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小説掲載プログ
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翡翠に溶ける エロ本の真似ごと

2回生の秋がやってきた。

京楽と浮竹の仲は相変わらずで、あれ以来進展がない。

たまにお互いで抜きあうことはあったけれど、体を重ねることはなかった。

ふと、エロ本を読んでいた京楽は、本屋でその本を購入して、足早に寮の自室に向かった。

今日は、休日だ。

浮竹は寝ていた。

起こすわけにもいかず、目覚めるのを待つ。

2時間ほどして、浮竹が仮眠から目覚めた。

「浮竹、これを・・・・・・」

「京楽、甘味屋に行きたい」

「え、あ、うん」

「何か言いかけたか?用でもあるのか?」

「ううん、後でいいんだ」

まさか、エロ本の内容をしてくれと昼過ぎから言ったら、多分張り倒される。

二人で、壬生の甘味屋まで出かけた。

「んーおいしい。この季節はアイスもいいなぁ」

バニラアイスと抹茶アイスをほうばる浮竹。

秋になったとはい、夏の残火が残っている。じわじわと照り続ける太陽の下にいると、汗をかいた。浮竹は、なるべく日陰を歩いた。

甘味屋でアイスを食べて涼んだ後、行く当てもなくぶらついた。

ふと、ペットショップを見つけて、中に入っていく。

犬や猫がいるスペースで、京楽がくしゃみをした。

「ごめん、僕猫アレルギーなんだ。奥にいっていいかな?」

「こんなにかわいいのに」

三毛猫をなでていた浮竹は、京楽の後を追って店の奥へ入った。

店の奥では、綺麗な色の見事な鯉や、金色に光る金魚がいた。

「金魚か・・・・飼いたいなぁ」

「いいよ」

「え」

「金魚、飼おうか。金魚鉢と砂利石と水草と水があればいいだけだから」

「でも、世話が」

「餌挙げて、たまに水を変えるだけでしょ。それくらい、僕にだってできるよ」

店の店員を呼んで、小ぶりの金魚を2匹購入した。

小ぶりな種類で、値段は安かった。

「あんまり高い子買っても、死なれたら悲しいからね」

金魚鉢とかも購入した。二人で荷物を持ち合い、寮の自室に戻り、さっそく金魚鉢をセットして、2匹の金魚を入れた。

スイスイと泳いでいくその姿がかわいかった。

飽きることなく見ていると、夕飯の時刻になった。学院の食堂へいき、夕飯を食べて湯浴みをした。

「あのね、浮竹、お願いがあるんだけど」

「なんだ。俺に叶えられることならするぞ」

「これなんだけど」

エロ本を渡さえれた。

浮竹の顔が真っ赤になる。

「な、な、な・・・・・・」

「この素股っていうのしてほしいなぁと思って。挿入するわけじゃないから、痛みもないだろうし」

「俺も男さ。叶えられることならするぞと言ってしまった。責任を持とう」

「え、ほんとにいいの?てっきり断れるとばかり・・・・・」

浮竹は、自分から京楽に口づけた。

「俺にだって、性欲はある。気持ちよくしてくれるんだろう?」

「勿論だよ」

浮竹の衣服を全部脱がして、京楽も裸になった。

「あまり、見るな・・・・・」

白い肌も白い髪も、穢れを知らぬ雪のようだった。

「股を閉じて・・・そうそう」

浮竹のものに手をかけながら、京楽は閉じられた浮竹の太腿の間に、凶暴な灼熱を出入りさせた。

滑りがよくなるように、潤滑油をつけておいた。

「ああああ!」

前をいじられて、浮竹が先走りの蜜を零す。

そのまま、夢中で浮竹の太腿の間に自分の熱を出入りさせた。まるで、交わっている錯覚を覚えた。

「ひああああ!」

びくんと浮竹の体が痙攣して、いったのだと分かる。

「もうちょっと、我慢してね」

にゅるにゅると出入りする京楽をいかせとうと、内腿に力をいれると、京楽も精液を放っていた。

一度では満足できなかったので、浮竹の術らかな内腿に灼熱を出入りさせて、2度目の限界を迎えた。

「浮竹、今気持ちよくさせてあげるから」

2回いって満足した京楽は、浮竹のものを口に含んだ。

「ああああ!」

頭が真っ白になっていく。

スパークする。

何度か舐められているうちに、精液を放っていた。それを飲みほしても、行楽の口淫はとまらない。

「いあああああああ!」

幹をてでこすりあげながら、鈴口を舌で刺激してやると、先走りの蜜がこぼれた。

「いっちゃいなよ」

「ひあっ!」

京楽の口の中に、また欲望を放っていた。

浮竹はくたくたになった。

濡れたタオルで体をぬぐわれ、パジャマを着せられた。まだ、頭がぼーっとしている。いくと気持ちいいしか考えられなくなる。

「今日はありがとうね、浮竹。すごく気持ちよかった」

「そうか・・・・」

「大丈夫、浮竹?」

「なんか・・・お前と付き合ってるのにやらせないのはどうだろうか、考えてたら熱がでてきた」

「ええ!」

浮竹の額に手を当てると、本当に熱があった。

「薬、用意するから」

「すまない」

ベッドに横になる。京楽が、解熱剤を口に含み、水と一緒ののませてきた。

「ふあっ・・・・・」

「もう、薬飲ませてるだけなんだから、そんな色っぽい声出さないでよ」

「す、すまない」

「明日になって熱が下がってるといいね」

「ああ」

その日も、浮竹と同じベッドで眠った。夜は冷える。浮竹に暖をとらせるためにも、人肌でぬくめた。

次の日、熱があったのが嘘のように浮竹は元気になっていた。

今日も休日だった。

「気分がいいから、元柳斎先生のところに、剣の指導を受けに行こう」

「ええ、僕はやだよ」

「そう言わずに」

嫌がる京楽をずるずる引きずって、山本総隊長のところへいった。

「なんの用じゃ」

「はい、鍛錬をつけもおうと思いまて」

「ふむ。春水も一緒だとは珍しいのう」

「僕は無理やり連れてこられたの!山じいの相手なんて御免だよ」

ぼっと、京楽の尻に火がついた。山本総隊長が、流刃若火を始解させていた。

「二人してかかってこい、小童ども!」

浮竹と京楽は、持てる限りの力をぶつけた。でも、山本総隊長は息一つ乱していなかった。

「ふむ。中々に成長したが、まだまだひよっこじゃな」

「ありがとうございました、先生」

「山じいのバーカ!あちちち」

また尻に火をつけられて、京楽が走り去ってく。

「十四郎。春水とは、うまくやっておるか?」

「はい。昨日、素股なるものさせられました」

グラリと、山本総隊長の体が傾いだ。

「先生!」

「大丈夫じゃ。そうか、素股か・・・・・」

このままでは、最後まで関係を結ぶのはそう遠くないと思う山本総隊長であった。


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一護がルキアを好きな理由3

週末になった。

「デートしようぜ」

「デート?今までもしてきたであろう」

二人で、学校帰りにファミレスに寄ったり、マクドナルドに寄ったりと、例をあげてくる。あとは、食材の買い出しやら衣服を買いに行ったり。

「まぁ服を買うのはデートに近かったけど、すぐ帰っちまったしな。1日中、二人で外でどこかに行こう」

一護は、今月大学受験を控えている。志望校の合格率は75%。それなりに頭のいい大学で、一護は勉強を常日頃からしていたので、受験勉強のために必死になることはなかった。

もともと、一護は頭がいい。塾などに通わなくても、5段階の成績表は4が平均で、3以下などとったことがない。

受かれば、4月から晴れて大学生だ。

でも、その時は隣にルキアがいない。

だから、高校生活はルキアと居られるだけいたかった。

「そうだな・・・・水族館に行きたい」

「分かった。行こう」

時計は、午前10時を指していた。

「他に行きたいところは?」

「去年みたクリスマスツリーとイルミネーションをもう一度見てみたい」

「それは、今年の最後な。ルキア、卒業しても俺に会いにきてくれよ?」

「勿論そうするに決まっているであろう!なんのために、貴様と付き合っていると思っているのだ!」

怒りだすルキアを宥めて、上着を着せてマフラーを巻いた。

「今年は暖冬っていうけど、寒いことには変わりないからな」

外に出ると、身を切るような寒い風がふいていた。

だが、氷雪系の斬魄刀を操るルキアには、少しの寒さくらいどうってことはなかった。

「一護、貴様そんなに寒いのか?」

「ああ」

ルキアは、自分が巻いていたマフラーを一護に巻いた。

「ルキア?」

そして、手袋をした手を握りしめ合い、寄り添うあう。

「こうすれば、少しは暖かいであろう。子供の頃、流魂街でよく恋次とこうして寒気をしのいだものだ」

「まさかとは思うけど、未だに恋次とそうしてるとかないよな?」

「う・・・・・・」

「恋次だからって許さないぞ。お前は、俺の彼女なんだ。恋次も男だ。劣情を抱かれないようしろよ」

「それは貴様くらいであろう!こんな私を好きなどというのは・・・・」

「いいや、恋次もルキアのことが絶対好きだ」

ルキアは真っ赤になって、一護から離れようとしたが、一護はルキアをきつく抱きしめた。

「でも、恋次にルキアは渡さねぇ。ルキアは俺の恋人だ」

「一護、人が見ている」

ちらちらと集まる視線に顔を朱くしながらも、水族館に向けて電車で20分ほど揺られた。

「わああ」

大きな水槽があった。

サメが泳いでいた。

「一護、これは人を襲うのであろう?飼育しても大丈夫なのか?」

「サメは滅多に人を襲わねーよ」

「そうなのか?」

「さめがしょちゅう人襲ってたら、ニュースになるだろ」

「それもそうか・・・・・・」

奥へ奥へと進んでいく。

海月がいた。

「これは・・・優雅で、綺麗で、心が洗い落されそうだ」

「海月(くらげ)っていうんだ。現世の海には多い。深海じゃ、綺麗な光を放つ種類もあるが、触手に毒があるから、夏場に海で海月がわくと海に入れなくなる」

「綺麗な物には毒がある・・・・・というやつか」

「ま、そんなとこだな」

次のに進むと、アマゾンコーナーだった。

「うわあ」

見たことこともないような、光輝く魚たちがいた。

「美しいな・・・・・・」

他にも、古代魚もいたが、ルキアはネオンテトラやグッピーがいるほうばかりにはりついていた。

「こんな綺麗な魚、見たことがない。生きる宝石だな」

「ほら、次いくぞ」

「もう少し、ここに居たい」

1時間は熱帯魚の水槽に張り付いていたが、流石に飽きたのか、次へ行こうと言った。

次は、ラッコがいる水槽だった。隣にはペンギン、アザラシ。

海に住む動物たちだった。

「うわぁ、かわいいなぁ」

ラッコに一目惚れしたらしいルキアに、帰りにラッコのぬいぐるみでも買ってやろうと思った。

ぐー。

ルキアの腹の虫がないて、ルキアは真っ赤になった。

「もう2時か・・・・水族館の屋上に、確かレストランがあったはずだから、そこで腹ごしらえしようか」

「うむ」

メニューを見る。どれもファミレスの3倍以上の値段がした。財布の残りを見ながら、スパゲッティを2人前注文した。

「なんでもよかったよな?」

「食えれば文句はいわぬ」

値段が高いだけあって、美味しかった。

「うむ、美味であった」

「お陰で財布が寒くなってきた」

「金ならもっておるぞ」

チャッピーのリュックから、100万円の札束を出すルキアから札束を奪い、リュックに詰め込んだ。

「なんなのだ!」

「こんな場所で、そんな大金ちらつかせたら危ないだろ」

「そうであった。貧乏人の一護には、大金であったのだな」

「貧乏人は余計だ!」

二人で、最後はイルカショーを見た。よく訓練されていて、かわいかった。ルキアはイルカも気に入ったようで、どちらのぬいぐるみを買うか迷った。

お土産コーナーにいき、ルキアにラッコとイルカどっちのぬいぐるみが欲しいと聞くと、自分で買うからいらないと言い出した。

確かに、一護の財布は残りが少なかったが、奮発してイルカのペンダントを買った。

ルキアにとっては安物だろうがと思っていたが、ルキアはとても喜んでくれた。

「今日で一番嬉しかった!」

そうはしゃぐルキアがかわいくて、抱きしめてキスをした。

「一護・・・・好きだ。ずっと、好きでいてくれ」

「当たり前だろ。俺がお前を手放さねーよ」

夕飯を食べたかったが、もう金が尽きたので、大人しく黒崎家へと帰る。

「一兄お帰り」

「おみやげだぞ」

ルキアは、遊子と夏梨に、イルカのキーホルダーをあげた。

喜ぶ双子の妹みて、心が和んだ。

寝る間際になって、ルキアがパジャマを脱ぎだした、

「おい、どうするつもりだよ!」

「見てみろ!これが私の好む下着だ」

ピンクの、フリルやレースのない下着だった。でもチャッピー柄で、けっこうかわいかった。

「いちいち、見せなくていいから。誘ってんのかよ?」

「な、違う、たわけ!」

「いいからパジャマ着ろ。お前を好きだって言ってる男の前で堂々と下着見せたりなんて、誘ってるとしか思えないぞ、普通」

「貴様は、違うだろう?」

「あのな。俺は我慢してるの。他の男だったら、すでに食われてるぞ」

パジャマを着たルキアを腕の中に抱き寄せて、耳を噛んだ。

「ひゃう!」

「ルキア?」

「ち、違うぞ、なんでもないのだ!」

「そうかそうか、耳が弱いのか」

「きゃうん!」

耳に息を吹きかけられて、舌を入れられて、気づくとルキアは一護の脳天に肘打ちをしていた。

「おい、一護、一護!?」

一護は、結局朝まで目を覚まさなかった。

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一護がルキアを好きな理由2

高校生活も、残ることあと2か月になった。

相変わらずルキアは短いスカートをはいている。この寒い中、見ているこっちまで寒くなってきた。

階段を上ると、パンツが見えた。

「ルキア、パンツ見えてる」

「いいのだ」

「俺が良くねーよ!」

「よく見るがよい!」

羊毛のフェルトパンツだった。

見せてもいいパンツ。普通のパンツの上にはいているのだろう。ぬくいし、見られても平気だし一石二鳥だとは、一護は思わなかった。

「いくら見せてもいいパンツだからって、見せるんじゃねーよ。太ももとか、けっこう際どいラインも見えるんだからな!」

「貴様、私のパンツを見ながらそんなことをずっと思っていたのか!この変態め!」

「だから、スカートの丈が短すぎるんだってば!」

「私はこの長さがちょうどいいのだ!」

「はぁ・・・・・」

もう、何を言っても、スカート丈を直すつもりもないのだろう。

卒業まであと2か月だ。

一護が見張っていれば、大丈夫だろう。


ある日、一護は屋上に、井上に呼び出された。

「用ってなんだよ」

「あのね!私、黒崎君のことが好きなの」

「ごめん。俺、ルキアと付き合ってるんだ」

「え」

しばしの沈黙。

「朽木さんと別れて、私と付き合って・・・・・・」

「できるわけねーだろ。じゃあな」

井上は、その場に頽れて泣きだしてしまった。

それを偶然みたたつきに、襟を絞めあげられた。

「何、織姫泣かしてやがんだ!」

「井上が、俺のこと好きだっていうから、ルキアと付き合っているっていって無理だろいっただけだ。何か悪いことでもしたっていいたいのかよ」

「それは・・・」

たつきが、一護の襟を離した。

「あ、織姫!」

泣きながら去っていく井上を、たつきが追っていく。

用は済んだとばかりに、屋上に続く階段から教室に移動した。


「でさー、一護やつってばこーんな顔でさ」

啓吾の言葉に、ルキアがお腹をかかえて笑っていた。スカートが揺れる。パンツが見えそうで見えなかった。

「なんの話しやがんだ、啓吾」

「げ、一護!なんでもないんだ!」

「お前も、子供の頃は弱かったのだな。たつきにやられて泣きだすなど、今の一護からは想像もできない」

「ああ、子供の頃か。お袋が死ぬ前は泣き虫だったけど、死んでからは俺が二人の妹を守るんだって無茶したさ」

「一護の母君は、滅却師だったな」

「ああ」

「滅却師?」

啓吾が分からないという顔をするが、説明は省いた。

「貴様は、本当に稀な存在だ。死神と滅却師のハーフであり、その身に虚を宿している」

「こんな俺は、嫌いか?」

「そんなわけなかろう」

啓吾がいる前で、お互いを抱き締めあった。

「ちょ、ちょっと二人、いくらできてるからって人前ではないでしょ!」

「あ、すまねぇ、啓吾いたのか」

「忘れていた」

「うるとら酷いーーーーーー!!!!」

そう言って、啓吾が走り去ってしまった。

放課後の教室だった。

ルキアは机の上に座り、足をぶらぶらさせていた。

パンツが見えそうで・・・見えなかった。

残念なような、安心するような。

一護が付き合い始めて気づいていなければ、今頃ルキアはパンツの写真を盗撮され続けていただろう。中には、不埒な輩も出てくるかもしれない。

まぁ、今のルキアには鬼道も使えるし、心配はいらないかもしれないが。

「なぁ。二泊三日の温泉、草津の湯にしたんだ。いいだろ?」

「貴様と行けるなら、何処でもよい」

近場の温泉でも、ルキアは悦びそだった。

また1日が終わろうとしていた。

「なぁ、おごるからファミレス行こうぜ」

「白玉餡蜜はあるか!?」

「ああ、あったはずだ。行くか?」

「行くに決まっておろう。さっさと準備をしろ」

ルキアが、鞄をもって走り出す。

「待てよ!」

スカートが翻る。パンツが見えた。

「ルキア、パンツ見えてるから!」

「見せれるパンツだから良いのだ!」

「そういう問題じゃねぇ!」

ルキアの後を追って、一護も走りだす。

二人の距離は、遠いようでとても近い。

ファミレスにくると、二人で白玉餡蜜を食べた。ルキアはすぐに食べ終わり、一護の食べている白玉餡蜜ばかり見てくるから、ため息交じりに言った。

「残り、やるよ」

「いいのか!?」

目を輝かせるルキアを、一護は微笑みながら見ていた。

一護がルキアを好きな理由はいっぱいある。

でも、この純真無垢なところは外せなかった。


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一護がルキアを好きな理由1

ルキアのスカートは短い。

元々ブレザーの制服のスカートは短くできているが、それにしても短い。

階段を歩いていると、見えそうで見えないパンツを見ようと、近くにいた男性全員が、ルキアの後ろ姿を追う。

「何してんだよ、てめーら!」

「うわ、黒崎だ、逃げろ!」

「彼氏の登場かよ!いいとこだったのに!」

男子生徒たちは、一護を怖がって逃げてしまった。

一度、ルキアのスカートの中をスマホで写真を撮って、盗撮したやつがいた。その時の写真が出回って、ルキアの周囲では盗撮目的の男が多くなった。

一護が切れて、盗撮魔たちと、最初にルキアのスカートの中を盗撮した奴をぼこぼこにした。

それ以来、盗撮はなくなったが、代わりに生を拝もうとする者が増えた。

無論、それに黙っている一護ではない。

一護とルキアは付き合っている。

彼女をそんな風にみられて、嬉しがる男などほぼ皆無だ。

「お前はさっきから、ルキアの後をつけて何してやがんだ!」

尾行していた男をぶん殴ってから、ルキアの隣に並んだ。

「なぁ、ルキアの制服のスカートって、短すぎないか?」

「そうか?おじ様が、少しぶかぶかだった制服を調整してくださったのだ」

「あの腐れ親父・・・・・」

全ては、一護の父親である一心のせいであった。

「新しく、制服したてなおすとか・・・・」

「めんどくさいし、これくらい短いほうが動きやすくていい」

ああ、分かってない。

「お前、パンツ見えてることがあるんだぞ!盗撮魔もいた!」

「でも、全部一護がなんとかしてくれたのであろう?」

「う・・・・・」

見つめられて、そうだと答えると、腕に柔らかな感触がした。

胸の少ないルキアが、一護を抱き寄せたのだ。

「感謝は、ちゃんとしている」

「胸!当たってるから!」

「あ、ああ」

ぱっと、ルキアが離れた。

その瞬間、悪戯な風が吹いて、ルキアのパンツが見えた。

ピンクのレースの多い、くまさんがプリントアウトされた、どうにも幼いかんじのするパンツだった。

「お前、かわいいパンツはくんだな」

「たわけ!」

頭を張り倒された。

「私のパンツを見ようなど、100万年早いわ!」

「いや、俺ら付き合ってるんだし、ちょっとパンツ見たくらいで・・・・」

「一護のバカ!」

また、頭を叩かれた。

でも、そんなに力は入ってなかった。

「私はその・・・胸がないだろう?ブラジャーをしても見ることはほとんどないだろうし・・・せめて、パンツは貴様見て喜ぶようなものをはきたいと・・・・・」

「はい、そこまで」

ルキアの口を、手で覆った。

「むぐむぐ」

「あーもうなにそれ。お前、マジでかわいすぎ」

覆っていた手をどけて、ルキアを抱き締めた。

「今度、抱いたりしないからブラジャーも見せてくれ」

「貴様は・・・おいたわけ、待たぬか!」

その日の授業が終わり、ルキアは用があるといって一緒に帰宅できなかった。

その頃、ルキアはランジェリーショップにいた。スタイルはよいが、いかせん胸がない。

かわいい系のブラとショーツを選んで、買った。

黒崎家に帰ると、一護が待っていた。

「どこに行ってたんだ?」

「少し買い物に」

「言ってくれれば、俺も付き合ったのに」

「貴様がくることができない場所だ」

「何、女子トイレか!?」

一護の頭をはたいた。

「ランジェリーショップだ。貴様だと、恥ずかしくてついてこれまい」

「ああ、新しいパンツ買ったのか」

一護は、わりと平気そうだった。

ぐっと、ルキアはつまる。

いくら彼氏のためとはいえ、ルキアは清楚な下着が好みだった。それを、一護のためだけにかわいいフリルやらレースのついた熊さんだとか兎さんだとかがプリントアウトされたものを身に着けているのだ。

ふと、階下から名前を呼ばれた。

「一兄、ルキアちゃん、ご飯だよーーー」

お腹がすいていたので、二人揃って下へ降りていった。

今日のメニューは、ホワイトシチューにコーンスープだった。

「遊子が作る飯はいつもうまいな」

「えへへ、褒めても何もでないよ」

飯を食べ終わって、風呂に入った。

ルキアは一番後だった。

皆が寝静まった頃、ルキアが一護を揺り動かした。

「こんな時間になんだよ。虚か?」

「違う。貴様に見せたいものがある」

ルキアは、パジャマを脱いだ。恥じらいで、全体を隠しているが、かわいいブラジャーとパンツ姿のルキアを見て、一護の眠気はふっとんだ。

「お前、その恰好・・・・」

「こういうのが好きなのであろう?彼氏彼女なら、相手を喜ばせて体を重ねあうと・・・・」

カタカタと、ルキアは震えていた。

ルキアが脱いだパジャマを羽織らせた。

「確かに俺はそういう下着が好きだけど、無理して身に着ける必要はないし、抱こうとも思っていない」

「私では、その気になれぬか・・・?」

「ああもう、お前は本当にかわいいな。我慢してるんだよ。家族と一緒に住んでるし、初めてはもっとこう・・・・ムードがあるところがいい」

ルキアがパジャマを着るのを手伝ってやる。

「卒業旅行に、二人だけで行こうか。2~3日なら、滞在伸ばせそうか?」

「それくらいなら・・・・」

「じゃあ、その時に、俺はお前を抱く」

面と向かって言われて、ルキアは真っ赤になった。

「無理して、俺好みの下着つけなくてもいいから。自然体のルキアがいい」

ルキアは何かが吹っ切れたのか、笑った。

「そうか。このような下着、初めから無理してつける必要はなかったのだな」

「ああ」

「好きだ、一護・・・・・」

ルキアは、自分から舌を絡めてきた。

やけに積極的なルキアに目を丸くしながらも、ルキアの細く小さな体を抱き寄せた。

「ふあ・・・・・・」

ルキアともつれ合って、ベッドの壁際にぶつかった。

「俺も好きだぜ、ルキア」

付き合いはじめて2か月。

卒業まであと2か月。

時は、穏やかに過ぎていくのであった。



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翡翠に溶ける 親睦会

夏休みも終わり、新学期が始まった。

クラスメイトの中にも、編入であまり顔の知らない生徒も出てきた。

頃合いかなと思って、親睦会という名の宴会が開けられることになった。主催は京楽で、お金も全部京楽が負担してくれる。

ただというだけあって、ほとんどのクラスメイトが顔を出した。

美味い酒に美味い料理。全てただなのだ。

クラスメイトたちは、思い思いに羽を伸ばす。

「ねぇ、浮竹君。京楽君とはどこまでいってるの?もう食べられちゃった?」

ぶーーー。

浮竹が、女生徒の質問に酒を吹き出した。

「な、なんだって?」

「だから、どこまで進んでるのかなーと思って。その調子だと、まだ最後までいってないのね」

きゃあきゃあと、黄色い声をだす女生徒に、浮竹は囲まれた。

「色白い~。お肌すべすべ~」

「白い髪も綺麗。柔らかい。そういえば、浮竹君学院に入ってから髪の毛切ってないよね?伸ばしてるの?」

「ん、ああ。京楽が長いほうが似合うから切るなと」

きゃあああと、女生徒からまた黄色い声があがった。

「京楽君のために髪を伸ばしてるのね・・・すてき♡」

「いや、別にそういうわけじゃあ」

そこに、京楽が割って入ってきた。

「そうそう、浮竹は僕のために髪を伸ばしてくれてるの」

「京楽君、今日はありがとう!こんな高い店なのに、全員分払うって太っ腹!さすが大貴族京楽家ね」

京楽は上流貴族だが、その中でも4大貴族に近い。

「みんな、楽しんでいってね」

浮竹を連れ出す。

「はぁ・・・・最近の女子は、男と男の関係が気になるのか」

「じゃあさ、間近で女の子と女の子ができてたらどうする?」

「うわ、それはすごく気になるな。話してみたくなる」

「それと一緒さ」

「なるほど・・・・」

浮竹は納得してしまった。

浮竹を誘い、料理を食べていく。

酒も飲ませたが、ほろ酔い程度にしておいた。

「おい、京楽。もっと酒を飲ませろー」

ほろ酔いのつもりが、けっこう酔っていた。

浮竹の好む果実酒を用意していたのだが、女生徒たちから強いお酒を飲まされたのだ。

「京楽君、今日はチャンスよ。このまま浮竹君を食べちゃえばいいの」

「気持ちはありがたいけど、こんな酔った浮竹を抱いても、後悔が残るだけだよ。僕は浮竹を大事にしたいんだ」

「純愛ね!」

「ピュアだわ~」

「こら、京楽、女子といちゃついてないで酒もってこーーーい。うぃっく」

「浮竹君、それ以上飲まないほうがいいよ」

「大丈夫大丈夫。酔いつぶれたら、京楽が持って帰ってくれる」

ここまで酔ってしまっては変わらないかと、京楽は浮竹に追加の酒を飲ませた。

それから数分もしないうちに、限界がきたのか寝てしまった。

「あら、浮竹君寝ちゃったの」

「この子、酔うけど、酒を飲みすぎると寝るんだ」

「むふふふ。いいこと聞いちゃった」

「ちょっと、浮竹を酔わせてどうのこうのなんて考えないでよ?」

「大丈夫よ。1回生の吉祥寺桜のようにはなりたくないもの」

懐かしい名前だった。

京楽にまといつき、浮竹をはめた女だ。山じいの手により退学処分になって、風の噂では京楽よりは劣るが、それなりの上流貴族の男を婿入りさせたらしい。

少しだけ、浮竹が目覚めた。

「京楽・・・キスして」

「寮に帰ったらね」

「今がいい」

「仕方ないね」

触れるだけのキスをすると、女生徒が黄色い悲鳴をあげた。

「きゃああああ!生よ、生!」

「眼福~!来て良かった!」

男子生徒たちは、何とも言えない顔をしていたが、かわいい浮竹の様子に頬を赤らめる子もいた。

「浮竹はほんとにかわいいから、僕は心配なんだよ」

「それ分かる~。浮竹君、そこらの女より美人なんだもん。京楽君と付き合う前は、よく同性に告白されてたなー」

「もう、なくなったでしょ」

「ああ、そう言えばそうね」

「京楽~だっこ~~~」

とりあえず、浮竹がこんなかんじだし、時間も遅いので解散ということになった。

女子生徒たちは、浮竹と京楽を最後まで見届けようと、何人かが残っていた。

「世界が、廻ってる・・・京楽のせいだ・・・・・・ZZZZZZZZZZ」

浮竹が眠りだす。

それなりの甘い空気を漫喫できたのか、女生徒たちも帰っていった。

「さてと」

酔っぱらった浮竹を背負って、寮に戻る。

「ん・・・・」

「浮竹、起きたの?」

「水を・・・・・」

コップに水を入れて渡すと、それを全て飲みほした。

「京楽、こっちにこい」

手招きされて、近寄るとぎゅっと抱きしめられた。

「どうしたの」

苦笑する京楽。

「苦しいよ」

「傍にいてくれ。一人は嫌だ」

幼い頃を思い出す。僅か3歳で肺病にかかり、ミミハギ様を宿した。

その肺ではなく、心が痛かった。

幼い頃はまだ兄弟もおらず、友達もおらず、両親は浮竹の薬代を出すために共働きだった。

よく、一人の夜を過ごした。

もう、一人の夜を過ごさなくていい-----------------そう安堵して、浮竹はまた眠りについた。

浮竹に抱きしめられた格好の京楽は、寝てしまった浮竹を起こさないようにその腕をどけた。

それから、ちゃんとパジャマに着替えて・・・・浮竹はまぁ仕方ないので院生の服のままだったが、京楽は浮竹の眠っているベッドに入る。

夏の終わりだ。

まだじわりとした暑さはあるが、夜は大分涼しくなってきた。

浮竹が風邪をひかないように、肩まで薄い布団を被せてあげた。

そして、京楽は浮竹を腕の中に閉じ込めるようにして、眠るのだった。

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翡翠に溶ける 院生時代の夏

2回生の夏。

その日、朝礼があった。

ミーンミンミンと蝉の鳴く声はうるさく。

直射日光が、カッと地面を照らしていた。

「はいはい、どいて」

そう言って、京楽が浮竹に近づくのと、浮竹が倒れるのはほぼ同時。

「浮竹倒れたんで医務室に運んできます」

全校生徒の視線が集まる中、浮竹をお姫様抱っこして医務室にまで運んだ。

「熱中症だね。体をひやして、水分を与えて安静にしていれば、下校時間にはよくなるよ」

保険医の言葉に、水で冷やしたタオルを額に乗せてやった。

「ん・・・水・・・・・」

「特別だよ」

その保険医は、氷雪系の斬魄刀らしく、生ぬるいはずの麦茶に、氷が入った。

「はい、これ飲んで」

「ありがとうございます」

「ありがとう、先生」

冷たい麦茶を飲んで、生き返ったかんじの浮竹がいた。

「吐き気はない?」

「ありません」

「喉はかわいいてる?」

「はい」

「仕方ないねぇ。僕が氷雪系の斬魄刀をもっているのは内緒だよ。知られたら、涼みにくるばかがでるから」

「はい」

麦茶の入ったコップに、氷が浮かぶ。京楽の分もあった。

「君もこの暑い中、浮竹君を運んできたんでしょう。念んもために水分をとりなさい」

「はい・・・・」

つめたい麦茶は、水を欲していた体を潤した。

浮竹は麦茶を3杯飲んで、やっと一心地ついたのか、ベッドに横になった。

「お陰で随分ましになった・・・・昼からの授業にはでる」

「無理しないでね?」

京楽は、何処までも優しかった。

浮竹は、2時間ほど休憩した後、午後から授業に出た。ちゃんと食堂で昼飯も食った。

「浮竹、ほんとに大丈夫なの?」

「ああ、もう平気だ。熱が出ているわけでもなく、直射日光にやられただけだから」

なるべく、日陰を歩いた。

次の授業は剣での斬り合いだった。

刃をつぶした刀で斬り合う。事故防止のために、4番隊の席官が控えていた。

浮竹と京楽はいつも手合わせしているから、今日は他のクラスメイトたちと斬り合いをした。

京楽も浮竹も、片手だけで他の生徒たちを倒していく。

その圧倒的な力の差に、生徒たちの顔が歪む。

「なんでそんなに強いんだよ、お前ら」

悔し紛れで、そう口にした生徒にこう言う。

「生まれ持っての技量の差と、鍛錬の違いかな。僕らは、山じいの猛烈な剣技を受けている」

「そんなのずるいぞ!ずるだ!」

「そうなれる要素があるから、山じいが目をかけてくれるんだよ。力のない僕らだったら、山じいは僕らを放りだしてた」

「おれも山本総隊長に・・・・」

「大けがするから、やめといたほうがいいよ。山じいは、半端じゃないからね」

「くそ・・・・・」

愚痴を零す生徒を無視して、クラスメイトを全員叩き伏せた京楽と浮竹はにっと笑って、どちらともなしに刃のつぶれた刀を振り下ろした。

キンキンカキン。

金属同士のぶつかる音が道場に鳴り響く。

そのあまりの迫力に、見ていた教師さえ声をかけられないでいた。

「ちょっと、腕落ちたんじゃないの」

「ぬかせ!まだまだこれからだ!」

浮竹は、斬り合いの途中でも蹴りを入れてくる。

それをなんとか交わしながら、斬り結びあう。

「君、前から思ってたけど足癖悪いよ」

「これは護身術の一種だ。蹴術。蹴りに重点を置いた攻めだ。敵との切り合いに、手加減は禁物だ。だから、俺も本気だ」

「あわわ!」

鳩尾を蹴られて、ぐらりと傾いだところに、浮竹の刀が京楽の喉元に。

「勝負あり!勝者浮竹!」

わああああああと、二人の斬り合いを見ていたクラスメイトたちが歓声をあげた。

「はぁ・・今回は、僕の負けだよ」

前回は、浮竹が負けた。

二人の力は拮抗していた。

「僕も、ちょっと山じいに稽古つけてもらおうかな」

その言葉に、浮竹が顔を輝かせた。

「京楽が先生に稽古をつけてもらいなら、俺もいくぞ」

「いや、これは言葉の過ち・・・・・・・」

今日の授業は、もう終わりだった。

嫌がる京楽をずるずると引っ張りながら、山本総隊長の元へいく。

「どうした、十四郎、春水」

「先生に、直々の剣の指導を受けにやってまいりました」

「違うんだよ、僕は違うからね山じい!」

「その覚悟あっぱれ。よし、儂が鍛錬してやろう」

浮竹は、道場で刃の潰した刀で斬り合うが、山本総隊長は片手だけで全てを防いでしまった。

「しっ」

蹴り足元にいれると、ひょいとジャンプして交わされた。

「ちい!」

斬撃の合間に蹴りを何度も入れるが、山本総隊長はびくともしなかった。

反撃をなんとか防いでいが、刀が折れてしまった。

「降参です、先生」

「ふむ。次春水!」

逃げ出そうとしている京楽の尻に、山本総隊長は流刃若火で、火をつけた。

「あちちちち!」

「春水、どうしてお前はそうなのじゃ!十四郎を少し見習ったらどうしゃ!」

「僕は僕、浮竹は浮竹だよ」

嫌々ながら、刃のつぶれた刀を手に取る。

目つきが変わった。

「ほう」

いつもの飄々とした京楽はそこにはいなかった。

「そこだ!」

「甘い!」

キーーン。

大きな音がした。京楽は酷薄な笑みを浮かべて山本総隊長に斬りかかる。

それを、山本総隊長は全て片手にもつ刃で受け止めた。

「この!」

放った斬撃は、山本総隊長が瞬歩で京楽の後ろにいき、手刀をくわえたことで終わった。

「山じい・・・もっと普通に相手してよ」

倒れることこそなかったが、方膝を床につけていた。

「この勝負、儂の勝ちじゃな」

「山じいの意地悪」

「先生、お見事でした」

「浮竹、僕への心配ごとはなしかい!?」

「京楽は一度殺したときでも死なない。大丈夫だろ」

「酷い!」

「ふむ。愛割らず仲が良さそうで何よりじゃ。

2回生の夏も、過ぎ去ろうとしていた。

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貧乳派とパンツ

「ねぇ、あんたら本当に付き合ってないの?」

たつきの言葉に、一護もルキアもお互いの顔を見合った。

「ないない。こんな色気の欠片もねーやつ」

「あるわけなかろう。こんな下品なやつ!」

「言ったな!?」

「何んだと!?」

ぎゃあぎゃあ言い合って、一護がこう言った。

「この貧乳!」

その言葉に、アメジストの瞳が揺れた。

「どうせ、私には井上のような豊満な胸はない!」

一護の顔に蹴りを入れて、ルキアは走り去ってしまった。

「あーあ。後で朽木さんに謝りなよ。いいすぎだよ、あんた」

たつきの言葉に、なんであんなこと言ったんだろうと後悔する一護がいた。


ルキアの霊圧を追う。

「あいつ、どこいっちまったんだ」

まだ、授業中である。

それを抜け出したのだ。よほどショックだったのだろう。

学校から離れた公園で、ルキアを見つけた。

ブランコをこいでいた。

「おい、ルキア」

「なんだ、たわけ。どうせ私は貧乳だ」

「大丈夫だ。俺は巨乳より貧乳派だ!」

「この変態!」

「ああ、変態だ。ただしルキア専門」

「あっちへ行け」

きーこきーこと、またブランコをこぎだすルキア。

「言いにくいんだけど、パンツ丸見えだから。そんな丈の短いスカートでぶらんこなんてこぐから・・・・・」

「わきゃあああああああ!き、貴様見たのか」

「おう。ピンクのチャッピーだな!」

「たわけ!乙女のパンツをただ見するとは許せん!」

一護の顔面に、蹴りを入れるルキア。

「し、白玉餡蜜おごってやるから、今日喧嘩したことはなしにしてくれ」

たつきにはああ言ったが、二人は付き合っていた。

高校3年の終わり。

付き合いはじめて、2カ月が経とうとしていた。

ファミリーレストランにより、白玉餡蜜を2人前注文した。

「貴様、白玉をよこせ」

「仕方ねーな、ほら、あーん」

素直に口をあけるルキアが可愛かった。

学校にいる時は、付き合っているのがばれないように過ごしているはずだったのに、ばればれだた。何せ、ずっと一緒にいるのだ。これで付き合っていなければおかしいって程に。

「隙を見せたな!」

ルキアが、一護が窓の外を見ていたのをいいことに、一護の皿から白玉を全部盗み喰いしてしまった。

「ああ、俺の分が!」

「隙を見せる貴様が悪いのだ」

「この野郎」

脇腹をくすぐってやると、ルキアはすぐに降参した。

「あははは、やめよ一護。私が悪かった」

「それよかさ。俺ら財布はもってきてるけど、鞄とか高校に置きっぱなしだ」

「今からとりに行けばいいであろう」

「それもそうか」

ルキアと手を繋いで、歩き出す。

高校まで、15分の距離だった。

鞄を手に、また手を繋いで歩きだす。

ふと、ルキアが先を行き、悲しそうに笑った。

「この関係も、あと2カ月で終わりだな」

「え?言っとくけど、俺高校卒業しても、お前と別れる気ないから」

「なんだと!?」

驚くルキアに、一護の方が驚いた。

「おい、お前別れるつもりだったのかよ」

「大人しく尸魂界に戻り、恋次あたりとでも結婚するのだと考えておった」

ルキアの細く小さな体を抱きしめる。

「恋次には、渡さねぇ」

「一護・・・・・・」

「今まではっきりと言ってこなかったが、お前が好きだ、ルキア」

「一護」

ぽたぽたと、ルキアのアメジストの瞳から涙が零れ落ちた。

「そうか・・・そうであったのか。私の中にあった、この言葉では言い切れぬ感情は、一護への恋心だったのだな」

「ルキア、一緒に生きよう」

それはプロポーズ。高校3年の少年が、普通口にする言葉ではない。

「喜んで・・・・・」

一護の手をとった。

交際から2カ月あまりで、婚約を交わした。

何気ない日常を大切にした。

土日にはデートに出かけた。卒業前の連休で、二人で一泊二日の温泉宿に泊まった。
体の関係はなく、お互い清いままだった。

卒業式が終わり、1日の休暇をとってから、ルキアは尸魂界に帰るために穿界門を開けた。そこに、一護がついてきた。

「貴様、どういうことだ!」

「ちょっと、白哉に妹さんをくれって言おうと思ってな」

「兄様に!?殺されるぞ、貴様!」

「大丈夫だ。白哉はルキアに甘いから、きっと許してくれる」

尸魂界についてからが、大変だった。

怒った白哉の卍解を受けて一護も卍解した。破壊された建物の数々。

怒った京楽に止められて、二人は斬魄刀をしまった。

そのまま、隊首会に一護は連れていかれ、正式な死神になることが決まった。、

一度現世に戻り、家族と友人に別れを告げた。

でも、いつでも戻ってこれるので、悲しむ者は少なかった。

恋次が寂しそうだったので、飲みにつれていくと、どれだけルキアのことが好きだったか愚痴られた。

酔って、しまいには「奪い返す」とかいってきたので、恋次の屋敷にいきとりあえず簀巻きにしておいた。

「ルキアは、みんなに愛されてるんだな。パンツ見えなくなるの、こんなに悲しいものだとは思わなかった・・・・・・」

ルキア専門の変態一護がいた。

「それほど、あの現世の服が良いのか?」

「うん」

「では、今一度着てやろう」

ルキアのブレザー姿はやっぱり滅茶苦茶かわいかった。

短いスカートが揺れれば、パンツが見えそうになる。

ルキアが気にしてスカートを抑えこんでいるので、屈んでパンツを見た。

「水色のチャッピーか・・・・・・」

「貴様、パンツ星人か!パンツを見るな!」

「でもさ、死覇装だとパンツ見えねーじゃねーか。今のうちにパンツ成分を補給しとかないと・・・・・」

ぽいっと、水色のチャッピーのパンツが投げられた。

「もう、それは捨てようと思っていたのだ。やる」

ルキアは新しいパンツをはいた。

「おおおおおおおおおおおおおお」

一護は、ルキアのパンツを拝みだした。

「貴様、そこまで私のパンツが良いのか」

「ああ」

「こここ今度の日曜・・・そのなんだ・・・・体を・・・・な?」

「パンツ拝めるのか?」

「好きなだけ拝める」

「よっしゃああああ」

「おい、一護。貴様、パンツと私とどっちが大事なんだ」

「・・・・・・・・そりゃルキアだろ」

「その最初の沈黙はなんだ!」

顔面にルキアの蹴りを入れられながら、パンツを生み出した現世の人間は素晴らしいと思う一護であった。

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忘れな草

春も終わり、初夏になろうかという5月の終わり。

白哉が、忘れな草の花束を手に、執務室にやってきた。

「隊長、それ俺にくれるんですか?いやぁ、隊長のことを忘れないようにって?」

「寝言は寝て言え」

ぴしゃりと、はねのけられた。

「冗談ですよ、冗談。誰にもらったんですか?」

「ルキアだ。13番隊の裏で、育てているらしい」

「ふーんルキアが。あいつでも、女らしいことあるのか」

「貴様、我が義妹を侮辱するのか?」

おっと。

怒らせてしまったようだ。

白哉はルキアにとことん甘い。

そのルキアは、今は現世だ。一護のところにいる。

いくら尸魂界を二度にまで渡って救った英雄といっても、しょせんは一護は人間。白哉も長いこと悩んだ。悩んだ末に、二人の交際を許可した。まぁ、許可が下りる前から二人は付き合っていたし、肉体関係もあった。

「隊長には、忘れな草みたいなかわいい花も似合いますね」

眉を顰められた。

「寝言は寝て言え。それより、この花瓶に水を汲んでこい。生ける」

「はいはい」

そう大きくもない花瓶に水をいれてもってくると、白哉は適当に花束をつっこんだ。

「ああ、それじゃダメです隊長。花に水が届きません」

「こうか?」

「いえ、違います」

「ああもう、恋次、貴様がやれ」

恋次は、器用に忘れな草を花瓶に生けた。

「これ、何処に置きます?」

「机の上は倒してはいけないからな。掛軸の前にでも置いておけ」

数百万はくだらないであろ、見事な掛軸のまえに、花瓶を置いた。

一輪だけ手にとって、白哉の髪にさした。

「なんの真似だ」

「俺のこと、いつまでも忘れないように」

「・・・・今日、あの館にこい」

「おっしゃ!」

夜のお誘いである。ここ2週間ばかり声をかけられていなかったので、そろそろだと思っていたのだ。


夜になり、いつもの館にくる。

夕食を食べて、湯浴みを済ませた。

少し酒を飲み交わしあった。

その部屋にも、忘れな草が置かれていた。

可憐な花に、どこか白哉を重ねた。


「ん・・・・・・」

キスをすると、白哉は恋次を抱き締める。恋次が抱き締めると、その背中に手を回す。

変わったものだ、本当に。

昔は、行為をする前もした後も、甘い空気なんてなかった。

今は、とろけるように甘い。

「ふあっ・・・・」

舌が絡むキスをすると、白哉が恋次を押し倒した。

「え?」

いつもと逆の立場で、ちょっと混乱する。

白哉は、恋次の死覇装を脱がせながら、入れ墨のあとにキスをしてきた。

「よっこらしょっと」

「あ・・・・」

「積極的なのは嬉しいけど、あんたを抱くのは俺なんで」

白哉が押し倒されていた。

「ん・・・・・」

唇を重ねると、ピチャリと水音がした。白夜の口腔を存分に楽しんで、舌がぬかれいく。銀の糸が引いた。

隊長羽織を脱がし、死覇装を脱がしていく。

真っ白な肌だった。

少し長めの黒髪は艶があり、漆黒の瞳は深い夜を思わせた。

「んあ・・・」

死覇装からは見えない位置に、キスマークをこれでもかというほどに残してやった。

平坦な胸を撫でて、先端を指で転がし、ひっかくと、白哉が声をもらした。

「ああ・・・・・」

「ここ、いいんだ?」

「し、知らぬ!」

何度もいじっていると、白哉は身を捩った。

もう、反応している花茎からだらだらと先走りの蜜を零していた。

「こんなに濡らして・・」

「し、知らぬ!」

キスをしてやると、白哉は大人しくなった。

潤滑油で濡らした指を体内にもぐりこませると、白哉は息を飲んだ。

「ひうっ」

「息、ちゃんとしてください」

体から、力を抜く。

スムーズに指が3本入った。前立腺のある場所ばかりを刺激していると、ビクリと白夜の体がはねた。

「あ・・・・」

いってしまったのだ。

その後で、またとろとろと先走りの蜜を零す。

「隊長、かわいい・・・・・・」

抱きしめてから、白哉を熱で引き裂いた。

「ああああああああ!」

痛みで、涙が零れた。

「ん、ん、ん!」

はじめは、痛みを少しで和らげるためにと前を宥められる。トロトロと蜜を零すその場所は、いじられることで2回目の射精を迎えた。

「んあああああ!」

白哉をなるべく気持ちよくさせてやろうと動く。汗が滴った。

「私のこととは良い・・・・好きにせよ」

その言葉に、恋次は奥を突きあげてそこで熱を放った。

「あああ!」

白哉の体を少し強引に開かせていく。

「はうっ!」

前立腺ばかりを突き上げていると中が締まり、恋次は二度目の熱を白夜の体の中に放った。

「今日はここまでにしときましょうか。明日も仕事だし、響くと困るので」

「そうだな・・・・・・」

二人で、湯浴みをした。

今日は2回だけだったので、白哉の体内からかき出した恋次の体液も少なかった。

湯浴みを終えて、シーツを変えた褥に横になる。

ふと、恋次は数本の忘れな草を花瓶からとって、白哉の髪につけてヘアピンで留めてしまった。

「おなごではあるまいし・・・・・」

「ちょっとだけ、その姿でいてくださいよ」

ぱしゃりと、伝令神機で写真を撮った。

「隊長には、椿のような豪華な花も似合うけど、忘れな草みたいな可憐な花も似合いますね」

「おなごではないと、言っている」

髪から忘れな草を外し、元の花瓶に生けてやった。

「知ってますか。忘れな草の花言葉」

「私を忘れないで、であろう」

「その他にもあるんです。誠の愛。真実の愛。俺たちにぴったりだと思いませんか?」

「世迷言を・・・・・」

「愛しています、隊長」

「私も・・・貴様を愛している、恋次」


忘れな草が、水色の可憐な花びらを散らしていく。

白哉と比べると、忘れな草の水色の花りも、白哉のほうが可憐だと思う恋次であった。






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翡翠に溶ける 席替えの夜

春も終わり5月の初夏になっていた。

特進クラスはクラス替えなどないが、実力次第で編入してきたり、逆に落ちこぼれて去っていく者もいた。浮竹と京楽はそうならないように努力していたが、山本総隊長の秘蔵っ子といわれるだけあって、常にクラスとのTOPにいた。

ある日、席替えがあった。

「クジを引いて、黒板に書いてあるその番号にある席に移動してください」

どうか、浮田の隣になりますように。そう京楽は祈った。

浮竹はクジを引いた。1番だった。中央の、真正面の席だった。

京楽もクジを引いた。5番だった。浮竹の隣だった。

「やっほう!」

はしゃぐ京楽を、浮竹は冷めた視線で見つめていた。

いくら付き合っているとはいえ、一緒に過ごす時間があまりにも長いのだ。授業中くらい、存在を忘れたかった。

授業が始まる。

いつもなら、眠いといいながら受ける授業だが。

とんとんと、肩を叩かれた。

京楽の方を見ると、ノートにかわいいと書かれてあった。

浮竹は、自分おノートを破りこう書いた。

(俺はかっこいいんだ)

(うんかっこかわいいね)

(おまえの頭の中は花が咲いているのか)

(うん。それで、浮竹っていう蜜蜂が寄ってくるんだ)

(大スズメバチになって刺してやろうか)

(優しめでお願いします)

(授業に集中しろ)

(かわいい)

(ああ、そうか。お前はかっこいいな)

半ばやけになってきた。

(そうでしょ?このもじゅもじゃがたまらないでしょ?)

(通販で脱毛クリームが売っていたんだが、買おうかな)

(やめてよ!僕からもじゃもじゃをとるとただの春水になってしまう)

(はぁ・・・・)

(君はかわいいね。君のいく顔を想像していたら・・・・たっちゃった)

「ぶばっ」

「浮竹君?」

「すみません、先生、なんでもありません」

京楽が手を挙げる。

「どうしたんだい、京楽君」

「お腹が痛いんで、ちょっと厠にいってきます」

ああ。絶対、俺をおかずに抜くつもりだ・・・・。

数分して、抜いてスッキリした京楽が戻ってきた。

京楽も浮竹も若い。

その気になれば、いつでも抱きあえる。もっとも、今のところ浮竹にその気はなかったが。

(学校で盛るな)

(だって、君があまりにもかわいいものだから)

(お前くらいだぞ、そんなにかわいいと連呼するのは)

(うん。なんだって、僕は君の彼氏だし)

(おい、いつ俺が彼女になると言った)

(ええ!でも君受けでしょ)

(勝手に決めるな)

(じゃあ、僕を抱ける?)

(無理だ)

(じゃあ、やっぱり浮竹が彼女だね)

チャイムが鳴った。

昼食時になり、食堂に移動すると人がたくさんいた。

食堂のメニューは豊富な上に量もあって美味しいときて、人気が高かった。山本総隊長も、時折ここで食べていく。

「Aランチ定食を」

「僕はBランチで」

なんとか、空いていた席を確保した。

「この唐揚げおいしいよ。食べてごらん」

そう言われて、浮竹は口をあけた。

「はい、あーん」

「んー。なかなかにおいしいな。こっちのメンチカツもそれなりだぞ」

京楽の口に放りこんでやった。

女生徒たちの黄色い悲鳴があがる。

何があったのかと見ると、互いに食べさせ合っているところを、たくさんの人に目撃されたらしい。

昔の浮竹なら逃げ出していたが、今は根性が座っているので、ああなんだ、自分たちのせいかと思うくらいだった。

「何かソフトドリンクもらってくるよ。何がいい?」

「オレンジジュース」

「はいはい」

食後のデザートはアイスだった。

ほんのりとミカンの味がした。

オレンジジュースを飲み干す。いつもなら、一番安いメニューを頼むのだが、最近は代わりに京楽が金を出してくれているため、悪いと思いつつも、高めのメニューも注文することがあった。

まぁ、その程度の金は自分専用の屋敷をいくつもかまえる京楽にとっては、微々たるものであろう。

寮に戻り、湯浴みした。

寝るまでの時間暇だったので、お酒を飲んだ。

京楽の飲む酒はきつい日本酒で、喉が焼けるようで、浮竹は酔っぱらってしまった。

「京楽のあほー。好きだぞーーーー」

べろんべろんに酔った浮竹に、キスをすると、もっととねだってきた。

パジャマのボタンが外される。

「あ・・・・・」

胸の先端をかりかりひっかかれて、甘い痺れを感じた。

「やあああ!」

いきなり、京楽が浮竹のズボンと下着をぬがせて、まだ反応もしていない花茎を銜えた。

「やああ!」

刺激を与えると、浮竹のそれはたらたらと先走りの蜜を零した。

「いっちゃいなよ、浮竹」

「ううん・・あああ・・・・やああ・・・・・・」

音がなるくらい口淫されて、浮竹は京楽の背中に爪をたてた。

舌で鈴口をいじってやると、けっこうな量の白濁した液がでてきた。

それを零さず口で受け止めて、嚥下する。

「やあ、そんなの飲むな!」

「今日はちょっと濃いね・・・ここ数日してなかったから」

「京楽は?」

「僕は、昼に処理したからいいよ」

「嫌だ、俺もする」

「ちょっと、浮竹!」

酔っぱらっているせいか、やけに積極的だった。

京楽のズボンと下着をずらして、期待で大きく膨らんでいたそれに、ちろちろと舌を這わす。

湯浴みは終えているので、汚いとは感じなかった。

「ん・・・・・」

京楽が、浮竹の与えくる刺激に夢中になる。

銜えることできず、浮竹は鈴口を何度も舐めた。

「浮竹、手を動かして」

「こうか?」

上下にしごくと、浮竹のものが脈打った。

そして、びゅるるると、勢いをつけて精液をはきだした。

「あ・・・・・・」

顔射になっていた。

浮竹の白い髪にまでこびりついてしまった。

「ごめん!風呂入ったばかりだけど、また入ろうか」

「ああ」

浮竹を残して、京楽は風呂からあがった。湯を浴びただけだった。浮竹は髪を洗うといっていたので、待っているが、いつまっで経ってもあがってこない。

心配して浴室の様子をみると、浴槽に沈みかけながら寝ていた。

「危ない!」

「・・・ふあ?」

「ああもう、君って子は」

浮竹の体をふいてやり、パジャマを着せた。そのまま、京楽のベッドに誘うと、大人しくついてきた。

「ああもう、ほんとに君はかわいいね」

浮竹を腕の中に閉じ込めるようにして、その日は眠った。

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覚悟

更木剣八。11番隊きっての戦闘狂。

卯ノ花烈。4番隊の癒しの慈母。

互い詳しい過去など、お互い何も知りはしない。

ただ、卯ノ花烈はかつて卯ノ花八千流と名乗っており、初代護廷13隊11番隊隊長だった。

更木は、恐怖を知らない子供だった。

死体の山を築いて、卯ノ花に切りかかった。

子供と油断してたとはいえ、当時の卯ノ花に傷を負わせるだけの技量。

その時、卯ノ花は思った。

自分の後を継がせるのは、この子しかいないと-------------------。


「京楽」

「どうしたんだい、浮竹」

「本気なのか。卯ノ花隊長と更木隊長を切り合わせるなんて」

「ああ、本当だよ」

そう言う京楽の顔に、いつもある優しさがなかった。

「どちらかが死ぬかもしれないんだぞ!?」

「それでも------------これは、卯ノ花隊長が望んだことでもあるしね」

「卯ノ花隊長が・・・・」

卯ノ花は華道が好きだった。

よく、花を手入れしていじっていた。

山本総隊長の茶道にもよく顔を出していた。

「卯ノ花隊長・・・・・」

よく、熱が下がると病室を抜け出して甘味屋にいき、帰ってきたらばれてて、般若になった卯ノ花に説教をされたものだ。

卯ノ花と、特に親しい交流はなかったが、よく入院して回道をかけてくれるので、他の隊の隊長よりは仲が良かった。

「どうしてだ、卯ノ花隊長!」

「ちょっと落ち着きなよ、浮竹」

卯ノ花が死んだら、4番隊はどうなる?

ただでさえ、人でが足りないのだ。

次の侵攻で、またどれだけの死神が死ぬのかも分からない。

「止めにいっても、無駄だよ」

後ろから羽交い絞めにされて。一呼吸すると、浮竹も落ち着いた。

「少しは、冷静になった?」

「ああ・・・・・」

どうか。

どうか卯ノ花隊長、意味もなく命を散らせるな。

散らせるなら、更木を目覚めさせろ。





「はっくしょん!・・・・ああ?なんか誰かが俺の噂でもしてんのか」

「隙、ありです」

右手に、剣を突きたてられた。

それを引き抜く。

「生ぬるいんだよ!本気で俺と命のやりとりをする気はあんのか!?」

「あるに、決まっているでしょう」

更木の剣が、卯ノ花の腹を刺した。

致命傷に見えた。

けれど、卯ノ花はその傷を自分の回道で癒してしまった。

片や、血まみれでボロボロの更木。

片や、ほとんど衣服を血で汚していない、酷薄な笑みを浮かべる卯ノ花。

「その程度では、私をこえらえれませんよ?」

「ほざいてろ!」

更木の霊圧が、これでもかというほど大きくなる。

一撃だった。

更木の放った突きが、卯ノ花の胸に吸い込まれた。

「おい、この程度でくたばんじゃねぇ!俺はもっと戦っていたいんだ!」

これは、私の罪。

そして、私への罰。

こほこほと咳をして、ごぽりと血を吐いた。

もう、回道などでは補いきれない傷だ。

「あなたは、強くなる。私をこえて、さらに高みへ-----------」

「おい、死ぬな!こんなところでくたばるな!俺はあんたのことが・・・・・」

好きだった。

そう言おうとして、卯ノ花が最後の力を振り絞って更木に触れるだけのキスをした。

「最強の剣八は、今日からあなただ」

死の接吻は、酷く甘美な味がした。


「卯ノ花隊長・・・・」

消えていく霊圧を感じた。

そして、より大きくなった更木の霊圧もかんじた。

「ねぇ。もしも僕が、君と戦うとしたらどうする?」

総隊長になった京楽が、ふいにそんなことを言った。

「事情を聞いて説得する」

「剣でしか、語れないなら?」

「手合わせをする。でも、絶対に死なせない」

このあたりが、浮竹には限界だろう。

「そう。僕なら、卯ノ花隊長と同じ道を辿るだろうね」

「京楽!」

心配してくる、浮竹の頭を撫でた。

「心配しなくても、大丈夫だよ。僕らは、そんなことに絶対にならない」

浮竹には、卯ノ花の覚悟も、更木のような荒々しい強さもない。

ただ、そこに凛とさく白い花のようだった。

「さて、一護君が戻ってくるまで、敵が侵攻してこないことを祈るのみだね」

今、一護は零番隊の霊王が住まうとされている場所にいる。

彼がどれだけ強くなるかで、今後の尸魂界の運命は大きく左右される。

破滅か、存続か--------------------。

戦いの火ぶたは、切っておろされようとしていた。

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卯ノ花と更木

「卍解・・・・・皆尽」

「そうこなくっちゃな!切り甲斐があるってもんだぜ」

ああ・・・・・あなたは死線くぐる度に強くなる。それこそがあなたが科した過ち。そして私の罪--------------。

切り合いを続けた。

私の跡を継ぐものは、この者しかいない----------------。

あなたは弱い。私は強い。

でも、それを捻じ曲げて、あなたは遥かなる高みへいく・・・・。

何度更木を切っても、更木には恐怖がないのか、死を賭けた切り合いを楽しんでいた。

「まだまだだぜ!」

キンキンカキン。

剣がこすれ合う音が、無闇に広がった。

やがて、お互いに疲弊してきた。更木は、特別な一撃を放った。

胸に、ザシュリと更木の剣がくいこんだ。

「おい・・・・あんた、死ぬのかよ」

応えはなかった。

「死ぬな!!」

更木は吠えた。

卯ノ花は満足そうな顔をしていた。

役目を果たして死ねることのなんと幸福であることか。

もう、卯ノ花は立ち上がることもできないでいた。

「おい、その程度の傷回道で癒せ!死ぬな!あんたとはもっと戦っていたいんだ!」

「ふふ・・・何を、泣きそうな顔をしているのですか。私は、これで本望です。やっと、剣八の名をあなたにわたせる・・・・・」

「卯ノ花!」

「ふふ・・・・私は、なんと幸福なこと・・・・・か・・・・」

瞳孔が開ききる。

だらんと力をなくした体。

少しずつ冷たくなっていく。

「うおおおおおおおおお!」

更木は吠えた。

そして、卯ノ花の体を抱き上げて、無闇からでてきた。

「更木隊長、卯ノ花隊長は!」

待っていた浮竹に、卯ノ花を渡す。

「死んだ。死んだら、戦うことも楽しめなくなるのに-------------死にやがたった。俺のために」

「そうか・・・京楽、葬儀の用意を」

「うん」

浮竹と京楽は、卯ノ花を遺体大事そうに抱きあげて、戻っていく。

「なぁ。あんたは、これで本当に本望だったのか?」

青空に話しかけていた。

「俺は・・・本気で、あんたのことが好きだったんだぜ?」

答えはもうどこにもない。

愛する者を手にかける。なんと残酷で淫靡な味のすることか。

その日の夜には、殉職した卯ノ花の葬儀が行われた。

「隊長!卯ノ花隊長!」

手紙で思いを伝えられたとはいえ、卯ノ花の死を勇音はすんなり受け入れないでいた。

葬儀に立ち会った者たちは少なかった。

更木の姿もなかった。

ただ、菊の花を添えてくれと、浮竹に渡した。

その菊の花を、棺の中央にいれた。

なんと安らかな死に顔であるだろうか。血のあとはぬぐいとられ、まっさらな死覇装と隊長羽織を着せられていた。

「卯ノ花隊長-----------どうか安らかに」

我慢できなくなって、浮竹は京楽の隣に並んだ。

「ねえ、卯ノ花隊隊長。満足でしょ?更木剣八は、始めてて斬魄刀を持った。君のお陰だよ」

更木を高みにのぼらせるためとはいえ、卯ノ花の死は大きかった。

4番隊の隊長が死ぬ----------それだけ、治癒に余計に時間がかかる。

「卯ノ花隊長、どうか安らかに」

「おやすみ、卯ノ花隊長」

浮竹と京楽は、棺を閉じて火をつけた。

ぱちぱちと、火が爆ぜる。

空高く昇っていく煙は、山本元柳斎重國の時と同じように、雲一つない晴天へと還っていく。

「卯ノ花隊長!」

勇音は、何時までいつまでも泣いていた。

やがて、棺が灰になる。

遺骨を拾う。

一緒に入れて置いた斬魄刀は、灰にはならなかった。

「仕方ない。斬魄刀は、墓にいれようか」

京楽の言葉に、皆頷いた。


大戦が終わり、仮のものではなくきっちりと建てられた卯ノ花の墓の前に、京楽は来ていた。

「満足かい、卯ノ花隊長。更木隊長は強くなり、敵を葬ったよ」

山本元柳斎重國が死に、卯ノ花烈が死に・・・・・愛しい、浮竹十四郎も死んだ。

「今回の大戦は、尸魂界の歴史の中で一番厳しいものだったね」

卯ノ花の墓の前に、菊を添えた。

「でも、悲しくないでしょう、卯ノ花隊長。そっちには、山じいの浮竹もいる。案外、楽しそうに過ごしたりして」

人が死にゆくと尸魂界に来る。

死神が死ぬと、その膨大な霊圧は霊子の流れに還る。

「浮竹ー!寂しくなんて、ないよね!?」

浮竹十四郎の葬儀は終わったが、墓はまだだった。雨乾堂を取り壊して、そこに墓を建ててやろうと思っていた。

聞こえるはずもない、浮竹に話しかける。

「僕は元気でやってるから、君も元気でね」

卯ノ花の墓石に、酒を注いだ。

今は、死者を尊ぶ真似もできない。死神の実に半部以上が死んだ。瀞霊廷は焦土と化した。

「君たちも、天から見守っていてよ。居残った、僕らのあがきを-----------」

例え、這いずり周りながらでも生きていく。

それが人という生き物。

潔く散った3人には悪いが、これ以上隊長副隊長を死なせるわけにはいかない。

「いうか僕もそっちにいくから、3人仲良く待っててね」

空を見上げる。

雲一つない、青空だった。



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9話補完小説

「勘弁してよ、山じい・・・・・」

山本元柳斎重國の遺言により、京楽春水が総隊長となった。

「大丈夫か、京楽」

「あ、うん・・・昨日の今日で、ちょっと寝れてないだけだよ」

「それにしても、先生が京楽を総隊長に任命する遺言を書いていたなんて・・・・」

「ほんとに、冗談にしてほしいよね。でも、決まりだ。総隊長には、今から僕がなる」

「がんばれよ、京楽!後は無理はするな!」

恋人を抱き締めて、口づけた。

京楽の右目は、。光をなくした。耳も欠けた。

今は、黒い眼帯に覆われている。


「卯ノ花隊長、本当にいくのか?」

「どうしたのですか、浮竹隊長。そんな蒼い顔をして」

「だって、更木隊長と切り合いってことは・・・・・・」

「ええ。どちらかが死ぬでしょうね。多分私が」

浮竹は、卯ノ花を抱き締めた。

「浮竹隊長?」

「あなたには世話になった。先にいくとしても、きっと俺も後に続くから」

「ええ。寂しくはありません。すでに山本元柳斎重國がいるのですから」


京楽は、四十六室にいき、卯ノ花と更木の切り合いを承知させた。

「ほんとに、四十六室は、自分の保身だけでいやになるね・・・・・」

浮竹のところに戻ってくると、その膝枕に頭を乗せた。

「少し眠るよ・・・・」

「ああ、おやすみ・・・・・・」

卯ノ花は、死を覚悟して罪人を閉じ込める空間の無闇に、更木と一緒に消えていった。

「卯ノ花隊長-----------------」

護廷13隊のために死なば本望。

命を散らせてまで、更木に強くなってほしいのだ。

山本元柳斎重國の次は卯の花烈。きっと、その次は自分。

そんな予感を抱きながら、深い眠りについてしまった京楽を布団の上に寝かせて、その隣で寝転んだ。

「山本元柳斎重國、卯ノ花烈、そして浮竹十四郎--------------」

死者と死にゆく者へ、自分の名を並べてみる。

なんとも、一番印象が薄い。

山本元柳斎重國は総隊長、卯ノ花烈は卯ノ花八千流と名乗っていた、初代剣八。

その中に自分が並んだとしても、色あせてしまうなと思いながら、京楽の眼帯に手をかける。

そっと眼帯をずらして、摘出した眼球のかわりに入れられていた義眼に、キスをした。

「忙しくなるな・・・・・」

卯ノ花の、葬儀をしなければならない。

まだ、今は生きているが、死ぬのも時間の問題だ。

「死ぬのが怖くないんだな、卯ノ花隊長---------------」

自分は恐い。

死にたくないと思う。

無闇に去り際の。卯ノ花のことを思い出す。

死にに行くにしては、楽しそう顔をしていた、久し振りに、自分の本性を現せるのだ。死をかけた、命をかけた切り合いが楽しくて仕方ないのだ。

さすが、初代剣八といったところか。

「俺も、少し眠るか・・・・・・」

起きた頃には、卯ノ花の遺体が棺に入れられるだろう。

山本元柳斎重國のように、白い百合の花で満たしてやろう。そう思った。


----------------------------------

キンキンカキン。

斬魄刀がぶつかり合う。

「今日は随分饒舌なのですね。私は、寡黙なあなたのほうが好きです」

「ぬかせ!」

何度、剣を合わせただろう。

「けっ、こんなもんかよ!」

更木が、卯ノ花の剣を叩き折ろうとした。

けれど、その剣はびくともしない。

「くそっ・・・・・俺は、あんたに憧れてた」

「剣を交じり合わせての戯言は聞きません」

「あんたが・・・・あんたが、俺に恐怖をくれた。暗闇だった俺の空間に、切ることで生きがいができた」

卯ノ花の背中を切ろうろした・

「甘い!」

卯ノ花の剣が、それを制する。

「卯ノ花八千流・・・・あんたのことが、好きだった。護廷13隊の初代11番隊隊長にして、最強の剣八!」

ザシュ。

いくつもの傷が、更木を血まみれにする。

「俺は、あんたが好きだ」

「戯言を・・・・・」

剣で右肩を貫かれながら、卯ノ花を抱き締めた。

「ああ、一度でいいからあんたを抱きたかったなぁ」

「更木剣八・・・・・あなたは弱い。けれど、死線を潜り抜く度に強くなる。あなたの強さが、今の尸魂界には必要なのです」

唇を重ねていた。

血の味がした。

「何を・・・・・」

「尸魂界きっての大罪人だ、俺もあんたも。護廷13隊の隊長であるということがなければ」

「その程度のこと、知っています」

「続けようじゃねぇか。殺し合いを!」

「望むところです!」

ああ---------------。

私は、この男に殺される--------------。

その味の、なんと甘美なことか。

「死を覚悟なさい!」

それは、私だ。

私が、死を覚悟しなければいけない。

更木剣八。

私の---------------卯ノ花八千流の死体を踏み台にして、その強さを高みの先へと伸ばせ。

ザシュ。

「あ・・・・・・」

ぽたりと、卯ノ花の口から血が溢れた。

「おい、まだ終わりじゃないだろうな!」

「なんのために、私が回道を学んだと思っているのです」

回道で、血止めだけして、また更木と切り結びあった。

ああ。

この浴びせられる斬撃の痺れは、とても甘い。

死の香がする----------------。


卯ノ花と、更木は血を流し、傷だらけになりなあがら、一心不乱で切り結びあった。

「私は、卯ノ花八千流。初代剣八にして、初代護廷13隊11番隊長」

にっと、笑った。

残酷な笑みだった。

私の願いに適わぬ程度なら、いっそ殺してしまおう。

どうかどうか。

私を踏み越えて、高みへと昇ってくれ。

相反する感情を抱きながら、二人は切り結び合うのだった。



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翡翠に溶ける 南国の島

現世に2泊3日の旅行にやってきた。

そこは亜熱帯地方で、薄着できてよかったと浮竹も京楽も思った。

海はとても綺麗で、珊瑚礁が広がっていた。

山じいから、泳ぐこともできると言われていたので、水着を用意していた。

二人とも、夢中になって海の中に潜った。

綺麗な色の魚が、たくさん泳いでいた。サメの姿もあったが、霊圧をぶうけると何処かへ行ってしまった。

その日は、1日中海の中にいた。

こんな綺麗な海に潜ることなど、きっとこれから千年も近い人生を歩む中でもないだろう。

ふと、京楽が何かを見つけて拾い上げる。

天然の真珠だった。

二人して、海からあがった。

「これ拾ったんだ。あげる」

「こんな珍しいもの、いいのか?」

まだ、真珠の養殖による産出はない。真珠はかなり高価な代物だった。海のない尸魂界では、幸せの証として、上流貴族の姫なんかが、髪飾りにつけたりしている。ネックレスになるほど産出がないので、髪飾り簪の他に、指輪が流行っていた。

「元がただだからね」

「それはそうだが、こんな高価なもの・・・・・」

「いいから、もらっておいてよ。ああ、髪飾りにでもしようか。一度よこして」

京楽に渡すと、今日浮竹にあげる予定だった髪飾りの一部に、天然真珠を埋め込んだ。

「これ、今日の記念に」

そういって渡されたのは、翡翠の髪飾りだった。中央に、さっきまであった天然真珠が光っていた。

「こんな高そうなもの・・・・・」

「いらないなんて言わないでね。受け取ってくれないなら、海に放り投げる」

「分かった、受け取るから!」

本当に放り投げそうで、浮竹はその髪飾りを受け取った。

肩より長くなってしまった髪を器用に結い上げて、髪飾りで留められた。

その日は、館で湯浴みをして食事をしてから、外で寝袋を用いて寝た。

満天の星が綺麗だった。

「星が掴めそうだ」

「空ごと落っこちてきそうだね」

何十万年、何百万年、何千万年と輝く星々。

それを見れるだけでも、現世にきた甲斐があったというもの。

次の日は、二人で釣りをした。

京楽はよくヒットして突き上げたが、浮竹は全然だった。

「かかった!」

やっと何かが釣れたと思ったたら、海藻だった。

「海藻か・・・・・・」

浮竹は、水着に着替えて海に潜りだした。

「どうしたの」

「今日の食糧は、俺たちでとらなきゃいけないんだろう。貝をとってくる」

食べられそうな貝を、潜っては浜辺に並べた。

「南国だけあって、貝も綺麗だねぇ。焼いたりした後の貝がらは、お土産に持って帰ろうか」

「それ、いいな。浜辺にも綺麗な貝殻が落ちていたんだ。もう十分、今日の夕食の分はとれたから、お土産の貝殻を拾ってくる」

浮竹は私服のシャツとハーフパンツに着替えて、浜辺を散策しだした。

京楽は釣りの続きだ。鯛が3匹とれた。十分だろうと思いつつも、また釣り竿を垂らす。

ヒットしたのは、南国らしい艶やかな魚だった。

生け簀に放り込んで、京楽は浮竹の後を追った。

浮竹は、浜辺を歩きながら海のが引いては押し寄せる様を楽しんでいた。

「そんなに夢中になって大丈夫?熱出さない?」

隣に、京楽がやってきた。

「こんな生き物がいた」

ヤドカリを見せた。

「うん、食べれそうだね」

「だめだ、かわいいから食べない」

「全く、君って子は・・・かわいいのは、浮竹、君だよ」

拾っていた貝殻が落ちる。

抱き寄せられていた、

「好きだよ、浮竹」

「俺も好きだ、京楽」

唇が重なった。

深い口づけを何度も繰り返す。

ざぁんざぁんと、おしては引いていく波の音だけがした。

散らばった貝殻を拾い集める。

「クラスの女子にはこれでいいとして、男子にはどうしよう?同じ貝殻でいいかな?」

「貝殻でいいんじゃない?珍しいものだから、きっと欲しがるよ」

貝殻は、巻貝がほとんどだった。

浮竹の爪の色や唇の色と同じ、桜色の貝殻が目立った。

その日の夕食は、自分たちがとった魚や貝をいれた鍋だった。館には使用人はいたが、1日分しか食事は用意されておらず、自分たちで調達するしかなかった。

鯛から南国の適当な魚、貝をぶちこんだ鍋に、味噌をいれる。

思っていた以上に、美味しかった。

その日の夜は、ベッドが2つ用意されていたが、1つのベッドで眠った。

「浮竹、起きてる?」

「ああ・・・・・」

「楽しかった?」

「ああ。海にきたのも、潜ったのも初めてだ。あんなに綺麗なものだとは思わなかった」

「そうだね。僕も初めてで、書物で読んだことはあるけど、目の当たりにした初めてだよ。きっと、この日を一生忘れない」

「俺もだ」

唇が重なった。

お互い、付き合っている。

肉体関係も少しだがある。

でも、浮竹は恐くて次の段階に進めないでいる。京楽は、何年でも待つつもりだった。

「京楽は、辛くいないのか?」

「何が」

「その、俺を抱けなくて」

京楽はにまーっとした顔になった。

「凄く凄く辛いよ。抱かせてくれるの?」

「ばか、俺はそんな安い男じゃない!」

「そうですよねー。でも、いつか君を抱きたい」

「男が男を抱くんだぞ?平気なのか?」

「何、女の子を抱くのとあんまり変わらないよ。アナルセックスなら、女の子で経験済みだし」

もろな台詞に、浮竹が赤くなる。

「お前の凶暴なまでにでかいそれが、あんな場所に入りきるとは思わない・・・・」

「試してみる?」

「まだ駄目だ」

「そうですよねー。でも、いつか僕は君を抱くよ」

ドクンと、鼓動が高鳴った。

「すごい、ドキドキしてる・・・・・」

浮竹の胸に、京楽が手を当てる。

「僕もドキドキいってるよ・・・・・・」

浮竹の手を、京楽は自分の心臓のある位置にもってきた。

「すごい。京楽もどきどきいってる」

「うん。僕も緊張してる。君を抱くと思うだけで」

「京楽・・・・」

「浮竹、大好きだよ。かわいい」

「ふあっ・・・」

何度も唇を重ねた。

その日は、浮竹を胸の中に抱くように、丸くなって眠った。

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翡翠に溶ける いつか桜の木の下で

2回生になった。

鬼道の訓練は、さらに種類が増えて広がった。

瞬歩の訓練も始まった。

剣の授業は、木刀で切り結びあうのだが、浮竹と京楽の域についていける者は、教師にもいなかった。だから、剣の稽古になると、浮竹と京楽はいつもペアを組まされた。

「何か物足りないな・・・・先生に、稽古をつけてもらおうかな」

「やめときなよ浮竹。流刃若火で尻に火をつけられるよ!」

「それは京楽だけだろう。この前、先生に稽古の相手をしてもらったとき、痣は少しできたが、尻に火をつけられたことなど、一度もないぞ」

「くそ、あの山じいめ!僕は幼い頃から山じいを知っているけど、1年に3回は、尻に火をつけられるよ」

浮竹が笑った。

強姦されかけた頃は、笑顔が見れなかったけれど、京楽と交際をスタートし、順調だった。

「明日は現世で、虚退治にいく!チームでの行動になる。くれぐれも、一人での行動は慎むように!」

力を均等にするために、浮竹と京楽は違うチームになった。

翌日。

現世に続く穿界門が開かれる。

「僕、現世ってはじめてなんだよね。ちょっとドキドキする」

「俺も初めてだ」

断界をぬけて、現世の空に立つ。

少し離れた場所に、海があった。尸魂界に海はないので、みんな虚退治を忘れてはしゃぎだす。

「この餌で虚を誘い出す。残らず処理するように!」

教師が、虚をおびき寄せる餌を撒いた。

じわり。

闇から滲み出すように、虚が数匹出現する。1体1体、そえぞれのチームが撃破していく。浮竹と京楽はそれぞれサポートに回った。

力がありすぎて、ただの虚如きでは訓練にならないのだ。

いずれ、護廷13隊入りをして人の上に立つだろう。そう考えて、教師たちも文句はいわなかった。

じわり、じわり。

「少し虚の数が多いんじゃないですか、先生」

「ばかな・・・・・この撒き餌では、10体が限度のはず・・・・・」

すでに30体はでてきており、浮竹と京楽も互いのチームと連携をとりながら、虚を切りすてていく。

じわり。

「こあああああああああ!」

すごい音がした。

黒腔(ガルガンタ)が開いた。

「大虚(メノスグランデ)だ!至急、尸魂界に応援を!」

「穿界門をあける!早く逃げろ・・・・・おい、浮竹、京楽!」

「これくらじゃなきゃ、力試しにならないからね!」

「そうだな!」

互いに斬魄刀を始解させる。浮竹は大虚がはなった虚閃(セロ)を右の刃で吸収し、左の刃で鋭く調整して大虚に当てて、巨大な穴をあけた。

「ごおおおおおおおおおお!!!!」

大虚が吠える。

それに京楽が、花天狂骨で切りつけた。ざんっと、袈裟懸けに巨大な体を切り裂く。

大虚は、霊子の塵へと還っていった。

「すごい・・・・まだ2回生なのに・・・・・」

「流石は山本総隊長の愛弟子・・・・・」

教師たちが舌を巻いた。

他に出現した虚も全部処分して、浮竹と京楽は、開けられたままの穿界門をくぐり、尸魂界へと戻った。

緊急でかけつけた死神たちは、何もない現世で頭をひねっていた。

今回のことは、山本早退著の耳に入った。

「そうか。春水と十四郎は、まだ2回生になったばかりでありながら、大虚を倒すほどに成長しよかったか・・・・」

山本総隊長は、自分のことのように嬉しげだった。

「それにしても、あの悪戯小僧の小童の春水がちゃんと学院に来ているのも・・・十四郎のお陰かもしれんな」

その日、二人は山本総隊長に呼び出された。

「ねえ、僕たち怒られるようなことした?」

「あの大虚を倒して、勝手に行動したのがまずかったのだろうか・・・・」

ひそひそと話合う二人に、山本総隊長が向き合う。

「此度の大虚退治、見事であった。報告を受けた。そなたたちがいなければ、死人や怪我人が出たかもしれんと」

「山じい、怒ってるんじゃないの?」

「何故に怒る必要がある?」

「だって僕ら、無断で行動したんだよ」

「その末の大虚退治であろう。大虚が訓練で出るなど、今までに例がない。お前たちがいてくれてよかったと思っておるのじゃ」

「それならよかった・・・・・」

「この度の働きに感謝して、京楽春水と浮竹十四郎に、2日間の現世への旅行を許可するものとする!」

「え、ほんとにいいの、山じい」

「尸魂界にはない海のとある孤島に、館が建っておる。人を遣わせて世話をするように頼んだ。明日から2日間、存分に、現世の海を楽しんでこい」

「やったー!釣りするぞーー!」

「先生、ありがとうございます」

その日は、そのまま解散となった。

「ねぇ、浮竹、起きてる?」

「なんだ、京楽」

「明日が楽しみ過ぎて寝れない」

浮竹は起き出して、京楽のベッドにもぐりこんだ。

「浮竹?」

「その、すっきりさせれば眠れるか?」

「あ、うん!」

浮竹の手が、ぱじゃまから下着に入ってくる。ゆるゆると扱われて、すぐに反応した。

「お前のはでかいな・・・・」

ぐちゃぐちゃと音をたててしごい、鈴口に爪を立てると、京楽はあっけなくいってしまった。

「ほら、浮竹も・・・」

「俺はいい」

「まぁ、そう言わずに」

パジャマと下着の中に手が入ってくる。

「んあっ・・ああああ!」

「君の声いいね・・・聞いてるだけでいっちゃいそう」

ゆっくりとなでられて、浮竹のそこは先走りの蜜を垂らした。

「もうこんなに濡れてる・・・・・・」

「あ、京楽・・・・・」

「好きだよ、十四郎」

名を呼ばれて、びくんと浮竹の体がはねた。

「ひああああ!」

一度いったそこを、さらにすりあげて、すぐに二度目にいかせることに成功した。

「はぁはぁ・・・・・・」

「下着、汚れちゃったね。湯浴みするには遅いから、濡れたタオルで体をふいて、下着だけ交換しようか」

「ん・・・・・」

まだ余韻に浸っている浮竹にキスをする、

二人は、下着だけ変えて、濡れたタオルで体をふきあって、パジャマをまたきて、ベッドに横になった。

ぬいたせいで、適度な疲労を感じて、すぐに眠りの海に落ちていった。


朝になって、浮竹が朱くなっていた。

「俺は・・・いくら寝れないからと、自分からあのような行為を・・・・・」

「浮竹、後悔してるの?」

「少し・・・・」

「でも、僕は浮竹から求めてくれてすっごく嬉しかったよ。浮竹も気持ちよくなったでしょ?」

「癖になりそうで、嫌なんだ」

「別に、抜くくらい誰でもやってるよ。ただ、付き合っている好きな子の手だと、すごくきもちいい」

浮竹はまた真っ赤になった。

「でもこの前の抜いたばかりだし、現世の海に泊まる時はキスくらいで終わらせようか」

その言葉に安堵する浮竹。

「浮竹はかわいいね」

「普通だ」

「いや、かわいいよ。見た目もだけど、中身もね。そうだ、いつか桜の木の下で想いを伝えあおう。きっと、その時にはもう肉体関係はあるだろうけど」

浮竹は、また真っ赤になった。

「桜の木の下で------------------いつか、お前に全てを伝える」

それは確認作業になるだろう。何せ二人は、もう正式に交際をしているのだ。少しだが、肉体関係にもなってきている。


あの、雨の散るような桜の木の下で。

そう思うだけで、軽い眩暈をおぼえた。

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翡翠に溶ける 交際のスタート

年が明けた。

ちらちら降る雪が、冷たかった。

傘をもっていなかった浮竹に、京楽が傘を差しだす。

二人並んで、一つの傘で学院に登校した。

入学した日に、自分の斬魄刀になる元の刀を渡される。それを在学中に始解させて、死神になった暁には自分の斬魄刀として授与される。

浮竹と京楽の斬魄刀は、二人ともすでに始解できた。

名を、それぞれ双魚理と花天狂骨といった。

山本総隊長が我が子のように可愛がるのも分かるような、成長ぶりだった。鬼道の腕もいい。

特に、竹刀を使った剣の腕は、二人は学院の中でもトップクラスだ。上級生でも、ここまで戦える者はいないだろう。

今ある真央霊術院なら、スキップ制度で3回生になっていそうだったが、当時の死神統学院にはスキップ制度がなかったため、二人は6回生まできちんと出席し、卒業する必要があった。

浮竹は、体が弱く肺病を患っているために、よく学院を休んだ。出席日数を確保するために、本来なら休みの土曜や夏季休暇、年末年始の休みに補習を受けた。

未来ある浮竹を、留年させまいと、教師たちも頑張っていた。

「どうじゃ、春水。十四郎は」

山じいが、ある日補習を受けに学院に残った浮竹の付き合うために、学院で待っていた京楽に声をかけた。

「んー。病弱で休むこともあるけど、補習受けたりして頑張ってるよ。補習を受けなくても、出席日数は足りると思うんだけど、同じことが習えなかったって必死さ」

「ふむ。春水、今後も十四郎を支えてやってくれ」

「分かってるよ」

その日は、夕暮れまで浮竹は補習を受けていた。

時間が時間なので、そのまま食堂で夕食をとる。

次の日、浮竹は呼び出された。相手は6回生の男で、護廷13隊入りが決まっていた。

浮竹の霊圧がすごく乱れていたのが気になって、呼び出されたという屋上までいくと、院生の服をぼろぼろにされて、組み敷かれて涙を零している浮竹を見つけた。

「京楽!」

「貴様ああああああ!」

京楽は、殴りかかった。でも、相手はは6回生。花天狂骨を抜くと、6回生の男も斬魄刀を抜いた。

「かわいい浮竹ちゃんは、俺がもらってやるよ」

一撃だった。

風が吹いたのかと思った。

京楽は、6回生の斬魄刀を折り、その体に峰内を食らわせていた。

「こんな・・・・1年坊主如きに・・・・・・」

どすんと、巨大が床に沈む。

「浮竹、大丈夫!?」

「あ、ああ・・・未遂、だったから・・・・・」

肌も露わな院生の服が毒だった。

医務室から毛布をかりてきて、一度寮に戻ると新しい院生の服に着替えさせた。

カタカタとずっと震えていた。

京楽が抱き締めると、震えは収まった。

「今日はもう無理だ。休みなさい」

「分かった・・・・」

「僕は、山じいのところに行ってくる」

山じいに、6回生の男が浮竹を強姦しようとしたことを話すと、山じいは凄く怒って、その生徒を停学2カ月と護廷13隊入りを取り消した。

山じいの処分に、京楽も納得する。

本当なら、退学処分にして欲しかったが、護廷13隊入りを白紙にされたのだ。十分であろう。

寮に帰ると、浮竹が泣いていた。

「どうしたの!」

「こんな自分が情けなくて・・・こんな見た目のせいで・・・・」

「浮竹は何も悪くないよ」

「でも!言い寄ってくる男が後を絶たない」

「それ、本当?」

京楽は怒っていた。浮竹にではなく、浮竹に言い寄る男の存在に。

「お前が一緒にいるときは大丈夫なんだ・・・でも、補習の時とかの休み時間に・・・」

「いっそ、僕たち付き合っていることにしない?」

「でも、それじゃあ京楽に迷惑が!」

「女遊びも、君の存在を忘れるためにしていたことだし、未練なんてないよ。好きだよ、浮竹」

面と向かって、真剣な表情で告白されたのは始めてかもしれない。

「俺は、そういう目でまだお前を見れない。でも、俺も好きだ、京楽。お前は優しい・・・・」

その日から、浮竹と京楽は正式に交際をスタートし、その件は山じいのも耳にも入り、呼び出された。

「何故、呼び出されたか分かっておるの?」

「はい、先生」

「分かってるよ、山じい」

「儂はお前たちに仲のよい友人でいてほしかったのじゃ」

「もう遅いよ」

「先生、すみません」

「謝るということは、噂は本当なのじゃな?春水、十四郎を幸せにできるか?」

「できるよ。僕に不可能はない」

「小童が・・・・まぁよい、十四郎ことを頼んだぞ、春水」

「山じい・・・・」

「先生・・・・ありがとうございました!」

学院内で、浮竹と京楽ができていると噂になっていた。けれど、友人たちは祝福してくれて、気味悪がる者はいなかった。それがせめてもの救いか。

それから、浮竹に言い寄ってくる男はいなくなった。京楽は相変わらずもてて、ラブレターをもらったりしていたが、前のようにいいよってくる女子に優しくすることがなくなったので、次第に言い寄ってくる女生徒もいなくなった。

付き合いはじめて1か月が経つ頃。

「ねぇ。僕らももう一歩歩み寄ってみようか」

「何をだ」

「体の関係」

「俺は・・・・・」

「こっちおいで?」

京楽のほうに行くと、抱き締められて、舌が絡まるキスをされた。

「ふあ・・・・・・んんんん!?」

京楽の手が、袴の中に入り、やんわりと浮竹の花茎を握りしめ、扱いだす。

「やあああああ」

「君の手は、俺のをお願い」

硬くなった京楽のものに、手が触れ。

与えられる刺激に夢中になりそうになりながら、京楽のものをしごいた。

「君、ほんとに始めて?上手いね・・・・」

「やああん、あああ!」

浮竹は、京楽の手の中に欲望を吐きだしていた。

ほぼ同時に、京楽も浮竹の手で射精した。

「あーあ。シーツと服が汚れちゃったね。一緒に湯浴みしようか。変なことはもうしないから」

「本当だな?」

浮竹は、いったばかりで呼吸が乱れていた。

潤んだ視線で見つめてくる。

「その、風呂の中で一人で処理するかもしれないけど。君があまりに色っぽくてかわいいから」

「俺のせいかのか?じゃあ、俺が責任をとる」

結局、湯浴みの途中で浮竹の手で2回抜いてもらった。たまっていたので、まだいけそうだったが。

お礼にと、少し嫌がる浮竹をいかせた。

性欲というものに淡泊な浮竹は、衝撃でぼーとなった。京楽が体と髪を洗ってあげた。

「あ・・・・」

まだいっている余韻の体をふいてあげると、浮竹はのろのろとパジャマを着た。

髪をふいて、かわかしてあげた。

「どう?気持ちよかった?誰かの手でいかされるなんてはじめてでしょ?」

「きもちよかった・・・・世界が真っ白になった」

「僕は女の子と付き合ったことあるから慣れてるけど、君はふだんどうしていたの?自分で抜いていたの?」

恥ずかしそうに、浮竹は言う。

「エロ本見て抜いてた・・・・」

浮竹もお年頃なのだ。

二人は、大人の階段を一歩昇ってしまった。


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