしを見れば祓おうとするだろう」
『彼岸花の養分にしてやるがな』
彼岸花の精霊の浮竹は、くすくすと妖艶に笑う。
「まぁ、ほどほどにな。お前たちの退治の依頼がきても引き受ける気はないが」
『桜の王は、人間に優しすぎる』
「そうでもないぞ?祓ってこようとする人間を今まで何百人と殺してきた」
『わお。思ったより、殺してる』
鴆の京楽が驚く。
「5千年も生きているからな。かつては人やあやかしの血をすする妖怪として、桜鬼というあだ名がついた」
『それが、桜鬼のボクのルーツなんだね』
「ああ。人を殺して食べていたら、外見が鬼のようになった。それを京楽が後から身代わりとして受け継いでくれて、人間からあやかしになった」
『そうなんだよねぇ。桜鬼のボクは元人間なんだよねぇ』
「そうだぞ。中身は人間の頃とあまり変わっていない。あくまで性格だが」
『彼岸花の種が‥‥』
彼岸花の精霊の浮竹は、それ以上は何も言わなかった。
「それより、お前たちしっぽりしてからこのマンションにきたな?」
『ええ、なんでばれてるの』
「鴆の京楽から、彼岸花の精霊の俺のにおいがする」
『花鬼って不思議だね。においに敏感なのかな』
『俺もにおいでわかるぞ。お前たちはおとついしっぽりしたな?』
「ぐ、正解だ」
しっぽりしっぽりいうものだから、二人の京楽はなんとも言えない顔をする。
「しっぽり禁止令が発動すると、京楽たちは死にそうだな」
『俺が欲求不足で死ぬ』
「お前は、一人でも俺とでも‥‥‥げふんげふん」
京楽が、にーっこりと笑う。
「十四郎?浮気は許さないからね?」
「し、しないぞ」
『そうだぞ。もうしない』
そう言いながら、彼岸花の精霊の浮竹は、浮竹にキスをして抱きしめて、クスクスと笑っていた。
「だから、そういうことをボクの十四郎にしないで」
『浮竹、お仕置きされたいのかな?』
二人の京楽が、彼岸花の精霊の浮竹に少しだけ怒る。
『冗談だ』
「冗談でも、もうしないでね」
『そうだよ。ボクという存在がありながら』
鴆の京楽は、淡泊なように見えて意外と嫉妬する。
『じゃあ、ボクらは戻るね。浮竹、帰ったらちょっとお仕置きだからね』
『お仕置きされるの、嫌いじゃない』
『君、もしかしてわざと?』
『だとしたら?』
妖艶に微笑む彼岸花の精霊の浮竹を、浮竹は京楽の腕の中で見ていた。
「んっ」
京楽に深く口づけられて、そのまま京楽は二人に言う。
「じゃあ、ボクらもしっぽりするから、鴆のボクもがんばってしっぽりしてね」
『ああ、しっぽりする』
「俺の意見は聞かないのか。勝手にしっぽりすることにされてる」
『ふふふ、俺は歓迎するぞ?一度、一緒にしっぽりしてみたいな?』
『恥ずかしいからだめ!』
「無理だよ」
「俺が恥ずかしさで逃げ出す」
彼岸花の精霊の浮竹は、鴆の京楽に腕をひかれて、クスクスと妖艶に笑いながら去っていくのであった。
「さて、しっぽりしようか?」
京楽に向き合って、浮竹は京楽の頭をハリセンではたく。
「しっぽリはしない。するとしても夜だ」
「そんなぁ。その気になってたのに」
「知るか」
「兄らは、私がいることを完全に忘れているな」
「あ、白哉いたのか」
「浮竹、兄は‥‥まぁいい。しっぽりするなら、結界をはってくれ」
「白哉、今日一緒に寝よう」
「は?」
「たまには兄弟水入らずで、仲良くしよう」
「別に私はいいが、京楽はどうするのだ」
「放置プレイ」
「ふむ。放置プレイか。京楽、兄も変態になったものだな」
白夜の呆れた声に、京楽は「それはないよ~」と悲し気につぶやくのだった。
鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹に問われて、浮竹は首を傾げる。
「気づいたら、人間に混じって生活していた。そのせいかな?確かにいやな人間はいるけど、いい人間も多い」
「ボクも、人間だったしね」
「そうだな。俺がお前たちみたいに人間が嫌いだったら、「春」とも京楽とも出会わずに、出会っても無関心で一緒になれなかっただろうな。俺は、人間が好きでよかったと思っている」
『甘いね』
『甘い。人間は臆病で強欲だ』
「それもまた、人間の一面だ。それが全てじゃない。いい一面もある」
『どうであろうと、ボクは人間が嫌いだ』
『俺も嫌いだ』
浮竹は、それでもいいと思った。
「別に、無理をして人間を好きにならなくてもいいんじゃないか。人それぞれで。俺と京楽は人間ががそこそこ好きで、そっちは人間が嫌い。それでいいじゃないか」
『それはそうだけど』
『でも、俺たちは術者に祓われそうになったことが何度もある』
「でも、返り討ちにしたんだろう?」
『ああ。彼岸花にしてやった』
『ちょっと、浮竹、それは』
鴆の京楽が、彼岸花の精霊の浮竹が人を殺したと言っているようなものなので、止めようとする。
「襲ってきたんだろう?その場合は、正当防衛で不問にする」
『よかった‥‥‥君たちに祓われたんじゃ、悲しすぎるからね』
「そうだな。俺も京楽も、友人であるお前たちを祓いたくない。無意味な人殺しは厳禁だぞ」
『わかっているが‥‥襲ってくるのは、いつも人間のほうだ』
「術者だろうからな。あやかしを見れば祓おうとするだろう」
『彼岸花の養分にしてやるがな』
彼岸花の精霊の浮竹は、くすくすと妖艶に笑う。
「まぁ、ほどほどにな。お前たちの退治の依頼がきても引き受ける気はないが」
『桜の王は、人間に優しすぎる』
「そうでもないぞ?祓ってこようとする人間を今まで何百人と殺してきた」
『わお。思ったより、殺してる』
鴆の京楽が驚く。
「5千年も生きているからな。かつては人やあやかしの血をすする妖怪として、桜鬼というあだ名がついた」
『それが、桜鬼のボクのルーツなんだね』
「ああ。人を殺して食べていたら、外見が鬼のようになった。それを京楽が後から身代わりとして受け継いでくれて、人間からあやかしになった」
『そうなんだよねぇ。桜鬼のボクは元人間なんだよねぇ』
「そうだぞ。中身は人間の頃とあまり変わっていない。あくまで性格だが」
『彼岸花の種が‥‥』
彼岸花の精霊の浮竹は、それ以上は何も言わなかった。
「それより、お前たちしっぽりしてからこのマンションにきたな?」
『ええ、なんでばれてるの』
「鴆の京楽から、彼岸花の精霊の俺のにおいがする」
『花鬼って不思議だね。においに敏感なのかな』
『俺もにおいでわかるぞ。お前たちはおとついしっぽりしたな?』
「ぐ、正解だ」
しっぽりしっぽりいうものだから、二人の京楽はなんとも言えない顔をする。
「しっぽり禁止令が発動すると、京楽たちは死にそうだな」
『俺が欲求不足で死ぬ』
「お前は、一人でも俺とでも‥‥‥げふんげふん」
京楽が、にーっこりと笑う。
「十四郎?浮気は許さないからね?」
「し、しないぞ」
『そうだぞ。もうしない』
そう言いながら、彼岸花の精霊の浮竹は、浮竹にキスをして抱きしめて、クスクスと笑っていた。
「だから、そういうことをボクの十四郎にしないで」
『浮竹、お仕置きされたいのかな?』
二人の京楽が、彼岸花の精霊の浮竹に少しだけ怒る。
『冗談だ』
「冗談でも、もうしないでね」
『そうだよ。ボクという存在がありながら』
鴆の京楽は、淡泊なように見えて意外と嫉妬する。
『じゃあ、ボクらは戻るね。浮竹、帰ったらちょっとお仕置きだからね』
『お仕置きされるの、嫌いじゃない』
『君、もしかしてわざと?』
『だとしたら?』
妖艶に微笑む彼岸花の精霊の浮竹を、浮竹は京楽の腕の中で見ていた。
「んっ」
京楽に深く口づけられて、そのまま京楽は二人に言う。
「じゃあ、ボクらもしっぽりするから、鴆のボクもがんばってしっぽりしてね」
『ああ、しっぽりする』
「俺の意見は聞かないのか。勝手にしっぽりすることにされてる」
『ふふふ、俺は歓迎するぞ?一度、一緒にしっぽりしてみたいな?』
『恥ずかしいからだめ!』
「無理だよ」
「俺が恥ずかしさで逃げ出す」
彼岸花の精霊の浮竹は、鴆の京楽に腕をひかれて、クスクスと妖艶に笑いながら去っていくのであった。
「さて、しっぽりしようか?」
京楽に向き合って、浮竹は京楽の頭をハリセンではたく。
「しっぽリはしない。するとしても夜だ」
「そんなぁ。その気になってたのに」
「知るか」
「兄らは、私がいることを完全に忘れているな」
「あ、白哉いたのか」
「浮竹、兄は‥‥まぁいい。しっぽりするなら、結界をはってくれ」
「白哉、今日一緒に寝よう」
「は?」
「たまには兄弟水入らずで、仲良くしよう」
「別に私はいいが、京楽はどうするのだ」
「放置プレイ」
「ふむ。放置プレイか。京楽、兄も変態になったものだな」
白夜の呆れた声に、京楽は「それはないよ~」と悲し気につぶやくのだった。