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小説掲載プログ
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海燕に怒られる京浮

春になった。

桜の花が散り出す季節。

「起きろおおおおおおおおおお」

「起きた」

冬の冬眠のような眠りとは真逆に、浮竹は自分から起き出した。

「ああああああ!冬のことが嘘みたいだああああああああ」

海燕は、嬉し泣きをしていた。

「海燕、お前はそんなに俺が一人で起きることが嬉しいのか?」

「嬉しいってレベルじゃありません。感動ものです」

だーーと涙を流す海燕に、大袈裟だと言っておいた。

8時には起きて、顔を洗い服を着替えて、朝餉をとる。

最近ちゃんと朝餉をとってくれるので、料理人は嬉しがっていた。

それは海燕もだ。

朝餉を食べず、酷い時は昼餉も食べずに寝続ける浮竹だ。

寝すぎたその日の晩には、寝れないと夜更かしすることもなくなった。

「ああ、冬はいやだなぁ。隊長が起きてくれないから。春~秋はいいですね。隊長が自分で起きてくれる・・・・・」

9時になり、仕事の始まりだった。

春~秋は、書類の作業能力は冬に比べて落ちる。

冬は、とにかく怠惰に眠りたいと、仕事をすぐに片付けてしまうのだが、春~秋は早めから起きて仕事をするので、比較的ゆっくりと仕事をした。

「海燕、ここの計算間違ってる」

「あ、ほんとだ」

冬の仕事もほぼミスはないが、間違いのチェックなど細かいところに、春~秋は気づいてくれる。

「その書類の計算がだめで、こっちもそれを応用してるからこっちも間違っている。訂正しておくから、6番隊に訂正した書類をもっていってくれ」

「朽木隊長のところか・・・・」

最近、朽木銀嶺と代替わりした、朽木白哉という若い青年が新しく隊長になって、まだ日が浅い。

「白哉は、まだひよっこだからな。書類のミスも多いだろうが、大目に見てやってくれ」

年齢にすると、海燕と同い年くらいだろうか。

ちょっと親近感がわいたが、頑なに貴族の掟を守ろうとする姿に、あまり好感をもてなかった。

「なんなんですか、朽木白哉って!4大貴族だかなんか知らないけど、態度がでかすぎる!」

ぷんすか怒って、戻ってきた海燕を宥めた。

「これから、6番隊に書類をもってくのは俺が直接行く」

「そうしてください。知り合いなんでしょう?」

「弟みたいなものだ」

「はぁ!?あんな弟、俺は絶対欲しくない・・・・」

「やぁ、やってるかい」

京楽だった。

「お前は、また気配を消して・・・普通に入ってこれないのか」

「いや、君が珍しく朝から起きてると聞いてね。僕も、珍しく仕事をこなしてきたわけさ」

「自分でいって珍しくってことは、どんだけ溜めこんでるんだ」

「さぁ。まだ半月分くらいじゃないかい」

「伊勢がかわいそうだ」

「七緒ちゃんは、これくらい慣れてるよ」

浮竹は思う。

「海燕も、伊勢も、上官に恵まれていないな」

「はぁ?何言ってるんだ、あんた」

「だって、俺は冬になるとずっと寝てしまうだろう」

「それは知ってます。病弱なことも全部ひっくるめて、俺は上官としてあんたを信用しているし、信頼していますし、尊敬しています。それは伊勢副隊長も同じじゃないんですか」

「七緒ちゃんも、海燕君みたいな考え方だったらいいな」

「そう思うなら、まず仕事を溜めこむな」

「浮竹の意地悪」

「ほら、京楽も仕事をもってきたんだろう?こっちの文机を使え」

京楽は、暇つぶしによく雨乾堂にやってくるが、時折仕事をもってきて、浮竹と同じ空間で仕事をした。

いつもは溜めこみすぎて、浮竹が手伝う羽目になるのだが、今のところまだ大丈夫なようだった。

「あーそっちの計算ミスってる」

「あ、ほんとだ」

「白哉の書類だ。まだ隊長になって日が浅いから、些細なミスをする。今度注意しておく」

そういう浮竹に、京楽がすね出す。

「朽木隊長のこと、名前で呼ぶんだ?仲いいんだね」

「この前も言っただろう。弟のようなものだと」

「どうだか・・・・」

つーんとなる京楽に、浮竹がその頬を両手で挟んで、キスをした。

「おいおい、あんたら何してるんだ」

「海燕うるさい。いいか、京楽。俺と白哉は、兄弟のような関係だ。俺が愛しているのは、京楽。お前一人だ。分かったな?」

「う、うん・・・・・」

京楽は、いきなり浮竹がキスをしてくるとは思っていなかったので、赤くなっていた。

「じゃあ、仕事続けるぞ」

昼餉の時間になり、京楽の分を用意していなかったので、京楽だけ一般隊士の食事と同じものになった。

それでも、随分質素だった頃から考えると、美味しいし、メニューも豊富になっていた。

「今日のデザートは桃か・・・・・」

「君、桃好きでしょ。僕の分もあげる」

一部のメニュー以外は、浮竹は一般隊士と同じ食事だった。ただ、隊長であるし病弱であるから、精をつけてもらおうと、一部が豪華になっていた。

「ありがたく、いただくとしよう」

カットされた桃を、爪楊枝で浮竹の口元にもっていくと、浮竹はそれをぱくりと食べた。

桃の果汁にまみれた唇を、ペロリと舐める浮竹。

京楽は、桃を口に含んで浮竹に口づけた。

「ん・・・・むう・・・・」

桃を咀嚼して、飲み込む。そのまま、ディープキスを繰り返していると、浮竹も京楽も頭をはたかれた。

「何まだ仕事が残ってるのに、盛ってるんですか!昼休みはもう終わりですよ!」

「ちぇっ・・・・・」

京楽をギロリと睨む。

「おお怖・・・・・」

「海燕、キスくらい別にいいだろ」

「だめです!あんたら放っておくと、仕事後回しにして睦みあうんだから!」

何度かそんなことがあったので、海燕も過敏になっていた。

「はいはい、大人しく仕事を片付ければいいんだろう」

「こういう時の海燕君って、七緒ちゃんなみに怖いね」

「そこ、聞こえてますから!」

「怖い怖い・・・・」

京楽はそう言いながら、仕事を片付けていくのだった。








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それでも隊長だった

「起きろおおおおおおおおおおおお」

「いやだあああああああああああああ」

「起きやがれこのやろうおおおおおおおおお」

「絶対に起きてやるもんかああああああああああ」

朝から、浮竹と海燕は熾烈なバトルを繰り広げていた。

布団をはがそうとする海燕と、それを阻止する浮竹。

普通に見ているだけなら微笑ましいが、本人達は命をかけた戦のように、戦っているのだ。

「もう10時だ、勤務時間の9時を回ってるんですよ!起きやがれ!」

「11時に起きる!」

「はぁ・・・・全く、今日も起こせなかった・・・・・」

海燕は力尽きた。

「よっしゃ、今日は俺の勝ちだ。じゃあ、11時にまたおこしにきてくれ。ZZZZZZZZ」

「はぁ・・・・なんつー上司だ。冬になると布団にへばりついて寝過ごして・・・まぁ、1日の仕事を残りの時間でちゃんとこなすから、目を瞑る日もありますが・・・・・」

11時なって、海燕が浮竹を起こしにきた。

「11時になりました。起きろおおおおおおおおおお」

布団と毛布をひっぺがすと、浮竹はその寒さにばっと起き上がった。そして、小さく舌打ちした。

「今、明らかに舌打ちしましたね!?11時に起こせといったのはあんたでしょう!」

「そんなの、守らなくてもいいのに」

「あんたね。仮にも13番隊隊長なんですよ!少しは隊長としての自覚を持ったらどうですか!」

「俺が寝過ごすことで、誰かに迷惑をかけているでもない」

「俺が非常に、迷惑を被っています」

「運命として、諦めろ」

「あんたねぇ!」

がみがみとお説教されていたが、浮竹は欠伸をかみ殺していた。

「全然聞いてねぇな、あんた!」

「聞いていた。他の隊長たちは最低でも8時には起きる、だろう?」

「なんだ、ちゃんと聞いてるんなら、実行に移してください!」

「他所は他所、うちはうち」

そう言い出した浮竹に、海燕は噴火しそうだった。

「隊長!」

「やぁ、おはようっていうかこんにちわ。浮竹、今起きたばかりかい?」

「京楽隊長も、何とか言ってやってくださいよ!この人、8時に起きないんです!9時の死神の業務の始まりの時間なっても起きやしない」

「浮竹ぇ、だめだよ。せめて9時には起きようよ」

「えーー」

「あんまり我儘いってると、甘味屋にいくのなしにするよ?」

その言葉に、浮竹は飛び起きた。

「海燕、早く昼餉と水をいれたたらいをもってこい!」

浮竹は夜着から死覇装に着替えて、きびきびと動き出す。

「さすが、京楽隊長・・・・・・」

「甘味物を与えないって脅せば、この子大抵起きるよ」

「なるほど・・・・・」

「こらそこ、海燕に情報を与えない!」

もちこまれた水をはったたらいで顔を洗い、急いで昼餉を食べて、仕事にとりかかった。

3時間もすれば、今日1日中かかると思われていた書類仕事は片付いていた。

「よし、今日の仕事は終了だ。文句はないな、海燕?」

「はいはい。もう自由時間です。京楽隊長といちゃつくなり、甘味屋にいくなり、寝るなりなんでもしてください」

「京楽、さっそく甘味屋へ行くぞ」

「はいはい」

こうして、始まりの遅い浮竹の一日は過ぎていく。

浮竹は、4日ぶりになる甘味屋でのスウィーツに満足そうな顔をしていた。

「たまには、苦労している海燕君におはぎでも持って帰るかい」

「ああ、そうだな。すみません、おはぎ20個持ち帰りで」

「ちゃっかり自分の分まで確保する君の精神には、感服するよ・・・・・」

おはぎが20個つまったパックンの入った袋を手に、浮竹は海燕を呼んだ。

「海燕、おはぎを買ってきたんだ。食え」

「え、まじですか。隊長が自分で食べないで俺にくれるなんて・・・・・明日、槍が降るな」

「俺の分は確保してある」

皿に、15このっているおはぎを、浮竹は食べていく。

パックの残りを見る。

5個入っていた。

3個で十分だと思い、口に出す。

「あと、2個、俺の分から食べても構いませんよ」

その言葉に、浮竹が固まった。

「お前、何考えている!さては、明日俺を起こすための取引材料か!?」

「なんでそんな思考にいきつくんですか」

海燕は長い溜息をついて、浮竹の食べているおはぎの乗った皿に、2個つけたした。

「おはぎを分けてもらっても、9時にしか起きないからな!」

「9時なら、十分です。いつも11時か昼まで寝てるんだから・・・・・・」

次の日。

浮竹は、珍しく8時に起きた。

朝餉を準備してもらおうと海燕を呼ぶと、額に手を当てられた。

「隊長が8時に起きるなんて、ありえない」

熱はなかった。

「うおおおお、なんて不吉なんだ」

「おい」

「今日は槍が降るうううううう」

「おい」

「ああっ、人生の最後かも!都に遺書を渡しておくんだった」:

「おい」

浮竹は、額にいっぱい血管マークを浮かべて、微笑んでいた。

「そうか、そんなに俺に早起きしてほしくないのか。もういい、もう一度寝る!」

「ああっ、違います隊長!起きてください!起きろおおおおおおおお!!!!」

「ZZZZZZZZZZZZZ]

揺さぶってもちっとも起きやしない。

布団と毛布をひっぺがそうとするが、ひっついていてなかなかとれない。

「今日の3時のおやつ、抜きにしますよ!ちなみに外郎(ういろう)です」

がばっと、浮竹は起き出した。

「朝餉と、水をはったたらいを」

「隊長がいつも朝飯食わないんで、朝餉の用意ができていません。一般隊士のものでいいなら、すぐに用意できます」

「一般隊士のものでいい」

京楽の言葉は、本当によく効いた。

これから浮竹を起こす時は、甘味物があることを口にしようと思う海燕。

これでも、13番隊の隊長なのだ。

きちんとしていれば、申し分ない。

そう思うのだった。











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院生時代の部屋 雑煮三昧


ぬ(はぁと、浮竹は溜息をついた。

「今日の昼飯も雑煮だ。朝飯も雑煮だった。夜も雑煮なんだ」

もちを飾りすぎた上流貴族の、京楽なんかが中心となって、カビを生やせるのはもったいないと食堂に寄付したのだ。

その量が多すぎて、1日3食雑煮になっていた。

「僕は、自分ちの料理人呼んで、いつも違うメニュー作ってもらってるからねぇ。食材も僕の財布から出ているから、文句を言うやつはいないし」

「すまない京楽、雑煮が終わるまで、お前のところの料理を一緒に食べていいか?」

「勿論だよ。キスしてキス!」

仕方なくキスをすると、ベッドに押し倒された。

「ううん・・・・」

ぴちゃりと、舌が絡み合う。

「好きだよ、浮竹」

「あ、京楽・・・・」

ハグをして、離れる。

京楽はもっとその先にいきたいのだけれど、浮竹は拒絶したままだった。

「早速食堂にいくかい?」

「ああ。雑煮を食べないでいいと思ったら、気分が楽になってきた」

食堂にいくと、京楽家専門の料理人が、慌てて二人分の食材を用意して、料理をしてくれた。

今夜のメニューは、うなぎのかば焼きとお吸い物、ご飯に煮込んだ鯛のアラだった。

「はぁ・・・久しぶりのまともな、というか相変わらず豪勢だな」

「こんなの、普通でしょ」

周囲の生徒たちが羨ましそうにしていた。

みんな、雑煮なのだ。

雑煮でない二人に、自然と視線が集中する。

「いいよな、上流貴族は」

「ほら、あっちでも違う上流貴族が違うご飯食べてる」

綱彌代時灘(つなやしろときなだ)だった。

4大貴族綱彌代家の分家の末裔だ。

同じ学年の院生だからと、時折浮竹が声をかけるが、いつも無視するような人物だった。

綱彌代時灘は、後に隊長であった東仙を嘆かせる原因となる、自分の妻及び友人を殺害するが、
4大貴族であるからと、その罪を許される。

それはまた別のお話で。

京楽は、興味もなさそうに、綱彌代時灘を見た。

他の者を屑扱いする上流貴族で、好きではなかった。

「浮竹、食べ終わったら早めに寮に戻ろう」

雑煮ばかりで飽きた院生たちの鬱憤が、こちらにまで及んできそうなのだ。

その前に、浮竹は食堂の料理長を呼んだ。

「もちでも、雑煮以外のものを作れるだろう?焼いてみたり、お吸い物にいれたり。雑煮ばかりでは、他の生徒たちがもたない」

「はぁ・・・でも、明日からは通常通りのメニューですので」

「それならよかった」

その言葉を聞いた院生が、みんなに聞こえるように大声でいった。

「雑煮三昧、今日でおしまいだって!明日からは普通のメニューが食えるぞ」

わあああと、歓声があがった。

よほど、1日3食雑煮がきいていただろう。

何せ、ここ3日連続で雑煮三昧だったのだ。流石に飽きる。

だからと外で食べるにも金がかかる。

食堂は安くて美味くてボリュームがあるが常だったのだ。明日から通常運転委戻るようだった。

「浮竹君だったか。あまったもちでおはぎを作ってみたんだ。持って帰りなさい」

「いいんですか?」

浮竹の目がきらりと輝いた。

おはぎをいれた重箱をもらい、浮竹はルンルン気分で京楽の元に戻った。

「寮に戻ろうか」

「うん」

寮に戻り、おはぎを食べだす浮竹。

「重箱は、明日返さないとな」

「僕にも一つちょうだい」

「たくさんあるから、好きなだけ食べるといい」

重箱3段に、おはぎが詰め込まれていた。

浮竹が、甘味物だと人の3倍は食べると知れていたようで。

「甘くておいしいね」

「ああ。壬生のおはぎにも負けない味だ。学院の食堂の料理長は、元々甘味物を作る職人だったらしい」

初めての情報だった。

時折、浮竹に甘味物を流してくれていたのだ。

「ああ、もつべきものは友人と知り合いだな」

重箱にあったおはぎを、京楽は4つほど食べたが、残りを全て浮竹がペロリと平らげてしまった。

「明日から、普通に食堂のメニューを食べよう。僕らだけ、特別メニューばかりしていると、嫉妬されてろくなことにならないからね」

「ああ、そうだな」

京楽家の料理人の作る料理はおいしいが、いつも豪華なのだ。

さすが上流貴族といいたいところだが、浮竹もその味になれてしまって、食堂の料理を食べれなくなることを懸念していた。

「しかし、何故にこうまで雑煮三昧だったのか・・・・・」

それが、大半が自分が寄付したもちのせいだと、知らない浮竹に安堵する。

「まぁ、誰かがもちを大量に寄付したそうだよ。綱彌代とか」

完全に、人のせいにしていた。

「あいつは、4大貴族の末裔だからな。ありそうだな」

浮竹は、騙されているとも知らないで、納得してしまった。

翌日、久し振りに朝食をとりにいった。

「京楽のぼっちゃんから寄付されたもち、なんとか使い切りました」

そういう料理人に、浮竹が京楽をジト目でみた。

「ふーん。犯人は、お前だったのか」

「いや、これは違うんだ!」

「俺にまで嘘をつくのか。今日一日、口聞いてやらん」

「ええ、そんなー!キスやハグは!?」

つーんと、浮竹はついてくる京楽の言葉に反応しないまま。朝食を食べ終えてから授業に出た。

ほんとに1日中口を聞いてくれなくて、泣きそうな京楽がいたそうな。















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浮竹の誕生日

「浮竹、誕生日おめでとう」

「ああ、ありがとう」

「今年のプレゼントはこれだよ!」

全世界でNO1になったという、赤ワインだった。

お値段も、とんでもないことになっていた。

「これは・・・・高すぎ、だろう。ただの赤ワインのくせに」

「あ、ごめん、値札とるのわすれちゃった」

多分、わざとだ。

そう思いつつも、素直に受け取った。

「誕生日プレゼントは僕」とか言い出してきた過去を思えば、まだまだましだ。

「ついにでのプレゼント「僕」さぁめしあがれ」

浮竹は、聞かなかったことにした。

京楽の頭にまかれていたラッピングリボンで、手をぐるぐる巻きにした。

「え、浮竹?」

「これで、手は出せない」

「え、ちょっと!」

そのまま、京楽を放置して、ワイングラスが用意されてあったので、もらった赤ワインを注いで飲んでみた。

「美味いな、これ・・・・・・」

「ああっ、僕も飲むはずが・・・・・」

「なんだ、飲みたいのか?」

「そりゃ、世界NO1っていうくらいだから、飲みたいよ」

「仕方ないなぁ」

ワイングラスに注いでやり、それを身動きがあまりとれない京楽の口元にもっていき、傾けた。

「美味い・・・・」

「だろう」

「あ、もぅちょっと飲ませて」

「仕方ないなぁ」

そういって、互いにワイングラスの中身を飲み干していけば、赤ワインはすぐになくなってしまった。

「もうない。おいしすぎて、飲み終わるのすぐだったな」

「ところで、なんで僕は手をぐるぐる巻きにされているのかな?」

「お前は!毎年毎年、俺の誕生日になったら盛って!」

「今年は盛らないから!」

「本当だな?」

「うん」

その黒曜石の瞳を信じて、浮竹は京楽のラッピングリボンを巻かれた手の戒めを外してやった。

「愛してるよ、浮竹」

押し倒されて、キスをされた。

死覇装の中に手が入ってくる。

浮竹は、頭突きを京楽に食らわせた。

「痛いじゃないか!」

「俺も同じく痛い!盛らないといっただろう」

「こんなの盛ってるうちに入らないじゃない!」

「いいや、完全に盛ってた!」

ぎゃいぎゃい言い合う二人に、副官であるルキアがそっと声をかける。

「浮竹隊長、ハッピーバースディ。さぁ、京楽隊長も!」

雨乾堂の外に出ると、綺麗にイルミネーションが灯るモミの木が置かれていた。

白哉と日番谷の姿もあった。

13番隊の中にまで、イルミネーションを施した木が、道標のように輝いていた。

「ありがとう、みんな」

13番隊の中につくと、みんなからハッピーバースディと言われ、浮竹と京楽の姿を形どったチョコの乗ったケーキがあった・

「これ、食べてもいいのか?」

「はい、隊長」

ルキアが頷く。

浮竹は、早速ケーキを食べてみた。

おいしかった。

「これは・・・・朽木家の料理長のものだろう」

「え、なんで分かるんですか」

「砂糖がちょうどいい感じなんだ。味付けもいい」

浮竹は、ケーキをぺろりと平らげてしまった。

「ああ、僕の形をしたチョコまで食べて・・・・・」

「いいじゃないか。バースディケーキなんだし」

白哉が、プレゼントを渡してきた。

わかめ大使の枕だった。

「ありがとう、白哉」

「健康祈願をかけてある。寝るときに手でなでてから寝るといい」

「なにそれ」

京楽のつっこみを、あえて無視した。

「ほら、浮竹」

日番谷のもってきたのは養命酒だった。

昨日の日番谷の誕生会でよっぱらって、べろんべろんになった浮竹への嫌味をこめたプレゼントなのに、浮竹は当たり前のことのように喜んだ。

「ありがとう、日番谷隊長」

「お、おう」

「今年で何歳か忘れたけど、毎年誕生日を祝ってもらえるのはうれしいなぁ」

昨日は日番谷のバースディパーティーが行われた。それより規模は小さめだったが、一般隊士も参加できる立食会形式のバースディパーティーが開かれた。

料理と酒を用意したのは、京楽だった。

「京楽も、毎年ありがとうな」

「いや、いいんだよ」

クリスマスも近い。

浮竹は、結局昨日の日番谷の誕生日と同じように、べろんべろんに酔っぱらってしまった。

そんな浮竹を、京楽は抱き抱えて、バースディパーティーも解散となった。

「誕生日おめでとう、十四郎。生まれてきてくれてありがとう」

「ふにゃ~~~~~~~」

浮竹は半分眠っていた。

雨乾堂にしいた布団に寝かせる。まくらは白哉からもらっらた、わかめ大使のやつにしておいた。

日番谷からもらった養命酒は、テーブルの上に置いた。

ルキアやそのほか一般隊士からもらったプレゼントが、雨乾堂の入口に置かれてあった。

「君は、本当に人気があるねぇ」

浮竹の寝顔にキスをした。

「来年は僕を祝ってね」

そう言い残して、京楽は8番隊の隊舎に戻っていくのであった。






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白哉も語尾がニャン

「白哉、これを飲んでみてくれニャン」

「浮竹?また薬を飲まされたのか?」

「そうだニャン。さぁさぁ、この酒を俺の代わりに飲んで感想を聞かせてくれ」

何か怪しいとは思ったが、白哉は素直にその酒を飲んだ。

「苦い・・・・ニャン」

自分の語尾にニャンがついて、白哉がやはりかという顔をする。

「私を仲間にいれたかったのかニャン?」

「だって俺一人じゃ恥ずかしいじゃないかニャン!白哉も語尾がニャンなんだニャン」

よく見ると、浮竹には猫耳と尻尾も生えていた。

「まさか、私まで猫耳と尻尾がニャン?」

ぴょこんと、白哉の頭に、猫耳がはえて尻尾がゆらりと揺れた。

「ニャンたることだニャン」

白哉は、頭に手をやって猫耳が生えたことを確認し、揺れる尻尾を押さえた。

「浮竹、兄は何故私にニャン」

「日番谷隊長にはもう飲ませたことがあるからなニャン」

「なので、私なのかニャン」

「そうだニャン」

「隊長!?」

ニャンニャン言い合って、猫耳と尻尾がはえた白哉を恋次が見つけて、引きずっていく。

「どこにいくのだ、恋次ニャン」

「あんたを、そんなかわいい恰好で放置なんてできません。きっと、みんなに言い寄られる。今夜は隊首室で寝て下さい」

「騒ぎになるような姿なのかニャン」

恋次はやや頬をそめながら、言う。

「めちゃくちゃかわいいです」

「そうなのか・・・・・ニャン」

去って行ってしまった白哉に、浮竹はついていった。

「なんでついてくるんですか、浮竹隊長」

「だって、一人でこの姿だと悲しいニャン」

「私にこうなる薬を飲ませたのは浮田だニャン」

「浮竹隊長、うちんところの隊長になにしてるんですか!」

「いや、一人はかなしいからなニャン。白哉なら似合うとおもったしニャン」

「だそうだ、ニャン」

「だあああもう!」

ニャンニャン言い合う二人を、6番隊の執務室に通した。

「京楽がくるかもしれないニャン」

「なぜだニャン」

「俺にいかがわしいことをしようと、この薬を飲ませたに違いないニャン」

「霊圧を消しておけニャン」

言われた通りに、霊圧を消すが遅かった。

「楽しそうなことしてるねぇ」

いつの間にか、京楽が6番隊の執務室のドアのところに立っていた。

「ふふふふ。浮竹、僕から逃げ切れるとでも?」

「このアホニャン!いっぺん死んで来いニャン」

「まぁまぁ」

そう言って、浮竹を肩に抱き上げる。

「白哉、助けてくれニャン」

白哉が、京楽の行く手を阻む。

「兄をこのまま通すわけにはいかないニャン」

「朽木隊長もかわいくなっちゃって。おい阿散井君、耳と尻尾が性感帯なんだよ。覚えておくといい」

京楽は、白哉の猫耳をふにふにして、尻尾をにぎった。

「にゃああああん」

白哉は自分が出した声に驚く、口を手で塞いだ。

「まじっすか隊長」

恋次の目がきらりと光った。

恋次と白哉ができていることを、京楽も浮竹も知っていた。

「じゃあ、おっさんたちは去るから。あとは若い者同士、ニャンニャンするなりお好きなようにどうぞ」

瞬歩で、京楽と浮竹が消える。

「隊長ーーーー!」

押し倒してくる恋次の鳩尾に拳をいれて、白哉はなんとか身を守ろうとするが、結局おいしくいいただかれてしまうのだった。

「なぁ、京楽ニャン」

「なんだい」

「後で、絶対白哉にお互い怒られるニャン」

「まぁ、その時はその時さ。さぁ、僕らもニャンニャンしようか」

「ぎゃあああああああああニャン」

結局、浮竹もおいしくいただかれてしまうのであった。


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比翼の鳥のよに

恋次が、負傷した。

流魂街の親子を守って、素早い虚に右目をやられた。

「隊長、そんな心配しなくても、移植手術でなおりますって」

白哉は、右目を欠いて、不自由そうな恋次の傍にいた。

「目の移植手術は、神経系統が複雑なため、成功確率は50%だと聞いている」

「大丈夫ですってば。たとえ失敗したとしても、俺にはまだ左目があります。京楽総隊長だって、左目だけでやってるじゃないですか」

「京楽は、大戦の戦時中であるために、移植手術を行わなかった。戦後、移植手術に望んだが、失敗したのだ」

50%の可能性に負けたのだと、白哉は悲し気な顔をした。

「だから、大丈夫ですって隊長」

「何を根拠にそんなことが言える」

「俺には、隊長がいるから。京楽隊長には、もう浮竹隊長がいない。でも、俺にはまだあんたがいる」

恋次は、抱き締めてくる白哉を抱き締め返した。

「怖いのだ。このまま、恋次が光を失ってしまうのが」

「まだ左目があるじゃないっすか」

「右目を失明したら、左目しか残らない。もしも、もう片方の目まで失えば・・・残っているのは、闇だ」

「でも・・・・元隊長の東仙は、盲目でも隊長をしてました」

「それはそうだが・・・・・」

不安げな白哉にキスをして、頭を撫でた。

「とにかく、移植手術にいってきます」

恋次は、手術室に運びこまれた。

待合室で、白哉はなんともいえない不安を抱えながら、待った。

やがて、手術が終わった。

「虎鉄隊長、容体は?」

「喜んでください。移植手術は成功です。あとは回道をかけ続けて、瞳が光を取り戻すのを待つだけです」

「そうか・・・・・・」

白哉はほっとした。

ほっとしたら、今までの疲れがどっと押し寄せてきて、移動もめんどうなので仮眠室を借りて仮眠した。

恋次は、普通の病室に移された。

そこで数日を過ごし、退院となった。

傍には白哉がいた。

まだ右目には眼帯がされてあったが、光を取り戻すのは、時間の問題だと言われた。

いつも、逢瀬の時に使う館へきていた。

「恋次、右目を見せてくれ」

白哉にそう言われて、眼帯を外す。恋次の鮮やかな髪の色と同じ紅蓮の瞳がそこにあった。

「どうだ、見えるか?」

「まだぼやけてますが、見えます」

「そうか・・・・・」

白哉は、心底ほっとした。

「抱いてもいいですか」

「好きにしろ」

今日は酒のみだった。夕飯は、朽木邸で白哉と恋次とルキアと、ルキアの婿養子にきている一護とでとった。

家族の時間を大切にする。

それが、白哉の導き出した答えだった。

恋次も、もはや家族同然であった。

伴侶なのだ。白夜の。

「ん・・・・・」

口づけられて、白哉が少し身動ぎした。

「どうしたんすか」

「なんでも、ない・・・」

白哉は、何度も恋次の紅蓮の右目に、口づける。

「こそばゆい」

「どうだ、焦点はあってきたか?」

「はい。もうはっきり見えます」

褥に押し倒された。

「あんたの姿が、はっきりと見える。しっかり刻みつけないと」

「恋次・・・愛している。お前の片目が失われなくてよかった」

「隊長・・・俺も愛してます。右目、きっと隊長のお陰ですね。隊長の祈りが通じたんだ」

白哉は、薄く微笑んだ。

「そうだと、よいのだがな・・・んっ」

死覇装で見えない場所に、キスマークを残していく恋次。

「ああっ!」

潤滑油に濡れた指が入ってきた。

そのまま前立腺を刺激されて、白哉のものは先走りの蜜を零した。

それを躊躇なく、口に含む。

「ああ!」

ねっとりと絡みついてくつ咥内に、白哉はあっという間に熱を放ってしまった。

「やっぱり薄いですね、あんたの・・・・」

それを嚥下する。

「恋次・・・こい」

もう前戯はいいのだとばかりに、白哉が求めてくる。

恋次は、己の熱を白夜のそこに宛がい、一気に貫いた。

「ひあああああ!」

白哉の黒曜石の瞳から、生理的な涙が流れた。

「あ・・・・あ・・ああっ」

ズチュズチュと中を犯してくる熱に、恋次のこと以外何も考えられなくなる。

「恋次・・・キスを・・」

恋次が、それに応える。

舌が絡まるキスを繰り返しながら、何度も白哉の中を抉り、突き上げ、かき乱した。

「あああ!」

白哉が前立腺を貫かれて、二度目の熱を放つ頃には、恋次も熱を白哉の中に放っていた。

「もう1回だけ、していいっすか」

「好きにせよ・・・・・」

舌が絡み合うキスをしながら、恋次が再び入ってくる。

「んう・・・・」

激しくはなく、緩慢な動きだった。

ゆるゆると動かれて、白哉も余裕がなくなってくる。

「あ、もういけ・・・・」

「もう少し、このままで・・・・」

白哉のなかを堪能するように、恋次が浅く前立腺をつきあげた。

「ひう・・・!」

白哉が三度目の熱を放つ頃には、恋次も二度目になる熱を、白哉の中に放っていた。

「湯殿いきましょうか・・・・・」

ふらつく白夜を支えて、湯殿までくると、白哉の中に吐きだしたものをかき出す。

「ん・・・・・・」

白哉の眉が寄った。

牽星箝(けんせいかん)を外した黒髪は、サラサラだった。

湯をまずは浴びせて、お互いの髪と体を洗う。時折、白哉は恋次の視力の戻ったばかりの、紅蓮の瞳に口づけた。

「最近のお前は怪我がおおい。注意を怠るな。庇うなら、もっとうまく庇え」

「はい・・・・おっしゃる通りです。すみません」

この前の遠征でも、仲間を庇って酷い怪我をした。

あの時の背中の傷跡は、まだ残っていた。

白哉の場合なら治すように勧めるだろうが、恋次は自分の体の傷を、勲章としている。

「このような傷を、残して・・・・・」

恋次の背中を、白哉の白く美しい指がなぞる。

恋次の体には、傷跡がたくさんあった。白哉には傷一つない。

白哉は、自分の体に傷跡が残るのを嫌う。だから、大戦のおりに負った大けがは全て4番隊で傷跡がなくなるように処置してもらった。

そうしないと、恋次が怒るのだ。

「あんたの体は、傷一つでも許せねぇ」

そういって、口づけてくる。

それにこたえながら、湯の中に入った。

「私は、お前の痛みを知らぬ。だが、お前も私の痛みを知らぬ。だからこそ、右目は失って欲しくなかった。お前が失えば、私の右目も疼くのだ」

「隊長・・・・・・」

湯の中でキスを繰り返しあっていた。

ちゃぷんと、お湯が音をたてる。

どちからが傷つけば、もう片方も傷つくのだ。

まるで、比翼の鳥のように。

恋次が右目の視力を失ったときいて、白哉の右目に痛みを感じた。

きっと、目のみえない何か糸のようなもので、お互いに繋がっているのだ。きっと、糸の色は恋次の髪や目の色と同じ、焔の色だ。

比翼の鳥は、糸を絡めあいながら羽ばたいていくのであった。





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語尾がニャン再び

「甘露水だよ。喉にいい薬入れておいたから、少し苦いかもしれないけど」

「ああ、すまない・・・・・」

肺の発作で臥せっていた浮竹に、喉にいい薬といって、語尾はニャンになる薬を入れえて、それを飲ませた。

「この苦さ、どこかで・・・ニャン」

自分口を手で抑えた。

「京楽~~~~~~~お前というやつはこりないのかニャン!」

「いやぁ、この前は半年前だったかなぁ。まぁいいじゃない。臥せっている間だけだし」

「なんだ・・・むず痒いニャン」

ぴょこんと猫耳が生えて、尻尾も生えてきた。

「京楽のあほーーーーーーーニャン」

「いやぁ、かわいいねぇ。語尾のニャンもいいけど、猫耳と尻尾もあったほうがいい」

「さわるなニャン。変なかんじだニャン」

「性感帯なのかな?」

「しらないニャン」

ふにふにと、猫耳をさわり、にぎにぎと尻尾を握られた。

「にゃああああん」

思わず出た声に、浮竹が驚く。

「やっ、変なのニャン」

「ねえ、一応発作を抑える薬いれておいたから、もう大丈夫?」

「え・・・あ、体が軽いニャン。うそのようだニャン」

「しても、いいかい?」

「だめニャン!まだ病み上がりだニャン!」

「じゃあ、明日」

そう言って、京楽は去ってしまった。

「どうしようニャン」

日付は、とっくの昔に過ぎて、朝になっていた。

すっかり元気な浮竹だったが、今の姿を他の隊士に見られたら大変なので、雨乾堂に閉じこもっていた。

ルキアが、事情を聞いて夕餉や朝餉をもってきてくれた。

「隊長、けしからんかわいさです!もう一度、私にも耳と尻尾をさわらせてください」

「朽木・・・・・なんか変なんだニャン。耳と尻尾をさわられると、背筋がぞくぞくするんだニャン」

「今もですか」

「今も少し。でも京楽に触られると、すごいんだニャン」

「やっぱり、愛し合っておられるからじゃないですか?」

「何がだい?」

「京楽隊長!こんにちわ!」

「ああ、ルキアちゃんこんにちわ。浮竹の具合はどうだい」

「はい、全くといっていいほど健康であります。昼餉に食べましたし、甘味物もおはぎを10個は食べました」

「浮竹。昨日の続き、してもいいかい?」

「いやだニャン!逃げるニャン!」

逃げ出そうとしたところを、尻尾を掴まれた。

「にゃあああああああん」

「浮竹?」

「尻尾と耳はだめなんだニャン」

「ルキアちゃん」

「はい」

「すまないけど、3時間ばかり雨乾堂には誰にも近寄らせないで」

その意味することが分かり、ルキアは顔を真っ赤にしながら雨乾堂を退出した。

「さぁ、これで僕たちは二人だよ」

「しるかニャン」

猫耳をもふられて、尻尾をにぎにぎされるだけで、甘い声が漏れた。

「にゃああああああん」

キスをされた。

「ふあ・・・・・・」

どうやら、喘ぎ声にはニャンがつかないようで。

「にゃあああ」

かわりに、にゃあにゃあと鳴いた。

布団の上に押し倒される。

そのまま死覇装に手をかけられて、尻尾をにぎにぎされながら、体全体を左手と唇が這う。

「やっ」

袴を脱がされて、花茎を握りこまれた。じゅぷじゅぷと音をたて、先走りの蜜を潤滑油代わりにしながらしごかれて、先端に爪をたてられた。

「にゃあああああ!」

「浮竹、かわいい」

浮竹はいってしまっていた。ゆらりと、ものほしそうに尻尾が揺れる。

潤滑油で濡れた指が体内に入ってくる。

「うあ、や、いや・・・・・」

「ここは?」

「にゃあっ」

前立腺をこりこりと刺激されて、浮竹は何も考えられなくなる。

ただ、キスがほしくてねだった。

「きすがほしい・・・ニャン」

「いくらでもあげる」

指を動かされながら、浮竹は京楽と舌が絡み合う深いキスをした。

「ふあ・・・あああ・・・・にゃんにゃああ」

ずっと、灼熱に引き裂かれた時、今まで一番高い声を出していた。

「にゃああああああ!!」

にゃあにゃあと啼きながら、そこは喜んで浮竹を迎え入れた。

「く、きつい・・・・一度、出すよ」

「にゃあ!」

腹の奥に、じんわとした熱が広がっていく。

「十四郎、好きだよ。愛してる」

ずちゅずちゅと音をたてて、貫かれる。

「普通は、愛してる相手に薬なんて盛らないニャン」

「いやいや。マンネリ化も防ぐ意味もあるし」

「そうだとしても・・・・・・ああああ!」

衝撃でずり上がっていく体を、京楽が尻尾を握った。

「やめ・・・ニャン・・・尻尾はだめニャン」

びくびくと、貫かれながら、尻尾を握りこまれて、体が痙攣した。

「ああああ!」

2回目の熱を放ち、浮竹はまたゆらりともの欲しそうに尻尾を揺らした。

「にゃあああ」

京楽が猫耳を甘歯噛みしてくる。

「猫耳もだめ・・・・・ニャン」

「猫化すると、大分えろいね」

「いってろニャン。今度覚えておけニャン」

「にゃんにゃんかわいくて、怒られてる気が全然しないよ」

浮竹の腹の奥まで突き上げて、京楽も二度目の熱を浮竹に注いだ。

「あ、あ、あ・・・・・・ひあああ・・・・にゃああああ」

そのまま睦みあい、何度かも分からぬ精を吐いて、浮竹はドライのオーガズムで何度かいかされた。

耳も尻尾も、元気なくしおれている。

「さっさといけニャン。お前性欲がおおせいだから、つきあうこっちの身にもなってみろニャン」

「ふふ、ごめんよ。もう終わるから」

最後の一滴まで浮竹に注ぎ込む。

「満足したかのこのあほ・・・・・ニャン」

「さて、風呂にでも入ろうか」

「いいけど、変なことはするなよニャン」

京楽は、意地が悪そうに微笑んだ。

「いやー、猫耳と猫の尻尾洗うのが楽しみだなあ」

「やっぱり一人で入るニャン」

「まぁそう言わずに」

がしっと大きな手で肩を掴まれる。そのままひょいっと、体をもちあげられた。

「着換えは用意しておいたから」

「用意周到かこのやろうニャン!」

「まぁまぁ。触られると、きもちいでしょ?」

「教えないニャン」

浮竹はぷんすか怒った。

それがまたかわいくて、京楽はでゅふふふふふと、奇妙な笑い声をあげるのであった。




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一護と入れ替わった件

昔、過去に海燕、京楽、白哉、日番谷と入れ替わったことがある。

最近はそうそうないので、すっかり忘れていた。

「じゃあ、浮竹さん」

「ああ、またな一護君・・・ごほっごほっ」

思わず咳込んでしまい、しゃがみこむ。

「大丈夫かよ、浮竹さん」

「ああ、ちょっと咳込んだだけだ・・・・・・」

立ち上がろとして、ゴチンと頭をぶつけた。

「あいたた、あれ、一護君がいない?」

「あれ、浮竹さん?えええ、俺がいる!?」

「ああ、また入れ替わったのか」

昔から時々、頭をぶつけると、中身がいれかわるのだということを説明した。

「じゃあ、2時間ほどで元に戻る思うから、雨乾堂で適当に寝ててくれ。俺は、現世に久しぶりに行ってみたいから、このまま君の自宅まで帰る」

「ちょっと、浮竹さん!」

浮竹は、一護の制止の声を無視して、穿界門の彼方、現世へと帰ってしまった。

「雨乾堂って・・・・どっちだ?」

一人もんもんと悩んでいるところを、尻をさわられた。

「ぎゃあああああああ!?」

「どうしたんだい、浮竹。こんなところで」

抱き締めてくる。キスをされて、一護は死にかけた。

「違う違う!中身はあんたの恋人の浮竹さんじゃなくって、黒崎一護だ!」

「はぁ!?また入れ替わったの、浮竹のやつ。うえええ、一護君にキスしちゃった」

「それはこっちの台詞だ!」

一護はぷんすかと怒りだした。

「京楽さん、あんたと浮竹さんができてるのは知ってるけど、外でもこうなのかよ」

「そうだよ。僕ら、交際してること否定しないから、こうだよ」

浮竹の体の一護は、深いため息をついた。

「で、浮竹はどこに?」

「現世にいってみたいって、俺の家に帰った」

「仕方ない・・・僕らも現世にいってみよう」

京楽の言葉に、一護が不思議がる。

「いいのか、京楽さん。あんた隊長だろ、その勝手に現世にいったりして」

「なーに、緊急事態さ。ばれて怒られるとしても、山じいから説教されるくらいさ」

こうして、二人は現世に赴いた。

その頃、黒崎家では。

「このたわけ!」

いきなり、ルキアに顔面を蹴られた。

「くくく、朽木!?」

「貴様というやつは・・・・デートをすっぽかしよって。知らん。もう好きにしてしまえ」

ルキアは怒って尸魂界に戻ってしまった。

あわあわしているところで。

「一兄、なにしてんのさ」

夏梨に声をかけられて、ドキッとした。

「ななな、なんでもないぞ」

「変な一兄。なんか変なもんでも食べた?なんか動作っていうか口調っていうか、年よりくさい」

ガーン。

ショックを受けたが、こんな機会はそうそうないのだ。一護の財布を握りしめて、浮竹はスウィーツを求めて街を彷徨う。

デパートのケーキ屋さんに入り、食事できる席があったので、食べれるだけ食べた。

「ふーむ。やっぱり自分の体じゃないと、好きなように食べれないな」

残りを持ち帰りにして、デパートを出た。

そこで、霊圧を探っていた京楽と、一護に見つかってしまった。

「ちょっと、浮竹さん俺の金でケーキ買ったのかよ」

「ああ、これくらい京楽が補填してくれる。だめなら俺の給料から出そう」

「浮竹、いくら現世のスウィーツが食べたいからって、一護君の体を使うものじゃないよ。一護君はまだ若い。栄養がかたよると体に悪い」

「大丈夫、肺をやられている俺でさえ、甘味物を食べても平気なんだ」

3人で、一護の部屋にやってきた。

「いつ戻るんだこれ。戻らなかったらずっとこのままとか・・・冗談じゃねぇ」

一護のイライラに、浮竹はほんわりと笑んで、ペットボトルの茶を飲んだ。

「おお、茶まで売っていたのは驚いたが、おいしいな」

「浮竹さん、俺の顔でのほほんとするのやめてくれないか。アホに見える」

「あほ・・・・今の俺の顔は、緊張状態に似ているな」

やがて時間が経ち、元に戻った。

「よっしゃあああ!って、ルキアとのデートすっぽかした。どうしよう」

「ああ、朽木なら俺に蹴りを顔面に食らわせてから、尸魂界に戻ったぞ。「知らん、すきにしてしまえ」と言っていたなぁ」

「ああああああ浮竹さんのあほーーーーーーー!!」

一護は急いで、尸魂界の朽木家に戻り、ルキアに今頃は事情を話して謝罪している頃だろう。

「なぁ、京楽。せっかく現世にきたんだ。ちょっと遊んでいかないか」

「いいけど・・・・・」

「こっちの通貨の金はもってるか?」

「念のため、100万ほどもってきてるよ」

二人とも、カジュアルな服装だった。

「だったら、まずケーキバイキングにいこう。それから遊園地に水族館に動物園だ」

「ええ・・・・今日1日で、そんなに周りきれるかな?」

「回り切れなかったら、ホテルをとって一泊しよう」

「うわあ山じい怒るだろうなぁ」

「どうせ怒られるんだ。明日帰っても今帰っても同じさ」

こうしていい年をした大人二人は、若いカップルに紛れて一時、現世で羽を伸ばすのであった。






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10話補完小説

「私は黒崎真咲。滅却師です」

真咲は、申し訳なさそうに顔をふせた。

「そっか・・・・」

一心は、真咲ににかっと笑った。

「互いに命は無事なんだ。これで貸し借りはなしだな」

その言葉に、真咲は目を開いた。

「滅却師の本物を見るのは初めてだが・・・・・」

「あなたは、死神なのに滅却師を疎まないんですか?」

「疎むも何も、命助けられたしな」

真咲の手をとって、傷だらけの一心は起き上がった。

「ま、これも何かに縁だ。おれは志波一心。見ての通り、死神だ」

一心は、真咲に手を伸ばす。

「え、何?」

「握手だよ、握手」

「はあ・・・」

一心は、真咲の手を握って、握手をした。

「はぁ。現世も変わったもんだなぁ」

近代化した街並みを見る。

真咲の応急手当がきいたのか、一心は怪我のわりに平気そうだった。

「じゃあ、私はこれで」

「あ、また会えるか?」

「さぁ・・・・どうでしょう」

「さっきの虚、後ろで死神が糸を引いているようなだ」

「それを私に知らせて、どうしろと?」

「いや、ただ身辺に気を付けてほしい。それだけだ」

そのまま、一心と真咲は別れた。

ザーザーと降っている雨は、やみそうになかった。



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「お前には、いつか話しておこうと思っていた」

「何をだよ」

「母さんの・・・・・黒崎真咲のことだ」

「お袋が、なんだってんだよ」

一護は、一心の言葉をただ聞いていた。

「お前はただの人間でも死神でもない。お前の母さんは滅却師。お前は、滅却師と死神の間にうまれた、特殊な存在だ」

「え・・・・・」

一護が息を飲む。

それはつまり、ユーハバッハのような滅却師の血が、自分にも流れているということ。

あいつが、「我が息子よ」と言ってた言葉を思い出す。

「そんなの、ありかよ・・・・・・」

あんなのと、同じ血が流れているなんて、冗談じゃなかった。

しかし、滅却師には石田のようにいい奴もいるのも事実だ。

「俺は・・・・・・」

まだ濡れた髪から、ぽたぽたと雫が落ちていた。

「その前に、髪の毛かわかせ。風邪ひくぞ」

もう、遊子も夏梨も寝ている深夜だ。

タオルともってこられて、頭にかけられた。

それで乱暴に、髪についていた水分をとった。

黒崎真咲。

一護の母親の正体が、ついに明かされようとしていた。



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隊首会でも語尾がニャン

また、語尾がニャンになる薬を、京楽に盛られた。

「いい加減にしろニャン」

「浮竹、かわいいーーー」

抱き着いてくる京楽は、まったく反省していなかった。

「あ、今日隊首会があったんだニャン」

「浮竹はこのまま出てね。みんなにも語尾はニャンなところ、見せてもいいから」

「よくないニャン!なるべく発言はしないニャン」

やがて隊首会が開かれた。

黒崎一護が霊圧を取り戻した件であった。

「元柳斎先生、一つ質問が・・・ニャン」

みんな、なんだと浮竹の顔を見た。

「ふざけているのか?」

砕蜂が怒りだすが、浮竹は首を振った。

「これは、京楽の涅マユリ特製の、語尾に「ニャン」がつく薬を盛られたせいだニャン」

視線が、一気に京楽と涅マユリに集中する。

「私は、頼まれたから作っただけなのであって、悪いのは京楽隊長だヨ」

「あ、一人で逃げるつもりかい、涅隊長!」

去っていこうとする涅マユリの服の裾を掴んだ。

「一緒に、山じいにこってりしぼられようよう・・・・」

「春水、それに十四郎、涅マユリ。以下の三名は残るように」

日番谷も語尾がニャンになる薬を飲まされたことがあるので、何か言いたそうな顔をしていがが、去って行ってしまった。

「全部京楽が悪いんだニャン。元柳斎先生、しかるなら京楽と、薬をつくった涅隊長を起こるべきだニャン」

「薬を飲まされる隙を作ったお主にも問題はある」

「そんなひどいニャン。俺は好きでこうなったわけじゃないんだニャン」

京楽は、山本総隊長の流刃若火で、尻に火をつけられて、あちゃちゃと走り回っていた。

「のう、涅マユリ。その方は、変な薬を作っては京楽に流していると聞くが、本当はどうなのじゃ」

「金を積まれたら、作ることは作るヨ。でも、使うかは京楽隊長しだいだネ」

「それを今後辞める気はあるのか?」

「いくら総隊長とはいえ、私の研究には口出しは許さないヨ。京楽隊長からもらったお金で、いろんな整備をしているんだからネ。何も、個人の資産にしてるわけではいのだヨ

「そうか。涅隊長は帰ってよし」

まだ尻に火がついたまま、あちゃあちゃと走っている京楽をみる。

その火を消してやり、京楽は土下座をさせられた。

そのまは京楽は山本総隊長から、こってりとしぼられた。

「十四郎に謝り、二度とこのような真似をしないと、誓うのじゃ」

「浮竹、ごめんね。もう変な薬飲ませないから」

その言葉に安心したのか、浮竹は許してしまった。

「元柳斎先生、もうこのへんで・・・ニャン」

それから、半年は何も飲まされなかった。心を入れ替えたのだと信じていたのだが、尻に火をつけられてこってりしぼられても、京楽の悪い虫は収まらなかったようで。

半年後。

「なんでまた語尾が・・・・・ニャン!猫耳と尻尾まではえてるニャン。こら、京楽、あの飲ませないという誓いはどこへいったニャン!」

「そんな遥か過去のこと、忘れてしまったねぇ」

盛った京楽に、押し倒された。

「ああ、やめろニャン」

「ふっふっふ。猫耳猫の尻尾に語尾がニャン。最高だね」

そのまま、浮竹は京楽に美味しくいただかれてしまうのであった。



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卯ノ花の手紙

勇音。

あなたが卍解をすでに習得しているのは、すでに知っています。

あなたは強い。あなたは賢い。あなたの回道は素晴らしい。

これは、私の我儘です。

私は、更木隊長を目覚めさせるために、更木隊長と斬り合うでしょう。

きっと、その果てに命を失うでしょう。

勇音。

あなたが、次の4番隊隊長です。副官には、13番隊の妹を選んでやってください。

13番隊の浮竹隊長も、きっと私に続くでしょう。

勇音。

悲しむ必要は、ないのです。

これは、すでに決められていたこと。

私が初代の剣八であったことは、昔話しましたね?

その剣八の名を、更木隊長が受け継ぐのです。

私の存在は、剣八の中に脈打っています。

何も、無駄に命を散らせるわけではありません。

勇音。

今頃、泣いているのでしょうね。でも、泣く必要はないのです。

これは私が撒いた種。更木隊長に、斬り合うのを楽しむように、力に枷を背負わせてしまったのです。

私との斬り合いで、更木隊長は、真なる剣八へと生まれ変わるでしょう。

だから、泣かないでくさい、勇音。

あなたが泣くと、私も悲しいのです。

どうか、死にゆく私を許してください。

勇音。愛しています。実の娘のように。


                        卯ノ花烈・卯ノ花八千流






今頃・・・・・勇音は、手紙を見てくれているでしょうか。

卯ノ花と更木は、互いに返り血と自分の血を浴びながら、斬り合いを続けていた。

「更木隊長・・・生まれ変わって、ください」

「何わけのわかないことほざいてやがるんだ!」

────更木剣八、あなたは死なない。あなたは死線を潜る度に強くなる。それこそがあなたが自分 に科した過ち、そして、私の罪。

更木は傷だらけだった。

卯ノ花もだ。だが、卯ノ花は剣戟の間に自分に回道をかけている。このままでは、更木が先に力尽きるのは見えていた。

────私は強い。あなた以外の誰よりも。だからあなたを殺しましょう。百度でも千度でも。だから、あなたを癒しましょう。何度も何度でも。あなたが真のあなたへと立ち戻りるまで。そして、私をこえて、遥かな高みと。

「────卍解『皆尽』」

その剣は、癒しの能力をもつ。

更木の血の色をまといながら、彼の傷を癒した。

「どういうことだ、てめぇ」

「あなたには、まだ力尽きてもらっては困ります。私を、超えてもらいます」

「何を言ってるのかさっぱりわかんねーよ!」

更木は、そのボロボロの斬魄刀で、卯ノ花の返り血を浴びた。

「甘い・・・・・」

肩を刺し貫いた。

卯ノ花は腹に更木の剣を受けていた。

互いに距離をとる。

その間に、卯ノ花は回道で腹の傷を癒してしまった。

────ああ、なんて楽しい。八千流と名乗っていたあの頃に戻れている。

だからこそ、あなたには目覚めてもらねば、困るのです。

更木の放った剣が、卯ノ花の胸に吸い込まれるように決まった。

────さよなら。世界で只一人、私を喜ばせ男(ひと)よ────

「見事です、更木剣八。これにてお仕舞」

「あんた・・・死ぬのかよ・・・このまま死ぬのかよ!死ぬな!

────何を今さら。

「あんたが、好きなんだ」

────ええ、気づいていましたよ。

「更木剣八。最強の、剣八は、今日からあなたです」

────役目を果たして死ねることの、なんたる幸福であることか。

卯ノ花は、目を閉じた。

もう、回道で癒せる傷ではないことは分かっていた。

頬に、涙の雫を受けてふと気づく。

「────泣いて、いるのですか」

「死ぬな。頼むから、死ぬな」

「────私は、あなたの中に生きている。あなたが振うこの刃の中に、いつでも私はいます」

「卯ノ花・・・・・・」

────山本元柳斎重國。今、あなたの元へ、いきます。

「おい、卯ノ花!」

もう呼びかけに応じなくなった卯ノ花を抱き締めて、だんだん体温をなくしていく体を抱き締めた。

唇重ねると、血の味がした。

────勇音。後は、頼みます。

二人の愛し合っていた男と女は、女の死によって、壮絶な戦いの幕を下ろした。

無闇の空間を出て、話しかけてきた斬魄刀と対話をしながら、先へ先へと進んでいく。

まだ、血が疼いていた。

斬り足りねぇ。

────さらばだ、卯ノ花。俺が唯一愛した女よ。

更木は、さらなる獲物を求めて歩き出す。

まだ、血に飢えていた。

────もっともっとだ。殺したりねぇ。

血の飢えた狼のようだった。



「ああ、卯ノ花隊長はいったか────」

瀞霊廷の安全な場所で待機していた京楽は、卯ノ花の霊圧がなくなったことを感知した。

「お前、こうなることを分かって?」

「そうだよ。卯ノ隊長から頼まれたんだ。更木隊長を目覚めさせるために、斬り合いをしたいと・・・」

「────卯ノ花隊長は、何故命をかけてまで・・・・・・」

「君も、薄々気づいていたでしょ?今のままの更木隊長じゃだめだって」

「だからといって!」

「やめよう。卯ノ花隊長は責務を果たしんだ。どうこういうのは、彼女の死の侮辱になる」

浮竹は、優しかった卯ノ花の笑顔を思い出した。

「それでも、俺は卯ノ花隊長に死んでもらいたくなかった」

涙が滲んだ。

────卯ノ花隊長。どうか安らかに。

────あなたの死を無駄にはしない。

────きっと俺も、あなたの後に続く。

浮竹と京楽は、卯ノ花の冥福を祈るであった。






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寒椿

今年も、椿の花が咲いた。

6番隊隊長は、代々朽木家の当主が主に選出されていたため、庭に植えられた隊花である椿は、今年も見事に咲き狂っていた。

「隊長?」

恋次が、先へ行こうとして動かない白哉を振り返る。

「どうしたんですか、隊長」

「我が隊の隊花が何か知っているか?」

「椿でしょう。隊長のこの屋敷にいっぱい咲いてますね」

「もともと、お爺様の代より前から、6番隊の隊長は朽木家の当主が選出されてきた。多分、私の代で、朽木家の当主が6番隊の隊長になるのは終わりだ」

恋次の顔が、苦しそうに歪む。

「子供が、できないからですか」

「それもある。もっとも、私も子供が欲しいだけなら妾なりなんなりを侍らせて、子を産ましている」

「隊長・・・・・・・」

白哉は、白い椿の花を手折って、恋次に渡した。

「次の当主は、きっと遠い親戚筋か、最悪養子をとるだろうな」

「隊長、俺との関係は重荷ですか?」

「誰もそんなこと、言っていないであろう。次の当主が選ばれるのも、養子をとるとしても、もう剣が振るえなかった時だ。お爺様の朽木銀嶺様のように、年老いていても私はきっと、隊長で在り続けるだろう」

「その隣には、俺はいるんでしょうか」

「それはお前次第だ」

恋次は、渡された椿を、昔のように白哉の髪に飾った。

「やっぱ、隊長には赤色も似合うけど、白の椿も似合う」

「昔もらった紅色の椿は、今でも氷室に保管している。お前からもらった物の中で、一番嬉しかった」

恋次は、その言葉にとても嬉し気だった。

「隊長・・・・椿の花言葉が、色で違うこと知ってますか」

「知っている。白は「完璧な美しさ」「申し分のない魅力」「至上の愛らしさ」であろう」

「全部、隊長に当てはまります」

「最初の2つはいいとして、最後の至上の愛らしさななどは、私にはない」

白哉が首を横に振りながら、言う。

「そんなことないですよ。隊長かわいいじゃないですか」

「どこがだ」

「寝ている姿とか、めっちゃあどけなくてかわいい。行為中も隊長は・・・いてて」

恋次の三つ編みにされた髪を引っ張っていた。

白哉はやや頬を染めていた。

「それ以上言うと、この髪を切るぞ」

「ああっ、けっこうがんばって伸ばして揃えてるんです。勘弁してください」

「ならば、それより先を言わぬことだ」

恋次は、髪から白哉の手を退けた。

「とにかく、隊長は完璧なくらいに美しくて、申し分のない魅力をもっていて、とっても愛らしいってことです」

「褒めすぎだ」

「白椿、似合ってますよ・・・・・」

唇が重なった。

「んん・・・・・・んう」

始めは浅くだったが、次第に深くなっていく。

「ん、やめよ・・・・誰かきたらどうする」

「もう少しだけ・・・・・・」

また、深く口づけた。

恋次が舌を引き抜くと、つっと銀の糸が垂れた。

「このような場所で、キスなどするな」

「照れてます?」

白哉の頬が朱かった。

「知らぬ。行くぞ」

白哉は、6番隊の執務室まで歩いていく。

距離がけっこうあったので、途中で瞬歩を使い出す。

昔は全然追いつけなかったが、恋次も成長した。白哉の瞬歩のスピードについていけるようになっていた。

白哉の髪には、白い椿が飾られたままだった。

執務室につくと、そっと白い椿を机の上に置く。

「どうするんすか、それ」

「また、ルキアに頼んで、氷漬けにして氷室で補完する」

「椿、好きなんですね」

「隊花のせいもある。だが、個人的に好きなのだ。梅の花も桜の花も好きだが・・・・」

恋次が最初に濃い紅色の椿をくれたせいだとは、口が裂けても言わない白哉だった。










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尻に火がつく

「年末年始だー。休みだー!ごろごろするぞおおおお!」

「俺は実家に帰りますけど、ちゃんと朝に起きてくださいよ。京楽隊長、あとは頼みます」

海燕はそういって、雨乾堂から出て行ってしまった。

「京楽、一緒にだらだらしよう」

浮竹に誘われて、ついつい布団に横になってしまった。

浮竹も京楽も、午前中からさっそくだらけ始めた。

「忘れ物・・・ってああ!隊長も京楽隊長も、何午前中から二度寝しようとしてるんですか!」

うるさい副官にばれても、浮竹は舌打ちした。

「今、舌打ちしましたね!?布団はたたんでください!」

海燕が荷物を置いて、浮竹と京楽が寝転がっていた布団を片付けてしまった。

「寒い!」

ぬくぬくの布団がなくなって。火鉢にあたった。

「毛布くらい、いいよね?」

京楽がそう言って、薄い毛布で浮竹を包み込んだ。

「まぁ、今日の最高気温は7度だし・・・毛布を被るくらいは、許しましょう。いいですか、俺がいってもまたごろごろしないでくださいね!?」

「おう、早くいってこい」

海燕が完全にいなくなったのを見守ってから、また布団をしきだす二人。

布団の中でぬくぬくしながら、軽く襲ってきた睡魔に身を任せた。

気づくと、昼餉の時間を過ぎていた。午後の2時だった。

「京楽、おい京楽」

「ん~七緒ちゃん、あと1時間・・・・」

「こら、京楽、何が七緒ちゃんだ!」

ぽかりと頭を殴られて、京楽は目覚める。

「え、あれ・・・ああ、僕も寝ちゃってたのか」

「俺は朝飯も食っていないんだ。流石に腹が減ってきた。13番隊の食堂にいこう」

京楽も昼飯がまだなので、一緒に食堂にいった。

「あ、隊長お疲れさまです」

ルキアがいた。

「朽木じゃないか。どうだ、隊には馴染んできたか?」

「はい。海燕殿が、直々に稽古をつけてくれています」

「そうか。朽木、お前は席官じゃないが実力はあるんだ。頑張ってもっと上をめざそうな」

「はい!」

ルキアは目を輝かせて、去っていった。

「あの子・・・確かルキアちゃんだっけ。朽木隊長の義妹の」

「ああ。白夜の義妹だ。最近隊に入ったんだ・・・・実力は席官クラスなんだが、白哉から席官にしないようにと言われていてな。仲は冷めきってるそうだが、裏ではけっこう朽木のことを思っているらしい、白哉は」

その関係が完全に雪解け水になるのは、藍染の反乱発覚後である。

「朽木隊長も、素直じゃないかねぇ」

二人して、食堂の空いている席に座った。

年末年始の休みを出勤するかわりに、年始あけから休みをもらう者が中心に働いていた。

隊長副隊長も、お盆と年末年始は休みだった。

適当に頼んだ、定食を食べる。

今日はちらし寿司とウナギのかば焼きだった。

「あ、そっちのウナギのほうがでかい」

「はいはい。交換してあげるから」

なんだかんだで昼食をとり、雨乾堂に戻った。

布団でごろごろしながら、思う。

「仕事がないと、暇だなあ」

「まぁ、ないにこしたことないんじゃないの」

「ごろごろするのも、いい加減飽きてきた。花札か将棋か囲碁か・・・・麻雀でもしよう」

「麻雀しようか。何か賭けよう」

「じゃあ、夕食のデザートを賭ける」

「それじゃああ物足りないから、おやつにとっておいたおはぎも賭けよう」

キランと、浮竹の目が光った。

麻雀は、本気を出した浮竹の圧勝だった。

「勝ったぞ。おはぎをくれ」

「仕方ないねぇ」

戸棚のなに隠してあった、おはぎを浮竹のまえにおくと、1分もしないで食べてしまった。

「ちょ、早くない?」

「3個しかなかったからな」

「それにしても、一瞬じゃないの。当分甘味屋も休みだから、おはぎしばらく買えないよ」

その言葉にショックを受ける浮竹。

「く・・・年末年始の罠がこんなところに・・・・もっと味わって食べればよかった・・・・」

「まぁまぁ。1週間もすれば、甘味屋もまたあくし。なんなら、義骸に入って現世でスイーツでも食べにいくかい?」

「義骸がない。あっても、隊長格が無断で現世にはいけないし、どのみち現世でも店は休みだろう」

「現世では年末年始でもやってる店多いよ」

「本当か」

「義骸は12番隊にいけば、管理してもらってるのがあるから、なんとかなるでしょ」

「先生なんて怖くないぞ・・・そうと決まったら、いざ現世へ!」

12番隊に行き、霊圧封印の刻まれた特殊な義骸に入って、二人は現世にやってきたのだが、現世は世界大戦から復旧が進んでいて、甘味屋も開いていた。

「お、開いてる」

「ほとんとだ。入ってみよう」

店は繁盛してるのか、けっこう人がいた。

「おい、こっちの貨幣通貨、持ってきているだろうな」

「あちゃー。忘れちゃったよ。そうか、現世とは貨幣価値が違うんだった」

店の主人を呼んで、砂金の大きな塊を見せると、上客扱いで2階にあがっていいと言われた。

「砂金とか・・・・抜け目ないないな。いつも持ち歩いているのか?」

「まあ、金がいることもあるだろうから、砂金はどこかに出かける時は持ち歩いているよ」

やがて、おはぎとぜんざいがやってきた。白玉餡蜜はなかったので、他に羊羹や団子も頼んだ。

「結構美味しいな」

「代金は砂金の塊だから、きっといっぱいおつりが出そうなくらいを払うことになるから、いっぱ食べてって」

浮竹は、4人前食べた。

京楽もぜんざいとおはぎを食べた。

砂金の大きな粒を店主にあげて、尸魂界に帰還する。

山本総隊長が待っていた。

「こりゃ、春水、十四郎!年末年始だからと、ばれないとでも思っておったか!」

「うわああ、山じいだ。逃げろ!」

「先生、すみません」

脱兎の如く逃げ出した二人の尻に、火をつけた。

「あちちちち」

「あちゃーー」

そう叫んで、尻の火を消しながら雨乾堂に瞬歩で逃げていく浮竹と京楽を、山本総隊長は追わなかった。

「全く・・・・困った奴らじゃ」

山本総隊長は、長い溜息をついた。



「山じい、何も火をつけなくてもいいのに」

「服の尻の部分が焦げてない。どうなってるんだろう」

皮膚は、見事に小さいが火傷を負っていた。

それも軽度のもので、山本総隊長が本気で怒ってないのは分かっていた。

「今度から、現世にいきたいときは、やっぱり山じいの許可をとってからにしようか」

「そうだな」

多分、そう簡単に許可はもらえないだろうが。

その後も、山本総隊長に許可を願い出て、通らなかったら勝手に現世にいってしまうので、山本総隊長は渋い顔をしながらも、二人の現世行を承諾するようになるのであった。







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クリスマス(恋白)

「隊長、メリークリスマス」

「・・・・・・メリークリスマス」

あまり、現世の行事に詳しくない白哉にとって、クリスマスという行事は最近になって知ったものだった。

恋次は何度か現世にいっているので、クリスマスにも、もう慣れたものだった。

朽木邸では、白哉の愛する義妹のために、大きなクリスマスツリーが置かれて、クリスマスの日になるとルキアのために何かをあげていたのだが、今年は恋次も加わった。

さて、何をあげよう・・・・・。

前に恋次が贔屓にしていた銀蜻蛉という眼鏡屋で、恋次が欲しがっていたゴーグルを買ってみた。

最近は、叩き壊されるという理由でゴーグルをつけていなかった恋次だが、大戦も終わり静かになった。

「クリスマスプレゼントだ。お前にやろう」

綺麗にラッピングされた包みを、恋次に渡す。

「うお、これ銀蜻蛉の品ですか!?」

「何故分かった」

「だって、この包み紙みたことありますから」

「そうか」

恋次が渡してきてクリスマスプレゼントをあけて見る。わかめ大使の柄入りの手袋とマフラーだった。

「ほう、わかめ大使か」

原案である白哉には、嬉しい贈り物だった。

「お前も、わかめ大使のよさが分かったと見える」

いや、そうじゃないんですけど。

言葉には出さなかった。

恋次は、白哉からのクリスマスプレゼントをあけた。

最新式のモデルのゴーグルだった。

値札がそのままついてあった。

50万環という値段に、驚く。

50万環といえば、現世にすると50万円になる。流石4大貴族と思いながら、白哉にあげたマフラーと手袋は、3万環もかかっていない。

特注品ではあったが、もっと高価なものを贈ったほうがよかったかと思案する。

「恋次、お前の考えていることは分かっている。私は、お前からもらえるだけで満足だ」

「隊長・・・・・」

「私もおるのだぞ」

「うわルキア、吃驚した。現世にいってたんじゃねーのかよ。一護はどうした。放りだしてきたのか」

「たわけ!24日に共にクリスマスを祝った。25日は兄様と祝うのだ」

今日は、クリスマス当日だった。

「恋次、貴様にはこれをやろう」

チャッピーのパジャマだった。

「お、おう、ありがとう」

「兄様にはこれを」

わかめ大使柄の、毛布だった。

「これは良いものだ。ルキア、すまぬ」

「いえ兄様の喜ぶ顔が見れるなら、この朽木ルキア、労力など惜しみません!」

「ルキアには、これを・・・・」

恋次が渡したのは、チャッピー柄のバスタオルだった。

「おお、恋次のくせに私のツボを押さえているではないか」

ルキアは、嬉し気だった。

「ルキア、私からもこれを」

チャッピーの、非売品のリュックだった。

「兄様これは幻の、チャッピー15周年記念の非売品のリュック!これはどうやって手に入れられたのですか!?」

「金を、積んだ」

「流石です、兄様!」

ルキアは、きらきらとして目で、白哉を見ていた。

「おっと、恋人同士の時間の邪魔をするのもあれですから、私は一護のところにでも行ってきます!兄様、恋次と仲良くしてくださいね!」

ルキアの言葉に、白哉は赤くなった。

ルキアに、恋次との関係がばれて数年になるが、ルキアは常に白哉の背中を押してくれた。

「あれは・・・・もう、私の手の届かぬところにおるのだな」

恋次はルキアより白哉を選び、そしてルキアは恋次より黒崎一護を選んだ。

「いずれ、死神化させて、朽木家に迎え入れるつもりだ」

「ええ、一護をですか!?」

「そうだ。何も、気に悩む必要などなかろう。一護の相手はルキアだ。家族になるだけだ。お前の考えているようなことにはならぬ」

恋次は、白哉に迫った。

「じゃあ、俺と結婚してください」

「何故そうなる」

「あんたと、家族になりたい」

白哉は、指に光る指輪を見せた。

「すでにエンゲージリングをしている。これは結婚の意味も兼ねているのではなかったのか?」

「そうだった・・・・・」

「愚か者め・・・・・」

「隊長、愛してます。また、来年も一緒にクリスマス、祝いましょう」

「分かった」

こうして、思い思いのクリスマスの夜は更けていくのであった。






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クリスマス(京浮)

「クリスマスだなぁ」

「そうだねぇ」

尸魂界でも、クリスマスの行事が目立ちだした。

まだ完全に定着はしていないけれど、一番隊の執務室にはクリスマスツリーがあるし、クリスマス当日はパーティーが開かれる予定だった。

1番隊の執務室にあるクリスマスツリーは見事なもので、よくこんなものを山本総隊長が手配したものだと思うくらい、立派なものだった。

「クリスマスプレゼント、受け取るかい?」

「俺も用意してある」

互いに、クリスマスプレゼントを渡しあう。

「中身、あけていいかな?」

「ああ。俺も、中身あけるぞ」

互いに、同じ瞬間に中身をあけた。

浮竹からは、上等の赤ワインとグラスとコースターの3点セット。

京楽からは、翡翠があしらわれた金細工のヘアピンが3つだった。

「同じ、3つか」

「奇遇だね」

「高かったんじゃないのか。翡翠のヘアピンなんて」

「小ぶりだから、そんなに驚くほどの値段はしないさ。それより、このワイン高いやつだね。君の給料、大丈夫かい?」

「ちょっと今月はきついが、この日のために1年こつこつ貯めてきたからな。まぁ平気さ」

「浮竹、愛してるよ」

「俺も愛してる、京楽」

「ヘアピンかして」

京楽に渡すと、京楽は浮竹の右側の白い髪を三か所、ヘアピンで留めた。

「髪飾りや簪よりは、使いやすいでしょ」

「そうだな。これをつけて外に出歩いても、何も思われなさそうだ」

時折、髪を結いあげて髪飾りや簪を使うが、大抵京楽のためで、その恰好で外に出ると目立つので、あまり外にいくときは髪飾りや簪は使わない。

「そういえば、誕生日も近いね。ハッピーバースディ、浮竹」

「まさか、誕生日プレゼントも用意してあるのか?」

「うん、そうだよ」

「俺は金喰い虫だな・・・・」

「そんなこと言わないでよ。君のためだから、僕は購入するんだから」

上流貴族である京楽の財力は、自分専用の屋敷をいくつか構えてあるくらいで、底が見えない。

浮竹と京楽は、互いを抱き締めあって舌が絡まるディープキスを繰り返した。

「ん・・・・するのか?」

「いや、君、昨日まで臥せってたでしょ。やめておくよ」

「俺にもう少し金があれば、もっと立派なものをやれるんだが・・・・同じ赤ワインでも、年代もののやつとか」

「君は、今くらいがちょうどいい。僕が補助してあげれるくらいが、僕にも心地よい」

「毎度毎度、すまないな・・・・・」

飲食代とかは、基本京楽もちだ。

浮竹の給料は、家族の仕送りと薬代でほとんど消えてしまう。わずかに残った額を貯蓄して、クリスマスプレゼントや誕生日プレゼントを買っていた。

「メリークリスマス、浮竹」

「メリークリスマス、京楽」

今年のクリスマスイブも、過ぎていくのだった。



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