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一護と入れ替わった件

昔、過去に海燕、京楽、白哉、日番谷と入れ替わったことがある。

最近はそうそうないので、すっかり忘れていた。

「じゃあ、浮竹さん」

「ああ、またな一護君・・・ごほっごほっ」

思わず咳込んでしまい、しゃがみこむ。

「大丈夫かよ、浮竹さん」

「ああ、ちょっと咳込んだだけだ・・・・・・」

立ち上がろとして、ゴチンと頭をぶつけた。

「あいたた、あれ、一護君がいない?」

「あれ、浮竹さん?えええ、俺がいる!?」

「ああ、また入れ替わったのか」

昔から時々、頭をぶつけると、中身がいれかわるのだということを説明した。

「じゃあ、2時間ほどで元に戻る思うから、雨乾堂で適当に寝ててくれ。俺は、現世に久しぶりに行ってみたいから、このまま君の自宅まで帰る」

「ちょっと、浮竹さん!」

浮竹は、一護の制止の声を無視して、穿界門の彼方、現世へと帰ってしまった。

「雨乾堂って・・・・どっちだ?」

一人もんもんと悩んでいるところを、尻をさわられた。

「ぎゃあああああああ!?」

「どうしたんだい、浮竹。こんなところで」

抱き締めてくる。キスをされて、一護は死にかけた。

「違う違う!中身はあんたの恋人の浮竹さんじゃなくって、黒崎一護だ!」

「はぁ!?また入れ替わったの、浮竹のやつ。うえええ、一護君にキスしちゃった」

「それはこっちの台詞だ!」

一護はぷんすかと怒りだした。

「京楽さん、あんたと浮竹さんができてるのは知ってるけど、外でもこうなのかよ」

「そうだよ。僕ら、交際してること否定しないから、こうだよ」

浮竹の体の一護は、深いため息をついた。

「で、浮竹はどこに?」

「現世にいってみたいって、俺の家に帰った」

「仕方ない・・・僕らも現世にいってみよう」

京楽の言葉に、一護が不思議がる。

「いいのか、京楽さん。あんた隊長だろ、その勝手に現世にいったりして」

「なーに、緊急事態さ。ばれて怒られるとしても、山じいから説教されるくらいさ」

こうして、二人は現世に赴いた。

その頃、黒崎家では。

「このたわけ!」

いきなり、ルキアに顔面を蹴られた。

「くくく、朽木!?」

「貴様というやつは・・・・デートをすっぽかしよって。知らん。もう好きにしてしまえ」

ルキアは怒って尸魂界に戻ってしまった。

あわあわしているところで。

「一兄、なにしてんのさ」

夏梨に声をかけられて、ドキッとした。

「ななな、なんでもないぞ」

「変な一兄。なんか変なもんでも食べた?なんか動作っていうか口調っていうか、年よりくさい」

ガーン。

ショックを受けたが、こんな機会はそうそうないのだ。一護の財布を握りしめて、浮竹はスウィーツを求めて街を彷徨う。

デパートのケーキ屋さんに入り、食事できる席があったので、食べれるだけ食べた。

「ふーむ。やっぱり自分の体じゃないと、好きなように食べれないな」

残りを持ち帰りにして、デパートを出た。

そこで、霊圧を探っていた京楽と、一護に見つかってしまった。

「ちょっと、浮竹さん俺の金でケーキ買ったのかよ」

「ああ、これくらい京楽が補填してくれる。だめなら俺の給料から出そう」

「浮竹、いくら現世のスウィーツが食べたいからって、一護君の体を使うものじゃないよ。一護君はまだ若い。栄養がかたよると体に悪い」

「大丈夫、肺をやられている俺でさえ、甘味物を食べても平気なんだ」

3人で、一護の部屋にやってきた。

「いつ戻るんだこれ。戻らなかったらずっとこのままとか・・・冗談じゃねぇ」

一護のイライラに、浮竹はほんわりと笑んで、ペットボトルの茶を飲んだ。

「おお、茶まで売っていたのは驚いたが、おいしいな」

「浮竹さん、俺の顔でのほほんとするのやめてくれないか。アホに見える」

「あほ・・・・今の俺の顔は、緊張状態に似ているな」

やがて時間が経ち、元に戻った。

「よっしゃあああ!って、ルキアとのデートすっぽかした。どうしよう」

「ああ、朽木なら俺に蹴りを顔面に食らわせてから、尸魂界に戻ったぞ。「知らん、すきにしてしまえ」と言っていたなぁ」

「ああああああ浮竹さんのあほーーーーーーー!!」

一護は急いで、尸魂界の朽木家に戻り、ルキアに今頃は事情を話して謝罪している頃だろう。

「なぁ、京楽。せっかく現世にきたんだ。ちょっと遊んでいかないか」

「いいけど・・・・・」

「こっちの通貨の金はもってるか?」

「念のため、100万ほどもってきてるよ」

二人とも、カジュアルな服装だった。

「だったら、まずケーキバイキングにいこう。それから遊園地に水族館に動物園だ」

「ええ・・・・今日1日で、そんなに周りきれるかな?」

「回り切れなかったら、ホテルをとって一泊しよう」

「うわあ山じい怒るだろうなぁ」

「どうせ怒られるんだ。明日帰っても今帰っても同じさ」

こうしていい年をした大人二人は、若いカップルに紛れて一時、現世で羽を伸ばすのであった。






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10話補完小説

「私は黒崎真咲。滅却師です」

真咲は、申し訳なさそうに顔をふせた。

「そっか・・・・」

一心は、真咲ににかっと笑った。

「互いに命は無事なんだ。これで貸し借りはなしだな」

その言葉に、真咲は目を開いた。

「滅却師の本物を見るのは初めてだが・・・・・」

「あなたは、死神なのに滅却師を疎まないんですか?」

「疎むも何も、命助けられたしな」

真咲の手をとって、傷だらけの一心は起き上がった。

「ま、これも何かに縁だ。おれは志波一心。見ての通り、死神だ」

一心は、真咲に手を伸ばす。

「え、何?」

「握手だよ、握手」

「はあ・・・」

一心は、真咲の手を握って、握手をした。

「はぁ。現世も変わったもんだなぁ」

近代化した街並みを見る。

真咲の応急手当がきいたのか、一心は怪我のわりに平気そうだった。

「じゃあ、私はこれで」

「あ、また会えるか?」

「さぁ・・・・どうでしょう」

「さっきの虚、後ろで死神が糸を引いているようなだ」

「それを私に知らせて、どうしろと?」

「いや、ただ身辺に気を付けてほしい。それだけだ」

そのまま、一心と真咲は別れた。

ザーザーと降っている雨は、やみそうになかった。



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「お前には、いつか話しておこうと思っていた」

「何をだよ」

「母さんの・・・・・黒崎真咲のことだ」

「お袋が、なんだってんだよ」

一護は、一心の言葉をただ聞いていた。

「お前はただの人間でも死神でもない。お前の母さんは滅却師。お前は、滅却師と死神の間にうまれた、特殊な存在だ」

「え・・・・・」

一護が息を飲む。

それはつまり、ユーハバッハのような滅却師の血が、自分にも流れているということ。

あいつが、「我が息子よ」と言ってた言葉を思い出す。

「そんなの、ありかよ・・・・・・」

あんなのと、同じ血が流れているなんて、冗談じゃなかった。

しかし、滅却師には石田のようにいい奴もいるのも事実だ。

「俺は・・・・・・」

まだ濡れた髪から、ぽたぽたと雫が落ちていた。

「その前に、髪の毛かわかせ。風邪ひくぞ」

もう、遊子も夏梨も寝ている深夜だ。

タオルともってこられて、頭にかけられた。

それで乱暴に、髪についていた水分をとった。

黒崎真咲。

一護の母親の正体が、ついに明かされようとしていた。



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隊首会でも語尾がニャン

また、語尾がニャンになる薬を、京楽に盛られた。

「いい加減にしろニャン」

「浮竹、かわいいーーー」

抱き着いてくる京楽は、まったく反省していなかった。

「あ、今日隊首会があったんだニャン」

「浮竹はこのまま出てね。みんなにも語尾はニャンなところ、見せてもいいから」

「よくないニャン!なるべく発言はしないニャン」

やがて隊首会が開かれた。

黒崎一護が霊圧を取り戻した件であった。

「元柳斎先生、一つ質問が・・・ニャン」

みんな、なんだと浮竹の顔を見た。

「ふざけているのか?」

砕蜂が怒りだすが、浮竹は首を振った。

「これは、京楽の涅マユリ特製の、語尾に「ニャン」がつく薬を盛られたせいだニャン」

視線が、一気に京楽と涅マユリに集中する。

「私は、頼まれたから作っただけなのであって、悪いのは京楽隊長だヨ」

「あ、一人で逃げるつもりかい、涅隊長!」

去っていこうとする涅マユリの服の裾を掴んだ。

「一緒に、山じいにこってりしぼられようよう・・・・」

「春水、それに十四郎、涅マユリ。以下の三名は残るように」

日番谷も語尾がニャンになる薬を飲まされたことがあるので、何か言いたそうな顔をしていがが、去って行ってしまった。

「全部京楽が悪いんだニャン。元柳斎先生、しかるなら京楽と、薬をつくった涅隊長を起こるべきだニャン」

「薬を飲まされる隙を作ったお主にも問題はある」

「そんなひどいニャン。俺は好きでこうなったわけじゃないんだニャン」

京楽は、山本総隊長の流刃若火で、尻に火をつけられて、あちゃちゃと走り回っていた。

「のう、涅マユリ。その方は、変な薬を作っては京楽に流していると聞くが、本当はどうなのじゃ」

「金を積まれたら、作ることは作るヨ。でも、使うかは京楽隊長しだいだネ」

「それを今後辞める気はあるのか?」

「いくら総隊長とはいえ、私の研究には口出しは許さないヨ。京楽隊長からもらったお金で、いろんな整備をしているんだからネ。何も、個人の資産にしてるわけではいのだヨ

「そうか。涅隊長は帰ってよし」

まだ尻に火がついたまま、あちゃあちゃと走っている京楽をみる。

その火を消してやり、京楽は土下座をさせられた。

そのまは京楽は山本総隊長から、こってりとしぼられた。

「十四郎に謝り、二度とこのような真似をしないと、誓うのじゃ」

「浮竹、ごめんね。もう変な薬飲ませないから」

その言葉に安心したのか、浮竹は許してしまった。

「元柳斎先生、もうこのへんで・・・ニャン」

それから、半年は何も飲まされなかった。心を入れ替えたのだと信じていたのだが、尻に火をつけられてこってりしぼられても、京楽の悪い虫は収まらなかったようで。

半年後。

「なんでまた語尾が・・・・・ニャン!猫耳と尻尾まではえてるニャン。こら、京楽、あの飲ませないという誓いはどこへいったニャン!」

「そんな遥か過去のこと、忘れてしまったねぇ」

盛った京楽に、押し倒された。

「ああ、やめろニャン」

「ふっふっふ。猫耳猫の尻尾に語尾がニャン。最高だね」

そのまま、浮竹は京楽に美味しくいただかれてしまうのであった。



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卯ノ花の手紙

勇音。

あなたが卍解をすでに習得しているのは、すでに知っています。

あなたは強い。あなたは賢い。あなたの回道は素晴らしい。

これは、私の我儘です。

私は、更木隊長を目覚めさせるために、更木隊長と斬り合うでしょう。

きっと、その果てに命を失うでしょう。

勇音。

あなたが、次の4番隊隊長です。副官には、13番隊の妹を選んでやってください。

13番隊の浮竹隊長も、きっと私に続くでしょう。

勇音。

悲しむ必要は、ないのです。

これは、すでに決められていたこと。

私が初代の剣八であったことは、昔話しましたね?

その剣八の名を、更木隊長が受け継ぐのです。

私の存在は、剣八の中に脈打っています。

何も、無駄に命を散らせるわけではありません。

勇音。

今頃、泣いているのでしょうね。でも、泣く必要はないのです。

これは私が撒いた種。更木隊長に、斬り合うのを楽しむように、力に枷を背負わせてしまったのです。

私との斬り合いで、更木隊長は、真なる剣八へと生まれ変わるでしょう。

だから、泣かないでくさい、勇音。

あなたが泣くと、私も悲しいのです。

どうか、死にゆく私を許してください。

勇音。愛しています。実の娘のように。


                        卯ノ花烈・卯ノ花八千流






今頃・・・・・勇音は、手紙を見てくれているでしょうか。

卯ノ花と更木は、互いに返り血と自分の血を浴びながら、斬り合いを続けていた。

「更木隊長・・・生まれ変わって、ください」

「何わけのわかないことほざいてやがるんだ!」

────更木剣八、あなたは死なない。あなたは死線を潜る度に強くなる。それこそがあなたが自分 に科した過ち、そして、私の罪。

更木は傷だらけだった。

卯ノ花もだ。だが、卯ノ花は剣戟の間に自分に回道をかけている。このままでは、更木が先に力尽きるのは見えていた。

────私は強い。あなた以外の誰よりも。だからあなたを殺しましょう。百度でも千度でも。だから、あなたを癒しましょう。何度も何度でも。あなたが真のあなたへと立ち戻りるまで。そして、私をこえて、遥かな高みと。

「────卍解『皆尽』」

その剣は、癒しの能力をもつ。

更木の血の色をまといながら、彼の傷を癒した。

「どういうことだ、てめぇ」

「あなたには、まだ力尽きてもらっては困ります。私を、超えてもらいます」

「何を言ってるのかさっぱりわかんねーよ!」

更木は、そのボロボロの斬魄刀で、卯ノ花の返り血を浴びた。

「甘い・・・・・」

肩を刺し貫いた。

卯ノ花は腹に更木の剣を受けていた。

互いに距離をとる。

その間に、卯ノ花は回道で腹の傷を癒してしまった。

────ああ、なんて楽しい。八千流と名乗っていたあの頃に戻れている。

だからこそ、あなたには目覚めてもらねば、困るのです。

更木の放った剣が、卯ノ花の胸に吸い込まれるように決まった。

────さよなら。世界で只一人、私を喜ばせ男(ひと)よ────

「見事です、更木剣八。これにてお仕舞」

「あんた・・・死ぬのかよ・・・このまま死ぬのかよ!死ぬな!

────何を今さら。

「あんたが、好きなんだ」

────ええ、気づいていましたよ。

「更木剣八。最強の、剣八は、今日からあなたです」

────役目を果たして死ねることの、なんたる幸福であることか。

卯ノ花は、目を閉じた。

もう、回道で癒せる傷ではないことは分かっていた。

頬に、涙の雫を受けてふと気づく。

「────泣いて、いるのですか」

「死ぬな。頼むから、死ぬな」

「────私は、あなたの中に生きている。あなたが振うこの刃の中に、いつでも私はいます」

「卯ノ花・・・・・・」

────山本元柳斎重國。今、あなたの元へ、いきます。

「おい、卯ノ花!」

もう呼びかけに応じなくなった卯ノ花を抱き締めて、だんだん体温をなくしていく体を抱き締めた。

唇重ねると、血の味がした。

────勇音。後は、頼みます。

二人の愛し合っていた男と女は、女の死によって、壮絶な戦いの幕を下ろした。

無闇の空間を出て、話しかけてきた斬魄刀と対話をしながら、先へ先へと進んでいく。

まだ、血が疼いていた。

斬り足りねぇ。

────さらばだ、卯ノ花。俺が唯一愛した女よ。

更木は、さらなる獲物を求めて歩き出す。

まだ、血に飢えていた。

────もっともっとだ。殺したりねぇ。

血の飢えた狼のようだった。



「ああ、卯ノ花隊長はいったか────」

瀞霊廷の安全な場所で待機していた京楽は、卯ノ花の霊圧がなくなったことを感知した。

「お前、こうなることを分かって?」

「そうだよ。卯ノ隊長から頼まれたんだ。更木隊長を目覚めさせるために、斬り合いをしたいと・・・」

「────卯ノ花隊長は、何故命をかけてまで・・・・・・」

「君も、薄々気づいていたでしょ?今のままの更木隊長じゃだめだって」

「だからといって!」

「やめよう。卯ノ花隊長は責務を果たしんだ。どうこういうのは、彼女の死の侮辱になる」

浮竹は、優しかった卯ノ花の笑顔を思い出した。

「それでも、俺は卯ノ花隊長に死んでもらいたくなかった」

涙が滲んだ。

────卯ノ花隊長。どうか安らかに。

────あなたの死を無駄にはしない。

────きっと俺も、あなたの後に続く。

浮竹と京楽は、卯ノ花の冥福を祈るであった。






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寒椿

今年も、椿の花が咲いた。

6番隊隊長は、代々朽木家の当主が主に選出されていたため、庭に植えられた隊花である椿は、今年も見事に咲き狂っていた。

「隊長?」

恋次が、先へ行こうとして動かない白哉を振り返る。

「どうしたんですか、隊長」

「我が隊の隊花が何か知っているか?」

「椿でしょう。隊長のこの屋敷にいっぱい咲いてますね」

「もともと、お爺様の代より前から、6番隊の隊長は朽木家の当主が選出されてきた。多分、私の代で、朽木家の当主が6番隊の隊長になるのは終わりだ」

恋次の顔が、苦しそうに歪む。

「子供が、できないからですか」

「それもある。もっとも、私も子供が欲しいだけなら妾なりなんなりを侍らせて、子を産ましている」

「隊長・・・・・・・」

白哉は、白い椿の花を手折って、恋次に渡した。

「次の当主は、きっと遠い親戚筋か、最悪養子をとるだろうな」

「隊長、俺との関係は重荷ですか?」

「誰もそんなこと、言っていないであろう。次の当主が選ばれるのも、養子をとるとしても、もう剣が振るえなかった時だ。お爺様の朽木銀嶺様のように、年老いていても私はきっと、隊長で在り続けるだろう」

「その隣には、俺はいるんでしょうか」

「それはお前次第だ」

恋次は、渡された椿を、昔のように白哉の髪に飾った。

「やっぱ、隊長には赤色も似合うけど、白の椿も似合う」

「昔もらった紅色の椿は、今でも氷室に保管している。お前からもらった物の中で、一番嬉しかった」

恋次は、その言葉にとても嬉し気だった。

「隊長・・・・椿の花言葉が、色で違うこと知ってますか」

「知っている。白は「完璧な美しさ」「申し分のない魅力」「至上の愛らしさ」であろう」

「全部、隊長に当てはまります」

「最初の2つはいいとして、最後の至上の愛らしさななどは、私にはない」

白哉が首を横に振りながら、言う。

「そんなことないですよ。隊長かわいいじゃないですか」

「どこがだ」

「寝ている姿とか、めっちゃあどけなくてかわいい。行為中も隊長は・・・いてて」

恋次の三つ編みにされた髪を引っ張っていた。

白哉はやや頬を染めていた。

「それ以上言うと、この髪を切るぞ」

「ああっ、けっこうがんばって伸ばして揃えてるんです。勘弁してください」

「ならば、それより先を言わぬことだ」

恋次は、髪から白哉の手を退けた。

「とにかく、隊長は完璧なくらいに美しくて、申し分のない魅力をもっていて、とっても愛らしいってことです」

「褒めすぎだ」

「白椿、似合ってますよ・・・・・」

唇が重なった。

「んん・・・・・・んう」

始めは浅くだったが、次第に深くなっていく。

「ん、やめよ・・・・誰かきたらどうする」

「もう少しだけ・・・・・・」

また、深く口づけた。

恋次が舌を引き抜くと、つっと銀の糸が垂れた。

「このような場所で、キスなどするな」

「照れてます?」

白哉の頬が朱かった。

「知らぬ。行くぞ」

白哉は、6番隊の執務室まで歩いていく。

距離がけっこうあったので、途中で瞬歩を使い出す。

昔は全然追いつけなかったが、恋次も成長した。白哉の瞬歩のスピードについていけるようになっていた。

白哉の髪には、白い椿が飾られたままだった。

執務室につくと、そっと白い椿を机の上に置く。

「どうするんすか、それ」

「また、ルキアに頼んで、氷漬けにして氷室で補完する」

「椿、好きなんですね」

「隊花のせいもある。だが、個人的に好きなのだ。梅の花も桜の花も好きだが・・・・」

恋次が最初に濃い紅色の椿をくれたせいだとは、口が裂けても言わない白哉だった。










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尻に火がつく

「年末年始だー。休みだー!ごろごろするぞおおおお!」

「俺は実家に帰りますけど、ちゃんと朝に起きてくださいよ。京楽隊長、あとは頼みます」

海燕はそういって、雨乾堂から出て行ってしまった。

「京楽、一緒にだらだらしよう」

浮竹に誘われて、ついつい布団に横になってしまった。

浮竹も京楽も、午前中からさっそくだらけ始めた。

「忘れ物・・・ってああ!隊長も京楽隊長も、何午前中から二度寝しようとしてるんですか!」

うるさい副官にばれても、浮竹は舌打ちした。

「今、舌打ちしましたね!?布団はたたんでください!」

海燕が荷物を置いて、浮竹と京楽が寝転がっていた布団を片付けてしまった。

「寒い!」

ぬくぬくの布団がなくなって。火鉢にあたった。

「毛布くらい、いいよね?」

京楽がそう言って、薄い毛布で浮竹を包み込んだ。

「まぁ、今日の最高気温は7度だし・・・毛布を被るくらいは、許しましょう。いいですか、俺がいってもまたごろごろしないでくださいね!?」

「おう、早くいってこい」

海燕が完全にいなくなったのを見守ってから、また布団をしきだす二人。

布団の中でぬくぬくしながら、軽く襲ってきた睡魔に身を任せた。

気づくと、昼餉の時間を過ぎていた。午後の2時だった。

「京楽、おい京楽」

「ん~七緒ちゃん、あと1時間・・・・」

「こら、京楽、何が七緒ちゃんだ!」

ぽかりと頭を殴られて、京楽は目覚める。

「え、あれ・・・ああ、僕も寝ちゃってたのか」

「俺は朝飯も食っていないんだ。流石に腹が減ってきた。13番隊の食堂にいこう」

京楽も昼飯がまだなので、一緒に食堂にいった。

「あ、隊長お疲れさまです」

ルキアがいた。

「朽木じゃないか。どうだ、隊には馴染んできたか?」

「はい。海燕殿が、直々に稽古をつけてくれています」

「そうか。朽木、お前は席官じゃないが実力はあるんだ。頑張ってもっと上をめざそうな」

「はい!」

ルキアは目を輝かせて、去っていった。

「あの子・・・確かルキアちゃんだっけ。朽木隊長の義妹の」

「ああ。白夜の義妹だ。最近隊に入ったんだ・・・・実力は席官クラスなんだが、白哉から席官にしないようにと言われていてな。仲は冷めきってるそうだが、裏ではけっこう朽木のことを思っているらしい、白哉は」

その関係が完全に雪解け水になるのは、藍染の反乱発覚後である。

「朽木隊長も、素直じゃないかねぇ」

二人して、食堂の空いている席に座った。

年末年始の休みを出勤するかわりに、年始あけから休みをもらう者が中心に働いていた。

隊長副隊長も、お盆と年末年始は休みだった。

適当に頼んだ、定食を食べる。

今日はちらし寿司とウナギのかば焼きだった。

「あ、そっちのウナギのほうがでかい」

「はいはい。交換してあげるから」

なんだかんだで昼食をとり、雨乾堂に戻った。

布団でごろごろしながら、思う。

「仕事がないと、暇だなあ」

「まぁ、ないにこしたことないんじゃないの」

「ごろごろするのも、いい加減飽きてきた。花札か将棋か囲碁か・・・・麻雀でもしよう」

「麻雀しようか。何か賭けよう」

「じゃあ、夕食のデザートを賭ける」

「それじゃああ物足りないから、おやつにとっておいたおはぎも賭けよう」

キランと、浮竹の目が光った。

麻雀は、本気を出した浮竹の圧勝だった。

「勝ったぞ。おはぎをくれ」

「仕方ないねぇ」

戸棚のなに隠してあった、おはぎを浮竹のまえにおくと、1分もしないで食べてしまった。

「ちょ、早くない?」

「3個しかなかったからな」

「それにしても、一瞬じゃないの。当分甘味屋も休みだから、おはぎしばらく買えないよ」

その言葉にショックを受ける浮竹。

「く・・・年末年始の罠がこんなところに・・・・もっと味わって食べればよかった・・・・」

「まぁまぁ。1週間もすれば、甘味屋もまたあくし。なんなら、義骸に入って現世でスイーツでも食べにいくかい?」

「義骸がない。あっても、隊長格が無断で現世にはいけないし、どのみち現世でも店は休みだろう」

「現世では年末年始でもやってる店多いよ」

「本当か」

「義骸は12番隊にいけば、管理してもらってるのがあるから、なんとかなるでしょ」

「先生なんて怖くないぞ・・・そうと決まったら、いざ現世へ!」

12番隊に行き、霊圧封印の刻まれた特殊な義骸に入って、二人は現世にやってきたのだが、現世は世界大戦から復旧が進んでいて、甘味屋も開いていた。

「お、開いてる」

「ほとんとだ。入ってみよう」

店は繁盛してるのか、けっこう人がいた。

「おい、こっちの貨幣通貨、持ってきているだろうな」

「あちゃー。忘れちゃったよ。そうか、現世とは貨幣価値が違うんだった」

店の主人を呼んで、砂金の大きな塊を見せると、上客扱いで2階にあがっていいと言われた。

「砂金とか・・・・抜け目ないないな。いつも持ち歩いているのか?」

「まあ、金がいることもあるだろうから、砂金はどこかに出かける時は持ち歩いているよ」

やがて、おはぎとぜんざいがやってきた。白玉餡蜜はなかったので、他に羊羹や団子も頼んだ。

「結構美味しいな」

「代金は砂金の塊だから、きっといっぱいおつりが出そうなくらいを払うことになるから、いっぱ食べてって」

浮竹は、4人前食べた。

京楽もぜんざいとおはぎを食べた。

砂金の大きな粒を店主にあげて、尸魂界に帰還する。

山本総隊長が待っていた。

「こりゃ、春水、十四郎!年末年始だからと、ばれないとでも思っておったか!」

「うわああ、山じいだ。逃げろ!」

「先生、すみません」

脱兎の如く逃げ出した二人の尻に、火をつけた。

「あちちちち」

「あちゃーー」

そう叫んで、尻の火を消しながら雨乾堂に瞬歩で逃げていく浮竹と京楽を、山本総隊長は追わなかった。

「全く・・・・困った奴らじゃ」

山本総隊長は、長い溜息をついた。



「山じい、何も火をつけなくてもいいのに」

「服の尻の部分が焦げてない。どうなってるんだろう」

皮膚は、見事に小さいが火傷を負っていた。

それも軽度のもので、山本総隊長が本気で怒ってないのは分かっていた。

「今度から、現世にいきたいときは、やっぱり山じいの許可をとってからにしようか」

「そうだな」

多分、そう簡単に許可はもらえないだろうが。

その後も、山本総隊長に許可を願い出て、通らなかったら勝手に現世にいってしまうので、山本総隊長は渋い顔をしながらも、二人の現世行を承諾するようになるのであった。







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クリスマス(恋白)

「隊長、メリークリスマス」

「・・・・・・メリークリスマス」

あまり、現世の行事に詳しくない白哉にとって、クリスマスという行事は最近になって知ったものだった。

恋次は何度か現世にいっているので、クリスマスにも、もう慣れたものだった。

朽木邸では、白哉の愛する義妹のために、大きなクリスマスツリーが置かれて、クリスマスの日になるとルキアのために何かをあげていたのだが、今年は恋次も加わった。

さて、何をあげよう・・・・・。

前に恋次が贔屓にしていた銀蜻蛉という眼鏡屋で、恋次が欲しがっていたゴーグルを買ってみた。

最近は、叩き壊されるという理由でゴーグルをつけていなかった恋次だが、大戦も終わり静かになった。

「クリスマスプレゼントだ。お前にやろう」

綺麗にラッピングされた包みを、恋次に渡す。

「うお、これ銀蜻蛉の品ですか!?」

「何故分かった」

「だって、この包み紙みたことありますから」

「そうか」

恋次が渡してきてクリスマスプレゼントをあけて見る。わかめ大使の柄入りの手袋とマフラーだった。

「ほう、わかめ大使か」

原案である白哉には、嬉しい贈り物だった。

「お前も、わかめ大使のよさが分かったと見える」

いや、そうじゃないんですけど。

言葉には出さなかった。

恋次は、白哉からのクリスマスプレゼントをあけた。

最新式のモデルのゴーグルだった。

値札がそのままついてあった。

50万環という値段に、驚く。

50万環といえば、現世にすると50万円になる。流石4大貴族と思いながら、白哉にあげたマフラーと手袋は、3万環もかかっていない。

特注品ではあったが、もっと高価なものを贈ったほうがよかったかと思案する。

「恋次、お前の考えていることは分かっている。私は、お前からもらえるだけで満足だ」

「隊長・・・・・」

「私もおるのだぞ」

「うわルキア、吃驚した。現世にいってたんじゃねーのかよ。一護はどうした。放りだしてきたのか」

「たわけ!24日に共にクリスマスを祝った。25日は兄様と祝うのだ」

今日は、クリスマス当日だった。

「恋次、貴様にはこれをやろう」

チャッピーのパジャマだった。

「お、おう、ありがとう」

「兄様にはこれを」

わかめ大使柄の、毛布だった。

「これは良いものだ。ルキア、すまぬ」

「いえ兄様の喜ぶ顔が見れるなら、この朽木ルキア、労力など惜しみません!」

「ルキアには、これを・・・・」

恋次が渡したのは、チャッピー柄のバスタオルだった。

「おお、恋次のくせに私のツボを押さえているではないか」

ルキアは、嬉し気だった。

「ルキア、私からもこれを」

チャッピーの、非売品のリュックだった。

「兄様これは幻の、チャッピー15周年記念の非売品のリュック!これはどうやって手に入れられたのですか!?」

「金を、積んだ」

「流石です、兄様!」

ルキアは、きらきらとして目で、白哉を見ていた。

「おっと、恋人同士の時間の邪魔をするのもあれですから、私は一護のところにでも行ってきます!兄様、恋次と仲良くしてくださいね!」

ルキアの言葉に、白哉は赤くなった。

ルキアに、恋次との関係がばれて数年になるが、ルキアは常に白哉の背中を押してくれた。

「あれは・・・・もう、私の手の届かぬところにおるのだな」

恋次はルキアより白哉を選び、そしてルキアは恋次より黒崎一護を選んだ。

「いずれ、死神化させて、朽木家に迎え入れるつもりだ」

「ええ、一護をですか!?」

「そうだ。何も、気に悩む必要などなかろう。一護の相手はルキアだ。家族になるだけだ。お前の考えているようなことにはならぬ」

恋次は、白哉に迫った。

「じゃあ、俺と結婚してください」

「何故そうなる」

「あんたと、家族になりたい」

白哉は、指に光る指輪を見せた。

「すでにエンゲージリングをしている。これは結婚の意味も兼ねているのではなかったのか?」

「そうだった・・・・・」

「愚か者め・・・・・」

「隊長、愛してます。また、来年も一緒にクリスマス、祝いましょう」

「分かった」

こうして、思い思いのクリスマスの夜は更けていくのであった。






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クリスマス(京浮)

「クリスマスだなぁ」

「そうだねぇ」

尸魂界でも、クリスマスの行事が目立ちだした。

まだ完全に定着はしていないけれど、一番隊の執務室にはクリスマスツリーがあるし、クリスマス当日はパーティーが開かれる予定だった。

1番隊の執務室にあるクリスマスツリーは見事なもので、よくこんなものを山本総隊長が手配したものだと思うくらい、立派なものだった。

「クリスマスプレゼント、受け取るかい?」

「俺も用意してある」

互いに、クリスマスプレゼントを渡しあう。

「中身、あけていいかな?」

「ああ。俺も、中身あけるぞ」

互いに、同じ瞬間に中身をあけた。

浮竹からは、上等の赤ワインとグラスとコースターの3点セット。

京楽からは、翡翠があしらわれた金細工のヘアピンが3つだった。

「同じ、3つか」

「奇遇だね」

「高かったんじゃないのか。翡翠のヘアピンなんて」

「小ぶりだから、そんなに驚くほどの値段はしないさ。それより、このワイン高いやつだね。君の給料、大丈夫かい?」

「ちょっと今月はきついが、この日のために1年こつこつ貯めてきたからな。まぁ平気さ」

「浮竹、愛してるよ」

「俺も愛してる、京楽」

「ヘアピンかして」

京楽に渡すと、京楽は浮竹の右側の白い髪を三か所、ヘアピンで留めた。

「髪飾りや簪よりは、使いやすいでしょ」

「そうだな。これをつけて外に出歩いても、何も思われなさそうだ」

時折、髪を結いあげて髪飾りや簪を使うが、大抵京楽のためで、その恰好で外に出ると目立つので、あまり外にいくときは髪飾りや簪は使わない。

「そういえば、誕生日も近いね。ハッピーバースディ、浮竹」

「まさか、誕生日プレゼントも用意してあるのか?」

「うん、そうだよ」

「俺は金喰い虫だな・・・・」

「そんなこと言わないでよ。君のためだから、僕は購入するんだから」

上流貴族である京楽の財力は、自分専用の屋敷をいくつか構えてあるくらいで、底が見えない。

浮竹と京楽は、互いを抱き締めあって舌が絡まるディープキスを繰り返した。

「ん・・・・するのか?」

「いや、君、昨日まで臥せってたでしょ。やめておくよ」

「俺にもう少し金があれば、もっと立派なものをやれるんだが・・・・同じ赤ワインでも、年代もののやつとか」

「君は、今くらいがちょうどいい。僕が補助してあげれるくらいが、僕にも心地よい」

「毎度毎度、すまないな・・・・・」

飲食代とかは、基本京楽もちだ。

浮竹の給料は、家族の仕送りと薬代でほとんど消えてしまう。わずかに残った額を貯蓄して、クリスマスプレゼントや誕生日プレゼントを買っていた。

「メリークリスマス、浮竹」

「メリークリスマス、京楽」

今年のクリスマスイブも、過ぎていくのだった。



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語尾がニャン

京楽と、酒を飲み交わしあっていた。

京楽は、アルコール度の高い、強い日本酒を好んで飲む。

一方の浮竹は、アルコール度の低い、甘い果実酒を好んだ。

京楽が浮竹の杯の注ぐのは果実酒で、苺の味がするやつだった。時折、京楽もそれを飲んだ。浮竹が京楽にの杯に日本酒を注ぐ。

でも、浮竹は自分で口ににしない。酔いつぶれることを知っているからだ。

ふと、杯の酒に苦みが混じっているのに気づいて、浮竹が眉を潜める。

「京楽・・・・この酒に、もしかして何か入れたか?味が苦い」

「あれ、もう気づかれちゃったの?」

「正直に言え。媚薬か?」

「語尾がニャンになる薬」

「はぁ?」

浮竹は素っ頓狂な声を漏らしていた。

「だから、語尾がニャンになる薬・・・・」

「そんなもの飲ましてどうするつもりだニャン」

浮竹が驚く。

「なに!?何故語尾にニャンがつくのだニャン」

「いいねぇ。かわいいねぇ。あー涅マユリにぼったくられたけど、たまにはこういうのもいいねぇ」

「またお前は、涅マユリの薬を俺にのましたのかニャン。あーニャンニャンうるさいんだニャン」

「浮竹かわいい」

「やめろニャン。逃げてやるニャン」

瞬歩で、十番隊の日番谷のところにやってくると、叫びそうになった日番谷の口を塞いだ。

「涅マユリの薬を飲まされたニャン。語尾にニャンがつくんだニャン。すきでやっているわけではないんだニャン」

日番谷は、笑い出した。

「えらいかわいいな、浮竹」

「京楽もこりないやつだニャン。何度色んな薬をのまされてきたことかニャン」

「浮竹、出ておいでー。解毒薬あるからーーー」

「ああ言ってるぞ」

「絶対に嘘だニャン。解毒薬とかいいながら、美味しく食べられるに決まっているニャン」

「みーつーけーたー」

10番隊の執務室に入ってきて、日番谷に抱き着いている浮竹を発見する。

「日番谷隊長にも同じ薬を飲ませろニャン。そしたら、許してやるニャン。好きにしてもいいニャン」

「おい、浮竹!」

「ふふふふ・・・たまには日番谷隊長も、俺の気持ちを味わえニャン」

京楽は、粉薬を混ぜた水を、無理やり日番谷に飲ませた。

「何しやがるニャン。なんだと、まじで語尾がニャンになってやがるニャン」

「これで仲間だニャン」

「浮竹のあほーーーーーーニャン」

「隊長、さっきからニャンニャンうるさいですよ・・・・」

「松本、京楽から解毒薬を早くうばえニャン」

「はぁ?」

松本は、首を傾げた。巨乳がぷるんと揺れた。

「~~というわけだニャン」

日番谷の説明に、松本の目が光る。

「グッジョブです、京楽隊長」

「でしょ」

京楽と松本は、ハイタッチを決める。

「効果は2日。黙っていればばれないさ」

「松本に知られてすでに終わってるニャン」

「隊長、かわいい~~~~~」

「苦しいニャン!胸で窒息させる気かニャン!」

その神々の谷間に、また松本は日番谷の顔を埋めた。

「かわいい~~~」

「やめろニャン!窒息死とか苦しいんだぞニャン」

「ほら浮竹も、こっちおいで」

「いやだニャン。何か変なことする気だろニャン」

「でゅふふふふ。おいしく食べちゃうだけだよーーー」

「いやだーーーーニャン。あ、やめろニャン」

「まぁまぁ、そういわずに」

「場所を弁えろニャン」

「京楽、解毒薬をわたせニャン」

日番谷の言葉に、京楽は解毒薬を渡す。

「一人分しかないよ」

「日番谷隊長、すまないがその薬は俺がもらうニャン」

「渡すものかニャン!」

解毒薬は、松本の手に渡った。

「あらどうましょう、こんのいらなからこうしましょう」

開いていた窓の外に、解毒薬をぽいっと投げ捨てた松本に、浮竹も日番谷も怒った。

「何をするんだニャン!」

「てめぇら、まとめて蒼天に座せ、氷輪丸ニャン!」

ひゅるるるるどっかーーーん。

京楽も浮竹も松本も、みんな巻き込んで氷の龍があばれまわる。

「2日もこのままとか・・・他の面子と会話ができねぇ・・・ニャン・・・」

結局、二人は語尾がニャンとついたまま2日を過ごした。

その間に、浮竹が京楽に美味しくいただかれてしまうのだった。


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白哉と中身が入れ替わった件

「やあ、白哉」

「浮竹か」

白哉が、ふと足元を見た。草履の紐が切れてしまったのだ。

「おい、大丈夫か?」

「大したことは・・・・」

ゴチンと、互いの頭をぶつけあった。

「ああ・・・・またか」

浮竹は、過去に京楽に海燕に日番谷と中身が入れ変わったことがある。

今回も同じだった。

頭をぶつけると、人格が交代するのだ。

「私がいる・・・・」

白哉が、目の前に自分の体があることに驚いていた。

「白哉、その体でいるのはきついだろうが2時間ほどしたら元に戻ると思うから。ということで、やっほう、若い健康な体で金持ちだー。金使うぞーー」

「浮竹!!」

去ってしまった自分の体を、見送る羽目になった。

「どうすればいいのであろう・・・・・」

浮竹の体で悩んでいた白哉は、とにかく6番隊に執務室にいき、恋次に事情を説明すると、京楽隊長にも話すべきだと言われて、8番隊の執務室にいった。

「浮竹ー、僕が恋しくなって会いにきてくれたの!」

いきなり抱き着いてきて、キスをされそうになって、咄嗟に避けた。

「私は朽木白哉だ!浮竹と、中身が入れ替わったのだ!」

「ええ、今度は朽木隊長!?この前は日番谷隊長だったね・・・・」

「京楽、兄は楽観視しすぎではないのか。恋人の中身がいれかわったのだぞ」

「まあ、何度も経験して慣れたよ。まずは、朽木隊長の体、つまりは浮竹を探そうか。何か言ってなかったかい、浮竹のやつ」

思い出す。

「若い健康な体で金持ちだ。金使うぞと言っていた」

「ふーむ。若い体で金を使う・・・・最近の浮竹で行く場所としたら、貴族街のレストランかなぁ。あの子、一度上流貴族になってレストランに入ってみたいって言ってたから」

「ではそこにいくぞ」

「入るだけで金かかるんだよねぇ、あのレストラン。味は一流だけど」

「金など、後でいくらでも払ってやる。急ぐぞ」

貴族街のレストランにやってきた。VIP扱いでないと入れないので、浮竹の体の白哉は外で待つことになった。

やがて、白哉の体の浮竹がずるずると引きずられてやってくる。

「浮竹、兄はそんなにこのレストランの料理が食べたいのか」

「あああ!デザートがまだだったのに!」

「浮竹、他人と入れ替わったら、大人しくしときなさいって言ったでしょう」

「だって、朽木だぞ!4大貴族なんだぞ!せっかくなんだから、楽しまなきゃ損だろう!」

「ああ、またこの子は・・・・・」

白哉が、浮竹の体で咳をした。

「ごほっごほっ」

ぽたぽたと、血が手の隙間から滴った。

「ああ、すぐ雨乾堂へ。薬飲ませなきゃ!」

京楽と白哉の体の浮竹は、浮竹の体の白哉にお互いに肩をかしあって、瞬歩で雨乾堂まできた。

「ごほっごほっ・・・・浮竹は、このような体で・・・・平気なのか・・・なんという苦しさだ・・・」

血を吐きながら、白哉は布団に横になる。

鎮痛剤を注射して、薬を飲ませる。

「ちょっと我慢しててくれ。すぐに治まるから」

薬がきいてきたのか、咳が止まった。

「眠くなってきた・・・・・」

「うん、鎮痛剤が効いたみたい。寝ていいよ。起きたころには、元に戻ってるだろうから」

京楽の言葉を耳にしながら、白哉の意識は、闇に滑り落ちていった。



「ここは?」

ふと気づくと、雨乾堂の天井が見えた。

自分の体を見る。

自分の、朽木白哉の体だった。

「ああ、起きた?浮竹も寝るっていって、自分に鎮痛剤打ってたから、ちょっとふらふらするかもしれないけど」

薬の効果か、まだ眠かった。

「眠い・・・・・」

「無理することないぞ、寝ればいい」

元に戻った浮竹が、隣の布団で横になりながら、こっちを見てきた。

「兄は・・・・・あのような辛い発作を、いつでも起こすのか?」

「いや、毎度じゃないぞ。月に軽いのも含めて2~3回だ」

「あのような痛み・・・・経験したことがない」

「まぁ、俺は肺の痛みと付き合いながら生きているから、慣れかな。苦しいことは苦しいし、痛いことは痛いけど、我慢できないほどじゃない」

「兄には、脱帽させられる。あのような苦しみと痛み、もう味わいたくもない」

「まぁ、そうだろうねぇ。普通そうだよ。朽木隊長、もう少し休んでいきなさい。薬が抜けきっていないでしょ」

京楽に言われて、白哉は足元がふらつくので、もう少し休憩しようと目をつぶると、また意識は闇に滑り落ちていった。

「よく眠ってるな・・・・・」

もう起き上がっても平気になった浮竹が、白哉の顔を覗きこむ。

「こうしてると、人形のように綺麗なんだけどなぁ」

美しく整った顔は中性的で、睫毛が長かった。

「まぁ、何はともあれ元に戻ってよかったよ」

「デザート・・・・」

「はいはい。今度のあのレストランのデザート持って帰ってきてあげるから、すねないの」

「約束だぞ」

「うん」

軽くキスをする。いつ白哉が起きるか分からなかったので、それだけにしておいた。

やがて、夜になって京楽は8番隊に帰っていき、浮竹は夕餉をとり湯浴みをして、白哉の隣にひきっぱなしの布団に横になった。

白哉の意識が戻ったのは、翌日の早朝だった。

「浮竹、浮竹・・・・・」

「んー。今何時?」

「5時だ」

「凄く眠い。白哉、もう帰っても大丈夫だぞ。ちゃんと体は元に戻ったから・・・ZZZZZZZ」

「浮竹・・・・・」

白哉は、少し逡巡したが、屋敷に戻ることにした。無断外泊だ。今頃、ルキアが不安がっているに違いない。

ふと、ルキア専用の伝令神機に着信がいっぱいあることに気づく。

ルキアと恋次からだった。恋次にも、ルキア専用の伝令神機のメルアドを教えていた。

今どこでどうしているのかという内容のメールばかりだった。

それに、今帰宅すると返した。

「浮竹・・・兄は、辛い病を抱えておるのだな。ここまで酷いとは思っていなかった」

眠りについたまま、長い白髪が畳の上に散らばっていた。

白哉は帰還した。

浮竹は、副官のルキアに起こされるまで、10時過ぎまで寝過ごすのであった。






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京浮と朽木家

「京楽、白哉のところにいってくる」

「あ、待って、僕も行くから」

「お前がいても、楽しいことなんて何もないぞ」

「それでも心配だからついていくよ」

二人で、白哉のいる朽木邸に向かった。

「何用だ?」

白哉は、書道をしていた。

「健康第一」と書かれていた。

「う、その書かれた文字いいな。くれないか」

「これか?欲しいなら、浮竹、兄が勝手にもっていけ」

「うん」

白哉から、達筆の「健康第一」という書をもらって、浮竹は雨乾堂に飾ろうと思った。

「白哉、この前いってた盆栽がこれなんだが」

浮竹は、わざわざ盆栽を持ってきていた。

浮竹の趣味で、腕自体は相当に悪い。さっぱりなのだ。

「俺としてはここの枝とか全部切りたいんだが」

「それは・・・なかなか値段のしそうな代物だ。今のままがいい。むだに剪定しないほうがよい」

「そうか!白哉がそう言うなら、間違いないな。この盆栽は、今度の瀞霊廷盆栽祭りに出すことにしよう」

なんの祭りそれ・・・・京楽は思った。

「ねぇ、浮竹、それだけのために来たの?」

「え、ああそうだぞ。だから、きても楽しいことなんて何もないと言っただろう」

「あ、隊長!」

「お、朽木じゃないか。現世から帰ってきたのか?」

「はい。一護のところに行っておりましたが、本日帰還しました」

ルキアは、今は13番隊の副隊長で、浮竹の副官である。

長いこと、海燕以外に副官を置かなかった浮竹であったが、実力をどんどんとつけていくレルキアなら副官にしてもいいと思っていた。

そのことを何度か白哉に話したが、白哉も「あれにその実力があるというなら、何もいうまい」といって、ルキアが副官になることを黙認してくれた。

昔は、席官にするなと、強くプレッシャーをかけてきていたが、白哉も変わった。

ルキアの実力を認め、そしてルキアとの冷めきっていた仲も、雪解け水のように少しづつ歩みよっていった。

結果、ルキアに対して少し甘すぎる義兄となった。シスコンというやつだ。ルキアはルキアで、兄様ラブのブラコンになってしまった。

お互い、専用の伝令神機をもっている。

「わかめ大使、食べていっていいか?」

「食堂においてある。好きなだけ食べて、好きなだけ持って帰るとよかろう」

「朽木家は広いからなぁ。食堂はどっちだっけ」

「私が案内します。こちらへ」

ルキアが、浮竹の手をとって案内してくれた。

「ルキアちゃんは、一護君と何処まで進んでるの?」

京楽の言葉に、ルキアが真っ赤になって否定する。

「ま、まだ好きと伝えあったばかりで、その、進展といえばキスをしたくらいで・・・・」

「へぇ、あの奥手のルキアちゃんが一護君とキスまで!朽木隊長が知ったら、卒倒するかもね」

「あ、兄様は私と一護が付き合っているのを知っています」

「へぇ。黙認してるのかい」

ルキアが首を横に振る。

「結婚前提で付き合うなら、構わないと・・・・・」

「一護君が死神化するの?それともルキアちゃんが人間に?」

「多分、一護が死神化するかと・・・・・」

食堂についた。

「私と一護は、これからなのです!」

「うん、そうみたいだね」

「おい京楽、あまり朽木をからかうなよ」

「それでは、失礼します」

「朽木、京楽の言うことはあまり気にしないように」

「はい、隊長!また明日、職場で!」

今日は日曜だった。

週末の土日になると、ルキアは一護に会いに、現世へと赴いた。

「わかめ大使、けっこうあるな」

10個くらい食べて、後は持って帰ろうということになった。

浮竹は盆栽を手にしていたので、袋につめて背中に背負う。京楽も、もてるだけもって、朽木家を後にする。

「朽木隊長といい、ルキアちゃんといい、慕われてるねぇ」

「何、長年の付き合いだからな。白哉とは100年近い付き合いだし、朽木も隊に入って30年以上は経過している」

「僕の周囲には、慕ってくれる子なんていないから、ちょっと羨ましいな」

「伊勢がいるじゃないか」

「七緒ちゃんは、慕っているっていうかいつも怒ってるよ」

「お前が仕事しないからだ。ちゃんと仕事をして上司らしいふるまいをしていれば、そのうち慕ってくれるんじゃないか」

「いやー、あの七緒ちゃんが・・・・それないと思うなぁ」

どさりと、荷物を雨乾堂に降ろす。

けっこうな量のわかめ大使が、畳の上に広がった。

「まずは盆栽を置いてこよう」

白哉に剪定する必要がないと言われたので、そのままの形を維持することにした。

「それより、瀞霊廷盆栽祭りって何?」

「え、ああ。その名の通り、盆栽を出品しあって、いろんな層から票をもらって、1位になったたら、金一封。3位まで、賞金がでる。なにも賞金目当てじゃないが、せっかく手塩にかけて育ている盆栽だ・・・・上位に入ってほしい」

「浮竹って、盆栽そんなに腕よかったっけ」

「自慢だが、からっきしだ!」

朗らかに笑う浮竹。

その笑顔が眩しくて、京楽は気づくと浮竹を抱き締めていた。

「京楽?」

キスをされた。触れるだけのキスだ。

「どうしたんだ、京楽?盛ってるのか?」

「いやいや。ただ、君の笑顔が眩しくてね」

「変な奴だな」

浮竹は笑う。

その笑顔が、京楽は好きだった。




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海燕も味わえ

「ほらほら起きろおおおおおお」

休日の海燕の家に、浮竹は来ていた。

「のああああああ!?まだ7時だぞ!おい、都!」

寝ていた海燕の布団をひっぺがす。途端に訪れた寒気に、はっくしょんとくしゃみを一つ。

「はい、俺は誰でしょう」

「浮竹隊長・・・・・ってええええ!なんで隊長が俺の家に!」

海燕は驚くが、浮竹は淡々としていた。

「毎日毎日布団をはぎとられる俺の気持ち、少しは理解したか?」

「まさか、それだけのために俺の家にきて、俺の布団ひっぺかしたんですか?」

「そうだ」

「あんた、あほだろ」

「むきーーー」

アホといわれて、事実アホな行動をとりにきた浮竹は、怒った。

「おい都!海燕の財布で買い物にいこう!」

「ええ、あ、はい」

「ちょっと!何人んちの妻を持って行こうとしてるんですか!しかも俺の財布って」

浮竹は、海燕の財布を取り出すと、中に金が入っているのを確認して都とと一緒に瞬歩で消えてしまった。

「なんだったんだ・・・・」

10分後、瞬歩で帰宅してきた二人がもつおはぎやらの甘味の量に、海燕は使われた金を思って、叫んだ。

「これ、ほとんどあんたの好物でしょう!こんな無駄遣いして!金返せ!」

「残念ながら、今月はもう0円だ。貯蓄もないしな!」

けらけらと笑う浮竹が、悪魔に見えてきた。

「んで、自分の部下にたかりにきたんですか」

「ただの、嫌がらせだ」

勝手に、買ってきたおはぎを食べだす浮竹。

「全くこの人は・・・・・」

「いやぁ、壬生の甘味屋のおはぎがやっぱり一番だな」

「どいてください。俺も食べる」

もう買ってしまったものを、しかも食品だ。戻して金に変換するのは無理なので、海燕も食べたが、量が量なのでほとんど浮竹が一人で食べてしまった。

「最悪な嫌がらせだ」

「そうだろう。今度から起こした方変えないと、またこうやって海燕の財布を直撃するぞ」

「はあ・・・分かりましたよ。もっと優しく起こします。それで起きなかったら、外に追い出しますけどね」

「それはないだろう!」

「あんまし嫌がらせしてると、山本総隊長にちくりますよ」

「う・・・・・・・」

痛いところをつかれて、浮竹は逃げ出した。

伝令神機で、京楽のところに連絡をいれる。

雨乾堂にきたところで、京楽に捕まった。

「京楽、海燕とグルか!」

「いやね、お仕置きをしてくれと言われて・・むふふふふ」

嫌な予感がして、一歩後ろに下がる。

瞬歩で逃げ出そうとした時は、もう京楽に捕まっていた。

「俺は無実だーーー!離せーーー」

「こんなこと言ってるけど?」

「いいえ、有罪です。勝手に俺の財布使って飲食に使いました」

伝令神機から、海燕の声がした。

「海燕の卑怯者ーー!」

「悪いのはあんただろうが!このアホ!」

「あほっていうほうはあほなんだーーーーー!」

「あほが!」

「お前があほだ!」

「いいや、あんたがあほだ!」

伝令神機ごしにアホだアホだと言い続ける二人を、京楽は他人事なので、どうでもよさそうだった。

「京楽隊長、後は頼みました」

「任せなさい。浮竹、覚悟はいいかい?」

「海燕の卑怯者!ぎゃああああああああああああ!!!」

京楽に押し倒せされて、美味しく京楽が満足するまで食べられて、浮竹は流石に懲りた。

だけど、朝起きる時はやっぱり意地汚く布団にしがみついたままで、ひっぺがされなくなったけど、布団と一緒に外の廊下に放置されて、そして外の寒さに起きるのだった。

「今に覚えてろよ、海燕め・・・・・」

呪いの言葉を吐いて、今日も起き出す。

朝の8時半には毎日起きる癖がついて、しまいには朝起こされなくても起きるようになったが、結局それは一時的なものだった。











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BLについて悩む白哉

「ああ、隊長またこんなもの見て!」

白哉が読んでいた、BL特集とかかれた漫画雑誌を、恋次は取り上げた。

「なぁ、恋次」

「なんですか」

「私たちも関係もボーイズラブというのだろう」

「そうですよ。何か悪いですか」

「訳せば少年愛。もうとっくの昔に、少年という時代は過ぎてしまったのに、何故にボーイズラブというのであろうな?」

恋次は頭を抱えた。

「そんなこと知りませんよ。現世の人間にでも聞いてください」

「この関係をやおいともいうのだろう。やおいとはなんだ?」

「だから、知りませんって。確か語源はやまなし・意味なし・おちなしからきてるそうですが・・・・」

「何故、それを知っている?」

「松本が、そう言ってたんですよ!」

「ふむ・・・松本か。その雑誌を渡してきたのも、松本だ」

「あのアバズレ・・・・・」

瀞霊廷屈指の腐女子は、とにかく恋次と白夜の関係に興味があるらしい。

裏では同人誌の小説を書いていて、最近のマイブームは恋白とかいっていた。王道は京浮ともいっていた。

「俺たちのこと、小説にしてるみたいですよ」

「許さぬ」

「そう言われても」

「斬り捨ててくれる」

「わーー、ちょっとたんま!」

斬魄刀を手に、本当に斬り捨てそうなので、とりあえず止めた。

「何故止める」

「いや、小説にされたくらいで殺してたら、読んでる死神も殺さなきゃいけないでしょう」

「全員の記憶から抹消するか?」

記憶置換を持ち出してきた。

「松本の記憶をこれで・・・・」

「いやもう、すでに同人誌にされて売り出された後ですから」

「何故、それを知っている?」

持っているからとか言えなくて、適当に誤魔化す。

「松本に読めってわれて、読んだんです」

「その時点で何故抗議せぬ。さては、裏で繋がっているな?」

実はそうだった。

白哉を抱いた感想とかを聞かれて、おしげもなく情報を与えていた。

「散れ、千本桜・・・・」

「わああああ、ちょっとたんま!すんません、俺が悪かったから!」

白哉は、千本桜を止めた。

「当分、私を抱かせぬ」

「ええ、そんな!」

「当たり前であろう」

白哉の怒る顔を見るのも久しぶりだなぁとか思いながら、見ていた。

「聞いているのか、恋次」

「え、ああ、聞いてます」

「恋次は、ボーイズラブについて何と思う?」

「いや別に。いいんじゃないですか。恋愛なんて性別も年も種族も関係ないし」

「ふむ・・・いわゆる衆道であろう」

「そんな言葉よりは俺はボーイズラブを選びますね。なんか響きがいい」

恋次は、今の白哉との関係を、別に普通だと思っていた。男性同士であるから、ということを失念するほどに自然体であった。

「ふむ・・・・リバーシブルは・・・」

「リバは認めません!」

専門用語をもちだしてきた白哉に即答する。

「略せるのか。お前も相当知識をもっているようだな」

ぎくりとなった。白哉の体を喜ばせるために、その手の雑誌やら漫画を読み漁っていたことは誰にも内緒だった。

「とにかく、この話は終わりです。いいですか、松本にくだらない雑誌をもらわないこと!あと、目にあるところにあっても読まないこと!」

「ルキアに聞いた。お前の家には、この手の雑誌がおおいと」

「ルキアのやつ~~~~」

「恋次、他に思う相手でもいるのか?」

「はぁ!?なんでそう思うんですか」

恋次は、素っ頓狂な声を出していた。

「ならばなぜ、この手の雑誌を所有している」

「そりゃ、相手はあんただからですよ。俺も男は初めてだったし。女も抱いたことないけど。男は女と体の仕組みも違うから、どうすれば気持ちよくれるのか勉強してたんすよ」

「私のため・・・だと・・・・」

白哉は紅くなった。

「隊長、かわいい。もしかして、嫉妬してた?」

「知らぬ!」

抱きついてくる恋次を適当に交わしつつ、白哉は黒檀の文机に向かって座り、仕事をはじめる。

「とにかく、1か月は禁欲生活とする」

「そんなぁ」

がくりと項垂れる恋次を見て、白哉は思う。

厄介な相手を好きになってしまったものだと。

まあ、それも愛してしまったものは仕方ない。

白哉は、仕事をしながら考え事をしてしまい、いつの間にか手が止まっていた。

もやもやがいっぱいで、白哉は恋次に言った。

「今から、お前の家にいく」

「ええ、まじっすか。散らかっているから今度にしてください!」

「行くと言ったら行くのだ。鍵をかけていても扉をぶち壊す」

白哉に見られるとまずい、写真やら雑誌やら、松本の同人誌やら。

「ちょっと瞬歩で帰って片付けてきます!」

そう言って瞬歩で移動する恋次についていく。

「うわあああ、ほんとに勘弁してくださいいいいい」

結局、見られていけない写真集やら雑誌やら同人誌を発見されて、3か月の禁欲生活を強いられるのだった。









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遠征の傷跡

「恋次・・・・・・」

名を呼ぶと、恋次は頬に手を当てて、キスをしてきた。

「どうしたんですか、隊長」

「なんでも、ない」

嘘だ。

恋次が去っていきそうな気がして、名を呼んだ。

緋真のように、手の届かない場所にいってしまいそうで。

「次の遠征、必ず帰ってきますから」

恋次は、虚退治の遠征に出発することが決まっていた。

白哉には待機命令が出されていた。

ユーハバッハの一味を、互いに倒した。初めはやられてばかりだったが、零番隊で湯治して、修行した。

今の力量なら、ただの虚退治の遠征くらい、なんてことはないだろう。

だが、恋次は5席を庇い、怪我をして戻ってきた。

酷い怪我だった。

ただちに4番隊の救護院に入院が決定した。

ちぎれかけた右手の先は腐っていて、本人の細胞から生み出した右手を移植手術した。背中にも大きな傷を負っていて、回道をかけたが傷はまだ完全に塞がりそうになかった。

移植手術はなんの問題もなく終わり、恋次は普通の病室に移された。

「愚か者・・・このような怪我を負って・・・・・」

「隊長?」

起き上がろうとした恋次は、背中に走った痛みと、右手の違和感に眉を顰めた。

「背に大きな傷がある。あと、右手は腐っていたので新しいものが培養されて作られて、接続手術は問題なく終わった」

「ああ・・・・右手、やっぱりだめだったんすか」

「うじがわいておった」

「そりゃ、使い物にならないわけだ」

「今の技術に感謝することだ。四肢を欠損しても、培養技術で作りだし、接続手術が成功すれば元の通りになる」

「隊長」

「なんだ」

「新しい右手で、触れてもいいですか」

何故急に恋次がそんなことを言いだしたのか、分からなかったが、いいだろうと言うと、恋次は白哉の白い頬に触れてきた。

「ああ・・・前と同じ感触がする。よかった、何も変わってない・・・・・」

「愚か者・・・・仲間を庇うなら、もっとダメージを最小限にして庇え」

「すみません・・・・」

「お前が担ぎ込まれた時の姿を見た時、心臓が止まるかと思った」

白哉の白く美しい、とても武人はとは思えない手が、恋次の赤い髪をすいた。

「今日は、随分と優しいんですね」

「怪我を負った愚か者を、叱りに来た」

「そのわりには、優しい」

「優しくされては、不安か?」

「いいえ。居心地がいい・・・しばらく傍にいてくれと言ったら、怒りますか」

「構わぬ」

「なら、もっと傍にきてください」

言われる通りに傍にいくと、唇を奪われた。

「ん・・・・・」

ピチャリと、舌が絡み合った。

その続きをしようとする恋次を、ベッドに押さえつけた。

「隊長?」

「ここは救護院だ。そのような場所ではない」

「なら、退院したらあんたを抱いてもいいですか」

「よかろう」

半分冗談のつもりだった。

こんな怪我人が、そうそうの退院することはないだろうと思っていたが、恋次は1週間で退院してしまった。

卯ノ花の後を継いだ勇音も、舌を巻くほどの回復ぶりであった。

背の傷後は残っているが、右手はもう違和感もなく動かせた。剣を握っても、それは関係なかった。

「隊長、退院しました。約束通り、抱かせてください」

「このように早く退院など・・・・・仕方ない、今宵あの館にこい」

夜になって、いつも逢瀬に使う館に案内された。

遠征の保存食に、救護院の病院食で物足りなかった恋次にとっては、久方ぶりのまともな食事だった。

珍しくおかわりを所望する恋次に、仕方ないと、料理人に違うメニューを作らぜて、食べさせた。

酒も飲んだ。

実に、1か月ぶりだ。

3週間の遠征と、1週間の入院。

白哉を抱くのも、1カ月ぶりだった。

「ん・・・・」

褥に横たえて、キスを繰り返した。

「ずっと、あんたに触りたかった・・・遠征とか、抜くこともなかなかできないから、溜まりまくってる」

「加減は、しろ」

「分かってます」

「んん・・・・」

潤滑油で濡れた指が入ってきた。

久し振りの異物感に、体が拒否反応を起こす。

「あんたのここ・・・・すごい熱い」

「言うな、愚か者・・・ああ!」

指でぐっと前立腺がある場所を押されて、体が反応する。

「ひああああ!」

コリコリと前立腺ばかり刺激されて、前もいじられて、白哉は精を放っていた。

「入れますよ」

「ああああああああ!!」

指とは比較にならないものに引き裂かれて、白哉は生理的な涙を零した。

背中に爪をたてようとして、まだ傷口にガーゼが当てられ包帯が巻かれていたので、包帯の上から爪を立てた。

「隊長、ずっとあんたに触れたかった。ずっと一つになりたかった・・・・」

1か月間の空白は、白哉にとっても溜めこむことになった。

「ひあああ!」

前立腺をすり上げられて、白哉は二度目の熱を放つが、その量がいつもより多かった。

「隊長、あんたぬいてなかったのか」

「そのような行為、好まぬ」

「俺が存在しなかったとき、どうしてたんですか」

「覚えておらぬ」

それは本当だった。

「隊長、愛してます」

「私も、愛している」

ぐちゃりと奥を犯されて、白哉の中が締まり、恋次はやっと思いのたけを白哉にぶつけた。

「ああ、めちゃくちゃきもいい・・・」

射精は長かった。

よほど溜めこんでいたのだろう。

「ん・・・・」

やっと律動を再開した恋次の動きに、白哉もおいつめられいく。

「ああああ!」

恋次が二度目になる熱を白哉の腹の奥に出す頃には、白哉は三度目の熱を放っていた。

「加減をしろと言っておいた。まだするつもりか?」

「あと1回だけ」

「早く、いってしまえ」

くちゅくちゅと内部を犯されて、前立腺ばかりを刺激してくる動きに、白哉は何も考えられなくなった。

「いあああああ・・・・ああ・・・うああ」

下肢に力を籠めると、その締め付けで、恋次は3度目をあっという間に放っていた。

「もっとあんたを味わいたかったのに・・・・・」

「もう十分であろう」

「まだいけますが、さすがにだめですよね」

「加減をしろと言っておいたであろう」

「はい・・湯殿、いきますか」

睦みあった情事の後を流すために、いつも行為の後は湯殿で体を清めた。時折意識を飛ばした時は、起きたら湯殿に行った。

「あ・・・・・・」

とろとろと、恋次の放ったものが大量に、太ももを伝っていく。

「かき出しますね」

「んん・・・・・」

指をいれられてかき出す動きに、いってしまいそうになって、かき出されると、白哉は湯船に浸かった。

もう出すものがないので、オーガズムでいきそうになってしまった。

「すみません、ちょっと隊長の声聞いてると、たっちゃったんで抜きます」

風呂場で一人で抜く恋次を、白哉は黙って見ていた。

「あの、恥ずかしいからあんま見ないでもらえます?」

「何を今さら。互いの裸なぞ、見飽きた」

ぬいてスッキリした恋次は、湯船の中で白哉に抱きついた。

「ああもう、そのつんけんした態度がたまらない」

「お前は、マゾか?」

「違いますよ!隊長の性格のせいでこうなったんです!」

「ふむ・・・背の傷、後でガーゼを交換して包帯を巻いてやろう」

「ありがとうございます」

やがて湯からあがり、恋次の背中の傷に化膿を防ぎ、傷口の治りを早くするお値段の高い4番隊で売っている軟膏をつけてから、ガーゼをあてて、その逞しい胸と背中に、包帯を巻いていく。

「お前の背中は広いな。逞しい」

「あ、隊長、こんな風になりたいと思っても無駄ですからね。隊長の体は、鍛えても今以上の筋肉はつきそうもないし」

「知っている」

何度鍛錬しても、この体は筋肉があまりつかないのだ。体質のせいでだろう。

「右手は、もう違和感はどこにもないのか?」

「ありません。接続手術をしたのが嘘みたいだ」

「そうか。ならばよい。明日も仕事がある。寝る」

褥ではなく、普通に出した1組の布団で、寄り添いあいながら寝た。

「もう、そのような傷を作るな・・・・・」

眠りに落ちる前、白哉は確かにそう言った。

「はい・・・・・って隊長?寝ちまったか・・・・・・」

恋次も、大人しく眠るのだった。





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一護とルキア番外編 一護の誕生日

「一護!誕生日おめでとう!」

ルキアが、一護に抱き着いた。

「え、ああ、もうそんな季節か。道理で暑くなってきたわけだ」

「一勇と苺花は?」

「兄様と家人に面倒を見てもっておる。今日は久しぶりに二人きりだ」

「ああ、俺何歳になったんだろう?」

「さぁ・・・確か、30か31あたりではなかろうか」

「俺も年食ったなぁ・・・見た目は十代のまま変わらねーけど」

ルキアを抱き上げた。

「ひゃあ」

ルキアは、一言に抱き上げられて、くるくると回されて、変な声をあげていた。

「こ、こら一護!」

「今日は俺の誕生日なんだろ。贈り物にルキアをくれよ」

その言葉に、ルキアは真っ赤になった。

「ちゃんと、贈り物は用意しておる!」

「また、チャッピーのなんかか?」

「そうだ。チャッピー抱き枕だ!限定生産品で予約までしたのだぞ!」

ルキアは一護から離れると、寝室の隅に置いてあったラッピングされた抱き枕をもってきた。

それを、一護は包装紙をはがして中身を見る。

ふわふわの羽毛の鳥がはいっていて、触り心地もよかった。

「お、けっこういい品じゃねーか」

「だから言ったであろう。限定生産品だと」

「柄があれだけど、ありがとな、ルキア」

ルキアに触れるだけのキスをする。

「私が欲しいのか、一護?」

ルキアが、潤んだアメジストの瞳で見つめてくる。

「ああ、ルキアが欲しい」

「仕方のないやつだ・・・・・・」

一護に抱き着いて、キスをする。

その先が続けられずにいると、一護のほうから触ってきた。

「あールキアの匂いがする」

ルキアを抱きよせて、しいた布団の上に寝転んだ。

「ひゃう」

耳を甘噛みされて、変な声が出た。

「相変わらず、耳弱いのな」

「ば、ばか者!このたわけが!」

お返しとばかりに、一護の肩に噛みついた。

死覇装を互いに脱がしていこうとして、苺花がじっとこちらを見てきているのに気づき、一護とルキアは動きを止めた。

「何してるの、母様、父様」

「い、いやこれはだな、暑いから互いの服を脱がしあってたんだ」

「じゃあ私も混ざる~」

苺花が寝室に入ってきたせいで、睦みあうのはなしになった。

残念だが、苺花が寝入った頃にしようと、一護が耳打ちをルキアにした。

「苺花、おいで」

「父様、今日誕生日なんでしょう?」

「そうだぞ」

「これ、私が描いたの!父様の顔!」

お世辞にもうまいとはいえないが、その絵をもらって一護は微笑んだ。

「これ・・・・俺だよな?こっちのは・・・弓親さんか?」

「そうだよー。私、父様と同じくらいいチカさんが好きだから、描いたの!」

「そうか。ありがとな」

頭を撫でてやると、えへへと笑った。

「一勇は?」

「一勇なら、もう寝ちゃったよ。明日学校で遠足があるからって、早めに寝ちゃった」

「おお、そういえばそうであったな。まぁ、私の弁当より朽木家の料理人の弁当のほうがうまいから、弁当は料理人に任すか」

「ねぇ、父様」

「なんだ?」

「今日は私も一緒に寝ていい?」

ルキアと顔を合わせあう。

「一護、またの機会にしよう。私たちは夫婦なのだから、いつでも時間は作れる」

「ああ、そうだな」

こうして、苺花を挟んで川の字で寝た。

「ん・・・・・」

触れてくる一護に、ルキアが目を覚ます。

「どうした?」

「ちょっと、ルキア成分を補充したくなって」

「たわけが・・・・」

ルキアの布団の中に、一護は入った。

そのまま、ルキアを抱き締めて、腕の中に閉じこめる。

「ふふ・・・・現世にいた頃を思い出すな、この寝方」

よく、一護のベッドで、ルキアを抱き寄せて一護は眠った。そんな時の体勢にそっくりだった。

「好きだ、ルキア」

「私もだ、一護」

互いを抱き締めあい、何度かキスをしてから、二人は眠いについた。

次の日、遠足だという一勇を早めに送り出して、苺花も初等部送り出して、やっと一息つく。

今日は、仕事は午後からだった。

半休をもらっていた。

「なぁ、時間あるからいいか?」

腰を抱き寄せられて、こんな朝からと思いつつ、昨日体を重ねるものだと思ってドキドキしていたのだ。

「仕方ない、今日だけだぞ」

「よっしゃ!」

一護は、小さくて細いルキアを抱き上げた。

白哉も、仕事に出かけていない。

家人に、寝室に近寄らないように言いつけて、二人は体を重ねた。

「ん・・・」

「ああ、起きたか?」

避妊はきちんとしていたが、久しぶりでルキアは意識を飛ばしていた。

「もうすぐ1時だ。俺たちも、仕事に出かけないと」

「たわけ。朝から盛りおってからに」

「でも、ルキアも満更じゃなかっただろ?何度もいってたじゃないか」

「恥ずかしいから、そのようなこと口にするな」

ぽかりと叩かれて、一護は笑った。

「ああ、幸せだなぁ。ルキアと出会ってよかった・・・・」

「それはこちらの台詞だ、一護」

互いに服をきて、時間がきたので瞬歩で13隊の執務室に移動した。副隊長である仙太郎が、先に仕事をしていた。

「おはようございます、朽木隊長。それに朽木3席も」

「ああ、おはよう」

「よお、先に仕事しててくれたのか。ありがとな」

この前行われた隊首会で、一護を副隊長にするという動きがあったが、肝心の一護が断った。

仙太郎の能力は十分だし、副隊長なんて任されても、ルキアのサポートを完全にできないし、慣れていない副隊長になるよりは、今のままでいいと判断したのだ。

「ルキア、昼飯忘れてただろう。3時の休憩に飯にしようぜ。朽木の料理人から、弁当二人前もらってきてるから」

「すまぬ。昼ぬきでもいいだが、夕刻になる前に腹がすくからな」

二人は、職場でいちゃついてるつもりはないのだが、周囲から見るといちゃついているにしか見えないらしい。

高いところの荷物をとろうとして、一護の身長でも届かないので、ルキアを肩車して荷物をとった。

ふと見えたルキアの鎖骨に、いっぱいキスマークが残っていて、仙太郎はルキアに耳打ちした。

「隊長、鎖骨のキスマーク見えてます!襟をもっと絞めてください!」

「こら、一護!見えるような場所には、あれほど痕を残すなと言ったであろう!」

「鎖骨のとこなんて、普段見えないだろ」

「見えないようで、時折見えるのだ!」

「わーったよ。今度から気をつけるから!」

「全く・・・・・・」

「仲が良いようで、何よりです」

仙太郎の言葉に、ルキアは朱くなりながらも頷いた。

「あれは、私の自慢の夫なのだ」

「隊長、うなじにもキスマークが・・・・・」

「こらぁ一護!うなじにもキスマークをつけたのか!」

ぽかぽかと、一護を叩くルキア。

それに、苦笑して反抗らしき反抗もせず、好きにさせている一護。

ああ、この夫婦は何年何十年たっても変わらないのだなと、思うのであった。









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