好きな物は好き11
一護は、引っ越しをした。
1LDKではなく、2LDKの部屋を借りることにした。
ルキアも一緒に、引っ越しの荷物を解いていく。
「ベッド、ダブルベッドにしたから」
「別に、今までのベッドでもよかったのだぞ」
「寝ぼけて転がり落ちる誰かがいるからな」
「ぐ・・・・・」
ルキアは言葉に詰まった。
一護のベッドははっきりいって、一人用で狭い。二人で寝るには狭かった。
なので、バイトの金でダブルベッドを買った。
引っ越した先の家賃は、一心がまだもってくれた。
ルキアからは、食費の他に光熱費をもらっている。だが、流石に家賃までは払わせられなかった。
金曜の夜に現世にきて、月曜の朝に尸魂界に帰る世界をかけた二重生活は今も続いている。
ルキアは、13番隊の隊長になることが決まった。
その祝いもかねて、引っ越し先で囁かな鍋パーティーをした。
「隊長就任おめでとうな。すげーじゃねぇか」
「浮竹隊長の遺言があったのだ・・・・次の隊長は、私にするように、と」
「浮竹さん、残念だったな」
「ああ・・・・」
大戦で散ってしまった浮竹のことを思い、少ししんみりとした気分になった。
「ダブルベッド、羽毛布団にしたからふかふかだぞ」
「なに!けしからん!」
ルキアは、ダブルベッドにダイブした。
「うおおお、ふかふかだ!」
ルキアはベッドの上でぴょんぴょんはねてごろごろしていた。
「前のベッドは硬かったからな・・・・いいな、このベッド」
「今日から、お前もこのベッドで寝るんだぞ」
「そ、それはそうだが・・・・それにしても、よくこんな金があったな」
「まぁ、こつこつためてたからな。お陰でかなりすっからかんだ」
「一護、受け取れ」
ルキアは、一護に200万を渡した。
「いいよ!いらねぇ!」
「いいからもらっておけ!私が滞在している間、何かと金がかかるであろう」
「でも、もう食費も光熱費ももらってる!」
「よいのだ。朽木家は4大貴族だ。土日を一護が私のためにバイトもせず、時間をあけてくれている。その間のバイト代だと思えばいい」
「ほんとにいいのかよ」
「ああ」
一護は、どちらかというと金に困っているほうだった。
バイトでのやりくりにも、限界がある。だからといって、一心から仕送りは受けたくない。
「分かった。もらっとく。家賃とかに使うわ」
「ああ、そうしろ。そして金銭面でもいいから、もっと私に頼れ!私が4大貴族であることを無意味にさせるな!」
「そうは言うけど、男にもプライドってもんがあるんだ。恋人のルキアにばかり金だしてもらいたくねぇ」
「私が良いのだと言っておるのだ!もっと頼れ!」
「じゃあ、食費今の2倍にしてもいいか。お前、けっこうよく食うから・・・・」
「うむ。2倍でも3倍でも払ってやるぞ」
一護の新しい家は、アパートではなくマンションだった。
大学卒業まであと1年もない。
だが、大学を卒業し、一護が就職しても、ルキアは一護の家に通うつもりだった。一護も、それを承知していた。
いつか、金を貯めて一軒家を買い、そこでルキアと暮らすつもりだ。
多分、朽木家の金で買われることになるだろうが。
「今日からふかふかの布団か。いいな、新婚ってかんじがする」
「結婚式、やっぱり挙げたいか?」
「いや、いらぬ。貴様の傍にいれるだけで、私は幸せだ」
ルキアは、ダブルベッドでごろごろしながら、そう言った。
「でも、俺はいつかお前と式を挙げたい」
「一護・・・・・・」
ルキアの涙腺がうるっとくる。
「泣くなよ」
「だって、貴様が私を愛してくれているのが分かるから・・・・」
「ああ、愛してるぜ。どうしようもないくらい、お前を愛してる、ルキア。今日、抱いてもいいか?」
「うむ・・・・・」
二人は、甘い夜を過ごした。
ダブルベッドがふかふかで、安眠を二人に提供してくれるのであった。
一夜あけて、二人は顔を見合わせた。
「そうか。引っ越ししたんだったな」
「そうだぞ。そしてベッドはダブルベッドでふかふかなのだ」
「きもちいいだろ?」
「ああ」
「俺との行為とどっちがきもちいい?」
そう悪戯っぽく一護が聞くと、ルキアは顔を真っ赤にした。
「たわけ!」
ばきっ。
頭を殴られても、一護は嬉しそうだった。
「今度から、この家に帰ってこいよ。間違えて、前の家に行かないように」
「分かっておる!穿界門を移動してもらう」
現世で週末を過ごすルキアのためだけに、特別な穿界門があった。
「引っ越しで、今までの穿界門を移動してもらわねばならぬな」
「余計な手間かけてごめんな」
「いいのだ。新しい新居。新婚さんのようではないか」
「まぁ、そう思ってくれるなら俺も嬉しい」
二人は、新婚のようにラブラブイチャイチャするのだった。
1LDKではなく、2LDKの部屋を借りることにした。
ルキアも一緒に、引っ越しの荷物を解いていく。
「ベッド、ダブルベッドにしたから」
「別に、今までのベッドでもよかったのだぞ」
「寝ぼけて転がり落ちる誰かがいるからな」
「ぐ・・・・・」
ルキアは言葉に詰まった。
一護のベッドははっきりいって、一人用で狭い。二人で寝るには狭かった。
なので、バイトの金でダブルベッドを買った。
引っ越した先の家賃は、一心がまだもってくれた。
ルキアからは、食費の他に光熱費をもらっている。だが、流石に家賃までは払わせられなかった。
金曜の夜に現世にきて、月曜の朝に尸魂界に帰る世界をかけた二重生活は今も続いている。
ルキアは、13番隊の隊長になることが決まった。
その祝いもかねて、引っ越し先で囁かな鍋パーティーをした。
「隊長就任おめでとうな。すげーじゃねぇか」
「浮竹隊長の遺言があったのだ・・・・次の隊長は、私にするように、と」
「浮竹さん、残念だったな」
「ああ・・・・」
大戦で散ってしまった浮竹のことを思い、少ししんみりとした気分になった。
「ダブルベッド、羽毛布団にしたからふかふかだぞ」
「なに!けしからん!」
ルキアは、ダブルベッドにダイブした。
「うおおお、ふかふかだ!」
ルキアはベッドの上でぴょんぴょんはねてごろごろしていた。
「前のベッドは硬かったからな・・・・いいな、このベッド」
「今日から、お前もこのベッドで寝るんだぞ」
「そ、それはそうだが・・・・それにしても、よくこんな金があったな」
「まぁ、こつこつためてたからな。お陰でかなりすっからかんだ」
「一護、受け取れ」
ルキアは、一護に200万を渡した。
「いいよ!いらねぇ!」
「いいからもらっておけ!私が滞在している間、何かと金がかかるであろう」
「でも、もう食費も光熱費ももらってる!」
「よいのだ。朽木家は4大貴族だ。土日を一護が私のためにバイトもせず、時間をあけてくれている。その間のバイト代だと思えばいい」
「ほんとにいいのかよ」
「ああ」
一護は、どちらかというと金に困っているほうだった。
バイトでのやりくりにも、限界がある。だからといって、一心から仕送りは受けたくない。
「分かった。もらっとく。家賃とかに使うわ」
「ああ、そうしろ。そして金銭面でもいいから、もっと私に頼れ!私が4大貴族であることを無意味にさせるな!」
「そうは言うけど、男にもプライドってもんがあるんだ。恋人のルキアにばかり金だしてもらいたくねぇ」
「私が良いのだと言っておるのだ!もっと頼れ!」
「じゃあ、食費今の2倍にしてもいいか。お前、けっこうよく食うから・・・・」
「うむ。2倍でも3倍でも払ってやるぞ」
一護の新しい家は、アパートではなくマンションだった。
大学卒業まであと1年もない。
だが、大学を卒業し、一護が就職しても、ルキアは一護の家に通うつもりだった。一護も、それを承知していた。
いつか、金を貯めて一軒家を買い、そこでルキアと暮らすつもりだ。
多分、朽木家の金で買われることになるだろうが。
「今日からふかふかの布団か。いいな、新婚ってかんじがする」
「結婚式、やっぱり挙げたいか?」
「いや、いらぬ。貴様の傍にいれるだけで、私は幸せだ」
ルキアは、ダブルベッドでごろごろしながら、そう言った。
「でも、俺はいつかお前と式を挙げたい」
「一護・・・・・・」
ルキアの涙腺がうるっとくる。
「泣くなよ」
「だって、貴様が私を愛してくれているのが分かるから・・・・」
「ああ、愛してるぜ。どうしようもないくらい、お前を愛してる、ルキア。今日、抱いてもいいか?」
「うむ・・・・・」
二人は、甘い夜を過ごした。
ダブルベッドがふかふかで、安眠を二人に提供してくれるのであった。
一夜あけて、二人は顔を見合わせた。
「そうか。引っ越ししたんだったな」
「そうだぞ。そしてベッドはダブルベッドでふかふかなのだ」
「きもちいいだろ?」
「ああ」
「俺との行為とどっちがきもちいい?」
そう悪戯っぽく一護が聞くと、ルキアは顔を真っ赤にした。
「たわけ!」
ばきっ。
頭を殴られても、一護は嬉しそうだった。
「今度から、この家に帰ってこいよ。間違えて、前の家に行かないように」
「分かっておる!穿界門を移動してもらう」
現世で週末を過ごすルキアのためだけに、特別な穿界門があった。
「引っ越しで、今までの穿界門を移動してもらわねばならぬな」
「余計な手間かけてごめんな」
「いいのだ。新しい新居。新婚さんのようではないか」
「まぁ、そう思ってくれるなら俺も嬉しい」
二人は、新婚のようにラブラブイチャイチャするのだった。
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一護は見てしまった
雨乾堂で、浮竹は昼間っから京楽に押し倒されていた。
そんなこと、そう珍しいわけでもないので、浮竹は何も言わない。
隊長羽織を脱がされ、死覇装に手がかかる。
「十四郎、愛しているよ」
「春水・・・・」
深く口づけを繰り返していると、雨乾堂の戸があいた。
「すんません、浮竹さんちょっと用事が・・・・」
入ってきたのは、一護だった。
「もぎゃ!」
肌も露わな浮竹と、その上にのしかかっているこちらも乱れた死覇装姿の京楽に、一護は真っ赤になって慌てた。
「そ、その別に覗こうとか邪魔しようとしたわけじゃなくって!」
「一護君。2時間後にきてくれない。それまでに終わらせるから」
何を終わらせるとか、聞くだけやぼだ。
「おい京楽、見られたのに続けるつもりか!一護君、すまない。こんな場面にあわせてしまって」
「い、いえどうぞお気遣いなく続けてください、俺はルキアのとこいってきます」
一護は真っ赤になって出ていった。
「どうしよう見られてしまった」
「ずっと前も見られたでしょ。気にすることないよ」
「京楽のアホ!次からどんな顔して一護君に会えなばいいんだ」
「別に、普通でいいんじゃない?それより2時間後って言ったから、続けるよ」
一護に見られたことなど気にしたそぶりもなく、京楽は浮竹を貪っていく。
「ああ!」
見られたのが、抱かれる前でよかったと浮竹は思った。
裸でセックスしているところを見られたら、さすがに浮竹も固まる。
「一護君に最初見られたせいかな。いつもより、感度いいね」
「言ってろ、このばか・・・・あああ!」
確かに、いつもより快感が強い。
2時間はかけないで、二人の睦言は終わった。
後始末をして余韻に浸る浮竹は、色っぽかった。
「すんません、2時間経ったんできました。実は・・・・・」
一護が、2時間経った後やってくる。
いつもの浮竹ではない、情事の後の浮竹は、一護にも目の毒だった。
「浮竹さん、あんたそんなかんじで出歩いたりしないでくださいね」
その言葉が、今は亡き海燕を思いおこさせた。
「一護君、用はなんだい?」
「あ、この死神代行証・・・ちょっと調子悪くて。死神化するのにちょっと時間かかるんだ」
死神代行証を受けとって、浮竹は微調整した。
「多分これで大丈夫だ」
「ありがとう、浮竹さん」
「一護君は、俺たちのことどう思う?」
「熟年夫婦って聞いた。ルキアから」
「熟年夫婦か・・・ははは、面白いことを言うな」
「でも浮竹、僕らけっこう熟年夫婦でおしどり夫婦ってよく言われてるよ」
「え!そうなのか!?」
浮竹は京楽との関係を隠していないので、夫婦のようだといわれることはあったが、京楽がいうような夫婦と言われたことがなかった。
「まぁ、数百年も恋人してると。熟年になるか。それに仲はいいからおしどり夫婦か・・・・」
浮竹は、気分を害したわけではなかった。
「浮竹さん、京楽さん、盛るのはいいけど、ルキアには見せないでくれ」
ルキアも、何度か浮竹と京楽の逢瀬しようとする瞬間に出くわしたことがあった。
「ルキアは副官だし・・・・浮竹さんと接すること多いと思うけど、なるべく見せないようにしてくれないか。ルキアのやつ、二人の邪魔になるって落ち込んでた」
「朽木が!今度から気をつける」
「僕が悪いってことになるんだろうねぇ。夜でもないのに浮竹に手を出すから」
「分かってるなら、夜まで辛抱しろ」
「そうはいってもねぇ。君を抱きたくなるのに朝も昼の夜も関係ない気がする」
「いや、おおありだ」
浮竹は大きなため息をもらした。
京楽は優しいが、気まぐれだ。いきなり朝っぱらから盛られて、そのまま体の関係にいってしまったことが、今まで何度かあった。
「京楽、俺も前から朝とか昼はどうかと思ってた。夜にしろ、夜に」
「そればかりは、僕のその時の気分次第かなぁ」
京楽は、浮竹を困らせて笑っていた。
浮竹も本気で怒らない。
もう、何百年も恋人をやっているのだ。この程度のことで喧嘩はしない。
「じゃ、俺もういくから」
「ああ、すまないな一護君。朽木には、善処すると言っておいてくれ」
大丈夫だから安心しろとは言わない。京楽が気まぐれだからだ。
浮竹も拒否すればいいのに、よほどのことがない限り拒否しない。
京楽に抱かれることは、生活のリズムの中に刻まれていた。流石に院生時代や席官になった当時のくらいに抱き合うことはなくなったが、それも週に一度くらいの頻度で体を重ねていた。
「朽木には謝らないとな・・・・・・」
「ルキアちゃんもそのうち慣れるって」
「慣れさせてどうする、このばかが」
京楽の黒髪を引っ張る浮竹。
「あいたたたたた」
「朽木には、雨乾堂に入る時には許可あげてから入るようにするか」
「それでいいんじゃない?」
京楽は、自分のせいなのに、楽観的だった。
人生、楽しまなければ損だ。
ルキアにみられるのも一興。
そんな考えを浮竹に言うと、浮竹は怒って京楽の胸毛をむしった。
「あいたたたた!まじ痛いからやめて!」
「少しは反省しろ」
「怒らないでよ浮竹。かわいい顔が台無しだよ」
「言ってろ」
喧嘩っぽくなっても、本当の喧嘩にまではいかない。
別れを切り出したこともない。
何百年も恋人をしていると、別れとか考えなくなる。
熟年夫婦と言われる通り、二人は夫婦のようになって長い。
おしどり夫婦といわれるように、とにかく仲がいい。
昔、海燕もルキアのように、二人の逢瀬する直前を見ていた。というか、空気として存在しないものにされたこともある。
ルキアは女の子なので、流石に空気扱いはされないが、許可を得て雨乾堂に入るようにしなければ、海燕の二の舞になりそうだった。
そんなこと、そう珍しいわけでもないので、浮竹は何も言わない。
隊長羽織を脱がされ、死覇装に手がかかる。
「十四郎、愛しているよ」
「春水・・・・」
深く口づけを繰り返していると、雨乾堂の戸があいた。
「すんません、浮竹さんちょっと用事が・・・・」
入ってきたのは、一護だった。
「もぎゃ!」
肌も露わな浮竹と、その上にのしかかっているこちらも乱れた死覇装姿の京楽に、一護は真っ赤になって慌てた。
「そ、その別に覗こうとか邪魔しようとしたわけじゃなくって!」
「一護君。2時間後にきてくれない。それまでに終わらせるから」
何を終わらせるとか、聞くだけやぼだ。
「おい京楽、見られたのに続けるつもりか!一護君、すまない。こんな場面にあわせてしまって」
「い、いえどうぞお気遣いなく続けてください、俺はルキアのとこいってきます」
一護は真っ赤になって出ていった。
「どうしよう見られてしまった」
「ずっと前も見られたでしょ。気にすることないよ」
「京楽のアホ!次からどんな顔して一護君に会えなばいいんだ」
「別に、普通でいいんじゃない?それより2時間後って言ったから、続けるよ」
一護に見られたことなど気にしたそぶりもなく、京楽は浮竹を貪っていく。
「ああ!」
見られたのが、抱かれる前でよかったと浮竹は思った。
裸でセックスしているところを見られたら、さすがに浮竹も固まる。
「一護君に最初見られたせいかな。いつもより、感度いいね」
「言ってろ、このばか・・・・あああ!」
確かに、いつもより快感が強い。
2時間はかけないで、二人の睦言は終わった。
後始末をして余韻に浸る浮竹は、色っぽかった。
「すんません、2時間経ったんできました。実は・・・・・」
一護が、2時間経った後やってくる。
いつもの浮竹ではない、情事の後の浮竹は、一護にも目の毒だった。
「浮竹さん、あんたそんなかんじで出歩いたりしないでくださいね」
その言葉が、今は亡き海燕を思いおこさせた。
「一護君、用はなんだい?」
「あ、この死神代行証・・・ちょっと調子悪くて。死神化するのにちょっと時間かかるんだ」
死神代行証を受けとって、浮竹は微調整した。
「多分これで大丈夫だ」
「ありがとう、浮竹さん」
「一護君は、俺たちのことどう思う?」
「熟年夫婦って聞いた。ルキアから」
「熟年夫婦か・・・ははは、面白いことを言うな」
「でも浮竹、僕らけっこう熟年夫婦でおしどり夫婦ってよく言われてるよ」
「え!そうなのか!?」
浮竹は京楽との関係を隠していないので、夫婦のようだといわれることはあったが、京楽がいうような夫婦と言われたことがなかった。
「まぁ、数百年も恋人してると。熟年になるか。それに仲はいいからおしどり夫婦か・・・・」
浮竹は、気分を害したわけではなかった。
「浮竹さん、京楽さん、盛るのはいいけど、ルキアには見せないでくれ」
ルキアも、何度か浮竹と京楽の逢瀬しようとする瞬間に出くわしたことがあった。
「ルキアは副官だし・・・・浮竹さんと接すること多いと思うけど、なるべく見せないようにしてくれないか。ルキアのやつ、二人の邪魔になるって落ち込んでた」
「朽木が!今度から気をつける」
「僕が悪いってことになるんだろうねぇ。夜でもないのに浮竹に手を出すから」
「分かってるなら、夜まで辛抱しろ」
「そうはいってもねぇ。君を抱きたくなるのに朝も昼の夜も関係ない気がする」
「いや、おおありだ」
浮竹は大きなため息をもらした。
京楽は優しいが、気まぐれだ。いきなり朝っぱらから盛られて、そのまま体の関係にいってしまったことが、今まで何度かあった。
「京楽、俺も前から朝とか昼はどうかと思ってた。夜にしろ、夜に」
「そればかりは、僕のその時の気分次第かなぁ」
京楽は、浮竹を困らせて笑っていた。
浮竹も本気で怒らない。
もう、何百年も恋人をやっているのだ。この程度のことで喧嘩はしない。
「じゃ、俺もういくから」
「ああ、すまないな一護君。朽木には、善処すると言っておいてくれ」
大丈夫だから安心しろとは言わない。京楽が気まぐれだからだ。
浮竹も拒否すればいいのに、よほどのことがない限り拒否しない。
京楽に抱かれることは、生活のリズムの中に刻まれていた。流石に院生時代や席官になった当時のくらいに抱き合うことはなくなったが、それも週に一度くらいの頻度で体を重ねていた。
「朽木には謝らないとな・・・・・・」
「ルキアちゃんもそのうち慣れるって」
「慣れさせてどうする、このばかが」
京楽の黒髪を引っ張る浮竹。
「あいたたたたた」
「朽木には、雨乾堂に入る時には許可あげてから入るようにするか」
「それでいいんじゃない?」
京楽は、自分のせいなのに、楽観的だった。
人生、楽しまなければ損だ。
ルキアにみられるのも一興。
そんな考えを浮竹に言うと、浮竹は怒って京楽の胸毛をむしった。
「あいたたたた!まじ痛いからやめて!」
「少しは反省しろ」
「怒らないでよ浮竹。かわいい顔が台無しだよ」
「言ってろ」
喧嘩っぽくなっても、本当の喧嘩にまではいかない。
別れを切り出したこともない。
何百年も恋人をしていると、別れとか考えなくなる。
熟年夫婦と言われる通り、二人は夫婦のようになって長い。
おしどり夫婦といわれるように、とにかく仲がいい。
昔、海燕もルキアのように、二人の逢瀬する直前を見ていた。というか、空気として存在しないものにされたこともある。
ルキアは女の子なので、流石に空気扱いはされないが、許可を得て雨乾堂に入るようにしなければ、海燕の二の舞になりそうだった。
看病
「京楽・・・・・・・?」
「ああ、いいから寝てなさいな。40度の熱があるんだよ」
頭ががんがんと割れるように痛かった。
酷い眩暈がする。意識が朦朧としていたが、京楽が近くにいることだけは感じとれた。
風邪を悪化させた浮竹は、そのまま救護詰所で入院となった。
肺炎をおこしかけていたのだ。
点滴の管が痛々しかったが、浮竹が発作以外で入院するのは本当に久しぶりで、京楽も焦った。
看病を兼ねて訪れてみると、浮竹は高熱でうなされていた。
それなのに、京楽がきたら気づくのだ。
「傍に・・・・・いてくれ・・・・」
「ああ、いるとも」
ベッドの傍の椅子に座って、浮竹の手を握りしめる。
暖かな手。
力なく握り返してくる浮竹を思いながら、浮竹の病室のソファーで、京楽は眠った。
起きると、浮竹はまだ熱でうなされていた。
もうここ4日は熱が下がっていない。
京楽は、泊まりこみで浮竹の看病をした。
5日目。やっと、浮竹の熱が下がった。
卯ノ花が回道を何度もかけてのことだった。
肺炎にはならずにすんだ。
「京楽・・・・もしかして、ずっと看病していてくれたのか。一度、8番隊の隊舎に戻ったほうがいい」
「うん。それもそうだね。君の熱も下がったことだし、仕事片付けて、また夜にはくるよ」
まともな食事も睡眠もとれていないだろうに。
それでも、京楽は浮竹を優先する。
そんな京楽が倒れたと聞いて、浮竹が吃驚した。
「ただの寝不足と、軽い貧血ですね」
「まいったねぇ。僕まで病人になちゃった」
念のため1日の入院となった京楽は、卯ノ花の配慮で浮竹の病室にベッドが運び込まれて、二人で一部屋となった。
「京楽、お前はばかか。俺なんて看病して倒れて・・・・・」
「でも、本当に心配したんだよ。高熱が下がらないから」
「だからって、倒れるまで看病するやつがあるか。ちゃんと食事をして寝ろ」
「うん。今後気を付けるよ。今はもう、後の祭りだから」
「はぁ・・・・・・」
京楽も、点滴を打たれた。
「点滴、お揃いだね」
「こんなことでお揃いになっても嬉しくない」
「そうだね」
京楽は、少し困ったような顔をした。
「まさか、この僕が倒れるなんてねぇ。君を心配しすぎたのかな」
「そうだぞ。看病にきて倒れるとか、ばかみたいじゃないか」
「まぁ、僕の不注意だからね。ごめんね」
「謝るな。俺が悪いんだから」
浮竹が、唇をかみしめる。
「元々、倒れた俺のせいだ」
「違うよ、浮竹」
「何が違うんだ」
「僕が倒れたのは僕の不注意だから。泣かないで」
その時、始めて自分が涙を流しているのだと気づいた。
「なんで、涙なんて・・・・・・」
「ねぇ、泣かないで」
「分かっている」
病院服の襟で涙をぬぐって、浮竹はなんとか弱弱しい笑みを刻んだ。
「でも・・・・わざわざ看病しにきてくれて、ありがとう」
浮竹の言葉に、京楽もほっこりする。
「君が入院すると見舞ったり看病する癖がついちゃってるからね」
同じ病室でいることが、とても安心できた。
お互い、退院は明日になった。
次の日、すっかり元気になった浮竹と、調子のよくなった京楽は退院した。
「京楽隊長、看病しに来た方が倒れて入院なんて、笑い話にもなりませんよ。以後気をつけてくださいね」
「ああ、卯ノ花隊長、病室を同じにしてくれてありがとう。お陰で心を伝えあえたよ」
「京楽隊長は、献血してもらわねばなりませんから。早くもっと元気になってくださいね。浮竹隊長も、風邪には気をつけてください」
「卯ノ花隊長、世話になった」
浮竹と京楽は、手を繋ぎあいながら雨乾堂に戻った。
布団をしいて、体を重ねるわけでもなく、ただ抱き締めあいながら、横になった。
「君が肺炎になりかけてるって聞いて、傍から離れられなくなった」
「風邪をこじらせたせいだ。だが、今後は本当に気をつけてくれ。俺を看病して倒れるなんて、これっきりにしてくれ」
「分かってるよ」
唇を重ね合わせる。
それからしばらくごろごろして、二人で風呂に入った。
夕餉を食べて、一緒に床につく。
「こうやって、一緒に寝るのも久しぶりだね」
「ああ、そうだな。流石に体を重ね合わせる元気はまだないが」
「僕もだよ。まだちょっと疲れが残ってる」
二人で会話して、笑い合って、ふざけあって、そして眠りについた。
それ以降、京楽が浮竹の看病で倒れることはなかった。
浮竹が発作をおこして入院せず、雨乾堂に入る時は、京楽は泊まりこみの看病をするが、ちゃんと自分の休息も入れた。
浮竹にとって、京楽はアキレス腱でもある。
親友で恋人で。
京楽が倒れたと聞いたあの時は、本当に驚いたのだ。
浮竹が風邪をひいてこじらせ、熱を出すのもいつものことだが。京楽が看病にやってくることも、いつものことなのだ。
「俺は・・・・京楽を失うと、きっと発狂する」
「突然どうしたの」
「今の関係が永遠に続けばいいのに」
「大丈夫、ずっと続くよ」
きっと。
きっと・・・・・。
でも、それが永遠に続くことはなかった。
浮竹の死で、京楽は一人残され、涙を流すのだ。
「ああ、いいから寝てなさいな。40度の熱があるんだよ」
頭ががんがんと割れるように痛かった。
酷い眩暈がする。意識が朦朧としていたが、京楽が近くにいることだけは感じとれた。
風邪を悪化させた浮竹は、そのまま救護詰所で入院となった。
肺炎をおこしかけていたのだ。
点滴の管が痛々しかったが、浮竹が発作以外で入院するのは本当に久しぶりで、京楽も焦った。
看病を兼ねて訪れてみると、浮竹は高熱でうなされていた。
それなのに、京楽がきたら気づくのだ。
「傍に・・・・・いてくれ・・・・」
「ああ、いるとも」
ベッドの傍の椅子に座って、浮竹の手を握りしめる。
暖かな手。
力なく握り返してくる浮竹を思いながら、浮竹の病室のソファーで、京楽は眠った。
起きると、浮竹はまだ熱でうなされていた。
もうここ4日は熱が下がっていない。
京楽は、泊まりこみで浮竹の看病をした。
5日目。やっと、浮竹の熱が下がった。
卯ノ花が回道を何度もかけてのことだった。
肺炎にはならずにすんだ。
「京楽・・・・もしかして、ずっと看病していてくれたのか。一度、8番隊の隊舎に戻ったほうがいい」
「うん。それもそうだね。君の熱も下がったことだし、仕事片付けて、また夜にはくるよ」
まともな食事も睡眠もとれていないだろうに。
それでも、京楽は浮竹を優先する。
そんな京楽が倒れたと聞いて、浮竹が吃驚した。
「ただの寝不足と、軽い貧血ですね」
「まいったねぇ。僕まで病人になちゃった」
念のため1日の入院となった京楽は、卯ノ花の配慮で浮竹の病室にベッドが運び込まれて、二人で一部屋となった。
「京楽、お前はばかか。俺なんて看病して倒れて・・・・・」
「でも、本当に心配したんだよ。高熱が下がらないから」
「だからって、倒れるまで看病するやつがあるか。ちゃんと食事をして寝ろ」
「うん。今後気を付けるよ。今はもう、後の祭りだから」
「はぁ・・・・・・」
京楽も、点滴を打たれた。
「点滴、お揃いだね」
「こんなことでお揃いになっても嬉しくない」
「そうだね」
京楽は、少し困ったような顔をした。
「まさか、この僕が倒れるなんてねぇ。君を心配しすぎたのかな」
「そうだぞ。看病にきて倒れるとか、ばかみたいじゃないか」
「まぁ、僕の不注意だからね。ごめんね」
「謝るな。俺が悪いんだから」
浮竹が、唇をかみしめる。
「元々、倒れた俺のせいだ」
「違うよ、浮竹」
「何が違うんだ」
「僕が倒れたのは僕の不注意だから。泣かないで」
その時、始めて自分が涙を流しているのだと気づいた。
「なんで、涙なんて・・・・・・」
「ねぇ、泣かないで」
「分かっている」
病院服の襟で涙をぬぐって、浮竹はなんとか弱弱しい笑みを刻んだ。
「でも・・・・わざわざ看病しにきてくれて、ありがとう」
浮竹の言葉に、京楽もほっこりする。
「君が入院すると見舞ったり看病する癖がついちゃってるからね」
同じ病室でいることが、とても安心できた。
お互い、退院は明日になった。
次の日、すっかり元気になった浮竹と、調子のよくなった京楽は退院した。
「京楽隊長、看病しに来た方が倒れて入院なんて、笑い話にもなりませんよ。以後気をつけてくださいね」
「ああ、卯ノ花隊長、病室を同じにしてくれてありがとう。お陰で心を伝えあえたよ」
「京楽隊長は、献血してもらわねばなりませんから。早くもっと元気になってくださいね。浮竹隊長も、風邪には気をつけてください」
「卯ノ花隊長、世話になった」
浮竹と京楽は、手を繋ぎあいながら雨乾堂に戻った。
布団をしいて、体を重ねるわけでもなく、ただ抱き締めあいながら、横になった。
「君が肺炎になりかけてるって聞いて、傍から離れられなくなった」
「風邪をこじらせたせいだ。だが、今後は本当に気をつけてくれ。俺を看病して倒れるなんて、これっきりにしてくれ」
「分かってるよ」
唇を重ね合わせる。
それからしばらくごろごろして、二人で風呂に入った。
夕餉を食べて、一緒に床につく。
「こうやって、一緒に寝るのも久しぶりだね」
「ああ、そうだな。流石に体を重ね合わせる元気はまだないが」
「僕もだよ。まだちょっと疲れが残ってる」
二人で会話して、笑い合って、ふざけあって、そして眠りについた。
それ以降、京楽が浮竹の看病で倒れることはなかった。
浮竹が発作をおこして入院せず、雨乾堂に入る時は、京楽は泊まりこみの看病をするが、ちゃんと自分の休息も入れた。
浮竹にとって、京楽はアキレス腱でもある。
親友で恋人で。
京楽が倒れたと聞いたあの時は、本当に驚いたのだ。
浮竹が風邪をひいてこじらせ、熱を出すのもいつものことだが。京楽が看病にやってくることも、いつものことなのだ。
「俺は・・・・京楽を失うと、きっと発狂する」
「突然どうしたの」
「今の関係が永遠に続けばいいのに」
「大丈夫、ずっと続くよ」
きっと。
きっと・・・・・。
でも、それが永遠に続くことはなかった。
浮竹の死で、京楽は一人残され、涙を流すのだ。
卯ノ花隊長とお茶
卯ノ花はできた女性だ。華道だけでなく、茶道もできる。
茶道といえば山本総隊長なのでが、今回は4番隊で茶道が行われた。
何故か知らないが、浮竹と京楽も呼ばれた。
「正座、きついんだよね」
「そうだな」
適当に足を崩していると、卯ノ花に怒られた。
「正座は基本です」
「でも卯ノ花隊長、俺たちは普段正座なんてしないから」
「では、今から修行だと思って身に着けてください」
にっこりとそう笑われて、なんともいえない顔を二人で作る。
茶がまわってくる。
なんとかおぼろげな、昔の茶道の稽古を思い出しながら、茶菓子をいただく。
上品なあんこの入った和菓子だった。
「このあんこ・・・・壬生のものかな?」
「あら、浮竹隊長よくわかりましたね。壬生の店の方に、今日出るお菓子を作ってもらったのです」
「あそこのおはぎは特別においしいからなぁ」
「そうですね」
一人、輪の外にいた京楽は、隙を見て逃げ出そうとしいた。
「京楽~~~犠牲になる時は、一緒だって誓ったよな?」
「いつの話だい!」
「俺を見捨てて、逃げるのか?」
「うっ」
傷ついた子猫のような目で見られて、京楽も動けなくなる。
「茶道にでることが、犠牲ですか?それはそれは・・・・・・」
うふふふふと笑う卯ノ花が怖くて、二人ともいったん口を閉ざす。
「ああ、なんで卯ノ花隊長の華道やら茶道に僕たちが呼ばれるんだい」
「あら、救護詰所を利用することの多い浮竹隊長はもちろんのこと、お見舞いにいらっしゃる京楽隊長もたまにはこういうのもいいでしょう?」
にっこり笑われて、その笑みが怖いとは言えなかった。
足を痺れさせて、なんとか茶道が終わった。
卯ノ花が、回道をかけてくれた。
「卯ノ花隊長、僕らをからかって遊んでない?」
「からかうもなにも、遊んでいるのです」
きっぱりと言われて、浮竹も京楽も、やっぱり卯ノ花は恐いと思った。
「京楽隊長は、この後献血にきてくださいね。浮竹隊長は、健康診断を」
「うへー、また献血かい」
「京楽隊長の血液型は少ないのです。とれるうちにとっておかないと」
「なんだか、怖い台詞だねぇ。浮竹はいいねぇ、健康診断だけなんて」
「とても苦い薬を出される。あと採血もされるし、あまりよくない」
浮竹も、不満があるようだった。
だがそれを卯ノ花にいうほど、愚かではない。
あくまで、京楽との会話だ。
「そうですね、体調がよいようなら、浮竹隊長も献血をなさってはいかがですか」
「いや、俺はいい!京楽が俺の分までとってほしいって」
「まぁ、京楽隊長、ありがとうございます」
「殺されるーーーー!!」
卯ノ花に引きずられて、京楽は献血に連れて行かれた。
合掌。
「お前のことは、忘れない」
1時間後、しおしおになった京楽と、健康診断で血をぬかれてげっそりとなった浮竹が、救護詰所の待ち合わせ室で顔を合わせた。
「散々だったよ」
「俺もだ。採血、卯ノ花隊長だった。卯ノ花隊長、採血下手なんだよな。6か所さされた」
「僕は血をいっぱいとられたよ。ジュースもらったけど、割に合わない」
「しばらく、救護詰所にはいかないでおこう」
「そうだね。浮竹が発作をおこした時以外は、しばらく近づかないでおこう」
「あらあら、二人とも元気がありませんね」
誰のせいだと、二人とも思った。
「ではまたのおこしを、お待ちしております」
できるなら、もうきたくない。
卯ノ花の笑顔を見ながら、そう思う二人であった。
茶道といえば山本総隊長なのでが、今回は4番隊で茶道が行われた。
何故か知らないが、浮竹と京楽も呼ばれた。
「正座、きついんだよね」
「そうだな」
適当に足を崩していると、卯ノ花に怒られた。
「正座は基本です」
「でも卯ノ花隊長、俺たちは普段正座なんてしないから」
「では、今から修行だと思って身に着けてください」
にっこりとそう笑われて、なんともいえない顔を二人で作る。
茶がまわってくる。
なんとかおぼろげな、昔の茶道の稽古を思い出しながら、茶菓子をいただく。
上品なあんこの入った和菓子だった。
「このあんこ・・・・壬生のものかな?」
「あら、浮竹隊長よくわかりましたね。壬生の店の方に、今日出るお菓子を作ってもらったのです」
「あそこのおはぎは特別においしいからなぁ」
「そうですね」
一人、輪の外にいた京楽は、隙を見て逃げ出そうとしいた。
「京楽~~~犠牲になる時は、一緒だって誓ったよな?」
「いつの話だい!」
「俺を見捨てて、逃げるのか?」
「うっ」
傷ついた子猫のような目で見られて、京楽も動けなくなる。
「茶道にでることが、犠牲ですか?それはそれは・・・・・・」
うふふふふと笑う卯ノ花が怖くて、二人ともいったん口を閉ざす。
「ああ、なんで卯ノ花隊長の華道やら茶道に僕たちが呼ばれるんだい」
「あら、救護詰所を利用することの多い浮竹隊長はもちろんのこと、お見舞いにいらっしゃる京楽隊長もたまにはこういうのもいいでしょう?」
にっこり笑われて、その笑みが怖いとは言えなかった。
足を痺れさせて、なんとか茶道が終わった。
卯ノ花が、回道をかけてくれた。
「卯ノ花隊長、僕らをからかって遊んでない?」
「からかうもなにも、遊んでいるのです」
きっぱりと言われて、浮竹も京楽も、やっぱり卯ノ花は恐いと思った。
「京楽隊長は、この後献血にきてくださいね。浮竹隊長は、健康診断を」
「うへー、また献血かい」
「京楽隊長の血液型は少ないのです。とれるうちにとっておかないと」
「なんだか、怖い台詞だねぇ。浮竹はいいねぇ、健康診断だけなんて」
「とても苦い薬を出される。あと採血もされるし、あまりよくない」
浮竹も、不満があるようだった。
だがそれを卯ノ花にいうほど、愚かではない。
あくまで、京楽との会話だ。
「そうですね、体調がよいようなら、浮竹隊長も献血をなさってはいかがですか」
「いや、俺はいい!京楽が俺の分までとってほしいって」
「まぁ、京楽隊長、ありがとうございます」
「殺されるーーーー!!」
卯ノ花に引きずられて、京楽は献血に連れて行かれた。
合掌。
「お前のことは、忘れない」
1時間後、しおしおになった京楽と、健康診断で血をぬかれてげっそりとなった浮竹が、救護詰所の待ち合わせ室で顔を合わせた。
「散々だったよ」
「俺もだ。採血、卯ノ花隊長だった。卯ノ花隊長、採血下手なんだよな。6か所さされた」
「僕は血をいっぱいとられたよ。ジュースもらったけど、割に合わない」
「しばらく、救護詰所にはいかないでおこう」
「そうだね。浮竹が発作をおこした時以外は、しばらく近づかないでおこう」
「あらあら、二人とも元気がありませんね」
誰のせいだと、二人とも思った。
「ではまたのおこしを、お待ちしております」
できるなら、もうきたくない。
卯ノ花の笑顔を見ながら、そう思う二人であった。
退化の薬。
12番隊の涅マユリにためていた金をちらつかせて、女体化の薬を作ってもらって、それを酒と一緒に、飲ませた。
ぼふんと音を立てて・・・・白哉は、性別はそのままで10歳くらいになっていた。
「えー、なんで!」
「恋次、お前の仕業か」
白哉はカンカンに怒っていた。
ずり下がる服をなんとか身に纏いながら、恋次に日番谷のところに行かせて、死覇装を借りにいかせた。
恋次がもってきた、日番谷サイズの死覇装は、白哉にぴったり合っていた。
「恋次、1か月禁欲だ」
「ぬおおおおおおおおおお」
子供の姿に戻った白哉は、本当に人形のようで、女の子にしか見えなかった。
黒髪の長さはそのままだが、牽星箝などはサイズに合わないので外していた。
まだ日も高いうちから、何か悪だくみをしようと思っていた恋次に、禁欲1か月では足りないかもしれないと思いながら、恋次に手を引かれて朽木邸までの道を歩く。
2日は元に戻らないと聞いていたのだが、念のために解毒薬を用意してもらっていたのだ。だが、それを飲んでも元に戻らなかったのだ。
12番隊に殴り込みにいくと、渡した薬を間違えたと言われて、女体化するという薬を受け取る恋次に、白哉が千本桜で液体の入った薬の瓶を割った。
「恋次、貴様は一度死にたいと見える」
かわいい子供の姿だが、迸る霊圧は半端なものではない。
「いや、ちょっと試したいと思っただけで・・・・・」
「破道の8、白雷」
「あががががが」
黒焦げになる恋次を置いて、朽木邸に帰ろうとする。
それを、なんとか復活してついてきたのだ。
「兄様なのですか!?なんとおかわいらしい!」
10歳になってしまった義兄を見て、ルキアは目をキラキラさせていた。
とりあえず事情を話す。
「そういえば、いつか私と一護の間に子が産まれた時用にと、兄様が用意してくださっていた着物があります。死覇装は借り物でしょう。そちらにお着がえください」
「ふむ。それもそうだな」
そうやって、白哉はルキアの手で子供用の着物を着させられた。
「2日経てば元に戻るそうだが・・・その間、仕事ができぬ。朽木邸でゆっくりする。恋次、お前はもう一度12番隊にいって、解毒薬をなんとかしてもらいにいってこい」
「そうだぞ恋次!兄様をこのようにかわいい姿にするとはないすジョブ・・・ではなかった、兄様への冒涜だ!」
恋次は後悔した。
女体化した白哉を見てみたかったのだが、まさか子供になるとは思っていなかった。
女体化した白哉に手を出せても、今の白哉に手を出すとただの変態だ。
12番隊にもう一度いき、なんとか解毒薬を作ってもらえる了承をとって、朽木邸に戻ると、ルキアと一護が、白哉を着せ替え人形にしていた。
「隊長!寝室に戻りましょう!」
「うむ・・・流石に疲れた・・・・・」
小さな白哉を抱き抱えて、寝室に連れていく。
「恋次」
「なんですか、隊長」
「お前、私が女でないことがいやなのか?」
「そ、そんなわけないです!」
「では、なぜ女体化の薬など・・・・・」
「純粋に、好奇心ですね。美人な隊長が女になったらどんな美女になるのかなと思って」
白哉は、心の底で抱いていた恐怖に安堵した。
女でないから捨てられるのではないかと思ったのだ。
「捨てられるのかと、思った・・・・」
「そんな!俺が隊長を手放すはずがないでしょう!」
ぎゅっと抱きしめられて、白哉は苦しいと訴えた。
「明日には解毒薬できるそうなので、それまでその10歳の姿で我慢してください」
「恋次」
「はい」
ちゅ。
白哉は、座っている恋次に触れるだけのキスをした。
「隊長~~!愛してますーーーー!」
キスをして、着物を脱がしにかかる恋次に、白哉は。
「破道の8、白雷」
「あががががが」
「このような姿の私に盛るでない。愚か者が。ただの変態ではないか」
「確かに・・・キスやハグくらいは、許してもらえますか?」
「それくらいなら・・・・」
その日の晩、恋次は朽木邸に泊まった。白哉が子供の体になったことを知っているのは、ごく一部の者だった。
恋次は12番隊にいき、解毒薬を受け取って帰ってきた。
「これを飲めば、元に戻れます」
「ふむ・・・よい。もう少しこのままの姿でいる」
「へ?」
「子供の姿でいると、誰も私を朽木白哉と気づかぬのだ。日番谷隊長くらいだったな、気づいたのは」
恋次がいない間、白哉はぶらりと瀞霊廷を一人でぶらついていたのだ。
「お菓子をあげるからと、声をかけられること3回。いきなり拉致して来ようとする者もいた」
「たたたた、隊長、いくら鬼道があるからって、そんな滅茶苦茶可愛い体で歩き回らないでください!」
「皆、鬼道で再起不能になるほどに叩きのめしてやった」
「隊長は、無事なんですよね!?」
「見ての通りだ。子供姿も、悪くない」
女体化してなくてよかったと思った。
きっと白哉が女体化したらすごい美女になって、それこそ襲われてしまいそうな気がする。
10歳の子供も姿でも危ういのに。
2時間ほど恋次と駄菓子屋で菓子を買い、子供心に戻った白哉は、10歳であることを楽しんだ。
朽木邸に戻り、いつもの死覇装と隊長羽織をぶかぶかのまま着て、解毒薬を飲む。
ぼふん。
音を立てて、白哉は元の大人の姿に戻っていた。
「隊長、元に戻ってよかった!」
「こうなったのは、誰のせいだと思っている。禁欲1か月だ」
「うううう」
恋次が涙する。
「仕方のないやつだ」
白哉は、恋次に触れるだけのキスをする。
「キスとハグだけはよいことにしてやる」
「隊長!大好きです!」
抱きついてくる恋次に、白哉は苦笑する。
「お前は、本当に私のことが好きなのだな」
「当たり前です!世界で一番愛してますから!」
「では、今後変な薬は飲ませるな」
「うっ」
「まだこりていないのか。まぁよい。童心に戻れて、それなりに楽しかった」
白哉は、10歳の姿の時帯剣できなかった千本桜を腰に帯剣する。
牽星箝をつけ、銀白風花紗を身に着ける。
いつもの白哉のできあがりだ。
「隊長、キスさせてください。1か月も禁欲だなんて、しおれてしまう」
結局、我慢できなくなった白哉のせいで、恋次の禁欲生活は半月で終わるのだった。
ぼふんと音を立てて・・・・白哉は、性別はそのままで10歳くらいになっていた。
「えー、なんで!」
「恋次、お前の仕業か」
白哉はカンカンに怒っていた。
ずり下がる服をなんとか身に纏いながら、恋次に日番谷のところに行かせて、死覇装を借りにいかせた。
恋次がもってきた、日番谷サイズの死覇装は、白哉にぴったり合っていた。
「恋次、1か月禁欲だ」
「ぬおおおおおおおおおお」
子供の姿に戻った白哉は、本当に人形のようで、女の子にしか見えなかった。
黒髪の長さはそのままだが、牽星箝などはサイズに合わないので外していた。
まだ日も高いうちから、何か悪だくみをしようと思っていた恋次に、禁欲1か月では足りないかもしれないと思いながら、恋次に手を引かれて朽木邸までの道を歩く。
2日は元に戻らないと聞いていたのだが、念のために解毒薬を用意してもらっていたのだ。だが、それを飲んでも元に戻らなかったのだ。
12番隊に殴り込みにいくと、渡した薬を間違えたと言われて、女体化するという薬を受け取る恋次に、白哉が千本桜で液体の入った薬の瓶を割った。
「恋次、貴様は一度死にたいと見える」
かわいい子供の姿だが、迸る霊圧は半端なものではない。
「いや、ちょっと試したいと思っただけで・・・・・」
「破道の8、白雷」
「あががががが」
黒焦げになる恋次を置いて、朽木邸に帰ろうとする。
それを、なんとか復活してついてきたのだ。
「兄様なのですか!?なんとおかわいらしい!」
10歳になってしまった義兄を見て、ルキアは目をキラキラさせていた。
とりあえず事情を話す。
「そういえば、いつか私と一護の間に子が産まれた時用にと、兄様が用意してくださっていた着物があります。死覇装は借り物でしょう。そちらにお着がえください」
「ふむ。それもそうだな」
そうやって、白哉はルキアの手で子供用の着物を着させられた。
「2日経てば元に戻るそうだが・・・その間、仕事ができぬ。朽木邸でゆっくりする。恋次、お前はもう一度12番隊にいって、解毒薬をなんとかしてもらいにいってこい」
「そうだぞ恋次!兄様をこのようにかわいい姿にするとはないすジョブ・・・ではなかった、兄様への冒涜だ!」
恋次は後悔した。
女体化した白哉を見てみたかったのだが、まさか子供になるとは思っていなかった。
女体化した白哉に手を出せても、今の白哉に手を出すとただの変態だ。
12番隊にもう一度いき、なんとか解毒薬を作ってもらえる了承をとって、朽木邸に戻ると、ルキアと一護が、白哉を着せ替え人形にしていた。
「隊長!寝室に戻りましょう!」
「うむ・・・流石に疲れた・・・・・」
小さな白哉を抱き抱えて、寝室に連れていく。
「恋次」
「なんですか、隊長」
「お前、私が女でないことがいやなのか?」
「そ、そんなわけないです!」
「では、なぜ女体化の薬など・・・・・」
「純粋に、好奇心ですね。美人な隊長が女になったらどんな美女になるのかなと思って」
白哉は、心の底で抱いていた恐怖に安堵した。
女でないから捨てられるのではないかと思ったのだ。
「捨てられるのかと、思った・・・・」
「そんな!俺が隊長を手放すはずがないでしょう!」
ぎゅっと抱きしめられて、白哉は苦しいと訴えた。
「明日には解毒薬できるそうなので、それまでその10歳の姿で我慢してください」
「恋次」
「はい」
ちゅ。
白哉は、座っている恋次に触れるだけのキスをした。
「隊長~~!愛してますーーーー!」
キスをして、着物を脱がしにかかる恋次に、白哉は。
「破道の8、白雷」
「あががががが」
「このような姿の私に盛るでない。愚か者が。ただの変態ではないか」
「確かに・・・キスやハグくらいは、許してもらえますか?」
「それくらいなら・・・・」
その日の晩、恋次は朽木邸に泊まった。白哉が子供の体になったことを知っているのは、ごく一部の者だった。
恋次は12番隊にいき、解毒薬を受け取って帰ってきた。
「これを飲めば、元に戻れます」
「ふむ・・・よい。もう少しこのままの姿でいる」
「へ?」
「子供の姿でいると、誰も私を朽木白哉と気づかぬのだ。日番谷隊長くらいだったな、気づいたのは」
恋次がいない間、白哉はぶらりと瀞霊廷を一人でぶらついていたのだ。
「お菓子をあげるからと、声をかけられること3回。いきなり拉致して来ようとする者もいた」
「たたたた、隊長、いくら鬼道があるからって、そんな滅茶苦茶可愛い体で歩き回らないでください!」
「皆、鬼道で再起不能になるほどに叩きのめしてやった」
「隊長は、無事なんですよね!?」
「見ての通りだ。子供姿も、悪くない」
女体化してなくてよかったと思った。
きっと白哉が女体化したらすごい美女になって、それこそ襲われてしまいそうな気がする。
10歳の子供も姿でも危ういのに。
2時間ほど恋次と駄菓子屋で菓子を買い、子供心に戻った白哉は、10歳であることを楽しんだ。
朽木邸に戻り、いつもの死覇装と隊長羽織をぶかぶかのまま着て、解毒薬を飲む。
ぼふん。
音を立てて、白哉は元の大人の姿に戻っていた。
「隊長、元に戻ってよかった!」
「こうなったのは、誰のせいだと思っている。禁欲1か月だ」
「うううう」
恋次が涙する。
「仕方のないやつだ」
白哉は、恋次に触れるだけのキスをする。
「キスとハグだけはよいことにしてやる」
「隊長!大好きです!」
抱きついてくる恋次に、白哉は苦笑する。
「お前は、本当に私のことが好きなのだな」
「当たり前です!世界で一番愛してますから!」
「では、今後変な薬は飲ませるな」
「うっ」
「まだこりていないのか。まぁよい。童心に戻れて、それなりに楽しかった」
白哉は、10歳の姿の時帯剣できなかった千本桜を腰に帯剣する。
牽星箝をつけ、銀白風花紗を身に着ける。
いつもの白哉のできあがりだ。
「隊長、キスさせてください。1か月も禁欲だなんて、しおれてしまう」
結局、我慢できなくなった白哉のせいで、恋次の禁欲生活は半月で終わるのだった。
辛い菓子
6番隊の執務室で仕事をしていると、3時になった。
少し休憩を入れようということで、恋次が茶と鯛焼きをもってきた。
白哉はあからさまに嫌そうな顔をした。白哉は甘いものが嫌いだ。鯛焼きなど食べる気もない。
恋次は、鯛焼きをテーブルの上に置くと、お茶だけ白哉に渡した。
白哉はあまり茶菓子を食べない。茶菓子のほとんどが甘いものだからだ。
「隊長、今日はこれがありますよ!」
恋次が手にもってきたものは、カラムーチョだった。
現世の辛いお菓子で、白哉の好物の一つだった。
「よこせ」
白哉が珍しく、がっつく。
「はいはい」
カラムーチョを手にした白哉は、中身がなくなるまでカラムーチョを食べ続けた。
「隊長、一袋丸々はちょっと食べすぎですよ」
「かまわぬ。食べても太らぬ」
「でも、現世にしかないお菓子でしょう。手に入れるのに苦労したんですから。在庫まだありますけど、明日以降ですね」
「今よこせ」
「駄目ですよ、隊長!数に限りがあるんですから!」
「ふむ・・・一般隊士に命令して、カラムーチョを買ってこさせようか・・・・」
逡巡する白哉に、恋次が言う。
「それ、職権乱用っていうんですよ」
「では、清家にでも頼むか」
「あー。清家さんなら、いいかもしれませんね」
「だが、清家を現世に連れて行ったことがない。義骸が必要だ・・・・まぁ、金は腐るほどあるし12番隊に頼んで清家の義骸を作ってもらおう・・・あとキムチも買ってきてもらおう・・・」
一人、辛い物食べたさに口数が多くなった白哉に、不意打ちをするかのように口づけた。
「カラムーチョの味がする」
「愚か者。食べたすぐ後でキスなどするからだ」
「別にこれはこれで構いませんよ」
「んっ」
また恋次と唇が重なった。
「カラムーチョ手に入れたご褒美ください」
「全く、手のかかる・・・・・・」
盛った恋次に、仕方なく隊首室に移動する。
最後までする気はなかったので、お互いのものを重ね合わせて、すり合わせた。
「ああ!」
「隊長・・・・俺の手で、いってください」
「あ、恋次・・・・ひう」
ぐちゃぐちゃと音をたてて、互いものをいじりあっていると、先端の爪を立てられて白哉はいってしまった。
快感で真っ白になる頭を振り払い、恋次のものをしごくと、恋次も白濁した液体を出していた。
「あー。やべぇ、隊長抱きたい」
「隊首室ではせぬ。逢瀬もこの前したばかりだ。我慢しろ」
「うーーー」
おあずけをくらった犬みたいな顔をして、恋次は白哉に口づけた。
「もっとあんたが欲しい、隊長」
「だめなものはだめだ」
「けち」
「なんとでもいえ」
そのかわりだと、もう一度恋次のものに手をかけた。
口に含み、口淫すると、恋次は息を飲んだ。
「た、隊長・・・・・・」
恋次のものをなめあげて、しごいていく。旺盛な性欲をもつ恋次は、その刺激に耐え切れず、白哉の口の中で達していた。
「・・・・・濃い。この前、あれだけやっただろう。何故にここまで濃いのだ」
「若いからです」
白哉とて、まだ若い。
「お前は盛り過ぎだ。一度医者に診てもらえ」
「いや、普通ですって。隊長が相手だから、盛るんです」
逢瀬は大体一週間に一度くらいだ。
「濃いのは、抜いてなかったからですね」
「一週間に一度では足りぬのか」
「全然足りません」
白哉はどちらかというと性欲があまりない。自分で抜くという行為すらしない。
恋次の旺盛すぎる性欲に眩暈を覚える。
「仕方あるまい。週末、あの館へ・・・」
「一週間経ってないのに、抱いてもいいんですか?」
「そうでもしないと、お前は執務室でも盛るであろう」
「はは、確かに我慢できなくなって隊首室に連れ込むかも」
隊首室は、恋次の仮の寝床だ。何度かそこに連れこまれて抱かれた。
「恋次」
「はい、隊長」
「館へは、やはり今宵もでも構わぬ」
「ほんとですか。よっしゃー」
「その代わり、手加減しろよ」
「はい」
白哉を今夜抱けることになって、恋次は幸せの絶好調にいた。
「茶を入れろ」
「はい」
恋次のいれた緑茶を飲みながら、我ながら甘いと思う白哉だった。
夜になり、いつも逢瀬に使う館にやってくる。
明日は休みではないので、あまり無理はできない。
出されていた食事を食べ、酒を飲むとなし崩しに褥の上に二人で転がった。
「隊長、好きです」
貴族の証をはぎとり、隊長羽織も死覇装も脱がせていく。
「あ・・・・・」
白哉も、恋次の死覇装を脱がせた。
均整のとれたよく筋肉のついた体だ。入れ墨が目立つ。
「恋次は、何故入れ墨など体にいれたのだ」
「え・・・そうですね。かっこいいのと、強さの証みたいに。大きな戦で勝利すると入れ墨をいれます。この背中の下のほうの刺青は、大戦が終わってからいれたものっすね」
「入れ墨は入れるときに想像以上に痛いと聞く。大丈夫なのか?」
白哉の言葉に、恋次は頷いた。
「俺は根性ありますから。少しくらい痛くても平気です」
「もしも、私が入れ墨を入れると言ったらどうする?」
「断固として止めますね!この綺麗な白い肌に入れ墨なんて言語同断です!」
恋次の心配する声に、白哉は苦笑を漏らす。
「言ってみただけだ。入れ墨など、入れる気はない」
「よかった・・・・」
恋次の手が、白哉の体を這っていく。
「んん・・・・・・」
膝を膝でわり、胸の先端を甘噛みした。
「んっ」
キスをしながら、潤滑油に濡れた指を白哉の体内に入れる。
「一度、だけだぞ」
「わかってます」
前立腺を刺激しつつ、蕾を解していく。
トロトロになった頃に、宛がい引き裂いた。
「あああああ!」
「く・・・・・」
白哉の中の締め付けにいきそうになるが、1回だけと言われているので必死に耐えた。
ズチュズチュと音とたてて、白哉の内部を穿っていく。
「あ!」
とろりと、白哉は蜜と一緒に白濁した液を吐きだしていた。
「んんん・・・ひあっ」
女のように犯されて喜ぶようになってしまった腹が、子種を欲しいと訴える。
「くぁ・・・・ひう」
白哉の弱いところばかり突き上げていると、白哉はまたいってしまった。
「あ・・・・もう、お前もいけ・・・私の中で、ぶちまけろ」
言われた通りに、白哉の腹の奥に子種をこれでもかというほど、放ってやった。
お互い、荒い呼吸を繰り返す。
それから横になり、呼吸を整える。
「お風呂いきましょうか」
「ああ」
白哉は行為後、寝てしまうこともあるが風呂に入り、交わった証を流すのが常日頃の行いだった。
とろりと太腿からしたたり落ちてくる、恋次の子種を気にしながら、風呂場について腹の奥にだされたものをかき出してもらった。
「私が女なら、とっくに身籠っているな」
「隊長相手なら身籠らせることができそうな気がします」
「男に子供はできぬ」
「隊長なら・・・・」
髪と体を洗い、湯船に浸かって疲労した体をリラックスさせた。
ほどなく睡魔が襲ってきて、白哉は早めに浴衣に着替えて布団に横になった。
恋次はまだしたりなくて、浴室で一人で白哉のあられもない姿や声を想像して抜いていた。
「あー。俺って性欲旺盛すぎるのか?隊長が淡泊なだけなのか?」
白哉は2回いった。
恋次は1回だ。
日のあるうちに、白哉に2回抜かれたので、今日は合計3回いったことになる。
それでも、まだまだできそうだった。
「隊長に全部ぶつけたら、失神しちまうもんなぁ・・・・・」
翌日が休日の日は、激情の全てをぶちまけることもあったが、愛されている分かりだしてからその頻度は少なくなった。
代わりに、時折酒に分からない程度の媚薬を混ぜて、乱れさせたりもした。
恋次は白哉の元に戻ると、用意されてあった布団に横になる。
隣では、白哉があどけない顔で眠っていた。
抜いたばかりなのに、その寝顔にむらむらしてきた。
「隊長・・・・・」
口づけると、白哉が目覚めた。
「どうした」
「いえ・・・あんまりにもあどけない顔で寝ていたので」
「こちらにこい。添い寝してやろう」
白哉の言葉に、恋次はするりと白哉の布団にもぐりこんだ。
こうやって、1つの寝具で眠ることもたまにある。
「隊長の温もりがする・・・・」
「明日は仕事だ。大人しく、寝ろ」
そう言って、白哉はまた眠ってしまった。
寝付きがいいのが羨ましかった。
布団の中で、白哉の体を抱き締めながら、恋次もいつの間にか意識は闇に滑り落ちていった。
「恋次、起きぬか、恋次!いつまで私を抱いているつもりだ!」
「んー・・・・・」
「もう8時だ。急がねば、9時の仕事に間に合わぬ」
「うあ、そんな時間ですか!」
恋次は白哉を解放してがばりと起きた。
朝食は用意されてあったので、急ぎ目に食べて、二人して6番隊の執務室に瞬歩でやってくる。
時刻は8時50分。
ぎりぎりだった。
「やはり、次の日に仕事があるのに睦み合うのは止めたほうがよいか」
「いえ、ちゃんと起きます!遅刻しないようにしますから、翌日が休日じゃなくても抱かせてください!」
恋次は白哉を抱きたい時に抱けない。欲望のままに白哉を抱いていたら、毎日遅刻だろう。
「3時にカラムーチョを出すのであれば、抱かせてやってもよい」
くすくすと静かな笑いを、白哉が零す。
麗人は、美しかった。
黒絹の髪に、白い肌、中性的に整った美貌。よく手に入れることができたものだと、自分でも思う。
「カラムーチョ2つだします!」
「言ったな。2つだぞ」
1つは持って帰って食べよう。
そう思う白哉だった。
恋次は結局、カラムーチョが尽きて、休日に現世に赴きスーパーで大量に買い込むのであった。あと、キムチもおまけで買っておいた。
白哉の辛いもの好きは、甘いもの好きより苦労する。
それでも、微笑む白哉を見れるなら、どんな苦労もおしまないのであった。
少し休憩を入れようということで、恋次が茶と鯛焼きをもってきた。
白哉はあからさまに嫌そうな顔をした。白哉は甘いものが嫌いだ。鯛焼きなど食べる気もない。
恋次は、鯛焼きをテーブルの上に置くと、お茶だけ白哉に渡した。
白哉はあまり茶菓子を食べない。茶菓子のほとんどが甘いものだからだ。
「隊長、今日はこれがありますよ!」
恋次が手にもってきたものは、カラムーチョだった。
現世の辛いお菓子で、白哉の好物の一つだった。
「よこせ」
白哉が珍しく、がっつく。
「はいはい」
カラムーチョを手にした白哉は、中身がなくなるまでカラムーチョを食べ続けた。
「隊長、一袋丸々はちょっと食べすぎですよ」
「かまわぬ。食べても太らぬ」
「でも、現世にしかないお菓子でしょう。手に入れるのに苦労したんですから。在庫まだありますけど、明日以降ですね」
「今よこせ」
「駄目ですよ、隊長!数に限りがあるんですから!」
「ふむ・・・一般隊士に命令して、カラムーチョを買ってこさせようか・・・・」
逡巡する白哉に、恋次が言う。
「それ、職権乱用っていうんですよ」
「では、清家にでも頼むか」
「あー。清家さんなら、いいかもしれませんね」
「だが、清家を現世に連れて行ったことがない。義骸が必要だ・・・・まぁ、金は腐るほどあるし12番隊に頼んで清家の義骸を作ってもらおう・・・あとキムチも買ってきてもらおう・・・」
一人、辛い物食べたさに口数が多くなった白哉に、不意打ちをするかのように口づけた。
「カラムーチョの味がする」
「愚か者。食べたすぐ後でキスなどするからだ」
「別にこれはこれで構いませんよ」
「んっ」
また恋次と唇が重なった。
「カラムーチョ手に入れたご褒美ください」
「全く、手のかかる・・・・・・」
盛った恋次に、仕方なく隊首室に移動する。
最後までする気はなかったので、お互いのものを重ね合わせて、すり合わせた。
「ああ!」
「隊長・・・・俺の手で、いってください」
「あ、恋次・・・・ひう」
ぐちゃぐちゃと音をたてて、互いものをいじりあっていると、先端の爪を立てられて白哉はいってしまった。
快感で真っ白になる頭を振り払い、恋次のものをしごくと、恋次も白濁した液体を出していた。
「あー。やべぇ、隊長抱きたい」
「隊首室ではせぬ。逢瀬もこの前したばかりだ。我慢しろ」
「うーーー」
おあずけをくらった犬みたいな顔をして、恋次は白哉に口づけた。
「もっとあんたが欲しい、隊長」
「だめなものはだめだ」
「けち」
「なんとでもいえ」
そのかわりだと、もう一度恋次のものに手をかけた。
口に含み、口淫すると、恋次は息を飲んだ。
「た、隊長・・・・・・」
恋次のものをなめあげて、しごいていく。旺盛な性欲をもつ恋次は、その刺激に耐え切れず、白哉の口の中で達していた。
「・・・・・濃い。この前、あれだけやっただろう。何故にここまで濃いのだ」
「若いからです」
白哉とて、まだ若い。
「お前は盛り過ぎだ。一度医者に診てもらえ」
「いや、普通ですって。隊長が相手だから、盛るんです」
逢瀬は大体一週間に一度くらいだ。
「濃いのは、抜いてなかったからですね」
「一週間に一度では足りぬのか」
「全然足りません」
白哉はどちらかというと性欲があまりない。自分で抜くという行為すらしない。
恋次の旺盛すぎる性欲に眩暈を覚える。
「仕方あるまい。週末、あの館へ・・・」
「一週間経ってないのに、抱いてもいいんですか?」
「そうでもしないと、お前は執務室でも盛るであろう」
「はは、確かに我慢できなくなって隊首室に連れ込むかも」
隊首室は、恋次の仮の寝床だ。何度かそこに連れこまれて抱かれた。
「恋次」
「はい、隊長」
「館へは、やはり今宵もでも構わぬ」
「ほんとですか。よっしゃー」
「その代わり、手加減しろよ」
「はい」
白哉を今夜抱けることになって、恋次は幸せの絶好調にいた。
「茶を入れろ」
「はい」
恋次のいれた緑茶を飲みながら、我ながら甘いと思う白哉だった。
夜になり、いつも逢瀬に使う館にやってくる。
明日は休みではないので、あまり無理はできない。
出されていた食事を食べ、酒を飲むとなし崩しに褥の上に二人で転がった。
「隊長、好きです」
貴族の証をはぎとり、隊長羽織も死覇装も脱がせていく。
「あ・・・・・」
白哉も、恋次の死覇装を脱がせた。
均整のとれたよく筋肉のついた体だ。入れ墨が目立つ。
「恋次は、何故入れ墨など体にいれたのだ」
「え・・・そうですね。かっこいいのと、強さの証みたいに。大きな戦で勝利すると入れ墨をいれます。この背中の下のほうの刺青は、大戦が終わってからいれたものっすね」
「入れ墨は入れるときに想像以上に痛いと聞く。大丈夫なのか?」
白哉の言葉に、恋次は頷いた。
「俺は根性ありますから。少しくらい痛くても平気です」
「もしも、私が入れ墨を入れると言ったらどうする?」
「断固として止めますね!この綺麗な白い肌に入れ墨なんて言語同断です!」
恋次の心配する声に、白哉は苦笑を漏らす。
「言ってみただけだ。入れ墨など、入れる気はない」
「よかった・・・・」
恋次の手が、白哉の体を這っていく。
「んん・・・・・・」
膝を膝でわり、胸の先端を甘噛みした。
「んっ」
キスをしながら、潤滑油に濡れた指を白哉の体内に入れる。
「一度、だけだぞ」
「わかってます」
前立腺を刺激しつつ、蕾を解していく。
トロトロになった頃に、宛がい引き裂いた。
「あああああ!」
「く・・・・・」
白哉の中の締め付けにいきそうになるが、1回だけと言われているので必死に耐えた。
ズチュズチュと音とたてて、白哉の内部を穿っていく。
「あ!」
とろりと、白哉は蜜と一緒に白濁した液を吐きだしていた。
「んんん・・・ひあっ」
女のように犯されて喜ぶようになってしまった腹が、子種を欲しいと訴える。
「くぁ・・・・ひう」
白哉の弱いところばかり突き上げていると、白哉はまたいってしまった。
「あ・・・・もう、お前もいけ・・・私の中で、ぶちまけろ」
言われた通りに、白哉の腹の奥に子種をこれでもかというほど、放ってやった。
お互い、荒い呼吸を繰り返す。
それから横になり、呼吸を整える。
「お風呂いきましょうか」
「ああ」
白哉は行為後、寝てしまうこともあるが風呂に入り、交わった証を流すのが常日頃の行いだった。
とろりと太腿からしたたり落ちてくる、恋次の子種を気にしながら、風呂場について腹の奥にだされたものをかき出してもらった。
「私が女なら、とっくに身籠っているな」
「隊長相手なら身籠らせることができそうな気がします」
「男に子供はできぬ」
「隊長なら・・・・」
髪と体を洗い、湯船に浸かって疲労した体をリラックスさせた。
ほどなく睡魔が襲ってきて、白哉は早めに浴衣に着替えて布団に横になった。
恋次はまだしたりなくて、浴室で一人で白哉のあられもない姿や声を想像して抜いていた。
「あー。俺って性欲旺盛すぎるのか?隊長が淡泊なだけなのか?」
白哉は2回いった。
恋次は1回だ。
日のあるうちに、白哉に2回抜かれたので、今日は合計3回いったことになる。
それでも、まだまだできそうだった。
「隊長に全部ぶつけたら、失神しちまうもんなぁ・・・・・」
翌日が休日の日は、激情の全てをぶちまけることもあったが、愛されている分かりだしてからその頻度は少なくなった。
代わりに、時折酒に分からない程度の媚薬を混ぜて、乱れさせたりもした。
恋次は白哉の元に戻ると、用意されてあった布団に横になる。
隣では、白哉があどけない顔で眠っていた。
抜いたばかりなのに、その寝顔にむらむらしてきた。
「隊長・・・・・」
口づけると、白哉が目覚めた。
「どうした」
「いえ・・・あんまりにもあどけない顔で寝ていたので」
「こちらにこい。添い寝してやろう」
白哉の言葉に、恋次はするりと白哉の布団にもぐりこんだ。
こうやって、1つの寝具で眠ることもたまにある。
「隊長の温もりがする・・・・」
「明日は仕事だ。大人しく、寝ろ」
そう言って、白哉はまた眠ってしまった。
寝付きがいいのが羨ましかった。
布団の中で、白哉の体を抱き締めながら、恋次もいつの間にか意識は闇に滑り落ちていった。
「恋次、起きぬか、恋次!いつまで私を抱いているつもりだ!」
「んー・・・・・」
「もう8時だ。急がねば、9時の仕事に間に合わぬ」
「うあ、そんな時間ですか!」
恋次は白哉を解放してがばりと起きた。
朝食は用意されてあったので、急ぎ目に食べて、二人して6番隊の執務室に瞬歩でやってくる。
時刻は8時50分。
ぎりぎりだった。
「やはり、次の日に仕事があるのに睦み合うのは止めたほうがよいか」
「いえ、ちゃんと起きます!遅刻しないようにしますから、翌日が休日じゃなくても抱かせてください!」
恋次は白哉を抱きたい時に抱けない。欲望のままに白哉を抱いていたら、毎日遅刻だろう。
「3時にカラムーチョを出すのであれば、抱かせてやってもよい」
くすくすと静かな笑いを、白哉が零す。
麗人は、美しかった。
黒絹の髪に、白い肌、中性的に整った美貌。よく手に入れることができたものだと、自分でも思う。
「カラムーチョ2つだします!」
「言ったな。2つだぞ」
1つは持って帰って食べよう。
そう思う白哉だった。
恋次は結局、カラムーチョが尽きて、休日に現世に赴きスーパーで大量に買い込むのであった。あと、キムチもおまけで買っておいた。
白哉の辛いもの好きは、甘いもの好きより苦労する。
それでも、微笑む白哉を見れるなら、どんな苦労もおしまないのであった。
桜に溶ける
寒波もおさまり、大分春らしくなってきた。
ぽかぽかした太陽の日差しを浴びて、野花も綺麗に咲いていた。無論、桜も。
白哉は、朽木邸の庭にいた。
今年も朽木邸の庭の桜は、狂ったように見事に咲き誇っている。
「隊長」
白哉を迎えにきた恋次は、白哉が散ってく桜の中に佇んでいるのを見ていた。
「隊長!」
ふいに、抱き寄せる。
「恋次?」
「隊長が・・・・桜に奪われてしまう気がする」
「なんだそれは。私はただ、桜が美しいから見ていただけだ」
「あんたは見ていると危なっかしいんです。強いのは知ってるけど、桜に溶けていきそうだ」
「桜に溶けるか。それはそれでよさそうだ」
「よくありません!」
恋次は、白哉を抱き締める腕に力を入れる。
「恋次、苦しい」
「あんたは俺のものだ。たとえ桜にだって一欠片もやりませんよ」
「んっ・・・・・・・」
唇が重なった。
「恋次・・・・」
「好きです、隊長。桜なんかに奪われたくない」
「本当に、お前は焼きもち焼きだな」
「そうだぞ!兄様に失礼だ!兄様は純粋に桜を愛でておられただけだ。恋次の嫉妬は桜にまで向けられるのか」
気づけば、ルキアがいた。
「ルキア」
白哉が名を呼ぶと、ルキア嬉しそうに朝の挨拶をした。
「おはようございます兄様!朝から盛りのついた犬にまとわりつかれて、苦労していませんか?」
「いや、大丈夫だ」
「そうですか。恋次が邪魔になったら言ってください!引き離してみせます」
「ルキア、お前なぁ。人の恋路の邪魔すんな」
「そういう恋次は、兄様の一人の時間の邪魔をするな」
そう言われて、はっとなった。
白哉とて、一人で物思いにふける時間が欲しいだろう。
「隊長・・・・その、俺邪魔ですか?桜、一人で見ていたかったとか・・・・・」
「気にするな、恋次。お前がいてもいなくとも、桜の美しさは変わらぬ」
「もう、6番隊隊舎にいきましょう。桜の中の隊長は、散っていってしまいそうで不安になる」
恋次が、白哉の手をとり歩きだす。
「私が散るか・・・私の代わりに、千本桜が散るだろうな。千本桜も喜んでいる。桜の、同胞の季節がやってきたと」
「隊長・・・・・」
「私が桜が好きだ。己の斬魄刀を千本桜にするほどに」
ひらひらと舞う花びらを受けとめて、白哉は笑った。
綺麗な笑顔だった。
桜に負けないくらい、美しいと思った。
「隊長って、やっぱ美人ですよね」
「男に使う台詞ではない」
「でも美人です。人形みたいに綺麗で、時折本当に生きているのか疑わしくなるくらいに綺麗だ」
白哉の少し長い黒髪に手をやり、絹のような手触りのそれを一房手にとって、口づけした。
「桜、6番隊の執務室に飾りましょう。それなら、ずっと見ていられるでしょう?」
「ああ、そうだな」
「庭の桜の枝、もらいますよ」
「ああ」
白哉の許しを得て、見事の咲いている枝の一本を手折り、6番隊の執務室に行くと花瓶に飾った。
白哉は、たまにぼんやりとその桜を見ていた。
「隊長、手が止まってすよ」
「すまぬ」
心、ここにあらずといったかんじだった。
桜の季節になると、白哉は桜ばかりを見ている。本当に桜に攫われそうで怖い。
でも、それも2週間ばかりの辛抱だ。
桜の花はすぐに散ってしまう。
「今年も桜の季節はもう終わりか」
「隊長には千本桜があるじゃないですか」
「ふむ・・・それもそうだな」
美しい、桜。奥の刃になる千本桜は、桜の花びらとなって敵を襲う。千本桜と名付けたのは白哉だ。
千本の桜の花が散るが如くの桜の奔流。
また、来年も春がくればよいと、白哉は思うのだった。
ぽかぽかした太陽の日差しを浴びて、野花も綺麗に咲いていた。無論、桜も。
白哉は、朽木邸の庭にいた。
今年も朽木邸の庭の桜は、狂ったように見事に咲き誇っている。
「隊長」
白哉を迎えにきた恋次は、白哉が散ってく桜の中に佇んでいるのを見ていた。
「隊長!」
ふいに、抱き寄せる。
「恋次?」
「隊長が・・・・桜に奪われてしまう気がする」
「なんだそれは。私はただ、桜が美しいから見ていただけだ」
「あんたは見ていると危なっかしいんです。強いのは知ってるけど、桜に溶けていきそうだ」
「桜に溶けるか。それはそれでよさそうだ」
「よくありません!」
恋次は、白哉を抱き締める腕に力を入れる。
「恋次、苦しい」
「あんたは俺のものだ。たとえ桜にだって一欠片もやりませんよ」
「んっ・・・・・・・」
唇が重なった。
「恋次・・・・」
「好きです、隊長。桜なんかに奪われたくない」
「本当に、お前は焼きもち焼きだな」
「そうだぞ!兄様に失礼だ!兄様は純粋に桜を愛でておられただけだ。恋次の嫉妬は桜にまで向けられるのか」
気づけば、ルキアがいた。
「ルキア」
白哉が名を呼ぶと、ルキア嬉しそうに朝の挨拶をした。
「おはようございます兄様!朝から盛りのついた犬にまとわりつかれて、苦労していませんか?」
「いや、大丈夫だ」
「そうですか。恋次が邪魔になったら言ってください!引き離してみせます」
「ルキア、お前なぁ。人の恋路の邪魔すんな」
「そういう恋次は、兄様の一人の時間の邪魔をするな」
そう言われて、はっとなった。
白哉とて、一人で物思いにふける時間が欲しいだろう。
「隊長・・・・その、俺邪魔ですか?桜、一人で見ていたかったとか・・・・・」
「気にするな、恋次。お前がいてもいなくとも、桜の美しさは変わらぬ」
「もう、6番隊隊舎にいきましょう。桜の中の隊長は、散っていってしまいそうで不安になる」
恋次が、白哉の手をとり歩きだす。
「私が散るか・・・私の代わりに、千本桜が散るだろうな。千本桜も喜んでいる。桜の、同胞の季節がやってきたと」
「隊長・・・・・」
「私が桜が好きだ。己の斬魄刀を千本桜にするほどに」
ひらひらと舞う花びらを受けとめて、白哉は笑った。
綺麗な笑顔だった。
桜に負けないくらい、美しいと思った。
「隊長って、やっぱ美人ですよね」
「男に使う台詞ではない」
「でも美人です。人形みたいに綺麗で、時折本当に生きているのか疑わしくなるくらいに綺麗だ」
白哉の少し長い黒髪に手をやり、絹のような手触りのそれを一房手にとって、口づけした。
「桜、6番隊の執務室に飾りましょう。それなら、ずっと見ていられるでしょう?」
「ああ、そうだな」
「庭の桜の枝、もらいますよ」
「ああ」
白哉の許しを得て、見事の咲いている枝の一本を手折り、6番隊の執務室に行くと花瓶に飾った。
白哉は、たまにぼんやりとその桜を見ていた。
「隊長、手が止まってすよ」
「すまぬ」
心、ここにあらずといったかんじだった。
桜の季節になると、白哉は桜ばかりを見ている。本当に桜に攫われそうで怖い。
でも、それも2週間ばかりの辛抱だ。
桜の花はすぐに散ってしまう。
「今年も桜の季節はもう終わりか」
「隊長には千本桜があるじゃないですか」
「ふむ・・・それもそうだな」
美しい、桜。奥の刃になる千本桜は、桜の花びらとなって敵を襲う。千本桜と名付けたのは白哉だ。
千本の桜の花が散るが如くの桜の奔流。
また、来年も春がくればよいと、白哉は思うのだった。
卯ノ花隊長と華道
卯ノ花。
4番隊の隊長であり、回道の一番使い手であり、怪我人や病気の者を癒してくれる。
そんな卯ノ花は、華道が好きだった。
同好会を開いて、華道を趣味としていた。
そんな華道の席に、場違いの浮竹と京楽がいた。
救護詰所で話をしている間に、華道も面白そうだという話になり、特別に出席することになったのだ。
「足が痺れそうだ」
「僕も」
普段正座のすることのない二人は、すでに音をあげていた。
やがて花が配られる。
カスミソウ、白百合、赤薔薇、なんかよくわからない黄色の花と、緑の葉っぱだった。
浮竹は、迷いもせずにぱちりと茎をきって、剣山にさしていく。
豪快としかいえないような、できばえだった。
一方の京楽は、バランスを考えて活けていた。
「あらあらお二人とも、生け花に性格がでていらっしゃいますね」
卯ノ花が、楽しそうに二人が活けた花を見る。
「浮竹隊長、剣山にさせばいいというものではありませんよ。もっとバランスを考えないと「
「そ、そうだな」
「京楽隊長、少し花が地味に見えてしまいますね。花が主役なので、緑はそこまで飾ることはありません」
「そうかな」
「では、食べましょうか」
「「は?」」
浮竹と京楽は顔を見合わせ合う。
「あら、お伝えしいなかったでしょうか。今回の白百合は菓子でできています。勿論本物の白百合ですが、成分はお菓子です」
そう言って、卯ノ花はむしゃりと白百合を口にした。
茫然としている二人の前で、他の華道に出席した者も、白百合を食べて茶を口にしていた。
「京楽・・・・食べれると思うか?」
「みんな食べてるんだから、食べれるんじゃないの?」
勇気を振り絞って、二人は白百合を口にしてみた。
でも、本当の花だった。
「ふふふ、ひっかかりましたね。いつも救護詰所で騒ぐお返しです」
「卯ノ花隊長、すまない。次からはもっと静かにする」
「僕も」
「分かっていただければいいのです。さぁ、この白百合をどうぞ。食べれます」
渡された白百合を逡巡したが口にした。
ふたりと、甘い優しい味がした。
「いつも華道の花って食べれるのか?やちるちゃんがよく華道を見に行くついでに花を食べていると言っていたが」
「そうですよ、浮竹隊長。活けるだけだとつまらないですからね。毎回1種類は食べれる菓子の味のする花をいれています」
「風雅なのかどうなのか分からないとこだね」
京楽が口を開く。
活けた花をそのまま飾っっておくのが華道の基本なのだが。
卯ノ花の華道は、少し違うようだった。
4番隊の隊長であり、回道の一番使い手であり、怪我人や病気の者を癒してくれる。
そんな卯ノ花は、華道が好きだった。
同好会を開いて、華道を趣味としていた。
そんな華道の席に、場違いの浮竹と京楽がいた。
救護詰所で話をしている間に、華道も面白そうだという話になり、特別に出席することになったのだ。
「足が痺れそうだ」
「僕も」
普段正座のすることのない二人は、すでに音をあげていた。
やがて花が配られる。
カスミソウ、白百合、赤薔薇、なんかよくわからない黄色の花と、緑の葉っぱだった。
浮竹は、迷いもせずにぱちりと茎をきって、剣山にさしていく。
豪快としかいえないような、できばえだった。
一方の京楽は、バランスを考えて活けていた。
「あらあらお二人とも、生け花に性格がでていらっしゃいますね」
卯ノ花が、楽しそうに二人が活けた花を見る。
「浮竹隊長、剣山にさせばいいというものではありませんよ。もっとバランスを考えないと「
「そ、そうだな」
「京楽隊長、少し花が地味に見えてしまいますね。花が主役なので、緑はそこまで飾ることはありません」
「そうかな」
「では、食べましょうか」
「「は?」」
浮竹と京楽は顔を見合わせ合う。
「あら、お伝えしいなかったでしょうか。今回の白百合は菓子でできています。勿論本物の白百合ですが、成分はお菓子です」
そう言って、卯ノ花はむしゃりと白百合を口にした。
茫然としている二人の前で、他の華道に出席した者も、白百合を食べて茶を口にしていた。
「京楽・・・・食べれると思うか?」
「みんな食べてるんだから、食べれるんじゃないの?」
勇気を振り絞って、二人は白百合を口にしてみた。
でも、本当の花だった。
「ふふふ、ひっかかりましたね。いつも救護詰所で騒ぐお返しです」
「卯ノ花隊長、すまない。次からはもっと静かにする」
「僕も」
「分かっていただければいいのです。さぁ、この白百合をどうぞ。食べれます」
渡された白百合を逡巡したが口にした。
ふたりと、甘い優しい味がした。
「いつも華道の花って食べれるのか?やちるちゃんがよく華道を見に行くついでに花を食べていると言っていたが」
「そうですよ、浮竹隊長。活けるだけだとつまらないですからね。毎回1種類は食べれる菓子の味のする花をいれています」
「風雅なのかどうなのか分からないとこだね」
京楽が口を開く。
活けた花をそのまま飾っっておくのが華道の基本なのだが。
卯ノ花の華道は、少し違うようだった。
ルキアと中身が入れ替わった件
今まで、京楽、海燕、白哉、日番谷、一護と頭をぶつけて中身が入れ替わったことがあるが、全部同性であった。
「浮竹隊長、資料をおもちしました」
「ああ、朽木、そこにおいてくて」
屈んだルキアと、浮竹は頭をぶつけた。
「あ・・・・やべ、朽木になってる!」
「ええええええ!なんで私がもう一人!」
ルキアは、浮竹から頭をぶつけると、人格が入れ替わることがあると聞いて、卒倒した。
とりあえず、自分の体でうろつかれても困るので、雨乾堂の布団の上に寝かせておいた。
「今度は朽木かぁ。とりあえず、白哉をからかってみるか」
浮竹は、ルキアの体で出かけた。
朽木家に入り、白哉の前にきて、こういった。
「白哉、金をくれ」
「ルキア・・・・・?」
「あ、違った。兄様、金をください」
白哉は、不思議そうな顔をしていたが、ルキアの体の浮竹に、金子をもたせた。
屋敷が一軒買えるような金額だった。
「ちょっと多すぎる・・・」
「本当に、ルキアなのか?霊圧が、浮竹に近いのだが」
「ああ、霊圧でばれるのか。その通り、俺は浮竹だ」
「まさか、入れ替わったのか!私の時のように」
「ああ」
そう言うと、白哉は焦りだした。
「ルキアはどこだ!まさか、雨乾堂ではなかろうな。盛った京楽に何をれるか分かったものではない・・・・・」
「あ、その心配忘れてた」
二人して、瞬歩で雨乾堂に行くが、一歩遅かった。
京楽が、目を白黒させている浮竹の体のルキアに、深い口づけをしていた。
「京楽、兄はルキアから離れろ!」
「え」
浮竹のことをルキアと呼ぶ白哉に、まさかとは思うが、ルキアの姿をした浮竹に聞く。
「もしかして、中身、入れ替わってる?」
「その通りだ、京楽!ルキアから離れろ」
「うわあああ、ルキアちゃんにキスしちゃった!どうしよう」
「京楽隊長にキスをされました!どうすればいいのでしょう!」
慌てふためく二人に、浮竹が口を開く。
「取り合えず、落ちつけ二人とも」
「それも、そうだね・・・・」
「浮竹隊長なのですか、私の体の中身は」
「そうだぞ、朽木。まぁ、しばらくじっとしていよう。2時間くらいで、元に戻るから」
白哉は、浮竹の体とはいえ、ルキアに手を出した京楽に怒っていた。
「朽木隊長、不可抗力だよ。そんなに怒らないでよ」
「兄は、義妹に手を出した。これが怒れずにいられるものか」
2時間が経過して、浮竹とルキアの人格入れ替わりが元に戻った。
「はぁ・・・よかった、私の体だ」
「京楽は、何昼間っから俺にキスして盛ろうとしているんだ」
「いや、君があどけない顔で寝ているのを見てたら、むらむらして」
「浮竹隊長と京楽隊長は、相変わらずですね」
ルキアの言葉に、二人が顔を見合わせあって、苦笑した。
「まぁ、僕たち関係隠してないからね」
「京楽はたまに、朝から盛ってくるぞ」
ルキアは、深いため息を零した。
「今回のことは忘れることにします。京楽隊長のディープキス・・・・ううう、忘れれるかな・・・・」
「ルキア、しっかりしろ。朽木家に戻り、風呂に入って京楽菌を落とせ」
「そうします、兄様」
ばい菌扱いされた京楽は、浮竹の隣で何事もなかったかのように座っていた。
「京楽菌か・・・俺は、京楽菌まみれなんだろうな」
白哉は、浮竹には文句を言わなかった。
「兄様、帰りましょう」
「そうだな。しばらく、京楽の顔は見たくない」
「酷い嫌われようだねぇ、僕」
「まぁ、俺の体とはいえ、大切な義妹が襲われたんだ。白哉は、けっこう妹思いだからな」
去っていく朽木兄妹を見送って、浮竹は京楽の方を向いた。
「たまに入れ替わってる時があるから、今後気をつけてほしい」
「そう言われてもねぇ・・・君が入れ替わってるなんて寝てたら分からないし」
「そもそも、寝込みを襲うな」
「えー、今更でしょ?」
京楽が、意地悪く笑う。
「まぁそうなんだが・・・・聞いているのか、京楽」
京楽は、浮竹の体調羽織を脱がせていた。
「言っておくが、しないからな」
「えー。せっかくその気で来たのに」
「今回は、そういう気分じゃないんだ」:
「じゃ、キスはしてもいい?」
「キスくらいなら・・・・・・」
舌が絡まるディープキスをされて、これをルキアも味わったのかと思うと、可愛そうにと思った。
京楽のキスは大人のもので、ルキアには刺激が強すぎるだろう。
「しばらく、寝込みは襲うなよ」
「分かったよ」
一方、朽木家ではルキアが風呂からあがってぼーっとしていた。京楽のキスは凄かった。その気のないルキアでも、灯がつきそうなくらいに。
「いかんいかん、私には一護がおるのだ!」
一護とまだキスをしたことがない。
ファーストキスが、京楽だったのだ。
「はぁ・・・・私のファーストキスは、京楽隊長か・・・・いやでも、肉体が違うからファーストキスにはならないか・・・うーんうーん」
そんな悩みを抱えるルキアを、白哉が静かに見守っているのであった。
「浮竹隊長、資料をおもちしました」
「ああ、朽木、そこにおいてくて」
屈んだルキアと、浮竹は頭をぶつけた。
「あ・・・・やべ、朽木になってる!」
「ええええええ!なんで私がもう一人!」
ルキアは、浮竹から頭をぶつけると、人格が入れ替わることがあると聞いて、卒倒した。
とりあえず、自分の体でうろつかれても困るので、雨乾堂の布団の上に寝かせておいた。
「今度は朽木かぁ。とりあえず、白哉をからかってみるか」
浮竹は、ルキアの体で出かけた。
朽木家に入り、白哉の前にきて、こういった。
「白哉、金をくれ」
「ルキア・・・・・?」
「あ、違った。兄様、金をください」
白哉は、不思議そうな顔をしていたが、ルキアの体の浮竹に、金子をもたせた。
屋敷が一軒買えるような金額だった。
「ちょっと多すぎる・・・」
「本当に、ルキアなのか?霊圧が、浮竹に近いのだが」
「ああ、霊圧でばれるのか。その通り、俺は浮竹だ」
「まさか、入れ替わったのか!私の時のように」
「ああ」
そう言うと、白哉は焦りだした。
「ルキアはどこだ!まさか、雨乾堂ではなかろうな。盛った京楽に何をれるか分かったものではない・・・・・」
「あ、その心配忘れてた」
二人して、瞬歩で雨乾堂に行くが、一歩遅かった。
京楽が、目を白黒させている浮竹の体のルキアに、深い口づけをしていた。
「京楽、兄はルキアから離れろ!」
「え」
浮竹のことをルキアと呼ぶ白哉に、まさかとは思うが、ルキアの姿をした浮竹に聞く。
「もしかして、中身、入れ替わってる?」
「その通りだ、京楽!ルキアから離れろ」
「うわあああ、ルキアちゃんにキスしちゃった!どうしよう」
「京楽隊長にキスをされました!どうすればいいのでしょう!」
慌てふためく二人に、浮竹が口を開く。
「取り合えず、落ちつけ二人とも」
「それも、そうだね・・・・」
「浮竹隊長なのですか、私の体の中身は」
「そうだぞ、朽木。まぁ、しばらくじっとしていよう。2時間くらいで、元に戻るから」
白哉は、浮竹の体とはいえ、ルキアに手を出した京楽に怒っていた。
「朽木隊長、不可抗力だよ。そんなに怒らないでよ」
「兄は、義妹に手を出した。これが怒れずにいられるものか」
2時間が経過して、浮竹とルキアの人格入れ替わりが元に戻った。
「はぁ・・・よかった、私の体だ」
「京楽は、何昼間っから俺にキスして盛ろうとしているんだ」
「いや、君があどけない顔で寝ているのを見てたら、むらむらして」
「浮竹隊長と京楽隊長は、相変わらずですね」
ルキアの言葉に、二人が顔を見合わせあって、苦笑した。
「まぁ、僕たち関係隠してないからね」
「京楽はたまに、朝から盛ってくるぞ」
ルキアは、深いため息を零した。
「今回のことは忘れることにします。京楽隊長のディープキス・・・・ううう、忘れれるかな・・・・」
「ルキア、しっかりしろ。朽木家に戻り、風呂に入って京楽菌を落とせ」
「そうします、兄様」
ばい菌扱いされた京楽は、浮竹の隣で何事もなかったかのように座っていた。
「京楽菌か・・・俺は、京楽菌まみれなんだろうな」
白哉は、浮竹には文句を言わなかった。
「兄様、帰りましょう」
「そうだな。しばらく、京楽の顔は見たくない」
「酷い嫌われようだねぇ、僕」
「まぁ、俺の体とはいえ、大切な義妹が襲われたんだ。白哉は、けっこう妹思いだからな」
去っていく朽木兄妹を見送って、浮竹は京楽の方を向いた。
「たまに入れ替わってる時があるから、今後気をつけてほしい」
「そう言われてもねぇ・・・君が入れ替わってるなんて寝てたら分からないし」
「そもそも、寝込みを襲うな」
「えー、今更でしょ?」
京楽が、意地悪く笑う。
「まぁそうなんだが・・・・聞いているのか、京楽」
京楽は、浮竹の体調羽織を脱がせていた。
「言っておくが、しないからな」
「えー。せっかくその気で来たのに」
「今回は、そういう気分じゃないんだ」:
「じゃ、キスはしてもいい?」
「キスくらいなら・・・・・・」
舌が絡まるディープキスをされて、これをルキアも味わったのかと思うと、可愛そうにと思った。
京楽のキスは大人のもので、ルキアには刺激が強すぎるだろう。
「しばらく、寝込みは襲うなよ」
「分かったよ」
一方、朽木家ではルキアが風呂からあがってぼーっとしていた。京楽のキスは凄かった。その気のないルキアでも、灯がつきそうなくらいに。
「いかんいかん、私には一護がおるのだ!」
一護とまだキスをしたことがない。
ファーストキスが、京楽だったのだ。
「はぁ・・・・私のファーストキスは、京楽隊長か・・・・いやでも、肉体が違うからファーストキスにはならないか・・・うーんうーん」
そんな悩みを抱えるルキアを、白哉が静かに見守っているのであった。
卯ノ花の採血
「痛くありませんよーーーー」
卯ノ花は、にっこり笑って注射器を浮竹の腕に刺した。
「いっ」
痛い。
そう叫びたかったが、我慢する。
採血検査だった。血をけっこう抜かれて、少し貧血をおこした浮竹は、仮眠室で休憩をとることにした。
浮竹が起きる頃には、採血検査の結果が出ていた。
「血糖値が少し高いですが、異常はありませんでした。甘味物を食べてきましたね?そのせいで血糖値が高いのでしょう。糖尿病というわけでもありませんし、大丈夫です。でも、浮竹隊長は甘味物を人の3倍ほど食べるとか・・・・」
「あ、いや、その・・・・」
「糖尿病にはならないと思いますが、年に2回は血液検査を行いましょう」
また、血を抜かれるのかと思ったら、背筋が寒くなってきた。
卯ノ花隊長のは、血を抜くのがあまりうまくない。
それを本人に言うのも怖いので、黙っている。
回道の腕は4番隊一だが、採血の腕は後ろから数えたほうが早いかもしれない。
「では、また半年後に」
「はぁ・・・・・」
浮竹は、溜息を零して救護詰所を出た。すれ違いで、京楽が入ってくる。
「あれ、京楽?どうしたんだ、こんな場所で」
「浮竹・・・血液検査だよ。あと、多分元気だからって献血もされそう。卯ノ花隊長の注射、痛いんだよね。勇音ちゃんに変わってくれないかな・・・・」
「ばか、お前、こんなとこでそんなこと口にするな!」
京楽の口を抑えるが、時すでに遅し、卯ノ花がにこにこして背後に立っていた。
「そうですね。私の採血の腕はよくありません。でも、回道があるから、どうとでもなるのですよ」
ブラックすぎた。
京楽を引きずっていく卯ノ花。
「浮竹~助けて~~~~」
「血、たくさんとられてこいよ。お前の血液型、希少だから献血にかかせないだろうし」
「浮竹の薄情者~~ばか~~~~~」
小さくなっていく京楽の姿を見送った。
そのまま、待合室で京楽が出てくるのを待った。
京楽は、しおしおになっていた。
「ううう・・・いっぱい、血を抜き取られた。貧血になりそう」
浮竹は、京楽に健康ドリンクを手渡して飲ませた。
こころなしか、元気になった京楽は、血液検査では異常なしと言われて、喜んでいたが、京楽の血液型の輸血パックが足りないので、1週間後にまた献血に来いと言われて、真っ暗になった。
「浮竹~。僕の血がなくなるー」
「お前は健康体だし、しおしおになるまで採血されても平気だから、大丈夫だろ」
「浮竹のばか!うわああああん」
「病院内では、お静かに」
いつの間にか、背後に卯ノ花が立っていた。
心臓が止まるかと思った。
卯ノ花隊長は、菩薩の顔をもっているが、修羅にもなる。
「浮竹隊長、最近は発作は起きていませんか?」
「ああ、ここ3カ月おきていない」
「そうですか、それはよかった。もしも吐血したら、すぐに4番隊にきてください。回道をかけますので」
「ありがとう、卯ノ花隊長」
菩薩の卯ノ花は、浮竹には結構優しい。
「京楽隊長は、少しお酒を控えたほうがいいかもしれませんね」
修羅の顔で、京楽にそう言う。
「卯ノ花隊長、なんで僕と浮竹で、顔が変わるんだい」
「あら、変わっていませんよ。全部気のせいです」
修羅だったり菩薩だったり・・・・まぁ、修羅といってもにこにこ笑んでいるので、見た目は菩薩だ。でも中身が修羅なのだ。
「では、京楽隊長は来週に献血にまたきてくださいね」
「また血を抜かれるの~。僕、血を見るのあんまり好きじゃないんだけど」
「まぁ。8番隊の隊長でしょう。流血沙汰には慣れていらっしゃるでしょう?」
「他人の血はどうってことないんだけど、自分の血を見るのが無理なの。あと浮竹の血も」
「では、今度献血するときは目隠しをしましょう」
「それどんなプレイ!?」
京楽がつっこんだ。
「目隠しは黒でかまいませんか?」
「だから、どんなプレイ・・・・・」
「京楽隊長の血抜き目隠しプレイです」
そう言った卯ノ花は、さも楽し気に目隠しの色は、黒より白もいいかもしれないとか言っていた。
「逃げよう」
「同じく」
京楽と浮竹は、卯ノ花を置いて救護詰所から逃げ出した。
逃げ出しても、どうせまた今度卯ノ花と採血検査や献血で会うことになるのだが。
それでも、4番隊の卯ノ花の存在は、とても頼りになるが、時に怖いものであった。
1週間後。
京楽はまた献血をされて、しおしおになって雨乾堂を訪れる。
「卯ノ花隊長、優しいけど怖いんだよねぇ」
「それは同意見だ」
浮竹と京楽は知らない。
卯ノ花が、剣八であったことを。
血を見るのが、何より好きなのだ。それは、卯ノ花烈になっても、変わっていないのであった。
採血や献血で、血を見ては昂ぶる精神を押し殺す。
それが今の卯ノ花の生き方だった。
血に飢えた、獣。その正体が露見するのは、ユーハバッハが侵攻してきて、更木と剣を交える時だった。
卯ノ花は、にっこり笑って注射器を浮竹の腕に刺した。
「いっ」
痛い。
そう叫びたかったが、我慢する。
採血検査だった。血をけっこう抜かれて、少し貧血をおこした浮竹は、仮眠室で休憩をとることにした。
浮竹が起きる頃には、採血検査の結果が出ていた。
「血糖値が少し高いですが、異常はありませんでした。甘味物を食べてきましたね?そのせいで血糖値が高いのでしょう。糖尿病というわけでもありませんし、大丈夫です。でも、浮竹隊長は甘味物を人の3倍ほど食べるとか・・・・」
「あ、いや、その・・・・」
「糖尿病にはならないと思いますが、年に2回は血液検査を行いましょう」
また、血を抜かれるのかと思ったら、背筋が寒くなってきた。
卯ノ花隊長のは、血を抜くのがあまりうまくない。
それを本人に言うのも怖いので、黙っている。
回道の腕は4番隊一だが、採血の腕は後ろから数えたほうが早いかもしれない。
「では、また半年後に」
「はぁ・・・・・」
浮竹は、溜息を零して救護詰所を出た。すれ違いで、京楽が入ってくる。
「あれ、京楽?どうしたんだ、こんな場所で」
「浮竹・・・血液検査だよ。あと、多分元気だからって献血もされそう。卯ノ花隊長の注射、痛いんだよね。勇音ちゃんに変わってくれないかな・・・・」
「ばか、お前、こんなとこでそんなこと口にするな!」
京楽の口を抑えるが、時すでに遅し、卯ノ花がにこにこして背後に立っていた。
「そうですね。私の採血の腕はよくありません。でも、回道があるから、どうとでもなるのですよ」
ブラックすぎた。
京楽を引きずっていく卯ノ花。
「浮竹~助けて~~~~」
「血、たくさんとられてこいよ。お前の血液型、希少だから献血にかかせないだろうし」
「浮竹の薄情者~~ばか~~~~~」
小さくなっていく京楽の姿を見送った。
そのまま、待合室で京楽が出てくるのを待った。
京楽は、しおしおになっていた。
「ううう・・・いっぱい、血を抜き取られた。貧血になりそう」
浮竹は、京楽に健康ドリンクを手渡して飲ませた。
こころなしか、元気になった京楽は、血液検査では異常なしと言われて、喜んでいたが、京楽の血液型の輸血パックが足りないので、1週間後にまた献血に来いと言われて、真っ暗になった。
「浮竹~。僕の血がなくなるー」
「お前は健康体だし、しおしおになるまで採血されても平気だから、大丈夫だろ」
「浮竹のばか!うわああああん」
「病院内では、お静かに」
いつの間にか、背後に卯ノ花が立っていた。
心臓が止まるかと思った。
卯ノ花隊長は、菩薩の顔をもっているが、修羅にもなる。
「浮竹隊長、最近は発作は起きていませんか?」
「ああ、ここ3カ月おきていない」
「そうですか、それはよかった。もしも吐血したら、すぐに4番隊にきてください。回道をかけますので」
「ありがとう、卯ノ花隊長」
菩薩の卯ノ花は、浮竹には結構優しい。
「京楽隊長は、少しお酒を控えたほうがいいかもしれませんね」
修羅の顔で、京楽にそう言う。
「卯ノ花隊長、なんで僕と浮竹で、顔が変わるんだい」
「あら、変わっていませんよ。全部気のせいです」
修羅だったり菩薩だったり・・・・まぁ、修羅といってもにこにこ笑んでいるので、見た目は菩薩だ。でも中身が修羅なのだ。
「では、京楽隊長は来週に献血にまたきてくださいね」
「また血を抜かれるの~。僕、血を見るのあんまり好きじゃないんだけど」
「まぁ。8番隊の隊長でしょう。流血沙汰には慣れていらっしゃるでしょう?」
「他人の血はどうってことないんだけど、自分の血を見るのが無理なの。あと浮竹の血も」
「では、今度献血するときは目隠しをしましょう」
「それどんなプレイ!?」
京楽がつっこんだ。
「目隠しは黒でかまいませんか?」
「だから、どんなプレイ・・・・・」
「京楽隊長の血抜き目隠しプレイです」
そう言った卯ノ花は、さも楽し気に目隠しの色は、黒より白もいいかもしれないとか言っていた。
「逃げよう」
「同じく」
京楽と浮竹は、卯ノ花を置いて救護詰所から逃げ出した。
逃げ出しても、どうせまた今度卯ノ花と採血検査や献血で会うことになるのだが。
それでも、4番隊の卯ノ花の存在は、とても頼りになるが、時に怖いものであった。
1週間後。
京楽はまた献血をされて、しおしおになって雨乾堂を訪れる。
「卯ノ花隊長、優しいけど怖いんだよねぇ」
「それは同意見だ」
浮竹と京楽は知らない。
卯ノ花が、剣八であったことを。
血を見るのが、何より好きなのだ。それは、卯ノ花烈になっても、変わっていないのであった。
採血や献血で、血を見ては昂ぶる精神を押し殺す。
それが今の卯ノ花の生き方だった。
血に飢えた、獣。その正体が露見するのは、ユーハバッハが侵攻してきて、更木と剣を交える時だった。
お泊り
白哉に招かれて、今日は朽木家に泊まることになった。
白哉が破面のせいで一時的に視力を失った時、介護のために四六時中傍にいたのだが、いざ白哉が視力を回復させてしまうと、もうお別れなのかと悲しくなった。
そんな恋次に、白哉はたまになら朽木家に泊まりにきてもいいと言ってくれた。
今日は、そんなことで朽木家にお邪魔していた。
「兄様、この駄犬を我が家に招くのはどうかと思います」
「誰が犬だルキア!」
「貴様以外にいないだろう。兄様の前では尻尾をぶんぶん振っているくせに」
「俺は犬じゃねぇ!」
「いや・・・・恋次は、少し犬のようだな」
「隊長まで!?」
恋次が、ショックを受けた顔になる。まさに、主人に叱られた犬のような顔だった。
「恋次、客間に泊まるか?それとも私の寝室に・・・・・」
「勿論、隊長の寝室に泊まります」
ルキアが眉を顰める。
「この駄犬、きっとやることしか考えてませんよ兄様!」
「ルキア、だから犬扱いするんじゃねぇ!しかも駄犬ってなんだ!」
「まぁいいんじゃねぇの?恋次と白哉って、できてるんだろ?」
食堂で、一人黙々と夕食を食べていた一護が口を挟む。
一護は、ルキアの夫だ。朽木家に婿入りしたのは、今から3年ほど前のことだ。
ちょうど、白哉と恋次が真に想いを通じ合わせた頃だ。
「恋次、今日はおあずけだ」
「隊長まで、犬扱いしないでください」
「恋次、お手」
手をさしだしてそう白哉が言うと、恋次は本当に犬のように白哉の手に手を乗せた。
「ぐ・・・・・」
白哉が、爆笑をこらえて眉を顰める。だが、その肩はぷるぷる震えていた。
「あはははは!恋次、本当に犬のようだな!」
夕食を食べながら、ルキアが大笑いした。
「くそ、つい・・・・・」
一護も笑っていた。
恋次は気を取り直して、夕飯を口にする。
朽木家の夕飯は豪華で美味しかった。
夜になり、恋次は枕を手に白夜の寝室を訪れた。
恋次は、枕がかわると眠りにくい体質であった。
白哉の寝室は、無駄に広かった。16畳はある部屋に、布団が2組しかれていた。
「恋次、寝るぞ」
「あ、隊長!」
夜這いをかけようとは思っていなかったが、少しだけ白哉といちゃいちゃしたかった恋次は、明かりが消されると、白哉の布団にもぐりこんだ。
「隊長、寝るにはちょっと早いです。まだ9時じゃないですか」
「深夜に起きて、散歩に出かけるのだ。だから、早めに就寝する」
「ああ、隊長夜の散歩好きでしたもんね。その時は俺も起こしてください。俺もついていきます」
白哉はすぐに眠ってしまったが、恋次はなかなか寝付けずに、自分に用意された布団にもぐって寝がえりをうっていた。
寝れたのは、夜の11時を回った頃だった。
「恋次、恋次、起きろ」
「んー。なんすか、こんな夜中に」
深夜の2時に起こされて、恋次は不機嫌そうな声をだす。
「私の深夜の散歩についてくると言ったのは、お前であろう。眠いなら、そのまま寝ていろ。私は散歩に行ってくる」
「あ、待ってください!俺も行きます!」
眠い目をこすって、白哉の後に続く。
外にでると、空気はまだ少し寒くて、白哉は上着を着ていた。いつもの死覇装に隊長羽織の上から。
恋次は寝間着のまま、歩きだす。白夜の後を追って。
「隊長・・・いつもこんな時間に、散歩してるんですか?」
「毎日ではないが・・週に二度ほど、深夜に散歩に出かけている」
子供ではないのだから、夜は危ないと言えないが辛いところだった。白夜は強い。たとえ深夜の時間に不埒な真似をする者が現れても、切り捨ててしまうだろう。
月が綺麗だった。
川の傍を歩くと、早咲きの桜を見つけた。
「隊長、この桜、もう咲いてますよ」
「知っている。いつも、この時期になると・・・3月になる前に花を咲かせるのだ」
「もう3月か・・・・4月には人事異動がありますからね。席官、また変わるんでしょうか」
「今回は変わらぬと聞いている。ただ、新人死神が20人ほど配属される予定だ。修行をつけてやってくれ」
「勿論です」
新人死神を、使えるようにするのも、副隊長である恋次の仕事の一つだった。
白哉は、人に教えるようなことが苦手だ。
斬魄刀のとの対話の精神訓練なら、得意だが。
川沿いに歩き、ぐるっと瀞霊廷を一周して、朽木家に帰還した。
時間にして約1時間ほど、散歩をした。
「寝るぞ」
「ふあ~。俺も寝ます」
恋次は、次に起こさるまでずっと寝ていた。
次に起きたのは、9時前だった。
「ぎゃあああ、遅刻する!」
白哉はすでに、6番隊の方に向かった後だった。
ルキアと一護も、すでにいない。
「なんで誰も起こしてくれないんだ・・・・・・」
そう思いながらも、顔を洗って服を着替えて、瞬歩で6番隊の執務室にやってきた。
「隊長!起こしてくださいよ!あやうく遅刻するところだった」
「よく寝ていたのでな・・・」
「隊長は、何時に起きたんですか」
「朝の6時だ」
「早いですね」
「よく寝ているお前を見ていると、幸せそうで起こしそびれてしまった」
「まあ、隊長と同じ屋根の下で眠れて幸せでしたけど」
その言葉に、白哉の頬が赤くなる。
「朝食をとっていないだろう。それでも食べておけ」
おにぎりを2つほど渡された。
わざわざ、恋次のために持ってきてくれていたのだと知って、恋次は白哉を抱き締めた。
「あんた、俺の扱いうまいですね」
「何年、一緒になったと思っているのだ」
「それもそうですね」
恋次は、おにぎりを食べた。茶が出される。
白哉の優しさに恋次の心も温かくなる。
茶の入れ方を教えたのは、恋次だ。昔、茶以外のものを入れて、それを茶として出されて激マズな思いをしたことがあったため、白哉に茶葉以外のものは入れないように教えた。
白哉は自分も茶を飲んで、少し休憩すると今日の仕事にとりかかりだした。
恋次は思う。
寝坊寸前も、悪くない、と。
白哉が破面のせいで一時的に視力を失った時、介護のために四六時中傍にいたのだが、いざ白哉が視力を回復させてしまうと、もうお別れなのかと悲しくなった。
そんな恋次に、白哉はたまになら朽木家に泊まりにきてもいいと言ってくれた。
今日は、そんなことで朽木家にお邪魔していた。
「兄様、この駄犬を我が家に招くのはどうかと思います」
「誰が犬だルキア!」
「貴様以外にいないだろう。兄様の前では尻尾をぶんぶん振っているくせに」
「俺は犬じゃねぇ!」
「いや・・・・恋次は、少し犬のようだな」
「隊長まで!?」
恋次が、ショックを受けた顔になる。まさに、主人に叱られた犬のような顔だった。
「恋次、客間に泊まるか?それとも私の寝室に・・・・・」
「勿論、隊長の寝室に泊まります」
ルキアが眉を顰める。
「この駄犬、きっとやることしか考えてませんよ兄様!」
「ルキア、だから犬扱いするんじゃねぇ!しかも駄犬ってなんだ!」
「まぁいいんじゃねぇの?恋次と白哉って、できてるんだろ?」
食堂で、一人黙々と夕食を食べていた一護が口を挟む。
一護は、ルキアの夫だ。朽木家に婿入りしたのは、今から3年ほど前のことだ。
ちょうど、白哉と恋次が真に想いを通じ合わせた頃だ。
「恋次、今日はおあずけだ」
「隊長まで、犬扱いしないでください」
「恋次、お手」
手をさしだしてそう白哉が言うと、恋次は本当に犬のように白哉の手に手を乗せた。
「ぐ・・・・・」
白哉が、爆笑をこらえて眉を顰める。だが、その肩はぷるぷる震えていた。
「あはははは!恋次、本当に犬のようだな!」
夕食を食べながら、ルキアが大笑いした。
「くそ、つい・・・・・」
一護も笑っていた。
恋次は気を取り直して、夕飯を口にする。
朽木家の夕飯は豪華で美味しかった。
夜になり、恋次は枕を手に白夜の寝室を訪れた。
恋次は、枕がかわると眠りにくい体質であった。
白哉の寝室は、無駄に広かった。16畳はある部屋に、布団が2組しかれていた。
「恋次、寝るぞ」
「あ、隊長!」
夜這いをかけようとは思っていなかったが、少しだけ白哉といちゃいちゃしたかった恋次は、明かりが消されると、白哉の布団にもぐりこんだ。
「隊長、寝るにはちょっと早いです。まだ9時じゃないですか」
「深夜に起きて、散歩に出かけるのだ。だから、早めに就寝する」
「ああ、隊長夜の散歩好きでしたもんね。その時は俺も起こしてください。俺もついていきます」
白哉はすぐに眠ってしまったが、恋次はなかなか寝付けずに、自分に用意された布団にもぐって寝がえりをうっていた。
寝れたのは、夜の11時を回った頃だった。
「恋次、恋次、起きろ」
「んー。なんすか、こんな夜中に」
深夜の2時に起こされて、恋次は不機嫌そうな声をだす。
「私の深夜の散歩についてくると言ったのは、お前であろう。眠いなら、そのまま寝ていろ。私は散歩に行ってくる」
「あ、待ってください!俺も行きます!」
眠い目をこすって、白哉の後に続く。
外にでると、空気はまだ少し寒くて、白哉は上着を着ていた。いつもの死覇装に隊長羽織の上から。
恋次は寝間着のまま、歩きだす。白夜の後を追って。
「隊長・・・いつもこんな時間に、散歩してるんですか?」
「毎日ではないが・・週に二度ほど、深夜に散歩に出かけている」
子供ではないのだから、夜は危ないと言えないが辛いところだった。白夜は強い。たとえ深夜の時間に不埒な真似をする者が現れても、切り捨ててしまうだろう。
月が綺麗だった。
川の傍を歩くと、早咲きの桜を見つけた。
「隊長、この桜、もう咲いてますよ」
「知っている。いつも、この時期になると・・・3月になる前に花を咲かせるのだ」
「もう3月か・・・・4月には人事異動がありますからね。席官、また変わるんでしょうか」
「今回は変わらぬと聞いている。ただ、新人死神が20人ほど配属される予定だ。修行をつけてやってくれ」
「勿論です」
新人死神を、使えるようにするのも、副隊長である恋次の仕事の一つだった。
白哉は、人に教えるようなことが苦手だ。
斬魄刀のとの対話の精神訓練なら、得意だが。
川沿いに歩き、ぐるっと瀞霊廷を一周して、朽木家に帰還した。
時間にして約1時間ほど、散歩をした。
「寝るぞ」
「ふあ~。俺も寝ます」
恋次は、次に起こさるまでずっと寝ていた。
次に起きたのは、9時前だった。
「ぎゃあああ、遅刻する!」
白哉はすでに、6番隊の方に向かった後だった。
ルキアと一護も、すでにいない。
「なんで誰も起こしてくれないんだ・・・・・・」
そう思いながらも、顔を洗って服を着替えて、瞬歩で6番隊の執務室にやってきた。
「隊長!起こしてくださいよ!あやうく遅刻するところだった」
「よく寝ていたのでな・・・」
「隊長は、何時に起きたんですか」
「朝の6時だ」
「早いですね」
「よく寝ているお前を見ていると、幸せそうで起こしそびれてしまった」
「まあ、隊長と同じ屋根の下で眠れて幸せでしたけど」
その言葉に、白哉の頬が赤くなる。
「朝食をとっていないだろう。それでも食べておけ」
おにぎりを2つほど渡された。
わざわざ、恋次のために持ってきてくれていたのだと知って、恋次は白哉を抱き締めた。
「あんた、俺の扱いうまいですね」
「何年、一緒になったと思っているのだ」
「それもそうですね」
恋次は、おにぎりを食べた。茶が出される。
白哉の優しさに恋次の心も温かくなる。
茶の入れ方を教えたのは、恋次だ。昔、茶以外のものを入れて、それを茶として出されて激マズな思いをしたことがあったため、白哉に茶葉以外のものは入れないように教えた。
白哉は自分も茶を飲んで、少し休憩すると今日の仕事にとりかかりだした。
恋次は思う。
寝坊寸前も、悪くない、と。
囀るは
「京楽・・・・・」
気づくと、浮竹は京楽の腕の中にいた。
「気づいた?高熱を出して倒れたんだよ」
京楽の髪や目の色は、花の神を宿したことで薄紅色になっていた。
「肺の病がなくなったとはいえ・・・俺はまだまだ弱いな」
本来なら、浮竹は死んでいた。ミミハギ様を手放したことによる神掛で、病気が進行して死ぬはずだった。
それを、花の神が助けてくれた。
代償は、京楽が花の神の器になること。
今の京楽は、死神であり、半神であった。
「まだ熱が高いから、雨乾堂に戻るよ」
「分かった・・・・・」
1番隊の執務室に遊びに行ったことまでは覚えていた。執務室で高熱を出して倒れたのだ、浮竹は。
雨乾堂は、変わらずそこにある。他の時間軸の世界では、取り壊されて浮竹の墓になっていたが、浮竹が生きているこの世界では、雨乾堂はまだ存在していた。
浮竹は霊圧をなくした。
霊圧のほぼ全てを生きるためのエネルギーに変えたせいで、肺の病は癒えたが、病弱なところは変わらなかった。
13番隊の隊長ではいられなくなり、書類仕事を主にサポートしていた。今の13番隊隊長は、ルキアだ。
京楽の腕に抱かれて、雨乾堂まで瞬歩でくると、京楽は布団をしいてそこに浮竹を寝かせた。
熱はあるが、意識ははっきりしていた。
「解熱剤、とりあえず飲んで」
「ああ」
渡された解熱剤を、コップの水と一緒に飲み干した。
普通の解熱剤ではなく、甘い味がした。
「これ、甘い・・・・」
「子供用のやつだからね」
「俺は子供じゃないぞ」
むすっとなる浮竹の頭を撫でて、京楽が浮竹の隣に寝そべった。
「鎮静剤も含んでるから、直に眠くなるよ。僕のことは気にしないで眠りなさいな。体が弱っている時は、横になるのが一番いい」
「すまない・・・・命を助けてもらったが、病弱なのが変わりなくて、こればかりはどうしようもないな」
「肺の病が癒えただけで十分だよ。君が死ぬ可能性がなくなった」
「花の神は、京楽の中で眠りについているのか?」
「そうだよ。僕は「器」だからね。今は眠っている」
学院の桜の木の下で、告白をしたりプロポーズを受けた。その桜が狂い咲く中で死んでいくはずだった浮竹の命は、花の神という、浮竹が赤子の頃捧げられた神によって、助けられた。
浮竹の両親は、浮竹が赤子の頃に花の神に捧げて、洗礼を受けさせた。この命が助かりますようにと。
浮竹からは、甘い花の香がするようになった。それは花の神に愛された証であった。
そして3歳の時、ミミハギ様を宿らせた。
子供時代は、友達と遊んだこともなく、家族としか会話をしなかった。
死神統学院に入り、そこではじめて友人ができた。
それが京楽だった。
互いに惹かれ合い、恋人同士になって、隊長になってもその関係は続いていた。今はいない山じいが、二人のことを思い、できていることを事前に知らせて、差別を起こさないようにしてくれていた。
しばらく京楽と話しをしていたが、直に睡魔に襲われて、浮竹は眠ってしまった。
そんな浮竹に触れるだけの口づけをして、京楽は一番隊の執務室に戻った。仕事があるのだ。早く終わらせて、浮竹の傍にいてやりたかった。
京楽は自分でも驚くほどのスピードで、仕事を終えた。
雨乾堂に行くと、浮竹はまだ眠っていた。
額に手をあてると、平熱まで下がっていた。
もう大丈夫だ。
「ん・・・京楽?」
「ああ、起きたのかい。お腹すいたでしょ。夕飯の時間だし、13番隊の食堂に行こうか」
京楽は、まだ少し眠そうな浮竹を伴って、13番隊の食堂にやってきた。食堂は一般隊士のためのものであり、普通は隊長は専用の食事を作ってもらえるのだが、浮竹はもう隊長ではない。
扱いの上では、一応一般隊士ということになっているが、前隊長ということもあり、浮竹は人望も厚いので、一般隊士がよく話をしにきた。
京楽は、浮竹と一緒に食事をとりながら、浮竹が一般隊士にああだこうだと話しかけられるのを見ていた。
それから、食事を終えると、ひょいっと浮竹を肩に担ぎあげた。
「京楽!?」
「死神が群がりすぎてる。君は僕のものなのに。嫉妬、だね」
そう言って、唖然とする13番隊の隊士を残して、雨乾堂に戻った。
「嫉妬だなんて、京楽らしくないぞ」
「僕だって嫉妬くらいするよ。君がみんなに笑顔を振りまくものだから、一般隊士が群がってきて・・・・君は、僕のものなのに」
噛みつくようなキスをされた。
「京楽、怒っているのか?」
「ううん。怒ってはいないよ」
「そうか」
京楽は、浮竹の13番と書かれていない、白いだけの羽織を脱がして、死覇装を脱がしていく。
「そ、その、するのか?」
「うん」
「花の神は眠っているんだろうな?」
「僕の魂の奥底で眠っているよ」
キスをしあった。
京楽は、浮竹の首筋にキスマークを残した。
「僕のものだっていう、証」
「そんなの残さなくても、俺はお前のものだ」
京楽は、浮竹の花茎を口に含んだ。
「あ!」
いきなりの刺激に、浮竹が驚く。
「最近全然していなかったからね・・・先にいってしまいなよ」
舐めあげられて、しごかれて、浮竹は呆気なく京楽の口の中に精液を吐きだしていた。
「あああ!」
びくんと痙攣する体を手で撫でて、潤滑油に濡らした指を浮竹の体内に入れる。
「んん・・・・」
くちゅくちゅと解されて、とろとろになった頃に京楽のものが入ってきた。
「ひう!」
「息すってちゃんと吐いて。そうそう」
久し振りの感覚に、体がついていかない。
京楽が突き上げると、浮竹は啼いた。
「あ・・・・ああ・あ・・」
涙が零れた。
「痛いの?」
「違う。お前のものになっているんだなと思って」
「君を、鳥かごにいれたい。誰にも見せたくない。僕だけを見て、僕だけのために囀ってほしい」
「無理を言うな・・・・・」
「うん。無理だね」
「ひあ!やっ」
突き上げる角度が変わり、前立腺を抉られて、浮竹が反応する。
「きもちいい?ここ」
こくこくと、浮竹は頷いた。
「もっと抉ってあげる」
何度も突き上げられて抉られて、浮竹は熱を放っていた。
ほぼ同時に、京楽も浮竹の腹の奥に欲望をぶちまけた。
「久しぶりだから・・・少し、がっつくよ」
「ほどほどにしてくれ・・・・・」
結局、京楽は浮竹の中で4回も放ち、浮竹も何度もいって、最後はドライのオーガズムで達していた。
「ねぇ。僕だけのために、囀って」
「京楽・・・・・・」
「君の命のある限り、僕は君だけを求める」
「俺も、お前の命のがある限り、お前だけを求める」
「十四郎・・・・・・」
「春水・・・・」
互いに、「愛している」と囁いて、深い口づけを交わした。
浮竹は、京楽のためだけに囀る小鳥にはならないが、なるべく京楽だけに囀る。
「君の命が続いていることに、感謝を」
自分の身に宿っている花の神に、感謝を捧げた。
「京楽、風呂にいこう」
「うん」
風呂に入り、身を清めて、新しい布団を出して、二人で寝そべった。
「こんな、穏やかな時間が、大戦後も来るなんて思わなかった。君を失うものだとばかり思っていたよ」
花の神の気まぐれで救われた命だが、大切にしようと思った。
「俺は、霊圧がなくなり隊長ではなくなったが、生き残れてよかったと思っている。本来なら、ミミハギ様を解放したんだから、死んでいたんだがな」
「でも、命は続いている」
「ああ」
京楽は、懐から小さな箱を出した。
「どうしたんだ?」
「翡翠細工の可愛いのを見つけてね。君にあげようと思って」
取り出されたのは、翡翠のあしらわれたヘアピンだった。
花の形にカットされていて、かわいらしかった。
「また、高そうなものを・・・・」
「石はグレードが高いけど、こぶりだから思っているほど高価じゃないよ」
京楽が、ヘアピンで浮竹の前髪をぱちりと留めた。
「君にはやっぱり、翡翠が似合うね」
院生時代から今まで、いろんな翡翠細工の装身具をもらった。使わない時も多いが、大切に雨乾堂にあるタンスの中に保管されていた。
「永久(とこしえ)の愛を君に」
「永久の愛をお前に」
浮竹の白髪が、さらりと音をたてて零れる。
「愛している・・・・・」
浮竹の、京楽にだけ向けられる囀りに、京楽は満足気に微笑んだ。
浮竹という小鳥は、京楽にばかり囀る。
そうなるように、何百年もかけられた。
薄紅色になった京楽の髪と目。
神の器となった京楽。
神に命を救われた浮竹。
時間は、ゆっくりと過ぎていく。もう、互いに失うことなどないのだ。
気づくと、浮竹は京楽の腕の中にいた。
「気づいた?高熱を出して倒れたんだよ」
京楽の髪や目の色は、花の神を宿したことで薄紅色になっていた。
「肺の病がなくなったとはいえ・・・俺はまだまだ弱いな」
本来なら、浮竹は死んでいた。ミミハギ様を手放したことによる神掛で、病気が進行して死ぬはずだった。
それを、花の神が助けてくれた。
代償は、京楽が花の神の器になること。
今の京楽は、死神であり、半神であった。
「まだ熱が高いから、雨乾堂に戻るよ」
「分かった・・・・・」
1番隊の執務室に遊びに行ったことまでは覚えていた。執務室で高熱を出して倒れたのだ、浮竹は。
雨乾堂は、変わらずそこにある。他の時間軸の世界では、取り壊されて浮竹の墓になっていたが、浮竹が生きているこの世界では、雨乾堂はまだ存在していた。
浮竹は霊圧をなくした。
霊圧のほぼ全てを生きるためのエネルギーに変えたせいで、肺の病は癒えたが、病弱なところは変わらなかった。
13番隊の隊長ではいられなくなり、書類仕事を主にサポートしていた。今の13番隊隊長は、ルキアだ。
京楽の腕に抱かれて、雨乾堂まで瞬歩でくると、京楽は布団をしいてそこに浮竹を寝かせた。
熱はあるが、意識ははっきりしていた。
「解熱剤、とりあえず飲んで」
「ああ」
渡された解熱剤を、コップの水と一緒に飲み干した。
普通の解熱剤ではなく、甘い味がした。
「これ、甘い・・・・」
「子供用のやつだからね」
「俺は子供じゃないぞ」
むすっとなる浮竹の頭を撫でて、京楽が浮竹の隣に寝そべった。
「鎮静剤も含んでるから、直に眠くなるよ。僕のことは気にしないで眠りなさいな。体が弱っている時は、横になるのが一番いい」
「すまない・・・・命を助けてもらったが、病弱なのが変わりなくて、こればかりはどうしようもないな」
「肺の病が癒えただけで十分だよ。君が死ぬ可能性がなくなった」
「花の神は、京楽の中で眠りについているのか?」
「そうだよ。僕は「器」だからね。今は眠っている」
学院の桜の木の下で、告白をしたりプロポーズを受けた。その桜が狂い咲く中で死んでいくはずだった浮竹の命は、花の神という、浮竹が赤子の頃捧げられた神によって、助けられた。
浮竹の両親は、浮竹が赤子の頃に花の神に捧げて、洗礼を受けさせた。この命が助かりますようにと。
浮竹からは、甘い花の香がするようになった。それは花の神に愛された証であった。
そして3歳の時、ミミハギ様を宿らせた。
子供時代は、友達と遊んだこともなく、家族としか会話をしなかった。
死神統学院に入り、そこではじめて友人ができた。
それが京楽だった。
互いに惹かれ合い、恋人同士になって、隊長になってもその関係は続いていた。今はいない山じいが、二人のことを思い、できていることを事前に知らせて、差別を起こさないようにしてくれていた。
しばらく京楽と話しをしていたが、直に睡魔に襲われて、浮竹は眠ってしまった。
そんな浮竹に触れるだけの口づけをして、京楽は一番隊の執務室に戻った。仕事があるのだ。早く終わらせて、浮竹の傍にいてやりたかった。
京楽は自分でも驚くほどのスピードで、仕事を終えた。
雨乾堂に行くと、浮竹はまだ眠っていた。
額に手をあてると、平熱まで下がっていた。
もう大丈夫だ。
「ん・・・京楽?」
「ああ、起きたのかい。お腹すいたでしょ。夕飯の時間だし、13番隊の食堂に行こうか」
京楽は、まだ少し眠そうな浮竹を伴って、13番隊の食堂にやってきた。食堂は一般隊士のためのものであり、普通は隊長は専用の食事を作ってもらえるのだが、浮竹はもう隊長ではない。
扱いの上では、一応一般隊士ということになっているが、前隊長ということもあり、浮竹は人望も厚いので、一般隊士がよく話をしにきた。
京楽は、浮竹と一緒に食事をとりながら、浮竹が一般隊士にああだこうだと話しかけられるのを見ていた。
それから、食事を終えると、ひょいっと浮竹を肩に担ぎあげた。
「京楽!?」
「死神が群がりすぎてる。君は僕のものなのに。嫉妬、だね」
そう言って、唖然とする13番隊の隊士を残して、雨乾堂に戻った。
「嫉妬だなんて、京楽らしくないぞ」
「僕だって嫉妬くらいするよ。君がみんなに笑顔を振りまくものだから、一般隊士が群がってきて・・・・君は、僕のものなのに」
噛みつくようなキスをされた。
「京楽、怒っているのか?」
「ううん。怒ってはいないよ」
「そうか」
京楽は、浮竹の13番と書かれていない、白いだけの羽織を脱がして、死覇装を脱がしていく。
「そ、その、するのか?」
「うん」
「花の神は眠っているんだろうな?」
「僕の魂の奥底で眠っているよ」
キスをしあった。
京楽は、浮竹の首筋にキスマークを残した。
「僕のものだっていう、証」
「そんなの残さなくても、俺はお前のものだ」
京楽は、浮竹の花茎を口に含んだ。
「あ!」
いきなりの刺激に、浮竹が驚く。
「最近全然していなかったからね・・・先にいってしまいなよ」
舐めあげられて、しごかれて、浮竹は呆気なく京楽の口の中に精液を吐きだしていた。
「あああ!」
びくんと痙攣する体を手で撫でて、潤滑油に濡らした指を浮竹の体内に入れる。
「んん・・・・」
くちゅくちゅと解されて、とろとろになった頃に京楽のものが入ってきた。
「ひう!」
「息すってちゃんと吐いて。そうそう」
久し振りの感覚に、体がついていかない。
京楽が突き上げると、浮竹は啼いた。
「あ・・・・ああ・あ・・」
涙が零れた。
「痛いの?」
「違う。お前のものになっているんだなと思って」
「君を、鳥かごにいれたい。誰にも見せたくない。僕だけを見て、僕だけのために囀ってほしい」
「無理を言うな・・・・・」
「うん。無理だね」
「ひあ!やっ」
突き上げる角度が変わり、前立腺を抉られて、浮竹が反応する。
「きもちいい?ここ」
こくこくと、浮竹は頷いた。
「もっと抉ってあげる」
何度も突き上げられて抉られて、浮竹は熱を放っていた。
ほぼ同時に、京楽も浮竹の腹の奥に欲望をぶちまけた。
「久しぶりだから・・・少し、がっつくよ」
「ほどほどにしてくれ・・・・・」
結局、京楽は浮竹の中で4回も放ち、浮竹も何度もいって、最後はドライのオーガズムで達していた。
「ねぇ。僕だけのために、囀って」
「京楽・・・・・・」
「君の命のある限り、僕は君だけを求める」
「俺も、お前の命のがある限り、お前だけを求める」
「十四郎・・・・・・」
「春水・・・・」
互いに、「愛している」と囁いて、深い口づけを交わした。
浮竹は、京楽のためだけに囀る小鳥にはならないが、なるべく京楽だけに囀る。
「君の命が続いていることに、感謝を」
自分の身に宿っている花の神に、感謝を捧げた。
「京楽、風呂にいこう」
「うん」
風呂に入り、身を清めて、新しい布団を出して、二人で寝そべった。
「こんな、穏やかな時間が、大戦後も来るなんて思わなかった。君を失うものだとばかり思っていたよ」
花の神の気まぐれで救われた命だが、大切にしようと思った。
「俺は、霊圧がなくなり隊長ではなくなったが、生き残れてよかったと思っている。本来なら、ミミハギ様を解放したんだから、死んでいたんだがな」
「でも、命は続いている」
「ああ」
京楽は、懐から小さな箱を出した。
「どうしたんだ?」
「翡翠細工の可愛いのを見つけてね。君にあげようと思って」
取り出されたのは、翡翠のあしらわれたヘアピンだった。
花の形にカットされていて、かわいらしかった。
「また、高そうなものを・・・・」
「石はグレードが高いけど、こぶりだから思っているほど高価じゃないよ」
京楽が、ヘアピンで浮竹の前髪をぱちりと留めた。
「君にはやっぱり、翡翠が似合うね」
院生時代から今まで、いろんな翡翠細工の装身具をもらった。使わない時も多いが、大切に雨乾堂にあるタンスの中に保管されていた。
「永久(とこしえ)の愛を君に」
「永久の愛をお前に」
浮竹の白髪が、さらりと音をたてて零れる。
「愛している・・・・・」
浮竹の、京楽にだけ向けられる囀りに、京楽は満足気に微笑んだ。
浮竹という小鳥は、京楽にばかり囀る。
そうなるように、何百年もかけられた。
薄紅色になった京楽の髪と目。
神の器となった京楽。
神に命を救われた浮竹。
時間は、ゆっくりと過ぎていく。もう、互いに失うことなどないのだ。
視力を失った白哉
6隊隊の遠征が行われた。
白哉と恋次が、虚を切りすてる。
流魂街に出没する、強力な虚の群れを退治するのが、今回の任務だった。虚を率いているのは、ザエルアポロに似た破面だった。
本物のザエルアポロは、涅マユリの手の中にある。死体で。
「隊長、ここは私が!」
飛び出してきた15席に向かって、破面が襲い掛かる。
「危ない!」
白哉は、咄嗟に15席を庇った。怪我はしなかったが、何か糸のようなものをつけられた。
「ふふふふふ。朽木白哉。君の目、いただいたよ」
そういう破面に、恋次がとどめをさした。
「大丈夫ですか、隊長」
「恋次か?暗闇で・・・何も見えぬ」
「隊長、目をやられたんですか!」
「眼球は無事だ。目をやられた記憶もない。あるとすれば、糸をつけられたことだろうか」
「こしちゃいられない!もう遠征は終わりですから、すぐに4番隊にいって、虎鉄隊長に診てもらいましょう!」
白哉は、千本桜を鞘に納めたが、真っ暗でどこに行けばいいのか分からなかった。
「俺の手、握ってください。歩けますか?」
「なんとか・・・っ」
石につまずいてこけそうになるのを、恋次が軟かく受け止めた。
流魂街から瀞霊廷に帰還し、早速虎鉄隊長に診てもらったが、敵の怪しげな術のせいだということで、術者が死んでいるので、時間と共に少しずつ見えるようになるとのことだった。
「隊長、朽木邸まで送ります」
「すまぬ、恋次」
目の見えない白哉は、しばらくの間隊長の任務から離れることになった。
朽木邸に、恋次は白哉の視力が戻るまでの間、世話をするために滞在することが決まった。
「隊長・・・夕飯ですが、一人で食べれそうですか」
「きっと、零すな・・・・」
そんな白哉に、恋次は食事を口元に運んでやったり、一緒に風呂に入ったり、甲斐甲斐しく世話を焼いた。
「貴様、兄様の目が見えないのをいいことに、不埒な真似はするなよ!」
ルキアの言葉に、恋次が首を縦に振る。
「こんな状態の隊長を抱くほど、落ちぶれちゃいねぇ」
「ふふ・・・・」
白哉が、二人のやりとりに笑みを零した。
「私の目が見えないことで、暗くなっていないのでよかった」
「兄様、目は光をすぐに取り戻します!それまで、恋次のバカに面倒を見てもらうのはちょっと納得いきませんが、仕方ないこととして受け止めましょう」
「すまぬ。ルキアにも世話をかける」
「いいえ兄様のためなら、たとえ水の中火の中!」
「隊長、風呂いきましょう」
「恋次、貴様くれぐれも変な気を起こすなよ」
「わーってるよ」
風呂場にいき、白哉は隊長羽織と死覇装を自分で抜いだ。下着もぬいで、裸になると、恋次が赤い顔をしているのだが、白哉は目が見得ぬのでそれが分からない。
シミ一つない、綺麗な体だった。色が白く、人形のように整った美貌のせいで、余計に儚く見えた。
「恋次、どこだ。湯船に浸かりたいのだが」
「あ、すみません。俺も今脱ぎます」
恋次に手を引かれて、湯船に浸かる。それから髪と体を洗ってもらい、なんとか自力で服を着た。
「隊長、服が乱れてます。整えますね」
「ああ・・・・・・」
1週間ほど、そんな生活が続いたのだが、徐々に白哉は視力を取り戻していった。
まだぼんやりとなので、介護が必要だったので、恋次が傍にいた。
「恋次、毎日すまぬ」
「隊長、いいですよそんなこと!俺は隊長の傍に居られて嬉しいですし」
「そうか・・・・・」
やがて、完全に視力を取り戻した。視力を失ってから、実に2週間がかかった。
「恋次、礼を言う。もう、大丈夫だ」
そういう白哉を抱き締めて、恋次は名残惜しそうにしていた。
「あーあ。今日で隊長と同じ屋根の下での生活も終わりか」
「では、時折泊まりにくるがいい」
「え、いいんですか!?」
「世話になったのだ。それくらいは造作もない」
恋次は、とても浮かれた。白哉とまた一緒にいられると。
「隊長、愛してます」
口づけを交わす。
白哉の答えは。
「私も愛している」
だった。
白哉と恋次が、虚を切りすてる。
流魂街に出没する、強力な虚の群れを退治するのが、今回の任務だった。虚を率いているのは、ザエルアポロに似た破面だった。
本物のザエルアポロは、涅マユリの手の中にある。死体で。
「隊長、ここは私が!」
飛び出してきた15席に向かって、破面が襲い掛かる。
「危ない!」
白哉は、咄嗟に15席を庇った。怪我はしなかったが、何か糸のようなものをつけられた。
「ふふふふふ。朽木白哉。君の目、いただいたよ」
そういう破面に、恋次がとどめをさした。
「大丈夫ですか、隊長」
「恋次か?暗闇で・・・何も見えぬ」
「隊長、目をやられたんですか!」
「眼球は無事だ。目をやられた記憶もない。あるとすれば、糸をつけられたことだろうか」
「こしちゃいられない!もう遠征は終わりですから、すぐに4番隊にいって、虎鉄隊長に診てもらいましょう!」
白哉は、千本桜を鞘に納めたが、真っ暗でどこに行けばいいのか分からなかった。
「俺の手、握ってください。歩けますか?」
「なんとか・・・っ」
石につまずいてこけそうになるのを、恋次が軟かく受け止めた。
流魂街から瀞霊廷に帰還し、早速虎鉄隊長に診てもらったが、敵の怪しげな術のせいだということで、術者が死んでいるので、時間と共に少しずつ見えるようになるとのことだった。
「隊長、朽木邸まで送ります」
「すまぬ、恋次」
目の見えない白哉は、しばらくの間隊長の任務から離れることになった。
朽木邸に、恋次は白哉の視力が戻るまでの間、世話をするために滞在することが決まった。
「隊長・・・夕飯ですが、一人で食べれそうですか」
「きっと、零すな・・・・」
そんな白哉に、恋次は食事を口元に運んでやったり、一緒に風呂に入ったり、甲斐甲斐しく世話を焼いた。
「貴様、兄様の目が見えないのをいいことに、不埒な真似はするなよ!」
ルキアの言葉に、恋次が首を縦に振る。
「こんな状態の隊長を抱くほど、落ちぶれちゃいねぇ」
「ふふ・・・・」
白哉が、二人のやりとりに笑みを零した。
「私の目が見えないことで、暗くなっていないのでよかった」
「兄様、目は光をすぐに取り戻します!それまで、恋次のバカに面倒を見てもらうのはちょっと納得いきませんが、仕方ないこととして受け止めましょう」
「すまぬ。ルキアにも世話をかける」
「いいえ兄様のためなら、たとえ水の中火の中!」
「隊長、風呂いきましょう」
「恋次、貴様くれぐれも変な気を起こすなよ」
「わーってるよ」
風呂場にいき、白哉は隊長羽織と死覇装を自分で抜いだ。下着もぬいで、裸になると、恋次が赤い顔をしているのだが、白哉は目が見得ぬのでそれが分からない。
シミ一つない、綺麗な体だった。色が白く、人形のように整った美貌のせいで、余計に儚く見えた。
「恋次、どこだ。湯船に浸かりたいのだが」
「あ、すみません。俺も今脱ぎます」
恋次に手を引かれて、湯船に浸かる。それから髪と体を洗ってもらい、なんとか自力で服を着た。
「隊長、服が乱れてます。整えますね」
「ああ・・・・・・」
1週間ほど、そんな生活が続いたのだが、徐々に白哉は視力を取り戻していった。
まだぼんやりとなので、介護が必要だったので、恋次が傍にいた。
「恋次、毎日すまぬ」
「隊長、いいですよそんなこと!俺は隊長の傍に居られて嬉しいですし」
「そうか・・・・・」
やがて、完全に視力を取り戻した。視力を失ってから、実に2週間がかかった。
「恋次、礼を言う。もう、大丈夫だ」
そういう白哉を抱き締めて、恋次は名残惜しそうにしていた。
「あーあ。今日で隊長と同じ屋根の下での生活も終わりか」
「では、時折泊まりにくるがいい」
「え、いいんですか!?」
「世話になったのだ。それくらいは造作もない」
恋次は、とても浮かれた。白哉とまた一緒にいられると。
「隊長、愛してます」
口づけを交わす。
白哉の答えは。
「私も愛している」
だった。
些細な喧嘩
「浮竹のバカ!わからずや!」
「京楽のアホ!とんちんかん!」
二人は、珍しく喧嘩をした。
鴛鴦夫婦として瀞霊廷で有名であるが、数百年も一緒に生きてたら、喧嘩もたまにはする。
二人はぷいっと別々の方向を向いて、京楽は8番隊の隊舎に戻っていってしまった。
喧嘩の原因は、今日の昼のメニューが美味しいか美味しくないかの、本当に下らないことだった。
「京楽のアホ・・・・・」
喧嘩しておいて、すでに浮竹は寂しくなっていた。
京楽に謝りにいこうかと思ったが、京楽に対して怒っているので、やめにした。
次の日、京楽はいつも雨乾堂にくるのに、こなかった。
やはり、喧嘩が原因だろうか。
謝りにいこうか。でも自分から折れるには癪に障る。
結局、そのまま1週間喧嘩をしたまま、顔を合わせることはなかった。
「ぐ・・・・ごほっごほっ」
浮竹は、京楽と喧嘩別れして8日目に、発作を起こした。普段の吐血より、大量の鮮血をまき散らして、清音がすぐに回道をかけたが効果はでず、4番隊の救護詰所に運ばれた。
意識が混濁する。ごほごほと、咳が止まらない。
血をずっと吐いている。
ああ、ここで死ぬんだろうか。
京楽に謝っておけばよかった。
そう思いながら、浮竹は昏睡状態に陥った。
ことの顛末をルキアから聞かされた京楽は、居ても立っても居られずに、4番隊の救護詰所に向かった。
ガラス越しに、集中治療室で絶対安静で昏睡状態の浮竹を見る。たくさんの管がつけられており、それがとても痛々しかった。
「浮竹・・・・ごめんよ。僕が悪かった。だから、早く目を覚まして・・・・・」
京楽の祈りはすぐには届かず、1週間の間浮竹は昏睡状態だった。
卯ノ花から話を聞くと、大きな発作で、命の危機があったが、今は峠はこしたということだった。
「君の好きなおはぎ、何時でも食べれるようにしているから、早く目を覚ましてよ・・・」
そんな京楽の願いが通じたのか、8日目に浮竹が目覚めた。
発作も落ち着いて、普通の病室に移る。
「浮竹・・・そのごめん!僕が悪かった」
「京楽・・・・俺こそ、言いすぎた。すまない」
二人は和解した。
喧嘩をしても、だいたい1週間で元の鞘に戻る。今回は浮竹が大きな発作を起こしたせいで、実に2週間ぶり以上に仲直りをした。
病室で、まだ安静を言い渡されている浮竹を、京楽は毎日見舞いにきた。
「桃、買ってきたんだ。好きでしょ?」
「ああ。桃は好きだ」
皮を剥いて、一口サイズに切ったものを、浮竹の口に運んだ。
「甘いな・・・・・」
果汁をぺろりとなめる仕草が艶めかしくて、京楽はドキリとした。
桃は、3つもってきたのだが、3つとも一気に浮竹は食べてしまった。
やがて、退院の日を迎えた。
雨乾堂まで、ゆっくり歩いて帰った。手を繋いで。
しばらくの間運動をしていなかったし、病院食で浮竹は少し痩せた。
「甘味屋に行こうか」
「お、いいな」
いつでも食べさせようと思っていたおはぎは、浮竹が目覚めないので買うのをやめてしまったのだ。
かわりに、甘味屋に連れて行ってあげようと思っていた。
浮竹と京楽は、一度雨乾堂に戻り、荷物を置くとそのまま甘味屋に出かけた。
久しぶりだったので、浮竹はおはぎを5つとぜんざい2つという、いつもよりかなり少なめの寮だった。
「どうしたの。食欲ない?いつもならこれの3倍は食べるのに」
「卯ノ花隊長に、甘味物ばかり食べていたら糖尿病になると言われた」
卯ノ花の言葉を、浮竹は気にしているようだった。
「糖尿病になるなら、すでになってるでしょ。今まであんだけ甘味物を食べてきたんだから」
「それもそうか」
浮竹は、更に注文して、結局は3人前を平らげてしまった。
「はー。久しぶりの甘味物は美味いな。生き返る。救護詰所の飯はくそまずいからな」
その場に卯ノ花がいたら、「献血をしましょう」といって、しおしおになるまで血をとられていたところだろう。
「ねぇ、今日、君を抱いてもいいかい?」
ストレートな京楽の質問に、浮竹は赤くなりながら頷いた。
「しばらくしていなかったもんな・・・きっと、お互いたまってる」
最低でも1週間に1回は体を重ねていた。
今回は1か月ほど交わっていない。
勘定をすませて、雨乾堂まで手を繋いで帰った。
「君と手を繋いで歩くってあんまりないよね」
「恥ずかしいからな。でも、俺が意識のない間、心配かけさせたからな」
手を繋ぎたいと言い出したのは、京楽だった。
瞬歩を使わずに、歩いて帰る。
夕日に、浮竹の白髪がオレンジ色に染まり、綺麗だと思った。その白い肌も隊長羽織も、オレンジ色に染まっていた。
ただ、翡翠の瞳だけが鮮やかで。
「君の瞳は、本当に翡翠のようだね」
そう言うと、浮竹ははにかんで笑った。
「日番谷隊長の目も、翠だろう」
「日番谷隊長の目は、エメラルドかな。君の瞳は翡翠だ。極上の」
浮竹は、またはにかんで笑った。
「そんなこと言うの、お前くらいだ」
「そうだね。僕以外に口説かれたりしないでね」
「お前くらいだ。俺を口説くのは」
「君は容姿がいいから。死神たちに憧れられている。中には不埒なことを考えるやつもいるかもしれない」
京楽の言葉に、浮竹が首を横に振る。
「容姿のせいなのは慣れてる。それに俺が隊長だ。襲ってくるやつはいないさ」
「そうだね。でも、心配なんだ」
手を繋ぎながら、ゆっくりと歩いた。
夕暮れのオレンジ色に二人は照らされて、とても仲のよい二人に、すれ違う死神たちが「おしどり夫婦だ」と言っていた。
それに二人で苦笑する。
「おしどり夫婦だってさ」
「そりゃ、数百年も恋人をやっていると、そう見られても仕方ないな」
浮竹も否定しない。
おしどり夫婦として有名な二人は、手を繋ぎながらゆっくりと雨乾堂の帰路につくのであった。
「京楽のアホ!とんちんかん!」
二人は、珍しく喧嘩をした。
鴛鴦夫婦として瀞霊廷で有名であるが、数百年も一緒に生きてたら、喧嘩もたまにはする。
二人はぷいっと別々の方向を向いて、京楽は8番隊の隊舎に戻っていってしまった。
喧嘩の原因は、今日の昼のメニューが美味しいか美味しくないかの、本当に下らないことだった。
「京楽のアホ・・・・・」
喧嘩しておいて、すでに浮竹は寂しくなっていた。
京楽に謝りにいこうかと思ったが、京楽に対して怒っているので、やめにした。
次の日、京楽はいつも雨乾堂にくるのに、こなかった。
やはり、喧嘩が原因だろうか。
謝りにいこうか。でも自分から折れるには癪に障る。
結局、そのまま1週間喧嘩をしたまま、顔を合わせることはなかった。
「ぐ・・・・ごほっごほっ」
浮竹は、京楽と喧嘩別れして8日目に、発作を起こした。普段の吐血より、大量の鮮血をまき散らして、清音がすぐに回道をかけたが効果はでず、4番隊の救護詰所に運ばれた。
意識が混濁する。ごほごほと、咳が止まらない。
血をずっと吐いている。
ああ、ここで死ぬんだろうか。
京楽に謝っておけばよかった。
そう思いながら、浮竹は昏睡状態に陥った。
ことの顛末をルキアから聞かされた京楽は、居ても立っても居られずに、4番隊の救護詰所に向かった。
ガラス越しに、集中治療室で絶対安静で昏睡状態の浮竹を見る。たくさんの管がつけられており、それがとても痛々しかった。
「浮竹・・・・ごめんよ。僕が悪かった。だから、早く目を覚まして・・・・・」
京楽の祈りはすぐには届かず、1週間の間浮竹は昏睡状態だった。
卯ノ花から話を聞くと、大きな発作で、命の危機があったが、今は峠はこしたということだった。
「君の好きなおはぎ、何時でも食べれるようにしているから、早く目を覚ましてよ・・・」
そんな京楽の願いが通じたのか、8日目に浮竹が目覚めた。
発作も落ち着いて、普通の病室に移る。
「浮竹・・・そのごめん!僕が悪かった」
「京楽・・・・俺こそ、言いすぎた。すまない」
二人は和解した。
喧嘩をしても、だいたい1週間で元の鞘に戻る。今回は浮竹が大きな発作を起こしたせいで、実に2週間ぶり以上に仲直りをした。
病室で、まだ安静を言い渡されている浮竹を、京楽は毎日見舞いにきた。
「桃、買ってきたんだ。好きでしょ?」
「ああ。桃は好きだ」
皮を剥いて、一口サイズに切ったものを、浮竹の口に運んだ。
「甘いな・・・・・」
果汁をぺろりとなめる仕草が艶めかしくて、京楽はドキリとした。
桃は、3つもってきたのだが、3つとも一気に浮竹は食べてしまった。
やがて、退院の日を迎えた。
雨乾堂まで、ゆっくり歩いて帰った。手を繋いで。
しばらくの間運動をしていなかったし、病院食で浮竹は少し痩せた。
「甘味屋に行こうか」
「お、いいな」
いつでも食べさせようと思っていたおはぎは、浮竹が目覚めないので買うのをやめてしまったのだ。
かわりに、甘味屋に連れて行ってあげようと思っていた。
浮竹と京楽は、一度雨乾堂に戻り、荷物を置くとそのまま甘味屋に出かけた。
久しぶりだったので、浮竹はおはぎを5つとぜんざい2つという、いつもよりかなり少なめの寮だった。
「どうしたの。食欲ない?いつもならこれの3倍は食べるのに」
「卯ノ花隊長に、甘味物ばかり食べていたら糖尿病になると言われた」
卯ノ花の言葉を、浮竹は気にしているようだった。
「糖尿病になるなら、すでになってるでしょ。今まであんだけ甘味物を食べてきたんだから」
「それもそうか」
浮竹は、更に注文して、結局は3人前を平らげてしまった。
「はー。久しぶりの甘味物は美味いな。生き返る。救護詰所の飯はくそまずいからな」
その場に卯ノ花がいたら、「献血をしましょう」といって、しおしおになるまで血をとられていたところだろう。
「ねぇ、今日、君を抱いてもいいかい?」
ストレートな京楽の質問に、浮竹は赤くなりながら頷いた。
「しばらくしていなかったもんな・・・きっと、お互いたまってる」
最低でも1週間に1回は体を重ねていた。
今回は1か月ほど交わっていない。
勘定をすませて、雨乾堂まで手を繋いで帰った。
「君と手を繋いで歩くってあんまりないよね」
「恥ずかしいからな。でも、俺が意識のない間、心配かけさせたからな」
手を繋ぎたいと言い出したのは、京楽だった。
瞬歩を使わずに、歩いて帰る。
夕日に、浮竹の白髪がオレンジ色に染まり、綺麗だと思った。その白い肌も隊長羽織も、オレンジ色に染まっていた。
ただ、翡翠の瞳だけが鮮やかで。
「君の瞳は、本当に翡翠のようだね」
そう言うと、浮竹ははにかんで笑った。
「日番谷隊長の目も、翠だろう」
「日番谷隊長の目は、エメラルドかな。君の瞳は翡翠だ。極上の」
浮竹は、またはにかんで笑った。
「そんなこと言うの、お前くらいだ」
「そうだね。僕以外に口説かれたりしないでね」
「お前くらいだ。俺を口説くのは」
「君は容姿がいいから。死神たちに憧れられている。中には不埒なことを考えるやつもいるかもしれない」
京楽の言葉に、浮竹が首を横に振る。
「容姿のせいなのは慣れてる。それに俺が隊長だ。襲ってくるやつはいないさ」
「そうだね。でも、心配なんだ」
手を繋ぎながら、ゆっくりと歩いた。
夕暮れのオレンジ色に二人は照らされて、とても仲のよい二人に、すれ違う死神たちが「おしどり夫婦だ」と言っていた。
それに二人で苦笑する。
「おしどり夫婦だってさ」
「そりゃ、数百年も恋人をやっていると、そう見られても仕方ないな」
浮竹も否定しない。
おしどり夫婦として有名な二人は、手を繋ぎながらゆっくりと雨乾堂の帰路につくのであった。
浮竹と京楽と海燕と 朝っぱらから盛る2
「隊長、入りますよ」
「今はだめだ、海燕!」
そんな声を無視して、雨乾堂の中に入った海燕が見たものは、死覇装を脱がされかけて、京楽に抱かれかけている浮竹の姿だった。
「ちょっと隊長!またですか!朝から盛るなってこの前言いましたよね!?」
「言うなら、京楽に言ってくれっ」
「京楽隊長、夜ならいいですけど、朝っぱらから盛らないでください。うちの隊長にも仕事があるんです。いつもさぼってるあんたとは違う」
そういう海燕をひょいっと持ち上げて、ぺっ、と雨乾堂から追い出す京楽に、海燕が切れた。
「あんたねぇ!常識考えろ!」
「これは僕らの問題だ。海燕君には関係ない」
「それでも、俺は断固として止めますからね!浮竹隊長、押し倒されれてないで、こっちにきてください」
浮竹は、なんとか京楽の下から這い出て、死覇装を直し、海燕の後ろに隠れた。
「ひどいなぁ。まるで僕が、いじめてるようじゃないか」
「似たようなもんでしょう」
「そんなことないよ。僕はただ、浮竹を抱きたいだけだから」
「だから、夜にしてください!こんな朝っぱらから盛るな!」
「そうだそ、京楽」
浮竹がそう言うと、京楽は仕方なさそうに困った顔をした。
「今すぐ君を抱いて、腹の奥に出して孕ませたい」
その言葉に、浮竹でなく海燕も真っ赤になった。
「あんた、何言ってるんだ」
「思ったことを言ってるだけだよ」
「とにかく、夜にしてください!今日は一日中、俺が見張っていますからね!」
「けちー」
けちも何もないと思うのだが、海燕はそれ以上何も言わなかった。
京楽はいつものように仕事を持ってきていて、浮竹の隣の黒檀の机で仕事をしはじめた。
いつもなら、海燕は隊舎に下がるのだが、京楽が盛らないように見張っていた。
海燕も、隊舎でする書類仕事を雨乾堂にもちこみ、3人で黙々と仕事を続けた。
昼休憩をいれて、海燕が昼餉をもってくる隙に、京楽はまた浮竹を押し倒していた。
「あんた、いい加減にしろ!」
ごん。
京楽の頭を、海燕は殴った。
京楽は涙目で痛いと言っていた。
3時の休憩までにはその日の仕事は終わり、自由時間になった。海燕のことなど空気として、京楽が浮竹を押し倒す。
「はぁ・・・・・まぁ、朝から盛られるよりましですね。仕事も終わったし、好きにしてください」
海燕は呆れて、隊舎の方に戻ってしまった。
「京楽、本当に今日はどうしたんだ」
死覇装をぬがせられながら、愛しい相手に声をかける。
「君が・・・・死ぬ夢を見た」
「なんだそれは。ただの夢だろう」
「妙にリアルなんだ。鮮血の血の暖かかさまで感じて・・・浮竹が死んでしまうと思った」
「俺は、ちゃんとここにいるだろう?」
「うん・・・・」
唇を重ねる。
すでに浮竹の死覇装は脱がされていて、京楽も隊長羽織と死覇装を脱いでいた。
布団をしき、もつれあう。
「大好きだよ、十四郎」
「俺もだ、春水」
京楽は、浮竹の体中にキスマークを残していく。いつもはしない首筋にもキスマークを残した。
それに、浮竹は何も言わなかった。
相当に酷い夢を見たのだろう。行為はゆっくりであったが、浮竹がそこにいることを確かめるように何度も何度もキスをして、抱き締められた。
全体の輪郭を確かめるようになぞられて、鎖骨から臍にかけて舌が這う。うつぶせにされて、肩甲骨にキスをされて、背骨のラインを舌が辿っていった。
胸の先端をいじりまわし、京楽が口を開く。
「指、いれるよ・・・・ああやっぱりやめよう」
「?」
浮竹が首を傾げと、京楽は浮竹の太腿を閉じさせて、素股をし始めた。
「この前、交わったばかりだからね」
潤滑油に濡れた京楽のものが、浮竹の閉じられた太腿の間をいききする。同時に浮竹のものを握り、扱ってやると、浮竹はあっけなく精を放った。
「あ!・・・・・んあ・・」
ぬるぬると滑る内股を、京楽の大きなものが出入りする。いつもあんなものを腹の奥にいれられているのかと思うと、少し怖くなった。
「もうちょっと、太もも閉じて・・・そう、その調子」
京楽に言われた通りに、太腿を閉じる。
「ああ、いいね・・・・」
「ンン・・・・・」
中を犯されているわけではないので、後ろの快楽はなかったが、京楽は浮竹のものを素股をしながらいじってくるので、気持ちよかった。
「んあ!」
浮竹が二度目の精液を吐きだす頃には、京楽もいっていた。
ぼたぼたと、布団のシーツにこぼれる体液をタオルでふきとって、また素股を再開した。
「ああ!」
散々いじられた浮竹のものは、もう透明な蜜を零すだけで、吐き出すはないようだった。それでも、京楽は浮竹の前をいじった。
「京楽。俺はもういいから・・・・・」
「素股じゃあ、オーガズムでいけないからね」
何度か浮竹の太腿を出入りして、京楽もやっと二度目の熱を放った。
「やっぱり、最後までしたいな」
「え」
指が、体内に入ってきた。
ばらばらに前立腺を刺激されて、ドライのオーガズムで達してしまった。
蕾をほぐして、そそり立ったものを宛がい、一気に貫いた。
「ああああ!」
ぱんぱんと腰がぶつかる音がした。
何度も前立腺を刺激されて、浮竹が痙攣する。その度にドライでいっているのだと分かって、京楽は満足そうだった。
京楽は、最後に浮竹の腹の奥に子種を注いで、それで今日は終わりだった。
「お風呂行こう」
「ああ」
交わったのが一度だけなので、浮竹も体力はさして削られていなかった。
二人では少し狭い、雨乾堂備え付けの風呂場で、京楽が浮竹の中に放ったものをかきだして、髪と体を洗い、湯船に浸かった。
「睦みあうのに、時間なんて関係ないと思うんだけど、君はどう?」
「俺は、できれば夜がいい。今日は特別だ」
「優しいね。ありがと」
「まだ俺が死ぬって恐怖はあるか?」
「ないよ。君を抱いたら、どこかにすっとんでいっちゃった」
浮竹は苦笑した。
「俺は、いつでもお前の傍にいるだろう。置いていかないさ」
「そうだね」
それから50年以上が経過した時、浮竹が「置いていかない」という言葉を反故にしてしまうのだが、京楽はそれを受け入れるしかないのだった。
「今はだめだ、海燕!」
そんな声を無視して、雨乾堂の中に入った海燕が見たものは、死覇装を脱がされかけて、京楽に抱かれかけている浮竹の姿だった。
「ちょっと隊長!またですか!朝から盛るなってこの前言いましたよね!?」
「言うなら、京楽に言ってくれっ」
「京楽隊長、夜ならいいですけど、朝っぱらから盛らないでください。うちの隊長にも仕事があるんです。いつもさぼってるあんたとは違う」
そういう海燕をひょいっと持ち上げて、ぺっ、と雨乾堂から追い出す京楽に、海燕が切れた。
「あんたねぇ!常識考えろ!」
「これは僕らの問題だ。海燕君には関係ない」
「それでも、俺は断固として止めますからね!浮竹隊長、押し倒されれてないで、こっちにきてください」
浮竹は、なんとか京楽の下から這い出て、死覇装を直し、海燕の後ろに隠れた。
「ひどいなぁ。まるで僕が、いじめてるようじゃないか」
「似たようなもんでしょう」
「そんなことないよ。僕はただ、浮竹を抱きたいだけだから」
「だから、夜にしてください!こんな朝っぱらから盛るな!」
「そうだそ、京楽」
浮竹がそう言うと、京楽は仕方なさそうに困った顔をした。
「今すぐ君を抱いて、腹の奥に出して孕ませたい」
その言葉に、浮竹でなく海燕も真っ赤になった。
「あんた、何言ってるんだ」
「思ったことを言ってるだけだよ」
「とにかく、夜にしてください!今日は一日中、俺が見張っていますからね!」
「けちー」
けちも何もないと思うのだが、海燕はそれ以上何も言わなかった。
京楽はいつものように仕事を持ってきていて、浮竹の隣の黒檀の机で仕事をしはじめた。
いつもなら、海燕は隊舎に下がるのだが、京楽が盛らないように見張っていた。
海燕も、隊舎でする書類仕事を雨乾堂にもちこみ、3人で黙々と仕事を続けた。
昼休憩をいれて、海燕が昼餉をもってくる隙に、京楽はまた浮竹を押し倒していた。
「あんた、いい加減にしろ!」
ごん。
京楽の頭を、海燕は殴った。
京楽は涙目で痛いと言っていた。
3時の休憩までにはその日の仕事は終わり、自由時間になった。海燕のことなど空気として、京楽が浮竹を押し倒す。
「はぁ・・・・・まぁ、朝から盛られるよりましですね。仕事も終わったし、好きにしてください」
海燕は呆れて、隊舎の方に戻ってしまった。
「京楽、本当に今日はどうしたんだ」
死覇装をぬがせられながら、愛しい相手に声をかける。
「君が・・・・死ぬ夢を見た」
「なんだそれは。ただの夢だろう」
「妙にリアルなんだ。鮮血の血の暖かかさまで感じて・・・浮竹が死んでしまうと思った」
「俺は、ちゃんとここにいるだろう?」
「うん・・・・」
唇を重ねる。
すでに浮竹の死覇装は脱がされていて、京楽も隊長羽織と死覇装を脱いでいた。
布団をしき、もつれあう。
「大好きだよ、十四郎」
「俺もだ、春水」
京楽は、浮竹の体中にキスマークを残していく。いつもはしない首筋にもキスマークを残した。
それに、浮竹は何も言わなかった。
相当に酷い夢を見たのだろう。行為はゆっくりであったが、浮竹がそこにいることを確かめるように何度も何度もキスをして、抱き締められた。
全体の輪郭を確かめるようになぞられて、鎖骨から臍にかけて舌が這う。うつぶせにされて、肩甲骨にキスをされて、背骨のラインを舌が辿っていった。
胸の先端をいじりまわし、京楽が口を開く。
「指、いれるよ・・・・ああやっぱりやめよう」
「?」
浮竹が首を傾げと、京楽は浮竹の太腿を閉じさせて、素股をし始めた。
「この前、交わったばかりだからね」
潤滑油に濡れた京楽のものが、浮竹の閉じられた太腿の間をいききする。同時に浮竹のものを握り、扱ってやると、浮竹はあっけなく精を放った。
「あ!・・・・・んあ・・」
ぬるぬると滑る内股を、京楽の大きなものが出入りする。いつもあんなものを腹の奥にいれられているのかと思うと、少し怖くなった。
「もうちょっと、太もも閉じて・・・そう、その調子」
京楽に言われた通りに、太腿を閉じる。
「ああ、いいね・・・・」
「ンン・・・・・」
中を犯されているわけではないので、後ろの快楽はなかったが、京楽は浮竹のものを素股をしながらいじってくるので、気持ちよかった。
「んあ!」
浮竹が二度目の精液を吐きだす頃には、京楽もいっていた。
ぼたぼたと、布団のシーツにこぼれる体液をタオルでふきとって、また素股を再開した。
「ああ!」
散々いじられた浮竹のものは、もう透明な蜜を零すだけで、吐き出すはないようだった。それでも、京楽は浮竹の前をいじった。
「京楽。俺はもういいから・・・・・」
「素股じゃあ、オーガズムでいけないからね」
何度か浮竹の太腿を出入りして、京楽もやっと二度目の熱を放った。
「やっぱり、最後までしたいな」
「え」
指が、体内に入ってきた。
ばらばらに前立腺を刺激されて、ドライのオーガズムで達してしまった。
蕾をほぐして、そそり立ったものを宛がい、一気に貫いた。
「ああああ!」
ぱんぱんと腰がぶつかる音がした。
何度も前立腺を刺激されて、浮竹が痙攣する。その度にドライでいっているのだと分かって、京楽は満足そうだった。
京楽は、最後に浮竹の腹の奥に子種を注いで、それで今日は終わりだった。
「お風呂行こう」
「ああ」
交わったのが一度だけなので、浮竹も体力はさして削られていなかった。
二人では少し狭い、雨乾堂備え付けの風呂場で、京楽が浮竹の中に放ったものをかきだして、髪と体を洗い、湯船に浸かった。
「睦みあうのに、時間なんて関係ないと思うんだけど、君はどう?」
「俺は、できれば夜がいい。今日は特別だ」
「優しいね。ありがと」
「まだ俺が死ぬって恐怖はあるか?」
「ないよ。君を抱いたら、どこかにすっとんでいっちゃった」
浮竹は苦笑した。
「俺は、いつでもお前の傍にいるだろう。置いていかないさ」
「そうだね」
それから50年以上が経過した時、浮竹が「置いていかない」という言葉を反故にしてしまうのだが、京楽はそれを受け入れるしかないのだった。