酔っぱらったルキア
結婚から、4か月が経とうとしていた。
白哉との仲は相変わらずだ。
嫌がらせをされたり、したり。
仕事も終わり、一護はルキアと一緒に、居酒屋を訪れた。
「たまには、外食もいいよな。酒も飲めるし」
朽木邸で酒が飲めないわけではないのだが、健康のためと飲み過きになる前に下げられてしまう。
「一体どうしたのだ、一護」
「いや、二人きりの時間が欲しいからさ」
「朽木邸や執務室で、いつでも二人だけの時間を作れるではないか」
「それとは別に、お前と飲んだりして他愛もないことを話せる時間が欲しいんだよ!」
「一護・・・・流石にこんな店では、白玉餡蜜は売っていないか」
「居酒屋だぜ。売ってないだろ」
鳥の串焼きを二人前注文して、冷えたビールを注文する。
「貴様、本来ならば現世では未成年で飲めないのではないか?」
「え、ああそうだけど。ここは尸魂界だし、子供の冬獅郎だって飲んでるし、別にいいだろ」
「まぁ、問題はないが・・・・」
鳥の串焼きがやってきた。熱いうちにぼうばると、じゅわりと肉汁が口いっぱいに広がった。
「うまいな、これ」
「ああ、うまいな」
「ルキア・・・・好きだぜ」
「ぐっ・・・急に何を言い出すのだ。思わず中身を吹き飛ばしそうになったではないか!」
「お前は、俺のこと好きか?」
「そうに決まっておろう。そうでなければ、結婚式など挙げたりせぬ」
「そっか。嬉しいな」
ルキアの隣に座り直して、一護はルキアの頭を撫でた。
「なんだ、子供ではないのだぞ」
「ルキアって、小さいもんな。144センチだっけ」
「そうだが、何か問題でもあるのか」
「いや、俺180センチあるから、約40センチも身長が違うんだなって思って」
冷えたビールが持ってこられた。それを、一護もルキアもごくごくごくと飲んでいく。
「くー冷えた生ビールはうまいな!」
「そうだろ!この味が分かるようになった分、お前も大人になったな!」
「たわけ!私はすでに成人しておる。見た目は若いが・・・・・」
身長も低く、細いせいもあり10代半ばといわれても、否定できそうにないが。
鳥の串焼きの次は、焼肉を頼んだ。あとはホルモン焼きとか。肉類が豊富で、馬刺しまであった。
二人で、時間を忘れて食べて飲みあった。
「うーい。いちごお。世界が廻っておるぞ」
「やっべ。飲ませすぎた・・・・」
一護は限界を知っているので、酔うまでは飲まなかったが、ルキアはまだ自分がどれほど飲めば酔うのか分かっておらず、酒をぱかぱかと飲んでいた。
楽しそうだったが、こうなる前に止めておければよかったと思うが、後の祭りだ。
「いちご。好きだ・・・・・・」
店の前で、ベロチューされた。
「おい、ルキア、酔ってるんだろう。少し休んでいくか?」
「酔ってなぞおらぬ。うーーーい。いちごめぇ、貧乳派だな、貴様は」
「いきなり何言い出してたんだよ!」
「私のことを、ういっく、好きなのであろう?大好きで大好きで、死にそうなほど好きなのであろう?」
「ああ、そうだぜ。お前のことが好きすぎて、死にそうだ」
そう真顔で返すと、酔っているだけではない、頬に赤みがさした。
「恥ずかしいやつめ」
「言い出したのはお前だろ!」
ルキアの手を握りしめて、徒歩で朽木邸に向かう。
「いちご、ぺろちゅーもう一回だ!」
「へいへい」
舌が絡むキスをしていたら、ルキアがすり寄ってきた。
「んあっ・・・・・・いちご、きもちいい・・・」
「おい、頼むから道端で寝るなよ!?」
「うーい。大丈夫だ、私は素面だ。はははははははは」
今度は笑いだした。
千鳥足のルキアに肩をかしながら、歩いていく。
「こんな風になっても、ルキアのことが大好きだ。付き合う時間がなかったから、口説けなかったけど。ほんとは、もっと甘い時間を過ごして、ゴールインしたかったんだよな」
一護は、ルキアにそう言い聞かせた。
「何おう、籍をいきなり入れられたのは不満だというのか!」
「いや、そんなことはねぇけど」
「ならよいではないか。うーい。お日様が照ってる・・・・・・」
どこに?と言おうとして、つるりんとした頭の一角が見えた。
「あ、一角さん弓親さん。飲んでたのか?」
「あれ、一護じゃねぇか。手前も飲んでたのか?」
「うーい。まぶしいぞ、太陽め!つるつるだな!」
「おい、この酔っ払いなんだ」
「ああ、ちょっと飲ませすぎたみたいだ」
弓親が、ルキアの酔っぱらう姿に眉を潜めた。
「朽木隊長、酔ってるのかい?酔い方が美しくないね」
「酔うのに美しいも醜いもねーだろ」
「ふ、僕なら美しく酔うよ」
「誰も聞いてねぇ・・・・」
一角も弓親も隊舎に帰る途中だったようなので、少し会話して離れた。
「うーい。いちご。おぶれ」
「あーはいはい」
ルキアをおんぶして、暗い道を歩いていく。
尸魂界には街灯がないので、瀞霊廷の中からでも星がよく見えた。
「私は、いつか世界征服をしてチャッピーを世界中に広めるのだ」
「大それた野望だな」
「そして、兄様のわかめ大使も世界中に広めるのだ」
「まずが尸魂界に広めろよ」
「うーい。星が、綺麗だな・・・・・・」
「ああ。月も綺麗だ」
そのまま、朽木邸につくと、眉間に皺を寄せた白哉が待っていた。
「こんな時間まで、飲み歩いていたのか。ルキアは、酔っているな」
「うーい。兄様、わかめ大使を、尸魂界中に広めるましょう」
「ルキア」
「うーい?ふふふ、兄様かわいい」
白哉に抱き着いて、そのままルキアは眠ってしまった。
「一護、兄は、ルキアを酔わせすぎだ」
「すまねぇ。それには反省している。こんな変な酔っぱらい方するとは思わなかった」
「だから、私は常日頃、ルキアにあまり酒は飲まさぬのだ」
「そうなのか」
一護は、驚いた。
ルキアにあまり酒を飲ませたがらないのは、こんな悪酔いをするからなのかと、初めて知った。
「ルキアを連れて、寝所へ行け。湯あみは、明日の朝にするように。湯をその時にわかせておく」
「分かった。なぁ、白哉」
「なんだ」
「白哉も今度、飲みに行こうぜ。ルキアも一緒に。といっても、ルキアに酒はほどほどにしておくが」
そんな誘いを受けるとは思っていなかったのか、白哉は吃驚していた。
「考えておく」
それだけ言うと、白哉は自分の寝室に戻ってしまった。
眠ってしまったルキアを抱き上げて、その軽さに驚きつつも、一護も寝室に戻り、そのまま服を着替えて寝た。
翌日。
「うう・・・・地面が廻っている。気持ち悪い」
「そりゃあんだけ飲んだんだ。普通は二日酔いになる」
「く、適当なところで止めておけばよかった。昨日はふわふわしていて気持ちよかったが、その次の日がこれだと、もうふわふわするのはいらぬ」
今日は、ルキアは二日酔いで仕事は欠席であった。
休暇が大分溜まっていたため、一護も同じく休暇をとった。
白哉は、一度ルキアの様子を見て、薬を飲ませた後、8時には朽木邸を出てしまった。
「俺、これから湯あみだけど、ルキアはどうする」
「こんな気分で、であるけぬ。夜に入ることにする」
「そうか」
今日は、白哉が帰ってくるまでの間、二日酔いのルキアを相手ではあるが、ラブラブイチャイチャできると思っていた。
ルキアは、一護が湯あみを終えると、眠ってしまっていた。
「白哉か・・・・・」
二日酔いの状態を味合わせえるより、眠剤を与えて自然に治るまで寝かせるべきだと判断したのであろう。
「ま、いいか。ルキアの寝顔でも見とこ」
午後の3時頃になって、ルキアが起き出した。
「おう、二日酔いはどうだ?」
「嘘のように治まっている」
「そうか、よかったな。とりあえず、湯あみして昼餉でも食えよ」
「うむ。腹が減った」
ルキアは湯あみをして、寝室に戻ると、少し長くなったその髪を、一護がかわかしてくれた。最近はやりのドライヤーであった。
「何か、食べるもんもってきてもらうわ」
厨房にいき、ルキアの食事を頼むと、豪華なメニューが寝室まで持ってこられえた。
「こんなに、食べきれぬ」
「残ったら、俺が食うから」
「ふむ。それなら安心だ」
ルキアは、普段残すことをあまりしない。白哉もだ。メニューは豊富であるが、その量は少ないのだ。飯時に、食事を残すような不作法はしないのだ、二人とも。
貴族だから、てっきりいろんなメニューを好きなだけ食べて、残ったものは捨てるのだと思っていた、一護であった。
6時半になり、白哉が帰ってきた。
一護の顔を見て、猫缶を投げてよこした。
「琥珀の分か?」
ルキアが飼っている、オッドアイの白猫の名前だ。
「琥珀には、先ほど餌を与えた。兄の分だ。兄はそれでも食していろ」
ピキピキピキ。
一護は、血管マークを浮かべながらも、猫缶を受け取った。
夕餉の時間になって、ささみと猫缶の中身が、一護の席に置かれてあった。
その程度のことで動じる一護ではない。
ぺろりと、ささみと猫缶を平らげて、おかわりがほしいといって、普通の食事にもありついていた。
白哉は、それを残念そうな目で見ていた。
もっと怒ると思っていたのだろう。
ちなみに、白哉の真実に忍び込み、褥に琥珀のトイレの砂をまいておいたので、今日の嫌がらせは一護の勝ちのようだった。
「にゃあ」
「琥珀、おいで」
ルキアが、琥珀を抱いて、寝室にまで戻る。一護は、白哉にあかんべーをしてから寝室に戻った。
一方の、白哉は。
「く・・・・・・やられた・・・・・」
琥珀のしたうんこまで、砂とまみれてざらりと褥に広げられていて、どうやって一護に次の嫌がらせをしてやろうかと悩むのであった。
白哉との仲は相変わらずだ。
嫌がらせをされたり、したり。
仕事も終わり、一護はルキアと一緒に、居酒屋を訪れた。
「たまには、外食もいいよな。酒も飲めるし」
朽木邸で酒が飲めないわけではないのだが、健康のためと飲み過きになる前に下げられてしまう。
「一体どうしたのだ、一護」
「いや、二人きりの時間が欲しいからさ」
「朽木邸や執務室で、いつでも二人だけの時間を作れるではないか」
「それとは別に、お前と飲んだりして他愛もないことを話せる時間が欲しいんだよ!」
「一護・・・・流石にこんな店では、白玉餡蜜は売っていないか」
「居酒屋だぜ。売ってないだろ」
鳥の串焼きを二人前注文して、冷えたビールを注文する。
「貴様、本来ならば現世では未成年で飲めないのではないか?」
「え、ああそうだけど。ここは尸魂界だし、子供の冬獅郎だって飲んでるし、別にいいだろ」
「まぁ、問題はないが・・・・」
鳥の串焼きがやってきた。熱いうちにぼうばると、じゅわりと肉汁が口いっぱいに広がった。
「うまいな、これ」
「ああ、うまいな」
「ルキア・・・・好きだぜ」
「ぐっ・・・急に何を言い出すのだ。思わず中身を吹き飛ばしそうになったではないか!」
「お前は、俺のこと好きか?」
「そうに決まっておろう。そうでなければ、結婚式など挙げたりせぬ」
「そっか。嬉しいな」
ルキアの隣に座り直して、一護はルキアの頭を撫でた。
「なんだ、子供ではないのだぞ」
「ルキアって、小さいもんな。144センチだっけ」
「そうだが、何か問題でもあるのか」
「いや、俺180センチあるから、約40センチも身長が違うんだなって思って」
冷えたビールが持ってこられた。それを、一護もルキアもごくごくごくと飲んでいく。
「くー冷えた生ビールはうまいな!」
「そうだろ!この味が分かるようになった分、お前も大人になったな!」
「たわけ!私はすでに成人しておる。見た目は若いが・・・・・」
身長も低く、細いせいもあり10代半ばといわれても、否定できそうにないが。
鳥の串焼きの次は、焼肉を頼んだ。あとはホルモン焼きとか。肉類が豊富で、馬刺しまであった。
二人で、時間を忘れて食べて飲みあった。
「うーい。いちごお。世界が廻っておるぞ」
「やっべ。飲ませすぎた・・・・」
一護は限界を知っているので、酔うまでは飲まなかったが、ルキアはまだ自分がどれほど飲めば酔うのか分かっておらず、酒をぱかぱかと飲んでいた。
楽しそうだったが、こうなる前に止めておければよかったと思うが、後の祭りだ。
「いちご。好きだ・・・・・・」
店の前で、ベロチューされた。
「おい、ルキア、酔ってるんだろう。少し休んでいくか?」
「酔ってなぞおらぬ。うーーーい。いちごめぇ、貧乳派だな、貴様は」
「いきなり何言い出してたんだよ!」
「私のことを、ういっく、好きなのであろう?大好きで大好きで、死にそうなほど好きなのであろう?」
「ああ、そうだぜ。お前のことが好きすぎて、死にそうだ」
そう真顔で返すと、酔っているだけではない、頬に赤みがさした。
「恥ずかしいやつめ」
「言い出したのはお前だろ!」
ルキアの手を握りしめて、徒歩で朽木邸に向かう。
「いちご、ぺろちゅーもう一回だ!」
「へいへい」
舌が絡むキスをしていたら、ルキアがすり寄ってきた。
「んあっ・・・・・・いちご、きもちいい・・・」
「おい、頼むから道端で寝るなよ!?」
「うーい。大丈夫だ、私は素面だ。はははははははは」
今度は笑いだした。
千鳥足のルキアに肩をかしながら、歩いていく。
「こんな風になっても、ルキアのことが大好きだ。付き合う時間がなかったから、口説けなかったけど。ほんとは、もっと甘い時間を過ごして、ゴールインしたかったんだよな」
一護は、ルキアにそう言い聞かせた。
「何おう、籍をいきなり入れられたのは不満だというのか!」
「いや、そんなことはねぇけど」
「ならよいではないか。うーい。お日様が照ってる・・・・・・」
どこに?と言おうとして、つるりんとした頭の一角が見えた。
「あ、一角さん弓親さん。飲んでたのか?」
「あれ、一護じゃねぇか。手前も飲んでたのか?」
「うーい。まぶしいぞ、太陽め!つるつるだな!」
「おい、この酔っ払いなんだ」
「ああ、ちょっと飲ませすぎたみたいだ」
弓親が、ルキアの酔っぱらう姿に眉を潜めた。
「朽木隊長、酔ってるのかい?酔い方が美しくないね」
「酔うのに美しいも醜いもねーだろ」
「ふ、僕なら美しく酔うよ」
「誰も聞いてねぇ・・・・」
一角も弓親も隊舎に帰る途中だったようなので、少し会話して離れた。
「うーい。いちご。おぶれ」
「あーはいはい」
ルキアをおんぶして、暗い道を歩いていく。
尸魂界には街灯がないので、瀞霊廷の中からでも星がよく見えた。
「私は、いつか世界征服をしてチャッピーを世界中に広めるのだ」
「大それた野望だな」
「そして、兄様のわかめ大使も世界中に広めるのだ」
「まずが尸魂界に広めろよ」
「うーい。星が、綺麗だな・・・・・・」
「ああ。月も綺麗だ」
そのまま、朽木邸につくと、眉間に皺を寄せた白哉が待っていた。
「こんな時間まで、飲み歩いていたのか。ルキアは、酔っているな」
「うーい。兄様、わかめ大使を、尸魂界中に広めるましょう」
「ルキア」
「うーい?ふふふ、兄様かわいい」
白哉に抱き着いて、そのままルキアは眠ってしまった。
「一護、兄は、ルキアを酔わせすぎだ」
「すまねぇ。それには反省している。こんな変な酔っぱらい方するとは思わなかった」
「だから、私は常日頃、ルキアにあまり酒は飲まさぬのだ」
「そうなのか」
一護は、驚いた。
ルキアにあまり酒を飲ませたがらないのは、こんな悪酔いをするからなのかと、初めて知った。
「ルキアを連れて、寝所へ行け。湯あみは、明日の朝にするように。湯をその時にわかせておく」
「分かった。なぁ、白哉」
「なんだ」
「白哉も今度、飲みに行こうぜ。ルキアも一緒に。といっても、ルキアに酒はほどほどにしておくが」
そんな誘いを受けるとは思っていなかったのか、白哉は吃驚していた。
「考えておく」
それだけ言うと、白哉は自分の寝室に戻ってしまった。
眠ってしまったルキアを抱き上げて、その軽さに驚きつつも、一護も寝室に戻り、そのまま服を着替えて寝た。
翌日。
「うう・・・・地面が廻っている。気持ち悪い」
「そりゃあんだけ飲んだんだ。普通は二日酔いになる」
「く、適当なところで止めておけばよかった。昨日はふわふわしていて気持ちよかったが、その次の日がこれだと、もうふわふわするのはいらぬ」
今日は、ルキアは二日酔いで仕事は欠席であった。
休暇が大分溜まっていたため、一護も同じく休暇をとった。
白哉は、一度ルキアの様子を見て、薬を飲ませた後、8時には朽木邸を出てしまった。
「俺、これから湯あみだけど、ルキアはどうする」
「こんな気分で、であるけぬ。夜に入ることにする」
「そうか」
今日は、白哉が帰ってくるまでの間、二日酔いのルキアを相手ではあるが、ラブラブイチャイチャできると思っていた。
ルキアは、一護が湯あみを終えると、眠ってしまっていた。
「白哉か・・・・・」
二日酔いの状態を味合わせえるより、眠剤を与えて自然に治るまで寝かせるべきだと判断したのであろう。
「ま、いいか。ルキアの寝顔でも見とこ」
午後の3時頃になって、ルキアが起き出した。
「おう、二日酔いはどうだ?」
「嘘のように治まっている」
「そうか、よかったな。とりあえず、湯あみして昼餉でも食えよ」
「うむ。腹が減った」
ルキアは湯あみをして、寝室に戻ると、少し長くなったその髪を、一護がかわかしてくれた。最近はやりのドライヤーであった。
「何か、食べるもんもってきてもらうわ」
厨房にいき、ルキアの食事を頼むと、豪華なメニューが寝室まで持ってこられえた。
「こんなに、食べきれぬ」
「残ったら、俺が食うから」
「ふむ。それなら安心だ」
ルキアは、普段残すことをあまりしない。白哉もだ。メニューは豊富であるが、その量は少ないのだ。飯時に、食事を残すような不作法はしないのだ、二人とも。
貴族だから、てっきりいろんなメニューを好きなだけ食べて、残ったものは捨てるのだと思っていた、一護であった。
6時半になり、白哉が帰ってきた。
一護の顔を見て、猫缶を投げてよこした。
「琥珀の分か?」
ルキアが飼っている、オッドアイの白猫の名前だ。
「琥珀には、先ほど餌を与えた。兄の分だ。兄はそれでも食していろ」
ピキピキピキ。
一護は、血管マークを浮かべながらも、猫缶を受け取った。
夕餉の時間になって、ささみと猫缶の中身が、一護の席に置かれてあった。
その程度のことで動じる一護ではない。
ぺろりと、ささみと猫缶を平らげて、おかわりがほしいといって、普通の食事にもありついていた。
白哉は、それを残念そうな目で見ていた。
もっと怒ると思っていたのだろう。
ちなみに、白哉の真実に忍び込み、褥に琥珀のトイレの砂をまいておいたので、今日の嫌がらせは一護の勝ちのようだった。
「にゃあ」
「琥珀、おいで」
ルキアが、琥珀を抱いて、寝室にまで戻る。一護は、白哉にあかんべーをしてから寝室に戻った。
一方の、白哉は。
「く・・・・・・やられた・・・・・」
琥珀のしたうんこまで、砂とまみれてざらりと褥に広げられていて、どうやって一護に次の嫌がらせをしてやろうかと悩むのであった。
PR
まるで犬みたい
恋次が、普通の着物から死覇装へと着換えていた。
ふと、恋次の背中が見えた。
刺青が綺麗に入っているその肌に、いくつもの爪痕によるひっかき傷を見て、白哉はやや頬を朱に染めた。
「恋次・・・・背中の傷は、平気なのか」
「あ、これっすか。隊長が残してくれたもんだから、別に痛くないしもうなれてます」
「やはり、犯人は私なのだな」
少し罪悪感を覚えて、白哉は死覇装を着こんだ恋次に少しだけ近寄った。
「隊長?」
「詫びだ」
恋次の頬に手で触れた後で、その唇に唇を重ねた。
触れるだけのキスであったが、恋次は吃驚していた。
何せ、ここは朽木邸ではないのだ。
誰かが入ってくるかもわからぬ、執務室だった。
「これ以上はここではできぬ。夜を待て」
「え、夜まで待てばまさか隊長と―——」
えろい妄想をして、恋次は鼻血をだしていた。
白哉は、それを見て引いた。
「やはり、今日の夜はなしにしよう」
「ええっ、そんな!」
まるでお預けを食らった犬のような顔をする恋次。
「恋次、お前は犬のようだな」
「またそれっすか。俺の何処か犬なんすか」
いや、みたまんまだと、白哉は思った。
嬉しいことがあると、尻尾をばっさばっさを振っているように喜ぶ。
悲しいことがあると、主人に叱られた犬のようにへこむ。
斬魄刀の始解も「吠えろ 蛇尾丸」だし。
なんだか、存在から犬っぽいかんじがする。
「俺は犬っぽくありません!」
「ふ・・・・・」
少しだけ微笑んで、白哉は文机に向かい、仕事を始めた。
「あ、隊長、今日の夜は?」
「なしだ。この間、私を抱いたばかりであろう」
「俺は、隊長、あんたをずっと抱いていたい」
「私の体がもたぬ」
「今日の夜は―—―」
「しつこい」
ぴしゃりと言い切って、白哉は昼餉の時間になるまで、恋次を無視するのであった。
待てを言われた犬のような恋次は、昼になって白哉がまた声をかけると、喜んで尻尾を振るのであった。
ふと、恋次の背中が見えた。
刺青が綺麗に入っているその肌に、いくつもの爪痕によるひっかき傷を見て、白哉はやや頬を朱に染めた。
「恋次・・・・背中の傷は、平気なのか」
「あ、これっすか。隊長が残してくれたもんだから、別に痛くないしもうなれてます」
「やはり、犯人は私なのだな」
少し罪悪感を覚えて、白哉は死覇装を着こんだ恋次に少しだけ近寄った。
「隊長?」
「詫びだ」
恋次の頬に手で触れた後で、その唇に唇を重ねた。
触れるだけのキスであったが、恋次は吃驚していた。
何せ、ここは朽木邸ではないのだ。
誰かが入ってくるかもわからぬ、執務室だった。
「これ以上はここではできぬ。夜を待て」
「え、夜まで待てばまさか隊長と―——」
えろい妄想をして、恋次は鼻血をだしていた。
白哉は、それを見て引いた。
「やはり、今日の夜はなしにしよう」
「ええっ、そんな!」
まるでお預けを食らった犬のような顔をする恋次。
「恋次、お前は犬のようだな」
「またそれっすか。俺の何処か犬なんすか」
いや、みたまんまだと、白哉は思った。
嬉しいことがあると、尻尾をばっさばっさを振っているように喜ぶ。
悲しいことがあると、主人に叱られた犬のようにへこむ。
斬魄刀の始解も「吠えろ 蛇尾丸」だし。
なんだか、存在から犬っぽいかんじがする。
「俺は犬っぽくありません!」
「ふ・・・・・」
少しだけ微笑んで、白哉は文机に向かい、仕事を始めた。
「あ、隊長、今日の夜は?」
「なしだ。この間、私を抱いたばかりであろう」
「俺は、隊長、あんたをずっと抱いていたい」
「私の体がもたぬ」
「今日の夜は―—―」
「しつこい」
ぴしゃりと言い切って、白哉は昼餉の時間になるまで、恋次を無視するのであった。
待てを言われた犬のような恋次は、昼になって白哉がまた声をかけると、喜んで尻尾を振るのであった。
夜の修行?いえいえ普通の修行です
仕事も終わったとある1日。
研磨しあっている、一般隊士を見て、自分もと思った。
だが、席官クラス相手でも、浮竹の修行相手になりそうにない。
ふと、いつも一緒にいる京楽ならどうだろうと思った。
ちょうど遊びにきた京楽に、声をかける。
「修行しよう、京楽」
「え、夜の修行だって?」
「このバカ!」
浮竹は、真っ赤になって京楽を殴った。
「ただの、修行だ!強くなりたいんだ」
「浮竹は十分強いと思うけどね」
京楽が、笠をかぶり直す。
「それでも、高みにのぼりたいと思うだろう」
「そうだね」
浮竹は病弱であるため、剣の腕が鈍っていないか心配しているのだ。
「僕でいいなら、修行の相手になるよ。夜の修行も歓迎だけど」
「茶化すな!」
浮竹は、京楽の頭をまたぽかりと殴ってから、場所を指定してお互いに斬魄刀を始解しする。
「高鬼」
「くっ」
「色鬼、白」
「くそっ」
攻撃を避ける。
浮竹の斬魄刀は、主に相手の攻撃を吸収して跳ね返すものだ。京楽のような斬魄刀とは、馬が合わない。
「破道の4、白雷!」
「甘いね!」
ざっと、さっきまでいた空間を、京楽の花天狂骨が切り裂いた。
お互い、手加減はしているが、斬魄刀を始解したのだ。
一撃か決まれば、ただでは済まない。
「色鬼、黒」
「くそっ」
浮竹は、また咄嗟に避けた。
花天狂骨に、直接斬撃を浴びせる。そして霊圧を吸収し、左の刃から斬撃を放った。
「ひゅう、霊圧を吸収して攻撃とか、やるね」
「うーん。お前が相手だと、どうにもやりにくいな。白打や鬼道に頼りがちになってしまう」
「そりゃあ、僕の斬魄刀の能力は、子供の遊びだからね。浮竹のように、相手の放った攻撃を吸収して跳ね返す攻撃の修行相手には、あんまり向いてないかもね」
「今まで何百年もお互いで競い合ってきたからなぁ。京楽の太刀筋は分かるし、癖とか知ってるし・・・・・日番谷隊長か白哉に頼むか」
そう言って、剣をしまった。
京楽も、剣を収める。
「日番谷隊長のほうがいいんじゃない?あの子、強くなりたがっているから。朽木隊長は、鍛錬のために付き合ってくれるか分からないなぁ」
「白哉とは、何度か剣を交えたことがあるぞ。千本桜を吸収して跳ね返したら、嫌な顔をされたのを覚えている」
「じゃあ、日番谷隊長のところにいってみますか」
「そうだな」
こうして、二人は10番隊の執務室にやってきた。
「日番谷隊長、修行の相手になってくれないか」
「は?」
首を傾げる日番谷に、京楽が言う。
「夜の修行じゃないよ」
「まだ言うか、お前は」
ぽかりと京楽の頭を殴って、日番谷に頼み込んだ。
「京楽だといつもと同じで、修行にあまりならないんだ。日番谷隊長、甘納豆好きなだけ買ってあげるから、修行につきあってくれ」
「甘納豆はいらんが、いいぞ」
「ほんとか!」
浮竹が顔を輝かせた。
京楽と浮竹と日番谷との3人で、先ほど京楽と剣を交えていた場所にまでやってきた。
「蒼天に座せ、氷輪丸!いけぇ!」
氷の龍を、浮竹は右の剣で吸い取った。そして、微妙に威力を調節して左の剣から繰り出す。
「うおおおおおおお」
日番谷は、それを物ともせずに切りかかってきた。
浮竹も、本気で切り結ぶ。
氷の龍が暴れまくった。
日番谷の息が切れだす。それは浮竹も同じことだった。
「やるね、日番谷隊長」
「浮竹、お前もな」
白打、鬼道も駆使して、攻撃をしあった。
やがて、浮竹が剣をしまった。
「もう十分だ。ありがとう、日番谷隊長」
「おう」
日番谷も、氷輪丸を収めた。
帰り道で、甘納豆を買った。それをいらないという日番谷に渡すと、日番谷は嬉しかったのか、歩みが軽やかになっていた。
「浮竹の斬魄刀は、使い辛そうだな」
「うーん。俺にはこれがしっくりくるんだが、双魚の理は、相手が攻撃してこないと、跳ね返せないからな。まぁ、普通にこっちから斬撃を浴びせることもできるけど、相手の放った技を吸収して、調節して跳ね返すからな」
甘納豆を口にしながら、日番谷は言う。
「そういえば、いろんな死神の卍解は見てきたが、今まで一度たりとお前が卍解している姿を見たことがないな」
「あー。俺の卍解は、京楽と一緒でちょっと特殊だから」
「そういえば、京楽の卍解も見たことがない」
「見せるような、簡単なものじゃないよ。範囲系だからね。その範囲にいた全ての命を摘み取るよ、僕の卍解は」
「そうか。それを考えれば、俺の卍解は使いやすい部類なんだろうな」
耐久時間が限られているとはいえ、氷を身にまとう日番谷の卍解は、戦闘特化といえるだろう。
「何はともあれ、今日は助かった。また、機会があれば修行に付き合ってくれ」
「ああ、分かった」
また、甘納豆を日番谷は口にした。
なでなで。
思わず、日番谷の頭を撫でると、日番谷が怒る。
「子供扱いすんな!」
「じゃあ、またな、日番谷隊長」
「ああ」
10番隊の隊舎まで送って、ふと京楽をみると、笠をとってじっとしていた。
「なんだ?」
「僕の頭も撫でて」
「変なやつ」
なでなでと撫でると、京楽は満足したのか、笠を被った。
「浮竹、僕との夜の修行は・・・あべし」
しつこく夜の修行という京楽の鳩尾に、軽く拳をいれる浮竹だった。
研磨しあっている、一般隊士を見て、自分もと思った。
だが、席官クラス相手でも、浮竹の修行相手になりそうにない。
ふと、いつも一緒にいる京楽ならどうだろうと思った。
ちょうど遊びにきた京楽に、声をかける。
「修行しよう、京楽」
「え、夜の修行だって?」
「このバカ!」
浮竹は、真っ赤になって京楽を殴った。
「ただの、修行だ!強くなりたいんだ」
「浮竹は十分強いと思うけどね」
京楽が、笠をかぶり直す。
「それでも、高みにのぼりたいと思うだろう」
「そうだね」
浮竹は病弱であるため、剣の腕が鈍っていないか心配しているのだ。
「僕でいいなら、修行の相手になるよ。夜の修行も歓迎だけど」
「茶化すな!」
浮竹は、京楽の頭をまたぽかりと殴ってから、場所を指定してお互いに斬魄刀を始解しする。
「高鬼」
「くっ」
「色鬼、白」
「くそっ」
攻撃を避ける。
浮竹の斬魄刀は、主に相手の攻撃を吸収して跳ね返すものだ。京楽のような斬魄刀とは、馬が合わない。
「破道の4、白雷!」
「甘いね!」
ざっと、さっきまでいた空間を、京楽の花天狂骨が切り裂いた。
お互い、手加減はしているが、斬魄刀を始解したのだ。
一撃か決まれば、ただでは済まない。
「色鬼、黒」
「くそっ」
浮竹は、また咄嗟に避けた。
花天狂骨に、直接斬撃を浴びせる。そして霊圧を吸収し、左の刃から斬撃を放った。
「ひゅう、霊圧を吸収して攻撃とか、やるね」
「うーん。お前が相手だと、どうにもやりにくいな。白打や鬼道に頼りがちになってしまう」
「そりゃあ、僕の斬魄刀の能力は、子供の遊びだからね。浮竹のように、相手の放った攻撃を吸収して跳ね返す攻撃の修行相手には、あんまり向いてないかもね」
「今まで何百年もお互いで競い合ってきたからなぁ。京楽の太刀筋は分かるし、癖とか知ってるし・・・・・日番谷隊長か白哉に頼むか」
そう言って、剣をしまった。
京楽も、剣を収める。
「日番谷隊長のほうがいいんじゃない?あの子、強くなりたがっているから。朽木隊長は、鍛錬のために付き合ってくれるか分からないなぁ」
「白哉とは、何度か剣を交えたことがあるぞ。千本桜を吸収して跳ね返したら、嫌な顔をされたのを覚えている」
「じゃあ、日番谷隊長のところにいってみますか」
「そうだな」
こうして、二人は10番隊の執務室にやってきた。
「日番谷隊長、修行の相手になってくれないか」
「は?」
首を傾げる日番谷に、京楽が言う。
「夜の修行じゃないよ」
「まだ言うか、お前は」
ぽかりと京楽の頭を殴って、日番谷に頼み込んだ。
「京楽だといつもと同じで、修行にあまりならないんだ。日番谷隊長、甘納豆好きなだけ買ってあげるから、修行につきあってくれ」
「甘納豆はいらんが、いいぞ」
「ほんとか!」
浮竹が顔を輝かせた。
京楽と浮竹と日番谷との3人で、先ほど京楽と剣を交えていた場所にまでやってきた。
「蒼天に座せ、氷輪丸!いけぇ!」
氷の龍を、浮竹は右の剣で吸い取った。そして、微妙に威力を調節して左の剣から繰り出す。
「うおおおおおおお」
日番谷は、それを物ともせずに切りかかってきた。
浮竹も、本気で切り結ぶ。
氷の龍が暴れまくった。
日番谷の息が切れだす。それは浮竹も同じことだった。
「やるね、日番谷隊長」
「浮竹、お前もな」
白打、鬼道も駆使して、攻撃をしあった。
やがて、浮竹が剣をしまった。
「もう十分だ。ありがとう、日番谷隊長」
「おう」
日番谷も、氷輪丸を収めた。
帰り道で、甘納豆を買った。それをいらないという日番谷に渡すと、日番谷は嬉しかったのか、歩みが軽やかになっていた。
「浮竹の斬魄刀は、使い辛そうだな」
「うーん。俺にはこれがしっくりくるんだが、双魚の理は、相手が攻撃してこないと、跳ね返せないからな。まぁ、普通にこっちから斬撃を浴びせることもできるけど、相手の放った技を吸収して、調節して跳ね返すからな」
甘納豆を口にしながら、日番谷は言う。
「そういえば、いろんな死神の卍解は見てきたが、今まで一度たりとお前が卍解している姿を見たことがないな」
「あー。俺の卍解は、京楽と一緒でちょっと特殊だから」
「そういえば、京楽の卍解も見たことがない」
「見せるような、簡単なものじゃないよ。範囲系だからね。その範囲にいた全ての命を摘み取るよ、僕の卍解は」
「そうか。それを考えれば、俺の卍解は使いやすい部類なんだろうな」
耐久時間が限られているとはいえ、氷を身にまとう日番谷の卍解は、戦闘特化といえるだろう。
「何はともあれ、今日は助かった。また、機会があれば修行に付き合ってくれ」
「ああ、分かった」
また、甘納豆を日番谷は口にした。
なでなで。
思わず、日番谷の頭を撫でると、日番谷が怒る。
「子供扱いすんな!」
「じゃあ、またな、日番谷隊長」
「ああ」
10番隊の隊舎まで送って、ふと京楽をみると、笠をとってじっとしていた。
「なんだ?」
「僕の頭も撫でて」
「変なやつ」
なでなでと撫でると、京楽は満足したのか、笠を被った。
「浮竹、僕との夜の修行は・・・あべし」
しつこく夜の修行という京楽の鳩尾に、軽く拳をいれる浮竹だった。
6話補完小説
「喉が渇く・・・・」
浮竹は、からりとした大気の暑さを感じいた。
山本総隊長が、卍解したのだ。
じりじりと暑くなっていく気温。
敵を前に、喉の渇きに悲鳴をあげてしまいそうになる。
「元柳斎先生・・・・・」
きっと、師であるあの人なら大丈夫。
だが、どこかで恐れを抱いていた。
敗れることなどないはずだ。
それなのに、なぜこんなに心がざわめくのだろうか。
京楽は大丈夫だろうか。
そう、気にかかった。
一方、京楽は。
「唇切っちゃったね・・・・」
その傷から出るはずの血も、乾いてしまう。
大気の暑さに、尸魂界中が悲鳴をあげている。
「山じい・・・・頼んだよ」
京楽も、心のどこかでざわめきを覚えた。
師である山じいなら大丈夫。
尸魂界中から水分がなくなっていく。
浮竹は大丈夫だろうか。
ふと、心に思った。
誰が思っただろうか。
山本元柳斎重国が、やられるなど。
ユーハバッハに。
乾いた大気が、泣き出して雨を降らせてた。
大気が潤っていく。
同時に、山本元柳斎重国のすさまじい霊圧が掻き消えていくのを、浮竹も京楽も感じていた。
「元柳斎先生!」
「山じい!」
そんな、まさか。
胸騒ぎは、最悪の形で具現化するのであった。
浮竹は、からりとした大気の暑さを感じいた。
山本総隊長が、卍解したのだ。
じりじりと暑くなっていく気温。
敵を前に、喉の渇きに悲鳴をあげてしまいそうになる。
「元柳斎先生・・・・・」
きっと、師であるあの人なら大丈夫。
だが、どこかで恐れを抱いていた。
敗れることなどないはずだ。
それなのに、なぜこんなに心がざわめくのだろうか。
京楽は大丈夫だろうか。
そう、気にかかった。
一方、京楽は。
「唇切っちゃったね・・・・」
その傷から出るはずの血も、乾いてしまう。
大気の暑さに、尸魂界中が悲鳴をあげている。
「山じい・・・・頼んだよ」
京楽も、心のどこかでざわめきを覚えた。
師である山じいなら大丈夫。
尸魂界中から水分がなくなっていく。
浮竹は大丈夫だろうか。
ふと、心に思った。
誰が思っただろうか。
山本元柳斎重国が、やられるなど。
ユーハバッハに。
乾いた大気が、泣き出して雨を降らせてた。
大気が潤っていく。
同時に、山本元柳斎重国のすさまじい霊圧が掻き消えていくのを、浮竹も京楽も感じていた。
「元柳斎先生!」
「山じい!」
そんな、まさか。
胸騒ぎは、最悪の形で具現化するのであった。
飲み会
「もう、11月だな」
「そうだねぇ」
「もう少ししたら、クリスマスか」
「お、サンタになる?」
雨乾堂で、こたつでぬくぬくしていた二人は、みかんを食べながら、今後の計画について話あっていた。
「今年は京楽がサンタになれ。お前にサンタ服を作らせると、ふりふりのふわふわで嫌だ」
「いいじゃない、ふりふりのふわふわ。似合うよ」
「年を考えろ、年を」
「年なんて、考えだしたら何も着れなくなるよ?」
「少なくとも、ふりふりのふわふわを着る年齢ではない」
こたつがあったかくて、ついついそこから出ることができないでいた。
「こんな時に海燕がいればな・・・・・・」
「そうだね」
海燕が逝ってしまい、もう50年は経つだろうか。
少し悲しいきもちになって、浮竹は次のみかんに手を伸ばした。
「みかん、食べすぎじゃない?もう5つも食べてるでしょ」
「そっちだって、さっきので4個目だぞ。似たり寄ったりだ」
こたつは暖かくていいが、出れなくなってしまうのが難だった。
「12月は・・・僕がサンタになるか。だから、浮竹もサンタになってよ」
「ふりふりじゃなかったら、着てもいい。ふわふわは許す」
院生時代は、ふりふりふわふわのサンタ服をよく着せられていたが、あの頃は若かったし、見た目も中性的だったので、何とか見れたが今の年でふりふりのふわふわはきついものがあると、浮竹は思った。
「浮竹なら、今でもふりふりふわふわでもいけると思うんだけどなぁ」
「丈が長くてズボンもついているなら、ふりふりでも許す」
「えー」
「えーじゃない。去年は着なかったけどあのふりふりのスカートにニーソックス・・・まるっきり、お前の趣味全開じゃないか」
「浮竹なら似合うと思うんだけどなぁ」
「まず、俺が嫌だ。着たくない。いっそお前がきろ。ふりふりのふわふわで」
「ええっ!僕のふりふりのスカートにニーソックス姿をみたいの?」
「うわ、想像するだけできつい・・・・・」
なんとかこたつからぬけて、みかんが大量に入っている段ボール箱から、10個ほどみかんを籠の中にいれると、こたつの中に戻る。
「はぁ・・・こたつ。冬に、人間はいいものを思いつくものだ」
また、みかんを食べたす京楽と浮竹。ごみ箱は、みかんの皮だらけになっていた。
故郷からみかんが3つ分も段ボールで送ってこられて、どうしようかと思っていたが、この調子なら食べつくしてしまいそうだ。
「はぁ・・・・ここは、こたつがあっていいよね。僕も、執務室にこたつを設置しようとしたら、七緒ちゃんにダメだってとりあげられちゃった」
「隊首室に設置すればいいんじゃないか?」
「隊首室で寝泊まりしないからねぇ。雨乾堂に泊まらない日は、自分の屋敷に戻ってるし」
「屋敷には、こたつはあるんだろう?」
「勿論さ。みかんはないけど」
こうやって、ぬくぬくと過ごすにも相手が必要だ。一人だと、こたつに入っていても1時間もしないで出てしまう。
こたつで寝ると寝汗を大量にかくので、布団で眠るようにしている。
「そもそも、雨乾堂にこたつをもちこんだの誰なの?」
「ん?白哉だが、それがどうかしたのか?」
「朽木隊長か・・・見えないとこで、けっこう浮竹の世話焼いてるよね」
「そうか?お返しに、酒を大量に送ったんだが、飲んでくれただろうか」
結構高めな酒を用意して送ったのだが。
「さぁ、どうだろう。朽木隊長は、酒豪ではないし、飲む姿もあんまり見かけないし、飲み屋に誘ってもこないからねぇ」
「あれ、誘われたことないのか?高級店の居酒屋に何度が誘われて、一緒に飲んだことがあるぞ」
「僕は誘われなかったよ。浮竹との、個人の親しさの差だね」
「よし、今度は朽木隊長も誘って、高級店で飲もう」
「お、いいな。無論感情は京楽もちな」
「はいはい・・・・・・」
浮竹の給料では、仕送りと薬代で、高級店なんていけないのだ。
数日が経ち、浮竹が白哉を飲みに誘った。
高級店の居酒屋の名前をいうと、飲みにいくと約束してくれた。
すでに、京楽が飲んでいた。
「2名様入りまーす」
「あ、こっちこっち」
京楽の隣に浮竹が座り、浮竹の隣に白哉が座った。
「まぁ、好きなお酒飲んでよ。お金は僕が払うから。それとも、今飲んでる僕の酒、一緒に飲むかい?」
「兄の飲む酒は強いからな・・・・すまぬ、この酒を一人分。それからつまみはこれを」
つまみは、キムチだった。
辛い物好きな、白哉らしいといえばそうだが、さすがに辛過ぎないかと思った。
つまみが出された。
おそるおそる、浮竹がきむちを口にしてみる。
「これは辛いな!」
甘い果実酒をごくごくあおって、口直しをするほどの辛さだった。
「私は、これくらいなら平気だ」
「白哉は昔から辛いものが好きだからなぁ」
「浮竹は、甘いものが好きであろう」
「ああ」
「つまみは、これなどどうだ」
「お、よさそうだな。すみません、これ1つ」
3人は、深夜まで飲み明かした。
「あははははは、世界が廻ってるー」
「世界は平らだ・・・・・・・」
「あーどうしよ」
尸魂界に、タクシーがあればいいのにと、京楽は思った。
二人の酔っぱらいができあがった。しかも、二人とも見目がよく麗しい。隊長であるから大丈夫だとは思うが、不埒な輩に絡まれる可能性もある。
「とりあえず・・・浮竹も連れて、朽木邸にいくか」
「世界は平らだ・・・・・」
そればかりを繰り返す白哉を、朽木邸に送り届けた。
「に、兄様!こんなに酔っぱらって、しっかりしてください」
義妹のルキアが、白哉を介抱していた。ルキアに任せれば安心だろう。
「次は浮竹か・・・・・」
雨乾堂まで送り届けると、髪をひっぱられた。
「痛い、痛いから!」
「あはははは、お星さまがいっぱーい」
「ああもう、流石にこんな時間に清音ちゃんも仙太郎君もいないか・・・・・」
布団をしいて、酔っぱらった浮竹を寝かせた。
「あはははは。京楽のばーかばーかばーか」
ひげをひっぱってくる手を退けると、きょとんとした顔になった。
「こたつ星人め!みかんを食らえ!」
ぽいぽいと、段ボール箱に入っていたみかんを投げつけられて、そのまま京楽は退散した。
「こたつ星人ってなに・・・・・・」
浮竹は、酔うと笑い上戸になったりする。
かわいかったが、手を出すわけにもいかないし、介抱する前に多分寝る。
10分ほどしてから、雨乾堂の中を覗いてみると、浮竹は寝ていた。
「あーあ、こんなに脱ぎ散らかして」
足袋やら隊長羽織をぬぎちらかしていた。
布団にちゃんと寝かせて、毛布と布団をかける。
さらりとした白い髪を一房手に取って、口づける。
「おやすみ」
二人の酔っ払いは、幸せな夢をみながら、次の日には二日酔いを抱えるのであった。
「そうだねぇ」
「もう少ししたら、クリスマスか」
「お、サンタになる?」
雨乾堂で、こたつでぬくぬくしていた二人は、みかんを食べながら、今後の計画について話あっていた。
「今年は京楽がサンタになれ。お前にサンタ服を作らせると、ふりふりのふわふわで嫌だ」
「いいじゃない、ふりふりのふわふわ。似合うよ」
「年を考えろ、年を」
「年なんて、考えだしたら何も着れなくなるよ?」
「少なくとも、ふりふりのふわふわを着る年齢ではない」
こたつがあったかくて、ついついそこから出ることができないでいた。
「こんな時に海燕がいればな・・・・・・」
「そうだね」
海燕が逝ってしまい、もう50年は経つだろうか。
少し悲しいきもちになって、浮竹は次のみかんに手を伸ばした。
「みかん、食べすぎじゃない?もう5つも食べてるでしょ」
「そっちだって、さっきので4個目だぞ。似たり寄ったりだ」
こたつは暖かくていいが、出れなくなってしまうのが難だった。
「12月は・・・僕がサンタになるか。だから、浮竹もサンタになってよ」
「ふりふりじゃなかったら、着てもいい。ふわふわは許す」
院生時代は、ふりふりふわふわのサンタ服をよく着せられていたが、あの頃は若かったし、見た目も中性的だったので、何とか見れたが今の年でふりふりのふわふわはきついものがあると、浮竹は思った。
「浮竹なら、今でもふりふりふわふわでもいけると思うんだけどなぁ」
「丈が長くてズボンもついているなら、ふりふりでも許す」
「えー」
「えーじゃない。去年は着なかったけどあのふりふりのスカートにニーソックス・・・まるっきり、お前の趣味全開じゃないか」
「浮竹なら似合うと思うんだけどなぁ」
「まず、俺が嫌だ。着たくない。いっそお前がきろ。ふりふりのふわふわで」
「ええっ!僕のふりふりのスカートにニーソックス姿をみたいの?」
「うわ、想像するだけできつい・・・・・」
なんとかこたつからぬけて、みかんが大量に入っている段ボール箱から、10個ほどみかんを籠の中にいれると、こたつの中に戻る。
「はぁ・・・こたつ。冬に、人間はいいものを思いつくものだ」
また、みかんを食べたす京楽と浮竹。ごみ箱は、みかんの皮だらけになっていた。
故郷からみかんが3つ分も段ボールで送ってこられて、どうしようかと思っていたが、この調子なら食べつくしてしまいそうだ。
「はぁ・・・・ここは、こたつがあっていいよね。僕も、執務室にこたつを設置しようとしたら、七緒ちゃんにダメだってとりあげられちゃった」
「隊首室に設置すればいいんじゃないか?」
「隊首室で寝泊まりしないからねぇ。雨乾堂に泊まらない日は、自分の屋敷に戻ってるし」
「屋敷には、こたつはあるんだろう?」
「勿論さ。みかんはないけど」
こうやって、ぬくぬくと過ごすにも相手が必要だ。一人だと、こたつに入っていても1時間もしないで出てしまう。
こたつで寝ると寝汗を大量にかくので、布団で眠るようにしている。
「そもそも、雨乾堂にこたつをもちこんだの誰なの?」
「ん?白哉だが、それがどうかしたのか?」
「朽木隊長か・・・見えないとこで、けっこう浮竹の世話焼いてるよね」
「そうか?お返しに、酒を大量に送ったんだが、飲んでくれただろうか」
結構高めな酒を用意して送ったのだが。
「さぁ、どうだろう。朽木隊長は、酒豪ではないし、飲む姿もあんまり見かけないし、飲み屋に誘ってもこないからねぇ」
「あれ、誘われたことないのか?高級店の居酒屋に何度が誘われて、一緒に飲んだことがあるぞ」
「僕は誘われなかったよ。浮竹との、個人の親しさの差だね」
「よし、今度は朽木隊長も誘って、高級店で飲もう」
「お、いいな。無論感情は京楽もちな」
「はいはい・・・・・・」
浮竹の給料では、仕送りと薬代で、高級店なんていけないのだ。
数日が経ち、浮竹が白哉を飲みに誘った。
高級店の居酒屋の名前をいうと、飲みにいくと約束してくれた。
すでに、京楽が飲んでいた。
「2名様入りまーす」
「あ、こっちこっち」
京楽の隣に浮竹が座り、浮竹の隣に白哉が座った。
「まぁ、好きなお酒飲んでよ。お金は僕が払うから。それとも、今飲んでる僕の酒、一緒に飲むかい?」
「兄の飲む酒は強いからな・・・・すまぬ、この酒を一人分。それからつまみはこれを」
つまみは、キムチだった。
辛い物好きな、白哉らしいといえばそうだが、さすがに辛過ぎないかと思った。
つまみが出された。
おそるおそる、浮竹がきむちを口にしてみる。
「これは辛いな!」
甘い果実酒をごくごくあおって、口直しをするほどの辛さだった。
「私は、これくらいなら平気だ」
「白哉は昔から辛いものが好きだからなぁ」
「浮竹は、甘いものが好きであろう」
「ああ」
「つまみは、これなどどうだ」
「お、よさそうだな。すみません、これ1つ」
3人は、深夜まで飲み明かした。
「あははははは、世界が廻ってるー」
「世界は平らだ・・・・・・・」
「あーどうしよ」
尸魂界に、タクシーがあればいいのにと、京楽は思った。
二人の酔っぱらいができあがった。しかも、二人とも見目がよく麗しい。隊長であるから大丈夫だとは思うが、不埒な輩に絡まれる可能性もある。
「とりあえず・・・浮竹も連れて、朽木邸にいくか」
「世界は平らだ・・・・・」
そればかりを繰り返す白哉を、朽木邸に送り届けた。
「に、兄様!こんなに酔っぱらって、しっかりしてください」
義妹のルキアが、白哉を介抱していた。ルキアに任せれば安心だろう。
「次は浮竹か・・・・・」
雨乾堂まで送り届けると、髪をひっぱられた。
「痛い、痛いから!」
「あはははは、お星さまがいっぱーい」
「ああもう、流石にこんな時間に清音ちゃんも仙太郎君もいないか・・・・・」
布団をしいて、酔っぱらった浮竹を寝かせた。
「あはははは。京楽のばーかばーかばーか」
ひげをひっぱってくる手を退けると、きょとんとした顔になった。
「こたつ星人め!みかんを食らえ!」
ぽいぽいと、段ボール箱に入っていたみかんを投げつけられて、そのまま京楽は退散した。
「こたつ星人ってなに・・・・・・」
浮竹は、酔うと笑い上戸になったりする。
かわいかったが、手を出すわけにもいかないし、介抱する前に多分寝る。
10分ほどしてから、雨乾堂の中を覗いてみると、浮竹は寝ていた。
「あーあ、こんなに脱ぎ散らかして」
足袋やら隊長羽織をぬぎちらかしていた。
布団にちゃんと寝かせて、毛布と布団をかける。
さらりとした白い髪を一房手に取って、口づける。
「おやすみ」
二人の酔っ払いは、幸せな夢をみながら、次の日には二日酔いを抱えるのであった。
11月のある日
11月になった。
肌寒い季節に、火鉢にあたりながら恋次は、文机に向かったままの白哉を見る。
いつもと同じ、死覇装の上に隊長羽織。
恋次は、そっと毛布を取り出すと、それを白哉の肩にかけた。
「なんだ?」
「いや、寒いでしょうと思って」
「確かに寒いが、これくらい平気だ。だが、心使いはありがたく受け取っておく」
毛布は、6番隊のものではなく、白哉個人のものだった。
手触りがよく、膝掛にも使えそうだった。
恋次も、白哉が目を通した書類にハンコを押していく。
昼餉を食べ終わり、仕事をして6時になった。
鐘がなり、死神の業務時間の終了を知らせる。
「今宵は・・・恋次、この後暇か」
「え、暇っちゃ暇ですが・・・・」
白哉は、朽木家の別宅の屋敷に、恋次を呼んだ。
「なんなんすか」
「酒でも、たまには飲み交わそうと思ってな」
「隊長が!?明日槍がふるかも・・・・・」
「いらぬなら、去れ」
「いやいや、いります!」
朽木家に恥じない豪華な夕食が出てきた。これ本当に食べてもいいのかと思いながらも、はし
を伸ばしていく。
酒は、高級酒であり、とても美味だった。
少し辛口の味が、白哉の好みなのであろうと分かった。
「隊長、辛いもの好きですよね」
「それがどうした」
「いや、この料理も辛いの多いなと思って」
「口にあわぬなら、食べずともよい」
「いやいや、食べますって」
こんな御馳走、滅多に食せないのだ。
杯に酒を注ぎあっていると、けっこう酒に強い恋次はいいとして、白哉は頬を朱くして明らかに酔っていた。
「酔ってませんか、隊長」
「これくらい酔っているうちには・・・・」
ぐらりと傾ぐ体を、そっと受け止める。
「すまぬ」
そういって、元の体勢に戻った。
やがて、料理が全て下げられて、酒だけが残る。
「もうこれ以上飲まないほうがいいっすよ」
「なぜだ」
「なぜって、あんた明らかに酔ってるじゃんないっすか」
「ふ・・・・・」
杯の中身を口にして、白哉がそれを恋次の喉に流しこんだ。
「なっ」
ふわりと、髪からシャンプーのいい匂いがした。
「ああもう、あんた、煽ってるんすか!?」
「そうだとしたら」
「上等だ」
白哉を抱き寄せて、隊長羽織を脱がし、銀白風花紗をとり、死覇装に手をかけていく。
「あ・・・せめて、褥の上で」
料理を食べた隣の部屋には、布団が用意されてあった。
そこに抱きかかえて、そっと寝かせる。
白哉も、恋次の死覇装を脱がせていく。全身に入れ墨の入った、恋次の鍛えあげられたら裸体が露わになる。
一方の白哉は、同じ男なのかと思いたくなるような白い肌で、細かった。
「ああ、もう」
荒々しくキスをすると、もっととせがまれた。
「恋次・・・・」
「隊長・・・・」
全身を愛撫するように、キスをしていくと、白哉は震えた。
「あ・・・・・・」
薄い胸の先端にかじりつくと、きつく恋次の背中に爪をたてられた。
「やっ・・・」
「こんなに濡らして・・・・いやじゃないでしょう」
すでにとろとろと先走りをだしていた白哉の花茎は、恋次が手でしごくと、あっという間に射精してしまった。
「んあああ!」
潤滑油を手に取って、指を濡らして白哉の体に侵入させる。
「んう・・・キスを・・・」
ねだられてキスを繰り返しながら、コリコリと、前立腺を指で刺激し続けていると、白哉の体がはねた。
「ああっ!」
「もしかして、またいったんすか?」
「わからぬ・・・・」
精液はでていなかった。
ああ、オーガズムでいってしまったのかと、恋次は白哉に口づける。
「もう、入れてもいいっすか?」
「好きにしろ・・・・」
「う・・・あつっ・・・・」
白哉の中は熱くてとろとろしていて、中ぎゅうぎゅうと締め付けてくる。
「動きますよ」
「あ・・・・・・あ、ああ、あん、んあああ」
動きにあわせて、艶のある白哉の声が耳を打つ。
前立腺をすりあげてつきあげると、白哉は恋次の背中に手を回した。
「んああああああ!」
一度欲望を白哉の中に放ち、また突き上げた。
「隊長・・・顔、隠さないでこっち見て」
「れん・・・・じ・・・・ああっ」
舌を絡ませあう。飲み込み切れなかった唾液が、白哉の顎を伝って流れ落ちた。
何度も挿入し、引き抜き、穿っていると、白哉もまた限界を迎えたのか、吐精した。
恋次も、また白哉の腹の奥で欲望を弾けさせていた。
「湯あみをする・・・・」
行為の後は、湯あみを欠かさない白哉。
酔っていることもあって、恋次も一緒に湯あみした。
「ん・・・・」
湯の中で、中にだしたものをかき出すと、けっこうな白濁した液体が出てきた。
「すんません、だしすぎました」
「別に、構わぬ」
湯あみをすませて、お互いの長い髪をふきあって、シーツを変えた褥に寝転んだ。
「隊長、好きです」
「ん・・・はぁっ」
舌と舌が絡むキスをした。
「私は・・・・・」
その言葉の先は、恋次にしか聞こえなかった。
恋次は、少し濡れている黒髪に口づけて、白哉と一緒に、意識を闇の中に落としていった。
肌寒い季節に、火鉢にあたりながら恋次は、文机に向かったままの白哉を見る。
いつもと同じ、死覇装の上に隊長羽織。
恋次は、そっと毛布を取り出すと、それを白哉の肩にかけた。
「なんだ?」
「いや、寒いでしょうと思って」
「確かに寒いが、これくらい平気だ。だが、心使いはありがたく受け取っておく」
毛布は、6番隊のものではなく、白哉個人のものだった。
手触りがよく、膝掛にも使えそうだった。
恋次も、白哉が目を通した書類にハンコを押していく。
昼餉を食べ終わり、仕事をして6時になった。
鐘がなり、死神の業務時間の終了を知らせる。
「今宵は・・・恋次、この後暇か」
「え、暇っちゃ暇ですが・・・・」
白哉は、朽木家の別宅の屋敷に、恋次を呼んだ。
「なんなんすか」
「酒でも、たまには飲み交わそうと思ってな」
「隊長が!?明日槍がふるかも・・・・・」
「いらぬなら、去れ」
「いやいや、いります!」
朽木家に恥じない豪華な夕食が出てきた。これ本当に食べてもいいのかと思いながらも、はし
を伸ばしていく。
酒は、高級酒であり、とても美味だった。
少し辛口の味が、白哉の好みなのであろうと分かった。
「隊長、辛いもの好きですよね」
「それがどうした」
「いや、この料理も辛いの多いなと思って」
「口にあわぬなら、食べずともよい」
「いやいや、食べますって」
こんな御馳走、滅多に食せないのだ。
杯に酒を注ぎあっていると、けっこう酒に強い恋次はいいとして、白哉は頬を朱くして明らかに酔っていた。
「酔ってませんか、隊長」
「これくらい酔っているうちには・・・・」
ぐらりと傾ぐ体を、そっと受け止める。
「すまぬ」
そういって、元の体勢に戻った。
やがて、料理が全て下げられて、酒だけが残る。
「もうこれ以上飲まないほうがいいっすよ」
「なぜだ」
「なぜって、あんた明らかに酔ってるじゃんないっすか」
「ふ・・・・・」
杯の中身を口にして、白哉がそれを恋次の喉に流しこんだ。
「なっ」
ふわりと、髪からシャンプーのいい匂いがした。
「ああもう、あんた、煽ってるんすか!?」
「そうだとしたら」
「上等だ」
白哉を抱き寄せて、隊長羽織を脱がし、銀白風花紗をとり、死覇装に手をかけていく。
「あ・・・せめて、褥の上で」
料理を食べた隣の部屋には、布団が用意されてあった。
そこに抱きかかえて、そっと寝かせる。
白哉も、恋次の死覇装を脱がせていく。全身に入れ墨の入った、恋次の鍛えあげられたら裸体が露わになる。
一方の白哉は、同じ男なのかと思いたくなるような白い肌で、細かった。
「ああ、もう」
荒々しくキスをすると、もっととせがまれた。
「恋次・・・・」
「隊長・・・・」
全身を愛撫するように、キスをしていくと、白哉は震えた。
「あ・・・・・・」
薄い胸の先端にかじりつくと、きつく恋次の背中に爪をたてられた。
「やっ・・・」
「こんなに濡らして・・・・いやじゃないでしょう」
すでにとろとろと先走りをだしていた白哉の花茎は、恋次が手でしごくと、あっという間に射精してしまった。
「んあああ!」
潤滑油を手に取って、指を濡らして白哉の体に侵入させる。
「んう・・・キスを・・・」
ねだられてキスを繰り返しながら、コリコリと、前立腺を指で刺激し続けていると、白哉の体がはねた。
「ああっ!」
「もしかして、またいったんすか?」
「わからぬ・・・・」
精液はでていなかった。
ああ、オーガズムでいってしまったのかと、恋次は白哉に口づける。
「もう、入れてもいいっすか?」
「好きにしろ・・・・」
「う・・・あつっ・・・・」
白哉の中は熱くてとろとろしていて、中ぎゅうぎゅうと締め付けてくる。
「動きますよ」
「あ・・・・・・あ、ああ、あん、んあああ」
動きにあわせて、艶のある白哉の声が耳を打つ。
前立腺をすりあげてつきあげると、白哉は恋次の背中に手を回した。
「んああああああ!」
一度欲望を白哉の中に放ち、また突き上げた。
「隊長・・・顔、隠さないでこっち見て」
「れん・・・・じ・・・・ああっ」
舌を絡ませあう。飲み込み切れなかった唾液が、白哉の顎を伝って流れ落ちた。
何度も挿入し、引き抜き、穿っていると、白哉もまた限界を迎えたのか、吐精した。
恋次も、また白哉の腹の奥で欲望を弾けさせていた。
「湯あみをする・・・・」
行為の後は、湯あみを欠かさない白哉。
酔っていることもあって、恋次も一緒に湯あみした。
「ん・・・・」
湯の中で、中にだしたものをかき出すと、けっこうな白濁した液体が出てきた。
「すんません、だしすぎました」
「別に、構わぬ」
湯あみをすませて、お互いの長い髪をふきあって、シーツを変えた褥に寝転んだ。
「隊長、好きです」
「ん・・・はぁっ」
舌と舌が絡むキスをした。
「私は・・・・・」
その言葉の先は、恋次にしか聞こえなかった。
恋次は、少し濡れている黒髪に口づけて、白哉と一緒に、意識を闇の中に落としていった。
京楽には分かる
隊首会があった。
ただそれだけのこと。
いつも病欠の浮竹がいた。
ただそれだけのこと。
「ああ、もう」
隊首会が終わる前に、京楽は浮竹を肩に担ぐと、瞬歩で消えてしまった。
「こりゃ、春水!」
山本総隊長が名を呼ぶが、もう遅かった。
「全く・・・十四郎のこととなると、勝手に振る舞いおって」
その十四郎は、遠く離れた雨乾堂の廊下にいた。京楽に担がれて。
「浮竹、前にも言ったよね。体調悪いときはちゃんと休みなさいって」
肩の上にいる浮竹は、申し訳なさそうに、小さな声で
「すまない」
とだけ答えた。
とさりと、静かに雨乾堂内の畳の上に浮竹の体を降ろして、布団をしいた。
そこに横たえる。
「いつ気づいた?」
「初めから」
熱があったのだ。隊首会に参加した時は微熱だった。
立ったまま話を聞いているうちに、眩暈を覚えた。体が熱くて、立っていられなくなると思ったときには、京楽の肩に担がれていた。
本当に、どうして京楽には分かるのだろうか。不思議で仕方なかった。
「どうして、お前は俺の具合が悪くなると分かるんだ」
「長年の付き合いだけど、一種の感みたいなものかな」
院生時代からそうだった。熱を出して倒れる前に、京楽は気が付き、浮竹を支えたり抱き上げたりして、運んで行った。
「お前には、かなわないな」
「いいから、ちゃんと薬のんで寝なさい」
白湯と、解熱剤を渡された。幸いにも、昼食をとった後だったのですきっ腹に薬というわけではなかった。
布団を被ると、窓から雪が入ってきた。
「窓、扉、しめるよ」
「ああ・・・・・」
毛布と布団をかぶっているのだが、寒気がしてきた。
かたかたと震えていると、布団の中に京楽が入ってきた。
「人間ホッカイロ。いる?」
「いる」
暖かい京楽に抱き着いていると、寒気も治まった。
「京楽は便利だな」
「何それ」
「まるでお母さんのようだ」
「君にだけだよ」
「うん」
体温を共有しあっていると、眠くなってきた。
「少し、眠る・・・」
「ああ、おやすみ・・・・」
浮竹が寝ると、そっと布団からでた。
女物の上着を、布団の上にかけて、山本総隊長のところにまで行った。
「山じい、今回の隊首会だけど、何か特別なことあった?」
「なんじゃ春水。今頃来よってからに」
「だって浮竹が」
「分かっておる。十四郎には、後で伝えるつもりじゃった。十四郎の副官に、朽木ルキアを置くものとする」
「ルキアちゃんが!こりゃ、浮竹も喜ぶだろうな!」
京楽も喜んだ。
「だが、十四郎のやつは、志波海燕を亡くしから、頑なに副官を置くことを拒んでおった。朽木ルキアを拒絶しないかどうかと思っておったのだが、お主の顔を見る限り、杞憂であったようじゃ」
「他に連絡事項は?」
「特にない。虚退治には11番隊を遠征にいかせることが決定したしのお」
「11番隊なら、問題ないでしょ。猛者が集っている」
更木剣八の下につく者は、みんな血を見るのが好きだ。戦闘狂ともいえる。
「じゃあ、僕はこれで戻るよ」
「春水」
「何、山じい」
「身を固めるつもりはないか?四楓院夜一との結婚話があがっておるのじゃ」
「はぁ!?何それ。夜一と僕はただの飲み友達で、そんな気全然ないよ!それに僕には浮竹がいる。夜一は・・・・そうだな、同じ4大貴族同士、朽木隊長とでも結婚させればいいんじゃないの。じゃあね」
「あ、またぬか春水!」
京楽は、これ以上戯言など聞きたくないのだと、一番隊の執務室を後にした。
雨乾堂に戻ると、浮竹はまだ眠っていた。布団の中にもぐりこみ、浮竹の暖かな温度に包まれながら、京楽も眠った。
「京楽・・・京楽・・・・」
揺り起こされて、思っていたよりも眠ってしまっいたようで、はっとなる。
「浮竹、熱は下がったんのかい?」
「ああ、お陰様で。これ、お前の着物」
布団の上に置いてあった女ものの着物をひらりと着て、京楽は浮竹に告げる。
「君の副官が決まったそうだよ」
「え・・・・」
「ルキアちゃんだ」
「本当か!?」
浮竹は、京楽の着物の裾を引っ張った。
「山じいが言ってた。決定事項だって。まさか、ルキアちゃんを副官にするのは嫌だなんて言わないだろうね」
「嫌なものか!そうか朽木か!兄妹そろって、隊長副隊長か。朽木家も、出世したなあ」
浮竹には、四楓院夜一と結婚話があがっていることは、言わなかった。
数日後、副官として雨乾堂に出入りするルキアの姿があった。
「ああ、朽木お茶をもってきてくれたのか。すまないな」
「いえ、隊長。他にすることはありませんか?」
「そうだな、この書類を6番隊の白哉のところにまでもっていってくれ」
「兄様のところにですか?」
白哉と聞いて、ルキアが顔を輝かせた。
「ああ、他に急ぐ案件はないから、白哉と話をしてきてもいいぞ」
「行ってまいります!」
ルキアは、書類をもって少し浮かれ気分で6番隊の執務室へと消えて行った。
浮竹は、ルキアがいないので自分で昼餉をとりに13番隊隊舎にやってきた。
「だ、そうだよ。ほんとなのかなぁ?四楓院家の姫と、京楽隊長が」
「でも姫といっても、今は出奔しているも同然だろう。まぁ、それでも四楓院家の名前はついてまわるか。京楽隊長と結婚するとして、浮竹隊長はどうなるんだ?」
「さあ・・・・恋人として、囲うんじゃないか?」
そんな言葉が、聞こえてきて、浮竹の体が固まった。
「あ、浮竹隊長!」
「今の話は・・・・本当か?」
「い、いえただの噂話です」
「噂話でも、そんな話が流れているだな?」
「し、失礼します!」
一般隊士たちは、蒼い顔いろになった浮竹を置いて、逃げるように去ってしまった。
「京楽・・・・・」
ずきんと、肺が痛んだ。
「いけない・・・・・」
雨乾堂に戻る前に、肺の発作を起こして、血を吐いた。
「きゃああああああ、隊長が!」
発見した一般隊士たちに、4番隊まで運び込まれた。
幸いにも発作は軽く、2~3日安静にすれば大丈夫だそうだ。
浮竹が血を吐いたと連絡を受けて、急いでやってきた京楽は、案外平気な顔をしている浮竹を見てほっとした。
でも、浮竹はいつもとどこかが違った。
「京楽。四楓院夜一との結婚話が出ているって本当か」
「あちゃー。誰が教えたの」
「教えられたわけじゃない。偶然聞いたんだ」
「もちろん断ったよ。浮竹がいるのに、結婚するわけないじゃないか。そもそも夜一とは飲み友達だ。結婚相手として見れないよ」
その言葉に、浮竹はほっとしていた。
「京楽。今度からは、そんな話があったのなら、俺にも教えてくれ」
「でも」
「知らないで他から聞くより、直接言われたほうがショックが少ない」
「分かったよ」
もう一度、山本総隊長から、夜一との結婚の打診があったが、結局夜一のほうも否定してきたので、その縁談話はお流れとなった。四楓院家の当主が、姉に身を固めてほしいということからきた我儘話だったそうだ。
「もう大丈夫だね、浮竹」
京楽が、抱き着いてキスをしてきた。
「あっ、京楽・・・・んっ」
「ここ半月、ずっとお預け食らってたんだもの。いいでしょ」
「バカ!まだ、皆が働いて・・・・誰か入ってきたら・・・・」
まだ、4時だ。6時までは死神たちは業務についている。
「雨乾堂には、君かルキアちゃんくらいしかこないよ」
「ああっ!」
「失礼します、隊長、京楽隊長、お茶をおもち・・・・・・きゃあああああ、ごめんなさいいいいいいい」
「あ」
「あ」
ルキアは、敬愛する上官の浮竹が、京楽とそういう関係であることは、女性死神協会とか他を通して知っていたが、実際に浮竹と京楽が睦みあう姿を見て、真っ赤になって悲鳴をあげて出て行った。お茶はこぼれ、ぼんも湯呑も転がっていた。
「まぁ、いいか。好きだよ、十四郎」
「ああっ、春水!」
二人の恋人は、かつて海燕がいた時のように気にせず睦みあうのだった。
ただそれだけのこと。
いつも病欠の浮竹がいた。
ただそれだけのこと。
「ああ、もう」
隊首会が終わる前に、京楽は浮竹を肩に担ぐと、瞬歩で消えてしまった。
「こりゃ、春水!」
山本総隊長が名を呼ぶが、もう遅かった。
「全く・・・十四郎のこととなると、勝手に振る舞いおって」
その十四郎は、遠く離れた雨乾堂の廊下にいた。京楽に担がれて。
「浮竹、前にも言ったよね。体調悪いときはちゃんと休みなさいって」
肩の上にいる浮竹は、申し訳なさそうに、小さな声で
「すまない」
とだけ答えた。
とさりと、静かに雨乾堂内の畳の上に浮竹の体を降ろして、布団をしいた。
そこに横たえる。
「いつ気づいた?」
「初めから」
熱があったのだ。隊首会に参加した時は微熱だった。
立ったまま話を聞いているうちに、眩暈を覚えた。体が熱くて、立っていられなくなると思ったときには、京楽の肩に担がれていた。
本当に、どうして京楽には分かるのだろうか。不思議で仕方なかった。
「どうして、お前は俺の具合が悪くなると分かるんだ」
「長年の付き合いだけど、一種の感みたいなものかな」
院生時代からそうだった。熱を出して倒れる前に、京楽は気が付き、浮竹を支えたり抱き上げたりして、運んで行った。
「お前には、かなわないな」
「いいから、ちゃんと薬のんで寝なさい」
白湯と、解熱剤を渡された。幸いにも、昼食をとった後だったのですきっ腹に薬というわけではなかった。
布団を被ると、窓から雪が入ってきた。
「窓、扉、しめるよ」
「ああ・・・・・」
毛布と布団をかぶっているのだが、寒気がしてきた。
かたかたと震えていると、布団の中に京楽が入ってきた。
「人間ホッカイロ。いる?」
「いる」
暖かい京楽に抱き着いていると、寒気も治まった。
「京楽は便利だな」
「何それ」
「まるでお母さんのようだ」
「君にだけだよ」
「うん」
体温を共有しあっていると、眠くなってきた。
「少し、眠る・・・」
「ああ、おやすみ・・・・」
浮竹が寝ると、そっと布団からでた。
女物の上着を、布団の上にかけて、山本総隊長のところにまで行った。
「山じい、今回の隊首会だけど、何か特別なことあった?」
「なんじゃ春水。今頃来よってからに」
「だって浮竹が」
「分かっておる。十四郎には、後で伝えるつもりじゃった。十四郎の副官に、朽木ルキアを置くものとする」
「ルキアちゃんが!こりゃ、浮竹も喜ぶだろうな!」
京楽も喜んだ。
「だが、十四郎のやつは、志波海燕を亡くしから、頑なに副官を置くことを拒んでおった。朽木ルキアを拒絶しないかどうかと思っておったのだが、お主の顔を見る限り、杞憂であったようじゃ」
「他に連絡事項は?」
「特にない。虚退治には11番隊を遠征にいかせることが決定したしのお」
「11番隊なら、問題ないでしょ。猛者が集っている」
更木剣八の下につく者は、みんな血を見るのが好きだ。戦闘狂ともいえる。
「じゃあ、僕はこれで戻るよ」
「春水」
「何、山じい」
「身を固めるつもりはないか?四楓院夜一との結婚話があがっておるのじゃ」
「はぁ!?何それ。夜一と僕はただの飲み友達で、そんな気全然ないよ!それに僕には浮竹がいる。夜一は・・・・そうだな、同じ4大貴族同士、朽木隊長とでも結婚させればいいんじゃないの。じゃあね」
「あ、またぬか春水!」
京楽は、これ以上戯言など聞きたくないのだと、一番隊の執務室を後にした。
雨乾堂に戻ると、浮竹はまだ眠っていた。布団の中にもぐりこみ、浮竹の暖かな温度に包まれながら、京楽も眠った。
「京楽・・・京楽・・・・」
揺り起こされて、思っていたよりも眠ってしまっいたようで、はっとなる。
「浮竹、熱は下がったんのかい?」
「ああ、お陰様で。これ、お前の着物」
布団の上に置いてあった女ものの着物をひらりと着て、京楽は浮竹に告げる。
「君の副官が決まったそうだよ」
「え・・・・」
「ルキアちゃんだ」
「本当か!?」
浮竹は、京楽の着物の裾を引っ張った。
「山じいが言ってた。決定事項だって。まさか、ルキアちゃんを副官にするのは嫌だなんて言わないだろうね」
「嫌なものか!そうか朽木か!兄妹そろって、隊長副隊長か。朽木家も、出世したなあ」
浮竹には、四楓院夜一と結婚話があがっていることは、言わなかった。
数日後、副官として雨乾堂に出入りするルキアの姿があった。
「ああ、朽木お茶をもってきてくれたのか。すまないな」
「いえ、隊長。他にすることはありませんか?」
「そうだな、この書類を6番隊の白哉のところにまでもっていってくれ」
「兄様のところにですか?」
白哉と聞いて、ルキアが顔を輝かせた。
「ああ、他に急ぐ案件はないから、白哉と話をしてきてもいいぞ」
「行ってまいります!」
ルキアは、書類をもって少し浮かれ気分で6番隊の執務室へと消えて行った。
浮竹は、ルキアがいないので自分で昼餉をとりに13番隊隊舎にやってきた。
「だ、そうだよ。ほんとなのかなぁ?四楓院家の姫と、京楽隊長が」
「でも姫といっても、今は出奔しているも同然だろう。まぁ、それでも四楓院家の名前はついてまわるか。京楽隊長と結婚するとして、浮竹隊長はどうなるんだ?」
「さあ・・・・恋人として、囲うんじゃないか?」
そんな言葉が、聞こえてきて、浮竹の体が固まった。
「あ、浮竹隊長!」
「今の話は・・・・本当か?」
「い、いえただの噂話です」
「噂話でも、そんな話が流れているだな?」
「し、失礼します!」
一般隊士たちは、蒼い顔いろになった浮竹を置いて、逃げるように去ってしまった。
「京楽・・・・・」
ずきんと、肺が痛んだ。
「いけない・・・・・」
雨乾堂に戻る前に、肺の発作を起こして、血を吐いた。
「きゃああああああ、隊長が!」
発見した一般隊士たちに、4番隊まで運び込まれた。
幸いにも発作は軽く、2~3日安静にすれば大丈夫だそうだ。
浮竹が血を吐いたと連絡を受けて、急いでやってきた京楽は、案外平気な顔をしている浮竹を見てほっとした。
でも、浮竹はいつもとどこかが違った。
「京楽。四楓院夜一との結婚話が出ているって本当か」
「あちゃー。誰が教えたの」
「教えられたわけじゃない。偶然聞いたんだ」
「もちろん断ったよ。浮竹がいるのに、結婚するわけないじゃないか。そもそも夜一とは飲み友達だ。結婚相手として見れないよ」
その言葉に、浮竹はほっとしていた。
「京楽。今度からは、そんな話があったのなら、俺にも教えてくれ」
「でも」
「知らないで他から聞くより、直接言われたほうがショックが少ない」
「分かったよ」
もう一度、山本総隊長から、夜一との結婚の打診があったが、結局夜一のほうも否定してきたので、その縁談話はお流れとなった。四楓院家の当主が、姉に身を固めてほしいということからきた我儘話だったそうだ。
「もう大丈夫だね、浮竹」
京楽が、抱き着いてキスをしてきた。
「あっ、京楽・・・・んっ」
「ここ半月、ずっとお預け食らってたんだもの。いいでしょ」
「バカ!まだ、皆が働いて・・・・誰か入ってきたら・・・・」
まだ、4時だ。6時までは死神たちは業務についている。
「雨乾堂には、君かルキアちゃんくらいしかこないよ」
「ああっ!」
「失礼します、隊長、京楽隊長、お茶をおもち・・・・・・きゃあああああ、ごめんなさいいいいいいい」
「あ」
「あ」
ルキアは、敬愛する上官の浮竹が、京楽とそういう関係であることは、女性死神協会とか他を通して知っていたが、実際に浮竹と京楽が睦みあう姿を見て、真っ赤になって悲鳴をあげて出て行った。お茶はこぼれ、ぼんも湯呑も転がっていた。
「まぁ、いいか。好きだよ、十四郎」
「ああっ、春水!」
二人の恋人は、かつて海燕がいた時のように気にせず睦みあうのだった。
解毒薬はどこだーー!!
「日番谷隊長、結婚しよう」
「は?」
浮竹は、10番隊のに執務室やってくるなりそう言った。
「浮竹、お前またマユリの変な薬飲まされただろう」
「俺は、親しい者に恋慕するという薬しか飲んでいない。京楽に飲まされたんだが、京楽が好きでであったことは確かだが、今は日番谷隊長しか見えない」
「朽木はどうなんだ」
「ああっ、白哉もいた・・・。日番谷隊長が正妻で、白哉が第2夫人というのはどうだろう」
「解毒薬はどこだーーー!!」
日番谷が叫ぶと、こそこそと京楽が泣きながら。
「ここにあるんだ」
と、解毒薬を日番谷に持たせた。
「京楽、お前はばかか?親しい者に恋慕する薬なんて・・・・・」
「僕のことをもっと好きになってくれると思ったんだよ!僕が一番浮竹と親しいし」
「薬のませなくても、浮竹はお前にほれているだろう」
「最近させてくれないから、つい」
「アホか、お前は!」
「(ノД`)シクシク・・・・・・・」
浮竹は頬を朱くして潤んだ瞳で日番谷をみてきた。
「日番谷隊長、結婚式はいつにする?白哉ともしなければいけないから、3人の都合のつく時間で・・・・・」
「すまん、浮竹」
首の後ろに鋭い手刀をいれると、浮竹は意識を失った。
浮竹の意識がない間に、なんとか解毒薬を飲ませた。
「う・・・・俺は?」
「京楽に変な薬飲まされて変になってたんだ」
「またか・・・・日番谷隊長、結婚しよう」
「おい、京楽、治ってないぞ!」
「あれ?おかしいな・・・・・ああっ、これ惚れ薬の解毒薬だった。すぐに解毒薬とってくるから、しばらく浮竹の相手よろしくね」
「ちょっとまて京楽ーーーー!!」
薬でおかしくなった浮竹を置き去りして、去って行ってしまった京楽に、ちょっと殺意を覚えた。
「白哉のところにも、結婚しようと言いにいかなければ・・・・・」
「浮竹、朽木のところにはいくな!」
浮竹が結婚しようとかいいだしたら、白哉のことだから、京楽を攻撃するに違いない。仲のいい浮竹をこんなにした責任をとれと。
「もうちょっと、結婚式について段取りとかとろうぜ」
なんとか、京楽が戻ってくるまで引き留めておかねばと、ありもしない結婚式話をする。
「そうだな。日番谷隊長は和式か洋式、どちらが好きだ?」
「んー。やっぱ見慣れてるから和式かな?」
「そうか。日番谷隊長のウェディングドレス姿もみたいし・・・・最近、現世ではやりの、白無垢とウェディングドレスにお色直しするという、和式と洋式を合体させたのはどうだろう」
「ああ、いいな。ちなみにウェディングドレスも白無垢も、お前がきてくれ」
「え、俺が妻になるのか?」
「そうだ」
うーんと、浮竹はうなりだした。
この調子で引き留められればいいんだが。
「日番谷隊長には悪いが・・・・・・俺は京楽なんかと付き合っていた時期があって、処女じゃないんだ」
「ああ、知ってる」
早く戻ってこい、京楽!
心の中で叫んだ。
「それでもいいのか?」
「ああ」
「じゃあ、さっそく式場に予約しにいこう!」
日番谷の手を掴んで、伝令神機で結婚式場に電話をかけだした。
「はい、もしもし」
「すまん、間違い電話だ!」
その電話を切った。
「どうしたんだ、日番谷隊長・・・はっ、もしかしてもう結婚していたのか!?」
誰とだよ!心の中で叫んでいた。
「そうか・・・・日番谷隊長も、京楽の魔の手に・・・・」
よりによって京楽かよ。きついな!
「俺はそれでも構わない!京楽の魔の手が、これ以上日番谷隊長に及ばないように・・・ちょっと、白哉のところにいってくる!」
「あ、待て浮竹!」
浮竹は、瞬歩でとび出していってしまった。
「白哉、結婚しよう!」
「ああ、遅かった・・・・・」
日番谷は、がくりと項垂れだ。
「兄は、何を言っておるのだ」
「お前のことが大好きなんだ。結婚してくれ」
「兄には、京楽がいるだろう」
「あんなの、もうどうもでもいいんだ。俺の妻になってくれ!」
ピクリと、白哉が身じろぐ。そして、背後にいる日番谷に気づいて。
「悪戯か何かか?それとも何かの罰ゲームか」
「いやな、こいつ涅マユリの作った変な薬飲んで、俺とお前に恋してるらしいんだ」
「飲ませたのは京楽か」
「その通り」
「あの男・・・・浮竹をこのようにしておいて、姿も見せぬとは・・・・」
「いや、今解毒薬とりにいってるから」
「ふうむ。浮竹、すまぬが私は永遠に緋真以外を愛することはないのだ。結婚はできぬ」
「そうか・・・・じゃあ、日番谷隊長とだけ結婚する」
とぼとぼと、10番隊の執務室に戻ってきた。
「日番谷隊長は、俺と結婚してくれるよな?」
「あ、ああ。だから、もうちょっと大人しくしててくれ」
「明日、新居の家を買いに行こう。ペットも飼おう。子供は5人くらい欲しいな」
おいおいおい。
どんどん無理がある方向にずれている。
「結婚するなら、婚前交渉もありだよな。日番谷隊長・・・・」
「すまん、浮竹!」
首の後ろに手刀を入れた。
ぐったりとなった浮竹を、長椅子に座らせる。
「日番谷隊長、解毒薬なんとかもってきたよー」
ぜいぜいと息をきらして、瞬歩で京楽がやってきた。
「早く飲ませてやれ」
「ああ、気を失わせているのか」
「それが一番安全だからな」
京楽は、解毒薬を口に含むと浮竹に口移しで飲ませた。
「ん・・・・京楽?」
「浮竹、僕のことどう思う?」
「へたれ」
「おし、元に戻った」
「本当か?おい、浮竹、俺と結婚したいと思うか?」
「え?思うぞ」
「解毒薬はどこだーー!!おい京楽!」
「はははは、嘘だ、日番谷隊長」
「だーもう、蒼天に座せ氷輪丸!」
はははと笑う浮竹に、ぜぇぜぇと息の荒い京楽を巻き込んで、二人はふっとんでいく。
「最初から、こうしておけばよかったのか・・・・・・」
今更ながらに気づく。でも、浮竹のことだから、ふっとばされてもくるだろうな。
京楽は、浮竹を宙で抱き留めて、瞬歩で去って行く。その背中に、千本桜の桜が襲い掛かっているのは見間違いではないようだ。
「京楽隊長、兄は浮竹をなんだと思っている」
「ごめん朽木隊長!もうしないし迷惑かけないから、剣を収めてくれないかな」
「白哉俺は平気だから、俺のために怒ることはないぞ」
「兄がそういうなら・・・・」
白哉は剣を収めた。
今宵も、月が綺麗だ。
京楽がもたらした事件は、結局マユリに札束ビンタをした京楽の手で片付けられるのだった。
「は?」
浮竹は、10番隊のに執務室やってくるなりそう言った。
「浮竹、お前またマユリの変な薬飲まされただろう」
「俺は、親しい者に恋慕するという薬しか飲んでいない。京楽に飲まされたんだが、京楽が好きでであったことは確かだが、今は日番谷隊長しか見えない」
「朽木はどうなんだ」
「ああっ、白哉もいた・・・。日番谷隊長が正妻で、白哉が第2夫人というのはどうだろう」
「解毒薬はどこだーーー!!」
日番谷が叫ぶと、こそこそと京楽が泣きながら。
「ここにあるんだ」
と、解毒薬を日番谷に持たせた。
「京楽、お前はばかか?親しい者に恋慕する薬なんて・・・・・」
「僕のことをもっと好きになってくれると思ったんだよ!僕が一番浮竹と親しいし」
「薬のませなくても、浮竹はお前にほれているだろう」
「最近させてくれないから、つい」
「アホか、お前は!」
「(ノД`)シクシク・・・・・・・」
浮竹は頬を朱くして潤んだ瞳で日番谷をみてきた。
「日番谷隊長、結婚式はいつにする?白哉ともしなければいけないから、3人の都合のつく時間で・・・・・」
「すまん、浮竹」
首の後ろに鋭い手刀をいれると、浮竹は意識を失った。
浮竹の意識がない間に、なんとか解毒薬を飲ませた。
「う・・・・俺は?」
「京楽に変な薬飲まされて変になってたんだ」
「またか・・・・日番谷隊長、結婚しよう」
「おい、京楽、治ってないぞ!」
「あれ?おかしいな・・・・・ああっ、これ惚れ薬の解毒薬だった。すぐに解毒薬とってくるから、しばらく浮竹の相手よろしくね」
「ちょっとまて京楽ーーーー!!」
薬でおかしくなった浮竹を置き去りして、去って行ってしまった京楽に、ちょっと殺意を覚えた。
「白哉のところにも、結婚しようと言いにいかなければ・・・・・」
「浮竹、朽木のところにはいくな!」
浮竹が結婚しようとかいいだしたら、白哉のことだから、京楽を攻撃するに違いない。仲のいい浮竹をこんなにした責任をとれと。
「もうちょっと、結婚式について段取りとかとろうぜ」
なんとか、京楽が戻ってくるまで引き留めておかねばと、ありもしない結婚式話をする。
「そうだな。日番谷隊長は和式か洋式、どちらが好きだ?」
「んー。やっぱ見慣れてるから和式かな?」
「そうか。日番谷隊長のウェディングドレス姿もみたいし・・・・最近、現世ではやりの、白無垢とウェディングドレスにお色直しするという、和式と洋式を合体させたのはどうだろう」
「ああ、いいな。ちなみにウェディングドレスも白無垢も、お前がきてくれ」
「え、俺が妻になるのか?」
「そうだ」
うーんと、浮竹はうなりだした。
この調子で引き留められればいいんだが。
「日番谷隊長には悪いが・・・・・・俺は京楽なんかと付き合っていた時期があって、処女じゃないんだ」
「ああ、知ってる」
早く戻ってこい、京楽!
心の中で叫んだ。
「それでもいいのか?」
「ああ」
「じゃあ、さっそく式場に予約しにいこう!」
日番谷の手を掴んで、伝令神機で結婚式場に電話をかけだした。
「はい、もしもし」
「すまん、間違い電話だ!」
その電話を切った。
「どうしたんだ、日番谷隊長・・・はっ、もしかしてもう結婚していたのか!?」
誰とだよ!心の中で叫んでいた。
「そうか・・・・日番谷隊長も、京楽の魔の手に・・・・」
よりによって京楽かよ。きついな!
「俺はそれでも構わない!京楽の魔の手が、これ以上日番谷隊長に及ばないように・・・ちょっと、白哉のところにいってくる!」
「あ、待て浮竹!」
浮竹は、瞬歩でとび出していってしまった。
「白哉、結婚しよう!」
「ああ、遅かった・・・・・」
日番谷は、がくりと項垂れだ。
「兄は、何を言っておるのだ」
「お前のことが大好きなんだ。結婚してくれ」
「兄には、京楽がいるだろう」
「あんなの、もうどうもでもいいんだ。俺の妻になってくれ!」
ピクリと、白哉が身じろぐ。そして、背後にいる日番谷に気づいて。
「悪戯か何かか?それとも何かの罰ゲームか」
「いやな、こいつ涅マユリの作った変な薬飲んで、俺とお前に恋してるらしいんだ」
「飲ませたのは京楽か」
「その通り」
「あの男・・・・浮竹をこのようにしておいて、姿も見せぬとは・・・・」
「いや、今解毒薬とりにいってるから」
「ふうむ。浮竹、すまぬが私は永遠に緋真以外を愛することはないのだ。結婚はできぬ」
「そうか・・・・じゃあ、日番谷隊長とだけ結婚する」
とぼとぼと、10番隊の執務室に戻ってきた。
「日番谷隊長は、俺と結婚してくれるよな?」
「あ、ああ。だから、もうちょっと大人しくしててくれ」
「明日、新居の家を買いに行こう。ペットも飼おう。子供は5人くらい欲しいな」
おいおいおい。
どんどん無理がある方向にずれている。
「結婚するなら、婚前交渉もありだよな。日番谷隊長・・・・」
「すまん、浮竹!」
首の後ろに手刀を入れた。
ぐったりとなった浮竹を、長椅子に座らせる。
「日番谷隊長、解毒薬なんとかもってきたよー」
ぜいぜいと息をきらして、瞬歩で京楽がやってきた。
「早く飲ませてやれ」
「ああ、気を失わせているのか」
「それが一番安全だからな」
京楽は、解毒薬を口に含むと浮竹に口移しで飲ませた。
「ん・・・・京楽?」
「浮竹、僕のことどう思う?」
「へたれ」
「おし、元に戻った」
「本当か?おい、浮竹、俺と結婚したいと思うか?」
「え?思うぞ」
「解毒薬はどこだーー!!おい京楽!」
「はははは、嘘だ、日番谷隊長」
「だーもう、蒼天に座せ氷輪丸!」
はははと笑う浮竹に、ぜぇぜぇと息の荒い京楽を巻き込んで、二人はふっとんでいく。
「最初から、こうしておけばよかったのか・・・・・・」
今更ながらに気づく。でも、浮竹のことだから、ふっとばされてもくるだろうな。
京楽は、浮竹を宙で抱き留めて、瞬歩で去って行く。その背中に、千本桜の桜が襲い掛かっているのは見間違いではないようだ。
「京楽隊長、兄は浮竹をなんだと思っている」
「ごめん朽木隊長!もうしないし迷惑かけないから、剣を収めてくれないかな」
「白哉俺は平気だから、俺のために怒ることはないぞ」
「兄がそういうなら・・・・」
白哉は剣を収めた。
今宵も、月が綺麗だ。
京楽がもたらした事件は、結局マユリに札束ビンタをした京楽の手で片付けられるのだった。
耳かきと天ぷら
「海燕、お腹減った。何か作ってくれ」
「まだ4時ですよ。12時に昼餉食べたばかりでしょう」
「でも、今日は甘味物をたべていないから、お腹がすいた。何か作ってくれないと、駄々をこねるぞ」
「好きに駄々こねてください」
じたばたした後、ごろごろを畳を転がりだした浮竹に、海燕は大きなため息をついた。
「何か、果物でもないか見てきます」
「そうしてくれ」
隊舎に戻ると、柿が山ほどあった。
その柿を手に戻ってくると、浮竹は皮つきのまましゃりしゃりと食べだした。
「ちょっと、皮剥かなくていいんですか」
「ああ、子供の頃から柿は皮つきのまま食べていた。主に、弟が盗んでもぎ取ってっきた柿を」
「隊長は8人兄弟ですからね・・・・両親の稼ぎだけじゃ足りなかったんじゃないですか?」
「おまけに、俺は肺をやられていて、薬代に借金までこさえていた。隊長になった今は、今まで苦労をかけた分、仕送りをしている」
「隊長の仕送りの額って半端じゃないですからね」
「一族が、俺の仕送りに頼っているからな。本当は、もう少し自立を促したいんだが」
「いっそ、仕送りやめたらどうですか」
海燕の言葉に、京楽は首を横に振った。
「弟妹が、仕事についていないんだ。俺が仕送りをやめると、困窮する」
「はぁ・・・・隊長になったらなったで、そういう問題も起こるんですね」
「そういう海燕はどうなんだ。仕送りとかしているのか?」
「いや、うちんとこは没落したとはいえ、元5大貴族ですよ。金はまだあります」
「そういえば、海燕は一応元上流貴族だったな」
「一応は余計です」
浮竹は、海燕の膝に頭を乗せた。
「なんですか、甘えて」
「耳かきしてくれ」
「はいはい」
耳かきをされて、その気持ちよさに欠伸が出る。
「う~き~た~け~」
暖簾をかき分けて入ってきた京楽、海燕に耳かきをしてもらっている浮竹を見て、おどろおどろしい声をだしていた。
「どうした、京楽。けっそうな顔をして」
「う~わ~き~は~ゆ~る~さ~な~い~よ~~」
「浮気?これが?ただ海燕に耳かきをしてもらっていただけだぞ」
「海燕君、耳かきの道具かしてくれる?」
「あ、はい」
選手交代だ。
京楽の膝に頭を乗せて、京楽に耳かきをしてもらった。
「んー。やっぱ、海燕のほうがうまい」
「そんなこと言わないで。海燕君とのスキンシップはほどほどに」
「京楽は、焼きもち焼きだな」
「そうだよ。浮竹のことになると、僕は独占的になるの」
「海燕にまで嫉妬するなんて、大人げないぞ」
「大人げなくて結構」
浮竹は、今日の分の仕事にとりかかった。
京楽も、8番隊からもってきた仕事を片付けていく。
海燕は思う。ちゃんと8番隊の執務室で仕事をすればいいのにと。でも、浮竹のことがすきだから、傍にいたいんだろうなという気持ちも分からないでもなかった。
「そういえば、海燕、都とはどうなんだ?」
「なっ、どこでそれを!」
「いや、都が言ってきたんだが」
今海燕は都という13番隊の席官の女性と付き合っていた。
「はぁ・・・・都のばか。よりによって隊長にいうなんて」
「なんだ、俺に知られてはまずいことでもあるのか?」
「隊長のことだ、絶対からかってくる!」
にまにました顔で、浮竹は首を横に振った。
「いやいや、愛しい副官をからかうだなんてそんな」
「その笑みはなんですか」
「いやいやいや」
「結婚式には、僕も呼んでね」
「京楽隊長!余計なこと言わないでください!」
「結婚かぁ。海燕も立派になったものだなぁ」
「まだ、付き合ってるだけですからね!」
ぐー。
浮竹の腹がなった。
「浮竹、お腹すいたの?」
「柿をいくつか食べたんだが・・・足りないようだ」
「ちょっと、壬生の甘味屋まで、おはぎ買いに行ってくるよ」
「いいのか、京楽?」
「愛しい浮竹にひもじい思いなんてさせれないからね」
さっと瞬歩で去って行った京楽は、15分ほどして帰ってきた。
重箱につまったおはぎを、浮竹はぺろりと平らげた。
「ほんと、甘味物はよく食べるね。3人前はあったんだけど」
「夕餉も食べるぞ」
「はぁ、ほんとによく食べるね」
京楽と浮竹は、夕餉の間まで抱き合ったりキスしたりして、ごろごろしていた。
「俺は空気ですか」
「ああ、いたのか海燕」
「ずっといました」
「空気というか、置物だな」
「どっちにしろ、酷いです」
海燕は、時間なので夕餉を2人分もってきてくれた。
「今日は天ぷらか・・・・・・」
「隊長、好きでしょう?特別に海老3匹です」
夕餉をぺろりと平らげた浮竹は、デザートの杏仁豆腐を食べていた。
じっと、京楽の杏仁豆腐を眺めるものだから、京楽があげようとして、海燕に止められた。
「隊長は、物欲しそうに他人の料理をもらわないこと!」
「えーけち。海燕のけちー」
浮竹は、また駄々をこねだした。
本当に、この上司は手がかかる。
でも、駄々のこね方とかかわいいので、ほっこりする。
ごろごろと畳を転がりだした浮竹に溜息をついて、海燕は京楽が残してくれた杏仁豆腐と、結局浮竹に食べさせてしまうのだった。
我ながら甘いと思いつつも、上官の畳を転がるわけのわからない駄々のこね方ってなんなんだろうと思うのであった。
「まだ4時ですよ。12時に昼餉食べたばかりでしょう」
「でも、今日は甘味物をたべていないから、お腹がすいた。何か作ってくれないと、駄々をこねるぞ」
「好きに駄々こねてください」
じたばたした後、ごろごろを畳を転がりだした浮竹に、海燕は大きなため息をついた。
「何か、果物でもないか見てきます」
「そうしてくれ」
隊舎に戻ると、柿が山ほどあった。
その柿を手に戻ってくると、浮竹は皮つきのまましゃりしゃりと食べだした。
「ちょっと、皮剥かなくていいんですか」
「ああ、子供の頃から柿は皮つきのまま食べていた。主に、弟が盗んでもぎ取ってっきた柿を」
「隊長は8人兄弟ですからね・・・・両親の稼ぎだけじゃ足りなかったんじゃないですか?」
「おまけに、俺は肺をやられていて、薬代に借金までこさえていた。隊長になった今は、今まで苦労をかけた分、仕送りをしている」
「隊長の仕送りの額って半端じゃないですからね」
「一族が、俺の仕送りに頼っているからな。本当は、もう少し自立を促したいんだが」
「いっそ、仕送りやめたらどうですか」
海燕の言葉に、京楽は首を横に振った。
「弟妹が、仕事についていないんだ。俺が仕送りをやめると、困窮する」
「はぁ・・・・隊長になったらなったで、そういう問題も起こるんですね」
「そういう海燕はどうなんだ。仕送りとかしているのか?」
「いや、うちんとこは没落したとはいえ、元5大貴族ですよ。金はまだあります」
「そういえば、海燕は一応元上流貴族だったな」
「一応は余計です」
浮竹は、海燕の膝に頭を乗せた。
「なんですか、甘えて」
「耳かきしてくれ」
「はいはい」
耳かきをされて、その気持ちよさに欠伸が出る。
「う~き~た~け~」
暖簾をかき分けて入ってきた京楽、海燕に耳かきをしてもらっている浮竹を見て、おどろおどろしい声をだしていた。
「どうした、京楽。けっそうな顔をして」
「う~わ~き~は~ゆ~る~さ~な~い~よ~~」
「浮気?これが?ただ海燕に耳かきをしてもらっていただけだぞ」
「海燕君、耳かきの道具かしてくれる?」
「あ、はい」
選手交代だ。
京楽の膝に頭を乗せて、京楽に耳かきをしてもらった。
「んー。やっぱ、海燕のほうがうまい」
「そんなこと言わないで。海燕君とのスキンシップはほどほどに」
「京楽は、焼きもち焼きだな」
「そうだよ。浮竹のことになると、僕は独占的になるの」
「海燕にまで嫉妬するなんて、大人げないぞ」
「大人げなくて結構」
浮竹は、今日の分の仕事にとりかかった。
京楽も、8番隊からもってきた仕事を片付けていく。
海燕は思う。ちゃんと8番隊の執務室で仕事をすればいいのにと。でも、浮竹のことがすきだから、傍にいたいんだろうなという気持ちも分からないでもなかった。
「そういえば、海燕、都とはどうなんだ?」
「なっ、どこでそれを!」
「いや、都が言ってきたんだが」
今海燕は都という13番隊の席官の女性と付き合っていた。
「はぁ・・・・都のばか。よりによって隊長にいうなんて」
「なんだ、俺に知られてはまずいことでもあるのか?」
「隊長のことだ、絶対からかってくる!」
にまにました顔で、浮竹は首を横に振った。
「いやいや、愛しい副官をからかうだなんてそんな」
「その笑みはなんですか」
「いやいやいや」
「結婚式には、僕も呼んでね」
「京楽隊長!余計なこと言わないでください!」
「結婚かぁ。海燕も立派になったものだなぁ」
「まだ、付き合ってるだけですからね!」
ぐー。
浮竹の腹がなった。
「浮竹、お腹すいたの?」
「柿をいくつか食べたんだが・・・足りないようだ」
「ちょっと、壬生の甘味屋まで、おはぎ買いに行ってくるよ」
「いいのか、京楽?」
「愛しい浮竹にひもじい思いなんてさせれないからね」
さっと瞬歩で去って行った京楽は、15分ほどして帰ってきた。
重箱につまったおはぎを、浮竹はぺろりと平らげた。
「ほんと、甘味物はよく食べるね。3人前はあったんだけど」
「夕餉も食べるぞ」
「はぁ、ほんとによく食べるね」
京楽と浮竹は、夕餉の間まで抱き合ったりキスしたりして、ごろごろしていた。
「俺は空気ですか」
「ああ、いたのか海燕」
「ずっといました」
「空気というか、置物だな」
「どっちにしろ、酷いです」
海燕は、時間なので夕餉を2人分もってきてくれた。
「今日は天ぷらか・・・・・・」
「隊長、好きでしょう?特別に海老3匹です」
夕餉をぺろりと平らげた浮竹は、デザートの杏仁豆腐を食べていた。
じっと、京楽の杏仁豆腐を眺めるものだから、京楽があげようとして、海燕に止められた。
「隊長は、物欲しそうに他人の料理をもらわないこと!」
「えーけち。海燕のけちー」
浮竹は、また駄々をこねだした。
本当に、この上司は手がかかる。
でも、駄々のこね方とかかわいいので、ほっこりする。
ごろごろと畳を転がりだした浮竹に溜息をついて、海燕は京楽が残してくれた杏仁豆腐と、結局浮竹に食べさせてしまうのだった。
我ながら甘いと思いつつも、上官の畳を転がるわけのわからない駄々のこね方ってなんなんだろうと思うのであった。
湯あみ
「んあっ」
後ろから貫かれて、白哉は少し長い黒髪を乱す。
「あ、ああ・・・・ああっ、恋次!」
「隊長・・・・・」
最奥まで突き上げて、揺さぶると、ビクンと白哉の体が痙攣した。
熱い熱を放ってしまったのだ。
「うっ・・あああっ!」
白哉の声は、甘ったるくて、恋次の腰にくる。
何度も挿入し、突き入れ、穿つ。
その度、白哉は乱れた。
「隊長・・・いいすっか?」
前立腺をすりあげるように動けば、白哉も啼いた。
「ん・・・もう、十分だ。いけ」
「隊長、好きです」
白哉の腹の奥に熱をはなって、恋次も果てた。
「なんだろなー。いつも思うんだけど、隊長って抱かれてる間、俺のこと好きっていってくれないっすよね」
「そんな恥ずかしいこと口にだせるものか」
白哉は、そっぽを向いた。
「でも、たまにはいってほしいなー。好きだって」
「好きだぞ、恋次」
「へ」
「言えと言ったのは、貴様であろう」
「なんかなー。ムードがない。棒読みっぽいし。ねえ隊長・・・・・」
白哉の艶やかな黒髪を手で梳いて、恋次は甘えた。
「もう一度、好きって言ってください」
「ん・・・好きだぞ、恋次」
「俺も大好きです、隊長!」
恋次よリ幾分小柄な白哉を抱き締めて、何度もキスを繰り返していた。
「もういいだろう、しつこい」
白哉は、犬のように尻尾をぶんぶんふっているように、恋次がそう見えた。
「恋次」
「なんですか、隊長」
「お前は犬のようだな」
「へ?なんでですか!」
「私の言動に、尻尾を振っているようだ」
「そりゃ、隊長に好きって言われたからで」
「湯あみをする。一緒にするか?」
「勿論です、隊長!」
体を重ねた後、白哉必ず湯あみをした。情事の痕を消し去るためだ。
そんな白哉と湯あみを共にするなど、初めてではないだろうか。
どうか、白哉の裸体を見ても欲情しませんようにと祈りながら、白哉と共に湯あみをするのでああった。
後ろから貫かれて、白哉は少し長い黒髪を乱す。
「あ、ああ・・・・ああっ、恋次!」
「隊長・・・・・」
最奥まで突き上げて、揺さぶると、ビクンと白哉の体が痙攣した。
熱い熱を放ってしまったのだ。
「うっ・・あああっ!」
白哉の声は、甘ったるくて、恋次の腰にくる。
何度も挿入し、突き入れ、穿つ。
その度、白哉は乱れた。
「隊長・・・いいすっか?」
前立腺をすりあげるように動けば、白哉も啼いた。
「ん・・・もう、十分だ。いけ」
「隊長、好きです」
白哉の腹の奥に熱をはなって、恋次も果てた。
「なんだろなー。いつも思うんだけど、隊長って抱かれてる間、俺のこと好きっていってくれないっすよね」
「そんな恥ずかしいこと口にだせるものか」
白哉は、そっぽを向いた。
「でも、たまにはいってほしいなー。好きだって」
「好きだぞ、恋次」
「へ」
「言えと言ったのは、貴様であろう」
「なんかなー。ムードがない。棒読みっぽいし。ねえ隊長・・・・・」
白哉の艶やかな黒髪を手で梳いて、恋次は甘えた。
「もう一度、好きって言ってください」
「ん・・・好きだぞ、恋次」
「俺も大好きです、隊長!」
恋次よリ幾分小柄な白哉を抱き締めて、何度もキスを繰り返していた。
「もういいだろう、しつこい」
白哉は、犬のように尻尾をぶんぶんふっているように、恋次がそう見えた。
「恋次」
「なんですか、隊長」
「お前は犬のようだな」
「へ?なんでですか!」
「私の言動に、尻尾を振っているようだ」
「そりゃ、隊長に好きって言われたからで」
「湯あみをする。一緒にするか?」
「勿論です、隊長!」
体を重ねた後、白哉必ず湯あみをした。情事の痕を消し去るためだ。
そんな白哉と湯あみを共にするなど、初めてではないだろうか。
どうか、白哉の裸体を見ても欲情しませんようにと祈りながら、白哉と共に湯あみをするのでああった。
名もない感情
「ん・・・・・恋次?」
「あ、すんません、起こしちまったっすか」
体を重ねた後、白哉はその激しさに、意識を飛ばしてしまったのだ。
「構わぬ・・・・湯あみがしたい」
「立ち上がれますか?」
「湯あみくらい、一人でできる」
ふらりと立ちあがった白哉の体を支えて、恋次が言う。
「すんません、無理させちゃったみたいっすね」
「構わぬと言っている」
新しい死覇装と隊長羽織を手に、白哉は湯殿に消えて行った。
「はー」
白哉とこんな関係になって半年。
まだ、好きとかそういうことはお互い口にしていなかった。
「やっぱ、この関係やめたほうがいいのか」
しばらくして、白哉が帰ってきた。
「何を考えておるのだ」
「いや、あんたとこういう関係、続けないほうがいいのかと思って」
「何故だ?」
「だって俺・・・・・あんたに好きって言われたことがない。俺はあんたのことが大好きですよ。隊長一筋ですから」
「私も・・・・」
「ん?よく聞こえないっす」
「私も、恋次を好いておる」
「え、まじですか」
「嘘などついてどうする。好きでもない相手と体を重ねるほど、私は安くない」
白哉は、その美しく整った顔の頬に、朱色を浮かべながら、もう知らぬと、あさっての方を向いてしまった。
「隊長・・・・・好きです」
恋次は、白哉を抱き締めると、口づけをした。
「ん・・・・・・」
舌がからまる口づけをして、それから離れた。
「湯あみしちゃったから、これ以上は今度ですね」
「恋次」
「はい」
「私を繋ぎとめておきたければ、もっと強くなることだ」
「隊長・・・・・」
「私は、弱い者には興味はない」
もう十分、強くなったのに、まだ高みを目指せという。
先の大戦で、重傷を負った白哉は、一時は剣も握れぬかもというほど傷ついた。卍解を奪われるという最悪の形で。
「俺は、もっと強くなります。いつか、隊長をこえてみせる」
「それくらい、当然だ。私が飽きないうちに、強くなることだ」
白哉が恋次飽きることは、本当にありそうで怖かった。恋次は、修行に精を出そうとおもうのだった。
「あ、すんません、起こしちまったっすか」
体を重ねた後、白哉はその激しさに、意識を飛ばしてしまったのだ。
「構わぬ・・・・湯あみがしたい」
「立ち上がれますか?」
「湯あみくらい、一人でできる」
ふらりと立ちあがった白哉の体を支えて、恋次が言う。
「すんません、無理させちゃったみたいっすね」
「構わぬと言っている」
新しい死覇装と隊長羽織を手に、白哉は湯殿に消えて行った。
「はー」
白哉とこんな関係になって半年。
まだ、好きとかそういうことはお互い口にしていなかった。
「やっぱ、この関係やめたほうがいいのか」
しばらくして、白哉が帰ってきた。
「何を考えておるのだ」
「いや、あんたとこういう関係、続けないほうがいいのかと思って」
「何故だ?」
「だって俺・・・・・あんたに好きって言われたことがない。俺はあんたのことが大好きですよ。隊長一筋ですから」
「私も・・・・」
「ん?よく聞こえないっす」
「私も、恋次を好いておる」
「え、まじですか」
「嘘などついてどうする。好きでもない相手と体を重ねるほど、私は安くない」
白哉は、その美しく整った顔の頬に、朱色を浮かべながら、もう知らぬと、あさっての方を向いてしまった。
「隊長・・・・・好きです」
恋次は、白哉を抱き締めると、口づけをした。
「ん・・・・・・」
舌がからまる口づけをして、それから離れた。
「湯あみしちゃったから、これ以上は今度ですね」
「恋次」
「はい」
「私を繋ぎとめておきたければ、もっと強くなることだ」
「隊長・・・・・」
「私は、弱い者には興味はない」
もう十分、強くなったのに、まだ高みを目指せという。
先の大戦で、重傷を負った白哉は、一時は剣も握れぬかもというほど傷ついた。卍解を奪われるという最悪の形で。
「俺は、もっと強くなります。いつか、隊長をこえてみせる」
「それくらい、当然だ。私が飽きないうちに、強くなることだ」
白哉が恋次飽きることは、本当にありそうで怖かった。恋次は、修行に精を出そうとおもうのだった。
一護とルキアの関係とは
「ん・・・・」
ルキアは、一護のベッドで丸くなって眠っていた。
「またかよ・・・・」
ベッドの持ち主である一護は、風呂上がりでさぁ寝ようと、パジャマを着てやってきたのだが、ルキアが先に眠ってしまっていた。
同じ家にまた住むようになった。それは、ルキアが高校を卒業する僅か4か月の間だけ。尸魂界は大戦により未曽有の被害を出し、本来ならばルキアも13番隊の副隊長及び、隊長代理として尸魂界にいなければいけない人物だった。
ユーハバッハを倒した一護のたっての願いで、ルキアは高校を卒業するまで現世にいることが許された。
好きだと、告げた。
好きだと、告げられた。
互いの想いを確認しあって付き合うことになった。
デートらしきこともしたけど、なんだか今までと関係が全然変わっていないようであった。
「ルキア・・・・・」
子猫のように丸くなって眠るルキアに、口づけた。
「ん、いち・・・ご?」
「ルキア、俺も寝るからもうちょっと奥にいけ」
「無理だ」
「じゃ俺に床で寝ろってのか」
「こうすればよい」
ルキアを抱き締めるような形で、ベッドに横になる。
「あーもう」
一護は、これでもずっと我慢しているのだ。
ルキアの腰に手を回して、抱き締めるような形で眠りについた。
「起きろ、このたわけが!」
朝になると、ルキアが頬を朱くしながら一護を起こしてきた。
「たわけ、貴様また私を抱き抱えるように眠ったな!?」
「いや、あれはルキアから・・・それに、付き合ってるんだからいいじゃねぇか」
「よくない!今日、貴様の妹が見に来て、誤解されたではないか!」
「あー遊子な。まぁ、問題ねぇよ」
「問題あるわ!」
一護のオレンジの髪を引っ張りながら、ルキアは怒った。
「私は当分押入れでねる!」
「あんな窮屈な場所がいいなら、好きにすればいいじゃねぇか」
朝食を食べて、一緒に学校に登校する。そのまま授業を受けて、休み時間も一緒にいて、教室移動時も一緒で、昼食まで一緒で、帰るのも一緒だった。
「なんかさー、一護のやつ・・・・朽木さんと、つきあってるのかな?」
たつきの言葉に、井上が首を傾げる。
「さぁ、どうなんだろう。でも、一緒にいる時間、増えたよね」
まさか、朽木さんが。
そう思いながら、気軽に聞いてみた。
「黒崎君と付き合ってるの、朽木さん」
「なななななな、そそそそそそ、そんなことはないぞ井上!」
ルキアは逃げるように、教室を飛び出していった。
「だってさー。付き合っていないみたい」
「違うでしょ。あれはどう見ても付き合ってるって答えだね」
「えーそうなの?私にはわからなかった」
まだ昼休みだった。
屋上にいる一護の前にくると、ルキアは顔を真っ赤にして、井上に付き合っているのか聞かれたと報告した。
「ああ、別に付き合ってるっていえばいいじゃねぇか」
「だが、あの井上なのだぞ!お前を好いておるのだぞ!」」
「そうだけど。でも、俺はルキア、お前がいい」
「たわけ!私は・・・・」
「俺が嫌か?」
「そんなことは・・・・ないが・・・」
だんだん、言葉が小さくなっていく。
「ルキア」
「わあっ」
間近に顔があって、ルキアは驚いた。
「別に、俺たちはやましいことしているわけじゃねぇ。隠す必要なんてねーんだよ」
「それは、そうだが・・・・・・・」
ふと、虚の気配を感じた。伝令神機がアラームを鳴り響かせる。
「俺も行く!」
「私も行くぞ!」
虚は、10分もしないうちに片付けられた。
近くだったため、義魂丸も入れてこなかった。体のほう、無事であるといいが。
二人が屋上につくと、1年坊主が、ルキアの体を触っていた。
「なっ・・・・・」
一足先に自分の体に戻った一護は、その1年生を締め上げた。
「てめぇ、ルキアに何してやがる」
「ひっ!い、息してないから、ただ生きてるかどうか確認してただけで」
「それで、スカートの中身をめくって、ぱんつずらして・・・そんなものだして、何するつもりだったんだ!」
一護は、なんの力ももたない少年を、思い切り殴った。
「ひいっ」
逃げようとする1年生を、何度も殴った。
ルキアの体が、ピクリと動く。
「もういい、一護!」
「よくねぇよ!こいつ、あろうことかルキアを犯そうとしてたんだぞ」
ルキアも、その生々しい響きに眉を潜めながらも、これ以上はだめだと、一護を止めた。
「もう、顎の骨が砕けている。これ以上すれば、警察沙汰だ。止めよ、一護」
1年生の腹を蹴り上げる。恐怖で、そいつは失禁した。
「ちっ」
ルキアを連れて、一護は屋上を去った。
保健室にまでつれていき、念のためにとルキアの体を軽くチェックする。
「痛いところは?」
「ない」
「ぱんつちゃんとはいてるか?」
「はいておるわ、たわけ!」
「今度から、近くでも義魂丸は入れておいてくれ」
「ああ。私が軽率であった」
ルキアは、少し乱れた衣服を整えた。
「お前は何も悪くねぇよ。くそ、現世でなかったら、あんなやつ殺していたのに」
「一護、私は大丈夫であると言っているだろう。そこまで怒るな」
「ばか、怒らない奴なんて最低だろ!自分の彼女が襲われそうになったんだぞ」
「一護・・・・」
「なぁ、頼むからそんな悲しい顔しないでくれ」
一護は、ブラウンの瞳を細めて、ルキアを抱き締めた。
「私の存在は、貴様の重荷になるのかもしれないな・・・」
「そんなことねぇよ!好きだ。大好きだ、ルキア!」
保険医もいなかったので、とさりとベッドに押し倒した。
「俺は、ずっとお前を見ていた。お前が消えた後も、霊力がなくなった時も、ずっとお前のことを考えていた。お前のことが頭にちらつかなかった日は、一日たりともない」
「一護・・・私も、ずっと貴様のこと考えていた。霊力を取り戻した貴様と会うのを、ずっと楽しみにしておったのだ・・・・・・」
だが、すぐに先の大戦が勃発した。
愛を語り合う間もなかった。
こうやって、やっと訪れた平穏。
「俺たちの未来は、これからだろう?」
ルキアを抱き締めて、一護はルキアにキスを繰り返す。
「んあっ・・・だめだ、保健室でなど・・・」
「ああ、分かってる」
ルキアを起き上がらせて、午後の授業に出たが、ルキアも一護も、お互いのことが気になって、授業の内容などちんぷんかんぷんであった。
5限目になって、ルキアを連れてさぼった。
黒崎家に帰宅して、誰もいないのをチェックしてから、お互いの服を脱がしあい、キスを繰り返した。
「こんな事・・・・本当は、だめなのに・・・・・」
「ルキア、好きだ・・・・・」
お互い、裸になった。
胸のあまりないルキアは、手で胸を隠していたが、一護の唇がルキアの手を胸元を行き来して、あまりない膨らみが見えた。
「すっげー綺麗」
「こんな胸・・・井上と比べれば・・・」
「安心しろ、俺は貧乳派だ!」
ばきっと、とりあえず一護を殴っておいた。
「痛いけど、嬉しい。ルキア、全部俺のものだ」
やわやわと胸をもみしだき、全身の輪郭を確かめて、胸の先端を口に含むと、ルキアが甘ったるい声をあげた。
「あん」
「もっと、聞かせて?」
「ああっ、一護!」
秘所を弄られ、指で陰核をつまみあげられて、秘所の入口の天井あたりの前立腺がある場所をしつこくこすられて、指でかりかりされて、ルキアははじめていった。
「あああああ!」
ぜいぜいと、荒い息をつく。
「ここで、終わっとくか?」
「だめだ。一護と、一つになりたい」
「入れてもいいか?」
「きて、いちご・・・・・」
ゆっくりと、狭いルキアの中に侵入する。
ぶちぶちと、処女膜が切れる音がして、秘所から血が流れ落ちた。
「はじめてなのに、ごめんな」
なるべくゆっくり動いた。
「・・・・あ、あ、あああ、一護」
傷つけないように、気持ちよくなるように、ルキアに快感を与え続けていくと、一護もの方も限界がきた。
「ごめん、コンドームしてない。中でだすわけにはいかないから」
「いい。中でだせ」
「でも・・・・」
「お前の子種を注げ」
そう言われて、ルキアの中で弾けた。
お互い、浅い呼吸を繰り返した。
それから、満足感と至福感を味わった。
「いつまでも、こうしていられないからな」
手早く濡れたタオルで、汚れた部分をふいて、私服を着る。
そして、またベッドで横になった。
「もう、俺のものだ、ルキア」
「ああ、お前も私のものだ・・・・・・」
幸福感を抱きながら、数時間眠った。
「起きろ、一護」
「ん、どうしたルキア」
「もう、夕飯の時刻だ」
「ああ、そうか」
二人で、キッチンに移動した。
「ああ、一兄、ルキアちゃんと何してたの?」
「なんでもねーよ。ただ寝てただけだ」
「ほんとに何にもないの?なんか今日の一兄、すっごく嬉しそう」
その日の夕食は、カレーだった。ルキアも好きなメニューだ。
夕飯を食べ終わり、お風呂に入って、ルキアは一護の部屋にくるとドライヤーで髪を乾かしていた。
「押入れで寝るといっていたが、前言撤回だ。貴様のベッドで、一護、貴様と一緒に寝る」
「ああ、いいぜ」
二人で、抱き締めあいながら眠った。
もう、死神とか人間とか、そんなことどうでもよかった。
次の日は、土曜で休みだった。
「デート、しようぜ」
「デートか」
「おう」
「服が買いたい!ワンピースを」
白哉あたりから、たくさん金を与えられているルキアは、けれどあまりその金を使うこともなく、妹のワンピースを借りていた。
流石に、いつも借りては悪いと思ったのだろう。
「一兄、ルキアちゃんとデートするの?」
「ああもう、お前は引っ込んでろ」
妹たちの視線を無視して、ルキアと一護は玄関から外にでた。
これでもかというほどの快晴だった。
「ワンピースなら、シマムラ屋が安いかな」
「何処にあるのだ、その店は」
「駅前だ」
「では、そこまで案内しろ」
「へいへい」
でも、案内しろといいながらも、手を繋いで歩いた。途中、クレープ屋でクレープを購入し、お互いに違う味を選んで、途中で交代して食べたりした。
「ここがシマムラ屋だ」
「おお、巨大だな。これ全部、服か」
「そうだ。安いから、何着でも買えるぞ」
「そうか。こんなにいらなかったか」
ごそりと、100万円札を出すルキアに、一護はそれを隠した。
「そんな大金持ち歩くな!危ないだろう!」
「しかし、兄様が現世で買い物をする時はお金は多いにこしたことはないと・・・・」
「白哉は金銭感覚ずれてるからな。ルキア、2万もあれば、10着くらいワンピースを買えるぞ、この店では」
「なんと!そんなの安いのか!では早速!」
中に入り、きょろきょろしだすルキアが、かわいかった。
「あ、あのワンピース可愛い。2980円。本当だ、安いのだな」
ワンピースを5着ほど、パジャマと、女性用の下着も全て購入して、2万円以内で済んだ。
流石に、ルキアが女性用のランジェリー広場に来たときは、俺はここで待ってるからと、一護はその場所を避けていた。
荷物持ちにされたが、ルキアとのデートは楽しく、気にならなかった。
途中でファミリーレストランに入り、昼食とデザートを頼んだ。
ジャンボチョコパフェを頼んだルキアに、食べきれるのかと聞いたら、根性で食べると言い返された。
本当に、根性かどうかは知らぬが、あの細い体の何処に入るのかという量を完食した。
一護は、オムライスを食べていた。デザートは、苺のアイスクリームを頼んでいた。あれだけ食べたのに、苺のアイスクリームをじっと食い入るように見つめるので、一護は食べていいいぞと、ルキアにあげた。
「んーおいしい。やはり、甘味物は現世が圧倒的にうまいな・・・・・」
少しだけ、卒業後の進路などを話した。
ルキアは尸魂界に帰るが、一護は現世で大学に進む予定だった。ルキアは、高校を卒業しても、一護に会いに定期的に現世にくると約束してくれた。
午後は、意味もなく街をぶらつき、ゲームセンターでで遊んだ。プリクラを二人で撮った。
「はぁ。楽しかった」
黒崎家に戻る頃には、夕暮れ時になっていた。
「明日も休みだけど、ごろごろするか」
「そうだな。期末試験とやらもあるし・・・・勉強もせねばな」
「俺も、もうちょっと受験勉強しないとな。志望校の大学に入るためには、もうちょっと偏差値あげておかないと・・・・・・」
「偏差値?」
「ああもう、そこら説明するのめんどいから、もっと勉強しなきゃ行きたい大学にいけねーんだよ。まぁ、もう1つの志望校は余裕ラインだけど」
「大学か。現世にずっと居れるなら、私も通ってみたいものだ」
一護のベッドにごろりと横になるルキア。
「ルキア」
「なんだ」
「今日はありがとう。楽しかった。好きだぜ」
「う、うむ。貴様も荷物もち大儀であった。すすすすす、好きだぞ」
くすりと、一護は微笑んだ。
ああ、好きだな、その顔。
ルキアは思った。
次の日は、本当に二人でだらだらしながらも、勉強もした。
ルキアは、英語などちんぷんかんぷんである。まぁ、試験が赤点であろうと、記憶置換で教師の記憶を書き換えてしまえばいいのだから問題はない。
「いいよなぁ、ルキアは記憶置換があって」
参考書と睨み合いっこをしていた一護が、ルキアに言う。
「立派な社会人になるためであろう。勉強をしろ、勉強を」
「してるっつーの」
3時になって、休憩時間を挟んだ。
「なんか、いいな。こういうの」
ルキアを抱いて、ベッドでごろりと横になる。
「どうしたのだ?私を抱きたいのか?」
「ち、ちげーよ!まぁ、抱きたいことには変わりねーけど」
「一護になら、好きにされてもいい」
「あのなぁ。家族もいる家で、おっぱじめられるか」
「では、ラブホテルというのはどうだ」
ぶーーーーーーーー。
一護は、飲みかけのコーヒーを吹き出した。
「おい、誰だよお前にそんな知識吹き込んだのは」
「いや、この雑誌だが」
くだらないゴシップ雑誌であった。
「こういうものは、見るな。こっちを見とけ」
ルキアからそのゴシップ雑誌を奪って、ジャンプの雑誌を渡した。
「おお、面白いなこの漫画」
何気ない一日も、終わりを迎えようとしている。
こんな他愛もない時間が、どうか卒業するまで続きますようにと、祈る一護と、一護との淡い恋心が甘酸っぱい思い出になったとしても、想いまで廃れないようにと祈るルキアがいた。
人間と死神。
その違いは、果てしもない。
千年を生きる死神と、80年くらいしか生きない人間。
たとえそんな違いがあろうとも、結ばれた二人は生きる。
世界は廻る。
軋む音を立てて。
ルキアは、一護のベッドで丸くなって眠っていた。
「またかよ・・・・」
ベッドの持ち主である一護は、風呂上がりでさぁ寝ようと、パジャマを着てやってきたのだが、ルキアが先に眠ってしまっていた。
同じ家にまた住むようになった。それは、ルキアが高校を卒業する僅か4か月の間だけ。尸魂界は大戦により未曽有の被害を出し、本来ならばルキアも13番隊の副隊長及び、隊長代理として尸魂界にいなければいけない人物だった。
ユーハバッハを倒した一護のたっての願いで、ルキアは高校を卒業するまで現世にいることが許された。
好きだと、告げた。
好きだと、告げられた。
互いの想いを確認しあって付き合うことになった。
デートらしきこともしたけど、なんだか今までと関係が全然変わっていないようであった。
「ルキア・・・・・」
子猫のように丸くなって眠るルキアに、口づけた。
「ん、いち・・・ご?」
「ルキア、俺も寝るからもうちょっと奥にいけ」
「無理だ」
「じゃ俺に床で寝ろってのか」
「こうすればよい」
ルキアを抱き締めるような形で、ベッドに横になる。
「あーもう」
一護は、これでもずっと我慢しているのだ。
ルキアの腰に手を回して、抱き締めるような形で眠りについた。
「起きろ、このたわけが!」
朝になると、ルキアが頬を朱くしながら一護を起こしてきた。
「たわけ、貴様また私を抱き抱えるように眠ったな!?」
「いや、あれはルキアから・・・それに、付き合ってるんだからいいじゃねぇか」
「よくない!今日、貴様の妹が見に来て、誤解されたではないか!」
「あー遊子な。まぁ、問題ねぇよ」
「問題あるわ!」
一護のオレンジの髪を引っ張りながら、ルキアは怒った。
「私は当分押入れでねる!」
「あんな窮屈な場所がいいなら、好きにすればいいじゃねぇか」
朝食を食べて、一緒に学校に登校する。そのまま授業を受けて、休み時間も一緒にいて、教室移動時も一緒で、昼食まで一緒で、帰るのも一緒だった。
「なんかさー、一護のやつ・・・・朽木さんと、つきあってるのかな?」
たつきの言葉に、井上が首を傾げる。
「さぁ、どうなんだろう。でも、一緒にいる時間、増えたよね」
まさか、朽木さんが。
そう思いながら、気軽に聞いてみた。
「黒崎君と付き合ってるの、朽木さん」
「なななななな、そそそそそそ、そんなことはないぞ井上!」
ルキアは逃げるように、教室を飛び出していった。
「だってさー。付き合っていないみたい」
「違うでしょ。あれはどう見ても付き合ってるって答えだね」
「えーそうなの?私にはわからなかった」
まだ昼休みだった。
屋上にいる一護の前にくると、ルキアは顔を真っ赤にして、井上に付き合っているのか聞かれたと報告した。
「ああ、別に付き合ってるっていえばいいじゃねぇか」
「だが、あの井上なのだぞ!お前を好いておるのだぞ!」」
「そうだけど。でも、俺はルキア、お前がいい」
「たわけ!私は・・・・」
「俺が嫌か?」
「そんなことは・・・・ないが・・・」
だんだん、言葉が小さくなっていく。
「ルキア」
「わあっ」
間近に顔があって、ルキアは驚いた。
「別に、俺たちはやましいことしているわけじゃねぇ。隠す必要なんてねーんだよ」
「それは、そうだが・・・・・・・」
ふと、虚の気配を感じた。伝令神機がアラームを鳴り響かせる。
「俺も行く!」
「私も行くぞ!」
虚は、10分もしないうちに片付けられた。
近くだったため、義魂丸も入れてこなかった。体のほう、無事であるといいが。
二人が屋上につくと、1年坊主が、ルキアの体を触っていた。
「なっ・・・・・」
一足先に自分の体に戻った一護は、その1年生を締め上げた。
「てめぇ、ルキアに何してやがる」
「ひっ!い、息してないから、ただ生きてるかどうか確認してただけで」
「それで、スカートの中身をめくって、ぱんつずらして・・・そんなものだして、何するつもりだったんだ!」
一護は、なんの力ももたない少年を、思い切り殴った。
「ひいっ」
逃げようとする1年生を、何度も殴った。
ルキアの体が、ピクリと動く。
「もういい、一護!」
「よくねぇよ!こいつ、あろうことかルキアを犯そうとしてたんだぞ」
ルキアも、その生々しい響きに眉を潜めながらも、これ以上はだめだと、一護を止めた。
「もう、顎の骨が砕けている。これ以上すれば、警察沙汰だ。止めよ、一護」
1年生の腹を蹴り上げる。恐怖で、そいつは失禁した。
「ちっ」
ルキアを連れて、一護は屋上を去った。
保健室にまでつれていき、念のためにとルキアの体を軽くチェックする。
「痛いところは?」
「ない」
「ぱんつちゃんとはいてるか?」
「はいておるわ、たわけ!」
「今度から、近くでも義魂丸は入れておいてくれ」
「ああ。私が軽率であった」
ルキアは、少し乱れた衣服を整えた。
「お前は何も悪くねぇよ。くそ、現世でなかったら、あんなやつ殺していたのに」
「一護、私は大丈夫であると言っているだろう。そこまで怒るな」
「ばか、怒らない奴なんて最低だろ!自分の彼女が襲われそうになったんだぞ」
「一護・・・・」
「なぁ、頼むからそんな悲しい顔しないでくれ」
一護は、ブラウンの瞳を細めて、ルキアを抱き締めた。
「私の存在は、貴様の重荷になるのかもしれないな・・・」
「そんなことねぇよ!好きだ。大好きだ、ルキア!」
保険医もいなかったので、とさりとベッドに押し倒した。
「俺は、ずっとお前を見ていた。お前が消えた後も、霊力がなくなった時も、ずっとお前のことを考えていた。お前のことが頭にちらつかなかった日は、一日たりともない」
「一護・・・私も、ずっと貴様のこと考えていた。霊力を取り戻した貴様と会うのを、ずっと楽しみにしておったのだ・・・・・・」
だが、すぐに先の大戦が勃発した。
愛を語り合う間もなかった。
こうやって、やっと訪れた平穏。
「俺たちの未来は、これからだろう?」
ルキアを抱き締めて、一護はルキアにキスを繰り返す。
「んあっ・・・だめだ、保健室でなど・・・」
「ああ、分かってる」
ルキアを起き上がらせて、午後の授業に出たが、ルキアも一護も、お互いのことが気になって、授業の内容などちんぷんかんぷんであった。
5限目になって、ルキアを連れてさぼった。
黒崎家に帰宅して、誰もいないのをチェックしてから、お互いの服を脱がしあい、キスを繰り返した。
「こんな事・・・・本当は、だめなのに・・・・・」
「ルキア、好きだ・・・・・」
お互い、裸になった。
胸のあまりないルキアは、手で胸を隠していたが、一護の唇がルキアの手を胸元を行き来して、あまりない膨らみが見えた。
「すっげー綺麗」
「こんな胸・・・井上と比べれば・・・」
「安心しろ、俺は貧乳派だ!」
ばきっと、とりあえず一護を殴っておいた。
「痛いけど、嬉しい。ルキア、全部俺のものだ」
やわやわと胸をもみしだき、全身の輪郭を確かめて、胸の先端を口に含むと、ルキアが甘ったるい声をあげた。
「あん」
「もっと、聞かせて?」
「ああっ、一護!」
秘所を弄られ、指で陰核をつまみあげられて、秘所の入口の天井あたりの前立腺がある場所をしつこくこすられて、指でかりかりされて、ルキアははじめていった。
「あああああ!」
ぜいぜいと、荒い息をつく。
「ここで、終わっとくか?」
「だめだ。一護と、一つになりたい」
「入れてもいいか?」
「きて、いちご・・・・・」
ゆっくりと、狭いルキアの中に侵入する。
ぶちぶちと、処女膜が切れる音がして、秘所から血が流れ落ちた。
「はじめてなのに、ごめんな」
なるべくゆっくり動いた。
「・・・・あ、あ、あああ、一護」
傷つけないように、気持ちよくなるように、ルキアに快感を与え続けていくと、一護もの方も限界がきた。
「ごめん、コンドームしてない。中でだすわけにはいかないから」
「いい。中でだせ」
「でも・・・・」
「お前の子種を注げ」
そう言われて、ルキアの中で弾けた。
お互い、浅い呼吸を繰り返した。
それから、満足感と至福感を味わった。
「いつまでも、こうしていられないからな」
手早く濡れたタオルで、汚れた部分をふいて、私服を着る。
そして、またベッドで横になった。
「もう、俺のものだ、ルキア」
「ああ、お前も私のものだ・・・・・・」
幸福感を抱きながら、数時間眠った。
「起きろ、一護」
「ん、どうしたルキア」
「もう、夕飯の時刻だ」
「ああ、そうか」
二人で、キッチンに移動した。
「ああ、一兄、ルキアちゃんと何してたの?」
「なんでもねーよ。ただ寝てただけだ」
「ほんとに何にもないの?なんか今日の一兄、すっごく嬉しそう」
その日の夕食は、カレーだった。ルキアも好きなメニューだ。
夕飯を食べ終わり、お風呂に入って、ルキアは一護の部屋にくるとドライヤーで髪を乾かしていた。
「押入れで寝るといっていたが、前言撤回だ。貴様のベッドで、一護、貴様と一緒に寝る」
「ああ、いいぜ」
二人で、抱き締めあいながら眠った。
もう、死神とか人間とか、そんなことどうでもよかった。
次の日は、土曜で休みだった。
「デート、しようぜ」
「デートか」
「おう」
「服が買いたい!ワンピースを」
白哉あたりから、たくさん金を与えられているルキアは、けれどあまりその金を使うこともなく、妹のワンピースを借りていた。
流石に、いつも借りては悪いと思ったのだろう。
「一兄、ルキアちゃんとデートするの?」
「ああもう、お前は引っ込んでろ」
妹たちの視線を無視して、ルキアと一護は玄関から外にでた。
これでもかというほどの快晴だった。
「ワンピースなら、シマムラ屋が安いかな」
「何処にあるのだ、その店は」
「駅前だ」
「では、そこまで案内しろ」
「へいへい」
でも、案内しろといいながらも、手を繋いで歩いた。途中、クレープ屋でクレープを購入し、お互いに違う味を選んで、途中で交代して食べたりした。
「ここがシマムラ屋だ」
「おお、巨大だな。これ全部、服か」
「そうだ。安いから、何着でも買えるぞ」
「そうか。こんなにいらなかったか」
ごそりと、100万円札を出すルキアに、一護はそれを隠した。
「そんな大金持ち歩くな!危ないだろう!」
「しかし、兄様が現世で買い物をする時はお金は多いにこしたことはないと・・・・」
「白哉は金銭感覚ずれてるからな。ルキア、2万もあれば、10着くらいワンピースを買えるぞ、この店では」
「なんと!そんなの安いのか!では早速!」
中に入り、きょろきょろしだすルキアが、かわいかった。
「あ、あのワンピース可愛い。2980円。本当だ、安いのだな」
ワンピースを5着ほど、パジャマと、女性用の下着も全て購入して、2万円以内で済んだ。
流石に、ルキアが女性用のランジェリー広場に来たときは、俺はここで待ってるからと、一護はその場所を避けていた。
荷物持ちにされたが、ルキアとのデートは楽しく、気にならなかった。
途中でファミリーレストランに入り、昼食とデザートを頼んだ。
ジャンボチョコパフェを頼んだルキアに、食べきれるのかと聞いたら、根性で食べると言い返された。
本当に、根性かどうかは知らぬが、あの細い体の何処に入るのかという量を完食した。
一護は、オムライスを食べていた。デザートは、苺のアイスクリームを頼んでいた。あれだけ食べたのに、苺のアイスクリームをじっと食い入るように見つめるので、一護は食べていいいぞと、ルキアにあげた。
「んーおいしい。やはり、甘味物は現世が圧倒的にうまいな・・・・・」
少しだけ、卒業後の進路などを話した。
ルキアは尸魂界に帰るが、一護は現世で大学に進む予定だった。ルキアは、高校を卒業しても、一護に会いに定期的に現世にくると約束してくれた。
午後は、意味もなく街をぶらつき、ゲームセンターでで遊んだ。プリクラを二人で撮った。
「はぁ。楽しかった」
黒崎家に戻る頃には、夕暮れ時になっていた。
「明日も休みだけど、ごろごろするか」
「そうだな。期末試験とやらもあるし・・・・勉強もせねばな」
「俺も、もうちょっと受験勉強しないとな。志望校の大学に入るためには、もうちょっと偏差値あげておかないと・・・・・・」
「偏差値?」
「ああもう、そこら説明するのめんどいから、もっと勉強しなきゃ行きたい大学にいけねーんだよ。まぁ、もう1つの志望校は余裕ラインだけど」
「大学か。現世にずっと居れるなら、私も通ってみたいものだ」
一護のベッドにごろりと横になるルキア。
「ルキア」
「なんだ」
「今日はありがとう。楽しかった。好きだぜ」
「う、うむ。貴様も荷物もち大儀であった。すすすすす、好きだぞ」
くすりと、一護は微笑んだ。
ああ、好きだな、その顔。
ルキアは思った。
次の日は、本当に二人でだらだらしながらも、勉強もした。
ルキアは、英語などちんぷんかんぷんである。まぁ、試験が赤点であろうと、記憶置換で教師の記憶を書き換えてしまえばいいのだから問題はない。
「いいよなぁ、ルキアは記憶置換があって」
参考書と睨み合いっこをしていた一護が、ルキアに言う。
「立派な社会人になるためであろう。勉強をしろ、勉強を」
「してるっつーの」
3時になって、休憩時間を挟んだ。
「なんか、いいな。こういうの」
ルキアを抱いて、ベッドでごろりと横になる。
「どうしたのだ?私を抱きたいのか?」
「ち、ちげーよ!まぁ、抱きたいことには変わりねーけど」
「一護になら、好きにされてもいい」
「あのなぁ。家族もいる家で、おっぱじめられるか」
「では、ラブホテルというのはどうだ」
ぶーーーーーーーー。
一護は、飲みかけのコーヒーを吹き出した。
「おい、誰だよお前にそんな知識吹き込んだのは」
「いや、この雑誌だが」
くだらないゴシップ雑誌であった。
「こういうものは、見るな。こっちを見とけ」
ルキアからそのゴシップ雑誌を奪って、ジャンプの雑誌を渡した。
「おお、面白いなこの漫画」
何気ない一日も、終わりを迎えようとしている。
こんな他愛もない時間が、どうか卒業するまで続きますようにと、祈る一護と、一護との淡い恋心が甘酸っぱい思い出になったとしても、想いまで廃れないようにと祈るルキアがいた。
人間と死神。
その違いは、果てしもない。
千年を生きる死神と、80年くらいしか生きない人間。
たとえそんな違いがあろうとも、結ばれた二人は生きる。
世界は廻る。
軋む音を立てて。
おいしくいただかれた浮竹
「寒いな・・・・・・」
火鉢にあたっていると、ちらちらと雪が降ってきた。
「窓、閉めますよ。それから、室内だからってそんなだらしない恰好でいないでください。ちゃんと隊長羽織も羽織って、上着もきて!」
裸足で、隊長羽織を肩にかけただけの状態だったので、寒いのも当たり前だろう。
「ほら、湯たんぽです。風邪ひかないでくださいよ?」
海燕の言葉に、頷きながら湯たんぽを抱え込む。
「はっくしょん」
「ほら、いわんこっちゃない」
「まだ、くしゃみを一度しただけだ」
「もう、今日は休んでください」
「まじか。まだ9時だぞ?暇だ、8番隊のところにいってくる」
「あ、ちょっとまった!」
上着を放りだし、はだけた死覇装の上に、隊長羽織を肩にかけた状態で、浮竹は去って行ってしまった。おまけに、裸足だ。
「あーもう。京楽隊長に、食べられなきゃいいけど」
「京楽ー」
浮竹がやってくると、京楽は屋根の上で寝ていた。
「おい、京楽降りてこい。そんなところで寝ていると、風邪をひくぞ」
京楽は、身軽に降りてきて、浮竹の姿を見て驚く。
「君こそ、風邪ひきそうな恰好だね」
「え、そうか?」
「僕を誘ってるの?」
「え?」
気づくと、浮竹は横抱きにされて、8番隊の隊首室に置いてあるベッドに寝転がされた。
「あ、まて・・・・」
「寒いでしょ。温めてあげる」
「んっ・・・・・」
深いキスをされて、浮竹のやめろと言いかけた言葉もとろともに、塞いでしまった。
「ああっ」
はだけられていた死覇装は、もっとはだけられて、衣服の意味をなさないようまで乱された。
「んーーー!」
口づけを受けながら、花茎に手をかけられてしごかれて、久しぶりだったのですぐに白濁した液を吐き出した。
「んーーー!!」
口づけられたまま、潤滑油に濡れた指が体内に入ってくる。
「んあっ」
舌を抜かれると、銀の糸が引いていた。
「ふう・・・・ううん」
コリコリと、前立腺を刺激する指に意識がもっていかれそうになる。
「んっ」
「浮竹・・・かわいい」
「んあっ」
口の中に指を突っ込まれて、乱暴にかき乱された。
「んんっ」
指が3本になり、かなり解れたその場所に、灼熱が押し当てられた。
「んああああ!」
貫かれて、一瞬だけ意識が飛ぶ。
「んあう」
突き上げてくる動きに、けれどすぐに現実に引き戻される。
「ああ・・・・きょうら・・・・・あ、あああ!」
内部を蹂躙する熱は、質量があって、浮竹の外から見ても、京楽が中に入り込んでいるのが分かった。
「ああん」
一度引き抜かれて、また再度挿入される。
そのまま、体位を変えられて、中を抉る動きに、浮竹がびくんとはねた。
「あ、ああああ!」
背後から、突き上げられる。
枕を腰のところに置かれて、何度も京楽を受け入れたそこは、体液と潤滑油で泡立ち、じゅぷじゅぷと、京楽が穿つ度に、水音を鳴らせていた。
「んあ・・・・きょうら・・・・・もう、いけ。俺も、いきそう・・・・」
ラストスパートだと、浮竹の前立腺をすりあげて、最奥に京楽は熱を放った。
「あああああ!」
京楽の、しごいてくる手の動きの助けを借りて、浮竹もまた白濁した液を放った。
「もう1回、していい?」
「いやだといっても、するんだろう?」
「まだ僕は1回しかいってないから。元気がある。息子さんが」
「その息子さん、くたばってしまえばいいと思う」
「そんなことになったら、浮竹も辛いよ?」
「どうでもいいから、続けるなら続けてくれ。体が冷める、あああっ」
ずるっと一度引き抜かれたものが、また体内に入ってきた。
背後から貫き、そのまま抱き上げて、浮竹は京楽の体に全てを預けていた。
「あ、あ、あ」
細いとはいえ、体重で灼熱を飲み込んでいく。
つぷんと全部飲み込んで、浮竹は震えた。
「ああ、こんな、全部なんて、こわれ・・・・ああっ」
下から突き上げられる。
白い髪が、宙を舞う。
「あ、あ、あ・・・・・だめ、こんなのだめ、深すぎ・・・・ああっ!」
「浮竹、もっと乱れて。かわいい」
「きょうらくの・・・・ばかぁ・・・・はぁっ」
何度も下から突き上げられて、浮竹は白濁を零しながら、ドライのオーガズムでもいってしまったようで、足を痙攣させた。
「ああ・・・・・浮竹の中、すごくいい。出すよ」
「ううん・・・・」
焦点の合わない瞳で、腹の奥で弾ける熱をかんじた。
「好きだよ、十四郎」
「あ、俺も・・・・春水」
それだけいうと、くたりと浮竹は意識を飛ばした。
濡れた蒸しタオルで互いの体を清めて、京楽はちゃんと浮竹に衣服を着せていく。それから、毛布をかぶせて布団もかぶせ、熱が出ないかを見守っていた。
足にはかせる足袋’(たび)がないので、足元には違う毛布をかけておいた。
「ん・・・・」
「あ、起きたかい?」
「京楽のばか」
「ごめんよ。君の姿を見ていたら・・・久しぶりだったし、たっちゃってどうしようもなくって、抱いちゃったよ」
「今日は、もうここで泊まる」
「いいのかい?海燕君には?」
「言ってない。でもあいつのことだから、ここか京楽の屋敷だと分かってるだろ」
「なんか悪いね」
「悪いと思ってるなら、始めから抱くな」
「ごもっともで」
その頃、海燕は。
「あー、このかんじだと、美味しくいただかれたんだろうなぁ」
と一人ごちて、雨乾堂を後にするのであった。
火鉢にあたっていると、ちらちらと雪が降ってきた。
「窓、閉めますよ。それから、室内だからってそんなだらしない恰好でいないでください。ちゃんと隊長羽織も羽織って、上着もきて!」
裸足で、隊長羽織を肩にかけただけの状態だったので、寒いのも当たり前だろう。
「ほら、湯たんぽです。風邪ひかないでくださいよ?」
海燕の言葉に、頷きながら湯たんぽを抱え込む。
「はっくしょん」
「ほら、いわんこっちゃない」
「まだ、くしゃみを一度しただけだ」
「もう、今日は休んでください」
「まじか。まだ9時だぞ?暇だ、8番隊のところにいってくる」
「あ、ちょっとまった!」
上着を放りだし、はだけた死覇装の上に、隊長羽織を肩にかけた状態で、浮竹は去って行ってしまった。おまけに、裸足だ。
「あーもう。京楽隊長に、食べられなきゃいいけど」
「京楽ー」
浮竹がやってくると、京楽は屋根の上で寝ていた。
「おい、京楽降りてこい。そんなところで寝ていると、風邪をひくぞ」
京楽は、身軽に降りてきて、浮竹の姿を見て驚く。
「君こそ、風邪ひきそうな恰好だね」
「え、そうか?」
「僕を誘ってるの?」
「え?」
気づくと、浮竹は横抱きにされて、8番隊の隊首室に置いてあるベッドに寝転がされた。
「あ、まて・・・・」
「寒いでしょ。温めてあげる」
「んっ・・・・・」
深いキスをされて、浮竹のやめろと言いかけた言葉もとろともに、塞いでしまった。
「ああっ」
はだけられていた死覇装は、もっとはだけられて、衣服の意味をなさないようまで乱された。
「んーーー!」
口づけを受けながら、花茎に手をかけられてしごかれて、久しぶりだったのですぐに白濁した液を吐き出した。
「んーーー!!」
口づけられたまま、潤滑油に濡れた指が体内に入ってくる。
「んあっ」
舌を抜かれると、銀の糸が引いていた。
「ふう・・・・ううん」
コリコリと、前立腺を刺激する指に意識がもっていかれそうになる。
「んっ」
「浮竹・・・かわいい」
「んあっ」
口の中に指を突っ込まれて、乱暴にかき乱された。
「んんっ」
指が3本になり、かなり解れたその場所に、灼熱が押し当てられた。
「んああああ!」
貫かれて、一瞬だけ意識が飛ぶ。
「んあう」
突き上げてくる動きに、けれどすぐに現実に引き戻される。
「ああ・・・・きょうら・・・・・あ、あああ!」
内部を蹂躙する熱は、質量があって、浮竹の外から見ても、京楽が中に入り込んでいるのが分かった。
「ああん」
一度引き抜かれて、また再度挿入される。
そのまま、体位を変えられて、中を抉る動きに、浮竹がびくんとはねた。
「あ、ああああ!」
背後から、突き上げられる。
枕を腰のところに置かれて、何度も京楽を受け入れたそこは、体液と潤滑油で泡立ち、じゅぷじゅぷと、京楽が穿つ度に、水音を鳴らせていた。
「んあ・・・・きょうら・・・・・もう、いけ。俺も、いきそう・・・・」
ラストスパートだと、浮竹の前立腺をすりあげて、最奥に京楽は熱を放った。
「あああああ!」
京楽の、しごいてくる手の動きの助けを借りて、浮竹もまた白濁した液を放った。
「もう1回、していい?」
「いやだといっても、するんだろう?」
「まだ僕は1回しかいってないから。元気がある。息子さんが」
「その息子さん、くたばってしまえばいいと思う」
「そんなことになったら、浮竹も辛いよ?」
「どうでもいいから、続けるなら続けてくれ。体が冷める、あああっ」
ずるっと一度引き抜かれたものが、また体内に入ってきた。
背後から貫き、そのまま抱き上げて、浮竹は京楽の体に全てを預けていた。
「あ、あ、あ」
細いとはいえ、体重で灼熱を飲み込んでいく。
つぷんと全部飲み込んで、浮竹は震えた。
「ああ、こんな、全部なんて、こわれ・・・・ああっ」
下から突き上げられる。
白い髪が、宙を舞う。
「あ、あ、あ・・・・・だめ、こんなのだめ、深すぎ・・・・ああっ!」
「浮竹、もっと乱れて。かわいい」
「きょうらくの・・・・ばかぁ・・・・はぁっ」
何度も下から突き上げられて、浮竹は白濁を零しながら、ドライのオーガズムでもいってしまったようで、足を痙攣させた。
「ああ・・・・・浮竹の中、すごくいい。出すよ」
「ううん・・・・」
焦点の合わない瞳で、腹の奥で弾ける熱をかんじた。
「好きだよ、十四郎」
「あ、俺も・・・・春水」
それだけいうと、くたりと浮竹は意識を飛ばした。
濡れた蒸しタオルで互いの体を清めて、京楽はちゃんと浮竹に衣服を着せていく。それから、毛布をかぶせて布団もかぶせ、熱が出ないかを見守っていた。
足にはかせる足袋’(たび)がないので、足元には違う毛布をかけておいた。
「ん・・・・」
「あ、起きたかい?」
「京楽のばか」
「ごめんよ。君の姿を見ていたら・・・久しぶりだったし、たっちゃってどうしようもなくって、抱いちゃったよ」
「今日は、もうここで泊まる」
「いいのかい?海燕君には?」
「言ってない。でもあいつのことだから、ここか京楽の屋敷だと分かってるだろ」
「なんか悪いね」
「悪いと思ってるなら、始めから抱くな」
「ごもっともで」
その頃、海燕は。
「あー、このかんじだと、美味しくいただかれたんだろうなぁ」
と一人ごちて、雨乾堂を後にするのであった。
浮竹死んだけど幽霊です憑いてます3
「そうか、朽木が隊長か!」
「はい、浮竹隊長!」
一番隊の執務室で、ルキアは京楽の隣にいる幽霊浮竹に報告した。
この度、13番隊隊長となることが決まった。
ずっと空席だった13番隊の副官になり、そしてまた空席となってしまった、浮竹の死後のその地位につくことを、ルキアがようやく決心したのだ。
「浮竹隊長、つきましては今後もいろいろご指導ください」
「いや、朽木はもう十分一人でやっていける。あとは、仙太郎と仲良くな。俺は元気にしているって伝えといてくれ」
「はい、では失礼します」
「ルキアちゃん」
「はい」
「浮竹はこう言ってるけど、ほんとは君にもっと会いたがっているから、よければこれからも一番隊の執務室に時々でいいから遊びにおいで」
「はい!」
ルキアは、顔を輝かせて出て行った。
「こら、京楽!」
怒った浮竹が、ぽかぽかと京楽を殴ってくるが、透けているので全然痛くない。
「はははは、全然痛くも痒くもないよ、浮竹」
「むすー」
膨れた浮竹がかわいくて、京楽は機嫌をとろうとする。
「おはぎ買ってあるから、食べてもいいよ」
「じゃあ、出してくれ」
「はいはい」
重箱からおはぎをだすと、さっと一つがなくなった。
全部食べられる前にと、京楽も一つ手に取って食べた。
京楽の霊圧を浴び続けている浮竹は、最近具現化する時間が長くなってきた。
そのうち、睦みあえるかもと淡く期待心を抱く京楽の心中を知らないまま、浮竹はおはぎをさっと全部食べてしまった。
おいしそうな顔をしている。幽霊だが、味は分かるのだ。
満腹感はあるが、逆に空腹感はなかった。
霊体だからだろうか。
存在にはエネルギーを使うが、そもそも食事をとる必要などはないのだが、幽霊の浮竹が食事できると知って、いつも朝から二人分の食事を用意させていた。
「さて、今日は溜まりに溜まった仕事を片付けますか」
「おう!」
浮竹も、暇なので手伝ってくれる。
といっても、見て間違いを訂正するだけだが、それでも一人でやるよりは大分と負担が減った。
「こんな時、誰かの体に入ればOKなんだろうけど、意識のある誰かに入るのってなんだかためらわれるからなぁ」
「義骸には入れないの?」
「試したことない」
そうだと思いついて、涅隊長の元にいくと、保存されていた浮竹の義骸があった。
「随分と変わった幽霊だネ。ものを食べて成仏もしないし人を祟ることもしない、まして虚でもない。研究材料にぜひほしいネ」
「ごめんこうむる!」
浮竹の義骸に、幽霊浮竹は入ってみた。ぴくりと、義骸の体が動く。
「お、成功かい?」
「んー。体全部を動かすのは無理だ。エネルギ―が足りない。そもそも霊体だから、義魂丸があるわけじゃあないから、無理みたいだ」
「そっかぁ」
京楽は残念がった。
もしも、浮竹が義骸で活動できれば、もっとスキンシップをはかれるし、むふふふなこともできると考えていたからだ。
「なんなら、浮竹隊長の義骸をもっていくかネ?ダッチワイフ代わりに」
浮竹は真っ赤になった。
「だめだぞ、京楽!」
「あ、うん。・・・・・・いらない」
少し、惹かれたのは事実だ。
浮竹の霊体が入った義骸でセックスすれば、浮竹も気持ちよくなれるんだろうかと、真剣で考え込んだほどだ。
「言っとくが、義骸に入っても、何もかんじれなかったからな」
「そうかー。残念だなー」
「お前が何を考えているのか、大体分かる」
浮竹は拗ねて、しばらく口を聞いてくれなかった。
「まぁまぁ、そんなに機嫌損ねないでよ」
「このエロ魔人が!」
「だって、もう5年近くも浮竹を抱いていないんだよ!?」
「俺がいるだけでは、ダメなのか?」
「あ、そうじゃないんだ!」
涙をポロポロと零す幽霊浮竹の涙は、本物の涙になっていた。
「顔をあげて、十四郎」
「ん」
触れられた。
どうしてかは分からない。
口づけをした。舌が絡み合う。
「僕には君が必要だ。だから、泣かないで」
「分かった」
すーっと、また体が透けていく。
もう、触れなかった。
「まだそんなところにいたのかネ。浮竹隊長を、実験体としてよこしてくれるということかネ?」
「違う!帰るぞ、浮竹」
「ああ」
一番隊の執務室に戻り、仕事の続きをする。
全部片付いたのは深夜の1時だった。
「あーもうくたくた」
見れば、幽霊浮竹もへばっていた。
「幽霊でも疲れるんだな・・・・」
浮竹は、この体どうなっているんだと、本気で思いこんだ。
「寝れたり、食事できたり、具現化できたり・・・・追加で疲れる、と」
京楽は、メモをとっておいた。
「そんなものメモして、どうするんだ?」
「何かあった時のために役に立つかなと思って」
「未練を・・・・全て忘れてしまうと、俺は成仏してしまうのかな?」
「だめだよ。成仏なんかしちゃ!」
「いや、普通成仏してくれっていうべきだろう」
「嫌だよ。せっかく浮竹が、たとえ触れなくても隣にいるんだもの。このままがいい」
「まぁ、俺も京楽をおいて成仏はしたくないな。まだまだ未来あるお前の傍で、助け合いながら過ごしていきたい」
浮竹の指には、先日温泉宿であげたエンゲージリングが光っているのであった。
「はい、浮竹隊長!」
一番隊の執務室で、ルキアは京楽の隣にいる幽霊浮竹に報告した。
この度、13番隊隊長となることが決まった。
ずっと空席だった13番隊の副官になり、そしてまた空席となってしまった、浮竹の死後のその地位につくことを、ルキアがようやく決心したのだ。
「浮竹隊長、つきましては今後もいろいろご指導ください」
「いや、朽木はもう十分一人でやっていける。あとは、仙太郎と仲良くな。俺は元気にしているって伝えといてくれ」
「はい、では失礼します」
「ルキアちゃん」
「はい」
「浮竹はこう言ってるけど、ほんとは君にもっと会いたがっているから、よければこれからも一番隊の執務室に時々でいいから遊びにおいで」
「はい!」
ルキアは、顔を輝かせて出て行った。
「こら、京楽!」
怒った浮竹が、ぽかぽかと京楽を殴ってくるが、透けているので全然痛くない。
「はははは、全然痛くも痒くもないよ、浮竹」
「むすー」
膨れた浮竹がかわいくて、京楽は機嫌をとろうとする。
「おはぎ買ってあるから、食べてもいいよ」
「じゃあ、出してくれ」
「はいはい」
重箱からおはぎをだすと、さっと一つがなくなった。
全部食べられる前にと、京楽も一つ手に取って食べた。
京楽の霊圧を浴び続けている浮竹は、最近具現化する時間が長くなってきた。
そのうち、睦みあえるかもと淡く期待心を抱く京楽の心中を知らないまま、浮竹はおはぎをさっと全部食べてしまった。
おいしそうな顔をしている。幽霊だが、味は分かるのだ。
満腹感はあるが、逆に空腹感はなかった。
霊体だからだろうか。
存在にはエネルギーを使うが、そもそも食事をとる必要などはないのだが、幽霊の浮竹が食事できると知って、いつも朝から二人分の食事を用意させていた。
「さて、今日は溜まりに溜まった仕事を片付けますか」
「おう!」
浮竹も、暇なので手伝ってくれる。
といっても、見て間違いを訂正するだけだが、それでも一人でやるよりは大分と負担が減った。
「こんな時、誰かの体に入ればOKなんだろうけど、意識のある誰かに入るのってなんだかためらわれるからなぁ」
「義骸には入れないの?」
「試したことない」
そうだと思いついて、涅隊長の元にいくと、保存されていた浮竹の義骸があった。
「随分と変わった幽霊だネ。ものを食べて成仏もしないし人を祟ることもしない、まして虚でもない。研究材料にぜひほしいネ」
「ごめんこうむる!」
浮竹の義骸に、幽霊浮竹は入ってみた。ぴくりと、義骸の体が動く。
「お、成功かい?」
「んー。体全部を動かすのは無理だ。エネルギ―が足りない。そもそも霊体だから、義魂丸があるわけじゃあないから、無理みたいだ」
「そっかぁ」
京楽は残念がった。
もしも、浮竹が義骸で活動できれば、もっとスキンシップをはかれるし、むふふふなこともできると考えていたからだ。
「なんなら、浮竹隊長の義骸をもっていくかネ?ダッチワイフ代わりに」
浮竹は真っ赤になった。
「だめだぞ、京楽!」
「あ、うん。・・・・・・いらない」
少し、惹かれたのは事実だ。
浮竹の霊体が入った義骸でセックスすれば、浮竹も気持ちよくなれるんだろうかと、真剣で考え込んだほどだ。
「言っとくが、義骸に入っても、何もかんじれなかったからな」
「そうかー。残念だなー」
「お前が何を考えているのか、大体分かる」
浮竹は拗ねて、しばらく口を聞いてくれなかった。
「まぁまぁ、そんなに機嫌損ねないでよ」
「このエロ魔人が!」
「だって、もう5年近くも浮竹を抱いていないんだよ!?」
「俺がいるだけでは、ダメなのか?」
「あ、そうじゃないんだ!」
涙をポロポロと零す幽霊浮竹の涙は、本物の涙になっていた。
「顔をあげて、十四郎」
「ん」
触れられた。
どうしてかは分からない。
口づけをした。舌が絡み合う。
「僕には君が必要だ。だから、泣かないで」
「分かった」
すーっと、また体が透けていく。
もう、触れなかった。
「まだそんなところにいたのかネ。浮竹隊長を、実験体としてよこしてくれるということかネ?」
「違う!帰るぞ、浮竹」
「ああ」
一番隊の執務室に戻り、仕事の続きをする。
全部片付いたのは深夜の1時だった。
「あーもうくたくた」
見れば、幽霊浮竹もへばっていた。
「幽霊でも疲れるんだな・・・・」
浮竹は、この体どうなっているんだと、本気で思いこんだ。
「寝れたり、食事できたり、具現化できたり・・・・追加で疲れる、と」
京楽は、メモをとっておいた。
「そんなものメモして、どうするんだ?」
「何かあった時のために役に立つかなと思って」
「未練を・・・・全て忘れてしまうと、俺は成仏してしまうのかな?」
「だめだよ。成仏なんかしちゃ!」
「いや、普通成仏してくれっていうべきだろう」
「嫌だよ。せっかく浮竹が、たとえ触れなくても隣にいるんだもの。このままがいい」
「まぁ、俺も京楽をおいて成仏はしたくないな。まだまだ未来あるお前の傍で、助け合いながら過ごしていきたい」
浮竹の指には、先日温泉宿であげたエンゲージリングが光っているのであった。
浮竹死んだけど幽霊です憑いてます2
「おはよう」
「ああ、おはよう」
浮竹は死んだはずなのだが、どういうわけか幽霊として京楽に憑いていた。
悪霊でも虚でもない。霊子の塊かと思われ、最初は日番谷に魂葬をさせらそうになったが、成仏できなかった。そもそも透けていて、触れれなかった。
浮竹は、残してきた京楽のことを強く思っていたし、京楽も失ってしまった恋人が帰ってきたかのようで、二人の死神とそれに憑いた幽霊という、微妙な関係は長く続いた。
そんなある日のこと。
独り身になった京楽に、見合いの話が舞い込んできた。
総隊長だし、身を固めるべきだという両親の強い説得に、けれど憑いている浮竹をみて、両親は言葉をなくす。
「悪いけど、僕にはこの通り、想い人が憑いてるから」
「今すぐお祓いを!」
「もう試したよ。それに、僕はこんな形でも大好きな浮竹といれて、今は幸せなんだ。見合いは断っといて」
両親は、それ以上食いさがれなかった。
まさか、見合いで結婚する相手に、夫には男の恋人の幽霊がとり憑いているなんて事実、侮辱以外の何物でもない。
「京楽、ほんとによかったのか?」
もう最近は、隣にいれるようになった浮竹が問う。
最初の頃は背中に憑いていたが、最近は少しなら京楽の近くから移動することもできるようになっていた。
「あ、アイス売ってる」
「はいはい」
二人分購入する。
売店の子が、透けている浮竹を見てぎょっとしていたが、慣れたものだ。
京楽が両方の手にもつ。片方は、幽霊なのに飲み食いできる浮竹が食べてしまった。
食べたいと思うと、それがさっとなくなってしまうのだ。
味は分かるようで、美味しそうな顔をする恋人の幽霊に、京楽も笑顔になる。
「明日は非番だし、温泉宿にでもいこうか」
「お、いいな」
次の日になって、一泊二日で温泉宿にいくことにした。
瀞霊廷にあるので、瞬歩で移動する。
「ようこそ、おこしくださいました、京楽さま、浮竹さま」
先方には、幽霊浮竹もついてくると伝えてあるので、驚きはされなかった。
「浮竹様は・・・ええと。幽霊でらっしゃるから、着換えは?」
「ああ、着換えはいいよ。ただ、食事は二人分用意してほしい」
「畏まりました」
荷物を部屋において、浴衣を手に早速露店風呂に入る。
幽霊浮竹も、服をきたまま入った。
幽霊なので、脱衣できないのだ。体は洗えないけど、温泉の湯に浸かると温度が分かるので、幽霊浮竹もゆっくりと入った。
「本当なら、お前の体を洗ってやりたいんだけどな」
物を掴めなないので、いろいろと不便がある。特に、京楽が抜くとき、浮竹がわざと喘いで、乱れるようなイメージを作り出させて、それが二人のセックスだった。
浮竹に触れたい。
その思いが強くなると、一時ではあるが、具現化して触れることもできるが、年に数回くらいで、数分しかもたない。
でも、それだけでもかなり違う。
口づけくらいしかできないけど、実体化した浮竹を堪能できるのだ。本当に、浮竹が生き返ったようで、浮竹の墓参りには時折いくけれど、とうの本人が横にいるので、なんだかおかしな感覚だった。
「ああ、いいお湯だった」
「そうだね」
浮竹も満足したようだ。京楽も満足していた。
夕餉はてっちり鍋だった。
鍋からすくいあげたものをさっと浮竹が食べる。
他の海鮮ものも食べた。
デザートは、プリンだった。京楽の分も、ねだってもらった。
普段、普通に二人で甘味屋などにいく。元から二人は注目されていたが、総隊長と幽霊になった恋人ということで、余計に視線が集中した。
まぁ、そんなことで動じる二人ではないので、甘味屋でしゃべりながらゆっくりと甘味物を食べた。といっても、浮竹はさっと消えるように食べてしまうが。
「んー。やっぱり、二人だけってのはいいね」
「ああ」
「具現化できるかい?」
「2分くらいなら」
「それで充分だよ」
浮竹は、透けていた体を実体化させた。
「好きだよ、浮竹。永遠の愛を君に」
口づけた。
それから、用意していた指輪をはめる。
「これは?」
「エンゲージリング」
かっと、浮竹が朱くなる。
「恥ずかしいやつ・・・・でも、俺も愛してる。死んでも変わらない愛を、お前に」
すーっと、浮竹の体が透明になっていく。
指にはめたエンゲージリングは、浮竹の霊体の一部になった。
「やっぱり、実体化したときに身に着けたものは、君の一部になるね。今度は、そうだね、髪飾りでも贈ろうかな」
「俺は死んでいるんだ。あまり高価なものはいらないぞ」
「死んでるって言われても、右隣に君がいるんだ。死んだって思うより、透明化してしまったと思い込む方が早いかな」
「普通なら、こんな風に泊まった日は逢瀬を重ねるんだが・・・・・俺の体は見ての通り透けてるし、お前の一人エッチになってしまってすまないな」
「それはどうでもいいよ。君がいてくれるだけでいいんだ」
始めの頃は、厠にまで憑いていっていたが、今は少しの距離なら離れられるので、待つことができた。
「ちょっと、トイレで抜いてくる」
「喘ぎ声はいるか?」
「うん。ほどほどに」
浮竹は、喘ぎ声をだした。その声を聞きながら、生身の浮竹を蹂躙しているイメージをつくりだして、抜いた。
「はぁ。すっきりした」
「そうか、よかった」
一人で喘ぐのは、けっこう恥ずかしいのだ。
「寝ようか」
「ああ」
ベッドは一つだった。一人部屋を用意してもらっていたのだ。料理は二人分だったが。
同じベッドで、浮竹も透明であるので、布団とかはあまり意味はなかったが、横になって眠った。幽霊浮竹は、眠ることもできた。
京楽は普通に眠る。その上で、丸くなってまるで猫みたいに浮竹も寝た。重さなんて感じさねないので、重なっていても平気なのだ。
こうして、幽霊浮竹との何気ない一日はまた過ぎていくのだった。
「ああ、おはよう」
浮竹は死んだはずなのだが、どういうわけか幽霊として京楽に憑いていた。
悪霊でも虚でもない。霊子の塊かと思われ、最初は日番谷に魂葬をさせらそうになったが、成仏できなかった。そもそも透けていて、触れれなかった。
浮竹は、残してきた京楽のことを強く思っていたし、京楽も失ってしまった恋人が帰ってきたかのようで、二人の死神とそれに憑いた幽霊という、微妙な関係は長く続いた。
そんなある日のこと。
独り身になった京楽に、見合いの話が舞い込んできた。
総隊長だし、身を固めるべきだという両親の強い説得に、けれど憑いている浮竹をみて、両親は言葉をなくす。
「悪いけど、僕にはこの通り、想い人が憑いてるから」
「今すぐお祓いを!」
「もう試したよ。それに、僕はこんな形でも大好きな浮竹といれて、今は幸せなんだ。見合いは断っといて」
両親は、それ以上食いさがれなかった。
まさか、見合いで結婚する相手に、夫には男の恋人の幽霊がとり憑いているなんて事実、侮辱以外の何物でもない。
「京楽、ほんとによかったのか?」
もう最近は、隣にいれるようになった浮竹が問う。
最初の頃は背中に憑いていたが、最近は少しなら京楽の近くから移動することもできるようになっていた。
「あ、アイス売ってる」
「はいはい」
二人分購入する。
売店の子が、透けている浮竹を見てぎょっとしていたが、慣れたものだ。
京楽が両方の手にもつ。片方は、幽霊なのに飲み食いできる浮竹が食べてしまった。
食べたいと思うと、それがさっとなくなってしまうのだ。
味は分かるようで、美味しそうな顔をする恋人の幽霊に、京楽も笑顔になる。
「明日は非番だし、温泉宿にでもいこうか」
「お、いいな」
次の日になって、一泊二日で温泉宿にいくことにした。
瀞霊廷にあるので、瞬歩で移動する。
「ようこそ、おこしくださいました、京楽さま、浮竹さま」
先方には、幽霊浮竹もついてくると伝えてあるので、驚きはされなかった。
「浮竹様は・・・ええと。幽霊でらっしゃるから、着換えは?」
「ああ、着換えはいいよ。ただ、食事は二人分用意してほしい」
「畏まりました」
荷物を部屋において、浴衣を手に早速露店風呂に入る。
幽霊浮竹も、服をきたまま入った。
幽霊なので、脱衣できないのだ。体は洗えないけど、温泉の湯に浸かると温度が分かるので、幽霊浮竹もゆっくりと入った。
「本当なら、お前の体を洗ってやりたいんだけどな」
物を掴めなないので、いろいろと不便がある。特に、京楽が抜くとき、浮竹がわざと喘いで、乱れるようなイメージを作り出させて、それが二人のセックスだった。
浮竹に触れたい。
その思いが強くなると、一時ではあるが、具現化して触れることもできるが、年に数回くらいで、数分しかもたない。
でも、それだけでもかなり違う。
口づけくらいしかできないけど、実体化した浮竹を堪能できるのだ。本当に、浮竹が生き返ったようで、浮竹の墓参りには時折いくけれど、とうの本人が横にいるので、なんだかおかしな感覚だった。
「ああ、いいお湯だった」
「そうだね」
浮竹も満足したようだ。京楽も満足していた。
夕餉はてっちり鍋だった。
鍋からすくいあげたものをさっと浮竹が食べる。
他の海鮮ものも食べた。
デザートは、プリンだった。京楽の分も、ねだってもらった。
普段、普通に二人で甘味屋などにいく。元から二人は注目されていたが、総隊長と幽霊になった恋人ということで、余計に視線が集中した。
まぁ、そんなことで動じる二人ではないので、甘味屋でしゃべりながらゆっくりと甘味物を食べた。といっても、浮竹はさっと消えるように食べてしまうが。
「んー。やっぱり、二人だけってのはいいね」
「ああ」
「具現化できるかい?」
「2分くらいなら」
「それで充分だよ」
浮竹は、透けていた体を実体化させた。
「好きだよ、浮竹。永遠の愛を君に」
口づけた。
それから、用意していた指輪をはめる。
「これは?」
「エンゲージリング」
かっと、浮竹が朱くなる。
「恥ずかしいやつ・・・・でも、俺も愛してる。死んでも変わらない愛を、お前に」
すーっと、浮竹の体が透明になっていく。
指にはめたエンゲージリングは、浮竹の霊体の一部になった。
「やっぱり、実体化したときに身に着けたものは、君の一部になるね。今度は、そうだね、髪飾りでも贈ろうかな」
「俺は死んでいるんだ。あまり高価なものはいらないぞ」
「死んでるって言われても、右隣に君がいるんだ。死んだって思うより、透明化してしまったと思い込む方が早いかな」
「普通なら、こんな風に泊まった日は逢瀬を重ねるんだが・・・・・俺の体は見ての通り透けてるし、お前の一人エッチになってしまってすまないな」
「それはどうでもいいよ。君がいてくれるだけでいいんだ」
始めの頃は、厠にまで憑いていっていたが、今は少しの距離なら離れられるので、待つことができた。
「ちょっと、トイレで抜いてくる」
「喘ぎ声はいるか?」
「うん。ほどほどに」
浮竹は、喘ぎ声をだした。その声を聞きながら、生身の浮竹を蹂躙しているイメージをつくりだして、抜いた。
「はぁ。すっきりした」
「そうか、よかった」
一人で喘ぐのは、けっこう恥ずかしいのだ。
「寝ようか」
「ああ」
ベッドは一つだった。一人部屋を用意してもらっていたのだ。料理は二人分だったが。
同じベッドで、浮竹も透明であるので、布団とかはあまり意味はなかったが、横になって眠った。幽霊浮竹は、眠ることもできた。
京楽は普通に眠る。その上で、丸くなってまるで猫みたいに浮竹も寝た。重さなんて感じさねないので、重なっていても平気なのだ。
こうして、幽霊浮竹との何気ない一日はまた過ぎていくのだった。