血と聖水と名において21
浮竹と京楽は、レイモンドの手によって無理やり血の帝国ブラッディアにきていた。
「さぁ、ソアラ、ブリュンヒルデを蘇らすのだ」
「無理だ。昔に死んでいる上に魂が傷ついている」
「ライフの神の力を全て出し切ると、蘇生は可能だろう?」
そこへ、京楽が口を挟む。
「ライフの神は、そこまでしてくれないよ」
「うるさい花嫁だな。塵となるか?」
「よせ、レイモンド!」
浮竹は、京楽を自分の背に隠す。
「では、お前が器となれ、ソアラ」
「短時間だけだぞ。死者の魂を降臨させるのは、禁忌だ」
「短時間とは、どのくらいだ」
「もって1週間だな」
レイモンドは悲しげな顔をする。
「ソアラを使っても、無理があるのか」
「死者を蘇らすのは禁忌。まぁ、俺は京楽を蘇らせたが」
「愛の力だねえ」
何故か脱ぎだす京楽をハリセンで沈めておいいて、浮竹は降臨術の準備をする。
「レイモンド、お前は俺だけにしか母様を降臨させたくないのだろう?」
「当り前だ。他人などに、ブリュンヒルデの魂はやらぬ」
レイモンドから、傷ついたブリュンヒルデの魂を手渡されて、それをライフの神で一時的に完ぺきなものにして、浮竹はライフの神にブリュンヒルデの、母の魂を自分に降臨するように命令した。
降臨は、無事成功する。
「浮竹・・・・・・・・・」
京楽は悲しそうな顔をする。
「おお、ブリュンヒルデ!」
「あなた」
浮竹の器に降臨したブリュンヒルデは、レイモンドを殴った。
「愛しいソアラを器に使うなんて!」
「そ、それしか思い浮かばななかったのだ!」
「私は人間やヴァンパイアでなければ長時間降臨が可能よ」
「それは・・・・・?」
「この皇宮には、確か猫のヴァンパイアがいたでしょう。もう生きて百年以上経つ」
「う、うむ。ロッエのことだな」
「あの猫に、私は降臨します。ソアラを解放してあげて。そうじゃないと、あなたを許さないんだから」
「ブ、ブリュンヒルデ!」
ブリュンヒルデは、ロッエの猫の体に憑依して、浮竹を解放するとレイモンドにすり寄った。
「人のようにはいかないけれど、しゃべれるし、ちゃんと傍にいるわ。あなたがこうも歪んでしまったのは私のせいなのだから」
「愛している、ブリュンヒルデ」
「私もよ、レイモンド」
猫といちゃつく皇帝を放置して、京楽は意識のない浮竹を抱き起す。
「ねぇ、浮竹はどうなるの!?」
「解放しました。2、3日は眠ったままでしょうが、何もなく元気に起きるでしょう」
「そうかい。よかった」
京楽は、まだ与えられていた緑の館に浮竹をお姫様抱っこで運んで、目覚めるのを待つ。
2日は眠りっぱなしで、心配したが3日の朝に浮竹は気が付いた。
「何をしている」
「あ、浮竹の体をふいてあげようとして」
「なぜ股間がおっきしている」
「あはははは、何故だろうねぇ?」
半裸の浮竹は、ハリセンで京楽を沈めて、風呂に入った。
「母様は、猫に憑依したのだな」
「なんでも、猫に皇后の座を与えるとかで騒ぎになってるよ」
「猫の皇后か。まぁな中身は母様だし、皇帝のいう我儘なら通るだろう」
「母親に、会っていかないの?」
「いや、降臨させたときに言葉を交わした」
元気にしているかとか愛しているとか、愚かなレイモンドを許してやってくれとか。
「母様なら、うまくレイモンドを正しい方向に導けるさ」
「そう。じゃあ、ボクとしっぽり」
いつの間にかフルチンになっていた京楽に、浮竹は変態すぎて眩暈を覚えた。
「顕現せよ、炎の精霊王イフリエル」
「なんだい?ボクに用かい?」
「あのヘンタイを燃やしてくれ」
「お安いご用だよ」
炎の精霊王イフリエルは、僕っ子だった。京楽を真っ黒こげのアフロにして、精霊界に戻っていく。
「服を着ろ」
「ぐすん。しっぽりが・・・・・・」
京楽に強制的に服を着させる。
「ああ、ボクはフェニックス!」
また脱ぎだす京楽をハリセンで沈めて、布団で簀巻きにして蹴り転がす。
「ああ、これは愛の試練!」
「帰るぞ。転移魔法陣を使う」
「え、ボク簀巻きのまま?」
「ああ」
「酷い!」
「服を脱ぎだすお前が悪い」
「この美しい肉体を見たいとは思わないの!?」
「もじゃもじゃすぎて、気持ち悪い」
半分冗談であっただ、京楽はズーンと沈んだ。
まぁ、そのほうが静かで変態行為をしないので、浮竹は放置する。
自宅の館に戻ると、京楽は浮竹を無理やり誘って風呂に入った。
はぁはぁいいながら、浮竹に泡だらけの体と剃刀をさしだす。
「もじゃもじゃがいやなんでしょう?剃って。股間の毛も剃っていいよ」
「股間は、ちゃんとバスタオルで隠しているな。よし、胸毛と手足とギャランドゥを剃るか」
「いやああああん、浮竹の手ですべすべになっちゃううう」
「変な声を出すな!」
「あはん」
先に風呂から浮竹はあがる。
しっぽりしたいと言い出す前に。
「浮竹、この後しっぽり・・・・・・」
「しない。お前の毛がなくなったのでしない」
「なんですとおおおお!?騙された!?」
「お前の毛が生えてくるまで禁欲だ」
「騙された上にひどいいいいい」
「そうか。それはよかったな」
浮竹は、自分で入れた紅茶を飲む。
「お前も飲むか?」
「くすん。しっぽりできないから飲む」
京楽は、毛をはやすという薬を裏ルートで手に入れた。
「ぎゃああああああああ」
「なんだ、どうした!?」
突然の京楽の悲鳴に慌ててやってきた浮竹であったが、うねる大量の京楽の胸毛を見て、悲鳴をあげる。
「ぎゃあああああああああああ!どうしてこうなった!」
「毛生え薬を塗ったら・・・君としっぽりしたくて」
「ああもう。フェニックス、京楽ごと燃やせ!」
「きゅおおおおおんん」
「ええ、ボクごと!?胸毛だけにしてよ!」
「気持ちの悪いものを見せた罰だ」
京楽は、せっかく生えてきた胸毛ごと黒焦げになり、アフロにもなるのであった。
「さぁ、ソアラ、ブリュンヒルデを蘇らすのだ」
「無理だ。昔に死んでいる上に魂が傷ついている」
「ライフの神の力を全て出し切ると、蘇生は可能だろう?」
そこへ、京楽が口を挟む。
「ライフの神は、そこまでしてくれないよ」
「うるさい花嫁だな。塵となるか?」
「よせ、レイモンド!」
浮竹は、京楽を自分の背に隠す。
「では、お前が器となれ、ソアラ」
「短時間だけだぞ。死者の魂を降臨させるのは、禁忌だ」
「短時間とは、どのくらいだ」
「もって1週間だな」
レイモンドは悲しげな顔をする。
「ソアラを使っても、無理があるのか」
「死者を蘇らすのは禁忌。まぁ、俺は京楽を蘇らせたが」
「愛の力だねえ」
何故か脱ぎだす京楽をハリセンで沈めておいいて、浮竹は降臨術の準備をする。
「レイモンド、お前は俺だけにしか母様を降臨させたくないのだろう?」
「当り前だ。他人などに、ブリュンヒルデの魂はやらぬ」
レイモンドから、傷ついたブリュンヒルデの魂を手渡されて、それをライフの神で一時的に完ぺきなものにして、浮竹はライフの神にブリュンヒルデの、母の魂を自分に降臨するように命令した。
降臨は、無事成功する。
「浮竹・・・・・・・・・」
京楽は悲しそうな顔をする。
「おお、ブリュンヒルデ!」
「あなた」
浮竹の器に降臨したブリュンヒルデは、レイモンドを殴った。
「愛しいソアラを器に使うなんて!」
「そ、それしか思い浮かばななかったのだ!」
「私は人間やヴァンパイアでなければ長時間降臨が可能よ」
「それは・・・・・?」
「この皇宮には、確か猫のヴァンパイアがいたでしょう。もう生きて百年以上経つ」
「う、うむ。ロッエのことだな」
「あの猫に、私は降臨します。ソアラを解放してあげて。そうじゃないと、あなたを許さないんだから」
「ブ、ブリュンヒルデ!」
ブリュンヒルデは、ロッエの猫の体に憑依して、浮竹を解放するとレイモンドにすり寄った。
「人のようにはいかないけれど、しゃべれるし、ちゃんと傍にいるわ。あなたがこうも歪んでしまったのは私のせいなのだから」
「愛している、ブリュンヒルデ」
「私もよ、レイモンド」
猫といちゃつく皇帝を放置して、京楽は意識のない浮竹を抱き起す。
「ねぇ、浮竹はどうなるの!?」
「解放しました。2、3日は眠ったままでしょうが、何もなく元気に起きるでしょう」
「そうかい。よかった」
京楽は、まだ与えられていた緑の館に浮竹をお姫様抱っこで運んで、目覚めるのを待つ。
2日は眠りっぱなしで、心配したが3日の朝に浮竹は気が付いた。
「何をしている」
「あ、浮竹の体をふいてあげようとして」
「なぜ股間がおっきしている」
「あはははは、何故だろうねぇ?」
半裸の浮竹は、ハリセンで京楽を沈めて、風呂に入った。
「母様は、猫に憑依したのだな」
「なんでも、猫に皇后の座を与えるとかで騒ぎになってるよ」
「猫の皇后か。まぁな中身は母様だし、皇帝のいう我儘なら通るだろう」
「母親に、会っていかないの?」
「いや、降臨させたときに言葉を交わした」
元気にしているかとか愛しているとか、愚かなレイモンドを許してやってくれとか。
「母様なら、うまくレイモンドを正しい方向に導けるさ」
「そう。じゃあ、ボクとしっぽり」
いつの間にかフルチンになっていた京楽に、浮竹は変態すぎて眩暈を覚えた。
「顕現せよ、炎の精霊王イフリエル」
「なんだい?ボクに用かい?」
「あのヘンタイを燃やしてくれ」
「お安いご用だよ」
炎の精霊王イフリエルは、僕っ子だった。京楽を真っ黒こげのアフロにして、精霊界に戻っていく。
「服を着ろ」
「ぐすん。しっぽりが・・・・・・」
京楽に強制的に服を着させる。
「ああ、ボクはフェニックス!」
また脱ぎだす京楽をハリセンで沈めて、布団で簀巻きにして蹴り転がす。
「ああ、これは愛の試練!」
「帰るぞ。転移魔法陣を使う」
「え、ボク簀巻きのまま?」
「ああ」
「酷い!」
「服を脱ぎだすお前が悪い」
「この美しい肉体を見たいとは思わないの!?」
「もじゃもじゃすぎて、気持ち悪い」
半分冗談であっただ、京楽はズーンと沈んだ。
まぁ、そのほうが静かで変態行為をしないので、浮竹は放置する。
自宅の館に戻ると、京楽は浮竹を無理やり誘って風呂に入った。
はぁはぁいいながら、浮竹に泡だらけの体と剃刀をさしだす。
「もじゃもじゃがいやなんでしょう?剃って。股間の毛も剃っていいよ」
「股間は、ちゃんとバスタオルで隠しているな。よし、胸毛と手足とギャランドゥを剃るか」
「いやああああん、浮竹の手ですべすべになっちゃううう」
「変な声を出すな!」
「あはん」
先に風呂から浮竹はあがる。
しっぽりしたいと言い出す前に。
「浮竹、この後しっぽり・・・・・・」
「しない。お前の毛がなくなったのでしない」
「なんですとおおおお!?騙された!?」
「お前の毛が生えてくるまで禁欲だ」
「騙された上にひどいいいいい」
「そうか。それはよかったな」
浮竹は、自分で入れた紅茶を飲む。
「お前も飲むか?」
「くすん。しっぽりできないから飲む」
京楽は、毛をはやすという薬を裏ルートで手に入れた。
「ぎゃああああああああ」
「なんだ、どうした!?」
突然の京楽の悲鳴に慌ててやってきた浮竹であったが、うねる大量の京楽の胸毛を見て、悲鳴をあげる。
「ぎゃあああああああああああ!どうしてこうなった!」
「毛生え薬を塗ったら・・・君としっぽりしたくて」
「ああもう。フェニックス、京楽ごと燃やせ!」
「きゅおおおおおんん」
「ええ、ボクごと!?胸毛だけにしてよ!」
「気持ちの悪いものを見せた罰だ」
京楽は、せっかく生えてきた胸毛ごと黒焦げになり、アフロにもなるのであった。
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血と聖水と名において20
「血と聖水の名において、アーメン!」
「ぐぎゃああああああああ!!」
そのヴァンパイアは、大量のグールを操っていたが、浮竹が放った銀の弾丸で心臓を貫かれて、あっさりと死んでしまった。
「むう。倒しがいがない」
「そう言わないでよ。レイモンドがブラッディア帝国の皇帝になって、今まで隠れて人の血を吸っていたようなヴァンパイアばかりになった。有名どころは、レイモンドに忠誠を誓うかわりに、今までの罪を許してもらう・・・・・」
「いやなシステムだ」
「でも、ハンターを退けるほどのヴァンパイアを束ねるなら、強いだろうね」
「それもいやで厄介なことだ」
「ほんとにね。ハンターギルドの賞金首がごっそり消えちゃってまぁ。まぁ、こんなやつでも金貨4百枚はあるから」
「まぁ、無収入よりはましだな」
ヴァンパイアの灰をカプセルにつめる。
それをギルドに提出すると、ギルドマスターに呼ばれた。
「ヴァンパイア化したドラゴンが出た。やれるか?」
「どうだろう。ボクの力が、ドラゴンに通じるかどうか」
「俺なら、精霊を使役できるからなんとかなりそうな気がする」
浮竹がフェンリルを召喚して、抱き上げる。
「そうなんだ。A級だが、実力はもうS級だろう。浮竹のエレメンタルマスターの力があればどうにかなるおと思うんだ。いってくれるか?」
「ああ、分かった」
「あの、ボクは?」
ギルドマスターはきっぱり言った。
「おまけで声をかけただけだ。お前はヴァンパイアには強いが、違うモンスターだとどうだかわからんしな。おまけに今回はドラゴンだ」
「ドラゴンなら、冒険者ギルドも動くんじゃないのか?」
「血の帝国のブラッディアからくる下級ヴァンパイアとグールの群れを阻止するのに手いっぱいらしい」
「レイモンドは、何がしたいんだろうね?」
「人間への、復讐かもな。母様、ブリュンヒルデが死んだのは、人間がわざと母様に病気をうつしたせいだ。病原菌を、直接無理やり摂取させた」
「あー。そりゃ、レイモンドでも怒るね。ブリュンヒルデは、ヴァンパイアになっていなかったの?」
「ああ。母様はヴァンパイアに近いが人間だった。レイモンドと不老の契約を交わしていた」
「とにかく、任せたぞ。場所はイアラの村だ。馬車で2週間かかるが、お前たちなら一瞬だろう。転移魔法が使えるのだから」
「まぁ、退治してみせよう」
浮竹は、ちゃっかり金貨4百枚を受け取って、巨大化したフェンリルの背に京楽と共に乗って、風の上位精霊ジルフェを呼ぶ。
「イアラの村まで、転移してくれ」
「了解した」
二人は、イアラの村のど真ん中に出た。
周囲は、焼け焦げていた。
アンデット化したドラゴンなら聞いたことはあるが、ヴァンパイア化したドラゴンは聞くのは初めてだった。
「きしゃあああああああ」
ドラゴンは、人の血をすすっていた。
食べるのではなく、すするのだ。周囲には、血を吸われつくしてミイラとなった死体の山。
「いけ、フェニックス!」
「きゅおおおおん」
「ボクも行くのにゃあ!」
「フェンリル、足を凍らせろ」
「分かったのにゃ!」
フェンリルは、氷のブレスでドラゴンの動きを封じる。フェニックスの業火は、ドラゴンには効いたことは効いたが、すぐに傷を再生してしまう。
「戻れ、フェニックス!フェンリル、氷のブレスで全体を凍らせろ!」
「今やってるにゃん。こいつ、魔法耐性が強くてなかなか凍らないのにゃん!」
「仕方ない。闇の精霊王、ダークピュリアよ、顕現せよ」
浮竹は、久しぶりに精霊王を呼び出す。
「はーい。呼んだぁ?」
「あのドラゴンを、お前の力でなんとかしてほしい」
「お安いご用よ。ヴァンパイア化したとはいえ、普通のドラゴンでしょ?」
「ああ」
「ヘルズゲート!」
「きゅああああああああああああ」
ドラゴンは、地獄に通じる門に吸い込まれて、大量の灰だけがその場に残った。
「やっつけたわよ?久しぶりなんだから、あたしとしっぽりしない?」
「しない!」
「浮竹の浮気者おおおおお。うわああああああん」
京楽が、何の役にも立てなかった上に、精霊王とはいえ、美しい女性と親密げに話す浮竹に浮気者といって、精霊王に嫉妬する。
「浮気者おおお。しっぽりとはボクとだけしてよおおおお」
「あれ、あなたの花嫁の成れの果て?」
「ああ」
「最初はかわいかったのに」
「今は変態のアホの子だ」
「酷いいいいいい」
「まぁ、いいわ。あなたの顔を久しぶりに見れたから。今度、精霊王が揃う祭りがあるの。全ての精霊王と契約しているあなたも、忘れずにきなさいね?」
「ああ、分かった」
「じゃあ、私は精霊界に戻るから。その花嫁としっぽりでもしてなさいな」
闇の精霊王ダークピュリアは、それだけ言い残すと精霊界に帰っていった。
「浮竹ええええ。ボクを捨てないでえええ」
「うわ、鼻水をかめ!」
「ちーん」
「何俺のぱんつでかんでるんだ!」
「だって、ティッシュもってない」
「ほら、てぃっしゅ」
「ちーん」
思いついたように、京楽はつけたす
「こ」
ちーんこ。
浮竹は、冷たい目で京楽の頭をハリセンではたきまくる。
「暴力反対!」
「お前のせいだろうが!」
「うわあああんん、愛が痛いいいいいい」
「ちっ、普通のドラゴンをヴァンパイア化させるだけではだめだったか」
それは、藍染であった。
本体だ。
藍染は、フードを目深に被り、闇に同化していくのであった。
「ぐぎゃああああああああ!!」
そのヴァンパイアは、大量のグールを操っていたが、浮竹が放った銀の弾丸で心臓を貫かれて、あっさりと死んでしまった。
「むう。倒しがいがない」
「そう言わないでよ。レイモンドがブラッディア帝国の皇帝になって、今まで隠れて人の血を吸っていたようなヴァンパイアばかりになった。有名どころは、レイモンドに忠誠を誓うかわりに、今までの罪を許してもらう・・・・・」
「いやなシステムだ」
「でも、ハンターを退けるほどのヴァンパイアを束ねるなら、強いだろうね」
「それもいやで厄介なことだ」
「ほんとにね。ハンターギルドの賞金首がごっそり消えちゃってまぁ。まぁ、こんなやつでも金貨4百枚はあるから」
「まぁ、無収入よりはましだな」
ヴァンパイアの灰をカプセルにつめる。
それをギルドに提出すると、ギルドマスターに呼ばれた。
「ヴァンパイア化したドラゴンが出た。やれるか?」
「どうだろう。ボクの力が、ドラゴンに通じるかどうか」
「俺なら、精霊を使役できるからなんとかなりそうな気がする」
浮竹がフェンリルを召喚して、抱き上げる。
「そうなんだ。A級だが、実力はもうS級だろう。浮竹のエレメンタルマスターの力があればどうにかなるおと思うんだ。いってくれるか?」
「ああ、分かった」
「あの、ボクは?」
ギルドマスターはきっぱり言った。
「おまけで声をかけただけだ。お前はヴァンパイアには強いが、違うモンスターだとどうだかわからんしな。おまけに今回はドラゴンだ」
「ドラゴンなら、冒険者ギルドも動くんじゃないのか?」
「血の帝国のブラッディアからくる下級ヴァンパイアとグールの群れを阻止するのに手いっぱいらしい」
「レイモンドは、何がしたいんだろうね?」
「人間への、復讐かもな。母様、ブリュンヒルデが死んだのは、人間がわざと母様に病気をうつしたせいだ。病原菌を、直接無理やり摂取させた」
「あー。そりゃ、レイモンドでも怒るね。ブリュンヒルデは、ヴァンパイアになっていなかったの?」
「ああ。母様はヴァンパイアに近いが人間だった。レイモンドと不老の契約を交わしていた」
「とにかく、任せたぞ。場所はイアラの村だ。馬車で2週間かかるが、お前たちなら一瞬だろう。転移魔法が使えるのだから」
「まぁ、退治してみせよう」
浮竹は、ちゃっかり金貨4百枚を受け取って、巨大化したフェンリルの背に京楽と共に乗って、風の上位精霊ジルフェを呼ぶ。
「イアラの村まで、転移してくれ」
「了解した」
二人は、イアラの村のど真ん中に出た。
周囲は、焼け焦げていた。
アンデット化したドラゴンなら聞いたことはあるが、ヴァンパイア化したドラゴンは聞くのは初めてだった。
「きしゃあああああああ」
ドラゴンは、人の血をすすっていた。
食べるのではなく、すするのだ。周囲には、血を吸われつくしてミイラとなった死体の山。
「いけ、フェニックス!」
「きゅおおおおん」
「ボクも行くのにゃあ!」
「フェンリル、足を凍らせろ」
「分かったのにゃ!」
フェンリルは、氷のブレスでドラゴンの動きを封じる。フェニックスの業火は、ドラゴンには効いたことは効いたが、すぐに傷を再生してしまう。
「戻れ、フェニックス!フェンリル、氷のブレスで全体を凍らせろ!」
「今やってるにゃん。こいつ、魔法耐性が強くてなかなか凍らないのにゃん!」
「仕方ない。闇の精霊王、ダークピュリアよ、顕現せよ」
浮竹は、久しぶりに精霊王を呼び出す。
「はーい。呼んだぁ?」
「あのドラゴンを、お前の力でなんとかしてほしい」
「お安いご用よ。ヴァンパイア化したとはいえ、普通のドラゴンでしょ?」
「ああ」
「ヘルズゲート!」
「きゅああああああああああああ」
ドラゴンは、地獄に通じる門に吸い込まれて、大量の灰だけがその場に残った。
「やっつけたわよ?久しぶりなんだから、あたしとしっぽりしない?」
「しない!」
「浮竹の浮気者おおおおお。うわああああああん」
京楽が、何の役にも立てなかった上に、精霊王とはいえ、美しい女性と親密げに話す浮竹に浮気者といって、精霊王に嫉妬する。
「浮気者おおお。しっぽりとはボクとだけしてよおおおお」
「あれ、あなたの花嫁の成れの果て?」
「ああ」
「最初はかわいかったのに」
「今は変態のアホの子だ」
「酷いいいいいい」
「まぁ、いいわ。あなたの顔を久しぶりに見れたから。今度、精霊王が揃う祭りがあるの。全ての精霊王と契約しているあなたも、忘れずにきなさいね?」
「ああ、分かった」
「じゃあ、私は精霊界に戻るから。その花嫁としっぽりでもしてなさいな」
闇の精霊王ダークピュリアは、それだけ言い残すと精霊界に帰っていった。
「浮竹ええええ。ボクを捨てないでえええ」
「うわ、鼻水をかめ!」
「ちーん」
「何俺のぱんつでかんでるんだ!」
「だって、ティッシュもってない」
「ほら、てぃっしゅ」
「ちーん」
思いついたように、京楽はつけたす
「こ」
ちーんこ。
浮竹は、冷たい目で京楽の頭をハリセンではたきまくる。
「暴力反対!」
「お前のせいだろうが!」
「うわあああんん、愛が痛いいいいいい」
「ちっ、普通のドラゴンをヴァンパイア化させるだけではだめだったか」
それは、藍染であった。
本体だ。
藍染は、フードを目深に被り、闇に同化していくのであった。
血と聖水と名において19
京楽と浮竹は、ヴァンパイアハンターをしながら、ウィキティの館に住んでいる。
館を競り落とした時にできた負債は全て返済し、京楽にかけられた悪魔王ディアブロの死の呪いも、京楽が一度死んで蘇ることでなんとかなった。
今、世界でライフの精霊神を使役できるのは、浮竹だけだ。
京楽の呪いが解けたことを知った、浮竹の父であるレイモンドは、ブラッディア帝国の皇帝になっることを決め、力でソアラこと、息子の浮竹十四郎を操ろうとしていた。
今、ブラッディア帝国は荒れていた。
皇帝になるために、藍染が世界各地から貧民を奴隷として集め、自分の手ごまである悪魔召喚をおこなっていた。
「ははは、私こそが皇帝にふさわしい」
「ふさわしいのは、藍染様です」
「藍染様こそふさわしい」
「そうだそうだ。レイモンドがなんだ!」
召喚された悪魔たちは、ある程度は藍染の言うことを聞くが、絶対服従ではなかった。悪魔はヴァンパイアと同等の存在であり、格上ではないので召喚されても従う義務はない。
だが、召喚されることで、魔戒から人間界にこれて、悪魔たちは喜んでいた。
悪魔の力でブラッディア帝国の住民たちを洗脳して、藍染は自分が皇帝になろうとしていた。
だが、あと一歩のところで、レイモンドに邪魔をされた。
レイモンドの二つ名は、悪魔王ディアブロ。悪魔王ディアブロの加護をもっている。召喚された普通の悪魔たちは、その存在に恐怖して魔界に帰っていく。
「おのれ、あと少しのところで!」
「殺しても復活するだろうが、とりあえず死ね」
レイモンドは、躊躇もなく藍染を殺す。灰となるが、その灰の中から小さなコウモリが無数に生まれて四方八方に散っていく。
「ふむ。皇帝になろうというのさえ、分身体か」
こうして、血の帝国ブラッディアの、第35代目の皇帝は、レイモンド・シュタットフェルト・ブラッディに決まった。
レイモンドは、早速まだ残っていた藍染の悪魔を自分のものにして、息子であるソアラこと浮竹に、血の帝国ブラッディアにくるように命令した。
従わない場合、周囲の者を殺すように命じておいた。
「私たちは、レイモンド様の悪魔。ソアラ様、レイモンド様が皇帝となられました。ソアラ様を血の帝国にお連れするよう、言い使っております」
「俺はいかない」
「ボクは行ってもいいけどね?」
「京楽、何を言っているんだ」
「会って、はっきりさせるべきだよ。ブリュンヒルデの魂は傷つきすぎて、昔に死んでしまったので蘇生できないって」
「ああ、そうかもしれないな。でも、そうなるとレイモンドは違う要求をしてくる。多分、俺にブリュンヒルデの器になれと」
「なんだって!」
「レイモンドは、そのためにも俺を生かしている。俺の中に、ブリュンヒルデの、母様の面影を見て」
「従わなかった場合、周囲の住民を殺せとも言われております。拒絶されたので、ウィキティの住民の3分の1を処分いたしま・・・・・ぐぎゃああああああ」
浮竹の水銀入りの血を浴びて、その悪魔は灰になった。
「なぜか、悪魔によく効くんだよな、俺の血」
「ひいいい」
「逃げろおお」
「京楽!」
「うん、分かってる!」
京楽は、悪魔たちを捕縛する。呪いをへて魔力が宿り、ヴァンパイアへの蘇りの復活を果たして、京楽の魔力はすごいことになっていた。
自分のオリジナルの魔法で、悪魔たちをがんじがらめにして捕縛する。
そこに、浮竹は水銀を含んだ自分の血をかけると、悪魔たちは灰となって消えてしまった。
「何してるんだ」
床をぺろぺろしてる変態に、浮竹が問いかける、
「だって、浮竹の血がもったいない」
「血くらい、俺から飲め」
「いいの!?」
「ただし、加減しろよ!前みたいに、一気に大量に飲むなよ」
「うん」
京楽は、浮竹の首筋に牙をつきたてて、何よりも甘く感じる浮竹の血を飲んでいく。
「ふう、ごちそうさま」
浮竹は、失血のせいで蒼くなっていた。
「人工血液もってこい、このだアホ!」
「きゃいん!今もってきます!」
京楽にはちょっとでも、浮竹には大量であった。
「全く、駄犬が」
人工血液の高級品を持ってきた京楽の手から、奪い取って接種してすぐに、水銀を含んだ自分の血に変換した。
「まだあるんだよね、人工血液。もっかい、飲ませて?」
「仕方ないやつだな。今度こそ、加減しろよ」
「うん」
血を吸われるのは、すごい快感を伴うので、浮竹は我慢するがつい声がもれてしうまう。
「あっ」
「感じてるの?かわいいね。しっぽりしようよ」
「禁欲半月残っているだろう・・・・ああ、俺のほうが限界だ。血を飲ませろ」
「へ?」
「花嫁のお前の血を吸ってこなかったが、それはお前がヴァンパイア化するのを防ぐためだった。ヴァンパイアとなったお前に、遠慮する必要はもうないというわけだ」
「のわきゃあああああああああ」
浮竹に血を吸われて、京楽は床でしくしく泣いていた。
「まずいな。人工血液のほうが数倍ましだ」
「酷い!ボクをもてあそんでおいて!」
「血を吸っただけだろう」
「ボクの純潔が汚された!」
「どこがだ!」
ハリセンではたかれて、京楽は床に沈む。
「このド変態が!」
「ぐへへっへ、浮竹の足~~~。ぺろぺろ」
「ぎゃああああああああ」
浮竹は悲鳴をあげて、容赦なく京楽にハリセンをお見舞いする。でも、京楽はヴァンパイア化したせいで、あまり意味はなかった。
「血と聖水の名において、アーメン!」
「ぎゃああああああああ、殺されるうううううう」
銀の短剣で刺されたが、特殊個体のため傷はすぐに再生する。、
「京楽、お前どうしたら死ぬんだ?」
「んー?浮竹が死んだ時かなぁ。花嫁になった時、そんな契約を交わした」
「そうだっけ?」
「ひどい!忘れてるなんてあんまりだ!」
本気で泣き出す居楽を、浮竹が宥める。
「悪かった。今日しっぽりしていいから」
「言ったね!?約束だからね!」
「な、ウソ泣きか!」
「ふふふ、しっぽりのためならプライドも捨てるよボクは!さぁ、今からしっぽりするよ!さぁさぁ」
「ぎゃあああああああああああああ」
浮竹の悲鳴が、館中に響くのであった、
館を競り落とした時にできた負債は全て返済し、京楽にかけられた悪魔王ディアブロの死の呪いも、京楽が一度死んで蘇ることでなんとかなった。
今、世界でライフの精霊神を使役できるのは、浮竹だけだ。
京楽の呪いが解けたことを知った、浮竹の父であるレイモンドは、ブラッディア帝国の皇帝になっることを決め、力でソアラこと、息子の浮竹十四郎を操ろうとしていた。
今、ブラッディア帝国は荒れていた。
皇帝になるために、藍染が世界各地から貧民を奴隷として集め、自分の手ごまである悪魔召喚をおこなっていた。
「ははは、私こそが皇帝にふさわしい」
「ふさわしいのは、藍染様です」
「藍染様こそふさわしい」
「そうだそうだ。レイモンドがなんだ!」
召喚された悪魔たちは、ある程度は藍染の言うことを聞くが、絶対服従ではなかった。悪魔はヴァンパイアと同等の存在であり、格上ではないので召喚されても従う義務はない。
だが、召喚されることで、魔戒から人間界にこれて、悪魔たちは喜んでいた。
悪魔の力でブラッディア帝国の住民たちを洗脳して、藍染は自分が皇帝になろうとしていた。
だが、あと一歩のところで、レイモンドに邪魔をされた。
レイモンドの二つ名は、悪魔王ディアブロ。悪魔王ディアブロの加護をもっている。召喚された普通の悪魔たちは、その存在に恐怖して魔界に帰っていく。
「おのれ、あと少しのところで!」
「殺しても復活するだろうが、とりあえず死ね」
レイモンドは、躊躇もなく藍染を殺す。灰となるが、その灰の中から小さなコウモリが無数に生まれて四方八方に散っていく。
「ふむ。皇帝になろうというのさえ、分身体か」
こうして、血の帝国ブラッディアの、第35代目の皇帝は、レイモンド・シュタットフェルト・ブラッディに決まった。
レイモンドは、早速まだ残っていた藍染の悪魔を自分のものにして、息子であるソアラこと浮竹に、血の帝国ブラッディアにくるように命令した。
従わない場合、周囲の者を殺すように命じておいた。
「私たちは、レイモンド様の悪魔。ソアラ様、レイモンド様が皇帝となられました。ソアラ様を血の帝国にお連れするよう、言い使っております」
「俺はいかない」
「ボクは行ってもいいけどね?」
「京楽、何を言っているんだ」
「会って、はっきりさせるべきだよ。ブリュンヒルデの魂は傷つきすぎて、昔に死んでしまったので蘇生できないって」
「ああ、そうかもしれないな。でも、そうなるとレイモンドは違う要求をしてくる。多分、俺にブリュンヒルデの器になれと」
「なんだって!」
「レイモンドは、そのためにも俺を生かしている。俺の中に、ブリュンヒルデの、母様の面影を見て」
「従わなかった場合、周囲の住民を殺せとも言われております。拒絶されたので、ウィキティの住民の3分の1を処分いたしま・・・・・ぐぎゃああああああ」
浮竹の水銀入りの血を浴びて、その悪魔は灰になった。
「なぜか、悪魔によく効くんだよな、俺の血」
「ひいいい」
「逃げろおお」
「京楽!」
「うん、分かってる!」
京楽は、悪魔たちを捕縛する。呪いをへて魔力が宿り、ヴァンパイアへの蘇りの復活を果たして、京楽の魔力はすごいことになっていた。
自分のオリジナルの魔法で、悪魔たちをがんじがらめにして捕縛する。
そこに、浮竹は水銀を含んだ自分の血をかけると、悪魔たちは灰となって消えてしまった。
「何してるんだ」
床をぺろぺろしてる変態に、浮竹が問いかける、
「だって、浮竹の血がもったいない」
「血くらい、俺から飲め」
「いいの!?」
「ただし、加減しろよ!前みたいに、一気に大量に飲むなよ」
「うん」
京楽は、浮竹の首筋に牙をつきたてて、何よりも甘く感じる浮竹の血を飲んでいく。
「ふう、ごちそうさま」
浮竹は、失血のせいで蒼くなっていた。
「人工血液もってこい、このだアホ!」
「きゃいん!今もってきます!」
京楽にはちょっとでも、浮竹には大量であった。
「全く、駄犬が」
人工血液の高級品を持ってきた京楽の手から、奪い取って接種してすぐに、水銀を含んだ自分の血に変換した。
「まだあるんだよね、人工血液。もっかい、飲ませて?」
「仕方ないやつだな。今度こそ、加減しろよ」
「うん」
血を吸われるのは、すごい快感を伴うので、浮竹は我慢するがつい声がもれてしうまう。
「あっ」
「感じてるの?かわいいね。しっぽりしようよ」
「禁欲半月残っているだろう・・・・ああ、俺のほうが限界だ。血を飲ませろ」
「へ?」
「花嫁のお前の血を吸ってこなかったが、それはお前がヴァンパイア化するのを防ぐためだった。ヴァンパイアとなったお前に、遠慮する必要はもうないというわけだ」
「のわきゃあああああああああ」
浮竹に血を吸われて、京楽は床でしくしく泣いていた。
「まずいな。人工血液のほうが数倍ましだ」
「酷い!ボクをもてあそんでおいて!」
「血を吸っただけだろう」
「ボクの純潔が汚された!」
「どこがだ!」
ハリセンではたかれて、京楽は床に沈む。
「このド変態が!」
「ぐへへっへ、浮竹の足~~~。ぺろぺろ」
「ぎゃああああああああ」
浮竹は悲鳴をあげて、容赦なく京楽にハリセンをお見舞いする。でも、京楽はヴァンパイア化したせいで、あまり意味はなかった。
「血と聖水の名において、アーメン!」
「ぎゃああああああああ、殺されるうううううう」
銀の短剣で刺されたが、特殊個体のため傷はすぐに再生する。、
「京楽、お前どうしたら死ぬんだ?」
「んー?浮竹が死んだ時かなぁ。花嫁になった時、そんな契約を交わした」
「そうだっけ?」
「ひどい!忘れてるなんてあんまりだ!」
本気で泣き出す居楽を、浮竹が宥める。
「悪かった。今日しっぽりしていいから」
「言ったね!?約束だからね!」
「な、ウソ泣きか!」
「ふふふ、しっぽりのためならプライドも捨てるよボクは!さぁ、今からしっぽりするよ!さぁさぁ」
「ぎゃあああああああああああああ」
浮竹の悲鳴が、館中に響くのであった、
オメガバース恋白読み切り短編
「好きだ」
「へあ?」
恋次は、固まった。
執務時間中に、急に白哉からそんな言葉をかけられて、固まる。
「まぁよい、茶でも飲め」
「あ、はぁ」
緑茶をいれてもらって、それをすする。
「お前に、めちゃくちゃんにされてもよいと思えるほど、好きなのだ」
「ぶばっ」
恋次は、口の中に入っていた茶を全部、白哉の顔にふきだしていた。
「タオル」
「あ、すんません!これ、新しいタオルです」
恋次は真っ赤になって、タオルをあわあわと白哉に渡す。
「その、隊長は俺とその、深い仲になってもいいと」
「ふふふ、ひっかかたな。今日は4月1日。エイプリルフールの日だ。黒崎一護が教えてくれた」
「一護おおおおおおおお」
恋次は、今度一護に会ったら顔面にパンチをお見舞いしてやろうと決める。
「まぁ、好きなのは本当だ。隠してはいたが、私はオメガだ」
「え、隊長がオメガ!?」
「お前はアルファであろう、恋次。私と番になれ」
「ええっ」
白哉ほどの身分のオメガなら、同じ四大貴族の中からアルファを選びたい放題だろうに、白哉は恋次がよいという。
「あの、本気っすか?俺確かにアルファっすけど、貴族でもなんでもない、流魂街出身っすよ?」
「身分など関係ない。私はお前と番になりたいのだ、恋次」
「番になるってことは、その、ごにょごにょを・・・・・あ、またエイプリルフールだから!?」
「違う」
強い眼差しで見られて、恋次は自然と白哉を抱き寄せる。
白哉のことが前々から好きであったが、同性だし上官であるので思いを隠していた、その反動が一気に出た。
「痛い」
「す、すんません」
力の加減をミスして、恋次は白哉を思い切り抱きしめてしまっていた。
「その、番になるってことは、夜のごにょごにょも・・・・・・」
「心得ている。強い抑制剤を使ってヒートに耐えてきたが、もう限界だ。この前、四楓院家の男にレイプされそうになった。番にならないかと」
「そいつ、ぶっ殺す」
「千本桜で、半殺しにしておいた」
「おおう・・・・」
白哉は、腰の千本桜を撫でる。
「で、どうなのだ。私と番のなるのか、ならないのか。お前がいやなのであれば、他のアルファを探す」
「いやです!」
「そうか、ならば無理強いはすまい。他のアルファを・・・・・」
「違います!あんたが、他の男と番になるのがいやなんです!」
「では、私と番になると?言っておくが、私と番になればお前は朽木家の者になる」
貴族の作法など、厳しいものが待っている。
「それでも、隊長と番になりたいです。あんたと一緒にいたい。あんたを、他の誰にもあげたくないんです」
「ふふ、情熱的な口説き文句だな?」
「あ、あんたが相手だからっす!」
恋次は、赤くなりながらまくしたてる。
「では、今日の夜、別邸を用意してある。そこで、番になろう」
「ええええ、そんなにすぐっすか?」
「ヒート期間なのだ。薬でおさえいるが、番がいないときつい」
「今日はもう、仕事休んでください!」
「だが、重要書類が」
「そんなの、今週中にどうにかすればいい話でしょう!俺がやっときますから!」
「そうか。言葉に甘える。隊首室で、少し横になってくる」
そう言って、白哉は執務室をあとにした。
夜になり、別邸に恋次は白哉と共にやってきた。
「花街にいき、色子から話を聞いて知識だけはもっている」
「はああああ!?隊長が花街!?」
「騒がれぬよう、顔は隠していた」
「当り前っすよ!朽木家の当主が花街にいるってばれたら、どんな相手が寄ってくるか分かったもんじゃない!危険な真似しないでください」
「ふふ、恋次は過保護だな」
「そりゃ、好きな隊長の身に何か起きたらいけないから」
「もう一度、言ってくれぬか」
白哉は、甘えた声を出す。
「隊長、好きです。世界中で一番好きで愛してます」
「恋次」
白哉は、隊長羽織も死覇装も脱いで、普通の高級な着物を着ていたのだが、艶やかな柄で白哉にとても似合っていた。
「ああ、なんか脱がすのおしいな」
「お前は、服をきたままするのが好みなのか?」
「違います!隊長に、その着物似合ってるから」
「清家のおすすめの服だそうだ」
「めっちゃ似合ってます。風呂、入りましょうか?」
白夜の手を引いて、共に風呂に入り、お互い長い髪を乾かして、夕餉をとり、酒も少し飲んだ。
「じゃあ、抱きますよ?」
「私は経験がないゆえ」
「それは俺も同じっす!女すら、まだ抱いたことないんすよ」
「なんだ、童貞か」
白哉が、少しだけ笑う。
「あーもう!そういうのは、ほんとに好きな相手としたかったからです」
「それが私か」
「そうです。あーもう、今日の隊長は積極的な上によくしゃべりますね」
「ふ・・・・・・」
白哉は、無理をしていたみたいで、とたんに静かになった。
「ああ、もう。抱きますよ?」
「好きにせよ」
「ああ!」
恋次貫かれて、白哉は啼く。
「ひあああ!」
奥をかき回されて、同時に前もいじられて、思考がぐちゃぐちゃになる。
「あ、いく」
白哉は、恋次の手の平に精液をはきだす。
それを、恋次は舐めとる。
「ひあう、奥はだめぇ」
白哉の奥を抉りながら貫くと、白哉は精液を出さすにオーガズムでいっていた。
「隊長、色子の素質でもあるんじゃないっすか」
「あ、意地悪なことを、言う、な」
「すんません」
快感で涙を流す白哉の涙を唇で吸い取って、前をしつようにいじりながら、最奥を穿つ。
「ひああああああ!!!!」
びくんと、白哉は背を弓なりにしならせて、いっていた。
「うなじ、噛みますよ?番になりますからね」
「あ、早く」
まだ意識のあるうちに、番になりたかった。
恋次が白哉と交わりながらうなじを噛むと、互いに電気が走るような衝撃がくる。
「これでもう、隊長は俺のものだ」
「ひあああ、恋次と、番に・・・・・もうだめだ、後始末は任せる」
白夜の意識はそこで途絶えた。
「え。俺、まだいき足りないんすけど。まだ2回しかしてないっすよ?」
ぺちぺちと白哉の頬を叩いても、反応はない。
「仕方ないっすね。初めてだし」
恋次は、白哉の顔を見ながら自虐して、2回ほど精液を出すとティシュでぬぐってゴミ箱に捨てた。それから、濡れたタオルをもってきて、白哉を清めて、中に出したものもかきだす。
「ああ、アフターピル忘れるところだった」
白哉はヒート期間中なので、子ができやすい体質になっている。
白湯を口に含み、アフターピルを口移しで飲ませると、恋次はあどけない顔で眠る白哉のさらさらの絹のような髪を撫でる。
「あんたと番になれるなんて、ほんとに夢みたいだ」
手のひらから伝わる体温が、これが夢ではないと教えてくれる。
こうして、白哉と恋次は番になった。白哉はオメガであることを公表し、番の恋次を朽木家に婿入り養子とさせた。
恋次は、はじめ貴族の作法とかにうんざりしていたが、隣に白哉がいるので弱音は吐かなかった。
「愛してます、隊長」
「私も愛している、恋次」
番になり、後継者問題などがあるが、今のところ二人は仲睦まじく、普通のオメガとアルファとして生きていくのであった。
「へあ?」
恋次は、固まった。
執務時間中に、急に白哉からそんな言葉をかけられて、固まる。
「まぁよい、茶でも飲め」
「あ、はぁ」
緑茶をいれてもらって、それをすする。
「お前に、めちゃくちゃんにされてもよいと思えるほど、好きなのだ」
「ぶばっ」
恋次は、口の中に入っていた茶を全部、白哉の顔にふきだしていた。
「タオル」
「あ、すんません!これ、新しいタオルです」
恋次は真っ赤になって、タオルをあわあわと白哉に渡す。
「その、隊長は俺とその、深い仲になってもいいと」
「ふふふ、ひっかかたな。今日は4月1日。エイプリルフールの日だ。黒崎一護が教えてくれた」
「一護おおおおおおおお」
恋次は、今度一護に会ったら顔面にパンチをお見舞いしてやろうと決める。
「まぁ、好きなのは本当だ。隠してはいたが、私はオメガだ」
「え、隊長がオメガ!?」
「お前はアルファであろう、恋次。私と番になれ」
「ええっ」
白哉ほどの身分のオメガなら、同じ四大貴族の中からアルファを選びたい放題だろうに、白哉は恋次がよいという。
「あの、本気っすか?俺確かにアルファっすけど、貴族でもなんでもない、流魂街出身っすよ?」
「身分など関係ない。私はお前と番になりたいのだ、恋次」
「番になるってことは、その、ごにょごにょを・・・・・あ、またエイプリルフールだから!?」
「違う」
強い眼差しで見られて、恋次は自然と白哉を抱き寄せる。
白哉のことが前々から好きであったが、同性だし上官であるので思いを隠していた、その反動が一気に出た。
「痛い」
「す、すんません」
力の加減をミスして、恋次は白哉を思い切り抱きしめてしまっていた。
「その、番になるってことは、夜のごにょごにょも・・・・・・」
「心得ている。強い抑制剤を使ってヒートに耐えてきたが、もう限界だ。この前、四楓院家の男にレイプされそうになった。番にならないかと」
「そいつ、ぶっ殺す」
「千本桜で、半殺しにしておいた」
「おおう・・・・」
白哉は、腰の千本桜を撫でる。
「で、どうなのだ。私と番のなるのか、ならないのか。お前がいやなのであれば、他のアルファを探す」
「いやです!」
「そうか、ならば無理強いはすまい。他のアルファを・・・・・」
「違います!あんたが、他の男と番になるのがいやなんです!」
「では、私と番になると?言っておくが、私と番になればお前は朽木家の者になる」
貴族の作法など、厳しいものが待っている。
「それでも、隊長と番になりたいです。あんたと一緒にいたい。あんたを、他の誰にもあげたくないんです」
「ふふ、情熱的な口説き文句だな?」
「あ、あんたが相手だからっす!」
恋次は、赤くなりながらまくしたてる。
「では、今日の夜、別邸を用意してある。そこで、番になろう」
「ええええ、そんなにすぐっすか?」
「ヒート期間なのだ。薬でおさえいるが、番がいないときつい」
「今日はもう、仕事休んでください!」
「だが、重要書類が」
「そんなの、今週中にどうにかすればいい話でしょう!俺がやっときますから!」
「そうか。言葉に甘える。隊首室で、少し横になってくる」
そう言って、白哉は執務室をあとにした。
夜になり、別邸に恋次は白哉と共にやってきた。
「花街にいき、色子から話を聞いて知識だけはもっている」
「はああああ!?隊長が花街!?」
「騒がれぬよう、顔は隠していた」
「当り前っすよ!朽木家の当主が花街にいるってばれたら、どんな相手が寄ってくるか分かったもんじゃない!危険な真似しないでください」
「ふふ、恋次は過保護だな」
「そりゃ、好きな隊長の身に何か起きたらいけないから」
「もう一度、言ってくれぬか」
白哉は、甘えた声を出す。
「隊長、好きです。世界中で一番好きで愛してます」
「恋次」
白哉は、隊長羽織も死覇装も脱いで、普通の高級な着物を着ていたのだが、艶やかな柄で白哉にとても似合っていた。
「ああ、なんか脱がすのおしいな」
「お前は、服をきたままするのが好みなのか?」
「違います!隊長に、その着物似合ってるから」
「清家のおすすめの服だそうだ」
「めっちゃ似合ってます。風呂、入りましょうか?」
白夜の手を引いて、共に風呂に入り、お互い長い髪を乾かして、夕餉をとり、酒も少し飲んだ。
「じゃあ、抱きますよ?」
「私は経験がないゆえ」
「それは俺も同じっす!女すら、まだ抱いたことないんすよ」
「なんだ、童貞か」
白哉が、少しだけ笑う。
「あーもう!そういうのは、ほんとに好きな相手としたかったからです」
「それが私か」
「そうです。あーもう、今日の隊長は積極的な上によくしゃべりますね」
「ふ・・・・・・」
白哉は、無理をしていたみたいで、とたんに静かになった。
「ああ、もう。抱きますよ?」
「好きにせよ」
「ああ!」
恋次貫かれて、白哉は啼く。
「ひあああ!」
奥をかき回されて、同時に前もいじられて、思考がぐちゃぐちゃになる。
「あ、いく」
白哉は、恋次の手の平に精液をはきだす。
それを、恋次は舐めとる。
「ひあう、奥はだめぇ」
白哉の奥を抉りながら貫くと、白哉は精液を出さすにオーガズムでいっていた。
「隊長、色子の素質でもあるんじゃないっすか」
「あ、意地悪なことを、言う、な」
「すんません」
快感で涙を流す白哉の涙を唇で吸い取って、前をしつようにいじりながら、最奥を穿つ。
「ひああああああ!!!!」
びくんと、白哉は背を弓なりにしならせて、いっていた。
「うなじ、噛みますよ?番になりますからね」
「あ、早く」
まだ意識のあるうちに、番になりたかった。
恋次が白哉と交わりながらうなじを噛むと、互いに電気が走るような衝撃がくる。
「これでもう、隊長は俺のものだ」
「ひあああ、恋次と、番に・・・・・もうだめだ、後始末は任せる」
白夜の意識はそこで途絶えた。
「え。俺、まだいき足りないんすけど。まだ2回しかしてないっすよ?」
ぺちぺちと白哉の頬を叩いても、反応はない。
「仕方ないっすね。初めてだし」
恋次は、白哉の顔を見ながら自虐して、2回ほど精液を出すとティシュでぬぐってゴミ箱に捨てた。それから、濡れたタオルをもってきて、白哉を清めて、中に出したものもかきだす。
「ああ、アフターピル忘れるところだった」
白哉はヒート期間中なので、子ができやすい体質になっている。
白湯を口に含み、アフターピルを口移しで飲ませると、恋次はあどけない顔で眠る白哉のさらさらの絹のような髪を撫でる。
「あんたと番になれるなんて、ほんとに夢みたいだ」
手のひらから伝わる体温が、これが夢ではないと教えてくれる。
こうして、白哉と恋次は番になった。白哉はオメガであることを公表し、番の恋次を朽木家に婿入り養子とさせた。
恋次は、はじめ貴族の作法とかにうんざりしていたが、隣に白哉がいるので弱音は吐かなかった。
「愛してます、隊長」
「私も愛している、恋次」
番になり、後継者問題などがあるが、今のところ二人は仲睦まじく、普通のオメガとアルファとして生きていくのであった。
血と聖水と名において18
ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽が言うには、京楽の悪魔王ディアブロの死の呪いの解呪方法が分かった。方法は2つあった。
1つ、かけた者に呪いを返す。しかしこれは、自分より格上の相手では無理。レイモンド相手では、浮竹と京楽ではまだ太刀打ちができない。
2つ、かけられた者を殺して蘇生させる。これは、ライフの精霊神を召喚、使役できる浮竹のためだけに許された方法。
2つ目のを行う場合、京楽は人間であるが限りなくヴァンパイアに近くなっていた。それが、完全なるヴァンパイアとなって復活する。
「京楽、お前はヴァンパイアになる覚悟はあるか」
「あるよ。ボクは、君のためなら悪魔にだって魔王にだってなれる」
「なれもしないくせに、口だけ達者だな」
「ふふ、ボクを殺す?」
京楽は、浮竹を誘ってくる。
「これはお前のためでもある。一度死んで蘇れば、もう悪魔王ディアブロの呪いは受けない。死んでくれ」
浮竹は、ゆっくりと京楽の首を絞めた。京楽は、それを恍惚と、息の根が止まるまで見ていた。
-------------------------------------------------------
「目覚めの気分はどうだ?」
「うーん、爽快だね。血が欲しい」
「待ってろ、今、人工血液を・・・・・」
「君の、マスターの血が欲しい。それ以外いらない」
「京楽、俺の血には猛毒の水銀が!あう!」
京楽は、自分のマスターであるはずの浮竹の首筋に噛みつくと、血をすする。
けっこうな量を飲まれて、浮竹はぐったりとなって、京楽に大量の人工血液をもってきてもらい、飲んだ。
「浮竹の水銀は、ボクには効かないよ。君の血と肉を口にしたことがあるんだから。花嫁となった時点で、水銀はきかないようになっていたよ」
「だからって、一度にあれほど口にするな。俺を殺すつもりか」
「あははは、ヴァンピールの君は血液がなくなった程度では死なないでしょう?おまけに銀の武器も効かないし、魔法も効きにくい。まるでヴァンパイアの王だね」
「まぁ、父はレイモンド。ヴァンパイアマスターは、ヴァンパイアの王種だ。その血を引く俺も、ある意味王種かもな」
「君は稀なる、神をも使役するエレメンタルマスターでもある。レイモンドの息子でもあるし、利用価値が高い。だから、レイモンドもボクを餌に君をブラッディア帝国の皇帝にしようとした。でも、ボクは一度死んで、命の神、ライフに蘇生してもらってヴァンパイアとなった」
京楽は、ヴァンパイア特有の尖った牙と耳をもっていた。ヴァンピールである浮竹とお揃いであった。
「なぁ、これからも俺たちはヴァンパイアハンターでいられるのだろうか」
「いられるよ?だって、ヴァンパイアとヴァンピールだけど、ハンターライセンスはもってるし、ボクも浮竹も人に害はなさないし、法律でも人に害をなしたヴァンパイア以外の殺生は禁じられている。大丈夫だよ。ただ、風当たりはきつくなるかもだけど」
「一度、ハンターギルドにいって、久しぶりに退治をしようと思う。最近旅やら休暇やらで、手持ちの金が減ってきた。その気になれば食うに困らないが、京楽はアホなことで金を使うし、俺も錬金術に関するものを仕入れたいしな」
浮竹には、錬金術師の才能もあった。
ポーション程度なら、店で買うものより浮竹が作ったもののほうが効果は数倍になる。
「行ってみよう。ハンターギルドに」
浮竹と京楽は、ヴァンパイアとヴァンピールである外見を隠しもせずに、ハンターギルドに入る。
「うわ、京楽、お前ヴァンパイアになったのか!くれぐれも、人に害をなして賞金首になったりするなよ。S級ハンターの賞金首なんて、しかも京楽じゃあ、誰も退治できやしない」
「ヴァンンピールの浮竹、久しぶりだな」
あちこちから、声をかけられる。
適当に流して、酒場にもなっているギルドで、エールを2つ注文して、ハンターギルドマスターを呼んだ。
「ああ、よりによってお前がレイモンドの息子とは。おまけに京楽はヴァンパイア化しているし」
「首か?」
「そんなことはない。A級以上のヴァンパイアハンターが不足している。血の帝国ブラッディアに皇帝がいないせいで、外の世界に出て人を襲うヴァンパイアが多くなっている。今回はこれなんてどうだ。シスター殺しのエンパニア。ヴァンパイアロードで、兄弟がいて名前は不明だが、兄と弟がいて、どっちもヴァンパイアロードだ」
「ふむ」
「ヴァンパイアロードを3人も相手なんて、京楽くらいしか頼めそうになくて往生していたところだ」
「この件、引き受けた」
京楽は、書類にサインした。報酬金は金貨3千枚。
通所のヴァンパイアで、金貨2百枚という相場なので、いかに強いのかが値段でもわかる。
「じゃあ、ちょっといって退治してくるよ」
「俺も一緒に行ってくる」
シスター殺しのエンパイアとその兄弟は、修道院に居を構えていた。周囲には、犯され血を吸われて下級のヴァンパイアになってしまったシスターたちの遺体が積み重なっていた。
「あははは、下級ヴァンパイアを犯すのも飽きたんだ。ハンターの血、飲ませてもらうぞ」
浮竹は、わざとエンパイアに血を飲ませた。
「ぎゃあああああああ、喉が、喉が焼けるううううう」
エンパイアは苦しみ続けた。
「シスターたちの仇だ。苦しみぬいて死ね」
浮竹は、エンパイアの腹を裂いて、そこに水銀を含む自分の血を滴らせる。
「ひぎあああああ!傷が再生しないいいい」
エンパイアの兄と弟は、すでに京楽が亡き者にしていた。
「京楽、とどめを」
「あいよ。血と盛衰の名において、アーメン」
そう祈り、京楽は聖銀の聖剣でエンパイアの首と胴を切り離す。傷口を焼いて、再生できないよにすると、エンパイアは吐き捨てた。
「いずれ、藍染様が帝国に君臨なさる。そうなれば、お前たちはすぐに殺される」
「うるさいね」
京楽は。エンパイアの頭を踏みつぶした。
さらさらと灰になったものをカプセルにつめこむ。3人分、3つのカプセルにつめこんで、ギルドに帰還した。
「はぁ!?もう倒した!?依頼を受けて、まだ半日だぞ!」
「いや、近かったから」
「はぁ!?馬車で1週間の距離だぞ!」
フェンリルに乗って、風の上位精霊ジルフェに依頼して一番近くの村まで転送してもらい、あとはフェンリルの足で修道院まで向かったのだと説明すると、ギルドマスターは頭を抱えてから、にこやかになった。
「今ある退治の依頼の中で、普通では倒せないのや、任務失敗の依頼を全部引き受けてくれ」
「え、ちょっと多すぎじゃない?」
「何、毎日片付けていけば、半月で終わる」
「仕方ないねぇ」
「仕方ないな」
「恩に着る!」
こうして、浮竹と京楽は、S級とA級のヴァンパイアハンターとして返り咲いたのであった。
1つ、かけた者に呪いを返す。しかしこれは、自分より格上の相手では無理。レイモンド相手では、浮竹と京楽ではまだ太刀打ちができない。
2つ、かけられた者を殺して蘇生させる。これは、ライフの精霊神を召喚、使役できる浮竹のためだけに許された方法。
2つ目のを行う場合、京楽は人間であるが限りなくヴァンパイアに近くなっていた。それが、完全なるヴァンパイアとなって復活する。
「京楽、お前はヴァンパイアになる覚悟はあるか」
「あるよ。ボクは、君のためなら悪魔にだって魔王にだってなれる」
「なれもしないくせに、口だけ達者だな」
「ふふ、ボクを殺す?」
京楽は、浮竹を誘ってくる。
「これはお前のためでもある。一度死んで蘇れば、もう悪魔王ディアブロの呪いは受けない。死んでくれ」
浮竹は、ゆっくりと京楽の首を絞めた。京楽は、それを恍惚と、息の根が止まるまで見ていた。
-------------------------------------------------------
「目覚めの気分はどうだ?」
「うーん、爽快だね。血が欲しい」
「待ってろ、今、人工血液を・・・・・」
「君の、マスターの血が欲しい。それ以外いらない」
「京楽、俺の血には猛毒の水銀が!あう!」
京楽は、自分のマスターであるはずの浮竹の首筋に噛みつくと、血をすする。
けっこうな量を飲まれて、浮竹はぐったりとなって、京楽に大量の人工血液をもってきてもらい、飲んだ。
「浮竹の水銀は、ボクには効かないよ。君の血と肉を口にしたことがあるんだから。花嫁となった時点で、水銀はきかないようになっていたよ」
「だからって、一度にあれほど口にするな。俺を殺すつもりか」
「あははは、ヴァンピールの君は血液がなくなった程度では死なないでしょう?おまけに銀の武器も効かないし、魔法も効きにくい。まるでヴァンパイアの王だね」
「まぁ、父はレイモンド。ヴァンパイアマスターは、ヴァンパイアの王種だ。その血を引く俺も、ある意味王種かもな」
「君は稀なる、神をも使役するエレメンタルマスターでもある。レイモンドの息子でもあるし、利用価値が高い。だから、レイモンドもボクを餌に君をブラッディア帝国の皇帝にしようとした。でも、ボクは一度死んで、命の神、ライフに蘇生してもらってヴァンパイアとなった」
京楽は、ヴァンパイア特有の尖った牙と耳をもっていた。ヴァンピールである浮竹とお揃いであった。
「なぁ、これからも俺たちはヴァンパイアハンターでいられるのだろうか」
「いられるよ?だって、ヴァンパイアとヴァンピールだけど、ハンターライセンスはもってるし、ボクも浮竹も人に害はなさないし、法律でも人に害をなしたヴァンパイア以外の殺生は禁じられている。大丈夫だよ。ただ、風当たりはきつくなるかもだけど」
「一度、ハンターギルドにいって、久しぶりに退治をしようと思う。最近旅やら休暇やらで、手持ちの金が減ってきた。その気になれば食うに困らないが、京楽はアホなことで金を使うし、俺も錬金術に関するものを仕入れたいしな」
浮竹には、錬金術師の才能もあった。
ポーション程度なら、店で買うものより浮竹が作ったもののほうが効果は数倍になる。
「行ってみよう。ハンターギルドに」
浮竹と京楽は、ヴァンパイアとヴァンピールである外見を隠しもせずに、ハンターギルドに入る。
「うわ、京楽、お前ヴァンパイアになったのか!くれぐれも、人に害をなして賞金首になったりするなよ。S級ハンターの賞金首なんて、しかも京楽じゃあ、誰も退治できやしない」
「ヴァンンピールの浮竹、久しぶりだな」
あちこちから、声をかけられる。
適当に流して、酒場にもなっているギルドで、エールを2つ注文して、ハンターギルドマスターを呼んだ。
「ああ、よりによってお前がレイモンドの息子とは。おまけに京楽はヴァンパイア化しているし」
「首か?」
「そんなことはない。A級以上のヴァンパイアハンターが不足している。血の帝国ブラッディアに皇帝がいないせいで、外の世界に出て人を襲うヴァンパイアが多くなっている。今回はこれなんてどうだ。シスター殺しのエンパニア。ヴァンパイアロードで、兄弟がいて名前は不明だが、兄と弟がいて、どっちもヴァンパイアロードだ」
「ふむ」
「ヴァンパイアロードを3人も相手なんて、京楽くらいしか頼めそうになくて往生していたところだ」
「この件、引き受けた」
京楽は、書類にサインした。報酬金は金貨3千枚。
通所のヴァンパイアで、金貨2百枚という相場なので、いかに強いのかが値段でもわかる。
「じゃあ、ちょっといって退治してくるよ」
「俺も一緒に行ってくる」
シスター殺しのエンパイアとその兄弟は、修道院に居を構えていた。周囲には、犯され血を吸われて下級のヴァンパイアになってしまったシスターたちの遺体が積み重なっていた。
「あははは、下級ヴァンパイアを犯すのも飽きたんだ。ハンターの血、飲ませてもらうぞ」
浮竹は、わざとエンパイアに血を飲ませた。
「ぎゃあああああああ、喉が、喉が焼けるううううう」
エンパイアは苦しみ続けた。
「シスターたちの仇だ。苦しみぬいて死ね」
浮竹は、エンパイアの腹を裂いて、そこに水銀を含む自分の血を滴らせる。
「ひぎあああああ!傷が再生しないいいい」
エンパイアの兄と弟は、すでに京楽が亡き者にしていた。
「京楽、とどめを」
「あいよ。血と盛衰の名において、アーメン」
そう祈り、京楽は聖銀の聖剣でエンパイアの首と胴を切り離す。傷口を焼いて、再生できないよにすると、エンパイアは吐き捨てた。
「いずれ、藍染様が帝国に君臨なさる。そうなれば、お前たちはすぐに殺される」
「うるさいね」
京楽は。エンパイアの頭を踏みつぶした。
さらさらと灰になったものをカプセルにつめこむ。3人分、3つのカプセルにつめこんで、ギルドに帰還した。
「はぁ!?もう倒した!?依頼を受けて、まだ半日だぞ!」
「いや、近かったから」
「はぁ!?馬車で1週間の距離だぞ!」
フェンリルに乗って、風の上位精霊ジルフェに依頼して一番近くの村まで転送してもらい、あとはフェンリルの足で修道院まで向かったのだと説明すると、ギルドマスターは頭を抱えてから、にこやかになった。
「今ある退治の依頼の中で、普通では倒せないのや、任務失敗の依頼を全部引き受けてくれ」
「え、ちょっと多すぎじゃない?」
「何、毎日片付けていけば、半月で終わる」
「仕方ないねぇ」
「仕方ないな」
「恩に着る!」
こうして、浮竹と京楽は、S級とA級のヴァンパイアハンターとして返り咲いたのであった。
血と聖水と名において17
パートナードラゴンの京楽は、人の姿になれる魔道具の腕輪を入手して、さっそく人の姿でドラゴンサモナーである浮竹と共に、浮竹と京楽の館にやってきた。
最初は、浮竹も京楽もびっくりしていた。
パートナードラゴンの京楽が腕輪を使って、ちびドラゴンと人の姿を行き来して、しばらくして慣れた。
「何かあったのか?人の姿をしているし、そっちのドラゴンサモナーの俺は少し元気がなさそうだ」
『うーん、いろいろあってねぇ』
パートナードラゴンの京楽は、ドラゴンサモナーの浮竹の頭を撫でる。
『むう、子供扱いするな』
そう言いながら、ドラゴンサモナーの浮竹は顔を赤くする。
『ふふ、十四郎がかわいいからだよ』
『恥ずかしい奴め』
まんざらでもなさそうな、ドラゴンサモナーの浮竹であった。
「とりあえず、お茶していかない?苺のタルト作ったんだよ」
『ごちそうになっていこうかな』
『ああ』
出されたのは、アッサムの最高級品と京楽が作ったというおいしそうな苺のタルトだった。
「この苺、ライフの精霊に育ててもらったんだよ」
『命の神ライフを、そんな風に使役するのはヴァンピールの浮竹くらいだよ?そもそも、ボクの世界でも命の神ライフを使役できる者はごく少数だったしね。古代魔法文明があった頃は、人もライフを使役できたけど、条件つきだね』
「条件?俺は何もしないで召喚しているが」
『普通はね、ライフの神を召喚するのには自分の命を大量に捧げるんだよ。召喚し続ける限り、寿命が減っていく。2,3回使ったらお陀仏だね』
「そうなのか・・・・・・」
『うん。君は特別だね。エレメンタルマスターの中でも、神子に近い』
「おおげさだ」
浮竹は、赤くなった。
「浮気!?」
「なんでそうなる!褒められて照れただけだ!」
浮竹は、京楽をハリセンでしばく。すると、京楽はにょきと起き上がって、浮竹を抱きしめる。浮竹は、変わり身の術で丸太を抱かせた。
「もう、浮竹の照屋さん♡」
「少しは、パートナードラゴンの京楽を見習ったらどうだ」
「えー。だって、ボクと同じ顔見て頬を赤らめるから。ああ、ほんとに鏡みたい。ボクっていい男だよねぇ。これだけの美男子もなかなかお目にかかれないよ」
『自分で言ってるよ』
パートナードラゴンの京楽は呆れていた。
『人を滅ぼそうと思っていたが、止めたんだ。今は、京楽と二人で静かに暮らせる場所を探して旅をしている』
「人間を滅ぼしたら、この世界も滅びる。この世界は、人間のもつマナとごく少数の者がもつ魔力で成り立っているから」
『そ、そうなのか?』
「うーん、正確には人間がピラミッドの頂点にいるようで、この世界の成り立ちでは底辺にいることかな」
『なんだかよくわからん:』
『人を滅ぼしたら、この世界も静寂に包まれるってことだよ。他の命は生きているけど、消費する者が消えて淘汰されることがなくなって、バランスが崩れまくって壊れてしまうんだよ』
『そうなのか。それは、嫌だ。ますます滅ぼしたくない』
数週間前とは全く意見が正反対になっていて、浮竹は驚いていた。
「ここまで意見が正反対になるのも珍しいな。パートナードラゴンの京楽、何をした?」
『うーん、ひみつ』
「そ、そうか。すまない」
ドラゴンサモナーの浮竹の額jにキスをしていたパートナードラゴンの京楽を見て、浮竹は赤くなった。
「もー、なんでそこで赤くなるの!?ボクのこの股間を見て、赤くなって・・・・おぶ!」
ズボンぬいで。下半身はふんどし一丁になっていた京楽の鳩尾を、浮竹は蹴鞠を蹴るみたいに蹴った。
「おおう、効いた~~」
「変態は、地面に欲情して地面とキスでもしとけ!」
「うん、そうするね?」
「え?」
京楽は、魔法が使えるようになっていた。多分、呪いの反動だろう。
そこそこな魔力で、地面に浮竹の半裸姿を描くと、はぁはぁいって、床と接吻していた。
『変態だ・・・・・・・』
『うん、変態だね』
「でも、こんな変態だが料理の腕だけはいいんだよな」
他のメンツより多めに盛られた苺タルトを。浮竹は食べる。
『あ、ほんとにおいしい。変態が作ったのにな?』
『変態だけど、長所あってよかったよ。ただの変態なら、ボクと同じ姿をしているせいで、燃やしちゃいそうになる』
「燃やしたかったら、いつでも燃やしていいぞ?」
「酷い!浮竹の意地悪。今日のしっぽりのお誘いかい?」
「どこをどう解釈したらそうなる!」
「うふふふふ、照れちゃって」
ちゅっと、人前で唇にキスされて、浮竹は真っ赤になってフェンリルを呼び出す。
「来い、フェンリル」
「どうかしたのかにゃ?」
「この変態を凍りつかせろ」
「お安いご用にゃ!」
氷のブレスをはいて、フェンリルは京楽を凍りつかせた。
『ふふふ、なんだかんだいって、仲がいいんだな?』
『そうだね。見てて楽しいね』
「この変態とそっちの京楽、1時間だけチェンジしないか」
『『無理』』
「やっぱりか・・・・こんな変態、何故俺は花嫁にしたんだろう」
そう後悔する、浮竹であった。
ちなみに、京楽は魔法で熱気を出して氷を溶かして、浮竹の背後にこっそりと回り込む。
「変態のボクを、君は愛してる~~~~」
背後からハグされて、浮竹は驚いて京楽を投げ飛ばす。
「ああああ、幸せ」
そんな京楽を見て、ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽はどん引きするのであった。
最初は、浮竹も京楽もびっくりしていた。
パートナードラゴンの京楽が腕輪を使って、ちびドラゴンと人の姿を行き来して、しばらくして慣れた。
「何かあったのか?人の姿をしているし、そっちのドラゴンサモナーの俺は少し元気がなさそうだ」
『うーん、いろいろあってねぇ』
パートナードラゴンの京楽は、ドラゴンサモナーの浮竹の頭を撫でる。
『むう、子供扱いするな』
そう言いながら、ドラゴンサモナーの浮竹は顔を赤くする。
『ふふ、十四郎がかわいいからだよ』
『恥ずかしい奴め』
まんざらでもなさそうな、ドラゴンサモナーの浮竹であった。
「とりあえず、お茶していかない?苺のタルト作ったんだよ」
『ごちそうになっていこうかな』
『ああ』
出されたのは、アッサムの最高級品と京楽が作ったというおいしそうな苺のタルトだった。
「この苺、ライフの精霊に育ててもらったんだよ」
『命の神ライフを、そんな風に使役するのはヴァンピールの浮竹くらいだよ?そもそも、ボクの世界でも命の神ライフを使役できる者はごく少数だったしね。古代魔法文明があった頃は、人もライフを使役できたけど、条件つきだね』
「条件?俺は何もしないで召喚しているが」
『普通はね、ライフの神を召喚するのには自分の命を大量に捧げるんだよ。召喚し続ける限り、寿命が減っていく。2,3回使ったらお陀仏だね』
「そうなのか・・・・・・」
『うん。君は特別だね。エレメンタルマスターの中でも、神子に近い』
「おおげさだ」
浮竹は、赤くなった。
「浮気!?」
「なんでそうなる!褒められて照れただけだ!」
浮竹は、京楽をハリセンでしばく。すると、京楽はにょきと起き上がって、浮竹を抱きしめる。浮竹は、変わり身の術で丸太を抱かせた。
「もう、浮竹の照屋さん♡」
「少しは、パートナードラゴンの京楽を見習ったらどうだ」
「えー。だって、ボクと同じ顔見て頬を赤らめるから。ああ、ほんとに鏡みたい。ボクっていい男だよねぇ。これだけの美男子もなかなかお目にかかれないよ」
『自分で言ってるよ』
パートナードラゴンの京楽は呆れていた。
『人を滅ぼそうと思っていたが、止めたんだ。今は、京楽と二人で静かに暮らせる場所を探して旅をしている』
「人間を滅ぼしたら、この世界も滅びる。この世界は、人間のもつマナとごく少数の者がもつ魔力で成り立っているから」
『そ、そうなのか?』
「うーん、正確には人間がピラミッドの頂点にいるようで、この世界の成り立ちでは底辺にいることかな」
『なんだかよくわからん:』
『人を滅ぼしたら、この世界も静寂に包まれるってことだよ。他の命は生きているけど、消費する者が消えて淘汰されることがなくなって、バランスが崩れまくって壊れてしまうんだよ』
『そうなのか。それは、嫌だ。ますます滅ぼしたくない』
数週間前とは全く意見が正反対になっていて、浮竹は驚いていた。
「ここまで意見が正反対になるのも珍しいな。パートナードラゴンの京楽、何をした?」
『うーん、ひみつ』
「そ、そうか。すまない」
ドラゴンサモナーの浮竹の額jにキスをしていたパートナードラゴンの京楽を見て、浮竹は赤くなった。
「もー、なんでそこで赤くなるの!?ボクのこの股間を見て、赤くなって・・・・おぶ!」
ズボンぬいで。下半身はふんどし一丁になっていた京楽の鳩尾を、浮竹は蹴鞠を蹴るみたいに蹴った。
「おおう、効いた~~」
「変態は、地面に欲情して地面とキスでもしとけ!」
「うん、そうするね?」
「え?」
京楽は、魔法が使えるようになっていた。多分、呪いの反動だろう。
そこそこな魔力で、地面に浮竹の半裸姿を描くと、はぁはぁいって、床と接吻していた。
『変態だ・・・・・・・』
『うん、変態だね』
「でも、こんな変態だが料理の腕だけはいいんだよな」
他のメンツより多めに盛られた苺タルトを。浮竹は食べる。
『あ、ほんとにおいしい。変態が作ったのにな?』
『変態だけど、長所あってよかったよ。ただの変態なら、ボクと同じ姿をしているせいで、燃やしちゃいそうになる』
「燃やしたかったら、いつでも燃やしていいぞ?」
「酷い!浮竹の意地悪。今日のしっぽりのお誘いかい?」
「どこをどう解釈したらそうなる!」
「うふふふふ、照れちゃって」
ちゅっと、人前で唇にキスされて、浮竹は真っ赤になってフェンリルを呼び出す。
「来い、フェンリル」
「どうかしたのかにゃ?」
「この変態を凍りつかせろ」
「お安いご用にゃ!」
氷のブレスをはいて、フェンリルは京楽を凍りつかせた。
『ふふふ、なんだかんだいって、仲がいいんだな?』
『そうだね。見てて楽しいね』
「この変態とそっちの京楽、1時間だけチェンジしないか」
『『無理』』
「やっぱりか・・・・こんな変態、何故俺は花嫁にしたんだろう」
そう後悔する、浮竹であった。
ちなみに、京楽は魔法で熱気を出して氷を溶かして、浮竹の背後にこっそりと回り込む。
「変態のボクを、君は愛してる~~~~」
背後からハグされて、浮竹は驚いて京楽を投げ飛ばす。
「ああああ、幸せ」
そんな京楽を見て、ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽はどん引きするのであった。
血と聖水と名において16
京楽の呪いはしばらくの間、解けることはないだろう。
血の帝国ブラッディアの皇帝になることが、京楽の呪いを解呪する条件であった。猶予期間は3年だ。その間に、異界の存在であるパートナードラゴンの京楽から、悪魔王ディアブロの呪いを解呪する方法を模索してもらおうと思っていた。
浮竹は、いざとなったら、ブラッディア帝国の皇帝になるだろう。
父、レイモンドが仕向けた方法は、浮竹を確実に皇帝にする方法だった。
「そういや、ヴァンパイアの世界では龍神がいるんだよね。7つのゴールデンボールを集めたらどんな願いでも聞き入れてくれるっていう」
「あほか!金玉集めてどうする!命の輝きの玉だ。聖女クラスの魂を具現化してできた玉を7つ集めると願いが叶うという。どのみち、神話だし集めれた者もいないし、誰も願いを叶えてもらった者はいない」
「ちぇっ。浮竹としっぽりしまくれますようにって願おうと思ったのに」
浮竹は、ハリセンで京楽の頭を何度もたたく。
「自分にかけられた死の呪いを解呪してもらおうとか思わないのか」
「うーん。まぁ、浮竹が皇帝になるだけでいいんなら」
「あほ!皇帝になったら、きっと離れ離れにされる。もう会えないかもしれないんだぞ」
「え、まじで。じゃあ、解呪の方法ボクも探す」
やっと、京楽は自分の死の呪いを厄介なもとのと理解した。
「それより、ズルズルボールはどうなの?集めたらちょっとのことなら願いを叶えてくれるんでしょ」
「ズルズルしてるぞ」
「うん。だからズルズルボール」
京楽は、浮竹の尻をさわりながら言う。
「ズルズル神を出すのは簡単だ」
浮竹は、そんな京楽を張り倒す。
「ズルズルボールなら、たくさんあるからそこらの雑貨屋でも売ってるだろう。だが、願いは一つしかかなわいないし、ズルズルしてるぞ」
「雑貨屋に買いにいってくる」
「おい、京楽!」
京楽は、ウィキティにある大きな雑貨屋で、1つ金貨100枚もするズルズルボールを7つも買ってきた。
「お前、まずは人の話を聞け。ズルズルボールなら、納屋に7個あった」
「ええ!1個金貨100枚で買っちゃったよ」
「また、変なことに大金を」
浮竹が怒らないのは、すでに館のお金は払い終えており、京楽のポケットマネーから金を出していたからだ。
共有の財産から出していたら、すまきにして天日干しにしていただろう。
「とにかく、ズルズル神を呼び出すよ?」
「勝手にしろ」
「ズルズルボールの偉大なるケチなズルズル神よ、出でよ!そして我が願いをできる範囲で聞き届けたまえ!」
呪文を詠唱すると、プルプル震えた高齢のズルズルした爺さんが現れた。
「いかにも、わしがズルズル神じゃ。何を願う?」
「無理だろうが頼んでみよう。この京楽にかけられた呪いの解呪はできるか?」
「む、無理じゃな。わしができるのは、物質を出すことだけじゃ。3千マニー以内の」
「銀貨3枚以内だとさ」
「じゃあ、浮竹のパンツおくれ!」
「だめじゃな。6千マニーする」
ぷくーと、京楽はむくれる。
「何を願っているんだ、お前は!」
浮竹にハリセンではたかれながらも、京楽はめげない。
「じゃあ、中古で。今浮竹がはいているパンツおくれ!」
「ちょうど3千マニーじゃ。よいじゃろう」
ズルズル神は、手の平からズルズルした浮竹のパンツをとりだすと、京楽に与えた。
「わーい!ずるずるでベタベタだけど、浮竹が今はいてたパンツだーーー」
うさぎさん柄だった。
「うさぎさんかわいい」
「あああああああ!!」
浮竹は、はいているパンツをなくしたことで、真っ赤になって、フェニックスを呼び出して京楽ごとパンツを燃やした。
「お前も燃えろおおおおお」
「ぬおあああああああ」
ズルズル神もついでに燃やした。
でも、一応神様なので死なない。
「願いはかなえた。さらばだ」
「納屋のズルズルボール破棄してやるうううう」
真っ黒こげになった京楽は、はぁはぁしていた。
「この炭化したのが浮竹のはいてたパンツってことは、今はノーパン!?」
「ぎゅああああああ、こっちにくるなああああ!!!」
浮竹は、京楽を縄で縛って、木に吊るした。
「はぁはぁ、もっとおおおお」
「この変態がああああ!!」
浮竹は、ノーパンなので、パンツをはきにいった。
「ああ、コレクションに入れたかったなぁ。浮竹のズルズルしたパンツ」
「この腐れ変態が!自分のパンツでも食ってろ!今日は飯ぬきだ!」
「ああん、浮竹の愛が激しい。そんなにボクのことが愛しいんだね?」
「話通じないな、この変態は・・・・・」
浮竹は、ウンディーネを呼び出して、京楽を水浸しにする。
この季節、まだ寒い。
「風邪でもひいてしまえ!」
「はぁはぁ。魔法使えなかったんだけど、最近基礎の魔法なら使えるようになってきたんだよね。乾け~~~~」
京楽が念じると、京楽の衣服はかわいた。
「ああ、でもパンツのあそこだけは濡れたままだよ」
「お前が濡らしているんだろうが!」
木に吊るされた京楽を、浮竹はブランブランと揺すり、ハリセンで頭をはたく。
「(*´Д`)ハァハァ。愛が激しい」
「だめだこりゃ」
浮竹は、京楽を放置して館に戻り、暖炉に牧をくべて暖をとるのであった。
血の帝国ブラッディアの皇帝になることが、京楽の呪いを解呪する条件であった。猶予期間は3年だ。その間に、異界の存在であるパートナードラゴンの京楽から、悪魔王ディアブロの呪いを解呪する方法を模索してもらおうと思っていた。
浮竹は、いざとなったら、ブラッディア帝国の皇帝になるだろう。
父、レイモンドが仕向けた方法は、浮竹を確実に皇帝にする方法だった。
「そういや、ヴァンパイアの世界では龍神がいるんだよね。7つのゴールデンボールを集めたらどんな願いでも聞き入れてくれるっていう」
「あほか!金玉集めてどうする!命の輝きの玉だ。聖女クラスの魂を具現化してできた玉を7つ集めると願いが叶うという。どのみち、神話だし集めれた者もいないし、誰も願いを叶えてもらった者はいない」
「ちぇっ。浮竹としっぽりしまくれますようにって願おうと思ったのに」
浮竹は、ハリセンで京楽の頭を何度もたたく。
「自分にかけられた死の呪いを解呪してもらおうとか思わないのか」
「うーん。まぁ、浮竹が皇帝になるだけでいいんなら」
「あほ!皇帝になったら、きっと離れ離れにされる。もう会えないかもしれないんだぞ」
「え、まじで。じゃあ、解呪の方法ボクも探す」
やっと、京楽は自分の死の呪いを厄介なもとのと理解した。
「それより、ズルズルボールはどうなの?集めたらちょっとのことなら願いを叶えてくれるんでしょ」
「ズルズルしてるぞ」
「うん。だからズルズルボール」
京楽は、浮竹の尻をさわりながら言う。
「ズルズル神を出すのは簡単だ」
浮竹は、そんな京楽を張り倒す。
「ズルズルボールなら、たくさんあるからそこらの雑貨屋でも売ってるだろう。だが、願いは一つしかかなわいないし、ズルズルしてるぞ」
「雑貨屋に買いにいってくる」
「おい、京楽!」
京楽は、ウィキティにある大きな雑貨屋で、1つ金貨100枚もするズルズルボールを7つも買ってきた。
「お前、まずは人の話を聞け。ズルズルボールなら、納屋に7個あった」
「ええ!1個金貨100枚で買っちゃったよ」
「また、変なことに大金を」
浮竹が怒らないのは、すでに館のお金は払い終えており、京楽のポケットマネーから金を出していたからだ。
共有の財産から出していたら、すまきにして天日干しにしていただろう。
「とにかく、ズルズル神を呼び出すよ?」
「勝手にしろ」
「ズルズルボールの偉大なるケチなズルズル神よ、出でよ!そして我が願いをできる範囲で聞き届けたまえ!」
呪文を詠唱すると、プルプル震えた高齢のズルズルした爺さんが現れた。
「いかにも、わしがズルズル神じゃ。何を願う?」
「無理だろうが頼んでみよう。この京楽にかけられた呪いの解呪はできるか?」
「む、無理じゃな。わしができるのは、物質を出すことだけじゃ。3千マニー以内の」
「銀貨3枚以内だとさ」
「じゃあ、浮竹のパンツおくれ!」
「だめじゃな。6千マニーする」
ぷくーと、京楽はむくれる。
「何を願っているんだ、お前は!」
浮竹にハリセンではたかれながらも、京楽はめげない。
「じゃあ、中古で。今浮竹がはいているパンツおくれ!」
「ちょうど3千マニーじゃ。よいじゃろう」
ズルズル神は、手の平からズルズルした浮竹のパンツをとりだすと、京楽に与えた。
「わーい!ずるずるでベタベタだけど、浮竹が今はいてたパンツだーーー」
うさぎさん柄だった。
「うさぎさんかわいい」
「あああああああ!!」
浮竹は、はいているパンツをなくしたことで、真っ赤になって、フェニックスを呼び出して京楽ごとパンツを燃やした。
「お前も燃えろおおおおお」
「ぬおあああああああ」
ズルズル神もついでに燃やした。
でも、一応神様なので死なない。
「願いはかなえた。さらばだ」
「納屋のズルズルボール破棄してやるうううう」
真っ黒こげになった京楽は、はぁはぁしていた。
「この炭化したのが浮竹のはいてたパンツってことは、今はノーパン!?」
「ぎゅああああああ、こっちにくるなああああ!!!」
浮竹は、京楽を縄で縛って、木に吊るした。
「はぁはぁ、もっとおおおお」
「この変態がああああ!!」
浮竹は、ノーパンなので、パンツをはきにいった。
「ああ、コレクションに入れたかったなぁ。浮竹のズルズルしたパンツ」
「この腐れ変態が!自分のパンツでも食ってろ!今日は飯ぬきだ!」
「ああん、浮竹の愛が激しい。そんなにボクのことが愛しいんだね?」
「話通じないな、この変態は・・・・・」
浮竹は、ウンディーネを呼び出して、京楽を水浸しにする。
この季節、まだ寒い。
「風邪でもひいてしまえ!」
「はぁはぁ。魔法使えなかったんだけど、最近基礎の魔法なら使えるようになってきたんだよね。乾け~~~~」
京楽が念じると、京楽の衣服はかわいた。
「ああ、でもパンツのあそこだけは濡れたままだよ」
「お前が濡らしているんだろうが!」
木に吊るされた京楽を、浮竹はブランブランと揺すり、ハリセンで頭をはたく。
「(*´Д`)ハァハァ。愛が激しい」
「だめだこりゃ」
浮竹は、京楽を放置して館に戻り、暖炉に牧をくべて暖をとるのであった。
血と聖水と名において15
血の帝国ブラッディアに滞在中、浮竹は実の父のレイモンドと会ってしまった。
何も言えないでいる浮竹に、レイモンドはその顎に手をかけて上を向かせる。
「ますます、母であるブリュンヒルデに似てきたな」
「父様」
「皇帝になれ、ソアラ。いや、今は浮竹十四郎だったか」
「お断りいたします」
「ふふ、そう言うと思って、呪いをかけておいた。三年以内に皇帝にならねば、お前の愛しい花嫁、京楽春水は呪いで狂い死ぬ」
「なんてことを!」
浮竹は、実の父を殴ろうとして、抱きしめられていた。
「ソアラ。皇帝になり、ブリュンヒルデを蘇らせろ」
「呪いの解呪は!?」
「できない。悪魔王ディアブロの呪いだ。解呪方法などない。ただ、お前がおとなしくブラッディアの皇帝となり、愛しい妻で花嫁であるブリュンヒルデを、命の神ライフに生贄を捧げて蘇らせればいい。その後は、皇帝をやめてもかまわん」
「父様は狂ってる。母様は死んだのに」
「お前がライフの精霊、いや、神を使役できるからだ。命の神は死者さえ蘇らせる。なに、生贄など罪を言いわたされたヴァンパイアロードを五人ほど捧げればいい」
浮竹は、それ以上レイモンドと一緒にいたくなくて、赤の館のレイモンドの屋敷を京楽と一緒に飛び出して、自分の館として与えられた緑の館に帰る。
「まいったねぇ。解呪できない死の呪い、かけられちゃったのか」
「三年の猶予がある。その間にでも解呪がだめなら、俺はブラッディアの皇帝になる。京楽、お前を失いたくない」
「うん。仕方ないね」
「すまない。お前まで巻き込んでしまって」
「何言ってるの。ボクは君の花嫁で契約者でしょ」
「ああ。アホの子で変態だがな」
「酷い!」
しくしくと泣きだす京楽の手には、ハンカチ代わりの浮竹のパンツがあった。
「これだから、変態でアホの子なんだ」
「変態は認めるけど、なんでアホの子なの?」
京楽は、前から疑問に思っていたことを口にする。
「空気を読まないからだ。お前、父であるレイモンドの背後で尻文字でアホとかやってただろ」
「ばれてた!?」
「ばれるわ、ぼけ。レイモンドは気づいていなかったようだが。気づいていたら、死ななくても燃やされていたぞ」
「うわぁ、悪魔王ディアブロの名を冠するヴァンパイアマスターの炎、ちょっと味わってみたかったかも」
「そういうところも、アホの所以だ」
「えへへへ、そんなに褒めないでよ」
「褒めとらんわ、だアホ!」
浮竹は京楽をハリセンで殴り、レイモンドの執事に帰るということを伝えて、ウィキティへの転移魔法陣で帰ってきた。
「ああ、久しぶりの我が家だ」
「浮竹がさらわれた時、荒らされたのまだ完全に直してないからね。建物を壊すとか、どんだけアホなんだろね」
「アホのお前にアホ呼ばわりされたら、死んだとはいえS級ヴァンパイアハンターたちも成仏できないだろうな。さまよい出てきて、お前の肩に・・・・・」
「ひいいい、やめてよ!ボク、怖い心霊系はだめなんだよ」
「知ってる。今度、知り合いに頼んで心霊写真手に入れて見せてやろう」
「やーめーてー」
浮竹は、くすりと笑った。
「あ、浮竹、ブラッディアに旅立って滞在して帰ってきて、やっと笑ったね。もう二週間は強張った顔してたよ?」
「そうだな。ブラッディアまでいくのもうつだったし、滞在中もうつだった」
「今日は、ピザを作ろう。君の好きなシーフードの」
「ああ、今から楽しみだ」
浮竹は、京楽と共に仮眠した。血の帝国ブラッディアと外の世界は24時間時間が違う。
入ってでたら、それだけで1日が経っている。
『宿借りにきたよー』
「あ、パートナードラゴンの京楽じゃないか。久しぶりだな」
『あ、ヴァンピールの浮竹!ここ最近留守にしてたみたいだけど、宿を借りるのに何度か館に勝手に泊まらせてもらったよ?』
「ああ、かまわない」
『ヴァンピールの俺、浮かない顔だな?』
「実は、父のレイモンドに・・・・」
事情を説明すると、パートナードラゴンの京楽は、解呪方法があるかもしれないと言っていた。
『ちょっと時間かかるけど、解呪方法探せそうなんだ。期限は三年だよね?』
「ああ」
『その間に、なんとかしてみようと思う』
「頼む。ブラッディアの皇帝になると、父は母を蘇らせたらすぐ退位していいというんだが、そう簡単に退位できないのが皇帝というものだ」
浮竹は困った顔をしていた。
『大変だな、ヴァンピールの俺』
「母を蘇らすのには、一度失敗しているんだ。今度も多分失敗する。ライフの神は、死者の蘇りを禁呪にしているからな。死んだ者をすぐに蘇生なら、生贄なしでもできるが。体に破損がない限りは」
『そもそも、ライフの精霊と契約切っちゃえば?』
「治癒に使うから、絶対に必要なんだ。ヴァンパイアハンターをしていると、生死の境をさまようケガをする時もあるからな」
『ライフの神、呼び出せる?』
「ああ、できるが」
『ちょっと呼んでみて』
パートナードラゴンの京楽に言われて、浮竹はライフを召喚する、
「ライフよ、顕現せよ」
『やっぱり。この精霊というか神、この世界の者じゃないね』
半透明な、シルフのような乙女の姿のライフは、くすりと笑ってパートナードラゴンの京楽の周囲を舞い踊ってから、元の世界に帰ってしまった」
「どういうことだ?」
『ん。ボクは、この世界のドラゴンではないからね。そういうの、分かるんだ』
『京楽がどの世界のドラゴンでも、京楽は京楽だ』
ドラゴンサモナーの浮竹は、ちびドラゴン姿のパートナードラゴンの京楽を抱き上げる。
「異界関連なら、呪いの解呪方法があるかもしれないってことか」
『そういうことだね』
問題の京楽は、こしみの姿でサンバを踊っていたので、とりあれずハリセンで床に沈めておいた。
「今日は、この変態のアホがピザを作ってくれるんだ。よかったら、食べていけ」
『うん、そうするよ』
『世話になる』
アホの変態は、今度はふんどし姿でソーラン節を踊っていた。
つっこんだら負けだろうと思ったが、しつこかったので、ハリセンで仕留めた。
「くくくく。ぽろりしちゃた♡」
「ぎゃああああ!股間隠せえええ」
「顔隠すね?」
そんなやりとりをする二人を見ながら、パードナードラゴンの京楽とドラゴンサモナーの浮竹は、紅茶を飲んでクッキーを食べて、見なかったことにして寛ぐのであった。
何も言えないでいる浮竹に、レイモンドはその顎に手をかけて上を向かせる。
「ますます、母であるブリュンヒルデに似てきたな」
「父様」
「皇帝になれ、ソアラ。いや、今は浮竹十四郎だったか」
「お断りいたします」
「ふふ、そう言うと思って、呪いをかけておいた。三年以内に皇帝にならねば、お前の愛しい花嫁、京楽春水は呪いで狂い死ぬ」
「なんてことを!」
浮竹は、実の父を殴ろうとして、抱きしめられていた。
「ソアラ。皇帝になり、ブリュンヒルデを蘇らせろ」
「呪いの解呪は!?」
「できない。悪魔王ディアブロの呪いだ。解呪方法などない。ただ、お前がおとなしくブラッディアの皇帝となり、愛しい妻で花嫁であるブリュンヒルデを、命の神ライフに生贄を捧げて蘇らせればいい。その後は、皇帝をやめてもかまわん」
「父様は狂ってる。母様は死んだのに」
「お前がライフの精霊、いや、神を使役できるからだ。命の神は死者さえ蘇らせる。なに、生贄など罪を言いわたされたヴァンパイアロードを五人ほど捧げればいい」
浮竹は、それ以上レイモンドと一緒にいたくなくて、赤の館のレイモンドの屋敷を京楽と一緒に飛び出して、自分の館として与えられた緑の館に帰る。
「まいったねぇ。解呪できない死の呪い、かけられちゃったのか」
「三年の猶予がある。その間にでも解呪がだめなら、俺はブラッディアの皇帝になる。京楽、お前を失いたくない」
「うん。仕方ないね」
「すまない。お前まで巻き込んでしまって」
「何言ってるの。ボクは君の花嫁で契約者でしょ」
「ああ。アホの子で変態だがな」
「酷い!」
しくしくと泣きだす京楽の手には、ハンカチ代わりの浮竹のパンツがあった。
「これだから、変態でアホの子なんだ」
「変態は認めるけど、なんでアホの子なの?」
京楽は、前から疑問に思っていたことを口にする。
「空気を読まないからだ。お前、父であるレイモンドの背後で尻文字でアホとかやってただろ」
「ばれてた!?」
「ばれるわ、ぼけ。レイモンドは気づいていなかったようだが。気づいていたら、死ななくても燃やされていたぞ」
「うわぁ、悪魔王ディアブロの名を冠するヴァンパイアマスターの炎、ちょっと味わってみたかったかも」
「そういうところも、アホの所以だ」
「えへへへ、そんなに褒めないでよ」
「褒めとらんわ、だアホ!」
浮竹は京楽をハリセンで殴り、レイモンドの執事に帰るということを伝えて、ウィキティへの転移魔法陣で帰ってきた。
「ああ、久しぶりの我が家だ」
「浮竹がさらわれた時、荒らされたのまだ完全に直してないからね。建物を壊すとか、どんだけアホなんだろね」
「アホのお前にアホ呼ばわりされたら、死んだとはいえS級ヴァンパイアハンターたちも成仏できないだろうな。さまよい出てきて、お前の肩に・・・・・」
「ひいいい、やめてよ!ボク、怖い心霊系はだめなんだよ」
「知ってる。今度、知り合いに頼んで心霊写真手に入れて見せてやろう」
「やーめーてー」
浮竹は、くすりと笑った。
「あ、浮竹、ブラッディアに旅立って滞在して帰ってきて、やっと笑ったね。もう二週間は強張った顔してたよ?」
「そうだな。ブラッディアまでいくのもうつだったし、滞在中もうつだった」
「今日は、ピザを作ろう。君の好きなシーフードの」
「ああ、今から楽しみだ」
浮竹は、京楽と共に仮眠した。血の帝国ブラッディアと外の世界は24時間時間が違う。
入ってでたら、それだけで1日が経っている。
『宿借りにきたよー』
「あ、パートナードラゴンの京楽じゃないか。久しぶりだな」
『あ、ヴァンピールの浮竹!ここ最近留守にしてたみたいだけど、宿を借りるのに何度か館に勝手に泊まらせてもらったよ?』
「ああ、かまわない」
『ヴァンピールの俺、浮かない顔だな?』
「実は、父のレイモンドに・・・・」
事情を説明すると、パートナードラゴンの京楽は、解呪方法があるかもしれないと言っていた。
『ちょっと時間かかるけど、解呪方法探せそうなんだ。期限は三年だよね?』
「ああ」
『その間に、なんとかしてみようと思う』
「頼む。ブラッディアの皇帝になると、父は母を蘇らせたらすぐ退位していいというんだが、そう簡単に退位できないのが皇帝というものだ」
浮竹は困った顔をしていた。
『大変だな、ヴァンピールの俺』
「母を蘇らすのには、一度失敗しているんだ。今度も多分失敗する。ライフの神は、死者の蘇りを禁呪にしているからな。死んだ者をすぐに蘇生なら、生贄なしでもできるが。体に破損がない限りは」
『そもそも、ライフの精霊と契約切っちゃえば?』
「治癒に使うから、絶対に必要なんだ。ヴァンパイアハンターをしていると、生死の境をさまようケガをする時もあるからな」
『ライフの神、呼び出せる?』
「ああ、できるが」
『ちょっと呼んでみて』
パートナードラゴンの京楽に言われて、浮竹はライフを召喚する、
「ライフよ、顕現せよ」
『やっぱり。この精霊というか神、この世界の者じゃないね』
半透明な、シルフのような乙女の姿のライフは、くすりと笑ってパートナードラゴンの京楽の周囲を舞い踊ってから、元の世界に帰ってしまった」
「どういうことだ?」
『ん。ボクは、この世界のドラゴンではないからね。そういうの、分かるんだ』
『京楽がどの世界のドラゴンでも、京楽は京楽だ』
ドラゴンサモナーの浮竹は、ちびドラゴン姿のパートナードラゴンの京楽を抱き上げる。
「異界関連なら、呪いの解呪方法があるかもしれないってことか」
『そういうことだね』
問題の京楽は、こしみの姿でサンバを踊っていたので、とりあれずハリセンで床に沈めておいた。
「今日は、この変態のアホがピザを作ってくれるんだ。よかったら、食べていけ」
『うん、そうするよ』
『世話になる』
アホの変態は、今度はふんどし姿でソーラン節を踊っていた。
つっこんだら負けだろうと思ったが、しつこかったので、ハリセンで仕留めた。
「くくくく。ぽろりしちゃた♡」
「ぎゃああああ!股間隠せえええ」
「顔隠すね?」
そんなやりとりをする二人を見ながら、パードナードラゴンの京楽とドラゴンサモナーの浮竹は、紅茶を飲んでクッキーを食べて、見なかったことにして寛ぐのであった。
血と聖水と名において14
「何故、私の花嫁であることを拒絶する?」
「いやなものは、いやだからだ。花嫁にされた記憶は消されたが、一度お前の花嫁になってしまったのも事実だ。だが、幸福感などなかった。絶望感だけがあったのを、なんとなく覚えている」
京楽に、藍染にされたことの記憶を消してもらった浮竹であったが、自分の身に何が起こったのかは知っていた。
「私の花嫁になりたくないと?」
「当り前だ」
「ソアラ。神さえ使役できるお前の力があれば、私はブラッディアの皇帝となり、やがて神へと至る」
「妄想癖があるようだな。そんなことにはならない。お前が皇帝になるくらいなら、俺が皇帝になる!」
浮竹は、自分がブラッディア帝国の皇位継承者であることを、認めた。
「消えろ!」
浮竹が、フェニックスを召喚して藍染に向けると、藍染は渋い顔をしながら、フェニックスの業火に燃やされていく。
どうやら分身体のようで、灰さえ残らなかった。
「京楽、大丈夫か!?」
「うん。ちょっと、腹に大穴あいただけ」
「ライフ、顕現せよ!」
京楽は、体がヴァンパイア化しているので、腹に穴が開いたくらいでは死なないが、痛みは確実にある。
「そのライフって精霊、神でもあるんでしょ?」
「ああ。綺麗に治ったな」
「ライフってすごいね。その気になれば、死者さえ復活させれるんでしょう?」
「ああ。生贄が必要だがな」
「もしもの時は、ボクを生贄に・・・・・」
「しない。絶対に、そんなことしないし、そんなことにもさせない」
浮竹は涙をにじませて、京楽を抱きしめた。
「ライフで、父であるレイモンドは、奴隷を生贄に使って、俺に母様の蘇りを強制した。でも、生贄にされた奴隷が死んだだけで、母様は生き返らなかった。その後から、父は俺を疎ましく思うようになる時もあるし、目に入れても痛くないくらいかわいがる時もある、二面性を持つようになった・・・・・・・」
「うん」
「ライフの精霊を、自分で使役しようとしたんだ。その後遺症だ」
浮竹は、悲しそうな顔をした。
「そうなの。大変だったんだね」
「ああ。今も、俺に皇位継承権を与えたのは父だ」
「レイモンド・・・・・悪魔王ディアブロのレイモンド。数百年S級ヴァンパイアハンターたちを退けてきた、ヴァンパイアマスター」
「ああ」
浮竹は頷く。
「ボクも何度か戦ったことあるけど、全部引き分け」
「父と引き分けでいけるのがお前のすごいところだ」
「え、そうかな?」
京楽はデレデレして、むちゅーとキスをしようとしてくるのをハリセンではたいてから、浮竹と京楽はブラッディア帝国に入る。
「ソアラ様!」
レイモンドの執事が、駆け寄ってくる。
「ブラッディアにようこそおこしくださいました。館を用意してございます。皇帝候補の方一人につき、一つの館が与えられます」
「俺のくるかなり前に、黒崎一護というヴァンぽイアマスターが、朽木ルキアというメイドとこなかったか?」
「ああ、黒崎様ですね。青の館に滞在中でございます。ルキア様も、同じく」
「そうか。無事ならいいんだ」
浮竹は、京楽と共に安堵する。
「藍染様とレイモンド様は、時折館に泊まられますが、基本は外で活動しておいでです」
「俺も、そうなると思う。ずっと滞在はできない」
「そうでございますか。残念です。ソアラ様に与えられるのは、緑の館です。レイモンド様の子ということで、黒崎様や藍染様の館より、かなり豪華にしております。時折レイモンド様もお泊りになります」
「父に、会いたくない」
浮竹は、苦虫を嚙み潰したような表情になる。
「そのように、取り計らいましょう。レイモンド様のご帰還は、一週間後となっております」
「三日だけ滞在する」
「短いですね?」
「ひとまず、ブラッディアという帝国を見て回りたい」
「ボクも、興味あるな」
京楽がそう言うと、レイモンドの執事は眼鏡をくいっと手であげる。
「そちらが、花嫁の京楽春水様でございますね?」
「ああ」
「レイモンド様がおしゃっておりました。花嫁にさせたのは、失敗だったと」
「京楽、怒るなよ」
「怒らないよ。でも、レイモンドのお陰で君に出会えた。そのことは、感謝しているよ?」
「レイモンド様を呼び捨てとは!」
「いい。俺が許す」
「はい、生意気な口をきいてすみませんでした、ソアラ様」
執事に、緑の館を案内された。
王宮じゃないのかという豪華さだった。
「金、かけまくってるな」
「先代の皇帝ルキオラ様の離宮でもありましたから」
「ルキオラ皇帝って、確か美少女ばかりを花嫁にした好色のヴァンパイアマスターだよね。でも、子供はできなかった」
京楽が、うろ覚えの知識を出す。
「はい。一応、二人ほど御子は誕生なさいましたが、はやり病ですぐにお亡くなりになりました。ルキオラ様には子種がないと分かって、子を産んだ花嫁は断頭台の露に消えましたが」
「こわっ」
京楽は、浮竹が皇帝になってしまったらどうしようと、少し、いやかなり心配であった。
「京楽、心配しなくても俺は皇帝になんてならない。たとえなったとしても、あの館で一緒に暮らす」
「可能でございますよ?皇帝は権力の象徴であるだけ。統治は長老たちがなさっておいでです。帝国を覆う、ドーム状の日光をいれない結界を維持する、血液を注ぎ、魔力を特殊なオーブにありったけ注げば、それでよいのです。ですから、ソアラ様が皇帝になり、外の世界で生活して半年に一度ほど。ブラッディアに帰還して魔力の補填をするのであれば、外での生活も許されましょう。ただし、贅沢などはできませんが」
「贅沢なんかしない」
「レイモンド様は、金を湯水のように使いなさるんので、ソアラ様とは反対でございますね。こちらが寝室となっております。京楽様とお過ごしになるなら、この豪奢なベッドをお使いください。レイモンド様が、若かりし頃に使っていた、由緒正しき製作者が、特別に魔力を注いで作ったベッドとなっております」
「早い話が、お下がりってことだろう?」
「このベッド一つで、奴隷が百人は買えます」
「無駄に金かけてる。ブラッディアは、奴隷制度を廃止したんだろう?」
浮竹が怪訝そうな顔をする。
「それでも、人間やヴァンピールの底辺の者たちが奴隷として売買されております。ヴァンパイアと、戸籍のある人間の奴隷化は廃止されましたが、スラムに住む住民は戸籍がないため、奴隷として捕まれば売られていきます」
「変えたい。そんな帝国を」
「浮竹・・・・・」
京楽が、浮竹の手を握る。
「ならば、皇帝になられるとよいでしょう。皇帝の案であれば、通りましょうぞ」
「父がなればいい。父に、進言する」
「それは無理でございましょう、ソアラ様。レイモンド様は、ソアラ様を皇帝に立候補なさっておいでです」
「なんだって!」
「ああ、言っておりませんでしたか」
レイモンドが、ソアラこと浮竹を駒にするために、皇帝になることを推しているのだとは、まだほとんどの者が知らない。
「皇帝になれば、相応の力を得ます。ソアラ様の母君、ブリュンヒルデ様の蘇生を、レイモンド様は願っておいでです。どうか、命の神ライフを大切にしてください」
「ライフは、死者を蘇らすのに生贄を。たくさんの命を必要とする」
「それならば、ヴァンパイアロードの罪人を数人ささげるだけですみましょう」
「俺は、嫌だからな!絶対に、皇帝になったりしない」
「それは、分かりませんよ?」
執事は、何かいいたげであったが、口をつむぐ。
まさか、皇帝にならばければ、京楽の命の灯が危ういなど、その時の浮竹は知らなかった。
「いやなものは、いやだからだ。花嫁にされた記憶は消されたが、一度お前の花嫁になってしまったのも事実だ。だが、幸福感などなかった。絶望感だけがあったのを、なんとなく覚えている」
京楽に、藍染にされたことの記憶を消してもらった浮竹であったが、自分の身に何が起こったのかは知っていた。
「私の花嫁になりたくないと?」
「当り前だ」
「ソアラ。神さえ使役できるお前の力があれば、私はブラッディアの皇帝となり、やがて神へと至る」
「妄想癖があるようだな。そんなことにはならない。お前が皇帝になるくらいなら、俺が皇帝になる!」
浮竹は、自分がブラッディア帝国の皇位継承者であることを、認めた。
「消えろ!」
浮竹が、フェニックスを召喚して藍染に向けると、藍染は渋い顔をしながら、フェニックスの業火に燃やされていく。
どうやら分身体のようで、灰さえ残らなかった。
「京楽、大丈夫か!?」
「うん。ちょっと、腹に大穴あいただけ」
「ライフ、顕現せよ!」
京楽は、体がヴァンパイア化しているので、腹に穴が開いたくらいでは死なないが、痛みは確実にある。
「そのライフって精霊、神でもあるんでしょ?」
「ああ。綺麗に治ったな」
「ライフってすごいね。その気になれば、死者さえ復活させれるんでしょう?」
「ああ。生贄が必要だがな」
「もしもの時は、ボクを生贄に・・・・・」
「しない。絶対に、そんなことしないし、そんなことにもさせない」
浮竹は涙をにじませて、京楽を抱きしめた。
「ライフで、父であるレイモンドは、奴隷を生贄に使って、俺に母様の蘇りを強制した。でも、生贄にされた奴隷が死んだだけで、母様は生き返らなかった。その後から、父は俺を疎ましく思うようになる時もあるし、目に入れても痛くないくらいかわいがる時もある、二面性を持つようになった・・・・・・・」
「うん」
「ライフの精霊を、自分で使役しようとしたんだ。その後遺症だ」
浮竹は、悲しそうな顔をした。
「そうなの。大変だったんだね」
「ああ。今も、俺に皇位継承権を与えたのは父だ」
「レイモンド・・・・・悪魔王ディアブロのレイモンド。数百年S級ヴァンパイアハンターたちを退けてきた、ヴァンパイアマスター」
「ああ」
浮竹は頷く。
「ボクも何度か戦ったことあるけど、全部引き分け」
「父と引き分けでいけるのがお前のすごいところだ」
「え、そうかな?」
京楽はデレデレして、むちゅーとキスをしようとしてくるのをハリセンではたいてから、浮竹と京楽はブラッディア帝国に入る。
「ソアラ様!」
レイモンドの執事が、駆け寄ってくる。
「ブラッディアにようこそおこしくださいました。館を用意してございます。皇帝候補の方一人につき、一つの館が与えられます」
「俺のくるかなり前に、黒崎一護というヴァンぽイアマスターが、朽木ルキアというメイドとこなかったか?」
「ああ、黒崎様ですね。青の館に滞在中でございます。ルキア様も、同じく」
「そうか。無事ならいいんだ」
浮竹は、京楽と共に安堵する。
「藍染様とレイモンド様は、時折館に泊まられますが、基本は外で活動しておいでです」
「俺も、そうなると思う。ずっと滞在はできない」
「そうでございますか。残念です。ソアラ様に与えられるのは、緑の館です。レイモンド様の子ということで、黒崎様や藍染様の館より、かなり豪華にしております。時折レイモンド様もお泊りになります」
「父に、会いたくない」
浮竹は、苦虫を嚙み潰したような表情になる。
「そのように、取り計らいましょう。レイモンド様のご帰還は、一週間後となっております」
「三日だけ滞在する」
「短いですね?」
「ひとまず、ブラッディアという帝国を見て回りたい」
「ボクも、興味あるな」
京楽がそう言うと、レイモンドの執事は眼鏡をくいっと手であげる。
「そちらが、花嫁の京楽春水様でございますね?」
「ああ」
「レイモンド様がおしゃっておりました。花嫁にさせたのは、失敗だったと」
「京楽、怒るなよ」
「怒らないよ。でも、レイモンドのお陰で君に出会えた。そのことは、感謝しているよ?」
「レイモンド様を呼び捨てとは!」
「いい。俺が許す」
「はい、生意気な口をきいてすみませんでした、ソアラ様」
執事に、緑の館を案内された。
王宮じゃないのかという豪華さだった。
「金、かけまくってるな」
「先代の皇帝ルキオラ様の離宮でもありましたから」
「ルキオラ皇帝って、確か美少女ばかりを花嫁にした好色のヴァンパイアマスターだよね。でも、子供はできなかった」
京楽が、うろ覚えの知識を出す。
「はい。一応、二人ほど御子は誕生なさいましたが、はやり病ですぐにお亡くなりになりました。ルキオラ様には子種がないと分かって、子を産んだ花嫁は断頭台の露に消えましたが」
「こわっ」
京楽は、浮竹が皇帝になってしまったらどうしようと、少し、いやかなり心配であった。
「京楽、心配しなくても俺は皇帝になんてならない。たとえなったとしても、あの館で一緒に暮らす」
「可能でございますよ?皇帝は権力の象徴であるだけ。統治は長老たちがなさっておいでです。帝国を覆う、ドーム状の日光をいれない結界を維持する、血液を注ぎ、魔力を特殊なオーブにありったけ注げば、それでよいのです。ですから、ソアラ様が皇帝になり、外の世界で生活して半年に一度ほど。ブラッディアに帰還して魔力の補填をするのであれば、外での生活も許されましょう。ただし、贅沢などはできませんが」
「贅沢なんかしない」
「レイモンド様は、金を湯水のように使いなさるんので、ソアラ様とは反対でございますね。こちらが寝室となっております。京楽様とお過ごしになるなら、この豪奢なベッドをお使いください。レイモンド様が、若かりし頃に使っていた、由緒正しき製作者が、特別に魔力を注いで作ったベッドとなっております」
「早い話が、お下がりってことだろう?」
「このベッド一つで、奴隷が百人は買えます」
「無駄に金かけてる。ブラッディアは、奴隷制度を廃止したんだろう?」
浮竹が怪訝そうな顔をする。
「それでも、人間やヴァンピールの底辺の者たちが奴隷として売買されております。ヴァンパイアと、戸籍のある人間の奴隷化は廃止されましたが、スラムに住む住民は戸籍がないため、奴隷として捕まれば売られていきます」
「変えたい。そんな帝国を」
「浮竹・・・・・」
京楽が、浮竹の手を握る。
「ならば、皇帝になられるとよいでしょう。皇帝の案であれば、通りましょうぞ」
「父がなればいい。父に、進言する」
「それは無理でございましょう、ソアラ様。レイモンド様は、ソアラ様を皇帝に立候補なさっておいでです」
「なんだって!」
「ああ、言っておりませんでしたか」
レイモンドが、ソアラこと浮竹を駒にするために、皇帝になることを推しているのだとは、まだほとんどの者が知らない。
「皇帝になれば、相応の力を得ます。ソアラ様の母君、ブリュンヒルデ様の蘇生を、レイモンド様は願っておいでです。どうか、命の神ライフを大切にしてください」
「ライフは、死者を蘇らすのに生贄を。たくさんの命を必要とする」
「それならば、ヴァンパイアロードの罪人を数人ささげるだけですみましょう」
「俺は、嫌だからな!絶対に、皇帝になったりしない」
「それは、分かりませんよ?」
執事は、何かいいたげであったが、口をつむぐ。
まさか、皇帝にならばければ、京楽の命の灯が危ういなど、その時の浮竹は知らなかった。
血と聖水と名において13
「浮竹、いいものあげる」
「なんだ?」
るんるん気分の京楽が、綺麗にラッピングされた箱をもってきた。
中身は少し軽い。
「いいものだよ」
「ああ、もらう」
アクセサリーの類かと思っていたら、中に入っていたのはもじゃもじゃの毛だった。
「うふふ、ボクの胸毛♡」
「いるかこんなものおおおおお!!」
京楽の顔面に、箱を投げ返す。
「酷い!ボクの胸毛2か月分なんだよ!」
「気持ち悪いわ!変なものよこすな!」
「ははぁ、さては下の毛がよかったんだね。今から・・・・」
「死ね」
浮竹は、京楽はをハリセンでぼこぼこにした。
「う、冗談だったのに。毛を取り除いて箱の奥を見てごらん」
言われた通りにすると、翡翠の髪留めがあった。
「これは・・・綺麗だな。でも、値段が高そうだ」
「ボクも一応S級ヴァンパイアハンターだからね。この前ソロでヴァンパイアロード狩った報酬金で買ったの」
「あ、ありがとう。う、嬉しいなんて別に思っていないんだからな!」
「きたーーー、浮竹のツンデレ。かわいいいいい」
「う、うるさい」
そこで、ピンポーンとチャイムが鳴った。
「誰だろう」
「あ、ボクが出るから!もしも、また藍染関係だとやばいからね」
浮竹は、二週間ほど前に藍染に犯されて、無理やり花嫁にされて、それを同じ花嫁である京楽とまじりあうことで、花嫁でなくなった。
藍染の手下が2回ほどきたが、返り討ちにして殺した。
『元気か、ヴァンピールの俺』
「あ、ドラゴンサモナーの俺!」
『すまん、洗面所を貸してくれないか。手が血で濡れて気持ち悪い』
「誰か、殺したのか?」
浮竹が、不安げにドラゴンサモナーの浮竹を見る。
『何、お前に害をなそうとしたS級ヴァンパイアハンターの首をはねとばして火で完全に塵にしただけだ』
『浮竹ってば、君をさらおうとしてたらしいS級ヴァンパイアハンターを二人殺しちゃったの。注意したんだけどね、問題ないって聞かなくて』
「そうか・・・・あの二人を殺したんだな。俺は気にしない」
『ヴァンピールの俺ならそう言うと思った・・・・一度、誰かの花嫁にされたのか?首に、うっすらと痕がある』
「ああ、藍染に無理やり・・・・」
『藍染か。俺の力で殺せるかな?』
「藍染は不老不死に限りなく近いヴァンパイアマスターだ。普通の方法では殺せない」
『そうなのか』
ドラゴンサモナーの浮竹は、残念そうな顔をする。
「あ、ドラゴンサモナーの浮竹、これあげる!」
『なんだ?』
『何もらったの?』
パートナードラゴンのちびドラゴンの姿の京楽も、綺麗にラッピングされた箱の中身を見る。
「ボクのギャランドゥの毛」
『いるか、こんなものおおおおお!!』
浮竹と同じ反応をする。
違うのは、毛だけ燃やして、ついでに京楽も燃やした。
『ボクの浮竹に変なものあげないで!』
パートナードラゴンの京楽も、火のブレスで京楽を燃やす。
「あははは、いい火加減」
京楽は、アフロになりながらも体は燃えない。手加減されているし、京楽はもうほとんど体の構造がヴァンパイアに近くなっているせいで、炎なんてききやしない。
『あははは、アフロになってる』
パートナードラゴンの浮竹は、おかしそうに笑う。
『本当に渡したかったのはこっちか』
今の浮竹が髪に飾っている髪留めの翡翠と対になるような、ブルーサファイアの髪留めが箱の奥に入っていた。
『ありがとう。大切にする』
「うん。それなりの品物だよ。けっこうお金かかってるから、なくしたり、盗まれたりしないように気をつけてね」
『ボクの浮竹なら、大丈夫だよ』
「そうだね」
「京楽、服を脱げ」
突然、浮竹がそんなこと言いだした。
「ええ!こんなところでしっぽりのお誘い!?」
「違う、だアホ!」
おとなしく上半身裸になり、下半身も躊躇なく裸になりそうなのを慌てて止める。
「え、フルチンじゃなくていいの?」
「誰もそこまで脱げとは言ってない!」
くすくすと、そんな二人をドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽が笑う。
浮竹は、綺麗になくなった京楽の胸毛とギャランドゥを見て、溜息をこぼす。
「ライフよ、顕現せよ」
浮竹だけ使える、命の精霊ライフに、京楽の胸毛とギャランドゥをしばらくはえてこないようにお願いした。
「ちょっと!ボクの胸毛がはえてこなくなるうううう」
「こんなことに使うなら、永遠にはえてこんでいいわあああ」
「酷いいいいいい」
「この愚か者があああああ」
『なんだかんだって、仲いいね?』
『そりゃ、花嫁だからな?多分』
ドラゴンサモナーの浮竹は、勝手に紅茶をいれて飲んでいた。浅い皿にいれて、パートナードラゴンである京楽にも飲めれるようにする。
冷蔵庫を漁ると、大粒の苺があった。
それを、二人は食べる。
「あ、夕飯後の楽しみに残しておいた苺なのに。まぁいいか。ライフに頼んで、同じものをはやしてもらって収穫しよう」
ライフの精霊。
別名、命の神。
精霊でありながら、同時に神である。浮竹は、神さえ使役する。
四人は、和やかにお茶をしていたのだが、一向に燃え尽きない京楽のギャランドゥの毛を見て、浮竹が質問する。
「あれは、いつ燃え終わるんだ?」
「ん、ボクのギャランドゥは特別でね。火をつけても長時間それを維持するんだよ。冒険者してた時、よく松明代わりにしてたなぁ」
「汚らわしい松明だな」
「酷い!」
ちなみに、京楽はまだアフロだった。ライフの精霊に元に戻せと言っていなかったので。
「ボク、いつまでアフロなの?」
「一週間」
「びえええええん。ボクの美貌がああああ」
「自分で言うな!ナルシストか、お前は!」
「いえ、ただの変態です」
「たいへんだ、へんたいだ」
げらげらと、パートナードラゴンの京楽が笑い、ドラゴンサモナーの浮竹も腹を抱えて笑っていた。
変態でアホな子の京楽は、涙を浮竹のパンツでぬぐった。
「また俺のパンツを!」
「いやあああ、とりあげないで!ボクのコレクションがあああ」
「没収だ、没収」
「酷いいいいいい」
ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽は、夕飯をごちそうになってから、元いた町の宿屋に戻っていくのであった。
「なんだ?」
るんるん気分の京楽が、綺麗にラッピングされた箱をもってきた。
中身は少し軽い。
「いいものだよ」
「ああ、もらう」
アクセサリーの類かと思っていたら、中に入っていたのはもじゃもじゃの毛だった。
「うふふ、ボクの胸毛♡」
「いるかこんなものおおおおお!!」
京楽の顔面に、箱を投げ返す。
「酷い!ボクの胸毛2か月分なんだよ!」
「気持ち悪いわ!変なものよこすな!」
「ははぁ、さては下の毛がよかったんだね。今から・・・・」
「死ね」
浮竹は、京楽はをハリセンでぼこぼこにした。
「う、冗談だったのに。毛を取り除いて箱の奥を見てごらん」
言われた通りにすると、翡翠の髪留めがあった。
「これは・・・綺麗だな。でも、値段が高そうだ」
「ボクも一応S級ヴァンパイアハンターだからね。この前ソロでヴァンパイアロード狩った報酬金で買ったの」
「あ、ありがとう。う、嬉しいなんて別に思っていないんだからな!」
「きたーーー、浮竹のツンデレ。かわいいいいい」
「う、うるさい」
そこで、ピンポーンとチャイムが鳴った。
「誰だろう」
「あ、ボクが出るから!もしも、また藍染関係だとやばいからね」
浮竹は、二週間ほど前に藍染に犯されて、無理やり花嫁にされて、それを同じ花嫁である京楽とまじりあうことで、花嫁でなくなった。
藍染の手下が2回ほどきたが、返り討ちにして殺した。
『元気か、ヴァンピールの俺』
「あ、ドラゴンサモナーの俺!」
『すまん、洗面所を貸してくれないか。手が血で濡れて気持ち悪い』
「誰か、殺したのか?」
浮竹が、不安げにドラゴンサモナーの浮竹を見る。
『何、お前に害をなそうとしたS級ヴァンパイアハンターの首をはねとばして火で完全に塵にしただけだ』
『浮竹ってば、君をさらおうとしてたらしいS級ヴァンパイアハンターを二人殺しちゃったの。注意したんだけどね、問題ないって聞かなくて』
「そうか・・・・あの二人を殺したんだな。俺は気にしない」
『ヴァンピールの俺ならそう言うと思った・・・・一度、誰かの花嫁にされたのか?首に、うっすらと痕がある』
「ああ、藍染に無理やり・・・・」
『藍染か。俺の力で殺せるかな?』
「藍染は不老不死に限りなく近いヴァンパイアマスターだ。普通の方法では殺せない」
『そうなのか』
ドラゴンサモナーの浮竹は、残念そうな顔をする。
「あ、ドラゴンサモナーの浮竹、これあげる!」
『なんだ?』
『何もらったの?』
パートナードラゴンのちびドラゴンの姿の京楽も、綺麗にラッピングされた箱の中身を見る。
「ボクのギャランドゥの毛」
『いるか、こんなものおおおおお!!』
浮竹と同じ反応をする。
違うのは、毛だけ燃やして、ついでに京楽も燃やした。
『ボクの浮竹に変なものあげないで!』
パートナードラゴンの京楽も、火のブレスで京楽を燃やす。
「あははは、いい火加減」
京楽は、アフロになりながらも体は燃えない。手加減されているし、京楽はもうほとんど体の構造がヴァンパイアに近くなっているせいで、炎なんてききやしない。
『あははは、アフロになってる』
パートナードラゴンの浮竹は、おかしそうに笑う。
『本当に渡したかったのはこっちか』
今の浮竹が髪に飾っている髪留めの翡翠と対になるような、ブルーサファイアの髪留めが箱の奥に入っていた。
『ありがとう。大切にする』
「うん。それなりの品物だよ。けっこうお金かかってるから、なくしたり、盗まれたりしないように気をつけてね」
『ボクの浮竹なら、大丈夫だよ』
「そうだね」
「京楽、服を脱げ」
突然、浮竹がそんなこと言いだした。
「ええ!こんなところでしっぽりのお誘い!?」
「違う、だアホ!」
おとなしく上半身裸になり、下半身も躊躇なく裸になりそうなのを慌てて止める。
「え、フルチンじゃなくていいの?」
「誰もそこまで脱げとは言ってない!」
くすくすと、そんな二人をドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽が笑う。
浮竹は、綺麗になくなった京楽の胸毛とギャランドゥを見て、溜息をこぼす。
「ライフよ、顕現せよ」
浮竹だけ使える、命の精霊ライフに、京楽の胸毛とギャランドゥをしばらくはえてこないようにお願いした。
「ちょっと!ボクの胸毛がはえてこなくなるうううう」
「こんなことに使うなら、永遠にはえてこんでいいわあああ」
「酷いいいいいい」
「この愚か者があああああ」
『なんだかんだって、仲いいね?』
『そりゃ、花嫁だからな?多分』
ドラゴンサモナーの浮竹は、勝手に紅茶をいれて飲んでいた。浅い皿にいれて、パートナードラゴンである京楽にも飲めれるようにする。
冷蔵庫を漁ると、大粒の苺があった。
それを、二人は食べる。
「あ、夕飯後の楽しみに残しておいた苺なのに。まぁいいか。ライフに頼んで、同じものをはやしてもらって収穫しよう」
ライフの精霊。
別名、命の神。
精霊でありながら、同時に神である。浮竹は、神さえ使役する。
四人は、和やかにお茶をしていたのだが、一向に燃え尽きない京楽のギャランドゥの毛を見て、浮竹が質問する。
「あれは、いつ燃え終わるんだ?」
「ん、ボクのギャランドゥは特別でね。火をつけても長時間それを維持するんだよ。冒険者してた時、よく松明代わりにしてたなぁ」
「汚らわしい松明だな」
「酷い!」
ちなみに、京楽はまだアフロだった。ライフの精霊に元に戻せと言っていなかったので。
「ボク、いつまでアフロなの?」
「一週間」
「びえええええん。ボクの美貌がああああ」
「自分で言うな!ナルシストか、お前は!」
「いえ、ただの変態です」
「たいへんだ、へんたいだ」
げらげらと、パートナードラゴンの京楽が笑い、ドラゴンサモナーの浮竹も腹を抱えて笑っていた。
変態でアホな子の京楽は、涙を浮竹のパンツでぬぐった。
「また俺のパンツを!」
「いやあああ、とりあげないで!ボクのコレクションがあああ」
「没収だ、没収」
「酷いいいいいい」
ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽は、夕飯をごちそうになってから、元いた町の宿屋に戻っていくのであった。
血と聖水と名において12
「へへ、藍染のご所望のソアラこと浮竹を生きて連れてきたぞ」
「約束の、報酬の5倍をもらおうか」
「愚かなる人間の割には使えるな。ほら、星白金貨だ。好きなだけもっていけ」
藍染は、眠る浮竹をベッドに寝かした。
「ひゃっほう、これで超大金もちだ!」
「行こうぜ。藍染はやべぇ。気が変わる前におさらばしようぜ」
「そうだな」
S級ヴァンパイアハンターの二人は、藍染の秘密のあじとから出ると、帰路につこうとした。
そこに、フェンリルに乗った京楽が現れる。
「浮竹はどこ!」
「ちっ、夜叉の京楽か。浮竹は藍染の家にいる。今頃、花嫁にされてるんじゃないか」
「浮竹ーーー!!!」
浮竹は、藍染に犯された。
無理やり花嫁にされた。
そこへ、京楽が乗り込んでくる。
「浮竹を返せ!」
「残念ながら、ソアラは私の花嫁になった。契ったよ」
「京楽、俺を殺してくれ・・・・・・・」
浮竹は、絶望で涙を流していた。
「殺さない!絶対に、元に戻る方法見つけるから!」
「おもしろい。ソアラを返そう。まぁ、最終的には私の花嫁として帰ってくるだろうがな」
「京楽、俺は・・・・・」
「何も言わなくていいよ。館に帰って、お風呂にはいろ?」
「うん」
浮竹の首には、藍染の所有物の証である薔薇のいばらのタトゥーが浮かんでいた。
館に戻ると、まずは浮竹と湯あみをした。
藍染のキスマークの残る体を洗っていく。
「京楽、抱いてくれ」
「いいの?」
「花嫁同士が契りあうと、特別な力を得るという。今は、それにかけたい」
「はぁん、もっと奥う」
「浮竹、奥好きだね?」
「あああ、もっと奥に」
浮竹と京楽は、ヴァンパイアの花嫁同士で契りあう。
「奥に、いっぱい注いであげるね?」
「藍染の花嫁になるくらいなら、死んでやる」
「花嫁をやめる方法はあるはずだよ。実際、花嫁として誘拐された少女が元の普通の人間に戻ったって聞いたことあるし」
京楽は、浮竹の奥をつきあげながら、奥に直接精液を注ぎ込む。
すると、浮竹の藍染の所有物の証である首の薔薇のいばらのタトゥーが薄くなっていく。
「ああん、もっとおおお」
「淫乱な浮竹も大好きだよ」
久しぶりなので、京楽は優しく抱いた。
浮竹が意識を失う頃には、ばらのいばらのタトゥーはほとんど気てえいた。
「そうか。花嫁同士で契ることで、花嫁ではなくなるんだね。藍染も知らなかったみたいだし、浮竹には悪いけど、藍染にされたことの記憶を消すよ」
京楽は、魔法は使えないが、魔法のスクロールは使えた。
倉庫から漁りだした、記憶消去のスクロールを使って、誘拐されたこと自体をなかったことにした。
「ん・・・・京楽、俺は?何か、大切なことを忘れている気がする」
「忘れてていいんだよ。無断だけど、記憶消去のスクロールを使ったよ。そうしないと、浮竹が悲しみの絶望から抜け出せないから」
「そうか。俺の身に、何かあったんだな」
「思い出せないよ?」
「ああ。消去されるほどの記憶なら、思い出したくもない」
その日の夜、浮竹と京楽はまた契った。
そこには、アホで変態の居楽はいなかった。ただ、愛して純粋に優しく、浮竹の言うことを聞いてくれる京楽はがいた。
「ひああああ、いっちゃううう」
「何度でもいっていいよ?」
「やだあああ。京楽と、一緒がいい」
「じゃあ、一緒にいこうか」
「ひあああん、いくうううう」
「ボクも、浮竹の胎の奥に出すからね」
ドクドクと精液を浮竹の奥に注ぎこみ、浮竹と京楽はしっぽりしていた。
「あああ、頭が真っ白になって、おかしくなるうう」
「それだけ気持ちいいってことでしょ?」
「やあああん」
「もっと、だね?」
京楽は、浮竹の奥を抉って突き上げる。
「んあああ、深いいいい」
「もっと深くにあげるからね?」
浮竹の足を肩に担ぎあげて、京楽は浮竹が泣いてもういらないと言っても、抱いた。
もう、完全に藍染に汚されたあとはなく、記憶もない。
京楽だけの、浮竹だった。
たとえ、藍染が現れても、記憶はもう戻らない。
京楽は、今度藍染が来たら戦うつもりであった、たとえ、敗北しようとも。
浮竹の力はとても貴重で強い。
使役魔使い、つまりは精霊使い’(エレメンタルマスター)だ。
藍染でなくても、欲しがるだろう。世界には何人かの精霊使いがいるが、浮竹は精霊の王でさえ召喚できる、稀有な存在であった。
「君は、ボクが守る。藍染からも、君の父親からも.愛しているよ、浮竹。ソアラ」
「約束の、報酬の5倍をもらおうか」
「愚かなる人間の割には使えるな。ほら、星白金貨だ。好きなだけもっていけ」
藍染は、眠る浮竹をベッドに寝かした。
「ひゃっほう、これで超大金もちだ!」
「行こうぜ。藍染はやべぇ。気が変わる前におさらばしようぜ」
「そうだな」
S級ヴァンパイアハンターの二人は、藍染の秘密のあじとから出ると、帰路につこうとした。
そこに、フェンリルに乗った京楽が現れる。
「浮竹はどこ!」
「ちっ、夜叉の京楽か。浮竹は藍染の家にいる。今頃、花嫁にされてるんじゃないか」
「浮竹ーーー!!!」
浮竹は、藍染に犯された。
無理やり花嫁にされた。
そこへ、京楽が乗り込んでくる。
「浮竹を返せ!」
「残念ながら、ソアラは私の花嫁になった。契ったよ」
「京楽、俺を殺してくれ・・・・・・・」
浮竹は、絶望で涙を流していた。
「殺さない!絶対に、元に戻る方法見つけるから!」
「おもしろい。ソアラを返そう。まぁ、最終的には私の花嫁として帰ってくるだろうがな」
「京楽、俺は・・・・・」
「何も言わなくていいよ。館に帰って、お風呂にはいろ?」
「うん」
浮竹の首には、藍染の所有物の証である薔薇のいばらのタトゥーが浮かんでいた。
館に戻ると、まずは浮竹と湯あみをした。
藍染のキスマークの残る体を洗っていく。
「京楽、抱いてくれ」
「いいの?」
「花嫁同士が契りあうと、特別な力を得るという。今は、それにかけたい」
「はぁん、もっと奥う」
「浮竹、奥好きだね?」
「あああ、もっと奥に」
浮竹と京楽は、ヴァンパイアの花嫁同士で契りあう。
「奥に、いっぱい注いであげるね?」
「藍染の花嫁になるくらいなら、死んでやる」
「花嫁をやめる方法はあるはずだよ。実際、花嫁として誘拐された少女が元の普通の人間に戻ったって聞いたことあるし」
京楽は、浮竹の奥をつきあげながら、奥に直接精液を注ぎ込む。
すると、浮竹の藍染の所有物の証である首の薔薇のいばらのタトゥーが薄くなっていく。
「ああん、もっとおおお」
「淫乱な浮竹も大好きだよ」
久しぶりなので、京楽は優しく抱いた。
浮竹が意識を失う頃には、ばらのいばらのタトゥーはほとんど気てえいた。
「そうか。花嫁同士で契ることで、花嫁ではなくなるんだね。藍染も知らなかったみたいだし、浮竹には悪いけど、藍染にされたことの記憶を消すよ」
京楽は、魔法は使えないが、魔法のスクロールは使えた。
倉庫から漁りだした、記憶消去のスクロールを使って、誘拐されたこと自体をなかったことにした。
「ん・・・・京楽、俺は?何か、大切なことを忘れている気がする」
「忘れてていいんだよ。無断だけど、記憶消去のスクロールを使ったよ。そうしないと、浮竹が悲しみの絶望から抜け出せないから」
「そうか。俺の身に、何かあったんだな」
「思い出せないよ?」
「ああ。消去されるほどの記憶なら、思い出したくもない」
その日の夜、浮竹と京楽はまた契った。
そこには、アホで変態の居楽はいなかった。ただ、愛して純粋に優しく、浮竹の言うことを聞いてくれる京楽はがいた。
「ひああああ、いっちゃううう」
「何度でもいっていいよ?」
「やだあああ。京楽と、一緒がいい」
「じゃあ、一緒にいこうか」
「ひあああん、いくうううう」
「ボクも、浮竹の胎の奥に出すからね」
ドクドクと精液を浮竹の奥に注ぎこみ、浮竹と京楽はしっぽりしていた。
「あああ、頭が真っ白になって、おかしくなるうう」
「それだけ気持ちいいってことでしょ?」
「やあああん」
「もっと、だね?」
京楽は、浮竹の奥を抉って突き上げる。
「んあああ、深いいいい」
「もっと深くにあげるからね?」
浮竹の足を肩に担ぎあげて、京楽は浮竹が泣いてもういらないと言っても、抱いた。
もう、完全に藍染に汚されたあとはなく、記憶もない。
京楽だけの、浮竹だった。
たとえ、藍染が現れても、記憶はもう戻らない。
京楽は、今度藍染が来たら戦うつもりであった、たとえ、敗北しようとも。
浮竹の力はとても貴重で強い。
使役魔使い、つまりは精霊使い’(エレメンタルマスター)だ。
藍染でなくても、欲しがるだろう。世界には何人かの精霊使いがいるが、浮竹は精霊の王でさえ召喚できる、稀有な存在であった。
「君は、ボクが守る。藍染からも、君の父親からも.愛しているよ、浮竹。ソアラ」
血と聖水と名において11
「おめでとうございます。この度は、血の帝国ブラッディアの皇帝候補に選ばれました。皇位継承権をあなたはおもちです」
「は?」
訪ねてきた初老のヴァンパイアの執事らしき者は、そう言って浮竹を困らせた。
「あなたは、確か父の執事?」
「そうです。レイモンド様の執事でございます。レイモンド様も皇位継承権をお持ちです。今のブラッディアの皇帝は空位。他に、黒崎一護様、藍染惣右介様が皇位継承権をおもちです」
「一護くんはいいとして、藍染はあの悪名高い藍染か」
「さようでございます」
「俺は、皇位継承権を放棄する」
「なりません。誰かが皇帝となられるまで、皇位継承権は消えません」
執事の言葉に、浮竹は顔をしかめる。
「そもそも、ヴァンパイアマスターの父もブラッディアとか関係ないだろう」
「いいえ、おありです。レイモンド・シュタットフェルト・ブラッディ。ブラッディは、代々皇族に使われる名です。レイモンド様は、先帝の実の弟君であらせられます。ソアラ・シュタットフェルト・ブラッディであられるあなたも、皇族の血を引いておいでです」
「ソアラでは今はない。今は浮竹十四郎だ」
「これは大変失礼しました浮竹様。レイモンド様はこうもおしゃっていました。愛児であるあなたは皇位継承権がなければただのごみだと」
「父様・・・・」
浮竹はショックを受ける。
それから、浮竹は執事が、一緒にブラッディアに来いというので、断固拒否して執事を追い返した。
「私はあきらめませんからね!」
「帰れ!俺は皇族なんかじゃない!」
「いいえ、あなた様はレイモンド様と聖女の奥方であられたブリュンヒルデ様の子。皇族でございます」
「帰れ!」
「仕方ありません。今日はこのへんで引きあげましょう」
執事が帰ったのを確認すると、浮竹はフェンリルを召喚する。
「どうしたにゃ。顔色が悪いにゃ」
「すまんがもふもふさせてくれ」
「京楽としっぽりのほうがいいんじゃないのかにゃ」
「そんな体力も性欲もない」
浮竹は、思い切りフェンリルをもふる。
「くすぐったいのにゃ!いやにゃん、そこはだめなのにゃん」
起きてきた京楽が、じーっと黙ってこっちを見ていた。
「なんだ」
「いや、獣姦とかさすが浮竹だけあってレベルが高いなぁと思って。まぜてまぜて。あ、今度、熊のぐるみきてしっぽりして、いくときがおーって鳴いてあげるね?」
「誤解の上にくそしょうもないことを提案するな!」
「え、今がいいの?仕方ないなぁ」
パジャマを脱ぎだした京楽を、浮竹はフェニックスを召喚して黒焦げにすると、寝室に閉じこもった。
「ねぇ、浮竹、ボクが悪かったから」
「今は、一人にしてくれ」
「やだよ」
京楽は、無理やり扉をあけて、泣いている浮竹を抱きしめた。
「君が、ソアラでも浮竹でも、ボクは君を愛しているから」
「なぜ、俺がソアラだと知っている?」
浮竹が涙をふいて、京楽に尋ねる。
「ごめん、さっきの話盗み聞きしてた」
「俺は、父様の愛児であるのに、皇位継承権がないとただのごみだそうだ。愛されているのか、愛されていないのかわからない。多分、父様は俺に母様を重ねているんだろうな。母様にとても俺は似ているからな」
「浮竹、もっと泣いていいんだよ?」
「いや、もう泣かない。みっともない姿を見せたな」
「ううん、そんなことないよ。ほら、ハンカチ」
「ありがとう・・・・・って、これ俺の新しい買ったばかりのお気に入りのパンツじゃないか!どこかにいったと思ったら、お前が盗んでいたのか!」
浮竹は、京楽が頼もしいと一瞬でも思ったことを後悔した。
「うわあああん、そんなにハリセンで殴らないでよおおお」
「うるさいいいい。全部お前が悪いいいいい」
「きゃいーん」
京楽は、ハンターギルドに逃げ出した。さすがの浮竹も、そこまで追おうとはしなかった。
「ソアラ・シュタットフェルト・ブラッディとかいうヴァンピールに多額の報酬金が出たそうだぞ。しかし、聞いたことのない名前だな?」
「なんでも、なかなか凄腕のヴァンピールらしい」
「浮竹に、報酬金?誰が・・・・・・・」
京楽は、ギルドマスターを呼び止める。
「ソアラというヴァンピールは何もしていないんでしょ?なぜ、報酬金が出ているの?」
「ああ、藍染とかいうヴァンパイアマスターが、報酬金を出したらしい。ヴァンパイアだから、あてにはできんが、生かして連れてくれば報酬金の5倍を出すそうだ」
「藍染・・・・あの、いかれヴァンパイアめ」
京楽は、過去に何度か藍染と戦ったことがあった。どちらの勝利も分からい引き分けばかりであったが。
「浮竹に知らせなきゃ」
京楽が帰ると、館は荒らされており、浮竹の姿がなかった。
「浮竹!」
「にゃああん。京楽、マスターがS級ヴァンパイアハンターの二人組に連れ去られたにゃ!スリープの呪文かけられて、ボクも眠ってしまっていたにゃ!マスターを助け出さないと!」
「フェンリル、匂いはたどれるかい?」
「任すのにゃ!」
フェンリルは、3メートルはある魔氷狼の姿になると、京楽を乗せて浮竹をさらっていった犯人たちの元へと走っていくんのだった。
「は?」
訪ねてきた初老のヴァンパイアの執事らしき者は、そう言って浮竹を困らせた。
「あなたは、確か父の執事?」
「そうです。レイモンド様の執事でございます。レイモンド様も皇位継承権をお持ちです。今のブラッディアの皇帝は空位。他に、黒崎一護様、藍染惣右介様が皇位継承権をおもちです」
「一護くんはいいとして、藍染はあの悪名高い藍染か」
「さようでございます」
「俺は、皇位継承権を放棄する」
「なりません。誰かが皇帝となられるまで、皇位継承権は消えません」
執事の言葉に、浮竹は顔をしかめる。
「そもそも、ヴァンパイアマスターの父もブラッディアとか関係ないだろう」
「いいえ、おありです。レイモンド・シュタットフェルト・ブラッディ。ブラッディは、代々皇族に使われる名です。レイモンド様は、先帝の実の弟君であらせられます。ソアラ・シュタットフェルト・ブラッディであられるあなたも、皇族の血を引いておいでです」
「ソアラでは今はない。今は浮竹十四郎だ」
「これは大変失礼しました浮竹様。レイモンド様はこうもおしゃっていました。愛児であるあなたは皇位継承権がなければただのごみだと」
「父様・・・・」
浮竹はショックを受ける。
それから、浮竹は執事が、一緒にブラッディアに来いというので、断固拒否して執事を追い返した。
「私はあきらめませんからね!」
「帰れ!俺は皇族なんかじゃない!」
「いいえ、あなた様はレイモンド様と聖女の奥方であられたブリュンヒルデ様の子。皇族でございます」
「帰れ!」
「仕方ありません。今日はこのへんで引きあげましょう」
執事が帰ったのを確認すると、浮竹はフェンリルを召喚する。
「どうしたにゃ。顔色が悪いにゃ」
「すまんがもふもふさせてくれ」
「京楽としっぽりのほうがいいんじゃないのかにゃ」
「そんな体力も性欲もない」
浮竹は、思い切りフェンリルをもふる。
「くすぐったいのにゃ!いやにゃん、そこはだめなのにゃん」
起きてきた京楽が、じーっと黙ってこっちを見ていた。
「なんだ」
「いや、獣姦とかさすが浮竹だけあってレベルが高いなぁと思って。まぜてまぜて。あ、今度、熊のぐるみきてしっぽりして、いくときがおーって鳴いてあげるね?」
「誤解の上にくそしょうもないことを提案するな!」
「え、今がいいの?仕方ないなぁ」
パジャマを脱ぎだした京楽を、浮竹はフェニックスを召喚して黒焦げにすると、寝室に閉じこもった。
「ねぇ、浮竹、ボクが悪かったから」
「今は、一人にしてくれ」
「やだよ」
京楽は、無理やり扉をあけて、泣いている浮竹を抱きしめた。
「君が、ソアラでも浮竹でも、ボクは君を愛しているから」
「なぜ、俺がソアラだと知っている?」
浮竹が涙をふいて、京楽に尋ねる。
「ごめん、さっきの話盗み聞きしてた」
「俺は、父様の愛児であるのに、皇位継承権がないとただのごみだそうだ。愛されているのか、愛されていないのかわからない。多分、父様は俺に母様を重ねているんだろうな。母様にとても俺は似ているからな」
「浮竹、もっと泣いていいんだよ?」
「いや、もう泣かない。みっともない姿を見せたな」
「ううん、そんなことないよ。ほら、ハンカチ」
「ありがとう・・・・・って、これ俺の新しい買ったばかりのお気に入りのパンツじゃないか!どこかにいったと思ったら、お前が盗んでいたのか!」
浮竹は、京楽が頼もしいと一瞬でも思ったことを後悔した。
「うわあああん、そんなにハリセンで殴らないでよおおお」
「うるさいいいい。全部お前が悪いいいいい」
「きゃいーん」
京楽は、ハンターギルドに逃げ出した。さすがの浮竹も、そこまで追おうとはしなかった。
「ソアラ・シュタットフェルト・ブラッディとかいうヴァンピールに多額の報酬金が出たそうだぞ。しかし、聞いたことのない名前だな?」
「なんでも、なかなか凄腕のヴァンピールらしい」
「浮竹に、報酬金?誰が・・・・・・・」
京楽は、ギルドマスターを呼び止める。
「ソアラというヴァンピールは何もしていないんでしょ?なぜ、報酬金が出ているの?」
「ああ、藍染とかいうヴァンパイアマスターが、報酬金を出したらしい。ヴァンパイアだから、あてにはできんが、生かして連れてくれば報酬金の5倍を出すそうだ」
「藍染・・・・あの、いかれヴァンパイアめ」
京楽は、過去に何度か藍染と戦ったことがあった。どちらの勝利も分からい引き分けばかりであったが。
「浮竹に知らせなきゃ」
京楽が帰ると、館は荒らされており、浮竹の姿がなかった。
「浮竹!」
「にゃああん。京楽、マスターがS級ヴァンパイアハンターの二人組に連れ去られたにゃ!スリープの呪文かけられて、ボクも眠ってしまっていたにゃ!マスターを助け出さないと!」
「フェンリル、匂いはたどれるかい?」
「任すのにゃ!」
フェンリルは、3メートルはある魔氷狼の姿になると、京楽を乗せて浮竹をさらっていった犯人たちの元へと走っていくんのだった。
血と聖水と名において10
いつものような朝がやってくる。
今日は、月に一度のメイドさんによる大きな洋館の手入れの日だった。
一護と血の帝国ブラッディアに旅立った、メイドだったルキアと入れ替わりでメイドになった七緒が、リーダーとなってメイドたちをまとめあげて、普段使っていない部屋も掃除する。
庭では、男性が庭師をしていた。
男性といっても少年で、まだ子供だった。ヴァンピールで、孤児らしい。
名前は日番谷冬獅郎。
浮竹が、時折寄付する孤児院にいるヴァンピールだった。氷の適性が高く、氷雪系の魔法を使い、ダンジョンなどに単独でもぐって、フロアボスを倒して財宝を手に入れて、孤児院に帰ってくる。
同じ孤児のヴァンピールの少女、雛森桃と仲がいい。
雛森は、今日もメイドとして孤児院から派遣されていた。
ヴァンパイアの血を引いているため、二人は孤児院でも浮いていて、成長が遅いせいで長く孤児院にいて、労働を義務づけられていた。
「日番谷くん、休憩したらどうだ。甘納豆あるぞ」
「・・・・・もらう」
冬獅郎は、浮竹の館の手入れは賃金がいいので、庭師として昔働いていた経験を生かして、月に数回庭の手入れに来ていたが、今日はメイドたちも一緒だった。
メイドの多くは孤児院育ちの者が多かった。
ヴァンピールが住んでいるので、万が一のことがあってもいいように、孤児だった者を選ぶ。そんなメイドの組織は大嫌いだが、浮竹は孤児を歓迎した。
冬獅郎は、近いうちに冒険者として雛森と一緒に、人間のパーティーに入ってやっていく予定だった。
今は、武具を買う金をためるために働いていた。
「ダンジョンはどうだ。単独で10階のフロアボスを倒して、財宝を持って帰ったそうじゃないか」
「必要経費だと、没収された」
「なに!俺が・・・・」
「いい!俺は、雛森と静かに暮らしたいんだ。冒険者にはなるが、ヴァンピールが好きな人間と組むことになっている。孤児院の居心地は最低だ。早く、独立したい」
「そうか・・・・・」
「浮竹、もしかしてショタコン!?だから、ボクとあんまりしっぽりしないの!?」
「何をほざいている、このだアホが!」
京楽の頭をすぱーんとハリセンで殴ると、氷の彫像のようだった冬獅郎が少しだけ笑った。
「このだアホ、ほんとに手がかかるんだ。俺のパンツ盗んだり、食べ残し食べたりはまだいいが、食べ終わった食器を舐めたり」
「変態だな」
「ああ、変態なんだ」
浮竹は頷く。
「変態で悪い?」
京楽は堂々としていて、いっそ潔かった。変態であるが。
「シロちゃん、仕事終わったよ」
「ああ、こっちももうすぐ終わる」
そんな二人を、浮竹と京楽は暖かい眼差しで見守る。
「何かあったら、いつでも館にこい」
「ああ。なにかピンチの時は、頼らせてもらう」
その日は、それで終わった。
後日になって、冬獅郎が血まみれの雛森を抱いて、浮竹の元に助けてくれとやってきた。
「ふざけんな!あの人間のパーティー、俺と雛森をボスの気をそらすために使いやがった。雛森は助かりそうか!?」
「ああ、さすがにヴァンピールなだけある。致命傷はないし、出血の割には傷は浅い。傷跡も残さず、癒そう」
浮竹は、ライフの精霊をだして、雛森に治癒術を施す。
ライフの精霊は、命を扱う精霊だ。そんな精霊を使役できるのは、世界広しといえど浮竹くらいだろう。
「冬獅郎くんの傷も癒そう」
「ああ、頼む。お金は、出世払いでいいか」
「こんな子供から、金なんかとらんさ」
「そうだよ?浮竹、実はショタコンだから」
京楽が、浮竹の隣でうねうねしていた。
「うるさい、京楽。誰がショタコンだ!」
「だって、冬獅郎くんにはいつも優しいし甘いじゃない。ボクにも同じように接してよ」
「毎日しっぽりうるさい自主休業S級ハンターと比べたら、冬獅郎くんのほうがいい」
「酷い!酷すぎる!!」
京楽はさらにうねうねした。
「ああもう、うっとうしい!」
蹴り上げると、京楽はキャインと鳴いて、しくしくと泣きながら用があると、七緒に連れ去られていった。
「あいつ、あんたの花嫁なんだろう?よくあんなひけもじゃの同性を花嫁にしたな」
「あれでも、まだ容姿が十代の頃はそんなにもじゃもじゃじゃなかったし、それなりにかっこよかったんだ。今は見る影もないが」
「殺して、また好きな花嫁を迎えないのか?」
「俺は、これでもあんな京楽だけど愛しているんだ。花嫁にしたことを後悔したことは・・・・数え切れないな。あれ、おかしいな」
「はははは、あんたバカだろ」
「そうかもな」
浮竹も笑って、冬獅郎と雛森の分だと、お菓子をいっぱいあげた。
「孤児院には、別途で送っておいたから、取り上げられることはないはずだ。あと、君たちを捨て駒にしようとした冒険者は、冒険者ギルドのほうで、厳しい処罰を受けるように手配しておいた」
「俺、女だったら、きっとあんたに惚れてる」
「もう、シロちゃんたら!」
怪我が綺麗に癒えた雛森は、ぷくーっと頬を膨らませて、冬獅郎をポカポカと殴る。
「雛森、冗談だ」
「シロちゃんなんて知らない!先に帰る!」
「雛森、独立しよう。もう、あんな孤児院に帰るのはやめよう。稼ぎのほとんどをもってかれるし、あの冒険者たちを手配したのも孤児院だ。最初から、捨てるつもりだったんだ」
「でも、お金ないよ?どこに住むの?」
「俺と京楽が、昔住んでいた離れの小さい家でよければ、無料で貸そう」
「いいのか?」
「いいんですか?」
「ああ」
浮竹は、冬獅郎と雛森の頭を撫でる。
「同じヴァンピールだ。助け合わないとな」
「ありがとう。恩に着る。ちゃんとした仲間を見つけて、冒険者として成功してみせる。しばらくは雛森と二人きりだが」
「ランクの高いダンジュンに挑みたい時は、俺と京楽に声をかけろ。助っ人になろう」
「浮竹、助けてええええ!!七緒ちゃんが、ボクのチャーミングなひげ剃ろうとしてくるうううう」
「はいはい、今行く」
「ついでに、しっぽりもしよおおお」
「しない!俺がびげを剃るぞ」
「ああん、浮竹になら剃られていいかも。あそこの毛を」
浮竹は、ハリセンで京楽を殴りまくる。
「まぁ、こんな京楽だが、戦闘になるとかなり強い」
「何、夜の格闘戦!?」
「このだアホがああ!子供の前だぞおおおお」
「子供の前だろうがしっぽりできるよ。むしろ見せつけたい!」
京楽は、浮竹にキスをするが、拒否される。
「誰がするか!禁欲2週間だ!」
「うわあああん、酷いいいいいいい」
「酷いのは、お前の日ごろの態度だ!毎回毎回しっぽりしっぽりうるさい!」
「うわあああんんん」
京楽は、涙を浮竹のパンツで拭う。
「あ、それこの前買ったお気に入りのパンツ!お前というやつは!」
「うええええんん」
「家、借りるな。行こうか、雛森」
「うん、シロちゃん」
冬獅郎と雛森は、手を繋いで歩き出す。
あんな時代もあったなと、浮竹はすまきにした京楽を転がしながら、懐かしく思うのであった。
「ソアラ・・・・・・ブリュンヒルデと、私の子よ。ブラッディアの、皇位継承権をお前にも与えた」
レイモンド・シュタットフェルト・ブラッディは、闇夜に紛れて、クスクスと笑う。
「私の、愛児よ」
レイモンドは、妻で花嫁であった聖女ブリュンヒルデにますます似てきたわが子を、皇位継承の争いに巻き込もうとしているのであった。
今日は、月に一度のメイドさんによる大きな洋館の手入れの日だった。
一護と血の帝国ブラッディアに旅立った、メイドだったルキアと入れ替わりでメイドになった七緒が、リーダーとなってメイドたちをまとめあげて、普段使っていない部屋も掃除する。
庭では、男性が庭師をしていた。
男性といっても少年で、まだ子供だった。ヴァンピールで、孤児らしい。
名前は日番谷冬獅郎。
浮竹が、時折寄付する孤児院にいるヴァンピールだった。氷の適性が高く、氷雪系の魔法を使い、ダンジョンなどに単独でもぐって、フロアボスを倒して財宝を手に入れて、孤児院に帰ってくる。
同じ孤児のヴァンピールの少女、雛森桃と仲がいい。
雛森は、今日もメイドとして孤児院から派遣されていた。
ヴァンパイアの血を引いているため、二人は孤児院でも浮いていて、成長が遅いせいで長く孤児院にいて、労働を義務づけられていた。
「日番谷くん、休憩したらどうだ。甘納豆あるぞ」
「・・・・・もらう」
冬獅郎は、浮竹の館の手入れは賃金がいいので、庭師として昔働いていた経験を生かして、月に数回庭の手入れに来ていたが、今日はメイドたちも一緒だった。
メイドの多くは孤児院育ちの者が多かった。
ヴァンピールが住んでいるので、万が一のことがあってもいいように、孤児だった者を選ぶ。そんなメイドの組織は大嫌いだが、浮竹は孤児を歓迎した。
冬獅郎は、近いうちに冒険者として雛森と一緒に、人間のパーティーに入ってやっていく予定だった。
今は、武具を買う金をためるために働いていた。
「ダンジョンはどうだ。単独で10階のフロアボスを倒して、財宝を持って帰ったそうじゃないか」
「必要経費だと、没収された」
「なに!俺が・・・・」
「いい!俺は、雛森と静かに暮らしたいんだ。冒険者にはなるが、ヴァンピールが好きな人間と組むことになっている。孤児院の居心地は最低だ。早く、独立したい」
「そうか・・・・・」
「浮竹、もしかしてショタコン!?だから、ボクとあんまりしっぽりしないの!?」
「何をほざいている、このだアホが!」
京楽の頭をすぱーんとハリセンで殴ると、氷の彫像のようだった冬獅郎が少しだけ笑った。
「このだアホ、ほんとに手がかかるんだ。俺のパンツ盗んだり、食べ残し食べたりはまだいいが、食べ終わった食器を舐めたり」
「変態だな」
「ああ、変態なんだ」
浮竹は頷く。
「変態で悪い?」
京楽は堂々としていて、いっそ潔かった。変態であるが。
「シロちゃん、仕事終わったよ」
「ああ、こっちももうすぐ終わる」
そんな二人を、浮竹と京楽は暖かい眼差しで見守る。
「何かあったら、いつでも館にこい」
「ああ。なにかピンチの時は、頼らせてもらう」
その日は、それで終わった。
後日になって、冬獅郎が血まみれの雛森を抱いて、浮竹の元に助けてくれとやってきた。
「ふざけんな!あの人間のパーティー、俺と雛森をボスの気をそらすために使いやがった。雛森は助かりそうか!?」
「ああ、さすがにヴァンピールなだけある。致命傷はないし、出血の割には傷は浅い。傷跡も残さず、癒そう」
浮竹は、ライフの精霊をだして、雛森に治癒術を施す。
ライフの精霊は、命を扱う精霊だ。そんな精霊を使役できるのは、世界広しといえど浮竹くらいだろう。
「冬獅郎くんの傷も癒そう」
「ああ、頼む。お金は、出世払いでいいか」
「こんな子供から、金なんかとらんさ」
「そうだよ?浮竹、実はショタコンだから」
京楽が、浮竹の隣でうねうねしていた。
「うるさい、京楽。誰がショタコンだ!」
「だって、冬獅郎くんにはいつも優しいし甘いじゃない。ボクにも同じように接してよ」
「毎日しっぽりうるさい自主休業S級ハンターと比べたら、冬獅郎くんのほうがいい」
「酷い!酷すぎる!!」
京楽はさらにうねうねした。
「ああもう、うっとうしい!」
蹴り上げると、京楽はキャインと鳴いて、しくしくと泣きながら用があると、七緒に連れ去られていった。
「あいつ、あんたの花嫁なんだろう?よくあんなひけもじゃの同性を花嫁にしたな」
「あれでも、まだ容姿が十代の頃はそんなにもじゃもじゃじゃなかったし、それなりにかっこよかったんだ。今は見る影もないが」
「殺して、また好きな花嫁を迎えないのか?」
「俺は、これでもあんな京楽だけど愛しているんだ。花嫁にしたことを後悔したことは・・・・数え切れないな。あれ、おかしいな」
「はははは、あんたバカだろ」
「そうかもな」
浮竹も笑って、冬獅郎と雛森の分だと、お菓子をいっぱいあげた。
「孤児院には、別途で送っておいたから、取り上げられることはないはずだ。あと、君たちを捨て駒にしようとした冒険者は、冒険者ギルドのほうで、厳しい処罰を受けるように手配しておいた」
「俺、女だったら、きっとあんたに惚れてる」
「もう、シロちゃんたら!」
怪我が綺麗に癒えた雛森は、ぷくーっと頬を膨らませて、冬獅郎をポカポカと殴る。
「雛森、冗談だ」
「シロちゃんなんて知らない!先に帰る!」
「雛森、独立しよう。もう、あんな孤児院に帰るのはやめよう。稼ぎのほとんどをもってかれるし、あの冒険者たちを手配したのも孤児院だ。最初から、捨てるつもりだったんだ」
「でも、お金ないよ?どこに住むの?」
「俺と京楽が、昔住んでいた離れの小さい家でよければ、無料で貸そう」
「いいのか?」
「いいんですか?」
「ああ」
浮竹は、冬獅郎と雛森の頭を撫でる。
「同じヴァンピールだ。助け合わないとな」
「ありがとう。恩に着る。ちゃんとした仲間を見つけて、冒険者として成功してみせる。しばらくは雛森と二人きりだが」
「ランクの高いダンジュンに挑みたい時は、俺と京楽に声をかけろ。助っ人になろう」
「浮竹、助けてええええ!!七緒ちゃんが、ボクのチャーミングなひげ剃ろうとしてくるうううう」
「はいはい、今行く」
「ついでに、しっぽりもしよおおお」
「しない!俺がびげを剃るぞ」
「ああん、浮竹になら剃られていいかも。あそこの毛を」
浮竹は、ハリセンで京楽を殴りまくる。
「まぁ、こんな京楽だが、戦闘になるとかなり強い」
「何、夜の格闘戦!?」
「このだアホがああ!子供の前だぞおおおお」
「子供の前だろうがしっぽりできるよ。むしろ見せつけたい!」
京楽は、浮竹にキスをするが、拒否される。
「誰がするか!禁欲2週間だ!」
「うわあああん、酷いいいいいいい」
「酷いのは、お前の日ごろの態度だ!毎回毎回しっぽりしっぽりうるさい!」
「うわあああんんん」
京楽は、涙を浮竹のパンツで拭う。
「あ、それこの前買ったお気に入りのパンツ!お前というやつは!」
「うええええんん」
「家、借りるな。行こうか、雛森」
「うん、シロちゃん」
冬獅郎と雛森は、手を繋いで歩き出す。
あんな時代もあったなと、浮竹はすまきにした京楽を転がしながら、懐かしく思うのであった。
「ソアラ・・・・・・ブリュンヒルデと、私の子よ。ブラッディアの、皇位継承権をお前にも与えた」
レイモンド・シュタットフェルト・ブラッディは、闇夜に紛れて、クスクスと笑う。
「私の、愛児よ」
レイモンドは、妻で花嫁であった聖女ブリュンヒルデにますます似てきたわが子を、皇位継承の争いに巻き込もうとしているのであった。
血と聖水と名において9
レイモンド・シュタットフェルト・ブラッディ。
通称悪魔王ディアブロのレイモンド。
それが、ソアラ・シュタットフェルト・ブラッディという名ももつ、浮竹の父である、ヴァンパイアマスターの名であった。
甘い蜂蜜のように優しく、時には氷の刃のように冷たく。
父親としては、育児をメイドに任せきりにさせていたのでだめだったのかもしれない。だが、師として見るなら、超一流であった。
浮竹は剣術や体術、それに使役魔・・・・精霊使いとしての訓練も、父から受けた。
父は、魔法が使えて、それは浮竹も同じだった。
魔法が使えるものは限られている。
昔には、古代魔法文明があり、人類の全てが魔法を使えたとされているが、今の人間は全体の5%程度しか魔法が使えなかった。
なので、魔法の才能がある者は出世を約束されたようなものだ。魔法を使える者は王立の学園に入ることができる。魔法の才能の高い者は宮廷魔法士になれたりした。少しの火の魔法しか使えないような者でも、一応魔法が使えるので魔法に関係ある職につけた。
ヴァンパイアやヴァンピール、ドラゴンなどはほとんどが魔法を使えた。
ヴァンパイアは、花嫁にしたい者が意にそぐわないとき、チャームの魔法を使ったりして無理やり花嫁にする時がある。
まぁ、そんな風に花嫁にされた者は、人形のように生きるか死を選ぶかの二択だった。
それはさておき。
ヴァンパイアのアイゼアなる者を倒して、気絶したドラゴンサモナーの浮竹は、パートナードラゴンの京楽が見ている中、ゲストルームで眠っていた。
『ねぇ、神父のボクを放置して帰ったけど、よかったの?』
「あの場には、フェンリルを残らせた。フェンリルに乗ってそのうち帰ってくるだろうさ」
「はい、その通りです!帰ってきたよ!」
「はや!!!」
むちゅーとたこのように吸い付いてこようとする京楽を、浮竹はハリセンではたく。
「しっぽり!今すぐしっぽりしよう!」
「却下。ドラゴンサモナーの俺の意識が戻り、彼らが館から出るまではしっぽりしない」
「二人とも、今すぐ帰って?」
『いや、浮竹が目覚めてないんだけど』
『う・・・・・』
そこで、ドラゴンサモナーの浮竹が目を覚ました。
『よかった、浮竹、大丈夫?』
ちびドラゴンの体であるパートナードラゴンの京楽を見てから、浮竹はキッチンに行く。
『のどが、かわいた。水を・・・・・・』
「オレンジ水だ。ほのかに甘い。疲労回復の効果がある」
浮竹がキッチンから、オレンジ水の入った氷の浮かんだコップをもってくる。すると、ドラゴンサモナーの浮竹はそれを受け取って一気に飲み干して、おかわりももらった。
『ああ、生き返るようだ。ありがとう。俺は、どのくらい眠っていた?』
「4時間ってとこだね。もう外も暗いし、泊まってういけば・・・・・って、泊まられたらしっぽりできない。今すぐ出てけーーー」
そんな京楽をハリセンで黙らせて、浮竹は京楽に四人分の夕飯を作るように言って、京楽はしぶしぶそれを承諾する。
『ごめんね、食事まで世話になちゃって』
『明日には出ていくから、その後は好きにしっぽりしまくってくれ』
「しっぽりしたいのは京楽だけだ。俺は別にしたいわけじゃない」
京楽がいないので、断言する。
もしもここに京楽がいたら「酷い、ボクとのことは遊びだったのね!」とか言い出しそうだなと浮竹は思った。
「酷い、ボクとのことは遊びだったのね!浮竹のだアホおおおおおおおお」
しっぽりしたいので、冷凍食品を解凍しただけの京楽がそこにいて、わんわん泣き出すものだから、浮竹は困って京楽に明日しっぽりしていいと約束した。
「ぐひひひひ。約束しちゃった」
『計画的犯行だね』
『そうだな』
「まったく、お前は・・・・・」
浮竹は、額に手を当てて天を仰ぐ。
「じゃあ、夕飯にしよう。解凍しただけだけど、この前ボクが作ったものだから味はいいはずだよ」
メニューは、海鮮パスタとカレーであった。
『あ、このオレンジ水まだあるか?』
「気に入ったのか?俺が作ったんだが、気に入ったのなら2L入りのペットボトルのを持って帰るといい」
『すごくおいしい。水にオレンジを混ぜただけじゃあこうはならないだろう』
「ああ。魔法を使っている」
「魔法か。ヴァンピールだものな。使えて当たり前か」
ちなみに、京楽は魔法は使えない。
だから、剣術と銃の腕に特化していた。
ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽は、一晩だけ泊まって帰っていった。
館に、訪問者がいた。
京楽がしっぽりしようと、風呂からあがったところで遭遇した。
「ぎゃあああああ、裸みられたああ!花嫁になってるけど、もう花嫁にいけない!」
「ぐおおお、汚いものをみたあああ」
やってきたのは、昨日の昼に倒したヴァンパイア、アイゼアの兄だった。
「どうした!?ぎゃあああ、なぜ京楽はフルチンなんだ!せめて股間は隠せ!」
「恥ずかしいから、顔隠すね」
「股間を隠せーーー!!」
仕方ないので、浮竹がバスタオルを京楽の腰にまきつける。
「俺はアイゼアの兄のライゼア。昨日は、弟を倒してくれてありがとう。あいつは、誰かれかまわず花嫁にするから、一族が追放しようとしていたところだったんだ。手間が省けた」
「弟の敵討ちじゃ、ないんだな」
「あんな弟、血が繋がっているとも考えたくない。二つ名のも色欲だしな」
「ああああ、浮竹が浮気してる!」
「なぜそうなる!会話してるだけだ!」
「浮気者おおお。うわあああんんん」
腰のバスタオルをとって、京楽はフルチンで館を走り回り、メイドの伊勢に叱られて服を着せられていた。
「これは、一族からアイゼアにかけられていた報酬金だ。受け取ってくれ」
「分かった、もらっておこう。あの古城には、またヴァンパイアが住むのか?」
「俺たちの一族の一部が住む予定だ。人間とは共存協定を結んでいるから、心配はない」
共存協定。人とヴァンパイアが、互いに争いあわずに手を取り合って暮らしていく協定であった。
「浮竹、しっぽりしよ!」
「ああ、なんかすまないな。俺はこれで帰る。しっぽりでもなんでもしてくれ」
ライゼアは、金を渡して消えてしまった。
「浮竹、しっぽり!」
「だアホ!」
「おぶ!」
鳩尾を殴られて、京楽は涙をためる。
「しっぽり、するまで、粘るんだから、ね!」
「本当に仕方のないやつだ。しっぽりを許してやろう」
「やったああああ」
その晩、京楽は久しぶりに浮竹と甘い夜を過ごした。
「ソアラ・シュタットフェルト・ブラッディ。悪魔王ディアブロのレイモンド・シュタットフェルト・ブラッディの一人息子にして、三人のヴァンパイアマスターの後から追加された、血の帝国ブラッディアの皇位継承者」
くすくすと、その人影は笑う。
「今は、浮竹十四郎。花嫁は、あの夜叉の京楽」
その人影は、ゆっくりと闇に溶けていくのであった。
通称悪魔王ディアブロのレイモンド。
それが、ソアラ・シュタットフェルト・ブラッディという名ももつ、浮竹の父である、ヴァンパイアマスターの名であった。
甘い蜂蜜のように優しく、時には氷の刃のように冷たく。
父親としては、育児をメイドに任せきりにさせていたのでだめだったのかもしれない。だが、師として見るなら、超一流であった。
浮竹は剣術や体術、それに使役魔・・・・精霊使いとしての訓練も、父から受けた。
父は、魔法が使えて、それは浮竹も同じだった。
魔法が使えるものは限られている。
昔には、古代魔法文明があり、人類の全てが魔法を使えたとされているが、今の人間は全体の5%程度しか魔法が使えなかった。
なので、魔法の才能がある者は出世を約束されたようなものだ。魔法を使える者は王立の学園に入ることができる。魔法の才能の高い者は宮廷魔法士になれたりした。少しの火の魔法しか使えないような者でも、一応魔法が使えるので魔法に関係ある職につけた。
ヴァンパイアやヴァンピール、ドラゴンなどはほとんどが魔法を使えた。
ヴァンパイアは、花嫁にしたい者が意にそぐわないとき、チャームの魔法を使ったりして無理やり花嫁にする時がある。
まぁ、そんな風に花嫁にされた者は、人形のように生きるか死を選ぶかの二択だった。
それはさておき。
ヴァンパイアのアイゼアなる者を倒して、気絶したドラゴンサモナーの浮竹は、パートナードラゴンの京楽が見ている中、ゲストルームで眠っていた。
『ねぇ、神父のボクを放置して帰ったけど、よかったの?』
「あの場には、フェンリルを残らせた。フェンリルに乗ってそのうち帰ってくるだろうさ」
「はい、その通りです!帰ってきたよ!」
「はや!!!」
むちゅーとたこのように吸い付いてこようとする京楽を、浮竹はハリセンではたく。
「しっぽり!今すぐしっぽりしよう!」
「却下。ドラゴンサモナーの俺の意識が戻り、彼らが館から出るまではしっぽりしない」
「二人とも、今すぐ帰って?」
『いや、浮竹が目覚めてないんだけど』
『う・・・・・』
そこで、ドラゴンサモナーの浮竹が目を覚ました。
『よかった、浮竹、大丈夫?』
ちびドラゴンの体であるパートナードラゴンの京楽を見てから、浮竹はキッチンに行く。
『のどが、かわいた。水を・・・・・・』
「オレンジ水だ。ほのかに甘い。疲労回復の効果がある」
浮竹がキッチンから、オレンジ水の入った氷の浮かんだコップをもってくる。すると、ドラゴンサモナーの浮竹はそれを受け取って一気に飲み干して、おかわりももらった。
『ああ、生き返るようだ。ありがとう。俺は、どのくらい眠っていた?』
「4時間ってとこだね。もう外も暗いし、泊まってういけば・・・・・って、泊まられたらしっぽりできない。今すぐ出てけーーー」
そんな京楽をハリセンで黙らせて、浮竹は京楽に四人分の夕飯を作るように言って、京楽はしぶしぶそれを承諾する。
『ごめんね、食事まで世話になちゃって』
『明日には出ていくから、その後は好きにしっぽりしまくってくれ』
「しっぽりしたいのは京楽だけだ。俺は別にしたいわけじゃない」
京楽がいないので、断言する。
もしもここに京楽がいたら「酷い、ボクとのことは遊びだったのね!」とか言い出しそうだなと浮竹は思った。
「酷い、ボクとのことは遊びだったのね!浮竹のだアホおおおおおおおお」
しっぽりしたいので、冷凍食品を解凍しただけの京楽がそこにいて、わんわん泣き出すものだから、浮竹は困って京楽に明日しっぽりしていいと約束した。
「ぐひひひひ。約束しちゃった」
『計画的犯行だね』
『そうだな』
「まったく、お前は・・・・・」
浮竹は、額に手を当てて天を仰ぐ。
「じゃあ、夕飯にしよう。解凍しただけだけど、この前ボクが作ったものだから味はいいはずだよ」
メニューは、海鮮パスタとカレーであった。
『あ、このオレンジ水まだあるか?』
「気に入ったのか?俺が作ったんだが、気に入ったのなら2L入りのペットボトルのを持って帰るといい」
『すごくおいしい。水にオレンジを混ぜただけじゃあこうはならないだろう』
「ああ。魔法を使っている」
「魔法か。ヴァンピールだものな。使えて当たり前か」
ちなみに、京楽は魔法は使えない。
だから、剣術と銃の腕に特化していた。
ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽は、一晩だけ泊まって帰っていった。
館に、訪問者がいた。
京楽がしっぽりしようと、風呂からあがったところで遭遇した。
「ぎゃあああああ、裸みられたああ!花嫁になってるけど、もう花嫁にいけない!」
「ぐおおお、汚いものをみたあああ」
やってきたのは、昨日の昼に倒したヴァンパイア、アイゼアの兄だった。
「どうした!?ぎゃあああ、なぜ京楽はフルチンなんだ!せめて股間は隠せ!」
「恥ずかしいから、顔隠すね」
「股間を隠せーーー!!」
仕方ないので、浮竹がバスタオルを京楽の腰にまきつける。
「俺はアイゼアの兄のライゼア。昨日は、弟を倒してくれてありがとう。あいつは、誰かれかまわず花嫁にするから、一族が追放しようとしていたところだったんだ。手間が省けた」
「弟の敵討ちじゃ、ないんだな」
「あんな弟、血が繋がっているとも考えたくない。二つ名のも色欲だしな」
「ああああ、浮竹が浮気してる!」
「なぜそうなる!会話してるだけだ!」
「浮気者おおお。うわあああんんん」
腰のバスタオルをとって、京楽はフルチンで館を走り回り、メイドの伊勢に叱られて服を着せられていた。
「これは、一族からアイゼアにかけられていた報酬金だ。受け取ってくれ」
「分かった、もらっておこう。あの古城には、またヴァンパイアが住むのか?」
「俺たちの一族の一部が住む予定だ。人間とは共存協定を結んでいるから、心配はない」
共存協定。人とヴァンパイアが、互いに争いあわずに手を取り合って暮らしていく協定であった。
「浮竹、しっぽりしよ!」
「ああ、なんかすまないな。俺はこれで帰る。しっぽりでもなんでもしてくれ」
ライゼアは、金を渡して消えてしまった。
「浮竹、しっぽり!」
「だアホ!」
「おぶ!」
鳩尾を殴られて、京楽は涙をためる。
「しっぽり、するまで、粘るんだから、ね!」
「本当に仕方のないやつだ。しっぽりを許してやろう」
「やったああああ」
その晩、京楽は久しぶりに浮竹と甘い夜を過ごした。
「ソアラ・シュタットフェルト・ブラッディ。悪魔王ディアブロのレイモンド・シュタットフェルト・ブラッディの一人息子にして、三人のヴァンパイアマスターの後から追加された、血の帝国ブラッディアの皇位継承者」
くすくすと、その人影は笑う。
「今は、浮竹十四郎。花嫁は、あの夜叉の京楽」
その人影は、ゆっくりと闇に溶けていくのであった。
血と聖水と名において8
血の帝国、ヴァンパイアだけの楽園ブラッディアの皇帝の座が空位であった。
そこで、血の帝国の長老たちは、相談しあって三人のヴァンパイアマスターからより優れた者を選び、皇帝とすることにした。
浮竹の父、藍染惣右介 、黒崎一護の三人が、ヴァンパイアマスターであり、ブラッディア帝国の皇位継承権をもっていた。
藍染は、浮竹の父から浮竹の存在を知り、手元に欲しがっていた。
黒崎一護は、何かわからないまま巻き込まれた。絶大な力をもっているが、制御があまりできなくて暴走しがちなので、浮竹の父が、浮竹と京楽を紹介して力の制御の仕方を教えるようにと言ってきた。
その黒崎一護は、朽木ルキアに怒られていた。
朽木ルキアは、元々浮竹を育てたメイドで、浮竹の父失踪後は、浮竹の血で作りだされて管理されているが、一応一人のヴァンパイア扱いであった。
「ルキアって呼んでいいか?」
「好きにするがよい、たわけが」
「ルキア、花嫁にならないか?」
「な、まだ会ったばかりだ!なるわけがなかろう」
そうこうしている間に、浮竹と京楽が帰ってくる。
「浮竹殿、怪しい黒崎一護となるの人物がきています」
浮竹rは、ルキアの頭を撫でた。
「留守番ご苦労さま。一護くんは客人だ」
「そうなのですか」
「あ、浮竹さんと京楽さんか?力の制御の仕方教えてくれるっていう」
「ああ、そうだ。俺の父の紹介では断れないしな」
「居候がいると、しっぽりできない。いや、結界をはってしっぽり・・・・・:」
「だアホが!」
浮竹は、ハリセンで京楽をしばいた。
「はは。にぎやかですね。あのヴァンパイアマスターの息子って聞いてたから、もっと堅物イメージしてました」
「父は元気にしていたか?」
「元気すぎてハンター倒しまくってましたよ。殺してはいなかったけど」
「父らしいな。余計な殺生は好まない。明日から、びしばし鍛えていくからそのつもりで、今日は長旅で疲れただろう。ゆっくり休んでくれ」
「ルキア、話し相手になってくれ」
「ルキアを気に入ったのか?花嫁にしてもいいいぞ」
「浮竹殿!」
ルキアは、顔を赤くして叫ぶ。
「私には、浮竹殿を世話する責任があります」
「いや、俺は別にいいぞ。自分のことは自分でできるしな」
「か、解雇ですか?」
「いや、そうじゃない。幸せを見つけてほしいだけだ」
浮竹は。またルキアの頭を撫でた。
「黒崎一護、時間をやる。私が花嫁になってもいいという力をもっていたら、花嫁になってやろう」
「まじか。がんばるぞ!」
次の日から、一護の特訓が始まった。
まずは魔力をコントロールするために、精神集中からはじめる。
「足痛くなってきた」
「少し休憩しようか。10分だけ」
「うげー。座禅で5時間もなんてきつい」
「文句を言うな。ルキアを花嫁にしたいんだろう、力の制御くらいできないでどうする」
精神集中が終わると、京楽との実戦がまっていた。
「わぁ、京楽さん強すぎじゃね?」
「まぁ、一応S級ハンターだしね?」
京楽は加減しなはら、一護を攻撃する。一護はめきめきと力をつけて、はじめは敗戦一方だったが、勝利するようになってきた。
「うん、その調子。汗かいたでしょ、はいハンカチ」
京楽が渡したのは、間違って浮竹のパンツだった。
「パンツなんすけど」
「ああ、ボクのコレクションが。これは失礼。ハンカチはこっちだよ」
それも、浮竹のパンツだった。
「浮竹さん、京楽さんって・・・・・・」
「何も言うな。分かってる」
そうして、その日の修業は終わった。
一護は時間をみつけると、ルキアを口説いた。ルキアもまんざらではなさそうで、いずれ花嫁にいってしまうだろう。
家事全般は京楽ができるので、特に問題はなかった。
月1で他のメイドを雇うし。
「今日の修業をはじめるぞ。この岩を、素手でくだくのが最終目標だ」
「それくらい、できますよ?手に魔力まとって・・・・・・」
一護は、簡単に岩を砕いてしまった。
「む、やるな」
「浮竹さんの教え方がいいからっす」
「じゃあ、京楽と俺とで実践訓練をしよう」
「げ、二人も相手!?京楽さんだけでも厄介なのに」
「文句を言うな。強くなりたいんだろう?力の制御はもう大分できるようになってるみたいだし」
一護が館にきてから一か月が経とうとしていた。
「本気でこい。こちらも本気でいく」
浮竹は持っているすべての精霊を召喚する。その数の多さに、一護はあっけなく負けてしまう。
「使役魔全部召喚とかチートっすよ!」
「むう。じゃあ、フェンリルとフェニックスだけにしておく」
「ボクの存在も忘れないでね!」
京楽は、聖剣で一護に切りかかる。
一護はそれを余裕でよけて、鬼火を作り出すと京楽に向かってなげた。
一護は魔法が使えた。魔法の使える者は少ない。
浮竹の父も魔法を使えた。浮竹の精霊使いも、分類すれば魔法に入る。
「行くぞ!」
「行くよ!」
修業して1か月。黒崎一護は、二人に勝てるようになっていた。
「じゃあ、卒業を祝って乾杯」
「乾杯」
「いいんすか。こんなごちそう・・・・・・」
「今日は一護君の卒業の日だから、好きなだけ飲んで食べてくれ」
その場には、ルキアもいた。
ルキアは一護の花嫁になる決意をした。それを浮竹に伝えると、浮竹はとても喜んだ。
「ルキアのこと、頼む。幸せにしてやってくれ。マスター権限は、一護くんに譲っておいた」
ルキアは血でできたヴァンパイアだ。マスターがいないと存在できない。
今は、一護の血で体を作っていた。
「浮竹、今日こそしっぽり」
「しない。一護くんが出立したら、しっぽりしてもいい」
「え、まじで。一護くん、早くいなくなって」
一護は苦笑する。
その日は卒業を祝ってパーティーをして、次の日に一護はルキアを花嫁にして契り、一緒に血の帝国ブラッディアに旅立っていった。
「ルキアちゃんがいなくなると、寂しくなるねぇ」
「血液で他のメイドを作ろう」
浮竹は、自分の血からメイドを作り出す。
「お呼びでしょうか、ご主人様」
「浮竹でいい。こっちは京楽」
「では、浮竹様と京楽様とお呼びいたします」
「お前の名は、伊勢七緒。母様のメイドをしていた頃のメイドだった。覚えているか?」
「はい。聖女のお方ですね」
「一からメイドを作るのは苦労するからな」
京楽が残念がる。
「くすん。浮竹と二人暮らしのしっぽり計画が」
「お前は、いい加減しっぽりから離れろ」
「うん、無理」
にこやかに断言する京楽を、浮竹はハリセンでなぐりまくるのであった。
そこで、血の帝国の長老たちは、相談しあって三人のヴァンパイアマスターからより優れた者を選び、皇帝とすることにした。
浮竹の父、藍染惣右介 、黒崎一護の三人が、ヴァンパイアマスターであり、ブラッディア帝国の皇位継承権をもっていた。
藍染は、浮竹の父から浮竹の存在を知り、手元に欲しがっていた。
黒崎一護は、何かわからないまま巻き込まれた。絶大な力をもっているが、制御があまりできなくて暴走しがちなので、浮竹の父が、浮竹と京楽を紹介して力の制御の仕方を教えるようにと言ってきた。
その黒崎一護は、朽木ルキアに怒られていた。
朽木ルキアは、元々浮竹を育てたメイドで、浮竹の父失踪後は、浮竹の血で作りだされて管理されているが、一応一人のヴァンパイア扱いであった。
「ルキアって呼んでいいか?」
「好きにするがよい、たわけが」
「ルキア、花嫁にならないか?」
「な、まだ会ったばかりだ!なるわけがなかろう」
そうこうしている間に、浮竹と京楽が帰ってくる。
「浮竹殿、怪しい黒崎一護となるの人物がきています」
浮竹rは、ルキアの頭を撫でた。
「留守番ご苦労さま。一護くんは客人だ」
「そうなのですか」
「あ、浮竹さんと京楽さんか?力の制御の仕方教えてくれるっていう」
「ああ、そうだ。俺の父の紹介では断れないしな」
「居候がいると、しっぽりできない。いや、結界をはってしっぽり・・・・・:」
「だアホが!」
浮竹は、ハリセンで京楽をしばいた。
「はは。にぎやかですね。あのヴァンパイアマスターの息子って聞いてたから、もっと堅物イメージしてました」
「父は元気にしていたか?」
「元気すぎてハンター倒しまくってましたよ。殺してはいなかったけど」
「父らしいな。余計な殺生は好まない。明日から、びしばし鍛えていくからそのつもりで、今日は長旅で疲れただろう。ゆっくり休んでくれ」
「ルキア、話し相手になってくれ」
「ルキアを気に入ったのか?花嫁にしてもいいいぞ」
「浮竹殿!」
ルキアは、顔を赤くして叫ぶ。
「私には、浮竹殿を世話する責任があります」
「いや、俺は別にいいぞ。自分のことは自分でできるしな」
「か、解雇ですか?」
「いや、そうじゃない。幸せを見つけてほしいだけだ」
浮竹は。またルキアの頭を撫でた。
「黒崎一護、時間をやる。私が花嫁になってもいいという力をもっていたら、花嫁になってやろう」
「まじか。がんばるぞ!」
次の日から、一護の特訓が始まった。
まずは魔力をコントロールするために、精神集中からはじめる。
「足痛くなってきた」
「少し休憩しようか。10分だけ」
「うげー。座禅で5時間もなんてきつい」
「文句を言うな。ルキアを花嫁にしたいんだろう、力の制御くらいできないでどうする」
精神集中が終わると、京楽との実戦がまっていた。
「わぁ、京楽さん強すぎじゃね?」
「まぁ、一応S級ハンターだしね?」
京楽は加減しなはら、一護を攻撃する。一護はめきめきと力をつけて、はじめは敗戦一方だったが、勝利するようになってきた。
「うん、その調子。汗かいたでしょ、はいハンカチ」
京楽が渡したのは、間違って浮竹のパンツだった。
「パンツなんすけど」
「ああ、ボクのコレクションが。これは失礼。ハンカチはこっちだよ」
それも、浮竹のパンツだった。
「浮竹さん、京楽さんって・・・・・・」
「何も言うな。分かってる」
そうして、その日の修業は終わった。
一護は時間をみつけると、ルキアを口説いた。ルキアもまんざらではなさそうで、いずれ花嫁にいってしまうだろう。
家事全般は京楽ができるので、特に問題はなかった。
月1で他のメイドを雇うし。
「今日の修業をはじめるぞ。この岩を、素手でくだくのが最終目標だ」
「それくらい、できますよ?手に魔力まとって・・・・・・」
一護は、簡単に岩を砕いてしまった。
「む、やるな」
「浮竹さんの教え方がいいからっす」
「じゃあ、京楽と俺とで実践訓練をしよう」
「げ、二人も相手!?京楽さんだけでも厄介なのに」
「文句を言うな。強くなりたいんだろう?力の制御はもう大分できるようになってるみたいだし」
一護が館にきてから一か月が経とうとしていた。
「本気でこい。こちらも本気でいく」
浮竹は持っているすべての精霊を召喚する。その数の多さに、一護はあっけなく負けてしまう。
「使役魔全部召喚とかチートっすよ!」
「むう。じゃあ、フェンリルとフェニックスだけにしておく」
「ボクの存在も忘れないでね!」
京楽は、聖剣で一護に切りかかる。
一護はそれを余裕でよけて、鬼火を作り出すと京楽に向かってなげた。
一護は魔法が使えた。魔法の使える者は少ない。
浮竹の父も魔法を使えた。浮竹の精霊使いも、分類すれば魔法に入る。
「行くぞ!」
「行くよ!」
修業して1か月。黒崎一護は、二人に勝てるようになっていた。
「じゃあ、卒業を祝って乾杯」
「乾杯」
「いいんすか。こんなごちそう・・・・・・」
「今日は一護君の卒業の日だから、好きなだけ飲んで食べてくれ」
その場には、ルキアもいた。
ルキアは一護の花嫁になる決意をした。それを浮竹に伝えると、浮竹はとても喜んだ。
「ルキアのこと、頼む。幸せにしてやってくれ。マスター権限は、一護くんに譲っておいた」
ルキアは血でできたヴァンパイアだ。マスターがいないと存在できない。
今は、一護の血で体を作っていた。
「浮竹、今日こそしっぽり」
「しない。一護くんが出立したら、しっぽりしてもいい」
「え、まじで。一護くん、早くいなくなって」
一護は苦笑する。
その日は卒業を祝ってパーティーをして、次の日に一護はルキアを花嫁にして契り、一緒に血の帝国ブラッディアに旅立っていった。
「ルキアちゃんがいなくなると、寂しくなるねぇ」
「血液で他のメイドを作ろう」
浮竹は、自分の血からメイドを作り出す。
「お呼びでしょうか、ご主人様」
「浮竹でいい。こっちは京楽」
「では、浮竹様と京楽様とお呼びいたします」
「お前の名は、伊勢七緒。母様のメイドをしていた頃のメイドだった。覚えているか?」
「はい。聖女のお方ですね」
「一からメイドを作るのは苦労するからな」
京楽が残念がる。
「くすん。浮竹と二人暮らしのしっぽり計画が」
「お前は、いい加減しっぽりから離れろ」
「うん、無理」
にこやかに断言する京楽を、浮竹はハリセンでなぐりまくるのであった。