君はアメジスト 寵姫
ルキアが、クロサキ王国にきて1週間が経った。
ルキアは、解放奴隷となった。
一護との結婚のために、大貴族朽木家の姫君として宮殿で迎えいれられていた。
ルキアを護衛する浮竹と京楽は、そのまま近衛騎士としてとりたてられた。
「はぁ・・・・・ここにきて、何もかもがうまくいきすぎて怖い」
「姫、そう溜息をつかなくても」
「そうだぞ、姫。幸せが逃げていくぞ」
「お前たちはいいな。お互いいて幸せで」
浮竹と京楽はお互いがパートナーで恋人同士であった。
ルキアの護衛を白哉に任されていたが、ルキアが自害しそうになるとは思わなくて、結局は一護が止めてくれたので、そのことに関しては一護に感謝していた。
「一護君なら、きっと姫を幸せにしてくれるよ」
京楽が、ルキアの頭を撫でる。
「むう、子供扱いするな」
「姫はまだ15歳だろう。まだまだ子供だ」
浮竹も、ルキアの頭を撫でる。
「でも、浮竹も京楽も、私についてきてくれてありがとう。一人なら、きっと自害していたし、助かったとしても逃げ出そうとしてきっと牢屋に入れられてた」
「一護君は、そんなことするような子じゃないと思うよ」
「俺も、京楽と同意見だ。姫は気に入られているのだから、城でも堂々としていればいい」
ルキアは、意を決して一護に言ってみた。
「後宮を見学したい?いいけど、なんでだ?」
「後宮にいれられて、寵姫にもされずに、故郷にも戻れない少女たちの心を少しでも軽くしてやりたい」
「いいけど、護衛の浮竹さんと京楽さんは入れないぞ?一応、俺の後宮だから男子禁制だ」
「それくらい、分かっておるわ」
ルキアは、お菓子をたくさん作ってもらって、それをもって後宮に入っていく。
そこにあったのは、嫉妬。
一護の寵愛を一身に受けているルキアに対しての嫉妬だった。
「そんなお菓子いりませんわ」
「いらない。消えてちょうだい」
「何よ!一護様の婚約者になったって、私の方が美しいわ!」
後宮にいる少女たちは、どれもは目を見張るほどの美少女だった。
そんな中、一護は自分のような者を本当に正妃にしてくれるのか不安になってきた。
お菓子をとりあえず、後宮の少女たちの部屋に置いて、城に戻ろうとした時だった。
「お前さえいなければ!!!」
後宮の、故郷にも帰れない少女の一人が、果物ナイフでルキアに切りかかった。
ルキアは油断していて、腹部を刺された。
「ぐっ・・・・」
「このまま死んでおしまい!ほほほほほ!」
「く、浮竹、京楽・・・・・」
ルキアは、緊急用のボタンを押す。
「姫!」
「姫ええええ!!!」
後宮は男子禁制というのを破って、浮竹と京楽はかけつけた。止めようとした兵士を昏倒させて。
「酷い出血だ。浮竹、ヒールを」
「ああ。ヒール」
腹部の傷に魔法をかけると、出血が止まったが、傷が深くてまだ安心できなかった。
「一護君を呼ぼう。刺したのは君だね?厳罰を、覚悟しておくことだね。仮に、厳罰にならなかったら、ボクと浮竹が君の顔を焼くことにしよう」
「ひいいい。汚らわしい獣人風情が!」
「獣人だと差別するのは、アスラ王国だね。アスラ王国出身の奴隷か。姫以外は、みんな貴族でも王族でもない。ただの奴隷が、姫と対等であれると思ったか!」
京楽は、ルキアを抱き上げた。
そして、騒ぎにかけつけた一護が、血まみれでいるルキアを抱えた京楽を見て、名を呼んだ。
「ルキア!」
「ヒールをかけて、出血は止まっているけど、傷が深すぎて危険な状態だよ」
「ヒール!」
また血が滲みでてきたので、浮竹がヒールの魔法をかける。
「早く正式な治癒術師に診てもらわないと」
「今、王宮治癒術師を呼ぶ!ルキア、それまえ持ちこたえてくれ!」
ルキアはクロサキ王国でも3本の指に入る王宮治癒術師の井上織姫に傷を癒してもらい、なんとか一命を取り留めた。
「ううう・・・」
刺されたショックで熱を出して寝込んだルキアの傍に、一護は付き添っていた。
「一護君、ボクと浮竹が様子見とくから、ご飯食べて仮眠しておいで。もうこの2日ほとんど何も食べずにあまり眠っていないでしょ」
「すまねぇ。京楽さんの言葉に甘える・・・ルキア、早く目を覚ましてくれ・・・・」
一護は、軽い食事をして仮眠にいった。
「姫を刺した少女だけど、鉱山での強制労働10年の刑だそうだよ」
「そうか。いっそ死刑にしてほしいが、鉱山の強制労働はきついからな。そっちの方が辛いだろうから、まぁ顔を焼くのはやめにしてやろう」
「見た目がいい子だったからね。きっと鉱山で男の慰み者にされるはずさ。姫を刺した代価としていいほうかな」
ルキアは、3日間眠り続けた。
点滴をされて、4日目に目を覚ました。
「ん・・・」
「ルキア!」
「一護?」
ルキアは起き上がり、腹部に痛みを覚えた。
「まだ寝てろ!お前は、後宮の奴隷の少女に腹部を深く刺されたんだ。傷は一応塞がってはいるが、まだ痛みはしばらく続くはずだ」
「わ、私を刺した者はどうなったのだ!」
「鉱山で10年の強制労働の刑に処した」
「そうか・・・死刑ではなかったのだな。良かった・・・・・」
ルキアは、自分を刺した者のことを心配していた。
「ルキア、言っとくが罪を軽くしろとか言っても無駄だからな。俺の、正式な婚約者であるお前を刺したんだ。普通なら、王家反逆罪で家族もとろもに死刑だ」
「一護、たのむからそのような真似は・・・・」
「ああ。お前がそう言うと思って、鉱山での強制労働10年にしておいた」
「そうか・・・・・・」
一護は、ルキアに触れるだけのキスをした。
「な!」
真っ赤になって一護の頭を殴るルキアのところに、浮竹と京楽が入ってきた。
「姫、目が覚めたのか!」
「姫、良かった」
「・・・・・・って、この状況はなに?」
京楽が、頭をおさえてしゃがみこんでいる一護を見る。
「ななななな、なんでもないのだ!きききき、キスなどされてないないからな!」
「そう。姫はキスはじめてだもんね」
「一護君、姫の初めてを奪った責任として、姫の大好きな白玉餡蜜を作るべし」
浮竹が、そう言って笑う。
「俺の王になる戴冠式が近づいてきたけど、延期にした。ルキアと一緒に戴冠式に出たいからな」
「一護・・・・・・」
「ルキア、好きだぜ」
「わ、私は・・・・・・」
ルキアは、献身的に尽くしてくれる一護のことを、好きになっていた。
ルキアは、解放奴隷となった。
一護との結婚のために、大貴族朽木家の姫君として宮殿で迎えいれられていた。
ルキアを護衛する浮竹と京楽は、そのまま近衛騎士としてとりたてられた。
「はぁ・・・・・ここにきて、何もかもがうまくいきすぎて怖い」
「姫、そう溜息をつかなくても」
「そうだぞ、姫。幸せが逃げていくぞ」
「お前たちはいいな。お互いいて幸せで」
浮竹と京楽はお互いがパートナーで恋人同士であった。
ルキアの護衛を白哉に任されていたが、ルキアが自害しそうになるとは思わなくて、結局は一護が止めてくれたので、そのことに関しては一護に感謝していた。
「一護君なら、きっと姫を幸せにしてくれるよ」
京楽が、ルキアの頭を撫でる。
「むう、子供扱いするな」
「姫はまだ15歳だろう。まだまだ子供だ」
浮竹も、ルキアの頭を撫でる。
「でも、浮竹も京楽も、私についてきてくれてありがとう。一人なら、きっと自害していたし、助かったとしても逃げ出そうとしてきっと牢屋に入れられてた」
「一護君は、そんなことするような子じゃないと思うよ」
「俺も、京楽と同意見だ。姫は気に入られているのだから、城でも堂々としていればいい」
ルキアは、意を決して一護に言ってみた。
「後宮を見学したい?いいけど、なんでだ?」
「後宮にいれられて、寵姫にもされずに、故郷にも戻れない少女たちの心を少しでも軽くしてやりたい」
「いいけど、護衛の浮竹さんと京楽さんは入れないぞ?一応、俺の後宮だから男子禁制だ」
「それくらい、分かっておるわ」
ルキアは、お菓子をたくさん作ってもらって、それをもって後宮に入っていく。
そこにあったのは、嫉妬。
一護の寵愛を一身に受けているルキアに対しての嫉妬だった。
「そんなお菓子いりませんわ」
「いらない。消えてちょうだい」
「何よ!一護様の婚約者になったって、私の方が美しいわ!」
後宮にいる少女たちは、どれもは目を見張るほどの美少女だった。
そんな中、一護は自分のような者を本当に正妃にしてくれるのか不安になってきた。
お菓子をとりあえず、後宮の少女たちの部屋に置いて、城に戻ろうとした時だった。
「お前さえいなければ!!!」
後宮の、故郷にも帰れない少女の一人が、果物ナイフでルキアに切りかかった。
ルキアは油断していて、腹部を刺された。
「ぐっ・・・・」
「このまま死んでおしまい!ほほほほほ!」
「く、浮竹、京楽・・・・・」
ルキアは、緊急用のボタンを押す。
「姫!」
「姫ええええ!!!」
後宮は男子禁制というのを破って、浮竹と京楽はかけつけた。止めようとした兵士を昏倒させて。
「酷い出血だ。浮竹、ヒールを」
「ああ。ヒール」
腹部の傷に魔法をかけると、出血が止まったが、傷が深くてまだ安心できなかった。
「一護君を呼ぼう。刺したのは君だね?厳罰を、覚悟しておくことだね。仮に、厳罰にならなかったら、ボクと浮竹が君の顔を焼くことにしよう」
「ひいいい。汚らわしい獣人風情が!」
「獣人だと差別するのは、アスラ王国だね。アスラ王国出身の奴隷か。姫以外は、みんな貴族でも王族でもない。ただの奴隷が、姫と対等であれると思ったか!」
京楽は、ルキアを抱き上げた。
そして、騒ぎにかけつけた一護が、血まみれでいるルキアを抱えた京楽を見て、名を呼んだ。
「ルキア!」
「ヒールをかけて、出血は止まっているけど、傷が深すぎて危険な状態だよ」
「ヒール!」
また血が滲みでてきたので、浮竹がヒールの魔法をかける。
「早く正式な治癒術師に診てもらわないと」
「今、王宮治癒術師を呼ぶ!ルキア、それまえ持ちこたえてくれ!」
ルキアはクロサキ王国でも3本の指に入る王宮治癒術師の井上織姫に傷を癒してもらい、なんとか一命を取り留めた。
「ううう・・・」
刺されたショックで熱を出して寝込んだルキアの傍に、一護は付き添っていた。
「一護君、ボクと浮竹が様子見とくから、ご飯食べて仮眠しておいで。もうこの2日ほとんど何も食べずにあまり眠っていないでしょ」
「すまねぇ。京楽さんの言葉に甘える・・・ルキア、早く目を覚ましてくれ・・・・」
一護は、軽い食事をして仮眠にいった。
「姫を刺した少女だけど、鉱山での強制労働10年の刑だそうだよ」
「そうか。いっそ死刑にしてほしいが、鉱山の強制労働はきついからな。そっちの方が辛いだろうから、まぁ顔を焼くのはやめにしてやろう」
「見た目がいい子だったからね。きっと鉱山で男の慰み者にされるはずさ。姫を刺した代価としていいほうかな」
ルキアは、3日間眠り続けた。
点滴をされて、4日目に目を覚ました。
「ん・・・」
「ルキア!」
「一護?」
ルキアは起き上がり、腹部に痛みを覚えた。
「まだ寝てろ!お前は、後宮の奴隷の少女に腹部を深く刺されたんだ。傷は一応塞がってはいるが、まだ痛みはしばらく続くはずだ」
「わ、私を刺した者はどうなったのだ!」
「鉱山で10年の強制労働の刑に処した」
「そうか・・・死刑ではなかったのだな。良かった・・・・・」
ルキアは、自分を刺した者のことを心配していた。
「ルキア、言っとくが罪を軽くしろとか言っても無駄だからな。俺の、正式な婚約者であるお前を刺したんだ。普通なら、王家反逆罪で家族もとろもに死刑だ」
「一護、たのむからそのような真似は・・・・」
「ああ。お前がそう言うと思って、鉱山での強制労働10年にしておいた」
「そうか・・・・・・」
一護は、ルキアに触れるだけのキスをした。
「な!」
真っ赤になって一護の頭を殴るルキアのところに、浮竹と京楽が入ってきた。
「姫、目が覚めたのか!」
「姫、良かった」
「・・・・・・って、この状況はなに?」
京楽が、頭をおさえてしゃがみこんでいる一護を見る。
「ななななな、なんでもないのだ!きききき、キスなどされてないないからな!」
「そう。姫はキスはじめてだもんね」
「一護君、姫の初めてを奪った責任として、姫の大好きな白玉餡蜜を作るべし」
浮竹が、そう言って笑う。
「俺の王になる戴冠式が近づいてきたけど、延期にした。ルキアと一緒に戴冠式に出たいからな」
「一護・・・・・・」
「ルキア、好きだぜ」
「わ、私は・・・・・・」
ルキアは、献身的に尽くしてくれる一護のことを、好きになっていた。
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君はアメジスト 婚約者
「い、いきなり何を言っておるのだ!」
「だから、お前は隣国の大貴族で王家の血も受け継いでいるし、妻を娶れと周りがうるさかったから、お前を婚約者にした」
「突然すぎるであろう!会って、まだ1日しか経っておらぬのだぞ!」
「俺の婚約者になるの、嫌か?」
一護が、真面目な表情でルキアの顔をぞのきこむ。
「アメジスト」
「なんだ?」
「お前の瞳の色、アメジストだな」
「それを言うなら、貴様の髪は太陽のようだ」
ルキアは思ったことをそのまま口にしたのだが、一護は嬉しそうだった。
「今日から、俺の婚約者で寵姫だ。他に寵姫を娶るつもりはない。お前を正妃として迎え、大切にする」
「近い!顔が、近い!!!」
ルキアは、真っ赤になって、一護から離れた。
「俺の正妃になるの、嫌か?」
「いや、願ってもないことだが・・・・奴隷として送られてきた時点で、後宮にいれられて慰み者にされて、捨てられると思っていた」
「大貴族朽木の姫を、そんな風に扱ったら、周囲がうるせーしな」
「姫を本気で娶るつもり?」
「姫を泣かせると、容赦しないからな」
京楽と浮竹は、いつでも一護に襲いかかれる位置にいた。
「浮竹、京楽、攻撃する必要はない。一護の命令にも従うようにしてくれ」
「姫が、それを望むなら」
「ボクも、姫がそれを望むなら、そうするよ」
そうして、4人は朝食の席につき、ルキアは数日ぶりのまともな食事で、浮竹も京楽も似たような境遇だったため、おかわりをしてしまった。
「よく食うなぁ」
「奴隷商人のやつ、食費をけちって干し肉と硬いパンしかよこさぬのだ。こんな暖かな食事、数日ぶりだ」
ルキアと浮竹と京楽はよく食べた。
「じゃあ、昼からは礼儀作法とこの国の文字と歴史の勉強だ」
「礼儀作法はいらぬ。朽木家に生まれて、幼い頃から叩き込まれておる」
「そうか。じゃあ、文字と歴史の勉強な。偉い学者さん雇ってるから、困らせないようにな」
「じゃあ、ボクと浮竹は姫の部屋でくつろいでいるよ」
「ああ、京楽と二人きりになりたい」
この浮竹と京楽は、獣人で男同士であるが、結婚していて番であった。
「その、声は控えるつもりだが、あまり部屋には近づかないでくれよ?」
「あんたら、そうか。できてるのか。獣人はけっこうそういうの多いって聞くしな」
浮竹は真っ赤になった。京楽と一緒に歩いてルキアに与えられた部屋に戻っていく。姫の護衛も担当するので、姫の部屋で一緒に寝起きするのが昔からの、これからも同じ習慣であった。
「で、貴様は何故ここにいる」
「え、俺も歴史のおさらいしようと思って」
「ただ単に、私といたいだけであろう!」
冗談のつもりで言ったのだが、一護は頬を赤くした。
「わりぃかよ。一目ぼれなんだ」
「へ?」
「だから、お前に一目ぼれしたんだっつーの!」
「貴様、私のようなちんちくりんは好みでないと言っていたであろう!巨乳の美女がいいと!」
「ああ、あれ嘘。俺、貧乳派。お前、すっげータイプ」
「誰が貧乳だああああ!!!」
ルキアのアッパーは華麗に決まり、歴史を教えている講師の学者はおろおろするばかり。
「いってえええ。何も殴ることないだろ」
「貧乳って言った!」
「だってそうだろ?おっぱいないじゃん」
「私がどれほど気にしていると思っておるのだ!」
「あ、それ以上身長は伸びてもいいけど、胸は大きくならねーようにな」
「もっかい殴られたいかああああ」
一護は、ルキアの頭をわしゃわしゃと撫でて、部屋の外に出てしまった。
「一護?」
「執務があるから、また後でな」
「ああ・・・・この国の王は、引退しているのであったな。一護が王になるまで、あと数週間もあるまい・・・・・・」
ルキアの言葉通り、3週間後には一護が王になる戴冠式が予定されていた。
その隣に、ルキアが並ぶのだ。
想像しただけで、真っ赤になる。
一護は、いやな奴ではない。好きだと言ってくれた。正妃にして、他に寵姫を娶ることはないと言ってくれた。
「兄様・・・・・・」
心に残るものは、隣国で離ればなれになってしまった、兄のこと。
他の貴族の奸計にはまり、ルキアを奴隷としてクロサキ王国に送り込むことで、大貴族であることを許された。
ルキアの兄は、静かで冷静だが、実は妹思いだ。
浮竹と京楽という護衛の獣人をつけてくれたのも、兄の白哉だった。
「兄様は、元気にしておられるだろうか」
その日の歴史の授業は、祖国を思う気持ちに翻弄されて、あまり頭に入らなかった。
3時になり、お茶の時間になる。
睦みあったらしい浮竹と京楽が、情事の痕を匂わせている以外は、普通だった。
茶菓子にはシフォンケーキとチョコレートクッキー。
紅茶はアッサムの高級品。
流石に王族なだけあって、いい茶器を使っていたし、出された朝食もだが、お菓子もおいしかった。一流のシェフを雇っているのだろう。
「ルキア、はいあーん」
「自分で食べれるわ、痴れ者が!」
「えー。つまんねーじゃん。じゃあ、浮竹さんあーん」
浮竹は、突然のことに驚きながらも、口を開けた。
その口に、チョコレートクッキーを放り込む。
「ん、うまい」
「浮竹さんってかわいいなぁ」
「ちょっと一護君、浮竹はボクのものだよ。あんまり、ちょっかいかけないでくれるかな」
威嚇してくる京楽が面白くて、一護は浮竹を甘やかす。
「貴様、正妃になる寵姫の前だぞ!浮気か!」
「ふふ、ルキア、嫉妬してくれたのか?」
「な、誰が嫉妬などするか!」
ルキアは真っ赤になって、叫ぶ。
「私は、まだ貴様の正妃ではない。婚約者の寵姫であって、他の気に入った寵姫ができたのなら、私のことなど気にせず、側室として迎えるといい」
「お前は、本当にそれでいいのか?」
「わ、私は・・・・・・」
ルキアの声が小さくなり、涙を零した。
「不安なのだ。いきなり奴隷にされて、王族の慰み者になると思っていた。だが、違った。でも、目の前にある未来が本当のものか分からなくて、不安なのだ」
一護は、ルキアを抱きしめた。
「幸せにする。だから、俺と結婚してくれ」
「だああああああああ!!!」
リミットブレイク。
ルキアは、一護を見事に背負い投げするのであった。
「だから、お前は隣国の大貴族で王家の血も受け継いでいるし、妻を娶れと周りがうるさかったから、お前を婚約者にした」
「突然すぎるであろう!会って、まだ1日しか経っておらぬのだぞ!」
「俺の婚約者になるの、嫌か?」
一護が、真面目な表情でルキアの顔をぞのきこむ。
「アメジスト」
「なんだ?」
「お前の瞳の色、アメジストだな」
「それを言うなら、貴様の髪は太陽のようだ」
ルキアは思ったことをそのまま口にしたのだが、一護は嬉しそうだった。
「今日から、俺の婚約者で寵姫だ。他に寵姫を娶るつもりはない。お前を正妃として迎え、大切にする」
「近い!顔が、近い!!!」
ルキアは、真っ赤になって、一護から離れた。
「俺の正妃になるの、嫌か?」
「いや、願ってもないことだが・・・・奴隷として送られてきた時点で、後宮にいれられて慰み者にされて、捨てられると思っていた」
「大貴族朽木の姫を、そんな風に扱ったら、周囲がうるせーしな」
「姫を本気で娶るつもり?」
「姫を泣かせると、容赦しないからな」
京楽と浮竹は、いつでも一護に襲いかかれる位置にいた。
「浮竹、京楽、攻撃する必要はない。一護の命令にも従うようにしてくれ」
「姫が、それを望むなら」
「ボクも、姫がそれを望むなら、そうするよ」
そうして、4人は朝食の席につき、ルキアは数日ぶりのまともな食事で、浮竹も京楽も似たような境遇だったため、おかわりをしてしまった。
「よく食うなぁ」
「奴隷商人のやつ、食費をけちって干し肉と硬いパンしかよこさぬのだ。こんな暖かな食事、数日ぶりだ」
ルキアと浮竹と京楽はよく食べた。
「じゃあ、昼からは礼儀作法とこの国の文字と歴史の勉強だ」
「礼儀作法はいらぬ。朽木家に生まれて、幼い頃から叩き込まれておる」
「そうか。じゃあ、文字と歴史の勉強な。偉い学者さん雇ってるから、困らせないようにな」
「じゃあ、ボクと浮竹は姫の部屋でくつろいでいるよ」
「ああ、京楽と二人きりになりたい」
この浮竹と京楽は、獣人で男同士であるが、結婚していて番であった。
「その、声は控えるつもりだが、あまり部屋には近づかないでくれよ?」
「あんたら、そうか。できてるのか。獣人はけっこうそういうの多いって聞くしな」
浮竹は真っ赤になった。京楽と一緒に歩いてルキアに与えられた部屋に戻っていく。姫の護衛も担当するので、姫の部屋で一緒に寝起きするのが昔からの、これからも同じ習慣であった。
「で、貴様は何故ここにいる」
「え、俺も歴史のおさらいしようと思って」
「ただ単に、私といたいだけであろう!」
冗談のつもりで言ったのだが、一護は頬を赤くした。
「わりぃかよ。一目ぼれなんだ」
「へ?」
「だから、お前に一目ぼれしたんだっつーの!」
「貴様、私のようなちんちくりんは好みでないと言っていたであろう!巨乳の美女がいいと!」
「ああ、あれ嘘。俺、貧乳派。お前、すっげータイプ」
「誰が貧乳だああああ!!!」
ルキアのアッパーは華麗に決まり、歴史を教えている講師の学者はおろおろするばかり。
「いってえええ。何も殴ることないだろ」
「貧乳って言った!」
「だってそうだろ?おっぱいないじゃん」
「私がどれほど気にしていると思っておるのだ!」
「あ、それ以上身長は伸びてもいいけど、胸は大きくならねーようにな」
「もっかい殴られたいかああああ」
一護は、ルキアの頭をわしゃわしゃと撫でて、部屋の外に出てしまった。
「一護?」
「執務があるから、また後でな」
「ああ・・・・この国の王は、引退しているのであったな。一護が王になるまで、あと数週間もあるまい・・・・・・」
ルキアの言葉通り、3週間後には一護が王になる戴冠式が予定されていた。
その隣に、ルキアが並ぶのだ。
想像しただけで、真っ赤になる。
一護は、いやな奴ではない。好きだと言ってくれた。正妃にして、他に寵姫を娶ることはないと言ってくれた。
「兄様・・・・・・」
心に残るものは、隣国で離ればなれになってしまった、兄のこと。
他の貴族の奸計にはまり、ルキアを奴隷としてクロサキ王国に送り込むことで、大貴族であることを許された。
ルキアの兄は、静かで冷静だが、実は妹思いだ。
浮竹と京楽という護衛の獣人をつけてくれたのも、兄の白哉だった。
「兄様は、元気にしておられるだろうか」
その日の歴史の授業は、祖国を思う気持ちに翻弄されて、あまり頭に入らなかった。
3時になり、お茶の時間になる。
睦みあったらしい浮竹と京楽が、情事の痕を匂わせている以外は、普通だった。
茶菓子にはシフォンケーキとチョコレートクッキー。
紅茶はアッサムの高級品。
流石に王族なだけあって、いい茶器を使っていたし、出された朝食もだが、お菓子もおいしかった。一流のシェフを雇っているのだろう。
「ルキア、はいあーん」
「自分で食べれるわ、痴れ者が!」
「えー。つまんねーじゃん。じゃあ、浮竹さんあーん」
浮竹は、突然のことに驚きながらも、口を開けた。
その口に、チョコレートクッキーを放り込む。
「ん、うまい」
「浮竹さんってかわいいなぁ」
「ちょっと一護君、浮竹はボクのものだよ。あんまり、ちょっかいかけないでくれるかな」
威嚇してくる京楽が面白くて、一護は浮竹を甘やかす。
「貴様、正妃になる寵姫の前だぞ!浮気か!」
「ふふ、ルキア、嫉妬してくれたのか?」
「な、誰が嫉妬などするか!」
ルキアは真っ赤になって、叫ぶ。
「私は、まだ貴様の正妃ではない。婚約者の寵姫であって、他の気に入った寵姫ができたのなら、私のことなど気にせず、側室として迎えるといい」
「お前は、本当にそれでいいのか?」
「わ、私は・・・・・・」
ルキアの声が小さくなり、涙を零した。
「不安なのだ。いきなり奴隷にされて、王族の慰み者になると思っていた。だが、違った。でも、目の前にある未来が本当のものか分からなくて、不安なのだ」
一護は、ルキアを抱きしめた。
「幸せにする。だから、俺と結婚してくれ」
「だああああああああ!!!」
リミットブレイク。
ルキアは、一護を見事に背負い投げするのであった。
奴隷竜とSランク冒険者41
「ふ・・・・・実につまらん人間だ。能天気すぎて、反吐がでる。だが、その嫉妬心は利用できるな。ふふふ・・・・・・」
藍染は、水鏡に映った京楽を見ていた。
人間の京楽は、藍染にとっては本当にどうでもいい存在だった。だが、そのパートナーであるムーンホワイトドラゴンの浮竹は欲しい。
仲たがいをさせてやろう。
そう思い、藍染は嫉妬心が暗く変化するもやのようなものを作り出した。
「あ、ごめんなさい」
「いえ、こちらこそ」
黒いローブを深く被った男とぶつかって、京楽は謝った。
その瞬間、黒いもやのようなものが京楽を包みこむ。
「おい、京楽?何か、黒い霧のようなものが・・・・」
「浮竹、帰るよ」
「え?買い物は?」
京楽は、有無を言わせぬ力で、浮竹の手をひっぱって、高級宿に帰る。
「京楽、どうしたんだ、お前、何か変だぞ」
「もう、出さない。君を、人前に出さない。ボクだけを見て、ボクだけを愛すればいいんだ」
「京楽!?おい、どうしたんだ!さっきの黒い霧が原因か!?」
京楽は、浮竹の手足を縛って、ベッドに転がした。
念のために、スリープの魔法をかけておいたので、浮竹が暴れることなかった。
その間に、奴隷商人のところにいき、人が入れる大きさの檻を購入する。
それをアイテムポケットに収納して、京楽は帰ってきた。
京楽は、檻の中に浮竹を閉じ込めてしまった。
「ん・・・京楽?」
「君はボクのものだ。もう、この檻から出さない。この檻の中で、ボクと一緒に生活しよう」
「俺を閉じ込めるつもりか!そんなのいくら京楽でも嫌だ!」
「うるさい!君の意思なんて関係ない!」
どなられて、びくりと浮竹は怯えた。
「京楽・・・・・」
翡翠の瞳に涙がたまり、それは真珠となってかつんかつんと檻の中に落ちた。
ムーンホワイトドラゴンの涙は、月光真珠といってとても価値のある珍しい宝石だった。
「京楽、お願いだから元の京楽に戻ってくれ。俺をここから出して」
「だめだよ。君は綺麗な上に優しいから、たくさんの人間に愛される。そんなの、ボクの執着心が許さない」
「あの黒い霧・・・・」
「ハイエルフの浮竹と、ダークネスインフェルノドラゴンのボクが訪ねてきても、君を見せない」
「あの黒い霧が全ての原因だ!京楽、意思をしっかりもて!」」
浮竹は、一種の呪詛だと分かった。
「ボクはきちんといつものボクだよ。君を死ぬほど、死んでもいいくらい愛してる」
「そんなのおかしい。一緒に生きるんだろう?死ぬ時も一緒だろう?」
「そうだね。死ぬ時は一緒・・・・・うううう、浮竹、頭が痛い。ボクは・・・ボク何をしているんだ。大切な浮竹に・・・・・・」
ほお、歯向かうか。
そんな声が聞こえた気がした。
「ボクは・・・・ボクのしていることは正しい」
「京楽、間違ってる。それに、京楽が恐れなくても俺は京楽の傍にいるし、離れない」
「そう言いつつ、ハイエルフの君やダークネスインフェルノドラゴンのボクと親しくしてるじゃない。浮竹はボクだけものだ。ボクだけを見て」
「京楽・・・・・」
浮竹は、檻ごしに京楽に、触れるだけのキスをした。
「浮竹?」
「全ての理(ことわり)よ、命よ爆ぜよ。全ての事象は女神の手の平に。ゴッドハイネスアンチカース」
究極の解呪呪文を、浮竹は唱えた。
「ボクは、ボクは正しい・・・・・ああああ、頭が、頭が痛い!」
「がんばれ、京楽!黒い霧の正体は呪詛だ。体の外へ出してしまえ!自分を取り戻すんだ!」
「ううう・・・・・」
「エリクサーが、アイテムポケットに入っているはずだ。飲め!」
「浮竹・・・・この苦しみは、エリクサーを飲めば治るの?」
「呪詛による呪いも状態異常の変化だ。治る!」
京楽は、浮竹の魔法が効いているうちに、エリクサーを取り出し中身を一気にあおった。
しゅうううと、京楽の中から黒い霧が出ていく。
く、余計なことを。
計画は失敗か。
そんな声が聞こえて、浮竹は威嚇のドラゴンボイスを放つ。
「ふふ・・・・君のパートナーは、嫉妬心だらけだな。いつか、それで身を滅ぼすかもしれないな」
黒い霧は人の姿になった。
「お前は、藍染!」
「残念。私はただの幻影さ。ムーンホワイトドラゴン・・・この月光真珠はもらっていくよ。全ての錬金の成功率を100%にしてくれるからね」
「そんなことのために、京楽を利用したのか」
「いいや?ただ、嫉妬心が強いから、それが闇の方向に転化したら面白いなと思っただけさ」
「浮竹に近づくな!」
京楽は、檻から浮竹を解放すると、幻影でできた藍染を切った。
「このドラゴンスレイヤーは特殊な魔剣だ。相手が幻影でも、本体にダメージがいく」
「うぐ・・・・この、虫けら同然のただの人間の分際で・・・・」
「ボクは浮竹の契約者でパートナーだ。人間という種族の限界を突破している」
「く、覚えおけ」
それだけ言い残して、藍染の幻影は霧散した。
魔王城では、額から血を流した藍染が、狂ったように笑っていた。
「はははは!!たかが人間如きがこの私に傷をつけるとは、面白い」
「藍染様?」
「なんだ、アーミア」
「お茶のご用意ができております」
「うむ。もってこい」
そのお茶にはモレ草がもられていて、飲んだ藍染は3日はトイレに閉じこもるのであった。
「浮竹、ごめんね。元を正せばボクの嫉妬心が招いたことだ」
「元に戻ったからいい。それに嫉妬のない京楽は京楽じゃない」
「なんか微妙に酷くない!?」
「俺は、お前が俺が他の人と仲良くすると嫉妬することろ、けっこう好きだぞ。ああ、愛されてるなぁって自覚できるから」
浮竹は、京楽を抱きしめた。
「浮竹・・・・・」
「それにしても、幻影とはいえ藍染が出てくるとは思わなかった。魔法で障壁を作っておこう」
「そうだね。幻影でも入れないようにしないと」
数日をかけて、緻密に構築された結界ができあがる。それは、許可を与えない限り、誰も通さない結界であるが、通ってもいいと認可した者は入れるという結界だった。
ハイエルフの浮竹やダークネスインフェルノドラゴンの京楽、その他サンシャインレイドラゴンの一護、その妻ルキア、その夫恋次、それらを束ねる白哉といったメンバーを、入ってもいいことにした。
「京楽、腹が減った」
「はいはい。今つくるから・・・・って、買い物いったけど肝心の食材買ってない!」
「10分で買ってこい」
「無茶苦茶な・・・・・」
京楽は、エアリアルフライの魔法を使って空を飛んで、急いで10分で買い物を済ませて戻ってくるのであった。
ちなみに、浮竹はけっこうお腹が減っていたので、携帯食料の不味い食事をしていた。
「ああ、浮竹、すぐ作るから!そんな不味いの、食べなくてもいいよ!」
「15分で作れ」
「なんだか、いつもの数倍厳しくない!?」
「俺を、檻に閉じ込めた罰だ」
「あああ、ごめんなさいいい」
謝りながら、京楽は昼食を作っていくのだった。
藍染は、水鏡に映った京楽を見ていた。
人間の京楽は、藍染にとっては本当にどうでもいい存在だった。だが、そのパートナーであるムーンホワイトドラゴンの浮竹は欲しい。
仲たがいをさせてやろう。
そう思い、藍染は嫉妬心が暗く変化するもやのようなものを作り出した。
「あ、ごめんなさい」
「いえ、こちらこそ」
黒いローブを深く被った男とぶつかって、京楽は謝った。
その瞬間、黒いもやのようなものが京楽を包みこむ。
「おい、京楽?何か、黒い霧のようなものが・・・・」
「浮竹、帰るよ」
「え?買い物は?」
京楽は、有無を言わせぬ力で、浮竹の手をひっぱって、高級宿に帰る。
「京楽、どうしたんだ、お前、何か変だぞ」
「もう、出さない。君を、人前に出さない。ボクだけを見て、ボクだけを愛すればいいんだ」
「京楽!?おい、どうしたんだ!さっきの黒い霧が原因か!?」
京楽は、浮竹の手足を縛って、ベッドに転がした。
念のために、スリープの魔法をかけておいたので、浮竹が暴れることなかった。
その間に、奴隷商人のところにいき、人が入れる大きさの檻を購入する。
それをアイテムポケットに収納して、京楽は帰ってきた。
京楽は、檻の中に浮竹を閉じ込めてしまった。
「ん・・・京楽?」
「君はボクのものだ。もう、この檻から出さない。この檻の中で、ボクと一緒に生活しよう」
「俺を閉じ込めるつもりか!そんなのいくら京楽でも嫌だ!」
「うるさい!君の意思なんて関係ない!」
どなられて、びくりと浮竹は怯えた。
「京楽・・・・・」
翡翠の瞳に涙がたまり、それは真珠となってかつんかつんと檻の中に落ちた。
ムーンホワイトドラゴンの涙は、月光真珠といってとても価値のある珍しい宝石だった。
「京楽、お願いだから元の京楽に戻ってくれ。俺をここから出して」
「だめだよ。君は綺麗な上に優しいから、たくさんの人間に愛される。そんなの、ボクの執着心が許さない」
「あの黒い霧・・・・」
「ハイエルフの浮竹と、ダークネスインフェルノドラゴンのボクが訪ねてきても、君を見せない」
「あの黒い霧が全ての原因だ!京楽、意思をしっかりもて!」」
浮竹は、一種の呪詛だと分かった。
「ボクはきちんといつものボクだよ。君を死ぬほど、死んでもいいくらい愛してる」
「そんなのおかしい。一緒に生きるんだろう?死ぬ時も一緒だろう?」
「そうだね。死ぬ時は一緒・・・・・うううう、浮竹、頭が痛い。ボクは・・・ボク何をしているんだ。大切な浮竹に・・・・・・」
ほお、歯向かうか。
そんな声が聞こえた気がした。
「ボクは・・・・ボクのしていることは正しい」
「京楽、間違ってる。それに、京楽が恐れなくても俺は京楽の傍にいるし、離れない」
「そう言いつつ、ハイエルフの君やダークネスインフェルノドラゴンのボクと親しくしてるじゃない。浮竹はボクだけものだ。ボクだけを見て」
「京楽・・・・・」
浮竹は、檻ごしに京楽に、触れるだけのキスをした。
「浮竹?」
「全ての理(ことわり)よ、命よ爆ぜよ。全ての事象は女神の手の平に。ゴッドハイネスアンチカース」
究極の解呪呪文を、浮竹は唱えた。
「ボクは、ボクは正しい・・・・・ああああ、頭が、頭が痛い!」
「がんばれ、京楽!黒い霧の正体は呪詛だ。体の外へ出してしまえ!自分を取り戻すんだ!」
「ううう・・・・・」
「エリクサーが、アイテムポケットに入っているはずだ。飲め!」
「浮竹・・・・この苦しみは、エリクサーを飲めば治るの?」
「呪詛による呪いも状態異常の変化だ。治る!」
京楽は、浮竹の魔法が効いているうちに、エリクサーを取り出し中身を一気にあおった。
しゅうううと、京楽の中から黒い霧が出ていく。
く、余計なことを。
計画は失敗か。
そんな声が聞こえて、浮竹は威嚇のドラゴンボイスを放つ。
「ふふ・・・・君のパートナーは、嫉妬心だらけだな。いつか、それで身を滅ぼすかもしれないな」
黒い霧は人の姿になった。
「お前は、藍染!」
「残念。私はただの幻影さ。ムーンホワイトドラゴン・・・この月光真珠はもらっていくよ。全ての錬金の成功率を100%にしてくれるからね」
「そんなことのために、京楽を利用したのか」
「いいや?ただ、嫉妬心が強いから、それが闇の方向に転化したら面白いなと思っただけさ」
「浮竹に近づくな!」
京楽は、檻から浮竹を解放すると、幻影でできた藍染を切った。
「このドラゴンスレイヤーは特殊な魔剣だ。相手が幻影でも、本体にダメージがいく」
「うぐ・・・・この、虫けら同然のただの人間の分際で・・・・」
「ボクは浮竹の契約者でパートナーだ。人間という種族の限界を突破している」
「く、覚えおけ」
それだけ言い残して、藍染の幻影は霧散した。
魔王城では、額から血を流した藍染が、狂ったように笑っていた。
「はははは!!たかが人間如きがこの私に傷をつけるとは、面白い」
「藍染様?」
「なんだ、アーミア」
「お茶のご用意ができております」
「うむ。もってこい」
そのお茶にはモレ草がもられていて、飲んだ藍染は3日はトイレに閉じこもるのであった。
「浮竹、ごめんね。元を正せばボクの嫉妬心が招いたことだ」
「元に戻ったからいい。それに嫉妬のない京楽は京楽じゃない」
「なんか微妙に酷くない!?」
「俺は、お前が俺が他の人と仲良くすると嫉妬することろ、けっこう好きだぞ。ああ、愛されてるなぁって自覚できるから」
浮竹は、京楽を抱きしめた。
「浮竹・・・・・」
「それにしても、幻影とはいえ藍染が出てくるとは思わなかった。魔法で障壁を作っておこう」
「そうだね。幻影でも入れないようにしないと」
数日をかけて、緻密に構築された結界ができあがる。それは、許可を与えない限り、誰も通さない結界であるが、通ってもいいと認可した者は入れるという結界だった。
ハイエルフの浮竹やダークネスインフェルノドラゴンの京楽、その他サンシャインレイドラゴンの一護、その妻ルキア、その夫恋次、それらを束ねる白哉といったメンバーを、入ってもいいことにした。
「京楽、腹が減った」
「はいはい。今つくるから・・・・って、買い物いったけど肝心の食材買ってない!」
「10分で買ってこい」
「無茶苦茶な・・・・・」
京楽は、エアリアルフライの魔法を使って空を飛んで、急いで10分で買い物を済ませて戻ってくるのであった。
ちなみに、浮竹はけっこうお腹が減っていたので、携帯食料の不味い食事をしていた。
「ああ、浮竹、すぐ作るから!そんな不味いの、食べなくてもいいよ!」
「15分で作れ」
「なんだか、いつもの数倍厳しくない!?」
「俺を、檻に閉じ込めた罰だ」
「あああ、ごめんなさいいい」
謝りながら、京楽は昼食を作っていくのだった。
奴隷竜とSランク冒険者40
ネモフィラの花畑。
そこは、ハイエルフの浮竹にとって特別な場所であった。
時間停止の魔法をかけて、永遠に美しい光景を保ち続けていた。
ネモフィラの花の青と空の青が溶け合う場所。
ダークネスインフェルノドラゴンの京楽だけが、ハイエルフの浮竹の他にそのネモフィラの花畑を知っていた。
今その場所に、京楽が来ていた。
ダークネスインフェルノドラゴンの京楽と浮竹が、楽しそうに会話しているのを、また嫉妬でもやもやしている京楽を宥めるために、ネモフィラの花畑に連れてきた。
『ここは、俺と京楽だけの秘密の場所なんだ。そっちの俺にもいつか教えるが、今は俺の京楽以外では、冒険者の京楽、お前がはじめての客人だ』
「うわぁ、すごく綺麗だね」
『そうだろう』
ハイエルフの浮竹は自慢げに、京楽にネモフィラの花畑を見せる。
「少し摘み取ってもいい?浮竹に持って帰りたい」
『いいぞ」
京楽は、しゃがみこんでネモフィラの花をいくつか摘み取った。
「ねぇ、なんでボクにそんな大切な場所教えてくれたの?」
『いつか、俺の京楽のように、ムーンホワイトドラゴンの俺のために全てをなげうっていきそうな気がして、怖いんだ』
「ボクは・・・・浮竹の悲しむことはしないよ」
『それでも、怖い』
京楽は、立ち上がってハイエルフの浮竹を抱きしめて、その頭を撫でた。
『冒険者の京楽?』
「大丈夫。ボクは、君のボクのようになったりしない。浮竹と二人で幸せな時間を共有しあって生きていく。そのために、寿命を伸ばす契約もしたんだから」
『ああ、そうだな。俺の京楽は闇を統べて闇に飲みこまれそうになるから。お前なら、もう一人の俺と闇など抱えずにやっていけそうだな』
「気遣ってくれて、ありがとね」
京楽は、ネモフィラの花を小さな花束にして、浮竹とダークネスインフェルノドラゴンの京楽のいる、ハイエルフの浮竹の家(神殿)に戻ってきた。
「浮竹、こっちおいで」
「なんだ?」
京楽は、ネモフィラの花を一輪とると、浮竹の髪に飾った。
「うん、似合ってる」
「なんだ、この花は?なにか分からないが、綺麗だな」
「ネモフィラっていう花で、見て見て、小さな花束にしてみたんだよ。浮竹にあげる」
「お、おう。ありがとう」
空色の小さな花束を受け取って、浮竹は不思議そうに見つめていた。
『浮竹、あのネモフィラの花畑に、人間のボクを連れて行ったの』
『ん、ああ。駄目だったか』
『駄目ってわけじゃあないけど・・・・2人だけの秘密にしておきたかった』
少しがっかりするダークネスインフェルノドラゴンの京楽を、ハイエルフの浮竹がその頭を撫でる。
京楽に抱きしめられて、頭を撫でられたことを言うと、ダークネスインフェルノドラゴンの京楽は気分を害して、京楽にきつくあたるだろうから、秘密にしておいた。
ダークネスインフェルノドラゴンの京楽は強い。でも、心の中に闇がある。
京楽はもまたなかなかに強いが、心の中にはそれほど闇がない。
純粋に浮竹のことを思い、浮竹のために行動する。
ダークネスインフェルノドラゴンの京楽も、ハイエルフの浮竹のことを思い、ハイエルの浮竹のために行動するが、心に闇があるせいで人間を憎み、他者とあまり理解しあおうとしない。
『いつか、変われるといいな』
『ん、何がだい?』
『いや、何でもないんだ』
浮竹の方を見ると、京楽がネモフィラの花を浮竹の髪に散りばめて、写真をとっていたりした。
「おい、京楽、いい加減にしろ。写真なんかとっても、なんにもならないだろう」
「そうでもないよ。綺麗な君を保存しておける」
「ネモフィラの花がそんなに好きなら、今度花屋で買って帰ろう」
「あ、それいいね。宿のバルコニーにプランターを置いて、咲かせようか」
「じゃあ、ネモフィラだけじゃなく他の花も育てようか・・・・・」
そんな他愛もない話をする浮竹と京楽を、ハイエルフの浮竹は穏やかな気持ちで見ていた。ダークネスインフェルノドラゴンの京楽は、自分の中からわきあがる感情が、喜びなのか悲しみなのか分からなかったが、二人を見ていて嫌な気持ちにはならなかった。
「京楽、お腹減った!」
「ええ、まだ2時だよ。お昼ごはん食べて2時間しか経ってないじゃない」
「お腹がすいたものはすいたから仕方ない。何か作れ」
「だってさ、ハイエルの浮竹。ちょっと早いけど、お茶の時間にしていい?」
『あ、ああ。いいぞ』
ハイエルフの浮竹は、もう一人の自分のお腹にはプチブラックホールがあるのを、改めて認識させらるのであった。
ちなみに、茶菓子のアップルパイを、浮竹は二人分食べるのであった。
食べたものは、膨大な魔力とドラゴンとしての体の維持に使う。
本当なら、まだ子供の年齢なので、エネルギーの消費の仕方が雑で、そこは教えてもどうすることもできないので、年を重ねるごとに修正していくしかないのであった。
そこは、ハイエルフの浮竹にとって特別な場所であった。
時間停止の魔法をかけて、永遠に美しい光景を保ち続けていた。
ネモフィラの花の青と空の青が溶け合う場所。
ダークネスインフェルノドラゴンの京楽だけが、ハイエルフの浮竹の他にそのネモフィラの花畑を知っていた。
今その場所に、京楽が来ていた。
ダークネスインフェルノドラゴンの京楽と浮竹が、楽しそうに会話しているのを、また嫉妬でもやもやしている京楽を宥めるために、ネモフィラの花畑に連れてきた。
『ここは、俺と京楽だけの秘密の場所なんだ。そっちの俺にもいつか教えるが、今は俺の京楽以外では、冒険者の京楽、お前がはじめての客人だ』
「うわぁ、すごく綺麗だね」
『そうだろう』
ハイエルフの浮竹は自慢げに、京楽にネモフィラの花畑を見せる。
「少し摘み取ってもいい?浮竹に持って帰りたい」
『いいぞ」
京楽は、しゃがみこんでネモフィラの花をいくつか摘み取った。
「ねぇ、なんでボクにそんな大切な場所教えてくれたの?」
『いつか、俺の京楽のように、ムーンホワイトドラゴンの俺のために全てをなげうっていきそうな気がして、怖いんだ』
「ボクは・・・・浮竹の悲しむことはしないよ」
『それでも、怖い』
京楽は、立ち上がってハイエルフの浮竹を抱きしめて、その頭を撫でた。
『冒険者の京楽?』
「大丈夫。ボクは、君のボクのようになったりしない。浮竹と二人で幸せな時間を共有しあって生きていく。そのために、寿命を伸ばす契約もしたんだから」
『ああ、そうだな。俺の京楽は闇を統べて闇に飲みこまれそうになるから。お前なら、もう一人の俺と闇など抱えずにやっていけそうだな』
「気遣ってくれて、ありがとね」
京楽は、ネモフィラの花を小さな花束にして、浮竹とダークネスインフェルノドラゴンの京楽のいる、ハイエルフの浮竹の家(神殿)に戻ってきた。
「浮竹、こっちおいで」
「なんだ?」
京楽は、ネモフィラの花を一輪とると、浮竹の髪に飾った。
「うん、似合ってる」
「なんだ、この花は?なにか分からないが、綺麗だな」
「ネモフィラっていう花で、見て見て、小さな花束にしてみたんだよ。浮竹にあげる」
「お、おう。ありがとう」
空色の小さな花束を受け取って、浮竹は不思議そうに見つめていた。
『浮竹、あのネモフィラの花畑に、人間のボクを連れて行ったの』
『ん、ああ。駄目だったか』
『駄目ってわけじゃあないけど・・・・2人だけの秘密にしておきたかった』
少しがっかりするダークネスインフェルノドラゴンの京楽を、ハイエルフの浮竹がその頭を撫でる。
京楽に抱きしめられて、頭を撫でられたことを言うと、ダークネスインフェルノドラゴンの京楽は気分を害して、京楽にきつくあたるだろうから、秘密にしておいた。
ダークネスインフェルノドラゴンの京楽は強い。でも、心の中に闇がある。
京楽はもまたなかなかに強いが、心の中にはそれほど闇がない。
純粋に浮竹のことを思い、浮竹のために行動する。
ダークネスインフェルノドラゴンの京楽も、ハイエルフの浮竹のことを思い、ハイエルの浮竹のために行動するが、心に闇があるせいで人間を憎み、他者とあまり理解しあおうとしない。
『いつか、変われるといいな』
『ん、何がだい?』
『いや、何でもないんだ』
浮竹の方を見ると、京楽がネモフィラの花を浮竹の髪に散りばめて、写真をとっていたりした。
「おい、京楽、いい加減にしろ。写真なんかとっても、なんにもならないだろう」
「そうでもないよ。綺麗な君を保存しておける」
「ネモフィラの花がそんなに好きなら、今度花屋で買って帰ろう」
「あ、それいいね。宿のバルコニーにプランターを置いて、咲かせようか」
「じゃあ、ネモフィラだけじゃなく他の花も育てようか・・・・・」
そんな他愛もない話をする浮竹と京楽を、ハイエルフの浮竹は穏やかな気持ちで見ていた。ダークネスインフェルノドラゴンの京楽は、自分の中からわきあがる感情が、喜びなのか悲しみなのか分からなかったが、二人を見ていて嫌な気持ちにはならなかった。
「京楽、お腹減った!」
「ええ、まだ2時だよ。お昼ごはん食べて2時間しか経ってないじゃない」
「お腹がすいたものはすいたから仕方ない。何か作れ」
「だってさ、ハイエルの浮竹。ちょっと早いけど、お茶の時間にしていい?」
『あ、ああ。いいぞ』
ハイエルフの浮竹は、もう一人の自分のお腹にはプチブラックホールがあるのを、改めて認識させらるのであった。
ちなみに、茶菓子のアップルパイを、浮竹は二人分食べるのであった。
食べたものは、膨大な魔力とドラゴンとしての体の維持に使う。
本当なら、まだ子供の年齢なので、エネルギーの消費の仕方が雑で、そこは教えてもどうすることもできないので、年を重ねるごとに修正していくしかないのであった。
奴隷竜とSランク冒険者39
ダークネスインフェルノドラゴンの京楽の体長は、20メートルはある。
あまり浮竹と京楽には、ドラゴンの姿を見せないので、珍しくドラゴン化したダークネスインフェルノドラゴンの京楽をみて、浮竹は一言。
「かっこいい・・・・・・」
「むきいいいい」
京楽は、確かにかっこいいドラゴン姿に、嫉妬していた。
『なんなら、ボクの背中に乗って、空を飛んでみるかい?』
「え、いいのか!?」
浮竹の顔がぱぁぁぁと明るくなる。それを、ハイエルフの浮竹とダークネスインフェルノドラゴンの京楽は、かわいいなぁと見ていた。
『同じ同胞である君ならいいよ。人間のボクは頼まれても乗せないけどね』
「いいですぅ、ボクにはスカイウォークとスカイウィンドの魔法があるんですぅ。空を歩けるし空を飛べますぅ」
「じゃあ、京楽、そういうことで。先に帰っててくれ。ダークネスインフェルノドラゴンの京楽の背中に乗って、大陸軽く周ってくる」
「きいいいい。浮竹、自分で飛べるでしょ!」
「自分で飛ぶのと、人型でドラゴンに乗って飛ぶのじゃ爽快感が違う」
『まぁ、冒険者の京楽は、今日は大人しく帰ったらどうだ?』
ハイエルフの浮竹にまでそう言われて、京楽はやけを起こして、メリアナ王国に戻り冒険者ギルドに行くと、Fランクの初心者用の、薬草摘みを受けまくり、Fランクの依頼を引き受けまくって、非情に初心者冒険者の邪魔をしていた。
「薬草摘みまくってやるうううう!ストレス解消だああああ」
逆にストレスがたまりそうなことを、ストレス解消にする京楽だった。
「うわぁ、高いなぁ」
浮竹は、黒い鱗に覆われたダークネスインフェルノドラゴンの京楽の背中に乗って、空の旅を楽しんでいた。
ハイエルフの浮竹を放置しておくのは嫌なので、ハイエルフの浮竹も一緒にドラゴンの背に乗り、浮竹に自慢する。
『かっこいいだろう、俺の京楽は。俺だけの特権だ』
ハイエルフの浮竹はドヤ顔だ。
「ああ。俺のところのスケベでへっぽこな京楽とは大違いだ」
浮竹も浮竹で、パートナーである京楽のことを褒めないで、スケベでへっぽこと言う。
『ふふ、それを聞いたらお前の京楽が嘆くぞ』
「あいつは、そんな繊細な部分はないに等しい。「そんなぁ」と言って、がっくりするだけで、俺が普通に話しかけたらけろりと忘れる」
『あ、なんか想像できるな』
「だろう?」
二人の浮竹は、ドラゴンの背に乗りながら、おしゃべりを続けた。
『まぁ、この前嫉妬されてえらい目にあったんでしょ?ほどほどにね』
ダークネスインフェルノドラゴンの京楽とハイエルフの浮竹は、浮竹の身に起こった出来事を知り、冒険者の京楽の頭をそれぞれ2回ずつ殴った。
『まぁ、嫉妬されてまた何かされそうになったら俺たちの元にくるといい』
「うん、そうする。俺も久しぶりにドラゴン化するかな」
空中で、月の光が煌めいた。
ダークネスインフェルノドラゴンの京楽ほどの大きさではないが、15メートルほどの白く輝く巨体が空に現れる。
真っ白な羽毛に覆われた、とても珍しい特殊なそのドラゴンは、名をムーンホワイトドラゴン、別名、月竜であった。
羽毛は煌めき、月のような輝きを帯びている。
『ムーンホワイトドラゴンの俺は、いつ見ても美しいな』
「ほめても、乗せてあげることくらいしかできないぞ」
『じゃあ、今度はそっちに乗るか』
ハイエルフの浮竹は、浮竹の背中に飛び乗った。
普通のドラゴンなら硬い鱗で覆われていて、痛いところなのだが、ムーンホワイトドラゴンの浮竹は羽毛でふかふかなので、柔らかな感触がした。
『ああ、この羽毛いいなぁ。月のように綺麗だし・・・・』
「ハイエルフの俺、俺の羽毛何枚かもっていくか?」
『え、いいのか』
「ああ」
『それを知ったら、またお前の京楽が嫉妬しそうだな』
ハイエルフの浮竹が苦笑する。
「嫉妬したあいつは、Sランクダンジョンで暴れるか、初心者の薬草摘みをしまくるかのどっちかだ」
『待ってよ。Sランクダンジョンで暴れるのは分かるけど、冒険の初心者向けの薬草を積みまくるの?薬草摘みって、Fランクの依頼でしょ?それをSランクで?』
ダークネスインフェルノドラゴンの京楽が聞いてくるが、浮竹は頷いた。
「ああ。俺にも理解できないんだが、ストレス解消になるそうだ」
『ほんとに謎だね』
『謎だな。お前のところの京楽は、なんだかおもしろい人間だな』
『でも、人間だ。ボクは嫌いだね』
「まぁ、そう言わないでやってくれ、ダークネスインフェルノドラゴンの京楽」
その頃、京楽は薬草を摘みまくり、森の薬草を全て取り尽していた。
「ふふふふ・・・・ああ、薬草の匂いが気持ちを新鮮にしてくれる。やっぱり薬草摘みはいいなぁ」
アイテムポケットには、大量の薬草が入っている。
それを冒険者ギルドに提出すると、森の薬草を摘みまくってなくしてしまったことで、報酬をもらえるどころか、ギルドマスターの山じいにこっぴどく怒られて、夕方には帰宅した浮竹にも怒られて、散々な目にあうのだった。
あまり浮竹と京楽には、ドラゴンの姿を見せないので、珍しくドラゴン化したダークネスインフェルノドラゴンの京楽をみて、浮竹は一言。
「かっこいい・・・・・・」
「むきいいいい」
京楽は、確かにかっこいいドラゴン姿に、嫉妬していた。
『なんなら、ボクの背中に乗って、空を飛んでみるかい?』
「え、いいのか!?」
浮竹の顔がぱぁぁぁと明るくなる。それを、ハイエルフの浮竹とダークネスインフェルノドラゴンの京楽は、かわいいなぁと見ていた。
『同じ同胞である君ならいいよ。人間のボクは頼まれても乗せないけどね』
「いいですぅ、ボクにはスカイウォークとスカイウィンドの魔法があるんですぅ。空を歩けるし空を飛べますぅ」
「じゃあ、京楽、そういうことで。先に帰っててくれ。ダークネスインフェルノドラゴンの京楽の背中に乗って、大陸軽く周ってくる」
「きいいいい。浮竹、自分で飛べるでしょ!」
「自分で飛ぶのと、人型でドラゴンに乗って飛ぶのじゃ爽快感が違う」
『まぁ、冒険者の京楽は、今日は大人しく帰ったらどうだ?』
ハイエルフの浮竹にまでそう言われて、京楽はやけを起こして、メリアナ王国に戻り冒険者ギルドに行くと、Fランクの初心者用の、薬草摘みを受けまくり、Fランクの依頼を引き受けまくって、非情に初心者冒険者の邪魔をしていた。
「薬草摘みまくってやるうううう!ストレス解消だああああ」
逆にストレスがたまりそうなことを、ストレス解消にする京楽だった。
「うわぁ、高いなぁ」
浮竹は、黒い鱗に覆われたダークネスインフェルノドラゴンの京楽の背中に乗って、空の旅を楽しんでいた。
ハイエルフの浮竹を放置しておくのは嫌なので、ハイエルフの浮竹も一緒にドラゴンの背に乗り、浮竹に自慢する。
『かっこいいだろう、俺の京楽は。俺だけの特権だ』
ハイエルフの浮竹はドヤ顔だ。
「ああ。俺のところのスケベでへっぽこな京楽とは大違いだ」
浮竹も浮竹で、パートナーである京楽のことを褒めないで、スケベでへっぽこと言う。
『ふふ、それを聞いたらお前の京楽が嘆くぞ』
「あいつは、そんな繊細な部分はないに等しい。「そんなぁ」と言って、がっくりするだけで、俺が普通に話しかけたらけろりと忘れる」
『あ、なんか想像できるな』
「だろう?」
二人の浮竹は、ドラゴンの背に乗りながら、おしゃべりを続けた。
『まぁ、この前嫉妬されてえらい目にあったんでしょ?ほどほどにね』
ダークネスインフェルノドラゴンの京楽とハイエルフの浮竹は、浮竹の身に起こった出来事を知り、冒険者の京楽の頭をそれぞれ2回ずつ殴った。
『まぁ、嫉妬されてまた何かされそうになったら俺たちの元にくるといい』
「うん、そうする。俺も久しぶりにドラゴン化するかな」
空中で、月の光が煌めいた。
ダークネスインフェルノドラゴンの京楽ほどの大きさではないが、15メートルほどの白く輝く巨体が空に現れる。
真っ白な羽毛に覆われた、とても珍しい特殊なそのドラゴンは、名をムーンホワイトドラゴン、別名、月竜であった。
羽毛は煌めき、月のような輝きを帯びている。
『ムーンホワイトドラゴンの俺は、いつ見ても美しいな』
「ほめても、乗せてあげることくらいしかできないぞ」
『じゃあ、今度はそっちに乗るか』
ハイエルフの浮竹は、浮竹の背中に飛び乗った。
普通のドラゴンなら硬い鱗で覆われていて、痛いところなのだが、ムーンホワイトドラゴンの浮竹は羽毛でふかふかなので、柔らかな感触がした。
『ああ、この羽毛いいなぁ。月のように綺麗だし・・・・』
「ハイエルフの俺、俺の羽毛何枚かもっていくか?」
『え、いいのか』
「ああ」
『それを知ったら、またお前の京楽が嫉妬しそうだな』
ハイエルフの浮竹が苦笑する。
「嫉妬したあいつは、Sランクダンジョンで暴れるか、初心者の薬草摘みをしまくるかのどっちかだ」
『待ってよ。Sランクダンジョンで暴れるのは分かるけど、冒険の初心者向けの薬草を積みまくるの?薬草摘みって、Fランクの依頼でしょ?それをSランクで?』
ダークネスインフェルノドラゴンの京楽が聞いてくるが、浮竹は頷いた。
「ああ。俺にも理解できないんだが、ストレス解消になるそうだ」
『ほんとに謎だね』
『謎だな。お前のところの京楽は、なんだかおもしろい人間だな』
『でも、人間だ。ボクは嫌いだね』
「まぁ、そう言わないでやってくれ、ダークネスインフェルノドラゴンの京楽」
その頃、京楽は薬草を摘みまくり、森の薬草を全て取り尽していた。
「ふふふふ・・・・ああ、薬草の匂いが気持ちを新鮮にしてくれる。やっぱり薬草摘みはいいなぁ」
アイテムポケットには、大量の薬草が入っている。
それを冒険者ギルドに提出すると、森の薬草を摘みまくってなくしてしまったことで、報酬をもらえるどころか、ギルドマスターの山じいにこっぴどく怒られて、夕方には帰宅した浮竹にも怒られて、散々な目にあうのだった。
奴隷竜とSランク冒険者38
京楽は、嫉妬深いというわけではないが、浮竹がどこでも、特にダークネスインフェルノドラゴンの自分に気を許し、触られたりするのを見ているうちに、嫉妬心は大きくなり、ついに爆発した。
「浮竹・・・・・」
「なんだ、京楽」
「ボクもう駄目かも。嫉妬で、君を閉じ込めて誰にも触れさせず、見せさせず、ボクのものだけにしたい」
浮竹は、首を傾げた。
「何を言っているんだ?」
「分かってないの。ボク、嫉妬してるの」
「ああ、ハイエルフの俺やダークネスインフェルノドラゴンのお前と仲良くするのが、気に入らないんだろう?」
「そうだよ」
「そんなことで嫉妬しても、何もならないぞ。俺はこれからもあの二人に会いに行く」
「ちょっと、お仕置きが必要みたいだね」
「え?」
京楽は、浮竹を抱き上げた。
「ちょ、なんだ!?」
京楽は、浮竹をどさりとベッドに降ろすと、タオルで手を縛ってしまった。
「ちょ、京楽」
「お仕置きだよ」
浮竹の目を、黒い布でおおって視界を塞ぐ。
「こんなのやだ!京楽!」
「今日は、嫌だって言ってもやめてあげない」
京楽のが纏う温度が、少し冷たい気がした。
「んあああああ!!」
京楽のものに貫かれて、浮竹は黒い布に涙を零して湿らせていた。
「やあああ、春水、やああ」
「いやじゃないでしょ。ここ、こんなトロトロにして・・・・・・」
京楽が、勃ちあがったままだらだらと透明な蜜を零す浮竹のものを、指ではじく。
「ひゃん!」
「ふふ、いきたい?」
「あ、いきたい。やああ、いかせてええ」
「じゃあ約束できる?ダークネスインフェルノドラゴンのボクと仲良くするのはいいけど、心を許さないって」
「あ、元から、心までは許してないっ」
「どうだか」
「やああ、信じて」
浮竹のものを戒めて、精液が出せないようにしていた。
「まぁ、今日のボクは意地悪だから、君をボク色に塗り替える」
「ああああ!!」
どちゅんと、浮竹の中をの奥をゴリゴリと音を立てながら入り、最奥を抉る。
「ひあああああああ!!!やあああ、いっちゃううう」
浮竹は、戒められていた手首を解放された。
「あ、春水、春水。こんなこと許すの、お前だけだ。だから、嫉妬なんてしないでくれっ」
「いっていいよ」
京楽は浮竹の最奥に子種を注ぎながら、戒めていた浮竹のものから手を離す。
「やああ、中でも外でもいっちゃううう」
浮竹は、中いきをしながら、大量の精液を吐き出した。
「やああ、気持ちよくて、変になるう」
ペロリと、浮竹が自分の唇を舐める。
「もっといっていいよ?」
「あ、だめえええ」
また最奥を抉り、結腸にまで侵入した京楽のものはまた熱い子種を浮竹の中に注ぎこんだ。
「あ、きてる、俺の奥に京楽の子種、びゅるびゅるきてるうう」
京楽は、浮竹に口づける。
「んう」
舌を甘噛みすると、お返しだとばかりに甘噛みされた。
「君はボクだけのものだ」
「あ、俺は春水だけのものだ・・・・・」
浮竹は、自由になった手で京楽の背中に手を回した。
「お前だけを、愛してる」
「うん。ボクも、君だけを愛してるよ」
「あ、またいっちゃう・・・・・・あああああ!!!」
「何度でも、好きなだけいって?今日のボクは意地悪だから、君が嫌がってもやめてあげない」
「ひあう!」
京楽は、浮竹を犯し続けた。
「あ・・・ああ・・・・・・」
もう出るものものなくなり、中いきの絶頂を何度もして、浮竹は息も絶え絶えだった。
「これで最後だよ。受け止めてね?」
「やああ、何度、俺の中には放ったら気がむんだ」
「だから、これが最後」
お仕置きのために、京楽は精強剤を飲んでいた。
「あう・・・・・」
舌を絡み合わせながら、口づけを繰り返し、ドクドクと熱いものを胎の奥に受け止めて、浮竹は意識を失った。
数時間後。
「ごめんなさい。調子に乗り過ぎました」
「他にいうことは?」
「う、もう嫉妬しても浮竹にお仕置きしたりしません」
裸足でぐりぐりと頭を踏みつけられて、京楽はその足の甲を舐めた。
「ひゃん!」
「うふふふ、かわいい」
「このヘンタイがああああ!!!」
「ああ、浮竹は足も綺麗だね」
「ひゃん!」
足首に舌をはわされて、これ以上は危険だと判断した浮竹が、京楽から離れる。
「罰として、2週間の禁欲!」
「はい・・・でも、2週間経ったら、2週間分抱くからね?」
「う・・・じゃあ、1週間の禁欲だ」
浮竹も甘くて、結局京楽を拒めない。
アフターピルは飲んだ。
ムーンホワイトドラゴンである浮竹は、その希少性故に、オスでも卵を産めるし、他種族と交わっても子供ができるので、京楽と肉体関係に陥ってから、アフターピルを飲まない日はなかった。
「薬局にいって、アフターピルを買ってこい。命令」
「ははー、お代官様」
「お前、反省してないな?」
「うそうそ、反省してるから!薬局行ってくるから、浮竹は疲れてるだろうし、先に寝てていいからね」
「そうする」
腰が痛くて、セイントヒールの魔法を自分の腰にかけると、大分楽になった。
「はぁ。嫉妬深い京楽のセックスすごい・・・・・」
気持ちよすぎたなんて、口が裂けても言えない浮竹だった。
「浮竹・・・・・」
「なんだ、京楽」
「ボクもう駄目かも。嫉妬で、君を閉じ込めて誰にも触れさせず、見せさせず、ボクのものだけにしたい」
浮竹は、首を傾げた。
「何を言っているんだ?」
「分かってないの。ボク、嫉妬してるの」
「ああ、ハイエルフの俺やダークネスインフェルノドラゴンのお前と仲良くするのが、気に入らないんだろう?」
「そうだよ」
「そんなことで嫉妬しても、何もならないぞ。俺はこれからもあの二人に会いに行く」
「ちょっと、お仕置きが必要みたいだね」
「え?」
京楽は、浮竹を抱き上げた。
「ちょ、なんだ!?」
京楽は、浮竹をどさりとベッドに降ろすと、タオルで手を縛ってしまった。
「ちょ、京楽」
「お仕置きだよ」
浮竹の目を、黒い布でおおって視界を塞ぐ。
「こんなのやだ!京楽!」
「今日は、嫌だって言ってもやめてあげない」
京楽のが纏う温度が、少し冷たい気がした。
「んあああああ!!」
京楽のものに貫かれて、浮竹は黒い布に涙を零して湿らせていた。
「やあああ、春水、やああ」
「いやじゃないでしょ。ここ、こんなトロトロにして・・・・・・」
京楽が、勃ちあがったままだらだらと透明な蜜を零す浮竹のものを、指ではじく。
「ひゃん!」
「ふふ、いきたい?」
「あ、いきたい。やああ、いかせてええ」
「じゃあ約束できる?ダークネスインフェルノドラゴンのボクと仲良くするのはいいけど、心を許さないって」
「あ、元から、心までは許してないっ」
「どうだか」
「やああ、信じて」
浮竹のものを戒めて、精液が出せないようにしていた。
「まぁ、今日のボクは意地悪だから、君をボク色に塗り替える」
「ああああ!!」
どちゅんと、浮竹の中をの奥をゴリゴリと音を立てながら入り、最奥を抉る。
「ひあああああああ!!!やあああ、いっちゃううう」
浮竹は、戒められていた手首を解放された。
「あ、春水、春水。こんなこと許すの、お前だけだ。だから、嫉妬なんてしないでくれっ」
「いっていいよ」
京楽は浮竹の最奥に子種を注ぎながら、戒めていた浮竹のものから手を離す。
「やああ、中でも外でもいっちゃううう」
浮竹は、中いきをしながら、大量の精液を吐き出した。
「やああ、気持ちよくて、変になるう」
ペロリと、浮竹が自分の唇を舐める。
「もっといっていいよ?」
「あ、だめえええ」
また最奥を抉り、結腸にまで侵入した京楽のものはまた熱い子種を浮竹の中に注ぎこんだ。
「あ、きてる、俺の奥に京楽の子種、びゅるびゅるきてるうう」
京楽は、浮竹に口づける。
「んう」
舌を甘噛みすると、お返しだとばかりに甘噛みされた。
「君はボクだけのものだ」
「あ、俺は春水だけのものだ・・・・・」
浮竹は、自由になった手で京楽の背中に手を回した。
「お前だけを、愛してる」
「うん。ボクも、君だけを愛してるよ」
「あ、またいっちゃう・・・・・・あああああ!!!」
「何度でも、好きなだけいって?今日のボクは意地悪だから、君が嫌がってもやめてあげない」
「ひあう!」
京楽は、浮竹を犯し続けた。
「あ・・・ああ・・・・・・」
もう出るものものなくなり、中いきの絶頂を何度もして、浮竹は息も絶え絶えだった。
「これで最後だよ。受け止めてね?」
「やああ、何度、俺の中には放ったら気がむんだ」
「だから、これが最後」
お仕置きのために、京楽は精強剤を飲んでいた。
「あう・・・・・」
舌を絡み合わせながら、口づけを繰り返し、ドクドクと熱いものを胎の奥に受け止めて、浮竹は意識を失った。
数時間後。
「ごめんなさい。調子に乗り過ぎました」
「他にいうことは?」
「う、もう嫉妬しても浮竹にお仕置きしたりしません」
裸足でぐりぐりと頭を踏みつけられて、京楽はその足の甲を舐めた。
「ひゃん!」
「うふふふ、かわいい」
「このヘンタイがああああ!!!」
「ああ、浮竹は足も綺麗だね」
「ひゃん!」
足首に舌をはわされて、これ以上は危険だと判断した浮竹が、京楽から離れる。
「罰として、2週間の禁欲!」
「はい・・・でも、2週間経ったら、2週間分抱くからね?」
「う・・・じゃあ、1週間の禁欲だ」
浮竹も甘くて、結局京楽を拒めない。
アフターピルは飲んだ。
ムーンホワイトドラゴンである浮竹は、その希少性故に、オスでも卵を産めるし、他種族と交わっても子供ができるので、京楽と肉体関係に陥ってから、アフターピルを飲まない日はなかった。
「薬局にいって、アフターピルを買ってこい。命令」
「ははー、お代官様」
「お前、反省してないな?」
「うそうそ、反省してるから!薬局行ってくるから、浮竹は疲れてるだろうし、先に寝てていいからね」
「そうする」
腰が痛くて、セイントヒールの魔法を自分の腰にかけると、大分楽になった。
「はぁ。嫉妬深い京楽のセックスすごい・・・・・」
気持ちよすぎたなんて、口が裂けても言えない浮竹だった。
奴隷竜とSランク冒険者37
その日は、新月の日だった。
浮竹は元のドラゴン姿に戻るのだが、先月は大人ドラゴンであったが今月はちびドラゴンであった。
卵の時に誘拐されて、売るために成長促進の魔法をかけられていた浮竹は、本来ならドラゴンは100年かけて成人するのに、20年で成人してしまった。
「ぴーぴー」
「はいはい、茹で卵つぶしたサンドイッチ食べたいんだね?」
「ぴー♪」
ハイエルフの浮竹のお陰で、リカイスルモノのユニークスキルを獲得した京楽は、ドラゴン語が分かった。
浮竹も無理をすれば人語をしゃべれるが、魔力を半端啼く消費するので、いつも「ぴーぴー」という言葉で会話をしていた。
「ぴーぴー」
「暇?散歩にでもいくかい?」
「ぴー」
「え、ハイエルの浮竹のところに行きたいって?だめだめ、あっちも新月でドラゴン化してるし、浮竹と違って大きすぎるからだめだよ」
「ぴー」
寂しそうにする浮竹に、京楽はバナナケーキを作ってやった。
「ぴー♪♪」
「おいしいって?おかわりあるから、たくさん食べていいよ」
もう日暮れだが、浮竹のちびドラゴンの姿のままバナナケーキを食べて、浮竹が少し目を離したすきに外に出てしまった。
「浮竹!!どこ!?」
京楽は慌てた。
いつもの大きなドラゴン姿なら大丈夫だが、ちびドラゴンの姿の上に、魔力も小さくなっている。
「へっへっへ、こりゃラッキーだ。子ドラゴンが街を徘徊してるなんて、捕まえて売ってくださいって言ってるようなもんだろ」
浮竹は、王都に住んでいるのだが、治安は良いとはいいがたく、ならず者にとらえられて、檻の中に放り込まれていた。
「ぴーぴーぴー」
浮竹は、檻の中で泣いていた。
涙をたくさん零す。それは真珠となって、ころころと檻の中から転がり出た。
「うわ、なんだこのドラゴン。泣くと涙が真珠になりやがる。ますます希少価値が高いな。いい値段で売れそうだぜ」
「ぴーーー!!」
浮竹は京楽の名を呼んだ。
「浮竹?」
「てめえ、誰だ」
浮竹の魔力をたどってやってきた京楽は、浮竹が檻の中に閉じ込められているのを見て、顔色を変えた。
「その子、ボクのだから、返してもらうね?」
魔剣ドラゴンスレイヤーで、檻を切ってしまった。
「ちょ、やばいですよ、ボス。こいつ、巷で噂のSランク冒険者の京楽じゃあ・・・じゃあ、このちびドラゴンはそいつのパートナーのムーンホワイトドラゴン!」
「へっ、何がSランク冒険者だ。ムーンホワイトドラゴンが本当なら、オークションにかけようぜ」
「ボス、俺は命がおしいのでこの件から逃げます」
「俺も」
「俺もだ」
残ったのは、5人ほど。
冒険者は、人を傷つけてはいけないという法律があった。
「へっ、Sランク冒険者とはいえ、人は害せないだろ。このムーンホワイトドラゴンはオークションに出すから、お前は消えろ」
短剣でさしにかかるが、京楽は無表情でその男の右腕を切り飛ばした。
「ぎゃあああああああ」
「ぴぴ?」
「浮竹、すぐに終わるからね?」
「ぴーーー」
「ヘルフレイム・・・・」
京楽は、その場にいたボスを含める6人の男を剣で右腕を切り飛ばし、いかに自分が無力であるかを痛感させてから、地獄の炎で骨も残らず焼いた。
「足枷までされて・・・・・ごめんね、浮竹。助けにくるのが遅くなちゃった」
「ぴぴーー」
「え?またバナナケーキが食べたい?さっきまで泣いてたのに、食いしん坊だね?」
「ぴーーーーー」
京楽がすぐに助けにきてくれると思っていた。ちょっと外に散歩に出ようとしたら、捕まった。
奴隷時代を思い出して怖かった。
そんな言葉を聞きながら、京楽は浮竹の姿だけ透明にする魔法をかけて、高級宿に戻った。
「もう、新月の夜でちびどらごんの時は、勝手に出歩いちゃだめだよ。出歩く時は、ボクも一緒に行動するから」
「ぴーぴー」
「え、それよりバナナケーキ?ほんと、よく食べるねぇ。いっぱい作っておいて正解だったね」
京楽は、冷蔵庫からバナナケーキを出すと、浮竹の前に置いた。
「ぴ」
浮竹は、ぱくぱくと食べていく。
「ふふ、おいしい?」
「ぴー」
浮竹は上機嫌で、捕まっていたことなど嘘のようであった。
「ぴ・・・・・」
「冒険者が人を殺して大丈夫かって?ばれなきゃいいんだよ。骨も残ってんないから、手下の者たちは騒ぐだろうけど。ボクだって犯人をつきとめても、ごろつきとSランク冒険者の言葉じゃあ、Sランク冒険者の言葉が圧倒的に強いしね」
「ぴーーー」
「え、お主も悪よのう?どこで覚えたの、そんな台詞・・・・・」
浮竹はバナナケーキを満足するまで食べて、京楽に抱っこされて、その頬を舐めるのだった。
その後、ハイエルフの浮竹とダークネスインフェルノドラゴンの京楽に、ちびどらごんのまま新月の日に街を徘徊したことがばれて、1時間あまりお説教されるのであった。
『ほんとに、君は危機感が薄いね』
「ちびどらごんの時は、気分も子供なんだ」
『だからって、攫われて売られそうなるなんて』
「京楽が助けてくれたから・・・・・」
『冒険者の京楽が助けにこなかったら、どうするつもりだったんだ』
ハイエルフの浮竹につっこまれて、浮竹は目を泳がせる。
『新月が終わったら大きなドラゴンサイズになって逃げるつもりだったんだろう。目立ちすぎるからだめだ』
「う・・・・・・」
図星をさされて、浮竹は京楽を盾にする。
「京楽、代わりに怒られろ」
『そもそも、パートナーの君の教育が悪い』
ダークネスインフェルノドラゴンの京楽にそう言われて、京楽はかちんとくる。
「はいはい、どうせボクの教育方針はだめだめですよ」
真面目に話を聞かない京楽に、ハイエルフの浮竹のげんこつが飛んでくる。
『本当に売られていたなら、大変なんだぞ』
「浮竹にはもう言って聞かせてあるから」
『本当に、君たちはもっと危機感を持つべきだよ』
『京楽の言う通りだぞ?』
お説教が更に続いて、浮竹と京楽はこってりとしぼられて、その日は高級宿に帰らず、ハイエルフの浮竹の家(神殿)に泊まり、ちびどらごんの時の身の守り方とかまで教えてもらうのだった。
浮竹は元のドラゴン姿に戻るのだが、先月は大人ドラゴンであったが今月はちびドラゴンであった。
卵の時に誘拐されて、売るために成長促進の魔法をかけられていた浮竹は、本来ならドラゴンは100年かけて成人するのに、20年で成人してしまった。
「ぴーぴー」
「はいはい、茹で卵つぶしたサンドイッチ食べたいんだね?」
「ぴー♪」
ハイエルフの浮竹のお陰で、リカイスルモノのユニークスキルを獲得した京楽は、ドラゴン語が分かった。
浮竹も無理をすれば人語をしゃべれるが、魔力を半端啼く消費するので、いつも「ぴーぴー」という言葉で会話をしていた。
「ぴーぴー」
「暇?散歩にでもいくかい?」
「ぴー」
「え、ハイエルの浮竹のところに行きたいって?だめだめ、あっちも新月でドラゴン化してるし、浮竹と違って大きすぎるからだめだよ」
「ぴー」
寂しそうにする浮竹に、京楽はバナナケーキを作ってやった。
「ぴー♪♪」
「おいしいって?おかわりあるから、たくさん食べていいよ」
もう日暮れだが、浮竹のちびドラゴンの姿のままバナナケーキを食べて、浮竹が少し目を離したすきに外に出てしまった。
「浮竹!!どこ!?」
京楽は慌てた。
いつもの大きなドラゴン姿なら大丈夫だが、ちびドラゴンの姿の上に、魔力も小さくなっている。
「へっへっへ、こりゃラッキーだ。子ドラゴンが街を徘徊してるなんて、捕まえて売ってくださいって言ってるようなもんだろ」
浮竹は、王都に住んでいるのだが、治安は良いとはいいがたく、ならず者にとらえられて、檻の中に放り込まれていた。
「ぴーぴーぴー」
浮竹は、檻の中で泣いていた。
涙をたくさん零す。それは真珠となって、ころころと檻の中から転がり出た。
「うわ、なんだこのドラゴン。泣くと涙が真珠になりやがる。ますます希少価値が高いな。いい値段で売れそうだぜ」
「ぴーーー!!」
浮竹は京楽の名を呼んだ。
「浮竹?」
「てめえ、誰だ」
浮竹の魔力をたどってやってきた京楽は、浮竹が檻の中に閉じ込められているのを見て、顔色を変えた。
「その子、ボクのだから、返してもらうね?」
魔剣ドラゴンスレイヤーで、檻を切ってしまった。
「ちょ、やばいですよ、ボス。こいつ、巷で噂のSランク冒険者の京楽じゃあ・・・じゃあ、このちびドラゴンはそいつのパートナーのムーンホワイトドラゴン!」
「へっ、何がSランク冒険者だ。ムーンホワイトドラゴンが本当なら、オークションにかけようぜ」
「ボス、俺は命がおしいのでこの件から逃げます」
「俺も」
「俺もだ」
残ったのは、5人ほど。
冒険者は、人を傷つけてはいけないという法律があった。
「へっ、Sランク冒険者とはいえ、人は害せないだろ。このムーンホワイトドラゴンはオークションに出すから、お前は消えろ」
短剣でさしにかかるが、京楽は無表情でその男の右腕を切り飛ばした。
「ぎゃあああああああ」
「ぴぴ?」
「浮竹、すぐに終わるからね?」
「ぴーーー」
「ヘルフレイム・・・・」
京楽は、その場にいたボスを含める6人の男を剣で右腕を切り飛ばし、いかに自分が無力であるかを痛感させてから、地獄の炎で骨も残らず焼いた。
「足枷までされて・・・・・ごめんね、浮竹。助けにくるのが遅くなちゃった」
「ぴぴーー」
「え?またバナナケーキが食べたい?さっきまで泣いてたのに、食いしん坊だね?」
「ぴーーーーー」
京楽がすぐに助けにきてくれると思っていた。ちょっと外に散歩に出ようとしたら、捕まった。
奴隷時代を思い出して怖かった。
そんな言葉を聞きながら、京楽は浮竹の姿だけ透明にする魔法をかけて、高級宿に戻った。
「もう、新月の夜でちびどらごんの時は、勝手に出歩いちゃだめだよ。出歩く時は、ボクも一緒に行動するから」
「ぴーぴー」
「え、それよりバナナケーキ?ほんと、よく食べるねぇ。いっぱい作っておいて正解だったね」
京楽は、冷蔵庫からバナナケーキを出すと、浮竹の前に置いた。
「ぴ」
浮竹は、ぱくぱくと食べていく。
「ふふ、おいしい?」
「ぴー」
浮竹は上機嫌で、捕まっていたことなど嘘のようであった。
「ぴ・・・・・」
「冒険者が人を殺して大丈夫かって?ばれなきゃいいんだよ。骨も残ってんないから、手下の者たちは騒ぐだろうけど。ボクだって犯人をつきとめても、ごろつきとSランク冒険者の言葉じゃあ、Sランク冒険者の言葉が圧倒的に強いしね」
「ぴーーー」
「え、お主も悪よのう?どこで覚えたの、そんな台詞・・・・・」
浮竹はバナナケーキを満足するまで食べて、京楽に抱っこされて、その頬を舐めるのだった。
その後、ハイエルフの浮竹とダークネスインフェルノドラゴンの京楽に、ちびどらごんのまま新月の日に街を徘徊したことがばれて、1時間あまりお説教されるのであった。
『ほんとに、君は危機感が薄いね』
「ちびどらごんの時は、気分も子供なんだ」
『だからって、攫われて売られそうなるなんて』
「京楽が助けてくれたから・・・・・」
『冒険者の京楽が助けにこなかったら、どうするつもりだったんだ』
ハイエルフの浮竹につっこまれて、浮竹は目を泳がせる。
『新月が終わったら大きなドラゴンサイズになって逃げるつもりだったんだろう。目立ちすぎるからだめだ』
「う・・・・・・」
図星をさされて、浮竹は京楽を盾にする。
「京楽、代わりに怒られろ」
『そもそも、パートナーの君の教育が悪い』
ダークネスインフェルノドラゴンの京楽にそう言われて、京楽はかちんとくる。
「はいはい、どうせボクの教育方針はだめだめですよ」
真面目に話を聞かない京楽に、ハイエルフの浮竹のげんこつが飛んでくる。
『本当に売られていたなら、大変なんだぞ』
「浮竹にはもう言って聞かせてあるから」
『本当に、君たちはもっと危機感を持つべきだよ』
『京楽の言う通りだぞ?』
お説教が更に続いて、浮竹と京楽はこってりとしぼられて、その日は高級宿に帰らず、ハイエルフの浮竹の家(神殿)に泊まり、ちびどらごんの時の身の守り方とかまで教えてもらうのだった。
奴隷竜とSランク冒険者36
世界には、亜人が存在する。
エルフ、ドワーフ、獣人、リザードマン、それに精霊族であった。
精霊族は種類によっては個体数が少なく、冒険者稼業をしている日番谷冬獅郎は、とても珍しいアイシクルという氷の精霊族であった。
パーティーメンバーは、雛森桃と、松本乱菊。
最年少のSランク冒険者で、13歳であった。
見た目は幼く、13にも達していないように見えた。
冒険者ギルドの新人になめられて喧嘩を売られて、返り討ちにしたこと数十回。
パーティメンバーのの雛森と松本はAランク冒険者であるが、Sランク冒険者の冬獅郎がいるので、Sランクの難易度の高くないダンジョンなら行けた。
「浮竹に京楽、話がある」
冒険者ギルドで、クエストの受注をしようとしている浮竹と京楽に話しかける。
「お、冬獅郎君どうしたんだい?」
「冬獅郎から話かけてくるなんて、珍しいな」
「今度、雛森と松本とで、新しいSランクダンジョンに行くことになったんだ。だが、雛森と松本はまだAランク冒険者だ。力をかしてもらえねぇか」
「ああ、俺たちでいいなら、力を貸すぞ」
「そうだね。2人も、経験を積めばSランク冒険者になれそうだしね」
承諾の言葉を聞いて、冬獅郎が珍しく明るい表情を出した。
いつもは氷のように冷たく、表情を変えないのだが、断わられるとばかり思っていたので、嬉しいのだ。
「いつ、行くんだ?」
「来週の火曜だ」
「分かったよ。じゃあ、ボクたちも来週の火曜から1週間ばかりスケジュールをあけておくよ。ダンジョンには、1週間くらいこもるんでしょ?」
「ああ。6日間こもって、できるだけ最深部を目指す予定だ」
冬獅郎は、離れて様子を見ている雛森と松本の様子をちらりと見た。
「じゃあ、6日分の食事の用意は京楽に任せてくれ」
「いいのか?いつも携帯食で済ませているが、京楽は作った飯をアイテムポケットに入れて、取り出して食うんだろう?」
「ああ、そうだぞ。携帯食はまずいからな。栄養バランスもよくない。京楽なら、そこらのレストランのコック並みの腕をもっているからな」
「ふふふ。ボクって、何気に凄いでしょ」
京楽は、調子に乗って胸を張る。
「食事代はいくら出せばいい?」
「一緒に冒険する仲間だろう。金などいらん」
「報酬も、もらわないつもりだろう?」
冬獅郎がそう聞くと、浮竹は頷いた。
「報酬はいらん。そっちの3人で、手に入れたマジックアイテムや金銀財宝、魔法書は分けてくれ」
「浮竹、京楽、すまねぇ。恩に着る。雛森と松本のSランク昇格試験に金がいるんだ。助かる」
そうして、火曜がやってきた。
冬獅郎は、魔剣の氷輪丸を背に携帯し、アイシクルという精霊族のためか、近づくと周囲に冷気が漏れてくる。
「シロちゃん、ほんとに浮竹さんと京楽さん誘ったんだ」
「冬獅郎君、さすがね。あのムーンホワイトドラゴンで有名な浮竹さんと、そのパートナーの京楽さんを口説き落とすなんて」
松本は、神々の谷間である豊満な胸を強調するような鎧を着ていた。
その胸の谷間に京楽の視線がいくものだから、浮竹は京楽の足を踏んづけた。
「あいたたたた。ごめん、ちょっと見ただけだよ。許してよ」
「知るか」
二人は、いつものように痴話げんかをはじめるが、3人がいるので早々に痴話げんかを終わらせて、5人でSランクダンジョンに挑んだ。
浮竹と京楽は主に補佐で、危なくなったら助けるということになっていた。
「ファイアエンチャント!うなれ、灰猫!」
「エナジーランス!」
「ゴッドアイシクルランス」
主に冬獅郎を中心として戦いをはじめて、やってくるワイバーンを冬獅郎が氷の槍で地面に落とし、そこで松本が剣で、雛森が魔法でとどめを刺す。
「けっこうやるじゃない、乱菊ちゃんも桃ちゃんも」
「そうだな。だがつめが甘い・・・・・・・アイシクルブレス」
ブレスを吐こうとした、まだ生きていたワイバーンに、浮竹はアイシクルブレスを吐いた。
「浮竹は、アイシクルブレスが得意だったな。俺もアイシクルブレスを、精霊族のアイシクルだから出せるぜ」
「お、お揃いか!」
浮竹は嬉しそうだった。
浮竹は、一護と白哉と冬獅郎に、特別目をかけていた。
「お前のアイシクルブレスほどの威力はないが・・・・・アイシクルブレス!」
冬獅郎が、空を飛び交うワイバーンの群れにむけて、アイシクルブレスを吐く。
ワイバーンたちは翼が凍りついて、次々と地面に落下する。
「うなれ、灰猫!」
松本の持っている灰猫という剣は魔剣で、刀身が灰のようになくなり、標的の前に突然現れてトドメを刺す。
「ファイアサークル!」
雛森が、炎で地面に落ちたワイバーンを焼いて殺していく。
雛森は、職業は魔法使いだ。
松本は剣士で、冬獅郎は魔法剣士だった。
ちなみに、浮竹と京楽も魔法剣士ということになる。
「きしゃああああああ!!!」
群れのリーダーであったブラックワイバーンが現れて、雄叫びをあげる。
「さがれ!俺と浮竹と京楽で倒す」
「でも、冬獅郎君!」
「松本、リーダーは俺だ。俺の判断に任せろ」
「は~い」
まだ暴れたりない松本は、灰猫で何気にブラックワイバーンの翼を貫いたが、傷は浅く、ブラックワイバーンは冬獅郎めがけて襲ってきた。
「アイシクルブレス!」
「アイシクルブレス!!」
冬獅郎と浮竹は、氷のブレスを吐く。
京楽が、魔剣ドラゴンスレイヤーでブラックワイバーンの前足を切り落とす。
「乱菊ちゃん、桃ちゃん、二人でとどめを。経験値が入って、レベルアップするはずだよ」
ちなみに、レベルは1000まであり、浮竹が955、京楽が987だった。
冬獅郎で850である。
松本と雛森は650くらいであった。
京楽に言われた通りに、松本と雛森がとどめをさすと、レベルが2あがっていた。
「ブラックワイバーンは、ブラックドラゴンの亜種だからね。一応ドラゴン族ということになる。経験値は膨大だ。まぁ、ボクと浮竹はカンストが近いので、そうそうレベルはあがらないけどね」
レベルが1000になり、更に鍛錬をつむと限界を突破して、1000を超えることもできるが、それはハイエルフの浮竹や、ダークネスインフェルノドラゴンの京楽のレベルだった。
5人で協力しあいながら、100階層までやってくる。
氷属性のアイスドラゴンがボスだった。
アイシクルブレスでは回復するので、浮竹は炎の魔法が使えないので風の魔法で切り裂き、京楽はドラゴンスレイヤーに炎の魔法をエンチャントして、冬獅郎の氷の魔剣氷輪丸にもなんとか炎の魔法をエンチャントして、二人で切りかかった。
「ぐるるるるる」
「目つぶしさせます。目を閉じてください!サンシャイン!」
雛森が太陽の光を集めた光で、アイスドラゴンの目を瞑す。
「うなれ、灰猫!」
松本が、アイスドラゴンの額の魔石を砕く。
額の魔石は、ダンジョンにいるドラゴンという証で、弱点の一つであった。
とても固く、容易には砕けないのだが、松本の腕で砕くことができた。
「トドメは俺が刺す」
冬獅郎が、光の槍を魔法で作り出して、アイスドラゴンを串刺しにした。
「ぎゅああああああああああ」
アイスドラゴンは、悲鳴をあげながら足をばたつかせてから、息絶えた。
「あ、レベル1あがってる・・・・・・」
冬獅郎が、レベルアップした音を聞いて、驚く。
「そりゃ、5人でボコボコにしていたとはいえ、ドラゴンだからな」
浮竹が苦笑する。
財宝の間が開き、珍しいマジックアイテムやらハイエルフの浮竹の書いた魔法書、金銀財宝があったが、浮竹と京楽は、最初にいらないと言っておいた通り、受け取らなかった。
「浮竹、京楽、助かった。ありがとう。お前たちがいなかったら、踏破できなかった」
「まぁ、Sランク冒険者の最低レベルは650からだからな。乱菊君も桃君も、もう少し経験をつめば、Aランク冒険者からSランクに昇格できるだろう」
浮竹の言葉に、松本と雛森は嬉しそうにしていた。
「じゃあ、ダンジョン踏破ということで、俺たちは帰るな?」
「ボクも、宿のベッドが恋しいよ」
「ああ、ありがとう、浮竹、京楽。また、機会があれば一緒にパーティーを組もう」
「分かった」
「うん」
二人は頷いて、報酬の財宝を整理している3人を置いて、帰還スクロールでダンジョンの外に出るのだった。
「あー。アイスドラゴンかぁ。解体して売れば、けっこうな値段になるんだろうねぇ」
「今回は報酬なしでOKしたからな。また、二人でどっかのSランクダンジョンに行って、財宝を手にすればいいさ」
「それもそうだね」
6日間、健全なる生活をしていたので、京楽はたまってしまっていて、浮竹を抱き寄せて口づける。
「んっ・・・・・・・」
「ねぇ、帰ったら・・・・・」
「却下。疲れているので、飯食って風呂入ったら、寝る」
「そんなぁ」
京楽は、それからさらに数日、おあずけをくらうのだった。
エルフ、ドワーフ、獣人、リザードマン、それに精霊族であった。
精霊族は種類によっては個体数が少なく、冒険者稼業をしている日番谷冬獅郎は、とても珍しいアイシクルという氷の精霊族であった。
パーティーメンバーは、雛森桃と、松本乱菊。
最年少のSランク冒険者で、13歳であった。
見た目は幼く、13にも達していないように見えた。
冒険者ギルドの新人になめられて喧嘩を売られて、返り討ちにしたこと数十回。
パーティメンバーのの雛森と松本はAランク冒険者であるが、Sランク冒険者の冬獅郎がいるので、Sランクの難易度の高くないダンジョンなら行けた。
「浮竹に京楽、話がある」
冒険者ギルドで、クエストの受注をしようとしている浮竹と京楽に話しかける。
「お、冬獅郎君どうしたんだい?」
「冬獅郎から話かけてくるなんて、珍しいな」
「今度、雛森と松本とで、新しいSランクダンジョンに行くことになったんだ。だが、雛森と松本はまだAランク冒険者だ。力をかしてもらえねぇか」
「ああ、俺たちでいいなら、力を貸すぞ」
「そうだね。2人も、経験を積めばSランク冒険者になれそうだしね」
承諾の言葉を聞いて、冬獅郎が珍しく明るい表情を出した。
いつもは氷のように冷たく、表情を変えないのだが、断わられるとばかり思っていたので、嬉しいのだ。
「いつ、行くんだ?」
「来週の火曜だ」
「分かったよ。じゃあ、ボクたちも来週の火曜から1週間ばかりスケジュールをあけておくよ。ダンジョンには、1週間くらいこもるんでしょ?」
「ああ。6日間こもって、できるだけ最深部を目指す予定だ」
冬獅郎は、離れて様子を見ている雛森と松本の様子をちらりと見た。
「じゃあ、6日分の食事の用意は京楽に任せてくれ」
「いいのか?いつも携帯食で済ませているが、京楽は作った飯をアイテムポケットに入れて、取り出して食うんだろう?」
「ああ、そうだぞ。携帯食はまずいからな。栄養バランスもよくない。京楽なら、そこらのレストランのコック並みの腕をもっているからな」
「ふふふ。ボクって、何気に凄いでしょ」
京楽は、調子に乗って胸を張る。
「食事代はいくら出せばいい?」
「一緒に冒険する仲間だろう。金などいらん」
「報酬も、もらわないつもりだろう?」
冬獅郎がそう聞くと、浮竹は頷いた。
「報酬はいらん。そっちの3人で、手に入れたマジックアイテムや金銀財宝、魔法書は分けてくれ」
「浮竹、京楽、すまねぇ。恩に着る。雛森と松本のSランク昇格試験に金がいるんだ。助かる」
そうして、火曜がやってきた。
冬獅郎は、魔剣の氷輪丸を背に携帯し、アイシクルという精霊族のためか、近づくと周囲に冷気が漏れてくる。
「シロちゃん、ほんとに浮竹さんと京楽さん誘ったんだ」
「冬獅郎君、さすがね。あのムーンホワイトドラゴンで有名な浮竹さんと、そのパートナーの京楽さんを口説き落とすなんて」
松本は、神々の谷間である豊満な胸を強調するような鎧を着ていた。
その胸の谷間に京楽の視線がいくものだから、浮竹は京楽の足を踏んづけた。
「あいたたたた。ごめん、ちょっと見ただけだよ。許してよ」
「知るか」
二人は、いつものように痴話げんかをはじめるが、3人がいるので早々に痴話げんかを終わらせて、5人でSランクダンジョンに挑んだ。
浮竹と京楽は主に補佐で、危なくなったら助けるということになっていた。
「ファイアエンチャント!うなれ、灰猫!」
「エナジーランス!」
「ゴッドアイシクルランス」
主に冬獅郎を中心として戦いをはじめて、やってくるワイバーンを冬獅郎が氷の槍で地面に落とし、そこで松本が剣で、雛森が魔法でとどめを刺す。
「けっこうやるじゃない、乱菊ちゃんも桃ちゃんも」
「そうだな。だがつめが甘い・・・・・・・アイシクルブレス」
ブレスを吐こうとした、まだ生きていたワイバーンに、浮竹はアイシクルブレスを吐いた。
「浮竹は、アイシクルブレスが得意だったな。俺もアイシクルブレスを、精霊族のアイシクルだから出せるぜ」
「お、お揃いか!」
浮竹は嬉しそうだった。
浮竹は、一護と白哉と冬獅郎に、特別目をかけていた。
「お前のアイシクルブレスほどの威力はないが・・・・・アイシクルブレス!」
冬獅郎が、空を飛び交うワイバーンの群れにむけて、アイシクルブレスを吐く。
ワイバーンたちは翼が凍りついて、次々と地面に落下する。
「うなれ、灰猫!」
松本の持っている灰猫という剣は魔剣で、刀身が灰のようになくなり、標的の前に突然現れてトドメを刺す。
「ファイアサークル!」
雛森が、炎で地面に落ちたワイバーンを焼いて殺していく。
雛森は、職業は魔法使いだ。
松本は剣士で、冬獅郎は魔法剣士だった。
ちなみに、浮竹と京楽も魔法剣士ということになる。
「きしゃああああああ!!!」
群れのリーダーであったブラックワイバーンが現れて、雄叫びをあげる。
「さがれ!俺と浮竹と京楽で倒す」
「でも、冬獅郎君!」
「松本、リーダーは俺だ。俺の判断に任せろ」
「は~い」
まだ暴れたりない松本は、灰猫で何気にブラックワイバーンの翼を貫いたが、傷は浅く、ブラックワイバーンは冬獅郎めがけて襲ってきた。
「アイシクルブレス!」
「アイシクルブレス!!」
冬獅郎と浮竹は、氷のブレスを吐く。
京楽が、魔剣ドラゴンスレイヤーでブラックワイバーンの前足を切り落とす。
「乱菊ちゃん、桃ちゃん、二人でとどめを。経験値が入って、レベルアップするはずだよ」
ちなみに、レベルは1000まであり、浮竹が955、京楽が987だった。
冬獅郎で850である。
松本と雛森は650くらいであった。
京楽に言われた通りに、松本と雛森がとどめをさすと、レベルが2あがっていた。
「ブラックワイバーンは、ブラックドラゴンの亜種だからね。一応ドラゴン族ということになる。経験値は膨大だ。まぁ、ボクと浮竹はカンストが近いので、そうそうレベルはあがらないけどね」
レベルが1000になり、更に鍛錬をつむと限界を突破して、1000を超えることもできるが、それはハイエルフの浮竹や、ダークネスインフェルノドラゴンの京楽のレベルだった。
5人で協力しあいながら、100階層までやってくる。
氷属性のアイスドラゴンがボスだった。
アイシクルブレスでは回復するので、浮竹は炎の魔法が使えないので風の魔法で切り裂き、京楽はドラゴンスレイヤーに炎の魔法をエンチャントして、冬獅郎の氷の魔剣氷輪丸にもなんとか炎の魔法をエンチャントして、二人で切りかかった。
「ぐるるるるる」
「目つぶしさせます。目を閉じてください!サンシャイン!」
雛森が太陽の光を集めた光で、アイスドラゴンの目を瞑す。
「うなれ、灰猫!」
松本が、アイスドラゴンの額の魔石を砕く。
額の魔石は、ダンジョンにいるドラゴンという証で、弱点の一つであった。
とても固く、容易には砕けないのだが、松本の腕で砕くことができた。
「トドメは俺が刺す」
冬獅郎が、光の槍を魔法で作り出して、アイスドラゴンを串刺しにした。
「ぎゅああああああああああ」
アイスドラゴンは、悲鳴をあげながら足をばたつかせてから、息絶えた。
「あ、レベル1あがってる・・・・・・」
冬獅郎が、レベルアップした音を聞いて、驚く。
「そりゃ、5人でボコボコにしていたとはいえ、ドラゴンだからな」
浮竹が苦笑する。
財宝の間が開き、珍しいマジックアイテムやらハイエルフの浮竹の書いた魔法書、金銀財宝があったが、浮竹と京楽は、最初にいらないと言っておいた通り、受け取らなかった。
「浮竹、京楽、助かった。ありがとう。お前たちがいなかったら、踏破できなかった」
「まぁ、Sランク冒険者の最低レベルは650からだからな。乱菊君も桃君も、もう少し経験をつめば、Aランク冒険者からSランクに昇格できるだろう」
浮竹の言葉に、松本と雛森は嬉しそうにしていた。
「じゃあ、ダンジョン踏破ということで、俺たちは帰るな?」
「ボクも、宿のベッドが恋しいよ」
「ああ、ありがとう、浮竹、京楽。また、機会があれば一緒にパーティーを組もう」
「分かった」
「うん」
二人は頷いて、報酬の財宝を整理している3人を置いて、帰還スクロールでダンジョンの外に出るのだった。
「あー。アイスドラゴンかぁ。解体して売れば、けっこうな値段になるんだろうねぇ」
「今回は報酬なしでOKしたからな。また、二人でどっかのSランクダンジョンに行って、財宝を手にすればいいさ」
「それもそうだね」
6日間、健全なる生活をしていたので、京楽はたまってしまっていて、浮竹を抱き寄せて口づける。
「んっ・・・・・・・」
「ねぇ、帰ったら・・・・・」
「却下。疲れているので、飯食って風呂入ったら、寝る」
「そんなぁ」
京楽は、それからさらに数日、おあずけをくらうのだった。
奴隷竜とSランク冒険者35
ハイエルフの浮竹の心が、元に戻ったと知って、浮竹は自分のことのように喜んだ。
「京楽、元に戻った祝いにいくぞ」
「ええ、祝いにいくの?」
「花束をもっていく。なんの花がいいだろう」
「そうだね。薔薇でいいんじゃない?」
京楽は、適当に言ってみたのだが、浮竹はその案を採用した。
「白薔薇の花束を買って、魔力をこめて青薔薇にして、カスミソウで包んで渡そう」
「白薔薇を青薔薇に?そんなこと、できるの?」
「ハイエルフの俺から、教えてもらった民間魔法だ。消費魔力がでかいが、青い薔薇は価値が高いから、覚えたがるやつが多いらしい。だから、民間魔法だけど禁忌と同じであまり教えないそうだ」
「そんな魔法を、浮竹に」
「ああ。せっかくだから、花束にして渡そうと思う」
浮竹と京楽は、花屋にいくと白薔薇を100本と、カスミソウを買い、綺麗にラッピングしてもらった。
「よし、ハイエルフの俺の元に行くぞ」
ワープポータルをくぐり、空間移動してハイエルフの浮竹の住む神殿へとやってきた。
「快気祝いにきたぞ」
『ああ、ムーンホワイトドラゴンの浮竹かい。あとおまけのもう一人のボクも』
「ボクはおまけじゃないよ!失礼だね!」
京楽同士がけんかしそうなので、浮竹は紅茶が飲みたいとダークネスインフェルノドラゴンの京楽に甘えた。
『仕方ないねぇ。奥に浮竹がいるから、その花束も渡してあげて。いい茶葉が手に入ったから、お茶にしよう』
「ハイエルフの俺!」
浮竹は、ハイエルフの自分に抱きついた。
『わぁ、びっくりした!』
「元に戻ったんだな。俺のことも分かるよな?」
『ああ、心配をかけたようだな。もう大丈夫だ。お前はムーンホワイトドラゴンで、俺の友達。そっちは契約者で冒険者の京楽。ばっちり、思い出したぞ』
「これ、やる!お前のために青薔薇にしたんだ!」
『青薔薇をこんなに・・・・魔力、ごっそりもってかれて疲れたんじゃないか?』
「ああ。でも平気だ。マナポーション飲んだし」
マナポーションとは、安価な魔力を回復する薬だった。
「京楽が作ったマナポーションだから、普通の20倍は回復する」
『お前のところの京楽は器用だな』
「ダークネスインフェルノドラゴンの京楽が、お茶にしようと言っていた。お茶をするのに、俺が新しく覚えた魔法を使ってもいいか?」
『いいけど、俺が書いた魔法か?』
「ちがう。人間が作り出した魔法だ」
『どんな魔法なんだ?』
自分以外が作り出した魔法に興味がわいて、ハイエルフの浮竹は、浮竹の手をとる。
『お茶をいれてきたよ。茶菓子は木苺のタルトだよ』
ダークネスインフェルノドラゴンの京楽がお茶やタルトが置かれたトレイを持ってきて、そこで浮竹は魔法を唱えた。
「クリエイトフラワーワールド」
『わぁ!』
『うわお』
ハイエルフの浮竹と、ダークネスインフェルノドラゴンの京楽は驚いた。
テーブルと椅子以外、あまりものがなかった部屋が、花畑になっていた。
テーブルと椅子はそのままで、一時的に花畑の空間を作り出す魔法だった。
『綺麗だなぁ』
『こんな魔法、あるんだね』
「俺が、Sランクのヒュドラを京楽と一緒に倒した報酬でもらったんだ」
『俺以外が作る魔法は、戦闘魔法だとばかり思っていたが、こんな綺麗な魔法もあるんだな』
浮竹と京楽はテーブルにつき、ハイエルフの浮竹は幻ではない花と花束を手にする。
ダークネスインフェルノドラゴンの京楽は給仕係だった。
4人でお茶をして、どうやって戻ったのとかいろいろ聞いてから、浮竹はハイエルフの浮竹を誘う。
「この魔法は、3時間しか効果がないんだ。花冠つくらないか?これだけ花が咲いているんだ。綺麗な花冠ができると思う」
『いいな。じゃあ、俺はそっちのお前と冒険者の京楽の分を作ろう』
「じゃあ、俺はハイエルフの浮竹とダークネスインフェルノドラゴンの京楽の分を作るな」
2人は、きゃいきゃいとはしゃぎながら花をつみ、花冠を編んでいく。
「かわいい・・・・・・」
『かわいいね』
「珍しく意見が一致したね」
『かわいいものはかわいいから、仕方ないよ』
「京楽、見ろ、できたぞ!」
浮竹が、出来上がった花冠を、ハイエルフの浮竹とダークネスインフェルノドラゴンの京楽の頭にのせる。
ハイエルフの浮竹も、浮竹と京楽の頭に花冠を乗せた。
風が吹き、花びらがさぁぁぁと散っていく。
幻想的な光景に、ハイエルフの浮竹は声も出ないようだった。
「そろそろ時間だな。魔法の効果が切れる」
『俺にも、その魔法を教えてくれないか?』
ハイエルフの浮竹は、生まれて初めて、人間が作り出したその魔法は美しいと思った。
『改良して、もっと効果時間も長くて花の種類も多い魔法にしたい』
「ああ、いいぞ」
浮竹は笑顔で、ハイエルフの浮竹に魔法を教える。
その光景を見て、二人の京楽はかわいいなぁと心から思うのだった。
「京楽、元に戻った祝いにいくぞ」
「ええ、祝いにいくの?」
「花束をもっていく。なんの花がいいだろう」
「そうだね。薔薇でいいんじゃない?」
京楽は、適当に言ってみたのだが、浮竹はその案を採用した。
「白薔薇の花束を買って、魔力をこめて青薔薇にして、カスミソウで包んで渡そう」
「白薔薇を青薔薇に?そんなこと、できるの?」
「ハイエルフの俺から、教えてもらった民間魔法だ。消費魔力がでかいが、青い薔薇は価値が高いから、覚えたがるやつが多いらしい。だから、民間魔法だけど禁忌と同じであまり教えないそうだ」
「そんな魔法を、浮竹に」
「ああ。せっかくだから、花束にして渡そうと思う」
浮竹と京楽は、花屋にいくと白薔薇を100本と、カスミソウを買い、綺麗にラッピングしてもらった。
「よし、ハイエルフの俺の元に行くぞ」
ワープポータルをくぐり、空間移動してハイエルフの浮竹の住む神殿へとやってきた。
「快気祝いにきたぞ」
『ああ、ムーンホワイトドラゴンの浮竹かい。あとおまけのもう一人のボクも』
「ボクはおまけじゃないよ!失礼だね!」
京楽同士がけんかしそうなので、浮竹は紅茶が飲みたいとダークネスインフェルノドラゴンの京楽に甘えた。
『仕方ないねぇ。奥に浮竹がいるから、その花束も渡してあげて。いい茶葉が手に入ったから、お茶にしよう』
「ハイエルフの俺!」
浮竹は、ハイエルフの自分に抱きついた。
『わぁ、びっくりした!』
「元に戻ったんだな。俺のことも分かるよな?」
『ああ、心配をかけたようだな。もう大丈夫だ。お前はムーンホワイトドラゴンで、俺の友達。そっちは契約者で冒険者の京楽。ばっちり、思い出したぞ』
「これ、やる!お前のために青薔薇にしたんだ!」
『青薔薇をこんなに・・・・魔力、ごっそりもってかれて疲れたんじゃないか?』
「ああ。でも平気だ。マナポーション飲んだし」
マナポーションとは、安価な魔力を回復する薬だった。
「京楽が作ったマナポーションだから、普通の20倍は回復する」
『お前のところの京楽は器用だな』
「ダークネスインフェルノドラゴンの京楽が、お茶にしようと言っていた。お茶をするのに、俺が新しく覚えた魔法を使ってもいいか?」
『いいけど、俺が書いた魔法か?』
「ちがう。人間が作り出した魔法だ」
『どんな魔法なんだ?』
自分以外が作り出した魔法に興味がわいて、ハイエルフの浮竹は、浮竹の手をとる。
『お茶をいれてきたよ。茶菓子は木苺のタルトだよ』
ダークネスインフェルノドラゴンの京楽がお茶やタルトが置かれたトレイを持ってきて、そこで浮竹は魔法を唱えた。
「クリエイトフラワーワールド」
『わぁ!』
『うわお』
ハイエルフの浮竹と、ダークネスインフェルノドラゴンの京楽は驚いた。
テーブルと椅子以外、あまりものがなかった部屋が、花畑になっていた。
テーブルと椅子はそのままで、一時的に花畑の空間を作り出す魔法だった。
『綺麗だなぁ』
『こんな魔法、あるんだね』
「俺が、Sランクのヒュドラを京楽と一緒に倒した報酬でもらったんだ」
『俺以外が作る魔法は、戦闘魔法だとばかり思っていたが、こんな綺麗な魔法もあるんだな』
浮竹と京楽はテーブルにつき、ハイエルフの浮竹は幻ではない花と花束を手にする。
ダークネスインフェルノドラゴンの京楽は給仕係だった。
4人でお茶をして、どうやって戻ったのとかいろいろ聞いてから、浮竹はハイエルフの浮竹を誘う。
「この魔法は、3時間しか効果がないんだ。花冠つくらないか?これだけ花が咲いているんだ。綺麗な花冠ができると思う」
『いいな。じゃあ、俺はそっちのお前と冒険者の京楽の分を作ろう』
「じゃあ、俺はハイエルフの浮竹とダークネスインフェルノドラゴンの京楽の分を作るな」
2人は、きゃいきゃいとはしゃぎながら花をつみ、花冠を編んでいく。
「かわいい・・・・・・」
『かわいいね』
「珍しく意見が一致したね」
『かわいいものはかわいいから、仕方ないよ』
「京楽、見ろ、できたぞ!」
浮竹が、出来上がった花冠を、ハイエルフの浮竹とダークネスインフェルノドラゴンの京楽の頭にのせる。
ハイエルフの浮竹も、浮竹と京楽の頭に花冠を乗せた。
風が吹き、花びらがさぁぁぁと散っていく。
幻想的な光景に、ハイエルフの浮竹は声も出ないようだった。
「そろそろ時間だな。魔法の効果が切れる」
『俺にも、その魔法を教えてくれないか?』
ハイエルフの浮竹は、生まれて初めて、人間が作り出したその魔法は美しいと思った。
『改良して、もっと効果時間も長くて花の種類も多い魔法にしたい』
「ああ、いいぞ」
浮竹は笑顔で、ハイエルフの浮竹に魔法を教える。
その光景を見て、二人の京楽はかわいいなぁと心から思うのだった。
奴隷竜とSランク冒険者34
ハイエルフの浮竹が、魔王藍染の配下の者に強制的に魔法書を書かされて、精神的なショックから、幼児退行してしまったことに、浮竹はしょんぼりしていた。
「出会ってたくさんしゃべって、知り合えたのに初めましてって言われた」
「仕方ないよ。時間が解決するのを待つしかないんじゃないかな」
「うーーーーーー」
浮竹は、クッションを京楽に投げた。
「どうしたの」
「京楽は、もしも俺がハイエルフの俺みたいになったら、どうするんだ」
「その時は、元に戻るを気長に待ちながら、一からまた関係を築いていくよ?」
「むう」
浮竹は、うなった。
「ハイエルフの俺、大丈夫かな」
「様子、見に行く?」
「いや、いい。またショック受けるから・・・・・」
「そう。じゃあ、ボクだけいってくるね。この前一護君がきた時に作った苺のムースあまったから、おすそ分けしようと思って」
「待て、俺も行く!」
結局、浮竹も京楽についていって、ワープポータルに乗り込み、ハイエルフの浮竹とダークネスインフェルノドラゴンの京楽が住む神殿までやってきた。
「ごめんください」
「いるかなー?」
『どうしたの?』
「あ、ダークネスインフェルノドラゴンの京楽。ハイエルフの俺の様子はどうだ?」
『変わらないね。まだ、心は子供のままだよ』
「そうか・・・・・・」
浮竹は、やっぱりショックを受けていた。
「会えるか?」
『うん』
『あれ、ムーンホワイトドラゴンだっけ?』
「ああ、そうだぞ、ハイエルフの俺。何をしているんだ?」
『魔法書を作っているんだ。作らないと怒られるから』
「重症だね」
京楽の言葉に、ダークネスインフェルノドラゴンの京楽の表情が暗くなる。
「エリクサーとかためした?」
『ためしたけどダメだった。心の問題だからね』
「早く、元に戻るといいな?ハイエルフの俺」
『ん、何がだ?』
浮竹は、ハイエルフの浮竹を抱きしめて、額にキスをした。
「元に戻れる、おまじないだ」
『なんだか知らないが、ありがとう』
「ああ、浮竹の浮気者!」
「うるさい。帰るぞ、京楽。ダークネスインフェルノドラゴンの京楽も、こんを詰め過ぎないようにな?これ、お土産の苺のムースだ」
『わぁ、おいしそう』
「たくさんあるから、好きなだけ食べていいぞ」
『ありがとう』
浮竹と京楽は、そのまま帰っていった。
「エリクサーでも治らないとは、重症だな」
「心の問題だからね。エリクサーは、状態異常の全ての消去と、肉体の完全回復。今のハイエルフの浮竹は、心だけが取り残されてる」
「ああ・・・・心配だ」
「また、様子を見に行けばいいよ」
「うん、そうする」
浮竹と京楽は、久しぶりにSランクダンジョンにいき、魔法をぶっぱしすぎて、ダンジョンの形を変えてしまい、ダンジョンマスターに怒られて、帰ってきた。
「ああ、やっぱり心配で、魔法ぶっぱしたくなる!」
「宿の中では、禁止だよ?」
「違うSランクダンジョン行って、魔法ぶっぱしてくる」
浮竹は、覚醒と進化を遂げて、魔力が無尽蔵になっていた。
京楽も契約のせいで、同じように魔力が高くなっている。
結局、そのダンジョンでも海のフィールドの全ての海を蒸発させた上に、地面を割って地形を変えてしまい、ダンジョンマスターに怒られて外に放り出されるのであった。
「出会ってたくさんしゃべって、知り合えたのに初めましてって言われた」
「仕方ないよ。時間が解決するのを待つしかないんじゃないかな」
「うーーーーーー」
浮竹は、クッションを京楽に投げた。
「どうしたの」
「京楽は、もしも俺がハイエルフの俺みたいになったら、どうするんだ」
「その時は、元に戻るを気長に待ちながら、一からまた関係を築いていくよ?」
「むう」
浮竹は、うなった。
「ハイエルフの俺、大丈夫かな」
「様子、見に行く?」
「いや、いい。またショック受けるから・・・・・」
「そう。じゃあ、ボクだけいってくるね。この前一護君がきた時に作った苺のムースあまったから、おすそ分けしようと思って」
「待て、俺も行く!」
結局、浮竹も京楽についていって、ワープポータルに乗り込み、ハイエルフの浮竹とダークネスインフェルノドラゴンの京楽が住む神殿までやってきた。
「ごめんください」
「いるかなー?」
『どうしたの?』
「あ、ダークネスインフェルノドラゴンの京楽。ハイエルフの俺の様子はどうだ?」
『変わらないね。まだ、心は子供のままだよ』
「そうか・・・・・・」
浮竹は、やっぱりショックを受けていた。
「会えるか?」
『うん』
『あれ、ムーンホワイトドラゴンだっけ?』
「ああ、そうだぞ、ハイエルフの俺。何をしているんだ?」
『魔法書を作っているんだ。作らないと怒られるから』
「重症だね」
京楽の言葉に、ダークネスインフェルノドラゴンの京楽の表情が暗くなる。
「エリクサーとかためした?」
『ためしたけどダメだった。心の問題だからね』
「早く、元に戻るといいな?ハイエルフの俺」
『ん、何がだ?』
浮竹は、ハイエルフの浮竹を抱きしめて、額にキスをした。
「元に戻れる、おまじないだ」
『なんだか知らないが、ありがとう』
「ああ、浮竹の浮気者!」
「うるさい。帰るぞ、京楽。ダークネスインフェルノドラゴンの京楽も、こんを詰め過ぎないようにな?これ、お土産の苺のムースだ」
『わぁ、おいしそう』
「たくさんあるから、好きなだけ食べていいぞ」
『ありがとう』
浮竹と京楽は、そのまま帰っていった。
「エリクサーでも治らないとは、重症だな」
「心の問題だからね。エリクサーは、状態異常の全ての消去と、肉体の完全回復。今のハイエルフの浮竹は、心だけが取り残されてる」
「ああ・・・・心配だ」
「また、様子を見に行けばいいよ」
「うん、そうする」
浮竹と京楽は、久しぶりにSランクダンジョンにいき、魔法をぶっぱしすぎて、ダンジョンの形を変えてしまい、ダンジョンマスターに怒られて、帰ってきた。
「ああ、やっぱり心配で、魔法ぶっぱしたくなる!」
「宿の中では、禁止だよ?」
「違うSランクダンジョン行って、魔法ぶっぱしてくる」
浮竹は、覚醒と進化を遂げて、魔力が無尽蔵になっていた。
京楽も契約のせいで、同じように魔力が高くなっている。
結局、そのダンジョンでも海のフィールドの全ての海を蒸発させた上に、地面を割って地形を変えてしまい、ダンジョンマスターに怒られて外に放り出されるのであった。
奴隷竜とSランク冒険者33
浮竹と京楽が泊まっている高級宿に、一護がやってきた。
「京楽さん、浮竹さん、俺を強くしてください」
「一護君は、十分強いだろう?」
「でも、この前Sランクダンジョンで、ルキアに怪我させちまった。ルキアを守り通すくらい、強くなりたいんす」
「一護君は、サンシャインレイドラゴンなのを、秘術で強制的に精霊族にしてるんだったね」
京楽の言葉に、一護は頷く。
「じゃあ、サンシャインレイドラゴンの力を、解放できるように訓練しよう」
浮竹の言葉に、一護が驚いた顔をする。
「え、そんなことできるんすか」
「ダークネスインフェルノドラゴンの京楽から、教わったドラゴニックオーラを使えば、一時的ではあるがドラゴンの力を取り戻せるだろう。修行になるけど、いいかい?」
「もちろんです」
浮竹と一護は、草原地帯にいくと、風と一体化するように精神を研ぎ澄まし、瞑想を始める。
「一護君、元の姿のサンシャインレイドラゴンの時の魔力を思い出すんだ。その魔力を、全身に纏わせるイメージを続けて」
「はい」
「ボクは何もすることないから、ちょっと狩りにいって食料調達してくるよ」
京楽は、二人の邪魔にならないように、そっと抜け出した。
「あ、なんかイメージ掴めてきたっす」
「その魔力が、ドラゴニックオーラだよ。その魔力を全身に纏わせたまま、精霊族の体では3時間が限界だろうけど、ドラゴンの力を引き出せる」
一護は目を開けた。
全身にドラゴニックオーラを纏った一護は、浮竹たちの前にくる前の一護と比較して、明らかに力がかなり増していた。
サンシャインレイドラゴンは、神竜マザードラゴンの3体の子と言われている、サンシャインレイドラゴン、ムーンホワイトドラゴン、ダークネスインフェルノドラゴンの3体のうちの1体である。
強くて、当たり前なのだ。
ただ、その力の制御の仕方を知らないだけで。
「魔力がすげぇ。あ、ブレスも吐ける」
一護が炎のブレスを吐くと、地面は炭化して生えていた草木はなくなってしまった。
「ちょっと、力が過剰だね。もうちょっと制御するイメージを作ろうか」
「はい!」
それから、数日にわたって一護は浮竹と京楽のところにきて、瞑想をしたりしてドラゴニックオーラを自分の力で引き出せるようになって、力の制御の仕方も覚えた。
「ありがとうございました!」
一護は、新しい力を手に入れて、その制御の仕方も覚えて、明るい顔をしていた。
「今日は暗いし、泊まっていけばいい」
「え、でも・・・・こんな高級宿・・・・・」
「じゃあ、せめて夕飯だけでも食べていって。ボクが作るんだけどね」
「京楽さんの料理マジうまいんで、嬉しいです。じゃあ、夕飯だけごちそうになって、帰りますね?」
京楽は、浮竹と一護が修行をしている間、自分も精神統一をして魔力を高めていた。
今日のメニューは、ハンバーガーにポテト、コーンスープだった。
「うまいっす」
「口にあったなら、よかったよ」
「京楽、おかわり」
「はいはい。浮竹の胃はプチブラックホールだからね」
「え、あんだけ食べてまた食べるんすか」
浮竹の前には、2人前のハンバーガーとポテトが置いてあったが、それだけでは足りなくて、おかわりをしていた。
「デザートはないのか?」
「一護君がいるから、苺のムースにしてみたよ」
「うん、うまい。一護君も食べてみればいい」
「はい!うわ、おいしい。プロのコックみたいな味ですね!」
「うちの京楽の作る飯は、とにかくうまいからな」
「毎日こんなもん食べれるなんて、幸せですね」
一護がそう言うと、浮竹は頬を赤らめた。
「な、別に料理がうまいから一緒にいるわけじゃない」
「そうだね。ボクたち、契約してるし」
「隷属ではなく、主従でもお互いをパートナーとする契約だからな」
「俺も、ルキアと契約してるけど、ルキアを守れないから焦って・・・・・」
「一護君、君は十分に強くなった。胸をはって、帰るといい」
「はい!」
夕飯を食べ終えて、ワープポータルを利用して帰っていく一護を、浮竹も京楽も見送った。
「若いねぇ」
「俺たちもまだ若いだろう」
「いや、でも見た目は少年でも、300歳はこしてるそうだよ」
「えええええ!!!俺より年上なのか!」
浮竹は、心底驚いていた。
何せ、ムーンホワイトドラゴンの浮竹は22歳ぐらいだ。
産まれてまだ20年と少ししか経っていない。
「君は、成長促進の魔法をかけられて育ったみたいだね」
「そうなのか」
「普通、ドラゴンが成人するには最低でも100年はいるよ」
「100年・・・・22歳の俺は、たとえるなら10歳にもなっていないってことか」
「まぁ、浮竹が子供じゃなくてよかったよ。子供だったら、むふふふなことするのに時間が必要だったからねぇ」
「なっ」
浮竹は真っ赤になって、京楽の足を踏んづけた。
「いたたたたた」
「このエロ魔人が!今日はしないからな」
「じゃあ、明日・・・・」
「明日もしない・・・・ひゃん」
耳を噛まれて、浮竹は高い声をあげていた。
「帰るぞ、このばか!」
ビンタされた京楽であるが、とても幸せそうな顔をしていた。
結局、しないと言った次の日には、京楽に抱かれる浮竹であった。
「京楽さん、浮竹さん、俺を強くしてください」
「一護君は、十分強いだろう?」
「でも、この前Sランクダンジョンで、ルキアに怪我させちまった。ルキアを守り通すくらい、強くなりたいんす」
「一護君は、サンシャインレイドラゴンなのを、秘術で強制的に精霊族にしてるんだったね」
京楽の言葉に、一護は頷く。
「じゃあ、サンシャインレイドラゴンの力を、解放できるように訓練しよう」
浮竹の言葉に、一護が驚いた顔をする。
「え、そんなことできるんすか」
「ダークネスインフェルノドラゴンの京楽から、教わったドラゴニックオーラを使えば、一時的ではあるがドラゴンの力を取り戻せるだろう。修行になるけど、いいかい?」
「もちろんです」
浮竹と一護は、草原地帯にいくと、風と一体化するように精神を研ぎ澄まし、瞑想を始める。
「一護君、元の姿のサンシャインレイドラゴンの時の魔力を思い出すんだ。その魔力を、全身に纏わせるイメージを続けて」
「はい」
「ボクは何もすることないから、ちょっと狩りにいって食料調達してくるよ」
京楽は、二人の邪魔にならないように、そっと抜け出した。
「あ、なんかイメージ掴めてきたっす」
「その魔力が、ドラゴニックオーラだよ。その魔力を全身に纏わせたまま、精霊族の体では3時間が限界だろうけど、ドラゴンの力を引き出せる」
一護は目を開けた。
全身にドラゴニックオーラを纏った一護は、浮竹たちの前にくる前の一護と比較して、明らかに力がかなり増していた。
サンシャインレイドラゴンは、神竜マザードラゴンの3体の子と言われている、サンシャインレイドラゴン、ムーンホワイトドラゴン、ダークネスインフェルノドラゴンの3体のうちの1体である。
強くて、当たり前なのだ。
ただ、その力の制御の仕方を知らないだけで。
「魔力がすげぇ。あ、ブレスも吐ける」
一護が炎のブレスを吐くと、地面は炭化して生えていた草木はなくなってしまった。
「ちょっと、力が過剰だね。もうちょっと制御するイメージを作ろうか」
「はい!」
それから、数日にわたって一護は浮竹と京楽のところにきて、瞑想をしたりしてドラゴニックオーラを自分の力で引き出せるようになって、力の制御の仕方も覚えた。
「ありがとうございました!」
一護は、新しい力を手に入れて、その制御の仕方も覚えて、明るい顔をしていた。
「今日は暗いし、泊まっていけばいい」
「え、でも・・・・こんな高級宿・・・・・」
「じゃあ、せめて夕飯だけでも食べていって。ボクが作るんだけどね」
「京楽さんの料理マジうまいんで、嬉しいです。じゃあ、夕飯だけごちそうになって、帰りますね?」
京楽は、浮竹と一護が修行をしている間、自分も精神統一をして魔力を高めていた。
今日のメニューは、ハンバーガーにポテト、コーンスープだった。
「うまいっす」
「口にあったなら、よかったよ」
「京楽、おかわり」
「はいはい。浮竹の胃はプチブラックホールだからね」
「え、あんだけ食べてまた食べるんすか」
浮竹の前には、2人前のハンバーガーとポテトが置いてあったが、それだけでは足りなくて、おかわりをしていた。
「デザートはないのか?」
「一護君がいるから、苺のムースにしてみたよ」
「うん、うまい。一護君も食べてみればいい」
「はい!うわ、おいしい。プロのコックみたいな味ですね!」
「うちの京楽の作る飯は、とにかくうまいからな」
「毎日こんなもん食べれるなんて、幸せですね」
一護がそう言うと、浮竹は頬を赤らめた。
「な、別に料理がうまいから一緒にいるわけじゃない」
「そうだね。ボクたち、契約してるし」
「隷属ではなく、主従でもお互いをパートナーとする契約だからな」
「俺も、ルキアと契約してるけど、ルキアを守れないから焦って・・・・・」
「一護君、君は十分に強くなった。胸をはって、帰るといい」
「はい!」
夕飯を食べ終えて、ワープポータルを利用して帰っていく一護を、浮竹も京楽も見送った。
「若いねぇ」
「俺たちもまだ若いだろう」
「いや、でも見た目は少年でも、300歳はこしてるそうだよ」
「えええええ!!!俺より年上なのか!」
浮竹は、心底驚いていた。
何せ、ムーンホワイトドラゴンの浮竹は22歳ぐらいだ。
産まれてまだ20年と少ししか経っていない。
「君は、成長促進の魔法をかけられて育ったみたいだね」
「そうなのか」
「普通、ドラゴンが成人するには最低でも100年はいるよ」
「100年・・・・22歳の俺は、たとえるなら10歳にもなっていないってことか」
「まぁ、浮竹が子供じゃなくてよかったよ。子供だったら、むふふふなことするのに時間が必要だったからねぇ」
「なっ」
浮竹は真っ赤になって、京楽の足を踏んづけた。
「いたたたたた」
「このエロ魔人が!今日はしないからな」
「じゃあ、明日・・・・」
「明日もしない・・・・ひゃん」
耳を噛まれて、浮竹は高い声をあげていた。
「帰るぞ、このばか!」
ビンタされた京楽であるが、とても幸せそうな顔をしていた。
結局、しないと言った次の日には、京楽に抱かれる浮竹であった。
奴隷竜とSランク冒険者32
その日は、満月だった。
浮竹は、半竜人化していたが、様子がいつもと違った。
苦しそうにしていたのだ。
「浮竹、大丈夫?」
「近寄るな!今、おかしいんだ。体が疼く。体がぞわぞわする・・・・何か、俺の根源が変わりそうで・・・・ううううう、ぐるあああああ!!!」
浮竹は、半竜人の姿のまま窓から身を躍らせて、空中でドラゴン化した。
いつもより、一回り大きくなり、いつもは澄んだ翡翠の瞳をしているが、今は金色に輝いていた。
「ぐるるるるる」
京楽は、なんとか浮竹の背中に飛び乗り、浮竹が出している破壊行動を、海に向けさせる。
浮竹は、何度もアイシクルブレスを海にまきちらかせて、海を凍らせた。
魚まで凍り付く有様で、浮竹の魔力があがっていく。
「浮竹、正気に戻って!浮竹!」
「ぐるるるるる」
背中にいる京楽がうっとうしいと、浮竹は空を昇る。
「くっ、スカイウォーク」
浮竹の背から落とされて、なんとか空中に魔法を使って着地する。
「浮竹、ボクだよ。君の契約者のボクだよ」
「うううう・・・・・」
浮竹の金色の瞳が、穏やかな翡翠色になっていく。
「京楽・・・俺はどうしたんだろう」
ドラゴン姿のまま、京楽を空中で拾い上げて、背に乗せて夜の空を飛ぶ。
「多分、ダークネスインフェルノドラゴンのボクのように、覚醒・・・進化じゃないかな?多分、だけど」
「でも、俺は進化するようなことはしていない」
ドラゴン姿で人の言葉をしゃべることもできた。
「これも多分だけど、覚醒して進化したダークネスインフェルノドラゴンのボクの影響じゃないかなぁ」
「俺は、強くなりたい。京楽を守りたい」
「それはボクも同じだよ。浮竹を守りたい」
夜の空を飛び続けて、ハイエルフの浮竹とダークネスインフェルノドラゴンの京楽のいる大陸まで渡ると、近くの森で降りて、浮竹は人型になった。
左目は翡翠色の瞳をしているが、右目は金色だった。
「オッドアイだね。綺麗だよ」
「朝早いが、ハイエルフの俺とダークネスインフェルノドラゴンの京楽に、覚醒と進化について聞いてみようと思う」
「そうだね。そのほうがいいかも」
京楽はダークネスインフェルノドラゴンの自分をあまり好きではなかったが、浮竹が懐いているのもあるし、ドラゴンとして千年以上生きており、進化をすませている。
「おーい、いるかー?」
浮竹は、ハイエルフの浮竹の住む家というか神殿の扉をたたく。
魔法の効果で、リンリンとけたたましくベルが鳴った。
『なんだ、こんな朝っぱらから・・・・って、ムーンホワイトドラゴンの俺?その瞳はどうしたんだ?』
「わからない。突然破壊衝動に駆られて、静まって人型に戻ると右目が金色になっていた。京楽が言うには、覚醒・・・・進化じゃないかって」
『まだ外は寒いでだろう、そっちの京楽も一緒に、家に入っておいで』
ハイエルフの浮竹は、ダークネスインフェルノドラゴンの京楽を起こしにいった。
『はい、温かいお茶だよ。体が冷たいね・・・空を飛んできたのかい?』
ダークネスインフェルノドラゴンの京楽が、起きてお茶を入れてくれた。
浮竹に触れるダークネスインフェルノドラゴンの京楽を、京楽は苦々しい表情で見ている。
『話を聞く限り、覚醒だろうね。進化したといっても、皇帝種として進化したんだろうね。体が一回り大きくなって、魔力があがってるはずだよ』
「うん。ドラゴン姿になった時、体が一回り大きくなっていた。魔力も、前よりあがっている」
『ボクの魔力と同等・・・・くらいかな』
「京楽も、契約で魔力が高くなっているんだ。京楽も強くなっているよな?」
『そうだな。さすがに俺ほど、というわけではないが、かなり魔力が高くなっているな』
「Sランク冒険者の上をいってると思うんだが」
浮竹がそう言うと、ハイエルフの浮竹が頷いた。
『国に一人いるかいいないかの魔力量だ。大陸でも、サンシャインレイドラゴンの一護君もいれて、3本の指に入るんじゃないか』
「京楽、京楽も強くなってるって!俺は進化したけど、ドラゴン名は変わらないみたいだ」
『こう、魔力がずきゅーーーんで、威力がズドドドドドで、感覚がきゅいんきゅいんなんだろ?』
「そうなんだ!魔力がばーんで、威力がごごごごごごなんだ」
『そうだろうなぁ。魔力がズドドドドなら、右目が金色なのも納得できる。覚醒の証が、金色の右目だ。元に戻そうとするには、ぐわんぐわんをするといい』
浮竹とハイエルフの浮竹の擬音語での会話は、京楽とダークネスインフェルノドラゴンの京楽にはさっぱり分からかった。
「あれで通じてるのがすごい」
『浮竹のあの説明についていけるとは・・・・・流石だね』
「ぐわんぐわんすればいいんだな。分かった」
浮竹は精神を集中させて、右目に魔力を集めた。
すると、金色の輝いてた瞳が穏やかな翡翠色に戻る。
「京楽、元に戻っているか?」
「うん」
『まぁ、名前を与えるとしたらムーンホワイトエンペラードラゴンだろうな』
「長いから却下」
浮竹は、前のムーンホワイトドラゴンでいいと言い出した。
『確かに、京楽のダークネスインフェルノドラゴンも長いしからぎゅるるるだしな。ムーンホワイトドラゴンのままでいいか』
「ああ」
浮竹は、ダークネスインフェルノドラゴンの京楽と話して、覚醒した後の力の使い方とかを教えてもらっていた。
「ぐぬぬぬぬ、嫉妬が爆発するううううう」
『まぁまぁ。冒険者の京楽には、俺が新しい魔法を1つ伝授してやろう』
「どんな魔法?」
『背中がかゆくなった時、かゆみがなくなる魔法』
「戦闘魔法がいいなぁ」
『中央大図書館でいっぱい覚えただろう』
「そうだけど・・・・・」
「京楽、ダークネスインフェルノドラゴンの京楽に褒められた!筋がいいって!」
「ぬおおおお、嫉妬おおおおおおお」
結局、その日は、浮竹と京楽はハイエルフの浮竹とダークネスインフェルノドラゴンの京楽の住む神殿に泊まるのであった。
浮竹は、半竜人化していたが、様子がいつもと違った。
苦しそうにしていたのだ。
「浮竹、大丈夫?」
「近寄るな!今、おかしいんだ。体が疼く。体がぞわぞわする・・・・何か、俺の根源が変わりそうで・・・・ううううう、ぐるあああああ!!!」
浮竹は、半竜人の姿のまま窓から身を躍らせて、空中でドラゴン化した。
いつもより、一回り大きくなり、いつもは澄んだ翡翠の瞳をしているが、今は金色に輝いていた。
「ぐるるるるる」
京楽は、なんとか浮竹の背中に飛び乗り、浮竹が出している破壊行動を、海に向けさせる。
浮竹は、何度もアイシクルブレスを海にまきちらかせて、海を凍らせた。
魚まで凍り付く有様で、浮竹の魔力があがっていく。
「浮竹、正気に戻って!浮竹!」
「ぐるるるるる」
背中にいる京楽がうっとうしいと、浮竹は空を昇る。
「くっ、スカイウォーク」
浮竹の背から落とされて、なんとか空中に魔法を使って着地する。
「浮竹、ボクだよ。君の契約者のボクだよ」
「うううう・・・・・」
浮竹の金色の瞳が、穏やかな翡翠色になっていく。
「京楽・・・俺はどうしたんだろう」
ドラゴン姿のまま、京楽を空中で拾い上げて、背に乗せて夜の空を飛ぶ。
「多分、ダークネスインフェルノドラゴンのボクのように、覚醒・・・進化じゃないかな?多分、だけど」
「でも、俺は進化するようなことはしていない」
ドラゴン姿で人の言葉をしゃべることもできた。
「これも多分だけど、覚醒して進化したダークネスインフェルノドラゴンのボクの影響じゃないかなぁ」
「俺は、強くなりたい。京楽を守りたい」
「それはボクも同じだよ。浮竹を守りたい」
夜の空を飛び続けて、ハイエルフの浮竹とダークネスインフェルノドラゴンの京楽のいる大陸まで渡ると、近くの森で降りて、浮竹は人型になった。
左目は翡翠色の瞳をしているが、右目は金色だった。
「オッドアイだね。綺麗だよ」
「朝早いが、ハイエルフの俺とダークネスインフェルノドラゴンの京楽に、覚醒と進化について聞いてみようと思う」
「そうだね。そのほうがいいかも」
京楽はダークネスインフェルノドラゴンの自分をあまり好きではなかったが、浮竹が懐いているのもあるし、ドラゴンとして千年以上生きており、進化をすませている。
「おーい、いるかー?」
浮竹は、ハイエルフの浮竹の住む家というか神殿の扉をたたく。
魔法の効果で、リンリンとけたたましくベルが鳴った。
『なんだ、こんな朝っぱらから・・・・って、ムーンホワイトドラゴンの俺?その瞳はどうしたんだ?』
「わからない。突然破壊衝動に駆られて、静まって人型に戻ると右目が金色になっていた。京楽が言うには、覚醒・・・・進化じゃないかって」
『まだ外は寒いでだろう、そっちの京楽も一緒に、家に入っておいで』
ハイエルフの浮竹は、ダークネスインフェルノドラゴンの京楽を起こしにいった。
『はい、温かいお茶だよ。体が冷たいね・・・空を飛んできたのかい?』
ダークネスインフェルノドラゴンの京楽が、起きてお茶を入れてくれた。
浮竹に触れるダークネスインフェルノドラゴンの京楽を、京楽は苦々しい表情で見ている。
『話を聞く限り、覚醒だろうね。進化したといっても、皇帝種として進化したんだろうね。体が一回り大きくなって、魔力があがってるはずだよ』
「うん。ドラゴン姿になった時、体が一回り大きくなっていた。魔力も、前よりあがっている」
『ボクの魔力と同等・・・・くらいかな』
「京楽も、契約で魔力が高くなっているんだ。京楽も強くなっているよな?」
『そうだな。さすがに俺ほど、というわけではないが、かなり魔力が高くなっているな』
「Sランク冒険者の上をいってると思うんだが」
浮竹がそう言うと、ハイエルフの浮竹が頷いた。
『国に一人いるかいいないかの魔力量だ。大陸でも、サンシャインレイドラゴンの一護君もいれて、3本の指に入るんじゃないか』
「京楽、京楽も強くなってるって!俺は進化したけど、ドラゴン名は変わらないみたいだ」
『こう、魔力がずきゅーーーんで、威力がズドドドドドで、感覚がきゅいんきゅいんなんだろ?』
「そうなんだ!魔力がばーんで、威力がごごごごごごなんだ」
『そうだろうなぁ。魔力がズドドドドなら、右目が金色なのも納得できる。覚醒の証が、金色の右目だ。元に戻そうとするには、ぐわんぐわんをするといい』
浮竹とハイエルフの浮竹の擬音語での会話は、京楽とダークネスインフェルノドラゴンの京楽にはさっぱり分からかった。
「あれで通じてるのがすごい」
『浮竹のあの説明についていけるとは・・・・・流石だね』
「ぐわんぐわんすればいいんだな。分かった」
浮竹は精神を集中させて、右目に魔力を集めた。
すると、金色の輝いてた瞳が穏やかな翡翠色に戻る。
「京楽、元に戻っているか?」
「うん」
『まぁ、名前を与えるとしたらムーンホワイトエンペラードラゴンだろうな』
「長いから却下」
浮竹は、前のムーンホワイトドラゴンでいいと言い出した。
『確かに、京楽のダークネスインフェルノドラゴンも長いしからぎゅるるるだしな。ムーンホワイトドラゴンのままでいいか』
「ああ」
浮竹は、ダークネスインフェルノドラゴンの京楽と話して、覚醒した後の力の使い方とかを教えてもらっていた。
「ぐぬぬぬぬ、嫉妬が爆発するううううう」
『まぁまぁ。冒険者の京楽には、俺が新しい魔法を1つ伝授してやろう』
「どんな魔法?」
『背中がかゆくなった時、かゆみがなくなる魔法』
「戦闘魔法がいいなぁ」
『中央大図書館でいっぱい覚えただろう』
「そうだけど・・・・・」
「京楽、ダークネスインフェルノドラゴンの京楽に褒められた!筋がいいって!」
「ぬおおおお、嫉妬おおおおおおお」
結局、その日は、浮竹と京楽はハイエルフの浮竹とダークネスインフェルノドラゴンの京楽の住む神殿に泊まるのであった。
ボクだけの翡翠15
永遠を君に。
永遠をお前に。
結婚式は、密やかに行われた。
二人の仲は、隠していないので、知らない者はいないというくらい広まっていたが、山じいと卯ノ花隊長が出席してくれた。
13番隊と8番隊の者は呼ばなかった。
あまり大掛かりな式にしたくなかったので、身内だけの結婚式となった。
白い袴に、白い着物を着て、頭にウエディングヴェールを被った浮竹と、黒い袴に黒い着物を着た京楽が、式場に入ってくる。
「まさか、二人ができてしまうとはのう・・・・わしがあの時、十四郎を春水に預けたのが、そもそもの間違いかのお・・・」
「山本総隊長。彼らの門出です。今は、祝福してあげましょう」
「うむ」
腕を組みながら歩き、杯を交わし合い、そして指輪をお互いにはめ合う。
「永遠(とわ)の愛を君に」
「永遠の愛をお前に」
さぁぁぁぁと、花吹雪が舞う。
その下で、キスをする。
「こら春水、十四郎を悲しませたら、許さんからの!」
山じいは、泣いていた。
卯ノ花も、涙を浮かべていた。
「2人の、新たなる門出に、光あれ!」
神父役を引き受けた死神に祝われて、二人は歩き出す。
式を挙げて、初夜になる。
「なんか、初夜って言われても、お前と何百回と交わっているせいで、全然初夜じゃないな」
「そんなこと言わないでよ。愛してるよ、十四郎。僕の花嫁」
「俺は嫁になった覚えはないぞ」
「え、じゃあボクがお嫁さん?」
「そうなるな」
「ふふふ・・・・まぁいいよ。どっちでも。君を抱くのは、ボクだから」
「あ!」
いきなり浮竹は己のものに手をはわされて、いきなりだったので京楽をポカリと殴っていた。
「するなら、すると言え」
「初夜だから、するに決まってるでしょ」
「あああ、いああああ」
京楽にしゃぶられて、浮竹は勢いよく京楽の口の中で弾けた。
「ああ!」
「ふふ、おいしい」
ごくりと嚥下する京楽を、浮竹は溜息をつきながら見上げる。
圧し掛かってくる体重を受け止める。
「今日は、トロトロに愛し合おうね?」
「知るか」
京楽は蕾をこじ開けて、中に直接潤滑油を垂らした。
「あああ!」
「ふふ、ぬるぬる。きもちいい?」
「や、なんか変・・・・・」
「これ、催淫作用入ってるからね」
「春水のアホ・・・・・やああん」
いきなり挿入されて、浮竹は啼いた。
「あ、あ、あ、だめ、奥はだめえええ」
「いいの、間違いでしょ?」
「ひあああああ」
奥をこじ開けられて、浮竹は中いきする。
京楽は浮竹の胎の奥を抉りぬき、精液をまき散らした。
「あああ、あ、あ”!」
「子種いっぱいあげるから、たくさん子供産んでね?」
「ひあああ、だめ、孕んじゃう」
「愛してるよ、十四郎」
「あ、春水・・・エロしか今は頭にないアホだけど、愛してる」
「酷い言われようだね。まぁ、確かに今はエロいことしか頭にないね」
京楽はそう言いながら、浮竹をの足を肩にかついで、突き上げた。
「あ、あ、あ!」
律動と一緒に、声が漏れる。
「んう」
舌が絡みあうキスをされた。
「んんん・・・・・・」
キスは長かった。
「あう!」
最奥をごりっとつつかれて、浮竹はびくんと体をはねさせて、中いきしながら射精していた。
「ふふ・・・君は、永遠にボクだけのものだ」
「あ、春水・・・・・・」
濃厚な夜を過ごして、初夜の夜は更けていく。
「籍はいれるとして、苗字は今のままでいいよね?」
「ああ。隊長に京楽が二人もいたら、混乱するだろう」
二人は、籍をいれた。
京楽の妻ということに、浮竹はなっている。
「ああ、本当にボクだけのものだ。ボクだけの翡翠」
「?」
「君と出会った時から、その翡翠の瞳の虜だったんだ」
「そうか」
浮竹は、和やかに笑う。
愛しい。
ただ、愛しい。
もう、永遠に離れない。
たとえ離れ離れになっても、思いは通じ合っている。
いつか別れの時がきても、またいつか出会う。
二人は、そのまま数百年の時間を愛し合った。
そして、ユーハバッハによる滅却師の侵攻。
浮竹は、愛した者を置いて、神掛することを選んだ。
それでも、愛は永遠だから。
さよならは、あえて言わなかった。
浮竹がこの世を去ってから、さらに数百年の時が経った。
「迎えにきたぞ」
「ああ、浮竹・・・…相変わらず、綺麗だね」
「そういうお前は、すっかりおじいさんだな」
「ふふふ・・・・君が迎えにくるの、ずっと待ってたんだ。永遠を君に」
「永遠をお前に」
二人の霊子は、交じりあいながら天に昇り、世界に還っていく。
「愛してる」
「愛しているよ」
愛を囁きあいながら、溶けていく。
ボクだけの翡翠。
永遠に、ボクだけのもの。
「君、名前は?」
「ん、俺か?浮竹十四郎という」
「そう。僕は京楽春水。どこかで、出会ったこと、あるよね?」
「ああ・・・・思い出した。前世で、愛し合っていた」
「ボクも思い出したよ。君を、すごく愛してた」
二人は、始めで出会うのに、前世の記憶を蘇らせて、キスをしていた。
「ふふ、前と同じ名前なんだな」
「そうだね。また、京楽家に生まれた」
「俺も、浮竹家に生まれた。十四郎という名を、代々受け継いできた」
「ボクは、ボクの遺言で春水という名を引き継ぐようにしていた」
さぁ、歩きだそう。
二人だけの愛を奏でながら。
新しい、明日を。
一歩一歩。
君は、ボクだけの翡翠なのだから。
fin
永遠をお前に。
結婚式は、密やかに行われた。
二人の仲は、隠していないので、知らない者はいないというくらい広まっていたが、山じいと卯ノ花隊長が出席してくれた。
13番隊と8番隊の者は呼ばなかった。
あまり大掛かりな式にしたくなかったので、身内だけの結婚式となった。
白い袴に、白い着物を着て、頭にウエディングヴェールを被った浮竹と、黒い袴に黒い着物を着た京楽が、式場に入ってくる。
「まさか、二人ができてしまうとはのう・・・・わしがあの時、十四郎を春水に預けたのが、そもそもの間違いかのお・・・」
「山本総隊長。彼らの門出です。今は、祝福してあげましょう」
「うむ」
腕を組みながら歩き、杯を交わし合い、そして指輪をお互いにはめ合う。
「永遠(とわ)の愛を君に」
「永遠の愛をお前に」
さぁぁぁぁと、花吹雪が舞う。
その下で、キスをする。
「こら春水、十四郎を悲しませたら、許さんからの!」
山じいは、泣いていた。
卯ノ花も、涙を浮かべていた。
「2人の、新たなる門出に、光あれ!」
神父役を引き受けた死神に祝われて、二人は歩き出す。
式を挙げて、初夜になる。
「なんか、初夜って言われても、お前と何百回と交わっているせいで、全然初夜じゃないな」
「そんなこと言わないでよ。愛してるよ、十四郎。僕の花嫁」
「俺は嫁になった覚えはないぞ」
「え、じゃあボクがお嫁さん?」
「そうなるな」
「ふふふ・・・・まぁいいよ。どっちでも。君を抱くのは、ボクだから」
「あ!」
いきなり浮竹は己のものに手をはわされて、いきなりだったので京楽をポカリと殴っていた。
「するなら、すると言え」
「初夜だから、するに決まってるでしょ」
「あああ、いああああ」
京楽にしゃぶられて、浮竹は勢いよく京楽の口の中で弾けた。
「ああ!」
「ふふ、おいしい」
ごくりと嚥下する京楽を、浮竹は溜息をつきながら見上げる。
圧し掛かってくる体重を受け止める。
「今日は、トロトロに愛し合おうね?」
「知るか」
京楽は蕾をこじ開けて、中に直接潤滑油を垂らした。
「あああ!」
「ふふ、ぬるぬる。きもちいい?」
「や、なんか変・・・・・」
「これ、催淫作用入ってるからね」
「春水のアホ・・・・・やああん」
いきなり挿入されて、浮竹は啼いた。
「あ、あ、あ、だめ、奥はだめえええ」
「いいの、間違いでしょ?」
「ひあああああ」
奥をこじ開けられて、浮竹は中いきする。
京楽は浮竹の胎の奥を抉りぬき、精液をまき散らした。
「あああ、あ、あ”!」
「子種いっぱいあげるから、たくさん子供産んでね?」
「ひあああ、だめ、孕んじゃう」
「愛してるよ、十四郎」
「あ、春水・・・エロしか今は頭にないアホだけど、愛してる」
「酷い言われようだね。まぁ、確かに今はエロいことしか頭にないね」
京楽はそう言いながら、浮竹をの足を肩にかついで、突き上げた。
「あ、あ、あ!」
律動と一緒に、声が漏れる。
「んう」
舌が絡みあうキスをされた。
「んんん・・・・・・」
キスは長かった。
「あう!」
最奥をごりっとつつかれて、浮竹はびくんと体をはねさせて、中いきしながら射精していた。
「ふふ・・・君は、永遠にボクだけのものだ」
「あ、春水・・・・・・」
濃厚な夜を過ごして、初夜の夜は更けていく。
「籍はいれるとして、苗字は今のままでいいよね?」
「ああ。隊長に京楽が二人もいたら、混乱するだろう」
二人は、籍をいれた。
京楽の妻ということに、浮竹はなっている。
「ああ、本当にボクだけのものだ。ボクだけの翡翠」
「?」
「君と出会った時から、その翡翠の瞳の虜だったんだ」
「そうか」
浮竹は、和やかに笑う。
愛しい。
ただ、愛しい。
もう、永遠に離れない。
たとえ離れ離れになっても、思いは通じ合っている。
いつか別れの時がきても、またいつか出会う。
二人は、そのまま数百年の時間を愛し合った。
そして、ユーハバッハによる滅却師の侵攻。
浮竹は、愛した者を置いて、神掛することを選んだ。
それでも、愛は永遠だから。
さよならは、あえて言わなかった。
浮竹がこの世を去ってから、さらに数百年の時が経った。
「迎えにきたぞ」
「ああ、浮竹・・・…相変わらず、綺麗だね」
「そういうお前は、すっかりおじいさんだな」
「ふふふ・・・・君が迎えにくるの、ずっと待ってたんだ。永遠を君に」
「永遠をお前に」
二人の霊子は、交じりあいながら天に昇り、世界に還っていく。
「愛してる」
「愛しているよ」
愛を囁きあいながら、溶けていく。
ボクだけの翡翠。
永遠に、ボクだけのもの。
「君、名前は?」
「ん、俺か?浮竹十四郎という」
「そう。僕は京楽春水。どこかで、出会ったこと、あるよね?」
「ああ・・・・思い出した。前世で、愛し合っていた」
「ボクも思い出したよ。君を、すごく愛してた」
二人は、始めで出会うのに、前世の記憶を蘇らせて、キスをしていた。
「ふふ、前と同じ名前なんだな」
「そうだね。また、京楽家に生まれた」
「俺も、浮竹家に生まれた。十四郎という名を、代々受け継いできた」
「ボクは、ボクの遺言で春水という名を引き継ぐようにしていた」
さぁ、歩きだそう。
二人だけの愛を奏でながら。
新しい、明日を。
一歩一歩。
君は、ボクだけの翡翠なのだから。
fin
ボクだけの翡翠14
「隊長昇格おめでとう、京楽」
「ありがとう、浮竹」
人事異動があり、8番隊の隊長は10番隊に移動し、晴れて京楽は8番隊の隊長となった。
山じいのお気に入りで秘蔵っ子であった京楽が、若くして隊長になるのをねたむ者はいたが、表面上は穏やかにことが運んだ。
それから5年後には、浮竹も13番隊隊長になっていた。
前の隊長は、名誉の戦死であった。
「どうか、安らかに・・・・・」
亡き前隊長の墓参りをした帰り道、京楽とばったり出会う。
そのまま、帰る場所は同じ屋敷なので、一緒に歩いた。
隊長になってからというもの、忙しいがそれなりに充実していた。
浮竹は新人の指導に力をいれて、京楽は仕事をさぼりがちだった。
浮竹は、雨乾堂という、仕事場と療養所と寝所を兼ねた庵を作ってもらい、そこに住みだした。
京楽は、よくそこに通った。
なんの用もないのに現れては、おはぎをもってきただの、酒を飲もうだのと口実を作ってはやってきた。
京楽は、自分の屋敷から浮竹が消えたことを寂しがっていた。
「今日は、ここに泊まるか?」
「え、いいの?」
「ああ。予備の布団を用意させてあるし、飯の用意もしてもらっている」
「ここ、お風呂もあるしね。ねぇ、一緒に入ろ」
「ああ、いいぞ。でも、お前の屋敷のように広くはないからな」
「うん、分かってるよ」
一人で使うには、広い浴室であったが、成人男性が二人入るには少し狭いかんじがした。
「お前、ますますもじゃもじゃになってるな」
「浮竹だって、ますますお肌がつやつやになってる」
「なんだそれは」
クスクスと笑いあうと、浮竹と京楽の視線がぶつかった。
ここ数日、お互い隊長としての職務に追われていたせいで、ご無沙汰だった。
「ひゃん」
いきなり京楽が、浮竹の尻をもむものだから、浮竹は変な声を出していた。
「いいでしょ?」
「こんな・・・風呂場でなんて・・」
「でも、始めてじゃないでしょ?今まで何回も、風呂場でセックスしてきたじゃない」
「仕方ないやつだな・・・・」
浮竹は唇を舐めた。
京楽はその仕草が好きだった。浮竹は淫靡で、エロく、美しい。
「ああああ!」
湯の力をかりて、潤滑油なしで侵入したので、浮竹のそこは限界まで広げられて、けれど馴染んできた行為のせいで、切れることはなかった。
「んあああ、お湯が、お湯が・・・・・・」
「お湯まで飲みこむの。淫乱だねぇ」
「やあん、そうさせたのは、誰だと思っている」
「さぁ、誰だろうねぇ」
京楽ははぐらかして、お湯の中で浮竹を突き上げた。
その度にお湯がっちゃぷちゃぷと音をたてて、排水口へと流れていく。
「や、お湯の中でいっちゃう」
「いいよ、いっても。後で、新しいお湯にいれかえて、入り直せばいい」
「やあん」
「かわいいね、浮竹は」
甘く啼く浮竹に誘われるように、京楽は浮竹を貫いて犯し、子種を浮竹の中で弾けさせていた。
「ああああ!!!」
同時に、浮竹も湯の中に精液を吐き出していた。
「あ、お湯に・・・・」
「いくらでもお湯の中に出していいよ」
「ああん、んああああ」
「く、きつ・・・・」
浮竹がいいところを突かれて、中いきしながら、中を締め付ける。
京楽は我慢できずに、浅いところで精液をぶちまけた。
「ふう・・・・・」
「あ、あ、あ」
京楽が動くたびに、ちゃぷちゃぷと音がした。
浴室なので、よく声が響いた。
「あ、声、抑えれない」
「誰もいないから、抑える必要ないよ」
「ひああああ!!」
最奥をごりごりと抉られて、浮竹は中いきしながら射精した。
「熱い」
「熱いね。のぼせたね」
「誰のせいだ」
「ボクのせいだね」
浴室から出ると、二人はのぼせて氷で冷やしたタオルを額に当てた。
「風呂場でやるのは、しばらくなしにしよう」
「しばらくじゃなくって、永遠になくていい」
「ええ、でも刺激あるじゃない」
「のぼせるのはいやだ」
「仕方ない、しばらく風呂場では控えようか・・・・・」
「しばらくじゃなくって、永遠でいい・・・・」
二人は、冷たい水を飲んで、窓をあけて空気を冷やして、のぼせた体が元に戻るのをまった。
少し遅い夕餉をとり、すでに睦み合ったので、そのまま就寝した。
「ねぇ、浮竹、起きてる?」
「ああ、まだ起きてる」
「昔、誓ったよね。一緒に隊長になろうって」
「そうだな」
まだ若い、院生時代の話だった。
「それ、叶ったね」
「そうだな」
「ボク、今度は浮竹と結婚したい」
「無理を言うな」
「2人だけでいいんだよ。2人だけで、結婚式を挙げたい」
「・・・・・いいぞ」
「え、本当に!?」
「重い!」
京楽にのしかかられて、浮竹は声をあげる。
「非番の日に、指輪を買いに行こう」
「うん。約束だよ」
いつか、隊長になれたら。
その先の願いはなかった。
でも、浮竹が、愛しい人が隣にいる。
ずっとずっと、一緒にいたい。
愛しているという、証が欲しかった。
「ありがとう、浮竹」
人事異動があり、8番隊の隊長は10番隊に移動し、晴れて京楽は8番隊の隊長となった。
山じいのお気に入りで秘蔵っ子であった京楽が、若くして隊長になるのをねたむ者はいたが、表面上は穏やかにことが運んだ。
それから5年後には、浮竹も13番隊隊長になっていた。
前の隊長は、名誉の戦死であった。
「どうか、安らかに・・・・・」
亡き前隊長の墓参りをした帰り道、京楽とばったり出会う。
そのまま、帰る場所は同じ屋敷なので、一緒に歩いた。
隊長になってからというもの、忙しいがそれなりに充実していた。
浮竹は新人の指導に力をいれて、京楽は仕事をさぼりがちだった。
浮竹は、雨乾堂という、仕事場と療養所と寝所を兼ねた庵を作ってもらい、そこに住みだした。
京楽は、よくそこに通った。
なんの用もないのに現れては、おはぎをもってきただの、酒を飲もうだのと口実を作ってはやってきた。
京楽は、自分の屋敷から浮竹が消えたことを寂しがっていた。
「今日は、ここに泊まるか?」
「え、いいの?」
「ああ。予備の布団を用意させてあるし、飯の用意もしてもらっている」
「ここ、お風呂もあるしね。ねぇ、一緒に入ろ」
「ああ、いいぞ。でも、お前の屋敷のように広くはないからな」
「うん、分かってるよ」
一人で使うには、広い浴室であったが、成人男性が二人入るには少し狭いかんじがした。
「お前、ますますもじゃもじゃになってるな」
「浮竹だって、ますますお肌がつやつやになってる」
「なんだそれは」
クスクスと笑いあうと、浮竹と京楽の視線がぶつかった。
ここ数日、お互い隊長としての職務に追われていたせいで、ご無沙汰だった。
「ひゃん」
いきなり京楽が、浮竹の尻をもむものだから、浮竹は変な声を出していた。
「いいでしょ?」
「こんな・・・風呂場でなんて・・」
「でも、始めてじゃないでしょ?今まで何回も、風呂場でセックスしてきたじゃない」
「仕方ないやつだな・・・・」
浮竹は唇を舐めた。
京楽はその仕草が好きだった。浮竹は淫靡で、エロく、美しい。
「ああああ!」
湯の力をかりて、潤滑油なしで侵入したので、浮竹のそこは限界まで広げられて、けれど馴染んできた行為のせいで、切れることはなかった。
「んあああ、お湯が、お湯が・・・・・・」
「お湯まで飲みこむの。淫乱だねぇ」
「やあん、そうさせたのは、誰だと思っている」
「さぁ、誰だろうねぇ」
京楽ははぐらかして、お湯の中で浮竹を突き上げた。
その度にお湯がっちゃぷちゃぷと音をたてて、排水口へと流れていく。
「や、お湯の中でいっちゃう」
「いいよ、いっても。後で、新しいお湯にいれかえて、入り直せばいい」
「やあん」
「かわいいね、浮竹は」
甘く啼く浮竹に誘われるように、京楽は浮竹を貫いて犯し、子種を浮竹の中で弾けさせていた。
「ああああ!!!」
同時に、浮竹も湯の中に精液を吐き出していた。
「あ、お湯に・・・・」
「いくらでもお湯の中に出していいよ」
「ああん、んああああ」
「く、きつ・・・・」
浮竹がいいところを突かれて、中いきしながら、中を締め付ける。
京楽は我慢できずに、浅いところで精液をぶちまけた。
「ふう・・・・・」
「あ、あ、あ」
京楽が動くたびに、ちゃぷちゃぷと音がした。
浴室なので、よく声が響いた。
「あ、声、抑えれない」
「誰もいないから、抑える必要ないよ」
「ひああああ!!」
最奥をごりごりと抉られて、浮竹は中いきしながら射精した。
「熱い」
「熱いね。のぼせたね」
「誰のせいだ」
「ボクのせいだね」
浴室から出ると、二人はのぼせて氷で冷やしたタオルを額に当てた。
「風呂場でやるのは、しばらくなしにしよう」
「しばらくじゃなくって、永遠になくていい」
「ええ、でも刺激あるじゃない」
「のぼせるのはいやだ」
「仕方ない、しばらく風呂場では控えようか・・・・・」
「しばらくじゃなくって、永遠でいい・・・・」
二人は、冷たい水を飲んで、窓をあけて空気を冷やして、のぼせた体が元に戻るのをまった。
少し遅い夕餉をとり、すでに睦み合ったので、そのまま就寝した。
「ねぇ、浮竹、起きてる?」
「ああ、まだ起きてる」
「昔、誓ったよね。一緒に隊長になろうって」
「そうだな」
まだ若い、院生時代の話だった。
「それ、叶ったね」
「そうだな」
「ボク、今度は浮竹と結婚したい」
「無理を言うな」
「2人だけでいいんだよ。2人だけで、結婚式を挙げたい」
「・・・・・いいぞ」
「え、本当に!?」
「重い!」
京楽にのしかかられて、浮竹は声をあげる。
「非番の日に、指輪を買いに行こう」
「うん。約束だよ」
いつか、隊長になれたら。
その先の願いはなかった。
でも、浮竹が、愛しい人が隣にいる。
ずっとずっと、一緒にいたい。
愛しているという、証が欲しかった。
ボクだけの翡翠13
副隊長になり、数年が経過した。
浮竹と京楽は、恋人同士をずっと続けていた。
ある日、たまに京楽が遊びにいく花街で、遊女が京楽の子だという子供を連れて、京楽の屋敷を訪ねてきた。
「浮竹?」
「最低だ、お前」
「ちょっと、確かに花街には遊びに行ってるけど、遊女は抱いてないよ!」
「そんなことないわ!この子が証拠よ!この子は、春水様、あなたの子です」
「ボクは、君と何度か飲んで一緒に夜を過ごしたけど、抱いてはいないよ!」
「信じられるか!花街に行ってたなんて、聞いていない。お前のことが、信じられなくなった。出ていく」
浮竹は怒って、話を聞いてくれなくて、京楽の屋敷から荷物をまとめて飛び出していった。
席官以上のクラスの者には館が与えられており、浮竹も自分の館をもっていた。
ただ、そこで暮らさないので、館が荒れるのを防ぐために、人を雇い月に2回ほど室内の手入れや庭の手入れをしてもらっていた。
浮竹の部屋には、置き手紙があった。
『自分の家に戻る。問題が解決するまで、戻ってこない』
「浮竹・・・・・・」
どうすれば、誤解が解けるのだろう。
「この子は、あなたの子です」
「しつこいね。ボクに隠し子はいないよ。遊女を抱いていたのは学院時代の初めの頃だ。浮竹と思いが通じあってから、花街に飲みには行くけど、遊女も色子も抱いていない」
「さぁ、夏水(かすい)、お父様よ」
「お父様?」
春水の名にちなんで、夏水と名付けられた子は、10歳くらいで、女の子だった。
「ボクは、君のお父様なんかじゃない」
「母様、この人怖いよ」
「何を言ってるの、夏水。お父様にもっと近づいて、お父様の子だと認めてもらわないと」
「でも、お父様の目、怖いよ」
「消えて。嘘だってちゃんと浮竹に伝えた上で、消えて?じゃないと、殺すよ。二人とも、殺されてもいいの?」
その時になって、遊女は京楽が本当は残酷な一面があるのだと気づいた。
「いや、死にたくない!撤回します。春水様の言う通りにしますから、どうか殺さないで」
「じゃあ、最初からこんな無謀な賭けに出ないことだよ。ボクが上流貴族で君を買ったのは事実だ。でも、抱いてはいない」
遊女は、京楽と夏水を伴って浮竹の館に行くと、全てが偽りで、夏水は違う廓に出入りする一般市民の子であることを白状した。
「ごめんね、浮竹。もう、君を傷つけたくないから、花街にもいかない」
「京楽・・・・俺こそ、すまない。話を、もっとちゃんと聞くべきだった」
遊女は、手切れ金としてけっこうなお金をもらって、去っていった。
遊女から足を洗い直すことができる額を与えるものだから、浮竹が少し気があるのではないかと聞いたが、哀れだからと言われて、それ以上何も言えなかった。
「はああんん」
浮竹は、自分の館で京楽に抱かれていた。
布団など用意していなかったので、畳の上で立ったまま京楽のものを受けいれていた。
「やあああん」
「ふふ、君の中とろとろしてる。熱くて、蠢いて、締め付けてくる」
「ふああああ」
舌が絡み合うキスをしながら、突き上げられた。
「あ、いっちゃう!」
「いいよ、何度でもいって」
「ああああ!!!」
浮竹は、京楽に壁に背を預けた状態で大きく右足を左肩に抱えられて、突き入れられていた。
「んあああ、だめ、だめ、いっちゃう」
すでに畳は、浮竹の放った精液で濡れていた。
「いっていいよ?ほら、ここぐりぐりされるの好きでしょ?」
「いああああああ!だめえええええ!!!」
浮竹は背をしらなせて、中いきをしていた。
京楽は、子種を浮竹の胎の奥に注ぐ。
「ふふ、こういうの、仲直りエッチっていうんだよ?」
「ふあ・・・・・」
浮竹は軽くいった余韻で、仲直りエッチという言葉に反応しなかった。
「まだ、足りない?仲直りエッチ、もっとしようか」
「いやあああ、だめえええ。孕んじゃううう」
「孕むくらい、注いであげる」
京楽は一度浮竹から引き抜くと、浮竹の背後から貫いた。
ぐちゅりと音がして、浮竹はまた中いきをしてしまっていた。
「やん、らめええ。いくの、とまんない」
「頭がいかれるくらい、いちゃっていいよ」
「やああああ」
京楽は、リズムをつけて浮竹を貫く。
パンパンと肉と肉とがぶつかり合い、結合部は泡立ち、二人の体液が混じったものが浮竹の太もも伝って畳に流れ落ちた。
「んあっ」
ごりっと奥の結腸まではいられて、浮竹は涙を零す。
「やあああ」
「中に出すよ。仲直りエッチも、これでおしまい」
「ああああ!!!」
中にびゅるびゅると濃い精液をぶちまけられて、浮竹は射精しながら中いきをしていた。
「あ、あ・・・・・・・」
立っていられなくなった浮竹を、京楽が抱き上げる。
なんとか見つけたタオルで身を清めて、風呂場で出したものをかき出して、同じ服を着て、京楽の屋敷に戻る。
京楽は、浮竹が家出としてもちだしたものを、そのままもってきていた。
「お前の金目当てだったんだな」
「ああいう手合いは多いよ。特に本当に寝たら、子供と言われても否定できなくなるからね」
「もう、花街なんかいくなよ」
「うん、約束する。行かない」
お互い湯浴みをしてすっきりしてから、二人はお互いを抱きしめ合って眠った。
長いこと付き合ってきたから、喧嘩もあったが、浮竹が家を飛び出すという喧嘩は初めてだった。
いつもなら、おはぎを出せば機嫌が直るのに、今回ばかりはそうはいかなかった。
「愛してるよ、十四郎」
「ん・・・・俺も」
深い眠りに、二人は落ちていった。
浮竹と京楽は、恋人同士をずっと続けていた。
ある日、たまに京楽が遊びにいく花街で、遊女が京楽の子だという子供を連れて、京楽の屋敷を訪ねてきた。
「浮竹?」
「最低だ、お前」
「ちょっと、確かに花街には遊びに行ってるけど、遊女は抱いてないよ!」
「そんなことないわ!この子が証拠よ!この子は、春水様、あなたの子です」
「ボクは、君と何度か飲んで一緒に夜を過ごしたけど、抱いてはいないよ!」
「信じられるか!花街に行ってたなんて、聞いていない。お前のことが、信じられなくなった。出ていく」
浮竹は怒って、話を聞いてくれなくて、京楽の屋敷から荷物をまとめて飛び出していった。
席官以上のクラスの者には館が与えられており、浮竹も自分の館をもっていた。
ただ、そこで暮らさないので、館が荒れるのを防ぐために、人を雇い月に2回ほど室内の手入れや庭の手入れをしてもらっていた。
浮竹の部屋には、置き手紙があった。
『自分の家に戻る。問題が解決するまで、戻ってこない』
「浮竹・・・・・・」
どうすれば、誤解が解けるのだろう。
「この子は、あなたの子です」
「しつこいね。ボクに隠し子はいないよ。遊女を抱いていたのは学院時代の初めの頃だ。浮竹と思いが通じあってから、花街に飲みには行くけど、遊女も色子も抱いていない」
「さぁ、夏水(かすい)、お父様よ」
「お父様?」
春水の名にちなんで、夏水と名付けられた子は、10歳くらいで、女の子だった。
「ボクは、君のお父様なんかじゃない」
「母様、この人怖いよ」
「何を言ってるの、夏水。お父様にもっと近づいて、お父様の子だと認めてもらわないと」
「でも、お父様の目、怖いよ」
「消えて。嘘だってちゃんと浮竹に伝えた上で、消えて?じゃないと、殺すよ。二人とも、殺されてもいいの?」
その時になって、遊女は京楽が本当は残酷な一面があるのだと気づいた。
「いや、死にたくない!撤回します。春水様の言う通りにしますから、どうか殺さないで」
「じゃあ、最初からこんな無謀な賭けに出ないことだよ。ボクが上流貴族で君を買ったのは事実だ。でも、抱いてはいない」
遊女は、京楽と夏水を伴って浮竹の館に行くと、全てが偽りで、夏水は違う廓に出入りする一般市民の子であることを白状した。
「ごめんね、浮竹。もう、君を傷つけたくないから、花街にもいかない」
「京楽・・・・俺こそ、すまない。話を、もっとちゃんと聞くべきだった」
遊女は、手切れ金としてけっこうなお金をもらって、去っていった。
遊女から足を洗い直すことができる額を与えるものだから、浮竹が少し気があるのではないかと聞いたが、哀れだからと言われて、それ以上何も言えなかった。
「はああんん」
浮竹は、自分の館で京楽に抱かれていた。
布団など用意していなかったので、畳の上で立ったまま京楽のものを受けいれていた。
「やあああん」
「ふふ、君の中とろとろしてる。熱くて、蠢いて、締め付けてくる」
「ふああああ」
舌が絡み合うキスをしながら、突き上げられた。
「あ、いっちゃう!」
「いいよ、何度でもいって」
「ああああ!!!」
浮竹は、京楽に壁に背を預けた状態で大きく右足を左肩に抱えられて、突き入れられていた。
「んあああ、だめ、だめ、いっちゃう」
すでに畳は、浮竹の放った精液で濡れていた。
「いっていいよ?ほら、ここぐりぐりされるの好きでしょ?」
「いああああああ!だめえええええ!!!」
浮竹は背をしらなせて、中いきをしていた。
京楽は、子種を浮竹の胎の奥に注ぐ。
「ふふ、こういうの、仲直りエッチっていうんだよ?」
「ふあ・・・・・」
浮竹は軽くいった余韻で、仲直りエッチという言葉に反応しなかった。
「まだ、足りない?仲直りエッチ、もっとしようか」
「いやあああ、だめえええ。孕んじゃううう」
「孕むくらい、注いであげる」
京楽は一度浮竹から引き抜くと、浮竹の背後から貫いた。
ぐちゅりと音がして、浮竹はまた中いきをしてしまっていた。
「やん、らめええ。いくの、とまんない」
「頭がいかれるくらい、いちゃっていいよ」
「やああああ」
京楽は、リズムをつけて浮竹を貫く。
パンパンと肉と肉とがぶつかり合い、結合部は泡立ち、二人の体液が混じったものが浮竹の太もも伝って畳に流れ落ちた。
「んあっ」
ごりっと奥の結腸まではいられて、浮竹は涙を零す。
「やあああ」
「中に出すよ。仲直りエッチも、これでおしまい」
「ああああ!!!」
中にびゅるびゅると濃い精液をぶちまけられて、浮竹は射精しながら中いきをしていた。
「あ、あ・・・・・・・」
立っていられなくなった浮竹を、京楽が抱き上げる。
なんとか見つけたタオルで身を清めて、風呂場で出したものをかき出して、同じ服を着て、京楽の屋敷に戻る。
京楽は、浮竹が家出としてもちだしたものを、そのままもってきていた。
「お前の金目当てだったんだな」
「ああいう手合いは多いよ。特に本当に寝たら、子供と言われても否定できなくなるからね」
「もう、花街なんかいくなよ」
「うん、約束する。行かない」
お互い湯浴みをしてすっきりしてから、二人はお互いを抱きしめ合って眠った。
長いこと付き合ってきたから、喧嘩もあったが、浮竹が家を飛び出すという喧嘩は初めてだった。
いつもなら、おはぎを出せば機嫌が直るのに、今回ばかりはそうはいかなかった。
「愛してるよ、十四郎」
「ん・・・・俺も」
深い眠りに、二人は落ちていった。