温もり
「ん・・・・・京楽?」
「どうしたの」
ふと眠っていると、隣にあったはずの体温が消えていて、不安げな声を出していた。
「京楽、傍にいてくれ」
素直に甘えてくる浮竹は可愛かった。
「どうしたの、何が悪い夢でも見たの?」
「違う・・・ただ、隣に温もりがなくて」
その日は雨乾堂に泊まっていた。
仕方ないねぇと、京楽は僅かな明かりをつけて、浮竹の隣で寝そべりながら小説を読みだした。
「これくらいの光なら、寝れるでしょ?ちゃんと隣にいるから、もう一回寝なよ」
「京楽は、寝ないのか?」
「ちょっと今日は昼寝しすぎちゃってね・・・・眠くないんだ」
いつもなら、眠剤を飲むところだが、小説の続きが気になって仕方なかった。
「なんの小説を読んでいるんだ?」
「青春白書。他愛もない生徒と教師の禁断のラブストーリー」
「生徒と教師・・・なんか萌える設定だな」
「そうでしょ」
1巻を浮竹に渡すと、浮竹も読みだした。5巻で完結だった。
最初は面白くて読んでいたが、眠気にまけて、そのうちスースーと静かな寝息をたてだした浮竹に、苦笑して毛布と布団を肩までかけてやる。
「風邪引かないようにね・・・・・」
眠っている浮竹の顔は、あどけない。学院時代と変わらぬ寝顔だった。
確かにあの頃よりは年は重ねてしまったが、浮竹の寝顔のあどけなさはちっとも変わっていなかった。
実際の年よりも、大分幼く見えた。
「僕も君も、いい年をした大人なのにね」
浮竹と同じ布団で眠っていた。まだ肌寒い季節だ。
京楽も、小説に栞を挟み、横になる。
やっとのことでやってきた睡魔だ。これで寝れなかったら、薬を飲んで寝ようと思った。
次の日の朝、寒さで目が覚めた。
見ると、寝返りを打った浮竹に毛布も布団もとられていた。
なんとか自分の上に毛布と布団をかけて、もう一度眠りだす。
寝た時刻が遅かったので、京楽は昼過ぎまで寝てしまった。
「寝すぎた!」
隣で浮竹はまだ寝ていた。
「ねぇ、浮竹、いい加減に起きなよ」
起こすと、寝ぼけ眼で浮竹が起き出した。
「今何時だ?」
「昼の1時」
「どうせ今日は互いに休日だ。いくら寝ても、誰にも文句は言われないさ」
それでも、寝すぎると夜に眠れなくなるからと、まだ眠り足りなさそうな浮竹を布団から追い出して、布団を畳んで押し入れになおした。
「この時間だと、朝餉は流石にないか。昼餉を食べに行こう」
「ふあ~」
浮竹は大きな欠伸をしてから、伸びをした。
「ふーよく寝た。13時間かな」
「君、それ眠りすぎだから・・・・・」
浮竹は、たまに怠惰だ。それは院生時代から変わっていない。
院生時代は登校時間ぎりぎりまで寝ていて、よく朝食を食べなかった。
13番隊の隊舎にいき、食堂で昼餉を食べた。
それからすることもないので、互いにごろごろしながら、青春白書という、夜に読んでいた小説を読みだす。
浮竹は読むのが早いのか、もう2巻を読み終わってしまった。
今、京楽が読んでいるのが3巻だ。
「早く3巻を渡せ」
そう言われて、読んでいる最中だったが、3巻を浮竹に渡した。
途中なので、4巻を読むわけにもいかず、浮竹のサラサラな白髪を手ですいたり、三つ編みにして遊んでいたら、30分ほどで浮竹は3巻を読み終えてしまった。
「そんなに早く読み終わるの?」
「早読みは得意なんだ」
学院時代、国語の成績は常に学年TOPだったことを思い出す。
古典もだ。
問題文を読むのが早いので、その分回答に時間が回せるのだ。そもそも秀才だ。影で努力をして学年TOPを維持していた。
「なんだか、早読みできるのって、羨ましいけど時間がつぶせなくなって、悲しくもあるね」
「遅く読もうと思ったら、それもできる」
「じゃあ4巻からは遅く読んでみれば?どうせ今日すること何もないんだし」
3巻を京楽に返す。
「そうしてみる」
今度は遅かった。2時間かけて、4巻を読み終えた。京楽は3巻を読み終えたが、4巻を浮竹が読んでいるので、ごろ寝をしていたり、浮竹の膝の上に頭を乗せて寝たりしていた。
「今日は寒いな・・・・」
火鉢にあたりだす。
毛布をだしてきて、それを羽織った。
「大丈夫?」
「お前の温もりが欲しい」
浮竹を抱き締めた。その暖かさに安堵して、浮竹は目を細める。
「お前は、いつでも暖かいな・・・・・」
「ちょっと、体温が高いのかもね」
平熱も、いつも36度7分とかそんなだ。
微熱の範囲など、京楽にとっては熱にならない。
「もっと、温もりが欲しい」
二人は、乱れ合って畳の上に転がった。
「ん・・・・・」
口づけられて、浮竹もそれに応えだす。
いざ衣服を脱がそうとすると、寒いからと駄目だと言われた。
半殺し状態にされて、そんな殺生なと、情けない声をあげる京楽。
「布団をしいて、ぬくぬくしよう」
仕方なしに布団をしいて、睦みあうでのもなしにごろごろしながら、温もりを浮竹に与えた。
「お前は暖かいな・・・人間ホッカイロみたいだ」
「君にだけだよ」
「分かってる」
京楽が、誰かと床を共にするとしたら、浮竹以外にいない。
結局、その日はお互いを抱き締めあいながら、横になって体温を共有しあい、小説の感想など他愛もないことを口にしながら、夜を迎えた。
少し早めに夕餉をとり、明日の朝に京楽は8番隊隊舎に戻るので、一緒に湯浴みをして少し早めに眠った。
その日も寒かった。
「はっくしょん」
京楽は、寒気で目が覚めた。
浮竹がまた、一人で毛布と布団を占領していた。仕方なしにもう一組、布団をしくと、浮竹が目覚める。
「京楽、傍にいろ。お間の温もりが欲しい」
「じゃあ、毛布と布団の独り占めはやめてね」
その声に、自分が京楽の分まで占領していたのだと知って、赤くなった。
赤くなる浮竹もかわいいなぁと、京楽は呑気だった。
次の日は朝の8時に起きた。互いに仕事をがあるので、しばらくのお別れだ。
「また、温もりをくれ」
「今度は抱いてもいい?」
そう耳元で囁くと、浮竹は真っ赤になってバカといいながも、了承してくれるのだった。
「どうしたの」
ふと眠っていると、隣にあったはずの体温が消えていて、不安げな声を出していた。
「京楽、傍にいてくれ」
素直に甘えてくる浮竹は可愛かった。
「どうしたの、何が悪い夢でも見たの?」
「違う・・・ただ、隣に温もりがなくて」
その日は雨乾堂に泊まっていた。
仕方ないねぇと、京楽は僅かな明かりをつけて、浮竹の隣で寝そべりながら小説を読みだした。
「これくらいの光なら、寝れるでしょ?ちゃんと隣にいるから、もう一回寝なよ」
「京楽は、寝ないのか?」
「ちょっと今日は昼寝しすぎちゃってね・・・・眠くないんだ」
いつもなら、眠剤を飲むところだが、小説の続きが気になって仕方なかった。
「なんの小説を読んでいるんだ?」
「青春白書。他愛もない生徒と教師の禁断のラブストーリー」
「生徒と教師・・・なんか萌える設定だな」
「そうでしょ」
1巻を浮竹に渡すと、浮竹も読みだした。5巻で完結だった。
最初は面白くて読んでいたが、眠気にまけて、そのうちスースーと静かな寝息をたてだした浮竹に、苦笑して毛布と布団を肩までかけてやる。
「風邪引かないようにね・・・・・」
眠っている浮竹の顔は、あどけない。学院時代と変わらぬ寝顔だった。
確かにあの頃よりは年は重ねてしまったが、浮竹の寝顔のあどけなさはちっとも変わっていなかった。
実際の年よりも、大分幼く見えた。
「僕も君も、いい年をした大人なのにね」
浮竹と同じ布団で眠っていた。まだ肌寒い季節だ。
京楽も、小説に栞を挟み、横になる。
やっとのことでやってきた睡魔だ。これで寝れなかったら、薬を飲んで寝ようと思った。
次の日の朝、寒さで目が覚めた。
見ると、寝返りを打った浮竹に毛布も布団もとられていた。
なんとか自分の上に毛布と布団をかけて、もう一度眠りだす。
寝た時刻が遅かったので、京楽は昼過ぎまで寝てしまった。
「寝すぎた!」
隣で浮竹はまだ寝ていた。
「ねぇ、浮竹、いい加減に起きなよ」
起こすと、寝ぼけ眼で浮竹が起き出した。
「今何時だ?」
「昼の1時」
「どうせ今日は互いに休日だ。いくら寝ても、誰にも文句は言われないさ」
それでも、寝すぎると夜に眠れなくなるからと、まだ眠り足りなさそうな浮竹を布団から追い出して、布団を畳んで押し入れになおした。
「この時間だと、朝餉は流石にないか。昼餉を食べに行こう」
「ふあ~」
浮竹は大きな欠伸をしてから、伸びをした。
「ふーよく寝た。13時間かな」
「君、それ眠りすぎだから・・・・・」
浮竹は、たまに怠惰だ。それは院生時代から変わっていない。
院生時代は登校時間ぎりぎりまで寝ていて、よく朝食を食べなかった。
13番隊の隊舎にいき、食堂で昼餉を食べた。
それからすることもないので、互いにごろごろしながら、青春白書という、夜に読んでいた小説を読みだす。
浮竹は読むのが早いのか、もう2巻を読み終わってしまった。
今、京楽が読んでいるのが3巻だ。
「早く3巻を渡せ」
そう言われて、読んでいる最中だったが、3巻を浮竹に渡した。
途中なので、4巻を読むわけにもいかず、浮竹のサラサラな白髪を手ですいたり、三つ編みにして遊んでいたら、30分ほどで浮竹は3巻を読み終えてしまった。
「そんなに早く読み終わるの?」
「早読みは得意なんだ」
学院時代、国語の成績は常に学年TOPだったことを思い出す。
古典もだ。
問題文を読むのが早いので、その分回答に時間が回せるのだ。そもそも秀才だ。影で努力をして学年TOPを維持していた。
「なんだか、早読みできるのって、羨ましいけど時間がつぶせなくなって、悲しくもあるね」
「遅く読もうと思ったら、それもできる」
「じゃあ4巻からは遅く読んでみれば?どうせ今日すること何もないんだし」
3巻を京楽に返す。
「そうしてみる」
今度は遅かった。2時間かけて、4巻を読み終えた。京楽は3巻を読み終えたが、4巻を浮竹が読んでいるので、ごろ寝をしていたり、浮竹の膝の上に頭を乗せて寝たりしていた。
「今日は寒いな・・・・」
火鉢にあたりだす。
毛布をだしてきて、それを羽織った。
「大丈夫?」
「お前の温もりが欲しい」
浮竹を抱き締めた。その暖かさに安堵して、浮竹は目を細める。
「お前は、いつでも暖かいな・・・・・」
「ちょっと、体温が高いのかもね」
平熱も、いつも36度7分とかそんなだ。
微熱の範囲など、京楽にとっては熱にならない。
「もっと、温もりが欲しい」
二人は、乱れ合って畳の上に転がった。
「ん・・・・・」
口づけられて、浮竹もそれに応えだす。
いざ衣服を脱がそうとすると、寒いからと駄目だと言われた。
半殺し状態にされて、そんな殺生なと、情けない声をあげる京楽。
「布団をしいて、ぬくぬくしよう」
仕方なしに布団をしいて、睦みあうでのもなしにごろごろしながら、温もりを浮竹に与えた。
「お前は暖かいな・・・人間ホッカイロみたいだ」
「君にだけだよ」
「分かってる」
京楽が、誰かと床を共にするとしたら、浮竹以外にいない。
結局、その日はお互いを抱き締めあいながら、横になって体温を共有しあい、小説の感想など他愛もないことを口にしながら、夜を迎えた。
少し早めに夕餉をとり、明日の朝に京楽は8番隊隊舎に戻るので、一緒に湯浴みをして少し早めに眠った。
その日も寒かった。
「はっくしょん」
京楽は、寒気で目が覚めた。
浮竹がまた、一人で毛布と布団を占領していた。仕方なしにもう一組、布団をしくと、浮竹が目覚める。
「京楽、傍にいろ。お間の温もりが欲しい」
「じゃあ、毛布と布団の独り占めはやめてね」
その声に、自分が京楽の分まで占領していたのだと知って、赤くなった。
赤くなる浮竹もかわいいなぁと、京楽は呑気だった。
次の日は朝の8時に起きた。互いに仕事をがあるので、しばらくのお別れだ。
「また、温もりをくれ」
「今度は抱いてもいい?」
そう耳元で囁くと、浮竹は真っ赤になってバカといいながも、了承してくれるのだった。
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京楽と浮竹と海燕と 熱を出した浮竹
海燕は、急いでいた。
駄菓子屋にいって、美味い棒10本買って来いといわれた。
自分で行けと言ったが、1万環のお札をぴらぴらされた。
どうせ、京楽にでももらったのだろう。
駄菓子屋にいって美味い棒10本買うだけで、1万環がもらえるのはおいしすぎる。
駄菓子屋で美味い棒を、味が重ならないように買って帰ってくると、浮竹はいなかった。
「どこいったんだ、隊長・・・・」
ぱしゃぱしゃと、池で音がして、まさかと思って外を見てみると、まだ寒い季節なのに浮竹が死覇装に隊長羽織のまま、池に入っていた。
「何してるんですか、隊長!熱出したらどうするんですか!」
海燕が、浮竹をとめに自分も池の中にはいった。
震えるような寒さではなかったが、若干冷たいと思った。
「あれ、海燕?俺は、確か簪を落として・・・・」
水底に、煌めいているものがった。
「これですか?」
「ああ、それだ」
浮竹は、大切そうに簪を懐に入れる。
とにかく浮竹を池からあがらせて、風呂で体を温めさせて、着換えさせた。
懐にいれられていた簪を見る。
翡翠の飾りがついた、見るからの高級そうなものだった。きっと、京楽からの贈り物だろう。
「今日は・・・俺は何をしていたんだろう」
そんなことを言ってくるので、まさかと思い額に手を当てると、凄く熱かった。
「よくそんな熱で動けますね!布団しくから、早く横になってください!」
「うん?」
よく分かっていない浮竹に、熱があると言って、解熱剤と念のために風邪薬も飲ませて横になってもらった。
冷えたタオルを、その額に乗せる。
「あの、美味い棒は・・・・・・」
「美味い棒?それがどうかしたか?」
がっくりときた。やはりあの1万環は、熱で自分が何をしているのか分からない浮竹の仕業だったのだ。考えてみればそれもそうだろう。浮竹なら、自分で駄菓子屋にいって美味い棒を買って帰ってくる。
1万環も誰かにあげて、買ってこさせるほど、無駄遣いではない。
「お邪魔するよ~。浮竹遊ぼ~」
「ああもう、こんな時に・・・・・」
雨乾堂の部屋を見回して、京楽は浮竹の傍にきた。
「浮竹、熱あるんでしょう?眠りなよ」
「それが、目が冴えてて眠れない」
「仕方ないねぇ」
懐から粉薬をだして、それを浮竹に飲ませた。
「おい、あんた何飲ませた」
「軽い、眠剤だよ」
浮竹は眠気を訴えて、しまいには眠ってしまった。
「たまにしか飲ませないけどね。どうしても眠れない時とかにあげてるんだ」
「それ、京楽隊長用に処方されたものなんじゃないんですか」
「そうだよ」
「浮竹隊長に与えていいんですか」
「何、僕もお世話なるのはほんとにたまにだし。体に害はないし、依存性もない軽い薬だから大丈夫だよ」
「それでも、できるだけ隊長に飲ませないでください。自然に寝れなくなってしまう」
浮竹を心配するあまり、海燕は不機嫌になっていた。
「何、そんなに心配?」
「そりゃ心配です。自分の上司ですし」
「じゃあ、これあげるから、今日の夜にでも試してごらん」
粉薬を渡されて、海燕は逡巡する。
普通こういう薬は医者の処方通りに飲む必要があるが、流魂街などでは金を少し出すだけで簡単に手に入った。もっときついやつだが。
「今後も飲ませるなら、一度試してみます」
その日、浮竹は翌日の朝までよく眠った。
家に帰り、都の手料理を食べて、いざ寝るというときに思い切って薬を飲んでみた。
耐性がないので、もっとくらくらするかと思っていたが、体は楽だった。
しまいに少し眠くなってきて、横になると意識は闇に落ちた。
翌日はすっきりしていた。
薬の効果のせいか、深く眠れて、いつもの疲れがとれていた。
「悪くはないのかもしれない・・・・」
そう思った。
熱を出して辛い状態で起きているよりは、薬の効果でも眠っていたほうが楽だろう。
その日、雨乾堂に行くと、まだ布団に横になっている浮竹が、畳の上でごろ寝している京楽と話し合っていた。
「隊長、熱は下がりましたか?」
「いや、まだ微熱だが熱がある。起きているとお前がうるさそうだから、こうやって大人しく床についている」
「床にいて正解ですね。起き出して熱があがったりしたら、俺は無茶苦茶あんたを叱りますよ」
おお怖いといいながら、浮竹は京楽と院生時代のことを話していた。
聞いていると、同じ寮で隣の席で、2回生の冬に告白されて、4回生の終わりに正式に交際しだしたそうだ。
「学院の近くにある、壬生の甘味屋はまだやっているだろうか」
「ああ、あそこは老朽化して潰れたよ」
「なんだって」
驚く浮竹。学院時代は、よくそこの甘味屋に京楽と一緒に通ったのだ。
「代わりに、すぐ目のまえに建てられた建物の2Fが甘味屋になってるよ」
「2Fなのか・・・・客の入り具合はどうだろう」
「この前食べにいったけど、そこそこ客は入っていたよ」
浮竹が拗ねる。
「ずるいぞ、自分だけなんて」
「いや、君が肺の発作で入院してた時だから。見舞いの品であげたおはぎは、そこの店で買ったものだよ」
「そうか・・・未だにあの店はあるんだな。今度暇な時、少し遠出になるが、いかないか?」
「いいよ。でも今は、熱を下げること。少しくらい動いてもいいけど、あんまりふらふら出歩かないでね」
京楽の言葉に頷きつつ、浮竹は起き出した。
でも、あまり動かずに京楽と一緒にまた、院生時代のことについて話し出す。
会話の内容についていけず、海燕は自分一人は蚊帳の外にいる気分だった。
「海燕!今度、海燕も一緒にいかないか。学院の近くの下町にある壬生の甘味屋っていう老舗なんだが」
「ああ、チェーン店構えるとこの、本舗ですか?」
「そうだ」
「行きます」
「だそうだ、京楽」
「海燕君は、自分で食べた分のお金払ってね」
「誰も京楽隊長になんてたからないので、安心してください」
くだらないやりとりだが、楽しかった。
夫婦みたいに幸せな二人の間に入ることになるのだが、二人ともそれが苦ではないらしい。
浮竹は、それ以上熱をあげないために、また横になった。
「ちょっと、暇だし瞬歩で老舗からおはぎ買ってくるね」
京楽がそう言って、出ていってしまった。
30分で帰ってきた。
混んでいたようで、買い求めるのに少し時間がかかったらしい。
「浮竹、熱はもういいの?」
完全に起き上がって、小説を読んでいた浮竹の額に手をあてると、平温にまで下がっていた。
「ああ、もう熱はさがった」
「解熱剤が効いたんでしょう」
海燕もいれて、3人で仲よくおはぎをわけて食べた。浮竹は甘味物をよく食べるので、二人の倍の数を食べたが、そうなるよう調整されていた。
ああ。本当に、京楽隊長は、こんな細かいところまで気配りができて、すごいと思う海燕だった。
京楽と知り合って、まだ20年も経っていないが、京楽はとにかく浮竹に甘い。浮竹も幸せそうで、喧嘩をしている姿はたまに見かけることもあったが、まさに鴛鴦夫婦のようで。
ああ、俺も大分毒されていると思う海燕だった。
駄菓子屋にいって、美味い棒10本買って来いといわれた。
自分で行けと言ったが、1万環のお札をぴらぴらされた。
どうせ、京楽にでももらったのだろう。
駄菓子屋にいって美味い棒10本買うだけで、1万環がもらえるのはおいしすぎる。
駄菓子屋で美味い棒を、味が重ならないように買って帰ってくると、浮竹はいなかった。
「どこいったんだ、隊長・・・・」
ぱしゃぱしゃと、池で音がして、まさかと思って外を見てみると、まだ寒い季節なのに浮竹が死覇装に隊長羽織のまま、池に入っていた。
「何してるんですか、隊長!熱出したらどうするんですか!」
海燕が、浮竹をとめに自分も池の中にはいった。
震えるような寒さではなかったが、若干冷たいと思った。
「あれ、海燕?俺は、確か簪を落として・・・・」
水底に、煌めいているものがった。
「これですか?」
「ああ、それだ」
浮竹は、大切そうに簪を懐に入れる。
とにかく浮竹を池からあがらせて、風呂で体を温めさせて、着換えさせた。
懐にいれられていた簪を見る。
翡翠の飾りがついた、見るからの高級そうなものだった。きっと、京楽からの贈り物だろう。
「今日は・・・俺は何をしていたんだろう」
そんなことを言ってくるので、まさかと思い額に手を当てると、凄く熱かった。
「よくそんな熱で動けますね!布団しくから、早く横になってください!」
「うん?」
よく分かっていない浮竹に、熱があると言って、解熱剤と念のために風邪薬も飲ませて横になってもらった。
冷えたタオルを、その額に乗せる。
「あの、美味い棒は・・・・・・」
「美味い棒?それがどうかしたか?」
がっくりときた。やはりあの1万環は、熱で自分が何をしているのか分からない浮竹の仕業だったのだ。考えてみればそれもそうだろう。浮竹なら、自分で駄菓子屋にいって美味い棒を買って帰ってくる。
1万環も誰かにあげて、買ってこさせるほど、無駄遣いではない。
「お邪魔するよ~。浮竹遊ぼ~」
「ああもう、こんな時に・・・・・」
雨乾堂の部屋を見回して、京楽は浮竹の傍にきた。
「浮竹、熱あるんでしょう?眠りなよ」
「それが、目が冴えてて眠れない」
「仕方ないねぇ」
懐から粉薬をだして、それを浮竹に飲ませた。
「おい、あんた何飲ませた」
「軽い、眠剤だよ」
浮竹は眠気を訴えて、しまいには眠ってしまった。
「たまにしか飲ませないけどね。どうしても眠れない時とかにあげてるんだ」
「それ、京楽隊長用に処方されたものなんじゃないんですか」
「そうだよ」
「浮竹隊長に与えていいんですか」
「何、僕もお世話なるのはほんとにたまにだし。体に害はないし、依存性もない軽い薬だから大丈夫だよ」
「それでも、できるだけ隊長に飲ませないでください。自然に寝れなくなってしまう」
浮竹を心配するあまり、海燕は不機嫌になっていた。
「何、そんなに心配?」
「そりゃ心配です。自分の上司ですし」
「じゃあ、これあげるから、今日の夜にでも試してごらん」
粉薬を渡されて、海燕は逡巡する。
普通こういう薬は医者の処方通りに飲む必要があるが、流魂街などでは金を少し出すだけで簡単に手に入った。もっときついやつだが。
「今後も飲ませるなら、一度試してみます」
その日、浮竹は翌日の朝までよく眠った。
家に帰り、都の手料理を食べて、いざ寝るというときに思い切って薬を飲んでみた。
耐性がないので、もっとくらくらするかと思っていたが、体は楽だった。
しまいに少し眠くなってきて、横になると意識は闇に落ちた。
翌日はすっきりしていた。
薬の効果のせいか、深く眠れて、いつもの疲れがとれていた。
「悪くはないのかもしれない・・・・」
そう思った。
熱を出して辛い状態で起きているよりは、薬の効果でも眠っていたほうが楽だろう。
その日、雨乾堂に行くと、まだ布団に横になっている浮竹が、畳の上でごろ寝している京楽と話し合っていた。
「隊長、熱は下がりましたか?」
「いや、まだ微熱だが熱がある。起きているとお前がうるさそうだから、こうやって大人しく床についている」
「床にいて正解ですね。起き出して熱があがったりしたら、俺は無茶苦茶あんたを叱りますよ」
おお怖いといいながら、浮竹は京楽と院生時代のことを話していた。
聞いていると、同じ寮で隣の席で、2回生の冬に告白されて、4回生の終わりに正式に交際しだしたそうだ。
「学院の近くにある、壬生の甘味屋はまだやっているだろうか」
「ああ、あそこは老朽化して潰れたよ」
「なんだって」
驚く浮竹。学院時代は、よくそこの甘味屋に京楽と一緒に通ったのだ。
「代わりに、すぐ目のまえに建てられた建物の2Fが甘味屋になってるよ」
「2Fなのか・・・・客の入り具合はどうだろう」
「この前食べにいったけど、そこそこ客は入っていたよ」
浮竹が拗ねる。
「ずるいぞ、自分だけなんて」
「いや、君が肺の発作で入院してた時だから。見舞いの品であげたおはぎは、そこの店で買ったものだよ」
「そうか・・・未だにあの店はあるんだな。今度暇な時、少し遠出になるが、いかないか?」
「いいよ。でも今は、熱を下げること。少しくらい動いてもいいけど、あんまりふらふら出歩かないでね」
京楽の言葉に頷きつつ、浮竹は起き出した。
でも、あまり動かずに京楽と一緒にまた、院生時代のことについて話し出す。
会話の内容についていけず、海燕は自分一人は蚊帳の外にいる気分だった。
「海燕!今度、海燕も一緒にいかないか。学院の近くの下町にある壬生の甘味屋っていう老舗なんだが」
「ああ、チェーン店構えるとこの、本舗ですか?」
「そうだ」
「行きます」
「だそうだ、京楽」
「海燕君は、自分で食べた分のお金払ってね」
「誰も京楽隊長になんてたからないので、安心してください」
くだらないやりとりだが、楽しかった。
夫婦みたいに幸せな二人の間に入ることになるのだが、二人ともそれが苦ではないらしい。
浮竹は、それ以上熱をあげないために、また横になった。
「ちょっと、暇だし瞬歩で老舗からおはぎ買ってくるね」
京楽がそう言って、出ていってしまった。
30分で帰ってきた。
混んでいたようで、買い求めるのに少し時間がかかったらしい。
「浮竹、熱はもういいの?」
完全に起き上がって、小説を読んでいた浮竹の額に手をあてると、平温にまで下がっていた。
「ああ、もう熱はさがった」
「解熱剤が効いたんでしょう」
海燕もいれて、3人で仲よくおはぎをわけて食べた。浮竹は甘味物をよく食べるので、二人の倍の数を食べたが、そうなるよう調整されていた。
ああ。本当に、京楽隊長は、こんな細かいところまで気配りができて、すごいと思う海燕だった。
京楽と知り合って、まだ20年も経っていないが、京楽はとにかく浮竹に甘い。浮竹も幸せそうで、喧嘩をしている姿はたまに見かけることもあったが、まさに鴛鴦夫婦のようで。
ああ、俺も大分毒されていると思う海燕だった。
京楽と浮竹と海燕と さくらさくら
また、花見にいくことになった。
今度は、朽木邸ではなく、山の中にある浮竹と京楽だけしか知らない、秘密の場所だった。
そんな場所に連れて行ってくれると言われて、海燕は逡巡した。
「二人だけの秘密の場所でしょう?俺なんかに教えていいんですか?」
そういうと、浮竹は笑った。
「お前だから、知っておいて欲しいんだ」
素直に、嬉しかった。
上官である浮竹には慕われていういることは知っていたが、秘密の場所まで連れてってもらほどであるのだと知って、喜んだ。
「ただし、海燕は酒はほどほどにな。酔うとキス魔になるんだから」
この前、朽木邸で浮竹と京楽に愛を告げて、キスをしたと知った時、人生が真っ暗になた。
泥酔するほど飲んだのは、あの時が初めてだった。京楽の強い酒を飲まされて、そのアルコール度の高さにやられて、泥酔した。
ただ酔うだけならいいが、キス魔になるなど、自分でも未だに信じられないくらいだが、浮竹と京楽が二人してはめてくることはないだろう。
「じゃあ、果実酒だけ用意しておきましょう。料理は、どうせ京楽隊長に任せればいいはずですから」
花見にいく前日、仕事が終わって浮竹の姿が消えた。
何処にいるのだろうと、探したら調理場にいた。
なんでも、簡単な弁当を作るらしい。浮竹隊長の手料理って、やばそうな気がしたが、たとえどんなに不味くても美味しいとうだけの自信はあった。
翌日。
瞬歩で1時間以上走って、ようやくその場所に辿り着いた。
「わぁ・・・・・」
海燕は、その光景が綺麗すぎて、瞬きするのを忘れていた。
何処までも続く、薄いピンク色の絨毯。
何百本という単位で咲く桜の花たちは、風に花びらを散らせていきながら、浮竹と京楽と海燕を出迎えてくれた。
シートを広げて、そこに座る。
ちらちらと降ってくる桜の雨が、とても綺麗だった。
満開を過ぎている。
あと1週間もすれば、散ってしまうだろう桜に、今だけ感謝を覚えた。
「とりあえず、ご飯にしようか」
京楽の手には、京楽お抱えの料理人が作った重箱の弁当箱があった。
「その、俺も作ったんだ。料理なんて久しぶりだし、美味いかどうか分からないが、たべてくれ」
やや小さめの弁当箱に、色彩豊かなおかずと、ちらし寿司が入っていた。
「これは僕のものだよ!」
奪い取っていく京楽に、海燕が言う。
「あんただけ独り占めはずるい!俺も隊長の手料理食べてみたい」
「二人とも、仲よくしろ」
二人とも頭を軽く浮竹に殴られた。
「器をとってくれ」
言われた通りにすると、京楽と海燕の分ほぼ均等に分けてくれた。
「む・・・・これは!」
かっと、京楽が目を見開く。
「これは!」
海燕も目を見開いた。
どんなに不味くても美味しいと言える自信があった。でも、偽りなしに美味かった。本当に浮竹が作ったのかと疑念を抱くほどに。
卵焼きはだしを使われおり、砂糖の加減が絶妙だった。
他のおかずも美味しく、ちらし寿司もお酢の加減がちょうどよく美味しかった。
「やあ、まるで料理人が作ったような味だねぇ。流石だね、浮竹。前も君の手料理食べたことあるけど、全然衰えていない」
「え、京楽隊長今までにも浮竹隊長の手料理食べたことあるんですか」
「あたりまえでしょ。付き合い始めて何百年が経ったと思ってるの」
確かに、そんな長い人生の間なら、浮竹の手料理を何度か口にしたことくらいありそうだ。
「隊長の手料理まじで美味いです」
「ありがとう、京楽、海燕。作った甲斐があったってもんだ。伊達に、8人兄弟の長男をしてきたわけじゃあないぞ。腹をすかせた妹や弟たちに、よく料理を作ってやったんだ。死神統学院に入る前は、小さめの飯屋で、食事をつくるバイトをしたことがある」
「ああ、俺の出た学院は真央霊術院っていうんですけど、確か昔は死神統学院って名前だったんですよね?」
「そうだぞ」
浮竹は、京楽家お抱えの料理人が作ってくれたという弁当を口にしていた。
「んーやっぱり、京楽家の料理人の味はすごいな。俺にはむりだ、こんな味」
「まぁ材料が高級品なのもあるけどねぇ。浮竹のも悪くなかったよ」
京楽は、重箱の弁当の中身を食べながら、さっそく高級酒を飲みだした。
海燕も、初めてだが京楽家お抱えの料理人が作ったという、弁当を口にした。
「美味い・・・・」
「そうだろう。これは京楽家の料理長が作った奴だな」
「浮竹、そんなことまでわかるの?」
京楽が驚いていた。
「京楽家の料理長は海老をつかった料理が得意だからな。海老の天ぷらにエビフライにえびの姿焼き・・・・・・」
「ああ、そういうえばそうだねぇ」
確かに弁当は海老が多かった。
「いや、美味くてはしがとまらない」
「量は十分あるから、急ぐことはないよ」
「桜も見ながら、ゆっくり食べよう」
浮竹も、果実酒を飲みだした。
海燕も、果実酒を飲みだす。
おはぎももともと、浮竹が好きだったから、好きになったのだ。果実酒も、浮竹が好きなせいで、海燕も気づくとよく飲むようになっていた。
一度甘いお酒にはまると、ビールなんかの苦いのは苦手になった。
日本酒も飲むが、日本酒よりはカクテル系とか、果実の味のする酎ハイなんかが好きだった。
果実酒の中身は、たまに赤ワインだったりすることもある。
今日は、赤ワインだった。
それを浮竹はけっこう派手に飲んでいく。
海燕は遠慮がちの飲んだので、酔うことはなった。
泥酔とまでいかないが、浮竹は酔っぱらってしまった。
「おうおうおうおう、海燕、俺の酒がのめないかー?」
「浮竹、もうそこらへんでやめておいたら」
京楽が、浮竹の手の中から酒をとりあげた。
「おうおうおうおう京楽、俺から酒をとりあげるとはいい度胸だ」
「今日は絡んでくるのか・・・・・こんなのは初めてだねぇ」
京楽は、面白そうそうに寄った浮竹を介抱した。
「ほら、僕の膝に横になって」
素直に横になる浮竹。
「ごろにゃーん」
今度は猫になりだした。
浮竹は酔うとよく饒舌になったり、周りに構わず京楽といちゃつきだすが、こんな酔い方は初めて見る。
「京楽好きだ。ちゅーしてくれ」
あ、いつもの酔い方だ。
そう思っていたら、京楽が浮竹とディープキスをしていた。
海燕も慣れているので、そんな程度では何も言わない。
「俺を抱いてくれ・・・・・」
ぶーーーーー。
海燕は飲んでいた赤ワインを吹き出した。
「ここじゃだめだよ。海燕君がいるからね」
「じゃあ、帰ってから」
「いいとも」
そう言って、浮竹は眠りだした。
その約束を守る浮竹ではない。酔っていた時にいった言動など大抵覚えていないのだ。
だから、帰ってから京楽に抱かれて、浮竹はへそを曲げて拗ねるのだった。
今度は、朽木邸ではなく、山の中にある浮竹と京楽だけしか知らない、秘密の場所だった。
そんな場所に連れて行ってくれると言われて、海燕は逡巡した。
「二人だけの秘密の場所でしょう?俺なんかに教えていいんですか?」
そういうと、浮竹は笑った。
「お前だから、知っておいて欲しいんだ」
素直に、嬉しかった。
上官である浮竹には慕われていういることは知っていたが、秘密の場所まで連れてってもらほどであるのだと知って、喜んだ。
「ただし、海燕は酒はほどほどにな。酔うとキス魔になるんだから」
この前、朽木邸で浮竹と京楽に愛を告げて、キスをしたと知った時、人生が真っ暗になた。
泥酔するほど飲んだのは、あの時が初めてだった。京楽の強い酒を飲まされて、そのアルコール度の高さにやられて、泥酔した。
ただ酔うだけならいいが、キス魔になるなど、自分でも未だに信じられないくらいだが、浮竹と京楽が二人してはめてくることはないだろう。
「じゃあ、果実酒だけ用意しておきましょう。料理は、どうせ京楽隊長に任せればいいはずですから」
花見にいく前日、仕事が終わって浮竹の姿が消えた。
何処にいるのだろうと、探したら調理場にいた。
なんでも、簡単な弁当を作るらしい。浮竹隊長の手料理って、やばそうな気がしたが、たとえどんなに不味くても美味しいとうだけの自信はあった。
翌日。
瞬歩で1時間以上走って、ようやくその場所に辿り着いた。
「わぁ・・・・・」
海燕は、その光景が綺麗すぎて、瞬きするのを忘れていた。
何処までも続く、薄いピンク色の絨毯。
何百本という単位で咲く桜の花たちは、風に花びらを散らせていきながら、浮竹と京楽と海燕を出迎えてくれた。
シートを広げて、そこに座る。
ちらちらと降ってくる桜の雨が、とても綺麗だった。
満開を過ぎている。
あと1週間もすれば、散ってしまうだろう桜に、今だけ感謝を覚えた。
「とりあえず、ご飯にしようか」
京楽の手には、京楽お抱えの料理人が作った重箱の弁当箱があった。
「その、俺も作ったんだ。料理なんて久しぶりだし、美味いかどうか分からないが、たべてくれ」
やや小さめの弁当箱に、色彩豊かなおかずと、ちらし寿司が入っていた。
「これは僕のものだよ!」
奪い取っていく京楽に、海燕が言う。
「あんただけ独り占めはずるい!俺も隊長の手料理食べてみたい」
「二人とも、仲よくしろ」
二人とも頭を軽く浮竹に殴られた。
「器をとってくれ」
言われた通りにすると、京楽と海燕の分ほぼ均等に分けてくれた。
「む・・・・これは!」
かっと、京楽が目を見開く。
「これは!」
海燕も目を見開いた。
どんなに不味くても美味しいと言える自信があった。でも、偽りなしに美味かった。本当に浮竹が作ったのかと疑念を抱くほどに。
卵焼きはだしを使われおり、砂糖の加減が絶妙だった。
他のおかずも美味しく、ちらし寿司もお酢の加減がちょうどよく美味しかった。
「やあ、まるで料理人が作ったような味だねぇ。流石だね、浮竹。前も君の手料理食べたことあるけど、全然衰えていない」
「え、京楽隊長今までにも浮竹隊長の手料理食べたことあるんですか」
「あたりまえでしょ。付き合い始めて何百年が経ったと思ってるの」
確かに、そんな長い人生の間なら、浮竹の手料理を何度か口にしたことくらいありそうだ。
「隊長の手料理まじで美味いです」
「ありがとう、京楽、海燕。作った甲斐があったってもんだ。伊達に、8人兄弟の長男をしてきたわけじゃあないぞ。腹をすかせた妹や弟たちに、よく料理を作ってやったんだ。死神統学院に入る前は、小さめの飯屋で、食事をつくるバイトをしたことがある」
「ああ、俺の出た学院は真央霊術院っていうんですけど、確か昔は死神統学院って名前だったんですよね?」
「そうだぞ」
浮竹は、京楽家お抱えの料理人が作ってくれたという弁当を口にしていた。
「んーやっぱり、京楽家の料理人の味はすごいな。俺にはむりだ、こんな味」
「まぁ材料が高級品なのもあるけどねぇ。浮竹のも悪くなかったよ」
京楽は、重箱の弁当の中身を食べながら、さっそく高級酒を飲みだした。
海燕も、初めてだが京楽家お抱えの料理人が作ったという、弁当を口にした。
「美味い・・・・」
「そうだろう。これは京楽家の料理長が作った奴だな」
「浮竹、そんなことまでわかるの?」
京楽が驚いていた。
「京楽家の料理長は海老をつかった料理が得意だからな。海老の天ぷらにエビフライにえびの姿焼き・・・・・・」
「ああ、そういうえばそうだねぇ」
確かに弁当は海老が多かった。
「いや、美味くてはしがとまらない」
「量は十分あるから、急ぐことはないよ」
「桜も見ながら、ゆっくり食べよう」
浮竹も、果実酒を飲みだした。
海燕も、果実酒を飲みだす。
おはぎももともと、浮竹が好きだったから、好きになったのだ。果実酒も、浮竹が好きなせいで、海燕も気づくとよく飲むようになっていた。
一度甘いお酒にはまると、ビールなんかの苦いのは苦手になった。
日本酒も飲むが、日本酒よりはカクテル系とか、果実の味のする酎ハイなんかが好きだった。
果実酒の中身は、たまに赤ワインだったりすることもある。
今日は、赤ワインだった。
それを浮竹はけっこう派手に飲んでいく。
海燕は遠慮がちの飲んだので、酔うことはなった。
泥酔とまでいかないが、浮竹は酔っぱらってしまった。
「おうおうおうおう、海燕、俺の酒がのめないかー?」
「浮竹、もうそこらへんでやめておいたら」
京楽が、浮竹の手の中から酒をとりあげた。
「おうおうおうおう京楽、俺から酒をとりあげるとはいい度胸だ」
「今日は絡んでくるのか・・・・・こんなのは初めてだねぇ」
京楽は、面白そうそうに寄った浮竹を介抱した。
「ほら、僕の膝に横になって」
素直に横になる浮竹。
「ごろにゃーん」
今度は猫になりだした。
浮竹は酔うとよく饒舌になったり、周りに構わず京楽といちゃつきだすが、こんな酔い方は初めて見る。
「京楽好きだ。ちゅーしてくれ」
あ、いつもの酔い方だ。
そう思っていたら、京楽が浮竹とディープキスをしていた。
海燕も慣れているので、そんな程度では何も言わない。
「俺を抱いてくれ・・・・・」
ぶーーーーー。
海燕は飲んでいた赤ワインを吹き出した。
「ここじゃだめだよ。海燕君がいるからね」
「じゃあ、帰ってから」
「いいとも」
そう言って、浮竹は眠りだした。
その約束を守る浮竹ではない。酔っていた時にいった言動など大抵覚えていないのだ。
だから、帰ってから京楽に抱かれて、浮竹はへそを曲げて拗ねるのだった。
院生時代の部屋 BLに汚染される
京楽が珍しく怒っていた。
「どうしたんだ」
「BL注文したのに、違う本が届いた!」
「そんなことで・・・・・」
「僕には死活問題だよ!あろうことか熟女ネタのエロ漫画だった」
ちょっと、興味を持ってしまった。
「返す前に、少し読んでみてもいいか?」
「いいよ」
熟女というが、30代の綺麗な女性を凌辱の限りをつくすエロ漫画だった。
正常な浮竹は、それを読んで少しだけ興奮してしまった。さすがにたつほどではなかったが。
「え、君まさかそんなエロ本に興味あるの?」
「俺は正常だからな。BLよりはこっちのほうが好きだ」
最近暇すぎて、本を買う金もないので、京楽から軽めのBLの本を借りて読んでいた。
浮竹も、BLを平気で読むよになったあたり、かなり京楽に毒されていた。
「とにかくその本は返すから。貸して」
京楽に本を返す。
段ボールに放り込んで、着払いで返品した。
数日後、頼んでいた本物の本がやってきた。
京楽がはまっているエロいBL作家の本で、表紙からしてやばかった。
さすがに浮竹は読む気にならず、軽めのBLの小説を読んでいた。
軽めのBLでもエロシーンがあるので、浮竹はエロシーンを飛ばして読んでいた。
「ねぇ、男の子って後ろでも感じれるってほんとだと思う?」
「さぁ。でも、普通の修道でもそう書かれてあるから、そうじゃないのか」
男の穴の中に、前立腺なる感じる部分があると書かれてあった。
さすがに、自分でためしたくないし、京楽にもされたくないので、適当に答える。
「ねぇ、浮竹・・・・・」
熱っぽく囁かれて、浮竹はすぐに答えた。
「却下だ!」
「まだ何も言ってないのに」
「この本にあるような行為をしたいと言い出すつもりだろう」
「あれ、ばれてた?」
「俺とお前は付き合っていない。そんな行為はしない」
「じゃあ、今から僕と付き合って」
「却下!」
しつこく食い下がる京楽の顔を蹴った。
京楽は、蹴ったせいだけでない鼻血を出して、倒れた。
「あー、浮竹をこうしてるって想像しただけで、鼻血が・・・・・・」
「想像するな!」
頭を踏みつけた。
「もっと踏んで♡」
悪寒がきて、浮竹は踏んでいた足を退ける前に、足を舐められた。
「足を舐めるな!」
「じゃあ、あそこ舐めてもいい?」
「死ね!」
股間を蹴りあげた。ぼぐっと音がした。
「おう、おう、おう・・・・・・」
しばらく身もだえていたが、白目をむいて気絶していた。
ベッドの上で気絶していたので、そのまま放置する。
1時間後には、何もなかったかのように復活していた。
「そろそろ夕飯だねぇ。食堂に行こうか」
普通にしていれば、美丈夫だし上流貴族というだけあって、女生徒が放っておかないのだが、1年以上前に浮竹を好きと言い出してから、何かの歯車が狂いだした。
浮竹の思いは複雑だ。
変態でなかったら、OKを言ってしまいそうで。でも、その先が怖いのだ。
京楽のことを、多分恋愛感情で好きなのだと思う。
そうでもなければ、キスやハグをさせない。
親友だと思っているが、親友以上恋人未満な関係だった。
でも、今はそれでいいと思った。
食堂へいくと、京楽家の料理人がきており、皆に1品だけおかずを増やしていた。
「ありがとう、京楽」
「おしいわ、ありがとうね、京楽君」
ぷりぷりの海老の天ぷらだった。
浮竹も京楽もそれを食べる。
「うん、思った以上の味だね」
「どうしたんだ、みんなの分まで作るなんて」
「いやね、僕と浮竹だけ、料理人の手料理を食べる時があるじゃない。それがずるいって言われたから、たまにはね」
「そうか・・・・」
確かに、浮竹は恵まれている。
京楽の金で飲食を賄っている。
「まぁ、たまにはこういうサービスも悪くないかなと思って。ずるいっていう声も消えたしね」
浮竹は、改めて自分は恵まれているのだと、思うのだった。
「どうしたんだ」
「BL注文したのに、違う本が届いた!」
「そんなことで・・・・・」
「僕には死活問題だよ!あろうことか熟女ネタのエロ漫画だった」
ちょっと、興味を持ってしまった。
「返す前に、少し読んでみてもいいか?」
「いいよ」
熟女というが、30代の綺麗な女性を凌辱の限りをつくすエロ漫画だった。
正常な浮竹は、それを読んで少しだけ興奮してしまった。さすがにたつほどではなかったが。
「え、君まさかそんなエロ本に興味あるの?」
「俺は正常だからな。BLよりはこっちのほうが好きだ」
最近暇すぎて、本を買う金もないので、京楽から軽めのBLの本を借りて読んでいた。
浮竹も、BLを平気で読むよになったあたり、かなり京楽に毒されていた。
「とにかくその本は返すから。貸して」
京楽に本を返す。
段ボールに放り込んで、着払いで返品した。
数日後、頼んでいた本物の本がやってきた。
京楽がはまっているエロいBL作家の本で、表紙からしてやばかった。
さすがに浮竹は読む気にならず、軽めのBLの小説を読んでいた。
軽めのBLでもエロシーンがあるので、浮竹はエロシーンを飛ばして読んでいた。
「ねぇ、男の子って後ろでも感じれるってほんとだと思う?」
「さぁ。でも、普通の修道でもそう書かれてあるから、そうじゃないのか」
男の穴の中に、前立腺なる感じる部分があると書かれてあった。
さすがに、自分でためしたくないし、京楽にもされたくないので、適当に答える。
「ねぇ、浮竹・・・・・」
熱っぽく囁かれて、浮竹はすぐに答えた。
「却下だ!」
「まだ何も言ってないのに」
「この本にあるような行為をしたいと言い出すつもりだろう」
「あれ、ばれてた?」
「俺とお前は付き合っていない。そんな行為はしない」
「じゃあ、今から僕と付き合って」
「却下!」
しつこく食い下がる京楽の顔を蹴った。
京楽は、蹴ったせいだけでない鼻血を出して、倒れた。
「あー、浮竹をこうしてるって想像しただけで、鼻血が・・・・・・」
「想像するな!」
頭を踏みつけた。
「もっと踏んで♡」
悪寒がきて、浮竹は踏んでいた足を退ける前に、足を舐められた。
「足を舐めるな!」
「じゃあ、あそこ舐めてもいい?」
「死ね!」
股間を蹴りあげた。ぼぐっと音がした。
「おう、おう、おう・・・・・・」
しばらく身もだえていたが、白目をむいて気絶していた。
ベッドの上で気絶していたので、そのまま放置する。
1時間後には、何もなかったかのように復活していた。
「そろそろ夕飯だねぇ。食堂に行こうか」
普通にしていれば、美丈夫だし上流貴族というだけあって、女生徒が放っておかないのだが、1年以上前に浮竹を好きと言い出してから、何かの歯車が狂いだした。
浮竹の思いは複雑だ。
変態でなかったら、OKを言ってしまいそうで。でも、その先が怖いのだ。
京楽のことを、多分恋愛感情で好きなのだと思う。
そうでもなければ、キスやハグをさせない。
親友だと思っているが、親友以上恋人未満な関係だった。
でも、今はそれでいいと思った。
食堂へいくと、京楽家の料理人がきており、皆に1品だけおかずを増やしていた。
「ありがとう、京楽」
「おしいわ、ありがとうね、京楽君」
ぷりぷりの海老の天ぷらだった。
浮竹も京楽もそれを食べる。
「うん、思った以上の味だね」
「どうしたんだ、みんなの分まで作るなんて」
「いやね、僕と浮竹だけ、料理人の手料理を食べる時があるじゃない。それがずるいって言われたから、たまにはね」
「そうか・・・・」
確かに、浮竹は恵まれている。
京楽の金で飲食を賄っている。
「まぁ、たまにはこういうサービスも悪くないかなと思って。ずるいっていう声も消えたしね」
浮竹は、改めて自分は恵まれているのだと、思うのだった。
院生時代の部屋 BLにはまった京楽
「うひひひひひ」
気持ち悪い笑い声をあげている、京楽の読んでいる雑誌をとりあげる。
全部、顔が浮竹になっているグラビアアイドルの写真だった。
「お前は、グラビアアイドルに俺の顔を貼り付けるのか。だが、俺は男だぞ?」
「いやだなぁ、男の体の裸の写真に君の顔を張り付けても、気持ち悪いだけだよ」
「そのわりには、男の娘っていうのには、貼り付けているな」
グラビアアイドルの写真の後半は、男の娘特集と書いてあって、それにも全部浮竹の顔が貼り付けられていた。
「男の娘は、性別は男だけど中身は乙女だから!」
「よくわからない」
とりあえず、その写真集は鬼道で燃やした。
「ああ、僕の愛の泉が!」
「勝手に俺の写真を貼り付けるからだ」
冷たくそういうと、新しい、今度は小説を取り出した。
「(*´Д`)ハァハァ・・・・・けしからん」
なんだろうと思って読んでみると、名前が浮竹と京楽に変換させられたBL小説だった。
「お前はまたこんなのを・・・・・」
「ああ、それ高かったんだから、燃やさないでね!」
「いくらしたんだ」
「僕の名前と君の名前に変換してもうのに、10万環払った」
つまりは、10万円だ。
「また無駄に高い金を・・・・・」
ふと、10万が高いと自覚している京楽に吃驚する。
「お前、10万環が高いって思うのか?」
「いや全然。高いといえば、燃やさないでくれるかなぁと思って」
「やっぱり、お前はそうだよな・・・・」
上流貴族の浮竹にとっては、100万で少し高いかなぁ?と感じ始める程度なのだ。
「まぁいい。10万環も払えないから、この小説は燃やさないでおいてやる」
「やったぁ!続きが気になるから早く返して!」
京楽に返すと、途中で(*´Д`)ハァハァしているかと思えば、笑い出し、最後には泣き出した。
「そんなに面白いのか?」
少し興味が沸いて、読ませてもらった。
なんともいえない、ラブシーンを熱く繰り広げる小説だったが、感情移入がしやすくて、笑えて最後の二人の死には涙を零した。
「僕たちは、こんな最後にならないからね!」
ひしっと抱き着いてくる京楽の頭をはたいて、小説を京楽に返した。
「俺と京楽の名前でなければ、多分もっと面白かっただろうな」
「ノンノン!僕と浮竹の名前だからこそ、(*´Д`)ハァハァして、笑えて、泣けたんだよ」
「そうか?」
「BLは奥が深いよ!」
最近、尸魂界でBL(ボーイズラブ)なるものが流行していた。
男性同士の恋愛を取り扱たったものだが、女性用にできていて、修道のようなものではなかった。
「じゃーん!漫画もあるんだ。勿論、僕と浮竹の名前に変換済み!」
ばっと、奪ってぱらぱらとめくっていくが、その内容の過激さに、京楽に読ませる前に鬼道で灰にした。
「ああ、まだ読んでもないのに!」
「却下だ。お前の思考が汚染されそうな内容だ。すでに汚染されているが、更に汚染されそうだ」
「仕方ない、脳内で浮竹と京楽に変換して読むか・・・・」
名前の変換されていない、オリジナルを取り出す。
どこでそんなものを仕入れているんだろうかと思うと、主にネットでだった。
宅配で注文品が届き、口座に金を入れるだけで、指定された住所にまで届いた。
浮竹は、京楽が注文していた、小説と漫画をキャンセル扱いにした。
でも、もう発送されていて、キャンセルできなかった、
「お前は、こんなもので妄想して楽しいか?」
「勿論楽しいよ。でも、ただの娯楽だよ。本物の浮竹にはかなわない」
むぎゅーっと抱きついてくる京楽を、抱き締め返した。
「いいの?」
「何がだ」
キスをされた。
しかも舌が絡まるディープキスだ。
「んう・・・・・」
しばらくキスをしあい、抱擁を続けていたが、浮竹が離れていった。
「ああ、幸せ。君とキスとハグできるだけで、僕は天国の階段を昇っているようだ」
「大げさな・・・・」
脳内変換で読んでいた漫画は過激で、京楽はたってしまった。
「ごめん、ちょっと風呂場で抜いてくる」
「こんなものでたつなんて・・・どうかしている」
もしも、それが男女のものだったら、浮竹も反応していたかもしれない。
「はぁ・・・・BLねぇ。また厄介なものに京楽もはまったものだ・・・・・」
だからといて、禁止にはできない。
何を読もうが、個人の自由だ。
ただ、名前を浮竹と京楽に変えたものは排除しようと思った。
京楽が、すっきりした顔で風呂場から出てきた。
念のため、下着は変えていた。
「3回もしちゃった♡」
「報告するな、アホ!」
そう言って、京楽の尻を蹴り上げた。
「ああん、もっと♡」
「はぁ・・・京楽菌が・・・蔓延している」
浮竹は、疲れたのでべッドに横になり、することも特にないので、昼寝をしだした。
その日は、休日だったのだ。
チャイムがなり、京楽はBLのエロ本に夢中だったので、代わりに浮竹が出た。
「お届けものでーす」
大量の、BLの本は入った段ボール箱だった。
「はんこお願いします」
浮竹というハンコを押して、宅配人は帰っていった。
「やっほう、これでしばらくの間は暇を潰せる」
「まさかと思うが、これ全部俺とお前に名前変換させたやつか?」
「いや、浮竹が怒ると思って、オリジナルのままだよ」
BLののめりこんでいく京楽を、浮竹はなんとも言えない気持ちで見守るのだった。
気持ち悪い笑い声をあげている、京楽の読んでいる雑誌をとりあげる。
全部、顔が浮竹になっているグラビアアイドルの写真だった。
「お前は、グラビアアイドルに俺の顔を貼り付けるのか。だが、俺は男だぞ?」
「いやだなぁ、男の体の裸の写真に君の顔を張り付けても、気持ち悪いだけだよ」
「そのわりには、男の娘っていうのには、貼り付けているな」
グラビアアイドルの写真の後半は、男の娘特集と書いてあって、それにも全部浮竹の顔が貼り付けられていた。
「男の娘は、性別は男だけど中身は乙女だから!」
「よくわからない」
とりあえず、その写真集は鬼道で燃やした。
「ああ、僕の愛の泉が!」
「勝手に俺の写真を貼り付けるからだ」
冷たくそういうと、新しい、今度は小説を取り出した。
「(*´Д`)ハァハァ・・・・・けしからん」
なんだろうと思って読んでみると、名前が浮竹と京楽に変換させられたBL小説だった。
「お前はまたこんなのを・・・・・」
「ああ、それ高かったんだから、燃やさないでね!」
「いくらしたんだ」
「僕の名前と君の名前に変換してもうのに、10万環払った」
つまりは、10万円だ。
「また無駄に高い金を・・・・・」
ふと、10万が高いと自覚している京楽に吃驚する。
「お前、10万環が高いって思うのか?」
「いや全然。高いといえば、燃やさないでくれるかなぁと思って」
「やっぱり、お前はそうだよな・・・・」
上流貴族の浮竹にとっては、100万で少し高いかなぁ?と感じ始める程度なのだ。
「まぁいい。10万環も払えないから、この小説は燃やさないでおいてやる」
「やったぁ!続きが気になるから早く返して!」
京楽に返すと、途中で(*´Д`)ハァハァしているかと思えば、笑い出し、最後には泣き出した。
「そんなに面白いのか?」
少し興味が沸いて、読ませてもらった。
なんともいえない、ラブシーンを熱く繰り広げる小説だったが、感情移入がしやすくて、笑えて最後の二人の死には涙を零した。
「僕たちは、こんな最後にならないからね!」
ひしっと抱き着いてくる京楽の頭をはたいて、小説を京楽に返した。
「俺と京楽の名前でなければ、多分もっと面白かっただろうな」
「ノンノン!僕と浮竹の名前だからこそ、(*´Д`)ハァハァして、笑えて、泣けたんだよ」
「そうか?」
「BLは奥が深いよ!」
最近、尸魂界でBL(ボーイズラブ)なるものが流行していた。
男性同士の恋愛を取り扱たったものだが、女性用にできていて、修道のようなものではなかった。
「じゃーん!漫画もあるんだ。勿論、僕と浮竹の名前に変換済み!」
ばっと、奪ってぱらぱらとめくっていくが、その内容の過激さに、京楽に読ませる前に鬼道で灰にした。
「ああ、まだ読んでもないのに!」
「却下だ。お前の思考が汚染されそうな内容だ。すでに汚染されているが、更に汚染されそうだ」
「仕方ない、脳内で浮竹と京楽に変換して読むか・・・・」
名前の変換されていない、オリジナルを取り出す。
どこでそんなものを仕入れているんだろうかと思うと、主にネットでだった。
宅配で注文品が届き、口座に金を入れるだけで、指定された住所にまで届いた。
浮竹は、京楽が注文していた、小説と漫画をキャンセル扱いにした。
でも、もう発送されていて、キャンセルできなかった、
「お前は、こんなもので妄想して楽しいか?」
「勿論楽しいよ。でも、ただの娯楽だよ。本物の浮竹にはかなわない」
むぎゅーっと抱きついてくる京楽を、抱き締め返した。
「いいの?」
「何がだ」
キスをされた。
しかも舌が絡まるディープキスだ。
「んう・・・・・」
しばらくキスをしあい、抱擁を続けていたが、浮竹が離れていった。
「ああ、幸せ。君とキスとハグできるだけで、僕は天国の階段を昇っているようだ」
「大げさな・・・・」
脳内変換で読んでいた漫画は過激で、京楽はたってしまった。
「ごめん、ちょっと風呂場で抜いてくる」
「こんなものでたつなんて・・・どうかしている」
もしも、それが男女のものだったら、浮竹も反応していたかもしれない。
「はぁ・・・・BLねぇ。また厄介なものに京楽もはまったものだ・・・・・」
だからといて、禁止にはできない。
何を読もうが、個人の自由だ。
ただ、名前を浮竹と京楽に変えたものは排除しようと思った。
京楽が、すっきりした顔で風呂場から出てきた。
念のため、下着は変えていた。
「3回もしちゃった♡」
「報告するな、アホ!」
そう言って、京楽の尻を蹴り上げた。
「ああん、もっと♡」
「はぁ・・・京楽菌が・・・蔓延している」
浮竹は、疲れたのでべッドに横になり、することも特にないので、昼寝をしだした。
その日は、休日だったのだ。
チャイムがなり、京楽はBLのエロ本に夢中だったので、代わりに浮竹が出た。
「お届けものでーす」
大量の、BLの本は入った段ボール箱だった。
「はんこお願いします」
浮竹というハンコを押して、宅配人は帰っていった。
「やっほう、これでしばらくの間は暇を潰せる」
「まさかと思うが、これ全部俺とお前に名前変換させたやつか?」
「いや、浮竹が怒ると思って、オリジナルのままだよ」
BLののめりこんでいく京楽を、浮竹はなんとも言えない気持ちで見守るのだった。
院生時代の部屋 二人とは
朝起きると、まっぱでフルチンの京楽が踊っていたので、とりあえずパンツを投げつけて、つけないと鬼道でナニを燃やすと脅して、パンツをはかせた。
「朝っぱらから、なんちゅうもんを見せつけるんだ」
「君を虜にするものだよ!」
「誰がそんな汚いもので虜になるか!」
とりあえず、股間を蹴り上げておいた。
「痛いけど・・・快感♡」
だめだこりゃ。
ドンドコドンドコ踊っていた音楽で、いつもより早めに起きてしまった。
そのまま院生の服に脱衣所で着替えて(部屋で着替えると、京楽が凝視してくる)、食堂に向かう。
学院の外にある梅の花が満開になっていた。
「3回生も、もう終わりか・・・・」
肩の長さをすぎれば、京楽の思いに答えをだしてやるといったが、一度切った髪はまた肩あたりまで伸びてきた。
4回生のうちに、肩の長さをこしてしまうだろう。
あれはなかったことにしようと、決める。
「京楽、お前の思いにまだ当分答えられそうにない」
「いいよ。卒業しても、待ってるから」
卒業するまでには、流石に答えを出してやりたかった。
京楽のことは好きだ。多分、恋愛感情でも好きなんだろう。でも、それを告げるのが怖かった。体の関係に発展するのが怖かった。
おまけに京楽は変態だ。
ド変態だ。
「浮竹、朝ごはん食べに行こう」
京楽は、頭に浮竹のパンツを被ったままだった。
それをとってから、外に出る。
「お前は、俺のパンツを被ったまま食堂へいくつもりだったのか」
「いや、ただ単に忘れてただけ」
その言葉に、少しほっとする。
前に一度、京楽のパンツを被ったまま登校されて、さすがに視線を集めてそれが浮竹にも痛かったので、外ではパンツを被らないように言っていた。
その代わり、手ぬぐいのように浮竹のパンツを使う京楽。
何度もやめるように言ったのだが、治らないのでそのまにしておいた。
今日のメニューは、焼き魚定食だった。
元から食の細い浮竹は、残してしまった。
その残したものを、当たり前のように京楽が嬉しそうに食べる。
使っていたはしをなめたりと、変態まっしぐらだ。
「なぁ、お前4回生になってもその変態のままなのか?」
「そうだ、僕は変態だよ。変態のままだよ」
自覚しているのはいいことだが、治そうとしないのは、もう仕方ないのだろうか。
やがて鐘がなり、1限目の授業を受ける。
座学で、期末テストがあるので、進学クラスだしみんな真剣に聞いていた。
浮竹もそうだったのだが、隣の席の京楽が、文を投げてよこしてきた。
ノートに(真面目に授業を受けろ)と書いて、見せる。
文を見ると、(今日も食べちゃいたいくらいにかわいい。君の最愛の京楽は、毎日踊りを踊ってあそこを強化しているから、いつでもカモン)と書かれていた。
くしゃくしゃに丸めて、京楽の頭に投げた。
文の裏側に、大きく(死ね)と書いてやった。
それを見て、京楽はニンマリと笑う。その笑みは、きっと・・・「浮竹ったら、照れちゃってかわいい」とでも思っているのだろう。
そう思っていると、次の文をよこされた。
(浮竹ってばそんなに照れちゃって。かわいいなぁ。ああ、食べたいなぁ)
そう書かれてあった。
何も書かず、文を丸めて京楽の頭に向かって投げた。
教師は気づいていたが、いつものことなので注意しない。
二人とも、成績はTOPクラスで、座学だけでなく、鬼道、剣の腕も申し分ない。
二人は、席が隣になってから、よく他愛もないやりとりをしていた。
それでも、座学の成績は常に優秀なのだ。
授業を真面目に受けていないように見えて、ちゃんと受けていた。
「次の箇所を・・・・京楽君、解いてみなさい」
難しめの算術だった。
京楽はあっという間に答えを書いてしまう。
「うむ、正解だ」
二人とも、期末テストの前になると慌てて勉強をしだすタイプではない。毎日の授業をちゃんと受けて、復習をして頭に叩き込むタイプだった。
寮から帰って、昼飯から寝るまでの間、けっこうな時間があったが、その時間の一部を使ってお互いに復習をしていた。
どちらかが間違うと、どちらかが訂正し、どちからが分からなくなると、どちらかが教えた。
二人そろって間違えたり、分からなくなることがないのが、不思議だった。
やがて鐘がなり、座学はおわった。
次は鬼道の授業だった。
二人とも、的に詠唱を省略した鬼道を見事にあてて、その威力高さに教師もぽかんとしていた。
本当にもったいないと思う。3回生として燻らせるには、勿体ない。
早く卒業させて、護廷13隊に入れてやりたい。
そう山本総隊長に進言した教師が数人いるが、きちんと6回生まで習わせてから護廷13隊にいれると、頑なだった。
1限につき、授業時間は1時間30分。
昼を挟んだ3限目は、瞬歩の授業だった。
京楽が手本を見せるが、みんなその動きについていけず、ばてていた。
唯一、浮竹だけが、京楽の速さに反応し、瞬歩をしていた。
「本当に、お前たちは勿体ないなぁ。早く、護廷13隊に入れてやりたい」
「嫌だな、先生、まだ3回生ですよ。あと3年もあります」
「そうそう、卒業まであと3年・・・・・うふふ、その間に浮竹の心をわしづかみにして見せるよ」
「そう思うのなら、朝っぱらから裸で踊るのをまずは止めろ」
「じゃあ、今度からパンツをはいて踊るよ」
「それならよし」
教師にも、この二人の関係はよく分からない。できていそうで、できていない。浮竹が被害を被っても、肝心の浮竹が嫌だと訴えてこないのだ。
「お前たちの関係は、本当に不思議だな」
「やめてください先生、こいつとセットにしないでください」
「先生、セットで考えてOKだよ。ぜひともそうするべきだ」
二人とも、ちぐはぐな答えをする。
でも、喧嘩をしないのだ。
まぁ、京楽の変態に浮竹が切れて、浮竹が蹴ったり、鬼道を使ったりするのは、教師一同見て見ぬふりをしている。
山本総隊長から、二人の仲に口出しは厳禁と言われていた。
4限まで授業を終えて、帰り道に見事に紅梅があって、それに見惚れていると、花を一輪つんで、京楽が浮竹の髪に飾った。
「ああ、やっぱり君の白い髪には濃い紅色が映えるね」
「花がかわいそうだろう」
そう言いながらも、浮竹は満更でもなさそうだった。
それを見ていた、他のクラスの生徒がいう。
「あの二人のセットって、優秀だけどたまにバカだよな」
よく、二人で痴話げんかのようなことを学院でも起こしていた。
「不思議な二人だね・・・」
そんなことを思われいるとは二人は露知らず、いつも通り漫才のようにどつきあっているのだた。
「朝っぱらから、なんちゅうもんを見せつけるんだ」
「君を虜にするものだよ!」
「誰がそんな汚いもので虜になるか!」
とりあえず、股間を蹴り上げておいた。
「痛いけど・・・快感♡」
だめだこりゃ。
ドンドコドンドコ踊っていた音楽で、いつもより早めに起きてしまった。
そのまま院生の服に脱衣所で着替えて(部屋で着替えると、京楽が凝視してくる)、食堂に向かう。
学院の外にある梅の花が満開になっていた。
「3回生も、もう終わりか・・・・」
肩の長さをすぎれば、京楽の思いに答えをだしてやるといったが、一度切った髪はまた肩あたりまで伸びてきた。
4回生のうちに、肩の長さをこしてしまうだろう。
あれはなかったことにしようと、決める。
「京楽、お前の思いにまだ当分答えられそうにない」
「いいよ。卒業しても、待ってるから」
卒業するまでには、流石に答えを出してやりたかった。
京楽のことは好きだ。多分、恋愛感情でも好きなんだろう。でも、それを告げるのが怖かった。体の関係に発展するのが怖かった。
おまけに京楽は変態だ。
ド変態だ。
「浮竹、朝ごはん食べに行こう」
京楽は、頭に浮竹のパンツを被ったままだった。
それをとってから、外に出る。
「お前は、俺のパンツを被ったまま食堂へいくつもりだったのか」
「いや、ただ単に忘れてただけ」
その言葉に、少しほっとする。
前に一度、京楽のパンツを被ったまま登校されて、さすがに視線を集めてそれが浮竹にも痛かったので、外ではパンツを被らないように言っていた。
その代わり、手ぬぐいのように浮竹のパンツを使う京楽。
何度もやめるように言ったのだが、治らないのでそのまにしておいた。
今日のメニューは、焼き魚定食だった。
元から食の細い浮竹は、残してしまった。
その残したものを、当たり前のように京楽が嬉しそうに食べる。
使っていたはしをなめたりと、変態まっしぐらだ。
「なぁ、お前4回生になってもその変態のままなのか?」
「そうだ、僕は変態だよ。変態のままだよ」
自覚しているのはいいことだが、治そうとしないのは、もう仕方ないのだろうか。
やがて鐘がなり、1限目の授業を受ける。
座学で、期末テストがあるので、進学クラスだしみんな真剣に聞いていた。
浮竹もそうだったのだが、隣の席の京楽が、文を投げてよこしてきた。
ノートに(真面目に授業を受けろ)と書いて、見せる。
文を見ると、(今日も食べちゃいたいくらいにかわいい。君の最愛の京楽は、毎日踊りを踊ってあそこを強化しているから、いつでもカモン)と書かれていた。
くしゃくしゃに丸めて、京楽の頭に投げた。
文の裏側に、大きく(死ね)と書いてやった。
それを見て、京楽はニンマリと笑う。その笑みは、きっと・・・「浮竹ったら、照れちゃってかわいい」とでも思っているのだろう。
そう思っていると、次の文をよこされた。
(浮竹ってばそんなに照れちゃって。かわいいなぁ。ああ、食べたいなぁ)
そう書かれてあった。
何も書かず、文を丸めて京楽の頭に向かって投げた。
教師は気づいていたが、いつものことなので注意しない。
二人とも、成績はTOPクラスで、座学だけでなく、鬼道、剣の腕も申し分ない。
二人は、席が隣になってから、よく他愛もないやりとりをしていた。
それでも、座学の成績は常に優秀なのだ。
授業を真面目に受けていないように見えて、ちゃんと受けていた。
「次の箇所を・・・・京楽君、解いてみなさい」
難しめの算術だった。
京楽はあっという間に答えを書いてしまう。
「うむ、正解だ」
二人とも、期末テストの前になると慌てて勉強をしだすタイプではない。毎日の授業をちゃんと受けて、復習をして頭に叩き込むタイプだった。
寮から帰って、昼飯から寝るまでの間、けっこうな時間があったが、その時間の一部を使ってお互いに復習をしていた。
どちらかが間違うと、どちらかが訂正し、どちからが分からなくなると、どちらかが教えた。
二人そろって間違えたり、分からなくなることがないのが、不思議だった。
やがて鐘がなり、座学はおわった。
次は鬼道の授業だった。
二人とも、的に詠唱を省略した鬼道を見事にあてて、その威力高さに教師もぽかんとしていた。
本当にもったいないと思う。3回生として燻らせるには、勿体ない。
早く卒業させて、護廷13隊に入れてやりたい。
そう山本総隊長に進言した教師が数人いるが、きちんと6回生まで習わせてから護廷13隊にいれると、頑なだった。
1限につき、授業時間は1時間30分。
昼を挟んだ3限目は、瞬歩の授業だった。
京楽が手本を見せるが、みんなその動きについていけず、ばてていた。
唯一、浮竹だけが、京楽の速さに反応し、瞬歩をしていた。
「本当に、お前たちは勿体ないなぁ。早く、護廷13隊に入れてやりたい」
「嫌だな、先生、まだ3回生ですよ。あと3年もあります」
「そうそう、卒業まであと3年・・・・・うふふ、その間に浮竹の心をわしづかみにして見せるよ」
「そう思うのなら、朝っぱらから裸で踊るのをまずは止めろ」
「じゃあ、今度からパンツをはいて踊るよ」
「それならよし」
教師にも、この二人の関係はよく分からない。できていそうで、できていない。浮竹が被害を被っても、肝心の浮竹が嫌だと訴えてこないのだ。
「お前たちの関係は、本当に不思議だな」
「やめてください先生、こいつとセットにしないでください」
「先生、セットで考えてOKだよ。ぜひともそうするべきだ」
二人とも、ちぐはぐな答えをする。
でも、喧嘩をしないのだ。
まぁ、京楽の変態に浮竹が切れて、浮竹が蹴ったり、鬼道を使ったりするのは、教師一同見て見ぬふりをしている。
山本総隊長から、二人の仲に口出しは厳禁と言われていた。
4限まで授業を終えて、帰り道に見事に紅梅があって、それに見惚れていると、花を一輪つんで、京楽が浮竹の髪に飾った。
「ああ、やっぱり君の白い髪には濃い紅色が映えるね」
「花がかわいそうだろう」
そう言いながらも、浮竹は満更でもなさそうだった。
それを見ていた、他のクラスの生徒がいう。
「あの二人のセットって、優秀だけどたまにバカだよな」
よく、二人で痴話げんかのようなことを学院でも起こしていた。
「不思議な二人だね・・・」
そんなことを思われいるとは二人は露知らず、いつも通り漫才のようにどつきあっているのだた。
院生時代の部屋 梅の花
いつもの季節より早く、梅の花が咲いた。
「梅の花か・・・もうすぐ春だな」
4月になれば、4回生だ。
背の高い京楽は、梅の枝を折って、浮竹に渡した。
「部屋に飾るといいよ」
綺麗な紅梅で、かすかな匂いがした。
「梅の花って、綺麗なのにあまり匂いはしないんだな」
「そういえばそうだね」
二人で、学院の廊下を歩いていると、向こう側から生徒が走ってきた。
ドンとぶつかって、浮竹がよろける。
「こら、謝りなよ!」
京楽がそう声をかけるが、ぶつかった生徒はあっという間に遠ざかってしまった。
「こらーーー!」
その後を、教師が追いかける。
「どうしたんですか?」
浮竹が問いかけると、教師は真っ赤な顔で怒っていた。
「女生徒の更衣室を盗撮していたんだ」
「ちょっといってくる」
京楽は、瞬歩でさっき逃げていった生徒を捕まえた。
下級生だった。
教師は死神ではなかったので、瞬歩は使えなかった。
3回生の終わり頃に、ようやく瞬歩の基礎を教えられる。京楽が自己流で鍛錬し、死神と同じ速度の瞬歩が使えた。
浮竹も瞬歩を使えるが、まだ基礎的なもので本物の死神のそれと比べれば、どうしても劣ってしまう。
「すみません、すみません、もうしませんから」
ぶらーんと長身の京楽にぶら下げられて、哀れなほどに貧相な少年だった。
「君、1回生でしょ。こんな時期から盗撮だなんて、せっかく受かった学院を退学になりたいの?」
生徒を、教師に引き渡す。
「こら!停学になる覚悟は、できているんだろうな!」
「くそ」
生徒は、浅打を手にしていた。
「うわあああああ!」
暴れ出して、教師に斬りかかる。
「危ない!」
庇った浮竹の背に、その浅打は食い込んでいた。
「浮竹!!」
血を流して倒れる浮竹は、スローモーションで見ているようにゆっくりと床に倒れた。
「お前!」
「ひいいい」
下級生は、浅打を手に暴れ回った。
瞬歩でその背中に回り込み、浅打を取り上げて腕の関節を外した。
「いてえええええ!!」
本当なら、斬魄刀で斬り殺してしまいたい。
だが、通常の学院では帯剣は、非常時以外許可されていない。
「退学だよ、君・・・。大人しくしていれば、停学ですんだものを」
浮竹を抱き抱え上げる。
背中の傷はそんなに深くはなかったが、抱き上げた京楽の手にも腕にも服にも、べっとりと血がついた。
「京楽君、この生徒は私に任せなさい。早く浮竹君を医務室へ!」
京楽は、誰かを抱えて瞬歩をしたことがない。もしも、途中でおっことしたら大変だと、走って医務室に向かった。
ここから、そんなに距離は離れていなかった。
「先生、回道使えますか!」
保健室に入ると、今日は幸いなことに、4番隊の隊員がいた。
「背中を斬られてます」
「うつ伏せにベッドに寝かせて」
うつぶせにして、傷のある場所に回道をかけていく。
傷は、綺麗に塞がった。
「よかった・・・・」
すぐに、浮竹も意識を取り戻した。
「あ、俺は・・・?」
「君、教師を庇って浅打で背を斬られたんだよ」
「ああ・・・・咄嗟だったから」
「もう、あんな危ない行動は慎んでね!凄く心配したんだから!」
京楽の服が、手が、腕が、浮竹の血で汚れていた。浮竹の服も、真っ赤になっていた。
「傷は深くなかったけど、けっこう出血したね。輸血パックがある。輸血していきなさい」
浮竹は、念のために輸血をされた。
「院生の服、サイズが合うか分からないけど、ここに置いておおくから。輸血が終わったら、着替えなさい」
京楽も、手や腕についていた血を洗って、真新しい院生服に着替えていた。京楽は背が高いので、その院生服も大きめだったが、少し窮屈そうだった。
輸血が終わり、すっかり元気になった浮竹は、新しい院生服に着替えようとして、こっちをじーっと食い入るよに見つめている、変態京楽の視線に気づいた。
「着替えるから、部屋を出ていけ」
「ええ!先生はよくて、僕はだめなの!?」
浮竹は、京楽の背中を蹴って、医務室の外に出した。
着替えようとして、窓の隙間からじーっとこっちを盗み見ている京楽に、溜息を零しながら、カーテンでしきられたベッドの上で着替えた。
「ああ、オアシスが見れない!」
なんとかのぞきこうもうとしているが、分厚いカーテンにしきられて、浮竹の着換えは見れなかった。
「先生、ありがとうごいました」
「ありがとうございます」
「いや、大事に至らずによかった」
4番隊に所属している保険医に礼をいって、さっきまでいた廊下に戻ると、床に落ちていた紅梅の枝を拾った。
「どうするの、それ」
「お前が手折ってしまったんだ。このままじゃかわいそうだから、寮の花瓶にでも活ける」
「紅梅と浮竹・・・・(*´Д`)ハァハァ」
「どこに興奮する要素があるんだ!」
「君の白い肌に、紅梅はよく映える・・・」
「まさか、それだけのために手折ったのか?」
「そうだよ」
京楽は、そう言う。
「梅の花も生きてるんだぞ。無意味に手折るな」
京楽の尻を蹴り上げると、京楽はでれっとした。
「怒った浮竹もかわいい」
「ああもう、お前というやつは・・・・」
今日の授業は昼までだったので、食堂によって食事をした。
梅の花をみて、女生徒が綺麗だ綺麗だと集まってくる。
「がるるるるる!浮竹は僕のものだよ!さぁ散った散った!」
京楽に威嚇されて、女生徒たちは黄色い悲鳴をあげながら、去っていった。
「お前は・・・はぁ、もういい。疲れた。寮に戻ろう」
紅梅の枝を手に、寮の自室に戻ると、ちょうどいい大きさの花瓶を見つけて、水をいれて枝を活けた。
「もうすぐ、春だな・・・・」
「僕と君が巡り合ってから4年になるのかぁ。早いねぇ」
京楽は、ぱんつ一丁だった。
「服を着ろ、服を!」
「浮竹に踊りを見てもらいたくて」
ぱんつ一丁の、どじょうすくいの踊りを見せられた。
「どう?感想は?」
「非常に不愉快だった」
「そう!それはよかった!」
素晴らしいといっても、不愉快といっても、どのみち同じ感想をするだろう。
変態京楽は、そんな生き物だった。
梅の花はそれから1週間は散ることなく、寮の部屋を彩っていた。
「梅の花か・・・もうすぐ春だな」
4月になれば、4回生だ。
背の高い京楽は、梅の枝を折って、浮竹に渡した。
「部屋に飾るといいよ」
綺麗な紅梅で、かすかな匂いがした。
「梅の花って、綺麗なのにあまり匂いはしないんだな」
「そういえばそうだね」
二人で、学院の廊下を歩いていると、向こう側から生徒が走ってきた。
ドンとぶつかって、浮竹がよろける。
「こら、謝りなよ!」
京楽がそう声をかけるが、ぶつかった生徒はあっという間に遠ざかってしまった。
「こらーーー!」
その後を、教師が追いかける。
「どうしたんですか?」
浮竹が問いかけると、教師は真っ赤な顔で怒っていた。
「女生徒の更衣室を盗撮していたんだ」
「ちょっといってくる」
京楽は、瞬歩でさっき逃げていった生徒を捕まえた。
下級生だった。
教師は死神ではなかったので、瞬歩は使えなかった。
3回生の終わり頃に、ようやく瞬歩の基礎を教えられる。京楽が自己流で鍛錬し、死神と同じ速度の瞬歩が使えた。
浮竹も瞬歩を使えるが、まだ基礎的なもので本物の死神のそれと比べれば、どうしても劣ってしまう。
「すみません、すみません、もうしませんから」
ぶらーんと長身の京楽にぶら下げられて、哀れなほどに貧相な少年だった。
「君、1回生でしょ。こんな時期から盗撮だなんて、せっかく受かった学院を退学になりたいの?」
生徒を、教師に引き渡す。
「こら!停学になる覚悟は、できているんだろうな!」
「くそ」
生徒は、浅打を手にしていた。
「うわあああああ!」
暴れ出して、教師に斬りかかる。
「危ない!」
庇った浮竹の背に、その浅打は食い込んでいた。
「浮竹!!」
血を流して倒れる浮竹は、スローモーションで見ているようにゆっくりと床に倒れた。
「お前!」
「ひいいい」
下級生は、浅打を手に暴れ回った。
瞬歩でその背中に回り込み、浅打を取り上げて腕の関節を外した。
「いてえええええ!!」
本当なら、斬魄刀で斬り殺してしまいたい。
だが、通常の学院では帯剣は、非常時以外許可されていない。
「退学だよ、君・・・。大人しくしていれば、停学ですんだものを」
浮竹を抱き抱え上げる。
背中の傷はそんなに深くはなかったが、抱き上げた京楽の手にも腕にも服にも、べっとりと血がついた。
「京楽君、この生徒は私に任せなさい。早く浮竹君を医務室へ!」
京楽は、誰かを抱えて瞬歩をしたことがない。もしも、途中でおっことしたら大変だと、走って医務室に向かった。
ここから、そんなに距離は離れていなかった。
「先生、回道使えますか!」
保健室に入ると、今日は幸いなことに、4番隊の隊員がいた。
「背中を斬られてます」
「うつ伏せにベッドに寝かせて」
うつぶせにして、傷のある場所に回道をかけていく。
傷は、綺麗に塞がった。
「よかった・・・・」
すぐに、浮竹も意識を取り戻した。
「あ、俺は・・・?」
「君、教師を庇って浅打で背を斬られたんだよ」
「ああ・・・・咄嗟だったから」
「もう、あんな危ない行動は慎んでね!凄く心配したんだから!」
京楽の服が、手が、腕が、浮竹の血で汚れていた。浮竹の服も、真っ赤になっていた。
「傷は深くなかったけど、けっこう出血したね。輸血パックがある。輸血していきなさい」
浮竹は、念のために輸血をされた。
「院生の服、サイズが合うか分からないけど、ここに置いておおくから。輸血が終わったら、着替えなさい」
京楽も、手や腕についていた血を洗って、真新しい院生服に着替えていた。京楽は背が高いので、その院生服も大きめだったが、少し窮屈そうだった。
輸血が終わり、すっかり元気になった浮竹は、新しい院生服に着替えようとして、こっちをじーっと食い入るよに見つめている、変態京楽の視線に気づいた。
「着替えるから、部屋を出ていけ」
「ええ!先生はよくて、僕はだめなの!?」
浮竹は、京楽の背中を蹴って、医務室の外に出した。
着替えようとして、窓の隙間からじーっとこっちを盗み見ている京楽に、溜息を零しながら、カーテンでしきられたベッドの上で着替えた。
「ああ、オアシスが見れない!」
なんとかのぞきこうもうとしているが、分厚いカーテンにしきられて、浮竹の着換えは見れなかった。
「先生、ありがとうごいました」
「ありがとうございます」
「いや、大事に至らずによかった」
4番隊に所属している保険医に礼をいって、さっきまでいた廊下に戻ると、床に落ちていた紅梅の枝を拾った。
「どうするの、それ」
「お前が手折ってしまったんだ。このままじゃかわいそうだから、寮の花瓶にでも活ける」
「紅梅と浮竹・・・・(*´Д`)ハァハァ」
「どこに興奮する要素があるんだ!」
「君の白い肌に、紅梅はよく映える・・・」
「まさか、それだけのために手折ったのか?」
「そうだよ」
京楽は、そう言う。
「梅の花も生きてるんだぞ。無意味に手折るな」
京楽の尻を蹴り上げると、京楽はでれっとした。
「怒った浮竹もかわいい」
「ああもう、お前というやつは・・・・」
今日の授業は昼までだったので、食堂によって食事をした。
梅の花をみて、女生徒が綺麗だ綺麗だと集まってくる。
「がるるるるる!浮竹は僕のものだよ!さぁ散った散った!」
京楽に威嚇されて、女生徒たちは黄色い悲鳴をあげながら、去っていった。
「お前は・・・はぁ、もういい。疲れた。寮に戻ろう」
紅梅の枝を手に、寮の自室に戻ると、ちょうどいい大きさの花瓶を見つけて、水をいれて枝を活けた。
「もうすぐ、春だな・・・・」
「僕と君が巡り合ってから4年になるのかぁ。早いねぇ」
京楽は、ぱんつ一丁だった。
「服を着ろ、服を!」
「浮竹に踊りを見てもらいたくて」
ぱんつ一丁の、どじょうすくいの踊りを見せられた。
「どう?感想は?」
「非常に不愉快だった」
「そう!それはよかった!」
素晴らしいといっても、不愉快といっても、どのみち同じ感想をするだろう。
変態京楽は、そんな生き物だった。
梅の花はそれから1週間は散ることなく、寮の部屋を彩っていた。
院生時代の部屋 京楽にホの字
京楽が、ベランダでパンツ一丁で、ラジオ体操をしていた。
浮竹も、健康にいいかもしれないと思い、服をきたままラジオ体操をした。
伝令神機から、音楽は流れていた。
「はーい、深呼吸ー」
ラジオ体操が終わる。
べランダにいた京楽は、何を思ったのか干してあった浮竹の院生服にすりすりしだして、匂いを嗅ぎだした。
「おい、京楽止めろ!洗濯したばかりだ!京楽菌がついたらどうするんだ!」
「僕の菌は万能だよ!」
「変態になるだろうが!」
めきっと頭を殴られて、京楽を涙を浮かべる。
「痛い」
「こっちはいつ、変なことに使われるかと冷や冷やさせられて、心臓に悪いわ!」
「学院に行くぞ。さっさと服を着ろ」
それに、京楽は不満そうだった。
「えー。浮竹もパンツ一丁になってよ。解放感あるよ」
「こんな寒い中、パンツ一丁になんてなるか!夏でもそんな恰好はしない!」
「浮竹のけちー」
「京楽のアホ!」
二人はしばらく言い合いを続けて、負けた京楽は素直に院生の服を着た。
「あれ、この袴足が短い・・・・なんだ、浮竹のか」
聞き捨てならないと、京楽の首を締め上る。
「誰の足が短いだと?」
「ち、違うよ!身長差があるから、袴が短くかんじるだけで、足が短いなんて言ってない!」
「お前がでかすぎるんだ!」
浮竹の身長はまだ伸びている。でも、190センチを超える京楽と、頭半分くらい身長が低かった。
「まだ早いから、朝食とってからいくか」
朝の食堂は、混んでいた。
なんとか二人分の席を確保して、座る。
朝食は、バターを塗ったトーストに、目玉焼き、サラダだった。
量が少なかったので、浮竹は綺麗に平らげてしまった。食べたりないので、京楽はトーストをもう2枚と、目玉焼きを1つ食べていた。
「よく食べるな」
「ご飯食べないと、頭が回転しないからね」
「でも、お互い寝過ごしてよく朝食食べないじゃないか。そういう時は、どうしてるんだ?」
「休憩時間に購買にいって、パンを買って食べてる」
「ああ、だから1限目が終わった後はいつもいないのか・・・そうか」
浮竹は納得する。
「今日の僕は、股間も元気だよ!」
いらぬことを言うので、浮竹に股間をぐりぐりされた。
「いやん、気持ちいい」
普通痛いのだが。
変態には、気持ちよく感じるらしい。
「たっちゃった・・・・・」
「トイレ行って抜いて来い」
「はーい('ω')ノ」
京楽は、トイレに消えてしまった。
そのまま、1限目は座学だった。現世のついての歴史の勉強だった。
現世の歴史などそうでもいいし、テストもないので大半のものが授業を聞いていなかった。
浮竹は、ちゃんとノートにメモをとる。
隣の席の京楽が、浮竹の尻を撫でてきた。
足を思いきり踏みつけてやると、尻をなでていた手で、足を抑えていた。
「ふん」
「浮竹~。こんな授業、真面目に受けるんだね。テストもないんだよ?」
「現世に行ったとき、何かあったら、ためになるかもしれないじゃないか」
「いやあ、現世には虚退治にいくだけで、人間は僕たちの存在が見えないから、意味ないと思うんだけど」
「うるさい。授業の邪魔だ。どいてろ」
机を、京楽はくっつけてきた。
「ちゅーー」
頬にキスをされた。
しかも授業中だ。
ぶちっ。
浮竹は、がたんと席を立った。京楽の服の袖を掴んで、ずるずると教室から引っ張り出す。
「破道の4、白雷」
「キャイーーーン!」
悲鳴をあげて、京楽は焦げた。トーストみたいに、こんがりと、
浮竹は、何事もなかったかのように戻ってくる。
教師も汗を流していた。
それでも教師は授業を続ける。
「えー、この度、この科目でテストを行うことになりました。赤点をとったら、春休みに補習があります」
ブーブー。
ブーイングの嵐だった。
「聞いてないわよ!ノートとってないのよ!授業も聞いてなかったのに!」
女子生徒がそう叫んだ。
「なお、今までの授業をまとめた資料があります。1つ30万環」
「高すぎるわよ!」
現代の通貨にすると、30万だ。
みんな、ブーイングを行いながらも、出せるものはその資料を買って、テストに備えるのだった。
浮竹にとっても30万環は大金だったし、ノートをとっているので問題なかった。
問題は、京楽だろうか。
京楽は教室に戻ってくると、30万環する資料を1つ買った。
いつも大金を所持しているらしい。浮竹のパンツも所持しているが。
「浮竹はいらないよね?」
「ああ、ノートとってるからな」
「浮竹君、ノート写させて!」
「俺も!」
「僕も!」
「あたしも!」
テストは、資料や教科書のもちこみは禁止だったが、ノートならよかったので、いちいちまとめなくていい、わかりやすいノートをとる浮竹のものは人気だった。
みんなにノートを見せてあげながら、京楽もこっそりノートをみて、映していた。
「お前、資料かったんだろ。暗記でもしたらどうだ」
「いやだよ、めんどくさい。ノートの持ち込み可なら、君のノートのほうがわかりやすい」
「さっき買った資料はどうするんだ?」
「いらないから、欲しい子にあげるよ」」
そういうと、流魂街出身の貧しい少女が、京楽の買った資料を欲しがった。
浮竹とはしゃべったこともない子で、とても内気で、京楽に話かけると顔を真っ赤にしていた。
「ほら、あげる」
「ありがとうございます!」
少女は、目を輝かせて教室から出て行った。
「あーあ。お前も罪作りな男だな」
あれは、完全に京楽のホの字だ。
「僕は罪作りだよ。浮竹がメロメロになるような罪作りな男なの」
ふふふふと微笑む京楽にビンタしておいて、浮竹も次の教室に移動した。
「ビンタは愛の証だね。ふふふふ」
アホな京楽は放置しておいたのだが、いつの間にかついてきていた。
「次は剣の斬り合いだ。負けないぞ」
刃を潰した刀での模擬戦だった。
「僕も、負けないよ!」
死神としての技量をあげるために、二人とも本気で斬り合う。道場がよく壊れるのだが。
二人は、まだ少し寒い季節なのに、汗をかくほど本気で斬り合うのだった。
浮竹も、健康にいいかもしれないと思い、服をきたままラジオ体操をした。
伝令神機から、音楽は流れていた。
「はーい、深呼吸ー」
ラジオ体操が終わる。
べランダにいた京楽は、何を思ったのか干してあった浮竹の院生服にすりすりしだして、匂いを嗅ぎだした。
「おい、京楽止めろ!洗濯したばかりだ!京楽菌がついたらどうするんだ!」
「僕の菌は万能だよ!」
「変態になるだろうが!」
めきっと頭を殴られて、京楽を涙を浮かべる。
「痛い」
「こっちはいつ、変なことに使われるかと冷や冷やさせられて、心臓に悪いわ!」
「学院に行くぞ。さっさと服を着ろ」
それに、京楽は不満そうだった。
「えー。浮竹もパンツ一丁になってよ。解放感あるよ」
「こんな寒い中、パンツ一丁になんてなるか!夏でもそんな恰好はしない!」
「浮竹のけちー」
「京楽のアホ!」
二人はしばらく言い合いを続けて、負けた京楽は素直に院生の服を着た。
「あれ、この袴足が短い・・・・なんだ、浮竹のか」
聞き捨てならないと、京楽の首を締め上る。
「誰の足が短いだと?」
「ち、違うよ!身長差があるから、袴が短くかんじるだけで、足が短いなんて言ってない!」
「お前がでかすぎるんだ!」
浮竹の身長はまだ伸びている。でも、190センチを超える京楽と、頭半分くらい身長が低かった。
「まだ早いから、朝食とってからいくか」
朝の食堂は、混んでいた。
なんとか二人分の席を確保して、座る。
朝食は、バターを塗ったトーストに、目玉焼き、サラダだった。
量が少なかったので、浮竹は綺麗に平らげてしまった。食べたりないので、京楽はトーストをもう2枚と、目玉焼きを1つ食べていた。
「よく食べるな」
「ご飯食べないと、頭が回転しないからね」
「でも、お互い寝過ごしてよく朝食食べないじゃないか。そういう時は、どうしてるんだ?」
「休憩時間に購買にいって、パンを買って食べてる」
「ああ、だから1限目が終わった後はいつもいないのか・・・そうか」
浮竹は納得する。
「今日の僕は、股間も元気だよ!」
いらぬことを言うので、浮竹に股間をぐりぐりされた。
「いやん、気持ちいい」
普通痛いのだが。
変態には、気持ちよく感じるらしい。
「たっちゃった・・・・・」
「トイレ行って抜いて来い」
「はーい('ω')ノ」
京楽は、トイレに消えてしまった。
そのまま、1限目は座学だった。現世のついての歴史の勉強だった。
現世の歴史などそうでもいいし、テストもないので大半のものが授業を聞いていなかった。
浮竹は、ちゃんとノートにメモをとる。
隣の席の京楽が、浮竹の尻を撫でてきた。
足を思いきり踏みつけてやると、尻をなでていた手で、足を抑えていた。
「ふん」
「浮竹~。こんな授業、真面目に受けるんだね。テストもないんだよ?」
「現世に行ったとき、何かあったら、ためになるかもしれないじゃないか」
「いやあ、現世には虚退治にいくだけで、人間は僕たちの存在が見えないから、意味ないと思うんだけど」
「うるさい。授業の邪魔だ。どいてろ」
机を、京楽はくっつけてきた。
「ちゅーー」
頬にキスをされた。
しかも授業中だ。
ぶちっ。
浮竹は、がたんと席を立った。京楽の服の袖を掴んで、ずるずると教室から引っ張り出す。
「破道の4、白雷」
「キャイーーーン!」
悲鳴をあげて、京楽は焦げた。トーストみたいに、こんがりと、
浮竹は、何事もなかったかのように戻ってくる。
教師も汗を流していた。
それでも教師は授業を続ける。
「えー、この度、この科目でテストを行うことになりました。赤点をとったら、春休みに補習があります」
ブーブー。
ブーイングの嵐だった。
「聞いてないわよ!ノートとってないのよ!授業も聞いてなかったのに!」
女子生徒がそう叫んだ。
「なお、今までの授業をまとめた資料があります。1つ30万環」
「高すぎるわよ!」
現代の通貨にすると、30万だ。
みんな、ブーイングを行いながらも、出せるものはその資料を買って、テストに備えるのだった。
浮竹にとっても30万環は大金だったし、ノートをとっているので問題なかった。
問題は、京楽だろうか。
京楽は教室に戻ってくると、30万環する資料を1つ買った。
いつも大金を所持しているらしい。浮竹のパンツも所持しているが。
「浮竹はいらないよね?」
「ああ、ノートとってるからな」
「浮竹君、ノート写させて!」
「俺も!」
「僕も!」
「あたしも!」
テストは、資料や教科書のもちこみは禁止だったが、ノートならよかったので、いちいちまとめなくていい、わかりやすいノートをとる浮竹のものは人気だった。
みんなにノートを見せてあげながら、京楽もこっそりノートをみて、映していた。
「お前、資料かったんだろ。暗記でもしたらどうだ」
「いやだよ、めんどくさい。ノートの持ち込み可なら、君のノートのほうがわかりやすい」
「さっき買った資料はどうするんだ?」
「いらないから、欲しい子にあげるよ」」
そういうと、流魂街出身の貧しい少女が、京楽の買った資料を欲しがった。
浮竹とはしゃべったこともない子で、とても内気で、京楽に話かけると顔を真っ赤にしていた。
「ほら、あげる」
「ありがとうございます!」
少女は、目を輝かせて教室から出て行った。
「あーあ。お前も罪作りな男だな」
あれは、完全に京楽のホの字だ。
「僕は罪作りだよ。浮竹がメロメロになるような罪作りな男なの」
ふふふふと微笑む京楽にビンタしておいて、浮竹も次の教室に移動した。
「ビンタは愛の証だね。ふふふふ」
アホな京楽は放置しておいたのだが、いつの間にかついてきていた。
「次は剣の斬り合いだ。負けないぞ」
刃を潰した刀での模擬戦だった。
「僕も、負けないよ!」
死神としての技量をあげるために、二人とも本気で斬り合う。道場がよく壊れるのだが。
二人は、まだ少し寒い季節なのに、汗をかくほど本気で斬り合うのだった。
院生時代の部屋 夕日に照らされて
その日、浮竹は熱を出した。
京楽は学院から帰ってくると、つきっきりで看病した。
「何か食べたいものある?」
「柘榴が・・・・食べたい」
「ええ!季節じゃないから、売ってないよ」
「じゃあ、桃」
「それも無理」
「じゃあ、京楽」
「はーい('ω')ノ」
京楽はばっと脱ぎだすと、浮竹の傍にぴったりとくっついた。ぱんつははいていた。
「冗談だ・・・りんごでいい」
「りんごね。買ってくるよ」
パンツ一丁だったので、服をきて下町の市にやってきた。
「りんごりんご・・・お、まじ。柘榴売ってるじゃない」
京楽は、りんごを2つと柘榴を3つ買った。
「浮竹、起きてるかい!」
浮竹は、眠っていた。
「よく眠ってる・・・・」
ごそごそと、浮竹の隣に寝転んで、京楽も眠りだした。
「起きろ、おい、起きろ!」
揺さぶられて、京楽は目を開けた。
「浮竹!熱は下がったかい!」
「まだだ。あんまり近くに寄るな。起きたらお前の顔が隣にあって、びっくりした。俺は今風邪なんだ。あんまり近くにいられたら、うつしてしまう」
「僕なら大丈夫。かかってもすぐに薬飲めば治るほうだから」
「お前はいいな・・・・」
浮竹は、心底京楽を羨ましがった。風邪をひいて重症になって寝込む自分とは大違いだと。
「そうそう、りんごと柘榴買ってきたよ」
「柘榴?季節じゃないんじゃなかったのか?」
「そうなんだけど、たまたま売ってたんだ。食べるかい?」
「食べる」
適当にカットして、爪楊枝をつけた。
「はい、あーん」
「自分で食える」
「だめだめ。まだ熱があるからね。はいあーん」
仕方なしに口をあけると、柘榴の味が甘く口の中に浸透していった。
1個分食べ終わると、夕食を食べていなかったので、もう1個食べたいというと、まだあるのか、またカットしたものを口のまえにもってこられた。
それを口にして、腹が減ったと訴えた。
すでに置いてあった、少し冷めた卵粥を渡されて、それをできるだけ食べた。
お腹が減った感触はあるが、食欲はあまりなくて、半分も食べれなかった。
「もういい・・・・」
「味付けが悪かった?うちの料理人に作らせたんだけど」
「味はおいしかった。ただ、食欲がないんだ。腹はへっていたが、食欲がわかない。今はもう腹は減っていないから、もういい。薬を飲むから、とってきてくれ」
下町にある病院で処方された、風邪薬と解熱剤を飲んで、横になる。
「今日はすまないな・・・・柘榴、わざわざ買ってきてくれたんだな。嬉しかった」
「浮竹、大好きだよ!」
唇にはキスできないから、頬や額に口づけて、抱き締めた。
「ばか、あんまり寄るな。風邪がうつる」
「だから、僕は大丈夫だってば。真冬でぱんつ一丁でも風邪ひかない体質だし」
よく、冬なのに、パンツ一丁で踊っていたなと、思い出す。
もうすぐ春だ。
春になれば、4回生になる。
「京楽・・・・今日は、俺のベッドで寝ていいぞ」
「え、まじで。いいのかい」
「ただし、変なことはするなよ」
「うん」
その言葉を最後に、浮竹はまた眠ってしまった。
京楽は、パンツ一丁になって、浮竹に添い寝した。
朝起きると、ほぼ全裸の京楽がいて、浮竹は思わず蹴り飛ばした。
「何、勝手に人のベッドで寝てやがる!」
「酷い!一緒に寝ようと言ったのは、浮竹だよ!」
「ん?ん~?そうだったかな?だからって、なんでぱんつ一丁なんだ!」
「君の温もりを全身で受け止めるためだよ!」
「この変態!」
「そうだよ!僕は変態さ!変態に変態は、もはや褒め言葉だよ!」
「重症だ・・・・・だめだこりゃ」
京楽は脱ぎ散らかしていた服をきた。
「それより、熱は下がった?」
浮竹の額に手を当てる。
「うん、下がってるね。でも、念のため今日も休んどこうか」
「補習が増える。授業を受ける」
「え、でも病み上がりだよ」
「3日も欠席したんだ。遅れを取り戻したい」
仕方なしに、具合が悪くなったら早退するという約束で、授業に出た。
3日分の遅れを取り戻そうと、浮竹は必死だった。放課後、補習を受けた。その必要もないのに、京楽も補習に出た。
「では、これにて終了です」
浮竹のために特別に行われた補習のお陰で、3日分の遅れを浮竹は取り戻した。
寮への帰り道、浮竹は夕日に染まりながら、微笑んだ。
「京楽のお陰で、補習も無事受けれて、遅れを取り戻せた。ありがとう」
その笑顔が、その白い髪が、夕日色に染まっていて、とても綺麗だった。
浮竹を、胸に抱き寄せて、キスをした。
浮竹は、抗議するわけでもなく、それに応えた。
「んあ・・・・」
舌が絡まるキスを繰り返す。
すっと、浮竹は何もなかったように離れていく。
「浮竹・・・好きだよ」
幸せすぎて、なぜか涙が出そうだった。
「俺も、好きだ」
「え・・・」
「友人としてな!」
浮竹の笑顔はとても綺麗で。涙が、零れた。
京楽は学院から帰ってくると、つきっきりで看病した。
「何か食べたいものある?」
「柘榴が・・・・食べたい」
「ええ!季節じゃないから、売ってないよ」
「じゃあ、桃」
「それも無理」
「じゃあ、京楽」
「はーい('ω')ノ」
京楽はばっと脱ぎだすと、浮竹の傍にぴったりとくっついた。ぱんつははいていた。
「冗談だ・・・りんごでいい」
「りんごね。買ってくるよ」
パンツ一丁だったので、服をきて下町の市にやってきた。
「りんごりんご・・・お、まじ。柘榴売ってるじゃない」
京楽は、りんごを2つと柘榴を3つ買った。
「浮竹、起きてるかい!」
浮竹は、眠っていた。
「よく眠ってる・・・・」
ごそごそと、浮竹の隣に寝転んで、京楽も眠りだした。
「起きろ、おい、起きろ!」
揺さぶられて、京楽は目を開けた。
「浮竹!熱は下がったかい!」
「まだだ。あんまり近くに寄るな。起きたらお前の顔が隣にあって、びっくりした。俺は今風邪なんだ。あんまり近くにいられたら、うつしてしまう」
「僕なら大丈夫。かかってもすぐに薬飲めば治るほうだから」
「お前はいいな・・・・」
浮竹は、心底京楽を羨ましがった。風邪をひいて重症になって寝込む自分とは大違いだと。
「そうそう、りんごと柘榴買ってきたよ」
「柘榴?季節じゃないんじゃなかったのか?」
「そうなんだけど、たまたま売ってたんだ。食べるかい?」
「食べる」
適当にカットして、爪楊枝をつけた。
「はい、あーん」
「自分で食える」
「だめだめ。まだ熱があるからね。はいあーん」
仕方なしに口をあけると、柘榴の味が甘く口の中に浸透していった。
1個分食べ終わると、夕食を食べていなかったので、もう1個食べたいというと、まだあるのか、またカットしたものを口のまえにもってこられた。
それを口にして、腹が減ったと訴えた。
すでに置いてあった、少し冷めた卵粥を渡されて、それをできるだけ食べた。
お腹が減った感触はあるが、食欲はあまりなくて、半分も食べれなかった。
「もういい・・・・」
「味付けが悪かった?うちの料理人に作らせたんだけど」
「味はおいしかった。ただ、食欲がないんだ。腹はへっていたが、食欲がわかない。今はもう腹は減っていないから、もういい。薬を飲むから、とってきてくれ」
下町にある病院で処方された、風邪薬と解熱剤を飲んで、横になる。
「今日はすまないな・・・・柘榴、わざわざ買ってきてくれたんだな。嬉しかった」
「浮竹、大好きだよ!」
唇にはキスできないから、頬や額に口づけて、抱き締めた。
「ばか、あんまり寄るな。風邪がうつる」
「だから、僕は大丈夫だってば。真冬でぱんつ一丁でも風邪ひかない体質だし」
よく、冬なのに、パンツ一丁で踊っていたなと、思い出す。
もうすぐ春だ。
春になれば、4回生になる。
「京楽・・・・今日は、俺のベッドで寝ていいぞ」
「え、まじで。いいのかい」
「ただし、変なことはするなよ」
「うん」
その言葉を最後に、浮竹はまた眠ってしまった。
京楽は、パンツ一丁になって、浮竹に添い寝した。
朝起きると、ほぼ全裸の京楽がいて、浮竹は思わず蹴り飛ばした。
「何、勝手に人のベッドで寝てやがる!」
「酷い!一緒に寝ようと言ったのは、浮竹だよ!」
「ん?ん~?そうだったかな?だからって、なんでぱんつ一丁なんだ!」
「君の温もりを全身で受け止めるためだよ!」
「この変態!」
「そうだよ!僕は変態さ!変態に変態は、もはや褒め言葉だよ!」
「重症だ・・・・・だめだこりゃ」
京楽は脱ぎ散らかしていた服をきた。
「それより、熱は下がった?」
浮竹の額に手を当てる。
「うん、下がってるね。でも、念のため今日も休んどこうか」
「補習が増える。授業を受ける」
「え、でも病み上がりだよ」
「3日も欠席したんだ。遅れを取り戻したい」
仕方なしに、具合が悪くなったら早退するという約束で、授業に出た。
3日分の遅れを取り戻そうと、浮竹は必死だった。放課後、補習を受けた。その必要もないのに、京楽も補習に出た。
「では、これにて終了です」
浮竹のために特別に行われた補習のお陰で、3日分の遅れを浮竹は取り戻した。
寮への帰り道、浮竹は夕日に染まりながら、微笑んだ。
「京楽のお陰で、補習も無事受けれて、遅れを取り戻せた。ありがとう」
その笑顔が、その白い髪が、夕日色に染まっていて、とても綺麗だった。
浮竹を、胸に抱き寄せて、キスをした。
浮竹は、抗議するわけでもなく、それに応えた。
「んあ・・・・」
舌が絡まるキスを繰り返す。
すっと、浮竹は何もなかったように離れていく。
「浮竹・・・好きだよ」
幸せすぎて、なぜか涙が出そうだった。
「俺も、好きだ」
「え・・・」
「友人としてな!」
浮竹の笑顔はとても綺麗で。涙が、零れた。
院生時代の部屋 簀巻きになっても
「ねんねんころりーねんころりー」
京楽が、浮田を寝かしつけようとしていた。
浮竹は惰眠を貪り過ぎて、眠れないでいた。
すると、同じく惰眠を貪って寝れない京楽が、寝かしつけてくれるというから任せてみれば、これだった。
「おねむり~僕のあそこがすごいのよ~おねむり~君のあそこもすごいのよ~」
「もういい」
「ええ!僕の子守唄、良くなかった!?」
「途中から卑猥になっていた」
「ええ!あの程度で卑猥だなんて・・・・浮竹ったら初心だね♡」
そんなことをほざく浮竹の脳天にチョップを入れて、浮竹はごろりとベッドで寝がえりをした。
すると、目の前に京楽の顔があった。
「お前、何勝手に人のベッドで横になってるんだ!」
「でゅふふふふふ。寝れないんでしょ?一緒にいちゃいちゃいしようよ」
「誰がするか!
とりあえず、京楽を蹴って、ベッドから転げさせた。
「浮竹!もう1回!」
また浮竹のベッドに寝転がってきたので、蹴ってベッドの下に落としてやった。
「くんかくんか・・・・浮竹のかほり・・・」
蹴りをいれた裸足を掴んで、ペロリと舐めてきた。
「うわあ!」
いきなりの感触に、悲鳴がでた。
「あれ、浮竹感じちゃった?もっと舐めるよぺろぺろ」
「こそばゆい!何しやがんだこの変態!」
足の裏を舐めてくる変態に、浮竹がその顔を蹴り飛ばした。
「(*´Д`)ハァハァ」
「だめか。もうお前にはこれもご褒美になるのか」
浮竹は溜息を零した。
京楽に、ベッドから起き上がって本棚から出してきた辞書の角で、頭をゴツンとしてやった。京楽は、白目をむいて気絶した。
その京楽を京楽の布団で簀巻きにして、ベッドの上に転がす。
同じベッドの上でだ。
「は・・・あれ?僕は・・浮竹が目の前にいるのに、体が動かない!」
ベッドに紐を結んで、簀巻きにした京楽を固定しておいた。
「ふんふんふん・・・・・だめだ、動かない」
「どうだ、京楽。固定地獄は。ほれほれ」
ぱじゃまの胸のぼたんを外して、上半身をちらちらと見せてやった。
「のおおおおおおお!突進したいにのに動かないーーー!」
「ははははは」
京楽をからかって、遊んでいた。
京楽はなんとか簀巻きを脱出しようと試みているが、がっちりと縛られていて、動けなかった。
「僕の浮竹が誘ってくれているのに!僕のあそこはびんびんなのに!キスもハグもできないなんて!」
びんびんだという股間を蹴ってやった。
布団ごしだったので、痛い刺激ではなく、触られたような刺激になって。
「あ、いちゃった・・・・」
「この変態が!」
その顔面を蹴ってやった。
鼻血をたらたらこぼして、京楽はでも幸せそうだった。
「浮竹にいかせてもらえた~♪」
「俺は蹴っただけだ!」
「でも僕はいったもんね~♪このことを、皆に知らせなければ!」
「しゃべったら・・・白雷だ」
ニコニコと微笑む浮竹が怖くて、京楽はもぞもそしだした。
もぞもぞもぞもぞ。
するとどうだろう。京楽は、簀巻きから脱出してしまった。
「やったー自由だ!さぁ、浮竹、僕とめくるめく愛の世界へ!」
ゴス!
また、辞書の角で頭を殴った。京楽は白目をむいてたおれた。
また簀巻きにして、今度は念入りにロープでしばって、ベランダに放置した。
口には猿ぐつわをかませた。
「むーむーーーー」
何かいっているようだが、浮竹は眠くなって、そのまま寝てしまった。
「あ。京楽とりこむの、忘れてた・・・」
朝になって、京楽の傍にいくと、京楽はすまきになったままよく寝ていた。猿ぐつわを外してやり、簀巻きも解放してやる。
「おい、京楽起きろ!」
頬をぴたぴたと叩いてやると、京楽は目を輝かせた。
「僕の女神!僕とぬるぬる地獄へよこそ!」
京楽は、夜のうちに何度かいったのか、股間がぬるぬるになっていた。
とらえず、拳でアッパーをかました。
「ばかなことしてないで、着替えろ。学院に行くぞ」
「はーい」
京楽は残念そうであったが、浮竹はすでに平常心で運転していた。
やがて下着も全部着替えた、院生服姿の、見た目だけならまともな京楽がやってくる。
その懐に手をいれた。
「浮竹のえっち♡」
「このパンツの塊は、置いていけ」
京楽の懐には、盗んだ浮竹のパンツが数枚入っていた。
「えー、僕のスウィートたちが」
「パンツをもっていかなかったら、今日の夜キスをしてやる」
「ばいばいスウィートたち」
浮竹の腰に手を回して、京楽が部屋を出る。しばらくそうして歩いていると、浮竹が京楽の尻をつねった。
「いつまで、腰を抱いてるつもりだ、このアホ!」
「ああん、愛が痛い!」
「はぁ・・・簀巻きにしても脱出したり、簀巻きにしてるのにいったり・・・・お前は、どうなっているんだ」
「僕はね、浮竹の愛でできてるんだ!」
「そうか。それはよかったな」
浮竹は、適当に返事を返す。
今日もまた、何気ない1日が始まろうとしていた。
京楽が、浮田を寝かしつけようとしていた。
浮竹は惰眠を貪り過ぎて、眠れないでいた。
すると、同じく惰眠を貪って寝れない京楽が、寝かしつけてくれるというから任せてみれば、これだった。
「おねむり~僕のあそこがすごいのよ~おねむり~君のあそこもすごいのよ~」
「もういい」
「ええ!僕の子守唄、良くなかった!?」
「途中から卑猥になっていた」
「ええ!あの程度で卑猥だなんて・・・・浮竹ったら初心だね♡」
そんなことをほざく浮竹の脳天にチョップを入れて、浮竹はごろりとベッドで寝がえりをした。
すると、目の前に京楽の顔があった。
「お前、何勝手に人のベッドで横になってるんだ!」
「でゅふふふふふ。寝れないんでしょ?一緒にいちゃいちゃいしようよ」
「誰がするか!
とりあえず、京楽を蹴って、ベッドから転げさせた。
「浮竹!もう1回!」
また浮竹のベッドに寝転がってきたので、蹴ってベッドの下に落としてやった。
「くんかくんか・・・・浮竹のかほり・・・」
蹴りをいれた裸足を掴んで、ペロリと舐めてきた。
「うわあ!」
いきなりの感触に、悲鳴がでた。
「あれ、浮竹感じちゃった?もっと舐めるよぺろぺろ」
「こそばゆい!何しやがんだこの変態!」
足の裏を舐めてくる変態に、浮竹がその顔を蹴り飛ばした。
「(*´Д`)ハァハァ」
「だめか。もうお前にはこれもご褒美になるのか」
浮竹は溜息を零した。
京楽に、ベッドから起き上がって本棚から出してきた辞書の角で、頭をゴツンとしてやった。京楽は、白目をむいて気絶した。
その京楽を京楽の布団で簀巻きにして、ベッドの上に転がす。
同じベッドの上でだ。
「は・・・あれ?僕は・・浮竹が目の前にいるのに、体が動かない!」
ベッドに紐を結んで、簀巻きにした京楽を固定しておいた。
「ふんふんふん・・・・・だめだ、動かない」
「どうだ、京楽。固定地獄は。ほれほれ」
ぱじゃまの胸のぼたんを外して、上半身をちらちらと見せてやった。
「のおおおおおおお!突進したいにのに動かないーーー!」
「ははははは」
京楽をからかって、遊んでいた。
京楽はなんとか簀巻きを脱出しようと試みているが、がっちりと縛られていて、動けなかった。
「僕の浮竹が誘ってくれているのに!僕のあそこはびんびんなのに!キスもハグもできないなんて!」
びんびんだという股間を蹴ってやった。
布団ごしだったので、痛い刺激ではなく、触られたような刺激になって。
「あ、いちゃった・・・・」
「この変態が!」
その顔面を蹴ってやった。
鼻血をたらたらこぼして、京楽はでも幸せそうだった。
「浮竹にいかせてもらえた~♪」
「俺は蹴っただけだ!」
「でも僕はいったもんね~♪このことを、皆に知らせなければ!」
「しゃべったら・・・白雷だ」
ニコニコと微笑む浮竹が怖くて、京楽はもぞもそしだした。
もぞもぞもぞもぞ。
するとどうだろう。京楽は、簀巻きから脱出してしまった。
「やったー自由だ!さぁ、浮竹、僕とめくるめく愛の世界へ!」
ゴス!
また、辞書の角で頭を殴った。京楽は白目をむいてたおれた。
また簀巻きにして、今度は念入りにロープでしばって、ベランダに放置した。
口には猿ぐつわをかませた。
「むーむーーーー」
何かいっているようだが、浮竹は眠くなって、そのまま寝てしまった。
「あ。京楽とりこむの、忘れてた・・・」
朝になって、京楽の傍にいくと、京楽はすまきになったままよく寝ていた。猿ぐつわを外してやり、簀巻きも解放してやる。
「おい、京楽起きろ!」
頬をぴたぴたと叩いてやると、京楽は目を輝かせた。
「僕の女神!僕とぬるぬる地獄へよこそ!」
京楽は、夜のうちに何度かいったのか、股間がぬるぬるになっていた。
とらえず、拳でアッパーをかました。
「ばかなことしてないで、着替えろ。学院に行くぞ」
「はーい」
京楽は残念そうであったが、浮竹はすでに平常心で運転していた。
やがて下着も全部着替えた、院生服姿の、見た目だけならまともな京楽がやってくる。
その懐に手をいれた。
「浮竹のえっち♡」
「このパンツの塊は、置いていけ」
京楽の懐には、盗んだ浮竹のパンツが数枚入っていた。
「えー、僕のスウィートたちが」
「パンツをもっていかなかったら、今日の夜キスをしてやる」
「ばいばいスウィートたち」
浮竹の腰に手を回して、京楽が部屋を出る。しばらくそうして歩いていると、浮竹が京楽の尻をつねった。
「いつまで、腰を抱いてるつもりだ、このアホ!」
「ああん、愛が痛い!」
「はぁ・・・簀巻きにしても脱出したり、簀巻きにしてるのにいったり・・・・お前は、どうなっているんだ」
「僕はね、浮竹の愛でできてるんだ!」
「そうか。それはよかったな」
浮竹は、適当に返事を返す。
今日もまた、何気ない1日が始まろうとしていた。
朽木白哉と浮竹4
「やあ、白哉」
「浮竹・・・兄は、こんな時間に何をしている。仕事はどうした」
6番隊の執務室にやってきた浮竹に、白哉は質問した。
「ああ、もう終わらせた」
「早いな・・・・」
「それがな、清音と仙太郎が、病み上がりだからってほとんど仕事を片付けてしまってたみたいで・・・・俺が目を通す必要のあったのと、俺の採決がいる書類を残しただけで、仕事の量が思ったよりなくてだな・・・・・」
「そうか・・・兄は、副官はいないが、優秀な3席が二人もいるんだったな」
「そうなんだ。あいつら・・・白哉、結婚しよう。式はハワイで」
「は?」
白哉は間の抜けた声をだした。
「白哉はやはり白無垢かなぁ」
「おい、浮竹」
「隊長、どうなってるんでしょう?」
聞いてきた恋次に、「私も分からぬ」と答えた。
「結婚式場は、朽木家で・・・・・・」
「はーい、ごめん、ちょっと通るよ」
「京楽・・・これは、どういうことだ」
京楽が、また何か涅のつくったくだらない薬でも飲ませたのかと思うと、そうではなかった。
「浮竹、今自分で何口走ってるのか、わかってないでしょ?」
「京楽が、ペンギンと結婚すると言い出したので、白哉と結婚式を挙げるんだ・・・」
「だめだこりゃ」
浮竹を抱き上げる。
「浮竹?」
「凄い熱があるの。多分40度近い。出歩ける体調じゃないのに、布団から抜け出してきてね・・・霊圧を探ってやってきたというわけだよ。浮竹、自分でも何言ってるのか分かってないから、浮竹の言葉は真に受けないでね」
最初は、おかしい様子はなかった。
でもよく見れば、汗もかいているし顔も朱かった。
「京楽、ペンギンと浮気する気かーーー」
「はいはい。浮気しないから、ちゃんと薬飲んで横になってね」
浮竹を抱き上げて、京楽は瞬歩で去ってしまった。
それを見ていた白哉は、立ち上がる。
「え、隊長?」
「白無垢を着るとすれば浮竹のほうだ。ちゃんと訂正しておかねば」
「えーーー!!」
恋次が吃驚していた。
白哉は、そんな恋次を残して、雨乾堂まで瞬歩でくると、薬を飲まされている途中の浮竹に声をかけた。
「朽木隊長?どうしたんだい?」
「浮竹、例え結婚することになったとしても、私は白無垢など着ぬ。着るのは浮竹、兄のほうだ」
「白哉がぺんぎんだ~~~~ふにゃら~~~ペンギンが白無垢?」
「では、そういうことで」
さっと、白哉は風のように去ってしまった。
「なんだったんだろう・・・・・・」
「さぁ?」
「わかりません」
清音と仙太郎が、熱のせいでふにゃふにゃいってる浮竹を見る。
「浮竹隊長、朽木隊長にプロポーズしてたんですよね?」
「うん、そうだよ」
「多分、その時に言われた答えを言いにきたのではないかと・・・・」
「浮竹が白無垢・・・・。例え仲のいい朽木隊長でも、浮竹との結婚を許すわけにはいかないね」
「あ、浮竹隊長、起き上がっちゃだめです!熱が凄くあるんですから!」
清音の言葉に、浮竹は。
「清音は豚玉」
「は?」
「はっはっは、浮竹隊長はお前のこと豚だっていいたいのさ!この豚女ーーーー!」
「きいいいいいい、なんですって、このいんきんたむしーーー!」
二人は言い争いをしだした。
「お好み焼きに豚玉は欠かせない・・・・・ZZZZZZZ]
浮竹は、解熱剤がきいてきたのか、沈静効果で眠ってしまった。
「豚女!豚女!」
「このワキガ!水虫男!」
「なんだとー!」
「なによー!」
二人の様子を見て、言葉を挟む。
「浮竹は、お好み焼きに豚玉は欠かせないって言ってたよ。清音ちゃんの名前を出したのは、たまたまじゃないかな?」
「いーえ、隊長はこの女を豚だと思ってるに違いない!やーい、豚女ーー!!」
「きーーーーーー!」
清音は、斬魄刀を柄ごと外すと、その柄で仙太郎の頭を殴った。
「何しやがる!」
仙太郎も、この喧嘩買ったとばかりに、斬魄刀に手をかけた。
「はい、そこまで」
花天狂骨で、喉のあたりに刃をもってこられて、二人は反省しだした。
「すみません、京楽隊長。浮竹隊長がこんな時には、私がしっかりしておかないといけないのに」
「お前はお呼びじゃねぇ。でも、ほんとにすみません、京楽隊長。浮竹隊長を連れ戻してきてくれて、ありがとうございます」
まだお互い何か言いたそうだったが、肝心の浮竹は今は眠っている。
静かにしないといけない。
「まぁ、浮竹の熱が下がったら、喧嘩の続きはいくらでもするといいよ」
京楽はそう言って、浮竹の額の冷やしたタオルを取り換えるのだった。
「浮竹・・・兄は、こんな時間に何をしている。仕事はどうした」
6番隊の執務室にやってきた浮竹に、白哉は質問した。
「ああ、もう終わらせた」
「早いな・・・・」
「それがな、清音と仙太郎が、病み上がりだからってほとんど仕事を片付けてしまってたみたいで・・・・俺が目を通す必要のあったのと、俺の採決がいる書類を残しただけで、仕事の量が思ったよりなくてだな・・・・・」
「そうか・・・兄は、副官はいないが、優秀な3席が二人もいるんだったな」
「そうなんだ。あいつら・・・白哉、結婚しよう。式はハワイで」
「は?」
白哉は間の抜けた声をだした。
「白哉はやはり白無垢かなぁ」
「おい、浮竹」
「隊長、どうなってるんでしょう?」
聞いてきた恋次に、「私も分からぬ」と答えた。
「結婚式場は、朽木家で・・・・・・」
「はーい、ごめん、ちょっと通るよ」
「京楽・・・これは、どういうことだ」
京楽が、また何か涅のつくったくだらない薬でも飲ませたのかと思うと、そうではなかった。
「浮竹、今自分で何口走ってるのか、わかってないでしょ?」
「京楽が、ペンギンと結婚すると言い出したので、白哉と結婚式を挙げるんだ・・・」
「だめだこりゃ」
浮竹を抱き上げる。
「浮竹?」
「凄い熱があるの。多分40度近い。出歩ける体調じゃないのに、布団から抜け出してきてね・・・霊圧を探ってやってきたというわけだよ。浮竹、自分でも何言ってるのか分かってないから、浮竹の言葉は真に受けないでね」
最初は、おかしい様子はなかった。
でもよく見れば、汗もかいているし顔も朱かった。
「京楽、ペンギンと浮気する気かーーー」
「はいはい。浮気しないから、ちゃんと薬飲んで横になってね」
浮竹を抱き上げて、京楽は瞬歩で去ってしまった。
それを見ていた白哉は、立ち上がる。
「え、隊長?」
「白無垢を着るとすれば浮竹のほうだ。ちゃんと訂正しておかねば」
「えーーー!!」
恋次が吃驚していた。
白哉は、そんな恋次を残して、雨乾堂まで瞬歩でくると、薬を飲まされている途中の浮竹に声をかけた。
「朽木隊長?どうしたんだい?」
「浮竹、例え結婚することになったとしても、私は白無垢など着ぬ。着るのは浮竹、兄のほうだ」
「白哉がぺんぎんだ~~~~ふにゃら~~~ペンギンが白無垢?」
「では、そういうことで」
さっと、白哉は風のように去ってしまった。
「なんだったんだろう・・・・・・」
「さぁ?」
「わかりません」
清音と仙太郎が、熱のせいでふにゃふにゃいってる浮竹を見る。
「浮竹隊長、朽木隊長にプロポーズしてたんですよね?」
「うん、そうだよ」
「多分、その時に言われた答えを言いにきたのではないかと・・・・」
「浮竹が白無垢・・・・。例え仲のいい朽木隊長でも、浮竹との結婚を許すわけにはいかないね」
「あ、浮竹隊長、起き上がっちゃだめです!熱が凄くあるんですから!」
清音の言葉に、浮竹は。
「清音は豚玉」
「は?」
「はっはっは、浮竹隊長はお前のこと豚だっていいたいのさ!この豚女ーーーー!」
「きいいいいいい、なんですって、このいんきんたむしーーー!」
二人は言い争いをしだした。
「お好み焼きに豚玉は欠かせない・・・・・ZZZZZZZ]
浮竹は、解熱剤がきいてきたのか、沈静効果で眠ってしまった。
「豚女!豚女!」
「このワキガ!水虫男!」
「なんだとー!」
「なによー!」
二人の様子を見て、言葉を挟む。
「浮竹は、お好み焼きに豚玉は欠かせないって言ってたよ。清音ちゃんの名前を出したのは、たまたまじゃないかな?」
「いーえ、隊長はこの女を豚だと思ってるに違いない!やーい、豚女ーー!!」
「きーーーーーー!」
清音は、斬魄刀を柄ごと外すと、その柄で仙太郎の頭を殴った。
「何しやがる!」
仙太郎も、この喧嘩買ったとばかりに、斬魄刀に手をかけた。
「はい、そこまで」
花天狂骨で、喉のあたりに刃をもってこられて、二人は反省しだした。
「すみません、京楽隊長。浮竹隊長がこんな時には、私がしっかりしておかないといけないのに」
「お前はお呼びじゃねぇ。でも、ほんとにすみません、京楽隊長。浮竹隊長を連れ戻してきてくれて、ありがとうございます」
まだお互い何か言いたそうだったが、肝心の浮竹は今は眠っている。
静かにしないといけない。
「まぁ、浮竹の熱が下がったら、喧嘩の続きはいくらでもするといいよ」
京楽はそう言って、浮竹の額の冷やしたタオルを取り換えるのだった。
日番谷隊長と浮竹
「日番谷隊長、健康ランドにいこう!」
いきなり浮竹がやってききて、そう言い出したものだから、日番谷は眉を顰めた。
「何言ってるんだ、お前」
「だから、健康ランドにいこう。プールとかあるぞ。今なら子供連れだとただになるんだ」
「お前、俺を子供扱いする気か・・・・・」
日番谷は、子供扱いされるのを嫌う。
でも、身長のせいでいつも皆から子供扱いされた。まぁ、一般隊士や席官は隊長として敬ってくれるが、同じ隊長たちといると、よく子供扱いされた。
「まぁまぁ。子供のふりをすればいいだけさ」
「ただ単に、お前が健康ランドに行きたいだけだろうが」
「京楽も行くそうだぞ」
「はぁ・・・まぁ、暇だし、たまにはいいか。おーい松本、健康ランドにくぞー!」
日番谷は、松本にも声をかけた。
松本は、それを聞いて嬉しそうに、去年着ていたという際どい水着をもちだしてきた。
「却下だ!もっと地味なものにしろ!
「えー隊長いいじゃないですかー。別に誰かを悩殺しようとしてるんじゃないんだから」
「一般市民が悩殺されるわ!」
まぁ、一般市民なんて知ったことではないのだが。
こうして、浮竹と京楽、それに日番谷と松本は、ただで健康ランドに入ることに成功した。
「やっほー!プールで泳いできまーす」
結局、松本は際どい水着のままだった。
男性の視線が、その零れ落ちそうな豊満な谷間に釘付けになる。
浮竹も京楽も、何も感じてない。日番谷もだ。
「めんどくせぇけど、俺も泳いでくる。何しでかすかわからねーからな」
「じゅあ、僕たちは銭湯とサウナにいってるから」
「また後でな、日番谷隊長」
浮竹と京楽は、バスタオルを腰に巻きながら、銭湯でまずは体と髪を洗った。それからサウナに入る。
10分ほどで、京楽は我慢ができずに外にでた。冷水に浸かって、きもちよさそうだった。
浮竹は、30分以上経ってもでてこなかった。
まさかと思い、中に入ると、ふらふらな状態で座っていた。顔が真っ赤だった。
「のぼせた~~~~~」
「ああもう、なんでのぼせるまでサウナにいるんだい」
まずは冷水に浸からせて体温を下げて、購入したスポーツドリンクを渡すと、それを浮竹は一気に飲み干してしまった。
「おかわり」
「はいはい」
もう1本スポーツドリンクを購入して、飲ませた。
「プールに入って、少し涼む」
「じゃあ、移動しよっか」
海水パンツをはいて、二人はプールで泳ぎだした。
ただ、浮竹は泳げないので、うきわ必須だったが。
「浮竹が泳げないなんて、かわいいねぇ」
「好きで泳げないわけじゃない。ちなみに最高記録は14メートルだ」
「かわいい」
長い白髪は、一つにまとめて結い上げていた。
今日のために、数日の間睦みあっても、キスマークを残すなと徹底していたので、キスマークは体になかった。
「浮竹隊長、京楽隊長、ちょっとこっちにきてください」
松本の方に行っていると、松本は豊満すぎる胸を手で隠しているだけだった。
「どうしたんだ、松本」
「乱菊ちゃん、どうしたの」
「それが、胸の水着がとれて何処かに流れてしまって。探すの、手伝ってくれません?」
「いいが、そのままの恰好は問題がある。このバスタオルを、胸に巻いておけ」
「やだ、浮竹隊長紳士~」
「僕だってまけないよ!このゴーグルで、水中を探すんだ!」
「ありがとうございます~京楽隊長」
浮竹と京楽は、二人で松本の胸の水着を探した。
といっても、浮竹はおぼれるので潜ることができないので、水面をさがしたり、顔を水につけて探すのが手一杯だったが。
「おい、松本。何遊んでやがる」
「隊長~私の胸の水着がどっかいったんですー」
「これか?なんか流れてきた」
「あ、それです!」
ほんとど布地のない、胸の水着であった。
「浮竹隊長、バスタオル返します」
ぽろり。
こぼれたでかい胸に、浮竹は顔を赤らめた。
「その、松本、胸が丸見えだぞ」
「あ、やだー、あたしったら」
水着をつける松本。
京楽はというと、その胸をみて。
「今度、涅隊長に薬作ってもらおう・・・性別転換できて、巨乳になるやつ」
「言っておくが、飲まないぞ!飲ませたら、どうなるかは分かっているんだろうな!?」
「えー、なんのことかなぁ。でゅふふふふふ」
気持ちの悪い笑いをする京楽に、こいつ絶対俺に薬を飲ます気だと、浮竹が距離をとる。
「まぁまぁ。浮竹は美女になっても今もままでも、僕はいけるから」
過去に、性別転換の薬を盛られたことがあって、結局京楽においしくいただかれてしまった。
それを思い出して、浮竹は浮輪と一緒に京楽を置いて遥か彼方に泳いでいってしまった。
「あ、待ってよ浮竹!」
「はぁ。あの二人見てるの面白いわ~。小説のネタがなんか浮かんできそう」
「松本、健康ランドに来てまで、腐った目で二人を見るのはやめろ!」
「えーなんでですか~。京浮王道なんですよー?夫婦なんですよー?」
「夫婦・・・・・」
瀞霊廷でも言われている。二人は、もはや熟練カップルを通りこして夫婦だと。
「浮竹が嫁?ありえそうで怖い・・・・。京楽が嫁・・・京楽のウェディングドレス姿」
想像して、ぶはっと日番谷は吹き出した。
「あーっはっはっはは。もじゃもじゃの嫁!」
「隊長、何かつぼになりました?」
「京楽のウェディングドレスを着た姿を想像してしまった」
「ぶはっ!腐女子とはいえ、それは流石に萌えないわ~」
そんな目で見られているとは知らず、浮竹も京楽も、ウォータースライダーを滑ったりして、健康ランドを楽しむのだった。
いきなり浮竹がやってききて、そう言い出したものだから、日番谷は眉を顰めた。
「何言ってるんだ、お前」
「だから、健康ランドにいこう。プールとかあるぞ。今なら子供連れだとただになるんだ」
「お前、俺を子供扱いする気か・・・・・」
日番谷は、子供扱いされるのを嫌う。
でも、身長のせいでいつも皆から子供扱いされた。まぁ、一般隊士や席官は隊長として敬ってくれるが、同じ隊長たちといると、よく子供扱いされた。
「まぁまぁ。子供のふりをすればいいだけさ」
「ただ単に、お前が健康ランドに行きたいだけだろうが」
「京楽も行くそうだぞ」
「はぁ・・・まぁ、暇だし、たまにはいいか。おーい松本、健康ランドにくぞー!」
日番谷は、松本にも声をかけた。
松本は、それを聞いて嬉しそうに、去年着ていたという際どい水着をもちだしてきた。
「却下だ!もっと地味なものにしろ!
「えー隊長いいじゃないですかー。別に誰かを悩殺しようとしてるんじゃないんだから」
「一般市民が悩殺されるわ!」
まぁ、一般市民なんて知ったことではないのだが。
こうして、浮竹と京楽、それに日番谷と松本は、ただで健康ランドに入ることに成功した。
「やっほー!プールで泳いできまーす」
結局、松本は際どい水着のままだった。
男性の視線が、その零れ落ちそうな豊満な谷間に釘付けになる。
浮竹も京楽も、何も感じてない。日番谷もだ。
「めんどくせぇけど、俺も泳いでくる。何しでかすかわからねーからな」
「じゅあ、僕たちは銭湯とサウナにいってるから」
「また後でな、日番谷隊長」
浮竹と京楽は、バスタオルを腰に巻きながら、銭湯でまずは体と髪を洗った。それからサウナに入る。
10分ほどで、京楽は我慢ができずに外にでた。冷水に浸かって、きもちよさそうだった。
浮竹は、30分以上経ってもでてこなかった。
まさかと思い、中に入ると、ふらふらな状態で座っていた。顔が真っ赤だった。
「のぼせた~~~~~」
「ああもう、なんでのぼせるまでサウナにいるんだい」
まずは冷水に浸からせて体温を下げて、購入したスポーツドリンクを渡すと、それを浮竹は一気に飲み干してしまった。
「おかわり」
「はいはい」
もう1本スポーツドリンクを購入して、飲ませた。
「プールに入って、少し涼む」
「じゃあ、移動しよっか」
海水パンツをはいて、二人はプールで泳ぎだした。
ただ、浮竹は泳げないので、うきわ必須だったが。
「浮竹が泳げないなんて、かわいいねぇ」
「好きで泳げないわけじゃない。ちなみに最高記録は14メートルだ」
「かわいい」
長い白髪は、一つにまとめて結い上げていた。
今日のために、数日の間睦みあっても、キスマークを残すなと徹底していたので、キスマークは体になかった。
「浮竹隊長、京楽隊長、ちょっとこっちにきてください」
松本の方に行っていると、松本は豊満すぎる胸を手で隠しているだけだった。
「どうしたんだ、松本」
「乱菊ちゃん、どうしたの」
「それが、胸の水着がとれて何処かに流れてしまって。探すの、手伝ってくれません?」
「いいが、そのままの恰好は問題がある。このバスタオルを、胸に巻いておけ」
「やだ、浮竹隊長紳士~」
「僕だってまけないよ!このゴーグルで、水中を探すんだ!」
「ありがとうございます~京楽隊長」
浮竹と京楽は、二人で松本の胸の水着を探した。
といっても、浮竹はおぼれるので潜ることができないので、水面をさがしたり、顔を水につけて探すのが手一杯だったが。
「おい、松本。何遊んでやがる」
「隊長~私の胸の水着がどっかいったんですー」
「これか?なんか流れてきた」
「あ、それです!」
ほんとど布地のない、胸の水着であった。
「浮竹隊長、バスタオル返します」
ぽろり。
こぼれたでかい胸に、浮竹は顔を赤らめた。
「その、松本、胸が丸見えだぞ」
「あ、やだー、あたしったら」
水着をつける松本。
京楽はというと、その胸をみて。
「今度、涅隊長に薬作ってもらおう・・・性別転換できて、巨乳になるやつ」
「言っておくが、飲まないぞ!飲ませたら、どうなるかは分かっているんだろうな!?」
「えー、なんのことかなぁ。でゅふふふふふ」
気持ちの悪い笑いをする京楽に、こいつ絶対俺に薬を飲ます気だと、浮竹が距離をとる。
「まぁまぁ。浮竹は美女になっても今もままでも、僕はいけるから」
過去に、性別転換の薬を盛られたことがあって、結局京楽においしくいただかれてしまった。
それを思い出して、浮竹は浮輪と一緒に京楽を置いて遥か彼方に泳いでいってしまった。
「あ、待ってよ浮竹!」
「はぁ。あの二人見てるの面白いわ~。小説のネタがなんか浮かんできそう」
「松本、健康ランドに来てまで、腐った目で二人を見るのはやめろ!」
「えーなんでですか~。京浮王道なんですよー?夫婦なんですよー?」
「夫婦・・・・・」
瀞霊廷でも言われている。二人は、もはや熟練カップルを通りこして夫婦だと。
「浮竹が嫁?ありえそうで怖い・・・・。京楽が嫁・・・京楽のウェディングドレス姿」
想像して、ぶはっと日番谷は吹き出した。
「あーっはっはっはは。もじゃもじゃの嫁!」
「隊長、何かつぼになりました?」
「京楽のウェディングドレスを着た姿を想像してしまった」
「ぶはっ!腐女子とはいえ、それは流石に萌えないわ~」
そんな目で見られているとは知らず、浮竹も京楽も、ウォータースライダーを滑ったりして、健康ランドを楽しむのだった。
浮竹死んだけど幽霊です憑いてます22 精強剤
この前、大浴場で買った「超健康、ビタミンカルシウムたっぷり健康エナジードリンクスーパーZ」という名の精強剤を、飲んでみた。
あそこがビンビンになった。
「浮竹・・・・・・」
「京楽のアホーーーーー」
実体化していた浮竹は、月の2回ある睦みあう日のために実体化していたのだが、精強剤を口にした京楽を見て、その頭を殴った。
「年のくせにただでさえ性欲旺盛なのに、何精強剤飲んでやがる!」
「まぁまぁ。浮竹も飲みなよ」
「俺はいら・・・・むがー」
無理やり、口移しで飲まされた。
その味がまた、眩暈がしそうなほどにまずいのだ。
吐きだすわけにもいかず、嚥下してしまった。
「あ・・・・・」
浮竹までビンビンになった。
「あほ、俺に精強剤飲ませてどうする」
「いく回数が増えれて、いいじゃない」
「どうせドライのオーガズムでもいくんだ。あまり変わらない」
「でも、出したときのほうが快感は高いでしょ?」
「まぁ、それは・・・・・」
「ということで、いただきまーす」
「ぎゃあああああああああ」
---------------------------------------------
「んあ・・・・・・」
もう何度めになるかも分からない熱を体内に放たれて、浮竹はぼんやりとしながらそれを受け止めた。
浮竹自身、もう4回以上いっている。
超健康、ビタミンカルシウムたっぷり健康エナジードリンクスーパーZなる精強剤を、大浴場でのぼせた浮竹に水分をとらせるために適当にかった飲料がそれだった。
なんで自販機に精強剤が売っているのかは不思議だったが、とにかく普通の精強剤より効いた。
それこそ、涅マユリが作った精強剤のように。
っていうか、ドリンクの後ろによく見たら、涅製薬と書いてあった。
「こんなもの、普通の自販機で売るなよな・・・あああ!」
ズチュリと中を犯されて、疲弊しているはずの体は、それでも喜んだ。
「んあああああ!」
前立腺を刺激して、突き上げられる。
「ああ!」
もう何度目かも分からない熱を、浮竹は吐きだした。
「浮竹もいきまくりだね。この精強剤、けっこういいかも」
「ああああ、疲れるから・・・・・あんま、飲むな・・・・んんんっ」
舌が絡まるキスをされる。
「浮竹もきもちよさそうじゃない・・・・・」
「ばか、やり過ぎられると、疲れる・・・・・」
「ここはそうでもないみたいだけど?」
まだたちあがっている花茎は、だらだらと先走りの蜜を垂らせていた。
「んあああ!」
京楽の手で直接いじられて、浮竹はびくんと体を痙攣させる。
また、いってしまった。
少し効果がきついようだった。
しかし、流石にもう吐き出すものがなくなって、透明な蜜だけをとろとろと零すようになっていた。
「ひああああ・・・・ああ・・・・・・んあ」
京楽のものは、まだ硬度を保っていた。
「ひあああ、もう、早くいけ・・・・・」
下肢に力をこめると、京楽もその締め付けに我慢できず、精液を浮竹の腹の奥にぶちまけた。
「んあああ!!」
じんわりと広がっている熱にも、体は反応した。
最後のあたりは、ドライのオーガズムでいっていた。
ぬきとられると、こぽりと京楽が出したものが逆流してぼとぼととシーツの上に漏れ出す。
「あ、出ちゃう・・・・」
京楽は、濡れたタオルでそれをぬぐうが、出した回数のせいか、いつもの2倍くらいの質量で、溢れてきた。
「ん・・・・風呂に、入りたい」
「大丈夫?まだ実体化していられる?」
「あと、20分くらいなら可能だ・・・3時間あったのに、残り20分か。お前、俺を抱きすぎだ」
「いやあ、この精強剤すごいね。また使いたいくらいだ」
浮竹にジト目で睨まれた。
「今度それを飲んで俺を抱いたら、2カ月の禁欲を言い渡す」
「そんなぁ」
京楽は、心底残念そうだった。
「浮竹も気持ちよくなれたのに?」
「限度ってものがあるだろう!回数が多すぎると、疲れるんだ。もう指も動かしたくない・・・・」
そんな浮竹を抱き上げて、風呂場までいって、中に出したものをかき出した。
1番隊の新しい建築にあたって、専用の少し広めの湯殿を建築させておいて正解だったと、京楽は思う。
まさか、死んだはずの浮竹とこうして睦みあい、その処理に使うとは思っていなかったが。
「はぁ・・・・・・」
体と髪を洗い、湯船に浸かる。
浮竹は、腰が痛そうだった。
風呂からあがっても、立ち上がれないでいた。
「ちょっと、やりすぎちゃったね」
「これがちょっとか!いつもの2倍はしておいて!」
「まぁまぁ」
浮竹の髪の水分をバスタオルで吸い取って、死覇装と白いだけの羽織を着せていく。
髪を結い上げようとしたところで時間切れになって、浮竹の体は透けていった。
仕方ないので、霊体を触れる手袋をして、髪を結い上げて、翡翠の髪飾りで留めた。
翡翠の髪飾りは、浮竹の一部となって透けてしまった。
身に着けたものも透き通るが、実体化すると身に着けたいたものも普通の状態に戻る。
本当に、便利なのか不便なのか分からない体だった。
「いっそ、お前も幽霊になるか」
「僕はまだ生きていたいよ。総隊長としての役目もあるし。それが終わったら、幽霊になってもいいかな」
「ばか、冗談に決まっているだろう」
「僕はこのままゆっくり年老いていくけど、浮竹はどうなんだろうね?」
「多分、俺も年老いていくぞ。何せ、霊体なのに髪も爪も伸びる。幽霊なのにな」
浮竹は、シーツをかえたベッドの上で疲れたのか横になっていた。
霊体だから、浮いていてもいいのだが、腰が重い気がするのだ。
「ああ、君にキスしたいのにできない」
「それは諦めろ」
「こうなったら、この手袋で!」
全身をくすぐられて、浮竹は京楽から逃げた。
「まてー」
「京楽のアホー!あんなにやっておきながら、なんでそんなに元気なんだ!」
「さぁ、やっぱり一応健康ドリンクでもあるからじゃない?君も、あれだけ抱かれておきながら、そんなに活発に動くなんて元気だね」
浮竹は、拗ねて日番谷のところにいってしまった。
「ああ、もう使えないのかぁ。勿体ないなぁ」
超健康、ビタミンカルシウムたっぷり健康エナジードリンクスーパーZの残りの中身を捨てていく。
後日、また買おうとしたのだが、売り切れで普通のスポーツドリンクが売ってあった。
ネットで涅製薬を探してみたが、そんなもの存在しなくて、とにかく謎だらけのドリンクなのであった。
あそこがビンビンになった。
「浮竹・・・・・・」
「京楽のアホーーーーー」
実体化していた浮竹は、月の2回ある睦みあう日のために実体化していたのだが、精強剤を口にした京楽を見て、その頭を殴った。
「年のくせにただでさえ性欲旺盛なのに、何精強剤飲んでやがる!」
「まぁまぁ。浮竹も飲みなよ」
「俺はいら・・・・むがー」
無理やり、口移しで飲まされた。
その味がまた、眩暈がしそうなほどにまずいのだ。
吐きだすわけにもいかず、嚥下してしまった。
「あ・・・・・」
浮竹までビンビンになった。
「あほ、俺に精強剤飲ませてどうする」
「いく回数が増えれて、いいじゃない」
「どうせドライのオーガズムでもいくんだ。あまり変わらない」
「でも、出したときのほうが快感は高いでしょ?」
「まぁ、それは・・・・・」
「ということで、いただきまーす」
「ぎゃあああああああああ」
---------------------------------------------
「んあ・・・・・・」
もう何度めになるかも分からない熱を体内に放たれて、浮竹はぼんやりとしながらそれを受け止めた。
浮竹自身、もう4回以上いっている。
超健康、ビタミンカルシウムたっぷり健康エナジードリンクスーパーZなる精強剤を、大浴場でのぼせた浮竹に水分をとらせるために適当にかった飲料がそれだった。
なんで自販機に精強剤が売っているのかは不思議だったが、とにかく普通の精強剤より効いた。
それこそ、涅マユリが作った精強剤のように。
っていうか、ドリンクの後ろによく見たら、涅製薬と書いてあった。
「こんなもの、普通の自販機で売るなよな・・・あああ!」
ズチュリと中を犯されて、疲弊しているはずの体は、それでも喜んだ。
「んあああああ!」
前立腺を刺激して、突き上げられる。
「ああ!」
もう何度目かも分からない熱を、浮竹は吐きだした。
「浮竹もいきまくりだね。この精強剤、けっこういいかも」
「ああああ、疲れるから・・・・・あんま、飲むな・・・・んんんっ」
舌が絡まるキスをされる。
「浮竹もきもちよさそうじゃない・・・・・」
「ばか、やり過ぎられると、疲れる・・・・・」
「ここはそうでもないみたいだけど?」
まだたちあがっている花茎は、だらだらと先走りの蜜を垂らせていた。
「んあああ!」
京楽の手で直接いじられて、浮竹はびくんと体を痙攣させる。
また、いってしまった。
少し効果がきついようだった。
しかし、流石にもう吐き出すものがなくなって、透明な蜜だけをとろとろと零すようになっていた。
「ひああああ・・・・ああ・・・・・・んあ」
京楽のものは、まだ硬度を保っていた。
「ひあああ、もう、早くいけ・・・・・」
下肢に力をこめると、京楽もその締め付けに我慢できず、精液を浮竹の腹の奥にぶちまけた。
「んあああ!!」
じんわりと広がっている熱にも、体は反応した。
最後のあたりは、ドライのオーガズムでいっていた。
ぬきとられると、こぽりと京楽が出したものが逆流してぼとぼととシーツの上に漏れ出す。
「あ、出ちゃう・・・・」
京楽は、濡れたタオルでそれをぬぐうが、出した回数のせいか、いつもの2倍くらいの質量で、溢れてきた。
「ん・・・・風呂に、入りたい」
「大丈夫?まだ実体化していられる?」
「あと、20分くらいなら可能だ・・・3時間あったのに、残り20分か。お前、俺を抱きすぎだ」
「いやあ、この精強剤すごいね。また使いたいくらいだ」
浮竹にジト目で睨まれた。
「今度それを飲んで俺を抱いたら、2カ月の禁欲を言い渡す」
「そんなぁ」
京楽は、心底残念そうだった。
「浮竹も気持ちよくなれたのに?」
「限度ってものがあるだろう!回数が多すぎると、疲れるんだ。もう指も動かしたくない・・・・」
そんな浮竹を抱き上げて、風呂場までいって、中に出したものをかき出した。
1番隊の新しい建築にあたって、専用の少し広めの湯殿を建築させておいて正解だったと、京楽は思う。
まさか、死んだはずの浮竹とこうして睦みあい、その処理に使うとは思っていなかったが。
「はぁ・・・・・・」
体と髪を洗い、湯船に浸かる。
浮竹は、腰が痛そうだった。
風呂からあがっても、立ち上がれないでいた。
「ちょっと、やりすぎちゃったね」
「これがちょっとか!いつもの2倍はしておいて!」
「まぁまぁ」
浮竹の髪の水分をバスタオルで吸い取って、死覇装と白いだけの羽織を着せていく。
髪を結い上げようとしたところで時間切れになって、浮竹の体は透けていった。
仕方ないので、霊体を触れる手袋をして、髪を結い上げて、翡翠の髪飾りで留めた。
翡翠の髪飾りは、浮竹の一部となって透けてしまった。
身に着けたものも透き通るが、実体化すると身に着けたいたものも普通の状態に戻る。
本当に、便利なのか不便なのか分からない体だった。
「いっそ、お前も幽霊になるか」
「僕はまだ生きていたいよ。総隊長としての役目もあるし。それが終わったら、幽霊になってもいいかな」
「ばか、冗談に決まっているだろう」
「僕はこのままゆっくり年老いていくけど、浮竹はどうなんだろうね?」
「多分、俺も年老いていくぞ。何せ、霊体なのに髪も爪も伸びる。幽霊なのにな」
浮竹は、シーツをかえたベッドの上で疲れたのか横になっていた。
霊体だから、浮いていてもいいのだが、腰が重い気がするのだ。
「ああ、君にキスしたいのにできない」
「それは諦めろ」
「こうなったら、この手袋で!」
全身をくすぐられて、浮竹は京楽から逃げた。
「まてー」
「京楽のアホー!あんなにやっておきながら、なんでそんなに元気なんだ!」
「さぁ、やっぱり一応健康ドリンクでもあるからじゃない?君も、あれだけ抱かれておきながら、そんなに活発に動くなんて元気だね」
浮竹は、拗ねて日番谷のところにいってしまった。
「ああ、もう使えないのかぁ。勿体ないなぁ」
超健康、ビタミンカルシウムたっぷり健康エナジードリンクスーパーZの残りの中身を捨てていく。
後日、また買おうとしたのだが、売り切れで普通のスポーツドリンクが売ってあった。
ネットで涅製薬を探してみたが、そんなもの存在しなくて、とにかく謎だらけのドリンクなのであった。
浮竹死んだけど幽霊です憑いてます21 大浴場
「ふんふーん」
京楽はご機嫌だった。
大浴場を貸し切りにできたのだ。いつもは人が多くて入る気はしないが、貸し切りなら話は別だ。
「京楽、髪を洗ってくれ」
「はいよ」
浮竹も、久し振りに実体化して風呂に入った。
別に霊体のまま汚れるというわけではないし、実体化してついた汚れは霊体化して波長を変えれば消えるので、風呂に入る必要がなかった。
でも、幽霊のままではじんわりとした温度しか感じられず、物足りない。
大浴場を貸し切りにしたと聞いて、浮竹も実体化して風呂に入ることにした。
いつものシャンプーで、京楽が浮竹の長い髪を洗ってくれる。気持ちよかった。
その後、リンスをされた。
いつもはしないのだが、今日は風呂のために実体化したのだし、いいかと思った。
「これで、浮竹の髪はつやつやだよ」
「俺は、別にシャンプーだけでいいんだがな」
「シャンプーだけでもサラサラだけと、リンスをすればもっと艶が出るよ」
「別に髪に艶なんて求めてないんだが」
「だめだめ!せっかくこんな綺麗な長い白髪をもってるんだから、大切にしないと」
京楽は、浮竹の長い白髪が大好きだった。
いつも、甘い花の香をさせている浮竹に、シャンプーと石鹸の匂いを与えると、なんともいえぬよい芳香となって、京楽を刺激する。
「言っとくが、今日は風呂に入るだけだからな。変なことはするなよ」
「分かってるよ」
いつも、京楽は浮竹が実体化すると手を出してくる。
なので、念を押しておいた。
「ふんふーん」
京楽の長いくせのある黒髪を、浮竹が洗ってやった。シャンプーは浮竹のとは別のものだ。浮竹の髪は女性用のシャンプーで、いい匂いがするやつで、京楽のシャンプーはメンズものの薬用シャンプーで、香は控えめだった。
「お前も髪が長くなったなぁ」
「そろそろ切ろうかと思ってるよ」
「俺が切ってやろうか?」
「勘弁して!10円はげはもうごめんだよ!」
昔、京楽の髪を切って10円禿をいっぱいこさえた。
さすがに浮竹も悪いと思って京楽に詫びて、涅マユリから育毛剤なるものをもらい、はげになったところに塗ったら、うねって長い黒髪が伸びた。
その気味の悪さに、浮竹はもう二度とあの育毛剤は使うまいと決めていた。
「はぁ。久しぶりの風呂は生き返る・・・・」
新婚旅行で温泉を味わったが、あれから数か月経過していた。
湯船に肩まで浸かり、長い髪は結い上げてまとめていた。京楽も髪が長いので、結い上げていたのだが、その姿の似合わないことこの上ない。
「お前は、あれだな。髪を下ろしたままのほがいい。結い上げると、なんというか奇妙だ」
「そういう君は、結い上げるとうなじが見えてセクシーだねぇ」
「変なことはするなよ!」
「しないって。たまには僕を信用してよ」
そのまま、京楽は風呂からあがった。
「浮竹も、早めに出てね。貸し切りの時間、2時間だから」
「ああ」
一向に出てこない浮竹を不思議に思い、大浴場をのぞくと風呂の上に浮かんでいた。
「浮竹!?」
「ほにゃら~。のぼせた~~~」
「ああもう、言わんこっちゃない・・・・・」
浮竹を風呂からあがらせて、髪の水分やらをバスタオルで吸い取り、服を着せていく。
いつもの死覇装に、13番隊と書かれていない、ただの白い羽織だった。
今は13番隊の隊長には、ルキアがついている。
実体化した時、時折間違われるので、隊長羽織は着ないことにした。でも、羽織がないと何か落ち着かないので、白いだけの羽織を着ていた。
「うー世界が廻る~」
「まってて、今つめたいスポーツドリンク買ってくるから」
尸魂界も大分近代化が進み、自販機が置かれるようになった。
念のためにもってきた財布から小銭を出していれて、スポーツドリンクを押すと、売り切れだった。
「ああもう、こんな時にうりきれとか」
とりあえず、冷たいものならなんでもいいかと、適当にボタンを押した。
ガチャン。
出てきた物体をみて、これはないかもと思った。
超健康、ビタミンカルシウムたっぷり健康エナジードリンクスーパーZとかいてあった。
「まぁいいか」
浮竹が待っている。
そう思って、そのドリンクを手に、浮竹のところにくると、のぼせて水を求めていた。
「水を・・・・」
「水じゃないけど、これ・・・・」
その健康ドリンクを飲ませると、浮竹はかっと目を見開いた。
「おいしい?」
「激まずい。のみこめない」
風呂場にもどり、口の中のものを吐き捨てて湯で流した。
「なんだこれは・・・・冷たいことは冷たいが、ドロリとしてねばついて・・イガイガしていて、味がとんでもない」
「そんなに不味いの?」
京楽は、自分でも飲んでみた。
「うへぇ、よくこんなの売ってるね」
一口、口にしたが、でもなんかパワーが溢れてきた。
「なんだろう。すごいやる気出てきた。これ、意外と効くかも?」
浮竹に無理やり飲ますと、浮竹は顔を赤らめた。
「これ、精強剤じゃないのか・・・・・」
「あ、ほんとだ。そう書いてある・・・・・」
「そんなもの買ってくるなんて、やはりいかがわしいことをしようと・・・」
「違う!不可抗力だよ!でもどうしよう、ビンビンだ」
「俺もだ。仕方ない、風呂場で抜くか」
二人は、浮竹が実体化していられる時間が少ないので、睦みあうことはせずに互いに抜きあった。
「味は不味いけど、使えるかも?」
「俺を抱く前に飲むなよ!」
「いやあ、一度ぜひとも試してみたいね」
「京楽のアホ!」
衣服を着たところで、時間がきて浮竹は幽霊に戻った。
すーっと、体がすけていく。
「今度ためしてみようよ」
「絶対に嫌だ!お前、さっき6回も抜いてただろう!」
「そういう浮竹だって5回は抜いてたじゃない!」
ぎゃあぎゃあ言い合っていると、貸し切りの時間が終わって、一般客が入ってきた。
「とりあえず、戻るか・・・水がほしい」
「1番隊の執務室の冷蔵庫に、冷えた麦茶があるから、そこにいくまで我慢してよ」
結局、超健康、ビタミンカルシウムたっぷり健康エナジードリンクスーパーZは今度浮竹が実体化した時に京楽が飲んで、5回もしてしまい不興を買うのだった。
京楽はご機嫌だった。
大浴場を貸し切りにできたのだ。いつもは人が多くて入る気はしないが、貸し切りなら話は別だ。
「京楽、髪を洗ってくれ」
「はいよ」
浮竹も、久し振りに実体化して風呂に入った。
別に霊体のまま汚れるというわけではないし、実体化してついた汚れは霊体化して波長を変えれば消えるので、風呂に入る必要がなかった。
でも、幽霊のままではじんわりとした温度しか感じられず、物足りない。
大浴場を貸し切りにしたと聞いて、浮竹も実体化して風呂に入ることにした。
いつものシャンプーで、京楽が浮竹の長い髪を洗ってくれる。気持ちよかった。
その後、リンスをされた。
いつもはしないのだが、今日は風呂のために実体化したのだし、いいかと思った。
「これで、浮竹の髪はつやつやだよ」
「俺は、別にシャンプーだけでいいんだがな」
「シャンプーだけでもサラサラだけと、リンスをすればもっと艶が出るよ」
「別に髪に艶なんて求めてないんだが」
「だめだめ!せっかくこんな綺麗な長い白髪をもってるんだから、大切にしないと」
京楽は、浮竹の長い白髪が大好きだった。
いつも、甘い花の香をさせている浮竹に、シャンプーと石鹸の匂いを与えると、なんともいえぬよい芳香となって、京楽を刺激する。
「言っとくが、今日は風呂に入るだけだからな。変なことはするなよ」
「分かってるよ」
いつも、京楽は浮竹が実体化すると手を出してくる。
なので、念を押しておいた。
「ふんふーん」
京楽の長いくせのある黒髪を、浮竹が洗ってやった。シャンプーは浮竹のとは別のものだ。浮竹の髪は女性用のシャンプーで、いい匂いがするやつで、京楽のシャンプーはメンズものの薬用シャンプーで、香は控えめだった。
「お前も髪が長くなったなぁ」
「そろそろ切ろうかと思ってるよ」
「俺が切ってやろうか?」
「勘弁して!10円はげはもうごめんだよ!」
昔、京楽の髪を切って10円禿をいっぱいこさえた。
さすがに浮竹も悪いと思って京楽に詫びて、涅マユリから育毛剤なるものをもらい、はげになったところに塗ったら、うねって長い黒髪が伸びた。
その気味の悪さに、浮竹はもう二度とあの育毛剤は使うまいと決めていた。
「はぁ。久しぶりの風呂は生き返る・・・・」
新婚旅行で温泉を味わったが、あれから数か月経過していた。
湯船に肩まで浸かり、長い髪は結い上げてまとめていた。京楽も髪が長いので、結い上げていたのだが、その姿の似合わないことこの上ない。
「お前は、あれだな。髪を下ろしたままのほがいい。結い上げると、なんというか奇妙だ」
「そういう君は、結い上げるとうなじが見えてセクシーだねぇ」
「変なことはするなよ!」
「しないって。たまには僕を信用してよ」
そのまま、京楽は風呂からあがった。
「浮竹も、早めに出てね。貸し切りの時間、2時間だから」
「ああ」
一向に出てこない浮竹を不思議に思い、大浴場をのぞくと風呂の上に浮かんでいた。
「浮竹!?」
「ほにゃら~。のぼせた~~~」
「ああもう、言わんこっちゃない・・・・・」
浮竹を風呂からあがらせて、髪の水分やらをバスタオルで吸い取り、服を着せていく。
いつもの死覇装に、13番隊と書かれていない、ただの白い羽織だった。
今は13番隊の隊長には、ルキアがついている。
実体化した時、時折間違われるので、隊長羽織は着ないことにした。でも、羽織がないと何か落ち着かないので、白いだけの羽織を着ていた。
「うー世界が廻る~」
「まってて、今つめたいスポーツドリンク買ってくるから」
尸魂界も大分近代化が進み、自販機が置かれるようになった。
念のためにもってきた財布から小銭を出していれて、スポーツドリンクを押すと、売り切れだった。
「ああもう、こんな時にうりきれとか」
とりあえず、冷たいものならなんでもいいかと、適当にボタンを押した。
ガチャン。
出てきた物体をみて、これはないかもと思った。
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「まぁいいか」
浮竹が待っている。
そう思って、そのドリンクを手に、浮竹のところにくると、のぼせて水を求めていた。
「水を・・・・」
「水じゃないけど、これ・・・・」
その健康ドリンクを飲ませると、浮竹はかっと目を見開いた。
「おいしい?」
「激まずい。のみこめない」
風呂場にもどり、口の中のものを吐き捨てて湯で流した。
「なんだこれは・・・・冷たいことは冷たいが、ドロリとしてねばついて・・イガイガしていて、味がとんでもない」
「そんなに不味いの?」
京楽は、自分でも飲んでみた。
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一口、口にしたが、でもなんかパワーが溢れてきた。
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二人は、浮竹が実体化していられる時間が少ないので、睦みあうことはせずに互いに抜きあった。
「味は不味いけど、使えるかも?」
「俺を抱く前に飲むなよ!」
「いやあ、一度ぜひとも試してみたいね」
「京楽のアホ!」
衣服を着たところで、時間がきて浮竹は幽霊に戻った。
すーっと、体がすけていく。
「今度ためしてみようよ」
「絶対に嫌だ!お前、さっき6回も抜いてただろう!」
「そういう浮竹だって5回は抜いてたじゃない!」
ぎゃあぎゃあ言い合っていると、貸し切りの時間が終わって、一般客が入ってきた。
「とりあえず、戻るか・・・水がほしい」
「1番隊の執務室の冷蔵庫に、冷えた麦茶があるから、そこにいくまで我慢してよ」
結局、超健康、ビタミンカルシウムたっぷり健康エナジードリンクスーパーZは今度浮竹が実体化した時に京楽が飲んで、5回もしてしまい不興を買うのだった。
浮竹と京楽と海燕と 雪だ遊ぼう
「わぁ、積もったなあ」
浮竹は、雨乾堂の外の銀世界を見つめていた。
「ちょっと隊長、その姿のまま外にでないでください!」
海燕は、雪の積もった外に出ようとする浮竹に、上着を羽織らせた。ついでに防水の手袋とマフラーもさせた。
どうせ浮竹のことだから、はしゃいで雪だるまでも作り出すのだろう。
それは半分あっていた。
雪だるまのようなものを作ろうと頑張っているが、一人では無理なようで。海燕も手伝って、雪だるまをなんとか完成させると、海燕の顔面に雪の玉がぶつかった。
「あんた、手伝ってあげたのに!」
お返しとばかりに、雪玉をつくって浮竹に投げた。
ぽいぽい投げ合っていると、そこへ、京楽がやってくる。
「雨乾堂にいないと思ったら、楽しそうなことしてるねぇ。ぶべ」
京楽の顔面に、雪玉は命中した。
「ちょっと、僕は、ぶべ」
海燕も、日頃の鬱憤を晴らすように京楽に雪玉を投げまくった。
「ええい、こなりゃやけだ!」
京楽も、雪玉を作って海燕や浮竹に投げ出した。
浮竹と海燕は、別に共同作業をしているわけではないのだが、京楽に向けてばかりに雪玉を投げた。
「ちょっと、君ら僕だけターゲットってずる・・・ぶべ」
ぽいぽいと、雪玉を投げてくる浮竹と海燕に、京楽も堪忍袋の緒が切れた。
凄い勢い雪玉をつくり、浮竹と海燕に投げていく。
3人とも、雪まみれになっていた。
「あはははは、面白いけど寒くて冷たいし、疲れるね」
「そうですね」
海燕が、浮竹を心配しだした。
「隊長、このあたりで切り上げて、雨乾堂に入りましょう。そんな雪まみれの恰好でいたら、熱をだしてしまいますよ」
「嫌だ、もっと遊ぶ」
浮竹は、雪玉をこしらえて、海燕に投げた。
それは海燕の顔面に命中した。
「ったく、あんたは!」
海燕も雪玉をつくり、浮竹の顔面に命中させる。
今まで、浮竹は顔面に命中するのを避けていたのだが、気が緩んだのだろう。
「やったな、海燕」
「なんの!」
「僕も忘れないでよ!」
3人で、雪玉をまた投げ出した。
やがて1時間程経って、浮竹がくしゃみをした。
「はっくしょん」
「ああ、隊長もうだめです。時間切れ。風邪ひく前に、雨乾堂に戻ってください
仕方なしに、浮竹は言われた通りにする。
「楽しかったなぁ。雪が積もるの、何十年ぶりだろう。京楽と院生時代でも一度積もって、雪だるまや雪うさぎを作った」
「ああ、あの時は楽しかったねぇ」
昔のことに想いを馳せる。
その頃、海燕はまだ生まれてもいない。
「寒くなってきた・・・・悪寒がする」
火鉢に当たっていた浮竹は、毛布を羽織りガタガタと震えていた。
「ほら、いわんこっちゃない。お風呂入って温まりますか?」
「ああ、そうする」
海燕は、風呂を沸かした。
ちょいどいい温度になって、浮竹を呼ぶ。
「隊長、風呂沸きましたよ」
「ああ、すまない」
浮竹は、風呂に入り体を温めた。でも、髪の毛が水分を重たく吸ってしまい、タオルで水気をできるだけふきとったが、ばさりと背中に流れた。
「だめだ・・・・熱が出てきたみたいだ」
「ああもう、だから雪遊びなんてするから」
海燕は、文句を言いながらも浮竹のために布団を敷いた。
「横になっててください。幸いなことに雪がつもってるんで、氷枕つくってきますから」
「浮竹、大丈夫?」
京楽が、心配そうな顔で浮竹を覗き込んでくる。
「ああ、いつもの熱よりはましだ。少し横になって、薬を飲めばなんとかりそうだ」
京楽は、浮竹に口移しで解熱剤を飲ませた。
「隊長、氷枕つくってきました」
「ああ、ありがとう海燕」
その上に頭を乗せて、外で冷やしたタオルを、浮竹の額に乗せる。
「すまない、少し眠くなってきた・・・寝る」
スースーと、静かな音をたてて浮竹は眠りだした。
「まったく、隊長はこうなることが分かっていながら、なんで雪遊びなんてするんでしょう」
「君がいるからさ、海燕君」
「え、俺が?」
「そう。君に任させれば全て大丈夫だろうと、浮竹は思っているんじゃないかな。海憑君も、浮竹の雪遊びに付き合ったんでしょう?」
「そうですけど」
「浮竹は、一人じゃああまり雪の中へ行かないからね。発作とか起こすと大変だって分かってるし。君がいるから、はしゃいで遊んでたんだよ」
「そういうものですか」
「うん」
「早く熱下がるといいですね」
「そうだね。まぁ、下がっても浮竹はまた懲りずに雪遊びしそうだけどね」
「俺が許しません」
「浮竹も、よくできたけど姑みたいな副官をもって、幸せなんだか気の毒なんだか」
「誰が姑ですか!」
海燕が怒りだす。
「おっと、口が滑っちゃった」
「京楽隊長、そもそもあんたは・・・・・」
がみがみとお小言をもらいながら、京楽は笑う。
海燕の存在は、浮竹にとってはかけがえのないものなのだ。
浮竹は、雨乾堂の外の銀世界を見つめていた。
「ちょっと隊長、その姿のまま外にでないでください!」
海燕は、雪の積もった外に出ようとする浮竹に、上着を羽織らせた。ついでに防水の手袋とマフラーもさせた。
どうせ浮竹のことだから、はしゃいで雪だるまでも作り出すのだろう。
それは半分あっていた。
雪だるまのようなものを作ろうと頑張っているが、一人では無理なようで。海燕も手伝って、雪だるまをなんとか完成させると、海燕の顔面に雪の玉がぶつかった。
「あんた、手伝ってあげたのに!」
お返しとばかりに、雪玉をつくって浮竹に投げた。
ぽいぽい投げ合っていると、そこへ、京楽がやってくる。
「雨乾堂にいないと思ったら、楽しそうなことしてるねぇ。ぶべ」
京楽の顔面に、雪玉は命中した。
「ちょっと、僕は、ぶべ」
海燕も、日頃の鬱憤を晴らすように京楽に雪玉を投げまくった。
「ええい、こなりゃやけだ!」
京楽も、雪玉を作って海燕や浮竹に投げ出した。
浮竹と海燕は、別に共同作業をしているわけではないのだが、京楽に向けてばかりに雪玉を投げた。
「ちょっと、君ら僕だけターゲットってずる・・・ぶべ」
ぽいぽいと、雪玉を投げてくる浮竹と海燕に、京楽も堪忍袋の緒が切れた。
凄い勢い雪玉をつくり、浮竹と海燕に投げていく。
3人とも、雪まみれになっていた。
「あはははは、面白いけど寒くて冷たいし、疲れるね」
「そうですね」
海燕が、浮竹を心配しだした。
「隊長、このあたりで切り上げて、雨乾堂に入りましょう。そんな雪まみれの恰好でいたら、熱をだしてしまいますよ」
「嫌だ、もっと遊ぶ」
浮竹は、雪玉をこしらえて、海燕に投げた。
それは海燕の顔面に命中した。
「ったく、あんたは!」
海燕も雪玉をつくり、浮竹の顔面に命中させる。
今まで、浮竹は顔面に命中するのを避けていたのだが、気が緩んだのだろう。
「やったな、海燕」
「なんの!」
「僕も忘れないでよ!」
3人で、雪玉をまた投げ出した。
やがて1時間程経って、浮竹がくしゃみをした。
「はっくしょん」
「ああ、隊長もうだめです。時間切れ。風邪ひく前に、雨乾堂に戻ってください
仕方なしに、浮竹は言われた通りにする。
「楽しかったなぁ。雪が積もるの、何十年ぶりだろう。京楽と院生時代でも一度積もって、雪だるまや雪うさぎを作った」
「ああ、あの時は楽しかったねぇ」
昔のことに想いを馳せる。
その頃、海燕はまだ生まれてもいない。
「寒くなってきた・・・・悪寒がする」
火鉢に当たっていた浮竹は、毛布を羽織りガタガタと震えていた。
「ほら、いわんこっちゃない。お風呂入って温まりますか?」
「ああ、そうする」
海燕は、風呂を沸かした。
ちょいどいい温度になって、浮竹を呼ぶ。
「隊長、風呂沸きましたよ」
「ああ、すまない」
浮竹は、風呂に入り体を温めた。でも、髪の毛が水分を重たく吸ってしまい、タオルで水気をできるだけふきとったが、ばさりと背中に流れた。
「だめだ・・・・熱が出てきたみたいだ」
「ああもう、だから雪遊びなんてするから」
海燕は、文句を言いながらも浮竹のために布団を敷いた。
「横になっててください。幸いなことに雪がつもってるんで、氷枕つくってきますから」
「浮竹、大丈夫?」
京楽が、心配そうな顔で浮竹を覗き込んでくる。
「ああ、いつもの熱よりはましだ。少し横になって、薬を飲めばなんとかりそうだ」
京楽は、浮竹に口移しで解熱剤を飲ませた。
「隊長、氷枕つくってきました」
「ああ、ありがとう海燕」
その上に頭を乗せて、外で冷やしたタオルを、浮竹の額に乗せる。
「すまない、少し眠くなってきた・・・寝る」
スースーと、静かな音をたてて浮竹は眠りだした。
「まったく、隊長はこうなることが分かっていながら、なんで雪遊びなんてするんでしょう」
「君がいるからさ、海燕君」
「え、俺が?」
「そう。君に任させれば全て大丈夫だろうと、浮竹は思っているんじゃないかな。海憑君も、浮竹の雪遊びに付き合ったんでしょう?」
「そうですけど」
「浮竹は、一人じゃああまり雪の中へ行かないからね。発作とか起こすと大変だって分かってるし。君がいるから、はしゃいで遊んでたんだよ」
「そういうものですか」
「うん」
「早く熱下がるといいですね」
「そうだね。まぁ、下がっても浮竹はまた懲りずに雪遊びしそうだけどね」
「俺が許しません」
「浮竹も、よくできたけど姑みたいな副官をもって、幸せなんだか気の毒なんだか」
「誰が姑ですか!」
海燕が怒りだす。
「おっと、口が滑っちゃった」
「京楽隊長、そもそもあんたは・・・・・」
がみがみとお小言をもらいながら、京楽は笑う。
海燕の存在は、浮竹にとってはかけがえのないものなのだ。