京浮は王道として恋白もあってもいいんじゃ?
容姿秀麗、性格は冷静沈着。護廷13隊6番隊隊長であり、4大貴族の朽木家当主。大金持ちの上流貴族であるが、あまり感情を表に出さない。喘ぎ声はきっと控えめ。恋×白があたりがオススメ。
浮竹十四郎。
容姿端麗、性格は人懐こく優しい。護廷13隊13番隊隊長であり、下級貴族の長男。8人の兄弟として育ち、金はあまりない。表情をころころと変えるが、肺の病をもっており、また体が弱く熱を出しやすい。喘ぎ声はけっこう大胆。京楽×浮竹が王道。
「うーん」
腐った松本の書いたそのメモを見る。
「うーん?」
自分の書かれていたメモは真実なのでいいが、白哉のメモは恋次×白哉ってどうなんだろうと思いながら、見ていた。
「あ、浮竹隊長、どうです?最近の私の思考なんですけど」
「これ見たら、白哉は千本桜を散らすな」
「やっぱり同人誌にして売り出すのは無理かしら・・・・」
「隠れながらなら、大丈夫じゃないか?」
「もうすでに3章まで書き上がってるんです!浮竹隊長と一緒においしくいただかれるシーンが・・・・ちょっと、どう打ったらいいかわからなくって」
「いや、俺と美味しくいただかれるシーンって・・・・京浮に恋白もまざるのか?」
「そうなんです、突然の恋白は飛ぶほどには売れないから、王道の京浮に入れながら慣れてもらおうと思って」
「うーん」
白哉がここにいたら、浮竹にも千本桜を散らしそうだなと思いながらも、アドバイスをだす。
「阿散井副隊長の人格をちょっとブラックすればいいんじゃないか」
「きゃ、ブラック恋次!上官を裏切り、巨額の富を自分のものとして、上官を性奴隷のように扱う・・・・・萌えるわぁ」
「いや、誰もそこまで言ってない・・・・」
「浮竹隊長も借金の方に売られて京楽隊長が買いとる・・・・むふふ、このネタで新作1本かけそう」
そして、冬コミはそのままのネタで小説を書きあげた松本が、京浮と恋白で新刊を2冊発売していた。
好評のようで、重版がかかるらしい。
「今期ももうけたもうけた」
ほくほくの松本は、その稼ぎの一部で浮竹を甘味屋まで誘ってくれた。
けっこうな量の甘味を食べたが、コミケで隊長の給料を上回る収入を得ている松本には、平気な額だった。
ふと、帰り道に白哉と会った。
松本はこそこそと逃げ出す。
「白哉、お前の同人誌は人気らしいぞ」
「私の・・・?兄は、何をいって・・・・松本副隊長、兄は、まさかまた私を題材に・・・」
松本は瞬歩で逃げ出した。その後を手加減を加えた白哉が追う。
一度まいたように見せて、松本が安心して自分の部屋に戻ると、先回りしていた白哉がいた。
「ぎゃあああ、朽木隊長」
「なんだこれは・・・恋次と?恋次と私が・・・私が性奴隷?恋次が私を一晩百万で買って・・・・」
ぺらぺらと、けっこう厚い小説の本を読んでいく。
「浮竹に京楽も・・・・・浮竹は性奴隷になり京楽に買われて・・・・・」
ぱたん。
本を閉じた。
松本は、せめてデータだけでもと、携帯をいじりだす。
「散れ、千本桜・・・・・・」
「もぎゃああああああ」
白哉が題材にされた同人誌と、そのデータを壊し、松本も一緒に攻撃する。
「あああ、あたしのお金がーーー」
塵になっていく同人誌に手を伸ばす。
煙をあげた携帯を見て、悲鳴をあげる。
「ああああ、大切なデータが!書きかけの恋白が!」
「兄は・・・・少しは懲りたらどうだ」
以前、白哉×浮竹の小説本を書いて、白哉にこてんぱんにされたのに、また自分を題材にした・・・今度は、あろうことが自分が受けで喘いでいる本を読んで、大変白哉は不機嫌だった。
「浮竹も京楽も、作り話だから何も言わぬだろうが、私は違う」
千の桜を操り、全ての同人誌を粉々にした。
「これにこりたら、もう私を題材にした同人誌とやらはかかぬことだ」
白哉は去って行った。
「ふふふふ・・・・・・こんなこともあろうかと」
地下のスペースに、パソコンを隠していた。
そこに、全てのデータがつまっていた。
「ふ、甘い」
「なんですって!?ぎゃああ、朽木隊長!」
「散れ、千本桜」
千本桜にやられて、パソコンはショートした。原型もないほどに壊された。
「あーん、あたしのお金がーーー」
「兄は・・・少しは働いて金を得ろ」
そこは、10番隊の隊首室であった。
松本も、自分の屋敷をもっているが、帰るのがめんどくさいのでいつも10番隊の隊首室で寝起きしていた。部屋は松本の私物だらけで、日番谷がこの隊首室を使うことはない。
日番谷は、いつも自分の屋敷まで帰る。
「ふーんだ。予備の予備だってあるんだから」
衣装ケースの中に、パソコンがあった。
さすがにもう白哉は去ったらしく、打ちかけだった恋白小説はデータがふっとんだものの、それ以外は無事だった。
「朽木隊長め・・・・・小説の中でめっためたに犯されるといいわ」
「恋次」
「なんすか、隊長」
「お前は、恋白をどう思う」
ブフーーーーー!
飲みかけだったお茶を吹きだしてしまった。
「ごっほごっほ。はぁ?隊長と俺!?」
「そうだ。松本副隊長が、そのような小説を打って、同人誌にして売りさばいているらしい」
「乱菊さんめ・・・・・・」
ところかわって、雨乾堂では。
「僕と浮竹の小説の本、乱菊ちゃんからもらちゃった。鬼畜な阿散井君がいて、朽木隊長が受けになってた」
「ああ、それなら読んだ。京楽も鬼畜になっていたな」
「僕はこんなに酷い男じゃないんだけどなぁ。薬はたまに使うけど、道具類は使わないし」
「おい、薬たまに使うって、涅隊長のやつか」
「んふふ。秘密」
人の悪い笑みを浮かべる京楽に、浮竹は京楽の首を絞めた。
「ぎぶぎぶ。媚薬とかだよ。たまに、ほんとにたまーーに使った」
「このまま絞め殺していいか?」
ニコニコした顔で、物騒なことをいう。
「ああ、ごめんなさい。もうしません」
一方、10番隊の執務室では、仕事時間なのに、ふっとんだデータの恋白の小説を書いている松本の姿があった。
「おい松本!仕事しやがれ!何、同人の原稿かいてやがんだ!」
「仕事もあとでしまーす」
全くこりていない松本の姿があった。
浮竹に髪を切られ、10円はげをこさえた京楽
「浮竹?」
「んー」
「どうしたの」
「んー」
8番隊の執務室に珍しくやってきた浮竹は、京楽の髪の毛で遊んでいた。
黒いくせっ毛で、かたかったが手入れは行き届いているのでつやはあった。
「お前の髪・・・強制ストレートパーマとかあてたら、面白そうだ」
「ちょ、そんなことしないからね!?さらささらな黒髪の僕なんて、自分でも嫌だよ」
「そうだな。京楽はいまの髪型がいい」
「君の髪の毛も、今のままがいい。さらさらさだし、白い色も綺麗だし、長い白髪が風に揺れる様を見ているだけでも絵になる」
「俺としては、もう少し短くてもいいんだがな。たまに、院生の頃のように短くしたくなる」
「でも、切らないでよ?そこまで綺麗に伸ばすのに、10年以上はかかってるんだから」
浮竹の髪は、京楽が切っていた。腰より長くなると、いつも京楽が腰より少し高い位置で切り揃えてくれた。
「京楽も、髪伸びたな。切ってもいいか?」
「いいけど・・・・ちゃんと、加減してよ?」
仕事をいったん終わらせて、浮竹が京楽の髪をきっていく。
ジョキジョキと遠慮のいらぬ音で、ばさばさときっていく。
「ああ、もうあれだ。不毛だ」
「ちょ、え、まじで?10円はげできてるんだけど!」
「ここに、涅隊長のつくった、「髪のびーる」っていう薬がある。これを濡れば・・・・あら不思議・・・・・ぎゃあああああああ」
10円はげのところにぬると、すごい量の髪の毛が生えてきた。
「ちょっと、浮竹!?」
「く、この髪の毛め!」
ジョキジョキと切っていくと、10円はげが3つできた。
「さっきより酷くなってるんだけど!もう、自分で切り揃えるから、その「髪のびーる」で僕の10円はげになったところ、伸ばしてよ」
「分かった」
ばさぁと伸びた。
「京楽の髪の毛でおぼれ死ぬ!」
「どんな死に方だい、それ!」
浮竹から髪切り用の鋏を手に取り、雑に切っていく。ある程度切った後、京楽は七緒を呼んだ。
「七緒ちゃん、ごめんだけどちょっと髪揃えてくれないかな」
「どうなっても知りませんよ」
「ええっ、ちょ、10円はげだけはやめてね!?」
はさみでちょきちょきと、うまい具合に切っていく。京楽は、前より幾分が髪が短い、というよな髪型になった。
「ありがとう、七緒ちゃん」
「すまない、伊勢」
「どういたしまして。この黒い髪、全部隊長のものですか」
「そうだけど」
「ちゃんと、後でごみとして片づけてください」
「うん、分かった」
七緒は、自分の部屋に戻って行った。
「んー悔しいなぁ。俺でも京楽の髪くらい切れると思ったんだが」
「君が切ると10円はげがいっぱいになることが分かったから、今度から美容院か、七緒ちゃんに切ってもらうことにするよ」
「10円はげのある京楽も、きっと・・・・多分・・・・・それなりにかっこいいかもしれないぞ?」
「今、君疑問形にしながらしゃべってるでしょ」
「お前の髪くらい、切り揃えてやりたいが、それができない自分が情けない」
「そんな深刻にならなくても」
「でも、涅隊長の「髪のびーる」があってよかったな。10円はげ3つもこさえた8番隊ハゲ隊長ににならずにすんで」
「8番隊ハゲ隊長!酷い名前だ」
髪の海をゴミ袋につめこむと、2袋分になった。どれだけ伸びたのかが分かった。
「んーー」
京楽が仕事している間、暇なので隊舎で飼われている、タロという子犬と遊んでいた。
京楽は猫アレルギーなので、猫自体は好きなのが、飼えないのだ。
「わんわん」
「といれかな?」
「ああ、散歩の時間なんだよ。浮竹、暇そうだし散歩に出も連れにいってくるかい?」
犬用の、フンを始末するしゃべると袋を渡された。
子犬を連れて、隊舎の外を歩く。
リードをちゃんとしていたのだが、浮竹が石につまづいてこけかけた時に、リードを手放してしまった。
「あ、タロ!」
急いで後を追うが、子犬しか入れない狭さの路地をいかれて、行方不明になってしまった。
「どうしよう・・・・・」
きょろきょろと見回す。
仕方なしに空から瞬歩を使って探し始めた。
「この子犬、どこかの隊舎の犬か」
「さぁ」
狛村が、タロを抱き抱えていた。
「狛村隊長!その犬、8番隊のタロというんだ。さっき、リードを離してしまった時に逃げ出して・・・・・」
「そうか、8番隊でも子犬を飼っているのか。犬はいいぞ」
「狛村隊長、タロをこっちに」
タロは、狛村の手の中でぶんぶん尻尾を振っていた。
そして、狛村が手を離して地面に置くと、狛村の足にでおしっこをしだした。
「ああ、タロ!狛村隊長、すまない!」
「ははは、元気があってよい」
何度もあやまって、もっていたタオルでぬぐったが、やはり匂いがついてしまっていた。
「隊長、隊舎についたらすぐ服を洗いましょう」
一緒にいた席官が、そう言う。
「本当にすまない」
「浮竹隊長、どうかその子を叱らないでやってくれ」
「あ、ああ」
タロを抱いて、瞬歩で8番隊までくると、大きなため息をついた。
「どうしたんだい、そんな溜息なんかついて・・・・」
「タロが・・・・」
事情を説明すると、京楽は笑った。
「笑いごとじゃない」
「いやごめん。狛村隊長は、自分の隊の隊舎で飼ってる犬をよく世話しているから、その程度のことで腹を立てるような人物じゃないよ」
「そうか・・・・それより、仕事は終わったのか?」
「うーん、追加でまたきてね。最近さぼってたから」
「仕方ない、手伝おう。このまま仕事をするお前を見ているだけでは暇だから」
「ごめんね、京楽。せっかく遊びにきてくれたのに、構ってあげられなくて」
「そいいうお前も、よく雨乾堂に遊びにきて、俺が臥せっていて無理な時も多いだろう」
「ああ、まぁお互いさまというわけか」
「そうだ」
京楽の仕事を手伝っていると、ミスを発見したりして、浮竹の事務能力の高さが分かった。
2時間ほどして、とりあえずためていた仕事は片付いた。
「もう、夕餉の時刻だね?どうする?」
「たまには、俺が泊まる」
「そうだね、僕の本宅の屋敷にいこうか」
「ああ」
京楽家の屋敷は広かったが、何度か来たことがるので、どこのなんの部屋があるのかくらいは、うろ覚えだが分かった。
家人に頼み、二人分の夕餉を出してもらう。
普段浮竹が雨乾堂で食べる食事よりも数倍豪華な食事が出された。
「なんだか悪いな・・・・こんな豪勢なもの」
「お金はあるだけじゃ意味ないからね。たまには、使わないと」
ぱあっと使っても、京楽の金が尽きることはない。
4大貴族の白哉ほどではないとしても、上流貴族らしく蓄えはたくさんあった。
屋敷をいくつも抱え、それに家人を置いて管理させているだけでも、相当な金が飛ぶだろうに。
「酒は飲むかい?」
「ああ、いただこう」
その日は、深夜まで飲み交わした。
次の日、京楽の髪がうねっていた。
「な、なんだいこれ」
「ああ、涅隊長の薬の副作用だ。1日だけ、うねって生き物にようになるとか」
「そんな薬、塗らないでよ!」
「でも、10円ハゲを作ってしまったんだぞ」
「ああ、こんな髪が外出もできない。今日は休みをとるよ」
「じゃあ、俺も」
京楽の髪がうねるさまを、面白げに見ながら、二人は共に休暇を過ごすのであった。「
浮竹のミニフィギュア
浮竹は年はもう若くないくせに、ガチャガチャにはまっていた。
「あと200円・・・」
百円玉が2枚しかなかった。
「勝負!」
百円玉をいれて引くと、外れだった。
「だぶった・・・・」
ブリーチのキャラの、ミニフィギュアだった。
「く、京楽ばかり5体も!こんなにいらない!こい、俺!」
最後の百円玉でガチャガチャを引くと、また京楽だった。
「京楽のあほーーー!」
べしっと、地面に投げつけた。
「あのさぁ。こんな駄菓子屋で、いい年した大人がガチャガチャとか・・・聞いてるのかい、浮竹?」
「京楽、千円よこせ」
「はいはい・・・・」
小銭と交換して、10回ガチャガチャをひいた。結果、京楽6、狛村、砕蜂、恋次、ルキア。
「く、あとは俺だけなのに・・・みんなだぶってる」
「僕がいっぱいるけど、これって愛かな」
「こんな京楽のフィギュアなんていらない!京楽にやる!」
「いや、僕ももらっても嬉しくないんだけど・・・・日番谷隊長にでもあげるかな」
午後に、日番谷に駄菓子の差し入れと一緒に京楽のミニフイギュアを10体あげたら、思いっきり嫌そうな顔をされた。
「わーやったー浮竹だ!」
浮竹のミニフィギュアをひいた子供をさっと瞬歩で拉致して、千円分の駄菓子と引き換えに、浮竹のミニフィギュアを手に入れた。
「やった、揃った」
「・・・・・・500歳以上になるのに何してるんだか」
京楽は、だけど止めはしない。
愛しい浮竹のすることは、時折すごい子供じみている・・・・・というか、子供そのものなのだが、それもまた浮竹の可愛いところなのだ。
「ほら、浮竹、帰るよ」
喜んで自分のミニフィギュアを手に入れた浮竹は、ご機嫌で京楽が往来でキスしてきても、何も言わなかった。
なので、首筋に噛みついた。
「いたい!」
ぴりっとした痛みを感じて、浮竹が京楽の頭を殴った。
「往来で何をするんだ!」
「やっと、僕のほうを向いてくれた・・・・・」
「え、ああ、すまない」
思いっきり、京楽の存在を無視していた。
「いたのか・・・・」
「酷い!さっき千円渡したのに!」
「うん、ああ・・・なんか、千円がわいてきて、小銭と交換したのは覚えいる」
「わいたってなに!」
「いや、いたなぁと思って」
京楽は、浮竹を肩に抱き上げた。
「おい、京楽」
「雨乾堂に戻るよ」
瞬歩で、雨乾堂までもどってくると、押し倒された。
「ちょ、きょうら・・・・・」
深く口づけられて、それ以上声が出せなかった。
「う・・・ん・・・・」
浅く深く、何度も口づけられる。
浮竹は、京楽の背中に手を回していた。
こんな昼間から、と思いながらも、一度火がついてしまった体はいうことをきいてくれない。
「あっ」
死覇装の袴と下着をずらされて、上の服はきたまま、潤滑油に濡れた指が体内に入ってきた。
「ん・・・・ああ、京楽・・・・ああっ」
ぬぷぬぷと、何度も潤滑油の力を借りて、出入りする。
こりこりと、前立腺のある場所を刺激されると、浮竹のものはたちあがり、先走りを迸らせた。
「んあ!」
前立腺ばかりを指でなであげられて、浮竹はいってしまった。
「はぁはぁ・・・・・」
呼吸が荒くなる。
「もう、いいかい?」
「ああ。来い」
京楽の巨大な灼熱が、浮竹の蕾に宛がわれる。
それに一気に貫かれる。
「ああああ!!!」
きゅうと、中が締め付けてきた。
「力、抜いて」
「ん・・・・」
浅く呼吸を繰り返す。
「いくよ」
「んあ・・・・・うあ、あ、あ」
振動する動きに合わせて、声が漏れた。
中をずずっと奥まで突き上げられると、浮竹は京楽の背中に爪を立てた。
「すまない・・・爪が・・・・」
「いいよ。君のひっかき傷だらけだもの、僕の背中。今更だよ」
「ああん」
中をイイ角度でえぐられて、女のよな喘ぎ声が漏れた。それが恥ずかしくて、手をかじっていると、京楽がその手を取って口づけてくる。
「声、我慢しないで。いつもいってるじゃない・・・君の声は、どんなものでも心地よい」
「ああっ・・・・・きょうら・・・・・あ」
前立腺を突き上げられて、浮竹はまた高みに登り上がりそうになった。
「きょうら・・・・・・京楽も、一緒に・・・・・・・」
「うん」
浮竹の花茎を手で戒める。
「ああ!いきたいのに・・・・・」
「ちょっと待ってね」
浮竹を何度も突き上げて、ようやく満足して、浮竹の腹の奥で射精する。同時に浮竹の戒めを解いてやると、勢いよく精液が飛び散った。
「はぁ・・・ああ!」
「あともう1回、いける?」
「ん・・・あと、1回だけだぞ」
「ありがとう」
中をすり上げられて、浮竹は京楽にキスをせがんだ。
浮竹は、行為中のキスが好きだった。
触れるのだけのものから、舌が絡み合う深いキスまでを繰り返す。
「んん・・・・・」
中を抉られて、浮竹の体がビクンと痙攣した。
「ひあっ」
「ここ、いいんだ?」
最奥の一点をつきあげて、そのまま浮竹は二度目の熱を、浮竹の中に放った。
「ん・・・・・」
行為が終わると、よく浮竹はとろんとする。
自分の乱れたことを恥ずかしいと思い、同時に京楽に好き勝手にされたことを恥ずかしいと思った。思うのだが、余韻に浸ってばかりで。
「湯あみ、できそう?」
「無理だ。お前の助けがいる」
「じゃあ、一緒に湯あみしよう。今日は白桃の湯にしよう」
浮竹が気に入ってる入浴剤だった。
いい匂いがして、それが浮竹が生来もっている甘い花の香と混じり合って、なんともいえぬ淫靡な香をさせるのだが。
どうせ、その香をかぐのは自分か浮竹の副官である海燕くらいなのだ。
海燕が浮竹をどうこうすることはないので、安心はできる。
ただ、やったと分かって、険しい表情はされるが。
「熱は、大丈夫だよね?」
時折、肌を重ねると浮竹は熱を出した。
「それは大丈夫だ・・・・・あああああ、俺のミニフィギュアが!」
すぐ近くにおいてあったので、精液にまみれていた。
「お湯で洗えば、落ちるよ」
「色落ちしないか?」
「いくら100円だからって、そこまで安い作りじゃないでしょ」
白桃の湯に、二人して入る。
ぷかりと、色落ちしなかった浮竹のミニフィギュアが浮かんでいた。
一護の家出と白哉
「おい、琥珀」
「にゃあ」
「そこ、俺の席なんだが・・・・」
「にゃあ」
食堂で、夕餉をとろうとして、一護、ルキア、白哉の3人と、子猫の琥珀が揃っていた。
ルキアと白哉の前には、豪華なメニューが並んでいる。一護の席には、琥珀が座っていて、その前にはちょうど猫1匹分くらいのささみ、おさしみにチュールがおいてあった。
琥珀が座る席に、「一護」とかかれた食器がおいてあり、白ご飯に味噌汁をぶっかけて、かつおぶしをかけて醤油をかけた、いわゆる猫まんまが置かれていた。
「おい、白哉義兄様」
白哉が、とても嫌そうな顔をして、こっちを見てくる。
「この扱いはなんなんだよ。俺は琥珀じゃねーぞ」
「兄は、そこがお似合いだ」
ピキ。
一護の額に血管マークが浮かんだ。
「おい、白哉義兄様・・・・」
「兄にそのように呼ばれたくない。汚らわしい」
ピキピキ。
一護の血管マークが増える。
「にゃあ」
琥珀はすでにささみとさしみを食べ終えてしまって、まだもの欲しそうにチュールをいじっていた。チュールの中身が食べたいのだ。
「ああ、兄も欲しいのか。ささみ味とまぐろ味、どっちにする?」
一護に、白哉はチュールを渡そうとする。
「俺は琥珀じゃねぇ・・・・・」
そう言いながらも、まぐろ味のチュールを受け取った。
「けっ、ばーかばーかばーかばーか!家出してやる!」
琥珀を片手に、一護と書かれた猫まんまの入った食器ももって、一護は食堂を後にした。
「兄様、琥珀が・・・・・」
「心配はいらぬ。あれは、弱者をいたぶるような者ではない。琥珀は大丈夫だ」
「兄様、なぜ一護にあんな試練を?」
ルキアは、本気で白哉のなんの意味ももたない嫌がらせを、一護への試練だと思っていた。
「そうだな・・・緋真と過ごせた時間は僅かだった。兄らは、そうならぬようにしてほしい・・・・ただ、それだけだ」
それなら、いっそう一護をいじめるのは間違っているはずなのだが、ルキアは感動した。
「そこまで深いお考えがあったのですね!」
豪華な夕食を食べながら、ルキアが白哉の、男としては色白で細い手をとった。
「このルキア、感服いたしました。一護にも、きっとその思いも伝わるでしょう」
一護がその場にいたら、噴火しそうなことをいうルキア。
ルキアは、一護の姿を探すこともなく、夕食を続ける。
それを、食堂が見える位置から聞いていた一護は、猫まんまを食した後、琥珀を連れて本当に家出した。
「探さないでください。琥珀と一緒に、流浪の旅にでます・・・・・・兄様、どうすれば!」
「むう、琥珀が!」
白哉の心配は、琥珀だけだった。
一護は、適当に白哉の財布を盗んで、金を手に入れていた。一人で家出は寂しいので、琥珀を旅の連れにした。
「恋次、泊まらせてくれ」
「あーん?何言ってやがんだてめぇ」
「朽木家を家出してきた」
事情を聞いて、恋次は笑いながらも、泊めてくれた。
猫まんまではない、暖かい食事もごちそうになった。
そのまま、恋次の屋敷にとまって、琥珀にはまぐろ味のチュールをあげて、次の日は13番隊の執務室へといった。
「にゃあ」
「琥珀!無事だったか!」
琥珀も一緒に連れていくと、ルキアにすり寄り、甘えだした。
「旦那の俺には、何もなしかよ」
「いたのか一護」
「ひでぇ!」
「一護、バカなことをしていないで戻ってこい。貴様のいるべき場所は朽木家なのだぞ」
ルキアなりの心配なのか、その言葉は暖かった。
「白哉のバカが嫌がらせを止めてくれたらな」
「あれは嫌がらせではない。兄様からの試練なのだ」
「絶対、あれは嫁いびりの姑がするみたいなやつだ!」
「一護・・・・・」
ルキアは、一護の手をとった。
「何処に寝泊まりしたのだ。まさか、この寒い中、外でではあるまいな?」
「恋次のところに泊めてもらった」
「そうか、恋次か・・・・・」
「ルキア、好きだ、愛してる・・・・一緒に、朽木家を出て、新しい家で住まないか」
「それは無理だ一護!私は、兄様のいる今の朽木家が好きなのだ。そこに、貴様もいる。もう大好きすぎて、鼻血が・・・・・・」
言葉通り、鼻血を出すルキア。
「おい、大丈夫かよ!」
長椅子に寝そべらせて、鼻血が止まるまで待った。
「にゃあん」
「琥珀・・・心配をかけたな。すまぬ、一護」
「もういい。ちゃんと、毎日13番隊の執務室にはくるから、もう少し家出させといてくれ」
恋次の世話になるのも悪いと思ったが、他に行き場所がない。
恋次に、居候している間の賃金として、ぱくってきた白哉の財布を渡すと、その金額の多さに驚かれて、屋敷でも建てるつもりかと言われた。
「にゃあ」
「ああ、琥珀腹減ったのか。今、キャットフードとチュールやるからな」
恋次の家は、けっこう広かった。
席官クラス以上の者が屋敷をもてる区域に館はあった。
「ルキアとは、うまくいってるのか?」
「ルキアとはな。白哉とうまくいかねーんだよ。だから、家出中なんだ」
「隊長は・・・・一度嫌いだすと、とことんだからなぁ。まぁ、見る限り本気で一護のことを嫌ってはいねーよ」
「でも、俺の飯だけ猫まんまだぜ?俺が風呂に入ろうとした時にはお湯がねぇし!他にも・・・・・」
話を聞いているうちに、恋次も一護を哀れに思って、苺味のキャンディをくれた。
「ま、元気だせ」
「甘い・・・・・」
キャンディをなめながら、一護は2週間ほど恋次の世話になった。
「いい加減、帰ってきたらどうだ、一護。琥珀までもっていきおってからに」
「琥珀は俺の心の友だー」
その日は、酒を飲んでいた。
6時に死神の通所業務が終了して、恋次と一角と弓親で飲み歩いた帰り道であった。
「ぬおーーー、ルキア、好きだーーーーーーー」
「こら、こんな往来で!」
ルキアを抱き締めて、キスをする。
「白哉がなんだーいじめがなんだー」
「そう思うなら、帰ってきてくれぬか。貴様のいない寝室は寂しい」
ルキアの悲しそうな顔に、一護も揺れる。
「わーったよ。家出はもうやめる。琥珀と朽木家に帰るよ」
せっかくの酔いも冷めた。
一護が朽木家にいくと、外に犬小屋があった。看板に、一護とかかれてあった。
「もっかい家出していいか?」
「だめだ、たわけ!帰るぞ」
朽木邸に入り、久しぶりに白哉と会った。
「琥珀は無事か?」
「ああ、この通り元気だよ」
「にゃああん」
琥珀は、白哉にすりよった。その小さな体を抱いて、自分の寝室に戻る白哉は一護にだけ聞こえる声でこういった。
「ルキアを幸せにしろ」
「んなこと、言われなくても分かってる」
次の日は、猫まんまではなく、普通の食事だった。
一護も安心する。
しかし、寝室の布団が処理されていて、寝室の中に犬小屋が建てられ、そこに一護と書かれてあった。
「猫まんまの猫の次は、犬か?」
一護も、図太くなる。こんないじめ程度で屈してなるものかと、犬小屋を移動して、白哉の寝室にもってくると、看板をペンキで書き直して、白哉とかいた。
「ぬう・・・・やるな」
それを見た白哉は、そう言った。
寝具を処理されてしまったので、いつもルキアと同じ布団で寝た。けっこういいかも、と思った。
「白哉義兄様に、負けてなるものか!」
一護は、食事にドッグフードが混ぜられても、気にせず食事した。
「く・・・何かいい嫌がらせの方法は・・・・・・」
白哉がそう口にする。
ある日、白哉が読んでいる本が落ちてあった。中身を見ると、「嫁をいびる姑の100の行動」と書いてあった。
「あの白哉義兄様が・・・・・・・」
気づけば、結婚式を挙げて1か月が経っていた。
「ルキア、今日いいか?」
「あっ、一護・・・・・・・」
白哉の前で、いちゃつくと、白哉の嫌がらせもきつくなった。
「負けるか!」
一護も、白哉が湯あみしようという時刻に、湯を抜いてやったりした。
お互い、嫌がらせのし合いだった。
「にゃあん」
琥珀が、ある日手紙を一護の元に持ってきた。
読むと、「阿呆」
とだけ、書かれてあった。
なので、一護も「死ねバーカ」と書いた手紙を琥珀に銜えさて、白哉の寝室に放った。
「ぬう・・・・・」
「ふふふ・・・・」
一護はやられたり、やり返したりしながら、朽木家でルキアと一緒に過ごす。
琥珀も、もう子猫ではなくなったいた。
日番谷隊長と入れ替わった件
「茶でも飲んでろ」
いつもみたいに遊びにきた浮竹を長椅子に座らせて、日番谷も休憩をいれた。
「俺な、最近違う人とよく入れ変わるんだ」
「何がだ」
日番谷がわかめ大使を落とした。二人とも屈んで拾おうとすると、ゴチンと頭がぶつかりあった。
「いてぇ」
「いたい」
日番谷は、自分を見る。
「なんで俺が、俺の目の前にいるんだ」
「あれ?ほんとだ、俺がいる。あーあ、今度は日番谷隊長と入れ替わってしまったのか」
「へ?」
日番谷が、自分の体をみた。どうみても、浮竹の体であったが、納得がいかず手鏡を見る。
やっぱり浮竹の体だった。
「なんじゃこりゃああああああああ!!」
日番谷(体は浮竹)の悲鳴が、執務中に響き渡った。
「どーしたんですか、浮竹隊長」
「松本、おい松本、涅隊長よんできてくれ」
「浮竹隊長?そんなに慌ててどうしたんですか」
「むがーーー」
「いや、これには深いわけが。さがっていいぞ、松本副隊長・・・・じゃなかった、松本」
日番谷の体で、浮竹を抑え込むのはきつかったが、浮竹は頑張った。
「変な隊長」
そういって、松本は隊首室に下がって行った。
「大丈夫だ、時間がたてば元に戻る。俺は今まで、京楽に海燕と、入れ替わってきた。どれも2~3時間ほどで元に戻った」
「戻るまで、大人しくしてろってことか」
「せっかく日番谷隊長の体になったんだ、駄菓子でも買いにいこっと」
瞬歩で、浮竹は去ってしまった。
「待て、浮竹!俺の体でうろちょろするな!」
日番谷は、駄菓子をたまに買いにく店にいこうとすると、途中で京楽とぶつかった。
「どうしたの浮竹」
うわぁ。やばい。どうしよう。
「お、俺はなんでもない、さらばだっ」
「待ってよ浮竹。この前の続きしない?」
「この前の続き?」
京楽は、日番谷を抱き抱えると、雨乾堂まできた。
「君から誘ってきたんじゃない・・・・・」
口づけられて、日番谷は真っ白になった。
「ま、まて京楽、おれは日番谷!・・・んっ」
「日番谷隊長と遊んでたの?さっき、駄菓子たくさん買い込んでたけど・・・・」
「浮竹のやつ・・・・」
「なんか変だね。ねぇ、浮竹?」
「わっ、やめ、やめろ京楽!俺は日番谷だ!浮竹と入れ替わったんだ!」
必死に叫ぶと、まさぐってくる京楽の手が止まった。首筋キスマークを残されたりして、美味しくいただかれてしまうところだった。
浮竹と京楽のそういうシーンをもう何度も見ているので、いきなりで驚きはしたが、なんとか平静を保てた。
「まじで?」
「まじだ」
「あーもう浮竹のばか!なんで入れ替わったら大人しくしていないんだ!」
「駄菓子を買いに行ったといってたな。浮竹を捕まえるぞ」
京楽と日番谷は、協力しながら、浮竹(体は日番谷)を探した。
そして、駄菓子屋のすみでガチャガチャをひいていた浮竹を見つけて、捕獲した。
「捕獲完了!」
「京楽!?日番谷隊長、もうちょっと互いの体が入れ替わったの楽しんでもいいじゃないか」
「よくない!」
「さっき雛森副隊長にあったから、買った駄菓子を「俺だと思って食べてくれ」と言っておいたからな」
「あああああああ、お前はああああああああ!」
自分の体の首を締め上げる日番谷。
「やめなよ、日番谷隊長。自分の体が傷つくだけだよ。怒るなら、お互い元の体に戻ってからにしなよ」
仕方ないので、日番谷も雨乾堂にきた。
「まぁ、何もない部屋だが、寛いでくれ」
日番谷の体で、とてもじじくさい行動をとる浮竹に、日番谷は苛立ちを隠せないでいる。
「もうとっくに3時間は経ってるぞ!」
「おかしいなぁ。もう戻ってもいい頃なんだけど・・・・・」
「まさか、体が入れ替わるのになれちゃったとか?」
京楽の言葉に、まさかと、浮竹は思う。
「とりあえず、夕餉にしよう。海燕、頼めるか」
そう日番谷の体の浮竹がいうので、海燕は混乱した。
「まさか、俺の時みたいに中身がいれかわったとか?」
「そうなんだ。日番谷隊長の体だが、俺は浮竹だ」
「日番谷隊長もお気の毒に・・・・・」
3人前の夕餉をもってきてくれた。
「なんだ、お前の隊いいものくってんな」
でてきた夕餉のメニューの豊富さに、日番谷は羨ましくなった。
どこかのバカ副官が金を使い込むせいで、10番隊のご飯はけっこう質素だった。
食べて終えて、そして困る。
「湯あみは・・・・さすがにしないほうがいいな」
「当たり前だろう!他人の体の裸なんて恥ずかしい!」
「じゃあ、僕だけ湯あみしてこよーっと♪」
おのれ京楽・・・・。
二人分の呪いの眼差しを受けても、京楽は飄々としていた。
京楽の湯あみが終わり、3人で適当に話をしていた。まだ、体は元に戻らない。
10時になった。
「寝よう」
「もうそんな時間か?」
「そうだね、寝よう」
「まだ10時だぞ」
浮竹と京楽は、布団をしいた。3組だ。
「真ん中は俺な。川の字で寝よう」
「寝るには少し早くないか」
日番谷がそういうが、浮竹も京楽も、寝る気まんまんだった。
「寝ている間に、きっと戻っている。それで戻らなきゃ、卯ノ花隊長のところへいこう」
「・・・・・・分かった。ちなみに浮竹、京楽のやついきなりキスして迫ってきたぞ。お前ら、いつもこうなのか?」
「うーんまぁ、似たり寄ったりの日々だ」
浮竹が、苦笑する。
「まさか、浮竹の中身が日番谷隊長だなんて思わないじゃない。それに日番谷隊長はお子さまだし、あんまりわからなかったでしょう?」
「誰がお子様だ!」
浮竹の体でぷんぷん怒る日番谷はかわいかった。
「駄菓子食べてガチャガチャしたくらいか・・・あと雛森副隊長と会ったくらい・・・あまり収穫はなかったな」
「おい、浮竹、お前絶対楽しんでるだろ」
「え、あ、まぁな」
自分の体であるが、むかついたので頭を殴っておいた。
「いたい」
「怒らずにいられるか」
まぁ、とにかく3人で寝た。
朝起きると、元にもどっていた。
「よかった、俺の体だ」
「うーん。次は松本副隊長と入れ替わりたいな。あの神々の谷間を自分でもってみたい」
「あほか!お前が松本になるなんて、せくはらだろ!」
浮竹をなぜか雨乾堂にあったはりせんで殴って、日番谷は10番隊の執務室にもどることにした。
「ああ、でも松本副隊長と入れ替わったら、絶対俺の体で京楽と寝そうでいやだな」
「しそうだね、乱菊ちゃんなら。腐ってるから」
あの腐女子は、とことん腐っている。
目の脳も耳も。
そして腐った小説を打って、コミケで売るのだ。
とにかく、元に戻ってよかったと思う浮竹と京楽であった。
京浮に日番谷と朽木白哉と。
「俺も、愛してる・・・・・」
抱き合う二人を邪魔する者はいた。
日番谷だった。
「お前らなぁ、ここは10番隊の執務室だ。盛るなら、8番隊の隊首室か、雨乾堂でやりやがれ!」
「んー。やっぱ日番谷隊長のいる部屋でいちゃつくと、邪魔があっていいなぁ」
「うん、本当に、素直に愛し合えなくっていいね」
浮竹と京楽は、日番谷の突っ込みを嬉しがっていた。
「お前らなぁ・・・・・・」
額に血管マークの浮いた日番谷の頭を、浮竹が撫でた。
「11月11日はポッキーの日だぞ、知ってるかい、日番谷隊長」
「ポッキーゲームだろ。それならこの前やった」
「そうだったな」
わかめ大使を、浮竹が日番谷の口にいれた。
「もぐもぐ・・・・お前らは・・・・もぐもぐ・・・・・一体何を・・・、もぐもぐ」
「日番谷隊長、食べるかしゃべるかのどっちかにしてよ」
「うっさい、浮竹が無理やり口の中に・・・・・もぐもぐもぐ」
「もっと食べるかい、日番谷隊長」
「もういいわぼけ!お前は、自分で食え!俺も自分で食うから!」
「そういわずに」
「もぐもぐもぐ・・・・・だああああ、鬱陶しい!」
「わーい」
「わーい」
アホな大人二人は、日番谷が切れると悦びだした。
「次、何しよう?」
京楽が、浮竹を見る。
「ん-、白哉を呼んで、みんなで人生ゲームなんでどうだろう?」
「あ、それ面白そう。朽木隊長が人生ゲームなんて、面白い以外の何物でもない」
「じゃ、ちょっと白哉呼んでくる」
浮竹は、思いついたのが吉だとばかりに、瞬歩で6番隊の執務室へと向かった。
「だから、火急の要件とはなんなのだ、日番谷隊長」
白哉を連れて、浮竹が帰ってきた。
「あーあ。生贄がきた」
「生贄・・・・・?はっ、浮竹、兄は私を騙して・・・・」
「いいから、人生ゲームはじめるぞー」
「何故私まで・・・・・」
そう言いながら、長椅子に座る白哉。
人生ゲームは過去に浮竹としたことがあるので、ルールは分かっていた。
知らない日番谷のために、浮竹と京楽が説明をした。
「では始めるぞ。そうだな、1番にゴールした者は、最下位の者の言うことを1つ聞く。こういうのはどうだろう。何もないのはつまらないし」
浮竹の提案に、京楽は早速乗った。しぶしぶという様子で、日番谷と白哉ものった。
そして、30分程が経った。
「一番は私だ」
一番は、白哉だった。
「誰か分かったらつまらぬので、今のうちに命令しておこう。最下位は・・・そうだな、私の肩をマッサージすること。もみほぐしだ」
「うわー、めんどそう」
「最下位になりませんように」
「最下位なんてごめんだ」
ちなみに、白哉はクジで億万長者になって、子供が4人も生まれてゴールした。
2位は浮竹。破産して、借金のかたに身売りをしてゴールした。
3位は京楽。総隊長になって、ハーレムを作ってゴールした。
最下位は、日番谷だった。借金をして、子供を売ってゴールした。
「日番谷隊長が最下位か・・・・・」
「ああ、もうやけだ。もみほぐしだろうがなんだろうがやってやろうじゃねぇか!」
日番谷が、毎日の激務で肩が凝り気味の白哉の肩をもみ、腰をこみ、全身をマッサージしていく。
「んっ・・・・・・・」
白哉のあげたちょっと色っぽい声に、浮竹も京楽も、ごくりと喉を鳴らした。
絶対、普段なら聞けない声だ。
「ああ、そこがきく・・・・・んっ」
日番谷も、もみほぐしながら、少し朱くなっていた。
「しかし、凝ってるなぁ、白哉」
浮竹の言葉に、白哉が答える。
「恋次の愚か者が、最近事務処理を放棄して、現世に遊びにいくからな・・・・・}
「ああ、一護君の元にか」
「ルキアも現世だし、会いにいきたくなるのは分かるが・・・・・」
恋次がルキアのことを好きなことなど、みんな知っていた。
知らないのは、当のルキア本人くらいだろう。
もみほぐし終わり、白哉が満足した様子で、日番谷に金塊を渡した。
「兄への、礼だ」
「いらねぇよ、こんなもん」
ポイッと捨てるそれを、浮竹がキャッチする。
「いらないなら、俺がもらってもいいか?」
「好きにするが良い」
「ちょっと、浮竹。金に困っているなら、僕が・・・・・」
「朽木に、何かプレゼントを渡したいと思っていたんだ。朽木の大好きなチャッピー人形を、これでもかというほど買ってやる」
浮竹のいう朽木とは、ルキアのほうだ。
「好きにするが良い」
白哉は、用が終わったので6番隊に帰って行った。
「次は何して遊ぼうか」
「日番谷隊長をメイド姿にするなんてどうだい」
「お、それいいな。きっと、飛ぶように写真が売れるぞ」
「そんな恰好するか!お前らいい加減にしろ!蒼天に座せ、氷輪丸!」
「わーい、久しぶりの氷輪丸だ」
「わーい」
あほな大人二人を、喜ばすだけであった。
簀巻きの添い寝
京楽は夢を見ていた。浮竹が、想いを受け入れてくれて、初夜を過ごす夢だった。浮竹は初めてなのに、乱れに乱れて、もっとと、京楽をせがんできた。
「はっ!浮竹、もっとだね!」
眠っている浮竹の寝台にジャンプして押し倒して、いきなり体中をまさぐりだした京楽を、飛び起きた浮竹は股間を蹴りつけて床に落とした。
「何変な夢みてやがんだこの変態が!」
股間は思いっきりたっていた。
「(*´Д`)ハァハァ夢だったのか・・・・いい夢みたなぁ。浮竹がすごい喘いで・・・」
「殺すぞ?」
にこにこと、布団の傍らにおいてあった斬魄刀を引き抜く浮竹に、京楽は床に頭をこすりつけて懺悔する。
プライド?
そんなもの、京楽にあるはずがない。
「(*´Д`)ハァハァ・・・・浮竹、ちょっと触っていい?」
「嫌だ!今のお前は飢えたケダモノだ!」
京楽を布団で簀巻きにして、縄でぐるぐる巻きにしてベッドに寝転がせてから、浮竹はまた平穏な眠りへと旅立った。
「ああ、束縛プレイ・・・・(*´Д`)ハァハァ」
しばらく京楽が興奮していたが、静かになった。寝てしまったのだ。
次の夢は、浮竹に振られる夢だった。ただ振られるだけならいい。京楽と違う男ができて、そいつの嫁にいってしまう夢だった。
「あうあう、浮竹・・・・・」
眠りながら、涙を零した。
朝起きると、京楽は簀巻きにされたまま、床に転がって(ノД`)シクシクと泣いていた。
ぎょっとなる浮竹。
簀巻きにしたのがよほど堪えたのかと思ったら。
「浮竹が知らない男のお嫁さんにいっちゃう」
そう言って、泣いていた。
「お前、もう一日中その恰好でいろ。そしたら、添い寝してやる」
半分冗談のつもりで言ったのだが。
「ほんとに!?」
きらきらと輝く瞳で見られた。
その日、京楽は簀巻きの恰好のまま、登校した。全員が、え?って顔で振り向くのも気にせずに、教師の注意も無視して、学校で簀巻きのままでいた。
昼飯をとるのも、簀巻きのまま、他の友人に手伝ってもらっていた。
「どうしたんだ、京楽。簀巻きのまま登校したり授業にでたり、昼食とったりして」
「あのね、この格好のまま1日を過ごすと、浮竹が添い寝してくれるの」
「おお、それはよかったな、京楽」
「うん」
とても幸せそうな京楽に、今更冗談だとは言えずに、浮竹は食べていたAランチ定食を残した。
「浮竹、残りは僕が食べるから」
また、京楽の友人が、浮竹の残した食事を京楽の口にまで運んだ。
京楽は、変態だが人望があるのだ。変態だが・・・・。
変態でさえなければ。
浮竹も思う。
勿体ないと。
上流貴族の次男で、金があまりあって、遊ぶ女はたくさんいるだろうに、浮竹を好きと言って譲らない性格だ。
本当に、俺が女だったら、いちころだっただろう。生憎、浮竹は男だ。男に抱かれるなど、真っ平ごめんである。
「はぁ・・・・」
このままでは、添い寝決定だ。
京楽のはぁはぁいう呼吸と、すんすんとにおいをかいでくるのを、我慢しなくちゃいけない。
「すまない、京楽!」
斬魄刀で、布団を切り裂いた。
「きゃああああああああ!!!」
「もぎゃああああああ!!!」
服も、一緒に切り裂いてしまった。
パンツも綺麗に切れていた。
まっぱのフルチンになった京楽は、女性の悲鳴で股間を隠した。
「あああ、何故裸に!?」
浮竹は、すぐに保健室から毛布をとりだしてきて、浮竹に被せた。
「あ、浮竹・・・僕のために毛布を。優しい。惚れちゃう(*´Д`)ハァハァ」
まさか、布団と服とパンツまで切り裂いたのは自分ですとは言えずに、毛布にくるまった京楽を連れて、寮の自室に戻った。
まだ1限授業があったが、さぼることにした。
「浮竹・・・・僕、一日中、簀巻きでいたよ。途中でまっぱのフルチンになちゃったけど、約束は守ったよ」
「分かった。俺の負けだ。お前をまっぱにしたのは俺だ」
「ええ!浮竹、まっぱでフルチンの僕を見たかったの!それならそうと・・・ぐぼ」
ラリアットをかました。
「冗談のつもりだったんだ。仕方ない、責任は俺がとる。謝罪も含めて、2日添い寝してやる」
「やっほーーーう!」
京楽は、浮竹にラリアットをかまされたり、学院の中でまっぱのフルチンにされたのも気にせずに、素直に喜んでいた。
露出璧があるので、学院でまっぱになっても平気らしい。
変態と添い寝。できるだけ早く寝るために、睡眠薬でものもう。
そう思う浮竹であった。
やがて夜になり、添い寝の時間がやってきた。
飲もうとしていた睡眠薬は、体に悪いからという理由で取り上げられてしまった。
「すんすん・・・甘い花の香がする。浮竹のにおいだ・・・・すんすん」
思いっきり匂いをかがれて、浮竹は堪えろと、自分に命令していた。
「寝るぞ!」
電気を消すと、もぞもぞと体を這う手があった。
我慢だ、我慢。
寝てしまえば、少々不快なことが起きても起きない自信はあった。
体を這う手はだんだんと大胆になり、衣服の下に手を這わす京楽がいた。
「んあっ」
脇腹を撫であげられて、変な声を出してしまった。
「かわいい、浮竹・・・・もっと、声聞かせて」
鎖骨から臍、臍から・・・・・。
「いい加減にしろ!」
めきっと、京楽の頭蓋に肘をいれた。
「きゅう」
伸びた京楽を簀巻きにして、その隣で浮竹は寝た。これも、添い寝ということになる。同じベッドで眠っているからだ。
次の日も、京楽を簀巻きにして、その隣で寝た。
京楽は、簀巻きにしてもスンスンと臭いをかいできたり、首筋をペロリと舐めてきたりしたので、ガムテープで口を封じておいた。
朝起きて、簀巻きをといてやり、ガムテープをとってやると、京楽は。
「浮竹の愛を受け取ったよ!簀巻きにして隣で寝るのが、浮竹の愛なんだね!」
と、勘違いしていたという。
虚を食い、虚と同一化した青年
その青年は、笑った。
学院でも名高い有名な浮竹と京楽のペアの部屋に泊まっても、怪しまれなかったのだ。
教室中のみんなが、生還してきたきことを祝福してくれた。
でも、誰一人、青年の名を口にした者はいなかった。
「ああ、うまい。久しぶりの食事だ・・・・」
ぼりぼりと、青年は、同じ部屋に泊まっていたはずの、女子生徒を絞め殺し、その血肉を啜っていた。
生徒全員から、その女子生徒の名前は脳内から削除されていた。教師からもだ。
ただ、書類の中には残されていた。
特進クラスの少女A。
みんな、失踪したと記憶した。
そうなるように、青年が仕組んだ。
青年は、死神でも人間でもなかった。同時に、死神でも人間でもあった。虚を口にした青年は、虚となり、そして死神見習いとなった。
誰一人、その青年が虚でもあるということを見抜けなかった。
教師もだ。
あの山本元柳斎重國さえ見逃した、死神としてまとう霊圧に、誰もその青年が虚でもあるなどと、分からなかった。
「名前がないと不便だな・・・・・そうだ、朝凪にしよう」
今日から、青年は朝凪となる。
朝凪勇気。
青年が食らっている、少女Aの名前だった。
朝凪とは。
少女Aの記憶を食らう。そして、その能力を身につけた。
上流貴族、朝凪勇気。
朝凪家当主の、朝凪勇気。
少女Aの地位を、自分のものにした。少女Aの身の回りのものを自分のものとした。
誰も、少女が食われて、存在を奪われたとなど、気づかなかった。
「さて、次は誰を食おうか・・・・」
ふと、白髪の友人を思い出す。
屈託なく笑う、朝凪勇気が、青年が虚と一体化する前からの本当の友人。
「浮竹、十四郎・・・・・・綺麗な子だった」
少女Aのように、犯して食ってしまおう。
そう思って、ニヤリと笑んだ。
朝起きると、頭痛がした。
「なんだ・・・・」
その頭痛がなんであるのか、分からなかった。
昨日、朝凪勇気を迎えて宴を開いた。
その後で、咄嗟に名前が出なくて不思議に感じたが、今は分かる。
あの青年は、朝凪勇気。上流貴族朝凪家当主の、朝凪勇気。
浮竹とは1回生からの付き合いで、虚の遠征退治に混ざって3か月後に、一人だけ生還した、不思議な青年。
「顔を、見に行くか・・・・・」
なぜか、とても彼に惹かれた。
蜘蛛の巣がそこにあるとは気づかずに、浮竹は行動を起こす。まず、京楽を起こした。
一緒に、朝凪勇気を迎えに行こうといって、その浮竹の笑顔に、京楽は何も言わなかった。
そこで、浮竹は違和感に気づいた。京楽が、たとえどんなに仲のいい友人であっても、朝に迎えに行こうなどと言ったら、むすっとして膨れて、駄々をこねる京楽が、変態行為もなしで普通にいるのだ。
「熱でもあるのか?」
京楽の額に手をあてるが、平熱だった。
「君・・・・朝凪勇気には、気をつけて」
「え?なんでだ?」
「僕の第6感が、危険だと告げている」
「変な奴だな。置いていくぞ」
京楽を伴って、朝凪勇気が泊まっている寮の部屋にきた。チャイムを押すと、朝凪が出てきた。
「ここに泊まっていたんだろう?なんで、元から部屋が空いているのに、この前俺たちの部屋に泊まったんだろうな?」
「懐かしかったからさ」
「そうそう、懐かしかったからだ」
そう、意識が誘導された。
だが、京楽が顔をしかめた。
何故だ。他の誰もが・・・総隊長でさえ、朝凪勇気を受け入れたのに、京楽だけが素直に朝凪勇気を受け入れない。
朝凪は、計画を変えた。
まずは、邪魔な京楽から食い殺してしまおう。そして浮竹を食い殺し、特進クラスのメンバー全員を食い殺した暁には、大虚(メノスグランデ)のギリアンはおろか、アジューカス以上になっているはずだ。
計画はゆっくりでも早くてもいい。
授業の暇を見ては、京楽を洗脳しようと試みた。
でも、ばちりと弾かれて、やはり京楽は何かが違った。変態故なのか、浮竹のことに関しては特に弄れなかった。
京楽と浮竹が、できているわけでもなく、ただの友人に戻そうとした。
浮竹の周囲に常にいる京楽が邪魔だった。
朝凪は、計画を実行した。
午後になって、一人になった京楽を、朝凪が斬魄刀で刺した。はずだった。
「え・・・・・?」
ごぽりと、血を吐くのは朝凪のほうだった。
「虚・・・を、食ったんだね。飢えの果てに」
憐れみの視線で、朝凪をみる京楽。
「朝凪勇気。それは、少女の名だ。君は、名前さえない、虚を食った死神もどき・・・・・」
どうしてだ、どうしてだ、どうしてた。
「お前を食って、京楽春水になってやる!」
ズンと、心臓を貫かれて、朝凪勇気は生命活動を停止したかに見えた。
朝凪勇気の体から、何かが染み出してきた。それの気配に、学院中で悲鳴が起こる。
「何故だ!?学院の中から、虚の気配が!」
「こっちだ!」
「しまった・・・・・」
朝凪勇気の体に戻り、手早く再生すると、身を隠した。
もう、全員の洗脳が解けていた。
朝凪勇気が食った少女Aの地位と記憶はあるが、朝凪勇気は虚の遠征退治で死んだものとされた。
居場所がなくなった。
なので、朝凪は京楽が彼を探しているうちに、部屋に一人でいる浮竹をターゲットにした。
「誰だ!」
「俺だよ」
「お前は・・・・?友人だった・・・朝凪勇気。でも、朝凪は遠征で死んだはずじゃ・・・・」
虚の力で、押し倒された。
「犯しながら食ってやる」
「なっ!虚!?」
衣服が破かれていく。
「いやだ、京楽!京楽!」
熱いものが宛がわれて、引き裂かれる瞬間、朝凪の首と胴が離れた。
「僕の浮竹に手を出したことを、永遠と後悔するといい」
「何故だ。何故、分かる?何故俺が虚でもあると分かった?何故、朝凪勇気が、少女Aであったと分かった?何故・・・・・・」
京楽は、それ以上言わせず、朝凪勇気の体を細切れにした。
「あう」
虚として滲み出た存在の核に、とどめをさす。
「京楽!」
ほとんど裸に近い状態で、がたがたと京楽に抱き着いて、血まみれになって泣いている浮竹を、そっと毛布で包み込んだ。
「犯されてないよね?」
「怖かった・・・京楽!」
「大丈夫。「朝凪勇気」は最初からいなかった。虚退治の遠征で死んだ青年は、「朝凪勇気」ではなく、虚を食って死神化した、名もなき愚か者」
学院中で、騒ぎが起こった。
山本総隊長でさえも、見抜けなかった事件であった。
後に、山本元柳斎重國が、遺書として自分が死した後は、京楽春水を総隊長にせよと、したためる出来事であった。
「朝凪勇気・・・・食い殺された少女の名前。「朝凪勇気」・・・・食って名と記憶と地位を奪った、虚を口にした死神・・・・・・」
「よく、分からないんだ」
「僕にも、よくわからない。でも、あの朝凪勇気は虚だった。飢えの果てに虚を口にして、虚と一体化した、特別存在。学院の者を襲わなければ、普通に隠れて人を食べながら、虚でいられたのに」
「なぜ、俺を犯して食べようとしたんだろうな?」
「君が綺麗だからだよ。ただ食べてしまうには、もったいなかったんだろう。少女・・・本物の朝凪勇気も、犯された後に食べられたそうだよ。そんな痕跡が、霊圧から見つかったんだ」
本物の、朝凪勇気の僅かな霊圧が部屋に残っていたのだ。偽者の「朝凪勇気」の霊圧は染みるほどにあったが、やはり人間のそれと同じだった。
京楽が壊した核と、浮竹の証言がなければ、「朝凪勇気」はすでに消えた虚として処理されるところだった。
「名前を・・・・思い出せなかった。そこから、僕の意識に侵食する「朝凪勇気」を見つけて断ち切った。おかげで、虚であると分かったよ」
「いつ、断ち切ったんだ?」
「君と僕の部屋に泊まった時に。眠っている間に、侵食しようとしてきた。それを、僕の浮竹に対する愛のパワーと変態で、捩じり伏せた」
「お前の変態が、俺を救うなんて・・・・世も末だな」
「酷い!君は犯されそうになってたんだよ!助けなきゃ、ほんとに引き裂かされて食べられてたんだからね!」
「それには、深く感謝している」
浮竹は、京楽に自分から深いキスをした。
「浮竹・・・・」
「京楽・・・・」
「さぁ、めくるめく愛の世界へ!」
京楽が飛びついてくるのを避けて、浮竹は亡くなった本物の朝凪勇気の冥福を祈るのだった。
名の分からぬ友人
なかったことにして、二度寝した。
次におきると、まっぱでフルチンの京楽が一人で蹴鞠をしていた。
なかったことにして、三度寝した。
次におきると、服をきた京楽が、キャベツを前に座禅して、瞑想していた。
なかったことにして、流石に四度寝はできなかったので起き出した。
「ふあ~」
もう、昼を回って午後2時だった。
今日は休日である。
冷蔵庫をあけると、オレンジがあった。適当にカットして、口に運ぶ。
酸味のある甘さが口いっぱいに広がった。
「おい、京楽」
「私ハ京楽。今、悟リヲ開イテイマス。邪魔ヲシナイデクダサイ」
「・・・・・・・」
浮竹は、思案した。
そして、京楽のコレクションを漁って、自分のパンツを見つけると、それを京楽の頭に被せた。
「(*´Д`)ハァハァ。悟リガ終了シマシタ。コレヨリ、変態京楽モードニ移行シマス」
機械のような音をたてて、ガクリと京楽から煙があがった。
「どうなってるんだ、お前?」
「マイスウィートハニー!僕に自分からパンツを被せてくれるということは、今はいているパンツも僕にくれるってことだね!?」
ばきっ。
浮竹は、京楽を殴り飛ばした。
「なんでそうなる!何気に脱がせようするな!」
ずり下げられかけている袴を引き上げる。京楽の手を外そうとするのだが、なかなか離れてくれない。
「京楽、愛してる」
耳元でそう囁くと、京楽は袴から手を放して飛び上がった。
「ついに、僕の想いに答えてくれる気になったんだね!」
浮竹に襲い掛かろうとする京楽を蹴って、浮竹は腹が減ったと食堂へ行った。
それを、殴られたり蹴られたりを、加減なしでされたのに平気な顔で、京楽がついてくる。
「お前、あひるの雛みたいなやつだな」
「浮竹のいるところなら、例え炎の中水の中」
食堂につくと、まばらだが人がいた。
「お、変態京楽と被害者浮竹じゃないか。よお、久しぶり」
「お、久しいな。元気にしてたか?」
その友人は、虚退治の遠征に授業の一環としてついていった、友人だった。
かれこれ、3か月ぶりになるだろうか。
「京楽は相変わらずか?」
二人の仲を裂こうと、京楽が割って入ってくるが、そんな京楽を無視して二人は会話を続ける。
「見ての通りだ・・・・ああ、鬱陶しいな」
浮竹は、京楽の足を引っかけて、倒れさせた。
「酷い!浮竹、僕よりもそんな男を選ぶのかい!?」
「ただの友人だろう・・・・お前にとっても、友人だろう」
「え。あほんとだ。元気にしてた?」
大人しくなった京楽に、浮竹は安堵しながら、遠征がどうであったかを聞いた。
「もう、最悪さ。最後は食料が尽きて・・・草や虫を口にして生還した」
「よく生きて帰れたな」
「自分でも、よく生きて戻れたものだと思うよ」
「まだしばらく、休暇なんだろう?」
「ああ」
「よければ俺らの部屋に遊びにこいよ。寮の寝る場所、まだ決まってないんだろう?しばらく泊まっていくか?」
その言葉に、浮竹の背後で般若の面を被った京楽が静かに威嚇していた。
「寮の泊まる部屋は、自分でなんとかするよ。ただ、お前たちと会うのも久しぶりだから、今日は泊まってもいいか?」
「ああ、いいぞ」
かっと、般若の面を被っていた京楽も、一日くらいならと、菩薩の面を被っていた。
「本当に面白いな、お前と京楽」
「そうか?」
くるくる変わる京楽の表情と、あどけない笑顔浮かべる浮竹。そのコンビは、学院でも有名だ。
できているようできていないカップルとして。
「こんな遅くに、昼飯を食いにいにきたのか?」
「ああ、寝過ごしてしまってな」
「京楽は、浮竹を起こさないのか?」
「ああ、こいつに起こされると変態行為を働いてくるから、こいつには起こされないことにしている」
「浮竹も、大変だな」
「僕はそんなに厄介かい?」
「起きるたびに、まっぱで何かしているお前に突っ込みをいれるのもいやだからな」
「うわぁ、京楽はまっぱで部屋にいるのか。それはいやだな。ますます泊まるの1日してよかったぜ」
「こいつ、こんな図体で甘えてくるんだぞ。鬱陶しいったらありゃしない」
「うわぁ。京楽って、上流貴族なのにどういう教育受けてきたんだろうな?」
「さぁ。でも、出会った頃は正常だったんだ。好きだと言われたのを断って数か月経ったら、こんな京楽になっていた」
「京楽と付き合う気はないのか?」
「やめてくれ。こんな変態と付き合う気はない」
「僕が変態じゃなくなったら、付き合ってくれるのかい?」
シリアスな顔をつくって、どこに持っていたのか、薔薇を口にくわえて、口説き出す京楽の頭をはたいて、浮竹はBランチ定食を注文した。
野菜がメインのヘルシーな昼食を、お腹がすいていたこともあって完食する。
京楽は、浮竹の食べ残しがないので、浮竹の使っていたフォークをぺろぺろしていた。
「京楽も、部屋に戻るぞ。置いていくぞ」
「あ、僕も戻る」
洗い場に食器を置いて、友人と3人で会話しながら戻った。
部屋に入ると、友人はぎょっとした。恐らくは京楽のベッドであろうその場所に笑顔の浮竹がプリントアウトされた抱き枕があったのだ。
「ああ、初めて見るとちょっと異様かもしれないが。まぁ、害はないから」
「このテープは?」
「ああ、この内側に京楽が入ってこないように、境界線を。最近はあまり意味がなくなっているが」
「寝る時は、俺はどっちのベッドで?それとも床かな」
「俺のベッドで一緒に・・・・・」
かっと、京楽が般若の顔になった。
「僕のベッドかしてあげる。僕が浮竹と同じベッドで寝るから」
「おい、いいのか、浮竹」
「んー。まぁ、1日だけなら」
やったと、満足げな京楽がいた。
夜になるまで、語りあかした。
とてもいい体験になった。
朝になる。浮竹は、京楽がいなくてどうしたのかと部屋を見ると、京楽は浮竹印の抱き枕を抱えて床で寝ていた。寝違え、落ちたのだ。
友人を見ると、もう起きたのか、簡易キッチンでパンを焼いてくれていた。
「パンだけど、食べるだろう?」
「ああ、ありがとう」
3人分を焼いてくれた。
バターを塗ったトーストを口にしながら、今日からはしばらく休暇になるが、遅れを取り戻すために積極的に授業に出るらしいので、一緒に登校した。
「おい、浮竹が京楽以外の男と部屋を出るのを目撃したやつがいるんだ。間男かな?」
「おいこら、アホなこと言ってるな。こいつの顔、忘れたのか?」
その顔をみて、みんなあっと驚く。
「お前、生きてたのか!」
「別の部隊は全滅したって聞いたぞ」
「勝手に殺さないでくれ。見ての通り、死にそうだったがなんとか生きて戻ってきた」
その時にやっと気づいたが、右目は義眼のようだった。
授業が全て終わって、午後になって教室中で、その友人を囲んで宴を開いた。
お菓子やら酒やらジュースで騒ぎあう。
ひとしきり騒いで、解散になった。
「おい、今日泊まるあてはあるのか?」
心配になった浮竹が聞くと、前々からその友人に想いを寄せていた女子生徒の寮が、ベッドが空いているらしく、しばらくそこで泊まるという。
浮竹は安堵した。京楽が、ふとした違和感に気づく。
あの友人の、名前が出てこないのだ。
「ねぇ。あの子の名前、なんだっけ」
「え・・・・・」
浮竹も、首を捻る。
「確か・・・・あれ?なんで、出てこないんだろう」
二人は首を捻った。
でも、その時はただそれだけであった。
海燕と浮竹が入れ替わった件
「あいたたた」
「痛い」
海燕と浮竹は、互いの頭をぶつけた。
そして、目の前に自分がいるのを見て、悲鳴をあげた。
「ななななな、なんで俺が目の前に!?」
「なんで俺がいるんだ!」
互いに、互いを見つめあう。
「「え」」
「中身、浮竹隊長なんですか?」
「そうだぞ。そういう俺の中身は海燕なのか?」
「そうです」
「前にも京楽とぶつかって中身が入れ替わったことがあったからな・・・・しばらくしたら、元に戻るらしい。じゃ、そういうことで。ふははははは、元気な副官の体だーー」
「あ、隊長!・・・ふらふらする・・・頭痛いし眩暈もするし熱あるな、これ・・・」
海燕の体は浮竹のものだ。仕方なく、布団に入って眠った。
「浮竹、浮竹・・・・・・」
「んっ」
ふと目を覚ますと目の前に京楽がいた。
「よかった、熱はさがったようだね」
とても愛しそうな目で見られた。
「京楽隊長!」
「え、何言ってるんだい、浮竹。ははん、何か面白いことを思いついたんだね。でも、僕は」
京楽にキスされて、海燕は混乱した。
「やめろ、このもじゃもじゃの猿髭!」
「浮竹、酷いな」
抱き締められて、押し倒される。
うわぁ、やばいやばい。
このまま犯されるとか、耐えられない。
「京楽隊長、俺は海燕です!浮竹隊長と頭をぶつけて入れ替わったんです!」
「はぁ、浮竹、そんな設定なの?」
「おい、信じろこの髭もじゃ!まじなんだよ!」
じたばたもがく浮竹こと海燕に、京楽も異変を察知したのか、貪ることをやめた。
いつの間にか死覇装の襟元を大きくあけられて、首筋にはキスマークまで残されていた。
「このまま犯されるとか、冗談じゃないぞ。おい、京楽隊長!」
「まじなの?」
「何が」
「中身が海燕君って」
「まじっていってるでしょう」
「うわぁ。浮竹が相手と思ってた。浮竹の体でも、気持ち悪い」
「そりゃこっちの台詞です!その気もないのに、同じ男に抱かれそうになったんですよ!心中少しは察してください!」
「で、浮竹は・・・・君の体は、どこにいったの?」
きょろきょろと室内を見回しても、浮竹はいなかった。
「なんか、副官の元気な身体だとかいって飛び出していきました」
とても楽しそうに出て行った浮竹を思い出す。
「浮竹のことだ、きっと甘味屋にでも・・・・立てるかい?」
「なんとか」
「瞬歩は使えそうかい?」
「それもなんとか」
体は悲鳴をあげかけていたが、自分の体がどうなっているのかの危機なのだ。
少しばかりの不調は、大目に見る。
「壬生の甘味屋まで、瞬歩でついていけそうかい?」
「いけます」
「じゃあ、行くよ」
雨乾堂を出て、京楽が瞬歩を使った。その速度に驚きながらも、海燕も瞬歩を使う。
壬生の甘味屋で、やっぱり浮竹・・・・こと、海燕の体がいた。
白玉餡蜜をゆっくりゆっくり食べている。
いつもは味わっているのかもわからない速度でぺろりと平らげてしまうのだが、体が海燕のせいか、きっと満腹感を味わっているのだろう。
「2名様ですか?」
「いや、ちょっと奥の人物に用があるだけだから」
「店内での争いごとは困ります!」
そういう女性の給仕係を無視して、海燕の体の浮竹のところにくると、京楽はどす黒く微笑んだ。
「浮竹~~~?」
「え、京楽!?なんだ、もうばれてしまったのか。つまらないなぁ」
「浮竹、君が海燕君と入れ替わったなんて分からなくて、いつも通りに君に接するみたいにしちゃったじゃない」
「じゃあ、ここで白玉餡蜜でも食べていけ。この体、白玉餡蜜の前におはぎ4個くったら、もう入らない・・・・・」
「浮竹隊長、何人の体で甘味物限界まで食べようとしてるんですか!」
「そうなんだ、海燕。この体、元気で健康なのはいいけど、甘味物をあまり食べれない・・・入れ替わった意味、あんまりなかった」
白玉餡蜜を何とか平らげて、勘定を払おうとする。
「ちょ、何、人の財布で勝手に払おうとしてるんですか!」
「だって、お前の体だから、お前の財布しかもってない」
「京楽隊長」
「はいはい」
京楽が、勘定を支払ってくれた。
「二人とも、戻るよ。入れ替わるまで、大人しく雨乾堂で謹慎処分だ」
「えー。なぁ、京楽」
海燕の姿で、京楽をいつもの仕草で落とそうするが、しょせん海燕なのできもいと感じただけだった。
「きもいからやめてください、浮竹隊長」
「ふむ。海燕はきもいのか。俺は自分でいうのもなんだが、見た目はいいな」
「確かに、浮竹隊長の体は見た目はいいけど・・・・中身がらりってますからね」
「お前、上官をそんな目で見てたのか!」
「入れ変わったのに、やっほいと喜んで飛び出していくようなバカは、隊長にいらないです」
「酷い」
そう言ったのは、浮竹だった。
「あれ?」
「あ」
「元に戻ってますね」
「本当だ・・・・まぁ、このほうがしっくりくるな。あ、そこのお姉さん、白玉餡蜜3人前」
給仕係の女性を呼んで、そう注文すると、オーダーが通った。
「浮竹隊長、俺は食べませんよ」
「僕もだよ」
「何言ってるんだ、俺が全部食べるに決まっているだろう」
二人ともがっくりとなった。
海燕は、この上官は・・・・と思い、京楽は、この子は・・・・・と思った。
「お前たちも何か食べるか?」
「俺はもうおなかいっぱいなのでいいです」
「じゃあ、僕も白玉餡蜜1人前を」
3人前もってきた女性に、注文する。
「浮竹、後で高くつくからね」
「な、なんのことだ」
「海燕君を君と思い込んで、押し倒した」
「うわー。そりゃ海燕、災難だったな」
「本当ですよ。こんなもじゃひげ隊長に操奪われかけるなんて、死んだほうがましです」
「そこまで言う!?」
海燕の京楽なんて・・・・・という考え方は、いったりきたりを繰り返している。
いいことをしてくれたり、気分のいいときは、京楽に感謝するが、手を煩わせたり、気分の悪い時は、京楽なんて、と思った。
「まぁ、海燕も今日のことは事故だと思って忘れろ」
「当分無理です。悪夢として夢に出てきそう」
「まぁ、今回損をしたのは海燕と京楽だし、俺は平気なのでよしとしよう」
不敬だとは知りつつも、メニューの紙を丸めたもので、浮竹の頭をスパーンと海燕は殴った。
「何をする」
「京楽隊長、俺が許可します。浮竹隊長が熱でるまでしても構いませんよ」
「おい、海燕」
「そういうことなら」
京楽が、出された白玉餡蜜を平らげてから、浮竹の体を肩に抱き上げた。にやりと、人の悪い笑みを浮かべる二人に、浮竹はすまないと謝ったのだが、もう遅かったのであった。
海燕の誕生日
ふと、カレンダーを見て浮竹が思案する。
「どうしたの、浮竹」
京楽が、背後から浮竹の腰を抱いて、自分のほうに引き寄せる。
「いや、今日は海燕の誕生日なんだ。すっかり忘れていた」
「海燕君の誕生日か」
京楽が、浮竹を抱き寄せながら、こう言った。
「何か、好物でもあげればいいんじゃないかい」
「海燕は・・・・・俺と似ていて、おはぎが好物なんだよな」
「壬生の甘味屋まで、買いに行くかい?」
「そうだな、行こうか」
抱き締められて、キスをした。浅く深く・・・・何度か口づけあって、離れた。
「そうと決まれば、行くぞ」
京楽を伴って、雨乾堂を出る。
「どうしたんですか、隊長、京楽隊長」
途中で隊舎から出てきた海燕にあって、浮竹が焦った。
「なななななな、なんでもないぞ」
「浮竹、落ち着いて」
手を握りしめられて、幾分落ち着いた浮竹が声を出す。
「何、ちょっと甘味屋まで食べに行くだけだ」
「夕餉、入るようにちゃんと少しは空腹を抱えてきてくださいね」
そう言われなくても、甘味物をたくさん平らげても、普通に夕餉は食べるのだが。
「分かっている、海燕」
「そうそう、今日も京楽隊長はお泊りですよね?いい加減、たまには8番隊の隊首室か自分の屋敷で寝たらどうですか」
「浮竹を持って帰っていいなら」
「普通に泊まりでいいです」
前言を撤回する海燕。
この男は・・・・そう思いながら、上官の大切な想い人なので無碍にできない。
何も、京楽が嫌いなわけではない。でもここ数日毎日のように泊まる京楽に、少し嫌気がさしているのも事実だ。
自分の上官を、まるで自分のもののように扱うから。
まぁ、でもそれを浮竹も望んでいるのだから、何も言えないのだが。
13番隊の姑として名高い海燕にしてみれば、京楽がくるのは毎日じゃなくてもいいと思うのだ。
「行こう、京楽」
「そうだね」
これ見よがしに、手を繋いでいるところを見せつけられる。
海燕は、軽いため息をついた。
「海燕、どうしたんだろう。あんまり元気がなかったな」
「んー。多分、僕のせいだろうね」
「何かしたのか、京楽?」
「いやー。ここ最近毎日泊まってるから。身の回りの世話とかに、嫌気がさしたんじゃないかなーと思って」
「海燕は、俺の世話で文句を言ったことはないぞ」
「そりゃ君の副官だからね。僕の分まで朝餉やら昼餉に夕餉・・・布団をしいたりたたんだり。洗濯物を洗ったり・・・・まぁ、大変なんだろうね」
「京楽も、たまには8番隊の執務室で仕事しろよ?」
「ああ、今度ね」
最近、いつも仕事を雨乾堂にもちこんで、こなす京楽は、ここ最近雨乾堂に入り浸っていた。
小うるさい、8番隊の姑こと七緒が、最近里帰りしていていないのだ。それをいいことに、雨乾堂に毎日のように泊まりにきていた。
それも、そろそろ終わりかな。
京楽も思う。これ以上、海燕を刺激するわけにもいかない。
一度、熱を出してしまった浮竹に手を出して、熱が高くなり症状を悪化させてしまったことがあるのだが、その時の海燕の怒りようったら、ほんとに般若のようで、しばらく雨乾堂にいくこともなくなったほどだ。
般若になる前に、そろそろ8番隊に戻ろうか。そう思った。
壬生の甘味屋についた。海燕のおはぎを買いに来たはずなのだが、何故か浮竹がおはぎを注文して食べていた。他にも白玉餡蜜やらお汁粉やらぜんざいやらを頼んで、3人前はぺろりと平らげた。
「おはぎを10こ。持ち帰りで」
勘定は、持ち帰りのおはぎが浮竹もちで、それ以外が京楽もちだった。
いつもは全てが京楽もちになっていて、それが当たり前になっているので、何も言わなかったのだが、珍しく自分で金を払う浮竹に声をかける。
「僕が払っても、いいんだよ」
「俺の副官への誕生日プレゼントなんだ。これくらい、俺が出す。大した額じゃないしな」
壬生の甘味屋は、確かに高くはないが、決して安いとはいえなった。
まぁ京楽もおはぎを10個買うくらいの金はもっていて当たり前なのだが。
家族への仕送りと、薬代でかなり金がとんでいくが、たまに飲食に使う金くらいはあった。
普段の食事は、隊がもつので、そこからひかれていくので浮竹の負担はない。ただ、放置しておけば、焼き魚に漬物、汁物、ご飯程度になってしまう食事を、京楽が金を出して改善させていた。
「よし、帰るぞ」
おはぎを10個入ったパックを鞄にしまいこんで、それを背名に背負う。
また、行き道と同じように、手を繋いで帰り道を歩く。
「きゃあっ」
「浮竹隊長と京楽隊長よっ、かわいい手を繋いでる」
たまに、すれ違う女性死神から黄色い声をもらう。
京楽は、そんな女性死神にひらひらと手を振った。
それに、浮竹がむすっとなる。
「京楽は、サービス精神旺盛だな」
「そんなことはないよ。ただ手の平をふるだけだだよ」
「ふん」
気分を害したらしい浮竹を抱き寄せて、往来で口づけた。
「きゃああ!」
女性死神たちの黄色い声が高くなる。
「きょ、京楽」
浮竹も、流石に顔を真っ赤にした。
「僕には、浮竹だけだから。女性死神に嫉妬なんてする必要はないんだよ」
「恥ずかしい奴だな!ほら、帰るぞ!」
恥ずかしいといいながらも、また手を繋ぐ。
そんな浮竹にほっこりしながらも、京楽も歩き出した。
雨乾堂について、浮竹が海燕を呼ぶ。
「どうしたんですか、用があるって」
「ハッピーバースディ。誕生日おめでとう、海燕」
「え?」
「これは俺からの贈り物だ」
壬生のおはぎを海燕に渡すと、海燕は嬉しそうにしながらも、声を出す。
「俺の誕生日、明日ですよ」
「ええっ!今日は10月27日じゃ。金曜日だし・・・」
「今日は木曜ですよ」
カレンダーを見たら、9月のになっていた。
「このカレンダーめ!」
浮竹が、カレンダーの9月を破ってぐしゃぐしゃにして、足で踏みつけていた。
カレンダーに八つ当たりする浮竹が可愛くて、京楽も海燕もほっこりしながら見ていた。
「1日早いですけど、誕生日祝ってくれてありがとうございます。これ、おはぎですよね?」
「そうだぞ。壬生のやつだ」
「あそこのおはぎ、一番好きです」
海燕は、おはぎの入ったパックを手に、隊舎に下がって行った。
「ああ、1日違いなんて・・・・俺も、ボケが始まったかな」
「たまには、そんな間違いもあるよ」
京楽が、浮竹の頭を撫でた。
「今日で、お泊りは一度終わりにするよ」
「そうなのか?」
「うん。海燕君に負担かけてるし、七緒ちゃんも戻ってくるから、執務室で仕事しろって口うるさく言われそう」
「なんか、あれだな。8番隊の姑ってかんじ。海燕が13番隊の姑で」
「ははははは」
まさにその通りだった。
「まぁ、七緒ちゃんも好きで姑みたいになったわけじゃあないけどね。僕がのらりくらり、ふらふらしているから、七緒ちゃんがしっかりしないと、8番隊の示しがつかないからね」
「そうだなー。俺も臥せっている時以外で、京楽が来ない時は、日番谷隊長のところやら白哉のところにやらふらふらと行ってしまうから」
「お互い、口うるさいけどできた副官をもったものだね」
「そうだな」
その日、泊まりの最後だからと体を重ねあっていると、まだ消灯時刻ではないの海燕がやってきて、あわわわとなった。
「ちょ、俺がくるかもしれない時刻におっぱじめるの、勘弁してください!」
「海燕、今日のことは忘れろ・・・・んあっ」
「僕は、海燕君が見ていると逆に燃えちゃうなぁ」
「この変態がっ」
海燕は、真っ赤になって出て行った。
京楽は、やっぱり好きじゃないかもしれない。
そう思う海燕だった。
酔っ払いと現世での虚退治
「浮竹、足にきてるから。ほら、肩かすから歩いて」
「京楽のあほー。お前のせいで、俺の人生設計が滅茶苦茶だー」
「なんで僕のせい・・・・・」
「お前が変態で、俺のことを好きだからだ」
「ああ、確かに僕のせいだね」
京楽を半分抱えた状態になりながら、夜道を歩く。
今日は、飲み会があった。合同のコンパだった。浮竹と京楽は女子に興味はないだろうが、連れて行けば女子が黄色い声をあげて喜ぶので、ほぼ無理やり参加させられた。
やはり浮竹にしか興味を示さぬ京楽が、あれやこれやと浮竹の世話を焼く様子に、女子たちははしゃいで、結果的に誰か男とくっついて帰っていって、コンパは無事成功した。
送っていく女子もいないので、浮竹を送る京楽。
といっても、京楽は浮竹専門だが。
京楽は瞬歩を使えるが、まだ未熟で中途半端なため、体に負荷をかける。だから、よほどのことがない限り、瞬歩は使わないことにしていた。
千鳥足で歩く浮竹を支えながら歩くのにも、限界があった。
「ああもう、抱いていくよ」
その軽い体を横抱きにして歩いていく。こっちのほうが疲れないし、楽だ。
鍛錬を怠っていない京楽の体躯はでかく、筋肉ももりもりだ。それに対して、浮竹は鍛え上げても薄くしなやかな筋肉がつくだけで、細い。おまけに食も細いし、よく熱を出したり肺の病で臥せってろくに食事もとれないこともある。
浮竹の体重なんて、京楽の3分の2あるかないかだった。
それを浮竹はとても気にしていて、京楽の体を見ては、いいなと言う、
京楽からしてみれば、今のままの浮竹がいいので、筋肉もりもりにはなってほしくなかった。
どこか中性的な浮竹が好きなのだ。
背丈はあるのが、容姿のせいで、私服の時はよく女に間違われた。
院内では、男にまで告白されるという。京楽が睨みを効かせてから大分減ったが、それでも浮竹に邪な思いをもつ男は後を絶たない。
3回生も、もうすぐ終わりだ。
冬も終わりに近づいていた。
桜の花が咲く季節には、4回生になる。
この頃の学院は、飛び級をしていなかったので、成績のいい浮竹も京楽も、しっかりと6回生まで生徒として在席していた。
寮の自室につくと、浮竹をベッドの上に寝かせた。
「お前も、一緒に寝ろ」
ぽいぽいと衣服を脱いで、襦袢姿になった浮竹が誘ってくる。それに応える京楽。同じようにぽいぽいと衣服を脱いで、こっちは全裸になった。
最近、ちょっと露出璧が出てきたので、裸でいても平気だった。
「むちゅー」
「やっ」
たこのようにキスを求める京楽にビンタが炸裂した。
「普通に、しろ」
普通にキスをすると、浮竹はそれに応えた。舌と舌を絡ませなあいながら、深く、そして浅くキスを繰り返していると、浮竹は寝てしまった。
「ちぇっ」
もうちょっと、イチャイチャラブラブしたかったが、浮竹が酔って甘えてくることはたまにあるので、今度の機会になる。
そのまま、浮竹のベッドの上で一緒に丸くなって眠った。
朝になって。
「このドヘンタイ!何、人のベッドで全裸で寝てやがる!」
浮竹が怒って、京楽の尻を蹴った。
「もぎゃ!」
「パンツくらいはけ!」
京楽の脱ぎ散らかした、勝負パンツを投げてよこすと、京楽はしぶしぶパンツを身に着けた。
「これはね、浮竹が酔って・・・・」
「俺が酔って、お前を一緒のベッドで眠ろうと誘うことはあるかもしれない。でも、裸になれとは、酔っていても絶対に言わない!」
「解放感あるよ?」
「俺に裸になれと言っているのか?」
「うん」
「ごめんこうむる!」
京楽の尻を、また蹴り上げる。
「きゃいん!」
「この駄犬が!服を着ろ!」
そういう浮竹も、襦袢姿だったので、下着を変えて新しい院生の服を身にまとう。
洗いものにいれた浮竹の下着を、京楽が盗もうとするので、股間を蹴り上げておいた。
登校の時間になり、京楽も真面目になって・・・・いや、大分にまついているが・・まぁ、なんとか学院まで登校して、授業を受けた。
次の日は、現世での虚退治だった。
すでに、尸魂界で2つしかないと言われている二対一刀の斬魄刀をもつ二人は、ペアになって虚を駆逐していく。
そのスピードはすさまじく、撒きえで呼ばれた虚の80%までを二人が退治してしまった。
「京楽、浮竹はそこまで!これ以上虚を退治されては、他の生徒の授業にならん」
「つまんないの」
「仕方ないだろう」
ふと、空を見る。
黒腔(ガルガンタ)があき、大虚(メノスグランデ)が顔を覗かせた。
「生徒たちは至急、尸魂界へ戻れ!こちら現世、大虚が現れた、至急、援助にこられたし!」
「あれ、やっちゃう?」
「そうだな」:
違いの斬魄刀を始解して、大虚に切りかかる。
大虚は、理解できないおたけびをあげて、塵となった。
「浮竹、京楽・・・・・・ここまで成長したか」
引率の教師が、舌を巻いた。
すでに、護廷13隊の席官入りは間違いなしとされていて、山本元柳斎重國の愛弟子であり、秘蔵っ子。
二人の身柄を確保すべく、すでに13隊の間で苛烈なとりあい合戦が繰り広げられているという。
4番隊はなしとしても、残りの12隊でのとりあいだ。
「けが人がいないな!?」
「いません」
浮竹が、周囲にいる進学クラスの仲間をみて、そう答えた。
「では、これより尸魂界に帰還する!」
穿界門が開かれる。
京楽は、浮竹の腕をひいて、穿界門から遠ざけた。
「何をする、京楽!」
大虚のがでたせいで、他の普通の虚たちが集まってきていた。まだ教師は気づかないほど遠くだが、浮竹と京楽は感知した。
「先生、大量の虚がこちらにむかっています。退治して帰りますね」
「おい、浮竹、京楽!」
教師も、穿界門に入った後だった。
「暴れますか」
「ああ、たまには死を抱えた戦いをしようじゃないか」
互いに背をあわせて、遅いかかってくる虚を切りすてていく。
その数、50、60、70・・・・・。
100ほど数えたあたりで、虚はいなくなってしまった。
「暴れたりない」
「同じく」
大地に降りて、抱き締めあう。
貪るように、口づけを繰り返した。
虚の返り血で真っ赤になった浮竹の白い髪を手にとり、口づける。
そのまま、互いの体を少しだけまさぐりあって、そこで終わった、
「物足りないよ・・・・」
「ここまでだ。我慢しろ」
「うん」
体の全てを許したわけではないので、そこで終わりだった。
迎えの教師が、遅れてやってくる。血だらけの二人を見て、血相を変えるが、無事なのを見て安堵した。
「浮竹、京楽、今回のようなことは今後慎むように」
「はい」
「すみません」
形だけの謝罪を口にする。例え教師でも、あの数の虚は駆逐できないだろう。
それを知っているので、あえて汚れ役を引き受けた二人であった。
浮竹と京楽と海燕と
「しっかりしてください、隊長!」
飲み屋で、浮竹と海燕は飲んでいた。強い酒を頼んだつもりはなかったが、深夜まで飲み明かして、浮竹は酔っぱらってしまった。
浮竹は、酔っぱらうと笑い上戸になって、饒舌になる。そして、いきなり寝だす。
「ちょっと、ほんとにこんなところで寝ないでくださいよ」
「海燕お前も結婚したらどうだ。都といい関係なんだろう。結婚しろ結婚してしまえ。そして子供が生まれたら俺が名付け親になるんだ。あはははははは」
支えていた体重が、ずしりと重くなる。
「ZZZZ・・・・・・」
「もう、勘弁してくださいよ!」
海燕は辟易とした声をあげた。
このままでは移動できないので、悪いとは思いながらも、その体を横抱きにして、瞬歩で雨乾堂まで帰った。
「何してるの、海燕君」
待っていた京楽が、少し棘のある声をだした。
「ああ、京楽隊長。浮竹隊長が酔っぱらって・・・・・・」
「かしてごらん」
浮竹は、大の大人にしては体重は軽いほうであろうが、それでも海燕には重かった。その体重をひょいっと軽く、京楽は持ち上げた。
鍛錬の仕方が違う。そう思わされた。
「浮竹、起きて、浮竹」
「ん~?京楽か・・・なんだ、なんの用だ」
「まだ、肺の薬飲んでないでしょ」
そういえば、そうだった。
いつも、夕餉と一緒に肺の薬を出すのだ、今日は夕方から飲み屋で食事をしながら酒を飲んでいた。
海燕が、肺の薬を出してくる。
「苦いからいやだ」
「そう言わないの」
「いーやーだー」
「水を」
「はい」
京楽に水の入ったコップを渡すと、京楽はそれを肺の薬と一緒に口にした。
「え、京楽隊長!?」
浮竹に、口移しで飲ませる光景を、見ていた。
二人ができているのは知っているが、こうまで隠すこともなく口移しで飲ませるものなのだと思った。
「服を」
「あ、はい」
浮竹の体調羽織と死覇装を脱がせて、室内用のゆったりとした着物を着せる。
それから布団をしいて、浮竹を横にさせると、毛布と布団を被せた。
「京楽も、一緒に寝よう」
まだ酔っているが、素面でも同じことを言うだろう、浮竹は。
ぽんぽんと、自分の隣を叩く浮竹に、仕方ないなと、笠と女ものの打掛と体調羽織を脱いで、横になる。
「京楽の匂いがする・・・・・」
浮竹は、京楽にすり寄った。
「見ていても楽しいものじゃないでしょ」
「はぁ。でも、隊長の甘える姿見るのけっこうはじめてに近いんで、けっこう面白いです」
「君も、人が悪いね」
「そういう京楽隊長も、俺がいなければ浮竹隊長に手を出してたでしょう」
「そうでもないよ。浮竹が僕に甘えてくるのは酔ってる時か高熱にうなされている時くらいだから、それを楽しむことだってある」
「どっちにしろ、京楽隊長も人が悪いです」
はぁと、短いため息をついて、海燕は雨乾堂を後にした。
翌日。
ぷんぷんと怒っている浮竹の姿があった。
その先には、目に痣を作った京楽の姿。
「だから、違うっていってるじゃない。寝込みを襲ったんじゃなくって、君が一緒に寝ようと甘えだしたから、一緒に寝たんだよ」
「だったら、なんで普段用の着物がこんなに乱れているんだ!」
「それは君が暑いとかいって脱ぎだしたんだよ」
「記憶にない」
「そりゃ、酔っぱらってたからね」
ぎゃあぎゃあ言い争いあう二人を見ているのも楽しいが、流石に京楽隊長が可愛そうになって、助け舟を出す。
「隊長は、昨日俺としこたま飲んで寄っぱらって、京楽隊長に一緒に寝ようっていってるシーンをバッチリ見ました」
「海燕に見られているのに、俺はそんなことを言ったのか」
「いや、今更でしょう。隊長たち、俺がいてもおっぱじめるくらいだし」
かっと、浮竹が朱くなる。
「そ、そんなことあったのか?」
「ありました。過去に3回くらい」
「そんなバカな・・・・」
「俺の存在を空気として扱ってましたから」
「京楽、海燕がいる前では手を出してくるなよ!」
「それは約束できないなぁ」
人の悪い笑みを浮かべる京楽。くつくつと、笑む。
「京楽のあほ!」
浮竹は、その華奢な身体にどこにこんな力があるかのかって勢いで、京楽の脛を蹴った。
「あいた!!もう、浮竹、蹴るのはなしにしてよ!君の蹴り、結構痛いんだからね!」
「べーだっ」
浮竹は、たまに子供っぽいところがある。まぁ、そこが可愛いのだが。
と、上司を可愛いと思ってしまう自分もどうなのだろうかと、海燕は思った。
何はともあれ、昨日の棘のあった京楽は怖かった。
浮竹のことになると、飄々とした雰囲気が霧散して、真剣になる。
もしも、海燕が仮にだとしても、浮竹に手を出せば、京楽は海燕を切り捨てるだろう。そう思わせるほどに、剣呑な京楽がいることも確かだ。
今の関係が、一番心地よい。
京楽とできている浮竹を支えて、身の回りの世話や仕事をしたりして、上官である浮竹だけでなく、京楽と3人で過ごす時間が。
いつか、昨日いっていたように、所帯をもって子供ができたら、浮竹に名付け親になってもらおう。
そう思う海燕がいた。
新婚旅行と白哉
正確にはルキアと一護の新婚旅行なのだが、なぜか白哉もついてきていた。ルキアの我儘でもあった。それを許した一護は、けっこう寛大だと死神仲間は思うのだが、白哉は当たり前と感じているらしかった。
「ここが大阪だ」
「わぁ、人がいっぱいだな!」
「食い倒れとかいって、ここらの・・・ほら、あのカニのやつとか、すごいだろ」
カニ道楽の動く看板に、ルキアも白哉も、ぽかんとしていた。
「あのカニは本物なのか?随分巨大だが・・・・・」
「あほか。ただの宣伝用の看板だ。かに道楽っていうんだ」
「カニ大使・・・・・」
白哉に至っては、思考が違う領域にいっていた。
「どうでもいいから、中に入るぞ。ちょうど昼食時だ」
かに道楽というだけあって、カニのメニューが揃っていた。値段もそんなに驚くほど高くはなく、手頃な場所というイメージだった。
「ふむ、なかなかの美味だ。しかし、現世のカニは安いのだな」
「そりゃ、海のない尸魂界でカニ食うのに比べたたら安上がりだろうぜ」
「ふむ、悪くない。カニ大使・・・カニを使った菓子ではないカニ大使・・・・」
「白哉、悪いことはいわねぇから、カニ大使はやめとけ」
何故知ってるという顔をされた。
「兄様のカニ大使!ぜひ見たいです!」
「ああ!ルキアも白哉に火をつけるのをやめろ!」
「ふふふふ・・・・カニ大使」
「とりあえず、放置して出ようか」
一護の腕を、がしっと白哉が掴んだ。
「試食第一号は、兄だ」
「ああああああ、もう、ルキアが火をつけるから!」
「え、私のせいなのか?一護も食べたくないか、兄様のカニ大使」
「全然食いたくねぇ!」
外にでて、道頓堀を散策する。
「あそこが、日本一うまいらしい、銀だこ。たこ焼きの店だ」
「ほう、買ってくる!」
「おい、さっき昼食食べたばっかだろ!」
「一人分を3人で分ければよかろう!」
「それもそうか・・・・・」
地方によって考え方は変わるが、たこ焼きは間食のイメージだった。
ルキアが、12個入りのたこ焼きを買ってきた。爪楊枝が、3本あった。
「立ったままはなんだから、あそこに座って食べようぜ」
近くの雑居ビルの階段を指さすと、白哉はあからさまに嫌そうな顔をした。、
「あのような、貧乏くさいところで・・・・ここで立ちながら食したほうがましだ」
そう言って、立ながらルキアがもっているたこ焼きから、爪楊枝で器用にたこ焼きをとって口にいれる。
「たこ焼き大使・・・・・・・」
「もう、つっこまないからな!」
「兄様、たこ焼き大使も美味しそうですね!」
「だから、ルキアは白哉に火をつけるよな真似はやめろ。今の白哉は油なんだ。火をつけたら、燃え上がる」
「大阪か。よいところだな。カニ大使にたこ焼き大使・・・・・」
「そういう問題かよ」
道頓堀で、ナンパで有名な橋を渡ると、ルキアが他の人間の男に声をかけられた。
「そこのかわいいこ、俺とお茶しない・・・・・ひいっ」
ごごごごごご。
その背後に修羅の面を被った一護と、殺気を漲らせた白哉。
何度かルキアは声をかけられていたが、結局全員一護と白哉の顔を見て逃げ出した。
「なんなのであろうな?」
「なんぱだよ」
「なんぱ?なんだそれは」
「異性に、声をかけること。無論下心ありありで」
「なっ」
かっと、ルキアの頬が朱くなる。
「そのような不埒な輩、切り捨ててくれる」
「白哉、現世に新婚旅行に行くにあたって、斬魄刀は置いてきたからな」
「む、そうであった・・・ならば鬼道で」
「やめろやめろ。なんの罪もない一般市民だぞ」
「それもそうであったな・・・」
ルキアのことになると、性格が攻撃的になるのは、勘違いではなさそうだった。
「これが道頓堀川。汚くて臭い川だけど、阪神とかいう野球の球団が優勝すると飛び込むばかがいる」
「野球?」
白哉が首を傾げる。
「ああ、もう説明めんどいから簡単にな。野球っていう、スポーツがあるんだよ。それをしながら、グループごとで争って、一番になったやつが優勝な」
「蹴鞠のようなものか?」
「それはサッカーだろ」
「私は野球もサッカーも知っているぞ!」
自慢げなルキアであったが、ただ単に現世にいた時間が長かったからに他ならない。
その日は道頓堀でも有名な飲み屋で夕食をとって、夜のうちに淡路島に移動し、温泉街で宿をとった。
「間違ってる!絶対に間違ってる!」
一護が、そう叫んでいた。
部屋を2つとったのはいいが、一護と白哉が同室になったのだ。
ルキアはどう見ても未成年で、まだ十代半ばに見えるせいもあり、一人部屋を与えられたのだ。
「何処へ行く」
「ルキアの部屋だよ。白哉と同室なんて、ストレスで胃に穴が空く!」
「婚姻まで待つことができたのだし、新婚だし・・・仕方ない、許可しよう」
「誰も白哉の許可なんていらねーよ!俺の自由意思だ」
一護は、結局ルキアの部屋に泊まった。
新婚旅行というだけあって、逢瀬をした。
次の日は、その温泉宿でだらだらした。
白哉は何度も温泉に入っていた。温泉が好きなようだ。
一護はつまらないと思いながらも、ルキアといちゃいちゃできたので満足だった。
「ルキア、好きだせ」
「私もだ、一護・・・」
白哉が温泉に入っている間、二人の時間を大切に使った。
「夕食の時間だ。行こうぜ」
夕食は、またカニだった。
昨日食べたばかりなので、少し辟易とするが、美味いことには変わらなかった。
そのまま、その夜もルキアの部屋で泊まった。その日は、ただ一緒の布団で寝るだけだった。
次の日は、触れ合い動物園に行った。
「かわいいな・・・・・」
ルキアが、100円玉をいれて、カットされた人参の入ったボール玉を買う。
その人参をモルモットやうさぎにあげていた。
「うさぎのソテー・・・・」
「おい白哉、ここのうさぎがいっとくが、愛玩用だからな。とって食おうなどとするなよ」
「うさぎのシチュー・・・・・」
「だから白哉・・・・・ああもう、妄想は好きなだけしてくれ」
「うさぎ大使・・・・・」
「ちょ、待て!また大使かよ!?」
カニ大使にたこ焼き大使に、次はうさぎ大使。なんでも大使にすればいいってもんじゃないとくどくど口にすると、白哉は一護を無視しだした。
「無視かよ!」
「ルキア、私にも人参を」
「はい、兄様。人参を食すのですね?」
「違うだろ、ルキア。人参で餌やりたいんだろ」
「おっと、私としたことが。ごめんなさい、兄様」
人参の入ったボール玉を渡すと、面白いほどにわらわらとうさぎやモルモットが寄ってきた。
「ふむ・・・術の効果はあるようだ」
「術!?なんか変な鬼道でも使ったのか!?」
白哉は、全部の人参をやり終えた。わらわら集まっていたうさぎもモルモットも去っていく。
「ねぇ、あの人かっこよくない?」
「ほんと、かっこいい・・・・美人」
女性客がざわざわと、白哉を見て騒ぎ出す。モルモットやうさぎがいっぺんに集まったせいで、女性客の視線が集中していたのだ。
その白哉を隠すように、次のコーナーに移動する。
犬猫コーナーだった。
「もふもふだぞ!」
さっきのうさぎとモルモットコーナーでは抱き上げてはいけなかったので、自由に抱き上げれるその場所で、ルキアは思う存分猫をもふもふしていた。
「くー犬も捨てがたい」
次は犬をもふもしだした。
白哉は、恐らく血統書つきであろうシャム猫を抱きかかえていた。
「白哉も動物好きなのか・・・・・意外だな」
「猫鍋・・・・・」
「え!?」
さすがの一護も、猫鍋は聞き捨てにできなかった。
「おい、白哉、お前は尸魂界で猫を鍋にして食うのかよ!?」
「違う。子猫を鍋の中にいれて、蓋をあけたらふわふわと出てくる様はかわいいだろうと思って」
「なんだ、そういう意味か」
一護はほっとした。
まさか、貴族は猫を食べるのが当たり前とか言われたらどうしようと思っていた。
「黒猫は嫌いだ。夜一を思い出す」
「へー、白哉は夜一さんのことが苦手なのか」
「兄様、尸魂界に戻ったら、猫を飼いませんか!?」
「思案しておく」
「やった!」
まだ飼うと決まったわけではないが、ルキアの我儘は大抵聞き入れる白哉のことだ。きっと、猫を飼いだすに違いない。
次のコーナーにいくと、カンガルー、ワラビー、羊にアルパカだった。
それらに餌をやって、温泉街に戻る前に牧場を訪れた。
そこの牛の臭さに辟易となり、酪農家はすごいと、3人とも思った。
特別販売のミルクアイスを食して、温泉街に戻った。
その次の日は京都に2日、その次は奈良に2日。
まるで、中学生か高校生の修学旅行のような内容になったが、現世にあまりこない白哉は特に楽しんでいたようだし、修学旅行には結局いけずじまいだったルキアも楽しんでくれた。
現世での6泊7日の新婚旅行も終わった。
「楽しかったか、ルキア?」
「ああ、一生の思い出だ!」
「猫鍋・・・・・」
「白哉、怖いから猫鍋っていうのやめてくれ」
白哉も連れてきてよかったと思う一護であった。
尸魂界に戻ると、白哉は血統書つきのオッドアイの白猫の子猫を、ルキアに与えた。
「いいのですか、兄様!」
「思案するといっていただろう」
「嬉しい!大好きです、兄様!」
義妹に抱き着かれて、白哉は朱くなっておろおろしていた。
その様子が可愛かったので、一護は伝令神機で写メをとった。
白猫は、琥珀、と名付けられた。
ルキアは、家にいる間中琥珀に構っていて、一護を構ってくれないので、一護が琥珀を白哉の部屋に置いてきた。
「琥珀は?」
「たまには、夫の俺にも構ってくれよ」
「なんだ、一護、貴様琥珀に嫉妬しているのか?」
「そうだよ、悪いかよ」
「貴様もかわいいところがあるのだな」
ルキアが、一護に膝枕をした。
「ちゃんと貴様のことも思っておる」
触れるだけのキスをしてきた。ルキアからのキスは珍しいので、一護はすっかり機嫌を直した。
「琥珀、何故ここにいる?」
「にゃああ」
白哉は、琥珀を抱き上げた。
「そうか。兄も、あの二人の邪魔をするなと、弾かれたのか。私と一緒だな」
小さく微笑んで、琥珀を抱き締める白哉の姿があった。
結婚してもルキアのとりあい
一護は、朽木家の家紋の入った衣装で正装していた。
ルキアが、部屋に入ってくる。
広い1番隊の執務室で、婚礼をあげることになった。
白哉に付き添われて、白いウェディングドレスのルキアが、金糸銀糸の刺繍の麗しいウェディングベールをかぶりながら、やってくる。
美しかった。時を凍りつかせることができるなら、そうしたいと思ったほどだった。
やがて、ルキアは白哉から離れて、一護の隣にそっと立った。
この時のためにと、流魂街で最近やってきた元神父を雇い入れた。
「汝、朽木一護、あなたは病める時も健やかなる時も、朽木ルキアを伴侶とし、愛することを誓いますか?」
「誓います」
「汝、朽木ルキア、あなたは病める時も健やかなる時も、朽木一護を伴侶とし、愛することを誓いますか?」
「誓います」
結婚指輪を交換しあった。大前田の宝石店で買った、ピンクダイヤをあしらった指輪だった。
ルキアのウェディングヴェールを、そっとあげて、顔を露わにする。
「すげー綺麗だ、ルキア」
「ふふ、そういう一護もかっこいいぞ」
口づけを交わした。
「ひゅーひゅー」
「おめでとう」
「おめでとうございます」
全ての隊長副隊長が参加してくれた。
「ルキア、幸せに」
白哉は、この時ばかりは素直だった。
その後は祝賀会ということで、白哉が朽木家の料理人が作った料理を、立食会という形で振る舞った。酒も、高級酒を用意されてあった。
13番隊は、席官も訪れていて、仙太郎などは自分のことのように泣いていた。
ルキアは、ウェディングブーケをもっていた。
それを投げると、わざわざこの世界まできてくれた井上の手におちた。
「朽木さん、黒崎君とお幸せに!」
石田と茶虎もきていた。
「黒崎君が死んで、すごく悲しかったけど、死神として生きててくれて嬉しい」
井上は、泣きまくった。
自分の死後、現世にはいっていなかった。
死神として生きていると連絡を入れたのは最近だ。父親も双子の妹も、驚きながらも喜んでくれた。
井上は、動画を撮影していた。
一護の父親や双子の妹たちに見せるためだ。
一護は、笑ってルキアと並んで、酒を飲んだ。高級酒だけに、美味かった。
「ルキア、幸せになろうな?」
「ああ、一護」
二人は、キスをした。
「見せつけてくれるのう」
「夜一さんもきてたのか。浦原さんまで」
「いやー、黒崎さんが、まさか朽木さんになるなんて、思ってもみませんでした」
夜一の後ろから、砕蜂が顔をだして、夜一を式を挙げたいとだだをこねだしたが、夜一が頭をなでると、「ああ、夜一様・・・」といって、陶酔の世界に浸ってしまった。
やがて、式も終わり、二次回になった。場所は朽木邸。
朽木邸でも、御馳走と美酒が振る舞われる。入りきれなかった席官以外の平隊士も参加できるので、結婚式の時よりも人は多かった。
「さすがに、飲みすぎたか・・・・」
まだウェディングドレス姿のルキアの頬が朱くなっていた。
「大丈夫か、ルキア」
「少し、夜風に当たってくる」
「俺も行く」
二人きりになって、笑いあった。
「俺とお前が結婚するなんて、誰も思わなかっただろうな」
「そうであろうな。貴様は人間で死神ではなかったのだから。しかし、一度死んで死神になる死神代行など、聞いたこともない」
「まぁ、俺も18で死ぬなんて思ってなかったけど。あのまま現世にいたら、多分井上と結婚していた」
「私もだ。貴様が死神としてやってこなければ、多分恋次と結婚していたであろう」
お互い、あるべき運命を覆したのだ。
そのきっかけは、一護の現世での死だった。
普通、死は悲しいはずであるが、尸魂界に魂魄としてやってきた一護は、霊圧を保ったまま死神化できた。
そのままでも十分であったが、死神として尸魂界でやっていくために、わざわざ真央霊術院まで通い、ルキアの副官となった。
「これからもよろしくな、ルキア。今日の夜、いいか?」
「何をだ?」
「抱いていいかって聞いてるんだよ」
「なななななな、い、いいぞ・・・・・恥ずかしい!今、死ぬほど恥ずかしい」
「照れたルキアもかわいいな」
ルキアを抱き上げた。
もうそろそろ、二次回もおしまいだった。
人もまばらになった朽木邸で、ルキアを降ろす。
「行こう、ルキア」
「ああ」
朽木邸に入り、与えられた寝室で、互いに衣装を脱がしあった。
「愛してる、一護」
「俺も愛してる、ルキア」
婚礼と同時に、睦みあうことも許可されていた。
二人は何度も口づけあいながら、体を重ねた。
「ふあー」
次の日、寝坊した。
だが、念のために1週間は休暇をとっておいたので、一護は眠たい目をこすりながら、ルキアを起こす。
「ルキア、起きろ、朝だぞ」
「ん~。一護、もうキスはいい・・・むにゃむにゃ」
「おい、ルキア」
「はっ!白玉餡蜜は!?」
「なんの夢みてたんだ、お前」
「夢か・・・・一護が、白玉餡蜜の中にいて、キスばかりしてくる夢を見た」
「欲求不満か?」
「たわけ!ちちちち、違う!」
そっとルキアの顎に手をかけて、口づける。
「一護!」
「いいじゃねぇか。俺たち、新婚さんなんだ。甘ったるい雰囲気があってもいいと思う」
「そ、それもそうだな」
互いに下着姿であることに気づいて、朱くなりながらいつもの死覇装を着る。他にも服はあったが、着慣れたこの服が一番しっくりときた。
「遅いぞ、二人とも」
白哉が、何故かいた。
「なんで白哉がいやがんだ」
「ルキアの結婚とその後を見守るために、数日の休暇をとったまで」
「くそー、ルキアといちゃいちゃラブラブの計画が!」
遅めの朝餉の支度がされた。
今回は、一護も普通にメニューだった。数日続いた猫まんまじゃなくて、一護も安心した。
「そうだ、兄様。兄様と一護と私の3人で、現世に新婚旅行にいきませんか」
「ルキア、新婚旅行に兄は普通誘わない!」
「え、でも私は常に兄様のお傍にいたい・・・・・」
「白哉ぬきで、新婚旅行に行こう!」
「待て」
ぎくり。
「私も行く」
「兄様!」
ルキアが目を輝かせた。義兄連れの新婚旅行ってどうなんだよ・・・・そう思いながらも、嬉しそうなルキアの顔を曇らせたくなくて、一護もその条件を飲んだ。
「わーったよ。白哉も連れて行けばいいんだろ」
「一護、よいのだな?」
「二言はねーよ」
白哉が、二人を微笑ましそうに見る。
そんな白哉を見たのははじめてで、一護はぽかんとしていた。
「白哉、熱でもあるのか?」
額に手を当てるが、平熱だった。
「兄は・・・まぁいい。ルキアとの新婚生活に、なるべく邪魔はすまい」
「だったら、新婚旅行になんでついてくるんだよ」
「それはこれとは別だ」
「納得いかねぇ・・・・」
ばちばちと、視線で火花を散らしあう二人。
「ルキアは渡さねぇ!」
「それはこちらの台詞だ!」
結婚式をあげても、白哉は白哉であった。ルキアの傍からいなくなることはないのだろう。
一護は、それでも一応は新婚旅行になるので、仕方なしに白哉も連れて、大阪にでも食道楽あたりにでもいこうかなと、考えるのだった。