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秘伝の薬湯

恋次が、風邪を引いた。

白哉は、隊首室で寝泊まりしている恋次を連れて、4番隊の救護詰所にきていた。

「ただの風邪ですね。薬だしておきますから、朝昼夕の毎食の後に、薬飲んでくださいね」

副官の病気ということで、特別に診てくれた勇音に礼をいって、白哉は恋次を連れて6番隊の隊首室に戻った。

「ごほっごほっ」

「大丈夫か、恋次。辛いのか?」

「いえ、だいじょぶです。ちょっと咳が止まらなくて・・・ごほっごほっ」

「横になっていろ。今、清家に頼んで、何か消化にいいものをもってきてもらう」

「隊長・・・・あんまり近くにいると、うつりますよ」

「かまわぬ。はやめに風邪薬を飲めば済む話だ」

白哉は、白粥に鮭をいれたものを恋次に渡した。

「一人で食べれるか?」

熱が大分あがってきたのか、恋次は苦しそうにしていた。

「ちょっと、無理っす・・・・・」

「では、口を開け。食べさせてやる」

白哉がそこまで親身になってくれるのが嬉しくて、恋次は口をあけて、朽木兼の病人用の食事を食べた。やはり、美味だった。

なんとか全部食べさせて、薬を飲ませる。

白湯を渡すと、それを恋次は飲みほした。

次に、朽木家秘伝の薬湯を飲ませた。

「苦いです・・・・・」

「我慢して飲め。病気の治りがよくなる」

「はい・・・・・」

薬湯を飲み干して、恋次はベッドの上で寝転びながら、隣に白哉がくるのにびっくりした。

「隊長?」

「ただの添い寝だ。お前も寝ろ」

「隊長・・・・・」

心遣いが嬉しくて、でも風邪をうつしてしまいそうで、逡巡する。

でも、白哉の傍にいたいという欲が勝って、恋次は白哉を抱き寄せた。

「隊長、あったかい・・・・」

「寒いのか?」

「少し」

「もう一枚、毛布をかけよう」

白哉は、一度ベッドから起き上がって、押し入れになおされてあった毛布をもってくると、恋次にかけた。

「ああ、あったかいです・・・・・・」

また、恋次の傍で寝そべる。

恋次は、薬が効いてきたのか、うとうとと微睡みだした。

「そのまま寝ろ。私が傍にいる」

「隊長・・・・愛してます・・・・・」

「私も愛している、恋次。今は、寝ろ」

恋次の意識は、闇に滑り落ちていった。

気づくと、すぐ近くに端正な白哉の顔があって驚いた。

恋次を看病したまま、白哉も眠ってしまったらしい。

睦み合ったわけでもないのに、同じベッドにいるのは少し新鮮だった。

白哉の寝顔を見る。あどけない顔をしていた。動かなければ、精巧につくられた人形のように見えてくる。

静かな寝息が聞こて、それに恋次は安堵する。

風邪薬が効いたのか、朽木家秘伝の薬湯が効いたのか、薬の飲む前より大分楽になっていた。熱はまだあるようで、恋次は白哉を抱き寄せて、また眠りについた。

「ん・・・・朝か?」

白哉が目を開けると、朝の7時だった。

恋次はよく眠っていた。

とりあえず、瞬歩で朽木家に戻り、朝食を食べて、昨日湯あみをしていなかったので、風呂をすませると、清家に頼んでまだ病人用の朝食を用意させて、6番隊の隊首室にきた。

「恋次、起きれるか」

「ああ、隊長、ありがとうございます。また朝食用意してくれたんですか」

「私が風邪をひけば、朽木家の者がいるが、お前は一人だ。私が看病するしかあるまい」

恋人同士なのだ。

そうするのが当たり前だろう。

「今日は一人で食べれるか?」

「あ、はい」

恋次は、病人用とはいえ、豪華な朝食を食べた後、風邪薬を飲んで、朽木家秘伝の薬湯を飲んだ。

薬湯は本当によく効いて、昼には熱も下がってしまった。

「あと、2日ほどおとなしくしていれば大丈夫であろう」

白哉は、濡れたタオルを持ってくると、恋次が着ていた死覇装を脱がせた。

汗もかいていたし、体をふいて清め、新しい死覇装に着替えさせる。

「この調子なら、今日は風呂に入ってもよい」

「何から何まで、すみません」

恋次は、しゅんとしていた。

「私とて風邪くらいひくときはひく。恋次が悪いわけではない」

「仕事、滞ってませんか?」

「私を誰だと思っている」

「すみません、杞憂でしたね。隊長には、ほんとに感謝してます」

「ならば、早くよくなれ」

「はい」

2日ほど隊首室で大人しくして、恋次の風邪も完全に治った。

その間も、白哉からご飯をもらい、薬湯を飲んだ。

「朽木家秘伝の薬湯って、すっごい苦いけど効きますね。けっこうあっさり治った」

「秘伝だからな。何でできているか、私自身しらぬが」

でろでろとした緑色の液体だった。

見るからに苦そうで、実際苦かった。

「仕事の遅れ、取り戻します」

「恋次が寝込んだくらいでは、仕事は遅れたりせぬ。私がいるからな」

インフルエンザで二人してダウンした時は、3席とかに仕事をが圧しかかって随分な目を合わせてしまったが。

何はともあれ、恋次の風邪は治った。

ちなみに、白哉も念のため風邪薬を飲んでいたので、うつることはなかった。


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好きなものは好き7

「ルキア?」

「ごほっごほっ」

ルキアは、春の日差しも見えてきた季節の変わり目に、風邪になってしまった。

「熱・・・少しあるな」

金曜の夜に現世に戻ってきた時も、咳をしていたけれど、酷くなっていた。

体温計で熱を測ると、38度4分あった。

とりあえず、石田のやっている病院に連れて行って、風邪薬を出してもらった。

「食事、卵粥作ったけれど食えそうか?」

「げほっげほっ・・・・咳も出るし、熱もあるが、案外元気だぞ。飯も普通に食えそうだ」

卵粥をべろりと平らげて、処方してもらった風邪薬を飲んで、解熱剤を飲ませた。

「とりあえず、月曜の朝までずっと寝てろ」

「寝ているだけでは暇だ」

「だからって、こじれたらどうする」

「うぬ・・・・・仕方ない、大人しくしておく。一護、好きだ。傍にいてくれ」

熱のせいか、いつもより甘えてくる。

「プリンが食べたい」

「ああ・・・買ってきてやるよ」

「嫌だ。私を置いていくな」

「そうは言われても、スーパーかコンビニにでもいかねーと売ってねーよ」

「私を一人にするな」

ルキアは、一護の腕にぎゅっとしがみついて離れなかった。

「ルキア、少し寝ろ」

「んー・・・・」

熱があがってきたらしい。

意識が朦朧としだして、ルキアは浅い眠りの中へ旅立ってしまった。

一護は、今のうちだと、近くのスーパーで今夜の夕食の材料とプリンを2つ買った。

あと、アイスも。

「いちご・・・・どこ?」

熱で朦朧とした意識の中、一護の姿を探すがいなくて、ルキアは泣き出した。

「いちご・・・いない・・・・」

「ただいま、ルキア」

「いちご?」

「うわ!」

ルキアは、ベッドから起き上がると一護に体当たりを食らわせる勢いで抱き着いてきた。

「貴様がいなくて、寂しかったのだ。とても、寂しかったのだ」

涙を滲ませるルキアを抱き上げて、ベッドに寝かせる。

「悪い、寝たと思って買い物行ってた」

「何処にも行かないでくれ・・・・」

「ああ、今日はもう何処にもいかねーよ」

数時間して、熱が下がってきたのか、ルキアは目を覚ました。

「プリンとアイスが食べたい」

「そういうと思って、買ってきてある」

まずはプリンを渡した。2個食べてしまった。

アイスは、普通のバニラアイスを買ってきたので、それを渡すと、ルキアはねだってきた。

「食べさせてくれ」

「一人で食べれるだろう」

「私は病人だ。貴様が面倒を見るのが当たり前なのだ」

「はいはい」

ルキアの小さな口に、スプーンですくったアイスを入れてやる。

「冷たくて甘くておいしい・・・・・・」

ルキアは上機嫌だった。

「ああ、こういうのもいいな・・・たまには、病気になってみるものだ。好きなだけ甘えられる」

「早く治せよ。甘えるくらい、いつだってできるだろ」

「普通の時は、恥ずかしさがあるのだ!」

「今は恥ずかしくないのか?」

「全然恥ずかしくない。風邪のせいだ」

まだ熱があったので、アイスを全部食べ負わせると、氷枕を作ってやった。

「ひんやりしている・・・・・」

「そりゃ、氷枕だからな・・・・」

「きもちいい・・・・」

ルキアは、一護の手を引いて、隣に寝かせた。

「貴様も一緒に寝ろ」

「風邪うつす気か」

「貴様が風邪になったら、私が責任をもって看病してやろう」

一護は溜息を小さく零して、ルキアの隣に寝そべって、その体を抱きしめた。

いつの間にか、一護も眠ってしまっていたらしく、時計を見ると7時になっていた。

ルキアを起こさないようにベッドから起き上がり、夕食の準備をする。

「ルキア、夕飯食えるか?」

「ん・・・今何時だ」

「夜の7時半だ」

「食べる。熱も大分下がったようだし」

「あんま無理すんなよ」

ルキアに、夕飯を食べさせてやった。

ひな鳥のように口をあけるルキアに、スプーンをつっこむ。親鳥になった気分だった。

「風呂は・・・今日は入れぬな」

「明日も無理だろうな。服脱げよ」

「き、貴様、病人を襲う気か!」

「ばか、ちげーよ。体を濡れたタオルでふくだけだ。汗かいてるだろうし、風呂入れなかったら気持ち悪いだろ」

「うむ、頼む」

ぽいぽいと服を脱いで、下着姿になったルキアの体を、蒸したタオルで丁寧にふいてやった。

新しいパジャマに着替えさせて、まだベッドに横になる。

「せっかくの土日なのに、私の看病で潰れてしまってすまぬな」

「別にいい。ルキアといれるなら」

ルキアは、赤くなった。

一護は、風邪がうつるかもしれないと分かりつつも、ルキアを抱き締めてその日は眠った。

日曜になると、ルキアはすっかり回復した。咳もあまりでず、とりあえずあと4日くらいは風邪薬を飲ませることにした。

することもなく、二人でだらだらとベッドの上で、抱き締めあいながら話をしていた。

「尸魂界に戻っても、風邪薬飲めよ?」

「分かっている。現世の医療は発達しているしな。まあ、4番隊にかかるほどのものでもない」

「最近、寝る時腹出してるだろ。気づくと直してるけど。多分原因はそれだと思う」

「貴様、私が腹を出して寝ているだと!?」

ルキアが噛みついてくる。

「これ、証拠写真」

スマホで、腹を出して寝ているルキアの写真を見せられて、ルキアは言葉に詰まった。

「た、たまたまだ」

「俺、今までに6回くらい直してるんだけどな」

「ええい、忘れろ!」

ルキアは、一護をベッドに押し倒して、上に乗っかった。

「ふふん」

「何がふふんだ」

尻を撫でられて、ルキアは真っ赤になった。

「貴様・・・・・」

「こういう姿勢、襲い受けっていうんだぜ。ま、風邪だし襲わねーけど」

ルキアをどけて、一護はルキアを抱き締めた。

「あー。ルキア成分補充」

「貴様、アホか」

「アホでもいい。月曜からまた別れると思うと、ルキアとは金曜まで会えないから、それまでのルキア不足を補っておくんだ」

けっこう頻繁に、メールでやりとりしてたりしているけど。

「あー。やっぱルキアといると落ち着くなー」

「それはこちらの台詞だ」

風邪がうつるといけないので、キスはしなかった。

月曜になり、体調も大分回復したルキアと別れる。

「じゃあ、今週の金曜な」

「ああ、それではな」

穿界門に消えていったルキアに向けて、メールを送る。

(風邪、うつったみたい)

熱はないが、咳が出た。

(たわけ)

(風邪薬早めに飲んだから、1~2日で治るけどな)

(次に会うまでに、治しておけ)

(大丈夫だ。いざとなったらルキアを抱いて元気吸い取るから)

(たたたたた、たわけ!)

きっと、伝令神機越しで真っ赤になっているだろう、ルキアにメッセージを送る。

(好きだぜ、ルキア。離れていても、心は一つだ)

(当たり前だ、たわけ)

一護は、大学に行く用意をする。

ルキアのいない、普通の大学生活の始まりだ。金曜の夜になれば、また会える。それまでは、メールでやりとりをする。

(じゃあ、大学行ってくる)

(私も、仕事にいく)

二人の心は、離れていても一つ。

好きなものは好きだから、仕方ないのだ。




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さくらさくら

「ん・・・・・・」

寒さもなくなり、暖かな日が多くなってきていた。

夜遅くまで、書物を読みふけってしまった白哉は、執務室でうたた寝をしてしまっていた。こういう時に恋次に起こせと言っているのだが、恋次は起こさない。

「・・・・・早咲きの桜、か」

ふと気づくと、テーブルの上に桜の花を活けた花瓶があった。

その柔らかな色彩に、目覚めたばかりの白哉の思考溶けていく。

ああ。

雪解け水のように、春の日差しに溶けていきたい。

もうすぐ、白哉の好きな桜が満開になる季節だ。今はまだ早咲きの桜と少し遅咲きの梅が一緒に見れる、微妙な季節だ。

梅を見ようにも散りかけていて、桜を見ようにも少ししか咲いていない。

「この桜の枝は、どこで見つけたのだ、恋次」

隊首室の方で様子を伺っていたことにばれた恋次は、頭をかきながら流石は白哉だと思った。

「6番隊にくる途中の、河川敷の桜です」

「そうか。あの河川敷は早咲きだからな・・・・」

もう、桜の花が咲いていることに喜びを感じ、同時に散ってしまう季節を感じると悲しみを少しだけ覚えた。

自分の斬魄刀を千本桜にしてしまうほど、桜を愛していた。梅の花も、緋真が好きだったために愛していたが。

「昨日は、少しばかり夜更かしをしすぎたな・・・・・執務室で寝てしまうなど」

「隊長、春だし最近仕事づくめだったし、少し休んだほうがいいですよ」

「そうだな・・・・今日の仕事はもう終わってしまったようだ」

仕事の途中で寝てしまうと隊長失格と思うが、終わってしまっているのなら、少しばかりのうたた寝くらいは大丈夫だろう。

そもそも、白哉は時間や規則に厳格だ。

それも緩んでしまうくらい、春の日差しが窓の外から入ってきていた。

「隊長・・・・・」

恋次が、仕事が終わってもう、帰宅するだけになってしまった白哉の名を呼んで、引き留める。

「恋次?」

「隊長、桜が満開になったら、花見に行きましょう」

「ああ、そうだな」

抱き締められて、キスをされた。

「ん・・・」

応えていると、口づけが激しくなる。

「んん・・・・」

ピチャリと、舌と舌が絡み合うキスを繰り返していると、最近睦み合っていないので、どちらが先なのか分からぬが、スイッチが入ってしまった。

恋次が寝泊まりしている隊首室の、ベッドに押し倒されていた。

「あ、恋次・・・・・」

「好きです、隊長」

「いい加減、もう少し片付かないのかこの部屋は」

「そんなに酷く散らかってはいませんよ」

確かに、昔に比べれば綺麗になっている。掃除も行き届いていて、隊首室は意外にきちんとされれていたが、白哉から見ればまだ物がおおい部屋だった。

「恋次・・・・来い」

貴族の証も奪い取り、隊長羽織を脱がせて、死覇装を脱がせていく。

真っ白な肌に、自分のものだというキスマークを残していった。

「恋次・・・・・」

「隊長・・・・」

体の輪郭全部を愛撫して、胸の先端をひっかき、弄り回していると、白哉がぴくんと反応した。

「あ・・・・・」

ゆるゆると反応している花茎に手をかけて、いじられるとそれだけで何も考えられなくなる。

「恋次!」

白哉のものは色が薄く、恋次のそれより淡かった。

「んっ」

花茎をしごかれて、先端に爪を立てられると、あっけなく白哉はいってしまった。

「ああ!」

「ん・・・・隊長、俺のも」

「ん・・・」

恋次のものを、白哉は手でしごく。

ぴりゃりと舌を這わせて、口に含めない部分は指で扱っていると、恋次はびゅるびゅると濃い精子を、白哉の口の中に吐きだした。

「げほっげほっ」

むせてしまったが、ほとんどを嚥下した。

「指、入れますよ」

潤滑油で濡らした指が体内に入ってくる。

「ん・・・・・ああ・・・・あ」

くちゅりと、音をたてて前立腺を刺激しながら、解していく。

「ああ・・・あ・・・」

3本の指を飲み込む頃には、後ろも潤滑油のせいで濡れてぬるぬるになっていた。

そこに、そそり立ったものを宛がう。

「いきますよ、隊長」

「んっ!」

ずちゅっと、音がして侵入してくる恋次の熱は緩やかだった。

「息はいて・・・・ゆっくり・・・痛くないですか?」

「大丈夫だ」

その言葉を受けて、奥まで突き入れると、揺さぶった。

「ああ!」

「すみません、久し振りなのでちょっとがっついてます」

ぐちゅぐちゅと音をたてて、内部を犯された。

「ひああああ!」

前立腺をすりあげられて、白哉のものが透明な先走りの蜜を零す。

ぐちゃっと音が立つほどに抉られて、白哉は精を放っていた。

「ああああ!」

締め付けがきつくなり、恋次も白哉の腹の奥に熱を放つ。

「んう」

何度もキスをしあった。

「恋次、愛している」

「俺も愛してます、隊長」

内部を犯す熱は硬度を保ったままで、そのまま背後から犯された。

「あああ・・・ひあう」

恋次の激しい動きに、白哉の体と髪が揺れる。

白哉の黒髪が宙を舞う。

結合部は泡立ち、白哉は途中で意識を失いそうになった。

「あ!」

最奥まで抉られて、ふっと意識が戻る。

「ああ!」

最奥でまるで子供を孕ますように、びゅるびゅると熱い精子を叩きつけられて、恋次は満足したのか動かなくなった。

「すんません、タオル用意してなかった」

「お前の死覇装でふけ」

「うー・・・・」

仕方なく、恋次は自分の死覇装で、抜き取ってこぽりと逆流してくる自分の精液をふきとった。

白哉は自分の死覇装を体の上にかける。

その間に、恋次はタオルを蒸したものをもってきて、白哉の体を清めて、中に出したものをかきだした。

蒸したタオルで情欲の痕を消し去るが、白哉はいつも行為後に風呂に入るので、とりあえず死覇装を着て、隊長羽織はもったまま、真新しい死覇装を着た恋次を連れて、朽木邸にまで瞬歩で戻った。

すぐに湯殿にいき、清家に着換えを頼み、恋次と一緒に風呂に入った。

お互いの髪を洗いあい、体を洗った。

「隊首室ですると、後始末に困るな」

「そうですね」

「だからといって、大浴場はさすがに・・・・・」

貸し切りにするにも、迷惑をかける。

だから、睦み合う時はいつも決められた館を使っていた。

「まぁ、たまには隊首室でもいいじゃないですか」

「ふむ・・・・」

どうせ、すぐ朽木邸にまで戻り、風呂に入るのだからと、恋次が言う。

湯船は、桜色で、桃の香がした。

「うわーまた贅沢な・・・・」

特別な入浴剤だ。香りもよい。

白哉と恋次は湯船に浸かりながら、触れあうだけのキスをした。

「もう、盛るなよ」

「盛れますけど、お仕置きが怖いのでやめておきます」

湯からあがると、二人分の着物と下着が置いてあった。

それに着替えて、白哉は恋次の手をとる。

「今日は、泊まっていけ」

「隊長?」

「答えは?」

「あ、はい、泊まっていきます!」

夕食を朽木家でとり、そのまま泊まった。

恋次は、白哉の寝室で寝た。

白哉のあどけない寝顔をずっと見ていたが、いつの間にか寝落ちして眠ってしまっていた。

「ああ、もう朝か・・・・・・」

恋次はまだ眠っている白哉に口づけて、瞬歩で隊首室までいって、昨日の逢瀬に使った汚れ物を洗濯した。

そのまままた朽木邸に戻ると、白哉が起きていた。

「忙しい奴だな」

「すみません。でも、仕事時間前に片付けるのもあれだし・・・・・」

館を使う時は、汚れ物は家人が洗濯してくれる。

「しばらくは、隊首室ではしない」

「あ、はい」

もっともだった。

朝食をとり、2人で6番隊の執務室に向かう。

同じ匂いをさせていることで、関係はばれているのだが、それを口にする猛者は6番隊にはいなかった。

執務室のテーブルの花瓶には、桜の枝が増えていた。

「恋次か?」

「ああ、河川敷の桜綺麗だったんで、追加で飾っときました」

「もう春か・・・・・」

恋次を愛していると確信し、愛を告げて2年が経とうとしていた。お互いの関係は、逢瀬の時が増えたくらいで、これといった進展はない。

だが、別れもない。

エンゲージリングは指にはまったままだし、お互いを愛し合っていることは、呼吸をすることのように自然だった。

はらりと、花瓶の桜の花びらが一枚散る。

それを受け止めて、白哉は恋次に命令する。

「永遠に、私を愛し抜け」

「隊長・・・・当たり前です。あんたは俺のもんだ。離せっていっても、離しません」

背後から抱き寄せられる。

「永遠の愛を、あんたに」

「ふ・・・・」

触れるだけの口づけを交わして、いつも通りの日常に戻っていく。

桜は、ひらひらと、ただ散っていくのだった。








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浮竹と京楽と海燕と アイス

「起きろおおおおおおおおおお」

「起きてる」

ずさぁあああああ。海燕は畳の上を滑った。

いつものように、起きない浮竹を無理やり起こすために、布団をはごうとしていたのだ。

「ほんとだ・・・・起きてる」

海燕は、きちんと畳まれて押し入れにいれられた布団を見て、まずは浮竹の額に手を当てた。

「熱く・・・ない。どうしたんですか隊長、何か悪い物でも食べたんですか。拾い食いとか。4番隊に行きますか?」

たまにきちんとした生活をしようとしたらこれなので、浮竹も額に血管マークを浮かべた。

「たまに早起きするのが、そんなに悪いことなのか。拾い食いってなんだ」

「だって、隊長が規則正しい生活をするなんて・・・こんな朝早くから起きるなんて、明日雪が降る」

まだ2月だ。火鉢もなおしていない。

寒波は大分和らいできたが、それでも朝は0℃に近い気温になる。

「まったく、朝早くに普通に起きただけなのに、扱いが酷い。明日は思いっきり寝てやろう。昼頃まで・・・・・」

「いやいや隊長、言いすぎました!是非ともこの生活習慣を身に着けてください!」

海燕は、是非是非と、勧めてくる。

浮竹が起きたのは朝の8時だ。そう特別早い時間でもないが、いつも10時、11時まで寝ている浮竹からしてみればかなりの早起きだった。

朝食をすませて、9時の死神の業務時間の始まりだ。

すると、京楽が入ってきた。

「ほら浮竹、いい加減に起きて。もう9時だよ?・・・ってあれ?起きてる?」

「なんだ、京楽」

文机に向かった浮竹が、京楽のつま先から頭のてっぺんまで見た。

「いや、海燕君に最近寝坊が酷いから、起こしてくれと頼まれてきたんだけど・・・今日は寝坊しなかったんだ。珍しいねぇ。明日雪でも降るんじゃないかなぁ」

「お前もか。俺が早起きすると何故雪が降るんだ」

「いやあ、まぁ揶揄だよ。気にしないで」

京楽は、片手に仕事であろう書類をもってきていた。今日も雨乾堂で浮竹と一緒に仕事をするつもりなのだろう。

副隊長になったばかりの七緒には、それは嬉しいことであった。いつも限界まで仕事をためこむ京楽が、どんな形であれ仕事をしてくれるなら、たとえ恋人のところにいこうが、喜んで見送ってくれる。

海燕も、何も言わない。

べたつきあうなら止めるが、仕事はきちんとするタイプの二人なので、京楽が仕事をもってきても別にどっちでもよかった。

仕事中に遊びにこられても、浮竹はとりあず仕事が終わるまでは京楽にあまり構わない。

なので、最近の京楽も学習したのか、仕事をもってきて終わってから浮竹に構ってもらっていた。

「甘味屋で、新しい味のアイスが発売されてるらしいよ。仕事が終わったら、食べに行こうか」

「いいな。よし、仕事を片付けるぞ」

京楽用に用意されてある黒檀の文机に、京楽が向かって一緒に書類の仕事を始めた。浮竹のすぐ隣に黒檀の文机はあり、最近購入されたもので、京楽が仕事をもってきてやりやすいようにと、浮竹が珍しく自分の懐から出して買ったものだ。

まぁ、京楽から小遣いをもらっているので、元を正せば京楽の金なのだが。

昼になり、昼食をとって30分はかり休憩をした後、1時からまた仕事を始めた。

4時には二人ともその日の仕事を終えて、海燕の許可をもらってから、甘味屋に出かけた。

「抹茶アイスにバニラアイスもいいが、苺アイスか。けっこううまいな。甘い」

まだ寒い季節だが、室内は大分温度が高かったので、アイスを食べても寒くはなかった。牧で燃えるタイプのストーブがあった。

「あのストーブいいな」

「大きな店舗用だよ。牧たくさんいるし、下手したら火事になるから、雨乾堂では火鉢で我慢なさい」

苺味のアイスを食べながら、浮竹はバニラ味のアイスを頼んで、あと持ち帰り用に30個のおはぎを頼んだ。

「30個って、ちょっと多くない?」

「海燕とお前の分も含めての2日分だ。少し足りないくらいだ」

浮竹は甘味物ならたくさん食べる。多分、1日10個が浮竹のもので、残り5つを海燕と京楽でわけろというところだろうか。

「せっかくだし、アイスも買って帰ってやるか」

「溶けちゃうよ」

「重い荷物もあるんだ。瞬歩で帰る」

カップにアイスをいれてもらい、それとおはぎ30個を買って、甘味屋を出た。

京楽は支払いのために少し遅れたが、瞬歩で雨乾堂に帰還した。

「海燕、苺味のアイスだ。食え」

「え。隊長が俺に甘味物をもってくるなんて・・・・・やっぱり明日は雪だ」

「食べないなら俺が食うぞ」

「あ、食べます!食べますから!」

苺味のアイスは美味しくて、海燕は感動した。

「今のアイスってこんなフルーツの味のもあるんですね」

「他にもメロン、オレンジ、ブドウとか・・・・いろんな味があるぞ」

「へー。今度都も連れてってやろう」

「ああ、そうしろ。女性にも人気だ」

「都ちゃん、久しくみてないねぇ。元気にしてる?かわいいんだよねぇ」

京楽の言葉に、浮竹が京楽の足を踏みつける。

「浮気は許さんぞ」

「もう、違うよ浮竹~。僕が好きで愛してるのは浮竹だけだよ」

キスされた。

苺の味がした。

「京楽隊長、今日は泊まっていくんですか」

「うん、そうする予定」

「じゃあ、明日も寝坊は回避できますね」

「そうだねぇ。まぁ僕まで寝坊することもあるけど」

「8時に起こしにきますから、起きていてくださいね」

「分かったよ」

その日はもうすることがないので、夕飯を食べて一緒に風呂に入った。そしてそのまま一組の布団で寝て、8時に起きた。

寒いと思うと、外を見ると雪が降っていた。

昨日、あれだけ雪が降ると言われて現実になってしまい、浮竹は複雑な気持ちになるのであった。











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それ行け浮竹さん 夏コミ

「暇だ―日番谷隊長構ってくれー」

「ああそうか。あいにく俺は仕事で忙しい。松本とでも遊んでいろ」

「分かった。おーい松本ー」

「はーい」

浮竹は、懐から何かを取り出した。

「ここに、うちの13番隊が撮った日番谷隊長の丸秘写真があるのだが」

「えええ!ぜひください!」

「くぉらああああ、浮竹ー!盗撮かーー!」

日番谷が、浮竹から写真を奪う。

寝ている写真がほとんどだった。でも、中には着替えてる写写真とかも含まれていて、日番谷の中でNGとなった。

「燃やす」

鬼道で、日番谷はその写真の燃やしてしまった。

「ああ!私まだ見てないのに!」

「ネガがあるから、いくらでも焼き回しできるぞ。今度、13番隊にとりにおいで」

「浮竹ーーー!!」

日番谷が、浮竹の死覇装の襟を掴みたそうにしていたが、身長差があるために、鳩尾に拳を軽く入れておいた。

「ぐふっ」

浮竹が吐血する。

「おい、発作か!?」

「いや、こういう時は血をだしたほうがいのかと思って。自分の意思で吐血できたりするんだぞ。便利だろ」

「便利とかじゃねーだろ!ほんとに発作起こしたらどうするんだ!演技で吐血とかやめろ!」

「日番谷隊長は優しいなぁ」

頭を撫でられて、日番谷は照れ隠しにその手を追い払った。

「今日は、京楽はいないのか?」

「いるぞ。あそこの壁に」

執務室の窓がある壁に、京楽がへばりついて中の様子を窺っていた。

「気味悪いから、やめさせろ」

「おーい京楽、日番谷隊長がお前と遊びたいって」

「おい、誰もンなこと言ってねぇだろ!」

「まぁまぁ」

京楽は、10番隊の執務室にくると、ふっと笑って浮竹の傍にきた。

「日番谷隊長も、僕を必要とする日がきたんだね」

「ただの浮竹の狂言だ。京楽なんてどうでもいい」

「ひどい!僕とのことは遊びだったのね!」

その台詞に、腐った思考の持ち主の松本が反応する。

「こ、これは禁断の京楽隊長×日番谷隊長!?」

「こら松本、なんでも腐った目と思考で考えるな!

日番谷が叫ぶと、松本も頷いた。

「やっぱ、京楽隊長×浮竹隊長に勝てるカップリングはそうそうないわね・・・・」

もはや、松本の考えを訂正する者もいない。

京楽と浮竹ができているのは瀞霊廷中で知られていたし、二人はその仲を隠そうともしていないのだ。

「今年の夏コミも京浮だわ~。あとは日番谷隊長総受けで・・・」

背筋に寒気が走って、日番谷は松本の夏コミの内容につっこんだ。

「総受けはやめろ!せめて浮竹とにしろ!」

「きゃあ、ここでまさかの告白!?」

「日番谷隊長、うちの浮竹はあげないよ」

「そういう意味で言ってるんじゃない!例えだ例え!総受けにされるよりは、誰と固定のほうがいい。何せ松本のことだ、総受けとかいいながら触手とかだしてくる」

「乱菊ちゃんが夏コミの原稿書くのを止めればいじゃない」

「そんなことで止めれるなら苦労せんわ!」

「日番谷隊長も大変だな」

浮竹の言葉に、日番谷もほろりときた。

「分かってくれるか浮竹。このくそ腐女子は仕事はしねーわ、仕事中に酒は飲むは、仕事そっちのけで同人誌の原稿を書くわ・・・・・」

「ここに、実は日番谷隊長総受けの本のサンプルが・・・・」

松本の言葉に、日番谷は斬魄刀を抜いた。

「うおおおおおおお!蒼天に座せ氷輪丸!」

「ぎゃああああああああ」

吹っ飛んでいく松本と、瞬歩でかわした京楽と浮竹は、落ちてきた日番谷総受のサンプル本を見た。

「あーこりゃ日番谷隊長、見ない方がいいよ」

まじめに京楽が言って、浮竹も頷いた。

鬼道でサンプル本を燃やしていく。

「藍染と一護君とたちと×××の×××だから」

「蒼天に座せ、氷輪丸!」

説明した京楽もふっとばした。

「どうどう。落ち着け、日番谷隊長。なんとか本を出さないように妨害するしかないな」

「こうなったら、松本の伝令神機もパソコンもぶっ壊してやる」

しかし、何処に隠してあったのか、原稿は残っていて、夏コミには日番谷の総受本が出て、松本はがっぽり稼いだ。

「隊長のお陰で稼げました~」

「卍解、大紅蓮氷輪丸!」

「ぎゃあああああああああ」

こりない松本は、冬コミも日番谷総受本も出そうと思いながら、氷漬けになっていた。





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バレンタイン(恋白)

「あー。そういや、もうすぐバレンタインかー。隊長甘い物嫌いだしなぁ」

恋次は、一度まだ白哉と深い仲になる前に、友チョコとしてチョコレートを渡そうとしたら、甘い物は嫌いだと一蹴されたことを思い出す。

「そうだ」

伝令神機で検索すると、甘くないチョコレートというのが出てきた。

カカオたっぷりのやつだ。

それを1人前注文して、バレンタインの前日に届いた。

1つ味見をしてみた。

「にげぇ・・・でもこれなら・・・・・」

丁寧にラッピングして、バレンタインの日に白哉に渡した。

「恋次、これは?」

「バレンタインチョコです」

「甘いものは好まぬ」

「そう思って、甘くないチョコレート買ったんです」

「甘くないチョコレート?」

白哉が首を傾げた。

黒絹の髪が、さらさらと音を立てて零れていく。

「騙されたと思って、1つ食べてみてください」

白哉は、1つ口にした。

「ほろ苦いな。これはよい」

おっしゃ。

恋次は心の中でガッツポーズをした。

「どうせ、ホワイトバレンタインの日に、私が欲しいと言い出すのであろう」

ぐ。

ばれてた。

「そ、そんなこと言いませんよ!」

「去年、甘いチョコレートを無理やり渡して、お返しくれと襲ってきたのは、どこのどいつであろうな」

「ほんと、どこのどいつかなー」

冷や汗をかきながら、口笛など吹いてみた。

「まぁよい。これはもらっておこう」

1時間に1個ってかんじで食べていくと、1日でなくなってしまった。

「ふむ。もう終わりか」

「そんなに気に入ったんですか?」

「ほろ苦い中にまろやかさがある。気に入った」

「このサイトから購入できます」

伝令神機でサイトを表示すると、白哉も自分の伝令神機でネットにつなげて、そのページを開けた。

「とりあえず、5個と・・・・」

ネットで注文する。

「少し眠い・・・・隊首室で仮眠してから帰る・・・・」

「俺も傍についています」

隊首室は、恋次の部屋にもなっていて、少しごちゃごちゃしていたが、ベッドは普通に置いてあった。

そこに横になると、白哉は直に眠ってしまった。

「ここ最近、激務でしたからね・・・」

白哉のあどけない寝顔を見ていると、恋次まで眠くなってきた。

白哉と同じベッドに横になり、眠った。

起きると、朝になっていた。

白哉の姿はなく、隊長羽織が恋次の体にかけられていた。

「隊長?帰ったのか・・・・・」

かけられていた隊長羽織の匂いをかぐと、白哉の匂いがした。

少し甘い、シャンプーとかの匂いだった。

9時前になり、白哉が姿を現す。

「恋次、朝まで眠っていたのか」

「はい」

「激務はお互いだが、ちゃんと自宅にも帰れ」

「はぁ・・・・」

帰っても、一人なのでたまに人を雇って、掃除や庭の面倒などを見てもらうくらいで、風呂と寝るために、たまに帰る。

隊首室に泊まることの方が多かった。風呂は、大浴場を使っていた。

「あと、隊首室をもう少し片付けろ。私用に使ってもいいが、せめて整頓して掃除をかかせるな。私もたまに使いたいからな」

「はい!」

恋次は目を輝かせた。

本当にたまに、逢瀬の時にも使う部屋だった。

「隊長、今日のシャンプー変えたんですか?」

「何故わかる」

「この隊長羽織についてた匂いと、違う匂いがしたから」

「犬か、お前は・・・・・」

恋次にかけておいた隊長羽織を受け取った。

「朝からなんですが、愛してます」

「本当に、朝からなんなのかわからぬな」

クスリと、白哉が小さな笑みを零した。

その表情と仕草がかわいくて、白哉を抱き締める。

「隊長、俺だけのものだ・・・」

「お前以外に、欲しがるやつなどおらぬ」

「そんなことありません」

「そうか?」

「虫よけも大変なんですから!」

同じ匂いをつけていたり、うなじにキスマークを残したり。

何はともあれ、バレンタインの日は過ぎた。

また、来年も同じようなチョコレートを渡そう。そして、ホワイトバレンタインには、隊長をもらいおうとニマニマする恋次だった。



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それ行け一護君 バレンタインとかあった

その日はバレンタインで、ルキアは一護、白哉、恋次の3人の分のチョコレートを用意していた。白夜のチョコは限りなく砂糖のないカカオベースの苦いやつにしておいた。

白哉は甘い物が好きだし、この前現世のブラックコーヒーを飲んで美味しいといっていたので、苦い味もいけるだろう。

「おはよう、ルキア」

「ああ、おはよう」

「お、チョコじゃねーか。俺の分か?」

「これは兄様の分で、こっちは恋次の分だ。こっちのいっぱいあるのが貴様用だ」

「ちょっと食べていいか?」

ホワイトチョコと普通のチョコをハート型に固めて、ルキアの手作りチョコを一護は口にした。

「甘くて美味いな」

「よかった・・・一度、湯せんの方法を忘れて鍋にそのままいれて焦がしてだな・・・・」

「うわぁ、そのチョコもったいねぇ」

「食べるか?何気にあるのだが」

「何かに使えそうだ。もらっとく。そういえば、白哉は平気なのか、チョコレート。甘いもの嫌いなんだろ?」

一護が首を傾げるが、ルキアは自信満々にこう言った。

「カカオ80%の苦いチョコレートを用意したのだ。甘い味がだめな兄様でも、苦いのなら平気であろう」

「うわー、カカオ80%ってまずそう・・・・」

「貴様は、自分のチョコレートを食べておけ!」

口の中に、ハート形のホワイトチョコをつっこまれた。

「あんま食うと、朝食食えなくなるからここまでな」

「ああ、そうだな」

食堂にいくと、白哉が待っていた。

「遅いぞ」

「すみません、兄様」

「よお、白哉おはよう」

一護の朝の挨拶を無視して、朝食がテーブルの上に並びだした。

味噌汁に数種類の焼いた魚、ご飯、コーンポタージュスープと、多分温室育ちの苺がメニューだった。

普通のメニューを皆で食べ終わり、デザートの苺を食べだす。

「この苺は、どこかの誰かと違ってできがいいな」

白哉の毒舌に、一護は苺をフォークでぶっさしながら、笑顔で聞いていた。

「ほんと、この苺は甘いなぁ。大粒で、まるでどこかの誰かのようにできがいい」

自分を自分で褒めていた。

「それにしても、白哉は甘い物嫌いなのに、果物は食うんだな」

「悪いか」

「いーえー。ちっともー」

何か言いたげに、棒読み状態だった。

「一護、朝から今日は兄様と喧嘩しないのだな。偉いぞ」

ルキアに頭を撫でられて、ちらりと白哉を見た。

「ルキア、こちらにこい」

「はい、兄様!」

ルキアは、とたんに一護を放りだして、白哉の方に行ってしまった。

「最近、現世ではコロナという病気が流行っているぞうだ。こうやって、アルコールで消毒するのだ」

一護の頭を撫でた手を、白哉はアルコール消毒させた。

「おお、そうですか」

「それから、一護に触った後も消毒するといい」

「分かりました、兄様!」

ぴきっ。

一護の額に血管マークが浮かんだ。

「俺も手を消毒しなきゃなぁ・・・おっと、手が滑ったああああ」

アルコールの消毒液を、噴射させて思いっきり白哉に浴びせた。

「悪いなぁ、白哉。なんか、病原菌がここらへんからきてるみたいで」

「そうか。手が滑った」

アルコール消毒液を、白哉は一護に向かって噴射した。

「きーーーーー」

「ふん」

二人は互いにそっぽを向けてしまった。

「もう、兄様も一護も仲よくしてください!」

ルキアは額に手をあてていた。

死神業務が始まる前の時間になって、それぞれ13番隊と6番隊に別れて行こうとするときに、ルキアが想い出したかのように、白哉にチョコレートを渡した。

「兄様、これは甘くないチョコレートです。これなら兄様も食べれると思って。後これは恋次の分です。渡しておいてください」

「わかった。ルキア、いつもすまぬ」

「いいえ」

「ルキア、行くぞー」

一護は、白夜としゃべている途中のルキアを引きずって、13番隊の隊舎に向かった。

「一護、なんなのだ!まさか、兄様に嫉妬しているのか?」

ニヤリと笑んできたルキアに、一護は真っ赤になって否定する。

「そんなんじゃねぇ!」

「あやしい」

「違うったら違う!白哉のやつ、俺を邪険に扱うから、その対抗策をだな」

「兄様は、本気で嫌った相手には口を聞いたりせぬものだぞ」

「そうなのか?」

「顔も見たくないといって、後は空気のように扱うお方だ」

「うーむ。懐柔作戦でもとってみるか。明太子美味い店ないか?」

「あるぞ。帰りに寄っていこう」

今日の業務が終わり、帰り道に明太子を買った。さらに現世にいき、スパゲッティの麺をかってきた。あとバターと、めんつゆとマヨネーズ。

その日の夕食は、一護が作った。明太子パスタを作ったのだ。たっぷりかかった明太子の上にバターとを乗せて、テーブルに置くと、白哉は口をへの字に曲げた。

「これはなんだ?」

「俺様特製明太子パスタだ」

「ルキア、先に食べて感想を聞かせろ」

「はい兄様・・・・・んむ、これは・・・うまい!明太子の辛さを、バターのまろやかさが包み込んで・・・・・」

その言葉を聞き、白哉も食べた。

「こ、これは・・・今までにない味だ。一護、料理人にレシピを教えてこい」

「へいへい。好評なようで俺は嬉しいぜ」

そのまま料理人に、あまっためんつゆとバター、スパゲッティ、マヨネーズを渡す。

料理人にレシピを教えてると、一護の分をその料理人は見事に作ってくれた。

食堂でそれを食べた。

「ああ、やっぱ作る人によって微妙に味が変わるな・・・・・・」

まろやかさを出すために、マヨネーズを少し多めにいれたみたいだった。

「まぁ、これはこれで美味しいからいいけど・・・・」

その日は、白哉は至極ご機嫌で、一護が明太子が好きだと聞いて、少し好感をもったようだった。

辛い物がすきな白哉のために、明日は明太子のおにぎりをつくってやろうと思った。

翌日になり、明太子いりのおにぎりを皿にいれて手渡すと、白哉は迷いもなく口にした。

「美味いな・・・一護、死神を辞めて我が家の料理人になる気はないか」

「そこまで評価してくれてうれしいけど、おれは死神のほうが性に合ってるから」

「そうか」

白哉はどこか残念そうだった。

「ま、現世にまた買い物にいくついでに、新しいメニュー仕入れてくるよ。できれば辛いやつな」

次の日、一護はキムチチャーハンを作った。

それも白哉とルキアには好評で、レシピを料理人に伝えた。もっとも、キムチは現世にいかないとあまり売っていないが。

しばらくは平和な日が続いたが、ある日ルキアを一日中独り占めしていたら、風呂に入ろうとすると湯がなかった。

シャワーがついていたのでよかったが、冬場なので寒い思いをした。

朽木家には、湯殿が3つほどある。

白哉が風呂に入ろうとした瞬間に湯を流して、仕返ししてやった。

「むう・・・・・・」

白哉も、シャワーで済ませた。一護と同じく寒い思いをして。

白哉と一護は、歩み寄ったり離れたりで、本当によくわからない仲だった。

「ルキア」

「なんだ、一護」

「お前の兄様は、ほんとによく分からないやつだな」

ごろりとルキアの膝に寝っ転がった。

耳かきをしてもらった。

「兄様にも、いろいろと私たちのことで考えることがあるのだろう」

「そうか?複雑に絡んでもつれた糸みたいだと思った」

「んー。ルキア、大好きだーーーー!」

耳かきをやめさせて、ルキアに抱き着いた。

「こら、一護」

「寝室なら、流石に白哉も手が出ないだろうし」

久し振りに、体を重ねた。

次の日、「子はまだか?」と言ってきた白哉に、一護もルキアも真っ赤になって、固まるのであった。

声、きかれてた!

恥ずかしい!

ルキアは特に恥ずかしがって、しばらくの間抱かせてくれなかった。

「別に、盗み聞きしたわけではないぞ。部屋の前を通りかかると、声が漏れていたのだ」

恥ずかしい!

ルキアは小さくなっていく。

「あーもぅ、そういうこといちいち言うな!」

「何故だ?」

「あんたも、緋真さんとの睦み事を人に聞かれたらいやだろう」

「ふむ、それもそうだな・・・・すまなかった」

白哉が謝罪したので、行き場を失った怒りは、プスプスと心の中で焦げた。

本当に、よく分からない関係だ。

ルキアは、それから半月は抱かせてくれなかった。











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バレンタインだから

ルキアは、台所をチョコまみれにしていた。

せっかくのバレンタインなのだ。

一護に渡して、好きだと告白しようと決めた。

一護の家の台所を使ってしまえばばれるために、尸魂界の朽木家の台所を借りた。

もうすぐ高校も卒業だ。ずっと一緒にいられなくなってしまう前に、なんとかそのハートを射止めたいと思った。

一護は色恋沙汰に疎く、毎日同じベッドで眠っても何も感じていない。ルキア一人だけが、毎日ドキドキしながら眠りについていた。

一護はもてる。目下のライバルは井上に、たつきあたりだろうか。

井上はすでに告白して一度振られている。大戦のさなかで、今はそれどころではないと一蹴されたと言っていた。

他に好きな者がいると言われて、振られたらルキアもその好きな人が誰か気になるが、今のところ一護に意中の人はいないと見た。

一護はチョコレートが好きだ。

好物だし、きっと振られても今の仲は変わらない。

いかんいかん。告白する前から、振られること前提など、いかん。

考え直して、市販の普通のチョコを溶かして、ハート形の型にいれて冷やし、ホワイトチョコでで好きだとでかでかと書いた。

「ふふふふ。名付けて一護のチョコ大好きドキドキ手作りポロリもあるよチョコ作戦だ」

何がポロリなのかというと、一護の心の中身がポロリするのだ。

一応、白哉の分と恋次の分も作った。義理チョコなので、小さめだ。白哉は甘いものを好まないため、食べてくれるか不安だったが、渡すと淡い笑顔で目の前で食べてくれた。

白哉大好きのルキアは、鼻血をだした。

「兄様、その笑顔はけしからんです」

「ルキア・・・・何をしている」

「いえ、ちょっと兄様の笑顔が眩しくて・・・・」

ルキアは、恋次の家に出かけると、恋次にもチョコを渡した。

「お、ありがとな。でもこのかんじだと義理かー」

「本命は他にいるのだ!」

「知ってるよ。一護だろ」

「な、な、な、何故知っているのだ!」

狼狽するルキアに、恋次はデコピンをした。

「ばーか。あれだけ一護の話ばっかしてると、丸分かりだ」

「ぐぬぬぬ・・・・ともあれ、私は現世にいく!振られたら、恋次の鳩尾と股間を蹴る!」

「なんでだよ!」

「八つ当たりだ!」

穿界門が開く。

ルキアに聞こえないように、恋次は言った。

「一護のやつもお前しか目がないようだから、結末は見えてるけどな」


「一護!」

現世に戻って、一護に会いにいくと、一護はいっぱいバレンタインチョコを受け取っていた。

「その中に・・・・意中の人はいるのか?」

消沈気味に聞くと、いないと言われて顔をあげた。

「私もチョコをつくったのだ!とりあえず食え!」

一護の口にチョコをつっこんだ。

「もがががが」

一護はひとかじりしてから、チョコに書かれた文字を見る。

「好きだ?」

「そ、そ、そうだ!私は貴様のことが好きなのだ!」

「ありがと。すっげー嬉しい」

「そうか・・・・・」

ポロポロと涙が溢れて止まらなかった。

「嬉しいだけか・・・・」

「ばーか。俺もお前のことが好きだぜ、ルキア」

「え。もぅ一度言ってくれ」

「何度でも言ってやるよ。俺はルキアが好きだ。恋愛感情で。ルキアもこのチョコ見る限り、俺のこと恋愛感情で好きなんだろ?」

「あ、当たり前だ。そうでなくては、貴様にチョコなど渡さん。わざわざ好きだと書いたチョコなど」

ぽふっと、一護の胸に顔が埋まった。

「大好きだぜ、ルキア。付き合おう」

「あ、ああ・・・・」

チョコレート作戦は、大成功に終わった。

その日の夜、いつものようにルキアを胸に抱いて眠ろうとすると、ルキアが顔を真っ赤にした。

「一護、貴様は私が好きだからこのように寝ていたのか?」

「んー。それもあるけど、お前がここにいるっていう安堵感が欲しかったから」

大戦を経験した者たち特有の、消失感の存在。

一護にとっても、亡くなった隊長・・・・特に浮竹とは交流があっただけに、悲しかった。

「私はいなくなったりしない。安心しろ、一護」

「でも、卒業したら尸魂界に戻るんだろう?」

「戻っても、定期的に遊びにくるさ。何せ今は、私と貴様はここここここ恋人同士なのであろう?」

「こここここ恋人同士だな」

「たわけ、真似をするな!」

ぽかぽかを殴ってくるルキアの拳を受けて、一護は笑っていた。柔らかな微笑みだった。

「今日、井上から告白されたんだ」

「え」

「お前が好きだからって、きっぱり断った。泣かせちまったけど」

「そうか・・・・・」

たとえ、一護が井上を好きだったとしても、振り向かせてみせようと思っていた。

杞憂に終わったが。

「貴様はもてるな。もらったチョコの数、20はこえていたであろう。まぁ、見た目はかっこいいから仕方ないか」

「いくつか本命チョコもまじって、下級生とかにも告白されたけど、全部断った」

「当たり前だ!私のことが好きなのであろう!」

「だから、断ったっていってるじゃねーか」

「私の一護に手を出す不届きものは、頭にパンツ被りの刑だ!」

「何それ、えぐい・・・・・・」

一護が引いたので、「こ、これは物の例えだ」と言っておいた。

「卒業まで、あと3週間もないのか・・・・・」

「一日中ずっといられるのも、もう終わりだな」

「ちゃんと定期的に遊びにくるからな!浮気するなよ!」

「お前こそ、恋次と浮気するなよ!」

同じベッドで、一護はいつものように胸にルキアを抱いて、その細い華奢な体を自分のほうに抱き寄せて、そのまま一護は目を閉じた。

「い、一護、近いぞ!」

「いつものことだろ。気にすんな」

「私はすごいドキドキしているのだが・・・一護の鼓動も早いな」

「明日も授業あるんだから、もうねろ。今日は無断欠席扱いになってたし」

「尸魂界でチョコを作っていたのだ!連絡しそびれただけだ」

「高校は、普通にいかずにさぼる奴も多いから、誰も気にしてねーよ。せいせい井上が、どうしたのかなって言ってたくらいだ」

「一護」

「なんだ?」

「私の前では、今後井上の話はやめろ」

「分かった」

井上には悪いが、一護は私がもらっていく。そう心に決めたのだ。

バレンタインだから、チョコレートで告白してみた。

バレンタインならではだ。

現世の習慣も、たまにはいいこともあるなと、ルキアは思うのだった。







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しんしんと

「結婚しよう、白哉」

6番隊の執務室に入ってきて、いきなり浮竹がそう言った。

「浮竹」

「結婚式はハワイで・・・・ハワイってどこだろう?」

「ちょっと、浮竹隊長!」

恋次が、さも噛みつかんばかりの勢いで、浮竹と白哉の間に割って入る。

「阿散井副隊長は第二夫人で・・・・白哉を思っているだろうから、情けで第二夫人にしてあげよう」

「あんたねぇ!」

掴みかかりそうな勢いの恋次を、白哉が止めた。

「大丈夫だ。もうすぐ京楽が引き取りにくる」

「やあ、その通り。ごめんねぇ、うちの子がアホ言い出して。高い熱なのに歩きだして知り合いに誰かれ構わずプロポーズしていくものだから、誤解を解いていくのに苦労するんだ。ほら、帰るよ浮竹」

「京楽はペンギンと結婚して浮気するから、白哉と結婚するー」

「はいはい、日番谷隊長にも同じこと言ってたじゃない。無節操だと、嫌われちゃうよ」

浮竹は、京楽の肩に担がれて、二人は6番隊の執務室を去っていった。

「なんだったんですか、あれ」

「たまにあるのだ。浮竹は高熱を出すと、プロポーズしてくる」

「なんつー迷惑な」

「その度に面白いことを言ってくるから、けっこう楽しんでいる」

白哉が薄く笑った。

「ふふ・・・私が第一夫人で、恋次が第二夫人か。夫は浮竹では務まらぬな。それに浮竹には京楽がいることだし」

「え、そうなんですか」

「なんだ、知らなかったのか。浮竹と京楽は熟年カップルとして瀞霊廷でも有名だ。互いの羽織を間違えたり、同じ匂いさせていたりで、とても分かりやすい」

恋次はぽつりと呟いた。

「知らなかった・・・・・」

「そういえば、私たちのことも知っているようだったな。やはり、同じ湯殿に入るのが悪いのか・・・・・・」

「いえ、全然構いません!同じ匂いさせてて何が悪いんですか。それに気づいてる奴は気づいてますよ、俺たちの関係」

「やはり、隠し通せるものではないか。まぁいい、今日の夜、館で」

「はい!」

睦み合うために使う館に、夜になって呼ばれた。

夕方から湯あみをして、白哉も湯浴みしたのか、貴族として身に着けているものは全部外していた。

死覇装姿でなく、浴衣姿だった。

「隊長、すっごいエロい」

「何がだ。ただ浴衣を着ているだけであろう」

「いや、服の合わせ目から見える白い肌がたまらん。太ももちらちら見えるし・・・俺を悩殺しようとしているんすか?」

「戯言を。食事はとらぬのか」

「いえ、いただきます」

いつも、高級料理を食べて、酒を飲んだ。

今日も高級料理が並んでいたが、酒は高級酒ではなく、現世でいわれるカクテルのような類だった。

「隊長、甘いの苦手なんじゃ・・・カクテル系って甘いし」

「たまには、よいであろう。それに私の飲むカクテルは、味が濃い」

ためしに恋次が飲んでみたが、ぴり辛い味がして、飲めなかった。

「これ、酒ですか?でも一応、酒なんですよね・・・・」

「現世の飲み物は、酒でも面白いものがある」

ほどよく飲んだところで、褥に向かう。

「隊長・・・・・好きです」

「あ、恋次・・・・・」

浴衣だったので、脱がせるのは簡単だった。帯をぬき、合わせ目を広げると、白すぎる肌が目に映った。

「下着・・・・・つけてないんすね」

「どうせ、ぬがされてべとべとになる」

恋次は、白哉の薄い胸の筋肉に舌を這わせながら、鎖骨や胸にキスマークを残していく。

「んっ・・・・・」

胸の先端をかりかりとひっかくと、ピクンと白哉が反応した。

そのまま、胸から臍へ、臍から股間に舌を這わしていく。まだたっていない花茎を手でしごいて無理やりたたすと、舌を這わせた。

「ああ!」

咥内で思い切りむしゃぶられて、口に入りきらない部分は手でしごかれて、白哉は熱を恋次の口の中に注いでいた。

それをさも当たり前のように飲み込む。

「指、入れて平気ですか?」

「好きに、しろ・・・・・」

潤滑油で濡らした指を、体内に埋め込んでいく。

前立腺はなるべく触らずに、解すことに集中した。

「あ・・・・なぜ・・・・」

いつもなら、指でもきもちよくなっているのに、それがなくて不思議な感覚に白哉は陥っていた。

「いれますよ」

「んっ!」

ズチュリと音をたてて、潤滑油でたっぷり濡らした恋次の灼熱を穿たれた。

「あああ!」

前立腺をつきあげられると、待ちに待っていた快楽が押し寄せてくる。

「ああ、あ、あ!」

白哉の中はとろけるように熱く、狭かった。

一度目の熱を、白哉の腹の奥に出す。

口づけをせがんでくる白哉に、何度もキスをしながら、前立腺を突き上げた。

「ああああ!」

白哉は、後ろの刺激だけでいってしまった。

白濁した液と、とろとろとした先走りの蜜を零す。

「射精の回数、制限あるから・・・俺ので、いってください」

「ひあああ!あ、あ!」

背後から、恋次は獣のように白哉を抱いた。

「んあ!」

体位が変わったことで、中を抉られる。それがたまらなく快感を生み出した。

「ああ・・・・・」

そのまま穿たれて、白哉が口を開く。

「恋次・・・・お前の顔が見えぬ。この体位は嫌だ」

「隊長・・・・・」

普通の体位に戻して、白哉の口の中をその指で侵した。

指に、白哉はぴちゃりと舌を絡めた。

「恋次の味がする・・・・」

ぐちゅりと、結合部から水音が鳴った。

「隊長・・・・俺をあおらないでください。大切にしたいのに、酷くしたくなる」

「別に、それでも構わぬ」

「隊長・・・」

くちゅりと音をたてて、前立腺ばかりを犯すと、白哉は白濁した液を吐き出した。

「あ・・・・あああ!」

まだいけるようなので、恋次も白哉の腹の奥に熱を放ちながらも、白哉を犯した。

「あああ・・・・・頭が、変に、なる・・・・」

オーガズムも含めて、もう何度いったか分からなくなってきた。

恋次のものはまだかたくて、また犯されるのだと考えるだけで、体が喜びを覚えた。

白哉の頭が真っ白になっていく。墜ちていく。

真っ白のなったところで、意識がぷつりと途切れた。


「隊長、隊長」

ゆさぶられて、目を開けると、風呂の中だった。

どうやら恋次が運んでくれたらしく、後処理も終わっているようだった。

「すみません、やりすぎました」

「今に始まったことではないだろう」

セックスの終わりに、意識を飛ばしてしまうことが時折あった。恋次に最後まで付き合うと、体力を消耗して、その激しさに意識を飛ばした。

「体と髪は洗ったか?」

「いえ、まだです」

「では、互いを洗いあおう」

それは、白哉にとってはただの作業だが、恋次にとってはおいしい出来事でしかなかった。

スポンジで泡立てたボディソープで、白哉の体を洗っていく。

キスマークは残っているが、それ以外はしみ一つない肌だった。

シャンプーで、柔らかな白哉の黒髪を洗う。櫛でとくと、白哉は気持ちよさそうにしていた。

「今度は、私が洗おう」

白哉に体を洗われて、くぐすったさを感じた。

それから、長い灼熱色の髪を洗われた。

少しかたいが、綺麗に整えられていた。恋次にだけ、リンスをした。

「なんで俺だけリンスありなんすか」

「お前の髪には、艶が足りぬ。せっかく美しい色をして長いのだ。もっと大切にしろ」

「それは、隊長の黒髪っすよ。さらさらで・・・・隊長にもリンスしてやる」

「こら、やめんか」

「負けません」

風呂場で戯れあって、泡を全部流して、湯に浸かった。

「ふー、極楽極楽」

「年寄りくさいな」

「いいんすよ。幸せなんだから。隊長とこうしていられる時間は、とても大切ですから」

「傍にいることくらい、いつでも言えばしてやる」

「あー、もうすでに傍に大分いてもらってるんで、これ以上独り占めするとルキアになんか言われそうで」

「あれは、少し厳しいところがあるからな」

そのルキアには、今は一護がいる。朽木一護となった一護と一緒に、甘い生活をエンジョイしていた。

「愛してます、隊長」

「私も愛している、恋次」

湯からあがり、二人揃って浴衣を着た。

「少し冷えてきましたね」

「もう2月だが、寒波はまだ去っておらぬからな」

一組の布団で、横になって眠る。

恋次は腕の中に白哉を抱きこむかのように眠った。それが暖かくて、白哉も何も言わずに眠った。

しんしんと、外では雪が降ってきた。

今年もまだ寒い季節が残っている。

雪は、降り積もる。

ただ、しんしんと。





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好きなものは好き6

その日は、ただの土曜なのにバースディケーキが用意されてあった。

「どうしたのだ、これは」

「お前なぁ、自分の誕生日も忘れたのかよ」

「あ・・・・・」

そういえば、今週の火曜が誕生日だった。

「ま、金曜の夜から月曜の朝までしか現世にいられないお前を、リアルタイムで祝ってやれなかったが・・・・・誕生日おめでとう、ルキア」

ぽろりと。

ルキアは、涙を零した。

「ル、ルキア?」

「兄様にも恋次も祝われたのに・・・・何故か、貴様に祝われると、涙が溢れてくるのだ」

「それは、心から嬉しいってことだ」

ルキアの頭を撫でて、よしよしとすると、ルキアは抱き着いてきた。

「一護・・・・・!」

「ほら、泣き止めよ。俺はどっかにいったりしないから」

切ったバースディケーキは、ケーキが美味いという店で予約注文していたもので、とても美味しかった。一護も食べた。

チョコレートが好きな一護らしい、チョコレートケーキのバースディケーキだった。

「ここのチョコケーキ美味いんだよなぁ」

「貴様の好物だものな、チョコレート」

「チョコレートケーキのバースディケーキ嫌だったか?」

「そんなことはないぞ!美味かったし、嬉しかった!」

「そっか。誕生日プレゼントもあるんだ」

うさぎの形をした、アップリケのついたマフラーとニット帽子と手袋だった。

「まだまだ、寒いからな」

「チャッピーか!」

「いや、チャッピーじゃねぇんだけど、一応うさぎ。今年はうさぎ年だしな」

「これはみんなチャッピーだ!」

ルキアは目をきらきらさせて、それを身に着けた。

「うむ、あったかい」

「暖房つけてるからな。外に出るときに使えよ」

「ありがとう、一護!」

抱き着いてくるルキアに押し倒された。

「あと、もう1つ贈りたいものがある・・・・・」

「なんだ?」

首を傾げるルキアが愛らしくて、ちょっと見惚れていたけれど、小さな包みを一護はとりだした。

中をあけると、宝石をいれる箱がでてきた。

「え・・・・」

「バイトの給料入ったから。約束してた、エンゲージリング。ただのホワイトゴールドだけど・・・・」

とてもシンプルな指輪だった。

ルキアの手をとって、その細い指に指輪をはめた。サイズはぴったりだった。ルキアが寝ている間に、指のサイズを図っていたのだ。

一護は、自分で自分の分をはめようとすると、ルキアに拒まれた。

「一護の分は、私がつける」

一護の少し大きな手をとって、その指にホワイトゴールドの指輪をはめた。

「大事にするから、一緒に生きてくれるか」

「ああ、一緒に生きよう。お前が死する時まで。死すれば、魂魄と共に尸魂界で、千年を共に・・・・」

「ルキア、愛している」

「私も、愛している」

そのまま唇が重なった。

二人は、ベッドにもつれあいながら倒れた。

そのまま、指を天井の明かりに透かして見せる。

「そうだ、これ安かったから・・・・」

アメジストをつないでできたブレスレットを、一護はルキアの右手首につけた。

「アメジストか。私の瞳の色と一緒だとよく言われる。この宝石は好きだ」

「ま、5千円くらいのグレードの低い石の集まりだけどな」

「グレードや値段など、関係ないのだ。貴様が選んで私に贈ってくれたことに意味があるのだ」

ルキアは、またぽろぽろと涙を零した。

「ルキア?」

「幸せすぎて、怖い」

「幸せのどこが怖いんだ」

「もしも今、一護を失えば私は生きていけぬ」

「どこにもいったりしねーよ。ずっと傍にいるから。まぁ、火曜~木曜はあえねぇけど」

ルキアは、こくりと頷いて、一護の胸に顔を埋めた。

「こそばゆい」

「幸せをかみしめているのだ。少し我慢しろ」

ルキアの髪をゆっくりと撫でて、頭も撫でた。

「一護の傍は心地よいな・・・・・」

ルキアはトロンとした目つきで一護を見つめてきた。

一護は冷静に冷静にと、心がけてはいるが、ルキアにスイッチが入ってしまった。

「一護が欲しい・・・・・」

細い体を密着させて、腕に胸が当たるようにする。

「貴様が欲しい・・・・」

「ルキア・・・」

一護も男だ。恋人に欲しいと言われて、逃げるような男じゃない。

「前みたいに、優しくするから・・・・」

「酷く扱ってもいい。一護になら、私は・・・・・」

「そんなの、俺が嫌だ。ルキアには感じてほしい。気持ちよくなってもらいたい」

「一護」

「ルキア」

互いの名を何度か読んで、お互いの服を脱がせあった。

ルキアは相変わらず真っ白な肌で、数回体を重ねたが、新雪のような肌の色だった。

それを、一護が自分色に染め上げていく。

「ルキア、痛かったら言えよ」

「今まで痛かったことなどない」

初めての時だって、痛みより快楽が勝っていた。

もう数回体を重ねているので、一護が入ってくるのにも慣れた。

「好きなだけしてよいから」

「ああもう、かわいいこというなよ」

ルキアを抱き締めた。

キスをする。

そして夜は更けていくのだった。






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浮竹と京楽と海燕と 苺大福

「起きろおおおおおおおおおおおお」

「いやだああああああああああ」

「起きろおおおおおおこのやろおおおおおお」

「布団ひっぺがすのやめろおおおお、海燕ーーーーーーー!」

毛布と布団にしがみついた浮竹を、海燕はめんどくさくなって、ぺっと廊下に放り投げた。

「寒い!でも毛布と布団がある!くるまれば平気だ!」

寒い空気が入ってくる縁側の廊下で、それでも浮竹は寝ようとしていた。

「ごら”あああああああああああ」

それに切れた海燕が、廊下で一人ぬくぬくしている浮竹の毛布と布団を奪った。

「寒い!この薄情者!」

「10時まで寝てるあんたが悪いんです!」

「まだ10時だろう!」

「あんたね、死神の業務開始時間9時!9時ですよ!もう1時間遅刻してますからね!」

「よそは「




よそ、うちはうち」

「がーーーーー!!!」

頭を掻きむしった海燕は、浮竹の目のまえに水のはったたらいを置いた。

「顔洗ってください。少しは眠気もすっきりするでしょうし」

浮竹は、大人しく顔を洗った。

「つめたい!タオル!」

「ばつでタオルはなしです」

「こうしてやる!」

海燕の死覇装で水気をぬぐった。

「うわ、何しやがるんだ、あんた!」

「海燕が、タオルを渡してこないからだ」

「だからって、普通人の服でふきますか!」

「俺ならふく!」

「だーーーーーー!」

朝餉を用意されて、普通に食べた。

その間も時間は進んでいく。10時半になった。

ようやくすっきりした顔で、普通の隊長達より1時間半遅く、13番隊のTOPである浮竹が動き出す。

すでに13番隊全体は仕事を始めており、たまってきた書類が回されてきた。

冬は、眠りたいという強い本心からか、仕事をする速度もその中身もほぼ完ぺきだった。

「これは昨日のだな。何故、昨日のうちに出しておかなかった」

「あんたが甘味屋いって、京楽隊長のところに泊まりにいくからです」

「う、うむまぁやむをえない事情があったんだな」

「人の話聞いてるのか、あんた」

その間も、浮竹は書類に目を通し、ハンコを押していく。

つけたす書類には、筆で文字をしたためた。

「これ、8番隊に回す仕事だな。後で俺がもっていく」

「そのまま泊まって、この前みたいにめっちゃ大遅刻したら、怒りますからね。3時のおやつ1か月抜きの刑です」

「殺生な・・・・・」

きびきびしていた浮竹が、げんなりとしおれる。

3時のおやつ抜きは、かなり堪えるらしい。

「今日のおやつは、苺大福です」

「なんと!最近人気の、現世のやつか!」

「そうです」

「よし、きびきび仕事するぞ」

夕方の6時までかかると思われた仕事も、昼休憩をとって1時からはじめた午後の部の、ちょうど3時に仕事は終わってしまった。

「相変わらず、仕事する速度は冬は早いですね。ミスもないし・・・・」

棚から苺大福をとりだして、皿にのせて浮竹の前にさしだす。

「これが苺大福・・・・」

おそるおそる、一口食べて、目を見開いた。

「苺の果実の味に大福がまっちして・・・・うーまーいー!」

「そんなに美味しいですか。まぁ、今日は特別ですよ。もう1個あげます」

「海燕、大好きだーーーーーー!」

海燕を押し倒して、苺大福をほうばっているシーンを、やってきた京楽に目撃された。

「京楽隊長、これは誤解ですから!」

ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・。

そんな音をたてていると思ったら、腹の虫の音だった。

「僕にも苺大福ちょうだい」

にへらっと笑ってきたので、海燕も安堵する。

「京楽隊長はいつも3時頃には遊びにくるので、ちゃんと用意してますよ」

京楽も、苺大福が気に入ったようで、部下に買わせにいくとかいっていた。

その分、浮竹は部下に何かを買いに行かせないはしない。

どうしても欲しいものがあると、京楽に頼み込む。そして京楽は、自分の部下や家人を用いて、現世のものを買ってくる。

「いいねぇ、これ。甘味屋に売ってもらうようにしたらどうだい」

「それはナイスだ。今度、壬生の甘味屋にリクエストしておこう」

その後、壬生の甘味屋では苺大福がヒットして、繁盛している店が更に客が多くなるのだった。

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浮竹と京楽と海燕と さぁ献血しよう

13番隊で、遠征任務があった。

いつもはほわほわしている浮竹も、この時ばかりは真面目になる。いや、真面目であってほしいと、海燕は思った。

流魂街にある森で、キャンプをした。

対象の虚は複数で、流魂街でも最終地区あたりに出没して、民を貪り食っているという。流魂街の最終地区に近づく度に治安が悪くなり、民の犠牲がなくとも、住民通しで殺し合うような世界だった。

「俺、ちょっと山から何かとってくる」

そう言って、浮竹はふらりといなくなった。

海燕が仮眠していた時なので、止める者もいたが、「まぁまぁ、こんな森の中だし、対象の虚までは遠いから」と言って、キャンプ地を出て行ってしまった。

数時間しても帰ってこない浮竹を心配して、平隊士が海燕を起こした。

「何ー!隊長が山で何かとってくるといっていなくなった!?」

「はい、すいません、もっと強くおとめすれば・・・・・・」

「いや、あんたは悪くない。悪いのは隊長だから。霊圧で探ってみる」

霊圧探知にも長けた海燕は、すぐに浮竹の霊圧をキャッチした。

どこにも違和感はなく、いつもの隊長の霊圧で、乱れはなかった。

「虚に襲われているんじゃないな・・・でも、なんでこんなに帰りが遅いんだ?」

浮竹の霊圧を辿って森の中に入っていくと、木苺がたくさんなっていた。

「まさか・・・・」

浮竹は、木苺を食べながら集めていた。他の隊士の分もと、布袋にいっぱいになるまで、摘み取っていた。

「はぁ・・・・」

「うわ、びっくりした。海燕じゃないか。こんなところでどうした?」

「どうしたもこうしたもありませんよ。あんたの帰りが遅いから、様子を見に来たんです」

「ああ、じゃああれ運ぶのも手伝ってくれ」

木苺がなっている森の奥に、一頭の鹿が急所を貫かれて死んでいた。刀傷によるものだった。

「あんたが、とったんですか」

「ああ、そうだが?隊員たちに、新鮮な肉を食わせれると思ってな」

やはり、浮竹は優しい。木苺を集めたり(自分でかなり食べてたけど)こうやって獲物をとったり。

「そこらへんの山菜や、茸もとったんだ。鍋にでもするか」

海燕は立派な雄鹿を担いで、浮竹と一緒にキャンプ地に戻ってきた。

「隊長!ご無事でしたか!」

「今日は鹿の肉の鍋だ。まずい携帯食だけでは腹がすくだろう。あとは、デザートに木苺をとってきてある」

女性隊士が、叫んだ。

「浮竹隊長、こんな森の中でもサバイバル生活できそうですね!すてき!」

「いやなぁ、子供の頃貧乏で、よく山や森に入っては、獣を仕留めたり、山菜や茸、果物をとっていたんだ。畑をもっていたから、自給自足っぽい生活だったけど、やっぱ肉は仕留めないと高いからな」

からからと明るく笑う浮竹からは、子供の頃は貧乏だったという辛い思いを、微塵も感じられない。

「隊長は強いですね・・・・・」

「何がだ、海燕?」

「いいえ、こっちの話です」

海燕も、自分の一族が没落していく姿を子供心に見ていた。あんなの、もう思い出したくもない。なのに、浮竹は思い出しても、辛さを感じさずに普通に話す。

正直、羨ましかった。

鹿の肉の鍋は美味しかった。味噌をもってきていた者がいたので、みそ味にしていただいた。

毛皮はなめして、京楽への土産にもって帰ることにした。

流魂街の最終地区につき、出てきた虚の群れを、浮竹は切り殺していく。海燕も負けるものかと、他の隊士たちと一緒になって、虚の群れにつっこんでいった。

「緑色のやつ、体液が酸だ!気をつけろ!」

浮竹の言葉に、はっとなるが、目の前の女性死神が緑色の虚を切り裂いて、返り血を浴びそうになっていた。

無我夢中で、庇う。

背中に、酸の血を浴びて、海燕は苦痛のうめき声をもらした。

「くそっ」

「離れろ!破道の8、白雷!」

浮竹の放った鬼道で、緑色の虚たちは黒焦げになった。

「残りは少ない。いけ!」

席官も、平隊士も、互いに合図しあいながら慎重に討伐を進める。

最初は指揮のもなかったが、浮竹がまとめあげると、隊はその通りによく動いた。

浮竹が、あとは席官に任せて、海燕のところにやってきた。

「大丈夫か、海燕」

「少し、背中に酸を浴びました。痛いけど、死ぬほどじゃあありません」

「回道の得意なものはいるか!」

「あ、はい!」

3席の清音は、今は瀞霊廷にいる。他の隊士で回道の得意な死神を呼び出して、とりあえず火傷がこれ以上酷くならないように、応急手当てをしてもらった。

「帰ったら、4番隊の救護詰所いきだな。あそこの飯は不味いぞー。そして卯ノ花隊長は菩薩で阿修羅だ。怒らすとどうなることか・・・・」

話を聞いているだけで、汗がでてきた。卯ノ花隊長が怖いのだ。何度が浮竹の見舞いにいって騒いでいたら、元気がありますねと、無理やり献血されて、しおしおになった記憶がる。

「とりあえず、虚の駆除もおわったようだし、引き上げるぞ!怪我人は応急手当てをしてもらえ!」

浮竹もいたので、今回は死者や重傷者はでなかった。

軽傷の者が数名だ。

そんなこんなで、13番隊の遠征は終わった。


「おかえりー」

ずっと、浮竹を待っていた京楽が、雨乾堂で抱き着いてきた。

「離れろ。湯浴みを数日できなかったから、体はふいていたが、風呂が先だ」

「浮竹は綺麗好きだもんね」

湯浴みをして、あがってきた浮竹を京楽は押し倒した。

「盛っているのか?」

「うーん、半分正解だけど、帰ってきたばかりの君を襲うほど、節操なしじゃないよ」

京楽をどけて、浮竹はなめした鹿の皮を袋から取り出した。立派な角もついていた。

「どうしたの、これ」

「俺が仕留め、隊で鍋にして夕食になった」

「ちゃんとなめしてあるね。上等な毛皮だ。ありがとう。もらっておくよ。ところで、海燕君は?」

「ああ、あいつは女性死神を庇って、酸の返り血を背中に浴びて、今4番隊の救護詰所で治療中だ」

「へぇ、海燕君が。怪我するなんて初めてじゃない?」

「まぁ、庇ったからな」

「男の鏡だねぇ」

京楽は、浮竹をまた押し倒していた。

「やっぱり、前言撤回。抱くよ、君を」

「好きにしろ・・・・」



「ああ!」

中に入っていた京楽の灼熱が、前立腺をすりあげていく。

その刺激に耐え切れず、浮竹は精液を放っていた。

「んっ」

いっている最中だというのに、京楽の動きは止まらない。

何度も前立腺を突き上げられた。

「ひう!」

最奥を突きあげられる。

そのまま、腹の奥で何度目かになるかも分からない熱をぶちまけられて、京楽も満足した。

「春水・・・キスしてくれ」

「十四郎、愛しているよ」

舌が絡み合う口づけを交わす。

まだ繋がったままだった。

「まだするのか?」

「まだしてもいいなら、する」

「んっ・・・好きにしろ・・・・」

ぱんぱんと、腰と腰をがぶつかりあう音が響いた。

結合した場所はお互いの体液と潤滑油で粟立っている。

「ひああああああ!」

もう、浮竹は精液を出し尽くしており、オーガズムでいくことしかできなかった。

とろとろと透明な蜜を零して。

「あ、あ、あ!」

体位を変えて、後ろから突き上げた。

中を抉られて、浮竹が啼く。

「んあああ!」

そのまま最奥にまで入ってこられて、最後の熱を浮竹の中に放って、京楽ももう出すものがなくなって、浮竹の中から出る。

とたんにこぽりと逆流してきた精液を、濡れたタオルでふきとる。

「一緒に、湯浴みしようか」

「ああ。体液でべたついてて、洗い流したい」

一緒に風呂に入った。

いつもは着替えとかを用意してくれている海燕は今はいないので、いつも置いてある浴衣をきた。

「そんな恰好じゃ、寒いでしょ」

「お前も同じ格好じゃないか」

京楽も、浴衣姿だった。互いの下着は用意されてあったが、夜に着る着物がなかったので、浴衣になった。

京楽は、新しい布団をだして、そこに寝そべり、ぽんぽんと隣を叩いた。

そこに、浮竹がもぐりこむ。

「人間ホッカイロだな。あったかい」

まだ季節は2月。まだ肌寒い季節だ。

布団の上に横になると、遠征の緊張感と疲れと、セックスの疲れからか、すぐに浮竹はうとうとしだして、眠ってしまった。

「明日、海燕君を見まいに行こうって・・・寝ちゃってるか」

抱き着いてくる浮竹の頭を撫でて、京楽も眠りにつくのだった。

翌日、海燕の見舞いにいくと、海燕はげっそりしていた。

「怪我人なのに・・・・珍しい血液型で今不足してるからって、献血された」

しおしおだった。

「しかもほんとに食事不味いし・・・都の手料理が食べたい・・・・」

「まぁ、京楽家の料理人が作ってくれた弁当だ。これでも食べて、少しは元気だせ」

重箱の弁当箱を浮竹から渡されて、海燕は素直に喜んだ。

「ここの料理、味うっすいし、不味いし・・・・」

京楽が、顔を蒼くする。

「う、海燕君」

「怪我人に献血させるなんて最低だ」

「う、海燕・・・・・」

「そうですか。そんなにここが気に入ってくれたのですね」

いつの間にか現れた卯ノ花に、その場にいた誰もが顔を蒼くした。

「あら、京楽隊長も元気そうですね。献血にいきましょう。浮竹隊長は、発作はおちついていますか?」

「あ、ああ。最近は発作はないな」

「浮竹ー助けてーーー」

ずるずると献血室に運ばれていく京楽を、浮竹も海燕も涙目で別れを告げた。

「昨日はあれが俺だったんです。隊長は、体が弱いから血を吐きすぎて輸血されることはあれど、献血されることなくていいですね。ほんと、しおしおになるまでとるから・・・」

卯ノ花隊長は、菩薩のように優しくて、般若のように怖いのであった。








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好きなものは好き5

「ルキア、おい起きろルキア」

「んー。あと10分・・・・」

「今日は月曜だぞ。尸魂界に戻らないといけないんだろ」

その言葉に、ルキアはがばりと起きた。

「い、今何時だ!」

「9時前だ」

「ああああ、仕事に遅刻してしまう!朝飯はいい、このまま尸魂界に帰る!」

ルキアは慌てていた。

「弁当作ったから、もっていけ」

「すまんな、一護。一護の料理は美味いので嬉しい」

朽木家の料理人にも負けない料理の腕を、一護はもっていた。

弁当を手に、死覇装姿のルキアは穿界門をあけてもらい、尸魂界に帰っていった。

「ふう・・・・また金曜まで、お別れか」

少し寂しいが、また金曜に会えると思うだけで元気がわいてくる。

朝食を食べ、一護は今日は大学が休みなので一日中バイトをいれていた。駅前のラーメン店でバイトしていた。

高校時代に働いていた、なんでも屋のうなぎ屋はやめてしまった。

今はひよりがバイト員として存在している。

「さて、俺もバイトに行くか・・・」

家を出ようとして、穿界門が開いた。

「なんだ?」

ルキアが現れる。

「どうしたんだよ。忘れ物か何かか?」

「忘れていた・・・今日は、瀞霊廷は祝日なのだ。仕事がない」

帰ってきたルキアは、どさりとベッドに横になった。

「俺、今日はバイトだから。ルキアも一緒にくるか?」

「ああ。前に日雇いで雇ってもらったラーメン店のバイトだな?」

いつもはバイトを入れない土日の、ルキアとの大切な時間に、インフルエンザがバイトたちの間で流行ってしまい、ピンチヒッターとして一護がバイトに出かけたことがある。

ルキアは、長い時間一人でいるのもなんだからと、一護のバイト先で記憶置換を使って給仕係として働いた。

その時の記憶は店長にまだあり、ルキアはバイトしているということになっている。

ただ、本当にたまにしか働きにこないが。

「自分の食費くらい、自分で稼がねばな」

いつも出している食費は、死神として与えられた給料の中からだしているが、貨幣価値が違うので、現世のほうがものが安い。給料自体は、死神のほうが高いが。

危険手当も含まれているし、ルキアは13番隊の副隊長であり、実質13番隊のTOPだ。

浮竹が亡き今、ルキアを隊長にという声が高くなっている。

隊長になってしまうと、今までのような生活が出来るか分からなくて不安だった。

「じゃあ、死覇装着替えて普通の私服着て、ラーメン店行こうぜ」

ルキアと手を繋ぎながら、ラーメン店まで歩いた。

店は繁盛している様子で、ルキアがバイトに入るというと、店長は喜んで迎え入れてくれた。

「醤油ラーメン一丁!」

給仕係として世話しなく働くルキアの姿は新鮮で、ラーメン店の制服も似合っていた。

昼休憩になり、賄いにラーメンを食べて、一息つく。

「バイトしながらでも、一護と一緒にいるだけで幸せにになる」

そんなことを言うルキアに、我慢ができずにルキアを抱きしめていた。

「男の客が、お前を目で追っているのが嫌だ」

「それ言えば、女の客が貴様を目で追っているのが不快だ」

こつんと額をぶつけあって、クスクスと笑いあった。

「まぁ、お互い仕方のないことだ」

「そうだな」

バイトが終わったのは、夜の9時だった。

24時間開いているスーパーで食材を買って、ルキアと手を繋いで帰路につく。

「今日はエビチリと麻婆豆腐な」

「腹が減った。早く帰って作ってくれ」

自宅に帰ると、一護は慣れた手つきで夕飯を作った。

それをペロリと平らげて、ルキアは風呂に先に入った。その後、一護も風呂に入った。

夜の11時になっていた。

まだ髪が湿っているルキアの髪を、ドライヤーで乾かしてやった。

二人で、抱きしめ合いながら、ベッドに横になる。

「こんな日が、毎日続けばいいのにな。まぁ、流石に無理だろうけど」

ルキアを抱きしめる手に力をこめて、自分のほうに抱き寄せる。

「鼓動の音がするな」

トクントクンと脈打つ一護の心臓の音が、聞こえてきた。

「好きだぜ、ルキア。愛してる」

「私も、貴様を好きで愛してる」

唇が重なった。

明日は大学で、ルキアも死神の業務があると分かっていたが、互いを脱がしあって睦み合った。

「んあ!」

濡れた声を出すルキアの声がもっと聞きたくて、優しくしながらも征服していく。

「ああ、一護!」

「ルキア・・・・」

何度も体を重ね合った。

次の日、ルキアはやや寝不足気味で、腰が痛いようだった。

「すまねぇ、無茶させすぎたな」

「構わぬ。私も求めたのだから」

抱擁しあい、触れるだけのキスをして、ルキアは今度こそ本当に尸魂界に帰って行った。

「昨日のルキア、かわいかったなぁ」

頬が緩むのを感じた。

金曜にまた現世にきたら、思い切り甘やかしてやろう。好物の白玉餡蜜も作って。そう思う一護であった。

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浮竹と京楽と海燕と かき氷

「海燕、おはぎ食うか?」

「いきなりなんですか。なにかたくらんでるんでしょう!」

浮竹に声をかけられて、おはぎののった皿を差し出されて、海燕は警戒した。

「なんでそうなる。ただ、好物だからあげようと・・・」

「さては、おはぎで寝過ごすことを懐柔しようという作戦ですね!」

「いや、違うんだが・・・・・」

「甘い言葉には裏がある!隊長の優しさは打算でできている!」

「酷くないか、それ」

いつもの自分を顧みる。

意地汚く寝れるまで寝て、海燕を怒らせて、熱が下がったとたんに甘味屋に行ったりして怒られる。

「なんかあんまいいことないな、俺の人生・・・・・」

日々がそれなのだから、海燕に警戒されても仕方ないかもしれない。

「まぁ、ここに置いておくから、食べたい時に食べてくれ」

「まじですか」

海燕は、浮竹の額に手を当てた。

「平熱だ。明日雨が降る」

「そこまで言うか」

浮竹は苦笑するしかなかった。

「やあ、お邪魔するよ」

京楽がいつものように、遊びにやってきた。とはいっても、仕事を抱えていたので、浮竹のいる雨乾堂で一緒に仕事をしようという魂胆だ。

それでも仕事をしてくれるだけましだと、七緒は思うだろう。

七緒は副官になってまだ数年足らずだ。いろいろと海燕から習うことがあり、たまに酒を飲み交わしたりしている。

海燕は妻帯しているので、その気はない。

「おはぎもってきたよ」

京楽は、重箱にいれられたおはぎを見せた。

「もう食べた後なんだ」

浮竹は、それでもおはぎを持ってきてくれたことが嬉しいのか、笑顔だった。

「明日の分にとっておこう」

「あれ、そのおはぎ・・・・誰も食べないの?」

机の上に置いてあった、皿に乗ったおはぎを、京楽が見下ろす。

「これは、俺の分です」

海燕が、さっと皿をとった。

「海燕、さっきは散々詰っといて、結局は食うのか」

「食べますよ!隊長がせっかく用意してくれたものだし!」

「じゃあ、僕のもってきたおはぎは冷蔵庫にいれておこうか」

小さいが、冷蔵庫にいれて冷やしておくことにした。

この季節、食物は傷みやすい。

季節は5月の終わり。新緑も鮮やかで、葉桜が綺麗な季節だった。

庭では綺麗に紫陽花が咲いており、雨乾堂の花瓶にも紫陽花が活けられていた。

「そろそろ暑くなる季節だからねぇ。浮竹は、脱水症状と、直射日光に気をつけてね」

「ああ、分かっている」

蝉が鳴き出す季節まであと、2カ月。

今年も猛暑らしい。

あまりに暑い時は、井戸の水をかぶるのだが。水風呂に入る時もある。

梅雨の始まりの季節か、空気は湿っていてじめじめしていた。

「ああ、なんかこの季節はこれからどんどん暑くなっていくから、億劫だな」

「そうだね」

「夏が暑いのは当たり前でしょう」

皿の上に置いてあったおはぎを食べながら、海燕がいう。

「とにかく、隊長はあんまり水風呂に入ったり、井戸の水を浴びないこと!」

「えー、横暴だ」

「その度に風邪引いて熱だすのに、あんたもこりないな!」

「熱だしても涼しいほうがいい」

「あー、もぅ!」

浮竹の楽観的な思考に、海燕はいらっときた。

「まぁまぁ。浮竹、水風呂に入るのも井戸の水を浴びるのも、僕と一緒ね。僕と一緒なら、体を冷やし過ぎることはないから」

「それもそうですね。京楽隊長、うちの隊長をお願いします」

「うん。任して」

「なんか、俺が問題児みたいじゃないか」

「実際そうだから、言ってるんです」

海燕は腰に手を当てた。

「まぁ、あんまりに暑ければ僕のもっている氷室を開くから」

「お、いいな。かき氷食べたい。今すぐに」

「ええ、今すぐ?」

「ああ。喉もかわいているし、少し暑いし今かき氷が食べたい」

浮竹の我儘に、京楽はとても甘くて。

「じゃあ、氷室から氷もってきてもらうから、仕事を片付けておこう」

京楽家の人間あてに言伝を頼んで、京楽は浮竹の隣の黒檀の文机で仕事を始めた、

1時間ほどして、大きめの氷が届いた。

「かき氷機あるかい?」

「えっと、去年のがここらへんに・・・・あった」

押し入れを探して、かき氷機を見つけると、すでに用意されていたシロップを浮竹が味見していた。

シャリシャリと氷が削られていく。

浮竹は苺のシロップを選んだ。

京楽は宇治金時で。

いつもはそんな機会のない海燕も、メロンシロップをかけたかき氷を食べた。

「シロップって、すごい色してますね。体に毒じゃないんですか」

「まぁ、毒ではないし、過剰摂取しても大丈夫だよ。食べれるものでできているからね」

メロンシロップの鮮やかな緑が、目に痛かった。

今年も夏も、また浮竹は直射日光でやられたり、水浴びをして熱を出したりするんだろうなと思いつつも、海燕は夏がくるのを歓迎した。

全然起きてこない冬よりは、いいからだ。

冬の浮竹は、布団にしがみついて離れない。

廊下に転がしても、毛布を被って眠りだす。

そんな苦労のある季節よりは、夏のほうがましであった。





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好きなものは好き4

ルキアが大好きだ。

大切にしたい。でも、めちゃくちゃにもしたい。相反する感情が押し寄せてきて、一護は目を開けた。

アパートの自室だった。

腕の中には、ルキアの細い体と体温があった。

「ルキア・・・・」

「ん・・・・」

腕の中で、ルキアは気持ちよさそうに眠っていた。

金曜の夜にきたときは、徹夜が続いたそうで、倒れかけていた。

なんとか食事と湯あみをすませて、早めに一護と、一護のベッドで横になった。一護はそれが8時頃だったので、さすがに3時間ほど眠れず、ルキアの寝顔をずっと見ていたが、それだけで幸せな気分になれた。

「ルキア・・・大好きだ」

「いち・・・ご?」

ルキアがぼんやりと覚醒と眠りの狭間を漂っている。

それが大分気持ちいいのだろう。

とろんとした目つきで少し目をあけたかと思うと、また目をつむって眠りにつく。

ルキアを抱き締める腕には力をこめず、休日なので好きなだけルキアを寝かせることにした。

もう、朝の10時を回っていて、普通ならルキアも起きる時間なのだが、しばらくの間激務が続いて睡眠時間をとれなかったせいか、まとめて眠るように、長い時間寝ていた。

一護も、いい加減起きないとと思って、そっと離れようとすると、ルキアが一護の手をひっぱった。

「いちご・・・もう少し、このままで・・・・・」

浅い眠りの狭間を漂っていたルキアは、寝ぼけ気味だが覚醒したようだ。

「このまま、抱いていればいいのか?」

「ああ。貴様が辛くなければ・・・この体勢は、安心するのだ」

体温を共有できるからと、小さく付け足す。

「貴様の鼓動の音がする・・・・」

「それはルキアだって同じだろ」

二人で、ベッドの上でお互いを抱き締めあったまま、寝転んでいた。

「腹減らねぇ?」

「ん・・・少し、すいた」

しばらくの間ベッドの上でごろごろしていたが、昼前の11時になり、流石に起きねばと、ルキアを起こして一護も起きた。

「昼飯、炒飯でいいか?」

「なんでもいい・・・・・」

一護が作ったものはなんでも美味い。それを知っているので、なんでもいいと言うのだ。

「私は、昼飯ができるまでもう少し横になっておく。貴様の残り香のするベッド、悪くない・・・・・・・」

ルキアは、今日は一日をだらだらすると決めたようで、一護の炒飯ができるまで、ベッドの上で寝転がっていた。

今日の昼のメニューは、炒飯と中華スープ、それに杏仁豆腐だった。

「ほら、ルキアいい加減起きろ」

「んーーー・・・・」

また、眠りの海を漂っていたルキアは、一護の腕をとった。

「キスしてくれれば、起きる」

「お前なぁ・・・・」

「おとぎ話のお姫様は、王子様のキスで目覚めるのだ」

一護は、溜息をつきながらも、ルキアに啄むようなキスをした。

「もっと・・・・」

せがまれて、何度も口づけを交わしあった。

「んっ」

朝から、盛りそうな勢いで、一護は顔を洗いにいった。

ルキアも顔を洗って、テーブルに置かれた二人分の昼食を見る。スプーンを手に、まだ顔を洗っている一護を置いて食べだした。

「中華もうまいな。現世は、本当に美味い物が多い」

美味しそうに食べるルキアに、一護も作ってよかったと思った。

「今日は、家でごろごろするのか?」

「ああ。大戦の復興の処理が一気にきて、体も酷使したので、ゆっくり休養したい」

「マッサージでもしようか?」

「おお、それはいいな。肩が凝っておるのだ。揉み解してくれ」

昼食を食べ終わり、後片付けを終えた一護が、ベッドにうつぶせで横になったルキアにまたがって、まずは肩を揉みだした。

「んっ。そうだ、そこがいい。きもちいい・・・・・・」

「けっこう凝ってるな・・・・・・」

「ん・・・ああ、きもちいい・・・・」

肩を揉んだ後に、腰を揉みだすと、ルキアは本当にきもちよさそうにしていた。

ぐっぐっと力をこめて揉んでいると、ルキアは満足したようだった。

「もういい。今度は貴様が横になれ。私が揉んでやる」

「肩凝ったりあんましてねぇんだけどな」

「それでも、筋肉は使うから多少の疲労はあるはずだ」

肩をもんでいくと、一護も気持ちいいと感じた。

「ああ、いいなこれ。普通に揉みほぐし30分コースとったら、3千円もするんだよな。こうやって、お互いを揉んでいればただだ・・・・」

つい、貧乏気味なので、お金の換算をしてしまう。

ルキアの分の食費は、ルキアが出していた。

ルキアがアパートを借りているお金や学費、生活費の資金援助をしようかと言ってきたが、断った。

食費は流石に生活が苦しくなるので、もらっているが、彼女に全部お金を出させるなんて、男の風上にも置けないようなことはしない。それが一護のポリシーだ。

土日は、ルキアといれる日なのでなるべくバイトを入れないようにしていた。

次の日の日曜は、ルキアを連れて実家にまで戻った。

「一兄!」

「お兄ちゃん!」

遊子と夏梨は、年頃で彼氏とかもいるらしい。まだ高校生だが。

「ルキアちゃん、久し振り!」

「ああ、遊子と夏梨も元気でいたか?」

「お父さんはああああ、ルキアちゃんがこのまま嫁にくればいいと思っている!」

一心が涙ながらにルキアを抱き締めた。

「一心殿・・・・・」

「ルキアとは、結婚前提で付き合ってるから」

「一護!」

「俺はそのつもりで付き合っている」

「おおおお、ルキアちゃんは是非現世でも結婚式を挙げてほしい。尸魂界でも結婚式を挙げるかもしれないが!」

まだまだ、先の話なのに、一心は真咲の大きな遺影に式場はどこがいいだろうなどと、語りかけていた。

「俺の部屋にいこうぜ」

「ああ、分かった」

一護の部屋は、そのままにされてあった。

高校時代の学生服が、ハンガーにかかっていた。

「懐かしいな、この景色も。この窓から、いつも私は出入りをして・・・・押し入れで寝泊まりをしていた」

「最初の頃はな」

「日番谷隊長の先遣隊となった私は、再びこの部屋で生活をしだした。あの頃には、もう同じベッドで眠っていたな」

「お互い、好きとかそんなのぬきで、寝てたよな」

今も同じベッドで眠っているが、その頃から今と同じように眠っていたのを思い出す。

「そうだな。恋次と同じように接していた」

「恋次ともああやって寝てたのか?」

「真央霊術院に入るまでの話だ」

「そうか」

一護は、ルキアを抱き締めて、とさりとベッドに寝転がった。

「いつか、結婚してくれるか?」

「ああ、いいぞ」

一生に一度あるかないかの告白だったが、案外あっさりだった。

「給料入ったら、エンゲージリングでも買うか。あんま高いのは買えねぇけど。ホワイトゴールドの指輪くらいなら、ペアで買えるだろ」

「私が、金を出そうか?」

「こういうのは、男が出すんだ。ルキアは何もしなくていい」

「そうか・・・なんだか、眠くなってきた・・・・」

「寝てもいいぞ」

「うむ・・・少しだけ、寝る・・・・・」

スースーと寝息をたてだしたルキアに、よほど疲れてたいたんだなと、一護はルキアを抱き締めながら、ルキアを大切にしようと、改めて誓うのであった。



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